JP2017108994A - コマ玩具 - Google Patents
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このコマ玩具では、スプリングの付勢力によって、上側に位置する胴体側の爪の上面と下側に位置する軸部側の爪の下面とを上下方向で当接させるとともに、胴体側の歯部と軸部側の突起とを上下方向で噛合させる構成となっている。
このコマ玩具によれば、コマ玩具同士が互いに衝突した際の衝撃力によって、胴体の回転が抑制される一方で軸部が引き続き回転を継続しようとすることにより、胴体と軸部とが相対的に反対方向に回転し、胴体側の爪の上面と軸部側の爪の下面との当接が解除され、コマ玩具の胴体と軸部とが分解される。
しかしながら、上記特許文献1のコマ玩具の場合、胴体側の歯部と軸部側の突起との噛合力はスプリングの付勢力に依存する。そして、スプリングの付勢力が小さいと噛合力が弱くなり、コマ玩具が互いに衝突した際に胴体と軸部とが簡単に分解されてしまい、反対に、スプリングの付勢力が大きいと噛合力が強くなり、コマ玩具が互いに衝突した際に胴体と軸部とが極めて分解し難くなる。
上側の胴体には第1の爪が形成され、下側の軸部には第2の爪が形成され、前記胴体と前記軸部とは、前記軸部の軸線を中心とする相対的な回転位置に応じて、前記第1の爪の上面と前記第2の爪の下面が対向するように前記第1の爪と前記第2の爪とが上下方向で重なる結合状態と、前記第1の爪と前記第2の爪とが上下方向で重ならない結合解除状態とを取り得、前記結合解除状態から前記胴体に対して前記軸部を所定の回転方向に回転させることで前記結合状態とされ、前記コマ玩具の回転中に受ける衝撃によって前記胴体に対して前記軸部が前記回転方向とは反対の方向に相対回転し前記結合解除状態に至った際に前記胴体と前記軸部との結合が解除されて分解されるバトル用のコマ玩具において、
前記胴体及び前記軸部のそれぞれには前記結合状態において半径方向で互いに対向する部分が形成され、
前記胴体側の前記対向する部分と前記軸部側の前記対向する部分とには、互いの当接によって、前記コマ玩具の回転中に受ける衝撃によって徐々に又は段階的に前記相対回転するように当該相対回転に抗らう抵抗手段が固定して設けられていることを特徴とする。
図1は、本発明に係るコマ玩具の一実施形態の遊び方を説明した図、図2は、本実施形態のコマ玩具の分解斜視図、図3は、本実施形態のコマ玩具の分解断面斜視図である。本明細書においては、上下、左右及び前後は図2及び図3に示した向きを言うものとする。
実施形態のコマ玩具1は、いわゆるコマ玩具同士のバトルゲームに使用することが可能なコマ玩具である。具体的には、このコマ玩具1は、互いの衝突による衝撃力で相手方のコマ玩具1を図1の右側のように分解させて勝利とするようなバトルゲームに使用できる。
このコマ玩具1は、図2および図3に示すように、下部構造を構成する軸部10と、上部構造を構成する性能可変リング30および胴体40とによって構成されている。
1.軸部10について
軸部10は、下部に回転軸11、中間部に鍔12、上部に円筒状部13を備えている。この軸部10は合成樹脂で形成されている。ただし、材料は合成樹脂に限定されず、金属製であってもよい。
軸部10において、鍔12から下の部分は、当該鍔12から下端に向けて段状に窄んだ形状となっており、全体として略逆円錐状に形成されている。
鍔12の上にある円筒状部13には、図2に示すように、回転軸11の軸線を挟み左右方向で対峙する部位2箇所それぞれに半径方向外方に張り出す突出部15が形成されている。この突出部15の外面は鍔12の外周面と面一となっている。また、円筒状部13には、回転軸11の軸線方向に延在し下端から上端(自由端)にまで至る直線状スリット14が円周方向に所定間隔で4つ形成されている。この直線状スリット14を形成することで、直線状スリット14によって区画された部分、特に後述の起伏部13aが形成される部分に、半径方向の弾性を持たせている。
図4A及び図4Bに示すように、円筒状部13の内周壁には半径方向に起伏する起伏部13aが一体的に形成されている。この起伏部13aは歯部を三角波状となるように円周方向に沿って所定間隔で複数形成した形となっている。
円筒状部13の内方には円柱体16が立設されている。この円柱体16の上端は特に限定はされないが円筒状部13の上端よりも僅かに高い位置に設定されている。この円柱体16の上端部には回転軸11の軸線を挟み前後方向で対峙する部位2箇所それぞれに半径方向外側に張り出す爪(第2の爪)17が形成されている。
この実施形態では、性能可変リング30としてフライホイールが用いられている。この性能可変リング30は板状を成している。この性能可変リング30の底面には軸部10の鍔12を下方から収容可能な環状段部31が形成されている。また、この性能可変リング30の上面には回転軸11の軸線を挟み左右方向で対峙する部位2箇所それぞれに上方に向けて張り出す突出部32が形成されている。各突出部32の下側部分には、軸部10の突出部15を下方から収容可能な凹部33が形成されている。また、性能可変リング30の上面には、各突出部32の直ぐ外側に上方に延びる舌片34が形成されている。舌片34は突出部32よりも上方に突出している。なお、この性能可変リング30としては、フライホイールに代えて或いはフライホイールと一体的で、外周面に半径方向外方に張り出す突出部があって相手方のコマ玩具1を攻撃し易くしたものや、外周面に半径方向に凹む凹部があって相手方のコマ玩具1からの攻撃を受け難くしたものであってもよい。
胴体40は円盤状を成している。この胴体40は、図2に示すように、基体400と、上面視で基体400と略同形で基体400の上に被せられた透明カバー体401とを備えている。
胴体40の外周には凹凸40aが形成されている。また、基体400の中央には円孔41が形成されている。この円孔41は上記透明カバー体401によって上端開口が塞がれている。さらに、図3に示すように、胴体40の下面には、性能可変リング30の突出部32を下方から収容可能な環状凹部42が形成されている。この環状凹部42を区画形成する内周璧43aの内周面下端には、回転軸11の軸線を挟み左右方向で対峙する部位2箇所それぞれに半径方向内側に向けて張り出す爪(第1の爪)44が突設されている。また、内周璧43aの外周面には、回転軸11の軸線を挟み前後方向で対峙する部位2箇所それぞれに半径方向外側に向けて張り出す突起45が一体的に設けられている。この突起45は上面視で3角形状となっており、上記起伏部13aの谷部分に係合可能に形成されている。
また、胴体40の環状凹部42を区画形成する天井壁43bには、性能可変リング30の舌片34を下方から挿入可能な弧状スリット46が形成されている。この弧状スリット46の長さは舌片34が十分に移動し得る長さとなっている。
次に、コマ玩具1の組立方法の一例を説明する。
まず、軸部10の突出部15を下方から性能可変リング30の凹部33に合致させるようにして、軸部10と性能可変リング30を嵌合状態に組み付ける。次に、この組付け体を胴体40に下方から近付ける。この際、上記組付け体の性能可変リング30の舌片34を胴体40の弧状スリット46の所定の端に合致させる(図4A)。この状態は、軸部10の爪17と胴体40の爪44とが上下方向で重なっていない状態である。この状態が結合解除状態である。その後、軸部10を性能可変リング30と一体的に胴体40に対して舌片34が上記所定の端とは反対側の端まで移動するまで回転させる(図4B)。この場合の回転は、胴体40及び性能可変リング30と軸部10との相対的な回転であって、図4(B)では、胴体40側を軸部10及び性能可変リング30に対して回転させた状態が示されている。すると、軸部10の爪17と胴体40の爪44とが上下で重なった状態となる。この状態が完全な結合状態である。これにより、軸部10の爪17の下面と胴体40の爪44の上面とが当接され、軸部10と、性能可変リング30及び胴体40が結合され、コマ玩具1が組み立てられる。
続いて、このコマ玩具1を使用しての遊び方の一例を説明する。
この遊び方の一例では、コマ玩具1を回転させて、相手方のコマ玩具1と戦いを行う。
この場合、コマ玩具1の回転力のチャージは、図5に示すようなランチャー50によって行われる。このランチャー50は、内部に図示しない円板を備え、その円板を図示しないゼンマイばねで一の回転方向に付勢するとともに、円板の周囲に巻く回させた図示しない紐をハンドル51で引くと、円板が回転され、コマホルダー53が回転されるように構成されている。このコマホルダー53の回転は、下方に突設されたフォーク(爪)54によってコマ玩具1に伝達され、コマ玩具1を回転する。この場合、フォーク54は胴体40の弧状スリット46に差し込まれる。そして、ランチャー50のハンドル51を引き切ると、円板ひいてはコマホルダー53の回転が停止する一方で、コマ玩具1は慣性力によって尚も回転するので、フォーク54の傾斜面54aを倣ってコマ玩具1がコマホルダー53から外れる。なお、図5において符号52はコマホルダー53に対して出没可能なロッドである。このロッド52はコマホルダー53にコマ玩具1を装着した際にコマ玩具1の上面に押されてコマホルダー53に没する。このロッド52は例えばコマ玩具1の着脱の検出に使用される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
さらには、上面視で時計方向に回転するコマ玩具1と上面視で反時計方向に回転するコマ玩具1とでバトルをさせることも可能である。
この場合には、コマ玩具1,1同士の衝突及び擦れによって、軸部10に対して胴体40が結合解除状態から結合状態の方に相対的に回転する。換言すれば、軸部10と胴体40とが締まる方向に回転する。したがって、コマ玩具1は衝突及び擦れによっては分解されにくくなるが、この場合には、相手方のコマ玩具1を弾き出してバトルの勝敗を決する等の態様のバトルが楽しめることになる。勿論、3個以上のコマ玩具1でバトルをすることもできる。
10 軸部
13a 起伏部
14 直線状スリット
17 爪(第2の爪)
21 凸条(凸部)
30 性能可変リング
34 舌片
40 胴体
46 弧状スリット
50 ランチャー
上側の胴体には第1の爪が形成され、下側の軸部には第2の爪が形成され、前記胴体と前記軸部とは、前記軸部の軸線を中心とする相対的な回転位置に応じて、前記第1の爪の上面と前記第2の爪の下面が対向するように前記第1の爪と前記第2の爪とが上下方向で重なる結合状態と、前記第1の爪と前記第2の爪とが上下方向で重ならない結合解除状態とを取り得、前記結合解除状態から前記胴体に対して前記軸部を所定の回転方向に回転させることで前記結合状態とされ、前記コマ玩具の回転中に受ける衝撃によって前記胴体に対して前記軸部が前記回転方向とは反対の方向に相対回転し前記結合解除状態に至った際に前記胴体と前記軸部との結合が解除されて分解されるバトル用のコマ玩具において、
前記胴体及び前記軸部のそれぞれには前記結合状態において半径方向で互いに対向する部分が形成され、
前記胴体側の前記対向する部分と前記軸部側の前記対向する部分とには、それぞれ抵抗部分が形成され、少なくとも一方の前記抵抗部分は半径方向に弾性を有し、この弾性による前記抵抗部分同士の互いの当接によって、前記コマ玩具の回転中に受ける衝撃で徐々に又は段階的に前記相対回転するように当該相対回転に抗らう抵抗手段が固定して設けられていることを特徴とする。
Claims (8)
- 上側の胴体には第1の爪が形成され、下側の軸部には第2の爪が形成され、前記胴体と前記軸部とは、前記軸部の軸線を中心とする相対的な回転位置に応じて、前記第1の爪の上面と前記第2の爪の下面が対向するように前記第1の爪と前記第2の爪とが上下方向で重なる結合状態と、前記第1の爪と前記第2の爪とが上下方向で重ならない結合解除状態とを取り得、前記結合解除状態から前記胴体に対して前記軸部を所定の回転方向に回転させることで前記結合状態とされ、前記コマ玩具の回転中に受ける衝撃によって前記胴体に対して前記軸部が前記回転方向とは反対の方向に相対回転し前記結合解除状態に至った際に前記胴体と前記軸部との結合が解除されて分解されるバトル用のコマ玩具において、
前記胴体及び前記軸部のそれぞれには前記結合状態において半径方向で互いに対向する部分が形成され、
前記胴体側の前記対向する部分と前記軸部側の前記対向する部分とには、互いの当接によって、前記コマ玩具の回転中に受ける衝撃によって徐々に又は段階的に前記相対回転するように当該相対回転に抗らう抵抗手段が固定して設けられていることを特徴とするコマ玩具。 - 前記抵抗手段として、前記胴体側の対向する部分又は前記軸部側の対向する部分の一方には、半径方向で起伏する起伏部が形成され、前記胴体側の対向する部分又は前記軸部側の対向する部分の他方には、前記起伏部の谷部分に係合可能な突起が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコマ玩具。
- 前記起伏部は三角波状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のコマ玩具。
- 前記胴体側の対向する部分又は前記軸部側の対向する部分の一方は、前記軸部の軸線と合致した軸線を有する円筒状部から構成され、前記円筒状部には母線方向に延び自由端に至る直線状スリットが円周方向に複数形成され、前記円筒状部の前記スリットによって区画された部分は半径方向に弾性を有し、この弾性を有する部分には、対応する前記起伏部又は前記突起が形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のコマ玩具。
- 前記第1の爪の上面と前記第2の爪の下面とを当接させるスプリングを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のコマ玩具。
- コマ玩具の性能を変化させ得る性能可変リングを備え、前記性能可変リングは、前記結合状態で、前記胴体と前記軸部との間に挟持されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のコマ玩具。
- 前記胴体には弧状スリットが形成され、前記性能可変リングには上方に向けて突出し前記弧状スリットに下方から挿入される舌片が形成され、前記性能可変リングと前記軸部とは前記係合解除状態で上下方向から嵌合可能となっており、前記弧状スリットによって前記胴体に対する前記性能可変リングの回転範囲が規制されることを特徴とする請求項6に記載のコマ玩具。
- 前記弧状スリットは、前記結合解除状態では前記弧状スリットの一端に前記舌片が位置し、完全な前記結合状態では前記弧状スリットの他端に前記舌片が位置するように形成されていることを特徴とする請求項7に記載のコマ玩具。
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