JP2004047788A - 半導体装置の製造方法および半導体製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエハ表面にめっきにより形成される導電膜の厚さを均一にする半導体装置の製造方法および半導体製造装置を提供する。
【解決手段】ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、導電膜形成工程を、ウエハに対向するアノードを配置し、アノードと前記ウエハとの間に1つまたは複数の補助アノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程とする。前記導電膜形成工程を、ウエハの周囲に補助カソードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程とする。前記導電膜形成工程を、ウエハに配置した給電ピンの配置位置に対応させて、ウエハの周囲に補助カソードを配置し、補助カソードおよびウエハに対向するアノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程とする。
【選択図】 なし
【解決手段】ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、導電膜形成工程を、ウエハに対向するアノードを配置し、アノードと前記ウエハとの間に1つまたは複数の補助アノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程とする。前記導電膜形成工程を、ウエハの周囲に補助カソードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程とする。前記導電膜形成工程を、ウエハに配置した給電ピンの配置位置に対応させて、ウエハの周囲に補助カソードを配置し、補助カソードおよびウエハに対向するアノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法および半導体製造装置に関し、特に、半導体装置を構成する平面ウエハ上に、電解めっきにより導電膜を形成する際に、導電膜の厚みを均一に形成する方法を改善した半導体装置の製造方法および半導体製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置の構造として、例えば半導体チップを樹脂に封止した装置(いわゆるDual Inline PackageやQuad Flat Package)では、樹脂装置周辺の側面に金属リード電極を配置する周辺端子配置型が主流であった。
【0003】
これに対し、近年、急速に普及している半導体装置構造として、例えばCSP(チップスケールパッケージ)と呼ばれる、装置の平坦な表面に電極を平面上に配置した、いわゆるボールグリッドアレイ(BGA)技術の採用により、同一電極端子数を持つ同一投影面積の半導体チップを、従来より小さい面積で電子回路ウエハに高密度実装することを可能とする装置構造がある。
【0004】
BGAタイプの半導体装置においては、装置の面積が半導体チップの面積にほぼ等しい、いわゆるチップスケールパッケージ(CSP)と呼ばれる構造が、前述のBGA電極配置構造とともに開発され、電子機器の小型軽量化に大きく貢献している。
チップスケールパッケージは、回路を形成したり、シリコンウエハ(以下、「ウエハ」と略す。)を切断し、個々の半導体チップについて個別に装置化工程を施し、装置を完成するものである。
【0005】
これに対し、一般的に「ウエハレベルCSP」と呼ばれる製法においては、このウエハ上に、絶縁層、再配線層、封止層などを形成し、はんだバンプを形成する。そして、最終工程においてウエハを所定のチップ寸法に切断することで装置構造を具備した半導体チップを得ることができる。この製法では、ウエハ全面に、これらの回路を積層し、最終工程においてウエハをダイシングすることから、切断したチップそのものの大きさが、装置の施された半導体チップとなり、実装ウエハに対して最小投影面積を有する半導体チップを得ることが可能となる。
【0006】
このような半導体装置の製造において、ウエハ上に電極を形成する方法の1つとしては、フォトレジストなどを用い、フォトリソグラフィ技術により、電極の形成位置に整合するパターンの開口部を有するレジスト膜を形成し、銅などの金属めっきにより、電極をなす導電層を形成し、目的形状の電極を形成する方法がある。
【0007】
また、めっきによるウエハ上への導電膜の形成方法は、めっき装置の形態から、以下に示すディップ式とカップ式の2種類に大別できる。
ディップ式は、周辺部に給電ピンを取り付けたウエハを、めっき浴に鉛直に浸漬する方式であり、制御板による電流密度分布制御、めっき液流制御、めっき液攪拌制御などを行なって、めっきが施される。
カップ式は、水平にウエハを配置し、めっき浴に鉛直に浸漬する方式であり、ウエハの取り付け向きにより、フェースダウン型またはフェースアップ型の方法がある。カップ式では、アノード形状がメッシュ型あるいはドーナツ型であり、めっき液流制御などを行って、めっきが施される。
これら2つのめっき方法では、ウエハを鉛直に配置するディップ式の方が、めっき装置のめっき槽を小さくできる上に、複数のウエハを同時にめっきすることができるなどの特徴がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようなディップ式では、ウエハ表面のめっきの厚さを均一にするために、制御板を用いて電流密度分布の補正を行っているが、制御板の適正形状を得るには、多数の試行を必要とするため、非常に困難である。さらに、カップ式では、ウエハの周辺部分に給電ピンを配置するため、給電ピンの周辺部分の電流密度が高くなり、結果として、めっきの厚さは、ウエハの中央部分で薄く、周辺部分で厚くなる。このように、従来のめっき方法では、ウエハに均一厚さでめっきするのは困難であった。
【0009】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、ウエハ表面にめっきにより形成される導電膜の厚さを均一にする半導体装置の製造方法および半導体製造装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の半導体装置の製造方法は、ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、前記導電膜形成工程は、前記ウエハに対向する複数のアノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であることを特徴とする。
請求項2記載の半導体装置の製造方法は、ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、前記導電膜形成工程は、前記ウエハに対向するアノードを配置し、該アノードと前記ウエハとの間に1つまたは複数の補助アノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であることを特徴とする。
請求項3記載の半導体装置の製造方法は、前記補助アノードを、前記ウエハの中央部付近に対向させて配置することを特徴とする。
請求項4記載の半導体装置の製造方法は、前記補助アノードの大きさが、前記アノードよりも小さいことを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の半導体装置の製造方法は、ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、前記導電膜形成工程は、前記ウエハの周囲に補助カソードを配置し、該補助カソードおよび前記ウエハに対向するアノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であることを特徴とする。
請求項6記載の半導体装置の製造方法は、ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、前記導電膜形成工程は、前記ウエハの表面に給電ピンを配置し、前記ウエハの周囲で、かつ、前記給電ピンの周辺に補助カソードを配置し、該補助カソードおよび前記ウエハに対向するアノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であることを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の半導体製造装置は、ウエハ上に電解めっきにより導電膜を形成する半導体製造装置であって、前記ウエハに対向して配置された複数のアノードと、電解めっき用給電部とを備えたことを特徴とする。
請求項8記載の半導体製造装置は、ウエハ上に電解めっきにより導電膜を形成する半導体製造装置であって、前記ウエハに対向して配置されたアノードと、前記ウエハと前記アノードとの間に配置された1つまたは複数の補助アノードと、電解めっき用給電部とを備えたことを特徴とする。
請求項9記載の半導体製造装置は、前記補助アノードが、前記ウエハの中央部付近に対向させて配置されたことを特徴とする。
請求項10記載の半導体製造装置は、前記補助アノードの大きさは、前記アノードの大きさよりも小さいことを特徴とする。
請求項11記載の半導体製造装置は、ウエハ上に電解めっきにより導電膜を形成する半導体製造装置であって、前記ウエハの周囲に配置された補助カソードと、前記ウエハおよび前記補助カソードに対向して配置されたアノードと、電解めっき用給電部とを備えたことを特徴とする。
請求項12記載の半導体製造装置は、ウエハ上に電解めっきにより導電膜を形成する半導体製造装置であって、前記ウエハに配置された給電ピンの配置位置に対応させて、前記ウエハの周囲に配置された補助カソードと、該補助カソードおよび前記ウエハに対向して配置されたアノードと、電解めっき用給電部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の半導体装置の製造方法は、ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、前記導電膜形成工程は、電解めっきにより導電膜を形成する工程からなるものである。
【0014】
まず、本発明の第1の実施形態を、図1を参照して説明する。
この実施形態の半導体製造装置は、ウエハ1に対向して配置されたアノード2と、ウエハ1とアノード2との間に配置された補助アノード3と、ウエハ1とアノード2に給電する第1の電源12(電解めっき用給電部)と、ウエハ1と補助アノード3に給電する第2の電源14(電解めっき用給電部)と、めっき浴(図示略)と、第1の電源12、第2の電源14を制御する制御部(図示略)とから概略構成されている。
符号11は導線であり、ウエハ1とアノード2を第1の電源12に接続するものである。また、符号13は導線であり、ウエハ1と補助アノード3を第2の電源14に接続するものである。
ウエハ1に対する補助アノード3の支持位置、つまり、ウエハ1からの距離、ウエハ1の表面に沿った方向の位置に、可動支持機構を有していることが好ましい。
【0015】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、上記導電膜形成工程を以下のように行う。
まず、ウエハ1の表面に、フォトレジストなどを用いて、フォトリソグラフィ技術により、導電膜の形成位置に整合する微細なパターンの開口部を有するレジスト膜(図示略)を形成する。
次いで、ウエハ1、アノード2および補助アノード3を図示略のめっき浴に浸漬する。なお、本発明の半導体装置の製造方法で用いられるめっき浴としては、一般的に電解めっきに用いられるものは全て挙げられる。
次いで、第1の電源12と第2の電源14から出力する電流を、それぞれ独立に調整し、ウエハ1の表面をめっきし、所望のパターンを有する、厚さの均一な導電膜を形成する。
【0016】
通常、半導体装置用のウエハ1は、直径150mm〜200mm程度のシリコンからなる円板状であるが、これに対して補助アノード3は、例えば、直径20〜30mm程度の円板状あるいは球状のものである。補助アノード3の形状、寸法は、これらに限定されるものではなく、角板状、円環状などであってもよい。また、補助アノード3の材質は特に限定されるものではなく、一般的に電解めっきにおいて用いられるアノードを形成する材料で形成されていればよい。さらに、補助アノード3を配置する位置は、アノード2よりも、ウエハ1に近い位置とし、ウエハ1の中央部付近とすることが好ましい。
また、アノード2の材質は特に限定されるものではなく、一般的に電解めっきにおいて用いられるアノードを形成する材料で形成されていればよく、その大きさは、ウエハ1と同程度とする。さらに、アノード2としては、円板状、角板状、円環状などのものが用いられる。
【0017】
この実施形態の半導体装置の製造方法の導電膜形成工程において、第1の電源12または第2の電源14から出力する電流の大きさ、補助アノード3とウエハ1の間隔、補助アノード3とアノード2の間隔などは、ウエハ1の大きさや、所望のめっきの厚さなどに応じて適宜設定される。
【0018】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、ウエハ1とアノード2に出力する電流の大きさと、ウエハ1と補助アノード3に出力する電流の大きさを、それぞれ独立に調整することにより、従来、ウエハ1の外周部付近に集中していた電流密度分布を補正して、ウエハ1の中央部における電流密度も高くなるようにし、その結果として、ウエハ1の表面全面における電流密度分布をほぼ均一にすることができる。したがって、めっきにより、ウエハ1の表面に厚さの均一な導電膜を形成することができる。例えば、補助アノード3をウエハ1の中央部付近に対向配置すれば、従来、ウエハ1の外周部付近に集中していた電流密度分布が補正され、ウエハ1の中央部における電流密度も高くなり、ウエハ1の表面全面における電流密度分布がほぼ均一なる。
【0019】
次に、本発明の第2の実施形態を、図2を参照して説明する。
この実施形態の半導体製造装置は、ウエハ1に対向して配置されたアノード2と、ウエハ1とアノード2との間に配置された補助アノード3と、ウエハ1、アノード2および補助アノード3に給電する電源16(電解めっき用給電部)と、めっき浴(図示略)と、電源16を制御する制御部(図示略)とから概略構成されている。
符号15は導線であり、ウエハ1、アノード2および補助アノード3を電源16に接続するものである。
ウエハ1に対する補助アノード3の支持位置、つまり、ウエハ1からの距離、ウエハ1の表面に沿った方向の位置に、可動支持機構を有していることが好ましい。
【0020】
この実施形態の半導体装置の製造方法が、上記第1の実施形態と異なる点は、ウエハ1とアノード2の間隔、および、ウエハ1と補助アノード3の間隔を調整することにより、ウエハ1の表面をめっきする点である。
【0021】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、ウエハ1、アノード2および補助アノード3に出力する電流の大きさを一定とし、ウエハ1とアノード2の間隔、および、ウエハ1と補助アノード3の間隔を、それぞれ独立に調整することにより、従来、ウエハ1の外周部付近に集中していた電流密度分布を補正して、ウエハ1の中央部における電流密度も高くなるようにし、その結果として、ウエハ1の表面全面における電流密度分布をほぼ均一にすることができる。したがって、めっきにより、ウエハ1の表面に厚さの均一な導電膜を形成することができる。この実施形態でも、例えば、補助アノード3をウエハ1の中央部付近に対向配置すれば、従来、ウエハ1の外周部付近に集中していた電流密度分布が補正され、ウエハ1の中央部における電流密度も高くなり、ウエハ1の表面全面における電流密度分布がほぼ均一なる。
【0022】
なお、上記第1の実施形態および第2の実施形態では、ウエハ1とアノード2に出力する電流の大きさ、および、ウエハ1と補助アノード3に出力する電流の大きさを、それぞれ独立に調整する方法と、ウエハ1とアノード2の間隔、および、ウエハ1と補助アノード3の間隔を、それぞれ独立に調整する方法を別々に用いているが、本発明の半導体装置の製造方法では、これら両方の方法を合わせて用いてもよい。このようにすれば、ウエハ1の表面における電流密度分布の補正を、より精密に行うことができる。
【0023】
次に、本発明の第3の実施形態を、図3を参照して説明する。
この実施形態の半導体製造装置は、ウエハ1に対向して配置されたアノード2と、ウエハ1とアノード2との間に配置された、大きさの異なる第1の補助アノード4および第2の補助アノード5と、ウエハ1、アノード2、第1の補助アノード4および第2の補助アノード5に給電する電源16(電解めっき用給電部)と、めっき浴(図示略)と、電源16を制御する制御部(図示略)とから概略構成されている。
符号15は導線であり、ウエハ1、アノード2および補助アノード3を電源16に接続するものである。
ウエハ1に対する補助アノード3の支持位置、つまり、ウエハ1からの距離、ウエハ1の表面に沿った方向の位置に、可動支持機構を有していることが好ましい。
【0024】
この実施形態の半導体装置の製造方法が、上記第1の実施形態および第2の実施形態と異なる点は、ウエハ1とアノード2の間隔、ウエハ1と第1の補助アノード4の間隔、ウエハ1と第2の補助アノード5の間隔を調整することにより、ウエハ1の表面をめっきする点である。
【0025】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、ウエハ1により近く配置する第1の補助アノード4の大きさを、第2の補助アノード5の大きさよりも小さくすることが好ましい。また、第1の補助アノード4と第2の補助アノード5の形状、寸法は同一である必要はない。また、第1の補助アノード4、第2の補助アノード5は、例えば、直径20〜30mm程度の円板状あるいは球状であるか、角板状、円環状などであってもよい。また、第1の補助アノード4、第2の補助アノード5の材質は特に限定されるものではなく、一般的に電解めっきにおいて用いられるアノードを形成する材料で形成されていればよい。
さらに、第1の補助アノード4と第2の補助アノード5は一直線上に配置する必要もなく、ウエハ1の大きさなどに応じて、適宜の位置に配置する。
具体的には、第1の補助アノード4および第2の補助アノード5をウエハ1の中央部付近に対向配置する。このようにすれば、従来、ウエハ1の外周部付近に集中していた電流密度分布が補正され、ウエハ1の中央部における電流密度も高くなり、ウエハ1の表面全面における電流密度分布がほぼ均一なる。
【0026】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、ウエハ1、アノード2、第1の補助アノード4および第2の補助アノード5に出力する電流の大きさを一定とし、ウエハ1とアノード2の間隔、および、ウエハ1と補助アノード3の間隔を、それぞれ独立に調整することにより、従来、ウエハ1の外周部付近に集中していた電流密度分布を補正して、ウエハ1の中央部における電流密度も高くなるようにし、その結果として、ウエハ1の表面全面における電流密度分布をほぼ均一にすることができる。したがって、めっきにより、ウエハ1の表面に厚さの均一な導電膜を形成することができる。
【0027】
なお、上記第1の実施形態〜第3の実施形態では、補助アノードを1個または2個用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ウエハ1の大きさなどに応じて、3個以上用いてもよい。
【0028】
次に、本発明の第4の実施形態を、図4および図5を参照して説明する。
この実施形態の半導体製造装置は、ウエハ6周囲に配置された補助カソード7と、ウエハ6および補助カソード7に対向して配置されたアノード8と、ウエハ6、補助カソード7およびアノード8に給電する電源16(電解めっき用給電部)と、電源16を制御する制御部(図示略)とから概略構成されている。
また、補助カソード7は、ウエハ6をその中央部に保持することができるホルダを有する構造となっている。そして、ウエハ6が、めっき中は補助カソード7のホルダに保持され、めっき終了後は取り外される。
符号15は導線であり、ウエハ6、補助カソード7およびアノード8を電源16に接続するものである。
【0029】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、上記導電膜形成工程を以下のように行う。
まず、円板状のシリコンからなるウエハ6の表面に、フォトレジストなどを用いて、フォトリソグラフィ技術により、導電膜の形成位置に整合する微細なパターンの開口部を有するレジスト膜(図示略)を形成する。
次いで、補助カソード7のホルダでウエハ6を保持し、ウエハ6および補助カソード7に対向するようにアノード8を配置する。このとき、ウエハ6と補助カソード7とは接触していても、接触していなくてもよい。また、図5に示すように、ウエハ6の表面と補助カソード7の表面が面一となるように、両者が配置されている。
次いで、ウエハ6、補助カソード7およびアノード8を図示略のめっき浴に浸漬し、電源16から出力する電流を調整し、ウエハ6の表面をめっきし、所望のパターンを有する、厚さの均一な導電膜を形成する。
【0030】
通常、半導体装置用のウエハ6の直径は、上述のように150mm〜200mm程度であるが、これに対して補助カソード7は、ウエハ150mmに対してカソード151mm〜180mm程度、ウエハ200mmに対してカソード201mm〜230mm程度の円環状のものである。補助カソード7の形状、寸法は、円環状に限定されるものではなく、その中心部に、ウエハ7が入る程度の開口部を有する角板状のものであってもよい。また、補助カソード7の材質は特に限定されるものではなく、一般的に電解めっきにおいて用いられるカソードを形成する材料で形成されていればよい。
また、アノード8の材質は特に限定されるものではなく、一般的に電解めっきにおいて用いられるアノードを形成する材料で形成されていればよく、その大きさは、ウエハ6および補助カソード7を合わせた大きさと同程度とする。さらに、アノード8としては、円板状、角板状、円環状などのものが用いられる。
【0031】
この実施形態の半導体装置の製造方法の導電膜形成工程において、電源16から出力する電流の大きさ、補助カソード7の大きさ、ウエハ6と補助カソード7の間隔、ウエハ6および補助カソード7とアノード8の間隔などは、ウエハ6の大きさや、所望のめっきの厚さなどに応じて適宜設定される。
【0032】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、ウエハ6の外周部の周囲に補助カソード7を配置し、補助カソード7に電流を集中させて、この部分の電流密度を高くする。この際、ウエハ6と補助カソード7を一体のカソードとみなし(以下、「カソードユニット」とも言う。)、このカソードユニットの表面全面をめっきすると、ウエハ6の表面の面積よりも、大きな領域をめっきすることになる。このカソードユニットの表面に施されためっきの厚さは、カソードユニットの外周部で厚く、中央部で薄くなるが、ウエハ6は、このカソードユニットの中央部をなすから、結果として、ウエハ6の表面において、厚さの均一なめっきからなる導電層が形成される。
【0033】
次に、本発明の第5の実施形態を、図6を用いて説明する。
この実施形態の半導体製造装置は、ウエハ6の周囲に配置された補助カソード7と、ウエハ6および補助カソード7に対向して配置されたアノード8と、ウエハ6、補助カソード7およびアノード8に給電する電源16(電解めっき用給電部)と、電源16を制御する制御部(図示略)とから概略構成されている。
また、補助カソード7は、ウエハ6をその中央部付近に、補助カソード7と所定の間隔をおいて保持することができるホルダを有する構造となっている。そして、ウエハ6が、めっき中は補助カソード7のホルダに保持され、めっき終了後は取り外される。
符号15は導線であり、ウエハ1、アノード2および補助アノード3を電源16に接続するものである。
【0034】
この実施形態の半導体装置の製造方法が、上記第4の実施形態と異なる点は、ウエハ6の外周部の周囲に補助カソード7を配置するが、ウエハ6の表面と補助カソード7の表面が面一となっておらず、両者を、所定の間隔をおいて配置する点である。具体的には、補助カソード7をウエハ6よりもアノード8側にずらして配置し、より、補助カソード7に電流を集中させて、この部分の電流密度を高くし、上記第4の実施形態と同様に、ウエハ6の表面において、厚さの均一なめっきからなる導電層を形成する。
【0035】
この実施形態の半導体装置の製造方法の導電膜形成工程においても、電源16から出力する電流の大きさ、補助カソード7の大きさ、ウエハ6の表面と補助カソード7の表面との間隔、ウエハ6および補助カソード7とアノード8の間隔などは、ウエハ6の大きさや、所望のめっきの厚さなどに応じて適宜設定される。
【0036】
なお、上記第4の実施形態および第5の実施形態において、図4〜図6に示すように補助カソードを1つ用いた例を示したが、本発明の半導体装置の製造方法にあっては、例えば図7に示すように、補助カソードを複数用いてもよい。
【0037】
次に、本発明の第6の実施形態を、図7を参照して説明する。
この実施形態の半導体製造装置は、ウエハ9の表面に配置された給電ピン17と、ウエハ9の周囲で、かつ、給電ピン17の周辺に配置された補助カソード10と、ウエハ9および補助カソード10に対向して配置されたアノード(図示略)と、ウエハ9、補助カソード10、給電ピン17およびアノードに給電する図示略の電源(電解めっき用給電部)と、電源を制御する制御部(図示略)とから概略構成されている。
また、図7に示すように、ウエハ9の外周部の周囲で、給電ピン17が接触している面と反対側の面で、かつ、給電ピン17の周辺(付近)に、補助カソード10が配置されている。このとき、補助カソード10は、給電ピン17を保持するホルダに保持されている。なお、ウエハ9と補助カソード10とは接触していても、接触していなくてもよい。
さらに、導線(図示略)が、ウエハ9、補助カソード10、給電ピン17およびアノードを電源(図示略)に接続している。
【0038】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、上記導電膜形成工程を以下のように行う。
まず、円板状のシリコンからなるウエハ9の表面に、フォトレジストなどを用いて、フォトリソグラフィ技術により、導電膜の形成位置に整合する微細なパターンの開口部を有するレジスト膜(図示略)を形成する。
次いで、ウエハ9および補助カソード10に対向するようにアノード(図示略)を配置する。
次いで、ウエハ9、補助カソード10、給電ピン17およびアノードを図示略のめっき浴に浸漬し、電源から出力する電流を調整し、ウエハ9の表面をめっきし、所望のパターンを有する、厚さの均一な導電膜を形成する。
【0039】
通常、半導体装置用のウエハ9の直径は、上述のように150mm〜200mm程度であるが、これに対して補助カソード10は、例えば、ウエハ150mmに対してカソード151mm〜180mm程度、ウエハ200mmに対してカソード201mm〜230mm程度の円板状のものである。補助カソード10の形状、寸法は、これらに限定されるものではなく、角板状、円環状などであってもよい。また、補助カソード10の材質は特に限定されるものではなく、一般的に電解めっきにおいて用いられるカソードを形成する材料で形成されていればよい。
また、アノードの材質も特に限定されるものではなく、一般的に電解めっきにおいて用いられるアノードを形成する材料で形成されていればよく、その大きさは、ウエハ9および補助カソード10を合わせた大きさと同程度とする。さらに、アノードとしては、円板状、角板状、円環状などのものが用いられる。
【0040】
この実施形態の半導体装置の製造方法の導電膜形成工程において、電源から出力する電流の大きさ、補助カソード10の大きさや数、ウエハ9と補助カソード10の間隔、ウエハ9および補助カソード10とアノードの間隔などは、ウエハ9の大きさや、所望のめっきの厚さなどに応じて適宜設定される。
【0041】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、ウエハ9の外周部の周囲で、かつ、給電ピン17の周辺(付近)に、補助カソード10を配置し、これにより、給電ピンに集中する電流を、補助カソード10に集中させて、この部分の電流密度を高くする。これにより、上記第4の実施形態および第5の実施形態と同様に、ウエハ9表面において、厚さの均一なめっきからなる導電層が形成される。
【0042】
なお、上記第1の実施形態〜第6の実施形態では、ディップ式のめっき方法を例示して説明したが、本発明の半導体装置の製造方法は、カップ式のめっき方法にも同様に適用可能である。
さらに、本発明の半導体装置の製造方法では、導電膜形成工程において、めっき浴を攪拌して、めっき浴を循環させながらめっきを行うことが好ましい。このようにすれば、めっき浴中のめっき成分の偏りが生じることなどが抑制される。また、導電膜形成工程において、めっきの進行に伴って、めっき中のめっき成分濃度が低下した分を補うように、めっき液を供給しながらめっきを行うことが好ましい。このようにすれば、めっき浴の電気伝導度が低下して電流密度分布にばらつきが生じることが抑制される。その結果として、めっきにより、ウエハの表面に、より厚さの均一な導電膜を形成することができる。
【0043】
なお、本発明の半導体装置の製造方法は、ウエハレベルCSPに限定されるものではなく、半導体回路、フリップチップ、フレキシブル・プリント・回路(FPC)、プリント基板などの平面板上へのめっき工程において、めっき厚さの均一性を向上するために有効な方法である。特に、半導体回路の形成技術であるダマシンプロセス、フリップチップの電極の形成、バンプの形成には有効な方法である。すなわち、本発明の半導体装置の製造方法は、多数のバンプを整列させて形成したり、高さを均一に形成する場合に有効な方法である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の半導体装置の製造方法は、ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、前記導電膜形成工程は、前記ウエハに対向するアノードを配置し、該アノードと前記ウエハとの間に1つまたは複数の補助アノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であるから、ウエハの表面における電流密度分布を補正することができ、めっきむらが無く、均一な厚さの導電膜を形成することができる上に、微細な電極パターンにも対応する精密なめっきが可能となる。よって、導電膜形成作業の効率の向上を図ることができるから、半導体装置の生産性が向上する。そして、本発明の半導体装置の製造方法は、各種平面板上へのめっき工程においても、有効に適用することができる。
【0045】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、前記導電膜形成工程は、前記ウエハの周囲に補助カソードを配置し、該補助カソードおよび前記ウエハに対向するアノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であるか、または、前記ウエハに配置した給電ピンの配置位置に対応させて、前記ウエハの周囲に補助カソードを配置し、該補助カソードおよび前記ウエハに対向するアノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であるから、ウエハの表面における電流密度分布を補正することができ、めっきむらが無く、均一な厚さの導電膜を形成することができる上に、微細な電極パターンにも対応する精密なめっきが可能となる。
【0046】
本発明の半導体製造装置によれば、ウエハレベルCSPのみならず、半導体回路、フリップチップ、フレキシブル・プリント・回路(FPC)、プリント基板などの平面板上へのめっき工程において、むらが無く、厚さの均一なめっきをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す概略説明図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す概略説明図である。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す概略説明図である。
【図4】本発明の第4の実施形態を示す概略説明図である。
【図5】本発明の第4の実施形態を示す概略説明図である。
【図6】本発明の第5の実施形態を示す概略説明図である。
【図7】本発明の第6の実施形態を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1,6,9・・・ウエハ、2,8・・・アノード、3・・・補助アノード、4・・・第1の補助アノード、5・・・第2の補助アノード、7,10・・・補助カソード、11,13,15・・・導線、12・・・第1の電源、14・・・第2の電源、16・・・電源、17・・・給電ピン
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法および半導体製造装置に関し、特に、半導体装置を構成する平面ウエハ上に、電解めっきにより導電膜を形成する際に、導電膜の厚みを均一に形成する方法を改善した半導体装置の製造方法および半導体製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置の構造として、例えば半導体チップを樹脂に封止した装置(いわゆるDual Inline PackageやQuad Flat Package)では、樹脂装置周辺の側面に金属リード電極を配置する周辺端子配置型が主流であった。
【0003】
これに対し、近年、急速に普及している半導体装置構造として、例えばCSP(チップスケールパッケージ)と呼ばれる、装置の平坦な表面に電極を平面上に配置した、いわゆるボールグリッドアレイ(BGA)技術の採用により、同一電極端子数を持つ同一投影面積の半導体チップを、従来より小さい面積で電子回路ウエハに高密度実装することを可能とする装置構造がある。
【0004】
BGAタイプの半導体装置においては、装置の面積が半導体チップの面積にほぼ等しい、いわゆるチップスケールパッケージ(CSP)と呼ばれる構造が、前述のBGA電極配置構造とともに開発され、電子機器の小型軽量化に大きく貢献している。
チップスケールパッケージは、回路を形成したり、シリコンウエハ(以下、「ウエハ」と略す。)を切断し、個々の半導体チップについて個別に装置化工程を施し、装置を完成するものである。
【0005】
これに対し、一般的に「ウエハレベルCSP」と呼ばれる製法においては、このウエハ上に、絶縁層、再配線層、封止層などを形成し、はんだバンプを形成する。そして、最終工程においてウエハを所定のチップ寸法に切断することで装置構造を具備した半導体チップを得ることができる。この製法では、ウエハ全面に、これらの回路を積層し、最終工程においてウエハをダイシングすることから、切断したチップそのものの大きさが、装置の施された半導体チップとなり、実装ウエハに対して最小投影面積を有する半導体チップを得ることが可能となる。
【0006】
このような半導体装置の製造において、ウエハ上に電極を形成する方法の1つとしては、フォトレジストなどを用い、フォトリソグラフィ技術により、電極の形成位置に整合するパターンの開口部を有するレジスト膜を形成し、銅などの金属めっきにより、電極をなす導電層を形成し、目的形状の電極を形成する方法がある。
【0007】
また、めっきによるウエハ上への導電膜の形成方法は、めっき装置の形態から、以下に示すディップ式とカップ式の2種類に大別できる。
ディップ式は、周辺部に給電ピンを取り付けたウエハを、めっき浴に鉛直に浸漬する方式であり、制御板による電流密度分布制御、めっき液流制御、めっき液攪拌制御などを行なって、めっきが施される。
カップ式は、水平にウエハを配置し、めっき浴に鉛直に浸漬する方式であり、ウエハの取り付け向きにより、フェースダウン型またはフェースアップ型の方法がある。カップ式では、アノード形状がメッシュ型あるいはドーナツ型であり、めっき液流制御などを行って、めっきが施される。
これら2つのめっき方法では、ウエハを鉛直に配置するディップ式の方が、めっき装置のめっき槽を小さくできる上に、複数のウエハを同時にめっきすることができるなどの特徴がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようなディップ式では、ウエハ表面のめっきの厚さを均一にするために、制御板を用いて電流密度分布の補正を行っているが、制御板の適正形状を得るには、多数の試行を必要とするため、非常に困難である。さらに、カップ式では、ウエハの周辺部分に給電ピンを配置するため、給電ピンの周辺部分の電流密度が高くなり、結果として、めっきの厚さは、ウエハの中央部分で薄く、周辺部分で厚くなる。このように、従来のめっき方法では、ウエハに均一厚さでめっきするのは困難であった。
【0009】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、ウエハ表面にめっきにより形成される導電膜の厚さを均一にする半導体装置の製造方法および半導体製造装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の半導体装置の製造方法は、ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、前記導電膜形成工程は、前記ウエハに対向する複数のアノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であることを特徴とする。
請求項2記載の半導体装置の製造方法は、ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、前記導電膜形成工程は、前記ウエハに対向するアノードを配置し、該アノードと前記ウエハとの間に1つまたは複数の補助アノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であることを特徴とする。
請求項3記載の半導体装置の製造方法は、前記補助アノードを、前記ウエハの中央部付近に対向させて配置することを特徴とする。
請求項4記載の半導体装置の製造方法は、前記補助アノードの大きさが、前記アノードよりも小さいことを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の半導体装置の製造方法は、ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、前記導電膜形成工程は、前記ウエハの周囲に補助カソードを配置し、該補助カソードおよび前記ウエハに対向するアノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であることを特徴とする。
請求項6記載の半導体装置の製造方法は、ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、前記導電膜形成工程は、前記ウエハの表面に給電ピンを配置し、前記ウエハの周囲で、かつ、前記給電ピンの周辺に補助カソードを配置し、該補助カソードおよび前記ウエハに対向するアノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であることを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の半導体製造装置は、ウエハ上に電解めっきにより導電膜を形成する半導体製造装置であって、前記ウエハに対向して配置された複数のアノードと、電解めっき用給電部とを備えたことを特徴とする。
請求項8記載の半導体製造装置は、ウエハ上に電解めっきにより導電膜を形成する半導体製造装置であって、前記ウエハに対向して配置されたアノードと、前記ウエハと前記アノードとの間に配置された1つまたは複数の補助アノードと、電解めっき用給電部とを備えたことを特徴とする。
請求項9記載の半導体製造装置は、前記補助アノードが、前記ウエハの中央部付近に対向させて配置されたことを特徴とする。
請求項10記載の半導体製造装置は、前記補助アノードの大きさは、前記アノードの大きさよりも小さいことを特徴とする。
請求項11記載の半導体製造装置は、ウエハ上に電解めっきにより導電膜を形成する半導体製造装置であって、前記ウエハの周囲に配置された補助カソードと、前記ウエハおよび前記補助カソードに対向して配置されたアノードと、電解めっき用給電部とを備えたことを特徴とする。
請求項12記載の半導体製造装置は、ウエハ上に電解めっきにより導電膜を形成する半導体製造装置であって、前記ウエハに配置された給電ピンの配置位置に対応させて、前記ウエハの周囲に配置された補助カソードと、該補助カソードおよび前記ウエハに対向して配置されたアノードと、電解めっき用給電部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の半導体装置の製造方法は、ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、前記導電膜形成工程は、電解めっきにより導電膜を形成する工程からなるものである。
【0014】
まず、本発明の第1の実施形態を、図1を参照して説明する。
この実施形態の半導体製造装置は、ウエハ1に対向して配置されたアノード2と、ウエハ1とアノード2との間に配置された補助アノード3と、ウエハ1とアノード2に給電する第1の電源12(電解めっき用給電部)と、ウエハ1と補助アノード3に給電する第2の電源14(電解めっき用給電部)と、めっき浴(図示略)と、第1の電源12、第2の電源14を制御する制御部(図示略)とから概略構成されている。
符号11は導線であり、ウエハ1とアノード2を第1の電源12に接続するものである。また、符号13は導線であり、ウエハ1と補助アノード3を第2の電源14に接続するものである。
ウエハ1に対する補助アノード3の支持位置、つまり、ウエハ1からの距離、ウエハ1の表面に沿った方向の位置に、可動支持機構を有していることが好ましい。
【0015】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、上記導電膜形成工程を以下のように行う。
まず、ウエハ1の表面に、フォトレジストなどを用いて、フォトリソグラフィ技術により、導電膜の形成位置に整合する微細なパターンの開口部を有するレジスト膜(図示略)を形成する。
次いで、ウエハ1、アノード2および補助アノード3を図示略のめっき浴に浸漬する。なお、本発明の半導体装置の製造方法で用いられるめっき浴としては、一般的に電解めっきに用いられるものは全て挙げられる。
次いで、第1の電源12と第2の電源14から出力する電流を、それぞれ独立に調整し、ウエハ1の表面をめっきし、所望のパターンを有する、厚さの均一な導電膜を形成する。
【0016】
通常、半導体装置用のウエハ1は、直径150mm〜200mm程度のシリコンからなる円板状であるが、これに対して補助アノード3は、例えば、直径20〜30mm程度の円板状あるいは球状のものである。補助アノード3の形状、寸法は、これらに限定されるものではなく、角板状、円環状などであってもよい。また、補助アノード3の材質は特に限定されるものではなく、一般的に電解めっきにおいて用いられるアノードを形成する材料で形成されていればよい。さらに、補助アノード3を配置する位置は、アノード2よりも、ウエハ1に近い位置とし、ウエハ1の中央部付近とすることが好ましい。
また、アノード2の材質は特に限定されるものではなく、一般的に電解めっきにおいて用いられるアノードを形成する材料で形成されていればよく、その大きさは、ウエハ1と同程度とする。さらに、アノード2としては、円板状、角板状、円環状などのものが用いられる。
【0017】
この実施形態の半導体装置の製造方法の導電膜形成工程において、第1の電源12または第2の電源14から出力する電流の大きさ、補助アノード3とウエハ1の間隔、補助アノード3とアノード2の間隔などは、ウエハ1の大きさや、所望のめっきの厚さなどに応じて適宜設定される。
【0018】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、ウエハ1とアノード2に出力する電流の大きさと、ウエハ1と補助アノード3に出力する電流の大きさを、それぞれ独立に調整することにより、従来、ウエハ1の外周部付近に集中していた電流密度分布を補正して、ウエハ1の中央部における電流密度も高くなるようにし、その結果として、ウエハ1の表面全面における電流密度分布をほぼ均一にすることができる。したがって、めっきにより、ウエハ1の表面に厚さの均一な導電膜を形成することができる。例えば、補助アノード3をウエハ1の中央部付近に対向配置すれば、従来、ウエハ1の外周部付近に集中していた電流密度分布が補正され、ウエハ1の中央部における電流密度も高くなり、ウエハ1の表面全面における電流密度分布がほぼ均一なる。
【0019】
次に、本発明の第2の実施形態を、図2を参照して説明する。
この実施形態の半導体製造装置は、ウエハ1に対向して配置されたアノード2と、ウエハ1とアノード2との間に配置された補助アノード3と、ウエハ1、アノード2および補助アノード3に給電する電源16(電解めっき用給電部)と、めっき浴(図示略)と、電源16を制御する制御部(図示略)とから概略構成されている。
符号15は導線であり、ウエハ1、アノード2および補助アノード3を電源16に接続するものである。
ウエハ1に対する補助アノード3の支持位置、つまり、ウエハ1からの距離、ウエハ1の表面に沿った方向の位置に、可動支持機構を有していることが好ましい。
【0020】
この実施形態の半導体装置の製造方法が、上記第1の実施形態と異なる点は、ウエハ1とアノード2の間隔、および、ウエハ1と補助アノード3の間隔を調整することにより、ウエハ1の表面をめっきする点である。
【0021】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、ウエハ1、アノード2および補助アノード3に出力する電流の大きさを一定とし、ウエハ1とアノード2の間隔、および、ウエハ1と補助アノード3の間隔を、それぞれ独立に調整することにより、従来、ウエハ1の外周部付近に集中していた電流密度分布を補正して、ウエハ1の中央部における電流密度も高くなるようにし、その結果として、ウエハ1の表面全面における電流密度分布をほぼ均一にすることができる。したがって、めっきにより、ウエハ1の表面に厚さの均一な導電膜を形成することができる。この実施形態でも、例えば、補助アノード3をウエハ1の中央部付近に対向配置すれば、従来、ウエハ1の外周部付近に集中していた電流密度分布が補正され、ウエハ1の中央部における電流密度も高くなり、ウエハ1の表面全面における電流密度分布がほぼ均一なる。
【0022】
なお、上記第1の実施形態および第2の実施形態では、ウエハ1とアノード2に出力する電流の大きさ、および、ウエハ1と補助アノード3に出力する電流の大きさを、それぞれ独立に調整する方法と、ウエハ1とアノード2の間隔、および、ウエハ1と補助アノード3の間隔を、それぞれ独立に調整する方法を別々に用いているが、本発明の半導体装置の製造方法では、これら両方の方法を合わせて用いてもよい。このようにすれば、ウエハ1の表面における電流密度分布の補正を、より精密に行うことができる。
【0023】
次に、本発明の第3の実施形態を、図3を参照して説明する。
この実施形態の半導体製造装置は、ウエハ1に対向して配置されたアノード2と、ウエハ1とアノード2との間に配置された、大きさの異なる第1の補助アノード4および第2の補助アノード5と、ウエハ1、アノード2、第1の補助アノード4および第2の補助アノード5に給電する電源16(電解めっき用給電部)と、めっき浴(図示略)と、電源16を制御する制御部(図示略)とから概略構成されている。
符号15は導線であり、ウエハ1、アノード2および補助アノード3を電源16に接続するものである。
ウエハ1に対する補助アノード3の支持位置、つまり、ウエハ1からの距離、ウエハ1の表面に沿った方向の位置に、可動支持機構を有していることが好ましい。
【0024】
この実施形態の半導体装置の製造方法が、上記第1の実施形態および第2の実施形態と異なる点は、ウエハ1とアノード2の間隔、ウエハ1と第1の補助アノード4の間隔、ウエハ1と第2の補助アノード5の間隔を調整することにより、ウエハ1の表面をめっきする点である。
【0025】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、ウエハ1により近く配置する第1の補助アノード4の大きさを、第2の補助アノード5の大きさよりも小さくすることが好ましい。また、第1の補助アノード4と第2の補助アノード5の形状、寸法は同一である必要はない。また、第1の補助アノード4、第2の補助アノード5は、例えば、直径20〜30mm程度の円板状あるいは球状であるか、角板状、円環状などであってもよい。また、第1の補助アノード4、第2の補助アノード5の材質は特に限定されるものではなく、一般的に電解めっきにおいて用いられるアノードを形成する材料で形成されていればよい。
さらに、第1の補助アノード4と第2の補助アノード5は一直線上に配置する必要もなく、ウエハ1の大きさなどに応じて、適宜の位置に配置する。
具体的には、第1の補助アノード4および第2の補助アノード5をウエハ1の中央部付近に対向配置する。このようにすれば、従来、ウエハ1の外周部付近に集中していた電流密度分布が補正され、ウエハ1の中央部における電流密度も高くなり、ウエハ1の表面全面における電流密度分布がほぼ均一なる。
【0026】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、ウエハ1、アノード2、第1の補助アノード4および第2の補助アノード5に出力する電流の大きさを一定とし、ウエハ1とアノード2の間隔、および、ウエハ1と補助アノード3の間隔を、それぞれ独立に調整することにより、従来、ウエハ1の外周部付近に集中していた電流密度分布を補正して、ウエハ1の中央部における電流密度も高くなるようにし、その結果として、ウエハ1の表面全面における電流密度分布をほぼ均一にすることができる。したがって、めっきにより、ウエハ1の表面に厚さの均一な導電膜を形成することができる。
【0027】
なお、上記第1の実施形態〜第3の実施形態では、補助アノードを1個または2個用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ウエハ1の大きさなどに応じて、3個以上用いてもよい。
【0028】
次に、本発明の第4の実施形態を、図4および図5を参照して説明する。
この実施形態の半導体製造装置は、ウエハ6周囲に配置された補助カソード7と、ウエハ6および補助カソード7に対向して配置されたアノード8と、ウエハ6、補助カソード7およびアノード8に給電する電源16(電解めっき用給電部)と、電源16を制御する制御部(図示略)とから概略構成されている。
また、補助カソード7は、ウエハ6をその中央部に保持することができるホルダを有する構造となっている。そして、ウエハ6が、めっき中は補助カソード7のホルダに保持され、めっき終了後は取り外される。
符号15は導線であり、ウエハ6、補助カソード7およびアノード8を電源16に接続するものである。
【0029】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、上記導電膜形成工程を以下のように行う。
まず、円板状のシリコンからなるウエハ6の表面に、フォトレジストなどを用いて、フォトリソグラフィ技術により、導電膜の形成位置に整合する微細なパターンの開口部を有するレジスト膜(図示略)を形成する。
次いで、補助カソード7のホルダでウエハ6を保持し、ウエハ6および補助カソード7に対向するようにアノード8を配置する。このとき、ウエハ6と補助カソード7とは接触していても、接触していなくてもよい。また、図5に示すように、ウエハ6の表面と補助カソード7の表面が面一となるように、両者が配置されている。
次いで、ウエハ6、補助カソード7およびアノード8を図示略のめっき浴に浸漬し、電源16から出力する電流を調整し、ウエハ6の表面をめっきし、所望のパターンを有する、厚さの均一な導電膜を形成する。
【0030】
通常、半導体装置用のウエハ6の直径は、上述のように150mm〜200mm程度であるが、これに対して補助カソード7は、ウエハ150mmに対してカソード151mm〜180mm程度、ウエハ200mmに対してカソード201mm〜230mm程度の円環状のものである。補助カソード7の形状、寸法は、円環状に限定されるものではなく、その中心部に、ウエハ7が入る程度の開口部を有する角板状のものであってもよい。また、補助カソード7の材質は特に限定されるものではなく、一般的に電解めっきにおいて用いられるカソードを形成する材料で形成されていればよい。
また、アノード8の材質は特に限定されるものではなく、一般的に電解めっきにおいて用いられるアノードを形成する材料で形成されていればよく、その大きさは、ウエハ6および補助カソード7を合わせた大きさと同程度とする。さらに、アノード8としては、円板状、角板状、円環状などのものが用いられる。
【0031】
この実施形態の半導体装置の製造方法の導電膜形成工程において、電源16から出力する電流の大きさ、補助カソード7の大きさ、ウエハ6と補助カソード7の間隔、ウエハ6および補助カソード7とアノード8の間隔などは、ウエハ6の大きさや、所望のめっきの厚さなどに応じて適宜設定される。
【0032】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、ウエハ6の外周部の周囲に補助カソード7を配置し、補助カソード7に電流を集中させて、この部分の電流密度を高くする。この際、ウエハ6と補助カソード7を一体のカソードとみなし(以下、「カソードユニット」とも言う。)、このカソードユニットの表面全面をめっきすると、ウエハ6の表面の面積よりも、大きな領域をめっきすることになる。このカソードユニットの表面に施されためっきの厚さは、カソードユニットの外周部で厚く、中央部で薄くなるが、ウエハ6は、このカソードユニットの中央部をなすから、結果として、ウエハ6の表面において、厚さの均一なめっきからなる導電層が形成される。
【0033】
次に、本発明の第5の実施形態を、図6を用いて説明する。
この実施形態の半導体製造装置は、ウエハ6の周囲に配置された補助カソード7と、ウエハ6および補助カソード7に対向して配置されたアノード8と、ウエハ6、補助カソード7およびアノード8に給電する電源16(電解めっき用給電部)と、電源16を制御する制御部(図示略)とから概略構成されている。
また、補助カソード7は、ウエハ6をその中央部付近に、補助カソード7と所定の間隔をおいて保持することができるホルダを有する構造となっている。そして、ウエハ6が、めっき中は補助カソード7のホルダに保持され、めっき終了後は取り外される。
符号15は導線であり、ウエハ1、アノード2および補助アノード3を電源16に接続するものである。
【0034】
この実施形態の半導体装置の製造方法が、上記第4の実施形態と異なる点は、ウエハ6の外周部の周囲に補助カソード7を配置するが、ウエハ6の表面と補助カソード7の表面が面一となっておらず、両者を、所定の間隔をおいて配置する点である。具体的には、補助カソード7をウエハ6よりもアノード8側にずらして配置し、より、補助カソード7に電流を集中させて、この部分の電流密度を高くし、上記第4の実施形態と同様に、ウエハ6の表面において、厚さの均一なめっきからなる導電層を形成する。
【0035】
この実施形態の半導体装置の製造方法の導電膜形成工程においても、電源16から出力する電流の大きさ、補助カソード7の大きさ、ウエハ6の表面と補助カソード7の表面との間隔、ウエハ6および補助カソード7とアノード8の間隔などは、ウエハ6の大きさや、所望のめっきの厚さなどに応じて適宜設定される。
【0036】
なお、上記第4の実施形態および第5の実施形態において、図4〜図6に示すように補助カソードを1つ用いた例を示したが、本発明の半導体装置の製造方法にあっては、例えば図7に示すように、補助カソードを複数用いてもよい。
【0037】
次に、本発明の第6の実施形態を、図7を参照して説明する。
この実施形態の半導体製造装置は、ウエハ9の表面に配置された給電ピン17と、ウエハ9の周囲で、かつ、給電ピン17の周辺に配置された補助カソード10と、ウエハ9および補助カソード10に対向して配置されたアノード(図示略)と、ウエハ9、補助カソード10、給電ピン17およびアノードに給電する図示略の電源(電解めっき用給電部)と、電源を制御する制御部(図示略)とから概略構成されている。
また、図7に示すように、ウエハ9の外周部の周囲で、給電ピン17が接触している面と反対側の面で、かつ、給電ピン17の周辺(付近)に、補助カソード10が配置されている。このとき、補助カソード10は、給電ピン17を保持するホルダに保持されている。なお、ウエハ9と補助カソード10とは接触していても、接触していなくてもよい。
さらに、導線(図示略)が、ウエハ9、補助カソード10、給電ピン17およびアノードを電源(図示略)に接続している。
【0038】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、上記導電膜形成工程を以下のように行う。
まず、円板状のシリコンからなるウエハ9の表面に、フォトレジストなどを用いて、フォトリソグラフィ技術により、導電膜の形成位置に整合する微細なパターンの開口部を有するレジスト膜(図示略)を形成する。
次いで、ウエハ9および補助カソード10に対向するようにアノード(図示略)を配置する。
次いで、ウエハ9、補助カソード10、給電ピン17およびアノードを図示略のめっき浴に浸漬し、電源から出力する電流を調整し、ウエハ9の表面をめっきし、所望のパターンを有する、厚さの均一な導電膜を形成する。
【0039】
通常、半導体装置用のウエハ9の直径は、上述のように150mm〜200mm程度であるが、これに対して補助カソード10は、例えば、ウエハ150mmに対してカソード151mm〜180mm程度、ウエハ200mmに対してカソード201mm〜230mm程度の円板状のものである。補助カソード10の形状、寸法は、これらに限定されるものではなく、角板状、円環状などであってもよい。また、補助カソード10の材質は特に限定されるものではなく、一般的に電解めっきにおいて用いられるカソードを形成する材料で形成されていればよい。
また、アノードの材質も特に限定されるものではなく、一般的に電解めっきにおいて用いられるアノードを形成する材料で形成されていればよく、その大きさは、ウエハ9および補助カソード10を合わせた大きさと同程度とする。さらに、アノードとしては、円板状、角板状、円環状などのものが用いられる。
【0040】
この実施形態の半導体装置の製造方法の導電膜形成工程において、電源から出力する電流の大きさ、補助カソード10の大きさや数、ウエハ9と補助カソード10の間隔、ウエハ9および補助カソード10とアノードの間隔などは、ウエハ9の大きさや、所望のめっきの厚さなどに応じて適宜設定される。
【0041】
この実施形態の半導体装置の製造方法では、ウエハ9の外周部の周囲で、かつ、給電ピン17の周辺(付近)に、補助カソード10を配置し、これにより、給電ピンに集中する電流を、補助カソード10に集中させて、この部分の電流密度を高くする。これにより、上記第4の実施形態および第5の実施形態と同様に、ウエハ9表面において、厚さの均一なめっきからなる導電層が形成される。
【0042】
なお、上記第1の実施形態〜第6の実施形態では、ディップ式のめっき方法を例示して説明したが、本発明の半導体装置の製造方法は、カップ式のめっき方法にも同様に適用可能である。
さらに、本発明の半導体装置の製造方法では、導電膜形成工程において、めっき浴を攪拌して、めっき浴を循環させながらめっきを行うことが好ましい。このようにすれば、めっき浴中のめっき成分の偏りが生じることなどが抑制される。また、導電膜形成工程において、めっきの進行に伴って、めっき中のめっき成分濃度が低下した分を補うように、めっき液を供給しながらめっきを行うことが好ましい。このようにすれば、めっき浴の電気伝導度が低下して電流密度分布にばらつきが生じることが抑制される。その結果として、めっきにより、ウエハの表面に、より厚さの均一な導電膜を形成することができる。
【0043】
なお、本発明の半導体装置の製造方法は、ウエハレベルCSPに限定されるものではなく、半導体回路、フリップチップ、フレキシブル・プリント・回路(FPC)、プリント基板などの平面板上へのめっき工程において、めっき厚さの均一性を向上するために有効な方法である。特に、半導体回路の形成技術であるダマシンプロセス、フリップチップの電極の形成、バンプの形成には有効な方法である。すなわち、本発明の半導体装置の製造方法は、多数のバンプを整列させて形成したり、高さを均一に形成する場合に有効な方法である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の半導体装置の製造方法は、ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、前記導電膜形成工程は、前記ウエハに対向するアノードを配置し、該アノードと前記ウエハとの間に1つまたは複数の補助アノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であるから、ウエハの表面における電流密度分布を補正することができ、めっきむらが無く、均一な厚さの導電膜を形成することができる上に、微細な電極パターンにも対応する精密なめっきが可能となる。よって、導電膜形成作業の効率の向上を図ることができるから、半導体装置の生産性が向上する。そして、本発明の半導体装置の製造方法は、各種平面板上へのめっき工程においても、有効に適用することができる。
【0045】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、前記導電膜形成工程は、前記ウエハの周囲に補助カソードを配置し、該補助カソードおよび前記ウエハに対向するアノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であるか、または、前記ウエハに配置した給電ピンの配置位置に対応させて、前記ウエハの周囲に補助カソードを配置し、該補助カソードおよび前記ウエハに対向するアノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であるから、ウエハの表面における電流密度分布を補正することができ、めっきむらが無く、均一な厚さの導電膜を形成することができる上に、微細な電極パターンにも対応する精密なめっきが可能となる。
【0046】
本発明の半導体製造装置によれば、ウエハレベルCSPのみならず、半導体回路、フリップチップ、フレキシブル・プリント・回路(FPC)、プリント基板などの平面板上へのめっき工程において、むらが無く、厚さの均一なめっきをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す概略説明図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す概略説明図である。
【図3】本発明の第3の実施形態を示す概略説明図である。
【図4】本発明の第4の実施形態を示す概略説明図である。
【図5】本発明の第4の実施形態を示す概略説明図である。
【図6】本発明の第5の実施形態を示す概略説明図である。
【図7】本発明の第6の実施形態を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1,6,9・・・ウエハ、2,8・・・アノード、3・・・補助アノード、4・・・第1の補助アノード、5・・・第2の補助アノード、7,10・・・補助カソード、11,13,15・・・導線、12・・・第1の電源、14・・・第2の電源、16・・・電源、17・・・給電ピン
Claims (12)
- ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、
前記導電膜形成工程は、前記ウエハに対向する複数のアノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、
前記導電膜形成工程は、前記ウエハに対向するアノードを配置し、該アノードと前記ウエハとの間に1つまたは複数の補助アノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記補助アノードを、前記ウエハの中央部付近に対向させて配置することを特徴とする請求項2記載の半導体装置の製造方法。
- 前記補助アノードの大きさは、前記アノードよりも小さいことを特徴とする請求項2または3記載の半導体装置の製造方法。
- ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、
前記導電膜形成工程は、前記ウエハの周囲に補助カソードを配置し、該補助カソードおよび前記ウエハに対向するアノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - ウエハ上に導電膜を形成する導電膜形成工程を有する半導体装置の製造方法において、
前記導電膜形成工程は、前記ウエハに配置した給電ピンの配置位置に対応させて、前記ウエハの周囲に補助カソードを配置し、該補助カソードおよび前記ウエハに対向するアノードを配置し、電解めっきにより導電膜を形成する工程であることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - ウエハ上に電解めっきにより導電膜を形成する半導体製造装置であって、
前記ウエハに対向して配置された複数のアノードと、電解めっき用給電部とを備えたことを特徴とする半導体製造装置。 - ウエハ上に電解めっきにより導電膜を形成する半導体製造装置であって、
前記ウエハに対向して配置されたアノードと、前記ウエハと前記アノードとの間に配置された1つまたは複数の補助アノードと、電解めっき用給電部とを備えたことを特徴とする半導体製造装置。 - 前記補助アノードが、前記ウエハの中央部付近に対向させて配置されたことを特徴とする請求項8記載の半導体製造装置。
- 前記補助アノードの大きさは、前記アノードの大きさよりも小さいことを特徴とする請求項8または9記載の半導体製造装置。
- ウエハ上に電解めっきにより導電膜を形成する半導体製造装置であって、
前記ウエハの周囲に配置された補助カソードと、前記ウエハおよび前記補助カソードに対向して配置されたアノードと、電解めっき用給電部とを備えたことを特徴とする半導体製造装置。 - ウエハ上に電解めっきにより導電膜を形成する半導体製造装置であって、
前記ウエハに配置された給電ピンの配置位置に対応させて、前記ウエハの周囲に配置された補助カソードと、該補助カソードおよび前記ウエハに対向して配置されたアノードと、電解めっき用給電部とを備えたことを特徴とする半導体製造装置。
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