JP2009228535A - 燃料残量検出装置およびそれを用いた燃料噴射システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料残量が少ない場合にも高精度に燃料タンクの燃料残量を検出する燃料残量検出装置およびそれを用いた燃料噴射システムを提供する。
【解決手段】エンジンキーがオンされエンジンが始動される場合(S300:Yes)、燃料残量検出装置は、燃温センサの出力に基づいて高圧ポンプが燃料タンクから吸い上げる燃料温度を検出し、初期燃料温度として記憶する(S302)。燃料温度に基づいて燃料残量を推定する条件が成立している所定のエンジン運転状態であり(S304:Yes)、エンジン始動から所定の運転時間が経過すると(S308:Yes)、燃料残量検出装置は、初期燃料温度と、初期燃料温度からの燃料温度の上昇量とに基づき、燃料タンクの燃料残量を推定する(S310)。燃料残量が減少し所定値以下であれば(S312:Yes)、燃料残量検出装置は警告灯により燃料残量が少ないことを報知する(S314)。
【選択図】図5
【解決手段】エンジンキーがオンされエンジンが始動される場合(S300:Yes)、燃料残量検出装置は、燃温センサの出力に基づいて高圧ポンプが燃料タンクから吸い上げる燃料温度を検出し、初期燃料温度として記憶する(S302)。燃料温度に基づいて燃料残量を推定する条件が成立している所定のエンジン運転状態であり(S304:Yes)、エンジン始動から所定の運転時間が経過すると(S308:Yes)、燃料残量検出装置は、初期燃料温度と、初期燃料温度からの燃料温度の上昇量とに基づき、燃料タンクの燃料残量を推定する(S310)。燃料残量が減少し所定値以下であれば(S312:Yes)、燃料残量検出装置は警告灯により燃料残量が少ないことを報知する(S314)。
【選択図】図5
Description
本発明は、内燃機関の各気筒に燃料を噴射する燃料噴射弁にコモンレールで蓄圧した燃料を供給し、燃料噴射弁から燃料タンクに余剰燃料をリターンする燃料噴射システムにおいて、燃料タンクの燃料残量を検出する燃料残量検出装置およびそれを用いた燃料噴射システムに関する。
従来、燃料供給ポンプから圧送される燃料をコモンレールで蓄圧し、コモンレールで蓄圧された燃料を燃料噴射弁から内燃機関の各気筒に噴射する燃料噴射システムにおいては、燃料タンクの燃料残量が減少し燃料供給ポンプが燃料タンクから燃料を吸い上げることができないと、燃料供給ポンプ内が燃料で満たされなくなる。
燃料供給ポンプ内が燃料で満たされなくなると、燃料タンクに燃料を給油しても、燃料供給ポンプが燃料タンクから燃料を吸い上げることは困難である。これにより、燃料供給ポンプからコモンレールに燃料を供給できなくなるので、内燃機関の始動不良が発生するおそれがある。
燃料タンクの燃料を燃料供給ポンプに供給するプライミングポンプが設置されていないか、通常の搭載状態では操作できない位置にプライミングポンプが設置されているシステムの場合には、このような状況を解決するために、車両をディーラに持ち込んで内燃機関を始動させる必要がある。
また、燃料は潤滑剤としても作用するので、燃料供給ポンプ内が燃料で満たされていない状態で燃料供給ポンプの駆動を継続すると、燃料供給ポンプが損傷するおそれがある。
そこで、燃料供給ポンプ内が燃料で満たされていない状態になる前に、燃料残量の減少を検出し、燃料残量が所定値以下に減少すると警告灯などで報知し、運転者に給油を促すことが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−276450号公報
そこで、燃料供給ポンプ内が燃料で満たされていない状態になる前に、燃料残量の減少を検出し、燃料残量が所定値以下に減少すると警告灯などで報知し、運転者に給油を促すことが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、燃料残量に応じてフロートが上下することにより燃料残量を検出する従来の燃料計では、車両が坂道を走行するときや、旋回走行をするときに燃料タンクの燃料が一方に偏ると、燃料計は燃料残量を正確に検出することができない。これにより、燃料残量が減少しているにも関わらず警告灯が点灯されないと、給油が必要なレベルまで燃料が減少していないと運転者が勘違いして車両の走行を続け、燃料供給ポンプ内に燃料が満たされない状態を招くという問題が生じる。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、燃料残量が少ない場合にも高精度に燃料タンクの燃料残量を検出する燃料残量検出装置およびそれを用いた燃料噴射システムを提供することを目的とする。
内燃機関の各気筒に燃料を噴射する燃料噴射弁にコモンレールで蓄圧した燃料を供給し、燃料噴射弁から燃料タンクに余剰燃料をリターンする燃料噴射システムにおいては、燃料噴射弁から燃料タンクに余剰燃料をリターンするときに、燃料圧力が高圧から低圧に低下する。この圧力低下により、リターン燃料の温度は上昇する。
このように温度の上昇した燃料が燃料タンクにリターンされると、燃料タンク内の燃料温度が上昇する。そして、燃料タンクの燃料残量が少ないほど、リターン燃料により燃料タンク内の燃料温度は上昇する。
そこで、請求項1から8に記載の発明によると、コモンレールで蓄圧した燃料を燃料噴射弁から内燃機関の各気筒に噴射し、燃料噴射弁から余剰燃料を燃料タンクにリターンする燃料噴射システムにおいて、燃料残量検出装置は、燃料タンクから燃料供給ポンプに吸い上げられる燃料温度を検出し、検出した燃料温度の変化に基づいて燃料タンクの燃料残量を推定する。
燃料タンクから燃料供給ポンプに吸い上げられる燃料温度は、燃料タンク内の燃料の偏り等に関わらず、燃料タンク内の燃料温度によって決定される値である。そして、前述したように、燃料タンクの燃料残量が少ないほど、リターン燃料により燃料タンク内の燃料温度は上昇する。これにより、燃料タンクの燃料残量が減少した状態で燃料タンク内の燃料が偏っても、燃料温度の変化に基づいて燃料タンクの燃料残量を推定することにより、燃料残量を高精度に検出できる。
また、燃料タンクから燃料供給ポンプが吸い上げる燃料温度を検出する燃温センサは、内燃機関の運転状態を制御するために標準で設置されているセンサである。したがって、燃料温度を検出するために新たなセンサを設置することなく、燃料温度の変化に基づいて燃料残量を推定できる。
また、フロート等を使用する従来の燃料計を省略することができるので、部品点数およびコストを低減できる。
これに対し、従来の燃料計と本発明の燃料残量検出装置とを併用することで、従来の燃料計の異常判定を行うことができる。また、従来の燃料計の異常時のバックアップとして、本発明の燃料残量検出装置を使用することも可能である。
これに対し、従来の燃料計と本発明の燃料残量検出装置とを併用することで、従来の燃料計の異常判定を行うことができる。また、従来の燃料計の異常時のバックアップとして、本発明の燃料残量検出装置を使用することも可能である。
請求項2に記載の発明によると、燃料残量を推定する条件が成立している所定運転状態であると運転状態判定手段が判定すると、燃料残量推定手段は燃料残量を推定する。
例えば、燃料温度の変化を検出するときの初期燃料温度が高すぎたり、燃料温度を検出する燃温センサが異常であったりする場合には、運転状態判定手段は、燃料温度の変化に基づいて燃料残量を推定する所定運転状態ではないと判定する。そして、燃料残量推定手段は、所定運転状態であれば燃料残量を推定し、所定運転状態でなければ燃料残量を推定しない。これにより、燃料残量を高精度に検出できる。
例えば、燃料温度の変化を検出するときの初期燃料温度が高すぎたり、燃料温度を検出する燃温センサが異常であったりする場合には、運転状態判定手段は、燃料温度の変化に基づいて燃料残量を推定する所定運転状態ではないと判定する。そして、燃料残量推定手段は、所定運転状態であれば燃料残量を推定し、所定運転状態でなければ燃料残量を推定しない。これにより、燃料残量を高精度に検出できる。
請求項3に記載の発明によると、燃料残量推定手段は、内燃機関の始動時からの燃料温度の変化に基づいて燃料残量を推定する。
内燃機関が停止すると燃料噴射弁から燃料タンクに余剰燃料がリターンされないので、燃料タンク内の燃料温度は低下する。そして、内燃機関が始動し、燃料噴射弁から燃料タンクへの余剰燃料のリターンが再開されると、燃料タンク内の燃料温度は燃料残量に応じて上昇する。したがって、この燃料温度の変化に基づいて、燃料タンクの燃料残量を検出できる。
内燃機関が停止すると燃料噴射弁から燃料タンクに余剰燃料がリターンされないので、燃料タンク内の燃料温度は低下する。そして、内燃機関が始動し、燃料噴射弁から燃料タンクへの余剰燃料のリターンが再開されると、燃料タンク内の燃料温度は燃料残量に応じて上昇する。したがって、この燃料温度の変化に基づいて、燃料タンクの燃料残量を検出できる。
請求項4に記載の発明によると、燃料残量推定手段は、内燃機関の負荷が上昇すると、負荷の上昇前と上昇後との燃料温度の変化に基づいて燃料残量を推定する。
内燃機関の負荷が上昇すると、燃料噴射弁による噴射量が増加し、これに伴って燃料噴射弁から燃料タンクにリターンされる燃料量が増加する。これにより、負荷が上昇すると、燃料タンク内の燃料温度が上昇する。したがって、この燃料温度の変化に基づいて、燃料タンクの燃料残量を推定できる。
内燃機関の負荷が上昇すると、燃料噴射弁による噴射量が増加し、これに伴って燃料噴射弁から燃料タンクにリターンされる燃料量が増加する。これにより、負荷が上昇すると、燃料タンク内の燃料温度が上昇する。したがって、この燃料温度の変化に基づいて、燃料タンクの燃料残量を推定できる。
請求項5に記載の発明によると、所定の低負荷領域から所定の高負荷領域に負荷が上昇すると、燃料残量推定手段は、負荷の上昇前と上昇後との燃料温度の変化に基づいて燃料残量を推定する。
低負荷領域から高負荷領域に内燃機関の負荷が移行すると、燃料噴射弁から燃料タンクにリターンされる燃料量が大きく増加する。これにより、負荷の上昇前と上昇後との燃料温度の変化が大きくなるので、燃料温度の変化に基づいて燃料残量を高精度に検出できる。
請求項6に記載の発明によると、燃料残量推定手段は、燃料温度の変化とコモンレールから燃料噴射弁に供給される燃料圧力とに基づいて燃料残量を推定する。
燃料噴射弁に供給される燃料圧力が高圧になるほど、燃料噴射弁からリターンされる燃料温度は高くなる。その結果、燃料残量が同じであっても、燃料圧力が高圧になるほど燃料温度の上昇量は大きくなる。したがって、燃料温度の変化に加え、燃料圧力に基づいて燃料残量を推定することにより、燃料残量を高精度に検出できる。
燃料噴射弁に供給される燃料圧力が高圧になるほど、燃料噴射弁からリターンされる燃料温度は高くなる。その結果、燃料残量が同じであっても、燃料圧力が高圧になるほど燃料温度の上昇量は大きくなる。したがって、燃料温度の変化に加え、燃料圧力に基づいて燃料残量を推定することにより、燃料残量を高精度に検出できる。
ところで、燃料タンクの燃料残量が少なくなると、燃料タンクから燃料供給ポンプに吸い上げられる燃料中のエアが増加する傾向にある。このようにエアが多く混入した燃料を燃料供給ポンプが吸い上げて圧送すると、コモンレール圧および燃料噴射弁の噴射量がばらつくことがある。
このように不安定な運転状態に基づいて異常診断を実施すると、燃料供給ポンプの加圧不良、あるいは燃料漏れ等の異常が発生していると誤診断するおそれがある。
また、エアの混入した燃料のためにコモンレール圧が目標圧に達しない場合、フィードバック制御により燃料供給ポンプの吐出量を過剰に増加させると、コモンレール圧が過度に上昇し、コモンレールに設置されているプレッシャリミッタが開弁する可能性がある。
また、エアの混入した燃料のためにコモンレール圧が目標圧に達しない場合、フィードバック制御により燃料供給ポンプの吐出量を過剰に増加させると、コモンレール圧が過度に上昇し、コモンレールに設置されているプレッシャリミッタが開弁する可能性がある。
そこで、請求項7に記載の発明によると、燃料残量推定手段が推定した燃料残量が所定値以下の場合、抑制手段は、異常診断の抑制、ならびに燃料ポンプに対する制御量の抑制の少なくともいずれか一方を実施する。
これにより、燃料タンクの燃料残量が所定値以下の場合、異常であるとの誤診断、あるいはコモンレール圧の過度の上昇を防止できる。
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、またはそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、またはそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
本発明の一実施形態による燃料噴射システムを図1に示す。
(燃料噴射システム10)
本実施形態の燃料噴射システム10は、例えば、自動車用の4気筒のディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」ともいう。)2に燃料を供給するためのものであり、コモンレール20に燃料を供給する高圧ポンプ14と、高圧燃料を蓄えるコモンレール20と、コモンレール20より供給される高圧燃料をエンジン2の各気筒に噴射する燃料噴射弁30と、本システムを制御する電子制御装置(Electronic Control Unit;ECU)40とを備える。高圧ポンプ14には、燃料タンク12から燃料を汲み上げるフィードポンプが内蔵されている。
本発明の一実施形態による燃料噴射システムを図1に示す。
(燃料噴射システム10)
本実施形態の燃料噴射システム10は、例えば、自動車用の4気筒のディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」ともいう。)2に燃料を供給するためのものであり、コモンレール20に燃料を供給する高圧ポンプ14と、高圧燃料を蓄えるコモンレール20と、コモンレール20より供給される高圧燃料をエンジン2の各気筒に噴射する燃料噴射弁30と、本システムを制御する電子制御装置(Electronic Control Unit;ECU)40とを備える。高圧ポンプ14には、燃料タンク12から燃料を汲み上げるフィードポンプが内蔵されている。
燃料供給ポンプとしての高圧ポンプ14は、カムシャフトのカムの回転に伴いプランジャが往復移動することにより、加圧室に吸入した燃料を加圧する公知のポンプである。高圧ポンプ14のプランジャは、1個のカムの周囲に複数設置されている。
調量アクチュエータとしての調量弁16は、高圧ポンプ14の吸入側に設置されており、電流制御されることにより高圧ポンプ14が吸入行程で吸入する燃料吸入量を調量する。そして、燃料吸入量が調量されることにより、高圧ポンプ14の燃料吐出量が調量される。
高圧ポンプ14の燃料吸入口側に、燃温センサ18が設置されている。燃料温度検出手段を構成する燃温センサ18は、高圧ポンプ14が燃料タンク12から吸い上げる燃料温度に応じた信号を出力する。
コモンレール20には、内部の燃料圧力(コモンレール圧)を検出する圧力センサ22、ならびに、コモンレール圧が過度に上昇すると開弁し内部の燃料を燃料タンク12側へ溢流させることでコモンレール圧を減圧するプレッシャリミッタ24が設置されている。圧力センサ22は、燃料圧力検出手段を構成している。
エンジン2には、運転状態を検出するセンサとして、エンジン2の回転数を検出する回転数センサ32が設置されている。
さらに、運転状態を検出する他のセンサとして、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度ACCPを検出するアクセルセンサ、吸入空気の温度(吸気温)、冷却水の温度(水温)をそれぞれ検出する温度センサ等が燃料噴射システム10に設けられている。
さらに、運転状態を検出する他のセンサとして、アクセルペダルの操作量であるアクセル開度ACCPを検出するアクセルセンサ、吸入空気の温度(吸気温)、冷却水の温度(水温)をそれぞれ検出する温度センサ等が燃料噴射システム10に設けられている。
燃料噴射弁30は、例えば、噴孔を開閉するノズルニードルのリフトを制御室の圧力で制御する公知の電磁弁である。燃料噴射弁30から燃料を噴射するときには、制御室と低圧側とを連通させることにより、コモンレール20から制御室に供給された高圧燃料を低圧側に溢流させる。これにより、制御室の燃料圧力が低下し、ノズルニードルがリフトする。燃料噴射弁30の制御室から低圧側に溢流した燃料は、燃料タンクに12にリターンされる。
燃料残量検出装置を構成するECU40は、CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ等を中心とするマイクロコンピュータにて構成されている。そして、ECU40は、燃温センサ18、圧力センサ22、回転数センサ32を含む各種センサから検出信号を取り込み、エンジン運転状態を制御する。例えば、ECU40は、高圧ポンプ14の吐出量、燃料噴射弁30の燃料噴射量、燃料噴射時期、およびメイン噴射の前後にパイロット噴射、ポスト噴射等を実施する多段噴射のパターンを制御する。
ECU40は、ROMまたはフラッシュメモリに記憶された制御プログラムにより、以下の各手段として機能する。
(燃料温度検出手段)
ECU40は、燃温センサ18の出力信号に基づいて、高圧ポンプ14が燃料タンク12から吸い上げる燃料温度を検出する。この燃料温度は、ほぼ燃料タンク12内の燃料温度と同じである。
(燃料温度検出手段)
ECU40は、燃温センサ18の出力信号に基づいて、高圧ポンプ14が燃料タンク12から吸い上げる燃料温度を検出する。この燃料温度は、ほぼ燃料タンク12内の燃料温度と同じである。
(始動検出手段)
ECU40は、エンジンキーがオンされることにより、エンジン2の始動を検出する。
(負荷判定手段)
ECU40は、燃料噴射弁30に対する指令噴射量およびエンジン回転数に基づき、エンジン2の負荷の大きさを判定する。ECU40は、図3に示すように、燃料噴射弁30に対する指令噴射量が多いほど、エンジン回転数が高いほどエンジン2の負荷は高いと判定する。
ECU40は、エンジンキーがオンされることにより、エンジン2の始動を検出する。
(負荷判定手段)
ECU40は、燃料噴射弁30に対する指令噴射量およびエンジン回転数に基づき、エンジン2の負荷の大きさを判定する。ECU40は、図3に示すように、燃料噴射弁30に対する指令噴射量が多いほど、エンジン回転数が高いほどエンジン2の負荷は高いと判定する。
(燃料圧力検出手段)
ECU40は、圧力センサ22の出力信号に基づいてコモンレール圧を検出することにより、コモンレール20から燃料噴射弁30に供給される燃料圧力を検出する。
ECU40は、圧力センサ22の出力信号に基づいてコモンレール圧を検出することにより、コモンレール20から燃料噴射弁30に供給される燃料圧力を検出する。
(燃料残量推定手段)
前述したように、燃料タンク12には、燃料噴射弁30の制御室から余剰燃料がリターンされる。このとき、燃料噴射弁30の制御室の高圧燃料が低圧側に溢流するので、燃料圧力の低下に伴い溢流する燃料の温度が上昇する。燃料温度の上昇量は、コモンレール圧が高いほど大きくなる。このように燃料圧力の低下に伴い温度の上昇した燃料が燃料タンク12にリターンされるので、燃料タンク12内の燃料温度は上昇する。
前述したように、燃料タンク12には、燃料噴射弁30の制御室から余剰燃料がリターンされる。このとき、燃料噴射弁30の制御室の高圧燃料が低圧側に溢流するので、燃料圧力の低下に伴い溢流する燃料の温度が上昇する。燃料温度の上昇量は、コモンレール圧が高いほど大きくなる。このように燃料圧力の低下に伴い温度の上昇した燃料が燃料タンク12にリターンされるので、燃料タンク12内の燃料温度は上昇する。
ECU40は、例えば、(1)エンジン始動時からの燃料温度の変化、(2)負荷の上昇による燃料温度の変化と、に基づいて燃料残量を次のように推定する。この場合、さらに圧力センサ22の出力信号に基づいて燃料残量を推定することにより、高精度に燃料残量を検出できる。
(1)エンジン始動時からの燃料温度の変化
例えば、エンジン始動時の初期温度が同じ場合、図2の(A)に示すように、所定時間経過後の温度上昇量(ΔT)は、燃料残量が少ないほど大きくなり、燃料残量が多いほど小さくなる。
例えば、エンジン始動時の初期温度が同じ場合、図2の(A)に示すように、所定時間経過後の温度上昇量(ΔT)は、燃料残量が少ないほど大きくなり、燃料残量が多いほど小さくなる。
また、燃料タンク12の燃料残量が同じであれば、例えばエンジン始動時の初期燃料温度が異なると、図2の(B)に示すように、エンジン始動後の時間経過とともに燃料タンク12内の燃料温度(T)の上昇特性は異なる。所定時間経過後の温度上昇量は、初期燃料温度が低いほど大きくなり、初期燃料温度が高いほど小さくなる。
これにより、ECU40は、エンジン始動時の初期燃料温度と、エンジン始動時からの燃料温度の変化である温度上昇量とに基づいて燃料タンク12の燃料残量を推定できる。
これに対し、燃料残量に応じて燃料上昇特性が異なるので、エンジン始動時から燃料温度をサンプリングし、燃料温度の変化である温度上昇の変化率と、初期燃料温度とに基づいて燃料タンク12の燃料残量を推定してもよい。
これに対し、燃料残量に応じて燃料上昇特性が異なるので、エンジン始動時から燃料温度をサンプリングし、燃料温度の変化である温度上昇の変化率と、初期燃料温度とに基づいて燃料タンク12の燃料残量を推定してもよい。
(2)エンジン負荷の上昇による燃料残量推定
エンジン2の負荷が上昇すると、燃料噴射弁30から燃料タンク12にリターンされる燃料量が増加する。これにより、負荷が上昇すると、燃料タンク12内の燃料温度は上昇する。
エンジン2の負荷が上昇すると、燃料噴射弁30から燃料タンク12にリターンされる燃料量が増加する。これにより、負荷が上昇すると、燃料タンク12内の燃料温度は上昇する。
そして、図4に示すように、例えば低負荷運転から高負荷運転に移行し高負荷運転が所定時間継続したときの温度上昇量ΔTk(k=0、1、・・・)は、低負荷運転が所定時間継続したときの負荷が上昇する前の低負荷側の燃料温度Tk(k=0、1、・・・)と燃料残量とに応じて異なる。
これにより、ECU40は、エンジン2の運転が低負荷運転から高負荷運転に移行し、エンジン2の負荷が上昇すると、燃料温度の変化である低負荷側の燃料温度Tkと温度上昇量ΔTkとに基づいて、燃料タンク12の燃料残量を推定できる。低負荷側の燃料温度Tkは、燃料残量を推定する時の初期燃料温度でもある。
エンジン負荷の上昇による燃料残量推定は、エンジン運転中に条件が成立すれば繰り返し実施できる。これにより、エンジン運転中に燃料残量が所定値以下になることを防止できる。
尚、負荷の上昇により燃料温度が上昇して変化するのであれば、負荷はどのように上昇してもよい。ただし、低負荷から高負荷に負荷が上昇すると、燃料温度の上昇量が大きくなるので、燃料温度の上昇量に基づいて燃料残量を高精度に検出できる。したがって、低負荷から高負荷に負荷が上昇したときの燃料温度の変化に基づいて、燃料残量を推定することが望ましい。
(運転状態判定手段)
ECU40は、以下の場合には、燃料温度の変化に基づいて燃料残量を推定する条件が成立している所定運転状態であると判定する。
ECU40は、以下の場合には、燃料温度の変化に基づいて燃料残量を推定する条件が成立している所定運転状態であると判定する。
(1)初期燃料温度が所定温度よりも低い。
これに対し、エンジン停止後にすぐに再始動した場合など、リターン燃料により上昇した燃料タンク12内の燃料温度が殆ど低下していない場合には、エンジン始動から所定時間経過しても、燃料残量に関係なく初期燃料温度からの温度上昇量は0か僅かである。
これに対し、エンジン停止後にすぐに再始動した場合など、リターン燃料により上昇した燃料タンク12内の燃料温度が殆ど低下していない場合には、エンジン始動から所定時間経過しても、燃料残量に関係なく初期燃料温度からの温度上昇量は0か僅かである。
また、負荷の上昇に伴う温度変化に基づいて燃料残量を推定する場合、負荷が上昇する前の低負荷運転の直前に高負荷運転が実施されていると、低負荷運転を実施するときに既に燃料温度が上昇している。その結果、低負荷から高負荷に負荷が上昇しても、低負荷運転を実施したときに検出する初期燃料温度から燃料温度は殆ど変化しない。
したがって、燃料残量を推定するときの初期燃料温度が所定温度以上の場合には、ECU40は燃料残量を推定できる所定運転状態ではないと判定する。
(2)エンスト状態ではない。
(2)エンスト状態ではない。
これに対し、エンスト状態では、燃料噴射弁30から燃料がリターンされない。この場合、ECU40は燃料残量を推定できる所定運転状態ではないと判定する。
(3)燃温センサ18が正常。
(3)燃温センサ18が正常。
これに対し、燃温センサ18の出力が、例えばHigh側またはLow側に固定されている場合など、燃温センサ18の異常時には、ECU40は燃料残量を推定できる所定運転状態ではないと判定する。
(4)周囲温度が所定範囲内。
これに対し、周囲の温度が低すぎたり、高すぎたりする場合には、燃料温度の上昇特性が基準特性から大きくずれることがあるので、ECU40は燃料残量を推定できる所定運転状態ではないと判定する。
これに対し、周囲の温度が低すぎたり、高すぎたりする場合には、燃料温度の上昇特性が基準特性から大きくずれることがあるので、ECU40は燃料残量を推定できる所定運転状態ではないと判定する。
(5)エンジン回転数がアイドル回転数以上。
これに対し、エンジン回転数がアイドル回転数よりも低い場合、エンジン運転状態が不安定なので、ECU40は燃料残量を推定できる所定運転状態ではないと判定する。
これに対し、エンジン回転数がアイドル回転数よりも低い場合、エンジン運転状態が不安定なので、ECU40は燃料残量を推定できる所定運転状態ではないと判定する。
(抑制手段)
燃料タンク12の燃料残量が減少すると、高圧ポンプ14が燃料タンク12から吸い上げる燃料中に混入するエアが増加する。すると、カムシャフトの周囲に複数設置されているプランジャのうち、上方側に設置されているプランジャの加圧室にエアが溜まりやすくなる。その結果、高圧ポンプ14に異常はないにもかかわらず、上方側のプランジャによる加圧不良と診断されるおそれがある。
燃料タンク12の燃料残量が減少すると、高圧ポンプ14が燃料タンク12から吸い上げる燃料中に混入するエアが増加する。すると、カムシャフトの周囲に複数設置されているプランジャのうち、上方側に設置されているプランジャの加圧室にエアが溜まりやすくなる。その結果、高圧ポンプ14に異常はないにもかかわらず、上方側のプランジャによる加圧不良と診断されるおそれがある。
また、高圧ポンプ14からコモンレール20に供給される燃料中のエアが増加すると、コモンレール圧が目標圧に上昇しないか、あるいは、ばらつく状態になる。
また、コモンレール圧が目標圧に上昇しないか、コモンレール圧がばらつくと、燃料噴射弁30から目標噴射量の燃料を噴射できないので、所望のエンジン運転状態を得ることができない。
また、コモンレール圧が目標圧に上昇しないか、コモンレール圧がばらつくと、燃料噴射弁30から目標噴射量の燃料を噴射できないので、所望のエンジン運転状態を得ることができない。
このように不安定な燃料圧力またはエンジン運転状態に基づいて異常診断を実施すると、異常がないにも関わらず、異常が発生したと誤診断されるおそれがある。
また、コモンレール圧が目標圧に達しないために、フィードバック制御により高圧ポンプ14からの吐出量を過度に増加させると、コモンレール圧が過度に上昇し、プレッシャリミッタ24が開弁するおそれがある。
また、コモンレール圧が目標圧に達しないために、フィードバック制御により高圧ポンプ14からの吐出量を過度に増加させると、コモンレール圧が過度に上昇し、プレッシャリミッタ24が開弁するおそれがある。
そこで、ECU40は、燃料温度に基づいて燃料タンク12の燃料残量が所定値以下になったと判定すると、異常診断を禁止するか、異常を判定するときの閾値に余裕をもたせて異常と判定する基準を緩和する等により、異常診断を抑制する。
また、ECU40は、高圧ポンプ14に対するフィードバック制御の制御量を低減するか、フィードバック制御を禁止してエンジン運転状態に基づくオープン制御に切り替えるか等により、高圧ポンプ14の制御量を抑制する。
(燃料残量検出)
次に、エンジン始動時からの燃料温度変化、エンジン負荷の上昇による燃料温度変化のそれぞれに基づく燃料残量の検出について説明する。ECU40は、少なくともいずれか一方の燃料温度の変化に基づいて燃料タンク12の燃料残量を推定し、燃料残量として検出する。
次に、エンジン始動時からの燃料温度変化、エンジン負荷の上昇による燃料温度変化のそれぞれに基づく燃料残量の検出について説明する。ECU40は、少なくともいずれか一方の燃料温度の変化に基づいて燃料タンク12の燃料残量を推定し、燃料残量として検出する。
(エンジン始動時からの燃料残量検出)
エンジン始動時からの燃料温度の変化に基づく燃料タンク12の燃料残量の検出について、図5〜図7の燃料残量検出ルーチン1〜3に基づいて説明する。燃料残量検出ルーチン1〜3は、エンジン始動時に燃温センサ18の出力に基づいて検出される初期燃料温度と、エンジン始動から、(1)所定運転時間、または(2)所定の燃料噴射量の積算値、または(3)所定車速以上での所定運転時間に達したときの初期燃料温度からの燃料温度上昇量とに基づいて、燃料タンク12の燃料残量を推定する。
エンジン始動時からの燃料温度の変化に基づく燃料タンク12の燃料残量の検出について、図5〜図7の燃料残量検出ルーチン1〜3に基づいて説明する。燃料残量検出ルーチン1〜3は、エンジン始動時に燃温センサ18の出力に基づいて検出される初期燃料温度と、エンジン始動から、(1)所定運転時間、または(2)所定の燃料噴射量の積算値、または(3)所定車速以上での所定運転時間に達したときの初期燃料温度からの燃料温度上昇量とに基づいて、燃料タンク12の燃料残量を推定する。
燃料残量検出ルーチン1〜3は常時実行される。図5〜図7において「S」はステップを表している。
(燃料残量検出ルーチン1)
図5のS300においてECU40は、エンジンキーがオンされたかを判定する。エンジンキーがオンされていない場合(S300:No)、ECU40は本ルーチンを終了する。
(燃料残量検出ルーチン1)
図5のS300においてECU40は、エンジンキーがオンされたかを判定する。エンジンキーがオンされていない場合(S300:No)、ECU40は本ルーチンを終了する。
エンジンキーがオンされた場合(S300:Yes)、ECU40は、エンジン2が始動されると判断し、燃温センサ18の出力に基づいて高圧ポンプ14が燃料タンク12から吸い上げる燃料温度を検出し、初期燃料温度としてRAMに記憶する(S302)。
S304においてECU40は、燃料温度に基づいて燃料残量を推定する条件が成立している所定のエンジン運転状態であるかを判定する。所定のエンジン運転状態ではない場合(S304:No)、ECU40は本ルーチンを終了する。所定のエンジン運転状態については、運転状態判定手段の項目で説明済みである。
所定のエンジン運転状態である場合(S304:Yes)、ECU40は、エンジン2の運転時間のカウントを開始する(S306)。所定の運転時間が経過すると(S308:Yes)、ECU40は、初期燃料温度と、初期燃料温度からの燃料温度の上昇量とに基づき、燃料タンク12の燃料残量を推定する(S310)。そして、燃料残量が所定値以下でなければ(S312:No)、ECU40は本ルーチンを終了する。
燃料残量が減少し所定値以下であれば(S312:Yes)、ECU40は警告灯により燃料残量が少ないことを報知する(S314)。
(燃料残量検出ルーチン2)
図6の燃料残量検出ルーチン2のS320〜S324、ならびにS330〜S334は、図5の燃料残量検出ルーチン1のS300〜S304、ならびにS310〜S314と実質的に同じである。
(燃料残量検出ルーチン2)
図6の燃料残量検出ルーチン2のS320〜S324、ならびにS330〜S334は、図5の燃料残量検出ルーチン1のS300〜S304、ならびにS310〜S314と実質的に同じである。
ただし、図6の燃料残量検出ルーチン2では、燃料噴射量の積算値が所定の積算噴射量になると(S326、S328)、燃料残量を推定する(S330)。
(燃料残量検出ルーチン3)
図7の燃料残量検出ルーチン3のS340〜S344、ならびにS350〜S354は、図5の燃料残量検出ルーチン1のS300〜S304、ならびにS310〜S314と実質的に同じである。
(燃料残量検出ルーチン3)
図7の燃料残量検出ルーチン3のS340〜S344、ならびにS350〜S354は、図5の燃料残量検出ルーチン1のS300〜S304、ならびにS310〜S314と実質的に同じである。
ただし、図7の燃料残量検出ルーチン3では、所定車速以上での運転時間が所定運転時間になると(S346、S348)、燃料残量を推定する(S350)。
(エンジン負荷の上昇による燃料残量検出)
エンジン2の負荷の上昇による燃料温度変化に基づく燃料タンク12の燃料残量の検出について、図8の燃料残量検出ルーチン4に基づいて説明する。燃料残量検出ルーチン4は常時実行される。図8において「S」はステップを表している。
(エンジン負荷の上昇による燃料残量検出)
エンジン2の負荷の上昇による燃料温度変化に基づく燃料タンク12の燃料残量の検出について、図8の燃料残量検出ルーチン4に基づいて説明する。燃料残量検出ルーチン4は常時実行される。図8において「S」はステップを表している。
(燃料残量検出ルーチン4)
図8のS360においてECU40は、燃料温度に基づいて燃料残量を推定する条件が成立している所定のエンジン運転状態であるかを判定する。所定のエンジン運転状態ではない場合(S360:No)、ECU40は本ルーチンを終了する。
図8のS360においてECU40は、燃料温度に基づいて燃料残量を推定する条件が成立している所定のエンジン運転状態であるかを判定する。所定のエンジン運転状態ではない場合(S360:No)、ECU40は本ルーチンを終了する。
所定のエンジン運転状態である場合(S360:Yes)、ECU40は、エンジン2が低回転低負荷運転状態であるかを判定する(S362)。エンジン2が低回転低負荷運転状態でない場合(S362:No)、ECU40は本ルーチンを終了する。
エンジン2が低回転低負荷運転状態の場合(S362:Yes)、ECU40は、低回転低負荷状態である運転時間のカウントを開始する(S364)。所定の運転時間が経過すると(S366:Yes)、ECU40は、燃温センサ18の出力に基づいて高圧ポンプ14が燃料タンク12から吸い上げる燃料温度を検出し、低回転低負荷運転における燃料温度としてRAMに記憶する(S368)。
S366の判定に使用する所定運転時間は、低回転低負荷運転が継続して燃料温度がほぼ一定になる運転時間であり、種々の条件下で実験等により設定された値である。
ECU40は、低回転低負荷運転における燃料温度を記憶した後の記憶後時間のカウントを開始する(S370)。エンジン2が高回転高負荷運転に移行する前に記憶後時間が所定の無効時間に達すると(S372:No)、ECU40は、低回転低負荷運転が長く続きすぎており燃料温度が変動する可能性があるので、燃料温度に基づいて燃料残量を推定できないと判断する。そこで、ECU40は、記憶している各パラメータをクリアし(S374)、本ルーチンを終了する。
ECU40は、低回転低負荷運転における燃料温度を記憶した後の記憶後時間のカウントを開始する(S370)。エンジン2が高回転高負荷運転に移行する前に記憶後時間が所定の無効時間に達すると(S372:No)、ECU40は、低回転低負荷運転が長く続きすぎており燃料温度が変動する可能性があるので、燃料温度に基づいて燃料残量を推定できないと判断する。そこで、ECU40は、記憶している各パラメータをクリアし(S374)、本ルーチンを終了する。
記憶後時間が所定の無効時間に達する前にエンジン2が高回転高負荷運転に移行すると(S376:Yes)、ECU40は、高回転高負荷状態である運転時間のカウントを開始する(S378)。所定の運転時間が経過すると(S380:Yes)、ECU40は、S368において記憶した低回転低負荷運転における低負荷側の燃料温度と、高回転高負荷運転が所定時間経過した後の低負荷側の燃料温度からの温度上昇量とに基づき、燃料タンク12の燃料残量を推定する(S382)。そして、燃料残量が所定値以下でなければ(S384:No)、ECU40は本ルーチンを終了する。
燃料残量が所定値以下であれば(S384:Yes)、ECU40は警告灯により燃料残量が少ないことを報知する(S386)。
以上説明した上記実施形態では、エンジン始動時の初期燃料温度と、エンジン始動後の所定時間経過後の初期燃料温度からの燃料温度上昇量とに基づいて、あるいは低速低負荷運転における低負荷側の初期燃料温度と、低速低負荷運転から高速高負荷運転に移行して所定時間経過した後の低負荷側の初期燃料温度からの温度上昇量とに基づいて、燃料タンク12の燃料残量を推定し、燃料残量を検出した。これにより、燃料残量が少ない状態で車両が坂道を走行、または旋回走行をしたときに燃料が一方に傾いても、燃料残量を高精度に検出できる。
以上説明した上記実施形態では、エンジン始動時の初期燃料温度と、エンジン始動後の所定時間経過後の初期燃料温度からの燃料温度上昇量とに基づいて、あるいは低速低負荷運転における低負荷側の初期燃料温度と、低速低負荷運転から高速高負荷運転に移行して所定時間経過した後の低負荷側の初期燃料温度からの温度上昇量とに基づいて、燃料タンク12の燃料残量を推定し、燃料残量を検出した。これにより、燃料残量が少ない状態で車両が坂道を走行、または旋回走行をしたときに燃料が一方に傾いても、燃料残量を高精度に検出できる。
[他の実施形態]
上記実施形態では、初期燃料温度と、初期燃料温度からの燃料温度上昇量または温度変化率とに基づいて燃料残量を推定した。これに対し、初期燃料温度がほぼ同じ運転状態で燃料残量を推定するのであれば、温度上昇量または温度変化に基づいて燃料残量を推定してもよい。
上記実施形態では、初期燃料温度と、初期燃料温度からの燃料温度上昇量または温度変化率とに基づいて燃料残量を推定した。これに対し、初期燃料温度がほぼ同じ運転状態で燃料残量を推定するのであれば、温度上昇量または温度変化に基づいて燃料残量を推定してもよい。
上記実施形態では、燃料温度の変化に基づいて燃料残量を検出する例について説明した。これに対し、フロート等を使用する従来の燃料計と本発明の燃料残量検出装置とを併用してもよい。従来の燃料計が検出する燃料残量と、ECU40が燃料温度の変化に基づいて検出する燃料残量とを比較することにより、従来の燃料計の異常判定を行うことができる。また、従来の燃料計の異常時のバックアップとして、燃料温度の変化に基づいて燃料残量を検出するECU40を使用することも可能である。
また、上記実施形態では、負荷が上昇する例として、低速低負荷から高速高負荷に移行する場合に温度変化に基づいて燃料残量を推定する例について説明した。これ以外にも、負荷の上昇にともない燃料噴射弁30からのリターン燃料により燃料タンク12内の燃料温度が上昇するのでれば、エンジン回転数、ならびに低負荷から高負荷に負荷が上昇することに関わらず、どのような状態でエンジン2の負荷が上昇してもよい。
また、高圧ポンプ14が燃料タンク12から吸い上げる燃料温度を検出できるのであれば、燃温センサ18は高圧ポンプ14に限らず、燃料配管または燃料タンク12に設置してもよい。
また、上記実施形態では、燃料温度検出手段、燃料残量推定手段、運転状態判定手段、始動検出手段、燃料圧力検出手段、負荷判定手段、抑制手段の機能を、制御プログラムにより機能が特定されるECU40により実現している。これに対し、上記複数の手段の機能の少なくとも一部を、回路構成自体で機能が特定されるハードウェアで実現してもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
2:ディーゼルエンジン(内燃機関)、10:燃料噴射システム、12:高圧ポンプ(燃料供給ポンプ)、18:燃温センサ(燃料温度検出手段)、20:コモンレール、22:圧力センサ(燃料圧力検出手段)、30:燃料噴射弁、40:ECU(燃料残量検出装置、燃料温度検出手段、燃料残量推定手段、運転状態判定手段、始動検出手段、燃料圧力検出手段、負荷判定手段、抑制手段)
Claims (8)
- 燃料供給ポンプから圧送されコモンレールで蓄圧された燃料を燃料噴射弁から内燃機関の各気筒に噴射し、前記燃料噴射弁から燃料タンクに余剰燃料をリターンする燃料噴射システムにおいて、前記燃料タンクの燃料残量を検出する燃料残量検出装置であって、
前記燃料タンクから前記燃料供給ポンプに吸い上げられる燃料温度を検出する燃料温度検出手段と、
前記燃料温度検出手段が検出する前記燃料温度の変化に基づいて前記燃料残量を推定する燃料残量推定手段と、
を備えることを特徴とする燃料残量検出装置。 - 前記燃料残量を推定する条件が成立している所定運転状態であるかを判定する運転状態判定手段をさらに備え、
前記燃料残量推定手段は、前記所定運転状態であれば前記燃料残量を推定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料残量検出装置。 - 前記内燃機関の始動を検出する始動検出手段をさらに備え、
前記始動検出手段が前記内燃機関の始動を検出すると、前記燃料残量推定手段は前記内燃機関の始動時からの前記燃料温度の変化に基づいて前記燃料残量を推定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料残量検出装置。 - 前記内燃機関の負荷の大きさを判定する負荷判定手段をさらに備え、
前記負荷が上昇したと前記負荷判定手段が判定すると、前記燃料残量推定手段は、前記負荷の上昇前と上昇後との前記燃料温度の変化に基づいて前記燃料残量を推定する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料残量検出装置。 - 所定の低負荷領域から所定の高負荷領域に前記負荷が上昇したと前記負荷判定手段が判定すると、前記燃料残量推定手段は、前記負荷の上昇前と上昇後との前記燃料温度の変化に基づいて前記燃料残量を推定することを特徴とする請求項4に記載の燃料残量検出装置。
- 前記コモンレールから前記燃料噴射弁に供給される燃料圧力を検出する燃料圧力検出手段をさらに備え、
前記燃料残量推定手段は、前記燃料温度の変化と前記燃料圧力とに基づいて前記燃料残量を推定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の燃料残量検出装置。 - 前記燃料残量推定手段が推定した前記燃料残量が所定値以下の場合、異常診断の抑制、ならびに前記燃料ポンプに対する制御量の抑制の少なくともいずれか一方を実施する抑制手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料残量検出装置。
- 燃料タンクから吸い上げた燃料を加圧し圧送する燃料供給ポンプと、
前記燃料供給ポンプが圧送する燃料を蓄圧するコモンレールと、
前記コモンレールが蓄圧している燃料を内燃機関の各気筒に噴射し、余剰燃料を前記燃料タンクにリターンする燃料噴射弁と、
請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料残量検出装置と、
を備えることを特徴とする燃料噴射システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008074044A JP2009228535A (ja) | 2008-03-21 | 2008-03-21 | 燃料残量検出装置およびそれを用いた燃料噴射システム |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2009228535A true JP2009228535A (ja) | 2009-10-08 |
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ID=41244214
Family Applications (1)
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JP2008074044A Pending JP2009228535A (ja) | 2008-03-21 | 2008-03-21 | 燃料残量検出装置およびそれを用いた燃料噴射システム |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103625007A (zh) * | 2013-11-22 | 2014-03-12 | 湖南九天科技股份有限公司 | 一种用于榨油机的余料检测方法和装置 |
KR101738960B1 (ko) | 2016-01-14 | 2017-05-23 | 주식회사 자스텍 | 연료 잔량 계산기 및 연료 잔량 계산방법 |
-
2008
- 2008-03-21 JP JP2008074044A patent/JP2009228535A/ja active Pending
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