JP2017114791A - 錠剤の製造方法、錠剤原料用顆粒の製造方法、及び錠剤原料用顆粒 - Google Patents

錠剤の製造方法、錠剤原料用顆粒の製造方法、及び錠剤原料用顆粒 Download PDF

Info

Publication number
JP2017114791A
JP2017114791A JP2015249993A JP2015249993A JP2017114791A JP 2017114791 A JP2017114791 A JP 2017114791A JP 2015249993 A JP2015249993 A JP 2015249993A JP 2015249993 A JP2015249993 A JP 2015249993A JP 2017114791 A JP2017114791 A JP 2017114791A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tablet
granules
gas
raw materials
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015249993A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6650750B2 (ja
Inventor
良貴 衛藤
Yoshitaka Eto
良貴 衛藤
田中 健
Takeshi Tanaka
健 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Group Foods Ltd
Original Assignee
Asahi Group Foods Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Group Foods Ltd filed Critical Asahi Group Foods Ltd
Priority to JP2015249993A priority Critical patent/JP6650750B2/ja
Publication of JP2017114791A publication Critical patent/JP2017114791A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6650750B2 publication Critical patent/JP6650750B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】崩壊性に劣る原料を含む場合であっても、十分な錠剤硬度を得ることができ、かつ崩壊性に優れた錠剤を簡易に効率良く製造することができる錠剤の製造方法、並びに前記錠剤の製造に好適に用いることができる錠剤原料用顆粒及びその製造方法を提供すること。【解決手段】賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含む液体にガスを注入し、ガス含有液体を調製する工程と、前記ガス含有液体を噴霧乾燥し、顆粒を調製する工程と、前記顆粒と、崩壊性に劣る原料とを含む混合物を打錠し、錠剤を調製する工程とを含む錠剤の製造方法、賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含む液体にガスを注入し、ガス含有液体を調製する工程と、前記ガス含有液体を噴霧乾燥し、顆粒を調製する工程とを含む錠剤原料用の賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかの顆粒の製造方法などである。【選択図】なし

Description

本発明は、賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかと、崩壊性に劣る原料とを含む錠剤の製造方法、並びに前記錠剤の製造方法に好適な賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかの顆粒の製造方法、及び錠剤原料用の賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかの顆粒に関する。
サプリメントなどに使用する原料の中には、例えば、植物抽出エキス、動物又は魚介類からの抽出エキスなどのような、崩壊時間が長くなる傾向を有するような原料(以下、「崩壊性に劣る原料」と称することがある)が存在する。
崩壊性に劣る原料を含む錠剤では、その崩壊性を改善するために、崩壊剤を多量に配合する必要がある。しかしながら、崩壊剤の配合量が多くなり過ぎると、錠剤硬度が低下し、製品品質に影響を及ぼしてしまうという問題がある。
また、結晶セルロース、デキストリン、糖アルコールなどを多量に配合することで錠剤の崩壊性を担保している場合もある。
しかしながら、これらの対応では、賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを多く配合する必要があるため、その結果、錠剤の1日目安粒数が多くなってしまったり、1粒当たりの重量が大きくなり、飲み込みにくくなってしまったりするという問題がある。
したがって、崩壊性に劣る原料を含む場合であっても、十分な錠剤硬度を得ることができ、かつ崩壊性に優れた錠剤を簡易に効率良く製造することができる錠剤の製造方法、並びに前記錠剤の製造に好適に用いることができる錠剤原料用顆粒及びその製造方法の速やかな提供が強く求められているのが現状である。
なお、粉末クリームの製造法として、噴霧乾燥法の1つであるガスインジェクション法を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、前記提案では、賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかと、崩壊性に劣る原料とを含む錠剤の製造において、スプレードライガスインジェクション法を用いることについては、何ら記載されていない。
特開平3−65136号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、崩壊性に劣る原料を含む場合であっても、十分な錠剤硬度を得ることができ、かつ崩壊性に優れた錠剤を簡易に効率良く製造することができる錠剤の製造方法、並びに前記錠剤の製造に好適に用いることができる錠剤原料用顆粒及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含む液体にガスを注入し、ガス含有液体を調製する工程と、
前記ガス含有液体を噴霧乾燥し、顆粒を調製する工程と、
前記顆粒と、崩壊性に劣る原料とを含む混合物を打錠し、錠剤を調製する工程とを含むことを特徴とする錠剤の製造方法である。
<2> (A)ガスの注入量(mL/分)と、(B)賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含む液体の送液量(mL/分)との比((A)/(B))が、0.5〜60である前記<1>に記載の錠剤の製造方法である。
<3> ガスが、窒素ガスである前記<1>から<2>のいずれかに記載の錠剤の製造方法である。
<4> 錠剤原料用の賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかの顆粒の製造方法であって、
賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含む液体にガスを注入し、ガス含有液体を調製する工程と、
前記ガス含有液体を噴霧乾燥し、顆粒を調製する工程とを含むことを特徴とする錠剤原料用顆粒の製造方法である。
<5> (A)ガスの注入量(mL/分)と、(B)賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含む液体の送液量(mL/分)との比((A)/(B))が、0.5〜60である前記<4>に記載の錠剤原料用顆粒の製造方法である。
<6> ガスが、窒素ガスである前記<4>から<5>のいずれかに記載の錠剤原料用顆粒の製造方法である。
<7> 錠剤原料用の賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかの顆粒であって、
前記顆粒のかさ密度が、顆粒とする前の原料のかさ密度の40%〜90%であり、
前記顆粒のメディアン径が、140μm〜240μmであることを特徴とする錠剤原料用顆粒である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、崩壊性に劣る原料を含む場合であっても、十分な錠剤硬度を得ることができ、かつ崩壊性に優れた錠剤を簡易に効率良く製造することができる錠剤の製造方法、並びに前記錠剤の製造に好適に用いることができる錠剤原料用顆粒及びその製造方法を提供することができる。
図1Aは、試験例2−1で得られた顆粒の電子顕微鏡での観察結果の一例を示す図である。 図1Bは、試験例2−2で得られた顆粒の電子顕微鏡での観察結果の一例を示す図である。 図1Cは、試験例2−3で得られた顆粒の電子顕微鏡での観察結果の一例を示す図である。 図1Dは、試験例2−4で得られた顆粒の電子顕微鏡での観察結果の一例を示す図である。 図2Aは、試験例3−1で得られた顆粒の電子顕微鏡での観察結果の一例を示す図である。 図2Bは、試験例3−2で得られた顆粒の電子顕微鏡での観察結果の一例を示す図である。 図2Cは、試験例3−3で得られた顆粒の電子顕微鏡での観察結果の一例を示す図である。
(錠剤の製造方法)
本発明の錠剤の製造方法は、ガス含有液体調製工程と、顆粒調製工程と、錠剤調製工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
<ガス含有液体調製工程>
前記ガス含有液体調製工程は、賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含む液体にガスを注入し、ガス含有液体を調製する工程である。
−賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含む液体−
前記液体は、賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
前記液体は、賦形剤、結合剤、及び崩壊剤のうち、賦形剤のみを含む態様であってもよいし、結合剤のみを含む態様であってもよいし、崩壊剤のみを含む態様であってもよいし、これらの2種以上を含む態様であってもよい。
−−賦形剤−−
前記賦形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コーンスターチなどの澱粉類、澱粉分解物、結晶セルロース、糖アルコール、乳糖、ビール酵母などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記賦形剤は、市販品を使用することができる。
−−結合剤−−
前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グアーガム;結晶セルロース;結晶セルロース・軽質無水ケイ酸(結晶セルロースに軽質無水ケイ酸を付着させたもの);ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体;キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール等の糖アルコール;還元麦芽糖水あめ;還元パラチノースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結合剤は、市販品を使用することができる。
−−崩壊剤−−
前記崩壊剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、部分α化澱粉、寒天、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記崩壊剤は、市販品を使用することができる。
前記賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかの前記液体における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜60質量%が好ましく、10質量%〜50質量%がより好ましく、20質量%〜40質量%が特に好ましい。前記含有量が5質量%未満であると、必要量の乾燥原料を得るために時間を要することがあり、60質量%を超えると、十分に溶解されない状態の原料が残り、目的の乾燥原料とならないことがあったり、液体の粘度が高くなり、後の噴霧乾燥処理に支障をきたすことがある。一方、前記含有量が前記好ましい範囲内であると、適量の空隙を保持した顆粒を得ることが出来、且つ流動性の良い原料を効率良く得ることが出来る点で、有利である。
前記賦形剤、結合剤、及び崩壊剤を2種以上用いる場合の各成分の比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−その他の成分−−
前記液体におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、ジェランガム、プルラン等の増粘多糖類、デキストリン等の澱粉分解物などが挙げられる。
前記その他の成分は、市販品を使用することができる。
前記その他の前記液体における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−溶媒−−
前記液体の溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、水にエタノールを溶解した溶媒などが挙げられる。
前記溶媒の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−ガス−
前記ガスの種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素ガス、空気などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ガスの中でも、窒素ガスが、製品品質保証の点で、好ましい。
−−注入−−
前記ガスの注入量としては、特に制限はなく、前記賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含む液体の送液量に応じて適宜選択することができる。
前記ガスの注入方法としては、特に制限はなく、公知の手段を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般的な噴霧乾燥装置にガス注入装置を組み合わせて使用する方法などが挙げられる。
前記噴霧乾燥装置としては、例えば、Micra Spray(Anhydro社製)、MOBILE MINOR Spray Dryer(GEA社製)などが挙げられる。
前記ガス注入装置としては、例えば、ADS(Anhydro社製)などが挙げられる。
前記ガスを注入する際の前記賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含む液体の送液量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ガスの注入量(mL/分)(A)と、前記賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含む液体の送液量(mL/分)(B)との比((A)/(B))としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5〜60が好ましく、9〜50がより好ましく、15〜45が特に好ましい。前記比((A)/(B))が0.5未満であると、乾燥原料中に十分な空隙が保持できないことがあり、60を超えると、空隙の大きさが大きくなり、十分な空隙を保持した顆粒とはならず、また流動性も低下する原料となることがある。
<顆粒調製工程>
前記顆粒調製工程は、前記ガス含有液体を噴霧乾燥し、顆粒を調製する工程である。前記調製された顆粒は、多孔質な顆粒である。
−−噴霧乾燥−−
前記噴霧乾燥の方法としては、特に制限はなく、公知の噴霧乾燥装置を目的に応じて適宜選択することができる。
前記噴霧乾燥装置の具体例としては、上記した噴霧乾燥装置と同様のものが挙げられる。
前記噴霧乾燥の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<錠剤調製工程>
前記錠剤調製工程は、前記顆粒と、崩壊性に劣る原料とを含む混合物(以下、「打錠末」と称することがある)を打錠し、錠剤を調製する工程である。
−混合物−
前記混合物は、前記顆粒と、崩壊性に劣る原料とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
−−顆粒−−
前記顆粒は、前記賦形剤、結合剤、及び崩壊剤のうち、賦形剤のみを含む態様であってもよいし、結合剤のみを含む態様であってもよいし、崩壊剤のみを含む態様であってもよいし、これらの2種以上を含む態様であってもよい。前記賦形剤、結合剤、及び崩壊剤を2種以上用いる場合の各成分の比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記顆粒の前記混合物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜90質量%が好ましく、10質量%〜80質量%がより好ましく、15質量%〜70質量%が特に好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、錠剤硬度及び崩壊時間への寄与度が少なく、目的の効果を示さないことがあり、90質量%を超えると、配合成分含量が少なくなり、錠剤重量が増えて飲み込みにくい錠剤になることがある。一方、前記含有量が前記好ましい範囲内であると、より適度な錠剤硬度と、より早い崩壊時間とを併せ持つ錠剤を得ることが出来る点で、有利である。
−−崩壊性に劣る原料−−
前記崩壊性に劣る原料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、植物抽出エキス、動物又は魚介類からの抽出エキス、水に溶けにくい原料、グルコサミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記植物抽出エキスの具体例としては、マカ抽出物、秋ウコン抽出物、春ウコン抽出物、グアーガムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記動物又は魚介類からの抽出エキスの具体例としては、サメ軟骨抽出物(コンドロイチン硫酸)、コラーゲン、ヒアルロン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水に溶けにくい原料の具体例としては、ピロリン酸第二鉄、コエンザイムQ10、甘草グラボノイド、5−ロキシンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記崩壊性に劣る原料は、植物、動物、魚介類から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記崩壊性に劣る原料の前記混合物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%〜90質量%が好ましく、10質量%〜80質量%がより好ましく、20質量%〜75質量%が特に好ましい。前記含有量が、5質量%未満であると、前記崩壊性に劣る機能性原料の含有量が少ないため、他の賦形剤で代替可能となることがあり、90質量%を超えると、必要な滑沢剤や結合剤を配合できずに錠剤化が難しくなることがある。一方、前記含有量が前記好ましい範囲内であると、十分な錠剤硬度とより早い崩壊時間の両面を併せ持った錠剤を得ることが出来る点で、有利である。
−−その他の成分−−
前記混合物におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記崩壊性に劣る原料以外の機能性原料(以下、「その他の機能性原料」と称することがある)、滑沢剤、着色剤、pH調整剤、緩衝剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の前記混合物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−−その他の機能性原料−−−
前記その他の機能性原料としては、特に制限はなく、公知の原料を適宜選択することができ、例えば、アミノ酸又はその塩、ビタミン、ミネラル、ポリフェノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の機能性原料は、市販品を使用することができる。
前記その他の機能性原料の前記混合物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−−滑沢剤−−−
前記滑沢剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、微粒二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、植物油脂、硬化油などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよし、2種以上を併用してもよい。
前記滑沢剤は、市販品を使用することができる。
前記滑沢剤の前記混合物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−−着色剤−−−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、酸化鉄、カラメル色素、天然色素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤は、市販品を使用することができる。
前記着色剤の前記混合物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−−pH調整剤、緩衝剤−−−
前記pH調整剤、又は前記緩衝剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、フィチン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記pH調整剤、又は前記緩衝剤は、市販品を使用することができる。
前記pH調整剤、又は前記緩衝剤の前記混合物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明において、賦形剤、結合剤、及び崩壊剤は、上記した本発明の顆粒を用いることが好ましいが、前記その他の成分として、前記顆粒ではない賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかが含まれていてもよい。ただし、錠剤における賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかの量を少なくすることができる点で、前記顆粒ではない賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含まないことが好ましい。
前記混合物の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記滑沢剤以外の成分を混合した後、その混合物に前記滑沢剤を添加し、混合して調製する方法などが挙げられる。
前記混合の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−打錠−
前記打錠の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて、公知の方法を適宜選択することができる。
前記打錠における打錠圧等の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記錠剤の形状、大きさ、質量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の錠剤の製造方法によれば、前記賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかとして、前記顆粒を用いるため、圧縮成形性が向上し、また、処方中の賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかの配合量が少なくても十分な錠剤硬度を担保することができ、かつ崩壊性にも優れるため、摂取しやすい錠剤とすることができる。
例えば、従来、直径8mm、曲率半径(R)12mmとしていた錠剤を直径8mm、曲率半径(R)6.5mmとしたり、直径9mm、曲率半径(R)13mmとしていた錠剤を直径9mm、曲率半径(R)7.5mmとしたりすることができる。また、1錠あたり330mgとしていた錠剤を300mgとしたり、380mgとしていた錠剤を330mgとしたりすることができる。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含む液体を調製する工程などが挙げられる。
前記賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含む液体を調製する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、温水、又はエタノールを含む水溶液に、前記賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを溶解させる方法などが挙げられる。
本発明の錠剤の製造方法によれば、崩壊性に劣る原料を含む錠剤であっても、十分な錠剤硬度を得ることができ、かつ崩壊性に優れた錠剤を簡易に効率良く製造することができる。
(錠剤原料用顆粒及びその製造方法)
本発明の錠剤原料用顆粒は、本発明の錠剤原料用顆粒の製造方法により好適に製造することができる。
以下、本発明の錠剤原料用顆粒の製造方法の説明と併せて、本発明の錠剤原料用顆粒についても説明する。
<錠剤原料用顆粒の製造方法>
本発明の錠剤原料用顆粒の製造方法は、錠剤原料用の賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかの顆粒の製造方法であって、ガス含有液体調製工程と、顆粒調製工程とを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
<<ガス含有液体調製工程>>
前記ガス含有液体調製工程は、上記した本発明の錠剤の製造方法におけるガス含有液体調製工程の項目に記載したものと同様である。
<<顆粒調製工程>>
前記顆粒調製工程は、上記した本発明の錠剤の製造方法における顆粒調製工程の項目に記載したものと同様である。
<<その他の工程>>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した本発明の錠剤の製造方法におけるその他の工程の項目に記載したものと同様のものなどが挙げられる。
本発明の錠剤原料用顆粒の製造方法によれば、十分な錠剤硬度を有し、かつ崩壊性に優れた錠剤の製造に好適に用いることができる顆粒を簡易に効率良く製造することができる。
<錠剤原料用顆粒>
本発明の錠剤原料用顆粒は、錠剤原料用の賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかの顆粒であって、空隙を有する多孔質な顆粒である。
−かさ密度−
前記錠剤用顆粒のかさ密度としては、顆粒とする前の原料のかさ密度の40%〜90%であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、45%〜80%がより好ましい。
前記かさ密度とは、ゆるめかさ密度をいう。
前記かさ密度の測定装置としては、特に制限はなく、公知の装置を適宜選択することができ、例えば、レーザー回折・散乱式 粒子径・粒度分布測定装置 マイクロトラックMT3000II(日機装株式会社製)などが挙げられる。
−メディアン径(D50)−
前記錠剤用顆粒のメディアン径としては、140μm〜240μmであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、150μm〜205μmがより好ましい。
前記メディアン径の測定装置としては、特に制限はなく、公知の装置を適宜選択することができ、例えば、レーザー回折・散乱式 粒子径・粒度分布測定装置 マイクロトラックMT3000II(日機装株式会社製)などが挙げられる。
以下に試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの試験例に何ら限定されるものではない。
(試験例1−1〜1−3)
崩壊性に劣る原料として、コンドロイチン硫酸(サメ軟骨抽出物)を用い、以下のようにして錠剤を製造した。
−打錠末の調製−
以下の配合処方のうち、ステアリン酸カルシウム以外を混合した後、その混合物にステアリン酸カルシウムを添加し、混合して、打錠末とした。
〔配合処方:試験例1−1〕
・ サメ軟骨抽出物 ・・・ 71.4質量%
(サメ軟骨由来食品用コンドロイチン−70、上海輝文生物技術有限公司社製)
・ 結晶セルロース・微粒酸化ケイ素 ・・・ 27.6質量%
(NUTRASOLV 90F、JRS Pharma社製)
・ ステアリン酸カルシウム ・・・ 1.0質量%
(堺化学工業株式会社製;滑沢剤)
〔配合処方:試験例1−2〕
・ サメ軟骨抽出物 ・・・ 71.4質量%
(サメ軟骨由来食品用コンドロイチン−70、上海輝文生物技術有限公司社製)
・ 結晶セルロース・微粒酸化ケイ素 ・・・ 22.6質量%
(NUTRASOLV 90F、JRS Pharma社製)
・ 崩壊剤 ・・・ 5.0質量%
(部分α化デンプンPCS、旭化成ケミカルズ株式会社社製)
・ ステアリン酸カルシウム ・・・ 1.0質量%
(堺化学工業株式会社製;滑沢剤)
〔配合処方:試験例1−3〕
・ サメ軟骨抽出物 ・・・ 71.6質量%
(サメ軟骨由来食品用コンドロイチン−70、上海輝文生物技術有限公司社製)
・ 結晶セルロース・微粒酸化ケイ素 ・・・ 25.6質量%
(NUTRASOLV 90F、JRS Pharma社製)
・ 崩壊剤 ・・・ 2.0質量%
(explotab、JRS Pharma社製)
・ ステアリン酸カルシウム ・・・ 1.0質量%
(堺化学工業株式会社製;滑沢剤)
−打錠−
ロータリー打錠機(HATA AP−12SS、株式会社畑鉄工所製)を用い、以下の条件で打錠加工し、錠剤を製造した。
〔打錠条件〕
・ 杵立数 : 6本
・ 使用杵 : 硬質クロムメッキ処理がされた杵(標準的に使用されている杵)
・ 回転数 : 40rpm
・ 打錠圧 : 8kN、13kN、又は15kN
・ 剤形 : 直径9mm、曲率半径(R)7.5mm
・ 錠剤質量 : 300mg
<評価:錠剤硬度>
前記試験例1−1〜1−3の錠剤の硬度を、錠剤破壊強度測定器TH−303MP(富山産業株式会社製)を用いて測定した。結果を表1に示す。
<評価:崩壊時間>
前記試験例1−1〜1−3の錠剤の崩壊時間を、日本薬局方第16改正に記載されている崩壊試験法により測定した。結果を表1に示す。
表1の結果から、崩壊剤を含有する試験例1−2及び1−3の錠剤は、試験例1−1の錠剤と比較して、崩壊時間が若干短くなったものの十分とは言えず、また、錠剤硬度が低下してしまうことが確認された。
したがって、崩壊性に劣る原料を含む錠剤に崩壊剤を添加しても、崩壊時間を十分短くすることはできず、また、錠剤硬度も低下してしまい、圧縮成形性が劣ることが示された。
(試験例2−1〜2−5)
崩壊性に劣る原料として、コンドロイチン硫酸(サメ軟骨抽出物)を用い、賦形剤として、パインデックス#100(澱粉分解物)を用い、以下のようにして、錠剤を製造した。
<賦形剤含有液体の調製>
パインデックス#100(松谷化学工業株式会社製)を水に溶解させ、パインデックス#100の含有量が、30質量%の賦形剤含有液体とした。
<ガス含有液体の調製、及び顆粒の調製>
噴霧乾燥装置(MicraSpray750(Anhydro社製))及びガス注入装置(ADS(Anhydro社製))を用い、以下の条件で、噴霧手前の前記賦形剤含有液体に窒素ガスを注入し、その後、前記窒素ガスを注入した賦形剤含有液体を以下の条件で、噴霧乾燥し、顆粒を得た。
−ガス注入条件−
・ ガス注入量 : 0mL/分(試験例2−1)、5,000mL/分(試験例2−2)、10,000mL/分/分(試験例2−3)、15,000mL/分(試験例2−4)
・ 賦形剤含有液体の送液量 : 333mL/分〜383mL/分
−噴霧乾燥条件−
窒素ガスを注入した固形分30質量%の賦形剤含有液体を送液量333mL/分〜383mL/分、熱風温度165℃〜170℃、排風温度86℃〜87℃の条件下で噴霧乾燥を行った。
<錠剤の調製>
前記試験例2−1〜2−4の顆粒、又はコントロールとして、噴霧乾燥を行っていないパインデックス#100(試験例2−5)を用い、以下のようにして、試験例2−1〜2−5の錠剤を調製した。
−打錠末の調製−
以下の配合処方の原料のうち、ステアリン酸カルシウム以外を混合した後、その混合物にステアリン酸カルシウムを添加し、混合して、打錠末とした。
〔配合処方〕
・ サメ軟骨抽出物 ・・・ 71.4質量%
(サメ軟骨由来食品用コンドロイチン−70、上海輝文生物技術有限公司社製)
・ 賦形剤 ・・・ 27.6質量%
(試験例2−1〜2−4の顆粒、又は噴霧乾燥を行っていないパインデックス#100)
・ ステアリン酸カルシウム ・・・ 1.0質量%
(堺化学工業株式会社製;滑沢剤)
−打錠−
ロータリー打錠機(HATA AP−12SS、株式会社畑鉄工所製)を用い、以下の条件で打錠加工し、錠剤を製造した。
〔打錠条件〕
・ 杵立数 : 6本
・ 使用杵 : 硬質クロムメッキ処理がされた杵(標準的に使用されている杵)
・ 回転数 : 40rpm
・ 打錠圧 : 8kN、13kN、又は15kN
・ 剤形 : 直径9mm、曲率半径(R)7.5mm
・ 錠剤質量 : 300mg
<評価:錠剤硬度>
前記試験例2−1〜2−5の錠剤の硬度を、錠剤破壊強度測定器TH−303MP(富山産業株式会社製)を用いて測定した。結果を試験例1−1の結果と共に表2−1に示す。
<評価:崩壊時間>
前記試験例2−1〜2−5の錠剤の崩壊時間を、日本薬局方第16改正に記載されている崩壊試験法により測定した。結果を試験例1−1の結果と共に表2−1に示す。
表2−1の結果から、ガスを注入し、噴霧乾燥を行った試験例2−2〜2−4では、十分な錠剤硬度が得られた。また、ガスの注入量を上げることによって、錠剤硬度が、試験例1−1と同等程度まで上昇した。
通常、錠剤硬度が上昇した場合、崩壊時間もそれに伴い伸びることが知られており、表2−1の結果から、試験例1−1の錠剤では、低打錠圧のものでも崩壊時間が長く、また、打錠圧が高くなるにつれて崩壊時間は延びていた。一方、試験例2−2〜2−4の錠剤は、試験例2−1及び2−5の錠剤よりも錠剤硬度が上がっていたにも関わらず、崩壊時間が試験例1−1よりも短くなっていた。
上記結果から、ガスを注入した賦形剤含有液体を噴霧乾燥することにより得られた顆粒を用いることで、崩壊性に劣る原料を含む錠剤の錠剤硬度及び崩壊性が改善されることが示された。
<評価:顆粒>
前記試験例2−1〜2−4で得られた顆粒と、試験例2−5で用いた噴霧乾燥を行っていないパインデックス#100について、レーザー回折・散乱式 粒子径・粒度分布測定装置 マイクロトラックMT3000II(日機装株式会社製)により、ゆるめかさ密度、メディアン径(D50)を測定した。結果を表2−2に示す。
また、電子顕微鏡(日立卓上顕微鏡Miniacope TM3000、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)により、各顆粒を観察した。結果を図1A〜図1Dに示す。
図1Aは、試験例2−1で得られた顆粒の観察結果の一例を示し、図1Bは、試験例2−2で得られた顆粒の観察結果の一例を示し、図1Cは、試験例2−3で得られた顆粒の観察結果の一例を示し、図1Dは、試験例2−4で得られた顆粒の観察結果の一例を示す。
表2−2、及び図1A〜図1Dの結果から、ガスを注入した賦形剤含有液体を噴霧乾燥することにより得られた顆粒は、空隙を有する多孔質な顆粒となっていることが確認された。
(試験例3−1〜3−4)
崩壊性に劣る原料として、コンドロイチン硫酸(サメ軟骨抽出物)を用い、結合剤として、グアーガムを用い、以下のようにして、錠剤を製造した。
<結合剤含有液体の調製>
グアーガム(グアーガムHS、太陽化学株式会社製)を水に溶解させ、グアーガムの含有量が、30質量%の結合剤含有液体とした。
<ガス含有液体の調製、及び顆粒の調製>
噴霧乾燥装置(MicraSpray750(Anhydro社製))及びガス注入装置(ADS(Anhydro社製))を用い、以下の条件で、噴霧手前の前記賦形剤含有液体に窒素ガスを注入し、その後、前記窒素ガスを注入した結合剤含有液体を以下の条件で、噴霧乾燥し、顆粒を得た。
−ガス注入条件−
・ ガス注入量 : 0mL/分(試験例3−1)、10,000mL/分(試験例3−2)、15,000mL/分(試験例3−3)
・ 結合剤含有液体の送液量 : 333mL/分〜383mL/分
−噴霧乾燥条件−
窒素ガスを注入した固形分30質量%の結合剤含有液体を送液量333mL/分〜383mL/分、熱風温度165℃〜170℃、排風温度86℃〜87℃の条件下で噴霧乾燥を行った。
<錠剤の調製>
前記試験例3−1〜3−3の顆粒、又はコントロールとして、噴霧乾燥を行っていないグアーガム(グアーガムHS、太陽化学株式会社製、試験例3−4)を用い、以下のようにして、試験例3−1〜3−4の錠剤を調製した。
−打錠末の調製−
以下の配合処方の原料のうち、ステアリン酸カルシウム以外を混合した後、その混合物にステアリン酸カルシウムを添加し、混合して、打錠末とした。
〔配合処方〕
・ サメ軟骨抽出物 ・・・ 71.4質量%
(サメ軟骨由来食品用コンドロイチン−70、上海輝文生物技術有限公司社製)
・ 結合剤 ・・・ 27.6質量%
(試験例3−1〜3−3の顆粒、又は噴霧乾燥を行っていないグアーガムHS)
・ ステアリン酸カルシウム ・・・ 1.0質量%
(堺化学工業株式会社製;滑沢剤)
−打錠−
ロータリー打錠機(HATA AP−12SS、株式会社畑鉄工所製)を用い、以下の条件で打錠加工し、錠剤を製造した。
〔打錠条件〕
・ 杵立数 : 6本
・ 使用杵 : 硬質クロムメッキ処理がされた杵(標準的に使用されている杵)
・ 回転数 : 40rpm
・ 打錠圧 : 6kN、10kN、14kN、又は18kN
・ 剤形 : 直径9mm、曲率半径(R)7.5mm
・ 錠剤質量 : 300mg
<評価:錠剤硬度>
前記試験例3−1〜3−4の錠剤の硬度を、錠剤破壊強度測定器TH−303MP(富山産業株式会社製)を用いて測定した。結果を表3−1に示す。
<評価:崩壊時間>
前記試験例3−1〜3−4の錠剤の崩壊時間を、日本薬局方第16改正に記載されている崩壊試験法により測定した。結果を表3−1に示す。
表3−1の結果から、ガスを注入し、噴霧乾燥を行った試験例3−2〜3−3では、試験例3−1及び3−4と比較して高い錠剤硬度が得られた。また、同じ錠剤硬度で比較すると、試験例3−2〜3−3で得られた錠剤の崩壊性は、試験例3−1及び3−4で得られた錠剤よりも優れていることが確認された。
上記結果から、ガスを注入した結合剤含有液体を噴霧乾燥することにより得られた顆粒を用いることで、崩壊性に劣る原料を含む錠剤の錠剤硬度及び崩壊性が改善されることが示された。
<評価:顆粒>
前記試験例3−1〜3−3で得られた顆粒と、試験例3−4で用いた噴霧乾燥を行っていないグアーガムHSについて、レーザー回折・散乱式 粒子径・粒度分布測定装置 マイクロトラックMT3000II(日機装株式会社製)により、ゆるめかさ密度、メディアン径(D50)を測定した。結果を表3−2に示す。
また、電子顕微鏡(日立卓上顕微鏡Miniacope TM3000、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製)により、各顆粒を観察した。結果を図2A〜図2Cに示す。
図2Aは、試験例3−1で得られた顆粒の観察結果の一例を示し、図2Bは、試験例3−2で得られた顆粒の観察結果の一例を示し、図2Cは、試験例3−3で得られた顆粒の観察結果の一例を示す。
表3−2、及び図2A〜図2Cの結果から、ガスを注入した賦形剤含有液体を噴霧乾燥することにより得られた顆粒は、空隙を有する多孔質な顆粒となっていることが確認された。
以上の結果から、本願発明の顆粒を打錠(圧縮成形)すると、原料自体が可塑変形を起こすことで原料同士が結合しやすくなり、原料の圧縮成形性が上昇し、十分な錠剤硬度を示し、且つ崩壊性に優れた錠剤を製造できると考えられる。
そのため、前記顆粒を用いることによって、これまで多く配合する必要があった賦形剤、崩壊剤、結合剤の配合量を減らすことができるため、錠剤の小粒化や、1日目安粒数が多い場合は、粒数の削減が可能となる。
また、本発明の錠剤の製造方法によれば、十分な錠剤硬度を示し、且つ崩壊性に優れた錠剤を簡易に、効率良く製造することができる。

Claims (7)

  1. 賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含む液体にガスを注入し、ガス含有液体を調製する工程と、
    前記ガス含有液体を噴霧乾燥し、顆粒を調製する工程と、
    前記顆粒と、崩壊性に劣る原料とを含む混合物を打錠し、錠剤を調製する工程とを含むことを特徴とする錠剤の製造方法。
  2. (A)ガスの注入量(mL/分)と、(B)賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含む液体の送液量(mL/分)との比((A)/(B))が、0.5〜60である請求項1に記載の錠剤の製造方法。
  3. ガスが、窒素ガスである請求項1から2のいずれかに記載の錠剤の製造方法。
  4. 錠剤原料用の賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかの顆粒の製造方法であって、
    賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含む液体にガスを注入し、ガス含有液体を調製する工程と、
    前記ガス含有液体を噴霧乾燥し、顆粒を調製する工程とを含むことを特徴とする錠剤原料用顆粒の製造方法。
  5. (A)ガスの注入量(mL/分)と、(B)賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかを含む液体の送液量(mL/分)との比((A)/(B))が、0.5〜60である請求項4に記載の錠剤原料用顆粒の製造方法。
  6. ガスが、窒素ガスである請求項4から5のいずれかに記載の錠剤原料用顆粒の製造方法。
  7. 錠剤原料用の賦形剤、結合剤、及び崩壊剤の少なくともいずれかの顆粒であって、
    前記顆粒のかさ密度が、顆粒とする前の原料のかさ密度の40%〜90%であり、
    前記顆粒のメディアン径が、140μm〜240μmであることを特徴とする錠剤原料用顆粒。
JP2015249993A 2015-12-22 2015-12-22 錠剤の製造方法、錠剤原料用顆粒の製造方法、及び錠剤原料用顆粒 Active JP6650750B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015249993A JP6650750B2 (ja) 2015-12-22 2015-12-22 錠剤の製造方法、錠剤原料用顆粒の製造方法、及び錠剤原料用顆粒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015249993A JP6650750B2 (ja) 2015-12-22 2015-12-22 錠剤の製造方法、錠剤原料用顆粒の製造方法、及び錠剤原料用顆粒

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017114791A true JP2017114791A (ja) 2017-06-29
JP6650750B2 JP6650750B2 (ja) 2020-02-19

Family

ID=59233366

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015249993A Active JP6650750B2 (ja) 2015-12-22 2015-12-22 錠剤の製造方法、錠剤原料用顆粒の製造方法、及び錠剤原料用顆粒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6650750B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022202606A1 (ja) * 2021-03-25 2022-09-29 太陽化学株式会社 水溶性食物繊維を含有する造粒物及びその製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002012559A (ja) * 2000-05-01 2002-01-15 Natl Starch & Chem Investment Holding Corp 直接打錠用の多糖類材料
JP2004000575A (ja) * 2002-04-24 2004-01-08 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd 有核成型品の外層を薄層化する方法及びそれに用いる粉粒体
WO2006115198A1 (ja) * 2005-04-22 2006-11-02 Asahi Kasei Chemicals Corporation 多孔質セルロース凝集体及びその成型体組成物
WO2008146590A1 (ja) * 2007-05-28 2008-12-04 Mitsubishi Shoji Foodtech Co., Ltd. 球形マンニトール結晶粒子
JP2012509329A (ja) * 2008-11-19 2012-04-19 アバントール パフォーマンス マテリアルズ, インコーポレイテッド 直接圧縮可能で高機能性な顆粒状の微結晶性セルロースベース賦形剤、それらの製造プロセスおよび使用

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002012559A (ja) * 2000-05-01 2002-01-15 Natl Starch & Chem Investment Holding Corp 直接打錠用の多糖類材料
JP2004000575A (ja) * 2002-04-24 2004-01-08 Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd 有核成型品の外層を薄層化する方法及びそれに用いる粉粒体
WO2006115198A1 (ja) * 2005-04-22 2006-11-02 Asahi Kasei Chemicals Corporation 多孔質セルロース凝集体及びその成型体組成物
WO2008146590A1 (ja) * 2007-05-28 2008-12-04 Mitsubishi Shoji Foodtech Co., Ltd. 球形マンニトール結晶粒子
JP2012509329A (ja) * 2008-11-19 2012-04-19 アバントール パフォーマンス マテリアルズ, インコーポレイテッド 直接圧縮可能で高機能性な顆粒状の微結晶性セルロースベース賦形剤、それらの製造プロセスおよび使用

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022202606A1 (ja) * 2021-03-25 2022-09-29 太陽化学株式会社 水溶性食物繊維を含有する造粒物及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6650750B2 (ja) 2020-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5219508B2 (ja) ドロキシドパを含有する安定な錠剤
CN104159583B (zh) 含有1‑(3‑(2‑(1‑苯并噻吩‑5‑基)乙氧基)丙基)氮杂环丁烷‑3‑醇或其盐的固体药物组合物
TWI526210B (zh) Oral pharmaceutical composition
CN104010663A (zh) 含酸式羧甲基纤维素和结晶纤维素的崩解性颗粒组合物及含该组合物的口腔内崩解片剂
KR102377914B1 (ko) 분쇄 유당 또는 조립 유당을 포함하는 붕해성 입자 조성물
JP2017114791A (ja) 錠剤の製造方法、錠剤原料用顆粒の製造方法、及び錠剤原料用顆粒
TWI711461B (zh) 錠劑組成物及錠劑組成物之崩散性/溶離性改善方法
JP6104038B2 (ja) 結晶セルロースの複合組成物
JP6262490B2 (ja) 口腔内速崩壊性錠剤用組成物
JP6619644B2 (ja) 錠剤の製造方法、及び錠剤原料用顆粒の製造方法
JP2008127320A (ja) 口腔内速崩壊性固形製剤
CN105555316B (zh) 通过二阶段的湿式制粒工序制备的崩解性颗粒组合物及含有该组合物的口腔内崩解片剂
JP7145121B2 (ja) 錠剤の製造方法
TWI767923B (zh) 口腔內崩解錠添加用組成物及其製造方法以及口腔內崩解錠
JP7012492B2 (ja) 錠剤およびその製造方法
JP2016041662A (ja) 速崩壊錠剤
JP6591973B2 (ja) 清酒酵母含有錠剤
JP7390750B2 (ja) 固形製剤
JP6660694B2 (ja) シリマリン含有錠剤
JP4804737B2 (ja) カルシウム含有速崩壊性固形製剤
JP6251667B2 (ja) 錠剤型即放性製剤及びその製造方法
JP4630614B2 (ja) 速崩壊性固形製剤
JP2015174861A (ja) 積層錠及びその製造方法
JP2016190794A (ja) 錠剤およびその製造方法
JP2020196697A (ja) L−システイン配合ビタミンc高含有圧縮成形製剤

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160803

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181114

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190813

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190925

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6650750

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250