JP2017115944A - 流量制御弁 - Google Patents

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【課題】 磁石の吸引力を効率よく働かせることでシール性を向上する流量制御弁を提供する。【解決手段】 流体が流れる第1ポート6および第2ポート7を有するハウジング80と、ハウジング80内に固定されたリング状の磁石14と、ハウジング80内に一部が磁石14に接触して設けられたヨーク15と、磁石14の磁力により吸引され、ハウジング80、磁石14、及びヨーク15の何れかと当接することで第1ポート6と第2ポート7が遮断され閉弁状態になると共に、流体圧力に応じて第1ポート6と第2ポート7が連通し開弁状態となるプレート部材13とを備え、ヨーク15は、径方向に延在してハウジング80に固定されるフランジ部15aと、軸方向に延在する筒部15fとを有する。【選択図】 図2

Description

本発明は、エンジン等の冷却系に使用される流量制御弁に関する。
永久磁石を用い、流体の流れを連通、及び遮断する流量制御弁として特許文献1に示される定圧リリース弁が知られている。これは、流路と連通したリリース口を防ぐ遮蔽部材(弁体)と、固定磁石に吸引され、遮蔽部材が流路を流れる流体の圧力によって受ける力に対し逆向きに遮蔽部材を押圧する高透磁率材料とを備えるものである。これにより、固定された磁石の吸引力で遮蔽部材を押圧し流路を遮断(シール)している。
特開昭61−24883号公報
上記したように特許文献1の定圧リリース弁では、固定磁石の磁力による吸引力により弁体を押圧する力が決定する。このため、押圧する力を増加(シール性を向上)させるためには磁石を大型化する必要がある。また、磁石が高透磁率材料に作用する面がN極かS極のどちらかしか作用しないため、向いていない方の磁力面は仕事をしておらず効率が良くない。
そこで、本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、磁石の吸引力を効率良く作用させることでシール性を向上する流量制御弁を提供することを目的とする。
本発明による冷媒制御バルブ装置の特徴構成は、流体が流れる第1ポートおよび第2ポートを有するハウジングと、該ハウジング内に固定されたリング状の磁石と、前記ハウジング内に一部が前記磁石に接触して設けられたヨークと、前記磁石の磁力により吸引され、前記ハウジング、前記磁石、及び前記ヨークの何れかと当接することで前記第1ポートと前記第2ポートが遮断され閉弁状態になると共に、流体圧力に応じて前記第1ポートと前記第2ポートが連通し開弁状態となるプレート部材とを備え、前記ヨークは、径方向に延在して前記ハウジングに固定されるフランジ部と、軸方向に延在する筒部とを有する点にある。
本構成により、磁石と当接し、軸方向に延びる筒部を形成するヨークを備えることでプレート部材に対し、2極の磁力を作用させることができる。これにより、磁石の大型化を抑止しつつ、磁石の吸引力を効率良くプレート部材に作用させることができる。よって、磁石の大型化を招くことなくシール性の向上を図ることができる。
本発明の他の特徴構成は、前記磁石は、前記フランジ部と前記プレート部材との間に配設される点にある。また、前記フランジ部と前記磁石の外径は略同一であり、前記ハウジングの内部に形成される凹部に固定される点にある。
本構成により、磁石に対しヨークの形状を最適化することで、より効率的にプレート部材に対し磁力を効率良く作用させることができる。これにより、磁石の大型化を招くことなくシール性の向上を図ることができる。
本構成の他の特徴構成は、前記ハウジングと前記プレート部材との間には、前記プレート部材を閉弁状態にする付勢部材が設けられている点にある。
本構成により、プレート部材に対し、磁石が備えられる方向に付勢するので、磁石の吸引力と付勢部材の付勢力を与えることができる。これにより、プレート部材の閉弁状態をさらに強く保持することができ、シール性の向上を図ることができる。
本発明の他の特徴構成は、前記プレート部材は、前記磁石の磁力により吸引され、前記ヨークの前記筒部の端面と当接すると共に、前記磁石との間に隙間を形成する点にある。
本構成により、プレート部材とヨークとが当接することで閉弁状態を実現することができる。これにより、プレート部材と磁石とが接触しないため、磁石の摩耗が抑止される。よって、磁石の磁力の低下が抑止され、シール性を長期にわたって維持することができる。
第1実施形態における車両流体制御装置の構成図である。 第1実施形態における流量制御弁の閉弁状態を示す断面図である。 図2における流量制御弁の開弁状態を示す断面図である。 図2における磁力を示す説明図である。 第2実施形態における流量制御弁の閉弁状態を示す断面図である。 図5における流量制御弁の開弁状態を示す断面図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係る流量制御弁1の実施形態を図1から図3に基づいて説明する。
図1は、流量制御弁1を備えた車両流体制御装置20の全体構成を示す説明である。エンジン21の流体(例えば冷却水)の流出ポート22にラジエータ23の流入ポートが接続され、ラジエータ23の流出ポート25は、サーモスタットバルブ26の流入ポートに接続される。サーモスタットバルブ26の流出ポート28は、電動ポンプ31の吸入ポートに接続され、電動ポンプ31の吐出ポートは、エンジン21の冷却水の流入ポートに接続される。
エンジン21の暖房用流出ポート(図番なし)は、流量制御弁1の第1ポート6に接続される。流量制御弁1の第2ポート7は、ヒータコア33の流入ポート34に接続され、ヒータコア33の流出ポート35は、サーモスタットバルブ26のバイパス流入ポート29に接続される。バイパス流入ポート29は流出ポート28まで連通する。
車両流体制御装置20は、電動ポンプ31からの冷却水がラジエータ23を経由して流れる第1流路41と、電動ポンプ31からの冷却水がヒータコア33を経由して流れる第2流路42とを備え、流量制御弁1が第2流路42に配置される。第2流路42には、ヒータコア33と並列に他の冷却系部品(EGRクーラー等)が接続されている。車両流体制御装置20には、電動ポンプ31の出力を制御する制御部37が備えられている。電動ポンプ31は、本実施形態では、エンジン21の回転数に依存することなく吐出力(吐出量)の変更が可能な電動ポンプ31で構成してあるが、機械式可変ポンプで構成しても良い。
流量制御弁1について、図2から図4を用いて説明する。
流量制御弁1は、図2に示すように、ハウジング80と、弁座14と、弁座14から離間する位置と当該弁座14に当接する位置とに移動可能な弁体13とを備えている。弁体13、及び弁座14は、第1ポート6と第2ポート7とを連通、及び遮断するようにハウジング80内に設けられ、当接・離間して冷却水の流れを制御するよう、一方を磁性体で形成し、他方に永久磁石を備えている。本実施形態では、弁体13を磁性体からなるプレート部材13で形成し、弁座14にリング状の磁石14とヨーク15とを備えている。
ハウジング80は、冷却水を受け入れる第1ポート6を形成し、磁石14を保持するベース部材81と、冷却水の流出先となる第2ポート7を形成し、第1ポート6に対し同芯状に対向するように設けられたカバー体82とを備え、第2ポート7は第1ポート6から直進する方向に設けられている。
ベース部材81は、リング状の磁石14、及びヨーク15を内嵌する内径部81aと、ヨーク15のフランジ部15aと密接する底部81bが形成される。
プレート部材13は、図示しない磁性体と、磁性体を覆う樹脂体によって構成され、また、磁性体は磁石14に対して露出するよう配置されている。ここで、プレート部材13は、ベース部材81、またはカバー体82のいずれかに中心線Qの延びる方向に形成されたガイド(図示しない)によりプレート部材13の移動を案内する。また、プレート部材13には図示しない冷却水の流通孔が形成されても良い。
磁石14は、リング上であり、上面14bと下面14aとを有する。また、磁石14は中心線Qが延びる方向に着磁されている。
ヨーク15は、ベース部材81の底部81bに密接するように径方向に延出形成されたフランジ部15aと、磁石14の内径に接触しないように形成された円筒部15f(筒部)とを備える。このとき、磁石14の下面14aがフランジ部15aの上面15dと接触するように形成される。この接触により、図4に示すように、例えばプレート部材13側をN極、フランジ部15a側をS極に着磁された磁石14が形成された場合、プレート部材13に対し磁石14のN極が作用し、またプレート部材13に対しヨーク15を介しS極が作用させることができる。円筒部15fは、中心線Qに沿う方向に延出し、第1ポート6の内径部6aと略同一径となる内径15bを形成する。また、円筒部15fの上面15eがプレート部材13と当接するように形成される。
磁石14の外径14cとヨーク15の外径15cは、略同一径で形成する方が良い。また、プレート部材も略同一径の方が良い。また、プレート部材13とヨーク15の上面15eとが当接するとき、磁石14の上面14bとプレート部材13との間には隙間Sが形成される。この隙間Sは1mm以下とする方が良い。
次に、上述した構成の流量制御弁1を含む車両流体制御装置20の作動、及び効果について説明する。
図1に示す車両流体制御装置20において、電動ポンプ31から冷却水を送出することで循環する。この車両流体制御装置20は、冷却水がエンジン21の内部で加熱後、ラジエータ23により冷却され、サーモスタットバルブ26を経由して電動ポンプ31によって循環する。エンジン21が低温時には、サーモスタットバルブ26が閉弁状態となる。暖房作動時には、エンジン21の内部で加熱された冷却水は、流体圧によって開弁状態に維持された流量制御弁1を経由してヒータコア33に供給され、室内が暖められる。ヒータコア33で冷却された冷却水は、サーモスタットバルブ26を経由して電動ポンプ31により循環する。
ここで流量制御弁1について詳述すると、電動ポンプ31の停止時には、流量制御弁1の第1ポート6には流体圧は発生していない。このため、図2に示すようにプレート部材13は磁石14の吸引力を受けてヨーク15と当接し閉弁状態となる。ここで、一例としてヨーク15とプレート部材13が当接することで閉弁状態となる例を示したが、ベース部材81や磁石14と当接することで閉弁状態としても良い(図示しない)。
電動ポンプ31の作動時には、磁石14の吸引力が電動ポンプ31からの流体圧力(流体によって作用する力)よりも大きい場合には、プレート部材13はヨーク15に当接した状態(閉弁状態)に保持される。ここで、ヨーク15を備えているため、磁力の両極をプレート13に作用させることができ、効率良く吸引することができる。また、閉弁状態をヨーク15とプレート部材13とを当接するように構成することで、実質磁石14とプレート部材13が接触することがなくなる。これにより、磁石14はプレート部材13の衝突等による摩耗をすることがない。よって、磁力の低下を長期にわたって抑止することができる。これらにより、プレート部材13とヨーク15との間のシール性を向上することができる。
例えば、エンジン21内の温度が所定温度まで上昇すると、制御部37は、プレート部材13が開弁状態になるよう、電動ポンプ31のDuty(出力)を予め設定した状態まで高める制御を行う。これにより、プレート部材13が開方向に移動し始める。プレート部材13を磁石14の吸引力に抗して移動させるためには、プレート部材13に作用する流体圧力が、磁石14の吸引力を大きく上回る必要がある。
図3に示すように、プレート部材13が開弁状態になると、磁石14の吸引力が減少する。
停止状態の電動ポンプ31に対し、第2流路42に緊急性の高い冷却水の要求がある場合には、制御部37は、電動ポンプ31を始動してDuty(出力)を予め設定された状態に高める制御を行う。これにより、プレート部材13が開弁状態に移行し、流量制御弁1を介して第2流路42のヒータコア33に冷却水が供給されて、エンジン21内温度が低下する。また、流量制御弁1が開弁状態に移行されると、電動ポンプ31は開弁開始時の最大Dutyよりも低いDutyに制御される。これは、開弁開始時とは異なり、前述の流体力が、磁石14の吸引力よりも大きい状態であれば、流量制御弁1の開弁状態が維持されるためである。
このように、車両流量制御装置20は、電動ポンプ31と、電動ポンプ31の出力を制御する制御部37とを備えるので、流量制御弁1は電動ポンプ31からの流体圧を利用して開弁状態に移行することができる。
また、プレート部材13は、磁石14の吸引力と電動ポンプ31からの流体圧とを利用して開閉されるため、ソレノイドバルブとは異なり、開閉動作において電力が不要となる。これにより、車両流体制御装置20の消費電力の低減が図られて、燃費の向上が可能となる。また、流量制御弁1は、ソレノイドを含む磁気回路が不要となるため、流量制御弁1の小型化が可能となり、製造コストも低減する。
〔第2実施形態〕
この第2実施形態では、前述した第1実施形態と共通する構成の車両流体制御装置20を用いるものであるが、流量制御弁1においてさらに付勢部材を構成している。よって、この第2実施形態では、第1実施形態と共通する構成部材に関しては同一の符号を付与し、異なる点のみを詳述する。
以下、本発明に係る流量制御弁1の実施形態を図5と図6に基づいて説明する。
流量制御弁1は、第1実施形態と同様にハウジング80と、リング状の磁石14と、磁石14と一体的に構成されたヨーク15と、プレート部材13と、プレート部材13を磁石14、及びヨーク15側に付勢する付勢部材16(例えばコイルスプリング)とを備えている。このコイルスプリング16は、例えばプレート部材13に一体的に形成された保持器17によって保持されている。
コイルスプリング16は、プレート部材13を磁石14、及びヨーク15の方向に付勢する。プレート部材13は、コイルスプリング16の付勢力によってヨーク15に当接されるとともに、磁石14からの磁力によってヨーク15に吸着される。
電動ポンプ31の停止時には流量制御弁1の流入ポート6には流体圧は発生していない。したがって、プレート部材13は、磁石14の吸引力とコイルスプリング16の付勢力とを受けて閉弁状態となる。
電動ポンプ31の作動時において、磁石の吸引力Fm1とコイルスプリング16の付勢力Fs1との和が電動ポンプ31からの流体力(流体によって作用する力)Fw1よりも大きい場合には、図5に示すようにプレート部材13はヨーク15に当接した状態(閉弁状態)に保持される。
例えば、エンジン21内の温度が所定温度まで上昇すると、制御部37は、プレート部材13が図6に示すように開弁状態になるよう、電動ポンプ31のDuty(出力)を予め設定した状態まで高める制御を行う。これにより、プレート部材13が開方向に移動し始める。プレート部材13を磁石14の吸引力とコイルスプリング16の付勢力に抗して移動させるためには、プレート部材13に作用する流体力Fw2が、磁石の吸引力Fm2とコイルスプリング16の付勢力Fs2との和を大きく上回る必要がある。
図6にしめすように、プレート部材13が開弁状態になると、磁石14の吸引力Fm3が減少し、コイルスプリング17の付勢力Fs3が増加する。流量制御弁1の開弁状態を維持するためには、流体力Fw3が、磁石の吸引力Fm3とコイルスプリング16の付勢力Fs3との和よりも大きいことが要求される。
停止状態の電動ポンプ31に対し、第2流路42に緊急性の高い冷却水の要求がある場合には、制御部37は、電動ポンプ31を始動してDuty(出力)を予め設定された状態に高める制御を行う。これにより、プレート部材13が開弁状態に移行し、流量制御弁1を介して第2流路42のヒータコア33に冷却水が供給されて、エンジン内温度が低下する。流量制御弁1が開弁状態に移行されると、電動ポンプ31は開弁開始時の最大Dutyよりも低いDutyに制御される。これは、開弁開始時とは異なり、前述の流体力Fw3が、磁石14の吸引力Fm3とコイルスプリング16の付勢力Fs3との和よりも大きい状態であれば、流量制御弁1の開弁状態が維持されるためである。
本発明に係る流量制御弁は、各種車両における幅広い冷却対象に対して利用可能である。
1 流量制御弁
13 プレート部材(弁体)
14 磁石(弁座)
15 ヨーク(弁座)
16 付勢部材(コイルスプリング)
6 第1ポート
7 第2ポート
80 ハウジング
81 ベース部材
Q 中心線
S 隙間

Claims (5)

  1. 流体が流れる第1ポートおよび第2ポートを有するハウジングと、
    該ハウジング内に固定されたリング状の磁石と、
    前記ハウジング内に一部が前記磁石に接触して設けられたヨークと、
    前記磁石の磁力により吸引され、前記ハウジング、前記磁石、及び前記ヨークの何れかと当接することで前記第1ポートと前記第2ポートが遮断され閉弁状態になると共に、流体圧力に応じて前記第1ポートと前記第2ポートが連通し開弁状態となるプレート部材と、を備え、
    前記ヨークは、径方向に延在して前記ハウジングに固定されるフランジ部と、軸方向に延在する筒部とを有する流量制御弁。
  2. 前記磁石は、前記フランジ部と前記プレート部材との間に配設される請求項1に記載の流用制御弁。
  3. 前記フランジ部と前記磁石の外径は略同一であり、前記ハウジングの内部に形成される凹部に固定される請求項1または2に記載の流量制御弁。
  4. 前記ハウジングと前記プレート部材との間には、前記プレート部材を閉弁状態にする付勢部材が設けられている請求項1から3の何れか一項に記載の流量制御弁。
  5. 前記プレート部材は、前記磁石の磁力により吸引され、前記ヨークの前記筒部の端面と当接すると共に、前記磁石との間に隙間を形成する請求項1から4の何れか一項に記載の流量制御弁。
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