JP2017109513A - 車両後部構造 - Google Patents

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貞行 石井
Sadayuki Ishii
貞行 石井
鈴木 裕之
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Abstract

【課題】車両後部構造に関し、後面衝突時にスペアタイヤの前方移動をより適切に抑制する。
【解決手段】車両10の荷室13の床面を成すとともにスペアタイヤ15を収容する収容部14aが凹設されたフロアパネル14と、フロアパネル14の後端部14bに結合され、この後端部14bよりも上方へ立設されたエンドパネル17と、エンドパネル17に結合され、車両10の後方からエンドパネル17へ入力された外力によりスペアタイヤ15に接触してスペアタイヤ15の前方移動を規制する規制部材2と、を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の後面衝突時に、荷室の床面に収容されたスペアタイヤの前方移動を規制する、車両後部構造に関する。
後部座席の後方に荷室を有する車両において、その荷室の床面下方にスペアタイヤを収容できる空間(収容部)が設けられたものが知られている。スペアタイヤの前方には座席のほか、バッテリや燃料タンク等が搭載されることがある。そのため、車両に対して後方から外力が加わる後面衝突時には、その外力(衝撃力)によりスペアタイヤが前方へ移動して、座席やバッテリ等に接近,接触するおそれがある。
そこで、後面衝突時にスペアタイヤの前方移動を抑制して安全性を高めるようにした種々の構造が提案されている。例えば、タイヤパン(収容部)に対して前方へ相対移動したスペアタイヤを受け止める受け部材を、スペアタイヤの前方に設けた構造が提案されている(特許文献1参照)。
特開2012-201124号公報
しかしながら、上述した特許文献1のような、スペアタイヤの前方に設置した部材でスペアタイヤを受け止める構造では、車両後方からの外力によってスペアタイヤが前方へ移動した後にその移動を規制するため、スペアタイヤの移動方向や移動量によっては、適切にスペアタイヤの移動を規制できないおそれがある。
本件は、上述のような課題に鑑み創案されたものであり、車両後部構造に関し、後面衝突時にスペアタイヤの前方移動をより適切に抑制することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
(1)ここで開示する車両後部構造は、車両の荷室の床面を成すとともにスペアタイヤを収容する収容部が凹設されたフロアパネルと、前記フロアパネルの後端部に結合され、前記後端部よりも上方へ立設されたエンドパネルと、前記エンドパネルに結合され、前記車両の後方から前記エンドパネルへ入力された外力により前記スペアタイヤに接触して前記スペアタイヤの前方移動を規制する規制部材と、を備える。
(2)前記規制部材が、前記前方移動を規制する規制部と、一端が前記規制部と結合された前側アーム部と、一端に前記エンドパネルと結合された基端部を有する後側アーム部と、を有し、前記規制部材には、前記前側アーム部および前記後側アーム部の他端同士を連結するとともに、前記前側アーム部および前記後側アーム部を、前記外力が作用しない通常時にV字状に保持する一方で前記外力が作用した衝突時に一直線状に変化させる変形機構が設けられることが好ましい。
(3)前記変形機構は、前記前側アーム部および前記後側アーム部を一直線状にする方向に常時付勢する第一付勢部材と、前記前側アーム部および前記後側アーム部を、前記通常時にV字状に保持する一方で前記衝突時に解放する保持部材と、前記前側アーム部および前記後側アーム部が一直線状になったら当該一直線状を維持するロック部材と、を有することが好ましい。
(4)前記規制部が、前記スペアタイヤの内径よりも車幅方向寸法が短く、前記衝突時に前記スペアタイヤの内側に入り込むことが好ましい。
(5)前記規制部が、前記衝突時に前記スペアタイヤの後部の内周面を押圧し、前記スペアタイヤの前部を持ち上げるモーメントを発生させることが好ましい。
(6)前記エンドパネルには、前記外力により前記基端部を上方へスライド移動させるスライド機構が設けられることが好ましい。
(7)前記スライド機構が、前記エンドパネルに固定されるとともに前記基端部をスライド自在に支持するガイド部材と、前記基端部を上方へ常時付勢する第二付勢部材と、前記基端部を前記ガイド部材の下端部に係止するとともに前記外力により前記基端部を解放する係止部材と、を有することが好ましい。
(8)前記エンドパネルが、内部に空間を持つ閉断面を形成するアウタパネルおよびインナパネルを有し、前記規制部材は、前記外力が作用しない通常時に前記空間内に収納され、前記外力が作用した衝突時に前記空間から前記インナパネルの前方へ突き出ることが好ましい。
エンドパネルに結合された規制部材が、車両の後方からエンドパネルへ入力された外力(衝撃力)によりスペアタイヤの前方移動を規制するので、スペアタイヤを後方から拘束することができる。そのため、スペアタイヤの前方移動をより適切に抑制することができる。
第一実施形態に係る車両後部構造が適用された車両後部の模式的な縦断面図である。 (a)は規制部材の斜視図であり、(b)はラゲッジルームの上面図である。 (a)は図1の車両後部の通常時における要部断面図であり、(b)は通常時における変形機構の模式的な側面図であり、(c)は後側ロック部材の斜視図である。 (a)は衝突時の図3(a)に対応する図であり、(b)は衝突時の図3(b)に対応する図である。 (a)は第二実施形態に係る車両後部構造が適用された車両後部の通常時における要部断面図であり、(b)は通常時における変形機構およびスライド機構の模式的な側面図である。 (a)は衝突時の図5(a)に対応する図であり、(b)は衝突時の図5(b)に対応する図である。 一変形例に係る車両後部構造が適用された車両後部の模式的な要部断面図である。
図面を参照して、実施形態としての車両後部構造について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の説明における前後方向および上下方向は、本車両後部構造が適用された車両の前後方向および上下方向のそれぞれと一致する。
[1.第一実施形態]
[1−1.構成]
本実施形態に係る車両後部構造は、図1に示す車両10に適用される。この車両10は、後部座席11の後方に収納スペースとして利用されるラゲッジルーム13(荷室)が設けられた車両である。ラゲッジルーム13は、テールゲート16を開放することで車外からアクセス可能な車室空間の一部である。車両10には、後部座席11が設置されるフロアパネル14の下方に燃料タンク12が搭載される。燃料タンク12は、ラゲッジルーム13の直ぐ前方に位置する。なお、車両10が電気自動車である場合には、燃料タンク12に代えて高電圧バッテリが搭載されうる。
フロアパネル14は、車室の床面に加えてラゲッジルーム13の床面をも構成するパネル部材である。ラゲッジルーム13に位置するフロアパネル14の一部は下方へ凹設され、後部座席11が設置されるフロアパネル14よりも一段低く形成されている。この凹設された部分は、スペアタイヤ15を収容する収容部14aとして機能する。なお、収容部14aには、その上面に平板状のカバー(図示略)が開閉自在に設けられる。
スペアタイヤ15は、ゴム製の外周部15Aと、外周部15Aの内側(中央部)に設けられた金属製のホイール部15Bとを有する。スペアタイヤ15は、ほぼ水平な姿勢(軸心が上下方向に延びた姿勢)で収容部14a内に配置される。すなわち、スペアタイヤ15は、後部座席11および燃料タンク12の後方に位置する。
車両10の後面部は、リア開口を閉鎖するテールゲート16と、リア開口の下方に位置するエンドパネル17とで構成される。テールゲート16は、車体後部の上縁部に設けられたヒンジ部(図示略)を中心に回動してリア開口を開閉する上開きのドアであり、車両10の上側の後面部を形成する。一方、エンドパネル17は、フロアパネル14の後端部14bに結合されるとともに、この後端部14bよりも上方へ立設され、車両10の下側の後面部を形成する。本実施形態のエンドパネル17は、その下端部がフロアパネル14と結合されている。これにより、エンドパネル17の下端部は他部に比べて高い剛性を有する。
エンドパネル17は、車両外面を構成するアウタパネル17Aと、アウタパネル17Aの前方に離隔して設けられたインナパネル17Bとを有する。アウタパネル17Aおよびインナパネル17Bは、それぞれの周縁部が互いに結合されて内部に空間17Cを持つ閉断面を形成する。以下、アウタパネル17Aおよびインナパネル17Bの表面のうち、互いに対向する面を「内面」という。また、車両10の後方からエンドパネル17への外力(衝撃力)F〔図4(a)参照〕が作用した時(すなわち、車両10の後面衝突時)を「衝突時」といい、外力Fが作用しない時を「通常時」という。
エンドパネル17の空間17Cには、衝突時にスペアタイヤ15の前方への移動(前方移動)を規制する規制部材2が設けられる。規制部材2は、通常時では空間17C内に収納され、衝突時では空間17Cからインナパネル17Bの前方へ突き出るように設けられる。
まず、規制部材2の全体構成について詳述する。図2(a)に示すように、本実施形態の規制部材2は、五つの矩形状の平板21〜25が、略ハット形状となるように組み合わされたものである。これらの部位21〜25の幅方向の寸法W1(以下「幅寸法W1」という)は同一とされ、スペアタイヤ15の内径Dよりも短く設定される。図2(b)に示すように、規制部材2は、その幅方向が車幅方向と一致するように配置される。なお、スペアタイヤ15の内径Dは、外周部15Aの内径およびホイール部15Bの外径に相当する。
図3(a)に示すように、規制部材2は、通常時において、インナパネル17Bと平行に設けられた規制部21と、側面視で(車幅方向から見て)下方に凸となるV字状に設けられたアーム部22,23と、側面視で後方に凸となるV字状に設けられた支持部24,25とから構成される。規制部材2は、通常時においてスペアタイヤ15よりも高い位置に設けられる。
規制部21は、衝突時にスペアタイヤ15に接触してスペアタイヤ15の前方移動を規制する部位である。規制部21は、衝突時に空間17Cからインナパネル17Bの前方へ突き出るとともに、スペアタイヤ15の内側(すなわち、ホイール部15B)に入り込むことでスペアタイヤ15の前方移動を規制する。より具体的には、規制部21は、衝突時にスペアタイヤ15の後部の内周面15cを押圧し、スペアタイヤ15の前部を持ち上げるモーメントM〔図4(a)参照〕を発生させる。なお、規制部21は、インナパネル17Bの内面に接着固定されていることが好ましい。
アーム部22,23は、衝突時に前方へ向かって一直線状に伸びることで規制部21を空間17Cよりも前方へ突き出させる部位である。後側のアーム部22(以下「後側アーム部22」という)は、その後端(一端)にアウタパネル17Aと結合された基端部22aを有し、通常時に基端部22aから前方に向かって下り傾斜するように設けられる。本実施形態の基端部22aは、アウタパネル17Aの内面に直接的に結合されている。一方、前側のアーム部23(以下「前側アーム部23」という)は、その前端(一端)23aが規制部21の上端と結合され、通常時に前端23aから後方に向かって下り傾斜するように設けられる。
支持部24,25は、衝突時に規制部21の下端を保持する部位である。上側の支持部24(以下「上側支持部24」という)は、その前端が規制部21の下端と結合され、通常時に後方に向かって下り傾斜するように設けられる。一方、下側の支持部25(以下「下側支持部25」という)は、その後端が上側支持部24の後端と結合されるとともに、その前端がインナパネル17Bの内面に結合される。下側支持部25は、通常時に前方に向かって下り傾斜するように設けられる。
規制部材2は、隣接する部位21〜25同士の間が二つのアーム部22,23の間を除いて強固に結合される。このため、側面視における規制部21および前側アーム部23の間,規制部21および上側支持部24の間,二つの支持部24,25の間の各角度は、外力Fが作用しても殆ど変化しない。これに対し、二つのアーム部22,23は変形機構3によって互いに回動可能に接続されている。このため、側面視における二つのアーム部22,23の間の角度θ1は、外力Fが作用すると大きく変化する。
次に、規制部材2に設けられる変形機構3について詳述する。図3(b)に示すように、変形機構3は、後側アーム部22の前端(他端)22bと前側アーム部23の後端(他端)23bとを連結するとともに、これらのアーム部22,23の間の角度θ1を衝突時に広げるものである。変形機構3は、通常時にアーム部22,23をV字状に保持しておき、外力Fが作用した衝突時にアーム部22,23を一直線状に変化させる(すなわち角度θ1を180°まで広げる)。
変形機構3は、捻りばね31,保持部材32,二つのロック部材33,34を有する。捻りばね31(第一付勢部材)は、二つのアーム部22,23を一直線状にする方向に常時付勢するものである。捻りばね31は、例えば周方向の力に対して反発するばねであり、線材がコイル状に巻かれたコイル部31aと、コイル部31aの両端が一点で交差したのちに互いに離隔する方向へ延出した直線部31b,31cとを有する。
捻りばね31は、二つのアーム部22,23の間においてV字の外側(本実施形態ではアーム部22,23の下側)の面に設けられ、これらのアーム部22,23を互いに連結する。捻りばね31は、一方の直線部31bが一方のロック部材33(以下「後側ロック部材33」という)を介して後側アーム部22の前端22bを含む所定範囲に結合され、他方の直線部31cが他方のロック部材34(以下「前側ロック部材34」という)を介して前側アーム部23の後端23bを含む所定範囲に結合される。
捻りばね31は、自然な状態(弾性変形していない状態)では二つの直線部31b,31cが互いに略平行に設けられる。一方、捻りばね31は、二つの直線部31b,31cがV字状とされた状態(弾性変形した状態)では、二つの直線部31b,31cを互いに略平行な状態に復元させる方向に付勢力f1を生じる。
保持部材32は、通常時に捻りばね31の付勢力f1に抗してアーム部22,23をV字状に保持しておき、外力Fが作用した衝突時にアーム部22,23を解放して一直線状に変形させるものである。図3(a)に示すように、保持部材32は、インナパネル17Bにおいて部分的に板厚が薄く形成された薄肉部17dとして設けられる。本実施形態の薄肉部17dは、規制部21の輪郭線に沿って形成される。薄肉部17dは、通常時では付勢力f1に抗する反力を規制部21に加えることで規制部材2を空間17C内に収容しておく(保持しておく)。一方、衝突時に外力Fが作用すると、インナパネル17Bのうちの規制部21に沿った面は規制部21によって前方へ押される。このとき、薄肉部17dは他部よりも肉厚が薄いことから、インナパネル17Bはこの薄肉部17dに沿って破断する。
ロック部材33,34は、アーム部22,23が一直線状となったら、これらのアーム部22,23の状態(一直線の状態)を維持するものである。ロック部材33,34は、アーム部22,23が成すV字の外側の面に設けられ、後側アーム部22の前端22bを含む所定範囲と、前側アーム部23の後端23bを含む所定範囲とにそれぞれ固定される。なお、これらの範囲は、上記の捻りばね31が固定される範囲と略同一である。
ロック部材33,34は、何れもコ字状の断面形状を持つように平板を屈曲形成したものであり、その大きさが互いに異なる。本実施形態では、後側ロック部材33が前側ロック部材34に入り込んで重なるように、前者のコ字状の断面の方が後者のコ字状の断面よりも一回り小さい。すなわち、後側ロック部材33は、前側ロック部材34の内側に入りうる形状,大きさの断面を有するように形成される。また、本実施形態では、後側ロック部材33が後側アーム部22の前端22bよりも前方まで延設されており、この延設部分に前側ロック部材34が重なるようになっている。
図3(c)に示すように、後側ロック部材33は、コ字状の断面において対向する二辺を成す側面部33a,33aと、コ字状の断面において残りの一辺を成す取付面部33bとを有する。これらの面部33a,33bのそれぞれを正面から見た形状は、何れも細長い矩形状である。以下、この細長い矩形状の長辺(側面部33aと取付面部33bとの境界の辺)が延びる方向を長さ方向という。
各側面部33aは、その長さ方向の一端側(上記の延設部分)に、外側(互いに離隔する方向)に向けて突設された半楕円体形状の凸部33cを有する。また、取付面部33bは、長さ方向における凸部33cと同様の一端側に、捻りばね31のコイル部31aとの干渉を防ぐための貫通孔33hを有する。すなわち、これらの凸部33c及び貫通孔33hは、後側アーム部22よりも前側に設けられる。なお、取付面部33bは、長さ方向の他端側が後側アーム22に結合される。
前側ロック部材34は、後側ロック部材33と同様に、コ字状の断面において対向する二辺を成す側面部34a,34aと、コ字状の断面において残りの一辺を成す取付面部34bとを有する。これらの面部34a,34bのそれぞれを正面から見た形状は、何れも矩形状であるが、その長さ方向の寸法が後側ロック部材33の対応する面部33a,33bよりも短い。
前側ロック部材34の各側面部34aには、後側ロック部材33の凸部33cが嵌合する孔部34cが形成される。これらの孔部34cは、後側ロック部材33の凸部33cの楕円状の底面よりも僅かに大きい楕円形状に形成される。なお、前側ロック部材34の取付面部34bは、前側アーム23に結合される。
後側ロック部材33の凸部33cは、通常時では前側ロック部材34の孔部34cから外れて(離隔して)いるが、衝突時にアーム部22,23が一直線状になると(すなわち、捻りばね31の二つの直線部31b,31cが互いに平行な状態になると)前側ロック部材34の孔部34cに嵌り込む。これにより、ロック部材33,34はアーム部22,23を一直線の状態に固定する。言い換えると、ロック部材33,34は、アーム部22,23がいったん一直線状となったらV字状に曲がることを防止する。
[1−2.作用]
次に、図4(a)および図4(b)を参照して本実施形態に係る車体後部構造の作用を説明する。
図4(a)に示すように、アウタパネル17Aに外力Fが作用すると、エンドパネル17はその下端部が高い剛性を有することから前傾姿勢に変形する。また、アウタパネル17Aが後方から押されてインナパネル17Bに近づくことで、規制部材2がインナパネル17Bを押圧する。これにより、インナパネル17Bの薄肉部17dに応力が集中し、薄肉部17dが破断する。
薄肉部17dが破断すると、アーム部22,23が保持部材32から解放され、捻りばね31の付勢力f1によりV字状から一直線状に変形する。これに伴い、図4(b)に示すように、後側ロック部材33が前側ロック部材34の内側に入り込むとともに、凸部33cが孔部34cに嵌合し、アーム部22,23が一直線状に固定される。
また、図4(a)に示すように、アーム部22,23がV字状から一直線状に変化することによって規制部21が空間17Cから前方へ突き出る。このとき規制部21は、アーム部22,23の変化とエンドパネル17の変形とによって、スペアタイヤ15に対し斜め上方から近づいていく。そして、規制部21はスペアタイヤ15の内側に入り込み、スペアタイヤ15の後部の内周面15cに接触する。すなわち、規制部材2はスペアタイヤ15の後部を後方から拘束する。これにより、スペアタイヤ15の前方移動が規制される。なお、収容部14aの上面に設けられるカバーは、衝突時の衝撃により、規制部材2がスペアタイヤ15に接触するよりも前に開放されるため、規制部材2の動作の妨げとなることはない。
エンドパネル17が外力Fによりさらに前傾すると、規制部21はスペアタイヤ15の後部の内周面15cを押圧する。すなわち、規制部21はスペアタイヤ15の後部の内周面15cに対して後方に向かう押圧力Pを加える。これにより、スペアタイヤ15にはモーメントMが発生する。スペアタイヤ15は、このモーメントMにより後部の接地点(フロアパネル14との接触点)15dを支点として回動する。その結果、スペアタイヤ15の前部が持ち上がり、燃料タンク12から遠ざかる。
[1−3.効果]
(1)上述の車両後部構造では、規制部材2が外力Fによりスペアタイヤ15の前方移動を規制する。すなわち、衝突時にスペアタイヤ15に対して規制部材2を後方から接近させることができ、規制部材2でスペアタイヤ15を後方から拘束することができる。そのため、従来のようにスペアタイヤ15の前方に設置した部材でスペアタイヤ15を受け止める構造と比べて、スペアタイヤ15の前方移動をより適切に抑制することができる。したがって、乗員の安全性を高めることができる。
また、上述の車両後部構造は、エンドパネル17に結合された規制部材2によりスペアタイヤ15の前方移動を規制するため、従来の構造のようにスペアタイヤ15の前方に部材を設置する場合と比べて、スペアタイヤ15の前方に広い空間を確保することができる。
(2)上述の規制部材2には、アーム部22,23を通常時にV字状に保持する一方で衝突時に一直線状に変化させる変形機構3が設けられる。そのため、通常時にアーム部22,23をコンパクトに折り畳んでおくことができ、スペアタイヤ15の着脱容易性を向上させることができる。また、衝突時に規制部材2をスペアタイヤ15に対していち早く接近させることができるため、スペアタイヤ15の前方移動をより確実に抑制することができる。
(3)上述の変形機構3は、捻りばね31と保持部材32とロック部材33,34とを有する。これらの部材31〜34により変形機構3を機械的に構成することで、例えば電子制御をすることなく、後側アーム部22と前側アーム部23とを衝突時に一直線状に変化させて固定することができる。そのため、変形機構3を簡素な構成とすることができ、生産性を向上させることができる。
(4)上述の規制部21は、スペアタイヤ15の内径Dよりも幅寸法W1が短く、衝突時にスペアタイヤ15の内側に入り込む。このように規制部21をスペアタイヤ15の内側に入れ込むことによって、スペアタイヤ15の後部を後方から適切に拘束することができ、スペアタイヤ15の前方移動をより確実に抑制することができる。また、スペアタイヤ15の外周部15Aに比べて硬いホイール部15Bに規制部21を接触させることにより、スペアタイヤ15に対する拘束力を高めることができることからも、スペアタイヤ15の前方移動をより確実に抑制することができる。
(5)上述の規制部21は、衝突時にスペアタイヤ15の後部の内周面15cを押圧し、スペアタイヤ15の前部を持ち上げるモーメントMを発生させる。このように、衝突時にスペアタイヤ15を後方から拘束することに加えてスペアタイヤ15の前部を持ち上げることにより、スペアタイヤ15の前方移動をより確実に抑制することができる。また、スペアタイヤ15の前部を持ち上げることにより、スペアタイヤ15の前部を燃料タンク12から遠ざけることができるため、乗員の安全性をより高めることができる。
(6)上述の規制部材2は、通常時にエンドパネル17の空間17C内に収納される。そのため、規制部材2が通常時にラゲッジルーム13に露出することがなく、スペアタイヤ15の着脱容易性を高めることができるとともに、ラゲッジルーム13の美観を高めることができる。また、上述の規制部材2は、衝突時に空間17Cからインナパネル17Bの前方へ突き出るため、スペアタイヤ15の前方移動を適切に抑制することができる。
[2.第二実施形態]
[2−1.構成]
図5(a)および図5(b)に示すように、第二実施形態に係る車両後部構造は、衝突時にスペアタイヤ15を引っ掛けて前部を持ち上げるものであり、上述の第一実施形態のものに比べて規制部材6の構成が異なるとともにエンドパネル17にスライド機構4が設けられる点が異なる。本実施形態では、上述した第一実施形態で説明した要素と同一または対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態の規制部材6は、規制部61と二つのアーム部62,63とで構成される。これらの規制部61およびアーム部62,63は、第一実施形態の規制部21およびアーム部22,23のそれぞれと同様の機能を持つ。ただし、本実施形態の規制部61は、第一実施形態の規制部21と形状が異なる。また、本実施形態のアーム部62,63は、第一実施形態のアーム部22,23と上下方向の向きが逆に設けられている。
本実施形態のアーム部62,63は、通常時において、側面視で上方に凸となるV字状に設けられる。後側のアーム部62(以下「後側アーム部62」という)は、その後端(一端)にアウタパネル17Aと結合された基端部62aを有し、通常時に基端部62aから前方に向かって上り傾斜するように設けられる。本実施形態の基端部62aは、アウタパネル17Aの内面にスライド機構4を介して結合されている。また、前側のアーム部63(以下「前側アーム部63という)は、その前端(一端)63aがインナパネル17Bの内面に結合され、通常時に後方に向かって上り傾斜するように設けられる。前側アーム部63の前端63aは、規制部61とも結合される。
本実施形態の規制部61は、直角三角形の底面を有する三角柱状に形成される。規制部61は、その底面が車幅方向を向くとともに、底面の直角部分が前側アーム部63の前端63aと一致するように設けられる。規制部61は、通常時に前側アーム部63の後方に位置するように前側アーム部63の前端63aに結合される。本実施形態の規制部61は、衝突時にスペアタイヤ15の内側に深く入り込んでスペアタイヤ15を引っ掛ける。規制部61において、二つの底面の各斜辺を繋ぐ平面は、衝突時にスペアタイヤ15の後部の内周面15cに接触する接触面61aとして機能する。
なお、本実施形態でも、規制部材6の各部61〜63の車幅方向の寸法W2〔図2(b)参照〕は同一とされ、スペアタイヤ15の内径Dよりも短く設定される。また、二つのアーム部62,63は、第一実施形態で説明した変形機構3によって互いに回動可能に接続される。すなわち、本実施形態でも、変形機構3は後側アーム部62の前端(他端)62bと前側アーム部63の後端(他端)63b同士を連結するとともに、これらのアーム部62,63を通常時にV字状に保持しておき、衝突時に一直線状に変化させる。
ただし、本実施形態では前側アーム部63の後端63bに結合された前側ロック部材34が、インナパネル17Bの内面に結合される。また、インナパネル17Bの薄肉部17dは、前側アーム部63の輪郭線に沿うように形成される。本実施形態の薄肉部17dは、通常時では前側アーム部63および前側ロック部材34に対して捻りばね31の付勢力f1に抗する反力を加えることで、規制部材6を空間17C内に収容しておく(保持しておく)。一方、衝突時に外力Fが作用すると、インナパネル17Bのうちの前側アーム部63に沿った面は、前側アーム部63および前側ロック部材34によって前方へ押される。このとき、インナパネル17Bは第一実施形態と同様に薄肉部17dに沿って破断する。
図5(b)に示すように、スライド機構4は、後側アーム部62の基端部62aをアウタパネル17Aの内面に結合するとともに、衝突時にこの基端部62aを外力Fにより上方へとスライド移動させるものである。スライド機構4は、基端部62aを上方へスライド移動させるためのガイド部材41,可動部材42,引張ばね43と、通常時に基端部62aをガイド部材41の下端部に係止しておく(スライド移動させない)ための係止機構5とを有する。
ガイド部材41は、上下方向に延設された棒状のレール部41aと、レール部41aの上端および下端のそれぞれをアウタパネル17Aに固定するための固定部41b,41cとを有する。レール部41aは、アウタパネル17Aの内面との間に隙間を介して設けられる。また、固定部41b,41cは、レール部41aの上端と下端とのそれぞれに結合されるとともに、後述する圧縮部材57を介してアウタパネル17Aに結合される。
可動部材42は、後側アーム部62の基端部62aをレール部41aに沿ってスライド移動させるものであり、例えば筒状に形成され、レール部41aに沿ってスライド自在に設けられる。可動部材42は、通常時では係止機構5によってレール部41aの下端部(すなわちガイド部材41の下端部)に係止される。
可動部材42の前側の面には、後側アーム部62の基端部62aが回動可能に固定される。すなわち、側面視におけるレール部41aと後側アーム部62との間の角度θ2は可変とされる。可動部材42には、この角度θ2を制限するストッパ42aが固設される。ストッパ42aは、角度θ2が所定の角度(鈍角)となるまで後側アーム部62が回動すると、後側アーム部62に当接することでそれ以上の回動を阻止するものである。この所定の角度は、外力Fによりアーム部62,63が一直線状となったときに規制部61がスペアタイヤ15の内側に入り込むような角度に予め設定される。ストッパ42aは、例えば規制部材6と同じ幅寸法W2を有する細長い板状に形成され、基端部62aの下側に隣接して設けられる。
引張ばね43は、後側アーム部62の基端部62aを上方へ常時付勢するものである。引張ばね43は、例えば引張方向の力に対して反発するコイルばねであり、自然長がレール部41aの長手方向の寸法よりも短く形成され、両端が上側の固定部41bと可動部材42とにそれぞれ固定される。引張ばね43は、通常時に可動部材42がレール部41aの下端部に係止されることで自然長よりも伸びた状態となり、可動部材42を上方に向かって引っ張る付勢力f2を生じる。
係止機構5は、可動部材42の移動を規制するロックピン51と、ロックピン51をアウタパネル17Aに対して前後方向に移動可能に支持する支持部材52と、ロックピン51を前方へ向けて付勢するばね53と、外力Fによりロックピン51を後方へ移動させるためのリンク54,固定部材55,押圧部材56,圧縮部材57とを有する。なお、図5(b)では、見やすいように係止機構5のばね53を除く部材に模様を付けている。
ロックピン51(係止部材)は、引張ばね43の付勢力f2に抗して可動部材42をレール部41aの下端部に係止することで、後側アーム部62の基端部62aをレール部41aの下端部に係止するものである。ロックピン51は、三角形状のブロックであり、レール部41aの下端部とアウタパネル17Aとの間に設けられる。
ロックピン51は、通常時には可動部材42の上面に接する係止位置に設けられ、可動部材42の上方への移動を禁止する。一方、ロックピン51は、衝突時には外力Fにより可動部材42に対して後方へ離隔した解放位置に後退し、可動部材42を解放する。すなわち、ロックピン51は外力Fによりアーム部62の基端部62aを解放する。
支持部材52は、ロックピン51の上方,下方のそれぞれに設けられた上側支持部材52A,下側支持部材52Bで構成される。上側支持部材52A,下側支持部材52Bのそれぞれは、ロックピン51の上方,下方への移動を規制する。上側支持部材52A,下側支持部材52Bは、何れもアウタパネル17Aの内面に固定される。
ばね53は、ロックピン51が係止位置に設けられるように付勢するものである。ばね52は、例えば圧縮方向の力に対して反発するコイルばねであり、両端がロックピン51とアウタパネル17Aとに結合される。
リンク54は、外力Fによりロックピン51を解放位置に後退させる板状または棒状の部材である。リンク54は、上下方向に延設され、その上端がロックピン51に結合されるとともに、その下端が固定部材55を介してアウタパネル17Aの内面に結合される。すなわち、リンク54の上端はロックピン51とともにアウタパネル17Aに対して前後方向に移動可能であるのに対し、リンク54の下端はアウタパネル17Aに対して変位しない。リンク54は、その上端が後方へ移動する(アウタパネル17Aに対して近づく)ことにより、ロックピン51を係止位置から解放位置へ移動させる。
押圧部材56は、外力Fによりリンク54を後方へ押す板状または棒状の部材である。押圧部材56は、レール部41aとリンク54との間において前後方向に延設され、その前端がレール部41aに結合される。押圧部材56は、衝突時にリンク54の上端と下端との間の部位を後方へ押すことにより、リンク54の上端を下端に対して後方へと移動させる。
圧縮部材57は、側面視でV字状となるように平板を屈曲形成したものであり、二つの固定部41b,41cのそれぞれとアウタパネル17Aとの間に設けられる。圧縮部材57は、外力Fにより前後方向に圧縮変形する。
[2−2.作用]
次に、図6(a)および図6(b)を参照して、本実施形態に係る車体後部構造の作用を説明する。
図6(a)に示すように、アウタパネル17Aに外力Fが作用すると、第一実施形態と同様にエンドパネル17は前傾姿勢に変形し、アウタパネル17Aがインナパネル17Bに近づくことで規制部材6および前側ロック部材34がインナパネル17Bを後方から押圧する。これにより、インナパネル17Bの薄肉部17dが破断し、第一実施形態と同様にアーム部62,63が変形機構3によってV字状から一直線状に変化した後に固定される。
また、本実施形態では、これらのアーム部62,63の変化と同時に後側アーム部62の基端部62aがスライド機構4によって上方へとスライド移動する。すなわち図6(b)に示すように、外力Fによりアウタパネル17Aがインナパネル17Bへ近づくように変形すると、圧縮部材57が前後方向に圧縮変形して押圧部材56がリンク54を後方へ押す。これにより、リンク54の上端が後方へ移動するためロックピン51が解放位置に後退し、可動部材42が解放されるとともに引張ばね43の付勢力f2により上方へとスライド移動する。これに伴い、後側アーム部62の基端部62aが上方へスライド移動する。また、後側アーム部62はストッパ42aに当たるまで前方に向かって回動し、前方へ下降傾斜した姿勢となる。
図6(a)に示すように、規制部61は、アーム部62,63の変化とエンドパネル17の変形とによって、スペアタイヤ15に対し斜め上方から近づいていく。このとき後側アーム部62の基端部62aが上方へスライド移動することによって、規制部61がスペアタイヤ15の内側に入りやすくなる。そして、規制部61はスペアタイヤ15の内側に深く入り込み、接触面61aがスペアタイヤ15の後部の内周面15cに接触する。すなわち、規制部材6がスペアタイヤ15の後部に引っかかる。これにより、スペアタイヤ15の前方移動がより確実に抑制される。
エンドパネル17が外力Fによりさらに前傾すると、規制部61がスペアタイヤ15の後部の内周面15cに対して後方へ向かう押圧力Pを加える。これにより、第一実施形態と同様にスペアタイヤ15にはモーメントMが発生し、スペアタイヤ15が後部の接地点15dを支点として回動する。その結果、スペアタイヤ15の前部が持ち上がり、燃料タンク12から遠ざかる。
[2−3.効果]
(1)本実施形態に係る車両後部構造では、スライド機構4が設けられるため、外力Fが作用した衝突時に後側アーム部62の基端部62aを上方へスライド移動させることができる。これにより、規制部材6をスペアタイヤ15に対して上方から接近させることができ、スペアタイヤ15を上方から押さえ込みやすくすることができる。そのため、スペアタイヤ15の前方移動をより確実に抑制することができる。
また、本実施形態のように規制部61をスペアタイヤ15の内側に入れ込む場合には、スライド機構4を設けることにより規制部61をスペアタイヤ15の内側に深く入り込みやすくすることができる。そのため、規制部61をスペアタイヤ15の後部に引っ掛けることができ、スペアタイヤ15の前方移動を更に確実に抑制することができる。
(2)上述のスライド機構4は、ガイド部材41と引張ばね43とロックピン51とを有する。これらの部材41,43,51によりスライド機構4を機械的に構成することで、例えば電子制御をすることなく、外力Fにより後側アーム部62の基端部62aを上方へスライド移動させることができる。そのため、スライド機構4を簡素な構成とすることができ、生産性を向上させることができる。
その他にも、本実施形態に係る車両後部構造によれば、上述の第一実施形態と同様の作用,効果を得ることができる。
[3.変形例]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述の実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
上述の実施形態では、規制部材2,6が規制部21,61およびアーム部22,23,62,63を有し、エンドパネル17の空間17C内に収納される場合を例示したが、規制部材2,6の形状,配置は上述のものに限定されない。例えば、上述の規制部材2,6に代えて図7に示すような規制部材7が適用されてもよい。
この規制部材7は、一枚の平板を略ハット形状に屈曲形成したものである。規制部材7は、ハット形状の二つのフランジ部76,76が側面視で上下に並ぶように設けられ、これらのフランジ部76,76がインナパネル17Bの前側の面(内面と逆側の面)に結合される。すなわち、規制部材7はエンドパネル17の空間Cの外部に設けられる。また、規制部材7は、通常時に前方へ向かって上り傾斜するように設けられた傾斜面部77を有し、この傾斜面部77が通常時においてスペアタイヤ15よりも高い位置に設けられるように、その高さ位置が設定される。規制部材7の幅寸法W3は、スペアタイヤ15の内径Dよりも長く設定される〔図2(b)の二点鎖線参照〕。
このような規制部材7によっても、外力Fによりエンドパネル17が前傾姿勢に変形すると、図7中に二点鎖線で示すように、傾斜面部77がスペアタイヤ15の上面に接触してスペアタイヤ15の前方移動を規制する。そのため、上述の実施形態と同様に、スペアタイヤ15を後方から拘束することができ、スペアタイヤ15の前方移動をより適切に抑制することができる。また、規制部材7は、その幅寸法W3がスペアタイヤ15の内径Dよりも長く設定されるため、衝突時にスペアタイヤ15の外周部15Aに接触することができ、ホイール部15Bに接触する場合と比べて緩衝性を高めることができる。
なお、規制部材7がエンドパネル17の空間17C内に配置されていてもよい。この場合には、上述したような薄肉部17dを設けておき、外力Fの作用時(衝突時)に規制部材7がスペアタイヤ15に向かって飛び出すように構成すればよい。
また、規制部材7の傾斜面部77や、上述の第二実施形態で例示した規制部材6の規制部61の接触面61aは、スペアタイヤ15の表面形状に対応するような曲面状に形成されてもよい。
また、上述の実施形態では、規制部材2,6の二つのアーム部22,23,62,63が互いに別体である場合を例示したが、これらのアーム部22,23,62は、互いに回動可能であれば(すなわち、V字状から一直線状に変化することができれば)一体であってもよい。
また、上述の実施形態では、衝突時にインナパネル17Bの薄肉部17dが破断することで規制部材2,6が空間17Cからインナパネル17Bよりも前方へ突き出る場合について説明したが、これに代えて、例えばインナパネル17Bに孔をあけておき、衝突時に規制部材2,6がこの孔からインナパネル17Bよりも前方へ突き出るようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、変形機構3の保持部材32がインナパネル17Bの薄肉部17dとして設けられる場合を例示したが、保持部材32はインナパネル17Bとは別体で設けられてもよい。また、上述の実施形態で示したロック部材33,34の形状は上述のものに限定されない。上述のロック部材33,34は、断面がコ字状に形成されなくてもよいし、例えば前側ロック部材34に凸部が設けられ、この凸部が嵌合する孔部が後側ロック部材33に設けられていてもよい。また、前側アーム部23,63に上述の後側ロック部材33を固定し、後側アーム部22,62に上述の前側ロック部材34を固定してもよい。
なお、本車両後部構造は、上述のラゲッジルーム13の代わりに、車室空間と仕切られたトランクルーム(荷室)が設けられた車両にも適用可能である。
1 車両
2,6,7 規制部材
3 変形機構
4 スライド機構
5 係止機構
13 ラゲッジルーム(荷室)
14 フロアパネル
14a 収容部
14b 後端部
15 スペアタイヤ
15c 後部の内周面
17 エンドパネル
17A アウタパネル
17B インナパネル
17C 空間
17d 薄肉部(保持部材)
21,61 規制部
22,62 後側アーム部
22a,62a 基端部
23,63 前側アーム部
31 捻りばね(第一付勢部材)
32 保持部材
33 後側ロック部材(ロック部材)
34 前側ロック部材(ロック部材)
41 ガイド部材
43 引張ばね(第二付勢部材)
51 ロックピン(係止部材)
F 外力
M モーメント

Claims (8)

  1. 車両の荷室の床面を成すとともにスペアタイヤを収容する収容部が凹設されたフロアパネルと、
    前記フロアパネルの後端部に結合され、前記後端部よりも上方へ立設されたエンドパネルと、
    前記エンドパネルに結合され、前記車両の後方から前記エンドパネルへ入力された外力により前記スペアタイヤに接触して前記スペアタイヤの前方移動を規制する規制部材と、
    を備えたことを特徴とする、車両後部構造。
  2. 前記規制部材が、前記前方移動を規制する規制部と、一端が前記規制部と結合された前側アーム部と、一端に前記エンドパネルと結合された基端部を有する後側アーム部と、を有し、
    前記規制部材には、前記前側アーム部および前記後側アーム部の他端同士を連結するとともに、前記前側アーム部および前記後側アーム部を、前記外力が作用しない通常時にV字状に保持する一方で前記外力が作用した衝突時に一直線状に変化させる変形機構が設けられた
    ことを特徴とする、請求項1記載の車両後部構造。
  3. 前記変形機構は、
    前記前側アーム部および前記後側アーム部を一直線状にする方向に常時付勢する第一付勢部材と、
    前記前側アーム部および前記後側アーム部を、前記通常時にV字状に保持する一方で前記衝突時に解放する保持部材と、
    前記前側アーム部および前記後側アーム部が一直線状になったら当該一直線状を維持するロック部材と、を有する
    ことを特徴とする、請求項2記載の車両後部構造。
  4. 前記規制部が、前記スペアタイヤの内径よりも車幅方向寸法が短く、前記衝突時に前記スペアタイヤの内側に入り込む
    ことを特徴とする、請求項2又は3記載の車両後部構造。
  5. 前記規制部が、前記衝突時に前記スペアタイヤの後部の内周面を押圧し、前記スペアタイヤの前部を持ち上げるモーメントを発生させる
    ことを特徴とする、請求項4記載の車両後部構造。
  6. 前記エンドパネルには、前記外力により前記基端部を上方へスライド移動させるスライド機構が設けられた
    ことを特徴とする、請求項2〜5の何れか1項に記載の車両後部構造。
  7. 前記スライド機構が、
    前記エンドパネルに固定されるとともに前記基端部をスライド自在に支持するガイド部材と、
    前記基端部を上方へ常時付勢する第二付勢部材と、
    前記基端部を前記ガイド部材の下端部に係止するとともに前記外力により前記基端部を解放する係止部材と、を有する
    ことを特徴とする、請求項6記載の車両後部構造。
  8. 前記エンドパネルが、内部に空間を持つ閉断面を形成するアウタパネルおよびインナパネルを有し、
    前記規制部材は、前記外力が作用しない通常時に前記空間内に収納され、前記外力が作用した衝突時に前記空間から前記インナパネルの前方へ突き出る
    ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の車両後部構造。
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