JP2017122473A - ローラチェーン - Google Patents

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Abstract

【課題】ブシュとローラとの間に配置した潤滑剤をシールしつつ、ローラの回転を妨げることを抑制できるローラチェーンを提供する。【解決手段】ローラチェーンは、一対の内リンクプレート12と、一対の内リンクプレート12に両端部がそれぞれ接合されるブシュ17と、ブシュ17に挿入されるピン20と、ブシュ17が挿入されてブシュ17によって支持されるローラ18と、一対の内リンクプレート12を外側から挟むように配置されてピン20の両端部がそれぞれ接合される一対の外リンクプレートと、内リンクプレート12とローラ18の端面18aとの間に配置されてブシュ17とローラ18との間に配置された潤滑剤Gをシールするシール部19とを備える。シール部19は、ローラ18に接触する自己潤滑性を有する合成樹脂からなる第1層31と、第1層31及び内リンクプレート12の両方に面接触する弾性発泡体からなる第2層32とを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、ブシュとローラとの間に封入される潤滑剤が外部へ漏れ出すことを抑制するとともに、ブシュとローラとの間に外部から異物が進入することを抑制するシール構造を備えたローラチェーンに関する。
従来、この種のローラチェーンとしては、例えば特許文献1に示すものが知られている。このようなローラチェーンでは、内リンクプレートの内側面にブシュを中心とした円形の凹部が形成され、この凹部の底面にブシュを中心とした円環状の凹溝が形成されている。この凹溝にはゴムなどの弾性体からなるOリングが嵌め込まれ、Oリングは自然長状態で凹溝から所定量だけ突出している。
ローラの両端面にはその外周側が削られることで円環状のボス部が形成され、このボス部にリング(ワッシャ)状のシールプレートが内リンクプレートの内側面の凹部内に収まるように回転自在に遊嵌されている。そして、Oリングがシールプレートに圧接することで、ブシュとローラとの間に配置した潤滑剤をシールしている。
特開2005−282813号公報
ところで、上述のようなローラチェーンでは、一般に使用時の圧縮可能範囲(30%以下)が狭くて圧縮時の反発力が高いとされるOリングがシールプレートに対して線接触するので、ローラがシールプレートを押圧した場合にはシールプレートがOリングから高い面圧を受ける。すなわち、シールプレートがOリングの反発力によって強く押し返されるので、シールプレートがローラに対して強く接触する。この結果、シールプレートによってローラの回転が妨げられてしまうおそれがあるという問題がある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、ブシュとローラとの間に配置した潤滑剤をシールしつつ、ローラの回転を妨げることを抑制できるローラチェーンを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するローラチェーンは、互いに対向して離れて配置される一対の内リンクプレートと、前記一対の内リンクプレートに両端部がそれぞれ接合される筒状のブシュと、前記ブシュに回転可能に挿入されるピンと、前記ブシュが挿入されて前記ブシュによって回転可能に支持される筒状のローラと、前記一対の内リンクプレートを外側から挟むように配置されて前記ピンの両端部がそれぞれ接合される一対の外リンクプレートと、前記内リンクプレートと前記ローラの端面との間に配置されて前記ブシュの外周面と前記ローラの内周面との間に配置された潤滑剤をシールするシール部とを備えたローラチェーンであって、前記シール部は、前記ローラの端面に接触する自己潤滑性を有する合成樹脂によって構成された第1層と、前記第1層及び前記内リンクプレートの両方に面接触する弾性発泡体によって構成された第2層とを備える。
この構成によれば、第1層は第2層と面接触しているため、第2層を従来のOリングで構成する場合に比べて第1層が第2層から受ける面圧を低減できる。このため、第1層のローラに対する接触圧力を従来よりも低く抑えることができる。したがって、第1層の自己潤滑性も手伝ってローラの回転時におけるローラと第1層との摺動抵抗を効果的に低減できるので、第1層によってローラの回転が妨げられることを抑制できる。よって、ブシュとローラとの間に配置した潤滑剤をシールしつつ、ローラの回転を妨げることを抑制できる。
上記ローラチェーンにおいて、前記第2層は、前記ブシュを囲む環状に形成され、その内周面が前記ブシュの外周面に接触していることが好ましい。
この構成によれば、第2層の弾性により、シール部のローラに対するブシュの軸方向における追随性だけでなく、シール部のローラに対するブシュの軸方向と交差する方向における追随性を発揮することができる。
上記ローラチェーンにおいて、前記第2層は、相対的に反発性の低い低反発層と、相対的に反発性の高い高反発層とを備え、前記低反発層は、前記第1層と前記高反発層との間に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、例えば低反発層が潤滑剤に対する耐性が高く且つ高反発層が潤滑剤に対する耐性が低い場合には、低反発層によって高反発層を潤滑剤から保護しながら、高反発層の反発力によりシール部のローラに対する追随性を高めることができる。
上記ローラチェーンにおいて、前記第2層は、独立気泡発泡体によって構成されていることが好ましい。
この構成によれば、第2層を連続気泡発泡体によって構成する場合に比べて、シール部の反発性を高めることができる。
上記ローラチェーンにおいて、前記ローラの外径は、前記内リンクプレートの高さ及び前記外リンクプレートの高さよりも大きいことが好ましい。
この構成によれば、ローラの一部を一対の内リンクプレート間の領域及び一対の外リンクプレート間の領域からはみ出させることができるので、ローラを走行面上で転動させながら移動させることによって物品を搬送するコンベヤチェーンとして好適に使用することができる。
本発明によれば、ブシュとローラとの間に配置した潤滑剤をシールしつつ、ローラの回転を妨げることを抑制できる。
第1実施形態のローラチェーンの一部を示す一部破断平面図。 図1の要部拡大図。 図1の側面図。 図2の要部拡大図。 第2実施形態のローラチェーンの要部拡大断面図。 図5の要部拡大図。
(第1実施形態)
以下、ローラチェーンの第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、ローラチェーン11は、互いに幅方向Yで対向して離れて配置される一対の内リンクプレート12を各々有した複数の内リンク13と、一対の内リンクプレート12を幅方向Yの外側から挟むように配置される一対の外リンクプレート14を各々有した複数の外リンク15とを備えている。
内リンク13の内リンクプレート12及び外リンク15の外リンクプレート14は、ローラチェーン11が幅方向Yと直交する長手方向の一方側から引っ張られて移動する場合の移動方向ともなる直列方向Xに沿って延びる略矩形板状をなしており、直列方向Xの両端部が丸みを帯びている。
そして、幅方向Yで対向する内リンクプレート12及び外リンクプレート14は、互いに平行となるように配置されている。したがって、本実施形態のローラチェーン11は、その直列方向Xにおける内リンク13及び外リンク15の一端側と他端側でそれぞれ内リンクプレート12間の間隔及び外リンクプレート14間の間隔が等しくなるように構成された所謂フラットタイプのチェーンである。
図1及び図2に示すように、内リンクプレート12の直列方向Xにおける両端部には、それぞれ円形のブシュ挿入孔16が内リンクプレート12の厚さ方向ともなる幅方向Yに貫通するように形成されている。内リンク13において対向する一対の内リンクプレート12間には、これら一対の内リンクプレート12間の距離を保つように円筒状のブシュ17が2つ組み付けられる。
ブシュ17は、その両端部が一対の内リンクプレート12のブシュ挿入孔16に対してそれぞれ嵌合(接合)されている。ブシュ17は、円筒状のローラ18に挿入されることでローラ18を回転可能に支持している。すなわち、ブシュ17は、ローラ18に遊嵌されている。この場合、図3に示すように、ローラ18は、その外径が内リンクプレート12の高さ及び外リンクプレート14の高さよりも大きくなるように設定されている。
すなわち、ローラ18の外径は、直列方向X及び幅方向Yの両方と直交する方向である高さ方向Zにおける内リンクプレート12の長さ及び外リンクプレート14の長さよりも大きくなっている。そして、ローラ18の一部は、一対の内リンクプレート12間の領域及び一対の外リンクプレート14間の領域から高さ方向Zにおいてはみ出している。つまり、ローラ18は、一対の内リンクプレート12間の領域及び一対の外リンクプレート14間の領域から高さ方向Zの両側に同じ分だけはみ出している。
図1及び図2に示すように、幅方向Yにおけるローラ18の両端面18aと一対の内リンクプレート12の内側面12aとの間には、ブシュ17の外周面17aとローラ18の内周面18bとの間に配置された潤滑剤G(図4参照)をシールする円環板状のシール部19がブシュ17を囲むように配置されている。潤滑剤としては、固体潤滑剤(例えば、粉末のグラファイトや粉末の二硫化モリブデンなどを円筒状に圧縮成形したもの)やグリースなどを用いることができる。本実施形態では、潤滑剤としてグリースが採用されている。
外リンクプレート14の直列方向Xにおける両端部には、それぞれブシュ17の内径よりも若干小さい外径を有した円柱状のピン20が挿嵌される円形のピン挿入孔21が外リンクプレート14の厚さ方向ともなる幅方向Yに貫通するように形成されている。ピン20の先端部には貫通孔22が形成され、貫通孔22にはピン20がピン挿入孔21から抜けないようにするための抜止ピン23が挿入されている。抜止ピン23は、自身が貫通孔22から抜けないように、先端部が屈曲されている。
そして、外リンク15の一対の外リンクプレート14は、ブシュ17が一対の内リンクプレート12間に組み付けられて形成された内リンク13における一対の内リンクプレート12を外側から挟むように配置された状態で、ピン20を介して内リンク13の内リンクプレート12に対して回動自在に連結される。この場合、ピン20は、両端部以外の中間部が内リンク13の一対の内リンクプレート12間に組み付けられたブシュ17に回転可能に挿入された状態で、両端部が外リンク15の一対の外リンクプレート14のピン挿入孔21に対して嵌合(接合)されている。
したがって、ピン20の両端部は一対の外リンクプレート14をそれぞれ貫通しており、直列方向Xで隣り合う内リンク13の内リンクプレート12と外リンク15の外リンクプレート14とが直列方向Xの端部同士でピン20及びブシュ17を介して回動自在に連結されている。なお、本実施形態のローラチェーン11は、鋼材によって構成されている。
次に、シール部19の構成について詳述する。
図4に示すように、シール部19は、ローラ18の端面18aに摺動可能に面接触する自己潤滑性を有する合成樹脂によって構成された第1層31と、第1層31におけるローラ18側とは反対側の面及び内リンクプレート12の内側面12aの両方に面接触する弾性発泡体によって構成された第2層32とを備えた二層構造になっている。第1層31及び第2層32は、いずれも円環板状をなしている。本実施形態では第1層31の厚さが第2層32の厚さの半分程度になるように設定されている。
第1層31を構成する合成樹脂としては、ポリアミド(ナイロン)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのエンジニアリングプラスチックを用いることができる。本実施形態の第1層31を構成する合成樹脂には、摺動性及び耐摩耗性に優れたポリアミド6,6(PA6,6;ナイロン6,6)が採用されている。第1層31は、ブシュ17を囲んでおり、その内周面31aがブシュ17の外周面17aに接触している。
第2層32を構成する弾性発泡体としては、ニトリルゴム(NBR)や天然ゴム(NR)などの独立気泡発泡体を用いることができる。本実施形態の第2層32を構成する弾性発泡体には、耐油性を有するニトリルゴムスポンジが採用されている。第2層32は、ブシュ17を囲んでおり、その内周面32aが自身の弾性力によりブシュ17の外周面17aに圧接している。つまり、第2層32は、第1層31におけるローラ18側とは反対側の面、内リンクプレート12の内側面12a、及びブシュ17の外周面17aに密着し、且つ少し圧縮された状態で配置されている。
次に、ローラチェーン11を、ローラ18を走行面上で転動させながら移動させることによって物品を搬送するコンベヤチェーンとして使用した場合におけるシール部19の作用について説明する。
さて、ローラ18を走行面上で転動させながらローラチェーン11を移動させると、潤滑剤Gによってローラ18とブシュ17との間が潤滑される。このとき、潤滑剤Gは、シール部19の第1層31の内周面31aとブシュ17の外周面17aとの間を通ってシール部19の第2層32の内周面32aとブシュ17の外周面17aとの間に流れ込もうとするが、内周面32aは外周面17aに圧接状態で密着しているため、第2層32によって潤滑剤Gがブロックされる。したがって、潤滑剤Gが外部へ漏れ出すことが第2層32によって効果的に抑制される。
加えて、第2層32は、第1層31及び内リンクプレート12の内側面12aに面接触した状態で密着しているため、第2層32と第1層31との間や第2層32と内側面12aとの間に外部から粉塵などの異物が進入することが抑制される。このため、異物の噛み込みによってシール部19が損傷することが抑制されるとともに、異物がローラ18とブシュ17との間に進入することが抑制される。
また、ローラ18が走行面上で転動する際には、ローラ18がシール部19における自己潤滑性を有した第1層31に対して摺動する。このとき、第1層31は圧縮弾性変形した第2層32と面接触しているため、第2層32を従来のOリングで構成する場合に比べて第1層31が第2層32から受ける面圧が低減される。このため、第1層31のローラ18に対する接触圧力が従来よりも低く抑えられる。したがって、第1層31の自己潤滑性も手伝ってローラ18の転動時の摺動抵抗が効果的に低減されるので、第1層31(シール部19)によってローラ18の回転が妨げられることが抑制される。
また、ローラ18が走行面上で転動する際には、ローラ18が幅方向Yに振れることがあるが、この場合にはシール部19が第2層32の弾力性によってローラ18の動きに追随するので、シール部19によるシール性が低下することが抑制される。すなわち、ローラ18が幅方向Yの一方側に振れた場合には、ローラ18の振れた側にあるシール部19の第2層32の圧縮弾性変形量がローラ18の振れた分だけ増加するとともに、ローラ18の振れた側とは反対側にあるシール部19の第2層32の圧縮弾性変形量がローラ18の振れた分だけ減少する。したがって、ローラ18が振れた場合でも、ローラ18ががたつくことが抑制される。
このように、シール部19は、第2層32の弾力性によってシール性とローラ18に対する追随性とを発揮する一方で、第1層31の自己潤滑性によってローラ18に対する高い摺動性を発揮する。したがって、シール部19は、ローラ18の回転を妨げることを抑制しつつ、ブシュ17とローラ18との間に配置した潤滑剤Gをシールする。
以上詳述した第1実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)ローラチェーン11において、シール部19は、ローラ18の端面18aに接触する自己潤滑性を有した第1層31と、第1層31及び内リンクプレート12の両方に面接触する弾力性を有した第2層32とを備える。このため、第1層31と第2層32との面接触により、第2層32を従来のOリングで構成する場合に比べて第1層31が第2層32から受ける面圧を低減できるので、第1層31のローラ18に対する接触圧力を従来よりも低く抑えることができる。したがって、第1層31の自己潤滑性も手伝ってローラ18の回転時におけるローラ18と第1層31との摺動抵抗を効果的に低減できるので、第1層31によってローラ18の回転が妨げられることを抑制できる。よって、ブシュ17とローラ18との間に配置した潤滑剤Gをシールしつつ、ローラ18の回転を妨げることを抑制できる。
(2)ローラチェーン11において、シール部19の第2層32は、ブシュ17を囲む円環状に形成され、その内周面32aがブシュ17の外周面17aに接触している。このため、第2層32の弾性により、シール部19のローラ18に対するブシュ17の軸方向ともなる幅方向Yにおける追随性だけでなく、シール部19のローラ18に対するブシュの軸方向と交差する方向(例えば、直列方向Xや高さ方向Z)における追随性を発揮することができる。
(3)ローラチェーン11において、第2層32は、独立気泡発泡体によって構成されている。このため、第2層32を連続気泡発泡体によって構成する場合に比べて、シール部の反発性を高めることができる。
(4)ローラチェーン11において、ローラ18の外径は、内リンクプレート12の高さ及び外リンクプレート14の高さよりも大きい。このため、ローラ18の一部を一対の内リンクプレート12間の領域及び一対の外リンクプレート14間の領域からはみ出させることができるので、ローラチェーン11を、ローラ18を走行面上で転動させながら移動させることによって物品を搬送するコンベヤチェーンとして好適に使用することができる。つまり、ローラチェーン11の走行中に、内リンクプレート12及び外リンクプレート14が走行面に接触しないようにすることができる。
(5)ローラチェーン11において、シール部19の第2層32は、第1層31及び内リンクプレート12の内側面12aに面接触した状態で密着しているため、第2層32と第1層31との間や第2層32と内側面12aとの間に外部から粉塵などの異物が進入することを抑制できる。このため、異物の噛み込みによってシール部19が損傷することを抑制できるとともに、異物がローラ18とブシュ17との間に進入することを抑制できる。
(6)ローラチェーン11において、シール部19は、従来よりも体積を大きくすることができるので、摩耗による早期の脱落が発生しにくい。このため、シール部19の脱落によって潤滑剤Gが消失されることを抑制できるので、潤滑剤Gによる潤滑効果を長期間維持できる。したがって、ブシュ17及びローラ18の摩耗寿命を延ばすことができる。
(7)ローラチェーン11において、シール部19の第2層32は、ローラ18に直接接触しないので、第2層32が摩耗することを抑制できる。したがって、シール部19の長寿命化に貢献することができる。
(8)ローラチェーン11において、シール部19は、ブシュ17とローラ18との間の潤滑剤Gをシールするので、潤滑剤Gの外部への漏出を長期間抑制できるとともに、ブシュ17とローラ18との間への外部からの異物の進入を長期間抑制することができる。したがって、ローラチェーン11を、潤滑剤Gを補充することなく(無給油で)使用することができる。
(9)ローラチェーン11において、シール部19は、オイルシールなどのメカニカルシールを使用しないので、その構造を簡単にすることができるとともに精密な加工も不要にすることができる。
(10)ローラチェーン11において、シール部19の第2層32はニトリルゴムスポンジによって構成されているため、第2層32をソリッドゴムによって構成する場合に比べて反発力を小さくすることができる。したがって、第2層32による第1層31のローラ18側への付勢力を、第2層32をソリッドゴムによって構成する場合に比べて、低く抑えることができるので、第1層31のローラ18に対する接触圧力が低減されて円滑なローラ18の回転を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、ローラチェーンの第2実施形態を図面に従って説明する。
この第2実施形態は、上記第1実施形態のローラチェーン11におけるシール部19を図5及び図6に示すシール部40に変更したものであり、その他の点では第1実施形態と同じであるため、同一の部材については同一符号を付すことによって重複した説明は省略する。
図5及び図6に示すように、シール部40は、上記第1実施形態のシール部19(図4参照)における第2層32を、相対的に反発性の低い低反発層41と、相対的に反発性の高い高反発層42とを積層した二層構造にしたものである。すなわち、シール部40は、第1層31、低反発層41、及び高反発層42を備えた三層構造になっている。本実施形態では、第1層31、低反発層41、及び高反発層42の厚さがそれぞれほぼ同じになるように設定されている。
低反発層41は、円環板状の弾性発泡体によって構成され、第1層31におけるローラ18側とは反対側の面及び高反発層42の両方に面接触するように配置されている。低反発層41を構成する弾性発泡体としては、ニトリルゴム(NBR)や天然ゴム(NR)などの独立気泡発泡体を用いることができる。本実施形態の低反発層41を構成する弾性発泡体には、耐油性を有するニトリルゴムスポンジが採用されている。
低反発層41は、ブシュ17を囲んでおり、その内周面41aが自身の弾性力によりブシュ17の外周面17aに圧接している。すなわち、低反発層41は、第1層31におけるローラ18側とは反対側の面、高反発層42、及びブシュ17の外周面17aに密着し、且つ少し圧縮された状態で配置されている。つまり、低反発層41は、第1層31と高反発層42との間に配置されている。
高反発層42は、円環板状の弾性発泡体によって構成され、低反発層41における第1層31側とは反対側の面及び内リンクプレート12の内側面12aの両方に面接触するように配置されている。高反発層42を構成する弾性発泡体としては、各種のウレタンスポンジなどの独立気泡発泡体を用いることができる。本実施形態の高反発層42を構成する弾性発泡体には、各種のウレタンスポンジの中でも比較的反発性の高い高弾性ウレタンスポンジが採用されている。
高反発層42は、ブシュ17を囲んでおり、その内周面42aが自身の弾性力によりブシュ17の外周面17aに圧接している。すなわち、高反発層42は、低反発層41における第1層31側とは反対側の面、内リンクプレート12の内側面12a、及びブシュ17の外周面17aに密着し、且つ少し圧縮された状態で配置されている。
次に、ローラチェーン11を、ローラ18を走行面上で転動させながら移動させることによって物品を搬送するコンベヤチェーンとして使用した場合におけるシール部40の作用について説明する。
さて、ローラ18を走行面上で転動させながらローラチェーン11を移動させると、潤滑剤Gによってローラ18とブシュ17との間が潤滑される。このとき、潤滑剤Gは、シール部40の第1層31の内周面31aとブシュ17の外周面17aとの間を通ってシール部40の低反発層41の内周面41aとブシュ17の外周面17aとの間に流れ込もうとするが、内周面41aは外周面17aに圧接状態で密着しているため、低反発層41によって潤滑剤Gがブロックされる。
したがって、潤滑剤Gが低反発層41の内周面41aとブシュ17の外周面17aとの間、高反発層42の内周面42aとブシュ17の外周面17aとの間、及び高反発層42と内リンクプレート12の内側面12aとの間を通って外部へ漏れ出すことが低反発層41によって効果的に抑制される。このため、高反発層42が潤滑剤Gに晒されることが抑制される。この場合、高反発層42を構成する高弾性ウレタンスポンジは油を含む潤滑剤Gに対する耐性が低いが、低反発層41を構成するニトリルゴムスポンジは油を含む潤滑剤Gに対する耐性(耐油性)が高いため、低反発層41によって油を含む潤滑剤Gから高反発層42が保護される。
また、ローラ18が走行面上で転動する際には、ローラ18が幅方向Yに振れることがあるが、この場合にはシール部40が低反発層41及び高反発層42の弾力性によってローラ18の動きに追随するので、シール部40によるシール性が低下することが抑制される。すなわち、ローラ18が幅方向Yの一方側に振れた場合には、ローラ18の振れた側にあるシール部40の低反発層41及び高反発層42の圧縮弾性変形量がローラ18の振れた分だけ増加するとともに、ローラ18の振れた側とは反対側にあるシール部40の低反発層41及び高反発層42の圧縮弾性変形量がローラ18の振れた分だけ減少する。
このとき、高反発層42を構成する高弾性ウレタンスポンジは、低反発層41を構成するニトリルゴムスポンジに比べて格段に反発性が高い。すなわち、高反発層42は、弾性変形に対する復元速度が低反発層41よりも格段に速い。このため、シール部40におけるローラ18に対する追随性が高反発層42によって高められる。つまり、高反発層42は、シール部40にローラ18に対する追随性を発揮させる上で、低反発層41を補助する役割を果たす。したがって、ローラ18が振れた場合でも、シール部40における特に高反発層42の反発力によってローラ18ががたつくことが効果的に抑制される。
以上詳述した第2実施形態によれば、上記(1)〜(10)の効果に加えて、次のような効果が発揮される。
(11)ローラチェーン11において、第2層32は、相対的に反発性の低い低反発層41と、相対的に反発性の高い高反発層42とを備え、低反発層41は、第1層31と高反発層42との間に配置されている。このため、低反発層41によって高反発層42を潤滑剤Gから保護しながら、高反発層42の反発力によりシール部40のローラ18に対する追随性をより一層高めることができる。
(12)ローラチェーン11において、シール部40は、高反発層42を構成する高弾性ウレタンスポンジと低反発層41を構成するニトリルゴムスポンジとを備えているため、ブシュ17及びローラ18間で発生する摺動音を物理的に遮音するだけでなく、吸音することもできる。したがって、ローラチェーン11の騒音低減に貢献できる。
(変更例)
なお、上記各実施形態は次のように変更してもよい。
・ローラチェーン11において、ローラ18の外径は、内リンクプレート12の高さ及び外リンクプレート14の高さ以下に設定してもよい。
・ローラチェーン11において、第2層32は、必ずしも独立気泡発泡体によって構成する必要はない。例えば、第2層32を連続気泡発泡体によって構成してもよい。
・ローラチェーン11において、シール部19の第2層32は、必ずしもブシュ17を囲む円環状に形成する必要はない。
・ローラチェーン11において、シール部19の第2層32の内周面32aは、必ずしもブシュ17の外周面17aに接触させる必要はない。
・ローラチェーン11は、対向する2つのリンクプレートの直列方向Xにおける一端側の幅を他端側の幅よりも狭くなるように湾曲したリンクをブシュ17及びピン20によって回動可能に複数連結した所謂オフセットタイプのチェーンであってもよい。
11…ローラチェーン、12…内リンクプレート、14…外リンクプレート、17…ブシュ、18…ローラ、19,40…シール部、20…ピン、31…第1層、32…第2層、41…低反発層、42…高反発層、G…潤滑剤。

Claims (5)

  1. 互いに対向して離れて配置される一対の内リンクプレートと、
    前記一対の内リンクプレートに両端部がそれぞれ接合される筒状のブシュと、
    前記ブシュに回転可能に挿入されるピンと、
    前記ブシュが挿入されて前記ブシュによって回転可能に支持される筒状のローラと、
    前記一対の内リンクプレートを外側から挟むように配置されて前記ピンの両端部がそれぞれ接合される一対の外リンクプレートと、
    前記内リンクプレートと前記ローラの端面との間に配置されて前記ブシュの外周面と前記ローラの内周面との間に配置された潤滑剤をシールするシール部と
    を備えたローラチェーンであって、
    前記シール部は、
    前記ローラの端面に接触する自己潤滑性を有する合成樹脂によって構成された第1層と、
    前記第1層及び前記内リンクプレートの両方に面接触する弾性発泡体によって構成された第2層と
    を備えることを特徴とするローラチェーン。
  2. 前記第2層は、前記ブシュを囲む環状に形成され、その内周面が前記ブシュの外周面に接触していることを特徴とする請求項1に記載のローラチェーン。
  3. 前記第2層は、相対的に反発性の低い低反発層と、相対的に反発性の高い高反発層とを備え、
    前記低反発層は、前記第1層と前記高反発層との間に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のローラチェーン。
  4. 前記第2層は、独立気泡発泡体によって構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のローラチェーン。
  5. 前記ローラの外径は、前記内リンクプレートの高さ及び前記外リンクプレートの高さよりも大きいことを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のローラチェーン。
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