JP2017108823A - シェイプアップ用の椅子 - Google Patents

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輝男 三原
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Abstract

【課題】着座した使用者に、肉体の能力の強化や痩身体型の維持などを目的としたシェイプアップ運動を効果的に行わせる。
【解決手段】本発明のシェイプアップ用の椅子1は、使用者Uが着座する座部2と、座部2を前後方向または左右方向に沿って傾動させる揺動機構6と、を備えていることを特徴とする。好ましくは、使用者Uの臀部または腰部に接触可能なように、座部2の後部、下部、または側部にはエアバッグが設けられており、揺動機構6は、複数のエアバッグを揺動機構6と協働的に用いて使用者Uにシェイプアップ運動を行わせる構成とされているとよい。
【選択図】図3

Description

本発明は、着座した使用者の腰部などに対してひねるような運動を行わせることのできるシェイプアップ用の椅子に関する。
近年、椅子型マッサージ機に着座した使用者に、肉体の能力の強化や痩身体型の維持などを目的とした引き締め運動、いわゆるシェイプアップ運動(ボディシェイプアップ、エクササイズ、あるいはワークアウトと呼ばれることもある。以降、これらをすべて含めてシェイプアップ運動という)を望むニーズが高まっている。このようなシェイプアップ運動が可能となる椅子型マッサージ機には、特許文献1に示すようなものがある。
例えば、特許文献1には、使用者が着座する座部と、座部の下側に配備され、且つ下方に向かって膨らんだ曲面を有すると共にこの曲面の少なくとも頂部で床面に接触して座部を支持する支持部と、座部に着座した使用者を押圧するエアバッグと、座部が後方に向かって所定の傾動角度以上に傾動することを抑制する転倒防止部と、を備えたシェイプアップ用の椅子が開示されている。
このように下方に向かって膨らんだ曲面を介して床面に接触するシェイプアップ用の椅子を用いれば、座部上での使用者の着座姿勢や着座位置が変化して椅子が傾き、傾いた椅子を元に戻そうとして使用者が上半身を傾いた側とは反対にひねるため、上半身のひねり運動を使用者に自然に行わせることができるようになる。また、配備された複数のエアバッグの一部を膨張させれば、座部上での使用者の着座姿勢や着座位置を意図的にアンバランスにすることができ、高い運動効果を得ることが可能となる。
特開2014−057722号公報
ところで、上述した特許文献1のシェイプアップ用の椅子は、エアバッグを膨張させることで使用者の着座姿勢や着座位置を変更させるものであるが、エアバッグから加えられる力はそれほど大きなものではない。そのため、体格が大柄の人や体重が重い人が使用する際には、着座姿勢や着座位置を大きく変化させることができず、椅子の傾きが不十分となって十分な運動効果が得られなくなる可能性がある。
また、バランス能力に優れた人が使用する場合には、エアバッグが膨張して着座姿勢や着座位置を変化させようとしても、使用者が自らの身体能力ですぐにアンバランスを修正してしまい、椅子の傾きが不十分となってインナーマッスルやコアマッスルなどの深層筋の鍛錬が十分に行われなくなる可能性もある。。
本発明は、上記した問題に鑑みて為されたものであり、使用者の着座姿勢や着座位置を確実に変更させて、シェイプアップ運動を効果的に行わせることができるシェイプアップ用の椅子を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明のシェイプアップ用の椅子は以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明に係るシェイプアップ用の椅子は、使用者が着座する座部と、前記座部を前後方向または左右方向に沿って傾動させる揺動機構と、を備えていることを特徴とする。
好ましくは、前記使用者の臀部または腰部に接触可能なように、前記座部の後部、下部、または側部にはエアバッグが設けられており、前記揺動機構は、前記複数のエアバッグを前記揺動機構と協働的に用いて使用者にシェイプアップ運動を行わせる構成とされているとよい。
好ましくは、前記揺動機構は、前記座部を水平方向に対して所定の傾斜角まで傾動させ、所定の傾斜角で前記座部の揺動を一時停止し、次に前記所定の傾斜角までの傾斜とは反対方向に向かって座部を傾斜させる構成とされているとよい。
好ましくは、前記揺動機構は、前記座部が上下方向に沿うように起立した中立位置に、前記座部の揺動姿勢を保持可能に構成されているとよい。
好ましくは、前記揺動機構の下側には、当該揺動機構を下方から支持する基台が設けられており、前記基台は、前側よりも後側の方が広くなるようにすることで、前記座部が後方に向かって転倒することを抑制可能とされているとよい。
好ましくは、揺動機構は、駆動軸に回転駆動力を発生させる駆動モータと、駆動モータの駆動軸の回転駆動力を受けて回転する動力伝達軸と、動力伝達軸の回転駆動力を用いて回転する回転軸と、を備えており、前記座部の下側には、当該座部を下方から支持する座部支持部が設けられており、前記回転軸には、当該回転軸と一体に回転可能なカムが取り付けられ、前記カムにおける回転軸の軸心から離れた位置には、前記回転軸の回転運動を並進運動に変換するクランク部材が連結されており、前記クランク部材を用いて前記座部支持部を水平方向に揺動させることで、前記座部を左右に揺動させる構成とされているとよい。
好ましくは、前記揺動機構により、前記座部を水平方向に対して一方向へ傾動させた際に、座部の一方側又は他方側に配備されたエアバッグが膨張するように構成されているとよい。
本発明に係るシェイプアップ用の椅子によれば、使用者の着座姿勢や着座位置を確実に変更させて、シェイプアップ運動を効果的に行わせることができる。
シェイプアップ用の椅子の使用態様を示す図である。 シェイプアップ用の椅子の正面図である。 シェイプアップ用の椅子の側面図である。 シェイプアップ用の椅子に設けられる座部及び揺動機構を右前方から見た図である。 シェイプアップ用の椅子に設けられる揺動機構を示した図である。 シェイプアップ用の椅子に設けられる座部及び揺動機構を左前方から見た図である。 シェイプアップ用の椅子の揺動運動を示す図である。
以下に、本発明の本実施形態のシェイプアップ用の椅子1(以降では、単に「椅子1」という)を図を基に説明する。図1〜図6は椅子1の外観または内部構造を示している。また、図7は、椅子1の姿勢変化を示した図とされている。なお、各図では説明の便宜上、構造の一部を省略して描く場合がある。
以下の説明では、図3の左右方向を椅子1を説明する際の前後方向と呼び、図3の上下方向を椅子1を説明する際の上下方向と呼ぶ。図2の左右方向を椅子1を説明する際の右左方向又は幅方向と呼ぶ。これらの方向は、椅子1に座った使用者Uから見たものと一致するものであり、適宜図面に矢印を用いて示している。同様に、椅子1の内部構造を説明する際には、図4〜図6に示した方向を用いながら説明を進める。
図1〜図6に示すように、本実施形態の椅子1は、使用者Uが着座する座部2と、この座部2の左右両側に設けられた肘掛け部3と、座部2の後側に設けられた背もたれ部4とを備えている。
図1〜図4に示すように、座部2は、着座する使用者Uの臀部を下方から支持するに十分な広さを有する部材であり、座部2に加わる重量を支えるに十分な剛性を有している。本実施形態の場合であれば、座部2は、プラスチックで形成された筐体と、この筐体内に配備された金属の棒材からなるフレームとを組み合わせて形成されている。
また、座部2の上面は、左右方向の両端側に比べて中央側が低く凹型に形成されている。この座部2の中央側は、クッション材などを載置できるように平坦な面状に形成されている。そして、この平坦な座部2の中央部には、後述する左下エアバッグ5Lと右下エアバッグ5Rとが左右に並んで設けられている。
さらに、座部2は、側面視で上側から下側に向かうにつれて水平方向に沿った断面積が小さくなるようなテーパ状に形成されており、座部2の下面の面積の方が上面の面積よりも小さくなっている。そして、この上面に比べて面積が小さな座部2の下面の中央側は、上方に向かってえぐれるように凹んでおり、この凹んだ部分の内側に後述する揺動機構6が収容されている。言い換えれば、座部2の下側には、下方に向かって垂れ下がった裾部7が、座部2の外周に沿って設けられており、揺動機構6は裾部7によって取り囲まれるように配備されている。
肘掛け部3は、座部2上面よりもさらに上方に向かって膨出するように、座部2の左右両側に設けられた部材であり、膨出した部分の上端に使用者Uの肘を載置できるようになっている。この肘掛け部3には、座部2の左側に設けられて使用者Uの左側の肘を支える左肘掛け部3Lと、座部2の右側に設けられて使用者Uの右側の肘を支える右肘掛け部3Rとがある。これら左右の肘掛け部3L、3Rは、座部2の中央を挟んで互いに左右対称な構造となっていて、いずれも使用者Uに面する側(幅方向内側)にエアバッグ(後述する左方エアバッグ8L及び右方エアバッグ8R)がそれぞれ内蔵されている。
図5に示されるように、背もたれ部4は、座部2の後側に、上下方向に向かって起立するように取り付けられた部材であり、座部2に着座した使用者Uの背中側を支持できるようになっている。この背もたれ部4の上端は、上述した肘掛け部3の上端とほぼ面一の高さを備えており、通常の椅子1型マッサージ機に比べて背もたれ部4が上方に突出することがないようになっている。このような背もたれ部4であれば、上下方向に高さがなく圧迫感がないので、狭い部屋などにも気軽に設置することが可能になる。
基台9は、座部2及びこの座部2に着座した使用者Uの重量を下方より支持する部材であり、座部2の下側に配備可能となっている。また、本実施形態の基台9は、平たい2つの部材を上下に重ね合わせたような部材とされている。つまり、本実施形態の基台9は、上側が上方に向かって半球状に膨らむと共に下面が平面状に形成された平たい部材の上に、下方に向かって半球状に膨らむと共に上面が平面状に形成された平たい部材を、半球状に膨らんだ部分を突き合わせるようにして積み上げたような外観を備えた部材である。この基台9は、下側の平たい部材の下面を床面などに面状態で接触させるようにして床面上に安定した状態で据え置き可能とされている。また、基台9の上面は、下面と同様に平坦な面状に形成されており、中央側には上述した座部2を基台9に対して揺動させる揺動機構6が配備されている。
さらに、基台9は、上方から見た場合に、前側よりも後側の方が広くなるように形成されている。つまり、基台9は、自らの重心よりも前側で座部2及び揺動機構6の重量を支持する構成とされており、揺動機構6から基台9の前端までの距離よりも基台9の後端までの距離の方が長くなるように形成されている。このような基台9を用いれば、座部2が後方に向かって転倒することを抑制可能となり、使用者Uから見えない後方への転倒を防止することが可能となる。
ところで、本発明の椅子1は、基台9に対して座部2を左右方向に向かって揺動させる揺動機構6を有したものとなっている。このような揺動機構6を設ければ、例えば老人などのように運動能力の衰えた使用者Uであっても、座部2を十分に傾動させることができ、使用者Uへの鍛錬を確実に行わせることが可能となる。特に、「解決しようとする課題」で説明したように、使用者Uが自ら姿勢を変えて座部のバランスをとる椅子(従来のシェイプアップ椅子)では、バランス能力がない者や筋力のない老人には椅子の姿勢を維持することが難しく、従ってこれらの使用者Uに対してはシェイプアップの効果が十分に得られにくいという問題があった。
しかし、本発明の椅子1であれば、揺動機構6が座部2を十分に傾動した姿勢まで揺動させるため、これら筋力に乏しい者にも十分なシェイプアップの効果を発揮させることができる。
揺動機構6は、基台9に対して座部2を前後方向または左右方向に沿って傾動させるものであり、座部2と基台9の間に配備されている。この揺動機構6は、本実施形態の場合、電動のモータ10で発生した回転駆動力を用いて座部2を左右方向に沿って揺動させる構成となっているが、揺動機構6によって座部2が前後方向に沿って揺動するものを用いても良い。
図4及び図5に示すように、揺動機構6は、上述した座部2の裾部7で覆われた、基台9の上面の中央側に駆動モータ10を備えており、駆動モータ10で発生した回転駆動力を用いて、座部2の下側に設けられた座部支持部11及びこの座部支持部11で支持された座部2を左右方向に揺動する構成となっている。
具体的には、揺動機構6は、前後方向に軸心を向けた駆動軸12に回転駆動力を発生させる駆動モータ10と、駆動モータ10の駆動軸12の回転駆動力を受けて左右方向を向く軸回りに回転する動力伝達軸13と、動力伝達軸13の回転駆動力を用いて駆動モータ10の駆動軸12と平行となるように前後方向を向く軸回りに回転する回転軸14と、を備えている。この駆動モータ10の駆動軸12の先端側には第1ウォームギヤ15が設けられており、第1ウォームギヤ15は動力伝達軸13の左端側に設けられた第1ウォームホイール16に噛み合っていて、駆動軸12の回転駆動力を回転方向を90°切り換えつつ動力伝達軸13に伝達している。
また、動力伝達軸13は、長手方向の中途側と左端側とに設けられた軸受け部17を用いて、左右方向を向く軸回りに回転自在に設けられている。長手方向の中途側の軸受け部17よりも右端側の動力伝達軸13には第2ウォームギヤ18が設けられており、第2ウォームギヤ18は回転軸14の前端側に設けられた第2ウォームホイール19に噛み合っていて、動力伝達軸13の回転駆動力を回転方向を90°切り換えつつ回転軸14に伝達している。
回転軸14は、前後方向に軸心を向けて配備された軸部材であり、左右方向の両端側に設けられたベアリング部(図示略)により前後方向を向く軸回りに回転自在に支持されている。ベアリング部よりもさらに外側の回転軸14の両端には、回転軸14と一体に回転可能なカム20が設けられている。また、回転軸14における前後のベアリング部の間には、前端側に近い側に上述した第2ウォームホイール19が、また後端側に近い側にロータリーエンコーダ21が取り付けられており、回転軸14に回転駆動力を伝達すると共に回転軸14の回転速度を計測可能となっている。
なお、回転軸14と噛み合っている部分の動力伝達軸13には、回転軸14に面する側とは反対側に、座部2からの荷重により動力伝達軸13が回転軸14から離れてしまうことを防止する円筒状の軸抑え部材22が設けられている。この軸抑え部材22は、前後方向を向く軸回りに回転自在に取り付けられており、外周面には第2ウォームギヤ18に噛み合うことができるギヤ歯が形成されていて、第2ウォームギヤ18の回転に合わせて自ら回転しつつ第2ウォームギヤ18の上方移動を抑制できるようになっている。
また、揺動機構6の回転軸14に設けられた両端側のカム20には、回転軸14の軸心から離れた位置(軸心に対して偏心した位置)にクランクピン23が設けられており、クランクピン23にはクランク部材24が前後方向を向く軸回りに揺動自在に取り付けられている。このクランク部材24は、細長い棒状の部材であり、長手方向の一端側(右端側)は上述したクランクピン23に揺動自在に連結されると共に、長手方向の他端側(左端側)が座部支持部11に前後方向を向く軸回りに揺動自在に連結されている。
座部支持部11は、上述した座部2の下側に取り付けられて、座部2を下方より支持する部材であり、座部2の前側と後側とにそれぞれ1つずつ設けられている。座部支持部11は、前方から見た場合に略T字の外観を備えた部材である。また、座部支持部11は、上面が座部2の下面に面状態で接触できるように平坦な面状に形成されており、面接触状態でねじなどを用いて取り付けることで、座部2と一体に揺動可能となっている。また、座部支持部11は左右方向の中途側が下方に向かって膨出する形状とされており、下方に向かって膨出した部分の先端(下端)に、上述したクランク部材24の他端側が前後方向を向く軸回りに揺動自在に連結されている。
さらに、座部支持部11における左右方向の中途側には、前後方向に沿って座部支持部11を貫通する貫通孔25が形成されており、この貫通孔25には前後方向に沿って伸びる揺動軸26が挿通されている。つまり、座部支持部11は、前後方向を向く揺動軸26の軸心回りに左右方向に揺動可能に支持されている。そして、この座部支持部11の上に座部2が取り付けられている。
次に、図7を用いて、上述した揺動機構6を用いた座部2の揺動方法、言い換えれば本発明の椅子1を用いたシェイプアップ方法について説明する。
図7(a)に示す椅子1は、上述した揺動機構6を用いて座部2を揺動させる前の「中立状態」のものを示している。この「中立状態」では、座部2は下面が水平方向に沿うようになっていて、水平方向を向く座部2に使用者Uが着座可能となっている。
図7(a)の状態にある椅子1を、図7(b)に示すようにまず左側に揺動させる場合を考える。
まず、基台9の上面の中央側に配備された駆動モータ10を起動させ、駆動モータ10の駆動軸12を前後方向を向く軸回りに回転させる。そうすると、駆動軸12の前端側に設けられた第1ウォームギヤ15が、動力伝達軸13の第1ウォームホイール16に噛み合い、動力伝達軸13が左右方向を向く軸回りに回転するようになる。さらに、回転する動力伝達軸13の右端側には第2ウォームギヤ18が設けられており、この第2ウォームギヤ18が回転軸14の第2ウォームホイール19に噛み合うことで、回転軸14が前後方向を向く軸回りに回転するようになる。
このようにして前後方向を向く軸回りに回転軸14が回転すると、回転軸14の両端側に設けられたカム20も回転軸14の軸心回りを回転する。このとき、上述したカム20のクランクピン23は回転軸14の軸心から離れた位置(偏心した位置)に設けられているため、カム20の回転に合わせてクランクピン23が回転軸14の軸心回りを周回し、クランク部材24によって連結された座部支持部11から回転軸14の軸心までの距離も周期的に変動するようになる。
つまり、回転軸14の軸心に対して右側にクランクピン23が位置するようにカム20が回転している場合は、クランク部材24の位置が右側に移動し、クランク部材24によって連結された座部支持部11の下端側も右側に動き、座部支持部11が右側から左側に向かって下がるように傾斜する。その結果、図7(b)に示すように、座部2が左下がりに傾き、傾いた椅子1に逆らうように使用者Uが上半身を傾いた側とは反対にひねるため、上半身のひねりという深層筋の鍛錬に有効なひねり運動を使用者Uに自然に行わせることができるようになる。それゆえ、インナーマッスルやコアマッスルなどの深層筋をも鍛錬することが可能となり、肉体の能力の強化や痩身体型の維持をより効果的に行うことができる。
一方、図7(a)や図7(b)の状態にある椅子1を、図7(c)に示すように右側に揺動させる場合には、回転軸14の軸心の左側にクランクピン23が位置するようにカム20を回転させる。そうすると、クランク部材24の位置が右側に移動し、クランク部材24によって連結された座部支持部11の下端側も右側に動き、座部支持部11が右側から左側に向かって上がるように傾斜する。その結果、座部2が右下がりに傾いた場合と同様に、インナーマッスルやコアマッスルなどの深層筋の鍛錬や、痩身体型の維持などを効果的に行うことが可能となる。
なお、上述した駆動モータ10を制御部からの信号を用いて駆動させる場合には、制御部に予めプログラムを入力しておくことで、揺動と停止を任意に組み合わせたシェイプアップ運動を行うこともできる。
例えば、クランクピン23の位置が回転軸14の軸心に対して最も離間した位置にあるときに、駆動モータ10の回転を所定の時間だけ停止するようなプログラムを制御部に入力しておけば、座部2を水平方向に対して所定の傾斜角まで傾動させ、所定の傾斜角で座部2の揺動を一時停止し、次に所定の傾斜角までの傾斜時とは反対方向に向かって座部2を傾斜させるといった運動を繰り返し使用者Uに行わせることができる。このようなプログラムを用いれば、使用者Uにより多彩な運動を行わせることができ、さらに効果的なシェイプアップが可能となる。
ところで、本実施形態の椅子1は、上述した左下エアバッグ5L、右下エアバッグ5R、左方エアバッグ8L、及び右方エアバッグ8Rの4箇所のエアバッグを有しており、座部2の側部及び下部にエアバッグを備えたものとなっている。しかし、発明の椅子1では、座部2の後部にエアバッグを設けて、使用者Uの臀部または腰部に対する施療を可能としても良い。
つまり、上述した制御部に、複数のエアバッグを揺動機構6と協働的に用いて使用者Uにシェイプアップ運動を行わせるプログラムを入力しておけば、多様なシェイプアップ運動を行うことが可能となる。
例えば、左側に傾斜した座部2に着座した使用者Uが、上半身を右側にひねるように運動している際に、側部のエアバッグ(左方エアバッグ8L)を膨張させて腰の筋肉にエアバッグで刺激を与えれば、腰の筋肉を重点的に鍛錬することができる。また、座部2が左側に傾斜するのに合わせて、左側のエアバッグ(左方エアバッグ8L)の空気を抜けば、使用者Uの姿勢がさらに深く傾動したものとなり、シェイプアップ運動の強度を上げることも可能となる。
また、傾斜した座部2に着座した使用者Uの筋肉、言い換えれば緊張状態にある筋肉をエアバッグで刺激すれば、筋肉に対して強い刺激を加えることが可能となり、筋肉の引き締め効果や骨盤の矯正効果をより一層高めることも可能となる。
特に、揺動機構6により、座部2を水平方向に対して一方向へ傾動させた際には、座部2の一方側又は他方側に配備されたエアバッグ8R、8Lが膨張するようにするとよい。
例えば、座部2が使用者からみて右側に倒れている、又は倒れようとしている最中に、座部の側部であって右側のエアバッグ8Rを膨らませた場合、座部2が水平に位置する状態よりも、使用者Uが右側へ傾いているため、エアバッグ8Rに強く接触し、エアバッグ8Rによる押圧力が大きなものとなり、より一層のシェイプアップ運動効果を期待できる。この際に、座部2の側部であって左側のエアバッグ8Lを膨らませることで、右側のエアバッグ8Rへの押圧力をより強力なものにすることができる。
上記の点は、座部2を左側に倒した際に、座部の左側のエアバッグ8Lを膨張したとしても同じ作用効果を得ることができる。すなわち、座部2を傾動させることで、エアバッグ8R,8Lによる押圧力の強さを変えることが可能となっている。
複数のエアバッグと揺動機構6と協働的な動作は、上記したものに限定されず、様々な形態が採用可能である。座部2の傾動とエアバッグ5R,5Lの膨張を協働させることで、エアバッグ5R,5Lの押圧力を変化させることができる。
なお、上述した椅子1は、使用者Uが望んだ時にシェイプアップ運動を付与するだけでなく、通常は単に腰掛けるだけの用途でも使用可能とされるのが好ましい。このようにシェイプアップ運動の用途だけでなく腰掛ける用途にも使用する場合は、座部2の揺動姿勢を中立位置に保持して、座部2の重量を支える揺動機構6に過大な荷重が加わったり、荷重がアンバランスに加わることを抑制するのが好ましい。例えば、座部2が上下方向に沿って起立した中立位置(座部2を揺動方向の中間に位置すると共に座部2の重心が座部2の中央に存在する中立位置)になった際に、揺動機構6の揺動動作をロック部材などを用いて規制するか、駆動モータ10を意図的に短絡させて逆起電力を生じさせ、揺動機構6の揺動動作を一時的に停止させれば、座部2の揺動姿勢を中立位置に保持することが可能となる。このように座部2の揺動姿勢を中立位置に保持すれば、座部2の荷重が均等に揺動機構6に加わるため、揺動機構6が破損する可能性を大きく低減することが可能となる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操作手順、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
上述した本実施形態では、エアバッグが5個設けられた例を挙げたが、エアバッグの設置数は少なくとも1個以上であれば、何個であってもよい。
上述した本実施形態では、座部2にエアバッグが前後に並んで設けられた例を挙げたが、座部2上でのエアバッグの設置は左右に並ぶものであっても良い。
1 椅子(シェイプアップ用の椅子)
2 座部
3 肘掛け部
3L 左肘掛け部
3R 右肘掛け部
4 背もたれ部
5L 左下エアバッグ
5R 右下エアバッグ
6 揺動機構
7 裾部
8L 左方エアバッグ
8R 右方エアバッグ
9 基台
10 駆動モータ
11 座部支持部
12 駆動軸
13 動力伝達軸
14 回転軸
15 第1ウォームギヤ
16 第1ウォームホイール
17 軸受け部
18 第2ウォームギヤ
19 第2ウォームホイール
20 カム
21 ロータリーエンコーダ
22 軸抑え部材
23 クランクピン
24 クランク部材
25 貫通孔
26 揺動軸
U 使用者

Claims (7)

  1. 使用者が着座する座部と、
    前記座部を前後方向または左右方向に沿って傾動させる揺動機構と、
    を備えていることを特徴とするシェイプアップ用の椅子。
  2. 前記使用者の臀部または腰部に接触可能なように、前記座部の後部、下部、または側部にはエアバッグが設けられており、
    前記揺動機構は、前記複数のエアバッグを前記揺動機構と協働的に用いて使用者にシェイプアップ運動を行わせる構成とされている
    ことを特徴とする請求項1に記載のシェイプアップ用の椅子。
  3. 前記揺動機構は、前記座部を水平方向に対して所定の傾斜角まで傾動させ、所定の傾斜角で前記座部の揺動を一時停止し、次に前記所定の傾斜角までの傾斜とは反対方向に向かって座部を傾斜させる構成とされていることを特徴とする請求項2に記載のシェイプアップ用の椅子。
  4. 前記揺動機構は、前記座部が上下方向に沿うように起立した中立位置に、前記座部の揺動姿勢を保持可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のシェイプアップ用の椅子。
  5. 前記揺動機構の下側には、当該揺動機構を下方から支持する基台が設けられており、
    前記基台は、前側よりも後側の方が広くなるようにすることで、前記座部が後方に向かって転倒することを抑制可能とされていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のシェイプアップ用の椅子。
  6. 揺動機構は、駆動軸に回転駆動力を発生させる駆動モータと、駆動モータの駆動軸の回転駆動力を受けて回転する動力伝達軸と、動力伝達軸の回転駆動力を用いて回転する回転軸と、を備えており、
    前記座部の下側には、当該座部を下方から支持する座部支持部が設けられており、
    前記回転軸には、当該回転軸と一体に回転可能なカムが取り付けられ、
    前記カムにおける回転軸の軸心から離れた位置には、前記回転軸の回転運動を並進運動に変換するクランク部材が連結されており、
    前記クランク部材を用いて前記座部支持部を水平方向に揺動させることで、前記座部を左右に揺動させる構成とされていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のシェイプアップ用の椅子。
  7. 前記揺動機構により、前記座部を水平方向に対して一方向へ傾動させた際に、座部の一方側又は他方側に配備されたエアバッグが膨張するように構成されていることを特徴とする請求項2〜6の何れかに記載のシェイプアップ用の椅子。
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