JP2017120058A - 燃料供給制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料を移送するために必要なジェットポンプが噴出するリターン燃料の流量を確保する技術を提供する。
【解決手段】燃料供給制御装置は、メインタンクと、メインタンクの外部に設置されるサブタンクと、コモンレールと、通電制御されることによりコモンレール内の燃料を排出する減圧弁と、燃料をコモンレールに供給する燃料供給ポンプと、コモンレールで蓄圧された燃料をエンジンに噴射する燃料噴射弁と、燃料供給経路から排出されるリターン燃料を噴出して負圧を発生し、サブタンクの燃料をメインタンクに移送するジェットポンプと、を備える燃料供給システムに適用される。S410、S412において、サブタンクの燃料をメインタンクに移送するためにジェットポンプが噴出するリターン燃料が不足していると判定部が判定すると、S414において減圧弁制御部は、リターン燃料を増加するために減圧弁を通電制御する。
【選択図】図5

Description

本発明は、メインタンクから燃料噴射弁までの燃料供給経路から排出されるリターン燃料を噴出してジェットポンプが発生する負圧により、サブタンクからメインタンクに燃料を移送する技術に関する。
鞍型の燃料タンクのようにエンジンに供給する燃料をメインタンクとメインタンクの外部に設置したサブタンクとに貯留し、サブタンクの燃料をジェットポンプによりメインタンクに移送する燃料供給システムが知られている。
ジェットポンプは、燃料をノズルから噴出することにより負圧を発生し、この負圧によりサブタンク内の燃料を吸引してメインタンクに移送する。特許文献1に開示されている技術では、ジェットポンプが噴出する燃料を電動ポンプから供給する。
これに対し、メインタンクからエンジンに燃料を噴射する燃料噴射弁までの燃料供給経路から排出されるリターン燃料をジェットポンプが噴出する技術が知られている。燃料供給経路から戻されるリターン燃料をジェットポンプが噴出する燃料として使用すると、ジェットポンプが噴出する燃料を供給するために電動ポンプを設置する必要がない。
特許第4305304号公報
燃料供給経路から排出されるリターン燃料の流量はエンジン運転状態によってばらつきがある。そのため、ジェットポンプが噴出するリターン燃料が不足して負圧が十分に発生せず、サブタンクからメインタンクに燃料を移送できないことがある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、燃料を移送するために必要なジェットポンプが噴出するリターン燃料の流量を確保する技術を提供することを目的とする。
本発明の燃料供給制御装置(90)は、メインタンク(14)と、メインタンクの外部に設置されるサブタンク(16)と、燃料を蓄圧するコモンレール(70)と、通電制御されることによりコモンレール内の燃料を排出する減圧弁(72)と、メインタンクの燃料をコモンレールに供給する燃料供給ポンプ(30)と、コモンレールで蓄圧された燃料をエンジンに噴射する燃料噴射弁(80)と、減圧弁から排出される燃料を含みメインタンクから燃料噴射弁までの燃料供給経路から排出されるリターン燃料を噴出して負圧を発生し、サブタンクの燃料をメインタンクに移送するジェットポンプ(20)と、を備える燃料供給システム(10)に適用される燃料供給制御装置であって、判定部(94、S402〜S406、S410〜S416)と、減圧弁制御部(96、S402〜S406、S414、S416)と、を備えている。
判定部は、サブタンクの燃料をメインタンクに移送するためにジェットポンプが噴出するリターン燃料が不足しているか否かを判定する。減圧弁制御部は、リターン燃料が不足していると判定部が判定すると、リターン燃料を増加するために減圧弁を通電制御する。
この構成によれば、ジェットポンプが噴出するリターン燃料が不足している場合、リターン燃料を増加するために減圧弁を通電制御するので、ジェットポンプが噴出するリターン燃料が増加する。これにより、エンジン運転状態に関わらず、サブタンクからメインタンクに燃料を移送するために必要なジェットポンプが噴出するリターン燃料の流量を確保できる。
尚、この欄および特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本実施形態の燃焼供給システムを示すブロック図。 ジェットポンプのノズル径とリターン流量とジェットポンプの背圧との関係を示す特性図。 エンジン回転数とリターン流量との関係を示す特性図。 エンジン始動後の燃料供給制御処理を示すフローチャート。 通常運転時の燃料供給制御処理を示すフローチャート。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
[1.構成]
図1に示す本実施形態の蓄圧式の燃料供給システム10は、例えば4気筒のディーゼルエンジン(以下、単にエンジンとも言う。)2の気筒内に燃料を噴射する燃料噴射弁80に燃料を供給する。燃料供給システム10は、燃料フィルタ12と、メインタンク14と、サブタンク16と、ジェットポンプ20と、燃料供給ポンプ30と、コモンレール70と、燃料噴射弁80と、電子制御装置(Electronic Control Unit:ECU)90とを備えている。
燃料フィルタ12は燃料供給ポンプ30がメインタンク14から吸い上げる燃料中の異物を除去する。燃料フィルタ12で異物を除去された燃料は、燃料流路210を通り燃料供給ポンプ30に吸い上げられる。
メインタンク14の外部にはサブタンク16が設置されている。メインタンク14とサブタンク16とは、燃料室はそれぞれ独立しているがタンクケースは結合している所謂鞍型の燃料タンクであってもよいし、タンクケースがそれぞれ独立し離れて設置されている構成でもよい。
メインタンク14とサブタンク16とにはそれぞれタンク内の燃料の液面高さを検出する液面センサ18が設置されている。
ジェットポンプ20は、メインタンク14から燃料噴射弁80までの燃料供給経路から燃料流路220を介してメインタンク14に排出されるリターン燃料をノズル22から噴出して負圧を発生する。ジェットポンプ20は、発生した負圧によりサブタンク16の燃料を吸い上げてメインタンク14に移送する。
燃料流路220には、高圧ポンプ50から漏れ出て排出される燃料と、燃料噴射弁80のノズルニードルをリフトさせて開弁するときにノズルニードルのリフトを制御する制御室から排出される燃料と、減圧弁72が通電制御されて断続的に開弁するときにコモンレール70から排出される燃料等が流れる。
燃料流路220からジェットポンプ20に供給されるリターン燃料がノズル22で絞られると、ジェットポンプ20の背圧側である燃料流路220の圧力が上昇する。ジェットポンプ20の背圧側の燃料圧力が過度に上昇すると、背圧を受ける各所のシール部材が変形し、シール性が低下することがある。
図2に示すように、ジェットポンプ20の背圧は、ノズル径が小さくなるほど、リターン流量が増加するほど高くなる。そこで、エンジン2の始動終了後の通常運転時においてリターン流量が最大になっても背圧の上限を越えないように、ジェットポンプ20のノズル径は設定されている。
また、図3に示すように、リターン流量はエンジン回転数が高くなるほど増加する。ジェットポンプ20がノズル22からリターン燃料を噴出してサブタンク16内の燃料をメインタンク14に移送するために必要な負圧を発生する最小のリターン流量は、燃料供給システム10において予め設定されている。言い換えれば、最小のリターン流量を確保するための最低のエンジン回転数は燃料供給システム10において予め設定されている。
燃料供給ポンプ30は、フィードポンプ32と調量弁40と高圧ポンプ50とを備えており、フィードポンプ32がメインタンク14から吸い上げる燃料を高圧ポンプ50で加圧する。レギュレートバルブ34はフィードポンプ32が吐出する燃料圧力を所定圧力以下に調整する。
調量弁40は、エンジン運転状態に基づいて開度が制御される電磁弁である。調量弁40の開度が制御されると、フィードポンプ32から高圧ポンプ50に吸入される燃料吸入量が調整され、高圧ポンプ50が吐出する燃料吐出量が調整される。
燃料流路212は、燃料供給ポンプ30が吸い上げる燃料の一部を、高圧ポンプ50のカム室およびカムシャフト52のシール部にオリフィスを介して潤滑油として供給する。
高圧ポンプ50のプランジャ56は、カムシャフト52とともにカム54が回転することにより往復運動し、加圧室に吸入した燃料を加圧する。プランジャ56は、例えばカムシャフト52を挟んで径方向反対側に2個設置されている。
吸入弁60は、調量弁40から加圧室に燃料が吸入されるときに開弁し、加圧室から燃料が吐出されるときに閉弁する。一方、吐出弁62は、調量弁40から加圧室に燃料が吸入されるときに閉弁し、加圧室から燃料が吐出されるときに開弁する。
高圧ポンプ50から吐出された燃料は、燃料流路214を通りコモンレール70に供給される。コモンレール70は、高圧ポンプ50から供給された燃料を蓄圧する。コモンレール70で蓄圧された燃料は、エンジン2の各気筒に設置された燃料噴射弁80から気筒内に噴射される。
減圧弁72は、コモンレール70内の燃料圧力である実レール圧と目標レール圧との圧力差が所定値以上になると、ECU90からの駆動信号により通電制御されて断続的に開弁し、コモンレール70内の燃料を低圧の燃料流路220からメインタンク14に排出する。これにより、レール圧は減圧する。
圧力センサ74は、コモンレール70に設置されており、レール圧に対応する信号をECU90に出力する。
燃料供給制御装置に相当するECU90は、CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ等を中心とするマイクロコンピュータを搭載している。そして、ECU90は、液面センサ18、圧力センサ74、図示しないアクセル開度センサ、エンジン回転数(NE)センサを含む各種センサから出力信号を入力し、エンジン運転状態を制御する。
ECU90は、ROMまたはフラッシュメモリ等の非遷移的実体的記録媒体に記録されているプログラムを実行することにより、噴射制御部92と判定部94と減圧弁制御部96として機能する。
噴射制御部92は、調量弁40への通電量を制御して高圧ポンプ50の燃料吐出量を調量したり、コモンレール70のレール圧を減圧するために減圧弁72を通電制御したりすることにより、実レール圧が目標レール圧に一致するように制御する。また、噴射制御部902は、燃料噴射弁80の燃料噴射量、燃料噴射時期等の噴射制御を実行する。
判定部94は、サブタンク16の燃料をメインタンク14に移送するためにジェットポンプ20が噴出するリターン燃料が不足しているか否かを判定する。判定部94は、ジェットポンプ20が噴出するリターン燃料が不足していると判定すると、減圧弁72に対する強制駆動モードをオンにする。
減圧弁制御部96は、リターン燃料が不足していると判定部94が判定し強制駆動モードがオンになると、コモンレール70のレール圧が目標レール圧から所定値以上低下しない範囲内で、リターン燃料を増加するために減圧弁72を通電制御する。これにより、減圧弁72から燃料流路220に排出されるコモンレール70内の燃料が増加するので、ジェットポンプ20が噴出するリターン燃料が増加する。
[2.処理]
(1)始動時
図4のフローチャートに基づいて、ECU90が実行する燃料供給制御処理について説明する。図4のフローチャートは、エンジン2の始動時に実行される。図4および後述する図5において「S」はステップを表わしている。
噴射制御部92は、S400において燃料噴射弁80からの燃料噴射を開始してエンジンを始動する。判定部94は、エンジン2が始動されるとリターン燃料が不足していると判定し、S402において減圧弁72に対する強制駆動モードをオンに設定する。
強制駆動モードがオンになると、減圧弁制御部96は、エンジン始動時のレール圧が目標レール圧から所定値以上低下しない範囲内で、リターン燃料を増加するために減圧弁72を通電制御する。これにより、ジェットポンプ20が噴出するリターン燃料が増加する。
S404において判定部94は、強制駆動モードがオンになってから所定期間が経過したか否かを判定する。エンジン2が始動されてからS404において所定期間が経過するまで、判定部94はリターン燃料が不足していると判定するので、強制駆動モードはオンのままである。
S404で判定する所定期間は、例えば、エンジン2が始動されてから、減圧弁72が排出する燃料を含むリターン燃料をジェットポンプ20が噴出してサブタンク16からメインタンク14に燃料の移送が開始されると推定されるまでの期間に設定される。
例えば、所定期間は、予め実験等により、燃料供給システム10の構成に応じて設定される。また、リターン燃料の流量は燃料の粘度等によって変化するので、燃料温度に基づいて所定期間を補正してもよい。
S404の判定がYesになり、所定期間が経過すると、S406において判定部94は、強制駆動モードをオフにする。強制駆動モードがオフになると、減圧弁制御部96は、リターン燃料を増加するために減圧弁72を通電制御することを停止する。
このように、エンジン2の始動後の所定期間、リターン燃料を増加するために減圧弁72を通電制御することにより、ジェットポンプ20が噴出するリターン燃料は増加する。その結果、ジェットポンプ20が負圧を発生し、この負圧によりサブタンク16の燃料をメインタンク14に移送するために必要なリターン燃料の流量を確保できる。
減圧弁72に対する強制駆動モードがオフになると、噴射制御部92は、レール圧を目標レール圧に一致させるために減圧弁72を通電制御する。
(2)通常運転時
図5のフローチャートに基づいて、ECU90が実行する燃料供給制御処理について説明する。図5のフローチャートは、エンジン2の始動が完了し、エンジン回転数がアイドル回転数に達して通常運転状態になると所定時間間隔で実行される。
S410において、判定部94は、液面センサ18から取得するメインタンク14とサブタンク16とのそれぞれの燃料の液面高さを比較し、メインタンク14の液面高がサブタンク16の液面高さよりも低いか否かを判定する。判定部94は、メインタンク14とサブタンク16との液面高さを、それぞれのタンクに設置されている液面センサ18から取得する。
S410の判定がYesでありメインタンク14の液面高さがサブタンク16の液面高さよりも低い場合、判定部94はリターン燃料が不足していると判定しS414に処理を移行する。
S410の判定がNoでありメインタンク14の液面高さがサブタンク16の液面高さ以上の場合、ECU90は、メインタンク14の液面高さとサブタンク16の液面高さとの関係は正常であると判断する。
この場合、S412においてECU90は、エンジン回転数(NE)が所定のエンジン回転数(NE0)よりも低いか否かを判定する。所定のエンジン回転数(NE0)は、ジェットポンプ20がノズル22からリターン燃料を噴出してサブタンク16内の燃料をメインタンク14に移送するために必要な負圧を発生する最小のリターン流量を確保するための最低のエンジン回転数として設定されている。
つまり、エンジン回転数(NE)が所定のエンジン回転数(NE0)よりも低い場合、リターン燃料が不足していることを示している。
S412の判定がYesでありエンジン回転数(NE)が所定のエンジン回転数(NE0)よりも低い場合、判定部94はリターン燃料が不足していると判定しS414に処理を移行する。
S414において判定部94は、減圧弁72に対する強制駆動モードをオンに設定する。強制駆動モードがオンになると、減圧弁制御部96は、レール圧が目標レール圧から所定値以上低下しない範囲内で、リターン燃料を増加するために減圧弁72を通電制御する。これにより、減圧弁72から燃料流路220に排出されるコモンレール70の燃料が増加するので、ジェットポンプ20が噴出するリターン燃料が増加する。
図5の処理は所定時間間隔で実行されるので、メインタンク14の液面高さがサブタンク16の液面高さ以上になるまで、ならびにエンジン回転数(NE)が所定のエンジン回転数(NE0)以上になるまで、強制駆動モードはオンのままである。これにより、コモンレール70内の燃料が燃料流路220からジェットポンプ20に供給される。
S412の判定がNoであり、メインタンク14の液面高さがサブタンク16の液面高さ以上であり、エンジン回転数(NE)が所定のエンジン回転数(NE0)以上の場合、S416において判定部94は、強制駆動モードをオフに設定する。これにより、減圧弁制御部96は、リターン燃料を増加するために減圧弁72を通電制御することを停止する。
S416で強制駆動モードがオフになっても、噴射制御部92は、レール圧を目標レール圧に一致させるために、減圧弁72を通電制御する。
[3.効果]
以上説明した上記実施形態によれば、以下の(1)〜(5)の効果が得られる。
(1)エンジン2の始動直後は、サブタンク16からメインタンク14への燃料の移送が開始されておらず、サブタンク16からメインタンク14に燃料を移送する移送流路に燃料が満たされていないと考えられる。さらに、エンジン2の始動直後において、ジェットポンプ20に供給されるリターン流量は、サブタンク16からメインタンク14にジェットポンプ20が燃料を移送するためには不足していると考えられる。
そこで、エンジン2の始動後に減圧弁72を通電制御してジェットポンプ20に供給されるリターン燃料を増加する。これにより、サブタンク16内の燃料をメインタンク14に移送するための負圧を発生するために必要な流量のリターン燃料をジェットポンプ20に供給できる。
(2)メインタンク14の液面高さがサブタンク16の液面高さよりも低い場合、サブタンク16内の燃料がメインタンク14に移送されていないためにメインタンク14の液面高さが低下していると考えられる。
そこで、メインタンク14の液面高さがサブタンク16の液面高さよりも低い場合、減圧弁72を通電制御してジェットポンプ20に供給されるリターン燃料を増加する。これにより、サブタンク16内の燃料をメインタンク14に移送するための負圧を発生するために必要な流量のリターン燃料をジェットポンプ20に供給できる。
(3)エンジン回転数(NE)が所定のエンジン回転数(NE0)よりも低くリターン燃料が不足していることを示している場合、減圧弁72を通電制御してジェットポンプ20に供給されるリターン燃料を増加する。これにより、サブタンク16内の燃料をメインタンク14に移送するための負圧を発生するために必要な流量のリターン燃料をジェットポンプ20に供給できる。
(4)上記実施形態では、リターン燃料が不足していると判定部94が判定する場合だけ、つまり必要な場合だけ減圧弁72を通電制御してリターン燃料を増加する。これにより、例えば、リターン燃料を増加するために燃料流路212のオリフィスの径を拡大して常にリターン燃料を増加する構成に比べ、必要な量だけリターン燃料を増加できる。
その結果、燃料流路212のオリフィスの径を拡大する構成に比べ、ジェットポンプ20を通り燃料流路220からメインタンク14に戻されるリターン燃料の流量を低減できる。したがって、リターン燃料によるメインタンク14内の燃料温度の上昇を抑制し、温度上昇による燃料の劣化、エバポの発生等を抑制できる。
(5)ジェットポンプ20が噴出する燃料としてリターン燃料を使用するので、ジェットポンプ20が噴出する燃料を確保するために電動ポンプを設置する必要がない。
[4.他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、以下の種々の形態を取り得る。
(1)上記実施形態では、エンジン始動後と、メインタンク14の液面高さがサブタンク16の液面高さよりも低いときと、エンジン回転数が所定の回転数よりも低くリターン燃料が不足していることを示していの場合との3条件のうちいずれか一つが成立すると、減圧弁72を通電制御してジェットポンプ20に供給するリターン燃料を増加する。これに対し、3条件のうちいずれか一つだけを、減圧弁72を通電制御してジェットポンプ20に供給するリターン燃料を増加する条件としてもよい。
(2)上記実施形態では、ECU90が実行する機能を、ROMまたはフラッシュメモリ等の非遷移的実体的記録媒体に記録されているプログラムを実行することによりソフトウェアで実現した。これに対し、ECU90が実行する機能の一部またはすべてを、一つまたは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。
ECU90の機能の一部またはすべてをハードウェアである電子回路によって構成する場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。
(3)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。尚、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
(4)上述した燃料供給制御装置の他、当該燃料供給制御装置を構成要素とする燃料供給システム、当該燃料供給制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した記録媒体、燃料供給制御方法など、種々の形態で本発明を実現することもできる。
2:ディーゼルエンジン(エンジン)、10:燃料供給システム、14:メインタンク、16:サブタンク、20:ジェットポンプ、30:燃料供給ポンプ、70:コモンレール、72:減圧弁、80:燃料噴射弁、90:ECU(燃料供給制御装置)、94:判定部、96:減圧弁制御部

Claims (4)

  1. メインタンク(14)と、前記メインタンクの外部に設置されるサブタンク(16)と、燃料を蓄圧するコモンレール(70)と、通電制御されることにより前記コモンレール内の燃料を排出する減圧弁(72)と、前記メインタンクの燃料を前記コモンレールに供給する燃料供給ポンプ(30)と、前記コモンレールで蓄圧された燃料をエンジンに噴射する燃料噴射弁(80)と、前記減圧弁から排出される燃料を含み前記メインタンクから前記燃料噴射弁までの燃料供給経路から排出されるリターン燃料を噴出して負圧を発生し、前記サブタンクの燃料を前記メインタンクに移送するジェットポンプ(20)と、を備える燃料供給システム(10)に適用される燃料供給制御装置(90)であって、
    前記サブタンクの燃料を前記メインタンクに移送するために前記ジェットポンプが噴出する前記リターン燃料が不足しているか否かを判定する判定部(94、S402〜S406、S410〜S416)と、
    前記リターン燃料が不足していると前記判定部が判定すると、前記リターン燃料を増加するために前記減圧弁を通電制御する減圧弁制御部(96、S402〜S406、S414、S416)と、
    を備える燃料供給制御装置。
  2. 請求項1に記載の燃料供給制御装置であって、
    前記判定部(S402〜S406)は、前記エンジンが始動されると前記リターン燃料が不足していると判定し、前記エンジンが始動されてから、前記減圧弁制御部(S402)が前記判定部の判定に基づいて前記リターン燃料を増加するために前記減圧弁を通電制御することにより排出される燃料を含む前記リターン燃料を前記ジェットポンプが噴出して前記サブタンクから前記メインタンクに燃料の移送が開始されると推定されるまでの期間、リターン燃料が不足していると判定する、
    燃料供給制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の燃料供給制御装置であって、
    前記メインタンクの液面高さよりも前記サブタンクの液面高さが高い場合、前記判定部(S410)は前記リターン燃料が不足していると判定する、
    燃料供給制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料供給制御装置であって、
    エンジン回転数が所定の回転数よりも低く前記リターン燃料が不足していることを示している場合、前記判定部(S412)は前記リターン燃料が不足していると判定する、
    燃料供給制御装置。
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