JP2017110617A - エンジンの排気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低回転低負荷の運転領域において排気ガス浄化用の触媒を活性化させながら、高回転高負荷の運転領域において触媒の劣化を抑制することができるエンジンの排気装置を提供すること。
【解決手段】全ての気筒で燃料を燃焼させて当該気筒から排気ガスを排出させる全筒運転と、一部の気筒でのみ燃料を燃焼させて当該気筒から排気ガスを排出させる減筒運転との間で運転状態を切り替え可能な多気筒エンジンの排気装置であって、一部の気筒に対応する排気ポートに接続される第1排気管と、一部の気筒以外の気筒に対応する排気ポートに接続される第2排気管と、第1排気管および第2排気管よりも排気流れ方向の下流側に配置され、第1排気管を通過した排気ガスおよび第2排気管を通過した排気ガスを浄化する触媒装置と、第1排気管の放熱を抑制する放熱抑制手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンの排気装置に関し、特に、エンジンの高回転高負荷領域において触媒装置の劣化を抑制することができるエンジンの排気装置に関する。
従来、車両用エンジンは、シリンダヘッドおよびシリンダブロックを有するエンジン本体と、このエンジン本体に接続される排気管と、この排気管に接続される触媒装置とを備えており、その一例が特許文献1に開示されている。
また、従来より、HCCI(予混合圧縮着火)燃焼型エンジンの研究が進められている。HCCI燃焼は、着火までに燃料と空気を十分に混合し、その希薄予混合気を燃焼室内で圧縮自己着火させる燃焼法である。HCCI燃焼は、熱効率が高いために燃費が良好であり、また、燃焼最高温度が低いためにNOxの発生を抑制することができる。
特開2013−79609号公報
HCCI燃焼のように希薄混合気を燃焼させる(リーン燃焼)エンジンにおいては、上記のような利点がある反面、燃焼による熱の発生量が少ないため、特に、低回転低負荷の運転領域において排気ガスの温度が低くなる。排気ガスの温度が低い場合には、触媒装置の触媒が活性温度に達しにくくなるために触媒が十分に機能せず、排気ガスの浄化性能が低下する虞がある。
この問題を解消するために、低温から活性化する触媒を備えた触媒装置を採用することが考えられるが、この種の触媒は高温域で劣化し易く、従って、排気ガスの温度が高くなる高回転高負荷の運転領域では、触媒の劣化が早まってしまう虞がある。
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、低回転低負荷の運転領域において排気ガス浄化用の触媒を活性化させながら、高回転高負荷の運転領域において触媒の劣化を抑制することができるエンジンの排気装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、全ての気筒で燃料を燃焼させて当該気筒から排気ガスを排出させる全筒運転と、一部の気筒でのみ燃料を燃焼させて当該気筒から排気ガスを排出させる減筒運転との間で運転状態を切り替え可能な多気筒エンジンの排気装置であって、前記一部の気筒に対応する排気ポートに接続される第1排気管と、前記一部の気筒以外の気筒に対応する排気ポートに接続される第2排気管と、前記第1排気管および前記第2排気管よりも排気流れ方向の下流側に配置され、前記第1排気管を通過した排気ガスおよび前記第2排気管を通過した排気ガスを浄化する触媒装置と、前記第1排気管の放熱を抑制する放熱抑制手段とを備えた、エンジンの排気装置を提供する。
本発明によれば、全筒運転と減筒運転との間で運転状態を切り替え可能な多気筒エンジンに接続される第1排気管および第2排気管と、この第1排気管の放熱を抑制する放熱抑制手段とを備えているので、一部の気筒でのみ燃料が燃焼している減筒運転時、すなわちエンジンの発熱量が比較的少ない場合には、放熱抑制手段により、第1排気管を流通している排気ガスの温度低下が抑制され、全ての気筒で燃料が燃焼している全筒運転時、すなわちエンジンの発熱量が比較的多い場合には、放熱抑制手段が設けられていない第2排気管からの自然放熱が相対的に促進され、第2排気管を流通している排気ガスの温度が低下する。従って、減筒運転が行われる低回転低負荷の運転時には触媒が活性化して十分な排気浄化性能が得られるような温度に、そして、全筒運転が行われる高回転高負荷の運転時には触媒の劣化が抑制されるような温度に、触媒装置に流入する排気ガスの温度を適切に制御することができる。
本発明においては、前記2排気管の放熱を促進する放熱促進手段をさらに備えていることが好ましい。
この構成によれば、全ての気筒で燃料が燃焼している全筒運転時、すなわちエンジンの発熱量が比較的多い場合には、放熱促進手段により、前記2排気管の放熱が促進される。従って、高回転高負荷の運転時には触媒の劣化が抑制されるような温度に、触媒装置に流入する排気ガスの温度をより適切に制御することができる。
本発明においては、前記エンジンは、前記減筒運転を実行しつつ、燃焼室内においてリーンな混合気を燃焼させることが好ましい。
この構成によれば、減筒運転を実行しつつ、リーンな混合気を燃焼させる(以下、この燃焼を「リーン燃焼」と称する)ことにより、気筒一つ当たりの負荷を大きくしながらリーン燃焼が行われることになる。リーン燃焼で生成される排気ガスは、特に低回転低負荷の運転領域において低温となり易いが、減筒運転によって気筒一つ当たりの負荷を大きくすることにより、その気筒内で生成される排気ガスの温度を高めることができ、放熱抑制手段による放熱抑制効果と相まって、低回転低負荷時(エンジン全体では低負荷)に触媒装置に流入する排気ガスの温度を適切な温度に制御することができる。
本発明においては、前記エンジンは、前記減筒運転を実行しつつ、燃焼室内においてリーンな混合気を自着火により燃焼させるHCCI燃焼を実行することが好ましい。
HCCI燃焼は、リーン燃焼の一種であるが、燃焼室全体で同時多発的に着火が始まる燃焼形態であるため、点火プラグによって一箇所から点火が始まる他のリーン燃焼よりも効率的な燃焼を実現することができ、燃料をより薄くしたさらにリーンな燃焼が可能となり、燃費性能をさらに高めることができる。
本発明においては、前記エンジンは6気筒エンジンであり、前記エンジンの排気装置は、前記第1排気管を通過した排気ガスと前記第2排気管を通過した排気ガスとが流入して合流する合流部を有する集合管をさらに備え、前記第1排気管は、前記6つの気筒のうち、排気順序が連続しない3つの気筒に対応する3つの排気ポートに各々接続されて、排気流れ方向の下流側端部が束ねられた3つの第1上流管と、前記3つの第1上流管の下流側端部に接続されて、下流部に流路面積が上流側から下流側に向かって小さくなるノズル部を有して、そのノズル部の下流側端部が前記集合管に接続される1つの第1下流管とを有し、前記第2排気管は、前記6つの気筒のうち、前記3つの気筒以外の排気順序が連続しない3つの気筒に対応する3つの排気ポートに各々接続されて、排気流れ方向の下流側端部が束ねられた3つの第2上流管と、前記3つの第2上流管の下流側端部に接続されて、下流部に流路面積が上流側から下流側に向かって小さくなるノズル部を有して、そのノズル部の下流側端部が前記集合管に接続される1つの第2下流管とを有し、前記触媒装置は、前記集合管の下流側に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、6つの気筒に対応する6つの排気管の集合方式として、いわゆる「6−2−1」集合方式が採用される。さらに、第1下流管のノズル部は、上流側から下流側に向かって流路面積が小さくなっているため、排気ガスはノズル部を通過する際に流速が大きくなり、その高速の排気ガスが集合管の合流部に流入することにより、合流部内に負圧が発生する。この負圧により、第2排気管から排気ガスが掃気される(吸い出される)。この掃気は、いわゆる動圧排気系のエゼクタ効果によるものである。同様に、第2下流管のノズル部は、上流側から下流側に向かって流路面積が小さくなっているため、排気ガスはノズル部を通過する際に流速が大きくなり、その高速の排気ガスが集合管の合流部に流入することにより、合流部内に負圧が発生する。この負圧により、第1排気管から排気ガスが掃気される(吸い出される)。
従来の6気筒エンジンにおける排気装置は、6−2−1集合方式を採用していたものの、上記エゼクタ効果を利用しないものであったため、第1排気管の排気ガスの圧力(正圧)が第2排気管の排気を阻害するいわゆる排気干渉を防止するために、第1下流管および第2下流管の長さを長くしていた。そして、触媒が活性化し得る温度の排気ガスを触媒装置に流入させるために、触媒装置を第1下流管および第2下流管に各々配置していた。これらの要因により、排気装置全体が大きくなるとともに製造コストが高くなるという問題があった。
一方、本構成によれば、上記エゼクタ効果により、第1排気管の排気ガスが第2排気管の排気を阻害するのを防止することができるため(排気干渉の防止)、第1下流管および第2下流管の長さを短くすることができる。これにより、触媒装置を集合管の下流側に設けた状態で、触媒が活性化し得る温度の排気ガスを触媒装置に流入させることが可能となる。そして、集合管の下流側の1つの管路に触媒装置を設ければよいため、触媒装置の数を減らすことができる。従って、排気装置のコンパクト化および製造コストの低減を図ることができる。
本発明においては、前記エンジンは、気筒列方向が車両前後方向に向くように縦置きに配置された直列6気筒エンジンであり、前記第2排気管は、前記第1排気管よりも車両前後方向前側に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、第2排気管が第1排気管よりも車両前後方向前側に配置されているため、走行風や電動ファンが生成する風によって第2排気管は第1排気管よりも冷却され易くなる。従って、第2排気管をより効果的に放熱させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、低回転低負荷の運転領域において排気ガス浄化用の触媒を活性化させながら、高回転高負荷の運転領域において触媒の劣化を抑制することができる。
本発明の実施形態に係るエンジンの排気装置を備えたエンジンシステムの概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るエンジンの排気装置を示す斜視図である。 本発明の実施形態における第1下流管および第2下流管の各々の下流部を示す斜視図である。 本発明の実施形態における第1下流管および第2下流管の各々の下流部と、集合管とを示す斜視図である。 図2のV−V線断面図である。 本発明の実施形態において、減筒運転が行われる運転領域(エンジン回転数とエンジン負荷とで表される領域)と、全筒運転が行われる運転領域とを示す図である。 本発明の実施形態(6気筒エンジン)における吸排気タイミングを示す図である。 本発明の実施形態(6気筒エンジン)におけるエゼクタ効果をエンジン回転数毎に示す図である。 4気筒エンジンにおける吸排気タイミングを示す図である。 4気筒エンジンにおけるエゼクタ効果をエンジン回転数毎に示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について詳述する。
<全体構成の概略>
図1に示されるように、本発明の実施形態に係るエンジンの排気装置を備えるエンジンシステム100は、シリンダヘッド9及びシリンダブロックを有するエンジン1と、エンジン制御用のECU2と、エンジン1に接続される複数の吸気管3と、エンジン1に接続される排気マニホールド5と、排気マニホールド5に接続される触媒装置6とを備えている。
本実施形態に係るエンジンの排気装置は、上記エンジンシステム100の構成要素のうち、排気マニホールド5と、触媒装置6とを備えている。
以下、排気装置を含むエンジンシステム100の各構成要素について詳細に説明する。
<エンジン>
上記シリンダヘッド9及びシリンダブロックの内部には、ピストンがそれぞれ嵌挿された複数の気筒12(図1参照)が形成されている。本実施形態では、エンジン1は、気筒列方向が車両前後方向に向くように縦置きに配置された直列6気筒ガソリンエンジンであって、シリンダヘッド9及びシリンダブロックの内部には6つの気筒12が直列に並んだ状態で形成されている。具体的には、図1の右から順に第1気筒12a,第2気筒12b,第3気筒12c,第4気筒12d,第5気筒12e,第6気筒12fが形成されている。シリンダヘッド9には、ピストンの上方に区画された燃焼室内に臨むようにそれぞれ点火プラグ15が設置されている。
エンジン1は4サイクルエンジンであって、図7に示すように、各気筒12a〜12fにおいて、120°CAずつずれたタイミングで点火プラグ15による点火が行われて、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程がそれぞれ120°CAずつずれるように構成されている。本実施形態では、第1気筒12a→第5気筒12e→第3気筒12c→第6気筒12f→第2気筒12b→第4気筒12dの順に点火が行われてこの順に排気行程等が実施される。図7における符号Tは、ピストンが上死点に位置するタイミング、符号Bは、ピストンが下死点に位置するタイミングを示している。
なお、本実施形態のエンジン1は、6つの気筒12a〜12fのうち、第4〜第6気筒12d〜12fを休止させ、残りの第1〜第3気筒12a〜12cを稼働させる運転、つまり減筒運転が可能な可変気筒エンジンである。このため、上記のような点火順序は、減筒運転ではない通常の運転時(6つの気筒12a〜12fを全て稼働させる全筒運転時)のものである。一方、減筒運転時には、点火順序が連続しない3つの気筒(本実施形態では、第4〜第6気筒12d〜12f)において点火プラグ15の点火動作が禁止され、第1気筒12a、第3気筒12c、第2気筒12bの順に点火が行われるようになる。本実施形態のエンジン1は、低回転低負荷の運転領域を含む運転領域Ra(図6参照)では減筒運転を行い、それ以外の運転領域Rb(図6参照)では、全筒運転を行うように設定されている。
また、本実施形態のエンジン1は、混合気を自着火により燃焼させるHCCI燃焼(Homogeneous-Charge Compression Ignition combustion)が部分負荷域で実行されるように構成された火花点火式エンジンである。具体的には、本実施形態のエンジン1は、減筒運転が行われる低回転低負荷の運転領域Ra(図6参照)ではHCCI燃焼を行い、それ以外の運転領域Rb(図6参照)では、点火プラグ15の火花点火をきっかけに混合気を火炎伝播により燃焼させるSI燃焼(Spark Ignition)を行うように設定されている。
図2に示されるように、各気筒12の上部には、それぞれ燃焼室に向かって開口する吸気ポート17及び排気ポート18が設けられている。吸気ポート17は、各気筒12内に吸気を導入するためのものである。排気ポート18は、各気筒12内から排気を排出するためのものである。
各気筒12の吸気ポート17は、吸気流れ方向上流側に位置する1つの吸気側集合ポート17aと、吸気側集合ポート17aの下流側端部で二股に分かれた吸気側分岐ポート17bとを有している。各吸気側分岐ポート17b下流端は、燃焼室に対して開口している。
各気筒12の排気ポート18は、排気流れ方向下流側に位置する1つの排気側集合ポート18aと、排気側集合ポート18aの上流側端部で二股に分かれた排気側分岐ポート18bとを有している。各排気側分岐ポート18bの上流端は、燃焼室に対して開口している。
各吸気側分岐ポート17bには、これら吸気側分岐ポート17bを開閉して吸気ポート17と気筒12内部とを連通又は遮断するための吸気バルブ19が設けられている。各排気側分岐ポート18bには、これら排気側分岐ポート18bを開閉して排気ポート18と気筒12内部とを連通又は遮断するための排気バルブ20が設けられている。
吸気バルブ19は、図1に示される吸気バルブ駆動機構30により駆動されることで、所定のタイミングで吸気ポート17を開閉する。また、排気バルブ20は、排気バルブ駆動機構40により駆動されることで、所定のタイミングで排気ポート18を開閉する。
吸気バルブ駆動機構30は、吸気バルブ19に当接された吸気カムシャフト31と吸気VVT(Variable Valve Timing Mechanism(可変バルブタイミング機構))32とを有している。吸気カムシャフト31は、周知のチェーン・スプロケット機構等の動力伝達機構を介してクランクシャフトに連結されており、クランクシャフトの回転に伴い回転して、吸気バルブ19を開閉駆動する。
吸気VVT32は、吸気バルブ19のバルブタイミングを変更するためのものである。この吸気VVT32は、吸気カムシャフト31と同軸に配置されてクランクシャフトにより直接駆動される所定の被駆動軸と吸気カムシャフト31との間の位相差を変更して、これによりクランクシャフトと前記吸気カムシャフト31との間の位相差を変更することで、吸気バルブ19のバルブタイミングを変更する。この吸気VVT32は、ECU2で算出された吸気バルブ19の目標バルブタイミングに基づいて上記位相差を変更する。
排気バルブ駆動機構40は、吸気バルブ駆動機構30と同様の構造を有している。すなわち、排気バルブ駆動機構40は、排気バルブ20に当接され、クランクシャフトに連結された排気カムシャフト41と、この排気カムシャフト41とクランクシャフトとの間の位相差を変更することで、排気バルブ20のバルブタイミングを変更する排気VVT42とを有している。排気VVT42は、ECU2で算出された排気バルブ20の目標バルブタイミングに基づいて前記位相差を変更する。そして、排気カムシャフト41は、この位相差の下でクランクシャフトの回転に伴い回転して、排気バルブ20を前記目標バルブタイミングで開閉駆動する。
<吸気管>
図1に示されるように、吸気管3は、吸気流れ方向の下流端部が、気筒12の吸気ポート17に接続されている。具体的には、吸気管3は気筒数に対応して6本設けられており、各気筒12に設けられた2つの吸気ポート17が、1つの吸気管3に接続されている。
<排気マニホールド>
図1に示されるように、排気マニホールド5は、3つの気筒12a〜12cに対応する排気ポート18(排気側集合ポート18a)に接続される第1排気管520と、他の3つの気筒12d〜12fに対応する排気ポート18(排気側集合ポート18a)に接続される第2排気管521と、第1排気管520を通過した排気ガスと第2排気管521を通過した排気ガスとが流入して合流する合流部56を有する集合管50と、第1排気管520の周囲に設けられる放熱抑制部材70(本発明の「放熱抑制手段」に相当する)と、第2排気管521の周囲に設けられる放熱促進部材71(本発明の「放熱促進手段」に相当する)とを備えている。
具体的には、第1排気管520は、6つの気筒12のうち、排気順序が連続しない3つの気筒12a〜12cに対応する3つの排気ポート18に各々接続されて、排気流れ方向の下流側端部が束ねられた3つの第1上流管52a〜52cと、これら3つの第1上流管52a〜52cの下流側端部に接続されて、下流部に流路面積が上流側から下流側に向かって小さくなるノズル部52g1(図3,4参照)を有して、そのノズル部52g1の下流側端部が集合管50に接続される1つの第1下流管52gとを有する。本実施形態では、ノズル部52g1の流路面積は、その上流端における流路面積に対して下流端における流路面積が約2/3に設定されている。
第2排気管521は、6つの気筒12のうち、上記3つの気筒12a〜12c以外の排気順序が連続しない3つの気筒12d〜12fに対応する3つの排気ポート18に各々接続されて、排気流れ方向の下流側端部が束ねられた3つの第2上流管52d〜52fと、これら3つの第2上流管52d〜52fの下流側端部に接続されて、下流部に流路面積が上流側から下流側に向かって小さくなるノズル部52h1(図3,4参照)を有して、そのノズル部52h1の下流側端部が集合管50に接続される1つの第2下流管52hとを有する。第2排気管521は、第1排気管520よりも、車両前後方向前側に配置されている。本実施形態では、ノズル部52h1の流路面積は、その上流端における流路面積に対して下流端における流路面積が約2/3に設定されている。
本実施形態では、第1上流管52a〜52cおよび第2上流管52d〜52fは、全てほぼ同じ長さに設定されている。また、第1下流管52gと第2下流管52hは、ほぼ同じ長さに設定されている。さらに、第1上流管52a〜52cおよび第2上流管52d〜52fは、全てほぼ同じ流路面積を有している。また、第1下流管52gと第2下流管52hは、ほぼ同じ流路面積を有している。
本実施形態では、ノズル部52g1の下流端およびノズル部52h1の下流端は、各々半円形となっている。そして、図5に示すように、これらノズル部52g1およびノズル部52h1は、半円形をなす各下流端が、互いに隣接して全体として略円形断面を形成するように集合して集合部56の上流端に接続されている(図3〜5参照)。また、半円形の重心を通るノズル部52g1の軸芯L1は、下流側ほど集合管50の軸芯L2に近接するように集合管50の軸芯L2に対して傾斜している。同様に、半円形の重心を通るノズル部52h1の軸芯L3は、下流側ほど集合管50の軸芯L2に近接するように集合管50の軸芯L2に対して傾斜している。本実施形態では、軸心L1と軸心L2と軸心L3とは、ストレート部57の内部において1点で互いに交わっている。
本実施形態では、図2に示されるように、第1上流管52a〜52cは、各々、気筒12a〜12cと対向する位置から湾曲して、下流端開口部を車両前後方向後側に向けた状態で、第1下流管52gに接続されている。第1下流管52gは、その上端部が下向きに湾曲して、当該上端部よりも下流側が集合管50に向かって直線状に延びている。
同様に、第2上流管52d〜52fは、各々、気筒12d〜12fと対向する位置から湾曲して、下流端開口部を車両前後方向後側に向けた状態で、第2下流管52hに接続されている。第2下流管52hは、その上端部が下向きに湾曲して、当該上端部よりも下流側が集合管50に向かって直線状に延びている。
図1に示されるように、第1排気管520と第2排気管521とは、互いに独立しており、気筒12a〜12cから排出されて第1排気管520を通過する排気ガスと、気筒12d〜12fから排出されて第2排気管521を通過する排気ガスとは、互いに独立して集合管50の集合部56に流入する。
図3に示されるように、第1下流部52gのノズル部52g1は、上流側から下流側に向かって流路面積が小さくなっているため、ノズル部52g1を流れる排気ガスは、流れる過程で流速が増大し、高速流となって集合管50の集合部56に流入する。このように高速の排気ガスが集合部56に流入することにより、集合部56内でその高速の排気ガスの周囲に負圧が発生する。その負圧は波動(負圧波)となって、第2排気管521内をエンジン1側へ伝播し、気筒12d〜12fと連通する排気ポート18のうち、開弁状態の排気ポート18を通じて燃焼室から排気ガスが吸い出されるエゼクタ効果を生じさせる。
同様に、第2下流部52hのノズル部52h1は、上流側から下流側に向かって流路面積が小さくなっているため、ノズル部52h1を流れる排気ガスは、流れる過程で流速が増大し、高速流となって集合管50の集合部56に流入する。このように高速の排気ガスが集合部56に流入することにより、集合部56内でその高速の排気ガスの周囲に負圧が発生する。その負圧は波動(負圧波)となって、第1排気管520内をエンジン1側へ伝播し、気筒12a〜12cと連通する排気ポート18のうち、開弁状態の排気ポート18を通じて燃焼室から排気ガスが吸い出されるエゼクタ効果を生じさせる。
集合管50は、図1,2,4に示されるように、上流側から順に、下流側ほど流路面積が小さくなる集合部56と、この集合部56の下流端の流路面積(混合管50の最小流路面積)を維持して下流側に延びるストレート部57と、下流側ほど流路面積が大きくなるディフューザー部58とを備えている。
集合部56は、第1排気管520から流入した排気ガスおよび第2排気管521から流入した排気ガスが高い速度を維持したまま下流側に流れるように、下流側に向かうほどその流路面積が小さくなる形状を有している。本実施形態では、排気の速度をより高めるべく集合部56の下流端の流路面積は、第1排気管520および第2排気管521の下流端(ノズル部52g1およびノズル部52h1の下流端)の流路面積の合計よりも小さく設定されている。本実施形態では、この集合部56は、下流側に向かうに従って縮径する逆円錐台形状(漏斗形状)を有している。
ストレート部57に流入した排気は、ディフューザー58部に流入する。ディフューザー部58は下流側に向かうほど流路面積が拡大する形状を有しており、集合部56から排出された高速の排気は、ストレート部57及びこのディフューザー部58を通過することで圧力が回復する。本実施形態では、このディフューザー部58は、下流側に向かうに従って拡径する円錐台形状を有している。
触媒装置6は、エンジン1から排出されて第1排気管520を通過した排気ガスおよび第2排気管521を通過した排気ガスを浄化するための装置である。この触媒装置6は、本実施形態では、図2に示されるように、排気流れ方向における下流側端部が上流側端部に対して車両前後方向前側でかつ下側に位置するように斜め向きに配置されている。この触媒装置6は、図2に示されるように、三元触媒64aおよびガソリン粒子フィルタ64bを有する触媒本体64と、この触媒本体64を収容するケーシング62とを備えている。ケーシング62は排気ガスの流れ方向と平行に延びる略円筒状を有している。触媒本体64は、ケーシング62の上下流方向の中央部分に収容されており、このケーシング62の上流端には所定の空間が形成されている。ディフューザー部58の下流端はこのケーシング62の上流端に接続されており、ディフューザー部58から排出された排気はこのケーシング62の上流端に流入した後、触媒本体64側へ進行する。
放熱抑制部材70(図1,2参照)は、第1排気管520の放熱を抑制するための部材である。放熱抑制部材70の構成は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、第1排気管520のほぼ全体を被覆するように、第1排気管520の周囲に設けられ、耐熱性および断熱性を有する材料により構成されている。この放熱抑制部材70は、本実施形態では、第1排気管520の表面とは所定の間隔を隔てた状態で第1排気管520の表面を覆うように設けられている。なお、この放熱抑制部材70は、第1排気管520の表面に密着するように、第1排気管520の表面に設けられてもよい。放熱抑制部材70が第1排気管520の表面とは所定の間隔を隔てた状態で設けられる場合には、放熱抑制部材70と第1排気管520との間に、断熱層として機能する空気層が形成されるため、断熱性能を高めることができる。このように構成された放熱抑制部材70を設けることにより、第1排気管520を介して排気ガスの熱が放熱されるのを抑制することができる。なお、第1排気管520の表面とは所定の間隔を隔てた状態で放熱抑制部材70を設ける場合には、放熱抑制部材70は金属製のものを使用してもよい。
放熱促進部材71(図1,2参照)は、第2排気管521の放熱を促進するための部材である。放熱促進部材71の構成は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、図2に示されるように、第2排気管521とは所定の間隔を隔てた状態で第2排気管521を全体的に包囲する外壁部710と、外壁部710と第1排気管521との間に形成される空間に冷却液を導入するために外壁部71に接続される冷却液導入管71aと、上記空間から冷却液を導出するために外壁部710に接続される3つの冷却液導出管71b〜71dとを備えている。冷却液導入管71aは、外壁部710に対し、第2下流部52hにおけるノズル部52h1よりも上流側の位置で接続される。冷却液導出管71b〜71dは、各々、外壁部710に対し、第2上流部52d,52e,52fの上流側端部と対向する位置に接続される。冷却液導出管71b〜71dと冷却液導入管71aとの間には、図外のラジエータが設けられており、このラジエータの冷却液導入口に冷却液導出管71b〜71dが接続され、このラジエータの冷却液導出口に冷却液導入管71aが接続されている。この放熱促進部材71においては、ラジエータで冷却された冷却液が冷却液導入管71aを通じて上記空間内に導入され、この冷却液により第2排気管521が冷却される。第2排気管521から熱を奪った冷却液は、冷却液導出管71b〜71dを通じてラジエータに戻されて冷却される。
<ECU>
ECU2は、運転条件に応じて予め設定された吸気バルブ19、排気バルブ20の目標バルブタイミングの目標開度と、運転条件に応じて予め設定された運転モード(全筒運転または減筒運転のいずれの運転を行うか、HCCI燃焼またはSI燃焼のいずれを行うか)とを記憶している。ECU2は、各種センサからの信号に基づき現在の運転条件を演算すると共に、この運転条件に対応した目標値を抽出し、吸気バルブ19、排気バルブ20のバルブタイミングがこの目標値になるように、前記吸気VVT32、排気VVT42を駆動する。さらに、ECU2は、演算した運転条件に基づき、全筒運転または減筒運転のいずれの運転を行うか、HCCI燃焼またはSI燃焼のいずれを行うかを制御する。なお、減筒運転を行う場合には、ECU2は、吸気バルブ19および排気バルブ20を閉じた状態を維持する制御を行ってもよいし、或いは、これらのバルブを開閉動作させる制御を行ってもよい。
次に、前記吸気バルブ19及び排気バルブ20の目標バルブタイミングについて、図7、8を参照しつつ説明する。図7は、各気筒12における吸排気タイミングおよび吸排気流量(EX:排気流量、IN:吸気流量)を示す図であり、図8は、排気バルブ20の開弁期間と吸気バルブ19の開弁期間とがオーバーラップする期間とエゼクタ効果との関係をエンジン回転数毎に示す図である。図8において、符号Aは排気バルブ20のリフト量を示し、符号Bは吸気バルブ19のリフト量を示している。また、図8において、符号C〜Eは、後述の後続気筒の排気ポートに負圧波が到達するタイミングおよび排気ポートに到達する負圧波の強さを示している。
なお、図7には、排気バルブ20の開弁期間と吸気バルブ19の開弁期間とのオーバーラップ期間を明示していないが、実際には、排気期間と吸気期間とが一部オーバーラップしている。
吸気バルブ19及び排気バルブ20の目標バルブタイミングは、図8に示されるように、所定の運転領域(例えば全運転領域又は所定の基準回転数以下等の一部の領域、低速・高負荷域等)において、各気筒12の排気バルブ20の開弁期間と吸気バルブ19の開弁期間とが吸気上死点(TDC)を挟んでオーバーラップし、かつ、図7に示されるように、排気順序が連続する気筒12,12間において、一方の気筒(先行する気筒)12のオーバーラップ期間T_O/Lの始期よりも所定時間早いタイミングで、他方の気筒(後続の気筒)12の排気バルブ20が開弁を開始するように設定されている。なお、上記所定時間は、先行気筒から排気ガスが排出されてから、その排気ガスが合流部56に流入することにより合流部56で発生した負圧波が後続気筒に到達するまでの時間である。
具体的には、図7に示すように、第1気筒12aの排気バルブ20と吸気バルブ19とがオーバーラップしている期間の始期よりも上記所定時間早いタイミングで第5気筒12eの排気バルブ20が開弁し、第5気筒12eの排気バルブ20と吸気バルブ19とがオーバーラップしている期間の始期よりも上記所定時間早いタイミングで第3気筒12cの排気バルブ20が開弁し、第3気筒12cの排気バルブ20と吸気バルブ19とがオーバーラップしている期間の始期よりも上記所定時間早いタイミングで第6気筒12fの排気バルブ20が開弁し、第6気筒12fの排気バルブ20と吸気バルブ19とがオーバーラップしている期間の始期よりも所定時間早いタイミングで第2気筒12bの排気バルブ20が開弁し、第2気筒12bの排気バルブ20と吸気バルブ19とがオーバーラップしている期間の始期よりも所定時間早いタイミングで第4気筒12dの排気バルブ20が開弁し、第4気筒12dの排気バルブ20と吸気バルブ19とがオーバーラップしている期間の始期よりも所定時間早いタイミングで第1気筒12aの排気バルブ20が開弁するように設定されている。
なお、本エンジンシステム100において、吸気バルブ19及び排気バルブ20の開弁時期(開弁開始時期)及び閉弁時期とは、それぞれ、各バルブのリフトカーブにおいてバルブのリフトが急峻に立ち上がる又は立ち下がる時期であり、例えば0.4mmリフトの時期をいう。
<本実施形態の作用効果>
以上のように構成された本エンジンシステム100における作用効果について説明する。
本実施形態によれば、図1に示されるように、全筒運転と減筒運転との間で運転状態を切り替え可能な多気筒エンジン1に接続される第1排気管520および第2排気管521と、この第1排気管520の放熱を抑制する放熱抑制部材70と、第2排気管521の放熱を促進する放熱促進部材71とを備えているので、一部の気筒12a〜12cでのみ燃料が燃焼している減筒運転時、すなわちエンジンの発熱量が比較的少ない場合には、放熱抑制部材70により、第1排気管520を流通している排気ガスの温度低下が抑制され、全ての気筒12a〜12fで燃料が燃焼している全筒運転時、すなわちエンジンの発熱量が比較的多い場合には、放熱促進部材71により、第2排気管521を流通している排気ガスの放熱が促進される。減筒運転は、エンジン1が低回転低負荷状態にあるときに行われ(図6参照)、全筒運転は、例えばエンジン1が高回転高負荷状態にあるときに行われる(図6参照)。従って、低回転低負荷の運転時には触媒が活性化して十分な排気浄化性能が得られるような温度に、そして、高回転高負荷の運転時には触媒の劣化が抑制されるような温度に、触媒装置6に流入する排気ガスの温度を適切に制御することができる。なお、放熱促進部材71において冷却液の流量を調節すれば、排気ガスの温度をより適切に制御することができる。
また、本実施形態によれば、エンジン1は、減筒運転を実行しつつ、リーン燃焼、具体的にはHCCI燃焼を実行するので、以下の効果が得られる。すなわち、減筒運転を実行しつつ、リーン燃焼を行うことにより、気筒一つ当たりの負荷を大きくしながらリーン燃焼が行われることになる。リーン燃焼で生成される排気ガスは、特に低回転低負荷の運転領域において低温となり易いが、減筒運転によって気筒一つ当たりの負荷を大きくすることにより、その気筒内で生成される排気ガスの温度を高めることができ、放熱抑制部材70による放熱抑制効果と相まって、低回転低負荷時(エンジン1全体では低負荷)に触媒装置6に流入する排気ガスの温度を適切な温度に制御することができる。しかも、リーン燃焼の一種であるHCCI燃焼は、燃焼室全体で同時多発的に着火が始まる燃焼形態であるため、点火プラグによって一箇所から点火が始まる他のリーン燃焼よりも効率的な燃焼を実現することができ、燃料をより薄くしたさらにリーンな燃焼が可能となり、燃費性能をさらに高めることができる。
また、本実施形態によれば、6つの気筒12a〜12fに対応する6つの排気管の集合方式として、いわゆる「6−2−1」集合方式が採用されており、さらに、第1下流管52gのノズル部52g1は、上流側から下流側に向かって流路面積が小さくなっているため、排気ガスはノズル部52g1を通過する際に流速が大きくなり、その高速の排気ガスが集合管50の合流部56に流入することにより、合流部56内に負圧が発生する。この負圧により、第2排気管521から排気ガスが掃気される(吸い出される)。同様に、第2下流管52hのノズル部52h1は、上流側から下流側に向かって流路面積が小さくなっているため、排気ガスはノズル部52h1を通過する際に流速が大きくなり、その高速の排気ガスが集合管50の合流部56に流入することにより、合流部56内に負圧が発生する。この負圧により、第1排気管520から排気ガスが掃気される(吸い出される)。
この掃気作用すなわちエゼクタ効果により、第1排気管520の排気ガスが第2排気管521の排気を阻害するのを防止するとともに、第2排気管521の排気ガスが第1排気管520の排気を阻害するのを防止することができるため(排気干渉の防止)、第1下流管52gおよび第2下流管52hの長さを従来の排気装置よりも短くすることができる。これにより、触媒装置6を集合管50の下流側に設けた状態で(図1,2参照)、触媒が活性化し得る温度の排気ガスを触媒装置6に流入させることが可能となる。そして、集合管50の下流側の1つの管路に触媒装置6を設ければよいため、触媒装置6の数を減らすことができる。従って、排気装置6のコンパクト化および製造コストの低減を図ることができる。
また、本実施形態では、第2排気管521が第1排気管520よりも車両前後方向前側に配置されているため、走行風や電動ファンが生成する風によって第2排気管521は第1排気管520よりも冷却され易くなる。従って、第2排気管521をより効果的に放熱させることができる。
また、本実施形態では、減筒運転を行う場合に、休止させる気筒12の排気バルブ20および吸気バルブ19を開閉することにより、吸気(新気)を燃焼室を通じて第2排気管521に流すようにしてもよく、この場合、燃焼していない低温の吸気により第2排気管521の放熱を促進することができる。
また、本実施形態では、6気筒エンジンの排気装置においてエゼクタ効果を作用させているため、図8に示されるように、1000〜4000回転の広いエンジン回転数の範囲に亘り、後続気筒の排気ポート18が開いている期間に少なくとも負圧波のピーク部分を当該排気ポート18に到達させて、この広範囲のエンジン回転数域においてエゼクタ効果を発揮させることができる。これにより、低回転域から高回転域まで広い範囲に亘り、エンジン1のトルクを向上させることができる。
これに対し、4サイクルの4気筒エンジンの排気装置においてエゼクタ効果を作用させる場合には、6気筒エンジンの場合と比べて十分なエゼクタ効果を発揮させることが難しい。図9は、4気筒エンジンの各気筒における吸排気タイミングおよび吸排気流量(EX:排気流量、IN:吸気流量)を示す図であり、図10は、4気筒エンジンにおける排気バルブの開弁期間と吸気バルブの開弁期間とがオーバーラップする期間とエゼクタ効果との関係をエンジン回転数毎に示す図である。
4気筒エンジンでは、図9に示すように、各気筒において、180°CAずつずれたタイミングで点火プラグによる点火が行われて、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程がそれぞれ180°CAずつずれるように構成されている。具体的には、第1気筒→第3気筒→第4気筒→第2気筒の順に点火が行われてこの順に排気行程等が実施される。また、4気筒エンジンは、図9に示されるように、第1気筒の排気バルブと吸気バルブとがオーバーラップしている期間の始期よりも所定時間早いタイミングで第3気筒の排気バルブが開弁し、第3気筒の排気バルブと吸気バルブとがオーバーラップしている期間の始期よりも所定時間早いタイミングで第4気筒の排気バルブが開弁し、第4気筒の排気バルブと吸気バルブとがオーバーラップしている期間の始期よりも所定時間早いタイミングで第2気筒の排気バルブが開弁し、第2気筒の排気バルブと吸気バルブとがオーバーラップしている期間の始期よりも所定時間早いタイミングで第1気筒の排気バルブが開弁するように設定されている。
このような4気筒エンジンでは、図10に示されるように、1000〜2000回転のエンジン回転数の範囲では、後続気筒の排気ポート18が開いている期間に負圧波の少なくともピーク部分を当該排気ポート18に到達させて、この広範囲のエンジン回転数域においてエゼクタ効果を発揮させることができるが、4000回転以上のエンジン回転数の範囲では、後続気筒の排気ポートが開いている期間に負圧波が十分に当該排気ポートに到達することが難しくなり、このエンジン回転数域においてはエゼクタ効果を十分に発揮させることが難しくなる。これは、各気筒の排気工程が気筒間で180°CAずつずれており、6気筒の120°CAに対して大きいために、後続気筒の排気ポートに負圧波が到達するタイミングが遅れるためである。
なお、上記実施形態では、放熱促進部材71において、外壁部710と第2排気管521との間の空間に冷却液を流しているが、外気等の空気を流してもよい。
また、上記放熱促進部材71に代えて、走行風を導入可能な開閉式のエアシャッタ装置(図示略)を車両前部に設けて、必要に応じてシャッタを開いて走行風を導入し、その走行風により第2排気管521の表面を直接空冷するようにしてもよい。この場合には、上記エアシャッタ装置が本発明の放熱促進手段に相当する。
また、上記実施形態では、リーン燃焼の一種としてHCCI燃焼を採用しているが、リーンな混合気を点火プラグにより点火する燃焼形態を採用してもよい。
また、上記実施形態に係るエンジン1は6気筒エンジンであるが、4気筒、5気筒、8気筒など、気筒数を変更してもよい。
また、上記実施形態に係るエンジン1はガソリンエンジンであるが、ディーゼルエンジンに適用してもよい。
1 エンジン
12a〜12f 気筒
50 集合管
52a〜52c 第1上流管
52d〜52f 第2上流管
52g 第1下流管
52g1 ノズル部
52h 第2下流管
52h1 ノズル部
56 合流部
70 放熱抑制部材
71 放熱促進部材
520 第1排気管
521 第2排気管

Claims (6)

  1. 全ての気筒で燃料を燃焼させて当該気筒から排気ガスを排出させる全筒運転と、一部の気筒でのみ燃料を燃焼させて当該気筒から排気ガスを排出させる減筒運転との間で運転状態を切り替え可能な多気筒エンジンの排気装置であって、
    前記一部の気筒に対応する排気ポートに接続される第1排気管と、
    前記一部の気筒以外の気筒に対応する排気ポートに接続される第2排気管と、
    前記第1排気管および前記第2排気管よりも排気流れ方向の下流側に配置され、前記第1排気管を通過した排気ガスおよび前記第2排気管を通過した排気ガスを浄化する触媒装置と、
    前記第1排気管の放熱を抑制する放熱抑制手段とを備えた、エンジンの排気装置。
  2. 前記2排気管の放熱を促進する放熱促進手段をさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載のエンジンの排気装置。
  3. 前記エンジンは、前記減筒運転を実行しつつ、燃焼室内においてリーンな混合気を燃焼させることを特徴とする、請求項1または2に記載のエンジンの排気装置。
  4. 前記エンジンは、前記減筒運転を実行しつつ、燃焼室内においてリーンな混合気を自着火により燃焼させるHCCI燃焼を実行することを特徴とする、請求項3に記載のエンジンの排気装置。
  5. 前記エンジンは6気筒エンジンであり、
    前記エンジンの排気装置は、前記第1排気管を通過した排気ガスと前記第2排気管を通過した排気ガスとが流入して合流する合流部を有する集合管をさらに備え、
    前記第1排気管は、前記6つの気筒のうち、排気順序が連続しない3つの気筒に対応する3つの排気ポートに各々接続されて、排気流れ方向の下流側端部が束ねられた3つの第1上流管と、前記3つの第1上流管の下流側端部に接続されて、下流部に流路面積が上流側から下流側に向かって小さくなるノズル部を有して、そのノズル部の下流側端部が前記集合管に接続される1つの第1下流管とを有し、
    前記第2排気管は、前記6つの気筒のうち、前記3つの気筒以外の排気順序が連続しない3つの気筒に対応する3つの排気ポートに各々接続されて、排気流れ方向の下流側端部が束ねられた3つの第2上流管と、前記3つの第2上流管の下流側端部に接続されて、下流部に流路面積が上流側から下流側に向かって小さくなるノズル部を有して、そのノズル部の下流側端部が前記集合管に接続される1つの第2下流管とを有し、
    前記触媒装置は、前記集合管の下流側に設けられていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のエンジンの排気装置。
  6. 前記エンジンは、気筒列方向が車両前後方向に向くように縦置きに配置された直列6気筒エンジンであり、
    前記第2排気管は、前記第1排気管よりも車両前後方向前側に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のエンジンの排気装置。
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