JP2017110028A - 疲労を減少させるためまたは予防するためおよび認知機能を改善するためのl−カルニチン、その塩および誘導体の使用 - Google Patents

疲労を減少させるためまたは予防するためおよび認知機能を改善するためのl−カルニチン、その塩および誘導体の使用 Download PDF

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Abstract

【課題】動物における疲労の減少若しくは予防及び/又は認知機能の改善する方法。【解決手段】L−カルニチン、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体及び/又はL−カルニチンの誘導体の塩の使用、並びに夫々の方法及び5つの組成物。その動物は、好ましくは、健常な個体であり、その使用は、好ましくは、治療的使用でない使用方法。前記塩が酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩又は塩酸塩である使用方法。前記が、10〜3000mg、好ましくは50〜1900mgのL−カルニチンの同等量に対応する量を投与する、使用方法。【選択図】図1

Description

本発明は、動物における疲労を減少させるためもしくは予防するためおよび/または認知機能を改善するための、L−カルニチン、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体および/またはL−カルニチンの誘導体の塩の使用ならびにそれぞれの方法および組成物に関する。
カルニチン(ビタミンBt;3−ヒドロキシ−4−トリメチルアンモニオ−ブタノエート)は、アミノ酸のリジンおよびメチオニンから生合成される四級アンモニウム化合物である。カルニチンには、2つの立体異性体が存在する。生物学的に活性な形態は、L−カルニチンであり、一方、そのエナンチオマーであるD−カルニチンは、生物学的に不活性である。L−カルニチン(LC)は、内因性化合物であり、エネルギー酸化のために長鎖脂肪酸をミトコンドリアに輸送する重要な代謝的役割を果たす。アセチル−L−カルニチン(ALC)の補給は、げっ歯類において局所脳代謝全般を増加させると示されている。カルニチンおよびそのエステルは、神経保護物、抗酸化物および神経伝達の調節因子(modulators)としての、脳機能における非代謝的役割も有する。
カルニチン欠乏と慢性疲労とは、いくつかの患者群にわたって共存する。早期のエビデンスから、補給によって、癌に関連する慢性疲労の指標が改善され得ることが示唆されている(Cruciani et al.2006)。また、エビデンスは、アルツハイマー病に関連する症状および認知障害を減弱させる際(Montgomery et al.2003)ならびに疲労を減少させ、100歳以上の人の認知機能を改善する際(Malaguarnera et al.,2007,2008)のカルニチンおよびそのエステルの補給についての有益な役割も示唆している。
KarlicおよびLohningerは、カルニチンの補給が、運動選手の運動能力を向上させ得ると示唆している。彼らは、トレーニング、試合および激しい運動からの回復ならびに修復性の運動におけるL−カルニチン補給の有益な効果についてエビデンスがあると結論付けている。
特許文献1は、活性成分としてコエンザイムQ、カルニチンおよび無機酸を含む、肉体的および精神的疲労を予防するための抗疲労組成物を開示している。
活性成分としてビオチン、カルニチンおよびパントテン酸に基づく別の疲労改善物質が、特許文献2に記載されている。
認知機能の悪化を阻害するためのビタミンC、ビタミンE、L−カルニチンおよびアルファ−リポ酸に基づく栄養補助食品が、特許文献3に開示されている。
したがって、L−カルニチンは、癌もしくはアルツハイマー病などの疾患に罹患している個体または高齢もしくは極度の肉体的運動の結果として代謝が損なわれている個体を処置するために当該分野において広く使用されている。さらに、L−カルニチンを含む複数の活性な物質の組み合わせが、他の用途のために提案されている。当該分野において報告されている疲労を処置するためまたは認知機能を改善するための組成物は、ビタミンおよび抗酸化物などの複数の活性成分を含む混合された組成物である。
特開2005−097161号公報 特開平7−233070号公報 国際公開第02/43666(A2)号パンフレット
本発明の根底にある課題は、動物、好ましくは、ヒト動物における疲労を減少させるためもしくは予防するため、または認知機能を改善するための組成物、または使用もしくは方法を提供することである。その組成物は、上で述べた課題を克服するだろうし、健常かつ若年のまたは少なくとも高齢でない個体に対して適用可能であるだろう。換言すれば、その疲労または認知機能は、疾患の結果ではないか、または疾患、もしくは例えば高齢に起因して代謝機能が損なわれたことに関連しないだろう。その組成物は、容易に利用可能であり、有効であり、かつ副作用なしに単純な様式で適用可能であるだろう。
驚いたことに、本発明の根底にある課題は、請求項に記載のプロセスによって解決される。さらなる本発明の実施形態が、この説明全体にわたって開示される。
本発明の主題は、動物における疲労を減少させるためもしくは予防するためおよび/または認知機能を改善するための、L−カルニチン、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体および/またはL−カルニチンの誘導体の塩の使用である。
L−カルニチンは、カルニチンの生理的に活性な形態である。以下において、用語「カルニチン」とは、活性なL−カルニチンのことを指す。
本発明によると、L−カルニチンは、L−カルニチン自体、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体および/もしくはL−カルニチンの誘導体の塩、またはそれらの混合物の形態で投与され得る。以下において、投与様式および使用について言及するとき、用語「L−カルニチン」または「L−カルニチン、その塩または誘導体」とは、「L−カルニチン自体、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体および/またはL−カルニチンの誘導体の塩」のことを指す。
好ましくは、本発明の使用は、治療的使用ではない。好ましくは、上記動物は、健常な動物である。本明細書中で使用されるとき、「健常」とは、疾病または損傷が無いことを指す。
好ましくは、上記動物は、ヒトである。
本発明の好ましい実施形態において、L−カルニチンの使用は、認知機能を改善するための使用である。認知機能とは、知覚、認知、認識、判断および行動または抑制を含む高次脳機能のことを指す。周囲の状況に関する情報は、感覚器(視覚、聴覚、触覚、味覚および嗅覚)を介して脳に連続的に伝達され、脳は、必要な情報を選択する。その際、複数の情報断片に注意を払う能力(注意力の分割または注意力の割り当て)が重要である。選択された情報断片が統合されて、特定の意味を有する1つの情報断片が形成される(すなわち、認知)。次に、認知された情報が短時間記憶され、現在の認知と以前の記憶とを互いに点検し(認識)、判断が行われる。
認知能力は、様々な測定方法、例えば、神経心理学的検査および神経生理学的検査によって、評価され得る。そのような神経心理学的検査の例としては、コンピュータ化された認知要求バッテリー(Cognitive Demand Battery)(CDB)、CogHealth、ウェクスラー成人知能検査(Wechsler Adult Intelligence Scale)、スタンフォードビネー知能検査(Stanford Binet Intelligence test)、標準高次視知覚検査(Visual Perception Test for Agnosia)(VPTA)、標準高次動作性検査(Standard Performance Test for Apraxia)(SPTA)、ウェクスラー記憶検査改訂版(Wechsler Memory Scale−Revised)、標準注意検査法−標準意欲評価法(Clinical Assessment for Attention−Clinical Assessment for Spontaneity)(CAT−CAS)、注意力についての数字抹消検査(Digit Cancellation Test for attention)(D−CAT)、浜松式高次脳機能スケール、新ストループ検査、長谷川式認知症スケール、西村式認知症スケール、COGNISTAT、多面的初期認知症判定検査(multiphasic early dementia examination)(MEDE)、NS認知症検査、TAIS、MMSEなどが挙げられる。そのような神経生理学的検査の例としては、事象関連電位が挙げられ、事象関連電位には、随伴陰性変動(CNV)、P1−N1−P2、NA、Nd、N2b、P300、MMN、N400などが含まれる。より医学的な意味においては、評価は、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)、単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)、光トポグラフィーなどを使用して脳の高レベル機能の活性を測定することによっても可能である。さらに、一般的な方法として、評価は、一連のテレビゲームソフトウェアである、いわゆる「脳トレーニング(脳トレ)」を用いても可能である。さらに、そのような認知能力は、例えば、光に対して反応するのに要した時間を調べるための肉体的健康状態に関する測定を用いて評価され得る。
本発明の好ましい実施形態において、L−カルニチンの使用は、肉体的疲労を減少させるためまたは予防するための使用である。肉体的疲労または筋力低下(または「体力の欠如」)は、個体の全般的な肉体的健康状態が与えられたときに予想され得る程度まで、筋肉を用いて力を発揮できないことに対する直接的な用語である。
本発明の別の好ましい実施形態において、L−カルニチンの使用は、精神的疲労を減少させるためまたは予防するための使用である。精神的疲労は、傾眠(覚醒状態の低下)として、または単に注意力の全般的な低下(必ずしも眠気を含まない)として、現れ得る。精神的疲労は、いくぶん低レベルの意識としても説明され得る。いずれの場合でも、これは、乗物の運転などの一定の集中力を必要とする課題を遂行する際には危険であり得る。例えば、傾眠状態の人は、マイクロ睡眠を経験する可能性がある。
精神的疲労を測定するには、種々の方法があり、例えば、EEGに基づく精神的疲労モニタリングシステム、自己評価の疲労スケール、種々の標準化された質問票、まばたきの割合、または疲労を測定するためにデザインされた20項目の自己報告式手段である多次元疲労項目表(Multidimensional Fatigue Inventory)(MFI)を用いる方法がある。それは、以下の次元:全般的疲労、肉体的疲労、精神的疲労、意欲低下および活動性低下を網羅する。好ましくは、認知要求バッテリー検査が使用される(CDB;Kennedy et al.2008;Kennedy and Scholey 2004;Reay et al.2005;2006;Kennedy et al.,2010)。このCDB検査は、当該分野において十分に確立されている。
好ましくは、動物は、健常および/または若年の動物である。今まで、L−カルニチンは、健常または若年の動物における精神的および肉体的疲労または認知機能の改善と関連づけられていなかった。
本発明の好ましい実施形態において、動物、特にヒト個体は、高齢の動物または個体ではない。好ましくは、その個体の年齢は、60歳未満または50歳未満である。その個体は、成人、または8、12、16または18歳より上の年齢であり得る。好ましくは、その年齢の範囲は、8〜60歳または16〜50歳である。
好ましくは、上記動物は、健常な動物である。より好ましくは、上記動物は、疾患の結果としてまたは疾患に関連して、L−カルニチンレベルが低下していないおよび/または代謝機能が損なわれていない。
好ましくは、上記個体は、慢性疲労および/もしくは慢性L−カルニチン枯渇、認知症、癌、神経変性疾患、アルツハイマー病、うつ、加齢性記憶力低下、細菌またはウイルス感染に罹患していない。好ましくは、上記の認知機能の障害または疲労は、アルコール、またはそのような身体機能を損なうと知られている他の薬物の消費に起因しない。
上記疲労、特に肉体的疲労は、好ましくは、労働(例えば、知的労働または軽度もしくは中程度の肉体労働)の結果、または精神的ストレス、過剰刺激、過少刺激(understimulation)、時差ぼけ、活動的娯楽もしくは睡眠不足の結果である。好ましくは、上記疲労、特に肉体的疲労は、極度の肉体的運動の結果でなく、かつ/またはL−カルニチンは、トレーニング、試合および運動選手の極度の肉体的運動からの回復に際して使用されない。
本発明の好ましい実施形態において、個体は、正常であると考えられるL−カルニチンの血漿レベルを有する。L−カルニチンの血漿レベルは、>20μmol/Lである場合に正常であると考えられる。けれども、遊離型L−カルニチンだけが活性であるので、血漿中のエステル型L−カルニチンと遊離型L−カルニチンとの比がより重要である。>0.4のアシル−カルニチンと遊離型L−カルニチンとの比が、L−カルニチン欠乏に関連すると考えられている。本発明によると、個体のアシル−カルニチンと遊離型L−カルニチンとの血漿比が0.4未満であることが好ましい。
本発明の好ましい実施形態において、L−カルニチン、その塩または誘導体の投与の前に、上記動物は、一時的な疲労および/または認知機能の一時的な障害を経験している。
好ましくは、その疲労および/または認知機能の障害は、長時間の知的運動および/または睡眠不足の結果である。例えば、一時的な疲労および/または認知機能の一時的な障害は、長時間勉強する学生もしくは運転手、特にトラック運転手、または休憩なしに長時間、単調な課題に取り組んでいる他の個体が経験するものである。
本発明の好ましい実施形態において、本発明の使用は、疲労を経験している動物、好ましくは、ヒトの認知機能を改善するための使用である。この実施形態において、その動物は、疲労に関連するまたは疲労に起因する認知機能の障害を有し得る。したがって、本発明の使用は、疲労を経験している動物の認知機能を改善する。
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明の使用は、疲労を経験していない動物、好ましくは、ヒトの認知機能を改善するための使用である。この実施形態において、その使用は、好ましくは、短時間の認知機能、特に、投与後3時間以内または2.5時間以内の認知機能を改善するための使用である。特に、認知機能は、投与後1〜3時間の時間範囲内、より好ましくは、1.5〜2.5時間以内において改善され得る。特に、疲労の非存在下の実行機能が改善され得ることが見出された。
本発明の別の実施形態において、本発明の使用は、疲労を経験していない動物、好ましくは、ヒトの精神運動機能を減少させるための使用である。この実施形態において、その使用は、好ましくは、長時間の精神運動機能、特に、投与後3時間超の精神運動機能を減少させるための使用である。
好ましくは、精神運動機能は、投与後3〜8時間の時間範囲内、好ましくは、3.5〜6.5時間以内において減少する。同時に、記憶および実行機能などの高次認知プロセスが損なわれないことが見出された。このカルニチンの作用は、個体を落ち着かせるためまたはリラックスさせるために有益であり得る。例えば、これは、神経質である、短気である、過度に活動的である、および/または注意欠陥多動性障害(ADHD)に罹患している個体にとって有益であり得る。
本発明によると、L−カルニチンまたはL−カルニチンの塩を使用することが非常に好ましい。
好ましくは、L−カルニチンの塩またはL−カルニチンの誘導体の塩は、カルボン酸の塩(例えば、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩または塩酸塩)である。本発明の好ましい実施形態において、L−カルニチン酒石酸塩またはL−カルニチンクエン酸塩が使用される。
本発明によると、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体および/またはL−カルニチンの誘導体の塩が、使用され得る。生理学的条件下において、その誘導体は、L−カルニチンに変換されるはずである。好ましくは、その誘導体は、生理学的条件下においてヒドロキシル基が切断される置換基で置換されているL−カルニチンの誘導体である。L−カルニチンの誘導体は、生理学的条件下においてL−カルニチンに変換されると知られているアセチル−L−カルニチンであり得る。しかしながら、本発明によると、L−カルニチンの有益な効果が明白であると見出された一方で、予備的知見から、アセチル−L−カルニチンの作用がせいぜい中程度であることが示唆されている。
本発明の別の実施形態において、カルニチンの誘導体の塩は、アミノカルニチンである。アミノカルニチンは、L−カルニチニルエステルの分子内塩、特に、アセチル−L−カルニチンまたはプロピオニル−L−カルニチンの分子内塩である。好ましくは、アミノカルニチンは、L−カルニチンエステル、アミノ酸および少なくとも1つの陰イオンまたは酸、好ましくは、塩化物イオンまたは塩酸の分子内塩である。好ましくは、アミノカルニチンは、グリシンプロピオニルL−カルニチン塩酸塩、アセチル−L−カルニチンアルギネート二塩酸塩またはタウリンアセチル−L−カルニチン塩酸塩から選択される。
投与量は、投与の目的、それが投与される動物(性別、齢、体重など)および類似の因子に応じて選択される。本発明の好ましい実施形態において、L−カルニチン、その塩または誘導体は、10〜3000mg、より好ましくは、100〜1500mg、最も好ましくは、250〜1000mgの量で投与される。
好ましくは、L−カルニチン、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体および/またはL−カルニチンの誘導体の塩は、10〜3000mg、好ましくは、50〜1900mg、より好ましくは、100〜1500mgまたは250〜750mgのL−カルニチンの同等量に対応する量で投与される。L−カルニチン塩としてのL−カルニチンの同等量は、その塩としてのL−カルニチンの総量である。その誘導体または塩としてのL−カルニチンの同等量は、置換基の切断後のL−カルニチンの総量である。500mgのL−カルニチンの量または同等量が、特に有益であることが見出された。
本発明の好ましい実施形態において、L−カルニチン、その塩または誘導体は、単回投与で投与される。これは、複雑な投与量の指示が必要ないので、有益である。しかしながら、カルニチン、その塩または誘導体は、複数回投与でも投与され得る。
好ましくは、上記使用は、長期間の使用ではない。その使用は、むしろ、一時的な疲労の事象および/または認知機能の低下に応じた使用であるべきである。好ましくは、その使用は、1日を超える時間にわたるか、または数週間もしくは数ヶ月間にもわたる長期間の処置ではない。それにもかかわらず、L−カルニチンは、比較的短い期間内における疲労または認知的問題の複数回の急激な増加に応じて投与されてもよい。
本発明の好ましい実施形態において、L−カルニチン、その塩または誘導体は、純粋な形態で投与される。別の好ましい実施形態では、それは、組成物の総重量に基づいて50%超、80%超または95%(w/w)超のL−カルニチンを含む組成物の一部として使用される。
好ましくは、L−カルニチン、その塩または誘導体は、上記組成物中の主要な活性成分である。この実施形態において、その組成物が、全活性成分の総量に基づいて50%超、80%超または95%(w/w)超のL−カルニチンを含むことが好ましい。活性成分は、通常、ビタミン、抗酸化物などである。非活性成分は、溶媒、担体などである。
本発明の好ましい実施形態において、L−カルニチン、その塩または誘導体は、動物における疲労を減少させるかもしくは予防するのにまたは認知機能を改善するために有効な別の物質と併用して投与されない。
好ましくは、カルニチン、誘導体または塩は、ビタミン、特にビタミンE、もしくはコエンザイムQ10、および/または有機酸(例えば、マレイン酸、ビオチンまたはパントテン酸)と併用して投与されない。
本発明の好ましい実施形態において、L−カルニチン、塩または誘導体は、経口的に、好ましくは、液体、または固体調製物(例えば、錠剤、カプセル、散剤またはゲルもしくはペースト)の形態で、投与される。剤形は、投与経路を考慮して選択される。経口用調製物の例としては、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル、丸剤、吸入器、腸溶性調製物、内服液、懸濁液、エマルジョンおよびシロップ剤が挙げられる。これらの剤形を調製するために、薬物製造技術の分野において通常使用される補助物質(例えば、賦形剤、結合剤、防腐剤、酸化防止剤、崩壊剤、潤滑剤および香味料)が、必要に応じて使用され得る。上記のうち、錠剤、散剤または溶液が好ましい。L−カルニチン、塩または誘導体は、液体調製物を調製するための発泡性の錠剤または散剤などとしても提供され得る。
本発明の別の実施形態において、L−カルニチン、塩または誘導体は、食品および飲料の一部として投与される。好ましくは、その食品または飲料は、機能性の食品または飲料である。好ましい飲料は、エネルギー飲料またはショットである。その使用は、栄養補給剤としての使用でもあり得る。それは、食品用の通常の添加物(例えば、甘味料、調味料、防腐剤、保存剤、殺菌剤および酸化防止剤)とともに使用され得る。好ましい実施形態において、その飲料または食品は、単回投与用の所望の用量を含む。
好ましくは、上記組成物は、少なくとも1つの担体を含む。L−カルニチン、塩または誘導体は、L−カルニチン、塩または誘導体および少なくとも1つの担体から本質的になる組み合わせとしても使用され得る。好ましくは、その担体は、セルロースまたは微結晶性セルロースおよびセルロース誘導体(HPMC、HPCおよびエチルセルロースのような)、デンプンおよび加工デンプン、Ca−炭酸塩およびCa−ケイ酸塩、ラクトース、糖または糖アルコールおよび誘導体ならびに食用ワックスから選択される。
上記動物がヒトであることが好ましい。しかしながら、上記動物は、非ヒト哺乳動物であってもよい。上記動物は、比較的高度に発達した認知能力を有すると知られている任意の動物であり得る。好ましい実施形態において、上記動物は、ウマまたはペット、好ましくは、イヌまたはネコである。イヌ、特に、ヒトを支援するイヌ、例えば、警察犬、盲導犬、救助犬、牧羊犬(herd dogs)または猟犬は、高度に発達した認知能力を有する。
本発明の別の主題は、動物における疲労を減少させるためもしくは予防するためおよび/または認知機能を改善するための非治療的方法であり、その方法は、L−カルニチン、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体および/またはL−カルニチンの誘導体の塩をその動物に投与する工程を含む。
本発明の別の主題は、動物における疲労を減少させるためもしくは予防するためおよび/または認知機能を改善するための非治療的組成物でもあり、その組成物は、L−カルニチン、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体および/またはL−カルニチンの誘導体の塩を含む。
上に記載した本発明の使用に完全に従って、本発明の方法が行われ、本発明の組成物が調製される。換言すれば、本明細書中に開示される本発明の使用の特定の実施形態のすべてが、本発明の方法および組成物の特定の実施形態でもある。
本発明の使用、方法および組成物は、本発明の根底にある課題を解決する。驚いたことに、L−カルニチンが、動物、特に、ヒト、特に、若年かつ健常な個体における疲労を減少させるかまたは予防するため、および認知機能を改善するために有効な物質であることが見出された。従来技術では、L−カルニチンの類似の機能は、代謝障害に関連する疾患に罹患している個体またはカルニチン代謝が損なわれた高齢の被験体または極度の運動から回復している運動選手の処置にだけにあるとされていた。さらに、組成物(例えば、エネルギー飲料または機能性食品またはL−カルニチンと他のビタミンとの特定の混合物)が、当該分野で公知である。しかしながら、疲労に対するまたは認知機能を改善するためのL−カルニチンの影響は、明確にL−カルニチン自体にあるとされていなかった。これまで、L−カルニチンが、多成分組成物の一部でない場合に、それ自体で有用であり得ることは知られていなかった。本発明の使用、方法および組成物は、特に単回投与を使用するとき、容易に適用可能および利用可能である。本発明によると、一時的な疲労または認知機能の障害を経験している個体(例えば、学生またはトラック運転手)は、この障害を、リスクまたは副作用なしに、迅速かつ単純な方法で克服できる。
図1は、各評価に対するタイムラインおよび実施順序を示している。参加者は、各回において午前8時30分に到着し、標準的な朝食を摂った。注意力課題およびCDBバッテリー課題の2回の10分反復のベースラインを終えた後、参加者は、その日の処置(プラセボ、500mgのLC、2000mgのLC、1000mgのALC)を受けた。2時間後、参加者は、示されるように、気分評価を含む、注意力課題、CDB(6反復)および実行課題を終えた。 図2は、CDBの結果に対する各処置についての「ベースラインからの変化」の平均スコアを示している。上記バッテリーの各反復からのデータにおける、各処置とプラセボとを比較する計画比較に対する有意な処置の効果が示されている(t=傾向;p<0.05;**p<0.01)。グラフは、上に示す利点を伴って、プロットされている。 図3は、CDBの6反復にわたる精神的疲労の各処置に対するベースライン評価からの平均変化、ならびに課題遂行の前および後に評価された覚醒(alert)、満足および落ち着きの評価を示している。プラセボと比較したときの有意な処置の効果が示されている(t=傾向;p<0.05;**p<0.01)。グラフは、上に示す利点を伴って、プロットされている。 図4:この表は、投与前に1回および投与後に1回終えた認知的課題に対する、平均(+平均値の標準誤差)の投与前のベースラインスコアおよび投与後の「ベースラインからの変化」のスコア、ならびにANOVAからのFおよびP統計量を示している。 図5a:この表は、CDB課題のベースラインおよび投与後の6反復に対する、平均(+平均値の標準誤差)の投与前のベースラインスコアおよび投与後の「ベースラインからの変化」のスコア、ならびにANOVAからのFおよびP統計量(T=処置の主効果、T×R=処置×反復相互作用)を示している。 図5b:この表は、CDB課題のベースラインおよび投与後の6反復に対する、平均(+平均値の標準誤差)の投与前のベースラインスコアおよび投与後の「ベースラインからの変化」のスコア、ならびにANOVAからのFおよびP統計量(T=処置の主効果、T×R=処置×反復相互作用)を示している。 図6:この表は、ベースラインおよび投与後の2回のBond−Lader評価に対する、平均(+平均値の標準誤差)の投与前のベースラインスコアおよび投与後の「ベースラインからの変化」のスコア、ならびにANOVAからのFおよびP統計量(T=処置の主効果、T×R=処置×反復相互作用)を示している。
A.認知要求バッテリー(CDB)
以下に記載される研究は、いくつかの自然食品成分およびサプリメントによって植えつけられた(inculcated)認知増強に対して高感度であると示されているコンピュータ化された認知要求バッテリー(CDB)を利用した(Kennedy et al.2008;Kennedy and Scholey 2004;Reay et al.2005;2006)。このアプローチの基礎をなす作業仮説は、神経活動が、局所的な神経資源(例えば、代謝基質)に関して犠牲の大きい活動であり、ゆえに脳が短期間、不完全な状態に陥りやすいということである。ゆえに、被験物質の任意の精神賦活特性は、この強く認知的に要求される期間および長時間の課題遂行によって誘発される「精神的疲労」状態においてより容易に明らかになりやすい。したがって、このパラダイムは、特に介入が代謝基質の送達または利用に影響を与える場合、それほど要求が厳しくない認知的課題を使用するときよりも高感度であり得る。
さらに、その方法は、疲労と認知機能の局面との間の固有の関係性を利用するものだった。例として、注意力を評価する課題を遂行する速度は、睡眠遮断と睡眠持続の両方に関係する。同様に、精神的疲労は、多種多様の認知的課題に対して負に影響すると示されており、その影響は、認知プロセスの高レベルの実行制御(すなわち、他の認知プロセスを制御および管理する脳機能であり、それは、計画、認知の柔軟性、規則の習得、抽象的思考ならびに無関係な知覚情報および不適切な行動の阻害などのプロセスに固有である)を必要とする課題に対して最も明白である(Kato et al.2009;Lorist et al.2009)。以前の研究は、脳の電気的な活動と実行制御プロセスを必要とする課題の両方の、疲労に関連する欠陥が、検査室における長時間の「難しい」課題遂行によって植えつけられ得ることを確立した(Boksem et al.2005,van der Linden 2003)。提案する方法は、CDBの60分後に2つの実行機能課題を挿入することによる、課題遂行に伴う精神的疲労に関する成績低下の可能性を利用するものである。
この二重盲検、プラセボ対照、平衡クロスオーバー実験において、本発明者らは、健常な若年の男性および女性の成人において、精神的に厳しい課題を長時間行っている間の、別個の回に投与された単回投与のLC(500mgおよび2000mg)およびALC(1000mg)の精神的疲労および認知機能に対する効果を評価した。
材料および方法
デザイン
本研究は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、平衡クロスオーバーデザインを使用した。
参加者
先の4週間以内に処方薬もしくは違法薬物または任意の栄養補助食品を摂取していなかった20人の健常な成人(10人の男性、10人の女性、18〜25歳)を採用した。試験セッション前の12時間以内にアルコールまたはカフェインを摂取していた者と同様に、喫煙者およびカフェインの過剰消費者は除外した。
処置
各参加者は、ラテン方格へのランダムな割り当てによって相殺される順序で各処置を受けた。参加者が各日において割り当てられた条件に応じて、参加者に、500mgのLCまたは500mgのALCまたはプラセボを含む4つのカプセルを投与し、それらのカプセルは、以下のうちのいずれかの総用量が投与されるように組み合された:
1)プラセボ
2)500mgのL−カルニチン(LC;750mgのCarnipureTM酒石酸塩,Lonza AGとして)
3)2000mgのL−カルニチン(LC;3000mgのCarnipureTM酒石酸塩,Lonza AGとして)
4)1000mgのアセチル−L−カルニチン(ALC;CarnipureTMALC,Lonza AGとして)
認知および気分の測定
認知要求バッテリー(CDB)の前に、3つの課題によって、単純な精神運動機能および注意力を評価した。
単純反応時間
参加者は、スクリーンに上向きの矢印が現れるたびに、できるだけ速く応答ボタンを押した。50回の刺激を、刺激間の時間を1〜3.5秒にランダムに変動させて提示した。結果は、応答の速さ(msec)だった。
選択反応時間
左または右に向いた矢印を1回につき1つ、スクリーンに提示した。参加者は、その矢印の向きに対応する左または右のキー押しボタンを押すことによって応答する。50回の刺激を、刺激間の時間を1〜3.5秒にランダムに変動させて提示した。結果は、応答の速さ(msec)および正確性(%正確)だった。
4選択反応時間
上、下、左および右を指す矢印の視覚的表示をスクリーンに提示した。その矢印は、ランダムに「点灯」し、参加者は、対応する応答ボタンを用いて応答する。合計48回の刺激を、刺激間の時間を1〜3.5秒にランダムに変動させて提示した。結果は、応答の速さ(msec)および正確性(%正確)だった。
認知要求バッテリー(CDB)
このバッテリーの目的は、認知要求課題の連続遂行において速さ/正確性および精神的疲労に対する処置の影響を評価することである。その60分の形態におけるこのバッテリーの適用(すなわち、10分間のバッテリーの6反復)は、「精神的疲労」の自己評価を確実に増加させ、ならびにいくつかの薬草および自然食品の介入に対して高感度であると示されている(Kennedy et al.2008;Kennedy and Scholey 2004;Reay et al.2005;2006)。この10分間のバッテリーは、以下を含む:
連続減算(3および7−各2分)
コンピュータ化された改変バージョンの2分間の連続3(Serial Threes)および連続7(Serial Sevens)テストを使用した。両方の課題において、参加者に、各応答を入力するための直線上に並んだ数字のキーを使用して、できるだけ速くかつ正確に、与えられるランダムに生成された数字から3または7を引き算するように標準的な指示スクリーンによって知らせた。参加者には、間違った場合には新しい間違った数字から減算を続ければよいことも、口頭で指示した。キーボードの直線上に並んだ数字のキーを使用して、各3桁の返答を入力した(ここで各桁は、アスタリスクによってスクリーン上に表されている)。エンターキーを押すことにより、各返答の終わりを知らせ、3つのアスタリスクがスクリーンから取り除かれる。この課題を、減算の総数および誤りの数についてスコア付けした。間違った返答の場合、その後の返答は、その新しい数字に対して正しい場合、正解としてスコア付けした。
迅速視覚情報処理課題(5分)
参加者は、3つ連続した奇数の数字または3つ連続した偶数の数字の標的について、とぎれていない一続きの数字をモニターした。それらの数字は、1分あたり100個の速度で提示され、参加者は、できるだけ速く応答キーを押すことによって、標的の一続きの検出に応答した。この課題は、連続的であり、5分間続いた(1分につき8つの正しい標的の一続きが提示された)。この課題を、正しく検出された標的の一続きのパーセンテージ、正しい検出に対する平均反応時間および誤り警報(false alarms)の数についてスコア付けした。
主観的「精神的疲労」スケール
各課題セットの終わりに、どれくらい精神的に疲労したと参加者が感じたかを、終点に「まったく感じない」および「非常に感じた」と表示された100mmの線に印をつけることによって指摘するよう参加者に求めた。
実行機能課題
精神的疲労に起因する認知障害は実行機能の減衰を反映すると仮定されている(上記を参照のこと)。以下の従来の「実行」課題は、疲労に対して高感度であると示されている(van der Linden et al.2003)。
論理的推論課題
参加者に、一連の記載が2文字の順序を正しく説明しているかを判定するように求めた。参加者にいくつかの短文を示し、その各々の後に文字対を示した。それらの文は、2文字の順序を説明している、すなわち、どちらが最初にあったかを述べていると主張するものだった。参加者は、いくつかの異なる方法でこれを行うことができた。例えば、ABという順序は、(1)AはBの前にある、または(2)BはAの後ろにある、または(3)BはAの前にない、または(4)AはBの後ろにない、のいずれかと述べることによって正しく記載され得る。これらのすべてが、対ABの正しい説明であるが、他方の対BAに適用されるときは誤りである。参加者に、各文が、その後に続く文字対の真または偽の説明であるかを判定するように求めた。この課題を、正確性および反応時間についてスコア付けした。
ストループ課題
これは、注意および中央実行系の力を必要とする、通常使用される古典的な課題のコンピュータ化されたバージョンである。この場合において、この課題は、10分間行われ、データは、2分間のエポックに分解される。4色(「赤」、「黄」、「緑」、「青」)のうちの1つを記載している語を、異なる色が付けられたフォントでコンピュータスクリーンの中央に提示した。参加者は、そのフォントの色を識別するために4色の応答ボタンのうち1つを押した(例えば、「緑」という語が青色のフォントで提示された場合、正しい応答は、青色のボタンで応答することになるだろう)。提示される語は、「一致」(語とフォントが同じ色である)または「不一致」(語とフォントが異なる色である)であり、ランダムな順序で提示された。この課題を、「一致」および「不一致」の語に対する応答の反応時間および正確性についてスコア付けした。
気分
Bond−Lader気分スケール(BondおよびLader 1974)
課題の前および後に、BondおよびLaderスケールを用いて気分を評価した。この尺度は、数多くの薬理学的、精神薬理学的および医学的な試験において利用されている。このスケールは、それぞれの端に反意語が付けられた(例えば、覚醒−気だるさ、落ち着き−興奮)合計16本の線(スクリーン上のおよそ100mm)を含む。被験体は、その線上のそれらの反意語の間に、自身の現在の主観的な位置を指摘する。個別の項目のスコアを、その線における%距離として計算した。結果は、3因子分析に由来するスコアを含んだ:「覚醒」、「落ち着き」および「満足」。
手順
参加者は、別個の5回において、検査室を訪れた。試験は、参加者が互いに視覚的に隔離されたひと続きの試験施設において行われた。
検査室への1回目の予備的な訪問は、以下を含んだ:インフォームドコンセントを得ること;認知および気分の測定におけるトレーニング;健康状態のスクリーニング;ならびに人口統計上のデータの収集。
予備的な訪問の後、参加者は、1週間間隔でさらに4回、午前8時30分に検査室を訪れ、各回において異なる処置を受けた。参加者は、各セッション前の少なくとも12時間、絶食しており(食品または水を除く飲料なし)、カフェインまたはアルコールを摂っていなかった。最初の研究日において、参加者を、ラテン方格で処置レジメンにランダムに割り当てた。各回において、参加者は到着次第、標準的な朝食(150mlのスキムミルクおよびコップ1杯の水とともに40gのKellogg’s All−bran)を摂り、その後、参加者は、注意力課題(「単純」/「選択」/「4選択」反応時間)を終えた後、10分間のCDB課題の2回の完了(最初の完了は、練習であり、2回目は、成績のベースライン評価のために使用した)ならびにストループ課題および論理的推論課題を含む最初の認知/気分の評価に着手した。次いで、参加者は、その日のための処置を受けた。投与の120分後、参加者は、注意力課題を終え、次いで、全60分間(すなわち、10分間の課題の6回の完了)のCDBを開始した。CDBの完了後、参加者は、「論理的推論」および「ストループ」実行機能系課題を終えた。Bond−Lader気分スケールを用いて、処置前、ならびに処置後の認知評価の前および後に気分を評価した。構成を図1に模式的に示す。
統計的アプローチ
主要解析
上記バッテリーから得られた認知/疲労および気分の測定のすべてに対する統計解析を、ベースライン調整データ(投与前に対して計算されたデータ)の反復測定分散分析(ANOVA)によって解析した。投与後の単回反復による測定(注意力課題、実行課題)を1元配置ANOVA(条件)によって解析した。投与後の複数回反復による測定(気分、CDB)を2元配置ANOVA(条件×反復)によって解析した。次いで、必要に応じて、上記ANOVAからの平均二乗誤差を用いるt検定(Keppel 1991)を使用して、単回の完了、または複数回の完了の各々からのベースライン調整データに対して計画比較(プラセボ 対 各実薬処置)に着手した。
結果
ANOVAの統計量を図4、5および6に示す。
認知的課題
反応時間課題
最初のANOVAも計画比較も、単純反応時間、選択反応時間または4選択反応時間課題に対していかなる有意な効果も明らかにしなかった。
実行課題
最初のANOVAも計画比較も、ストループ課題または論理的推論課題に対していかなる有意な効果も明らかにしなかった。
認知要求バッテリー(CDB)
図2は、それらの課題の各反復におけるプラセボに対する各実薬処置のデータの計画比較における有意な効果を立証したCDBの結果を示している。
連続減算
連続3:最初のANOVAは、連続3課題の遂行に対して、条件または条件を含む相互作用の有意な主効果を示さなかった。しかしながら、計画比較は、参加者が、4回目[t[270]=2.74,p=0.006]および6回目[t[270]=2.41,p=0.016]の反復において、プラセボと比べて500mgのLCの後により多くの減算を行ったことを示した(2回目[t[270]=1.74,p=0.08]および3回目[t[270]=1.67,p=0.09]の反復においても同じ効果の統計学的傾向があった)。さらに、5回目の反復では、プラセボと比べて2000mgのLCの後により多くの減算が行われた[t[270]=2.06,p=0.04]。この後者の効果は、他の反復において再現されていないので、第1種の過誤に起因する可能性がある。遂行の正確性(誤りの数)に対して有意な効果はなかった。
連続7:最初のANOVAは、連続7課題に対して、処置に関わる有意な主効果または相互作用を示さなかった。しかしながら、計画比較は、参加者が、2回目[t[255]=2.02,p=0.044]および4回目[t[255]=2.38,p=0.018]の反復において、プラセボと比べて500mgの後により多くの減算を終えたことを示した。また、4回目の反復では、プラセボと比べて2000mgのLCの後により多くの減算が行われた傾向も存在した[t[255]=1.94,p=0.053]。遂行の正確性(誤りの数)に対して有意な効果はなかった。
RVIP
ANOVAは、RVIP課題における応答の速さに対する条件の主効果を明らかにした[F(3,57)=2.78,p<0.05]。しかしながら、処置手段の事後比較は、この効果が、プラセボとの差異ではなく実薬処置間の差異に起因すると示した。計画比較は、参加者が、各反復において500mgのLCの後により速く行った一方で、この効果は、課題の3回目の反復においてのみ有意に達したことも明らかにした[t[285]=2.51,p=0.013]。4回目の反復では、2000mgのLCの後により遅い反応の傾向も存在した[t[255]=1.71,p=0.089]。
最初のANOVAが、RVIP課題を行う正確性に対する、条件または条件を含む相互作用の有意な主効果を示さなかった一方で、計画比較は、500mgのLCが、課題の2回目[t[285]=2.44,p=0.015]および3回目[t[285]=2.11,p=0.036]の反復においてプラセボより優れていたことを示した(4回目[t[285]=1.83,p=0.07]の反復においても同じ効果の傾向があった)。
主観的疲労
予想どおり、ANOVAは、課題の反復全体を通して疲労が増加するにつれて、反復の主効果を明らかにした[F(5,95)=42.32,p<0.001]。しかしながら、条件、または条件×反復の相互作用の主効果は無かった。計画比較は、疲労の評価が、6回目の反復[t[285]=2.14,p=0.033]においてプラセボと比べて500mgのLCの後に低かったことを明らかにした(4回目の反復[t[285]=1.85,p=0.065]においても同じ効果の傾向があった)。対照的に、疲労の評価は、5回目の反復[t[285]=2.32,p=0.02]の後では、プラセボより2000mgのLCの後が高かった。
Bond−Lader気分スケール
結果を図3に示す。最初のANOVAは、Bond−Lader気分スケールに対して有意な処置関連効果を示さなかった。しかしながら、500mgのLCの後、参加者は、最初(課題前)の評価において自身を、あまり落ち着かない[t[57]=2.12,p=0.037]およびあまり満足していない[t[57]=3,p=0.004]と評価したが、この効果は、課題後の評価によって消え、その課題後の時点では、この群は自身をより落ち着いていると評価した[t[57]=2.47,p=0.016]。1000mgのALCの後においては、参加者は自身を、課題に着手する前に、あまり覚醒していないと評価し[t[57]=2.7,p=0.009]、投与後の課題の前[t[57]=3.6,p=0.001]と後[t[57]=2.5,p=0.015]の両方において、あまり満足していないと評価した。
知見の要約
本研究は、互いに独立して行われた2つの統計解析;各評価におけるプラセボと3つの各実薬処置との間の任意の差異を評価する集中的な計画比較(ANOVAからの平均二乗誤差を使用するt検定)、ならびに処置全体および評価全体における主効果および相互作用効果(必要に応じて)を評価するより一般的なANOVAを使用した。これらの解析のうちの2つ目(ANOVA)では有意差は無かったが、計画比較では明らかな効果のパターンが存在した。以下は、プラセボとの比較における各処置に対する明らかな効果を要約している。
500mgのLC(750mgのCarnipure酒石酸塩として)
各CDB課題の遂行では、計画比較解析における有意な利点が見られた。参加者は、2反復においてより多くの連続3減算を終え、さらなる2時点において改善に向かう傾向があった。参加者は、2時点においてより多くの連続7減算も終え、RVIP課題の1反復においてより迅速に応答した。この後者の効果は、2時点のRVIPでは正確性の改善に伴うものであり、さらなる1反復では改善に向かう傾向があった。この条件における参加者は、課題の各反復後に、自身を数値的により低く「精神的に疲労した」とも報告したが、この効果は、最後の課題セットの後に有意に達しただけで、他の1時点では同じ効果の傾向があるだけだった。
Bond−Laderスケールにおける気分に関する結果を合わせたところ、500mgのLCは、処置後の課題開始前に低い「落ち着き」および「満足」を伴ったが、評価完了後に「落ち着き」は増加した。
2000mgのLC(3000mgのCarnipure酒石酸塩として)
2000mgのLCに関するパターンは、いくつかの孤立した差異から構成された。参加者は、1時点においてより多くの連続3を終え、1時点において連続7減算の増加の傾向があった。対照的に、RVIPではより遅い応答および1反復では精神的疲労の評価の有意な増加の傾向があった。結果のパターンが単一の矛盾する知見から構成される場合、それはおそらく、この処置に関係する結果が偶然に起因するとみられる。
1000mgのALC(Carnipure ALCとして)
ALCは、気分に対する負の効果を伴った(より低レベルの覚醒が投与後の2回目の時点にあり、低レベルの「満足」が投与後の両方の時点にあった)。
結論
ANOVAではいかなる有意な処置関連効果が無かったにもかかわらず、計画比較では、プラセボと比較したとき、500mgのLCの後のCDB遂行の有意な改善の一貫したエビデンスが存在した。しかしながら、2000mgのLCおよび1000mgのALCによる処置の後には、有利なエビデンスは存在しなかった。
考察
本研究の知見から、500mgのLCが、健常な若年成人の認知能力を高めると証明される。認知要求バッテリー課題の3つすべてにおいて、(6回のうち)2回以上の課題反復において改善が見られ、課題に関連する精神的疲労の処置関連減弱のいくつかのエビデンスがあった。ここで、より高用量(2000mg)のLCまたは1000mgのALCが有益な効果を有するという一貫したエビデンスは無かった。
B.早期認知テストバッテリー
認知機能に対するカルニチンの効果を、CogStateTM12分間早期認知テストバッテリーを用いて調査した。このテストは、CogState,USによって開発されたものであり、米国特許第7163513(B2)号明細書に記載されている。このテストは、実行機能、精神運動機能、視覚的注意力および視覚学習の認知ドメインを測定するためにトランプ札およびコンピュータ迷路を使用する。課題は、以下のとおり認知ドメインに対応する:
迷路学習課題:実行機能/空間的問題解決
検出課題:精神運動機能/処理の速さ
識別課題:視覚的注意力/覚醒状態
1枚の札の学習課題:視覚学習
このテストは、個体が、このテストを行っている際に疲労を経験しないようにデザインされている。このテストは、20〜40歳の20人の健常な男性および女性個体を用いて行われた。このテストは、二重盲検かつプラセボ対照であり、単回投与において736mgのL−カルニチンL−酒石酸塩(CarnipureTM酒石酸塩,Lonza AG)の水溶液として投与された500mgのL−カルニチンの効果を調査するものだった。約10分間の単一のテストバッテリーは、迷路学習課題、トランプ札を用いた検出課題、トランプ札を用いた識別課題および1枚の札の学習課題を含んだ。このテストバッテリーの連続遂行は、6時間にわたる調査調製物の摂取前に2回および摂取後1時間毎に行われた。
結果の比較および評価から、サンプル摂取の2時間後の実行機能に対するL−カルニチンの短時間作用性の利点についてのいくらかのエビデンスが存在することが示された。しかしながら、視覚的注意機能または視覚学習に対する有意な効果は無かった。興味深いことに、4、5および6時間後に、精神運動機能の低下が観察された。同時に、記憶および実行機能などの高次認知プロセスが損なわれないことが見出された。
結果から、疲労を有しない健常な個体が、およそ2時間という短い時間内ではL−カルニチン摂取の恩恵を受け得るのに対し、認知機能の長時間の改善は観察されなかったことが示唆される。この結果は、疲労を経験していない個体の認知機能に対するカルニチン投与の効果を示唆することによって、上に記載した認知要求バッテリー(CDB)を補完するものである。
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Claims (17)

  1. 動物における疲労を減少させるためもしくは予防するためおよび/または認知機能を改善するための、L−カルニチン、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体および/またはL−カルニチンの誘導体の塩の使用。
  2. 前記使用が、治療的使用でない、請求項1記載の使用。
  3. 前記動物が、健常な動物である、請求項1または2記載の使用。
  4. 前記動物が、ヒトである、請求項1〜3のいずれか1項記載の使用。
  5. 個体の年齢が、60歳未満である、請求項4記載の使用。
  6. 前記疲労が、精神的疲労である、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用。
  7. 前記動物が、慢性疲労および/または慢性L−カルニチン欠乏を経験していない、請求項1〜6のいずれか1項記載の使用。
  8. 前記L−カルニチン、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体および/またはL−カルニチンの誘導体の塩の投与の前に、前記動物が、一時的な疲労および/または認知機能の一時的な障害を経験している、請求項1〜7のいずれか1項記載の使用。
  9. 前記塩が、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩または塩酸塩である、請求項1〜8のいずれか1項記載の使用。
  10. 前記L−カルニチン、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体および/またはL−カルニチンの誘導体の塩が、10〜3000mg、好ましくは、50〜1900mgのL−カルニチンの同等量に対応する量で投与される、請求項1〜9のいずれか1項記載の使用。
  11. 前記L−カルニチン、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体および/またはL−カルニチンの誘導体の塩が、単回投与で投与される、請求項1〜10のいずれか1項記載の使用。
  12. 前記L−カルニチン、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体および/またはL−カルニチンの誘導体の塩が、50%(w/w)超のL−カルニチンを含む固体組成物の一部として投与される、請求項1〜11のいずれか1項記載の使用。
  13. 前記L−カルニチン、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体および/またはL−カルニチンの誘導体の塩が、動物における疲労を減少させるかもしくは予防するのにまたは認知機能を改善するために有効な別の物質と併用して投与されない、請求項1〜12のいずれか1項記載の使用。
  14. 前記L−カルニチン、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体および/またはL−カルニチンの誘導体の塩が、経口的に、好ましくは、液体、あるいは固体調製物、例えば、錠剤、カプセル、散剤またはゲルもしくはペーストの形態で、投与される、請求項1〜13のいずれか1項記載の使用。
  15. 前記動物が、ウマまたはペット、好ましくは、イヌまたはネコである、請求項1〜14のいずれか1項記載の使用。
  16. 動物における疲労を減少させるためもしくは予防するためおよび/または認知機能を改善するための方法であって、L−カルニチン、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体および/またはL−カルニチンの誘導体の塩を前記動物に投与する工程を含み、該方法は、好ましくは、治療的でない、方法。
  17. 動物における疲労を減少させるためもしくは予防するためおよび/または認知機能を改善するための組成物であって、該組成物は、L−カルニチン、L−カルニチンの塩、L−カルニチンの誘導体および/またはL−カルニチンの誘導体の塩を含み、該組成物は、好ましくは、治療用ではない、組成物。
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