JP2017116356A - 検体保管装置 - Google Patents

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Yasuaki KASHIWABARA
靖章 柏原
奥野 茂樹
Shigeki Okuno
茂樹 奥野
由一 圷
Yoshiichi Akutsu
由一 圷
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Abstract

【課題】検体保管装置から保管検体を取り出さずに保管検体の状態を確認できるようにする。【解決手段】検体保管装置は、複数の保管検体が収容されるストッカと、3つ以上の撮像器からなる撮像器セットと、を含む。検体保管装置への保管検体の保管時や再保管時等に、その保管検体が撮像位置に位置決めされ、撮像器セットにより撮像される。これにより3つ以上の画像が生成され、それらは合成されて合成画像ファイル272が生成される。合成画像ファイルは撮像対象の保管検体に関連付けられて保存される。合成画像ファイル272は、例えば、検体保管装置や他の装置にて表示される。【選択図】図26

Description

本発明は、保管対象となる検体を保管する検体保管装置に関する。
一般的に、検体分析装置や前処理装置から搬送されてきた保管対象となる検体群(保管検体群)は、再検査や追検査に備えて、あるいは検査の証拠として、冷蔵庫等の保管室に比較的に長い期間(例えば一か月)保管される。保管検体群が搬送されてきた都度、それらを手作業で保管室に運搬するのは煩雑である。そこで、通常、一定数(例えば一日分)の保管検体群が自動的に一時的に保管され、その一定数の保管検体群がまとめて保管室へ運搬される。その一時保管のための装置として、検体保管装置が用いられる。一般的な検体保管装置においては、搬送されてきた保管検体群がマニピュレータ等により自動的に保管用ラックに移載され、その保管用ラックが冷蔵庫等のストッカに保管される。
特許文献1に記載された検体前処理搬送システムにおいては、分析済みの検体がストックヤードに搬送されて格納される。再分析を要する検体が発見された場合、ストックヤードに格納されている再分析対象の検体が分析装置に搬送されて再分析が実行される。
特開2004−61456号公報
ところで、検体保管装置に保管されている保管検体を取り出して再検査や追検査が行われる場合がある。このような場合において、検体保管装置から保管検体を取り出してみないと保管検体の状態(例えば保管形態内の液体の量等)を確認できないのでは不便である。検体保管装置から保管検体を取り出さずに保管検体の状態を確認できることが望ましい。
本発明の目的は、検体保管装置において、検体保管装置から保管検体を取り出さずに保管検体の状態を確認できるようにすることにある。
本発明に係る検体保管装置は、複数の保管検体を収容可能な一時保管用ストッカを含む検体保管装置において、撮影位置の周囲に設けられた3つ以上の撮像器からなる撮像器セットと、撮像対象の保管検体を前記撮像位置に位置決めする位置決め機構と、前記撮像器セットによって前記撮像対象の保管検体を撮像することにより取得された3つ以上の画像を合成して合成画像ファイルを生成する画像ファイル生成手段と、前記撮像対象の保管検体に関連付けて前記合成画像ファイルを保存する保存手段と、を含む。
上記の構成によると、3つ以上の撮像器により、保管検体の周囲方向の全範囲を実質的に撮像することが可能となる。これにより、作業者は実質的に全範囲を視認することが可能となり、保管検体の状態を容易に確認することが可能となる。例えば、保管検体の側面にはバーコードラベルが貼付されており、そのバーコードラベルが撮像される。これにより、バーコードラベルに記述されている文字列等を視認することが可能となる。バーコードラベルの両端間に隙間が形成されている場合、その隙間を通して保管検体内の液体が撮像される。これにより、その隙間から液面を視認することが可能となる。このように、上記の構成によると、検体保管装置から保管検体を取り出さずに保管検体の状態を確認することが可能となる。合成画像ファイルは検体保管装置に格納されてもよいし、上位システム等の他の装置に格納されてもよい。合成画像ファイルは検体保管装置に表示されてもよいし、端末装置等の他の装置に表示されてもよい。
望ましくは、前記撮像器セットに含まれる3つの撮像器が、前記撮像位置の周りにほぼ均等の角度間隔で配置されている。
上記の構成において、3つの撮像器は、例えば、ほぼ120°の間隔で撮像位置の周りに配置されている。これにより、保管検体の周囲方向の全範囲(360°の範囲)を撮像することが可能となる。
望ましくは、前記画像ファイル生成手段は、前記撮像器セットにより取得された前記各画像をトリミングすることにより前記撮像対象の保管検体を表す各加工画像を生成し、前記各加工画像を水平方向に連結することにより前記合成画像ファイルを生成する。
上記の構成によると、各加工画像が水平方向に並べられるので、各加工画像に表された保管検体の比較が容易となり、便利である。各加工画像に表された保管検体の高さが揃うように保管検体が撮像されてもよい。これにより、保管検体の視認性が更に向上する。例えば、液面の確認が更に容易になる。
望ましくは、前記画像ファイル生成手段は、前記保管検体に関する情報を文字列として前記合成画像ファイルに埋め込む。
上記の構成において、保管検体に関する情報は、例えば、上位システムや分析装置等から取得される。その情報は、例えば、保管検体内の液体の量を示す情報等である。合成画像ファイルを観察することにより、作業者は、保管検体の状態のみならず、保管検体に関する情報を得ることができる。上位システムや分析装置等から保管検体に関する情報を得ることができない環境においても、合成画像ファイルを観察することにより、その情報を得ることができるので便利である。
望ましくは、当該検体保管装置は、保管検体の受け入れ時に使用される搬送レーンと、受け入れ対象の保管検体を収容し、前記搬送レーンにより搬送されるラックと、を更に含み、前記位置決め機構は、前記ラックから前記受け入れ対象の保管検体を持ち上げて前記撮像位置に位置決めするハンドリング機構である。
本発明によると、検体保管装置から保管検体を取り出さずに保管検体の状態を確認することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る検体分析システムを示すブロック図である。 検体保管装置の斜視図である。 検体保管装置の前面図である。 検体保管装置の内部を上面側から見たときの構成を示す図である。 検体保管装置の前面図である。 検体保管装置の内部を側面側から見たときの構成を示す図である。 ラック移載テーブルの斜視図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 ラック移載機構の動作を説明するための図である。 検体管理テーブルを示す図である。 シャトルラックの上面図である。 検体保管装置の動作を示すフローチャートである。 検体保管装置の動作を示すフローチャートである。 検体保管装置の動作を示すフローチャートである。 検体保管装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る検体分析システムを示すブロック図である。 保管検体の斜視図である。 保管検体と撮像機構を上方から見たときの構成を示す図である。 合成画像ファイルの表示例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る検体分析システムを示すブロック図である。 ラックシンボルを示す図である。 ラックシンボルと検体シンボルを示す図である。
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係る検体分析システムの一例が示されている。検体分析システム10は、検体前処理装置12、分析装置14,16、検体保管装置18、保管室20及び上位システム22を含み、検体の前処理、分析、保管、等を行うシステムである。検体前処理装置12、分析装置14,16及び検体保管装置18は、搬送機構24により連結されている。図1に示す例では、2つの分析装置(分析装置14,16)が検体分析システム10に含まれているが、1又は複数の分析装置が検体分析システム10に含まれていればよい。
本実施形態においては、「検体」は、容器とその容器内の液体(狭義の検体)とを含むものとする。容器は、試験管、採血管、チューブ状のカップ又はその他の部材によって構成され、液体を収容する。容器内の液体は、血液、尿、試薬、等である。容器の外周面には、例えば識別情報ラベルとしてのバーコードラベルが貼付されている。
検体前処理装置12は、分析に先立って検体に対して所定の前処理を行う装置であり、例えば、分注装置、遠心分離装置、ラベリング装置、開封装置及び閉栓装置、等を含む装置である。分注装置は、液体が収容されている容器(親容器)から別の容器(子容器)に液体を分注する装置である。遠心分離装置は、容器内の液体の成分を遠心力により分離させる装置である。ラベリング装置は、検体を識別するためのラベルを作成して容器に貼付する装置である。開封装置は容器の栓を開ける装置であり、閉栓装置は容器の栓を閉める装置である。
分析装置14,16は、容器に収容された液体を分析する装置である。分析装置14,16は、例えば、容器に収容された液体に対して光(赤外線等)を照射し、液体を透過又は反射した光を検出することにより液体を分析する。もちろん、分析装置14,16は、他の手法により液体を分析する機能を備えていてもよい。
検体保管装置18は、保管対象となる検体(以下、「保管検体」と称する)を一時的に保管する装置である。例えば、検体前処理装置12から搬送されてきた検体や分析装置14,16から搬送されてきた検査後の検体(検査済み検体)が、最終的に保管室20に保管される前に検体保管装置18に一時的に保管される。一例として、一日分の保管検体群が検体保管装置18に一時的に保管される。保管検体は、分注前の液体が収容されている親検体であってもよいし、分注後の液体が収容されている子検体であってもよい。検体保管装置18は冷蔵機能を備えており、その冷蔵機能により保管検体が冷却される。本実施形態では、保管検体を検体保管装置18から個別的に取り出したり、取り出された保管検体を個別的に検体保管装置18に戻すことができる。この個別取り出し動作等については後で詳しく説明する。
検体保管装置18は制御部26と検体DB27を備えている。制御部26は、検体保管装置18の各部の動作を制御する。例えば、検体保管装置18はCPUを備えており、そのCPUが所定のプログラムを実行することにより、制御部26の機能が実現される。もちろん、制御部26は回路等のハードウェアにより構成されていてもよい。
検体DB27はハードディスク等の記憶装置であり、検体に関する検体情報を記憶する。検体情報は、例えば、管理ID、検体を識別するための検体識別情報(例えば検体ID)、検体が収容されたラック(例えば搬送用ラックや保管用ラック)を識別するためのラック識別情報、当該ラックにおいて検体が収容されている位置(例えば挿入孔)を示す情報(例えば挿入孔の番号)、検体保管装置18において検体が保管されている場所を示す情報、検体の画像、分析結果を示す情報、等を含む。これらの全部が検体DB27に記憶されていてもよいし、検体保管装置18にて必要とされる一部の情報のみが検体DB27に記憶されてもよい。制御部26は検体情報を管理する管理手段として機能する。検体保管装置18にて取得された情報が、上位システム22に送られて上位システム22にて管理されてもよい。
保管室20は冷蔵庫等である。保管室20には、比較的に長い期間(例えば一ヶ月)にわたって検体が保管される。例えば、検体保管装置18に一時的に保管されていた検体が保管室20に運搬されて保管される。
上位システム22はホストコンピュータである。上位システム22は、制御部28と検体DB30を含む。制御部28は、検体分析システム10の各部の動作を制御し、検体情報を管理する。制御部28は、例えば、検体前処理装置12、分析装置14,16及び検体保管装置18の同期処理等を制御する。例えば、上位システム22はCPUを備えており、そのCPUが所定のプログラムを実行することにより、制御部28の機能が実現される。もちろん、制御部28は回路等のハードウェアにより構成されていてもよい。
検体DB30はハードディスク等の記憶装置であり、検体情報を記憶する。検体前処理装置12、分析装置14,16、検体保管装置18及び上位システムは、LAN(ローカルエリアネットワーク)等の通信経路に接続されている。制御部28は、各装置から検体に関する情報を取得し、それらを検体情報として管理する。
搬送機構24は、各装置を連結する搬送レーンを含み、その搬送レーンにより検体を搬送する機構である。例えばベルトコンベア方式により検体が搬送される。図1に示す例では、検体前処理装置12、分析装置14,16及び検体保管装置18が搬送機構24により連結されており、それらの間で検体が搬送される。検体は例えば搬送用ラックに収容されており、検体を収容した搬送用ラックが搬送レーンにより搬送される。搬送用ラックは、1又は複数の検体を立てた状態で一列又は複数列に並べて保持することができる構造を備えている。例えば、搬送ラックには、1又は複数の挿入孔が形成されており、検体はその挿入孔に挿入された状態で保持される。
なお、検体分析システム10には、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、スマートフォン、等の端末装置が含まれていてもよい。その端末装置はLAN等の通信経路により上位システム22に接続されてもよい。
以下、本実施形態に係る検体保管装置18について詳しく説明する。
まず、図2及び図3を参照して、検体保管装置18の外観について説明する。図2は、検体保管装置18の斜視図であり、図3は、検体保管装置18の前面図である。
検体保管装置18は、保管検体を収容する筐体32を含む。筐体32内には、保管検体を一時的に保管する冷蔵庫としてのストッカ、保管検体の保管動作を行う機構、保管検体を個別的に出し入れするための機構、等が格納されている。
筐体32の前面には、主扉(上側主扉34と下側主扉36)、副扉38及びユーザインターフェース部(UI部)40が設けられている。
主扉(上側主扉34と下側主扉36)は、筐体32内のストッカにアクセスする際に開操作される扉である。上側主扉34と下側主扉36は、個別的に開閉することができる。例えば、保管検体を検体保管装置18から保管室20に運搬する際に、作業者により主扉が開操作され、ストッカに保管されている保管検体群が作業者により運搬される。
副扉38はロック機構を含む。通常動作時においては、副扉38はロック機構によりロックされて閉じられている。保管検体の個別取り出し動作時や個別戻し動作時においては、ロック機構によるロックが解除されて、副扉38の開操作が可能となる。これにより、副扉38を介して保管検体の出し入れが行われる。
UI部40は表示部と操作部を含む。UI部40は例えばタッチパネルディスプレイである。UI部40には、例えば、保管検体の保管状態を示す情報等が表示される。UI部40を用いて、例えば、個別取り出し対象の保管検体の指定、個別取り出し完了の入力(アラームオフ)、等が行われる。
以下、図4を参照して、検体保管装置18の構成について詳しく説明する。図4には、検体保管装置18の内部を上側(Z方向)から見たときの構成が示されている。
検体保管装置18は、ラック搬送機構42、検体移載機構44、撮像機構46、ラック載置台48、ラック移載機構50、ストッカ52、中継機構54、及び、シャトルラック機構56を含む。これらの動作は、制御部26により制御される。
ラック搬送機構42は、主ラック搬送レーン58と予備的ラック搬送レーン60を含み、保管検体62が収容された搬送用ラック64を、検体保管装置18の左右方向(X方向)に搬送する機構である。図4に示す例では、搬送用ラック64は左側から右側に搬送される。例えばベルトコンベア方式により搬送用ラック64が搬送される。搬送用ラック64は、1又は複数の保管検体62を立てた状態で一列又は複数列に並べて保持することができる構造を備えている。例えば、搬送用ラック64には、1又は複数の挿入孔が形成されており、保管検体62はその挿入孔に挿入された状態で保持される。図4に示す例では、搬送用ラック64に5個の挿入孔が一列に並べて形成されており、最大で5本の保管検体62が搬送用ラック64に収容される。
主ラック搬送レーン58は、引込搬送レーン66と処理搬送レーン68を含み、検体保管装置18の左右方向(X方向)に延在して設けられている。
引込搬送レーン66は、筐体32の一方側面(図4中の左側側面)から検体保管装置18の左右方向(X方向)の途中位置まで延在して設けられている。引込搬送レーン66は、図1に示す搬送機構24により搬送されてきた搬送用ラック64を、筐体32の一方側面に形成された開口部70から筐体32の内部に搬入し、その搬送用ラック64を後段の処理搬送レーン68に引き渡す搬送レーンである。引込搬送レーン66は、一定の送りピッチで、矢印72で示す搬送方向(図4中の左側から右側)に搬送用ラック64を搬送する。引込搬送レーン66には、開閉動作を行うストッパ74,76が設けられている。ストッパ74,76が閉状態のとき、搬送用ラック64は停止させられ、ストッパ74,76が開状態のとき(ストッパ74,76が外れるとき)、搬送用ラック64は搬送される。例えば、ストッパ74により搬送用ラック64が停止させられ、ストッパ74が開状態になって搬送用ラック64が搬送される。また、ストッパ76により搬送用ラック64が送り完了位置78に停止させられ、ストッパ76が開状態になって搬送用ラック64が引込搬送レーン66から処理搬送レーン68へ搬送される。
処理搬送レーン68は、検体保管装置18の左右方向(X方向)の途中位置から筐体32の他方側面(図4中の右側側面)まで延在して設けられている。処理搬送レーン68は、引込搬送レーン66により搬送されてきた搬送用ラック64を受け入れ、搬送用ラック64を、筐体32の他方側面に形成された開口部80から筐体32の外部に搬出する搬送レーンである。処理搬送レーン68は、一定速度で、矢印82で示す搬送方向(図4中の左側から右側)に搬送用ラック64を搬送する。処理搬送レーン68には、開閉動作を行うストッパ84,86,88が設けられている。ストッパ84,86,88が閉状態のとき、搬送用ラック64は停止させられ、ストッパ84,86,88が開状態のとき(ストッパ84,86,88が外れるとき)、搬送用ラック64は搬送される。例えば、ストッパ84により搬送用ラック64が移載待機位置90に停止させられ、ストッパ84が開状態になって搬送用ラック64が搬送される。また、ストッパ86により搬送用ラック64が移載処理位置92に停止させられ、後述する保管用ラックへの保管検体62の移載処理(保管動作)が行われる。その移載処理が完了すると、ストッパ86が開状態になって搬送用ラック64が搬送される。また、ストッパ88により搬送用ラック64が搬出位置94に停止させられ、ストッパ88が開状態になって搬送用ラック64が開口部80から筐体32の外部に搬出される。
上記の構成においては、ストッパ86により搬送用ラック64が移載処理位置92に停止させられ、その状態で、保管用ラックへの保管検体62の移載処理(保管動作)が行われる。その移載処理が完了すると、ストッパ86が開状態になって搬送用ラック64が搬送される。その移載処理が完了するまで、ストッパ84により次の搬送用ラック64が移載待機位置90に停止させられ、先の搬送用ラック64に対する移載処理が完了すると、ストッパ84が開状態になって当該次の搬送用ラック64が搬送され、ストッパ86により当該次の搬送用ラック64が移載処理位置92に停止させられる。当該次の搬送用ラック64が移載処理位置92に搬送されるまで、ストッパ76により搬送用ラック64が送り完了位置78に停止させられ、当該次の搬送用ラック64が移載処理位置92に搬送されると、ストッパ76が開状態になって、送り完了位置78に停止していた搬送用ラック64が処理搬送レーン68へ搬送され、ストッパ84により移載待機位置90に停止させられる。このように、搬送用ラック64が順次搬送されて保管検体62の移載処理が行われる。
予備的ラック搬送レーン60は、検体保管装置18の左右方向(X方向)に延在して設けられており、図1に示す搬送機構24から搬送されてきた搬送用ラック64を、筐体32の一方側面に形成された開口部から筐体32の内部に搬入し、他方側面に形成された開口部から筐体32の外部に排出する搬送レーンである。予備的ラック搬送レーン60は使用されなくてもよいし、検体保管装置18に設けられていなくてもよい。予備的ラック搬送レーン60により搬送されてきた保管検体62に対して保管動作が実行されなくてもよい。
検体移載機構44は、第1検体移載機構96、第2検体移載機構98及び第3検体移載機構100を含み、保管検体62を移載する機構である。
第1検体移載機構96は、保管検体62を移載するハンドリング機構であり、保管検体62を掴んで保持するマニピュレータ(アーム)と、その状態で保管検体62を上下方向(Z方向)に搬送するZ搬送機構と、その状態で保管検体62を前後方向(Y方向)に搬送するY搬送機構と、を含む。保管検体62はZ搬送機構により持ち上げられ、Y搬送機構により前後方向に搬送される。マニピュレータの先端に、保管検体62を回転させる回転機構が設けられていてもよい。回転機構は例えばステッピングモータにより駆動され、保管検体62を最大で360°回転させることができる。第1検体移載機構96は、保管検体62の撮像時、個別取り出し対象の保管検体62の移載時、及び、個別戻し対象の保管検体62の移載時に用いられる。
第2検体移載機構98は、保管検体62を移載するハンドリング機構であり、保管検体62を掴んで保持するマニピュレータ(アーム)と、その状態で保管検体62を上下方向(Z方向)に搬送するZ搬送機構と、その状態で保管検体62を前後方向(Y方向)に搬送するY搬送機構と、を含む。保管検体62はZ搬送機構により持ち上げられ、Y搬送機構により前後方向に搬送される。マニピュレータの先端に、保管検体62を回転させる回転機構が設けられていてもよい。回転機構は例えばステッピングモータにより駆動され、保管検体62を最大で360°回転させることができる。第3検体移載機構100も、保管検体62を移載するハンドリング機構であり、第2検体移載機構98と同じ構成を有する。検体移載機構44には、第2検体移載機構98と第3検体移載機構100に共通のX搬送機構102が設けられている。X搬送機構102は左右方向(X方向)に延在して設けられたX搬送レーンであり、第2検体移載機構98と第3検体移載機構100は、そのX搬送レーンにより、矢印104で示す左右方向(X方向)に搬送される。第2検体移載機構98と第3検体移載機構100は、保管動作時に用いられる。
図4に示す例では、境界線106を境にして左側のエリアが第1検体移載機構96の作業エリアであり、右側のエリアが第2検体移載機構98と第3検体移載機構100の作業エリアである。
撮像機構46は、三台の撮像器(撮像器108,110,112)とバーコードリーダ(BCR)114を含む。
撮像器108,110,112はCCD等のカメラである。撮像器108,110,112はほぼ均等の角度間隔、例えば120°の角度間隔で配置されている。検体保管装置18への保管検体62の受け入れ時、保管検体62の個別戻し時、等に、撮像器108,110,112により保管検体62が撮像される。撮像時、撮影対象の保管検体62は第1検体移載機構96により持ち上げられて撮像位置に位置決めされる。撮像位置は、例えば、撮像器108,110,112により囲まれたエリアのほぼ中心位置に設定される。各撮像器108,110,112の撮像エリア内に保管検体が配置されるように、各撮像器108,110,112が配置される。保管検体62が撮像位置に位置決めされた状態で、撮像器108,110,112により撮像される。これにより保管検体62の側面が撮像され、その側面を表す3つの画像データが生成される。それらの画像データは、検体保管装置18の検体DB27に保存される。また、それらの画像データは、上位システム22に送信されて上位システム22に保存されてもよい。なお、図4に示す例では、3つの撮像器が設けられているが、3つ以上の撮像器が設けられて3つ以上の画像データが取得されてもよい。
バーコードリーダ114は、搬送用ラック64の外周面に貼付されたバーコードラベルに光(例えばレーザ光)を照射し、バーコードラベルからの反射光を検出し、これにより、バーコードラベルからラベル情報としてのバーコードを光学的に読み取る読取装置である。このラベル情報は、搬送用ラック64を識別するための搬送用ラック識別情報(例えば搬送用ラックID)等を含む情報である。搬送用ラックIDは、上位システム22により管理される。上位システム22においては、例えば、搬送用ラック64に収容されている保管検体62を識別するための検体識別情報(例えば検体ID)と、当該搬送用ラック64の搬送用ラックIDと、当該搬送用ラック64において保管検体62が収容されている位置(例えば挿入孔)を示す情報(例えば挿入孔の番号)と、が対応付けられている。
ラック載置台48は、保管用ラック116が載置される作業台であり、保管検体62の移載エリアに相当する。保管用ラック116は、1又は複数の保管検体62を立てた状態で一列又は複数列に並べて保持することができる構造を有している。例えば、保管用ラック116には、1又は複数の挿入孔118が形成されており、保管検体62はその挿入孔118に挿入された状態で保持される。一例として、保管用ラック116には50個の挿入孔118が形成されており、最大で50本の保管検体62が保管用ラック116に収容される。
ラック載置台48は、第1ラック載置台120、第2ラック載置台122、第3ラック載置台124、第4ラック載置台126、及び、特定ラック載置台128を含む。特定ラック載置台128が取り出し用ラック台の一例に相当する。通常動作時には、ラック移載機構50によりストッカ52から空の保管用ラック116が取り出され、第1ラック載置台120、第2ラック載置台122、第3ラック載置台124及び第4ラック載置台126のそれぞれに保管用ラック116が載置される。
第1ラック載置台120と第2ラック載置台122はペアになっており、第2検体移載機構98に対応し、交互に利用される。第2検体移載機構98により搬送用ラック64から保管検体62が取り出され、第1ラック載置台120と第2ラック載置台122にそれぞれ載置された保管用ラック116に保管検体62が収容される。例えば、第1ラック載置台120に載置された保管用ラック116に保管検体62が収容され、その保管用ラック116が満載状態になると、第2ラック載置台122に載置された保管用ラック116に保管検体62が収容される。満載状態の保管用ラック116はラック移載機構50によりストッカ52に搬送され、空の保管用ラック116がストッカ52から取り出されて第1ラック載置台120に載置される。第2ラック載置台122に載置された保管用ラック116が満載状態になると、第1ラック載置台120に載置された保管用ラック116に保管検体62が収容され、満載状態の保管用ラック116は空の保管用ラック116と交換される。以降、第1ラック載置台120と第2ラック載置台122が交互に利用されて保管動作が繰り返される。
第3ラック載置台124と第4ラック載置台126はペアになっており、第3検体移載機構100に対応し、交互に利用される。第3検体移載機構100により搬送用ラック64から保管検体62が取り出され、第3ラック載置台124と第4ラック載置台126にそれぞれ載置された保管用ラック116に保管検体62が収容される。例えば、第3ラック載置台124に載置された保管用ラック116に保管検体62が収容され、その保管用ラック116が満載状態になると、第4ラック載置台126に載置された保管用ラック116に保管検体62が収容される。満載状態の保管用ラック116はラック移載機構50によりストッカ52に搬送され、空の保管用ラック116がストッカ52から取り出されて第3ラック載置台124に載置される。第4ラック載置台126に載置された保管用ラック116が満載状態になると、第3ラック載置台124に載置された保管用ラック116に保管検体62が収容され、満載状態の保管用ラック116は空の保管用ラック116と交換される。以降、第3ラック載置台124と第4ラック載置台126が交互に利用されて保管動作が繰り返される。
特定ラック載置台128は、個別取り出し対象の保管検体62を含む保管用ラック116が載置される作業台である。また、特定ラック載置台128には、個別戻し対象の保管検体62が元々収容されていた保管用ラック116が載置される。
ラック載置台48が設置されているエリアには、バーコードリーダ130が設けられている。バーコードリーダ130は、保管用ラック116の外周面に貼付されたバーコードラベルに光(例えばレーザ光)を照射し、バーコードラベルからの反射光を検出し、これにより、バーコードラベルからラベル情報としてのバーコードを光学的に読み取る読取装置である。このラベル情報は、保管用ラック116を識別するための保管用ラック識別情報(例えば保管用ラックID)等を含む情報である。保管用ラックIDは、検体保管装置18や上位システム22により管理される。検体保管装置18や上位システム22においては、保管用ラック116に収容されている保管検体62を識別するための検体識別情報(例えば検体ID)と、当該保管用ラック116の保管用ラックIDと、当該保管用ラック116において保管検体62が収容されている位置(例えば挿入孔)を示す情報(例えば挿入孔の番号)と、が対応付けられている。バーコードリーダ130は、左右方向(Y方向)に延在する搬送レーンにより矢印132で示す左右方向に搬送される。これにより、第1ラック載置台120、第2ラック載置台122、第3ラック載置台124、第4ラック載置台126、及び、特定ラック載置台128にそれぞれ載置された保管用ラック116に貼付されたバーコードが読み取られる。
ラック移載機構50(ラック移載装置)は、ラック移載テーブル134とXZ搬送機構136を含み、ラック載置台48とストッカ52との間で保管用ラック116を移載する機構である。
ラック移載テーブル134は、ラック載置台48とストッカ52との間で運動し、保管用ラック116が載置される可動テーブルと、保管用ラック116を可動テーブルに出し入れするためのアーム機構と、を含む。そのアーム機構により、ストッカ52と可動テーブルとの間で保管用ラック116が搬送される(矢印138で示す前後方向に保管用ラック116が搬送される)。また、そのアーム機構により、特定ラック載置台128と可動テーブルとの間で保管用ラック116が搬送される(矢印140で示す前後方向に保管用ラック116が搬送される)。
XZ搬送機構136は、X搬送機構142とZ搬送機構144を含む。X搬送機構142は、左右方向(X方向)に延在して設けられたX搬送レーンである。ラック移載テーブル134は、X搬送機構142により、矢印146で示す左右方向(X方向)に搬送される。Z搬送機構144は、上下方向(Z方向)に延在して設けられたZ搬送レーンである。ラック移載テーブル134は、Z搬送機構144により上下方向(Z方向)に搬送される。
ストッカ52は、保管用ラック116が保管される冷蔵空間148と、冷蔵空間148を冷蔵する冷蔵設備150と、後側扉152と、を含み、保管検体62を一時的に保管するための冷蔵庫として機能する。ストッカ52が一時保管用ストッカの一例に相当する。冷蔵空間148内の温度は例えば4℃〜10℃に保たれる。結露対策機能が設けられていてもよい。ストッカ52の冷蔵空間148内には、保管ステージが設けられており、その保管ステージ上に保管用ラック116が載置される。冷蔵空間148は、筐体32の前面側に設置された主扉(図2中の上側主扉34と下側主扉36)からアクセス可能な空間である。後側扉152は、主扉(上側主扉34と下側主扉36)とは反対側に設けられており、ラック移載機構50とストッカ52との間で保管用ラック116を搬送する際に利用される架橋台として機能する。この機能については後で詳しく説明する。
中継機構54は、中継ラック153と中継トラバーサ154を含み、特定ラック載置台128とシャトルラック機構56との間で保管検体62を搬送する機構である。
中継ラック153は、一本ラックであり、1つの保管検体62を立てた状態で保持することができる構造を備えている。例えば、中継ラック153には、1つの挿入孔が形成されており、保管検体62はその挿入孔に挿入された状態で保持される。
中継トラバーサ154は、左右方向(X方向)に延在して設けられたX搬送レーン(専用の第1搬送レーンの一例に相当する)である。中継ラック153は、中継トラバーサ154により、特定ラック載置台128とシャトルラック機構56との間で、矢印155で示す左右方向(X方向)に搬送される。個別取り出し動作時、中継トラバーサ154により、中継ラック153が特定ラック載置台128側に搬送され、第2検体移載機構98により、特定ラック載置台128に載置された保管用ラック116から個別取り出し対象の保管検体62が取り出されて中継ラック153に収容される。保管検体62を収容した中継ラック153は、中継トラバーサ154によりシャトルラック機構56側の位置156へ搬送される。第1検体移載機構96により、位置156に載置された中継ラック153から保管検体62が取り出されえシャトルラック機構56へ移載される。個別戻し動作時、中継トラバーサ154により、中継ラック153が位置156へ搬送され、第1検体移載機構96により、シャトルラック機構56から保管検体62が取り出されて中継ラック153に収容される。保管検体62を収容した中継ラック153は、中継トラバーサ154により特定ラック載置台128側へ搬送され、第2検体移載機構98により、中継ラック153から保管検体62が取り出され、元の保管用ラック116に収容される。
中継トラバーサ154においては、特定ラック載置台128側に検体回転機構158が設けられている。検体回転機構158は、保管検体62を掴んで回転させる機構である。中継機構54にはバーコードリーダ160が設けられている。バーコードリーダ160は、保管検体62の外周面に貼付されたバーコードラベルに光(例えばレーザ光)を照射し、バーコードラベルからの反射光を検出し、これにより、バーコードラベルからラベル情報としてのバーコードを光学的に読み取る読取装置である。検体回転機構158により所定回転角度に保管検体62が回転させられ、バーコードリーダ160によりバーコードが読み取られる。ラベル情報は、保管検体62を識別するための検体識別情報(例えば検体ID)等を含む情報である。このラベル情報は、上位システム22や検体保管装置18にて管理される。
シャトルラック機構56は、シャトルラック162とシャトルラック搬送機構164を含み、ホームポジション166と取り出し位置168との間で保管検体62を搬送する機構である。
シャトルラック162は、1又は複数の保管検体62を立てた状態で一例又は複数列に並べて保持することができる構造を備えている。例えば、シャトルラック162は、1又は複数の挿入孔が形成されており、保管検体62はその挿入孔に挿入された状態で保持される。図4に示す例では、シャトルラック162に5個の挿入孔が一列に並べて形成されており、最大で5本の保管検体62がシャトルラック162に収容される。
シャトルラック搬送機構164は、ホームポジション166から取り出し位置168まで前後方向(Y方向)に延在して設けられた搬送レーン(専用の第2搬送レーンの一例に相当する)である。シャトルラック162は、シャトルラック搬送機構164により、矢印170で示す前後方向(Y方向)に搬送される。
ホームポジション166は、シャトルラック搬送機構164において筐体32の奥側の端部に相当し、取り出し位置168は、シャトルラック搬送機構164において筐体32の前面側の端部に相当する。副扉38を開操作することにより、取り出し位置168にアクセスすることができる。通常動作時においては、シャトルラック162はホームポジション166に配置されている。
個別取り出し動作時、第1検体移載機構96により、位置156に搬送された中継ラック153から保管検体62が取り出され、ホームポジション166に載置されているシャトルラック162に収容される。シャトルラック162は、シャトルラック搬送機構164により、ホームポジション166から取り出し位置168へ搬送される。シャトルラック162が取り出し位置168へ搬送されると、副扉38のロック機構が解除され、副扉38が開かれる。これにより、作業者は、個別取り出し対象の保管検体62へのアクセスが可能となる。副扉38が閉操作されると、シャトルラック搬送機構164により、シャトルラック162が取り出し位置168からホームポジション166へ搬送される。
個別戻し動作時、シャトルラック搬送機構164により、シャトルラック162がホームポジション166から取り出し位置168へ搬送され、副扉38のロック機構が解除される。これにより、作業者はシャトルラック162へのアクセスが可能となり、個別戻し対象の保管検体62がシャトルラック162に収容される。副扉38が閉操作されると、シャトルラック搬送機構164により、シャトルラック162が取り出し位置168からホームポジション166へ搬送される。このとき、中継ラック153が位置156へ搬送される。第1検体移載機構96により、ホームポジション166に搬送されたシャトルラック162から保管検体62が取り出されて中継ラック153に収容される。中継ラック153は中継トラバーサ154により特定ラック載置台128側へ搬送され、その位置にて、保管検体62が中継ラック153から取り出されて元の保管用ラック116へ収容される。
上記の構成において、第1検体移載機構96、第2検体移載機構98及び中継機構54が、特定ラック載置台128へ移載された保管用ラック116から保管検体62を取り出して、ホームポジション166に配置されたシャトルラック162へ収容するラック間搬送機構の一例に相当する。
以下、図5を参照して、検体保管装置18内のストッカ52について詳しく説明する。図5は、検体保管装置18の前面図である。図5には、主扉(上側主扉34と下側主扉36)が開けられた状態の検体保管装置18が示されている。筐体32内には、冷蔵空間148として、上側冷蔵空間172と下側冷蔵空間174が設けられている。上側冷蔵空間172が上側主扉34に対応し、下側冷蔵空間174が下側主扉36に対応する。なお、冷蔵空間は上側冷蔵空間172と下側冷蔵空間174に区分けされずに、1つの冷蔵空間が設けられていてもよいし、3つ以上の冷蔵空間に区分けされていてもよい。
上側冷蔵空間172と下側冷蔵空間174にはそれぞれ、上下方向(Z方向)に並んだ複数の保管ステージ176(例えば4つの保管ステージ176)が設けられている。なお、上側冷蔵空間172と下側冷蔵空間174にはそれぞれ、1つの保管ステージ176が設けられていてもよい。保管ステージ176は、検体保管装置18の前面側にスライド移動可能なテーブルである。保管ステージ176上には運搬用トレイ178が設置されている。運搬用トレイ178は保管ステージ176から取り外し可能なトレイであり、保管ステージ176上にセットされると保管ステージ176により保持される。運搬用トレイ178上には、1又は複数の保管用ラック116(例えば4つの保管用ラック116)が載置されている。図5に示す例では、上側冷蔵空間172と下側冷蔵空間174にそれぞれ最大で16個の保管用ラック116が収容される。従って、検体保管装置18には最大で32個の保管用ラック116が収容される。1つの保管用ラック116には最大で50本の保管検体62が収容される。それ故、ストッカ52は、最大で1600本の保管検体62を保管することができる。運搬用トレイ178の左右両端には取手(ハンドル)が設けられており、作業者はその取手を把持して運搬用トレイ178を保管ステージ176から取り外して運搬することができる。
図6には、検体保管装置18の内部を側面側(X方向)から見たときの構成が示されている。個々の保管ステージ176毎に、主扉(上側主扉34と下側主扉36)とは反対側に後側扉152が設けられている。後側扉152の下側に回転軸が設けられており、後側扉152はその回転軸を中心に開閉動作を行う。その開閉動作は例えば電磁制御により行われる。後側扉152は、その回転軸を中心に後側(前面とは反対側)に回転することにより開状態となり、その回転軸を中心に前面側(主扉側)に回転することにより閉状態となる。後側扉152は、開状態において、保管用ラック116を後側に運搬する際に利用される架橋台として機能する。この機能については後で詳しく説明する。図6に示す例では、最上段の保管ステージ176に設けられている後側扉152が後側に回転しており、これにより、その後側扉152は開状態となっている。他の保管ステージ176に設けられている後側扉152は前側に回転して閉状態になっている。
保管検体62を検体保管装置18から保管室20に運搬する際、作業者により主扉が開操作され、運搬対象の保管検体群が収容されている保管用ラック116が作業者により運搬される。このとき、運搬用トレイ178ごと作業者により運搬される。具体的には、運搬対象の運搬用トレイ178が載置されている保管ステージ176が、作業者により検体保管装置18の前面側にスライド移動させられ、運搬対象の運搬用トレイ178が作業者により運搬される。図6に示す例では、最上段の保管ステージ176が前面側にスライド移動させられており、その保管ステージ176上の運搬用トレイ178が運搬可能な状態となっている。
図4を参照して説明したように、ストッカ52の後側にはラック移載機構50が設けられている。XZ搬送機構136は、左右方向(X方向)に延在して設けられたX搬送機構142(X搬送レーン)と、上下方向(Z方向)に延在して設けられたZ搬送機構144(Z搬送レーン)と、を含む。
次に、図7を参照して、ラック移載機構50に含まれるラック移載テーブル134について説明する。図7は、ラック移載テーブル134の斜視図である。
ラック移載テーブル134は、可動テーブル180と、ストッカ側アーム機構182と、作業台側アーム機構184と、2つの結露防止ファン186と、を含む。
可動テーブル180は、ラック載置台48(作業台)とストッカ52との間で運動し、保管用ラック116が載置されるテーブルである。可動テーブル180は、図4中のXZ搬送機構136により、ラック載置台48とストッカ52との間で搬送される。
可動テーブル180の左右両端には、ストッカ側アーム機構182と作業台側アーム機構184が設けられている。
ストッカ側アーム機構182は、可動テーブル180の一方端に設けられており、ストッカ52と可動テーブル180との間で保管用ラック116を移載するための機構である。
ストッカ側アーム機構182はアーム本体188を含む。アーム本体188は、前後方向(Y方向)に伸長し前後方向にスライド運動する部材である。アーム本体188の前端には、その前端から折れ曲がって直交方向に伸長した押し棒190(折れ曲がり部材)が設けられている。押し棒190の先端には引っ掛けフック192(引っ掛け部材)が設けられている。引っ掛けフック192は、押し棒190が可動テーブル180に対して水平に配置された状態で上方(Z方向)へ突出する部材である。アーム本体188の後端には、その後端から折れ曲がって直交方向に伸長した押し棒194が設けられている。押し棒190と押し棒194との間の長さは、保管用ラック116の長手方向の長さ(Y方向の長さ)よりも長い。アーム本体188には前後用駆動モータ196が接続されており、この前後用駆動モータ196により、アーム本体188が前後方向(Y方向)にスライド運動させられる。また、アーム本体188には、アーム本体188に平行して回転軸198が設けられている。この回転軸198には回転用駆動モータ200が接続されており、この回転用駆動モータ200により、矢印202で示す回転方向にアーム本体188が回転させられる。この回転動作により、可動テーブル180に対する押し棒190,194の角度が、水平状態と直交状態との間で変化する。図7に示す例では、押し棒190,194は可動テーブル180に対して直交している。水平状態においては、押し棒190,194は可動テーブル180の内側に配置される。ストッカ側アーム機構182は、その姿勢を回転させることにより保管用ラック116との物理的干渉を回避する。
アーム本体188が可動テーブル180に収容された状態で、ストッカ側アーム機構182(アーム本体188)の前後方向(Y方向)の全長は、可動テーブル180の前後方向の全長以下となっている。
ストッカ側アーム機構182は、2段階の引き込み動作で保管用ラック116をストッカ52から可動テーブル180側へ引き込む。具体的には、ストッカ側アーム機構182は、第1段目の引き込み動作において、保管用ラック116の前縁(保管用ラック116の進行方向の前方の縁)への引っ掛け動作により保管用ラック116を可動テーブル180側へ引き込み、第2段目の引き込み動作において、保管用ラック116の後縁(進行方向の後方の縁)への引っ掛け動作により保管用ラック116を可動テーブル180側へ引き込む。
また、ストッカ側アーム機構182は、2段階の搬出動作で保管用ラック116を可動テーブル180からストッカ52へ搬出する。具体的には、ストッカ側アーム機構182は、第1段目の搬出動作において、保管用ラック116の後縁(保管用ラック116の進行方向の後方の縁)を押すことにより保管用ラック116を可動テーブル180の外側に押し出し、第2段目の搬出動作において、保管用ラック116の後端を押すことにより保管用ラック116をストッカ52へ搬出する。または、ストッカ側アーム機構182は、第1段目の搬出動作において、保管用ラック116の前縁(進行方向の前方の縁)への引っ掛け動作により保管用ラック116を可動テーブル180の外側に引き出し、第2段目の搬出動作において、保管用ラック116の後縁(進行方向の後方の縁)への引っ掛け動作により保管用ラック116をストッカ52へ搬出してもよい。
作業台側アーム機構184は、可動テーブル180の他方側に設けられており、ラック載置台48(作業台)と可動テーブル180との間で保管用ラック116を移載するための機構である。
作業台側アーム機構184はアーム本体204を含む、アーム本体204は、前後方向(Y方向)に伸長し前後方向にスライド運動する部材である。アーム本体204の前端には、その前端から折れ曲がって直交方向に伸長した押し棒206(折れ曲がり部材)が設けられている。押し棒206の先端には引っ掛けフック208(引っ掛け部材)が設けられている。引っ掛けフック208は、押し棒206が可動テーブル180に対して水平に配置された状態で上方(Z方向)へ突出する部材である。アーム本体204には前後用駆動モータ209が接続されており、この前後用駆動モータ209により、アーム本体204が前後方向(Y方向)にスライド運動させられる。また、アーム本体204には、アーム本体204に平行して回転軸210が設けられている。この回転軸210には回転用駆動モータ212が接続されており、この回転用駆動モータ212により、矢印214で示す回転方向にアーム本体204が回転させられる。この回転動作により、可動テーブル180に対する押し棒206の角度が、水平状態から直交状態の間で変化する。図7に示す例では、押し棒206は可動テーブル180に対して直交している。水平状態においては、押し棒206は可動テーブル180の内側に配置される。作業台側アーム機構184は、その姿勢を回転させることにより保管用ラック116との物理的干渉を回避する。
アーム本体204が可動テーブル180に収容された状態で、作業台側アーム機構184(アーム本体204)の前後方向(Y方向)の全長は、可動テーブル180の前後方向の全長以下となっている。
作業台側アーム機構184は、2段階の引き込み動作で保管用ラック116をラック載置台48から可動テーブル180側へ引き込む。具体的には、作業台側アーム機構184は、第1段目の引き込み動作において、保管用ラック116の前縁(保管用ラック116の進行方向の前方の縁)への引っ掛け動作により保管用ラック116を可動テーブル180側へ引き込み、第2段目の引き込み動作において、保管用ラック116の後縁(進行方向の後方の縁)への引っ掛け動作により保管用ラック116を可動テーブル側へ引き込む。
また、作業台側アーム機構184は、2段階の搬出動作で保管用ラック116を可動テーブル180からラック載置台48へ搬出する。具体的には、作業台側アーム機構184は、第1段目の搬出動作において、保管用ラック116の前縁(保管用ラック116の進行方向の前方の縁)への引っ掛け動作により保管用ラック116を可動テーブル180の外側へ引き出し、第2段目の搬出動作において、保管用ラック116の後縁(進行方向の後方の縁)への引っ掛け動作により保管用ラック116をラック載置台48へ搬出する。
結露防止ファン186は可動テーブル180に設置されている。ストッカ52以外のエリアの温度は室温であるため、保管用ラック116がストッカ52から可動テーブル180へ取り出されると、保管用ラック116に結露が発生する可能性がある。これに対処するために、結露防止ファン186が設けられている。結露防止ファン186から可動テーブル180上の保管用ラック116に風が送られ、これにより、結露を防止することが可能となる。図7に示す例では、2つの結露防止ファン186が設けられているが、この数は一例に過ぎず、1つの結露防止ファン186が設けられていてもよいし、3つ以上の結露防止ファン186が設けられていてもよい。
以下、ラック移載機構50の動作について説明する。ここでは、一例として、ストッカ52に保管されている保管用ラック116を取り出して、ラック載置台48に含まれる第1ラック載置台120へ移載する動作について説明する。
図8A及び図8Bには、移載前の状態が示されている。図8Aには、ラック移載テーブル134等を上面側から見たときの構成が示されており、図8Bには、ラック移載テーブル134等を側面側から見たときの構成が示されている。移載対象の保管用ラック116は、ストッカ52内に載置されている。まず、XZ搬送機構136により、ラック移載テーブル134が、移載対象の保管用ラック116の載置位置に対応する位置まで搬送される。次に、移載対象の保管用ラック116が載置されている保管ステージ176の後側扉152が、後側(矢印216で示す回転方向)に回転させられる。これにより、その保管ステージ176の後側が開状態となり、後側扉152は、保管ステージ176とラック移載テーブル134との間で架橋台として機能する。
図9A及び図9Bには、次の状態が示されている。図9Aには、ラック移載テーブル134等を上面側から見たときの構成が示されており、図9Bには、ラック移載テーブル134等を側面側から見たときの構成が示されている。ラック移載テーブル134において、回転用駆動モータ200により、ストッカ側アーム機構182のアーム本体188が可動テーブル180の内側方向(矢印218で示す回転方向)に回転させられる。これにより、押し棒190,194が可動テーブル180に対して水平に配置され、押し棒190の先端に設けられている引っ掛けフック192が、可動テーブル180に対して直交する方向に突出する。また、前後用駆動モータ196により、アーム本体188が可動テーブル180から離れる方向、つまり、前面側(矢印220で示す方向)にスライド移動させられる。これにより、押し棒190の先端に設けられた引っ掛けフック192が、移載対象の保管用ラック116の前縁(保管用ラック116の進行方向の前方の縁)に引っ掛けられる。ストッカ52からラック載置台48へ保管用ラック116を移載するときの進行方向は、検体保管装置18の前面側から後方側へ向かう方向である。
図10A及び図10Bには、次の状態が示されている。図10Aには、ラック移載テーブル134等を上面側から見たときの構成が示されており、図10Bには、ラック移載テーブル134等を側面側から見たときの構成が示されている。ラック移載テーブル134において、前後用駆動モータ196により、アーム本体188が可動テーブル180側、つまり、後方側(矢印222で示す方向)にスライド移動させられる。これにより、引っ掛けフック192に引っ掛けられた保管用ラック116は保管ステージ176から引き出され、架橋台として機能する後側扉152上に載置される。このとき、アーム本体188は可動テーブル180に収容される。この動作が第1段目の引き込み動作に相当する。第1段目の引き込み動作では、保管用ラック116は途中位置まで搬送される。
図11A及び図11Bには、次の状態が示されている。図11Aには、ラック移載テーブル134等を上面側から見たときの構成が示されており、図11Bには、ラック移載テーブル134等を側面側から見たときの構成が示されている。ラック移載テーブル134において、アーム本体188が可動テーブル180に収容された状態で、回転用駆動モータ200により、アーム本体188が可動テーブル180の外側方向(矢印224で示す回転方向)に回転させられる。これにより、押し棒190,194が可動テーブル180に対して直交して配置される。この状態で、前後用駆動モータ196により、アーム本体188が可動テーブル180から離れる方向、つまり、前面側(矢印226で示す方向)にスライド移動させられる。アーム本体188の先端に設けられた押し棒190が保管用ラック116よりも検体保管装置18の前面側に配置されるまで、アーム本体188が前面側にスライド移動させられる。次に、回転用駆動モータ200により、アーム本体188が可動テーブル180の内側方向(矢印228で示す回転方向)に回転させられる。これにより、押し棒190,194が可動テーブル180に対して水平に配置される。
図12A及び図12Bには、次の状態が示されている。図12Aには、ラック移載テーブル134等を上面側から見たときの構成が示されており、図12Bには、ラック移載テーブル134等を側面側から見たときの構成が示されている。ラック移載テーブル134において、回転用駆動モータ212により、作業台側アーム機構184のアーム本体204が可動テーブル180の外側方向(矢印230で示す回転方向)に回転させられる。これにより、アーム本体204に設けられている押し棒206は、可動テーブル180に対して直交して配置される。次に、前後用駆動モータ196により、ストッカ側アーム機構182のアーム本体188が可動テーブル180側、つまり、後方側(矢印232で示す方向)にスライド移動させられる。これにより、可動テーブル180に対して水平に配置された状態の押し棒190が、保管用ラック116の後縁(進行方向の後方の縁)を押す。その押し動作により、保管用ラック116は、架橋台として機能する後側扉152から可動テーブル180まで押し出され、可動テーブル180上に載置される。この動作が第2段目の引き込み動作に相当する。第2段目の引き込み動作により、保管用ラック116が可動テーブル180に完全に移載される。
作業台側アーム機構184のアーム本体204が可動テーブル180の外側方向に回転させられて、作業台側アーム機構184の押し棒206が可動テーブル180に対して直交して配置されている。それ故、保管用ラック116は押し棒206により物理的に干渉されずに可動テーブル180まで搬送される。保管用ラック116が可動テーブル180まで搬送されると、後側扉152が前面側(矢印234で示す回転方向)に回転させられる。これにより、移載対象の保管用ラック116が載置されていた保管ステージ176の後側が、閉状態になる。
可動テーブル180上に保管用ラック116が載置されると、XZ搬送機構136により、ラック移載テーブル134は、保管用ラック116が載置される予定のラック載置台の正面位置まで搬送される。ここでは、一例として、ラック移載テーブル134は、第1ラック載置台120の正面位置まで搬送される。
図13A及び図13Bには、次の状態が示されている。図13Aには、ラック移載テーブル134等を上面側から見たときの構成が示されており、図13Bには、ラック移載テーブル134等を側面側から見たときの構成が示されている。ラック移載テーブル134において、回転用駆動モータ200により、ストッカ側アーム機構182のアーム本体188が可動テーブル180の外側方向(矢印236で示す回転方向)に回転させられる。これにより、アーム本体188に設けられている押し棒190,194は、可動テーブル180に対して直交して配置される。次に、作業台側アーム機構184のアーム本体204に設けられている押し棒206が可動テーブル180に対して直交して配置された状態で、前後用駆動モータ209により、アーム本体204が検体保管装置18の後方側(矢印238で示す方向)にスライド移動させられる。アーム本体204に設けられている押し棒206が保管用ラック116を越える位置まで、アーム本体204はスライド移動させられる。次に、回転用駆動モータ212により、アーム本体204が可動テーブル180の内側方向(矢印240で示す回転方向)に回転させられる。これにより、押し棒206が可動テーブル180に対して水平に配置され、押し棒206の先端に設けられている引っ掛けフック208が、可動テーブル180に対して直交する方向に突出する。引っ掛けフック208は、保管用ラック116の前縁(進行方向の前方の縁)に引っ掛けられる。
図14A及び図14Bには、次の状態が示されている。図14Aには、ラック移載テーブル134等を上面側から見たときの構成が示されており、図14Bには、ラック移載テーブル134等を側面側から見たときの構成が示されている。ラック移載テーブル134において、前後用駆動モータ209により、作業台側アーム機構184のアーム本体204が、第1ラック載置台120へ向かう方向、つまり、検体保管装置18の後方側(矢印241で示す方向)にスライド移動させられる。これにより、引っ掛けフック208に引っ掛けられた保管用ラック116は可動テーブル180から引き出され、保管用ラック116の後部分が可動テーブル180上に載置される。この動作が第1段目の搬出動作に相当する。第1段目の搬出動作では、保管用ラック116は途中位置まで搬送される。
ストッカ側アーム機構182のアーム本体188が可動テーブル180の外側方向に回転させられて、ストッカ側アーム機構182の押し棒190,194が可動テーブル180に対して直交して配置されている。それ故、保管用ラック116は、押し棒194により物理的に干渉されずに可動テーブル180から検体保管装置18の後方側へ搬出される。
図15A及び図15Bには、次の状態が示されている。図15Aには、ラック移載テーブル134等を上面側から見たときの構成が示されており、図15Bには、ラック移載テーブル134等を側面側から見たときの構成が示されている。ラック移載テーブル134において、回転用駆動モータ212により、作業台側アーム機構184のアーム本体204が可動テーブル180の外側方向(矢印242で示す回転方向)に回転させられる。これにより、アーム本体204に設けられている押し棒206は、可動テーブル180に対して直交して配置される。次に、押し棒206がその状態で、前後用駆動モータ209により、作業台側アーム機構184のアーム本体204が、検体保管装置18の前面側(矢印244で示す方向)にスライド移動させられる。アーム本体204に設けられている押し棒206が保管用ラック116を超える位置まで、アーム本体204はスライド移動させられる。次に、回転用駆動モータ212により、アーム本体204が可動テーブル180の内側方向(矢印246で示す回転方向)に回転させられる。これにより、アーム本体204に設けられている押し棒206が、可動テーブル180に対して水平に配置される。
図16A及び図16Bには、次の状態が示されている。図16Aには、ラック移載テーブル134等を上面側から見たときの構成が示されており、図16Bには、ラック移載テーブル134等を側面側から見たときの構成が示されている。ラック移載テーブル134において、前後用駆動モータ209により、作業台側アーム機構184のアーム本体204が、第1ラック載置台120へ向かう方向、つまり、検体保管装置18の後側(矢印248で示す方向)にスライド移動させられる。これにより、可動テーブル180に対して水平に配置された状態の押し棒206が、保管用ラック116の後縁(進行方向の後方の縁)を押す。その押し動作により、保管用ラック116は、途中位置から第1ラック載置台120まで押し出され、第1ラック載置台120上に載置される。この動作が第2段目の搬出動作に相当する。第2段目の搬出動作により、保管用ラック116が第1ラック載置台120に完全に移載される。
保管用ラック116は、ストッカ側アーム機構182により物理的に干渉されずに搬送される。保管用ラック116が第1ラック載置台120まで搬送されると、前後用駆動モータ209により、アーム本体204が可動テーブル180まで戻され、可動テーブル180に収容される。
以上のように、ストッカ側アーム機構182による2段階の引き込み動作により、保管用ラック116がストッカ52からラック移載テーブル134まで引き込まれ、作業台側アーム機構184による2段階の搬出動作により、保管用ラック116がラック移載テーブル134からラック載置台48へ移載される。
第2ラック載置台122、第3ラック載置台124、第4ラック載置台126、及び、特定ラック載置台128に対しても、上記と同じ動作により保管用ラック116が移載される。
上記の動作とは逆の動作を行うことにより、ラック載置台48からストッカ52へ保管用ラック116を移載することができる。以下、この動作について簡単に説明する。
まず、XZ搬送機構136により、移載対象の保管用ラック116が載置されているラック載置台(例えば第1ラック載置台120)の正面位置まで、ラック移載テーブル134が搬送される。次に、作業台側アーム機構184のアーム本体204が可動テーブル180の内側方向に回転させられ、アーム本体204が第1ラック載置台120へ向かう方向にスライド移動させられる。これにより、作業台側アーム機構184に含まれる引っ掛けフック208が、保管用ラック116の前縁(保管用ラック116の進行方向の前方の縁)に引っ掛けられる(図16A及び図16B参照)。ラック載置台48からストッカ52へ保管用ラック116を移載するときの進行方向は、検体保管装置18の後方側から前面側へ向かう方向である。次に、アーム本体204が可動テーブル180側、つまり、検体保管装置18の前面側へスライド移動させられる。これにより、保管用ラック116が第1ラック載置台120から引き出されて途中位置まで搬送される(図15A及び図15B参照)。この動作が第1段目の引き込み動作に相当する。第1段目の引き込み動作では、保管用ラック116は途中位置まで搬送される。
次に、回転動作と前後方向へのスライド移動により、アーム本体204に設けられている押し棒206が、保管用ラック116の後縁(進行方向の後方の縁)に配置される(図14A及び図14B参照)。次に、アーム本体204が可動テーブル180側、つまり、検体保管装置18の前面側へスライド移動させられる。これにより、保管用ラック116が押し棒206により押されて、途中位置から可動テーブル180まで搬送され、可動テーブル180上に載置される(図13A及び図13B参照)。この動作が第2段目の引き込み動作に相当する。第2段目の引き込み動作により、保管用ラック116が可動テーブル180上に完全に移載される。
なお、作業台側アーム機構184による搬送動作が行われている間、ストッカ側アーム機構182の押し棒190,194が保管用ラック116と干渉しないように、所定の回転角度(押し棒190,194が可動テーブル180に対して直交する角度)まで、ストッカ側アーム機構182のアーム本体188が回転させられる。
また、移載対象の保管用ラック116が元々保管されていた保管ステージ176の後側扉152が、開状態となる(図12A及び図12B参照)。これにより、後側扉152が架橋台として機能する。保管用ラック116が載置されたラック移載テーブル134は、XZ搬送機構136により、保管ステージ176において移載対象の保管用ラック116が元々保管されていた位置の前まで搬送される(図12A及び図12B参照)。
次に、ストッカ側アーム機構182の押し棒194が、保管用ラック116の後縁(進行方向の後方の縁)に配置され、ストッカ側アーム機構182のアーム本体188が、可動テーブル180から離れる方向、つまり、ストッカ52側へスライド移動させられる。これにより、押し棒194が保管用ラック116の後縁を押す。この押し動作により、保管用ラック116が可動テーブル180から押し出され、架橋台として機能する後側扉152上に搬送される(図11A及び図11B参照)。この動作が第1段目の搬出動作に相当する。第1段目の搬出動作では、保管用ラック116は途中位置まで搬送される。なお、ストッカ側アーム機構182の引っ掛けフック192を保管用ラック116の前縁に引っ掛け、アーム本体188をスライド移動させることにより、保管用ラック116を架橋台まで搬送してもよい。
次に、回転動作と前後方向へのスライド動作により、アーム本体188に設けられている押し棒190が、保管用ラック116の後縁(進行方向の後方の縁)に配置される(図10A及び図10B参照)。次に、アーム本体188がストッカ52側、つまり、検体保管装置18の前面側へスライド移動させられる。これにより、保管用ラック116が押し棒194により押されて、架橋台からストッカ52まで搬送され、保管ステージ176上の元の位置に載置される(図9A及び図9B参照)。この動作が第2段目の搬出動作に相当する。第2段目の搬出動作により、保管用ラック116がストッカ52に完全に移載される。その後、後側扉152が閉じられる。
なお、ストッカ側アーム機構182による搬送動作が行われている間、作業台側アーム機構184の押し棒206が保管用ラック116と干渉しないように、所定の回転角度(押し棒206が可動テーブル180に対して直交する方向)まで、作業台側アーム機構184のアーム本体204が回転させられる。
以上のように、作業台側アーム機構184による2段階の引き込み動作により、保管用ラック116がラック載置台48からラック移載テーブル134まで引き込まれ、ストッカ側アーム機構182による2段階の搬出動作により、保管用ラック116がラック移載テーブル134からストッカ52へ移載される。
第2ラック載置台122、第3ラック載置台124、第4ラック載置台126、及び、特定ラック載置台128についても上記と同じ動作により、ストッカ52へ保管用ラック116が移載される。
上記のように、ラック移載テーブル134により2段階の引き込み動作及び搬出動作が行われ、これにより、ラック載置台48とストッカ52との間で保管用ラック116が移載される。アーム本体188,204は、保管用ラック116の進行方向の前縁まで届く長さを有していれば、途中位置まで保管用ラック116を引き込むことができる。途中位置まで搬送された保管用ラック116を可動テーブル180まで完全に引き込むためには、アーム本体188,204は、その途中位置まで搬送された保管用ラック116の進行方向の後縁まで届く長さを有していれば済む。搬出動作においても同様である。この構成により、1段階で保管用ラック116を引き込む又は搬出する場合と比べて、アーム本体188,204の長さを短くすることが可能となる。その結果、ラック移載テーブル134の全長を短くし、ラック移載機構50のサイズを小さくすることが可能となる。
本実施形態に対して、1段階で保管用ラック116を可動テーブル180まで引き込むためには、保管用ラック116がラック載置台48又はストッカ52に載置された状態で、その保管用ラック116の進行方向の後縁まで届く長さを有するアーム本体を用いる必要がある。進行方向の後縁までアーム本体を伸ばし、そこから保管用ラック116を可動テーブル180まで引き込む必要があるからである。または、アーム本体が保管用ラック116の進行方向の前縁まで届く長さを有し、そこから可動テーブル180まで完全に保管用ラック116を引き込むためのストロークを設ける必要がある。つまり、1段階で保管用ラック116を可動テーブル180まで引き込もうとすると、その引き込み量に相当する長さのアーム本体を用いる必要がある。または、その引き込み量に相当する長さのストロークを設ける必要がある。
これに対して、本実施形態では、アーム本体188,204は途中位置まで届く長さを有していれば済むため、その分、アーム本体188,204の長さを短くすることが可能となる。また、上記のようなストロークを設ける必要がないため、その分、ラック移載テーブル134の全長を短くすることが可能となる。これにより、検体保管装置18のサイズを小さくすることが可能となる。
次に、図17を参照して、検体情報について詳しく説明する。図17には、その検体情報の一例としての検体管理テーブルが示されている。検体情報(検体管理テーブル)は、検体保管装置18にて管理されている情報である。また、検体情報の一部又は全部は、上位システム22に送られて上位システム22にて管理される。
検体管理テーブルにおいては、一例として、管理ID、検体ID、ラック位置情報、ラックコード、ホールID、検査項目情報、親子情報、検査状況情報、取り出し情報、画像ID、等の情報が対応付けられている。これらは一例に過ぎず、これら以外の情報が検査情報として管理されていてもよいし、これらの一部が検査情報として管理されていてもよい。
管理IDは、個々の検査情報を管理するための情報(例えば番号や記号等)であり、上位システム22にて作成される。検体IDは、個々の検体を識別するための検体識別情報(例えば番号や記号等)であり、上位システム22にて作成される。管理IDと検体IDは上位システム22から検体保管装置18へ送られる。
ラック位置情報は、検体保管装置18のストッカ52において、対応する保管検体62が収容されている保管用ラック116が載置されている位置を示す情報である。図5に示す例では、合計で8つの保管ステージ176がストッカ52に設けられており、各保管ステージ176には4つの保管用ラック116が載置される。各保管用ラック116が載置される位置には、例えば番号や記号等の位置IDが対応付けられており、ラック位置情報はその位置IDである。図5に示す例では、32個の保管用ラック116が載置されているので、例えば、各位置には、位置IDとして1〜32のいずれかの番号が対応付けられている。ラック位置情報は、保管検体62がストッカ52に保管されたときに検体管理テーブルに登録される。例えば、検体保管装置18の制御部26は、保管検体62の検体IDを上位システム22から取得し、その検体IDと、その保管検体62が収容されている保管用ラック116の位置を示すラック位置情報(位置ID)と、を対応付けて検体管理テーブルに登録する。ラック位置情報が検体保管装置18から上位システム22に送られ、上位システム22にてその登録が行われてもよい。
ラックコードは、保管用ラック116に貼付されているバーコードラベルから読み取られたラベル情報(バーコード)であり、例えば番号や記号等の保管用ラックIDである。保管用ラック116に貼付されているバーコードラベルがバーコードリーダ130により読み取られ、これにより、ラックコード(保管用ラックID)が得られる。例えば、検体保管装置18の制御部26は、保管検体62の検体IDを上位システム22から取得し、その検体IDと、その保管検体62が収容されている保管用ラック116のラックコードと、を対応付けて検体管理テーブルに登録する。ラックコードが検体保管装置18から上位システム22に送られ、上位システム22にてその登録が行われてもよい。
ホールIDは、対応する保管検体62が収容されている保管用ラック116において、当該保管検体62が収容されている挿入孔を識別するためのホール識別情報(例えば番号や記号等)である。一例として、保管用ラック116には50個の挿入孔が形成されており、各挿入孔には1〜50のいずれかの番号が対応付けられている。ホールIDは、その番号を示す情報である。ホールIDは、保管検体62がストッカ52に保管されたときに検体管理テーブルに登録される。例えば、検体保管装置18の制御部26は、保管検体62の検体IDを上位システム22から取得し、その検体IDと、その保管検体62が収容されている挿入孔を示すホールIDと、を対応付けて検体管理テーブルに登録する。ホールIDが検体保管装置18から上位システム22に送られ、上位システム22にてその登録が行われてもよい。
検査項目情報は、検体内の液体に対して実行された又は実行される予定の検査項目を示す情報である。親子情報は、対応する検体が親検体又は子検体のいずれに該当するのかを示す情報である。これらの情報は、検体前処理装置12や分析装置14,16から上位システム22に送られて上位システム22にて管理される。検体保管装置18は、上位システムからこれらの情報を取得して管理する。
検査状況情報は、検体に対する検査の状況を示す情報である。検査の状況は、例えば、検査完了、再検査の有無、追検査の有無、未処理、等である。例えば、再検査や追検査も無く検査が完了すると、検査が完了したことを示す検査状況情報が登録される。再検査や追検査が必要な場合、その旨を示す検査状況情報が登録される。検査が全く行われていない場合、未処理を示す検査状況情報が登録される。検査状況情報は上位システム22にて管理される。再検査や追検査の指示は、例えば、分析装置14,16、端末装置、検体保管装置18、等の装置において作業者により与えられる。もちろん、その指示は上位システム22にて与えられてもよい。検体保管装置18の制御部26は、上位システム22から検査状況情報を取得して管理する。
取り出し情報は、検体保管装置18に保管されている保管検体62が、検体保管装置18から取り出し中であるか否かを示す情報である。検体保管装置18にて保管検体62の個別取り出し動作が実行されると、これにより取り出された保管検体62の検体IDには、取り出し中であることを示す情報が対応付けられる。検体保管装置18にて保管検体62の個別戻し動作が実行されると、これにより戻された保管検体62の検体IDには、取り出し中ではないことを示す情報(保管中であることを示す情報)が対応付けられる。取り出し情報は、保管検体62の個別取り出し動作時と個別戻し動作時に検体管理テーブルに登録される。例えば、検体保管装置18の制御部26は、保管検体62の検体IDを上位システム22から取得し、その検体IDとその保管検体62の取り出し情報とを対応付けて検体管理テーブルに登録する。取り出し情報が検体保管装置18から上位システム22に送られ、上位システム22にてその登録が行われてもよい。
画像IDは、撮像機構46にて取得された画像データを識別するための画像識別情報(例えば画像IDや名称等)である。画像IDは、撮像機構46による撮像時に作成されて検体管理テーブルに登録される。例えば、検体保管装置18の制御部26は、保管検体62の検体IDを上位システム22から取得し、その検体IDと画像IDとを対応付けて検体管理テーブルに登録する。画像IDが検体保管装置18から上位システム22に送られ、上位システム22にてその登録が行われてもよい。同一の保管検体62(同一の検体IDを有する保管検体62)に対して複数回撮像が行われると、その都度、管理IDが作成されて、画像IDが検体管理テーブルに登録されてもよい。図17に示す例では、検体ID「003」を有する保管検体62が2回撮像されており、各撮像で得られた画像データが、それぞれ管理ID「003」と「004」により管理されている。もちろん、同一の保管検体62が複数回撮像された場合であっても、同一の管理IDにより画像データが管理されてもよい。なお、画像データは、検体保管装置18に記憶されてもよいし、上位システム22に記憶されてもよいし、他の画像サーバ等に記憶されてもよい。
上記の情報以外の情報が、検体管理テーブルに含まれていてもよい。例えば、分析条件を示す情報、搬送用ラック識別情報(例えば搬送用ラックID)、搬送用ラック64において保管検体62が収容されている位置(例えば挿入孔)を示す情報(例えば挿入孔の番号)、分析結果情報、等が検体管理テーブルに含まれていてもよい。分析条件は、保管検体62に収容されている液体に対して行われる分析の条件であり、例えば撹拌や希釈の要否等である。搬送用ラック識別情報は、保管検体62が収容された搬送用ラック64を識別するための情報である。分析結果情報は、分析装置14,16にて実行された分析の結果を示す情報である。分析結果情報は、分析装置14,16から上位システム22に送られて検査管理テーブルに登録される。
次に、図18を参照して、シャトルラック162の構成について詳しく説明する。図18は、シャトルラック162の上面図である。一例として、シャトルラック162には5個の挿入孔(挿入孔250,252,254,256,258)が一列に並べて形成されており、最大で5本の保管検体62がシャトルラック162に収容される。各挿入孔の用途が予め定義されていてもよい。その定義を示す情報は、検体保管装置18に設けられている記憶装置に記憶される。例えば、挿入孔250,252,254は、個別取り出し動作時に取り出し対象の保管検体62が挿入される孔である。挿入孔256,258は、個別戻し動作時に戻し対象の保管検体62が挿入される孔である。個別取り出し動作時、第1検体移載機構96により、取り出し対象の保管検体62が挿入孔250,252,254のいずれかに挿入される。検査条件に応じて(例えば、後の検査において希釈が必要か否かによって)、挿入孔が選択されてもよい。例えば、挿入孔250は、単に取り出し対象として指定された保管検体62が挿入される孔であり、挿入孔252は、後の検査時において希釈が必要な保管検体62が挿入される孔であり、挿入孔254は、希釈が不要な保管検体62が挿入される孔である。検査条件(例えば希釈の要否)は、検体管理テーブルを参照することにより特定される。挿入孔256は、個別戻し動作時に、親検体としての保管検体62が作業者により挿入されるべき孔であり、挿入孔258は、子検体としての保管検体62が作業者により挿入されるべき孔である。各挿入孔に対する定義は作業者により任意に変更されてもよい。例えば、後の検査の種類に応じて、挿入孔が選択されてもよい。もちろん、検査の種類や希釈の要否等に関わらず、特定の挿入孔が個別取り出し用の孔として用いられ、特定の挿入孔が個別戻し用の孔として用いられてもよい。または、挿入孔の用途が定義されていなくてもよい。この場合、任意の挿入孔に、個別取り出し対象の保管検体62又は個別戻し対象の保管検体62が挿入される。
次に、図4及び図19から図22を参照して、検体保管装置18の動作について説明する。図19から図22には、その動作を示すフローチャートが示されている。本実施形態では、通常動作、個別取り出し動作、又は、個別戻し動作(個別再保管動作)のいずれかが実行される。個別取り出し動作と個別戻し動作は、通常動作に対する割り込み動作である。
通常動作時には、第2検体移載機構98と第3検体移載機構100の両方が用いられて、保管検体62に対する保管動作が実行される。個別取り出し動作時には、取り出し対象として指定された保管検体62がストッカ52から取り出されて取り出し位置168へ搬送される。個別取り出し動作が行われている間、第3検体移載機構100が用いられて、保管検体62に対する保管動作が継続される。個別戻し動作時には、個別戻し対象としての保管検体62が取り出し位置168からストッカ52へ搬送される。個別戻し動作が行われている間、第3検体移載機構100が用いられて、保管検体62に対する保管動作が継続される。
以下、図4及び図19を参照して、通常動作について詳しく説明する。
まず、保管対象となる保管検体62が収容された搬送用ラック64が、図1に示す搬送機構24により、検体前処理装置12や分析装置14,16等から検体保管装置18へ搬送される。検体保管装置18は、保管対象となる保管検体62が収容された搬送用ラック64を受け入れる(S01)。具体的には、搬送機構24により搬送されてきた搬送用ラック64が、引込搬送レーン66により検体保管装置18の筐体32内に搬入される。
引込搬送レーン66は一定のピッチで、図4中の矢印72で示す搬送方向へ搬送用ラック64を搬送する。その間、搬送用ラック64の外周面に添付されたバーコードラベルがバーコードリーダ114により読み取られる(S02)。これにより、ラベル情報が読み取られる。ラベル情報には、搬送用ラック64の搬送用ラックIDが含まれている。上位システム22においては、検体情報として、搬送用ラックIDと、当該搬送用ラック64に収容されている保管検体62の検体IDと、当該搬送用ラック64において当該保管検体62が収容されている位置(例えば挿入孔の番号)と、が対応付けられて管理されている。その検体情報を参照することにより、当該搬送用ラック64に収容されている各保管検体62の検体IDと収容位置(挿入孔)が特定される。検体保管装置18の制御部26は、例えば、上位システム22に問い合わせることにより、当該搬送用ラックIDに対応付けられている検体IDと収容位置を特定する。
次に、第1検体移載機構96により搬送用ラック64から保管検体62が持ち上げられて撮像位置に位置決めされ、その撮像位置にて、撮像器108,110,112により当該保管検体62の側面が撮像される(S03)。これにより、保管時における当該保管検体62の側面を表す3つの画像データが生成される。3つの画像データは検体保管装置18の検体DB27に格納され、各画像データの画像IDは、検体保管装置18において、検体IDに対応付けられて管理される。もちろん、3つの画像データは上位システム22に格納されてもよいし、画像IDが上位システム22にて管理されてもよい。なお、同一の検体IDを有する保管検体62に対して複数回の撮像が行われた場合、個々の撮像毎に管理IDが発行されて、管理ID、検体ID及び画像IDが対応付けられる。
撮像後、搬送用ラック64は、引込搬送レーン66から処理搬送レーン68へ搬出される。処理搬送レーン68は、一定速度で、図4中の矢印82で示す搬送方向へ搬送用ラック64を搬送する。その搬送中、ストッパ86が閉状態になって搬送用ラック64が移載処理位置92に停止させられる(S04)。
搬送用ラック64が移載処理位置92に停止させられた状態で、保管検体62が、搬送用ラック64から保管用ラック116へ移載される(S05)。
移載処理の事前処理として、ラック移載機構50の作用により、ストッカ52から空の保管用ラック116が取り出され、空の保管用ラック116が、第1ラック載置台120、第2ラック載置台122、第3ラック載置台124及び第4ラック載置台126へ移載される。例えば、ストッカ52の最下段に保管されている4つの空の保管用ラック116が取り出されて、第1ラック載置台120、第2ラック載置台122、第3ラック載置台124及び第4ラック載置台126へ移載されている。通常動作時には、保管用ラック116は特定ラック載置台128に載置されない。保管用ラック116がラック載置台に載置されると、保管用ラック116の外周面に貼付されたバーコードラベルがバーコードリーダ130により読み取られる。これにより、ラベル情報が読み取られる。ラベル情報には、保管用ラック116の保管用ラックID(ラックコード)が含まれている。この保管用ラックIDは、検体保管装置18において検体情報として管理される。
移載処理は、第2検体移載機構98と第3検体移載機構100により分業して行われる。第2検体移載機構98は、第1ラック載置台120と第2ラック載置台122を担当し、第3検体移載機構100は、第3ラック載置台124と第4ラック載置台126を担当する。第2検体移載機構98は、マニピュレータの作用により、搬送用ラック64に収容されている保管検体62を掴んで取り出し、第1ラック載置台120に載置されている保管用ラック116に保管検体62を収容する。これと同時に、第3検体移載機構100は、マニピュレータの作用により、搬送用ラック64に収容されている保管検体62を掴んで取り出し、第3ラック載置台124に載置されている保管用ラック116に保管検体62を収容する。
保管用ラック116における各保管検体62の収容位置(挿入孔)は、制御部26により把握及び管理されている。各保管用ラック116の保管用ラックIDが取得されており、搬送用ラック64に収容されている各保管検体62の検体IDが特定されているので、制御部26により、保管検体62の検体IDと、当該保管検体62が収容されている保管用ラック116の保管用ラックIDと、当該保管用ラック116において当該保管検体62が収容されている位置(挿入孔)を示すホールIDと、が対応付けられる。検体ID(又は管理ID)を指定することにより、その検体IDを有する保管検体62が収容されている保管用ラック116と、当該保管用ラック116において保管検体62が収容されている挿入孔と、が特定される。上記の対応付けは、上位システム22により行われてもよい。上記の対応付けを示す情報は、検体情報として、上位システム22に送られて上位システム22に記憶されてもよい。
搬送用ラック64が空になると、次の搬送用ラック64が移載処理位置92に搬送されて保管用ラック116への移載処理が継続される。移載処理の対象となっている保管用ラック116(例えば、第1ラック載置台120に載置されている保管用ラック116)が満載になっていない場合(S06,No)、その保管用ラック116への移載処理が継続される(S05)。同様に、第3ラック載置台124に載置されている保管用ラック116が満載になっていない場合(S06,No)、その保管用ラック116への移載処理が継続される(S05)。
移載処理の対象となっている保管用ラック116(例えば、第1ラック載置台120に載置されている保管用ラック116)が満載になった場合(S06,Yes)、満載状態の保管用ラック116が空の保管用ラック116に交換される(S07)。また、保管検体62の移載先が変更され(S08)、移載処理が継続される(S05)。つまり、保管用ラック116の交換処理が行われている間、第2検体移載機構98は、搬送用ラック64に収容されている保管検体62を、第2ラック載置台122に載置されている保管用ラック116へ移載する。これにより移載処理が継続される。満載の検知と移載先の変更指示は、制御部26により行われる。
同様に、第3ラック載置台124に載置されている保管用ラック116が満載になった場合(S06,Yes)、満載状態の保管用ラック116が空の保管用ラック116に交換される(S07)。また、保管検体62の移載先が変更され(S08)、移載処理が継続される(S05)。つまり、保管用ラック116の交換処理が行われている間、第3検体移載機構100は、搬送用ラック64に収容されている保管検体62を、第4ラック載置台126に載置されている保管用ラック116へ移載する。これにより移載処理が継続される。
以下、図4及び図20を参照して、保管用ラック116の交換処理について説明する。
まず、XZ搬送機構136の作用により、ラック移載テーブル134が、交換対象の保管用ラック116が載置されているラック載置台の正面位置まで搬送される(S10)。第1ラック載置台120に載置されている保管用ラック116が満載になった場合、ラック移載テーブル134は第1ラック載置台120の正面位置まで搬送される。
次に、ラック移載テーブル134は、作業台側アーム機構184による2段階の引き込み動作により、第1ラック載置台120に載置されている満載状態の保管用ラック116を自身側へ引き込む(S11)。この引き込み動作により、ラック移載テーブル134の可動テーブル180上に満載状態の保管用ラック116が移載される(図8Aから図16B参照)。
満載状態の保管用ラック116が載置されたラック移載テーブル134は、XZ搬送機構136の作用により、ストッカ52において当該保管用ラック116が元々保管されていた位置の前まで搬送される(S12)。これにより、満載状態の保管用ラック116が、ストッカ52の前まで搬送される。このとき、当該保管用ラック116が元々保管されていた保管ステージ176の後側扉152が、開状態となる(図12A及び図12B参照)。なお、保管用ラック116の保管用ラックIDと、ストッカ52において当該保管用ラック116が載置されている位置を示すラック位置情報(位置ID)と、は検体情報として予め対応付けられて管理されている。
次に、ラック移載テーブル134は、ストッカ側アーム機構182による2段階の搬出動作により、可動テーブル180上に載置されている満載状態の保管用ラック116をストッカ52へ移載する(S13)。これにより、満載状態の保管用ラック116がストッカ52内に保管される。
検体保管装置18の制御部26により、保管検体62の検体IDと、当該保管検体62が収容されている保管用ラック116の保管用ラックIDと、当該保管用ラック116において当該保管検体62が収容されている位置(挿入孔)を示すホールIDと、ストッカ52において当該保管用ラック116が載置されている位置を示す位置IDと、が対応付けられ、検体情報として管理される(図17参照)。
次に、XZ搬送機構136の作用により、ラック移載テーブル134が、ストッカ52において空の保管用ラック116が載置されている位置の前まで搬送される。ラック移載テーブル134は、ストッカ側アーム機構182による2段階の引き込み動作により、ストッカ52内に保管されている空の保管用ラック116を自身側へ引き込む(S14)。この引き込み動作により、ラック移載テーブル134の可動テーブル180上に空の保管用ラック116が移載される(図12A及び図12B参照)。例えば、ストッカ52の下から2段目に保管されている空の保管用ラック116が取り出される。
空の保管用ラック116が載置されたラック移載テーブル134は、XZ搬送機構136の作用により、第1ラック載置台120の正面位置まで搬送される(S15)。これにより、空の保管用ラック116が、第1ラック載置台120の正面位置まで搬送される。
次に、ラック移載テーブル134は、作業台側アーム機構184による2段階の搬出動作により、可動テーブル180上に載置されている空の保管用ラック116を第1ラック載置台120へ移載する(S16)(図16A及び図16B参照)。これにより、満載状態の保管用ラック116が空の保管用ラック116に交換される。第3ラック載置台124に載置されている満載状態の保管用ラック116も同様に、空の保管用ラック116に交換される。
第2ラック載置台122に載置されている保管用ラック116が満載になった場合、上記の動作と同様に、ラック移載機構50の作用により、満載状態の保管用ラック116がストッカ52に移載され、空の保管用ラック116がストッカ52から取り出されて第2ラック載置台122に移載される。この間、搬送用ラック64から取り出された保管検体62は、第1ラック載置台120に載置されている保管用ラック116へ移載される。第4ラック載置台126に載置されている保管用ラック116に対しても同様の処理が行われる。
以上のように、通常動作時においては、第2検体移載機構98と第3検体移載機構100により移載処理が行われる。このとき、第1ラック載置台120と第2ラック載置台122が交互に利用され、第2検体移載機構98による移載処理が停止しないようになっている。同様に、第3ラック載置台124と第4ラック載置台126が交互に利用され、第3検体移載機構100による移載処理が停止しないようになっている。
次に、図21を参照して、個別取り出し動作について詳しく説明する。
まず、検体保管装置18は、保管検体62の個別取り出し要求を受け付ける(S20)。例えば、通常動作が行われているとき、つまり、第2検体移載機構98と第3検体移載機構100による保管動作が行われているときに、個別取り出し要求が受け付けられる。この個別取り出し要求が受け付けられると、検体保管装置18は、動作モードを通常動作モードから個別取り出しモードに切り替えて個別取り出し動作を行う。個別取り出し動作モードにおいては、第2検体移載機構98は保管動作を中止し、第3検体移載機構100は保管動作を継続する。
個別取り出し要求は、検体保管装置18にて与えられてもよいし、上位システム22にて与えられてもよい。例えば、作業者が検体保管装置18のUI部40を用いて、取り出し対象の保管検体62の検体ID又は管理IDを指定して個別取り出し要求を与えてもよいし、上位システム22において、取り出し対象の保管検体62の検体ID又は管理IDが指定されて個別取り出し要求が与えられてもよい。上位システム22にて個別取り出し要求が与えられると、その個別取り出し要求を示す情報と取り出し対象の保管検体62の検体ID(又は管理ID)が、上位システム22から検体保管装置18に送られる。取り出し対象として指定された保管検体62が「指定保管検体」の一例に相当する。
個別取り出し要求が受け付けられると、検体保管装置18の制御部26は、検体情報(検体管理テーブル)を参照し、取り出し対象の保管検体62の検体ID(又は管理ID)に対応付けられている保管用ラックID(ラックコード)を特定する(S21)(図17参照)。これにより、取り出し対象の保管検体62が収容されている保管用ラック116(以下、「処理対象の保管用ラック116」と称することとする)が特定される。制御部26は、例えば、検体保管装置18の検体DB27に記憶されている検体情報(検体管理テーブル)を参照することにより、処理対象の保管用ラック116を特定してもよいし、上位システム22に問い合わせることにより、処理対象の保管用ラック116を特定してもよい。もちろん、取り出し要求時に、取り出し対象の保管検体62の検査IDとともに保管用ラックIDが上位システム22から検体保管装置18へ送られ、これにより、処理対象の保管用ラック116が特定されてもよい。また、検体情報(検体保管テーブル)を参照により、ストッカ52において処理対象の保管用ラック116が保管されている位置と、当該処理対象の保管用ラック116において取り出し対象の保管検体62が収容されている位置(挿入孔)が特定される。
ラック移載機構50は、処理対象の保管用ラック116をストッカ52から特定ラック載置台128(持ち出しエリア)へ移載する(S22)。具体的には、処理対象の保管用ラック116が保管されている位置を示す情報に従い、XZ搬送機構136の作用により、ラック移載テーブル134が、ストッカ52において処理対象の保管用ラック116が保管されている位置の前まで搬送される。当該処理対象の保管用ラック116が保管されている保管ステージ176の後側扉152が、開状態となる。ラック移載テーブル134は、ストッカ側アーム機構182による2段階の引き込み動作により、ストッカ52内に保管されている処理対象の保管用ラック116を自身側へ引き込む。この引き込み動作により、ラック移載テーブル134の可動テーブル180上に処理対象の保管用ラック116が移載される。次に、XZ搬送機構136の作用により、ラック移載テーブル134が、特定ラック載置台128の正面位置まで搬送される。次に、ラック移載テーブル134は、作業台側アーム機構184による2段階の搬出動作により、可動テーブル180上に載置されている処理対象の保管用ラック116を特定ラック載置台128へ移載する。この搬出動作により、特定ラック載置台128上に処理対象の保管用ラック116が載置される。
処理対処の保管用ラック116が特定ラック載置台128へ移載されると、第2検体移載機構98は、マニピュレータの作用により、個別取り出し対象の保管検体62を処理対象の保管用ラック116から取り出して中継ラック153へ移載する(S23)。このとき、第2検体移載機構98は、X搬送機構102の作用により、特定ラック載置台128に近い位置へ搬送される。上述したように、処理対象の保管用ラック116において個別取り出し対象の保管検体62が収容されている位置(挿入孔)が特定されるので、第2検体移載機構98は、その特定された位置から個別取り出し対象の保管検体62を取り出して中継ラック153へ移載する。その移載処理が完了すると、第2検体移載機構98は、通常の保管動作を行う。
次に、バーコードリーダ160により、個別取り出し対象の保管検体62の側面に貼付されたバーコードが読み取られる(S24)。これによりラベル情報が得られる。このラベル情報には、当該保管検体62の検体IDが含まれている。
バーコードが読み取られた後、中継ラック153は、中継トラバーサ154の作用により、シャトルラック機構56側の位置156へ搬送される(S25)。
第1検体移載機構96は、位置156に配置された中継ラック153から個別取り出し対象の保管検体62を取り出し、その保管検体62を、ホームポジション166に配置されたシャトルラック162へ移載する(S26)。シャトルラック162において取り出し用の挿入孔が定義されている場合、第1検体移載機構96は、取り出し対象の保管検体62を取り出し用の挿入孔に移載する。取り出し用の挿入孔が定義されていない場合、第1検体移載機構96は、取り出し対象の保管検体62を任意の挿入孔に移載する。
次に、シャトルラック162は、シャトルラック搬送機構164の作用により、ホームポジション166から取り出し位置168へ搬送される(S27)。これに応じて、制御部26により副扉38のロックが解除され、アラーム音や光等が発生する(S28)。ロックが解除されることにより、副扉38の開操作が可能となる。アラーム情報として、ロック解除を示す情報がUI部40に表示されてもよい。
作業者は、副扉38を開けて、取り出し位置168に載置されたシャトルラック162から取り出し対象の保管検体62を取り出す(S29)。その取り出し後、作業者により副扉38が閉められる(S30)。この閉操作に応じてアラームが自動的に解除されてもよいし、作業者がUI部40を用いてアラーム解除を指定した場合にアラームが解除されてもよい。副扉38が閉められてアラームが解除されると、シャトルラック162は、シャトルラック搬送機構164の作用により、取り出し位置168からホームポジション166へ搬送される(S31)。
保管検体62が個別的に取り出された場合、取り出し中であることが管理される。検体保管装置18の制御部26は、検体情報(検体管理テーブル)において、取り出し対象として指定された保管検体62の検体IDに、当該保管検体62が取り出し中であることを示す情報(取り出し情報)を対応付ける。例えば、制御部26は、検体情報(検体管理テーブル)に含まれる取り出し情報において、取り出し対象として指定された保管検体62が取り出し中であることを示すフラグを設定する。
個別的に取り出された保管検体62に対して、例えば再検査や追検査等が実行される。
上記の個別取り出し動作が行われている間、第3検体移載機構100は、移載処理(保管動作)を停止せずに、搬送用ラック64に収容されている保管検体62を第3ラック載置台124又は第4ラック載置台126に載置されている保管用ラック116に収容する。これにより、保管動作を止めずに、取り出し対象の保管検体62を個別的に取り出すことが可能となる。
以上のように、個別取り出し対象として指定された保管検体62が、検体保管装置18の前面側に設けられた取り出し位置168まで搬送され、その取り出し位置168に通じる副扉38を介して取り出し可能となる。作業者にとってアクセスし易い前面側に保管検体62が自動的に搬送されるので、作業者は、その保管検体62を容易に取り出すことが可能となる。また、保管検体62を個別的に取り出せるので便利である。主扉(上側主扉34と下側主扉36)を開けて保管検体62をストッカ52から取り出すことも可能であるが、取り出し対象の保管検体62を探す手間や取り出す手間等がかかり効率的ではない。また、主扉を開けると、ストッカ52内の温度が大きく変化してしまう。本実施形態によると、作業者の手間が省ける。また、主扉を開けずに取り出し対象の保管検体62を取り出せるので、ストッカ52内と外部との間の熱交換をできるだけ抑制することが可能となる。それ故、ストッカ52内の温度変化をできるだけ小さくすることが可能となる。個別取り出し動作時にはストッカ52の後側扉152が開くが、この場合も、取り出し対象の保管用ラック116が保管されている保管ステージ176の後側扉152のみが開くので、ストッカ52内への影響を必要最小限に抑制することが可能となる。また、取り出し対象の保管検体62は、UI部40又は上位システム22にて指定される。その指定により保管検体62が取り出せるので、作業者は、複数の保管用ラック116の中から取り出し対象の保管検体62を探し出さずに済む。
次に、図22を参照して、個別戻し動作(個別再保管動作)について詳しく説明する。
まず、検体保管装置18は、保管検体62の個別戻し要求(個別再保管要求)を受け付ける(S40)。例えば、通常動作が行われているとき、つまり、第2検体移載機構98と第3検体移載機構100による保管動作が行われているときに、個別戻し要求が受け付けられる。この個別戻し要求が受け付けられると、検体保管装置18は、動作モードを通常動作モードから個別戻しモードに切り替えて個別戻し動作を行う。個別戻し動作モードにおいては、第2検体移載機構98は保管動作を中止し、第3検体移載機構100は保管動作を継続する。
個別戻し要求は、検体保管装置18にて与えられてもよいし、上位システム22にて与えられてもよい。例えば、作業者が検体保管装置18のUI部40を用いて、個別戻し要求(再保管要求)を与える。上位システム22にて戻し要求が与えられると、その要求を示す情報が検体保管装置18へ送られる。
個別戻し要求が受け付けられると、シャトルラック搬送機構164の作用により、シャトルラック162がホームポジション166から取り出し位置168へ搬送される(S41)。これに応じて、制御部26により、副扉38のロックが解除され、アラーム音や光が発生する(S42)。ロックが解除されることにより、副扉38の開操作が可能となる。
作業者は、副扉38を開けて、取り出し位置168に載置されたシャトルラック162に戻し対象の保管検体62を移載する(S43)。シャトルラック162において戻し用の挿入孔が定義されている場合、作業者は、戻し対象の保管検体62を戻し用の挿入孔に移載する。戻し用の挿入孔が定義されていない場合、戻し対象の保管検体62を任意の挿入孔に挿入してもよい。
戻し対象の保管検体62をシャトルラック162に移載した後、作業者により副扉38が閉められる(S44)。この閉操作に応じてアラームが自動的に解除されてもよいし、作業者がUI部40を用いてアラーム解除を指定した場合にアラームが解除されてもよい。副扉38が閉められてアラームが解除されると、シャトルラック162は、シャトルラック搬送機構164の作用により、取り出し位置168からホームポジション166へ搬送される(S45)。
また、中継トラバーサ154の作用により、中継ラック153が、シャトルラック機構56側の位置156へ搬送される。
シャトルラック162がホームポジション166へ搬送されると、第1検体移載機構96は、ホームポジション166に配置されたシャトルラック162から戻し対象の保管検体62を取り出し、その保管検体62を、位置156に配置されている中継ラック153へ移載する(S46)。
戻し対象の保管検体62が中継ラック153へ移載されると、バーコードリーダ160による読み取り処理と撮像器108,110,112による撮像が行われる(S47)。具体的には、保管検体62が収容された中継ラック153は、中継トラバーサ154の作用により、特定ラック載置台128側の位置へ搬送される。その位置にて、バーコードリーダ160により、戻し対象の保管検体62の側面に貼付されたバーコードラベルが読み取られる。これによりラベル情報が得られる。このラベル情報には、当該保管検体62の検体IDが含まれている。それ故、このラベル情報を参照することにより、戻し対象の保管検体62の検体IDが特定される。この特定は制御部26により行われる。バーコードリーダ160による読み取り処理が完了すると、保管検体62が収容された中継ラック153は、中継トラバーサ154の作用により、シャトルラック機構56側の位置156へ搬送される。次に、第1検体移載機構96により中継ラック153から保管検体62が持ち上げられて撮像位置に位置決めされ、その撮像位置にて、撮像器108,110,112により当該保管検体62の側面が撮像される。これにより、戻し時における当該保管検体62の側面を表す3つの画像データが生成される。3つの画像データは検体保管装置18の検体DB27に格納され、各画像データの画像IDは、検体保管装置18において、検体IDに対応付けられて管理される。このとき、新たな管理IDが発行されて、その新たな管理ID、検体ID、及び、画像IDが対応付けられてもよい。もちろん、3つの画像データは上位システム22に格納されてもよいし、画像IDが上位システム22にて管理されてもよい。
撮像後、保管検体62が収容されている中継ラック153は、中継トラバーサ154の作用により、特定ラック載置台128側の位置へ搬送される(S48)。なお、バーコードの読み取り処理と撮像処理は、その順番が逆であってもよい。
上記の動作と並行して、戻し対象の保管検体62が元々収容されていた保管用ラック116が、ストッカ52から特定ラック載置台128へ移載される。上述したように、戻し対象の保管検体62に貼付されているバーコードを読み取ることにより、当該保管検体62の検体IDが特定される。検体保管装置18の制御部26は、検体DB27に記憶されている検体情報(検体管理テーブル)を参照することにより、その検体IDに対応付けられている保管用ラックID(ラックコード)、ラック位置及びホールIDを特定する(図17参照)。その保管用ラックIDをもつ保管用ラック116は、戻し対象の保管検体62が元々収容されていたラックである。ラック位置は、ストッカ52において、その保管用ラック116が載置されている位置である。ホールIDは、その保管用ラック116において、戻し対象の保管検体62が元々収容されていた挿入孔を示す情報である。このように、戻し対象の保管検体62が元々収容されていた保管用ラック116が特定される。ストッカ52において当該ラック位置に載置されている保管用ラック116が、ラック移載機構50の作用により、特定ラック載置台128へ移載される。
次に、第2検体移載機構98は、マニピュレータの作用により、個別戻し対象の保管検体62を中継ラック153から取り出し、特定ラック載置台128上の保管用ラック116へ移載する(S49)。上述したように、ホールIDが特定されているので、個別戻し対象の保管検体62は、保管用ラック116において、そのホールIDをもつ挿入孔に収容される。これにより、個別戻し対象の保管検体62は、保管用ラック116において元々の位置に収容される。その移載処理が完了すると、第2検体移載機構98は、通常の保管動作を行う。
次に、ラック移載機構50の作用により、個別戻し対象の保管検体62が収容されている保管用ラック116が、特定ラック載置台128からストッカ52へ搬送され、元々の位置に保管される(S50)。このとき、当該保管用ラック116が保管されていた保管ステージ176の後側扉152が開き、そこから、保管用ラック116がストッカ52内に収容される。
保管検体62が個別的に戻された場合、保管中であることが管理される。検体保管装置18の制御部26は、検体情報(検体管理テーブル)において、戻し対象の保管検体62の検体IDに、当該保管検体62が戻された(取り出し中ではない)ことを示す情報(取り出し情報)を対応付ける。例えば、制御部26は、検体情報(検体管理テーブル)に含まれる取り出し情報において、取り出し中であることを示すフラグを削除する。
以上のように、個別戻し対象(個別再保管対象)の保管検体62を、検体保管装置18の前面側に設けられた取り出し位置168に置くことにより、その取り出し位置168から保管用ラック116へ移載される。作業者にとってアクセスし易い前面側から保管検体62を戻すことができるので、再保管に要する作業が容易である。また、戻し対象の保管検体62を個別的に戻すことができるので便利である。主扉(上側主扉34と下側主扉36)を開けて保管検体62をストッカ52へ戻すことも可能であるが、戻す位置を探す手間や戻す手間等がかかり効率的ではない。また、主扉を開けると、ストッカ52内の温度が大きく変化してしまう。本実施形態によると、作業者の手間が省ける。また、主扉を開けずに戻し対象の保管検体62をストッカ52へ戻せるので、ストッカ52内と外部との間の熱交換をできるだけ抑制することが可能となる。それ故、ストッカ52内の温度変化をできるだけ小さくすることが可能となる。個別的戻し動作時にはストッカ52の後側扉152が開くが、この場合も、戻し対象の保管用ラック116が保管されている保管ステージ176の後側扉152のみが開くので、ストッカ52内への影響を必要最小限に抑制することが可能となる。また、個別取り出し動作時又は個別戻し動作時においては、第3検体移載機構100により通常の保管動作が継続される。それ故、通常の保管動作を一旦停止させずに済むので、保管動作の処理効率の低下を抑制又は防止することが可能となる。
個別取り出し動作と個別戻し動作が同時又は連続して行われてもよい。つまり、個別取り出し動作により、取り出し対象の保管検体62がシャトルラック162に収容され、そのシャトルラック162が取り出し位置168へ搬送される。これにより、個別取り出し対象の保管検体62が作業者により取り出される。このとき、個別戻し対象の保管検体62が作業者によりシャトルラック162に移載されてもよい。その後、個別戻し対象の保管検体62に対して個別戻し動作が適用され、個別戻し対象の保管検体62が元の保管用ラック116へ移載される。
副扉38から新規に保管検体62を検体保管装置18に投入してもよい。この場合、作業者がUI部40を用いて新規投入を指示すると、シャトルラック162が取り出し位置168へ搬送される。新規保管対象の保管検体62が作業者によりシャトルラック162に移載され、シャトルラック162はホームポジション166へ搬送される。シャトルラック162においては、新規保管用の挿入孔が定義されていてもよい。この場合、作業者は、その挿入孔に新規保管対象の保管検体62を移載する。第1検体移載機構96により、シャトルラック162から中継ラック153へ新規保管対象の保管検体62が移載され、バーコードリーダ160により、その保管検体62に貼付されたバーコードラベルが読み取られる。これにより、当該保管検体62の検体IDが取得される。検体保管装置18の制御部26は、その検体IDを検体管理テーブルに登録する。また、その検体IDは上位システム22に送られ、上位システム22にて管理される。特定ラック載置台128には、空の挿入孔をもつ保管用ラック116が移載され、第2検体移載機構98により、中継ラック153から当該保管用ラック116へ新規保管対象の保管検体62が移載される。その保管用ラック116は、ラック移載機構50の作用により、ストッカ52へ搬送され、ストッカ52内に保管される。検体保管装置18の制御部26により、新規保管対象の保管検体62の検体IDと、その保管検体62が収容された保管用ラック116の保管用ラックIDと、当該保管用ラック116において当該保管検体62が収容されている挿入孔を示すホールIDと、が対応付けられ、これらが検体管理テーブルに登録される(検体情報として検体DB27に記憶される)。また、これらの情報は上位システム22に送られ、上位システム22にて管理される。このように、新規に保管検体62を検体保管装置18に保管する場合も、個別取り出し時や個別戻し時と同様の効果を奏することが可能となる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係る検体分析システムについて説明する。図23には、第2実施形態に係る検体分析システムの一例が示されている。第2実施形態に係る検体分析システム10Aは、第1実施形態に係る検体保管装置18の代りに検体保管装置18Aを含む。これ以外の構成は、第1実施形態に係る検体分析システム10の構成と同じである。
1又は複数の端末装置260が検体分析システム10Aに含まれていてもよい。端末装置260は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話、等の通信機能を備えた装置であり、ネットワーク等の通信経路を介して上位システム22に接続される。
検体保管装置18Aは、第1実施形態に係る検体保管装置18の構成に加えて、画像ファイル生成部262を含む。これ以外の構成は、第1実施形態に係る検体保管装置18の構成と同じである(図2から図7等参照)。
画像ファイル生成部262は、撮像機構46により取得された複数の画像データを合成し、これにより合成画像ファイルを生成する機能を備えている。図4に示す例では、撮像機構46は三台の撮像器(撮像器108,110,112)を備えており、それらにより3つの画像データが生成される。画像ファイル生成部262は、それら3つの画像データを合成して1つの合成画像ファイルを生成する。画像ファイル生成部262は、例えば、各画像データをトリミングすることにより保管検体62を表す加工画像データを生成し、各加工画像データを水平方向に連結することにより合成画像ファイルを生成する。画像ファイル生成部262は、合成画像ファイルに、保管検体62に関する情報を文字列として埋め込んでもよい。その情報は、上位システム22から検体保管装置18に送られた情報であってもよいし、検体保管装置18の検体DB27に記憶されている情報であってもよい。例えば、保管検体62内の液体の量等を示す情報が上位システム22から検体保管装置18に送られ、その量等を示す文字列が合成画像ファイルに埋め込まれる。検体保管装置18AはCPUを備えており、そのCPUが所定のプログラムを実行することにより、画像ファイル生成部262の機能が実現される。もちろん、画像ファイル生成部262は回路等のハードウェアにより構成されていてもよい。
第1実施形態において説明したように、保管検体62は検体保管装置18(18A)への入庫時に撮像される。具体的には、保管検体62の受け入れ時(図19中のステップS03参照)と個別戻し時(図22中のステップS47参照)に、保管検体62が撮像される。保管検体62の受け入れ時においては、保管検体62は搬送用ラック64に収容されて検体保管装置18内へ搬送される。保管検体62はその搬送時に撮像される。個別戻し時においては、保管検体62は中継ラック153に収容されて搬送される。保管検体62はその搬送時に撮像される。
各撮像により、それぞれ3つの画像データが生成され、画像ファイル生成部262により、それぞれ合成画像ファイルが生成される。例えば、保管検体62の受け入れ時に3つの画像データが生成され、それら3つの画像データが合成されることにより合成画像ファイルが生成される。受け入れ時の合成画像ファイルは、検体保管装置18の検体DB27に格納され、その合成画像ファイルを識別するための画像IDが、検体保管装置18の制御部26により、検体IDに対応付けられる(図17参照)。同様に、個別戻し時に3つの画像データが生成され、それら3つの画像データが合成されることにより合成画像ファイルが生成される。個別戻し時の合成画像ファイルは検体DB27に格納され、その合成画像ファイルを識別するための画像IDが、制御部26により、検体IDに対応付けられる。保管検体62が撮像される度に、新たな管理IDが発行され、合成画像ファイル毎に異なる管理IDが対応付けられてもよい。例えば、受け入れ時の合成画像ファイルと個別戻し時の合成画像ファイルには、それぞれ異なる管理IDが対応付けられる。この管理IDは、例えば検体保管装置18の制御部26により発行される。合成画像ファイルは上位システム22に送られて上位システム22に格納されてもよいし、画像IDと検体ID(管理ID)との対応付けは、上位システム22の制御部28により行われてもよい。合成画像ファイルは履歴情報として管理される。
以下、第2実施形態について詳しく説明する。
図24を参照して、保管検体62について詳しく説明する。図24は、保管検体62の斜視図である。保管検体62は、容器264とその容器264内の液体とを含む。容器264は、例えば上下方向に延在し、底面を有する筒状の形状を有する。容器264の外周面には、バーコードラベル266が貼付されている。バーコードラベル266は、一例として、ラベル情報としてのバーコードが記述されているバーコードエリア268と、そのバーコードエリア268の周囲に配置され、バーコードが記述されていない非バーコードエリアと、により構成されている。もちろん、非バーコードエリアが設けられず、バーコードラベル266の全エリアがバーコードエリア268により構成されていてもよい。図24に示す例では、非バーコードエリアに数字や記号等が記述されている。バーコードは、上述したように、保管検体62を識別するための情報であり、例えば、検体IDを示す情報である。バーコードは、検体ID以外の情報として、患者ID、患者氏名、病院名、採取日時、等を示す情報であってもよい。バーコードリーダからバーコードエリア268に対してレーザ光を照射し、レーザ光を上下方向にスキャンすることにより、バーコードエリア268からバーコード(ラベル情報)が読み取られる。
次に、図25を参照して、撮像機構46による撮像時における保管検体62と撮像機構46との位置関係について説明する。図25には、上方から見たときの保管検体62と撮像機構46の構成が示されている。第1実施形態において説明したように、撮像器108,110,112は、例えば120°の角度間隔で配置されている。撮像時、撮影対象の保管検体62は第1検体移載機構96により持ち上げられて撮像位置に位置決めされる。撮像位置は、例えば、撮像器108,110,112に囲まれたエリアのほぼ中心位置である。保管検体62が撮像位置に位置決めされた状態で、撮像器108,110,112により撮像される。これにより保管検体62の側面が撮像され、その側面を表す3つの画像データが生成される。
図25に示す例では、バーコードラベル266は容器264の周囲方向の全範囲(360°)にわたって貼付されておらず、半周程度(180°程度)の範囲に貼付されている。もちろん、これは一例に過ぎず、半周以上の範囲にバーコードラベル266が貼付されていてもよいし、半周未満の範囲にバーコードラベル266が貼付されていてもよい。
撮像器108,110,112とバーコードラベル266との位置関係、つまり、保管検体62の回転角度によって、撮像器108,110,112によって撮像される部分が異なる。例えば、ある撮像器ではバーコードラベル266が撮像され、ある撮像器では容器264内の液体(バーコードラベル266の両端間の隙間から見える液体)が撮像される。120°の角度間隔で配置された撮像器108,110,112により保管検体62を撮像することにより、保管検体62の側面のほぼ全範囲を撮像することができる。図25に示す配置例では、撮像器108により、バーコードラベル266の一方端側の部分と容器264の内部が撮像される。撮像器110により、バーコードラベル266の他方端側の部分と容器264の内部が撮像される。撮像器112により、バーコードラベル266の正面が撮像される。撮像器108,110,112による撮像により生成された3つの画像データが合成され、これにより、合成画像ファイルが生成される。その合成画像ファイルには、バーコードラベル266の一方端側の部分、容器264の内部、バーコードラベル266の他方端側の部分、及び、バーコードラベル266の正面が表される。
合成画像ファイルの画像IDは、管理IDと検体IDに対応付けられて管理される。これは検体情報(検体管理テーブル)として検体保管装置18の検体DB27に記憶される。管理ID又は検体IDが指定されることにより、それに対応付けられている合成画像ファイルが特定される。例えば、作業者が検体保管装置18のUI部40を利用して管理ID又は検体IDを指定すると、検体保管装置18の制御部26は、検体DB27に記憶されている検体情報(検体管理テーブル)を参照することにより、指定された管理ID又は検体IDに対応付けられている画像IDを特定する。これにより、作業者により指定された合成画像ファイルが特定される。作業者によりその合成画像ファイルの表示指示が与えられると、検体保管装置18の制御部26は、その合成画像ファイルをUI部40に表示させる。
図26には、合成画像ファイルの表示例が示されている。UI部40の画面270には、指定された合成画像ファイル272が表示される。合成画像ファイル272は、画像ファイル生成部262により生成された画像であり、加工画像274,276,278を含む。加工画像274,276,278は、画像ファイル生成部262によるトリミング処理により生成された画像である。加工画像274,276,278を水平に並べて合成することにより、合成画像ファイル272が得られる。合成画像ファイル272は1つのデータとして管理される。撮像毎に新たな合成画像ファイルが生成され、それらは検体IDに対応付けられる。なお、撮像時、保管検体62は第1検体移載機構96により持ち上げられて撮像される。実際の加工画像には第1検体移載機構96のマニピュレータが表されるが、図26においてはその図示を省略している。
加工画像274,276,278にそれぞれ表されている容器の高さが揃うように、各加工画像が合成されてもよい。または、その高さが揃うように、撮像器108,110,112が配置されて撮像が行われてもよい。
加工画像274は、撮像器108により得られた画像をトリミングすることにより生成された画像である。加工画像274には、容器像280、バーコードラベル像282及び液体像284が表されている。容器像280は、保管検体62に含まれる容器264の像である。バーコードラベル像282は、容器264に貼付されているバーコードラベル266の像である。バーコードラベル像282には、バーコードラベル266の一方端側の部分が表されている。液体像284は、容器264内の液体の像である。
加工画像276は、撮像器110により得られた画像をトリミングすることにより生成された画像である。加工画像274には、容器像286、バーコードラベル像288及び液体像290が表されている。容器像286は容器264の像であり、バーコードラベル像288はバーコードラベル266の像であり、液体像290は液体の像である。バーコードラベル像288には、バーコードラベル266の他方端側の部分が表されている。
加工画像278は、撮像器112により得られた画像をトリミングすることにより生成された画像である。加工画像276には、容器像292、バーコードラベル像294及び液体像296が表されている。容器像292は容器264の像であり、バーコードラベル像294はバーコードラベル266の像であり、液体像296は液体の像である。バーコードラベル像294には、バーコードラベル266の正面部分が表されている。
図26に示す例では、撮像が行われた日付、保管検体62の検体ID、及び、容器内の液体の量を示す情報が、合成画像ファイル272に埋め込まれている。液体の量は、例えば、液体推定機能を備えた分析装置14,16等により測定され、その量を示す情報が上位システム22に記憶される。その情報が上位システム22から検体保管装置18へ送られ、画像ファイル生成部262は、その情報を合成画像ファイル272に埋め込む。もちろん、他の情報が合成画像ファイル272に埋め込まれてもよいし、画像以外の情報は合成画像ファイル272に埋め込まれなくてもよい。
画面270には、出庫処理ボタン298が表示されている。作業者が出庫処理ボタン298を押下すると、合成画像ファイル272に対応付けられている保管検体62が個別的に取り出される。この個別取り出し動作は、第1実施形態に係る個別取り出し動作である。
3つの撮像器108,110,112を用いることにより、保管検体62の周囲方向の全範囲(360°の範囲)を実質的に撮像することが可能となる。この撮像により得られた合成画像ファイル272を観察することにより、作業者は、その全範囲を視認することが可能となる。例えば、作業者は、バーコードラベル266に記述されている文字列、容器264内の液体の量、等を視認することが可能となる。加工画像274には、バーコードラベル266の一方端側の部分が表されているので、作業者はその部分に記述されている文字列「aaaaaaa」等を視認することが可能となる。加工画像276には、バーコードラベル266の他方側の部分が表されているので、作業者は、その部分に記述されている文字列「123456789」等を視認することが可能となる。加工画像278には、バーコードラベル266の正面部分が表されているので、作業者は、その正面部分を視認することが可能となる。また、加工画像274,276には、バーコードラベル266が表されていない部分に、容器264内の液体の液面が表されている。それ故、作業者は、加工画像274,276を観察することにより、その液面を視認することが可能となる。つまり、作業者は、バーコードラベル266の両端部の隙間から液面を視認することが可能となる。液面を視認できるので、容器264内の液体の残量を確認することが可能となる。ちなみに、加工画像278には液面が表されていないので、その加工画像278を観察しても液面を視認することはできない。
以上のように、合成画像ファイル272には、個々の加工画像には表されていない部分が表されているので、その合成画像ファイル272を観察することにより、個々の加工画像には表されていない部分を補って観察することが可能となる。また、合成画像ファイル272には容器264内の液体の液面が表されるので、保管検体62を検体保管装置18から実際に取り出さなくても、その液体の量を確認することが可能となる。例えば、再検査や追検査に必要な量の液体が容器264内に存在するか否かを、保管検体62を実際に取り出さずに確認することが可能となる。それ故、作業者の手間が軽減される。また、分注異常等が発生したときに、合成画像ファイル272を参照することにより、保管検体62を取り出さずに保管検体62の状態を確認することが可能となる。
合成画像ファイル272は1つのファイルとして扱われるので、その扱いが便利である。合成画像ファイル272に保管検体62に関する情報(液量等)を埋め込むことにより、検体情報を取得できない装置においても、その合成画像ファイル272を表示することにより、作業者は検体情報の一部を確認することが可能となる。
合成画像ファイル272は、端末装置260に表示されてもよい。例えば、端末装置260から上位システム22に対して画像取得要求を送られ、上位システム22は取得対象の合成画像ファイル272を端末装置260へ送る。端末装置260にはその合成画像ファイル272が表示される。これにより、検体保管装置18以外の装置においても、合成画像ファイル272を観察することが可能となる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態に係る検体分析システムについて説明する。図27には、第3実施形態に係る検体分析システムの一例が示されている。第3実施形態に係る検体分析システム10Bは、第1実施形態に係る検体保管装置18の代りに検体保管装置18Bを含む。これ以外の構成は、第1実施形態に係る検体分析システム10の構成と同じである。
検体保管装置18Bは、第1実施形態に係る検体保管装置18の構成に加えて、表示処理部300を含む。これ以外の構成は、第1実施形態に係る検体保管装置18の構成と同じである(図2から図7等参照)。
表示処理部300は、ストッカ52に保管されている保管用ラック116を模擬したラックシンボルを生成し、そのラックシンボルをUI部40に表示させる機能を備えている。このとき、表示処理部300は、収容されている全保管検体62について検査が完了している保管用ラック116のラックシンボルを識別可能にしてUI部40に表示させる。例えば、そのラックシンボルは、他のラックシンボルとは異なる色で表示される。表示処理部300は、個々の保管用ラック116に収容されている複数の保管検体62について、個別的に検査完了の有無を示す情報を取得する。検査完了の有無を示す情報は、検査状況情報として検体情報(検体管理テーブル)に含まれている(図17参照)。検査状況情報は、検査完了、再検査の有無、追検査の有無、未処理、等の状況を示す情報である。それ故、その検査状況情報を参照することにより、個々の保管検体62について、検査が完了したか否かを判定することが可能となる。表示処理部300は、検体情報を取得し、それに含まれる情報(例えば、管理ID、検査ID、ラック位置情報、ラックコード(保管用ラックID)、ホールID、検査状況情報)に基づいて、各保管用ラック116について、収容されている全保管検体62について検査が完了しているか否かを判定する。収容されている全保管検体62に対する検査が完了している保管用ラック116は取り出し可能なラックに相当し、少なくとも1つの保管検体62に対する検査が完了していない保管用ラック116は取り出し不可能なラックに相当する。検体情報は上位システム22から検体保管装置18へ送られてもよいし、検体保管装置18Aの検体DB27に記憶されていてもよい。表示処理部300は、上位システム22から送られた又は検体DB27に記憶されている検体情報を参照することにより、収容されている全保管検体62について検査が完了している保管用ラック116を特定する。
表示処理部300は、保管検体62を模擬した検体シンボルを生成し、検査が完了している保管検体62の検体シンボルを識別可能にしてUI部40に表示させてもよい。例えば、その検体シンボルは、他の検体シンボルとは異なる色で表示される。
表示処理部300は、検体情報に含まれる取り出し情報に基づいて、保管検体62が検体保管装置18から取り出し中であるか否かを判定し、取り出し中の保管検体62の検体シンボルを識別可能にしてUI部40に表示させてもよい。例えば、その検体シンボルは、他の検体シンボルとは異なる色で表示される。また、表示処理部300は、保管検体62が取り出し中の保管用ラック116については、取り出し不可であると判定し、その保管用ラック116のラックシンボルを識別可能にしてUI部40に表示させてもよい。例えば、そのラックシンボルは、他のラックシンボルとは異なる色で表示される。
表示処理部300は、複数の表示態様を切り替えてシンボルをUI部40に表示させてもよい。例えば、第1表示態様は、保管用ラック116単位での表示態様であり、その表示態様では、ストッカ52に保管されている全保管用ラック116のラックシンボルが表示される。第2表示態様は、保管検体62単位での表示態様であり、その表示態様では、指定された保管ステージ176に保管されている保管用ラック116(例えば4個の保管用ラック116)のラックシンボルと、その保管用ラック116に収容されている保管検体62の検体シンボルと、が表示される。例えば、作業者がUI部40を利用して表示態様を選択すると、表示処理部300は、作業者により選択された表示態様に従ってシンボルをUI部40に表示させる。
検体保管装置18BはCPUを備えており、そのCPUが所定のプログラムを実行することにより、表示処理部300の機能が実現される。もちろん、表示処理部300は回路等のハードウェアにより構成されていてもよい。
以下、図28を参照して第1表示態様について詳しく説明する。図28には、ラックシンボルが示されている。
UI部40の画面302には、複数のラックシンボル304からなるラックシンボル群306が表示される。ラックシンボル304は、ストッカ52に格納されている保管用ラック116を模擬した画像である。図5に示すように、ストッカ52内には8個の保管ステージ176が設けられており、各保管ステージ176には4個の保管用ラック116が載置されている。従って、ストッカ52内には合計で32個の保管用ラック116が保管されている。画面302には、32個の保管用ラック116を模擬した32個のラックシンボル304が表示される。ラックシンボル304の表示配列は、保管用ラック116の実際の保管配列と同じであり、その保管配列がそのまま表示配列として採用されている。その表示配列は、例えば、検体保管装置18の正面側から見たときの保管用ラック116の保管配列と同じである(図5参照)。各ラックシンボル304には1〜34の中のいずれかの番号が対応付けられており、その番号がラックシンボル304内に表示されている。一例として、最下段の保管ステージ176から最上段の保管ステージ176にかけて番号が大きくなっている。
各ラックシンボル304の意味について詳しく説明する。1番から11番のラックシンボル304は、収容されている全保管検体62について検査が完了している保管用ラック116を模擬したシンボルであり、他のラックシンボル304とは異なる色(例えば黒)で表示されている。1番から11番のラックシンボル304に対応する保管用ラック116は、取り出し可能なラックである。つまり、これらの保管用ラック116は、再検査や追検査が必要な保管検体62が収容されているラックではなく、また、保管検体62が個別取り出し中のラックではない。
12番と13番のラックシンボル304は、保管検体62が個別取り出し中の保管用ラック116を模擬したシンボルであり、他のラックシンボル304とは異なる色(例えば白)で表示されている。保管検体62が個別取り出し中であるため、12番と13番のラックシンボル304に対応する保管用ラック116は、取り出し不可能なラックである。
14番から32番のラックシンボル304は、検査が完了していない保管検体62が収容されている保管用ラック116を模擬したシンボルであり、他のラックシンボル304とは異なる色(例えば紫)で表示されている。14番から32番のラックシンボル304に対応する保管用ラック116は、取り出し不可能なラックである。つまり、これらの保管用ラック116は、再検査や追検査が必要な保管検体62が収容されているラックである。検査が完了している保管検体62が収容されていても、少なくとも1つの保管検体62について検査が完了していない場合、その保管検体62が収容されている保管用ラック116は、取り出し不可能なラックであると判定される。
上記以外のラックシンボルとして、作業者により定義された事項を表すシンボルが表示されてもよい。例えば、親検体が収容された保管用ラック116、子検体が収容された保管用ラック116、特定の検査項目の実施が予定されている保管検体62が収容された保管用ラック116、等を模擬したラックシンボルが表示されてもよい。もちろん、これらは一例に過ぎず、他の意味が定義されてもよい。なお、作業者によりラックシンボルの意味が定義されている場合であっても、収容されている全保管検体62について検査が完了した場合、保管検体62が個別取り出し中の場合、及び、保管検体62についての検査が完了していない場合においては、それぞれの状況に応じたラックシンボルが表示される。
通常、同一の保管ステージ176(運搬用トレイ178)に載置されている全保管用ラック116(4個の保管用ラック116)が取り出し可能な場合に、つまり、同一の保管ステージ176に載置されている全保管用ラック116について、収容されている全保管検体62に対する検査が完了している場合に、その運搬用トレイ178が作業者により運搬される。図28に示す例では、最下段と下から2段目の保管用ラック116群については、全保管用ラック116が取り出し可能である。作業者は、主扉(この場合、下側主扉36)を開操作し、そこから保管用ラック116を取り出して保管室20へ運搬することができる。このとき、作業者は、運搬用トレイ178ごと保管用ラック116を運搬することにより、4個の保管用ラック116を同時に運搬することができる。下から3段目の保管用ラック116群については、12番目の保管用ラック116が取り出し不可能なラックであるため、通常、作業者は、3段目の運搬用トレイ178を運搬することはない。
画面302には、消音ボタン308と持出完了ボタン310が表示されている。消音ボタン308は、個別取り出し時等におけるアラーム音の発生を停止させるためのボタンである。アラーム発生時に作業者が消音ボタン308を押下すると、そのアラームの発生が停止する。持出完了ボタン310は、個別取り出しが完了したことを指示するためのボタンである。個別取り出し動作時に、作業者がシャトルラック162から保管検体62を取り出し、副扉38を閉めて持出完了ボタン310を押下すると、個別取り出し動作が完了する。これにより、副扉38がロックされ、シャトルラック162がホームポジション166へ搬送される。
以上のように、ラックシンボル304を表示することにより、作業者は、保管用ラック単位でステータスを確認し、各保管用ラック116が持ち出し可能か否かを容易に判断することが可能となる。作業者はストッカ52内を視認せずに済むため、その手間が省ける。ラックシンボル304の表示配列を、保管用ラック116の実際の保管配列と同じ形態にすることにより、ラックシンボル304と保管用ラック116との対応関係の把握が容易となり、便利である。
以下、図29を参照して第2表示態様について詳しく説明する。図29には、ラックシンボルと検体シンボルが示されている。
UI部40の画面312には、上方から見たときの保管用ラック116を模擬したラックシンボル314,316,318,320が表示されている。保管用ラック116は、保管検体62が収容される挿入孔とそれ以外の肉部分を含む。ラックシンボル314,316,318,320は、その形態を模擬したシンボルであり、保管用ラック116自体のステータスと収容されている保管検体62のステータスを表すシンボルである。ラックシンボル314,316,318,320は、保管用ラック116の肉部分に相当するラック表示エリア322と、保管用ラック116に形成された挿入孔に相当する検体表示エリア324と、を含む。検体表示エリア324が検体シンボルに相当する。1つの保管用ラック116には50個の挿入孔が形成され、最大で50個の保管検体62が収容される。ラックシンボル314,316,318,320には、それぞれ、50個の保管検体62を模擬した50個の検体表示エリア324が形成される。検体表示エリア324の表示配列は、保管検体62の実際の保管配列と同じであり、その保管配列がそのままの表示配列として採用されている。その表示配列は、保管用ラック116を上方から見たときの保管検体62の保管配列と同じである。
ラックシンボル314,316,318,320は、作業者により指定された保管ステージ176に載置された4個の保管用ラック116を模擬したシンボルである。画面312には上下ボタン326が表示されており、作業者はその上下ボタン326を押下することにより、所望の保管ステージ176を指定することができる。表示処理部300は、指定された保管ステージ176に載置された4個の保管用ラック116を模擬したラックシンボルをUI部40に表示させる。
斜線のハッチングが施された検体表示エリア324(検体シンボル)は、検査が完了している保管検体62を模擬したシンボルであり、他の検体表示エリア324とは異なる色(例えば緑)で表示されている。斜線のハッチングが施された検体表示エリア324に対応する保管検体62は、検体保管装置18から取り出し可能な保管検体である。つまり、これらの保管検体62は、再検査や追検査の対象となっておらず、また、取り出し中の保管検体62ではない。
格子状のハッチングが施された検体表示エリア324は、個別取り出し中の保管検体62を模擬したシンボルであり、他の検体表示エリア324とは異なる色(例えば白)で表示される。
白丸の検体表示エリア324は、検査が完了していない保管検体62を模擬したシンボルであり、他の検体表示エリア324とは異なる色(例えば黄色)で表示されている。白丸の検体表示エリア324に対応する保管検体62は、取り出し不可能な保管検体である。つまり、これらの保管検体62は、再検査や追検査が必要な保管検体である。
上記以外の検体シンボルとして、作業者により定義された事項を表すシンボルが表示されてもよい。例えば、親検体、子検体、未処理の保管検体62、特定の検査項目の実施が予定されている保管検体62、等を模擬した検体シンボルが表示されてもよい。もちろん、これらは一例に過ぎず、他の意味が定義されてもよい。なお、作業者により検体シンボルの意味が定義された場合であっても、検査が完了している場合、取り出し中の場合、及び、検査が完了していない場合においては、それぞれの状況に応じた検体シンボルが表示される。
ラックシンボル314のラック表示エリア322には、ラックシンボル314に対応する保管用ラック116のステータスが表示される。ラックシンボル314に含まれる全検体表示エリア324(検体シンボル)は、検査が完了していることを示している(斜線のハッチング)。つまり、ラックシンボル314に対応する保管用ラック116に収容されている全保管検体62についての検査が完了している。この場合、そのラック表示エリア322は、収容されている全保管検体62についての検査が完了していることを識別するための色(例えば黒)で表示される。ラックシンボル314に対応する保管用ラック116は、取り出し可能なラックである。つまり、この保管用ラック116は、再検査や追検査が必要な保管検体62が収容されているラックではなく、また、保管検体62が個別取り出し中のラックではない。
ラックシンボル316のラック表示エリア322には、ラックシンボル316に対応する保管用ラック116のステータスが表示される。ラックシンボル316に含まれる一部の検体表示エリア324は、検査が完了していることを示しており(斜線のハッチング)、他の検体表示エリア324(2つの検体表示エリア324)は、個別取り出し中であることを示している(格子状のハッチング)。一部の保管検体62が個別取り出し中であるため、そのラックシンボル316に対応する保管用ラック116は、取り出し不可能なラックである。この場合、ラック表示エリア322は、取り出し不可能なことを識別するための色(例えば白)で表示される。
ラックシンボル318のラック表示エリア322には、ラックシンボル318に対応する保管用ラック116のステータスが表示される。ラックシンボル318に含まれる一部の検体表示エリア324は、検査が完了していることを示しており(斜線のハッチング)、他の検体表示エリア324は、検査が完了していないことを示している(白丸)。一部の保管検体62についての検査が完了していないので、そのラックシンボル318に対応する保管用ラック116は、取り出し不可能なラックである。この場合、ラック表示エリア322は、取り出し不可能なことを識別するための色(例えば白)で表示される。
ラックシンボル320のラック表示エリア322には、ラックシンボル320に対応する保管用ラック116のステータスが表示される。ラックシンボル320に含まれる全検体表示エリア324は、検査が完了していないことを示している(白丸)。従って、その保管用ラック116は取り出し不可能なラックであり、ラック表示エリア322は、取り出し不可能なことを識別するための色(例えば白)で表示される。
画面312には、持ち出しボタン328が表示されている。作業者により、個別取り出し対象の保管検体62に対応する検体表示エリア324(検体シンボル)が指定され、持ち出しボタン328が押下されると、個別取り出し動作が実行され、指定された保管検体62が個別的に取り出される(第1実施形態参照)。
以上のように、ラック表示エリア322と検体表示エリア324を含むラックシンボルを表示することにより、作業者は、保管用ラック単位及び保管検体単位でステータスを確認し、各保管用ラック116が持ち出し可能か否かを容易に確認することが可能となる。また、各保管検体62のステータスを確認することが可能となる。ラックシンボル314,316,318,320の表示配列を、保管用ラック116の実際の保管配列と同じ形態にすることにより、ラックシンボルと保管用ラック116との対応関係の把握が容易となり、便利である。同様に、検体表示エリア324(検体シンボル)の表示配列を、保管検体62の実際の保管配列と同じ形態にすることにより、検体シンボルと保管検体62との対応関係の把握が容易となり、便利である。また、個別取り出し対象の保管検体62を画面312上で指定することができるので、その操作が分かり易く、操作性が良い。
上述した第1から第3実施形態は組み合わされてもよい。つまり、第1実施形態に係る検体保管装置18は、画像ファイル生成部262と表示処理部300を備えていてもよい。
10,10A,10B 検体分析システム、18,18A,18B 検体保管装置、42 ラック搬送機構、44 検体移載機構、46 撮像機構、48 ラック載置台、50 ラック移載機構、52 ストッカ、54 中継機構、56 シャトルラック機構。

Claims (5)

  1. 複数の保管検体を収容可能な一時保管用ストッカを含む検体保管装置において、
    撮影位置の周囲に設けられた3つ以上の撮像器からなる撮像器セットと、
    撮像対象の保管検体を前記撮像位置に位置決めする位置決め機構と、
    前記撮像器セットによって前記撮像対象の保管検体を撮像することにより取得された3つ以上の画像を合成して合成画像ファイルを生成する画像ファイル生成手段と、
    前記撮像対象の保管検体に関連付けて前記合成画像ファイルを保存する保存手段と、
    を含むことを特徴とする検体保管装置。
  2. 請求項1に記載の検体保管装置において、
    前記撮像器セットに含まれる3つの撮像器が、前記撮像位置の周りにほぼ均等の角度間隔で配置されている、
    ことを特徴とする検体保管装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の検体保管装置において、
    前記画像ファイル生成手段は、前記撮像器セットにより取得された前記各画像をトリミングすることにより前記撮像対象の保管検体を表す各加工画像を生成し、前記各加工画像を水平方向に連結することにより前記合成画像ファイルを生成する、
    ことを特徴とする検体保管装置。
  4. 請求項3に記載の検体保管装置において、
    前記画像ファイル生成手段は、前記保管検体に関する情報を文字列として前記合成画像ファイルに埋め込む、
    ことを特徴とする検体保管装置。
  5. 請求項1から請求項4に記載の検体保管装置において、
    保管検体の受け入れ時に使用される搬送レーンと、
    受け入れ対象の保管検体を収容し、前記搬送レーンにより搬送されるラックと、
    を更に含み、
    前記位置決め機構は、前記ラックから前記受け入れ対象の保管検体を持ち上げて前記撮像位置に位置決めするハンドリング機構である、
    ことを特徴とする検体保管装置。
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