JP2017112809A - 駆動装置、輸送機器及び制御方法 - Google Patents

駆動装置、輸送機器及び制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】2つの蓄電器のいずれか一方が故障した際に他方の蓄電器の電力を高効率に使用可能かつ補機部への過電圧の印加を防止可能な駆動装置を提供する。【解決手段】駆動装置は、高容量型バッテリES−Eと、高出力型バッテリES−Pと、ES−E又はES−Pの出力電圧を変換する変換部VCU103と、ES−E又はES−Pに接続された電装部115、117と、ES−E及びES−Pの少なくとも一方から供給される電力によって駆動する駆動部(MG101、PDU105)と、ES−E及びES−Pの少なくとも一方の故障を検出し、変換部を制御するECU119と、を備える。ECUは、ES−E又はES−Pの故障を検出すると、変換部の制御モードを電流制御モードから電圧制御モードに切り替え、電装部の動作保証上限電圧及び駆動部に印加する予定の目標電圧のうち低い方の電圧に基づき、変換部を制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、2つの蓄電器を備えた駆動装置、輸送機器及び制御方法に関する。
特許文献1には、3つの蓄電装置と、3つの蓄電装置からの電力を用いて、駆動力を発生するように構成された駆動装置と、3つの蓄電装置にそれぞれ対応して設けられ、3つの蓄電装置からの電力の供給と遮断とを切替えるための3つのリレーとを含む車両が記載されている。当該車両のECUは、3つの蓄電装置の故障を検出し、検出された蓄電装置の故障状態に応じて、駆動装置と3つの蓄電装置との接続状態を変更するように3つのリレーを制御する。
特開2011−041386号公報 特開2014−155297号公報
特許文献1に記載の車両は、検出された3つの蓄電装置の故障状態に応じて、駆動装置と3つの蓄電装置との接続状態を3つのリレーの開閉によって制御し、走行の継続を図っている。また、3つの蓄電装置の1つに対して並列に、DC/DCコンバータを介して補機が接続されているが、蓄電装置の故障が発生した場合の補機への電力供給については、何ら記載がない。特に特性の異なる2つの蓄電装置を含む駆動装置においては、一方の蓄電装置が使用不能になると、車両の航続可能距離をできるだけ長くするためにコンバータの制御方式を切り替えるが、切り替え後の制御方式によって制御された電圧が補機の動作保証上限電圧を超過すると、補機の故障を招くおそれがあり補機にとって望ましくない。
本発明の目的は、2つの蓄電器のいずれか一方が故障した際に他方の蓄電器の電力を高効率に使用可能かつ補機部への過電圧の印加を防止可能な駆動装置、輸送機器及び制御方法を提供することである。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
第1蓄電器(例えば、後述の実施形態での高容量型バッテリES−E又は高出力型バッテリES−P)と、
第2蓄電器(例えば、後述の実施形態での高出力型バッテリES−P又は高容量型バッテリES−E)と、
前記第1蓄電器の出力電圧又は前記第2蓄電器の出力電圧を変換する変換部(例えば、後述の実施形態でのVCU103)と、
前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器に接続された補機部(例えば、後述の実施形態での電装部117又は電装部115)と、
前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方から供給される電力によって駆動する駆動部(例えば、後述の実施形態でのPDU105及びモータジェネレータ101)と、
前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方の故障を検出する検出部(例えば、後述の実施形態でのECU119)と、
前記変換部を制御する制御部(例えば、後述の実施形態でのECU119)と、を備え、
前記制御部は、
前記検出部が前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器の故障を検出すると、前記変換部の制御モードを電流制御モードから電圧制御モードに切り替え、
前記変換部が前記補機部の動作保証上限電圧及び前記駆動部に印加する予定の目標電圧のうち低い方の電圧に基づき、前記変換部を制御する、駆動装置である。
請求項2に記載の発明は、
第1蓄電器(例えば、後述の実施形態での高容量型バッテリES−E又は高出力型バッテリES−P)と、
第2蓄電器(例えば、後述の実施形態での高出力型バッテリES−P又は高容量型バッテリES−E)と、
前記第1蓄電器の出力電圧又は前記第2蓄電器の出力電圧を変換する変換部(例えば、後述の実施形態でのVCU103)と、
前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器に接続された補機部(例えば、後述の実施形態での電装部117又は電装部115)と、
前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方から供給される電力によって駆動する駆動部(例えば、後述の実施形態でのPDU105及びモータジェネレータ101)と、
前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方の故障を検出する検出部(例えば、後述の実施形態でのECU119)と、
前記変換部が前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の一方から前記駆動部に供給される電力と目標電力との差分に応じて前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の他方の出力電圧を変換するよう制御する電流制御モードと、前記変換部が前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の一方の出力電圧及び前記駆動部に印加する予定の目標電圧に応じて前記一方の出力電圧を変換するよう制御する電圧制御モードと、のいずれかに基づいて、前記変換部を制御する制御部(例えば、後述の実施形態でのECU119)と、を備え、
前記制御部は、
前記検出部が前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器の故障を検出すると、前記変換部の制御モードを前記電流制御モードから前記電圧制御モードに切り替え、
前記変換部が前記補機部の動作保証上限電圧及び前記目標電圧のうち低い方の電圧に基づき、前記変換部を制御する、駆動装置である。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、
前記変換部は、前記第1蓄電器と前記駆動部の間に設けられ、
前記補機部は、前記第2蓄電器に接続され、
前記制御部は、前記第2蓄電器の故障を検知して前記変換部を前記電圧制御モードで制御する際、前記目標電圧が前記補機部の動作保証上限電圧より高い場合は、前記変換部が前記第1蓄電器の電圧を昇圧して前記動作保証上限電圧以下の電圧を出力するよう制御する。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、
前記変換部は、前記第1蓄電器と前記駆動部の間に設けられ、
前記補機部は、前記第2蓄電器に接続され、
前記制御部は、前記第2蓄電器の故障を検知して前記変換部を前記電圧制御モードで制御する際、前記目標電圧が前記補機部の動作保証上限電圧より低い場合は、前記変換部が前記第1蓄電器の電圧を昇圧して前記目標電圧を出力するよう制御する。
請求項5に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、
前記変換部は、前記第1蓄電器と前記駆動部の間に設けられ、
前記補機部は、前記第1蓄電器と前記変換部の間に接続され、
前記制御部は、前記第1蓄電器の故障を検知して前記変換部を前記電圧制御モードで制御する際、前記目標電圧が前記補機部の動作保証上限電圧より高い場合は、前記変換部が前記第2蓄電器の電圧を降圧して前記動作保証上限電圧を前記補機部側に出力するよう制御する。
請求項6に記載の発明では、請求項1、2又は5に記載の発明において、
前記変換部は、前記第1蓄電器と前記駆動部の間に設けられ、
前記補機部は、前記第1蓄電器と前記変換部の間に接続され、
前記制御部は、前記第1蓄電器の故障を検知して前記変換部を前記電圧制御モードで制御する際、前記目標電圧が前記補機部の動作保証上限電圧より低い場合は、前記変換部が前記第2蓄電器の電圧を変換せずに前記補機部側に出力するよう制御する。
請求項7に記載の発明は、
第1蓄電器(例えば、後述の実施形態での高容量型バッテリES−E又は高出力型バッテリES−P)と、
第2蓄電器(例えば、後述の実施形態での高出力型バッテリES−P又は高容量型バッテリES−E)と、
前記第1蓄電器の出力電圧を変換する第1変換部(例えば、後述の実施形態でのVCU203,103)と、
前記第2蓄電器の出力電圧を変換する第2変換部(例えば、後述の実施形態でのVCU103,203)と、
前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器に接続された補機部(例えば、後述の実施形態での電装部117又は電装部115)と、
前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方から供給される電力によって駆動する駆動部(例えば、後述の実施形態でのPDU105及びモータジェネレータ101)と、
前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方の故障を検出する検出部(例えば、後述の実施形態でのECU119)と、
前記第1変換部又は前記第2変換部を制御する制御部(例えば、後述の実施形態でのECU119)と、を備え、
前記制御部は、
前記検出部が前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器の故障を検出すると、前記第1変換部及び前記第2変換部のうち正常な蓄電器の出力電圧を変換する正常側変換部の制御モードを電流制御モードから電圧制御モードに切り替え、
前記第1変換部及び前記第2変換部のうち前記故障が検出された蓄電器の出力電圧を変換する故障側変換部が、前記補機部の動作保証上限電圧及び前記駆動部に印加する予定の目標電圧のうち低い方の電圧に基づき、前記故障側変換部を制御する、駆動装置である。
請求項8に記載の発明は、
第1蓄電器(例えば、後述の実施形態での高容量型バッテリES−E又は高出力型バッテリES−P)と、
第2蓄電器(例えば、後述の実施形態での高出力型バッテリES−P又は高容量型バッテリES−E)と、
前記第1蓄電器の出力電圧を変換する第1変換部(例えば、後述の実施形態でのVCU203,103)と、
前記第2蓄電器の出力電圧を変換する第2変換部(例えば、後述の実施形態でのVCU103,203)と、
前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器に接続された補機部(例えば、後述の実施形態での電装部117又は電装部115)と、
前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方から供給される電力によって駆動する駆動部(例えば、後述の実施形態でのPDU105及びモータジェネレータ101)と、
前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方の故障を検出する検出部(例えば、後述の実施形態でのECU119)と、
前記第1変換部及び前記第2変換部のうち一方の変換部が、前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の一方から前記駆動部に供給される電力と目標電力との差分に応じて前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の他方の出力電圧を変換するよう制御する電流制御モードと、前記第1変換部及び前記第2変換部のうち一方の変換部が、前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の一方の出力電圧及び前記駆動部に印加する予定の目標電圧に応じて前記一方の出力電圧を変換するよう制御する電圧制御モードと、のいずれかに基づいて、前記一方の変換部を制御する制御部(例えば、後述の実施形態でのECU119)と、を備え、
前記制御部は、
前記検出部が前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器の故障を検出すると、前記第1変換部及び前記第2変換部のうち正常な蓄電器の出力電圧を変換する正常側変換部の制御モードを前記電流制御モードから前記電圧制御モードに切り替え、
前記第1変換部及び前記第2変換部のうち前記故障が検出された蓄電器の出力電圧を変換する故障側変換部が、前記補機部の動作保証上限電圧及び前記駆動部に印加する予定の目標電圧のうち低い方の電圧に基づき、前記故障側変換部を制御する、駆動装置である。
請求項9に記載の発明では、請求項7又は8に記載の発明において、
前記補機部は、前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器のうち前記検出部によって故障が検出された蓄電器に接続され、
前記制御部は、前記正常側変換部を前記電圧制御モードで制御する際、前記目標電圧が前記補機部の動作保証上限電圧より高い場合は、前記故障側変換部が前記正常側変換部の出力電圧を降圧して前記動作保証上限電圧以下の電圧を前記補機部側に出力するよう制御する。
請求項10に記載の発明は、請求項7から9のいずれか1項に記載の発明において、
前記補機部は、前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器のうち前記検出部によって故障が検出された蓄電器に接続され、
前記制御部は、前記正常側変換部を前記電圧制御モードで制御する際、前記目標電圧が前記補機部の動作保証上限電圧より低い場合は、前記故障側変換部が前記正常側変換部の出力電圧を変換せずに前記補機部側に出力するよう制御する。
請求項11に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の発明において、
前記制御部は、
前記検出部が前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の故障を検出しないときは、前記駆動部に供給可能な電力を前記第1蓄電器と前記第2蓄電器が出力可能な電力の総和に設定して、前記変換部を前記電流制御モードで制御し、
前記検出部が前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器の故障を検出すると、前記駆動部に供給可能な電力を故障していない蓄電器が出力可能な電力に設定した後に前記電流制御モードから前記電圧制御モードに切り替え、前記故障していない蓄電器の出力電圧を変換する前記変換部を前記電圧制御モードで制御する。
請求項12に記載の発明は、請求項7から10のいずれか1項に記載の発明において、
前記制御部は、
前記検出部が前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の故障を検出しないときは、前記駆動部に供給可能な電力を前記第1蓄電器と前記第2蓄電器が出力可能な電力の総和に設定して、前記第1変換部及び前記第2変換部を前記電流制御モードで制御し、
前記検出部が前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器の故障を検出すると、前記駆動部に供給可能な電力を故障していない蓄電器が出力可能な電力に設定した後に前記電流制御モードから前記電圧制御モードに切り替え、前記正常側変換部を前記電圧制御モードで制御する。
請求項13に記載の発明は、請求項1から12のいずれか1項に記載の発明において、
前記目標電圧は、前記駆動部への要求出力における駆動効率が閾値以上である最適電圧である。
請求項14に記載の発明は、請求項1から13のいずれか1項に記載の駆動装置を有する、輸送機器である。
請求項15に記載の発明は、
第1蓄電器(例えば、後述の実施形態での高容量型バッテリES−E又は高出力型バッテリES−P)と、
第2蓄電器(例えば、後述の実施形態での高出力型バッテリES−P又は高容量型バッテリES−E)と、
前記第1蓄電器の出力電圧又は前記第2蓄電器の出力電圧を変換する変換部(例えば、後述の実施形態でのVCU103)と、
前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器に接続された補機部(例えば、後述の実施形態での電装部117又は電装部115)と、
前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方から供給される電力によって駆動する駆動部(例えば、後述の実施形態でのPDU105及びモータジェネレータ101)と、
前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方の故障を検出する検出部(例えば、後述の実施形態でのECU119)と、
前記変換部を制御する制御部(例えば、後述の実施形態でのECU119)と、を備えた駆動装置が行う制御方法であって、
前記制御部は、
前記検出部が前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器の故障を検出すると、前記変換部の制御モードを電流制御モードから電圧制御モードに切り替え、
前記変換部が前記補機部の動作保証上限電圧及び前記駆動部に印加する予定の目標電圧のうち低い方の電圧に基づき、前記変換部を制御する、制御方法である。
請求項16に記載の発明は、
第1蓄電器(例えば、後述の実施形態での高容量型バッテリES−E又は高出力型バッテリES−P)と、
第2蓄電器(例えば、後述の実施形態での高出力型バッテリES−P又は高容量型バッテリES−E)と、
前記第1蓄電器の出力電圧を変換する第1変換部(例えば、後述の実施形態でのVCU203,103)と、
前記第2蓄電器の出力電圧を変換する第2変換部(例えば、後述の実施形態でのVCU103,203)と、
前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器に接続された補機部(例えば、後述の実施形態での電装部117又は電装部115)と、
前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方から供給される電力によって駆動する駆動部(例えば、後述の実施形態でのPDU105及びモータジェネレータ101)と、
前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方の故障を検出する検出部(例えば、後述の実施形態でのECU119)と、
前記第1変換部又は前記第2変換部を制御する制御部(例えば、後述の実施形態でのECU119)と、を備えた駆動装置が行う制御方法であって、
前記制御部は、
前記検出部が前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器の故障を検出すると、前記第1変換部及び前記第2変換部のうち正常な蓄電器の出力電圧を変換する正常側変換部の制御モードを電流制御モードから電圧制御モードに切り替え、
前記第1変換部及び前記第2変換部のうち前記故障が検出された蓄電器の出力電圧を変換する故障側変換部が、前記補機部の動作保証上限電圧及び前記駆動部に印加する予定の目標電圧のうち低い方の電圧に基づき、前記故障側変換部を制御する、制御方法である。
請求項1の発明、請求項2の発明、請求項14の発明及び請求項15の発明によれば、2つの蓄電器のいずれか一方が故障して、電動車両の動力を出力する駆動部に印加する電力の制御を、2つの蓄電器の特性を活かした充放電によって劣化抑制を重視した制御(電流制御モード)から、駆動部を最大またはそれに順ずる効率で駆動する航続可能距離の延長を重視した制御(電圧制御モード)に変更した状態で変換部を介して補機部に印加される電圧は補機部の動作保証上限電圧以下であるため、補機部には動作保証上限電圧を超過する過電圧は印加されない。したがって、2つの蓄電器のいずれか一方が故障した際に、正常な蓄電器の電力を高効率に使用でき、かつ、補機部への過電圧の印加による補機部の故障を防止できる。
請求項3の発明及び請求項4の発明によれば、補機部が接続された第2蓄電器が故障して、変換部が電圧制御モードで制御される状態であっても、変換部を介して補機部に印加される電圧は補機部の動作保証上限電圧以下であるため、過電圧の印加による補機部の故障を防止できる。
請求項5の発明及び請求項6の発明によれば、補機部が接続された第1蓄電器が故障して、変換部が電圧制御モードで制御される状態であっても、変換部を介して補機部に印加される電圧は補機部の動作保証上限電圧以下であるため、過電圧の印加による補機部の故障を防止できる。
請求項7の発明、請求項8の発明、請求項14の発明及び請求項16の発明によれば、2つの蓄電器のいずれか一方が故障して、電動車両の動力を出力する駆動部に印加する電力の制御を、2つの蓄電器の特性を活かした充放電によって劣化抑制を重視した制御(電流制御モード)から、駆動部を最大またはそれに順ずる効率で駆動する航続可能距離の延長を重視した制御(電圧制御モード)に変更した状態で故障側変換部を介して補機部に印加される電圧は補機部の動作保証上限電圧以下であるため、補機部には動作保証上限電圧を超過する過電圧は印加されない。したがって、2つの蓄電器のいずれか一方が故障した際に、正常な蓄電器の電力を高効率に使用でき、かつ、過電圧の印加による補機部の故障を防止できる。
請求項9の発明及び請求項10の発明によれば、補機部が接続された蓄電器が故障して、正常側変換部が電圧制御モードで制御される状態であっても、故障側変換部を介して補機部に印加される電圧は補機部の動作保証上限電圧以下であるため、過電圧の印加による補機部の故障を防止できる。
第1蓄電器又は第2蓄電器が故障した際、駆動部に供給可能な電力を第1蓄電器と第2蓄電器が出力可能な電力との総和に設定されたまま電圧制御モードに切替えると、変換部及び駆動部によって正常な蓄電器から本来2つの蓄電器より出力されるべき電力が持ち出されることによって、当該正常な蓄電器の出力電力が過大となる可能性がある。その結果、正常な蓄電器を適切に使用できないばかりか、その劣化を促進させるおそれがあるため望ましくない。
しかし、請求項11の発明及び請求項12の発明では、第1蓄電器又は第2蓄電器が故障した際には、駆動部に供給可能な電力を正常な蓄電器が出力可能な電力に設定するまでは電流制御モードが継続され、当該設定を行った後に電圧制御モードに切り替えるため、当該電圧制御モードに基づいて、変換部が正常な蓄電器の出力電圧を目標電圧まで変換しても、当該正常な蓄電器の出力電力は前記設定された駆動部に供給可能な電力以下、すなわち、正常な蓄電器が出力可能な電力以下に抑えられる。このように、当該発明によれば、駆動部に供給可能な電力を正常な蓄電器が出力可能な電力に設定する前に電圧制御モードへの切り替えを行った場合と比べて、蓄電器に故障が発生した際の正常な蓄電器の出力電力は過大とならずに適正値に抑えられるため、当該正常な蓄電器の電力を適切に使用できる。また、過大な電力の出力は蓄電器の劣化を促進するが、当該発明によれば、正常な蓄電器の出力電力は過大とならずに適正値に抑えられるため、当該正常な蓄電器の劣化の促進を防止できる。
請求項13の発明によれば、第1蓄電器又は第2蓄電器の故障が発生した後の駆動部の駆動効率を最適化できる。
第1の実施形態の駆動装置を搭載した電動車両の概略構成を示すブロック図である。 第1の実施形態におけるモータジェネレータ、高容量型バッテリ、高出力型バッテリ、VCU、PDU、ECU及び電装部の関係を示す電気回路図である。 高容量型バッテリの故障時に電圧制御モードでVCUを制御する際の高出力型バッテリからモータジェネレータ及び電装部への電流の流れを示す図である。 高出力型バッテリの故障時に電圧制御モードでVCUを制御する際の高容量型バッテリからモータジェネレータ及び電装部への電流の流れを示す図である。 高容量型バッテリに故障の前兆が発生した後、高容量型バッテリが実際に故障した際のECUの制御による各パラメータの経時変化を示すタイミングチャートである。 第2の実施形態の駆動装置を搭載した電動車両の概略構成を示すブロック図である。 第2の実施形態におけるモータジェネレータ、高容量型バッテリ、高出力型バッテリ、VCU、PDU、ECU及び電装部の関係を示す電気回路図である。 高容量型バッテリの故障時に電圧制御モードでVCUを制御する際の高出力型バッテリからモータジェネレータ及び電装部への電流の流れを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の駆動装置を搭載した電動車両の概略構成を示すブロック図である。図1に示す1MOT型の電動車両は、モータジェネレータ(MG)101と、高容量型バッテリES−Eと、高出力型バッテリES−Pと、VCU(Voltage Control Unit)103と、PDU(Power Drive Unit)105と、電圧センサ107p,107eと、電流センサ109p,109eと、温度センサ111p,111eと、スイッチ部113と、電装部115と、電装部117と、ECU(Electronic Control Unit)119とを備える。なお、図1中の太い実線は機械連結を示し、二重点線は電力配線を示し、細い実線は制御信号を示す。
モータジェネレータ101は、高容量型バッテリES−E及び高出力型バッテリES−Pの少なくともいずれか一方から得られる電力によって駆動して、電動車両が走行するための動力を発生する。モータジェネレータ101で発生したトルクは、変速段又は固定段を含むギヤボックスGB及びデファレンシャル・ギアDを介して駆動輪Wに伝達される。また、モータジェネレータ101は、電動車両の減速時には発電機として動作して、電動車両の制動力を出力する。なお、モータジェネレータ101を発電機として動作させることで生じた回生電力は、高容量型バッテリES−Eと高出力型バッテリES−Pの少なくともいずれか一方に蓄えられる。
高容量型バッテリES−Eは、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等といった複数の蓄電セルを有し、モータジェネレータ101に高電圧の電力を供給する。また、高出力型バッテリES−Pも、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等といった複数の蓄電セルを有し、VCU103を介してモータジェネレータ101に高電圧の電力を供給する。高出力型バッテリES−Pは、VCU103を介して、PDU105に対して高容量型バッテリES−Eと並列に接続されている。また、一般的に、高出力型バッテリES−Pの電圧は、高容量型バッテリES−Eの電圧よりも低い。したがって、高出力型バッテリES−Pの電力は、VCU103によって高容量型バッテリES−Eの電圧と同レベルまで昇圧された後、PDU105を介してモータジェネレータ101に供給される。
なお、高容量型バッテリES−Eや高出力型バッテリES−Pは、前述したニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池や、電池外部より活物質の供給を必要とする燃料電池や空気電池に限定される訳ではない。例えば、蓄電容量が少ないものの、短時間に大量の電力を充放電可能なコンデンサやキャパシタを高出力型バッテリES−Pとして用いても構わない。
また、高容量型バッテリES−Eの特性と高出力型バッテリES−Pの特性は互いに異なる。高容量型バッテリES−Eは、高出力型バッテリES−Pよりも、出力重量密度は低いが、エネルギー重量密度は高い。一方、高出力型バッテリES−Pは、高容量型バッテリES−Eよりも、エネルギー重量密度は低いが、出力重量密度は高い。このように、高容量型バッテリES−Eは、エネルギー重量密度の点で相対的に優れ、高出力型バッテリES−Pは、出力重量密度の点で相対的に優れる。なお、エネルギー重量密度とは、単位重量あたりの電力量(Wh/kg)であり、出力重量密度とは、単位重量あたりの電力(W/kg)である。したがって、エネルギー重量密度が優れている高容量型バッテリES−Eは、高容量を主目的とした蓄電器であり、出力重量密度が優れている高出力型バッテリES−Pは、高出力を主目的とした蓄電器である。
このような高容量型バッテリES−Eと高出力型バッテリES−Pの特性の違いは、例えば電極や活物質、電解質/液といった電池の構成要素の構造や材質等により定まる種々のパラメータに起因するものである。例えば、充放電可能な電気の総量を示すパラメータである蓄電可能容量は、高出力型バッテリES−Pより高容量型バッテリES−Eの方が優れる。一方、充放電に対する蓄電可能容量の劣化耐性を示すパラメータであるCレート特性や充放電に対する電気抵抗値を示すパラメータである内部抵抗(インピーダンス)は、高容量型バッテリES−Eより高出力型バッテリES−Pの方が優れる。
VCU103は、高出力型バッテリES−Pの出力電圧を直流のまま昇圧する。また、VCU103は、電動車両の減速時にモータジェネレータ101が発電して直流に変換された電力を降圧する。さらに、VCU103は、高容量型バッテリES−Eの出力電圧を直流のまま降圧する。VCU103によって降圧された電力は、高出力型バッテリES−Pに充電される。なお、VCU103が出力する直流電力の電圧レベル又は電流レベルは、ECU119によって制御される。
図2は、第1の実施形態におけるモータジェネレータ101、高容量型バッテリES−E、高出力型バッテリES−P、VCU103、PDU105、ECU119、電装部115及び電装部117の関係を示す電気回路図である。図2に示すように、VCU103は、高出力型バッテリES−Pの出力電圧を入力電圧として2つのスイッチング素子をオンオフ切換動作することによって、高出力型バッテリES−Pの電圧を昇圧して出力したり、回生電圧又は高容量型バッテリES−Eの電圧を降圧して出力する。これら2つのスイッチング素子をオンオフ切換動作せずに、上アームスイッチング素子をオン状態、下アームスイッチング素子をオフ状態とすれば、高出力型バッテリES−P及び電装部115は、高容量型バッテリES−E、電装部117及びPDU105と電気系統的に直結された状態になる。
PDU105は、図2に示した6つのスイッチング素子をオンオフ切換動作することによって、直流電圧を交流電圧に変換して3相電流をモータジェネレータ101に供給する。また、PDU105は、モータジェネレータ101の回生動作時に入力される交流電圧を直流電圧に変換する。
電圧センサ107pは、高出力型バッテリES−Pの電圧Vpを検出する。電圧センサ107pが検出した電圧Vpを示す信号はECU119に送られる。電圧センサ107eは、高容量型バッテリES−Eの電圧Veを検出する。なお、電圧センサ107eが検出した電圧Veは、高出力型バッテリES−Pの電圧VpをVCU103が昇圧した値に等しい。電圧センサ107eが検出した電圧Veを示す信号はECU119に送られる。
電流センサ109pは、高出力型バッテリES−Pの入出力電流Ipを検出する。電流センサ109pが検出した入出力電流Ipを示す信号はECU119に送られる。電流センサ109eは、高容量型バッテリES−Eの入出力電流Ieを検出する。電流センサ109eが検出した入出力電流Ieを示す信号はECU119に送られる。
温度センサ111pは、高出力型バッテリES−Pの温度Tpを検出する。温度センサ111pが検出した温度Tpを示す信号はECU119に送られる。温度センサ111eは、高容量型バッテリES−Eの温度Teを検出する。温度センサ111eが検出した温度Teを示す信号はECU119に送られる。
スイッチ部113は、高容量型バッテリES−EからPDU105又はVCU103までの電流経路を断接するコンタクタMCeと、高出力型バッテリES−PからVCU103までの電流経路を断接するコンタクタMCpとを有する。各コンタクタMCe,MCpは、ECU119の制御によって開閉される。
電装部115は、高出力型バッテリES−PとVCU103との間に設けられたジャンクションボックスJBを介して、高出力型バッテリES−PとVCU103との間に接続された補機である。電装部115は、高出力型バッテリES−P及びVCU103と並列に接続された普通充電器、高出力型バッテリES−Pを加温するヒータ、及びエアコンディショナーと低圧補器類のためのDC/DCコンバータを含む。なお、エアコンディショナーは電動コンプレッサと水加熱ヒータから主に構成される。普通充電器は、商用電源等の外部からの交流電力を高出力型バッテリES−Pの電圧レベルの直流電力に変換する。また、ヒータは、高出力型バッテリES−PとVCU103との間に接続されているため、VCU103を動作させることなく効率よく高出力型バッテリES−Pを加温する。
電装部117は、高容量型バッテリES−EとPDU105との間に設けられたジャンクションボックスJBを介して、高容量型バッテリES−Eと並列に接続された補機である。電装部117は、例えば商用電源等の外部からの交流電力を高容量型バッテリES−Eの電圧レベルの直流電力に変換する急速充電器を含んでいる。また、高出力型バッテリES−Pと同様に高容量型バッテリES−Eを加温するヒータを、電装部117の一部としてジャンクションボックスJBに接続して、設けても良い。
ECU119は、PDU105及びVCU103の制御、並びに、スイッチ部113の開閉制御を行う。また、ECU119は、電圧センサ107p,107eが検出した各電圧及び電流センサ109p,109eが検出した各入出力電流に基づき、電流積算方式及び/又はOCV(開路電圧)推定方式によって、高容量型バッテリES−Eと高出力型バッテリES−Pの各蓄電容量(SOC:State of Charge、「残容量」ともいう。)を導出する。また、ECU119は、PDU105及びモータジェネレータ101によって構成される駆動部に供給可能な電力の上限値(以下「システム許可電力」という。)を管理する。通常は、高容量型バッテリES−Eが出力可能な電力と高出力型バッテリES−Pが出力可能な電力の合計がシステム許可電力として設定される。なお、過大な電力の持出しに起因する劣化や故障の促進を抑制するため、高容量型バッテリES−Eと高出力型バッテリES−Pの出力可能な電力は、それぞれのバッテリが出力可能な最大電力より小さな値が設定される。
また、ECU119は、特性の異なる高容量型バッテリES−Eと高出力型バッテリES−Pの各々の特性を活かすよう、VCU103を用いた電力分配制御を行う。この電力分配制御を行えば、高容量型バッテリES−Eは、電動車両の走行時に一定の電力をモータジェネレータ101に電力を供給するよう用いられ、高出力型バッテリES−Pは、電動車両の走行のために大きな駆動力が必要なときに、モータジェネレータ101に電力を供給するよう用いられる。
また、ECU119は、電圧センサ107eが検出した電圧、電流センサ109eが検出した電流、及び温度センサ111eが検出した温度に基づいて、高容量型バッテリES−Eの故障及びその前兆を検出する。同様に、ECU119は、電圧センサ107pが検出した電圧、電流センサ109pが検出した電流、及び温度センサ111pが検出した温度に基づいて、高出力型バッテリES−Pの故障及びその前兆を検出する。高容量型バッテリES−E又は高出力型バッテリES−Pの故障は、例えば断線等が発生して電流が極端に小さい場合に検出される。また、高容量型バッテリES−E又は高出力型バッテリES−Pの故障の前兆は、温度センサ111e,111pが検出した温度が極端に高い場合に検出される。ECU119は、高容量型バッテリES−E及び高出力型バッテリES−Pのいずれかに故障の前兆を検出すると、当該前兆が検出されたバッテリからもう一方のバッテリへ電力を移行するよう、VCU103を制御する。
さらに、ECU119は、高容量型バッテリES−E及び高出力型バッテリES−Pの双方が正常であれば「電流制御モード」でVCU103を制御し、高容量型バッテリES−E又は高出力型バッテリES−Pに故障が発生した際には「電圧制御モード」でVCU103を制御する。以下、ECU119がVCU103を制御する際の上記2つの制御モード(電流制御モードと電圧制御モード)について説明する。
電流制御モードは、原則、高容量型バッテリES−Eと高出力型バッテリES−Pの双方のバッテリが正常な状態のとき用いられる。電流制御モードでは、上述したVCU103の電力分配制御によって、モータジェネレータ101には高容量型バッテリES−Eの電圧が印加され、高容量型バッテリES−Eの供給電力がモータジェネレータ101への要求駆動力に応じた要求電力に満たない場合は、高出力型バッテリES−Pが不足電力分を出力する。但し、高出力型バッテリES−Pの電圧Vpは、モータジェネレータ101に印加される高容量型バッテリES−Eの電圧Veよりも低いため、VCU103は、高出力型バッテリES−Pの電圧Vpを高容量型バッテリES−Eの電圧Veに等しい電圧まで昇圧する。このように、電流制御モードでは、高出力型バッテリES−Pの電圧Vpは、高容量型バッテリES−Eの電圧Veに等しい電圧まで一律に昇圧され、高出力型バッテリES−Pが出力する電流Ipは、高出力型バッテリES−Pに求められる不足電力の大きさによって異なる。したがって、電流制御モードでは、高出力型バッテリES−Pの電圧Vpと電流IpがVCU103にフィードバックされる。なお、電流制御モードでの制御が行われると、当該制御が安定する。
一方、電圧制御モードは、高容量型バッテリES−E及び高出力型バッテリES−Pの一方は正常であるが、もう一方が故障した状態のときに用いられる。電圧制御モードでは、正常なバッテリのみからモータジェネレータ101に電力が供給される。特に高容量型バッテリES−Eが故障した場合、ECU119は、PDU105及びモータジェネレータ101によって構成される駆動部に印加される電圧が当該駆動部への要求駆動力における駆動効率が閾値以上である最適電圧となるよう、VCU103による高出力型バッテリES−Pの電圧Vpの昇圧率を制御する。したがって、電圧制御モードでは、駆動部の最適電圧を指令値とするフィード・フォワード制御、又は、高出力型バッテリES−Pの電圧Vpと駆動部の最適電圧の差分を指令値とするフィード・バック制御が行われ、駆動部の駆動効率を最適化できる。
本実施形態では、図3に示すように、高容量型バッテリES−Eの故障時に電圧制御モードでVCU103を制御するECU119は、電装部117の動作保証上限電圧と駆動部の最適電圧を比較して、低い方の電圧に基づきVCU103を制御する。すなわち、駆動部の最適電圧が電装部117の動作保証上限電圧より高い場合、ECU119は、高出力型バッテリES−Pの電圧Vpを電装部117の動作保証上限電圧またはそれよりも若干低い電圧まで昇圧して出力するようVCU103を制御し、駆動部の最適電圧が電装部117の動作保証上限電圧より低い場合、ECU119は、高出力型バッテリES−Pの電圧Vpを駆動部の最適電圧まで昇圧して出力するようVCU103を制御する。この制御によれば、原則はVCU103が正常な高出力型バッテリES−Pの電圧Vpを駆動部の最適電圧まで昇圧する電圧制御モードであっても、故障した高容量型バッテリES−E側に設けられた補機である電装部117に印加される電圧は、この電装部117の動作保証上限電圧以下に抑えられる。
また、本実施形態では、図4に示すように、高出力型バッテリES−Pの故障時に電圧制御モードでVCU103を制御するECU119は、電装部115の動作保証上限電圧と高容量型バッテリES−Eの電圧Veを比較して、低い方の電圧に基づきVCU103を制御する。すなわち、高容量型バッテリES−Eの電圧Veが電装部115の動作保証上限電圧よりも高い場合、ECU119は、高容量型バッテリES−Eの電圧Veを電装部115の動作保証上限電圧またはそれよりも若干低い電圧まで降圧して出力するようVCU103を制御し、高容量型バッテリES−Eの電圧Veが電装部115の動作保証上限電圧よりも低い場合、ECU119は、VCU103の上アームスイッチング素子をオン状態、下アームスイッチング素子をオフ状態とした直結状態として、高容量型バッテリES−Eの電圧Veを降圧せずにそのまま出力するようVCU103を制御する。この制御によれば、電圧制御モードであっても、故障した高出力型バッテリES−P側に設けられた補機である電装部115に印加される電圧は、この電装部115の動作保証上限電圧以下に抑えられる。
図5は、高容量型バッテリES−Eに故障の前兆が発生した後、高容量型バッテリES−Eが実際に故障した際のECU119の制御による各パラメータの経時変化を示すタイミングチャートである。図5に示すように、高容量型バッテリES−Eに故障の前兆が発生し、高容量型バッテリES−Eから高出力型バッテリES−Pへの電力の移行が行われると、高容量型バッテリES−EのSOCは低下し、高出力型バッテリES−PのSOCは増加する。
その後、高容量型バッテリES−Eが故障すると、ECU119は、高容量型バッテリES−Eの故障を示す故障フラグを立てる。その後、ECU119は、高容量型バッテリES−E側のコンタクタMCeを開き、かつ、システム許可電力の設定値を高出力型バッテリES−Pが出力可能な電力(PMAX_ES−P)へと徐々に下げる。ECU119は、システム許可電力の設定値を高出力型バッテリES−Pが出力可能な電力(PMAX_ES−P)まで下げた後、VCU103の制御モードを電流制御モードから電圧制御モードに切り替える。その後、ECU119は、電圧制御モードでVCU103を制御する。
このように、VCU103による制御モードの切替えは、システム許可電力の設定値が高出力型バッテリES−Pが出力可能な電力(PMAX_ES−P)に低下するまで行われないため、図5に示すように、高容量型バッテリES−Eが故障してVCU103の制御モードが切り替わる前に電動車両のアクセルペダルが踏まれてAP開度が増加しても、高容量型バッテリES−Eが出力可能な電力と高出力型バッテリES−Pの合計(PMAX_ES−E+PMAX_ES−P)にシステム許可電力は設定されているが、電流制御モードであるVCU103によって、正常な高出力型バッテリES−Pから放電される電流量が制御されるため、正常な高出力型バッテリES−Pの出力電力はモータジェネレータ101への要求駆動力に応じた要求電力を上限として抑制される。
また、電圧制御モードに切替えられた時点ではシステム許可電力の設定値は高出力型バッテリES−Pが出力可能な電力(PMAX_ES−P)まで低下しているため、正常な高出力型バッテリES−Pから放電される電流量が制御せずとも、VCU103が高出力型バッテリES−Pの電圧をモータジェネレータ101の最適電圧まで昇圧しても、高出力型バッテリES−Pの出力電力は高出力型バッテリES−Pが出力可能な電力(PMAX_ES−P)を上限として抑制される。
以上説明したように、本実施形態によれば、高容量型バッテリES−E及び高出力型バッテリES−Pのいずれか一方が故障して、電動車両の動力を出力する駆動部に印加する電力の制御を電流制御モードから電圧制御モードに変更した状態でVCU103を介して電装部117又は電装部115に印加される電圧はこれら補機の動作保証上限電圧以下であるため、当該補機には動作保証上限電圧を超過する過電圧は印加されない。したがって、高容量型バッテリES−E及び高出力型バッテリES−Pのいずれか一方が故障した際に、電圧制御モードにより正常なバッテリの電力を高効率に使用でき、かつ、補機への過電圧の印加による当該補機の故障を防止できる。
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態の駆動装置を搭載した電動車両の概略構成を示すブロック図である。また、図7は、第2の実施形態におけるモータジェネレータ101、高容量型バッテリES−E、高出力型バッテリES−P、VCU103,203、PDU105、ECU119、電装部115及び電装部117の関係を示す電気回路図である。第2の実施形態の電動車両が第1の実施形態の電動車両と異なる点は、高容量型バッテリES−Eの電圧を変換するVCU203が設けられたことである。この点以外は第1の実施形態と同様であり、図6及び図7に示された構成要素に関して、第1実施形態と同一又は同等部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
VCU203は、高容量型バッテリES−Eの出力電圧を直流のまま昇圧する。また、VCU203は、電動車両の減速時にモータジェネレータ101が発電して直流に変換された電力を降圧する。さらに、VCU203は、VCU103の出力電圧を直流のまま降圧する。VCU203によって降圧された電力は、高容量型バッテリES−Eに充電される。図7に示すように、VCU203は、高容量型バッテリES−Eの出力電圧を入力電圧として2つのスイッチング素子をオンオフ切換動作することによって、高容量型バッテリES−Eの電圧を昇圧して出力する。
ECU219は、PDU105及びVCU103,203の制御、並びに、スイッチ部113の開閉制御を行う。また、ECU219は、第1の実施形態のECU119と同様に、システム許可電力を管理する。また、ECU219は、VCU103,203を用いた電力分配制御を行う。また、ECU219は、電圧センサ107p,107eが検出した電圧、電流センサ109p,109eが検出した電流、及び温度センサ111p,111eが検出した温度に基づいて、高出力型バッテリES−Pと高容量型バッテリES−Eの各故障及びその前兆を検出する。
さらに、ECU219は、高出力型バッテリES−Pにも高容量型バッテリES−Eにも故障が発生していなければ「電流制御モード」でVCU103,203を制御し、高出力型バッテリES−P又は高容量型バッテリES−Eに故障が発生した際には、正常なバッテリを昇圧するVCUを「電圧制御モード」で制御する。以下、ECU119がVCU103,203を制御する際の上記2つの制御モード(電流制御モードと電圧制御モード)について説明する。
電流制御モードは、原則、高容量型バッテリES−Eと高出力型バッテリES−Pの双方のバッテリが正常な状態のとき用いられる。電流制御モードでは、VCU103,203の電力分配制御によって、モータジェネレータ101には高容量型バッテリES−Eが出力した電圧VeをVCU203が昇圧した電圧Vが印加され、高容量型バッテリES−Eの供給電力がモータジェネレータ101への要求駆動力に応じた要求電力に満たない場合は、高出力型バッテリES−Pが不足電力分を出力するように、フィード・バック制御又はフィード・フォワード制御でVCU103を制御する。VCU103は、高出力型バッテリES−Pの電圧VpをVCU203の出力電圧Vに等しい電圧まで昇圧する。このように、電流制御モードでは、高出力型バッテリES−Pの電圧Vpは、VCU203の出力電圧Vに等しい電圧まで昇圧され、高出力型バッテリES−Pが出力する電流Ipは、高出力型バッテリES−Pに求められる不足電力の大きさによって異なる。したがって、電流制御モードでは、高出力型バッテリES−Pの電圧Vpと電流IpがVCU103にフィードバックされる。なお、電流制御モードでの制御が行われると、当該制御が安定する。
一方、電圧制御モードは、高容量型バッテリES−E及び高出力型バッテリES−Pの一方は正常であるが、もう一方が故障した状態のときに用いられる。電圧制御モードでは、正常なバッテリのみからモータジェネレータ101に電力が供給され、PDU105及びモータジェネレータ101によって構成される駆動部に印加される電圧が当該駆動部への要求駆動力における駆動効率が閾値以上である最適電圧となるよう、1正常なバッテリの電圧を昇圧するVCUは当該正常なバッテリの電圧を昇圧する。したがって、電圧制御モードでは、駆動部の最適電圧を指令値とするフィード・フォワード制御、又は、正常なバッテリの電圧と駆動部の最適電圧の差分を指令値とするフィード・バック制御が行われ、駆動部の駆動効率を最適化できる。
本実施形態でも、第1実施形態と同様に、高容量型バッテリES−Eと高出力型バッテリES−Pの双方が正常であるためECU219が電流制御モードでVCU103,203を制御しているときに、いずれ一方のバッテリに故障の前兆が発生すると、ECU219は、前兆が発生したバッテリから他のバッテリへ電力を供給するようVCU103,203を制御する。その後、一方のバッテリが故障すると、ECU219は、当該一方のバッテリの故障を示す故障フラグを立てる。その後、ECU219は、故障したバッテリ側のコンタクタを開き、かつ、システム許可電力の設定値を正常なバッテリが出力可能な電力へと徐々に下げる。ECU219は、システム許可電力の設定値を正常なバッテリが出力可能な電力まで下げた後、正常なバッテリを昇圧するVCUの制御モードを電流制御モードから電圧制御モードに切り替える。その後、ECU219は、電圧制御モードで当該VCUを制御する。
本実施形態では、図8に示すように、高容量型バッテリES−E及び高出力型バッテリES−Pのいずれか一方の故障時に電圧制御モードでVCU103,203を制御するECU219は、正常なバッテリ(高出力型バッテリES−P)の電圧(電圧Vp)を駆動部の最適電圧まで昇圧して出力するよう一方のVCU(VCU103:以下「正常側VCU」という。)を制御し、他方のVCU(VCU203:以下「故障側VCU」という。)に対しては、故障したバッテリ(高容量型バッテリES−E)側に設けられた補機(電装部117)の動作保証上限電圧と正常側VCUの出力電圧を比較して、低い方の電圧に基づき故障側VCUを制御する。すなわち、正常側VCUの出力電圧が補機の動作保証上限電圧より高い場合、ECU119は、正常側VCUの出力電圧を補機の動作保証上限電圧またはそれよりも若干低い電圧まで降圧して出力するよう故障側VCUを制御し、正常側VCUの出力電圧が補機の動作保証上限電圧より低い場合、ECU119は、故障側VCUの上アームスイッチング素子をオン状態、下アームスイッチング素子をオフ状態とした直結状態として、正常側VCUの出力電圧を降圧せずにそのまま出力するよう故障側VCUを制御する。この制御によれば、電圧制御モードであっても、故障したバッテリ側に設けられた補機に印加される電圧は、この補機の動作保証上限電圧以下に抑えられる。
以上説明したように、本実施形態によれば、高容量型バッテリES−E及び高出力型バッテリES−Pのいずれか一方が故障して、電動車両の動力を出力する駆動部に印加する電力の制御を電流制御モードから電圧制御モードに変更した状態で故障側VCUを介して電装部117又は電装部115に印加される電圧はこれら補機の動作保証上限電圧以下であるため、当該補機には動作保証上限電圧を超過する過電圧は印加されない。したがって、高容量型バッテリES−E及び高出力型バッテリES−Pのいずれか一方が故障した際に、電圧制御モードにより正常なバッテリの電力を高効率に使用でき、かつ、補機への過電圧の印加による当該補機の故障を防止できる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。例えば、上記説明した電動車両は、1MOT型のEV(Electrical Vehicle)であるが、複数のモータジェネレータを搭載したEVであっても、少なくとも1つのモータジェネレータと共に内燃機関を搭載したHEV(Hybrid Electrical Vehicle)やPHEV(Plug-in Hybrid Electrical Vehicle)であっても、FCV(Fuel Cell Vehicle)であっても良い。
101 モータジェネレータ(MG)
103,203 VCU
105 PDU
107e,107p 電圧センサ
109e,109p 電流センサ
111e,111p 温度センサ
113 スイッチ部
115,117 電装部
119,219 ECU
ES−E 高容量型バッテリ
ES−P 高出力型バッテリ
MCe,MCp コンタクタ

Claims (16)

  1. 第1蓄電器と、
    第2蓄電器と、
    前記第1蓄電器の出力電圧又は前記第2蓄電器の出力電圧を変換する変換部と、
    前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器に接続された補機部と、
    前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方から供給される電力によって駆動する駆動部と、
    前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方の故障を検出する検出部と、
    前記変換部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記検出部が前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器の故障を検出すると、前記変換部の制御モードを電流制御モードから電圧制御モードに切り替え、
    前記変換部が前記補機部の動作保証上限電圧及び前記駆動部に印加する予定の目標電圧のうち低い方の電圧に基づき、前記変換部を制御する、駆動装置。
  2. 第1蓄電器と、
    第2蓄電器と、
    前記第1蓄電器の出力電圧又は前記第2蓄電器の出力電圧を変換する変換部と、
    前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器に接続された補機部と、
    前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方から供給される電力によって駆動する駆動部と、
    前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方の故障を検出する検出部と、
    前記変換部が前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の一方から前記駆動部に供給される電力と目標電力との差分に応じて前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の他方の出力電圧を変換するよう制御する電流制御モードと、前記変換部が前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の一方の出力電圧及び前記駆動部に印加する予定の目標電圧に応じて前記一方の出力電圧を変換するよう制御する電圧制御モードと、のいずれかに基づいて、前記変換部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記検出部が前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器の故障を検出すると、前記変換部の制御モードを前記電流制御モードから前記電圧制御モードに切り替え、
    前記変換部が前記補機部の動作保証上限電圧及び前記目標電圧のうち低い方の電圧に基づき、前記変換部を制御する、駆動装置。
  3. 請求項1又は2に記載の駆動装置であって、
    前記変換部は、前記第1蓄電器と前記駆動部の間に設けられ、
    前記補機部は、前記第2蓄電器に接続され、
    前記制御部は、前記第2蓄電器の故障を検知して前記変換部を前記電圧制御モードで制御する際、前記目標電圧が前記補機部の動作保証上限電圧より高い場合は、前記変換部が前記第1蓄電器の電圧を昇圧して前記動作保証上限電圧以下の電圧を出力するよう制御する、駆動装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動装置であって、
    前記変換部は、前記第1蓄電器と前記駆動部の間に設けられ、
    前記補機部は、前記第2蓄電器に接続され、
    前記制御部は、前記第2蓄電器の故障を検知して前記変換部を前記電圧制御モードで制御する際、前記目標電圧が前記補機部の動作保証上限電圧より低い場合は、前記変換部が前記第1蓄電器の電圧を昇圧して前記目標電圧を出力するよう制御する、駆動装置。
  5. 請求項1又は2に記載の駆動装置であって、
    前記変換部は、前記第1蓄電器と前記駆動部の間に設けられ、
    前記補機部は、前記第1蓄電器と前記変換部の間に接続され、
    前記制御部は、前記第1蓄電器の故障を検知して前記変換部を前記電圧制御モードで制御する際、前記目標電圧が前記補機部の動作保証上限電圧より高い場合は、前記変換部が前記第2蓄電器の電圧を降圧して前記動作保証上限電圧を前記補機部側に出力するよう制御する、駆動装置。
  6. 請求項1、2又は5に記載の駆動装置であって、
    前記変換部は、前記第1蓄電器と前記駆動部の間に設けられ、
    前記補機部は、前記第1蓄電器と前記変換部の間に接続され、
    前記制御部は、前記第1蓄電器の故障を検知して前記変換部を前記電圧制御モードで制御する際、前記目標電圧が前記補機部の動作保証上限電圧より低い場合は、前記変換部が前記第2蓄電器の電圧を変換せずに前記補機部側に出力するよう制御する、駆動装置。
  7. 第1蓄電器と、
    第2蓄電器と、
    前記第1蓄電器の出力電圧を変換する第1変換部と、
    前記第2蓄電器の出力電圧を変換する第2変換部と、
    前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器に接続された補機部と、
    前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方から供給される電力によって駆動する駆動部と、
    前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方の故障を検出する検出部と、
    前記第1変換部又は前記第2変換部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記検出部が前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器の故障を検出すると、前記第1変換部及び前記第2変換部のうち正常な蓄電器の出力電圧を変換する正常側変換部の制御モードを電流制御モードから電圧制御モードに切り替え、
    前記第1変換部及び前記第2変換部のうち前記故障が検出された蓄電器の出力電圧を変換する故障側変換部が、前記補機部の動作保証上限電圧及び前記駆動部に印加する予定の目標電圧のうち低い方の電圧に基づき、前記故障側変換部を制御する、駆動装置。
  8. 第1蓄電器と、
    第2蓄電器と、
    前記第1蓄電器の出力電圧を変換する第1変換部と、
    前記第2蓄電器の出力電圧を変換する第2変換部と、
    前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器に接続された補機部と、
    前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方から供給される電力によって駆動する駆動部と、
    前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方の故障を検出する検出部と、
    前記第1変換部及び前記第2変換部のうち一方の変換部が、前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の一方から前記駆動部に供給される電力と目標電力との差分に応じて前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の他方の出力電圧を変換するよう制御する電流制御モードと、前記第1変換部及び前記第2変換部のうち一方の変換部が、前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の一方の出力電圧及び前記駆動部に印加する予定の目標電圧に応じて前記一方の出力電圧を変換するよう制御する電圧制御モードと、のいずれかに基づいて、前記一方の変換部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記検出部が前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器の故障を検出すると、前記第1変換部及び前記第2変換部のうち正常な蓄電器の出力電圧を変換する正常側変換部の制御モードを前記電流制御モードから前記電圧制御モードに切り替え、
    前記第1変換部及び前記第2変換部のうち前記故障が検出された蓄電器の出力電圧を変換する故障側変換部が、前記補機部の動作保証上限電圧及び前記駆動部に印加する予定の目標電圧のうち低い方の電圧に基づき、前記故障側変換部を制御する、駆動装置。
  9. 請求項7又は8に記載の駆動装置であって、
    前記補機部は、前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器のうち前記検出部によって故障が検出された蓄電器に接続され、
    前記制御部は、前記正常側変換部を前記電圧制御モードで制御する際、前記目標電圧が前記補機部の動作保証上限電圧より高い場合は、前記故障側変換部が前記正常側変換部の出力電圧を降圧して前記動作保証上限電圧以下の電圧を前記補機部側に出力するよう制御する、駆動装置。
  10. 請求項7から9のいずれか1項に記載の駆動装置であって、
    前記補機部は、前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器のうち前記検出部によって故障が検出された蓄電器に接続され、
    前記制御部は、前記正常側変換部を前記電圧制御モードで制御する際、前記目標電圧が前記補機部の動作保証上限電圧より低い場合は、前記故障側変換部が前記正常側変換部の出力電圧を変換せずに前記補機部側に出力するよう制御する、駆動装置。
  11. 請求項1から6のいずれか1項に記載の駆動装置であって、
    前記制御部は、
    前記検出部が前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の故障を検出しないときは、前記駆動部に供給可能な電力を前記第1蓄電器と前記第2蓄電器が出力可能な電力の総和に設定して、前記変換部を前記電流制御モードで制御し、
    前記検出部が前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器の故障を検出すると、前記駆動部に供給可能な電力を故障していない蓄電器が出力可能な電力に設定した後に前記電流制御モードから前記電圧制御モードに切り替え、前記故障していない蓄電器の出力電圧を変換する前記変換部を前記電圧制御モードで制御する、駆動装置。
  12. 請求項7から10のいずれか1項に記載の駆動装置であって、
    前記制御部は、
    前記検出部が前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の故障を検出しないときは、前記駆動部に供給可能な電力を前記第1蓄電器と前記第2蓄電器が出力可能な電力の総和に設定して、前記第1変換部及び前記第2変換部を前記電流制御モードで制御し、
    前記検出部が前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器の故障を検出すると、前記駆動部に供給可能な電力を故障していない蓄電器が出力可能な電力に設定した後に前記電流制御モードから前記電圧制御モードに切り替え、前記正常側変換部を前記電圧制御モードで制御する、駆動装置。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の駆動装置であって、
    前記目標電圧は、前記駆動部への要求出力における駆動効率が閾値以上である最適電圧である、駆動装置。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の駆動装置を有する、輸送機器。
  15. 第1蓄電器と、
    第2蓄電器と、
    前記第1蓄電器の出力電圧又は前記第2蓄電器の出力電圧を変換する変換部と、
    前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器に接続された補機部と、
    前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方から供給される電力によって駆動する駆動部と、
    前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方の故障を検出する検出部と、
    前記変換部を制御する制御部と、を備えた駆動装置が行う制御方法であって、
    前記制御部は、
    前記検出部が前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器の故障を検出すると、前記変換部の制御モードを電流制御モードから電圧制御モードに切り替え、
    前記変換部が前記補機部の動作保証上限電圧及び前記駆動部に印加する予定の目標電圧のうち低い方の電圧に基づき、前記変換部を制御する、制御方法。
  16. 第1蓄電器と、
    第2蓄電器と、
    前記第1蓄電器の出力電圧を変換する第1変換部と、
    前記第2蓄電器の出力電圧を変換する第2変換部と、
    前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器に接続された補機部と、
    前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方から供給される電力によって駆動する駆動部と、
    前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方の故障を検出する検出部と、
    前記第1変換部又は前記第2変換部を制御する制御部と、を備えた駆動装置が行う制御方法であって、
    前記制御部は、
    前記検出部が前記第1蓄電器又は前記第2蓄電器の故障を検出すると、前記第1変換部及び前記第2変換部のうち正常な蓄電器の出力電圧を変換する正常側変換部の制御モードを電流制御モードから電圧制御モードに切り替え、
    前記第1変換部及び前記第2変換部のうち前記故障が検出された蓄電器の出力電圧を変換する故障側変換部が、前記補機部の動作保証上限電圧及び前記駆動部に印加する予定の目標電圧のうち低い方の電圧に基づき、前記故障側変換部を制御する、制御方法。
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