JP2017122622A - 状態推定装置、状態推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電素子がSOCの変化量に対するOCVの変化量が小さい領域を有する場合でも、SOCを高精度に推定する。【解決手段】SOCの変化量に対するOCVの変化量が相対的に低い低変化領域と相対的に高い高変化領域を有する蓄電素子の状態を推定する状態推定装置BMであって、前記蓄電素子31が前記高変化領域に属しているか判定する領域判定部60と、前記蓄電素子のSOCを推定するSOC推定部60とを備え、前記SOC推定部60は、前記蓄電素子31の電流値を積算する電流積算法により前記蓄電素子のSOCを推定し、前記蓄電素子31が高変化領域に属している場合、前記電流積算法により推定されるSOCを、前記蓄電素子の端子電圧の観測値と前記蓄電素子の内部状態を推定する推定モデルにより予測される端子電圧とに基づいて補正する補正処理を行う。【選択図】図6

Description

本発明は、SOCを推定する技術に関する。
従来から二次電池のSOCを推定する手法の一つに電流積算法がある。電流積算法は、電流センサの計測誤差が蓄積することから、電流積算が長期間継続すると、SOCの推定精度が低下する。下記特許文献1には、電流積算法により推定したSOCを、バッテリモデルとカルマンフィルタを用いて補正することにより、SOCの推定精度を向上させる点が記載されている。
特許5074830公報
ところで、蓄電素子には、リチウムイオン二次電池など、SOCの変化量に対するOCVの変化量が小さく、OCVが略一定となるプラトー領域を有する特性の素子がある。SOCの変化量に対するOCVの変化量が小さい領域を有する蓄電素子に対して、バッテリモデルとカルマンフィルタを用いた補正を適用すると、SOCの推定精度を低下させる恐れがあった。
また、電流積算法で推定したSOCを、バッテリモデルと適応デジタルフィルタで補正する場合も同様の問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、蓄電素子がSOCの変化量に対するOCVの変化量が小さい領域を有する場合でも、SOCを高精度に推定することを目的とする。
本明細書に開示する状態推定装置は、SOCの変化量に対するOCVの変化量が相対的に低い低変化領域と相対的に高い高変化領域を有する蓄電素子の状態を推定する状態推定装置であって、前記蓄電素子が前記高変化領域に属しているか判定する領域判定部と、前記蓄電素子の内部状態の一つであるSOCを推定するSOC推定部と、を備え、前記SOC推定部は、前記蓄電素子の電流を積算する電流積算法により前記蓄電素子のSOCを推定し、前記蓄電素子が高変化領域に属している場合、前記電流積算法により推定されるSOCを、前記蓄電素子の端子電圧の観測値と前記蓄電素子の内部状態を推定する推定モデルにより予測される端子電圧に基づいて補正する補正処理を行う。
本明細書に開示する状態推定装置は、蓄電素子がSOCの変化量に対するOCVの変化量が小さい領域を有する場合でも、SOCを高精度に推定することが出来る。
実施形態1において、電池パックの構成を示す概略図 二次電池のSOC−OCV相関特性を示すグラフ 状態空間モデルのブロック図 二次電池を模擬した回路モデルを示す回路図 カルマンフィルタによるSOCの推定方法の概要を示すフローチャート図 SOC推定処理の流れを示すフローチャート図 電池温度25℃で電池を充放電した時のSOCの時間的変化を示すグラフ 図7Aの高変化領域A3を拡大した図 電池温度25℃で電池を充放電した時のSOCの時間的変化を示すグラフ 各推定方法について真値に対するSOCの二乗平均根を示す図表 実施形態2において、電池温度25℃で二次電池を充放電した時の、SOCの時間的変化を示すグラフ 電池温度10℃で電池を充放電した時のSOCの時間的変化を示すグラフ 電池温度が0℃で電池を充放電した時のSOCの時間的変化を示すグラフ 各電池温度について、真値に対する補正SOCの二乗平均根を示す表 SOCの推定処理の流れを示すフローチャート図 SOCの推定処理の流れを示すフローチャート図 実施形態3において、電池温度25℃で二次電池を充放電した時のSOCの時間的変化を示すグラフ SOCの推定方法の流れを示すフローチャート図 実施形態4において、電池温度25℃で二次電池を充放電した時の、SOCの時間的変化を示すグラフ 電池温度10℃で電池を充放電した時のSOCの時間的変化を示すグラフ 電池温度が0℃で電池を充放電した時のSOCの時間的変化を示すグラフ 各電池温度について、真値に対する補正SOCの二乗平均根を示す図表 SOCの推定処理の流れを示すフローチャート図 SOCの推定処理の流れを示すフローチャート図
(本実施形態の概要)
初めに、本実施形態にて開示する状態推定装置の概要について説明する。状態推定装置は、SOCの変化量に対するOCVの変化量が相対的に低い低変化領域と相対的に高い高変化領域を有する蓄電素子の状態を推定する状態推定装置であって、前記蓄電素子が前記高変化領域に属しているか判定する領域判定部と、前記蓄電素子の内部状態の一つであるSOCを推定するSOC推定部と、を備え、前記SOC推定部は、前記蓄電素子の電流を積算する電流積算法により前記蓄電素子のSOCを推定し、前記蓄電素子が高変化領域に属している場合、前記電流積算法により推定されるSOCを、前記蓄電素子の端子電圧の観測値と前記蓄電素子の内部状態を推定する推定モデルにより予測される端子電圧に基づいて補正する補正処理を行う。
電流積算法により推定されるSOCを、蓄電素子の端子電圧の観測値と前記蓄電素子の内部状態を推定する推定モデルにより予測される端子電圧に基づいて補正した時のSOCの推定精度は、SOCの変化量に対するOCVの変化量の大きさによって異なる。具体的には、SOCの変化量に対するOCVの変化量が相対的に高い高変化領域は、OCVの変化量が相対的に小さい低変化領域に比べて、SOCの推定精度が高い。
本構成では、電流積算法により推定したSOCを、蓄電素子の端子電圧の観測値と蓄電素子の内部状態を推定する推定モデルにより予測される端子電圧に基づいて補正する補正処理を、蓄電素子が高変化領域に属している場合に行う。すなわち、補正によりSOCの推定精度が向上することが期待される高変化領域を対象に補正処理を行うから、蓄電素子がSOCの変化量に対するOCVの変化量が小さい領域である低変化領域を有する場合でも、SOCを高精度に推定することが出来る。
状態推定装置の実施態様として以下の構成が好ましい。
前記低変化領域は、SOCの変化量に対するOCVの変化量が所定値より小さいプラトー領域であり、前記プラトー領域では、前記補正処理をしない。この構成では、プラトー領域では補正処理を行わないため、SOCの推定精度が補正前に比べて低下することを抑制できる。
前記補正は、前記蓄電素子の端子電圧の観測値と前記推定モデルにより予測される端子電圧とに基づいて、前記推定モデルにより推定される前記蓄電素子の内部状態の推定誤差を小さくするカルマンフィルタである。カルマンフィルタは、蓄電素子の内部状態の推定誤差を抑えるので、電流積算法により推定されるSOCを高精度に補正することが出来る。
前記測定モデルはOCVと、導体抵抗と、前記蓄電素子の短期分極を模擬した第1インピーダンスと、前記蓄電素子の長期分極を模擬した第2インピーダンスとを含む、前記蓄電素子の等価回路モデルである。蓄電素子の分極による特性を正確に再現することが可能である。そのため、蓄電素子の内部状態の推定誤差を抑える効果が高く、電流積算法により推定されるSOCを高精度に補正することが出来る。
前記SOC推定部は、前記蓄電素子が高変化領域に含まれ、かつ前記蓄電素子が無電流の場合に、前記補正処理を実行する。この構成では、補正処理を無電流時に制限して実行するため、電流積算法により推定されるSOCを高精度に補正することが出来る。
前記蓄電素子の温度を検出する温度検出部を備え、前記SOC推定部は、前記蓄電素子の温度が第1温度以上の場合、前記補正処理を実行する。この構成では、蓄電素子が第1温度以上の場合に制限して補正処理を実行するため、電流積算法により推定されるSOCを高精度に補正することが出来る。
前記蓄電素子の温度を検出する温度検出部を備え、前記SOC推定部は、前記蓄電素子の温度が第2温度以下の場合、前記補正処理を実行しない。この構成では、蓄電素子が第2温度以下の場合、補正処理を実行しないため、SOCの推定精度が、補正前に比べて低下することを抑えることが出来る。
前記領域判定部は、前記SOC推定部にて推定されるSOCの値に基づいて、前記蓄電素子が前記高変化領域に属しているかを判定する。このようにすれば、蓄電素子がどの領域に属しているのか、簡単に判定できる。
または、前記領域判定部は、前記蓄電素子の充放電容量変化に対する電圧変化を閾値と比較することにより、前記蓄電素子が前記低変化領域又は前記高変化領域のいずれの領域に属しているかを判定する。
<実施形態1>
実施形態1について図1から図9を参照して説明する。
1.電池パック20の構成
図1は、本実施形態における電池パック20の構成を示す図である。本実施形態の電池パック20は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車に搭載され、電気エネルギーで作動する動力源に電力を供給するものである。
図1に示すように、電池パック20は、組電池30と、電流センサ40と、組電池30を管理するバッテリ−マネージャー(以下、BM)50を有する。組電池30は、直列接続された複数の二次電池31から構成されている。
二次電池31及び電流センサ40は、配線35を介して直列に接続されており、電気自動車に搭載された充電器10又は、電気自動車等の内部に設けられた動力源等の負荷10に接続される。
充電器10は組電池30を充電する機能を果たす。電流センサ40は、二次電池31に流れる電流を検出する機能を果たす。電流センサ40は、二次電池31の電流値を一定周期で計測し、計測した電流計測値のデータを、制御部60に対して送信する構成となっている。
バッテリ−マネージャー(以下、BM)50は、制御部60と、電圧検出回路80と、温度センサ95とを備える。尚、二次電池31が「蓄電素子」の一例であり、BM50が「状態推定装置」の一例である。
電圧検出回路80は、検出ラインを介して、各二次電池31の両端にそれぞれ接続され、制御部60からの指示に応答して、各二次電池31の電圧を測定する機能を果たす。温度センサ95は接触式あるいは非接触式で、二次電池31の温度T[℃]を測定する機能を果たす。
制御部60は中央処理装置(以下、CPU)61と、メモリ63と、通信部67とを含む。制御部60は、二次電池31の属する領域を判定する機能(図6のS30)、SOCを推定する機能(図6のS20、S40、S50)を果たす。制御部60は、「領域判定部」、「SOC推定部」の一例である。
メモリ63には、SOCを推定する処理を実行するためのプログラムや、プログラムの実行に必要なデータ、例えば、図2に示すSOC−OCV相関特性のデータや、SOCの属する領域を判定するためのデータが記憶されている。具体的には、低変化領域L1、L2と高変化領域H1〜H3のそれぞれについて、対応するSOCの範囲が記憶されている。また、SOCの現在値のデータが記憶されている。
通信部67は、車載のECU(Electronic Control Unit)100と通信可能に接続され、車載のECU100と通信する機能を果たす。なお、電池パック20には、この他にユーザからの入力を受け付ける操作部(図示せず)、二次電池31の状態等を表示する表示部(図示せず)が設けられている。
2.二次電池31のSOC−OCV相関特性
二次電池31は、正極活物質にリン酸鉄リチウム(LiFePO4)、負極活物質にグラファイトを用いたリン酸鉄系のリチウムイオン電池である。
図2は横軸をSOC[%]、縦軸をOCV[V]とした、二次電池31のSOC−OCV相関特性である。尚、SOC(充電状態)は、満充電容量に対する残存容量の比率である。また、OCVは二次電池31の開放電圧である。
二次電池31は、図2に示すように、SOCの変化量に対するOCVの変化量が相対的に低い低変化領域と、相対的に高い高変化領域を含む複数の充電領域を有している。
具体的には2つの低変化領域L1、L2と、3つの高変化領域H1、H2、H3を有している。図2に示すように、低変化領域L1はSOCの値で31[%]〜62[%]の範囲に位置している。低変化領域L2は、SOCの値で68[%]〜97[%]の範囲に位置している。低変化領域L1は、SOCの変化量に対するOCVの変化量が非常に小さくOCVが3.3[V]で略一定のプラトー領域となっている。また、低変化領域L2も、同様であり、OCVが3.34[V]で略一定のプラトー領域となっている。尚、プラトー領域とは、SOCの変化量に対するOCVの変化量が2[mV/%]以下の領域である。
第1高変化領域H1は、SOCの値で62[%]よりも大きく68[%]未満の範囲にあり、2つの低変化領域L1、L2の間に位置している。第2高変化領域H2は、SOCの値で31[%]未満の範囲にあり、低変化領域L1よりも低SOC側に位置している。第3高変化領域H3は、SOCの値で97[%]より大きい範囲にあり、低変化領域L2よりも高SOC側に位置している。尚、第1〜第3高変化領域H1〜H3は、低変化領域L1、L2に比べてSOCの変化量に対するOCVの変化量(図2に示すグラフの傾き)が相対的に高い関係となっている。
3.カルマンフィルタを用いたSOCの推定処理
<カルマンフィルタの説明>
図3は入力をu(k)、出力をy(k)としたシステムの状態空間モデルを示している。下記の数式1は、図3に示す状態空間モデルの状態方程式を示し、下記の数式2は空間状態モデルの出力方程式を示している。
Figure 2017122622
Figure 2017122622
カルマンフィルタとは、時系列の観測値{y(i)=1,2,3,,,k}に基づいて、システムの内部状態x(k)の推定値を求めるアルゴリズムである。具体的には、真の内部状態x(k)と推定値との差である状態推定誤差を平均二乗誤差による評価関数J(k)を用い、その評価関数J(k)を最小にするという意味で最適な内部状態x(k)の推測値を求めるアルゴリズムがカルマンフィルタである(下記数式3〜数式5)。尚、内部状態x(k)に付した(^)は推定値を意味し、(~)は状態推定誤差を意味する。
Figure 2017122622
Figure 2017122622
Figure 2017122622
Figure 2017122622
また、カルマンフィルタによる内部状態x(k)の推定値は、内部状態x(k)の事前推定値(数式6の右辺第1項)と、補正項(数式6の右辺第2項)により表すことが出来る。
内部状態x(k)の事前推定値とは、時刻k-1までに利用可能なデータに基づいた、時刻kにおける内部状態x(k)の予測推定値である。補正項は、第1項の予測推測値を補正するものであり、「カルマンゲインg(k)」と「出力y(k)の予測誤差」の積で表すことが出来る。カルマンゲインg(k)は内部状態x(k)の推定誤差(真値に対する推定値の誤差)に対する共分散を最小にする値であり、直交性の原理等を利用して算出することが出来る(下記の数式7参照)。
Figure 2017122622
Figure 2017122622
<二次電池のシステム化>
二次電池31は入力を電流Iとし、出力を端子電圧ULとするシステムと考えることが出来、数式1や数式2の状態方程式と出力方程式により記述出来る。本実施形態では、図4に示す二次電池31の等価回路モデルを利用して、二次電池31をシステム化している。具体的には、二次電池31を、起電力(直流電圧源)を表すOCVと、集電体や電解液等での抵抗を表す導体抵抗R0と、第1インピーダンスZ1と、第2インピーダンスZ2とにより表している。
OCVはSOCにより変化し、SOCの関数として表すことが出来る。第1インピーダンスZ1は第1抵抗R1と第1容量C1の並列回路である。また、第2インピーダンスZ2は、第2抵抗R2と第2容量C2の並列回路である。
第1インピーダンスZ1と第2インピーダンスZ2は時定数(τ=R×C)が異なっている。具体的には、第1インピーダンスZ1の時点数τ1は、第2インピーダンスZ2の時定数τ2よりも小さい。第1インピーダンスZ1は二次電池31の速い応答部分、すなわち二次電池31の短期分極電圧を模擬したインピーダンスである。また、第2インピーダンスZ2は遅い応答部分、すなわち、長期分極電圧を模擬したインピーダンスである。尚、等価回路モデルMは、二次電池31の内部状態(SOC,U1,U2,R0)を推定するモデルであり、本発明の「推定モデル」の一例である。
上記の等価回路モデルMを数学的に解くと、数式9となる。
Figure 2017122622
そして数式9を離散化すると、二次電池31の内部状態x(k)=SOC(k),U1(k),U2(k),R0(k)について、数式11に示す状態方程式が得られ、更に、数式12の出力方程式が得られる。
Figure 2017122622
Figure 2017122622
Figure 2017122622
そして、数式11に示す状態方程式と、数式12に示す出力方程式により、記述されるシステムに対してカルマンフィルタ、具体的には拡張カルマンフィルタを適用することにより、SOCの推定値を求めることが出来る。すなわち、数式13に示すように、SOCの事前推定値に対して、「カルマンゲインg(k)」と「端子電圧UL(k)の予測誤差」の積を加えることにより、SOCの事前推定値を補正することが出来る。
Figure 2017122622
尚、SOCの事前推定値(数式13の右辺第1項)は、下記の数式14で示すように、SOCの前回推定値(数式14の右辺第1項)に対して、電流積算法による変動分(数式14の右辺第2項)を加算した値であることから、カルマンフィルタは、電流積算法により推定されるSOCを、推定誤差が小さくなるように補正する処理となる。
Figure 2017122622
カルマンフィルタによるSOCの推定処理の概要をフローチャート図で示すと、図5に示すように、S1〜S3の3つの処理で表すことが出来る。
S1では、前回推定した内部状態(SOC,U1,U2,R0)と電流センサ40により検出される現在の電流Iより新たに内部状態(SOC,U1,U2,R0)を推定する。また同時に前回推定した内部状態(SOC,U1,U2,R0)の誤差情報と電流Iの誤差情報より内部状態(SOC,U1,U2,R0)の誤差情報を新たに推定する。
S2ではS1にて新たに推定した内部状態(SOC,U1,U2,R0)から二次電池31の端子電圧ULを予測する。具体的には、推定したSOCを図2に示すSOC-OCV相関特性に参照してOCVを算出し、OCV及びU0、U1、U2の総和から端子電圧ULを予測する。
そして、予測した端子電圧ULと電圧検出回路80にて検出される端子電圧ULの観測値を比較した結果及び電圧検出回路80の誤差情報より、S1にて新たに推定した内部状態(SOC,U1,U2,R0)の誤差情報を最小化するカルマンゲインg(k)を生成する。
S3ではS1にて新たに推定した内部状態(SOC,U1,U2,R0)と内部状態(SOC,U1,U2,R0)の誤差情報を、カルマンゲインg(k)を用いて補正する。S1では電流積算法に基づいて、SOCを推定していることから、カルマンゲインg(k)により、その推定値が補正されることになる。
このように、カルマンフィルタは、電圧検出回路80及び電流センサ40から二次電池31の端子電圧ULと電流Iのデータを取り込みつつ、上記した3つの処理S1〜S3を繰り返し行うことで、状態推定誤差を最小化した二次電池31の内部状態(SOC,U1,U2,R0)を推定する処理である。
しかしながら、二次電池31は、SOC-OCV相関特性において、低変化領域L1、L2を有している。低変化領域L1、L2はSOCの変化量に対するOCVの変化量が非常に小さいため、OCVの推定値のわずかな誤差が、SOCの推定誤差に拡大して現れる。そのため、高変化領域H1、H2、H3にくらべて、SOC推定精度に与える影響が大きく、SOCの推定精度を低下させる恐れがある。すなわち、S2で生成したカルマンゲインg(k)からSOCの推定値を補正する時に、SOCの推定精度が著しく低下する恐れがある。
4.カルマンフィルタによる補正の制限
そこで、BM50では、カルマンフィルタによる補正を、二次電池31のSOCが高変化領域H1、H2、H3のいずれかに属している場合に制限して行い、二次電池31のSOCが高変化領域H1、H2、H3に属していない場合、すなわち低変化領域L1、L2に属している場合には、カルマンフィルタによる補正を行わない。
図6はSOC推定処理のフローチャート図であり、S10〜S60の6つの処理から構成されている。図6に示すSOC推定処理は、例えばBM50が起動して組電池30の監視を開始するのと同時に、制御部60にて実行される。
処理がスタートすると、制御部60は、メモリ等にアクセスして、SOCの現在値を取得する(S10)。
その後、制御部60は、電流積算法によりSOCを推定する処理を行う(S20)。すなわち、電流センサ40の出力する電流Iを積算して累積充放電量を算出する。そして、メモリ63から読み出したSOCの現在値に対して、累積充放電量から算出したSOCの変化量を加算することで、次の時点のSOCを推定する。尚、数式15の第1項はSOCの現在値、第2項は現在値からのSOC変化量を示している。
Figure 2017122622
その後、制御部60は、電流積算法により推定したSOCの推定値が高変化領域H1、H2、H3のいずれかに属しているか、判定する処理を実行する(S30)。具体的には、各高変化領域H1、H2、H3に対応するSOCの範囲と、電流積算法によるSOCの推定値を比較することにより、判定する。
制御部60は、電流積算法により推定されるSOCの推定値が高変化領域H1、H2、H3のいずれかに属している場合、電流積算法により推定されるSOCをカルマンフィルタで補正する補正処理を行う(S40)。
具体的には、制御部60は、電圧検出回路80で検出した二次電池31の端子電圧ULと、等価回路モデルMにより予測される端子電圧ULとに基づいて、等価回路モデルMにより推定される二次電池31の内部状態(SOC,U1,U2,R0)の誤差情報を、最小化するカルマンゲインg(k)を生成する。
その後、制御部60は、電流積算法により推定されるSOCを、カルマンゲインg(k)と端子電圧ULの予測誤差に基づいて補正する(数式13参照)。そして、補正後のSOCを、次の時点のSOC、すなわちSOCの最新値とする。
一方、SOCの現在値が高変化領域H1、H2、H3に属していない場合、すなわち、低変化領域L1、L2のいずれかに属している場合、制御部60は、カルマンフィルタの補正を行わず、電流積算法により推定されるSOCを、次の時点のSOC、すなわちSOCの最新値とする。
尚、S40又はS50の処理を実行すると、制御部60は、その都度、メモリ63にアクセスして、SOCの値を更新する。そのため、メモリ63には、SOCの最新値が常に記憶されるようになっている。
S40、S50のいずれかの処理を実行すると、その後、二次電池31の監視を終了するか、否かについて判定が行われる(S60)。
そして、二次電池31の監視を継続する場合、処理はS20に戻り、制御部60は、電流積算法に基づいてSOCを推定する処理を再度行う。すなわち、今度は、S40又はS50にて求めたSOCを現在値として、現在値からのSOCの変化量を電流積算により算出する。そして、SOCの現在値に対してSOCの変化量を加算することにより、次の時点のSOCを推定する。
その後、制御部60はS30の処理を実行し、電流積算法により推定したSOCが高変化領域H1、H2、H3のいずれかに属しているか判定する。そして、電流積算法により推定したSOCが高変化領域H1、H2、H3のいずれかに属している場合のみ、電流積算法により推定されるSOCをカルマンフィルタで補正し、補正後のSOCを、次の時点のSOCとする(S40)。
一方、電流積算法により推定したSOCが高変化領域H1、H2、H3に属していない場合、制御部60は、電流積算法で推定したSOCを、次の時点のSOCとする(S50)。
その後、二次電池31の監視を継続する場合、処理はS20に戻り、同様の処理が繰り返し行われる。
このように、制御部60は二次電池31の監視中、SOCの領域と関係なく、電流積算法によるSOCの推定を常時行う。すなわち、SOCが低変化領域L1やL2に属している場合だけでなく、高変化領域H1、H2、H3に属している場合でも、電流積算法によるSOCの推定を常時行う。そして、制御部60は、電流積算法により推定されるSOCが、高変化領域H1、H2、H3のいずれかに属している場合にだけ、電流積算法により推定されるSOCをカルマンフィルタで補正する。そして、推定されるSOCが高変化領域H1、H2、H3に属していない場合、すなわち、低変化領域L1、L2のいずれかに属している場合は、カルマンフィルタの補正を実行しない。
従って、例えば、図2に示すポイントPから満充電まで充電を行う場合は、充電開始後、SOCの推定値が31%より小さい期間(SOCが高変化領域H2に属している期間)は、電流積算法により推定されるSOCをカルマンフィルタで補正し、補正後のSOCを、SOCの最新値とする。その後、SOCの推定値が31%〜62%までの期間(SOCが低変化領域L1に属している期間)は、カルマンフィルタによる補正は実行せず、電流積算法により推定されるSOCを、SOCの最新値とする。
そして、SOCの推定値が62%より大きく、68%より小さい期間(SOCが高変化領域H1に属している期間)は、電流積算法により推定されるSOCをカルマンフィルタで補正し、補正後のSOCを、SOCの最新値とする。
その後、SOCの推定値が68%から97%までの期間(SOCが低変化領域L2に属している期間)は、カルマンフィルタによる補正は実行せず、電流積算法により推定されるSOCを、SOCの最新値とする。そして、SOCの推定値が97%よりも大きい期間(SOCが高変化領域H3に属している期間)は、電流積算法により推定されるSOCをカルマンフィルタで補正し、補正後のSOCを、SOCの最新値とする。
以上のように、本実施形態では、カルマンフィルタによる補正を、補正によりSOCの推定精度が向上することが期待される高変化領域H1〜H3に制限することで、SOCの推定精度を向上させることが出来る。
言い換えれば、補正により却って精度が低下する恐れがある低変化領域L1、L2は、カルマンフィルタによる補正を行わないようにすることで、SOCの推定精度を向上させることが出来る。
また、電池温度Tが25℃の条件において、組電池30を充放電させる試験を行った。そして、電流積算法で推定したSOCに対して、カルマンフィルタをSOCの全範囲(0%〜100%)に適用して補正した場合と、高変化領域H1、H2、H3に制限して補正した場合で、効果の相違を検証した。
図7A、図8において、「1点鎖線」はSOCの真値を示している。また、「破線」は、電流積算法により推定したSOCを示している。すなわち、試験中、組電池30に流れる電流を電流センサ40で計測し、得られた計測値を積算して推定したSOCである。この例では、電流センサ40の電流計測誤差は放電側に約20mAであり、電流積算時のSOCの推定誤差は、時間経過に従って拡大している。
図7Aに示す「実線」は、電流積算法により推定されるSOCに対して、カルマンフィルタによる補正を「SOCの全範囲(0%〜100%)」について行った時のSOCを示している。
図7Aにて、「実線」で示すように、カルマンフィルタで補正したSOCは、A1〜A3(高変化領域)では、電流積算法により推定したSOCよりも真値に近い値になっており、高変化領域では、電流積算法に比べてカルマンフィルタで補正した時の方がSOCの推定精度が高いことが理解できる。尚、図7Bは、図7Aの高変化領域A3を拡大した図である。
一方、B1〜B4(低変化領域)では、カルマンフィルタで補正したSOCが、電流積算法により推定したSOCよりも真値から離れた値になっており、低変化領域L1、L2では、電流積算法により推定されるSOCをカルマンフィルタで補正すると、かえって、SOCの推定精度が低下することが理解できる。
一方、図8に示す「実線」は、電流積算法により推定されるSOCに対して、カルマンフィルタによる補正を高変化領域H1〜H3に制限し、低変化領域L1、L2ではカルマンフィルタの補正をしない場合のSOCを示している。
図8にて「実線」で示すように、カルマンフィルタによる補正を高変化領域H1〜H3に制限した時のSOCは、電流積算法により推定したSOCよりも、概ね全範囲で真値に近い値になっており、SOCの推定精度が向上していることが理解できる。
また、図9は、各方法について、「真値」に対する「SOC」の二乗平均根(RMS)を求めた表である。電流積算法の場合、「真値」に対する「推定SOC」の二乗平均根は「4.738」である。また、カルマンフィルタの補正をSOCの全範囲で行った場合、「真値」にする「補正SOC」の二乗平均根は「6.619」、カルマンフィルタの補正を高変化領域H1〜H3に制限した場合、「真値」にする「補正SOC」二乗平均根は「4.406」である。尚、「推定SOC」は電流積算法で推定したSOCであり、図7、8にて破線で示すSOCである。「補正SOC」はカルマンフィルタで補正したSOCであり、図7、8にて実線で示すSOCである。
このように、カルマンフィルタの補正を、高変化領域H1〜H3に制限した場合の二乗平均根が最も小さく、SOCの推定精度が向上していることが理解できる。
<実施形態2>
実施形態2を図10〜図15を参照して説明する。実施形態2の電池パック20は、実施形態1の電池パック20と同様に、組電池30と、電流センサ40と、組電池30を管理するバッテリ−マネージャー50を有している。
実施形態2では、組電池30を充放電させる試験(実施形態1と同様の試験)を、電池温度Tを変更して行い、電池温度Tとカルマンフィルタによる補正の効果の関係を検証した。
図10は電池温度Tが40℃である時のSOCの時間推移を示すグラフである。また、図11は、電池温度Tが10℃である場合のSOCの時間推移を示すグラフである。また、図12は電池温度Tが0℃である場合のSOCの時間推移を示すグラフの温度推移を示すグラフである。尚、図10〜図12の「実線」は、電流積算法により推定されるSOCに対してカルマンフィルタによる補正を、高変化領域H1、H2、H3に制限して行った時のSOCを示している。
電池温度Tが40℃の場合と電池温度Tが25℃について、高変化領域H1、H2、H3に制限してカルマンフィルタによる補正を行った時のSOCの時間推移(図10、図8の実線)を比較すると、電池温度が25℃の場合に比べて、電池温度が40℃の場合の方が、補正後のSOCが真値に近くなっており、カルマンフィルタによる補正の効果が高いことが理解できる。
同様に、電池温度Tが25℃の場合と電池温度Tが10℃の場合について、高変化領域にH1、H2、H3に制限してカルマンフィルタによる補正を行った時のSOCの推移(図8、図11の実線)を比較すると、電池温度が25℃の場合に比べて、電池温度が10℃の場合の方が、補正後のSOCが真値から離れており、カルマンフィルタによる補正の効果が低いことが理解できる。
そして、電池温度Tが10℃の場合と電池温度Tが0℃の場合について、高変化領域H1、H2、H3に制限してカルマンフィルタによる補正を行った時のSOCの推移(図11、図12の実線)を比較すると、電池温度Tが10℃の場合に比べて、電池温度Tが0℃の場合の方が、補正後のSOCが真値から離れており、カルマンフィルタによる補正の効果が更に低いことが理解できる。
また、図13は、「真値」に対する「推定SOC」の二乗平均根(RMS)と、「真値」にする「補正SOC」の二乗平均根(RMS)を、電池温度Tごとに算出した表である。尚、「推定SOC」とは、電流積算法で推定したSOCであり、図8、10、11、12にて破線で示すSOCである。「補正SOC」とはカルマンフィルタで補正したSOCであり、図8、10、11、12にて実線で示すSOCである。
「真値」に対する「補正SOC」の二乗平均根は、電池温度Tが40℃の場合、「3.879」、電池温度Tが25℃の場合、「4.406」である。また、電池温度Tが10℃の場合、「9.804」、電池温度Tが0℃の場合、二乗平均根は「12.038」である。
このように、「真値」に対する「補正SOC」の二乗平均根は、電池温度Tが高い程、低い。従って、電池温度Tが高い程、カルマンフィルタによる補正の効果が高い。特に、「真値」に対する「補正SOC」の二乗平均根は、電池温度Tが25℃の場合、「4.406」、電池温度Tが40℃の場合、「3.879」であり、電流積算法を用いて推定した「推定SOC」の二乗平均根「4.738」、「4.515」をそれぞれ下回る。
そのため、電池温度Tが25℃以上の場合に制限して、電流積算法で推定したSOCをカルマンフィルタで補正することで、SOCの推定精度を高くすることが可能となる。
尚、電池温度Tが高い程、SOCの推定精度が高い理由としては次の要因が考えられる。すなわち、一般的に、二次電池31のインピーダンスは、電池温度Tが高い方が、低くなることから、電流が流れた時の電圧変化が小さくなる。そのため、推定モデルMにより予測される端子電圧Uの精度がよくなることから、それに伴い、SOCの推定精度が高くなると考えられる。一方、電池温度Tが低いと、インピーダンスが高いことから、電流が流れた時の電圧変化が大きくなる。そのため、推定モデルMにより予測される端子電圧Uの精度が悪くなることから、それに伴い、SOCの推定精度が低くなると考えられる。
また、図14は、電流積算法で推定したSOCをカルマンフィルタで補正するか否かを決定する条件に電池温度Tを加えたフローチャート図であり、図6に示すSOCの推定処理に対して「S37A」の処理が追加されている。すなわち、温度センサ95により検出される電池温度Tが第1温度(本例では25℃)以上かどうか、制御部60にて判定する処理が追加されている。
図14に示すSOCの推定処理では、SOCの現在値が高変化領域H1、H2、H3のいずれかに属しており、かつ電池温度Tが25℃以上の場合(S30:YES、S37A:YES)に、制御部60は、電流積算法で推定したSOCをカルマンフィルタで補正する処理を実行する(S40)。そして、制御部60は、補正後のSOCを、次の時点のSOC、すなわちSOCの最新値とする。
一方、SOCの現在値が高変化領域H1、H2、H3に属していない場合(S30:NO)と、電池温度Tが25℃未満の場合(S37A:NO)、制御部60は、カルマンフィルタの補正を行わず、電流積算法により推定されるSOCを、次の時点のSOC、すなわちSOCの最新値とする。
また、図13に示すように、「真値」に対する「補正SOC」の二乗平均根は、電池温度Tが10℃の場合、「9.804」、電池温度Tが0℃の場合、「12.038」であり、電流積算法を用いて推定した「推定SOC」の二乗平均根「4.440」、「4.427」よりも大きい。
このように、電池温度Tが10℃以下の場合に、カルマンフィルタで補正すると、かえって、SOCの推定精度が下がる傾向となる。そのため、電池温度Tが10℃以下の場合に、電流積算法で推定したSOCをカルマンフィルタで補正しないようにすることで、SOCの推定精度が低下することを抑えることが可能となる。
尚、図15は、電流積算法で推定したSOCをカルマンフィルタで補正するか否かを決定する条件に電池温度Tを加えたフローチャート図であり、図6に示すSOCの推定処理に対して「S37B」の処理が追加されている。すなわち、温度センサ95により検出される電池温度Tが第2温度(本例では10℃)以下かどうか、制御部60にて判定する処理が追加されている。
図15に示すSOCの推定処理では、SOCの現在値が高変化領域H1、H2、H3のいずれかに属しており、かつ電池温度Tが10℃より大きい場合(S30:YES、S37B:NO)に、制御部60は、電流積算法で推定したSOCをカルマンフィルタで補正する処理を実行する(S40)。そして、制御部60は、補正後のSOCを、次の時点のSOC、すなわちSOCの最新値とする。
一方、SOCの現在値が高変化領域H1、H2、H3に属していない場合(S30:NO)と、電池温度Tが10℃以下の場合(S37B:YES)、制御部60は、カルマンフィルタの補正を行わず、電流積算法により推定されるSOCを、次の時点のSOC、すなわちSOCの最新値とする。
<実施形態3>
実施形態3を図16〜図17を参照して説明する。実施形態3の電池パック20は、実施形態1の電池パック20と同様に、組電池30と、電流センサ40と、組電池30を管理するバッテリ−マネージャー50を有している。
実施形態3では、電池温度Tが25℃の条件において、組電池30を充放電させる試験を行った。そして、カルマンフィルタによる補正の実行条件に「無電流」であることを追加した場合と、追加しない場合で効果の相違を検証した。尚、「無電流」とは、組電池30に流れる電流が所定値(一例として、100mA)以下の状態である。
図16において、「1点鎖線」はSOCの真値を示している。また、「破線」は、電流積算法により推定したSOCである。すなわち、試験中、組電池30に流れる電流を電流センサ40で計測し、得られた計測値を積算して推定したSOCである。
また、「実線」は、SOCが高変化領域H1〜H3に属しており、かつ組電池30が無電流である場合に、電流積算法で推定したSOCをカルマンフィルタで補正した時のSOCを示している。
カルマンフィルタによる補正の実行条件に「無電流」を追加した場合(図16の実線)は、追加しない場合(図8に示す実線)に比べて真値に近い値になっており、SOCの推定精度が向上していることが理解できる。
尚、カルマンフィルタの補正を高変化領域H1〜H3、かつ無電流時に制限した場合、「真値」に対する「補正SOC」の二乗平均根(RMS)は「2.563」である。一方、無電流時に制限しない場合(実施形態1の場合)、「真値」に対する「補正SOC」の二乗平均根「4.406」よりも小さな値となっている。尚、「補正SOC」はカルマンフィルタで補正したSOCである。
このように、カルマンフィルタの補正は、「無電流時」に制限して行った場合の方が効果的である。そこで、実施形態3では、以下の(a)、(b)の2つの条件を満たす場合に、カルマンフィルタを適用する。
(a)SOCが高変化領域H1、H2、H3のいずれかに属していること。
(b)二次電池が無電流であること。
図17は、実施形態3に適用されたSOC推定処理のフローチャート図を示しており、実施形態1に適用されたSOC推定処理(図6)に対してS35の処理が追加されている。S35では、制御部60は、電流センサ40の検出値を閾値と比較することにより、二次電池31に電流が流れていない無電流状態か判定する。本例では、電流が所定値以下の場合、無電流と判断する。
図17に示すSOC推定処理では、(a)の条件をS30で判定し、(b)の条件をS35で判定しており、2つの条件を満たす場合に、電流積算法により推定されるSOCをカルマンフィルタで補正する(S40)。そして、カルマンフィルタによる補正後のSOCを、次の時点のSOC、すなわちSOCの最新値とする。それ以外の場合は、カルマンフィルタを適用せず、電流積算法で推定した値を、次の時点のSOC、すなわちSOCの最新値とする(S50)。
このように、実施形態3では、カルマンフィルタによる補正を、SOCが高変化領域H1、H2、H3のいずれかに属しており、かつ無電流時に制限して行う。そのため、実施形態1に比べて、SOCの推定精度を更に向上させることが出来る。
<実施形態4>
実施形態4を図18〜図23を参照して説明する。実施形態4の電池パック20は、実施形態1の電池パック20と同様に、組電池30と、電流センサ40と、組電池30を管理するバッテリ−マネージャー50を有している。
実施形態4では、組電池30を充放電させる試験(実施形態3と同様の試験)を、電池温度Tを変更して行い、電池温度Tとカルマンフィルタによる補正の効果の関係を検証した。
図18は電池温度Tが40℃である時のSOCの時間推移を示すグラフである。また、図19は、電池温度Tが10℃である場合のSOCの時間推移を示すグラフである。また、図20は電池温度Tが0℃である場合のSOCの時間推移を示すグラフの温度推移を示すグラフである。尚、図18〜図20の「実線」は、電流積算法により推定されるSOCに対してカルマンフィルタによる補正を、高変化領域H1〜H3、かつ無電流時に制限して行った場合のSOCを示している。
電池温度Tが40℃の場合と電池温度Tが25℃について、カルマンフィルタによる補正を行った時のSOCの時間推移(図18、図16の実線)を比較すると、電池温度が25℃の場合に比べて、電池温度が40℃の場合の方が、補正後のSOCが真値に近くなっており、カルマンフィルタによる補正の効果が高いことが理解できる。
同様に、電池温度Tが25℃の場合と電池温度Tが10℃の場合について、カルマンフィルタによる補正を行った時のSOCの推移(図16、図19の実線)を比較すると、電池温度が25℃の場合に比べて、電池温度が10℃の場合の方が、補正後のSOCが真値から離れており、カルマンフィルタによる補正の効果が低いことが理解できる。
そして、電池温度Tが10℃の場合と電池温度Tが0℃の場合について、カルマンフィルタによる補正を行った時のSOCの推移(図19、図20の実線)を比較すると、電池温度Tが10℃の場合に比べて、電池温度Tが0℃の場合の方が、補正後のSOCが真値から離れており、カルマンフィルタによる補正の効果が更に低いことが理解できる。
また、図21は、「真値」に対する「推定SOC」の二乗平均根(RMS)と、「真値」にする「補正SOC」の二乗平均根(RMS)を、電池温度Tごとに算出した表である。尚、「推定SOC」とは、電流積算法で推定したSOCであり、図16、18、19、20にて破線で示すSOCである。また、「補正SOC」とはカルマンフィルタで補正したSOCであり、図16、18、19、20の実線で示すSOCである。
「真値」に対する「補正SOC」の二乗平均根は、電池温度Tが40℃の場合、「2.598」、電池温度Tが25℃の場合、「2.621」である。また、電池温度Tが10℃の場合、「6.461」、電池温度Tが0℃の場合、「8.522」である。
このように、「真値」に対する「補正SOC」の二乗平均根は、電池温度Tが高い程、低い。従って、電池温度Tが高い程、カルマンフィルタによる補正の効果が高い。特に、「真値」に対する「補正SOC」の二乗平均根は、電池温度Tが25℃の場合、「2.621」、電池温度Tが40℃の場合、「2.598」であり、電流積算法を用いて推定した「推定SOC」の二乗平均根「4.738」、「4.515」をそれぞれ下回る。
そのため、電池温度Tが25℃以上の場合に制限して、電流積算法で推定したSOCをカルマンフィルタで補正することで、SOCの推定精度を高くすることが可能となる。
尚、図22は、電流積算法で推定したSOCをカルマンフィルタで補正するか否かを決定する条件に電池温度Tを加えたフローチャート図であり、図17に示すSOCの推定処理に対して「S37A」の処理が追加されている。すなわち、温度センサ95により検出される電池温度Tが第1温度(本例では25℃)以上か、制御部60にて、判定する処理が追加されている。
図22に示すSOCの推定処理では、SOCの現在値が高変化領域H1、H2、H3のいずれかに属しており、かつ無電流で、電池温度Tが25℃以上の場合(S30:YES、S35:YES、S37A:YES)に、制御部60は、電流積算法で推定したSOCをカルマンフィルタで補正する処理を実行する(S40)。そして制御部60は、補正後のSOCを、次の時点のSOC、すなわちSOCの最新値とする。
一方、SOCの現在値が高変化領域H1、H2、H3に属していない場合(S30:NO)と、無電流でない場合(S35:NO)と、電池温度Tが25℃未満の場合(S37A:NO)は、制御部60は、カルマンフィルタの補正を行わず、電流積算法により推定されるSOCを、次の時点のSOC、すなわちSOCの最新値とする。
また、図21に示すように、「真値」に対する「補正SOC」の二乗平均根は、電池温度Tが10℃の場合、「6.461」、電池温度Tが0℃の場合、「8.522」であり、電流積算法により推定した「推定SOC」の二乗平均根「4.440」、「4.427」よりも大きい。
このように、電池温度Tが10℃以下の場合に、カルマンフィルタで補正すると、かえって、SOCの推定精度が下がる傾向となる。そのため、電池温度Tが10℃以下の場合に、電流積算法で推定したSOCをカルマンフィルタで補正しないようにすることで、SOCの推定精度が低下することを抑えることが可能となる。
尚、図23は、電流積算法で推定したSOCをカルマンフィルタで補正するか否かを決定する条件に電池温度Tを加えたフローチャート図であり、図17に示すSOCの推定処理に対して「S37B」の処理が追加されている。すなわち、温度センサ95により検出される電池温度Tが第2温度(本例では10℃)以下かどうか、制御部60にて判定する処理が追加されている。
図23に示すSOCの推定処理では、SOCの現在値が高変化領域H1、H2、H3のいずれかに属しており、かつ無電流で、電池温度Tが10℃より大きい場合(S30YES、S35:YES、S37B:NO)に、制御部60は、電流積算法で推定したSOCをカルマンフィルタで補正する処理を実行する(S40)。そして、制御部60は、補正後のSOCを、次の時点のSOC、すなわちSOCの最新値とする。
一方、SOCの現在値が高変化領域H1、H2、H3に属していない場合(S30:NO)と、二次電池31が無電流の場合(S35:YES)と、電池温度Tが10℃以下の場合(S37B:YES)、制御部60は、カルマンフィルタの補正を行わず、電流積算法により推定されるSOCを、次の時点のSOC、すなわちSOCの最新値とする。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1〜4では、蓄電素子の一例にリチウムイオン二次電池31を例示した。蓄電素子は、SOCに対するOCVの変化率が相対的に低い低変化領域と、SOCに対するOCVの変化率が相対的に高い高変化領域を有する特性であれば、リチウムイオン電池以外であってもよい。
(2)実施形態1〜4では、SOCの推定値に基づいて、二次電池31が高変化領域H1〜H3に属しているのか判定した。領域の判定方法は、二次電池31の充放電容量変化に対する電圧変化(ΔV/ΔAh)を閾値と比較することにより、判定するものであってもよい。すなわち、電流センサ40と電圧検出回路80の出力から単位時間あたりの充放電容量変化ΔAhと電圧変化ΔVをそれぞれ算出し、その比(ΔV/ΔAh)を閾値と比較することにより、領域を判定するようにしてもよい。
(3)カルマンフィルタを適用して補正した時のSOCの推定精度は、二次電池31の等価回路モデルMによる内部状態の推定精度に依存しており、例えば、電流値が大きい場合は、等価回路モデルMによる内部状態の推定精度が低下しやすい。実施形態1では、二次電池31が高変化領域H1〜3に属している場合に制限して、電流積算法で推定したSOCを、カルマンフィルタを利用して補正した例を示した。これ以外にも、電流値が大きいなど、内部状態の推定精度が低下しやすい場合は、二次電池31が高変化領域H1〜H3に属している場合であっても、カルマンフィルタによる補正を制限して実行しないようにしてもよい。
(4)実施形態1では、二次電池31の内部状態(SOC,U1,U2,R0)を推定する推定モデルの一例に、等価回路モデルMを例示した。推定モデルMは、二次電池31の内部状態(SOC,U1,U2,R0)を推定するモデルであれば、等価回路モデル以外のモデルであってもよい。また、等価回路モデルを適用する場合でも、二次電池31の分極電圧を模擬するインピーダンスZの項数を2項以外にするなど、実施形態1で例示した等価回路モデルMとは異なるモデルを用いることも可能である。
(5)また、実施形態1では、電流積算法により推定されるSOCを、カルマンフィルタを用いて補正した例を示したが、例えば、適応デジタルフィルタを用いて補正してもよい。すなわち、電流積算法により推定されるSOCを、蓄電素子の端子電圧の観測値と蓄電素子の内部状態を推定する推定モデルにより予測される端子電圧に基づいて補正するものであれば、適応デジタルフィルタなどカルマンフィルタ以外のフィルタを使用した補正が可能である。
20...電池パック
30...組電池
31...二次電池(本発明の「蓄電素子」に相当)
40...電流センサ
50...バッテリマネージャ(本発明の「状態推定装置」に相当)
60...制御部(本発明の「領域判定部」、「SOC推定部」に相当)
61...CPU
63...メモリ
80...電圧検出回路

Claims (10)

  1. SOCの変化量に対するOCVの変化量が相対的に低い低変化領域と相対的に高い高変化領域を有する蓄電素子の状態を推定する状態推定装置であって、
    前記蓄電素子が前記高変化領域に属しているか判定する領域判定部と、
    前記蓄電素子の内部状態の一つであるSOCを推定するSOC推定部と、を備え、
    前記SOC推定部は、
    前記蓄電素子の電流を積算する電流積算法により前記蓄電素子のSOCを推定し、
    前記蓄電素子が高変化領域に属している場合、前記電流積算法により推定されるSOCを、前記蓄電素子の端子電圧の観測値と前記蓄電素子の内部状態を推定する推定モデルにより予測される端子電圧とに基づいて補正する補正処理を行う、状態推定装置。
  2. 請求項1に記載の状態推定装置であって、
    前記低変化領域は、SOCの変化量に対するOCVの変化量が所定値より小さいプラトー領域であり、前記プラトー領域では、前記補正処理をしない、状態推定装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の状態推定装置であって、
    前記補正は、前記蓄電素子の端子電圧の観測値と前記推定モデルにより予測される端子電圧とに基づいて、前記推定モデルにより推定される前記蓄電素子の内部状態の推定誤差を小さくするカルマンフィルタである状態推定装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の状態推定装置であって、
    前記推定モデルはOCVと、導体抵抗と、前記蓄電素子の短期分極を模擬した第1インピーダンスと、前記蓄電素子の長期分極を模擬した第2インピーダンスとを含む、前記蓄電素子の等価回路モデルである、状態推定装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の状態推定装置であって、
    前記SOC推定部は、前記蓄電素子が高変化領域に含まれ、かつ前記蓄電素子が無電流の場合に、前記補正処理を実行する状態推定装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の状態推定装置であって、
    前記蓄電素子の温度を検出する温度検出部を備え、
    前記SOC推定部は、前記蓄電素子の温度が第1温度以上の高い場合、前記補正処理を実行する状態推定装置。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の状態推定装置であって、
    前記蓄電素子の温度を検出する温度検出部を備え、
    前記SOC推定部は、前記蓄電素子の温度が第2温度以下の場合、前記補正処理を実行しない状態推定装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の状態推定装置であって、
    前記領域判定部は、前記SOC推定部にて推定されるSOCの値に基づいて、前記蓄電素子が前記高変化領域に属しているか判定する状態推定装置。
  9. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の状態推定装置であって、
    前記領域判定部は、前記蓄電素子の充放電容量変化に対する電圧変化を閾値と比較することにより、前記蓄電素子が前記高変化領域に属しているか判定する状態推定装置。
  10. SOCの変化に対するOCVの変化が相対的に低い低変化領域と相対的に高い高変化領域を有する蓄電素子の状態を推定する状態推定方法であって、
    前記蓄電素子が前記高変化領域に属しているか判定する領域判定ステップと、
    前記蓄電素子の内部状態の一つであるSOCを推定するSOC推定ステップと、を含み、
    前記SOC推定ステップでは、
    前記蓄電素子の電流を積算する電流積算法により前記蓄電素子のSOCを推定し、
    前記蓄電素子が高変化領域に属している場合、前記電流積算法により推定されるSOCを、前記蓄電素子の端子電圧の観測値と前記蓄電素子の内部状態を推定する推定モデルにより予測される端子電圧とに基づいて補正する状態推定方法。
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