WO2022044449A1 - 自動車の開閉体構造および開閉体構造の製造方法 - Google Patents

自動車の開閉体構造および開閉体構造の製造方法 Download PDF

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貴弘 川瀬
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Abstract

自動車の開閉体構造は、サイドドア(31)と、フック(45)と、キャッチャ(46)と、を備えている。サイドドア(31)は、車体の後開口部に開閉自在に設けられている。フック(45)は、サイドドアに設けられている。キャッチャは、フックに係合するようにクオータピラー(24)に設けられ、ピン群体(57)を備えている。ピン群体は、フックの第2フック部(49)の進入方向に対して進退自在で、かつ、互いに接触して隣り合う複数のピン(74)を有する。

Description

自動車の開閉体構造および開閉体構造の製造方法
 本発明は、自動車の開閉体構造および開閉体構造の製造方法に関する。
 本願は、2020年8月24日に出願された日本国特願2020-140903号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 自動車の開閉体構造として、例えば、サイドドアの前部がドアヒンジを介して車体に支持され、サイドドアが閉じられた状態において、後部がドアロック装置およびキャッチャ機構で車体に支持される構成が知られている。サイドドアの内部には、例えば、補強用の部材としてアッパビームおよびロアビームが上下に設けられている。アッパビームの前端部がドアヒンジで車体に支持され、アッパビームの後端部がドアロック装置で車体に支持される。また、ロアビームの前端部がドアヒンジで車体に支持され、ロアビームの後端部がキャッチャ機構で車体に支持される。
 ここで、キャッチャ機構は、例えば、ロアビームの後端部に嵌入部材(以下、フックという)が設けられ、車体のクオータピラー(Cピラー)に受け部材(以下、キャッチャという)が設けられている。サイドドアが閉じられたとき、フックがキャッチャに嵌入される。
 フックがキャッチャに嵌入された状態において、例えば、側面衝突による衝撃荷重が車両に側方から入力した場合、入力した衝撃荷重でフックがキャッチャに係合する。よって、入力した衝撃荷重の一部がロアビームに分散され、クオータピラーが車室に向けて変形することを抑制できる(例えば、特許文献1参照)。
日本国特開2018-158597号公報
 ところで、一般にサイドドアを車体に建て付ける(組み付ける)際にばらつきが生じることが考えられる。このため、フックがキャッチャに嵌入された状態において、キャッチャとフックとの間に組立公差などによる隙間を確保する必要がある。
 しかし、キャッチャとフックとの間に隙間を確保した場合、例えば側面衝突により衝撃荷重が入力した際に、フックとキャッチャとが係合するまでに時間的な遅れが生じることが考えられる。このため、衝撃荷重によりクオータピラー、センタピラーおよびドア(すなわち、車体)が車室に向けて変形することを好適に抑制することが難しい。
 本発明の態様は、車両に入力した衝撃荷重により車体が車室に向けて変形することを好適に抑制できる自動車の開閉体構造および開閉体構造の製造方法を提供する。
 本発明は以下の構成を採用した。
 (1)本発明に係る自動車の開閉体構造は、車体の開口部に開閉自在に設けられた開閉体と、前記開閉体および車体の一方に設けられたフックと、前記フックに係合するように、前記開閉体および車体の他方に設けられたキャッチャと、を備え、前記キャッチャは、前記フックの進入方向に対して進退自在で、かつ、互いに接触して隣り合うように支持された複数のピンを有するピン群体を備えている。
 上記(1)の態様の構成によれば、キャッチャは、複数のピンを有するピン群体を備えている。複数のピンは、フックの進入方向に対して進退自在で、かつ、互いに接触して隣り合うように支持されている。よって、開閉体を閉じてフックが複数のピンの一部に当接し、フックが当接する一部のピンを押し込む。これにより、一部のピンに隣接する周囲のピンにより、フックの全周が囲まれた状態に接触される。
 このため、キャッチャハウジングとフックとの間に組立公差などによる隙間を設定しても、隣接する周囲のピンでフックとキャッチャハウジングとの隙間を埋めることができる。すなわち、フックとキャッチャとを接触させた状態に保つことができる。これにより、フックがキャッチャに嵌入された状態において、例えば衝突や応力により衝撃荷重が車両に入力した場合、入力した衝撃荷重でフックをキャッチャに迅速に係合(係止)させて、衝撃荷重を各ピラーから開閉体に迅速に分散できる。したがって、車両に入力した衝撃荷重により車体が車室に向けて変形することを好適に抑制できる。
 ここで、例えば、開閉体がサイドドアの場合、サイドドアのドアビームにフックが設けられ、ピラーにキャッチャが設けられる。よって、例えば、側面衝突による衝撃荷重が車両の側方から入力した場合、入力した衝撃荷重でフックをキャッチャに迅速に係合(係止)させて、衝撃荷重を各ピラーからドアビームに迅速に分散できる。これにより、車両に入力した衝撃荷重によりピラーが車室に向けて変形することを好適に抑制できる。
 (2)上記(1)の態様において、前記ピン群体は、前記ピンの断面が丸形または多角形に形成され、隣り合う前記ピンが接触することにより、前記複数のピンが最密なハチの巣状に支持されていてもよい。
 上記(2)の態様の構成によれば、ピンの断面が丸形または多角形に形成されている。さらに、隣り合うピンが接触することにより、複数のピンが最密なハチの巣状に支持されている。よって、隣接する周囲のピンでフックとキャッチャとの隙間を一層好適に埋めることができる。これにより、開閉体を車体に建て付ける(組み付ける)際に生じるばらつきをキャッチャとフックとにより許容できる。
 特に、ピンの断面を多角形のうち六角形に形成することにより、隣接する周囲のピンでフックとキャッチャとの隙間を好適に埋めることができ好ましい。
 (3)上記(1)又は(2)の態様において、前記キャッチャは、前記ピン群体を収容するハウジング部と、前記ハウジング部に設けられて、前記車体に取り付けられるフランジ部と、を備えていてもよい。
 上記(3)の態様の構成によれば、キャッチャの構造を、ピン群体をハウジング部で支持し、ハウジング部をフランジ部で車体に取り付ける簡素な構成とした。また、ハウジング部にピン群体を収容し、フランジ部を車体に取り付けることにより、キャッチャの取付作業を容易にできる。
 (4)上記(3)の態様において、前記ピン群体は、前記ハウジング部の内部に固定されるプレートと、前記プレートの貫通孔に挿通され、かつ前記ピンに取り付けられる支持ロッドと、前記支持ロッドに嵌装され、前記ピンを支持位置に付勢するスプリングと、を備えていてもよい。
 上記(4)の態様の構成によれば、プレートの貫通孔に支持ロッドを挿通し、挿通した支持ロッドにピンを取り付けるようにした。このプレートをハウジング部の内部に固定するようにした。さらに、支持ロッドにはスプリングが嵌装され、スプリングの弾性力でピンを支持位置に付勢するようにした。
 これにより、複数のピンをフックの進入方向に対して進退自在で、かつ、互いに接触して隣り合うように隙間なく(例えば、ハチの巣状に)、ハウジング部にプレートを介して支持できる。
 (5)上記(4)の態様において、前記ピン群体は、前記フックの進入により前記ピンが押し付けられることにより、前記スプリングの付勢力に抗して前記フックが前記ハウジング部の内部に収容され、前記フックの退出により前記スプリングの付勢力で前記ピンが前記支持位置に戻るようにしてもよい。
 上記(5)の態様の構成によれば、フックを進入させてピンをスプリングの付勢力に抗して押し付けることにより、フックをハウジング部の内部に収容するようにした。また、フックを退出させることにより、ピンをスプリングの付勢力で支持位置に戻すようにした。よって、フックを退出させた状態において、ピン群体(すなわち、キャッチャ)の外観性を確保できる。これにより、自動車の開閉体構造を、例えば、通常の自動車の開口部を開閉するドア、トランク、フードなどに適用できる。さらに、自動車の開閉体構造をドア、トランク、フードなどに適用することにより、衝突による衝撃荷重をドア、トランク、フードなどに好適に分散させて車体の車室への変形を抑えることができる。
 (6)上記(4)又は(5)の態様において、前記支持ロッドは、前記貫通孔に挿通されるとともに先端部が前記ピンに取り付けられ、前記ピンおよび前記プレートの間に介在された前記スプリングが嵌装される軸部と、前記軸部のうち前記先端部の反対側の基端部に形成されて、前記スプリングの付勢力で前記プレートに係止する頭部と、を有していてもよい。
 上記(6)の態様の構成によれば、支持ロッドの軸部をプレートの貫通孔に挿通して、軸部の先端部をピンに取り付ける。また、軸部に嵌装したスプリングをピンおよびプレートの間に介在させる。さらに、軸部のうち先端部の反対側の基端部に頭部を形成し、頭部をスプリングの付勢力でプレートに係止する。
 これにより、プレートの貫通孔から支持ロッドを抜け出さないようにして、支持ロッド(すなわち、ピン)をプレートに支持できる。
 (7)上記(1)から(6)の態様のいずれかの態様において、前記開閉体は、前記開口部を覆う本体を補強するビームを備え、前記フックは、前記開閉体が閉じられた状態において、前記ビームのうち前記キャッチャに対応する部位に設けられた第1フック部と、前記開閉体が閉じられた状態において、前記第1フック部から前記キャッチャに向けて延びる第2フック部と、を備え、前記第1フック部および前記第2フック部で前記フックが断面L字形に形成されていてもよい。
 上記(7)の態様の構成によれば、フックの第1フック部を、例えばブラケットを介在させることなくビームに直接設けるようにした。よって、例えば、衝突による衝撃荷重が車両に入力した場合、入力した衝撃荷重をビームにフックを経て迅速に伝えて分散することができる。これにより、車両に入力した衝撃荷重により車体が車室に向けて変形することを好適に抑制できる。
 また、フックを第1フック部および第2フック部で断面L字形に形成して、第2フック部をキャッチャに向けて延ばした。
 ここで、例えば衝突などにより衝撃荷重が車両に入力した場合、入力した衝撃荷重でビームが長手方向に引っ張られる。このため、フックに曲げ方向の荷重が作用して、第2フック部がキャッチャから跳ね上げられることが考えられる。
 そこで、第2フック部とキャッチャとの隙間を複数のピンで埋めるようにした。よって、ビームが長手方向に引っ張られたとき、第2フック部を複数のピンで支えてフックを曲がり難くできる。これにより、ビームが長手方向に引っ張られたとき、第2フック部がキャッチャから跳ね上げられることを抑制できる。したがって、衝撃荷重をビームに迅速に分散でき、車両に入力した衝撃荷重で車体が車室に向けて変形することを好適に抑制できる。
 (8)上記(7)の態様において、前記開閉体は、前記車体の側部に形成された前記開口部を開閉するように、前部および後部がドアヒンジおよびドアロック装置でそれぞれ前記車体に支持され、上下に前記ビームが設けられたサイドドアであり、上側の前記ビームは、前記サイドドアが閉じられた状態において、前端部および後端部が前記ドアヒンジおよび前記ドアロック装置によりそれぞれ前記車体に支持され、下側の前記ビームは、前記サイドドアが閉じられた状態において、前記キャッチャに対応する後端部に前記フックが設けられ、前端部および前記フックが前記ドアヒンジおよび前記キャッチャによりそれぞれ前記車体に支持されていてもよい。
 上記(8)の態様の構成によれば、上側のビームの前端部をドアヒンジにより車体に支持し、上側のビームの後端部をドアロック装置により車体に支持するようにした。また、下側のビームの後端部にフックを設け、前端部をドアヒンジにより車体に支持し、フックをキャッチャにより車体に支持するようにした。
 よって、例えば、衝突による衝撃荷重が車両に入力した場合、入力した衝撃荷重を上側のビームにドアロック装置を経て迅速に伝え、かつ、下側のビームにキャッチャおよびフックを経て迅速に伝えることができる。これにより、入力した衝撃荷重を上側のビームおよび下側のビームに迅速に分散することができ、車両に入力した衝撃荷重により車体(すなわち、ピラー)が車室に向けて変形することを好適に抑制できる。
 (9)上記(1)から(8)の態様のいずれかの態様において、前記ピン群体は、前記フックが前記キャッチャから退出した状態において、前記ピンのうち前記車体の外方に対向する先端が前記車体の表面に沿って配置されていてもよい。
 上記(9)の態様の構成によれば、フックがキャッチャから退出した状態において、複数のピンの先端を車体の表面に沿って配置するようにした。複数のピンは、互いに接触して隣り合うように隙間なく(例えば、ハチの巣状に)きれいに整列されている。これにより、自動車にキャッチャを備えても外観性に影響を与える虞はない。
 (10)本発明に係る自動車の開閉体構造の製造方法は、車体の開口部に開閉自在に設けられた開閉体と、前記開閉体および前記車体の一方に設けられたフックと、前記フックに係合するように、前記開閉体および前記車体の他方に設けられたキャッチャと、を備え、前記キャッチャは、前記開閉体および前記車体の他方に設けられたハウジング部と、前記ハウジング部に収容され、前記フックの進入方向に対して進退自在で、かつ、互いに接触して隣り合うように支持された複数のピンを有するピン群体と、備える自動車の開閉体構造の製造方法であって、前記複数のピンを前記フックの進入方向に対して進退自在で、かつ、互いに接触して隣り合うようにプレートに支持して前記ピン群体を組み付ける第1工程と、前記ピン群体を前記ハウジング部に収容して、前記プレートを前記ハウジング部に固定する第2工程と、を備えている。
 上記(10)の態様の製造方法によれば、第1工程において、ピン群体を組み付けることにより、複数のピンをフックの進入方向に対して進退自在で、かつ、互いに接触して隣り合うようにプレートに支持する。つぎに、第2工程において、ピン群体をハウジング部に収容して、プレートをハウジング部に固定する。これにより、複数のピンをハウジング部に簡単に収容でき、キャッチャを容易に製造できる。
 本発明の態様によれば、車両に入力した衝撃荷重でフックをキャッチャに迅速に係合させて、衝撃荷重を開閉体に迅速に分散できる。これにより、車両に入力した衝撃荷重により車体が車室に向けて変形することを好適に抑制できる。
本発明に係る一実施形態の自動車の開閉体構造を自動車に備えた側面図である。 一実施形態の開閉体構造の第3ビームを第2ドアヒンジおよびキャッチャ機構で車体に支持する状態を示す斜視図である。 一実施形態の開閉体構造のキャッチャ機構を示す斜視図である。 一実施形態の開閉体構造のキャッチャを示す分解斜視図である。 図3のV-V線に沿って破断した断面図である。 図5のVI矢視方向からみた平面図である。 一実施形態のキャッチャ機構のキャッチャにフックを係合させた状態を示す断面図である。 一実施形態の開閉体構造のサイドドアを車体に建て付ける際に生じるばらつきをキャッチャとフックとにより許容する例を説明する断面図である。
 以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る自動車の開閉体構造および開閉体構造の製造方法を説明する。図面において、矢印FRは車両の前方、矢印UPは車両の上方、矢印LHは車両の左側方を示す。
<車両>
 図1に示すように、車両10は、例えば、自動車であり、車体側部(車体の側部)12と、前開口部(開口部)13と、後開口部(開口部)14と、前サイドドア構造(自動車の開閉体構造)15と、後サイドドア構造(自動車の開閉体構造)16と、を備える。
 車体側部12は、例えば、車体11の左側部(側部)を構成する。車体側部12は、例えば、サイドシル21と、フロントピラー22と、センタピラー23と、クオータピラー(ピラー)24と、ルーフレール25と、を備える。
 前開口部13は、例えば、フロントピラー22と、センタピラー23と、ルーフレール25と、サイドシル21と、により概ね矩形に開口されている。前開口部13には、開閉体構造として前サイドドア構造15が開閉自在に支持されている。
 後開口部14は、前開口部13の車体後方に形成されている。後開口部14は、例えば、センタピラー23と、クオータピラー24と、ルーフレール25と、サイドシル21と、により概ね矩形に開口されている。後開口部14には、開閉体構造として後サイドドア構造16が開閉に支持されている。
 前サイドドア構造15および後サイドドア構造16は概ね同じ構造に構成されている。よって、以下、後サイドドア構造16について詳しく説明して、前サイドドア構造15の詳しい説明を省略する。
<後サイドドア構造>
 後サイドドア構造16は、例えば、サイドドア(開閉体)31と、第1ドアヒンジ(ドアヒンジ)32と、第2ドアヒンジ(ドアヒンジ)33と、ドアロック装置34と、キャッチャ機構35と、を備える。
 サイドドア31は、後開口部14を開閉するドアである。サイドドア31は、例えば、ドア本体(本体)36と、第1ビーム37と、第2ビーム(ビーム、上側のビーム)38と、第3ビーム(ビーム、下側のビーム)39と、を備える。
 ドア本体36は、サイドドア31を閉じた状態において、後開口部14を覆う形状に形成されている。ドア本体36は、構成の理解を容易にするためにアウタドアパネルを除去した状態で示す。ドア本体36の内部には、例えば、第1ビーム37、第2ビーム38、および第3ビーム39が設けられている。第1ビーム37、第2ビーム38、および第3ビーム39は、ドア本体36を補強する補強部材であり、例えば、前記アウタドアパネルに沿って湾曲に形成されている。
 第1ビーム37は、例えば、ドア本体36の前部36aから後部36bまでベルトライン41に沿って車体後方に向けて延びている。
 第2ビーム38は、例えば、前端部38aが第1ビーム37の前端部37aの下方近傍に設けられている。第2ビーム38は、例えば、ドア本体36の前部36aから後部36bまで下り勾配で車体後方に向けて延びている。
 第3ビーム39は、例えば、第2ビーム38の下方に比較的大きな間隔をおいて、第2ビーム38に沿って設けられている。第3ビーム39は、例えば、ドア本体36の前部36aから後部36bまで下り勾配で車体後方に向けて延びている。
 図1、図2に示すように、第2ビーム38の前端部38aおよびドア本体36の前部36aは、第1ドアヒンジ32を介してセンタピラー23に回転自在に支持されている。第3ビーム39の前端部39aおよびドア本体36の前部36aは、第2ドアヒンジ33を介してセンタピラー23に回転自在に支持されている。
 これにより、サイドドア31は、第1ドアヒンジ32および第2ドアヒンジ33を介してセンタピラー23に開閉自在に設けられている。
 第1ドアヒンジ32および第2ドアヒンジ33は、通常の自動車に使用されているドアヒンジと同じ構成なので詳しい説明を省略する。
 サイドドア31の後部には、ドアロック装置34のラッチ機構43が設けられている。具体的には、ラッチ機構43は、例えば、第2ビーム38の後端部38bと、ドア本体36の後部36b(具体的には、後部36bのうち上下方向の後中央部)とに設けられている。ラッチ機構43は、サイドドア31が閉じられた状態において、クオータピラー24のストライカ(図示せず)に係止する。
 すなわち、第2ビーム38は、サイドドア31が閉じられた状態において、前端部38aが第1ドアヒンジ32によりセンタピラー23に支持され、後端部38bがドアロック装置34によりクオータピラー24に支持される。これにより、サイドドア31は、ドアロック装置34により閉じられた状態に保持される。
 ドアロック装置34(すなわち、ラッチ機構43およびストライカ)は、通常の自動車に使用されているドアロック装置と同じ構成なので詳しい説明を省略する。
 また、サイドドア31の後部にはキャッチャ機構35のフック45が設けられている。
<キャッチャ機構>
 図1から図3に示すように、キャッチャ機構35は、フック45と、キャッチャ46と、を備えている。
 フック45は、例えば、第3ビーム39の後端部39bと、ドア本体36の後部36b(具体的には、後部36bのうち上下方向の後下部)とに設けられている。第3ビーム39の後端部39bは、サイドドア31が閉じられた状態において、キャッチャ46に対応する部位である。フック45は、第1フック部48と、第2フック部49と、を有する。
 第1フック部48は、例えば、第3ビーム39の後端部39bと、ドア本体36の後部36b(具体的には、後部36bのうち上下方向の後下部)とに一対のボルト51およびナット52により取り付けられている。すなわち、第1フック部48は、例えば、第3ビーム39の後端部39bと第1フック部48との間にブラケットを介在させることなく、第3ビーム39の後端部39bに直接設けられている。
 第1フック部48は、サイドドア31が閉じられた状態において、後述するキャッチャ46に対応する位置に配置されている。
 第2フック部49は、例えば、サイドドア31が閉じられた状態において、第1フック部48の先端部48aからキャッチャ46(後述する)に向けて延びている。第2フック部49は、例えば、断面矩形状に形成されている。
 フック45は、第1フック部48および第2フック部49で断面L字形に形成されている。
 キャッチャ46は、サイドドア31が閉じられた状態において、フック45の第2フック部49に係合するようにクオータピラー24に設けられている。キャッチャ46は、ハウジング部55と、フランジ部56と、ピン群体57と、を備えている。
 図3から図5に示すように、ハウジング部55は、ハウジング周壁58と、ハウジング底部59と、を備えている。
 ハウジング周壁58は、例えば、一対の長壁61と、一対の短壁62と、を有する。一対の長壁61は、互いに対向する位置に間隔をおいて平行に配置されている。一対の短壁62は、一方の短壁62が一対の長壁61の一端に形成され、他方の短壁62が一対の長壁61の他端に形成されている。
 一対の長壁61および一対の短壁62によりハウジング周壁58が断面矩形枠に形成されている。ハウジング周壁58の底辺にはハウジング底部59が一体に形成されている。ハウジング底部59には、例えば、底部開口59aが形成されている。
 ハウジング部55は、頂部55aが開口され、内部63にピン群体57(後述する)を収容する空間を備えている。また、ハウジング部55は、クオータピラー24の開口24aからクオータピラー24のピラー内部65に収納可能に形成されている。
 フランジ部56は、例えば、ハウジング部55の頂部55aからハウジング周壁58に対して外側に向けて張り出されている。フランジ部56のうち、一対の短壁62に対応する位置に取付孔66がそれぞれ貫通されている。
 フランジ部56は、ハウジング部55がクオータピラー24の開口24aからピラー内部65に収納された状態において、クオータピラー24の表面((車体の表面))24bに接触する。この状態において、一対の取付孔66にボルト67が挿通され、クオータピラー24の取付孔68に差し込まれる。取付孔68に差し込まれたボルト67がナット69にねじ結合される。
 これにより、フランジ部56(すなわち、キャッチャ46)がクオータピラー24に一対のボルト67で取り付けられる。ハウジング部55にはピン群体57が収容されている。
 ピン群体57は、プレート72と、複数の支持ロッド(ビス)73と、複数のピン74と、複数のスプリング75と、を備えている。
 プレート72は、例えば、樹脂材でハウジング周壁58の内面58aに圧入可能に平面視矩形の板状に形成されている。よって、プレート72は、ハウジング部55の頂部55aの開口からハウジング部55の内部63の所定位置に収容される。これにより、プレート72は、例えば、ハウジング周壁58の内面58aに圧入され、ハウジング部55の内部63の所定位置に固定される。この状態において、プレート72の表面72aがハウジング部55の開口の側に配置され、プレート72の裏面72bがハウジング底部59の側に配置される。
 なお、実施形態では、ハウジング部55にプレート72を圧入する例について説明するが、これに限らない。その他の例として、例えば、ハウジング周壁58の溝部にプレート72を嵌め込んで固定してもよく、あるいは、ハウジング周壁58にプレート72をボルトなどの締結部材で固定してもよい。
 プレート72は、複数の貫通孔77を有する。複数の貫通孔77は、例えば、円形に形成され、プレート72の表面72aから裏面72bまで貫通されている。以下、プレート72の表面72aを「プレート表面72a」、プレート72の裏面72bを「プレート裏面72b」ということもある。
 複数の貫通孔77は、例えば、プレート72の全域にハチの巣状に配置されている。複数の貫通孔77には、支持ロッド73が貫通されている。
 支持ロッド73は、軸部78と、頭部79と、を有する。軸部78は、例えば、円柱に形成されたロッドであり、先端部にねじ部78aを有する。軸部78のうちねじ部78aの反対側の基端部には頭部79が形成されている。頭部79は、軸部78の軸線に対して直交する径方向に軸部78より大きく張り出され、貫通孔77より大きく形成されている。
 ここで、支持ロッド73は、ねじ部78aがプレート裏面72bの側から貫通孔77に挿通され、プレート表面72aの側からハウジング部55の開口(すなわち、頂部55a)に向けて突出されている。この状態において、頭部79がプレート裏面72bに当接され、支持ロッド73が貫通孔77からハウジング部55の開口の側に抜け出さないように支持されている。
 貫通孔77からプレート表面72aの側に突出した軸部78には、スプリング75がねじ部78aの側から嵌装されている。スプリング75は、例えば、軸部78に嵌装可能に形成された圧縮コイルスプリングである。
 軸部78は、例えば、スプリング75から突出するねじ部78aが、ピン74の基端部のねじ孔74aにねじ結合されている。これにより、軸部78は、ピン74に同軸に取り付けられている。
 ピン74は、例えば、金属材で断面が丸形のロッドに形成され、軸部78の軸線に対して直交する径方向に軸部78より大きく張り出されている。スプリング75は、ピン74の基端部とプレート72の表面72aとの間に圧縮された状態で介在されている。
 スプリング75の付勢力で、ピン74がハウジング部55の開口に向けて付勢され、支持ロッド73の頭部79がプレート裏面72bに係止されている。頭部79がプレート裏面72bに係止されることにより、プレート72の貫通孔77から支持ロッド73が抜け出すことを防止できる。これにより、支持ロッド73がプレート72に支持されて、ピン74が支持位置に配置される。
 このように、複数のピン74は、プレート72がハウジング部55に圧入により固定された状態において支持位置に配置される。この状態において、複数のピン74は、ハウジング部55の開口の側に位置する先端74bが、クオータピラー24の外方に対向し、かつ、クオータピラー24の表面24bに沿って配置(整列)されている。
 また、複数のピン74は、後述するように、第2フック部49の進入方向(すなわち、支持ロッド73の軸線方向)に対してハウジング部55の内部63に向けて押し付けられる。これにより、複数のピン74は、スプリング75の付勢力に抗して支持位置からプレート72に向けて移動可能に支持されている。
 また、図5、図6に示すように、複数のピン74は、例えば、隣り合うピン74が接触することにより、最密なハチの巣状に支持(充填)されている。具体的には、複数のピン74は、例えば、断面円形の直径Dに対して、隣り合うピン74の中心間の距離のうち一方がD/2になるように配置されることにより、最密なハチの巣状に配置されている。
 すなわち、ピン群体57は、第2フック部49の進入方向に対して複数のピン74が進退自在で、かつ、ハチの巣状に隙間なく複数のピン74がハウジング部55にプレート72を介して支持されている。なお、複数のピン74の配列はハチの巣状に限らない。
 図3から図5に戻って、キャッチャ46は、ピン群体57をハウジング部55の内部空間に支持し、ハウジング部55をフランジ部56でクオータピラー24に取り付ける簡素な構造に構成されている。
 また、ハウジング部55にピン群体57を収容し、フランジ部56をクオータピラー24に取り付けることにより、キャッチャ46の取付作業を容易にできる。
 図7に示すように、サイドドア31が矢印A方向に閉じされるとき、フック45の第2フック部49がピン群体57に進入する。進入する第2フック部49が、複数のピン74のうち一部のピン74の先端74bに当接する。第2フック部49が当接した一部のピン74の先端74bが第2フック部49によりプレート72に向けて押し付けられる。
 第2フック部49に押し付けられたピン74は、第2フック部49の押付力によりスプリング75の付勢力に抗して支持位置からプレート72に向けて移動する。第2フック部49に押し付けられたピン74がプレート72の側に移動することにより、第2フック部49がハウジング部55の内部63に収容される。よって、一部のピン74に隣接する周囲のピン74により、第2フック部49の全周が囲まれた状態に接触される。
 これにより、キャッチャ46とフック45との間に組立公差などによる隙間を設定しても、一部のピン74に隣接する周囲のピン74で第2フック部49とキャッチャ46との隙間を埋めることができる。すなわち、第2フック部49は、一部のピン74に隣接する周囲のピン74により支持される。よって、第2フック部49とキャッチャ46とを接触させた状態に保つことができる。
 ここで、第2フック部49がキャッチャ46に嵌入された状態において、例えば、側面衝突や応力により衝撃荷重F1が車両10に左側方から入力する。この場合に、入力した衝撃荷重F1で第2フック部49をキャッチャ46に迅速に係合(係止)させることができる。よって、衝撃荷重F1の一部をサイドドア31(具体的には、第3ビーム39)に荷重F2として迅速に分散できる。したがって、車両10に入力した衝撃荷重F1により車体11(特に、クオータピラー24)が車室に向けて変形することを好適に抑制できる。
 また、フックの第1フック部48は、例えば、ブラケットを介在させることなく第3ビーム39の後端部39bに直接設けられている。よって、例えば、衝突による衝撃荷重F1が車両10に左側方から入力した場合に、入力した衝撃荷重F1の一部をサイドドア31(具体的には、第3ビーム39)にフック45を経て荷重F2として迅速に分散できる。
 これにより、車両10に入力した衝撃荷重F1により車体11(特に、クオータピラー24)が車室に向けて変形することを一層好適に抑制できる。
 また、フック45は、第1フック部48および第2フック部49で断面L字形に形成され、第2フック部49がキャッチャ46に向けて延ばされている。
 ここで、例えば衝突などにより衝撃荷重F1が車両10に左側方から入力した場合に、第3ビーム39が車体前方(長手方向)へ矢印Bの如く引っ張られる。このため、フック45に曲げ方向の荷重F3が作用して、第2フック部49がキャッチャ46から跳ね上げられることが考えられる。
 そこで、第2フック部49とキャッチャ46との隙間を、第2フック部49が当接した一部のピン74に隣接する周囲のピン74で埋めるようにした。よって、第3ビーム39が車体前方へ矢印Bの如く引っ張られた場合に、第2フック部49を一部のピン74に隣接する周囲のピン74で支えてフック45を曲がり難くできる。
 これにより、第3ビーム39が引っ張られたときに、第2フック部49がキャッチャ46から跳ね上げられることを抑制して、衝撃荷重F1の一部を第3ビーム39に荷重F2として迅速に分散できる。したがって、車両10に入力した衝撃荷重F1で車体11(クオータピラー24)が車室に向けて変形することを一層好適に抑制できる。
 また、図1、図7に示すように、第2ビーム38の前端部38aが第1ドアヒンジ32によりセンタピラー23に支持されている。また、サイドドア31が閉じられた状態において、第2ビーム38の後端部38bがドアロック装置34によりクオータピラー24に支持される。
 さらに、第3ビーム39の前端部39aが第2ドアヒンジ33によりセンタピラー23に支持されている。また、サイドドア31が閉じられた状態において、キャッチャ46(具体的には、ピン群体57)に対応する後端部39bにフック45が設けられている。よって、第3ビーム39は、サイドドア31が閉じられた状態において、前端部39aが第2ドアヒンジ33によりセンタピラー23に支持され、後端部39bがキャッチャ機構35によりクオータピラー24に支持される。
 これにより、サイドドア31は、後開口部14を開閉するように、前部が第1ドアヒンジ32および第2ドアヒンジ33によりセンタピラー23に支持され、後部がドアロック装置34およびキャッチャ機構35によりクオータピラー24に支持される。
 以上説明したように、実施形態の自動車の開閉体構造によれば、例えば、側面衝突による衝撃荷重F1が車両10に左側方から入力した場合に、入力した衝撃荷重F1の一部を第2ビーム38にドアロック装置34を経て迅速に分散できる。さらに、入力した衝撃荷重F1の一部を第3ビーム39にフック45を経て迅速に分散できる。
 すなわち、入力した衝撃荷重F1を第2ビーム38および第3ビーム39に迅速に分散することができる。これにより、車両10に入力した衝撃荷重F1により車体11(すなわち、クオータピラー24)が車室に向けて変形することを一層好適に抑制できる。
 加えて、図6、図8に示すように、複数のピン74は、隣り合うピン74が接触することにより、最密なハチの巣状に支持されている。よって、第2フック部49が当接した一部のピン74に隣接する周囲のピン74により、第2フック部49とキャッチャ46との隙間を好適に埋めることができる。
 ここで、サイドドア31を車体11(すなわち、センタピラー23)(図1参照)に建て付ける(組み付ける)際に、例えば、ばらつきが生じることが考えられる。この場合でも、第2フック部49が当接した一部のピン74に隣接する周囲のピン74により、第2フック部49にキャッチャ46を接触させた状態に保つことができる。
 すなわち、サイドドア31を車体11(すなわち、センタピラー23)に建て付ける際に生じるばらつきをキャッチャ46とフック45とにより許容できる。
 なお、実施形態では、ピン74の断面を丸形に形成した例について説明するが、これに限らない。その他の例として、例えば、ピン74の断面を多角形に形成してもよい。特に、ピン74の断面を六角形に形成することにより、第2フック部49が当接した一部のピン74に隣接する周囲のピン74で、第2フック部49との隙間を一層好適に埋めることができ好ましい。
 また、図5、図7に示すように、サイドドア31が矢印C方向に開けられるとき、第2フック部49がピン群体57から退出する。よって、第2フック部49が当接した一部のピン74が、第2フック部49の退出によりスプリング75の付勢力で支持位置に戻る。一部のピン74が支持位置に戻ることにより、一部のピン74の先端74bがクオータピラー24の表面24bに沿って配置(整列)される。
 ここで、上述したように、複数のピン74はハチの巣状にきれいに整列されている。よって、第2フック部49の退出によりピン74が支持位置に戻ることにより、複数のピン74の先端74bがクオータピラー24の表面24bに沿ってきれいに配置(整列)される。
 これにより、自動車にキャッチャ46を備えても外観性に影響を与える虞はない。すなわち、自動車の開閉体構造を、例えば、通常の自動車の後開口部14を開閉するサイドドア31に適用できる。
<前サイドドア構造>
 図1に示すように、前サイドドア構造15は、後サイドドア構造16の第2ビーム38に相当するビームを備えていないだけで、その他の構成は後サイドドア構造16と同様である。
 前サイドドア構造15によれば、サイドドア(開閉体)84に第3ビーム(ビーム、下側のビーム)85を備えている。第3ビーム85は、前端部85aが第1ドアヒンジ(ドアヒンジ)86によりフロントピラー22に支持され、後端部85bがキャッチャ機構88によりセンタピラー(ピラー)23に支持される。
 前サイドドア構造15のキャッチャ機構88は、後サイドドア構造16のキャッチャ機構35と同様に構成されている。すなわち、キャッチャ機構88は、フックが第3ビーム85の後端部85bに取り付けられ、キャッチャが車体11(具体的には、センタピラー23)に取り付けられている。
 また、前サイドドア構造15のサイドドア84は、前開口部13を開閉するように、前部が第1ドアヒンジ86および第2ドアヒンジ(ドアヒンジ)87によりフロントピラー22に支持されている。さらに、サイドドア84は、閉じられた状態において、後部がドアロック装置89およびキャッチャ機構88によりセンタピラー23に支持される。
 前サイドドア構造15によれば、後サイドドア構造16と同様に、車両10に入力した衝撃荷重により車体11(すなわち、センタピラー23)が車室に向けて変形することを好適に抑制できる。
 また、前サイドドア構造15によれば、後サイドドア構造16と同様に、自動車の外観性に影響を与える虞がない。
 加えて、前サイドドア構造15によれば、後サイドドア構造16と同様に、サイドドア84を車体11(すなわち、フロントピラー22)に建て付ける際に生じるばらつきをキャッチャ機構88により許容できる。
 その他、前サイドドア構造15によれば、後サイドドア構造16と同様の効果を得ることができる。
<自動車の開閉体構造の製造方法>
 つぎに、自動車の開閉体構造の製造方法の代表例として、後サイドドア構造16の製造方法を図3から図5に基づいて説明する。
 まず、図3、図4に示すように、第1工程において、複数のピン74をフック45の進入方向に対して進退自在で、かつハチの巣状にプレート72に支持する。
 具体的には、例えば、プレート裏面72bの側から貫通孔77に支持ロッド73の軸部78をねじ部78aから挿通する。支持ロッド73をプレート表面72aの側から突出させ、支持ロッド73の頭部79をプレート裏面72bに当接する。
 つぎに、貫通孔77からプレート表面72aの側に突出した軸部78にスプリング75をねじ部78aから嵌装する。ついで、ピン74の基端部のねじ孔74aにねじ部78aをねじ結合して、支持ロッド73をピン74に同軸に取り付ける。この状態において、ピン74の基端部とプレート表面72aとの間にスプリング75が圧縮された状態で介在される。
 スプリング75の付勢力で、ピン74をプレート表面72aから離す方向に付勢し、支持ロッド73の頭部79をプレート裏面72bに係止する。頭部79がプレート裏面72bに係止されることにより、支持ロッド73がプレート72に取り付けられ、ピン74が支持位置に配置される。
 上述した手順で、その他の支持ロッド73をプレート72に取り付け、その他の複数のピン74を支持位置に配置する。プレート72に取り付けられた複数のピン74は、例えば、先端74bが同一面に配置され、かつ、隣り合うピン74が接触することにより、最密なハチの巣状に支持される。
 また、複数のピン74は、第2フック部49の進入方向(すなわち、支持ロッド73の軸線方向)に対して進退自在に支持される。これにより、ハウジング部55の外部において、ピン群体57を組み付ける第1工程が完了する。
 つぎに、図3、図5に示すように、第2工程において、クオータピラー24の開口24aからクオータピラー24のピラー内部65にキャッチャ46のハウジング部55を収納する。ハウジング部55を収納することにより、クオータピラー24の表面24bにキャッチャ46のフランジ部56を接触する。この状態において、フランジ部56の一対の取付孔66(図4参照)にボルト67を差し込み、クオータピラー24にねじ結合する。これにより、フランジ部56(すなわち、ハウジング部55)をクオータピラー24に一対のボルト67で取り付ける。
 クオータピラー24に取り付けられたハウジング部55に、ハウジング部55の開口(すなわち、頂部55a)からピン群体57を内部63に収容する。収容したピン群体57のプレート72をハウジング周壁58の内面58aに圧入することにより、プレート72をハウジング部55に固定する。この状態において、複数のピン74のうち、クオータピラー24の外方に対向(位置)する先端74bが、クオータピラー24の表面24bに沿って配置(整列)される。
 このように、自動車の開閉体構造の製造方法によれば、第1工程において、複数のピン74をフック(具体的には、第2フック部49)の進入方向に対して進退自在で、かつハチの巣状にプレート72に支持する。つぎに、第2工程において、プレート72に複数のピン74などが支持されたピン群体57をハウジング部55に収容する。収容したプレート72をハウジング部55に圧入して固定する。これにより、複数のピン74(すなわち、ピン群体57)をハウジング部55に簡単に収容でき、キャッチャ46を容易に製造できる。
 なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
 例えば、前記実施形態では、自動車の開閉体構造として前サイドドア構造や後サイドドア構造16を例に説明したが、これに限らない。その他の例として、例えば、自動車の開閉体構造をトランク、フードなどに適用してもよい。自動車の開閉体構造をトランクやフードなどに適用させた場合にも、前サイドドア構造や後サイドドア構造16と同様に、衝突による衝撃荷重をトランクやフードなどに好適に分散させて車体11の車室への変形を抑えることができるなどの効果が得られる。
 また、前記実施形態では、例えば、車体後側のサイドドア31にフック45を設け、クオータピラー24にキャッチャ46を設けた例について説明したが、これに限らない。その他の例として、例えば、サイドドア31にキャッチャ46を設け、クオータピラー24にフック45を設けてもよい。
 さらに、前記実施形態では、例えば、側面衝突により車両10に左側方から入力する衝撃荷重F1を例に説明したが、衝撃荷重は側面衝突などによるものには限らない。
 その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10 車両
11 車体
12 車体側部(車体の側部)
13 前開口部(開口部)
14 後開口部(開口部)
15 前サイドドア構造(自動車の開閉体構造)
16 後サイドドア構造(自動車の開閉体構造)
23 センタピラー(ピラー)
24 クオータピラー(ピラー)
24b クオータピラーの表面(車体の表面)
31,84 サイドドア(開閉体)
32,86 第1ドアヒンジ(ドアヒンジ)
33,87 第2ドアヒンジ(ドアヒンジ)
34,89 ドアロック装置
35,88 キャッチャ機構
36 ドア本体(本体)
36a ドア本体の前部
36b ドア本体の後部
38 第2ビーム(ビーム、上側のビーム)
38a 第2ビームの前端部
38b 第2ビームの後端部
39,85 第3ビーム(ビーム、下側のビーム)
39a,85a 第3ビームの前端部
39b,85b 第3ビームの後端部
45 フック
46 キャッチャ
48 第1フック部
49 第2フック部
55 ハウジング部
56 フランジ部
57 ピン群体
63 ハウジング部の内部
72 プレート
73 支持ロッド
74 ピン
74b ピンの先端
75 スプリング
77 貫通孔
78 軸部
78aねじ部
79 頭部

Claims (10)

  1.  車体の開口部に開閉自在に設けられた開閉体と、
     前記開閉体および車体の一方に設けられたフックと、
     前記フックに係合するように、前記開閉体および車体の他方に設けられたキャッチャと、を備え、
     前記キャッチャは、
     前記フックの進入方向に対して進退自在で、かつ、互いに接触して隣り合うように支持された複数のピンを有するピン群体を備えている、
     自動車の開閉体構造。
  2.  前記ピン群体は、
     前記ピンの断面が丸形または多角形に形成され、隣り合う前記ピンが接触することにより、前記複数のピンが最密なハチの巣状に支持されている、
     請求項1に記載の自動車の開閉体構造。
  3.  前記キャッチャは、
     前記ピン群体を収容するハウジング部と、
     前記ハウジング部に設けられて、前記車体に取り付けられるフランジ部と、を備えている、
     請求項1または請求項2に記載の自動車の開閉体構造。
  4.  前記ピン群体は、
     前記ハウジング部の内部に固定されるプレートと、
     前記プレートの貫通孔に挿通され、かつ前記ピンに取り付けられる支持ロッドと、
     前記支持ロッドに嵌装され、前記ピンを支持位置に付勢するスプリングと、を備えている、
     請求項3に記載の自動車の開閉体構造。
  5.  前記ピン群体は、
     前記フックの進入により前記ピンが押し付けられることにより、前記スプリングの付勢力に抗して前記フックが前記ハウジング部の内部に収容され、
     前記フックの退出により前記スプリングの付勢力で前記ピンが前記支持位置に戻る、
     請求項4に記載の自動車の開閉体構造。
  6.  前記支持ロッドは、
     前記貫通孔に挿通されるとともに先端部が前記ピンに取り付けられ、前記ピンおよび前記プレートの間に介在された前記スプリングが嵌装される軸部と、
     前記軸部のうち前記先端部の反対側の基端部に形成されて、前記スプリングの付勢力で前記プレートに係止する頭部と、を有する、
     請求項4または請求項5に記載の自動車の開閉体構造。
  7.  前記開閉体は、前記開口部を覆う本体を補強するビームを備え、
     前記フックは、
     前記開閉体が閉じられた状態において、前記ビームのうち前記キャッチャに対応する部位に設けられた第1フック部と、
     前記開閉体が閉じられた状態において、前記第1フック部から前記キャッチャに向けて延びる第2フック部と、を備え、
     前記第1フック部および前記第2フック部で前記フックが断面L字形に形成されている、
     請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の自動車の開閉体構造。
  8.  前記開閉体は、
     前記車体の側部に形成された前記開口部を開閉するように、前部および後部がドアヒンジおよびドアロック装置でそれぞれ前記車体に支持され、上下に前記ビームが設けられたサイドドアであり、
     上側の前記ビームは、
     前記サイドドアが閉じられた状態において、前端部および後端部が前記ドアヒンジおよび前記ドアロック装置によりそれぞれ前記車体に支持され、
     下側の前記ビームは、
     前記サイドドアが閉じられた状態において、前記キャッチャに対応する後端部に前記フックが設けられ、前端部および前記フックが前記ドアヒンジおよび前記キャッチャによりそれぞれ前記車体に支持される、
     請求項7に記載の自動車の開閉体構造。
  9.  前記ピン群体は、
     前記フックが前記キャッチャから退出した状態において、前記ピンのうち前記車体の外方に対向する先端が前記車体の表面に沿って配置される、
     請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の自動車の開閉体構造。
  10.  車体の開口部に開閉自在に設けられた開閉体と、
     前記開閉体および前記車体の一方に設けられたフックと、
     前記フックに係合するように、前記開閉体および前記車体の他方に設けられたキャッチャと、を備え、
     前記キャッチャは、
     前記開閉体および前記車体の他方に設けられたハウジング部と、
     前記ハウジング部に収容され、前記フックの進入方向に対して進退自在で、かつ、互いに接触して隣り合うように支持された複数のピンを有するピン群体と、を備える自動車の開閉体構造の製造方法であって、
     前記複数のピンを前記フックの進入方向に対して進退自在で、かつ、互いに接触して隣り合うようにプレートに支持して前記ピン群体を組み付ける第1工程と、
     前記ピン群体を前記ハウジング部に収容して、前記プレートを前記ハウジング部に固定する第2工程と、を備える、
     自動車の開閉体構造の製造方法。
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