以下、本発明の実施の形態による水素ガス充填装置を、添付図面の図1ないし図3に従って詳細に説明する。
まず、図1および図2は第1の実施の形態を示している。本実施の形態に係る水素ガス充填装置1は、例えば自動車の燃料タンク24(被充填タンク)に圧縮した水素ガスを供給して充填するため、一般に水素ガス供給ステーションと呼ばれる設備(燃料供給所)等に設置されている。水素ガス充填装置1は、高圧に圧縮された水素ガスを貯蔵する水素ガス供給源としての蓄圧器2と、該蓄圧器2からの水素ガスを自動車の燃料タンク24に充填、供給するためのディスペンサユニット3と、蓄圧器2からディスペンサユニット3にわたって延びるガス供給経路4とを含んで構成されている。
ディスペンサユニット3には、ガス供給経路4が上流側(例えば、蓄圧器2側)から下流側にわたって延びるように配設されている。ガス供給経路4の下流端側には、ディスペンサユニット3の外部へと延びる充填ホース5が接続されている。該充填ホース5は可撓性のあるホースからなり、充填ホース5の先端には、燃料タンク24の充填口24A(即ち、レセプタクル)に連結される充填ノズル6が設けられている。
この充填ノズル6は、水素ガスからなる燃料を後述する車両23の燃料タンク24に供給するため、充填口24Aに気密状態で着脱可能に接続される金属製のカップリングとして構成されている。充填ノズル6は、水素ガスの充填中に水素ガスの圧力によって充填口24Aから誤って外れることがないように、燃料タンク24の充填口24Aに対して係脱可能にロックされるロック機構(図示せず)を備えている。充填ノズル6は、燃料タンク24の充填口24Aに接続された状態で、蓄圧器2内の高圧な燃料(水素ガス)を、ガス供給経路4、充填ホース5および充填ノズル6等を通じて車両23の燃料タンク24に充填することができる。
ディスペンサユニット3は、充填ホース5、充填ノズル6、調整弁8、遮断弁9、冷却器10、流量計13、圧力センサ14、燃料温度センサ15、充填開始スイッチ16、充填停止スイッチ17、脱圧弁20、制御装置21、表示器22およびノズル保持部25等を含んで構成されている。このうち調整弁8および遮断弁9は、ガス供給経路4を流れる水素ガスの流量及び圧力を制御する制御機器を構成している。流量計13、圧力センサ14および燃料温度センサ15は、ガス供給経路4を流れる水素ガスの流量、圧力および温度を計測する計測機器を構成している。
ディスペンサユニット3には、それぞれガス供給経路4の途中に位置して、例えば手動操作により開,閉される入口弁7と、該入口弁7の下流側に接続され後述の制御装置21によって開,閉されることによりガス供給経路4を流れる燃料の流量を調整可能に制御する制御弁(即ち、弁装置)としての調整弁8と、該調整弁8の下流側に接続された電磁弁または空圧駆動弁等の弁装置からなる遮断弁9とが設けられている。なお、入口弁7は必要に応じて取付けられるものであり、不要であればこれを除いてもよい。また、ガス供給経路4の上流側から下流側に向けて設けられている流量計13、調整弁8、遮断弁9の配置(取付けの順番)は、図1中に示した順番に限定されるものではない。
ディスペンサユニット3内に設けられた調整弁8は、例えばエア作動式で、エアの供給で開弁し、制御信号で制御圧(エア圧)を制御して弁開度が調整される弁装置である。調整弁8は、制御装置21の制御プログラムに基づく指令により任意の弁開度に制御され、ガス供給経路4内を流れる水素ガスの流量を可変に制御する弁装置である。
遮断弁9は、ガス供給経路4の途中部位に設けられた電磁式または空圧作動式の弁装置である。遮断弁9は、後述する制御装置21からの制御信号で開,閉されることにより、ガス供給経路4内を流れる燃料の流通を許したり、または遮断したりする。即ち、制御装置21は、充填ノズル6を介して車両23の燃料タンク24に燃料を充填、または充填を停止(終了)するときに、調整弁8と遮断弁9との開,閉弁制御を行うものである。
冷却器10はガス供給経路4内を流れる燃料を冷却する装置である。即ち、該冷却器10は、ガスが充填される車両23の燃料タンク24の温度上昇を防止するために、ガス供給経路4の途中位置で水素ガス(燃料)を冷却するように配設されている。冷却器10は、調整弁8と遮断弁9との間に位置するガス供給経路4の途中部位に設けられた熱交換器11と、該熱交換器11に接続され、例えばコンプレッサ、ポンプ等の駆動機構(図示せず)が搭載されたチラーユニット12とを含んで構成されている。
冷却器10には、チラーユニット12から熱交換器11側に向けて冷媒(例えば、エチレングリコール等を含んだ液体)を供給する供給側の冷媒管路10Aと、熱交換器11からチラーユニット12側に向けて冷媒を戻す戻し側の冷媒管路10Bとが設けられている。また、冷媒管路10A、10Bのうち、例えば供給側の冷媒管路10Aの途中には、内部を流通する冷媒の温度を検出する温度センサ10Cが設けられている。この温度センサ10Cは、後述の異常検出器を構成する。
チラーユニット12は、冷媒管路10A、10Bを介して冷媒となる冷却液を熱交換器11との間に循環させる。これにより、冷却器10の熱交換器11は、ガス供給経路4内を流れる水素ガス(燃料)と前記冷却液との間で熱交換を行い、充填ノズル6に向けて供給される水素ガスの温度を規定温度(例えば、−20℃または−40℃)まで低下させる。
ディスペンサユニット3内には、ガス供給経路4の途中で被測流体の質量流量を計測するコリオリ式の流量計13(即ち、流量計測器)が設けられている。この流量計13は、例えば入口弁7と調整弁8との間でガス供給経路4内を流れる燃料、即ち水素ガスの流量(質量流量)を計測し、計測した流量に比例した数の流量パルスを制御装置21へと出力する。これによって、制御装置21は、車両23の燃料タンク24に対する燃料(水素ガス)の充填量を演算により求めることができ、車両23に対する燃料の払出し量(給油量に相当)を後述の表示器22等で表示し、例えば顧客等に表示内容を報知することができる。
圧力センサ14は、被充填タンクである燃料タンク24内または、これにほぼ相当する配管途中のガスの圧力(即ち、燃料供給所で充填されるガス圧力としてのステーション圧力)を検知するセンサである。ここで、圧力センサ14は、充填ノズル6の近傍でガス供給経路4内の圧力を測定し、測定した圧力に応じた検出信号を制御装置21へと出力する。換言すると、圧力センサ14は、燃料タンク24内のガス圧力を検知(検出)するために設けられたものであり、燃料タンク24内のガス圧力を直接検知するように燃料タンク24に配置することでもよいが、必ずしもそのように配置しなければならないものではない。従って、圧力センサ14は、充填ノズル6に近い位置でガス供給経路4内の圧力を検出するようにしている。
また、ガス供給経路4の途中には、冷却器10の熱交換器11と圧力センサ14との間に位置して燃料温度センサ15が設けられている。この燃料温度センサ15は、ガス供給経路4内を流れる燃料の温度を検出し、その検出信号を制御装置21へと出力する。なお、燃料温度センサ15と圧力センサ14との配置関係は、図1に示す配置に限るものではなく、例えば互いに逆となる配置にしてもよい。
ディスペンサユニット3には、例えば充填開始スイッチ16と充填停止スイッチ17とからなる操作部18が設けられている。該操作部18の充填開始スイッチ16は、例えば燃料供給所の作業者等が手動で操作可能な操作スイッチで、ガスの充填を開始する場合に操作される。また、充填停止スイッチ17は、ガス充填中にガスの充填を停止する場合に操作される。そして、充填開始スイッチ16と充填停止スイッチ17とは、操作状態に応じた信号を制御装置21にそれぞれ出力し、制御装置21は、これらの信号に応じて電磁弁または空圧駆動弁等の自動弁からなる遮断弁9を開弁または閉弁させる。
ガス供給経路4の遮断弁9よりも下流側には、例えば充填ノズル6側からガス圧力を脱圧するための脱圧配管19が分岐して設けられている。脱圧配管19の途中には、例えば電磁弁または空圧駆動弁等の自動弁からなる脱圧弁20が設けられている。この脱圧弁20は、後述の如く充填ノズル6を用いたガス充填作業が完了し、遮断弁9が閉弁されたときに、制御装置21からの信号により開弁制御される。
即ち、充填ノズル6を燃料タンク24の充填口24Aから取外すときには、充填ノズル6(充填ホース5内)の圧力を大気圧レベルまで減圧する必要がある。このため、ガス充填作業の完了時には、脱圧弁20を一時的に開弁して脱圧配管19の先端側を大気に開放させる。これにより、充填ノズル6側の水素ガスが外部に放出されて充填ノズル6(充填ホース5内)の圧力が大気圧に減圧され、これによって、充填ノズル6は相手方の充填口24Aから取外し可能となる。
制御装置21は、調整弁8および遮断弁9等の制御機器を制御する制御手段を構成している。制御装置21は、メモリ21A(即ち、記憶部)とカウンタ21B(例えば、計数機能、タイマ機能を有する)等とを備えたマイクロコンピュータ等の制御ユニットとして構成されている。制御装置21のメモリ21Aには、例えば図2に示す充填制御処理用、異常時対策処理用のプログラム等が格納され、制御装置21は、後述の如く燃料タンク24に対する燃料(即ち、水素ガス)の充填制御処理と異常時対策処理とを行うものである。
制御装置21のメモリ21Aは、水素ガスを冷却しないで被充填タンク(燃料タンク24)へ水素ガスを供給する場合における前記被充填タンクに供給し得る水素ガスの許容圧力(例えば、35MPa)を記憶する非冷却時許容圧力記憶手段を構成している。また、メモリ21Aは、水素ガスを冷却器10により冷却した状態で被充填タンク(燃料タンク24)に供給し充填する場合の冷却時許容圧力(例えば、70MPa)を、例えば燃料タンク24の満圧値として記憶している。例えば、70MPaで燃料タンク24が満圧となる場合に、これに対し半分程度の圧力(例えば、35MPa)を非冷却時の許容圧力として、メモリ21A(非冷却時許容圧力記憶手段)は記憶する。
また、制御装置21は、図2中のステップ1で「冷却器使用条件成立」の可否を判定することにより、前記温度センサ10C(本発明の異常検出器)からの検出信号に基づいて冷却器10の異常の有無を検出する。具体例を挙げると、チラーユニット12と熱交換器11との間を循環する冷媒の温度を前記温度センサ10Cで検出する。この温度センサ10Cで冷媒の温度が所定温度の範囲まで冷却されていることを検出しているときには、冷却器10が正常に動作していると判定できる。当該温度センサ10Cにより検出される冷媒の温度が、前記所定温度範囲よりも高いことを検出した場合には、燃料タンク24に実際に充填される前の水素ガスが周囲温度よりも低い温度(例えば、氷点下の温度)まで、冷却器10によって冷却されておらず、冷却器10が故障(異常)状態であるとして異常検出を行うことができる。
なお、異常検出器は、冷媒管路10Aの途中に設けた温度センサ10Cに限らないものである。異常検出器としては、熱交換器11内の水素ガスの温度を温度センサ(図示せず)で検出し、この水素ガスの温度が所定温度よりも高い場合には異常を検出する構成としてもよい。また、冷媒を循環させるためのポンプ(図示せず)の故障を検出したことをもって異常を検出してもよい。さらに、冷媒の流量を計測するための流量計(図示せず)を設け、この流量計により計測された流量が所定流量以下に低下したことをもって異常を検出してもよい。更には、上記の各種の異常検出の仕方を複合させて異常検出しても良い。
さらに、ガス供給経路4の一部をなす充填ホース5は、冷却器10により低温に冷却された水素ガスが内部を流通するため、その耐久性、寿命が低下し易く、使用回数に制限が設けられている。そして、使用回数に制限のある充填ホース5が所定の使用回数に到達した場合は、機器の異常状態と判定し、このような異常検出時にも、制御装置21は、冷却器10による水素ガスの冷却を中断した状態での充填制御を緊急避難的に許可する。
このため、制御装置21のメモリ21Aには、前述の如き異常検出を行うための判定基準値(それぞれの閾値)が更新可能に格納されている。制御装置21のカウンタ21Bは、例えば充填ホース5を用いた充填制御の回数(後述の充填回数n)を計数する。また、メモリ21Aには、水素ガスの充填時に圧力センサ14により測定された圧力値から得られる圧力上昇率が、予め設定された所定の圧力上昇率に一致するように調整弁8の弁開度を制御する定圧上昇制御用の制御プログラム等が格納され、上述したように、制御装置21により調整弁8の開度が制御される。
制御装置21の入力側には、温度センサ10C、流量計13、圧力センサ14、燃料温度センサ15、充填開始スイッチ16、充填停止スイッチ17および後述のノズル検出器26等が接続されている。制御装置21の出力側には、調整弁8、遮断弁9、脱圧弁20および表示器22等が接続されている。なお、チラーユニット12は、制御装置21を介して電源(図示せず)と接続され、電力供給により作動されると、前述した冷媒(冷却液)を熱交換器11との間で循環させる。
ここで、制御装置21は、図1中に二点鎖線で示す如く、車両23の燃料タンク24の充填口24Aに充填ノズル6を接続した状態で、例えば操作部18の充填開始スイッチ16が閉成(ON)操作されたときに、調整弁8と遮断弁9に開弁信号を出力して調整弁8と遮断弁9を開弁させる。これにより、蓄圧器2内の水素ガスによるガスの充填作業が開始される。
また、制御装置21は、充填開始スイッチ16が操作された場合、または、これよりも先に充填ノズル6が、ノズル保持部25から取出されたことをノズル検出器26により検出した段階で、チラーユニット12に電力を供給して冷却器10を通常の状態で作動させる。一方、水素ガスの充填を行っていない待機状態では、チラーユニット12に供給する電力を小さく抑え、熱交換器11との間で少量の前記冷媒を循環させる予備冷却状態を保持するように制御する。
なお、本実施の形態では、制御装置21が冷却器10の運転状態を制御しているが、冷却器10自体がチラーユニット12を制御する制御部を有している場合には、当該制御部が冷却器10の運転状態を制御するようにしてよい。また、水素ガスの充填作業を長時間にわたって行わないような場合には、制御装置21によるチラーユニット12への電力供給を停止し、冷却器10を停止状態に保持してもよい。
また、制御装置21は、例えば流量計13、圧力センサ14、燃料温度センサ15の測定結果を監視しつつ、制御弁である調整弁8の開度等を予め設定された制御方式(定圧上昇制御方式または定流量制御方式)等で可変に調整する。これにより、ガス供給経路4内に供給されて燃料タンク24へと充填されるガスの圧力、流量を適切な流通状態に制御することができる。
このとき、制御装置21は、流量計13からの流量パルスを積算して燃料の充填量(質量)を演算し、燃料の充填量が予め設定された目標充填量に達するか、または圧力センサ14により検出したガスの圧力が予め設定された目標圧力(目標充填圧)に達したときに、遮断弁9を閉弁して燃料の充填を停止する。また、充填停止スイッチ17が操作された場合には、例えばガスの充填量や圧力が目標に達していなくても、充填動作を強制的に停止すべく遮断弁9が制御装置21からの信号により閉弁される。
ディスペンサユニット3に設けられた表示器22は、ガスの充填作業を行う作業者が視認し易い位置に配置され、ガスの充填作業に必要な情報表示等を行う。表示器22は、制御装置21により充填プロトコルに準拠した充填制御を行っているときに、例えば車両23の燃料タンク24に対するガスの充填状態等を表示して作業者に知らせる。一方、例えば図2に示すステップ1で「冷却器使用条件成立」の可否判定を行い、「NO」として冷却器10を非使用とした充填制御を行う場合には、例えばステップ8において「冷却器未使用充填許可」と設定されるので、このことを表示器22により表示する。これにより、表示器22は、水素ガスを冷却することなく緊急避難的に充填制御が行われていることを、作業者に対して報知することができる。表示器22は、機器の異常状態を報知する報知手段を構成している。
水素ガスを燃料として走行する車両23は、一例として図1に示すような4輪自動車(乗用車)により構成されている。車両23には、例えば燃料電池と電動モータ等の駆動装置(いずれも図示せず)と、図1中に点線で示す燃料タンク24等とが設けられている。この燃料タンク24は、水素ガスが充填される被充填タンクを構成し、例えば車両23の後部側に搭載されている。なお、燃料タンク24は、車両23の後部側に限らず、前部側または中央部側に設ける構成であってもよい。
燃料タンク24には、図1中に示すように、充填ノズル6が着脱可能に取付けられる充填口24A(レセプタクル)が設けられている。そして、車両23の燃料タンク24内には、充填ノズル6が充填口24Aに気密に連結(接続)された状態で水素ガスの充填が行われる。この間、充填ノズル6は前記ロック機構により充填口24Aに対して不用意に外れることがないようにロックされている。
ディスペンサユニット3には、水素ガスの非充填時(即ち、充填作業の待機時間)にわたって充填ノズル6が取付け、取外し可能に保持されるノズル保持部25が設けられている。このノズル保持部25は、充填ノズル6が水素ガスの充填を終了して戻される場合に、当該充填ノズル6が掛止め状態に保持される所謂ノズル掛けとして機能するものである。
ノズル保持部25には、充填ノズル6用のノズル検出器26が設けられ、該ノズル検出器26は、ノズル保持部25に充填ノズル6が収納(保持)されているか否かを検出するスイッチ等により構成されている。ノズル検出器26は、例えば2位置切換型のスイッチ等からなり、収納状態の充填ノズル6によって押動されるとオン状態に切換わる。そして、ノズル検出器26は、充填ノズル6がノズル保持部25から取出される(または取外される)とオフ状態に切り替わり、検出信号(オンまたはオフの信号)を制御装置21に出力するものである。なお、ノズル検出器26は、ディスペンサユニット3側のノズル保持部25に設けるものに限らず、充填ノズル6側に設けてもよい。
本実施の形態による水素ガス充填装置1は、上述の如き構成を有するもので、次に、制御装置21による燃料タンク24への燃料(即ち、水素ガス)の充填制御処理と異常時対策処理について、図2を参照して説明する。
まず、車両23の燃料タンク24に燃料を充填するときには、図1中に二点鎖線で示す如く、充填ノズル6がノズル保持部25から取外されて車両23(燃料タンク24)の充填口24Aに連結して接続される。このように、充填ノズル6を燃料タンク24の充填口24Aに接続するため、充填ノズル6がノズル保持部25から取外されたときには、ノズル検出器26でこれを検出することができ、この段階でステップ1の判定処理が開始される。
制御装置21は、ステップ1で冷却器10の使用条件が成立しているか否かを判定する。冷却器10の使用条件とは、ガス供給経路4(例えば、可撓性を有する充填ホース5)、冷却器10を含む機器が正常に動作し、異常状態とはなっていないか否かを判定する条件である。これにより、ステップ1の処理は、本発明の異常検出器を構成している。
具体例を挙げると、燃料タンク24に実際に充填される前の水素ガスの温度(冷却器10により冷却された水素ガスの温度)が所定温度(メモリ21Aに予め格納されている温度閾値)の範囲まで冷却されていることを検出しているときには、冷却器10が正常に動作しているので、ステップ1では冷却器10の使用条件が成立しているとして「YES」と判定する。
しかし、燃料タンク24に実際に充填される前の水素ガスの温度(冷却器10により冷却された水素ガスの温度)が前記所定温度範囲外となり、燃料タンク24に実際に充填される前の水素ガスが周囲温度よりも低い温度(例えば、氷点下の温度)まで、冷却器10によって冷却されていないときには、冷却器10が故障(異常)状態となって正常には動作していないので、ステップ1では冷却器10の使用条件が成立していない、として「NO」と判定する。なお、水素ガスの温度が前記所定温度の範囲外(過剰に低い温度の場合)にも、冷却器10が異常状態となって正常には動作していないので、ステップ1では冷却器10の使用条件が成立していない、として「NO」と判定する。
また、冷却器10により冷却された水素ガスが内部を流通するため、その耐久性、寿命に限界があり、このために使用回数に制限のある充填ホース5が所定の使用回数(即ち、充填ホース5を用いた水素ガスの充填作業回数が所定の回数)に到達した場合にも、冷却器10を含む機器の異常状態と判定し、前記ステップ1では冷却器10の使用条件が成立していない、として「NO」と判定する。
この場合にも、ステップ1の処理は異常検出器を構成している。充填ホース5を用いた水素ガスの充填作業回数が所定の回数に達するまでは、前記ステップ1で冷却器10の使用条件が成立している、として「YES」と判定する。なお、充填ホース5の使用回数は、例えば制御装置21のカウンタ21Bにより計数して求めることができる。詳細については、後述の図3に示す第2の実施の形態で説明するカウントアップ処理(例えば、「n=n+1」)と同様の処理を行えばよい。
なお、冷却器10の故障(異常)判定を行うときに閾値として用いる前記所定温度の範囲は、これまでの試験データ、冷却器10の動作履歴等を用いて予め決められる温度範囲である。燃料タンク24に実際に充填される前の水素ガスの温度が、前記所定温度の範囲内にあるか、範囲外となったか否かにより、冷却器10の故障判定(異常検出)が行われる。
次のステップ2では、冷却器10を使用した充填制御を許可する。これによって、充填ノズル6に向けて供給される水素ガスの温度を規定温度(例えば、−20℃または−40℃)まで低下させるように、冷却器10を前記予備冷却状態から通常状態で作動させる。次に、充填開始スイッチ16がON操作されると、ステップ3で遮断弁9を調整弁8と共に開弁させ、次のステップ4では、下記のように充填制御処理を実行する。このとき、蓄圧器2内の燃料(水素ガス)は、ガス供給経路4、充填ホース5および充填ノズル6等を通じて車両23の燃料タンク24に充填される。
即ち、制御装置21は、車両23の燃料タンク24の充填口24Aに充填ノズル6を接続した状態で、充填開始スイッチ16が閉成(ON)操作されると、調整弁8と遮断弁9に開弁信号を出力して調整弁8と遮断弁9とを開弁させる。これにより、蓄圧器2内の水素ガスによるガス充填作業が開始される。また、制御装置21は、例えば流量計13、圧力センサ14、燃料温度センサ15の測定結果を監視しつつ、調整弁8の開度等を予め設定された制御方式(定圧上昇制御方式または定流量制御方式)等で調整する。これにより、ガス供給経路4内に供給される水素ガスの圧力、流量を適切な流通状態に制御することができる。
このとき、制御装置21は、流量計13からの流量パルスを積算して燃料の充填量(質量)を演算し、燃料の充填量が予め設定された目標充填量に達するか、または圧力センサ14により検出した水素ガスの圧力が予め設定された目標充填圧力(例えば、70MPaの通常充填時の許容圧力)に達したか否か(即ち、充填終了条件が成立したか否か)をステップ5で判定する。ステップ5で「NO」と判定する間は充填終了条件が成立(充填作業が終了)していないので、ステップ4による充填制御処理を続行させる。
そして、ステップ5で充填終了として「YES」と判定したときには、次のステップ6で遮断弁9を閉弁して燃料の充填を停止する。具体的には、制御装置21からの信号により調整弁8および遮断弁9が閉弁され、燃料タンク24への水素ガスの充填が終了される。なお、作業者が充填停止スイッチ17を操作した場合にも、ステップ5で「YES」と判定するので、次のステップ6では遮断弁9を閉弁して燃料の充填を停止することになる。
図2中のステップ6で、遮断弁9を閉弁した後には、下記のように充填終了制御処理(図示せず)を実行する。この充填終了制御処理では、例えば調整弁8および遮断弁9が閉弁され、ガスの充填作業を停止させる場合に、制御装置21からの信号により脱圧弁20を閉弁状態から開弁するように制御する。脱圧弁20が開弁したときには、脱圧配管19が大気に開放されることにより、充填ノズル6側のガスが外部に放出されて充填ノズル6の圧力が大気圧に減圧される。これによって、充填ノズル6を車両23の充填口24Aから取外すことができる。この状態で、充填ノズル6がノズル保持部25に戻されたときには、ノズル検出器26によってこれを検出することができ、この段階で充填制御は終了される。
一方、前記ステップ1で「NO」と判定したときには、冷却器10の使用条件が不成立となって、前記機器の異常を検出した場合である。即ち、冷却器10が故障(異常)状態となって正常に動作していないか、または、充填ホース5を用いた水素ガスの充填作業回数が所定の回数に達し、充填ホース5は交換時期にきている場合である。
そこで、次のステップ7では制御パラメータの選択を行う。一例としては、冷却器10の非使用時にも燃料タンク24に供給し得る水素ガスの充填可能な許容圧力(例えば、35MPa)を制御パラメータとして選択する。次のステップ8では、冷却器10を使用しない未使用時の充填制御を許可する。これによって、例えば冷却器10の作動を停止させ、水素ガスを冷却することなく充填制御することを選択する。
次に、この状態で充填開始スイッチ16がON操作されると、ステップ9で遮断弁9を調整弁8と共に開弁させ、次のステップ10では、冷却器10を使用しない未使用時の充填制御処理を実行する。即ち、制御装置21は、車両23の燃料タンク24の充填口24Aに充填ノズル6を接続した状態で、充填開始スイッチ16が閉成(ON)操作されると、調整弁8と遮断弁9に開弁信号を出力して調整弁8と遮断弁9とを開弁させる。これにより、蓄圧器2内の水素ガスによるガス充填作業が開始される。また、制御装置21は、例えば流量計13、圧力センサ14、燃料温度センサ15の測定結果を監視しつつ、調整弁8の開度等を予め設定された制御方式(定圧上昇制御方式または定流量制御方式)等で調整することにより、ガス供給経路4内に供給される水素ガスの圧力、流量を適切な流通状態に制御することができる。
次のステップ11では、圧力センサ14により検出した水素ガスの圧力が予め設定された目標充填圧力(例えば、35MPaの冷却器未使用時の許容圧力)に達したか否かを判定する。ステップ11で「NO」と判定する間は充填終了条件が成立(充填作業が終了)していないので、ステップ10による充填制御処理を続行させる。そして、ステップ5で充填終了として「YES」と判定したときには、次のステップ12で遮断弁9を閉弁して燃料の充填を停止する。
即ち、前記非冷却時許容圧力記憶手段(メモリ21A)で記憶している許容圧力(例えば、35MPa)まで水素ガスが燃料タンク24が供給(充填)された段階で、制御装置21からの信号により調整弁8および遮断弁9が閉弁され、燃料タンク24への水素ガスの充填が終了される。なお、作業者が充填停止スイッチ17を操作した場合にも、ステップ11で「YES」と判定するので、次のステップ12では遮断弁9を閉弁して燃料の充填を停止することになる。
このように、調整弁8および遮断弁9が閉弁され、ガスの充填作業を停止させる場合にも、制御装置21からの信号により前述の如く脱圧弁20を開弁させ、脱圧配管19を大気に開放することによって、充填ノズル6側の圧力を大気圧に減圧し、充填ノズル6を車両23の充填口24Aから取外す。この状態で、充填ノズル6がノズル保持部25に戻されたときには、ノズル検出器26によってこれを検出することができ、この段階で充填制御は終了される。
かくして、第1の実施の形態によれば、前記ステップ1で冷却器10の使用条件が成立しているか否か、即ち、ガス供給経路4(例えば、可撓性を有する充填ホース5)、冷却器10を含む機器が正常に動作し、異常状態とはなっていないか否かを判定する。そして、機器の異常を検出し、ステップ1で「NO」と判定するときには、ステップ7〜12にわたる処理で、制御装置21のメモリ21Aに記憶している水素ガスの許容圧力(例えば、35MPa)を上限とした充填制御を行うことにより、非冷却状態の水素ガスを燃料タンク24に供給(充填)する構成としている。
このように、ガス供給経路4(例えば、可撓性を有する充填ホース5)、冷却器10を含む機器の異常を異常検出器により検出したときには、例えば冷却器10の運転を停止させたままで、水素ガスを冷却することなく車両23の燃料タンク24に水素ガスの充填を行うようにする。このため、制御装置21は、前記異常検出器(例えば、図2中のステップ1の処理)で異常を検出した場合に、前記非冷却時許容圧力記憶手段に記憶された許容圧力(例えば、35MPa)を上限とした燃料タンク24への水素ガスの供給制御を行うことができる。
従って、前記機器の異常時には水素ガスを冷却しないで前記許容圧力を上限とした圧力範囲での水素ガスの充填作業を続けることができ、機器の異常等による緊急時にも迅速に対応することができる。即ち、燃料タンク24は、非冷却状態の水素ガスを許容圧力の範囲内で収容しているので、内部の圧力が過剰圧となることはなく、燃料タンク24の満圧(例えば、70MPa)に対して半分程度の圧力(例えば、35MPa)を確保することができる。
このため、当該車両23は、他の水素ガス充填所が遠隔地にしか存在しない場合(即ち、この充填所までの走行距離が長くなるような場合)でも、途中で燃料切れを起こすことなく、運転者は安心して路上走行を続けることができ、必要ならば、次なる水素ガス充填所で燃料の供給を受けることができる。
次に、図3は第2の実施の形態を示している。本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。しかし、第2の実施の形態の特徴は、充填ホース5の交換時期を検出する交換時期検出手段を設け、交換時期に達したときには、燃料タンク24の満圧(例えば、70MPa)に対して半分程度の圧力(例えば、35MPa)を上限した水素ガスの供給(充填)制御を行う構成としたことにある。
ここで、制御装置21のメモリ21Aには、例えば図3に示すホース交換時期検出処理および対策処理を含んだ充填制御処理用のプログラム等が格納され、制御装置21は、後述の如く燃料タンク24に対する燃料(即ち、水素ガス)の充填制御処理とホース交換時期検出処理および対策処理とを行うものである。
図3の処理動作がスタートすると、ステップ21で充填開始スイッチ16がON操作されたか否かを判定し、「NO」と判定する間は待機状態とする。ステップ21で「YES」と判定したときには、次のステップ22で充填ホース5が交換時期に達しているか否かを判定する。この判定処理は、図2に示すステップ1の「冷却器使用条件成立?」に対応するもので、異常検出器の一例となる交換時期検出手段の具体例を示している。この場合、ノズル保持部25に充填ノズル6が収納(保持)されているか否かを検出するノズル検出器26は、一例として異常検出器(交換時期検出手段)を構成する。
ここで、ステップ22の判定処理では、充填ノズル6による燃料タンク24への供給回数である充填回数nが、所定の回数n1に達したか否かを判定する。充填回数nが所定の回数n1(n≧n1)に達したときに、充填ホース5は交換時期に到達している。交換時期検出手段は、例えば制御装置21のカウンタ21B等により構成され、具体化されるものである。
即ち、可撓性を有する充填ホース5は、その内部を氷点下まで冷却された低温の水素ガスが流通するため、水素脆性の影響等で機械的強度が漸次低下し、耐久性、寿命が低下して交換時期に達すると、最悪の場合にはガスの漏洩が生じる。また、このような現象は、ホース内部を流通する高圧ガス(水素ガス)の圧力及び圧力変動によっても生じ、充填ホース5の耐久性、寿命は、水素ガスの充填回数nに従って漸次低下することが知られている。そして、充填ホース5の耐久性が低下した場合には、ガス漏れの原因となるので当該ホースを交換する必要が生じる。なお、充填ホース5を新品のホースに交換したときには、充填回数nは零にリセットされるものとする。
ステップ22で「NO」と判定するときには、充填回数nが、充填ホース5の交換時期に対応する所定の回数n1には達していない場合である。そこで、次のステップ23では遮断弁9を調整弁8と共に開弁させ、次のステップ24では、下記のように充填制御処理を実行する。このとき、蓄圧器2内の燃料(水素ガス)は、ガス供給経路4、充填ホース5および充填ノズル6等を通じて車両23の燃料タンク24に充填される。
即ち、制御装置21は、車両23の燃料タンク24の充填口24Aに充填ノズル6を接続した状態で、前記ステップ21で充填開始スイッチ16が閉成(ON)操作されると、ステップ23で調整弁8と遮断弁9に開弁信号を出力して調整弁8と遮断弁9とを開弁させる。これにより、ステップ24で蓄圧器2内の水素ガスによるガス充填作業が開始される。即ち、制御装置21は、例えば流量計13、圧力センサ14、燃料温度センサ15の測定結果を監視しつつ、調整弁8の開度等を予め設定された制御方式(定圧上昇制御方式または定流量制御方式)等で調整する。これにより、ガス供給経路4内に供給される水素ガスの圧力、流量を適切な流通状態に制御することができる。
このとき、制御装置21は、流量計13からの流量パルスを積算して燃料の充填量(質量)を演算し、燃料の充填量が予め設定された目標充填量に達するか、または圧力センサ14により検出した水素ガスの圧力が予め設定された目標充填圧力(例えば、70MPaの通常充填時の許容圧力)に達したか否か(即ち、充填終了条件が成立したか否か)をステップ25で判定する。ステップ25で「NO」と判定する間は充填終了条件が成立(充填作業が終了)していないので、ステップ24による充填制御処理を続行させる。
そして、ステップ25で充填終了として「YES」と判定したときには、次のステップ26で遮断弁9を閉弁して燃料の充填を停止する。具体的には、制御装置21からの信号により調整弁8および遮断弁9が閉弁され、燃料タンク24への水素ガスの充填が終了される。なお、作業者が充填停止スイッチ17を操作した場合にも、ステップ25で「YES」と判定するので、次のステップ26では遮断弁9を閉弁して燃料の充填を停止することになる。
異常検出器(交換時期検出手段)としてのノズル検出器26は、充填ノズル6がノズル保持部25に戻されて収納される度毎に、充填作業が終了したことを検出する。このため、次のステップ27では、例えば制御装置21のカウンタ21Bによる計数値(即ち、充填回数n)を、「n=n+1」としてカウントアップする。そして、次のステップ28ではリターンし、再びステップ21以降の処理が繰返される。このため、前記カウンタの計数値(即ち、充填回数n)は、充填ノズル6による燃料タンク24への充填作業を繰返す度毎に、カウンタ21Bは、「n=n+1」として順次カウントアップされる。
一方、ステップ22で「YES」と判定したときには、充填ノズル6による燃料タンク24への充填回数nが、充填ホース5の交換時期に対応する所定の回数n1に到達した場合である。そこで、この場合には、次のステップ29で表示器22により「ホース交換時期」を報知する。これにより、水素ガスの充填作業者に充填ホース5が交換時期に達したことを画面表示等で報せることができる。なお、「ホース交換時期」の報知手段は、表示器22に限るものではなく、例えば警報ランプ、警報ブザーまたは音声合成装置等を用いる構成としてもよい。
次のステップ30では、前記ステップ23と同様に遮断弁9を調整弁8と共に開弁させ、次のステップ31では、前記ステップ24と同様に充填制御処理を実行する。但し、この場合には、冷却器10の作動を停止させ、水素ガスを冷却することなく充填制御を行うようにする。即ち、ステップ31では、冷却器10を使用しない未使用時の充填制御処理を実行する。
次のステップ32では、圧力センサ14により検出した水素ガスの圧力が予め設定された目標充填圧力(例えば、35MPaの冷却器未使用時の許容圧力)に達したか否かを判定する。ステップ32で「NO」と判定する間は充填終了条件が成立(充填作業が終了)していないので、ステップ31による充填制御処理を続行させる。そして、ステップ32で充填終了として「YES」と判定したときには、次のステップ33で遮断弁9を閉弁して燃料の充填を停止する。
かくして、このように構成される第2の実施の形態でも、充填ホース5が水素ガスの充填作業を繰返すことにより耐久性、寿命が漸次低下し、交換時期に達したか否かを、例えばステップ22の処理(交換時期検出手段)により判定(検出)することができる。そして、制御装置21は、充填ホース5の交換時期を検出した場合に、非冷却時許容圧力記憶手段に記憶された許容圧力(例えば、35MPa)を上限とした燃料タンク24への水素ガスの供給制御を行うことができる。このため、充填ホース5が交換時期に達したときには水素ガスの冷却を中止したまま、水素ガスの充填作業を続けることができ、予備のホースがない場合にも緊急避難的に迅速な対応をすることができる。
また、充填ホース5が交換時期に達したときには水素ガスの冷却を中止し、燃料タンク24の満圧(例えば、70MPa)に対して半分程度の圧力(例えば、35MPa)を目標充填圧力として水素ガスの充填制御を行う。このため、耐久性、寿命が低下し交換時期に達している充填ホース5を用いて水素ガスの充填制御を行う場合でも、ガス漏れ等が発生する可能性を低く抑えることができ、車両の燃料タンク(被充填タンク)に対し緊急避難的な水素ガスの充填制御を行うことができる。
なお、前記第2の実施の形態では、充填ホース5を用いて燃料タンク24に供給(充填)を行なった水素ガスの供給回数(充填回数n)が所定の回数n1となった場合に、前記ホースが交換時期に達したことを検出する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば充填ホース5を用いて燃料タンク24に供給(充填)を行なった積算時間を検出し、この積算時間が予め決められた時間に到達したときに、充填ホースは交換時期に達したとして判定(検出)する構成としてもよい。
一方、前記第1の実施の形態では、図2に示すステップ1の判定処理(異常検出器)によって、例えば冷却器10または充填ホース5を含む機器の異常を検出する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、ガス供給経路4、圧力センサ14または燃料温度センサ15等の機器の異常を検出する構成としてもよい。この場合でも、機器の異常を検出したときには、非冷却時許容圧力記憶手段に記憶させた許容圧力を上限として水素ガスの供給(充填)制御を行う構成とすればよい。
また、前記各実施の形態では、車両23の燃料タンク24に圧縮された水素ガスを充填する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば車両以外のタンクや容器等に圧縮された水素ガスを充填する際にも適用することができる。さらに、水素ガス充填装置1のディスペンサユニット3を、他の場所に水素ガスを給送するための管路の途中に設置してもよい。