JP2017110071A - ゴム組成物の製造方法およびタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】十分なウェットグリップ性能を維持しながら、耐摩耗性およびドライアップ路面での良好なグリップ性能に優れたゴム組成物の製造方法、ならびにこの製造方法により製造されたゴム組成物により構成されたトレッドを有するタイヤを提供すること。【解決手段】スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分100質量部に対し、45〜180質量部の所定の補強剤、70〜300質量部の軟化剤、硫黄マスターバッチ、および加硫促進剤マスターバッチを含有するゴム組成物であり、スチレンブタジエンゴムaを含むゴム成分、補強剤、軟化剤および加硫促進剤マスターバッチを混練りするX練り工程、ならびにX練り工程で得られた混練物および硫黄マスターバッチを混練するF練り工程を含む製造方法、ならびにこの製造方法により製造されたゴム組成物により構成されたトレッドを有するタイヤ。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物の製造方法およびこの製造方法により製造されたゴム組成物により構成されたトレッドを有するタイヤに関する。
従来、ウェットグリップ性能を向上させる方法としてはトレッド用ゴム組成物にシリカを配合する方法が広く使われてきた。他にも、水酸化アルミニウムを配合する方法(特許文献1および2など)、オイル、低温可塑剤、液状ポリマーなどの軟化剤を増量する方法、低軟化点のレジンを配合する方法などでウェットグリップ性能が向上できることが知られている。
しかしながら、これらの方法でウェットグリップ性能は改善されるものの、耐摩耗性の向上にはまだ改善の余地がある。また、路面がドライアップ(ウェット状態から乾燥)した場合には、トレッドゴム組成物が十分な剛性を保つことができず、ドライグリップ性能が低下するという問題もある。このように、ウェットグリップ性能と耐摩耗性とを両立し、同時にドライグリップ性能を得ることは困難であった。
このような問題を解決するため、前記のようなウェットグリップ性能を改善する手法とともに加硫剤および加硫促進剤の配合量を多くする手法が検討されている。
特許第3399602号明細書 特許第4615874号明細書
しかしながら、加硫剤および加硫促進剤は、通常、混練り工程の仕上げ練り工程(F練り工程)で配合されるため、ベース練り工程(X練り工程)で軟化剤が多く配合され、粘度が低下したゴム組成物中では、分散性が悪く、所望の効果が得られないという問題がある。
本発明は、十分なウェットグリップ性能を維持しながら、耐摩耗性およびドライグリップ性能に優れたゴム組成物を製造することができるゴム組成物の製造方法、ならびにこの製造方法により製造されたゴム組成物により構成されたトレッドを有するタイヤを得ることを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、加硫促進剤とスチレンブタジエンゴムとを混練りしてなる加硫促進剤マスターバッチを、混練り工程中のベース練り工程(X練り工程)で添加し、硫黄とスチレンブタジエンゴムとを混練りしてなる硫黄マスターバッチを、仕上げ練り工程(F練り工程)で添加するゴム組成物の製造方法とすることにより、前記課題を解決できることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成することに成功した。
すなわち本発明は、スチレンブタジエンゴムaを60〜100質量%含むゴム成分100質量部に対し、
下記化学式(1)で表される平均粒子径が10μm以下の無機化合物粉体を10〜35質量部、カーボンブラックを0〜50質量部およびシリカを35〜170質量部含む45〜180質量部の補強剤、
70〜300質量部の軟化剤、
0.5〜3質量部の硫黄と、スチレンブタジエンゴムbとを混練りしてなる硫黄マスターバッチ、ならびに
0.5〜25質量部の加硫促進剤と、スチレンブタジエンゴムcとを混練りしてなる加硫促進剤マスターバッチを含有するゴム組成物の製造方法であり、
スチレンブタジエンゴムaを含むゴム成分、補強剤、軟化剤および加硫促進剤マスターバッチを混練りするX練り工程、ならびに
X練り工程で得られた混練物および硫黄マスターバッチを混練するF練り工程を含む製造方法に関する。
化学式(1) M・αSiO2・βH2
(化学式(1)中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタンおよびカルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属、該金属の酸化物または該金属の水酸化物であり、αおよびβは、同一または異なる0〜10の整数である。)
軟化剤の含有量が補強剤の含有量以上であることが好ましい。
硫黄マスターバッチ中の硫黄の含有量が40〜80質量%であり、加硫促進剤マスターバッチ中の加硫促進剤の含有量が40〜80質量%であることが好ましい。
ゴム組成物の未加硫時の100℃でのムーニー粘度が30以下であることが好ましい。
化学式(1)で表される無機化合物粉体が、化学式(1)中、MがAl23、αが1〜4の整数、βが0〜4の整数の無機化合物粉体であることが好ましい。
化学式(1)で表される無機化合物粉体が、水酸化アルミニウムであることが好ましい。
また、本発明は、前記の製造方法により製造されたゴム組成物を、
タイヤのトレッドの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを成形し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧して製造するタイヤの製造方法に関する。
さらに、本発明は、スチレンブタジエンゴムaを60〜100質量%含むゴム成分100質量部に対し、
下記化学式(1)で表される平均粒子径が10μm以下の無機化合物粉体を10〜35質量部、カーボンブラックを0〜50質量部およびシリカを35〜170質量部含む45〜180質量部の補強剤、
70〜300質量部の軟化剤、
0.5〜3質量部の硫黄と、スチレンブタジエンゴムbとを混練りして得られた硫黄マスターバッチ、ならびに
0.5〜25質量部の加硫促進剤と、スチレンブタジエンゴムcとを混練りして得られた加硫促進剤マスターバッチを含有するゴム組成物であり、
スチレンブタジエンゴムaを含むゴム成分、補強剤、軟化剤および加硫促進剤マスターバッチを混練りするX練り工程、ならびに
X練り工程で得られた混練物および硫黄マスターバッチを混練するF練り工程を含む製造方法により製造されたゴム組成物を、
タイヤのトレッドの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを成形し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧して製造されたタイヤに関する。
化学式(1) M・αSiO2・βH2
(化学式(1)中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタンおよびカルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属、該金属の酸化物または該金属の水酸化物であり、αおよびβは、同一または異なる0〜10の整数である。)
所定量のスチレンブタジエンゴムaを含むゴム成分に対し、所定の補強剤、軟化剤、硫黄とスチレンブタジエンゴムbとを混練りしてなる硫黄マスターバッチ、および加硫促進剤とスチレンブタジエンゴムcとを混練りしてなる加硫促進剤マスターバッチを含有するゴム組成物であり、スチレンブタジエンゴムaを含むゴム成分、補強剤、軟化剤および加硫促進剤マスターバッチを混練りするX練り工程、ならびにX練り工程で得られた混練物および硫黄マスターバッチを混練りするF練り工程を含む、本発明のゴム組成物の製造方法によれば、十分なウェットグリップ性能を維持しながら、耐摩耗性およびドライグリップ性能に優れたゴム組成物を製造することができる。また、本発明のゴム組成物の製造方法により製造されたゴム組成物により構成されたトレッドを有するタイヤによれば、十分なウェットグリップ性能を維持しながら、耐摩耗性およびドライグリップ性能に優れたタイヤを提供することができる。
本発明に係るゴム組成物は、所定量のスチレンブタジエンゴムaを含むゴム成分に対し、所定の補強剤、軟化剤、硫黄とスチレンブタジエンゴムbとを混練りしてなる硫黄マスターバッチ、および加硫促進剤とスチレンブタジエンゴムcとを混練りしてなる加硫促進剤マスターバッチを含有するゴム組成物である。
前記ゴム成分は所定量のスチレンブタジエンゴムa(SBRa)を含む。このゴム成分中のSBRaと、後述のマスターバッチの調製に用いるSBRbおよびSBRcとは、同じSBRとすることもできるが、含有量の観点からは明確に区分けされる。すなわち、SBRaはゴム成分100質量部を構成するゴム成分であるのに対し、SBRbおよびSBRcはゴム成分100質量部には含まれず、ゴム成分100質量部に対して所定量含有するマスターバッチを構成する。
SBRaとしては、特に限定されず、例えば未変性の乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)や溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)、これらを変性した変性乳化重合スチレンブタジエンゴム(変性E−SBR)や変性溶液重合スチレンブタジエンゴム(変性S−SBR)などが挙げられる。またSBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、伸展油を加えない非油展タイプのものとがあるが、このいずれも使用可能である。
SBRaのスチレン含有率は、ドライグリップ性能が十分に得られるという理由から、25質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましい。また、SBRaのスチレン含有率は、耐摩耗性に優れ、良好なウェットグリップ性能が得られるという理由から、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。なお、本明細書におけるSBRのスチレン含有率は、1H−NMR測定により算出される値である。
SBRaのゴム成分中の含有量は、60質量%以上であり、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%とすることが最も好ましいが、他のゴム成分と併用する場合は、90質量%以下とすることもできる。なお、SBRaとして油展タイプのSBRを用いる場合は、当該油展タイプのSBR中に含まれる固形分としてのSBRa自体の含有量をゴム成分中の含有量とする。
SBRaと他のゴム成分とを併用する場合の他のゴム成分としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などのジエン系ゴムや、ブチルゴム(IIR)などのブチル系ゴムが挙げられる。これらの他のゴム成分は、2種以上を併用してもよいが、ドライグリップ性能の観点から、他のゴム成分は含有せず、SBRaのみをゴム成分とすることが好ましい。
前記補強剤は、下記化学式(1)で表される無機化合物粉体およびシリカを所定量含み、任意でさらに所定量のカーボンブラックを含む。優れた補強性が得られるという理由からは、カーボンブラック、シリカが好ましく、より良好なウェットグリップ性能が得られるという理由からは、カーボンブラック、シリカおよび下記化学式(1)で表される無機化合物粉体を併用することが好ましい。なお、補強剤の含有量範囲内であれば、下記化学式(1)で表される無機化合物粉体、シリカおよびカーボンブラックの他にも、従来ゴム工業において慣用される補強剤をさらに含んでも良い。
化学式(1) M・αSiO2・βH2
(化学式(1)中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタンおよびカルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属、該金属の酸化物または該金属の水酸化物であり、αおよびβは、同一または異なる0〜10の整数である。)
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、ドライグリップ性能に優れるという理由から、100m2/g以上が好ましく、105m2/g以上がより好ましい。また、カーボンブラックのN2SAは、ゴム組成物中での分散性に優れ、良好な耐摩耗性が得られるという理由から、600m2/g以下が好ましく、250m2/g以下がより好ましく、180m2/g以下がさらに好ましい。なお、本明細書におけるカーボンブラックのN2SAは、JIS K6217−2:2001に準拠して測定される値である。
カーボンブラックのオイル吸油量(OAN)は、十分な耐摩耗性が得られるという理由から、50ml/100g以上が好ましく、75ml/100g以上がより好ましい。また、カーボンブラックのOANは、ドライグリップ性能が十分に得られるという理由から、250ml/100g以下が好ましく、200ml/100g以下がより好ましく、135ml/100g以下がさらに好ましい。なお、本明細書におけるカーボンブラックのOANは、JIS K6217−4:2008に準拠して測定される値である。
カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する含有量は、耐久性および加工性の観点から、0質量部以上であり、10質量部以上が好ましい。また、カーボンブラックの含有量は、50質量部以下であり、40質量部以下が好ましい。50質量部を超える場合は、ウェットグリップ性能が低下する傾向がある。
シリカは、ウェットグリップ性能および耐久性の観点から、臭化セチルトリメチルアンモニウム吸着量(CTAB)が100〜300m2/gであるか、ジブチルフタレート吸油量(DBP)が100〜300ml/100gであることが好ましい。なお、本明細書におけるシリカのCTABおよびDBPは、JIS K6430:2008に準拠して測定される値である。
シリカのゴム成分100質量部に対する含有量は、35質量部以上であり、50質量部以上が好ましい。35質量部未満の場合は、十分なウェットグリップ性能が得られない傾向がある。また、シリカの含有量は、170質量部以下であり、150質量部以下が好ましい。170質量部を超える場合は、加工性、耐摩耗性、耐久性などが十分に確保できない。
前記化学式(1)で表される無機化合物粉体において、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタンおよびカルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属、該金属の酸化物または該金属の水酸化物であり、良好なウェットグリップ性能が得られるという理由から、水酸化アルミニウムが好ましい。
化学式(1)で表される無機化合物粉体として具体的には、アルミナ(Al23)、アルミナ水和物(Al23・H2O)、水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、酸化マグネシウム(MgO)、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、タルク(MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al4・3SiO2・5H2O)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2)などが挙げられ、なかでも、ウェットグリップ性能の観点から、水酸化アルミニウムが好ましい。
化学式(1)で表される無機化合物粉体の平均粒径は、作業性の観点から、0.01μm以上が好ましく、0.02μm以上がより好ましく、0.1μm以上がさらに好ましい。また、無機化合物粉体の平均粒径は、10μm以下であり、8μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。10μmを超える場合は、十分な耐摩耗性が得られない傾向がある。なお、無機化合物粉体の平均粒径は、所定の数(5個以上)の無機化合物粉体について、その長径を透過型電子顕微鏡(TEM)により測定し、得られた結果を相加平均することによって決定される。
化学式(1)で表される無機化合物粉体のゴム成分100質量部に対する含有量は、10質量部以上であり、15質量部以上が好ましい。10質量部未満の場合は、十分なウェットグリップ性能が得られない傾向がある。また、無機化合物粉体の含有量は、35質量部以下であり、30質量部以下が好ましい。35質量部を超える場合は、十分な耐摩耗性およびウェットグリップ性能が得られない傾向がある。
前記補強剤のゴム成分100質量部に対する合計含有量は、45質量部以上であり、60質量部以上が好ましい。45質量部未満の場合は、ウェットグリップ性能が低下する傾向がある。また、補強剤の合計含有量は、180質量部以下であり、150質量部以下が好ましい。180質量部を超える場合は、十分な耐摩耗性能が得られない傾向がある。
前記軟化剤としては、オイル、低温可塑剤、低分子量の液状ポリマーなどが挙げられる。これらの軟化剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよいが、耐久性とドライグリップ性能とのバランスに優れるという理由からは、低分子量の液状ポリマーが好ましい。
オイルとしては特に限定されず、例えば、アロマチックオイル、プロセスオイル、パラフィンオイルなどの鉱物油などが挙げられる。
低温可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジブチル(DBA)、アジピン酸ジイソブチル(DIBA)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アゼライン酸ジ2−エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)、フタル酸ジブチル(DBP)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリオクチル(TOP)、リン酸トリエチル(TEP)、リン酸トリメチル(TMP)、チミジントリリン酸(TTP)、リン酸トリクレシル(TCP)、リン酸トリキシレニル(TXP)などのエステル系可塑剤などが挙げられ、良好なウェットグリップ性能が得られるという理由から、TOPが好ましい。
低分子量の液状ポリマーとしては、液状スチレンブタジエンコポリマー、液状ブタジエンポリマー、液状イソプレンポリマー、液状スチレンイソプレンコポリマーなどの液状ジエン系重合体が挙げられるが、耐久性とドライグリップ性能とがバランスよく得られるという理由から液状スチレンブタジエンコポリマーを用いることが好ましい。また、低分子量の液状ポリマーのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、破壊特性に優れ、十分な耐久性が得られるという理由から、1.0×103以上が好ましく、4.0×103以上がより好ましい。また、該液状ポリマーのMwは、生産性に優れるという理由から2.0×105以下が好ましく、1.0×105以下がより好ましい。
低分子量の液状ポリマーを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、耐摩耗性およびドライグリップ性能の観点から、30質量部以上が好ましく、50質量部以上がより好ましい。また、低分子量の液状ポリマーの含有量は、加工性の観点から、250質量部以下が好ましく、200質量部以下がより好ましい。
軟化剤のゴム成分100質量部に対する含有量(複数の軟化剤を含有する場合は合計含有量)は、70質量部以上であり、90質量部以上が好ましい。70質量部未満の場合は、十分なウェットグリップ性能が得られ難い傾向がある。また、軟化剤の含有量は、300質量部以下であり、250質量部以下が好ましい。300質量部を超える場合は、加工性、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
また、軟化剤の含有量は、十分なウェットグリップ性能が得られるという理由から、前記補強剤の含有量以上であることが好ましい。
本発明に係るゴム組成物は、硫黄および加硫促進剤をそれぞれマスターバッチとして含有することで、軟化剤を多く配合し粘度が低下した混練物への硫黄および加硫促進剤の分散性が良好となるため、耐摩耗性およびドライグリップ性能に優れたゴム組成物とすることができる。
前記硫黄マスターバッチに用いる硫黄としては特に限定されず、従来ゴム工業において慣用されるものから任意に選択して用いることができ、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄などが挙げられる。
硫黄のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.5質量部以上であり、0.6質量部以上が好ましい。0.5質量部未満の場合は、良好な加硫反応が得られ難く、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、硫黄の含有量は、3質量部以下であり、2質量部以下が好ましい。3質量部を超える場合は、ブルーミングを起こし、グリップ性能、耐摩耗性が低下する傾向がある。
硫黄マスターバッチ中の硫黄の含有量は、十分な加硫速度が得られ、良好なグリップ性能、耐摩耗性が得られるという理由から、40質量%以上が好ましく、50質量%部以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。また、硫黄マスターバッチ中の硫黄の含有量は、ブルーミングが起き難く、良好なグリップ性能、耐摩耗性が得られるという理由から、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。
硫黄マスターバッチが含有するスチレンブタジエンゴムb(SBRb)は、前記SBRaと同じSBRとすることもできるが、含有量の観点からは明確に区分けされる。すなわち、SBRbは硫黄マスターバッチを構成するゴム成分であり、SBRaを含むゴム成分100質量部には含まれない。
SBRbとしては、特に限定されず、未変性E−SBR、未変性S−SBR、変性E−SBR、変性S−SBRなどが挙げられる。油展タイプ、非油展タイプのいずれも使用可能であるが、硫黄の良好な分散性が得られ、マスターバッチの保存中の変化が起こりにくいという理由から、非油展タイプのSBRを用いることが好ましい。
また、SBRbとしては、汎用性の観点から低スチレンのSBRが好ましく、市販品としては、日本ゼオン(株)製のNipol 1502などが挙げられる。
なお、硫黄マスターバッチの製造方法は特に限定されず、硫黄およびSBRbをバンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどの従来の混練機を用い、例えば5〜10分間、排出温度120〜150℃で混練りする方法などが挙げられる。
前記加硫促進剤マスターバッチに用いる加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などが挙げられ、なかでも、スルフェンアミド系、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤が好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CZ)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(MSA)などが挙げられ、なかでもNSまたはCZが好ましい。ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤としては、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(ZTC)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(PZ)、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛(ZP)、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(TP)などが挙げられ、なかでもZTCが好ましい。
加硫促進剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.5質量部以上であり、2.0質量部以上が好ましい。0.5質量部未満の場合は、十分な加硫速度が得られ難く、良好なドライグリップ性能、耐摩耗性が得られない傾向がある。また、加硫促進剤の含有量は、25質量部以下であり、20質量部以下が好ましい。25質量部を超える場合は、ブルーミングを起こし、ドライグリップ性能、耐摩耗性が低下する傾向がある。
加硫促進剤マスターバッチ中の加硫促進剤の含有量は、耐摩耗性の観点から、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。また、加硫促進剤マスターバッチ中の加硫促進剤の含有量は、分散性の観点から、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。
加硫促進剤マスターバッチが含有するスチレンブタジエンゴムc(SBRc)は、前記SBRaと同じSBRとすることもできるが、含有量の観点からは明確に区分けされる。すなわち、SBRcは加硫促進剤マスターバッチを構成するゴム成分であり、SBRaを含むゴム成分100質量部には含まれない。
SBRcとしては、特に限定されず、SBRbと同様、未変性E−SBR、未変性S−SBR、変性E−SBR、変性S−SBRなどが挙げられる。油展タイプ、非油展タイプのいずれも使用可能であるが、加硫促進剤の良好な分散性が得られ、マスターバッチの保存中の変化が起こりにくいという理由から、非油展タイプのSBRを用いることが好ましい。
また、SBRcとしては、汎用性の観点から低スチレンのSBRが好ましく、市販品としては、日本ゼオン(株)製のNipol 1502などが挙げられる。
なお、加硫促進剤マスターバッチの製造方法は特に限定されず、加硫促進剤およびSBRcをバンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどの従来の混練機を用い、例えば5〜10分間、排出温度120〜150℃で混練りする方法などが挙げられる。
本発明に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般的に使用されている配合剤、例えば、カップリング剤、酸化亜鉛、レジン、ワックス、老化防止剤、ステアリン酸などを適宜配合することができる。
前記カップリング剤としては、シランカップリング剤などが挙げられ、シリカを含有する場合は、シリカとともにシランカップリング剤を使用することが好ましい。シランカップリング剤としては、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、スルフィド系、メルカプト系、ビニル系、アミノ系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系などのシランカップリング剤が挙げられる。
シランカップリング剤を含有する場合のシリカ100質量部に対する含有量は、十分なシリカの分散効果および耐摩耗性が得られるという理由から、5〜20質量部が好ましい。
前記酸化亜鉛としては、ゴム工業で一般的に使用されているものであれば特に限定されないが、微粒子酸化亜鉛を使用することが好ましい。
酸化亜鉛の平均一次粒子径は、200nm以下が好ましく、100nm以下がさらに好ましい。また、酸化亜鉛の平均一次粒子径の下限は特に限定されないが、20nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましい。なお、本明細書における酸化亜鉛の平均一次粒子径は、窒素吸着によるBET法により測定した比表面積から換算された平均粒子径(平均一次粒子径)である。
酸化亜鉛を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、0.5〜10質量部が好ましく、1.0〜5質量部がより好ましい。酸化亜鉛の含有量が上記範囲内であれば、本発明の効果がより好適に得られる。
本発明のゴム組成物の製造方法は、加硫促進剤を加硫促進剤マスターバッチとしてX練り工程で混練りし、硫黄を硫黄マスターバッチとしてF練り工程で混練りすることを特徴とする。本発明のゴム組成物の製造方法により製造されたゴム組成物は、軟化剤を多く配合する混練物中においても硫黄および加硫促進剤の分散性が向上し、十分なウェットグリップ性能を維持しながら耐摩耗性およびドライグリップ性能に優れる。
本発明に係るX練り工程は、SBRaを含むゴム成分、補強剤、軟化剤および加硫促進剤マスターバッチなどを混練りする工程である。また、本発明のゴム組成物に適宜配合できるその他の配合剤を含有する場合は、X練り工程で添加することが好ましい。
X練り工程としては、例えば、バンバリーミキサーやニーダーなどの公知の混練機を用いて、混練時間2〜6分間、排出温度135〜155℃で混練りする方法などが挙げられる。
X練り工程で得られた混練物は、通常100℃以下、好ましくは20〜80℃となるまで冷却してから後工程に使用することが好ましい。
本発明に係るF練り工程は、X練り工程で得られた混練物に硫黄マスターバッチを添加して混練りし、未加硫ゴム組成物を得る工程である。
F練り工程としては、例えば、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどの公知の混練機を用いて、混練時間2〜3分間、排出温度90〜110℃で混練りする方法などが挙げられる。
F練り工程で得られた未加硫のゴム組成物のムーニー粘度ML1+4(100℃)は、十分なウェットグリップ性が得られるという理由から、30以下が好ましく、25以下がより好ましい。また、該ムーニー粘度の下限は特に限定されない。なお、ムーニー粘度は、JIS K6300−1に準じて測定される。
F練り工程で得られた未加硫ゴム組成物は、公知の方法で加硫することでゴム組成物を得ることができる。
本発明の製造方法により製造されたゴム組成物は、十分なウェットグリップ性能を維持しながら耐摩耗性およびドライグリップ性能に優れることから、タイヤ部材、特にトレッドに用いることが好ましく、また、トレッドがキャップトレッドおよびベーストレッドからなる2層構造のトレッドである場合は、キャップトレッドに用いることが好ましい。ここで、キャップトレッドとは、2層構造からなるトレッドでは表面層であり、ベーストレッドとは内面層である。
本発明のタイヤは、本発明の製造方法により製造されたゴム組成物を用いて通常の方法により製造できる。すなわち、本発明のゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのトレッドの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成形することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、本発明のタイヤを製造することができる。
また、本発明のタイヤは高性能タイヤに適用することが好ましく、ウェット路面に使用される高性能ウェット用タイヤに適用することがより好ましい。なお、本明細書における高性能ウェット用タイヤとは、ウェットグリップ性能に優れたタイヤであり、競技車両に使用するレースなどの競技用タイヤも含む概念である。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は、実施例にのみ限定されるものではない。
以下、実施例および比較例において用いた各種薬品をまとめて示す。
SBRa:旭化成(株)製のタフデン4850(S−SBR、スチレン含有率:40質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部を含有する油展ゴム)
SBRb:日本ゼオン(株)製のNipol 1502(E−SBR、スチレン含有率:23.5質量%、非油展ゴム)
SBRc:日本ゼオン(株)製のNipol 1502(E−SBR、スチレン含有率:23.5質量%、非油展ゴム)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のN219(N2SA:106m2/g、OAN:78ml/100g)
シリカ:東ソー・シリカ(株)製のNipsil VN3(CTAB:168m2/g、DBP:183ml/100g、N2SA:177m2/g)
無機化合物粉体:昭和電工(株)製のハイジライトH−43(水酸化アルミニウム、平均粒径:0.75μm、N2SA:6.7m2/g、化学式(1)で表される無機化合物粉体(M:Al(OH)2、αおよびβ=0))
シランカップリング剤:Degussa社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
低温可塑剤:大八化学工業(株)製のTOP(凝固点:−70℃以下)
液状ポリマー:(株)クラレ製のL−SBR−820(Mw:10000)
レジン:日塗化学(株)製のクマロンG−90(クマロンインデン樹脂、軟化点:90℃)
酸化亜鉛:ハクスイテック(株)製のZincox Super F−1(平均一次粒子径:100nm)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
老化防止剤1:住友化学(株)製のアンチゲン6C(6PPD、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
老化防止剤2:住友化学(株)製のアンチゲンRD(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーZTC(ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛)
硫黄マスターバッチ1および2:下記硫黄マスターバッチ製造例で作製した硫黄マスターバッチ1および2
加硫促進剤マスターバッチ1〜4:下記加硫促進剤マスターバッチ製造例で作製した加硫促進剤マスターバッチ1〜4
硫黄マスターバッチ製造例
表1に示す配合処方に従い、オープンロールにて10分間混練し、120℃で排出することで、硫黄マスターバッチ1および2を得た。
加硫促進剤マスターバッチ製造例
表1に示す配合処方に従い、オープンロールにて10分間混練し、135℃で排出することで、加硫促進剤マスターバッチ1〜4を得た。
実施例および比較例
表2および表3に示す配合内容に従い、「X練り」に示す各種薬品を、神戸製鋼(株)製の16Lバンバリーミキサーにて排出温度150℃で5分間混練りした(X練り工程)。その後、X練り工程で得られた混練物および「F練り」に示す各種薬品を、バンバリーミキサーにて排出温度100℃で3分間混練りし(F練り工程)、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、150℃の条件で30分間加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:215/45R17)を製造した。得られた未加硫ゴム組成物および試験用タイヤについて下記評価を行った。結果を表2および表3に示す。
<配合剤の溶け残り>
各未加硫ゴム組成物から幅20cm、長さ5cm、厚さ1cmに切り出した未加硫ゴムシートの断面を目視にて観察し、配合剤が凝集して直径が0.5mm以上の粒子が確認できるものを「有」、確認できないものを「無」として判定した。
<ムーニー粘度>
各未加硫ゴム組成物について、JIS K6300−1の「未加硫ゴム−物理特性−第1部:ムーニー粘度計による粘度及びスコーチタイムの求め方」に準じたムーニー粘度の測定方法に従い、100℃の温度条件にて、ムーニー粘度(ML1+4)を測定した。
<ウェットグリップ性能>
試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、1周3kmのウェットアスファルト路面のテストコースにて10周の実車走行を行った。その際における、ベストラップの操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが比較評価し、比較例1を100として指数表示した。数値が大きいほど、ウェットグリップ性能に優れていることを示す。なお、ウェットグリップ性能指数は110以上を性能目標値とする。
<ドライグリップ性能>
試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、1周3kmのドライアップアスファルト路面のテストコースにて10周の実車走行を行った。その際における、ベストラップの操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが比較評価し、比較例1を100として指数表示した。数値が大きいほどドライグリップ性能が優れていることを示す。なお、ドライグリップ性能指数は110以上を性能目標値とする。
<耐摩耗性>
前記ウェットグリップ性能およびドライグリップ性能の試験後のタイヤトレッドゴムの残溝量を計測し(新品時15mm)、タイヤ8本分の平均値を求めた。比較例1の残溝量を100として指数表示した。数値が大きいほど耐摩耗性が高いことを示す。なお、耐摩耗性指数は110以上を性能目標指数とする。
Figure 2017110071
Figure 2017110071
Figure 2017110071
表2および表3の結果より、スチレンブタジエンゴムaを含む所定のゴム成分に、所定の補強剤、軟化剤、硫黄とスチレンブタジエンゴムbとを混練りして得られた硫黄マスターバッチ、加硫促進剤とスチレンブタジエンゴムcとを混練りして得られた加硫促進剤マスターバッチを含有するゴム組成物を、所定のX練り工程およびF練り工程を含む製造方法により製造することで、十分なウェットグリップ性能を維持しながら、耐摩耗性およびドライグリップ性能に優れるゴム組成物が得られることがわかる。さらに、得られたゴム組成物により構成されたトレッドを有するタイヤが、十分なウェットグリップ性能を維持しながら、耐摩耗性およびドライグリップ性能に優れることがわかる。

Claims (8)

  1. スチレンブタジエンゴムaを60〜100質量%含むゴム成分100質量部に対し、
    下記化学式(1)で表される平均粒子径が10μm以下の無機化合物粉体を10〜35質量部、カーボンブラックを0〜50質量部およびシリカを35〜170質量部含む45〜180質量部の補強剤、
    70〜300質量部の軟化剤、
    0.5〜3質量部の硫黄と、スチレンブタジエンゴムbとを混練りしてなる硫黄マスターバッチ、ならびに
    0.5〜25質量部の加硫促進剤と、スチレンブタジエンゴムcとを混練りしてなる加硫促進剤マスターバッチを含有するゴム組成物の製造方法であり、
    スチレンブタジエンゴムaを含むゴム成分、補強剤、軟化剤および加硫促進剤マスターバッチを混練りするX練り工程、ならびに
    X練り工程で得られた混練物および硫黄マスターバッチを混練するF練り工程を含む製造方法。
    化学式(1) M・αSiO2・βH2
    (化学式(1)中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタンおよびカルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属、該金属の酸化物または該金属の水酸化物であり、αおよびβは、同一または異なる0〜10の整数である。)
  2. 軟化剤の含有量が補強剤の含有量以上である請求項1記載の製造方法。
  3. 硫黄マスターバッチ中の硫黄の含有量が40〜80質量%であり、
    加硫促進剤マスターバッチ中の加硫促進剤の含有量が40〜80質量%である請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記ゴム組成物の未加硫時の100℃でのムーニー粘度が30以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 化学式(1)で表される無機化合物粉体が、
    化学式(1)中、MがAl23、αが1〜4の整数、βが0〜4の整数の無機化合物粉体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 化学式(1)で表される無機化合物粉体が、水酸化アルミニウムである請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたゴム組成物を、
    タイヤのトレッドの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを成形し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧して製造するタイヤの製造方法。
  8. スチレンブタジエンゴムaを60〜100質量%含むゴム成分100質量部に対し、
    下記化学式(1)で表される平均粒子径が10μm以下の無機化合物粉体を10〜35質量部、カーボンブラックを0〜50質量部およびシリカを35〜170質量部含む45〜180質量部の補強剤、
    70〜300質量部の軟化剤、
    0.5〜3質量部の硫黄と、スチレンブタジエンゴムbとを混練りして得られた硫黄マスターバッチ、ならびに
    0.5〜25質量部の加硫促進剤と、スチレンブタジエンゴムcとを混練りして得られた加硫促進剤マスターバッチを含有するゴム組成物であり、
    スチレンブタジエンゴムaを含むゴム成分、補強剤、軟化剤および加硫促進剤マスターバッチを混練りするX練り工程、ならびに
    X練り工程で得られた混練物および硫黄マスターバッチを混練するF練り工程を含む製造方法により製造されたゴム組成物を、
    タイヤのトレッドの形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを成形し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧して製造されたタイヤ。
    化学式(1) M・αSiO2・βH2
    (化学式(1)中、Mは、アルミニウム、マグネシウム、チタンおよびカルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属、該金属の酸化物または該金属の水酸化物であり、αおよびβは、同一または異なる0〜10の整数である。)
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