JP2017115221A - プリント配線板用めっき装置及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】めっき層の厚さの均一化を図ることができるプリント配線板用めっき装置の提供。【解決手段】めっき液Yを貯留するめっき槽2と、めっき液Yに浸漬され、カソードを構成するプリント配線板用原板を固定する固定治具3と、めっき液Yに浸漬され、前記プリント配線板用原板に対向して配設されるアノード4と、アノード4及びプリント配線板用原板に電圧を印加する機構5とを備えるプリント配線板用めっき装置1であって、アノード4が、上記プリント配線板用原板に対向する複数の対向面6a,7aを有し、複数の対向面6a,7aの電流密度が異なり、アノード4が、上記プリント配線板用原板との距離が異なる第1の対向面6a及び第2の対向面7aを有し、第2の対向面7aが第1の対向面6aの周囲を囲むように配設されているとよいプリント配線板用めっき装置1。【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板用めっき装置及びプリント配線板の製造方法に関する。
電子機器分野において、プリント配線板が多く用いられている。プリント配線板は、絶縁性を有するベースフィルムの少なくとも一方の面に導電パターンが積層されている。この導電パターンは、例えばベースフィルム及びベースフィルムの一方の面に積層されたシード層(厚さ数nm程度の薄い導電層)を有するプリント配線板用原板の上記シード層の外面にめっき層を積層し、さらにこのシード層及びめっき層をパターニングすることで得られる。
一般に上記めっき層を形成するためのめっき装置は、めっき液を貯留するめっき槽と、めっき液に浸漬されるプリント配線板用原板に対向して配設されるアノードと、上記アノード及びプリント配線板用原板に電圧を印加する機構とを備える。このめっき装置は、カソードとして構成される上記シード層の外面にめっきを施すことでめっき層を積層する。
また、今日では、めっき層の厚さの均一化を図るべくカソードを回転可能なめっき装置が発案されている(特開平5−33196号公報参照)。このめっき装置は、カソードを回転させることでめっき液を撹拌しつつめっきを施すことができるため、めっき層の厚さの均一化を図ることができるとされている。
特開平5−33196号公報
しかしながら、上記公報に記載のめっき装置は、装置の個性に起因するめっき層の厚さの不均一性を十分に解消することができない。つまり、一般にめっき装置は、装置の具体的構造等に基づく個性を有しており、例えばプリント配線板用原板の固定具との連結部分近傍ではめっき層の厚さが薄くなり易い。しかしながら、上記公報に記載のめっき装置は、カソードを一定の軸を中心に回転させることしかできないため、めっき層全体の厚さの均一化を図り難い。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、めっき層の厚さの均一化を図ることができるプリント配線板用めっき装置及びプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係るプリント配線板用めっき装置は、めっき液を貯留するめっき槽と、このめっき液に浸漬され、カソードを構成するプリント配線板用原板を固定する固定治具と、上記めっき液に浸漬され、上記プリント配線板用原板に対向して配設されるアノードと、上記アノード及びプリント配線板用原板に電圧を印加する機構とを備えるプリント配線板用めっき装置であって、上記アノードが、上記プリント配線板用原板に対向する複数の対向面を有し、上記複数の対向面の電流密度が異なる。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様に係るプリント配線板の製造方法は、めっき液を貯留するめっき槽と、このめっき液に浸漬され、カソードを構成するプリント配線板用原板を固定する固定治具と、上記めっき液に浸漬され、上記プリント配線板用原板に対向して配設されるアノードと、上記アノード及びプリント配線板用原板に電圧を印加する機構とを備えるプリント配線板用めっき装置を用いたプリント配線板の製造方法であって、上記アノードが、上記プリント配線板用原板に対向する複数の対向面を有し、上記プリント配線板用原板の各対向面と対向する領域毎に電流密度の異なる電流を通電する通電工程を有する。
本発明のプリント配線板用めっき装置及びプリント配線板の製造方法は、めっき層の厚さの均一化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係るプリント配線板用めっき装置を示す模式的側面図である。 図1のプリント配線板用めっき装置のアノードを示す模式的正面図である。 図1のプリント配線板用めっき装置のカソード及び固定治具を示す模式的正面図である。 本発明の一実施形態に係るサブトラクティブ法を用いたプリント配線板の製造方法のシード層積層工程後のプリント配線板用原板を示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係るサブトラクティブ法を用いたプリント配線板の製造方法の通電工程後のプリント配線板用原板にめっき層が積層された状態を示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係るサブトラクティブ法を用いたプリント配線板の製造方法のパターニング工程後のプリント配線板を示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係るセミアディティブ法を用いたプリント配線板の製造方法のレジストパターン形成後のプリント配線板用原板を示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係るセミアディティブ法を用いたプリント配線板の製造方法の通電工程後のプリント配線板用原板にめっき層が積層された状態を示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係るセミアディティブ法を用いたプリント配線板の製造方法の導電パターン形成工程におけるレジストパターン除去後の状態を示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係るセミアディティブ法を用いたプリント配線板の製造方法の導電パターン形成工程後のプリント配線板を示す模式的断面図である。 図1のプリント配線板用めっき装置とは異なる実施形態に係るプリント配線板用めっき装置を示す模式的側面図である。 図6のプリント配線板用めっき装置のアノードを示す模式的正面図である。 図6のプリント配線板用めっき装置のカソード及び固定治具を示す模式的正面図である。 図1及び図6のプリント配線板用めっき装置とは異なる実施形態に係るプリント配線板用めっき装置を示す模式的側面図である。 図2及び図7のアノードとは異なる実施形態に係るアノードを示す模式的正面図である。 図2、図7及び図10のアノードとは異なる実施形態に係るアノードを示す模式的正面図である。 図2、図7、図10及び図11のアノードとは異なる実施形態に係るアノードを示す模式的正面図である。 図2、図7、図10〜図12のアノードとは異なる実施形態に係るアノードを示す模式的正面図である。 図2、図7、図10〜図13のアノードとは異なる実施形態に係るアノードを示す模式的正面図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係るプリント配線板用めっき装置は、めっき液を貯留するめっき槽と、このめっき液に浸漬され、カソードを構成するプリント配線板用原板を固定する固定治具と、上記めっき液に浸漬され、上記プリント配線板用原板に対向して配設されるアノードと、上記アノード及びプリント配線板用原板に電圧を印加する機構とを備えるプリント配線板用めっき装置であって、上記アノードが、上記プリント配線板用原板に対向する複数の対向面を有し、上記複数の対向面の電流密度が異なる。
当該プリント配線板用めっき装置は、例えばベースフィルム及びこのベースフィルムの一方の面側に積層されるシード層を有するプリント配線板用原板を、シード層の外面が上記アノードの複数の対向面と対向するように配置した状態で用いられる。当該プリント配線板用めっき装置は、電圧を印加する機構からアノードに電流を供給し、めっき液中に溶解した金属イオンをカソードを構成するシード層の外面で還元させることでこのシード層の外面にめっき層を積層することができる。当該プリント配線板用めっき装置は、上記アノードがプリント配線板用原板に対向する複数の対向面を有し、この複数の対向面の電流密度が異なるので、装置の個性等に起因してめっき層の厚さが薄くなり易い特定の領域に対向する対向面の電流密度を大きくしてめっき効率を高めることでめっき層の厚さの均一化を図ることができる。
上記アノードが、上記プリント配線板用原板との距離が異なる複数の対向面を有するとよい。このように、上記アノードが上記プリント配線板用原板との距離が異なる複数の対向面を有することによって、電流密度の異なる複数の対向面を形成し易い。
上記アノードが、第1の対向面及び第2の対向面を有し、第2の対向面が第1の対向面の周囲を囲むように配設されているとよい。一般にプリント配線板用めっき装置は、プリント配線板用原板の固定治具との連結部分近傍とその他の領域とで形成されるめっき層の厚さにバラツキが生じ易い。この点、上記アノードが第1の対向面及び第2の対向面を有し、第2の対向面が第1の対向面の周囲を囲むように配設されていることによって、厚さのバラツキが生じ易い連結部近傍及びその他の領域に対応して第1の対向面及び第2の対向面を対応させ易く、これによりプリント配線板用原板のめっき層の厚さの均一化を促進し易い。
上記アノードが、第1の対向面及び第2の対向面を有し、上記第1の対向面の対向する一対の端縁部に上記第2の対向面が配設されているとよい。このように、上記アノードが第1の対向面及び第2の対向面を有し、上記第1の対向面の対向する一対の端縁部に上記第2の対向面が配設されていることによって、厚さのバラツキが生じ易い連結部近傍及びその他の領域に対応して第1の対向面及び第2の対向面を対応させ易く、これによりプリント配線板用原板のめっき層の厚さの均一化を促進し易い。
上記第2の対向面の電流密度が第1の対向面の電流密度よりも大きいとよい。一般にプリント配線板用めっき装置は、プリント配線板用原板の固定治具との連結部分近傍に形成されるめっき層の厚さが薄くなり易い。この点、上記第2の対向面の電流密度が第1の対向面の電流密度よりも大きいことによって、この固定治具との連結部分近傍に対応する対向面の電流密度を大きくすることで、プリント配線板用原板のめっき層の厚さの均一化を促進し易い。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様に係るプリント配線板の製造方法は、めっき液を貯留するめっき槽と、このめっき液に浸漬され、カソードを構成するプリント配線板用原板を固定する固定治具と、上記めっき液に浸漬され、上記プリント配線板用原板に対向して配設されるアノードと、上記アノード及びプリント配線板用原板に電圧を印加する機構とを備えるプリント配線板用めっき装置を用いたプリント配線板の製造方法であって、上記アノードが、上記プリント配線板用原板に対向する複数の対向面を有し、上記プリント配線板用原板の各対向面と対向する領域毎に電流密度の異なる電流を通電する通電工程を有する。
上記通電工程は、例えばベースフィルム及びこのベースフィルムの一方の面側に積層されるシード層を有するプリント配線板用原板を、シード層の外面が上記アノードの複数の対向面と対向するように配置した状態で行われる。当該プリント配線板の製造方法は、上記通電工程がアノードの各対向面と対向するプリント配線板用原板の領域毎に電流密度の異なる電流を通電するので、装置の個性等に起因してめっき層の厚さが薄くなり易い特定の領域に対向する対向面の電流密度を大きくしてめっき効率を高めることでめっき層の厚さの均一化を図ることができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係るプリント配線板用めっき装置及びプリント配線板の製造方法を説明する。
[第一実施形態]
<プリント配線板用めっき装置>
図1〜図3のプリント配線板用めっき装置1は、めっき液Yを貯留するめっき槽2と、めっき液Yに浸漬され、カソードを構成するプリント配線板用原板Xを固定する固定治具3と、めっき液Yに浸漬され、プリント配線板用原板Xに対向して配設されるアノード4と、アノード4及びプリント配線板用原板Xに電圧を印加する機構5(「電圧印加機構5」ともいう。)とを備える。また、アノード4は、プリント配線板用原板Xに対向する複数の対向面(第1の対向面6a及び第2の対向面7a)を有する。当該プリント配線板用めっき装置1は、複数の対向面(第1の対向面6a及び第2の対向面7a)に流れる電流の密度が異なる。
当該プリント配線板用めっき装置1は、例えばベースフィルム及びこのベースフィルムの一方の面側に積層されるシード層を有するプリント配線板用原板Xを、シード層の外面がアノード4の第1の対向面6a及び第2の対向面7aと対向するように配置した状態で用いられる。当該プリント配線板用めっき装置1は、電圧印加機構5からアノード4に電流を供給し、めっき液Y中に溶解した金属イオンをカソードを構成するシード層の外面で還元させることでこのシード層の外面にめっき層を積層することができる。当該プリント配線板用めっき装置1は、アノード4がプリント配線板用原板Xに対向する第1の対向面6a及び第2の対向面7aを有し、この第1の対向面6a及び第2の対向面7aの電流密度が異なるので、装置の個性等に起因してめっき層の厚さが薄くなり易い特定の領域に対向する対向面の電流密度を大きくしてめっき効率を高めることでめっき層の厚さの均一化を図ることができる。
(アノード)
アノード4は、厚さが一定、かつ板状の第1アノード6及び第2アノード7を有する。また、第1アノード6及び第2アノード7は、平面形状が各々矩形状に形成されており、図2に示すように、正面視で第1アノード6が第2アノード7に含まれるよう配設されている。つまり、正面視で第2アノード7の外縁の内側に第1アノード6の外縁が配設されている。なお、「正面視」とは、カソード(プリント配線板用原板X)側からの視認状態をいう。
アノード4の上縁及び下縁は第2アノード7の上縁及び下縁によって構成されている。そのため、本実施形態ではアノード4の上下方向の平均長は第2アノード7の上下方向の平均長さと一致している。めっき液Yに浸漬された状態におけるアノード4の上下方向の平均長さLの下限としては、500mmが好ましく、550mmがより好ましい。一方、上記上下方向の平均長さLの上限としては、800mmが好ましく、750mmがより好ましい。上記上下方向の平均長さLが上記下限に満たないと、プリント配線板の生産効率が十分に得られないおそれがある。逆に、上記上下方向の平均長さLが上記上限を超えると、プリント配線板用原板Xに積層されるめっき層の厚さを制御し難くなるおそれがある。なお、一般にアノード4は、めっき液Yに浸漬すると縮小する。そのため、めっき液Yに浸漬していない状態でのアノード4の上下方向の平均長さとしては、例えば700mm以上900mm以下程度とすることができる。
アノード4の両側縁は第2アノード7の両側縁によって構成されている。そのため、本実施形態ではアノード4の対向面の水平方向の平均長は第2アノード7の対向面の水平方向の平均長さと一致している。めっき液Yに浸漬された状態におけるアノード4の対向面の水平方向の平均長さLの下限としては、200mmが好ましく、250mmがより好ましい。一方、上記水平方向の平均長さLの上限としては、450mmが好ましく、400mmがより好ましい。上記水平方向の平均長さLが上記下限に満たないと、プリント配線板の生産効率が十分に得られないおそれがある。逆に、上記水平方向長さLが上記上限を超えると、プリント配線板用原板Xに積層されるめっき層の厚さを制御し難くなるおそれがある。なお、めっき液Yに浸漬していない状態でのアノード4の水平方向の平均長さとしては、例えば300mm以上600mm以下程度とすることができる。
第1アノード6及び第2アノード7は、平行に配設されている。また、第1アノード6は、第2アノード7よりもプリント配線板用原板X側に配設されている。第1アノード6は、プリント配線板用原板Xと対向する第1の対向面6aを有する。また、第2アノード7は、プリント配線板用原板Xと対向する第2の対向面7aを有する。
第1の対向面6a及び第2の対向面7aと、プリント配線板用原板Xとの距離は異なる。つまり、アノード4は、プリント配線板用原板Xとの距離が異なる複数の対向面を有する。当該プリント配線板用めっき装置1は、このようにアノード4がプリント配線板用原板Xとの距離が異なる複数の対向面を有することによって、電流密度の異なる複数の対向面を形成し易い。
第1アノード6及び第2アノード7の厚さ方向の平均間隔Dの下限としては、5mmが好ましく、10mmがより好ましい。一方、上記厚さ方向の平均間隔Dの上限としては、50mmが好ましく、40mmがより好ましい。上記厚さ方向の平均間隔Dが上記下限に満たないと、第1アノード6及び第2アノード7がめっき液Y中で接触することで第1の対向面6a及び第2の対向面7aの電流密度を制御し難くなるおそれがある。逆に、上記厚さ方向の平均間隔Dが上記上限を超えると、第2アノード7とプリント配線板用原板Xとの距離が不要に大きくなり、プリント配線板用原板Xに積層されるめっき層の厚さを制御し難くなるおそれがある。
アノード4のうち最もプリント配線板用原板X側に配設されるアノード(本実施形態においては第1アノード6)とプリント配線板用原板Xとの平均間隔Dの下限としては、50mmが好ましく、80mmがより好ましい。一方、上記平均間隔Dの上限としては、150mmが好ましく、120mmがより好ましい。上記平均間隔Dが上記下限に満たないと、プリント配線板用原板Xにめっき層を積層し難くなるおそれがある。逆に、上記平均間隔Dが上記上限を超えると、プリント配線板用原板Xに積層されるめっき層の厚さを制御し難くなるおそれがある。
当該プリント配線板用めっき装置1は、上述のように正面視で第1アノード6が第2アノード7に含まれるよう配設されており、これにより第2の対向面7aが第1の対向面6aの周囲を囲むように配設されている。当該プリント配線板用めっき装置1は、プリント配線板用原板Xの固定治具3との連結部分近傍とその他の領域とで形成するめっき層の厚さにバラツキが生じ易い。この点、当該プリント配線板用めっき装置1は、アノード4が第1の対向面6a及び第2の対向面7aを有し、第2の対向面7aが第1の対向面6aの周囲を囲むように配設されていることによって、厚さのバラツキが生じ易い連結部近傍及びその他の領域に対応して第1の対向面6a及び第2の対向面7aを対応させ易く、これによりプリント配線板用原板Xのめっき層の厚さの均一化を促進し易い。
また、第2の対向面7aの電流密度は第1の対向面6aの電流密度よりも大きいことが好ましい。当該プリント配線板用めっき装置1は、プリント配線板用原板Xの固定治具3との連結部分近傍に形成されるめっき層の厚さが薄くなり易い。この点、当該プリント配線板用めっき装置1は、第2の対向面7aの電流密度が第1の対向面6aの電流密度よりも大きいことによって、この固定治具3との連結部分近傍に対応する第2の対向面7aの電流密度を大きくすることで、プリント配線板用原板Xのめっき層の厚さの均一化を促進し易い。
第1の対向面6aの電流密度の下限としては、0.8ASD(0.008A/m)が好ましく、1.0ASD(0.01A/m)がより好ましい。一方、第1の対向面6aの電流密度の上限としては、3.1ASD(0.031A/m)が好ましく、2.5ASD(0.025A/m)がより好ましい。第1の対向面6aの電流密度が上記下限に満たないと、プリント配線板用原板Xに積層されるめっき層の生産効率が十分に高くならないおそれがある。逆に、第1の対向面6aの電流密度が上記上限を超えると、プリント配線板用原板Xに積層されるめっき層の厚さを制御し難くなるおそれがある。
第2の対向面7aの電流密度の下限としては、0.8ASD(0.008A/m)が好ましく、1.0ASD(0.01A/m)がより好ましい。一方、第2の対向面7aの電流密度の上限としては、3.1ASD(0.031A/m)が好ましく、2.5ASD(0.025A/m)がより好ましい。第2の対向面7aの電流密度が上記下限に満たないと、プリント配線板用原板Xに積層されるめっき層の生産効率が十分に高くならないおそれがある。逆に、第2の対向面7aの電流密度が上記上限を超えると、プリント配線板用原板Xに積層されるめっき層の厚さを制御し難くなるおそれがある。
第2の対向面7a及び第1の対向面6aの電流密度の差の下限としては、0.1ASD(0.001A/m)が好ましく、0.2ASD(0.002A/m)がより好ましい。一方、上記電流密度の差の上限としては、3.0ASD(0.03A/m)が好ましく、2.5ASD(0.025A/m)がより好ましい。上記電流密度の差が上記下限に満たないと、プリント配線板用原板Xに積層されるめっき層の厚さの均一化を十分に促進できないおそれがある。逆に、上記電流密度の差が上記上限を超えると、プリント配線板用原板Xの第2の対向面7aに対向する領域のめっき層の厚さが大きくなり過ぎるおそれがある。
第1の対向面6aの外縁及び第2の対向面7aの外縁は平行に配設されている。つまり、第1の対向面6aの上縁、下縁及び両側縁は、第2の対向面7aの上縁、下縁及び両側縁とそれぞれ平行に配設されている。めっき液Y中に浸漬した状態における第2の対向面7aの外縁とこの外縁に対向する第1の対向面6aの外縁との平均距離Lの下限としては、5mmが好ましく、10mmがより好ましい。一方、上記平均距離Lの上限としては、30mmが好ましく、20mmがより好ましい。上記平均距離Lが上記下限に満たないと、プリント配線板用原板Xの固定治具3との連結部分近傍におけるめっき層の厚さが不十分となるおそれがある。逆に、上記平均距離Lが上記上限を超えると、プリント配線板用原板Xにおける第2の対向面7aと対向する領域のめっき層の厚さが大きくなり過ぎるおそれがある。
第1アノード6及び第2アノード7は、例えば銅、ニッケル、銀等の金属を主成分とする溶性アノードであってもよく、白金やイリジウム被覆チタン等を用いた不溶性アノードであってもよい。但し、アノード自体の形状の変化を防止してプリント配線板用原板Xに積層されるめっき層の厚さの均一化を図り易い不溶性アノードが好ましい。
(固定治具)
固定治具3は、開口を有し、プリント配線板用原板Xの外縁を保持するフレーム3aと、このフレーム3aから上方に延出する一対のアーム3bとを有する。一対のアーム3bは、めっき液Yの液面よりも上方に懸架されるバー(図示省略)に係合され、フレーム3a及びフレーム3aに保持されるプリント配線板用原板Xをめっき液Y中に保持する。
フレーム3aは内縁及び外縁が矩形状の枠体として構成され、プリント配線板用原板Xを開口に保持する。つまり、フレーム3aは、プリント配線板用原板Xの外周縁を覆うようにプリント配線板用原板Xを保持する。
なお、プリント配線板用原板Xは、絶縁性を有するベースフィルム及びこのベースフィルムの一方の面側に積層され、導電性を有するシード層を有する。プリント配線板用原板Xは、このシード層がアノード4の第1の対向面6a及び第2の対向面7aと対向するように固定治具3に保持される。
(電圧印加機構)
電圧印加機構5は、第1の対向面6a及び第2の対向面7aに電流を供給する電源5aを有する。また、電圧印加機構5は、電源5a及び第1の対向面6aを電気的に接続する第1の配線部と、電源5a及び第2の対向面7aを電気的に接続する第2の配線部と、電源5a及び固定治具3に保持されるプリント配線板用原板Xの上記シード層とを電気的に接続する第3の配線部とを有する。また、第1の配線部及び第2の配線部は第1の対向面6a及び第2の対向面7aの電流密度が異なるように設計される。
(めっき液)
めっき液Yとしては、特に限定されるものではなく、例えば硫酸銅、ピロリン酸銅等を含む公知のめっき液を用いることができる。
<プリント配線板の製造方法>
次に、当該プリント配線板用めっき装置1を用いたプリント配線板の製造方法について説明する。当該プリント配線板の製造方法としては、図4A〜4Cに示すサブトラクティブ法を用いた方法と、図5A〜5Dに示すセミアディティブ法を用いた方法のいずれの方法を採用することも可能である。以下、サブトラクティブ法を用いた方法及びセミアディティブ法を用いた方法についてそれぞれ説明する。
(サブトラクティブ法を用いた方法)
まず、図4A〜4Cを参照して、サブトラクティブ法を用いた当該プリント配線板の製造方法について説明する。当該プリント配線板の製造方法は、シード層積層工程と、通電工程と、パターニング工程とを備える。
(シード層積層工程)
上記シード層積層工程では、図4Aに示すように、絶縁性を有するベースフィルム11の一方の面側に導電性を有するシード層12を積層する。ベースフィルム11の主成分としては、例えばポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂が挙げられる。シード層12を積層する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば蒸着法、スパッタリング法等の公知の方法を採用することができる。また、シード層12の主成分としては、例えばニッケル、金、銀、タングステン、モリブデン、銅、スズ、コバルト、クロム、鉄、亜鉛等が挙げられ、中でもベースフィルム11との密着力が高く、かつめっき開始表面として適する点から銅が好ましい。なお、「主成分」とは、最も含有量の多い成分をいい、例えば50質量%以上含有される成分をいう。
シード層12の平均厚さの下限としては、10nmが好ましく、50nmがより好ましく、100nmがさらに好ましい。一方、シード層12の平均厚さの上限としては、1μmが好ましく、700nmがより好ましく、500nmがさらに好ましい。シード層12の平均厚さが上記下限に満たないと、平面視においてシード層12に切れ目が生じ、シード層12の外面に積層されるめっき層の厚さの均一化を図り難くなるおそれがある。逆に、シード層12の平均厚さが上記上限を超えると、生産効率が低下するおそれがある。
(通電工程)
上記通電工程では、プリント配線板用原板Xのアノード4の各対向面と対向する領域毎に電流密度の異なる電流を通電する。上記通電工程では、装置の個性等に起因してめっき層の厚さが薄くなり易い領域に対応する対向面の電流密度を大きくするようにプリント配線板用原板Xに電流を通電する。この通電工程によって、図4Bに示すように、シード層12の外面にめっき層13が積層される。なお、当該プリント配線板の製造方法は、上記通電工程の前に、無電解めっき工程を有していてもよい。つまり、当該プリント配線板の製造方法は、この無電解めっき工程でシード層12の外面に積層された無電解めっき層の外面にめっき層13を積層してもよい。
上記通電工程は、ベースフィルム11及びこのベースフィルム11の一方の面側に積層されるシード12層を有するプリント配線板用原板Xを、シード層12の外面とアノード4の第1の対向面6a及び第2の対向面7aとが対向するように配置した状態で行う。当該プリント配線板の製造方法は、上記通電工程がアノード4の各対向面と対向するプリント配線板用原板の領域毎に電流密度の異なる電流を通電するので、装置の個性等に起因してめっき層の厚さが薄くなり易い特定の領域に対向する対向面の電流密度を大きくしてめっき効率を高めることでめっき層13の厚さの均一化を図ることができる。
上記通電工程で積層するめっき層13の主成分としては、銅、ニッケル、銀等が挙げられる。中でも、導通性に優れ、かつ比較的安価で均一な厚さのめっき層13を形成し易い銅が好ましい。
上記通電工程で積層するめっき層13の平均厚さの下限としては、10μmが好ましく、15μmがより好ましい。一方、めっき層13の平均厚さの上限としては、100μmが好ましく、70μmがより好ましい。めっき層13の平均厚さが上記下限に満たないと、めっき層13が損傷し易くなるおそれがある。逆に、めっき層13の平均厚さが上記上限を超えると、プリント配線板の薄型化が困難になると共に、めっき層13が損傷し易くなるおそれがある。
上記通電工程で積層するめっき層13の最大厚さと最小厚さとの差の上限としては、3μmが好ましく、2μmがより好ましい。めっき層13の最大厚さと最小厚さとの差が上記上限を超えると、厚さの均一化が図られた導電層を形成し難くなるおそれがある。なお、めっき層13の最大厚さと最小厚さとの差は小さい程好ましく、その差の下限としては、0μmとすることができる。
(パターニング工程)
上記パターニング工程では、図4Cに示すように、シード層12及びめっき層13の積層体をパターニングすることでベースフィルム11の一方の面側に導電パターン14を形成する。上記パターニング工程としては、例えばシード層12及びめっき層13の積層体にレジストパターン等のマスキングを施してエッチングする方法を採用することが可能である。
(セミアディティブ法を用いた方法)
続いて、図5A〜5Dを参照して、セミアディティブ法を用いた当該プリント配線板の製造方法について説明する。当該プリント配線板の製造方法は、シード層積層工程と、レジストパターン形成工程と、通電工程と、導電パターン形成工程とを備える。なお、当該プリント配線板の製造方法におけるシード層積層工程は、上述のサブトラクティブ法を用いた場合のシード層積層工程と同様のため、説明を省略する。
(レジストパターン形成工程)
上記レジストパターン形成工程では、図5Aに示すように、シード層積層工程で積層されたシード層12の外面にレジストパターンZを形成する。具体的には、上記レジストパターン形成工程では、まずシード層12の外面に感光性レジストを積層する。次に、露光、現像等により、レジストに対して導電パターンに対応するパターニングを行い、レジストパターンZを形成する。
(通電工程)
上記通電工程では、プリント配線板用原板Xのアノード4の各対向面と対向する領域毎に電流密度の異なる電流を通電する。上記通電工程では、装置の個性等に起因してめっき層の厚さが薄くなり易い領域に対応する対向面の電流密度を大きくするようにプリント配線板用原板Xに電流を通電する。この通電工程によって、図5Bに示すように、レジストパターンZが積層されていないシード層12の外面にめっき層15が積層される。なお、当該プリント配線板の製造方法は、上述のサブトラクティブ法を用いた場合と同様、上記通電工程の前に、無電解めっき工程を有していてもよい。また、上記通電工程で積層するめっき層15の主成分、平均厚さ、及び最大厚さと最小厚さとの差としては、上述のサブトラクティブ法を用いた場合と同様とすることができる。
(導電パターン形成工程)
上記導電パターン形成工程では、図5Dに示すように、ベースフィルム11の一方の面側に導電パターン16を形成する。具体的には、上記導電パターン形成工程では、まず図5Cに示すようにレジストパターンZを除去し、続いて図5Dに示すようにシード層12のレジストパターンZが積層されていた領域をエッチングによって除去する。
[第二実施形態]
<プリント配線板用めっき装置>
図6〜図8のプリント配線板用めっき装置21は、めっき液Yを貯留するめっき槽2と、めっき液Yに浸漬され、カソードを構成するプリント配線板用原板Xを固定する固定治具23と、めっき液Yに浸漬され、プリント配線板用原板Xに対向して配設されるアノード24と、アノード24及びプリント配線板用原板Xに電圧を印加する機構5とを備える。また、アノード24は、プリント配線板用原板Xに対向する第1の対向面26a及び第2の対向面27aを有する。当該プリント配線板用めっき装置21は、第1の対向面26a及び第2の対向面27aの電流密度が異なる。なお、当該プリント配線板用めっき装置21は、アノード24及び固定治具23以外、図1のプリント配線板用めっき装置1と同様に構成されている。そのため、以下では、アノード24及び固定治具23についてのみ説明する。
(アノード)
アノード24は、厚さが一定、かつ板状の第1アノード26及び第2アノード27を有する。また、第1アノード26及び第2アノード27は、平面形状が各々矩形状に形成されており、図7に示すように、正面視で第1アノード26及び第2アノード27の上縁及び下縁は一致しており、かつ第2アノード27の両側縁部が第1アノード26の両側縁部から外側に突出している。つまり、正面視で第2アノード27の両側縁が第1アノード26の両側縁の外側に位置している。
第1アノード26及び第2アノード27は、平行に配設されている。また、第1アノード26は、第22アノード7よりもプリント配線板用原板X側に配設されている。第1アノード26は、プリント配線板用原板Xと対向する第1の対向面26aを有する。また、第2アノード27は、プリント配線板用原板Xと対向する第2の対向面27aを有する。
当該プリント配線板用めっき装置21は、上述のように正面視で第1アノード26及び第2アノード27の上縁及び下縁は一致しており、かつ第2アノード27の両側縁部が第1アノード26の両側縁部から外側に突出している。これにより、アノード24は、第1の対向面26aの対向する一対の端縁部に上記第2の対向面27aが配設されている。当該プリント配線板用めっき装置21は、かかる構成を有することで、厚さのバラツキが生じ易いプリント配線板用原板の固定治具23との連結部近傍及びその他の領域に対応して第1の対向面及び第2の対向面を対応させ易く、これによりプリント配線板用原板のめっき層の厚さの均一化を促進し易い。
また、第2の対向面27aの電流密度は第1の対向面26aの電流密度よりも大きいことが好ましい。当該プリント配線板用めっき装置21は、このように第2の対向面27aの電流密度が第1の対向面26aの電流密度よりも大きいことによって、プリント配線板用原板の固定治具23との連結部分近傍に対応する対向面の電流密度を大きくすることで、プリント配線板用原板のめっき層の厚さの均一化を促進し易い。
めっき液Yに浸漬した状態における第2の対向面7aの外縁とこの外縁の内側に配設される第1の対向面26aの外縁との平均距離Lの下限としては、5mmが好ましく、10mmがより好ましい。一方、上記平均距離Lの上限としては、30mmが好ましく、20mmがより好ましい。上記平均距離Lが上記下限に満たないと、プリント配線板用原板Xの固定治具23との連結部分近傍におけるめっき層の厚さが不十分となるおそれがある。逆に、上記平均距離Lが上記上限を超えると、プリント配線板用原板Xにおける第2の対向面27aと対向する領域のめっき層の厚さが厚くなり過ぎるおそれがある。
なお、めっき液Yに浸漬された状態におけるアノード24の上下方向の平均長さ、対向面の水平方向の平均長さ、第1アノード26及び第2アノード27の厚さ方向の平均間隔、アノード24のうち最もプリント配線板用原板X側に配設されるアノード(本実施形態においては第1アノード26)とプリント配線板用原板Xとの平均間隔、第1の対向面26aの電流密度、第2の対向面27aの電流密度、第2の対向面27a及び第1の対向面26aの電流密度の差としては、図1のプリント配線板用めっき装置1と同様とすることができる。また、第1アノード26及び第2アノード27は、図1のプリント配線板用めっき装置1と同様、溶性アノードであってもよく、不溶性アノードであってもよい。
(固定治具)
固定治具23は、プリント配線板用原板Xの一対の側縁を保持するフレーム23aと、このフレーム23aから上方に延出する一対のアーム23bとを有する。一対のアーム23bは、めっき液Yの液面よりも上方に懸架されるバー(図示省略)に係合され、フレーム23a及びこのフレーム23aに保持されるプリント配線板用原板Xをめっき液Y中に保持する。
[第三実施形態]
<プリント配線板用めっき装置>
図9のプリント配線板用めっき装置31は、めっき液Yを貯留するめっき槽2と、めっき液Yに浸漬され、カソードを構成するプリント配線板用原板を固定する固定治具3と、めっき液Yに浸漬され、プリント配線板用原板の両面側に対向して配設される一対のアノード34と、一対のアノード34及びプリント配線板用原板に電圧を印加する機構35とを備える。また、一対のアノード34は、それぞれプリント配線板用原板に対向する第1の対向面36a及び第2の対向面37aを有する。当該プリント配線板用めっき装置31は、第1の対向面36a及び第2の対向面37aの電流密度が異なる。なお、当該プリント配線板用めっき装置31におけるプリント配線板用原板は、ベースフィルムの両面側にそれぞれシード層が積層されている。
各アノード34は、図1のプリント配線板用めっき装置1のアノード4と同様の構成を有する。つまり、当該プリント配線板31では、プリント配線板用原板の両面側にそれぞれ図1のプリント配線板用めっき装置1のアノード4が配設されている。
当該プリント配線板用めっき装置31は、一対のアノード34がプリント配線板用原板の両面に対向して配設されているので、プリント配線板用原板の両面側にめっき層を積層することができる。また一般に、プリント配線板用めっき装置では、めっき層の厚さが薄くなり易い領域がベースフィルムの表裏で略一致している。従って、当該プリント配線板用めっき装置31は、プリント配線板用原板の両面側に配設される一対のアノード34を同様の構成とすることで、ベースフィルムの両面側に積層される各めっき層の厚さの均一化を図り易い。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば当該プリント配線板用めっき装置は、アノードがプリント配線板用原板との距離が異なる複数の対向面を有する必要はなく、複数の対向面とプリント配線板用原板との距離が等しくてもよい。このように、複数の対向面とプリント配線板用原板との距離を等しくする構成としては、例えば図10のアノード44を用いる構成が挙げられる。図10のアノード44は、第1アノード46と、第1アノード46の一対の側縁の外側に配設される一対の第2アノード47とを有する。第1アノード46及び一対の第2アノード47は、それぞれ板状に形成されている。また、図10のアノード44は、第1の対向面46aが第1アノード46のプリント配線板用原板と対向する面に形成され、第2の対向面47aが第2アノード47のプリント配線板用原板と対向する面に形成されている。さらに、第1の対向面46a及び第2の対向面47aは同一の仮想平面内に含まれている。当該プリント配線板用めっき装置は、このような構成であっても、第1の対向面46a及び第2の対向面47aの電流密度が異なることによってめっき層の厚さの均一化を図ることができる。
また、当該プリント配線板用めっき装置は、アノードが第1の対向面及び第2の対向面を有する場合でも、この第1の対向面及び第2の対向面の配置関係は上記実施形態で説明した構成に限定されるものではなく、例えば図11に示す配置関係とすることも可能である。図11のアノード54は、第2アノード57よりもプリント配線板用原板側に第1アノード56が配設されている。図11のアノード54は、第1アノード56が第1の対向面56aを有し、第2アノード57が第2の対向面57aを有している。また、図11のアノード54は、第1の対向面56aの対向する一対の端縁部(上縁部及び下縁部)に第2の対向面57aが配設されている。当該プリント配線板用めっき装置は、このような構成によっても、厚さのバラツキが生じ易い上下の領域及びその他の領域に対応して第1の対向面及び第2の対向面を対応させ易く、これによりプリント配線板用原板のめっき層の厚さの均一化を促進し易い。
また当該プリント配線板用めっき装置は、第2の対向面が第1の対向面の周囲を囲むように配設される場合、又は第1の対向面に対向する一対の端縁部に第2の対向面が配設される場合、第1の対向面の電流密度を第2の対向面の電流密度よりも大きくしてもよい。
当該プリント配線板用めっき装置は、必ずしもアノードが第1の対向面及び第2の対向面のみを有する必要はなく、3以上の対向面を有していてもよい。このように3以上の対向面を有するアノードとしては、例えば図12〜図14に示す構成が挙げられる。
図12のアノード64は、第1の対向面66aの両側縁部に一対の第2の対向面67aが配設され、さらに一対の第2の対向面67aの両側縁部に一対の第3の対向面68aが配設されている。また、図13のアノード74は、一方の側縁から他方の側縁に亘って斜めに伸びる(上下方向に傾斜して伸びる)複数の対向面76a,77a,78a,79a,80aを有する。さらに、図14のアノード84は、菱形状の複数の対向面を有する。当該プリント配線板用めっき装置は、このように複数の対向面を装置の個性に合わせて適宜配設することができるので、プリント配線板用原板のめっき層の厚さの均一化を促進し易い。
上記固定治具の形状は、特に限定されるものではなく、種々の構成を採用することが可能である。また、固定治具の形状とアノードの複数の対向面との対応関係は上記実施形態で説明した構成に限られるものではなく、必要に応じて選択可能である。
上記電圧印加機構の構成は、複数の対向面の電流密度を異ならせることができる限り特に限定されるものではない。また、当該プリント配線板用めっき装置は、上記電圧印加機構が複数の電源を有する場合、各電源のON/OFFを個別に制御することで、複数の対向面の電流密度を調整し、これによりめっき層の厚さの均一化を図ってもよい。
当該プリント配線板用めっき装置は、プリント配線板用原板の両面側に一対のアノードが配設される場合であっても、この一対のアノードは同様の構成を有する必要はなく、各々異なる複数の対向面を有していてもよい。
当該プリント配線板の製造方法は、上記通電工程を有する限り、その他の工程は特に限定されるものではない。当該プリント配線板の製造方法は、上記第一実施形態のプリント配線板用めっき装置を用いて行う必要はなく、第二実施形態又は第三実施形態のプリント配線板用めっき装置を用いて行ってもよく、またその他の実施形態で上述したような構成のプリント配線板用めっき装置を用いて行ってもよい。
以上のように、本発明のプリント配線板用めっき装置及びプリント配線板の製造方法は、めっき層の厚さの均一化を図ることができるので、高品質なプリント配線板の製造に適している。
1,21,31 プリント配線板用めっき装置
2 めっき槽
3,23 固定治具
3a,23a フレーム
3b,23b アーム
4,24,34,44,54,64,74,84 アノード
5,35 電圧印加機構
5a 電源
6,26,46,56 第1アノード
6a,26a,36a,46a,56a,66a 第1の対向面
7,27,47,57 第2アノード
7a,27a,37a,47a,57a,67a 第2の対向面
11 ベースフィルム
12 シード層
13,15 めっき層
14,16 導電パターン
68a 第3の対向面
76a,77a,78a,79a,80a 対向面
X プリント配線板用原板
Y めっき液
Z レジストパターン

Claims (6)

  1. めっき液を貯留するめっき槽と、
    このめっき液に浸漬され、カソードを構成するプリント配線板用原板を固定する固定治具と、
    上記めっき液に浸漬され、上記プリント配線板用原板に対向して配設されるアノードと、
    上記アノード及びプリント配線板用原板に電圧を印加する機構とを備えるプリント配線板用めっき装置であって、
    上記アノードが、上記プリント配線板用原板に対向する複数の対向面を有し、
    上記複数の対向面の電流密度が異なるプリント配線板用めっき装置。
  2. 上記アノードが、上記プリント配線板用原板との距離が異なる複数の対向面を有する請求項1に記載のプリント配線板用めっき装置。
  3. 上記アノードが、第1の対向面及び第2の対向面を有し、第2の対向面が第1の対向面の周囲を囲むように配設されている請求項1又は請求項2に記載のプリント配線板用めっき装置。
  4. 上記アノードが、第1の対向面及び第2の対向面を有し、上記第1の対向面の対向する一対の端縁部に上記第2の対向面が配設されている請求項1又は請求項2に記載のプリント配線板用めっき装置。
  5. 上記第2の対向面の電流密度が第1の対向面の電流密度よりも大きい請求項3又は請求項4に記載のプリント配線板用めっき装置。
  6. めっき液を貯留するめっき槽と、
    このめっき液に浸漬され、カソードを構成するプリント配線板用原板を固定する固定治具と、
    上記めっき液に浸漬され、上記プリント配線板用原板に対向して配設されるアノードと、
    上記アノード及びプリント配線板用原板に電圧を印加する機構とを備えるプリント配線板用めっき装置を用いたプリント配線板の製造方法であって、
    上記アノードが、上記プリント配線板用原板に対向する複数の対向面を有し、
    上記プリント配線板用原板の各対向面と対向する領域毎に電流密度の異なる電流を通電する通電工程を有するプリント配線板の製造方法。
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