(第1の実施形態)
本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。本実施形態の発光装置は、図1に示すように、ケース9と反射材8と導光板1と光源2と屈折部材3と加飾部材5とを備えている。
図2に示すように、発光装置の全体形状は、楕円形状をなす。図2及びその他の図において、「長」、「短」は、発光装置の全体形状である楕円の長軸方向、短軸方向を示している。
図1、図3に示すように、ケース9は、略楕円形状の底壁91と、底壁91の周縁から立設された周壁92とを有する。ケース9の中心を挟んで長軸方向の両側には、一対の保持壁93が立設されている。一方の保持壁93の一方の端部、及び他方の保持壁93の他方の端部には、それぞれ光源2が固定されている。保持壁93は、短軸方向に平行に延び、保持壁93の両端は周壁92に固定されている。
ケース9は、合成樹脂材料からなる射出成形品である。ケース9に用いられる合成樹脂材料としては、ASA(アクリレート−スチレン−アクリロニトリル)、AES(アクリロニトリル−エチレン−スチレン)、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、PC(ポリカーボネート)などが挙げられる。本実施形態ではAESを用いる。
導光板1は、楕円形状をなす薄板である。導光板1の大きさは、長軸が148mm、短軸が69mm、厚みが3mmである。導光板1は、楕円形状の表面1aと、表面1aと対向する裏面1bと、表面1aの周縁と裏面1bの周縁との間に設けられた周面1cとを有する。導光板1に入射した光は、表面1a、裏面1b及び周面1cで反射しながら進行する。導光板1の内部で光が進行する途中で、表面1a、裏面1b又は周面1cに向かう光が臨界角を超えた場合に表面1a、裏面1b又は周面1cから光が少しずつ漏れ出て、導光板1が発光する。
導光板1の材料としては、ガラス材料や合成樹脂材料などを用いるとよい。合成樹脂材料としては、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PCなどがあげられる。本実施形態においては、導光板1の材料として、PMMAを用いる。
導光板1の表面1aは平坦面である。
導光板1の裏面1bは、後述の多数の窪み11が設けられている。導光板1の裏面1bは反射材8により被覆されている。反射材8は、導光板1と同じ形状で大きさをなしている。例えばアルミニウムのような反射率の高い金属からなる。反射材8は、導光板1の裏面1bを被覆しているため、導光板1の裏面1bに向かう光を表面1a側に反射させる。導光板1及び反射材8はケース9の中に収容されて、ケース9の保持壁93上に固定されている。
図4Aに示すように、導光板1の周面1cには、一対の入光部15、15が設けられている。一対の入光部15は、周面1cにおいて互いに対向する位置に配置されている。一対の入光部15、15は、いずれも、導光板1の楕円形状の長軸G及び短軸H上にはなく、長軸G及び短軸Hを挟んで互いに反対側に配置されており、また導光板1の楕円の長軸Gと短軸Hの交点(中心)に対して点対称の位置に配置されている。
図5に示すように、一の入光部15から入射されたある光の光軸Lと、一の入光部15に対向する他の入光部15から入射された他の光の光軸Lとは、一の入光部15と他の入光部15とを結ぶ入光部間直線Dを挟んで互いに反対側の領域を通る。
本実施形態では、導光板1は、一対(2つ)の入光部15、15を有しているが、複数の対の入光部、例えば4つ、6つの入光部を設けていてもよい。この場合にも、各対の入光部は、上記の関係を有していることがよい。
図3に示すように、入光部15は、周面1cの一部を段状に切り欠いた段部17である。入光部15は、導光板1の表面1aと裏面1bに対して垂直方向に向いている。入光部15は、光源2から出射した光を、導光板1の出射面である表面1aに対して直角方向に入射させる。
図4Bに示すように、入光部15には、光源2が設けられている。光源2としてはLEDを用いる。LEDは、薄型のチップスケールパッケージである。光源2の出射部20は、入光部15に近接して対向配置されている。光源2は、LEDの代わりに、EL(Electro Luminescence)やLD(Laser Diode)などの半導体発光素子を用いてもよい。
光源2の出射部20は、照射角度αが90°〜150°の範囲の照射領域に光を照射する。出射部20は、照射領域に広がりのある光を放つとよい。照射領域とは入光部15から入射した光が配向する領域をいい、入光部15から照射角度αで広がる。本実施形態で用いる光源2の出射部20は、照射角度αが120°の光を放つ。
ここで、臨界角とは、屈折率が大きいところから小さいところに光が向かうとき、全反射が起きる最も小さな入射角をいう。図5に示すように、入光部15から入射された光が周面1cに向かうとき、周面1cに対して臨界角を形成する直線を臨界角直線Eという。図5、図6Aに示すように、入光部15から光Zが周面1cに向かうとき、周面1cに対して臨界角θ0よりも大きい角度θで入射する場合は、光Zは全反射するため、外部に漏光せず、光強度は維持される。臨界角直線Eよりも周面1cに近接する領域を周面近接領域Aとする。周面近接領域Aを通る光Zは、周面1cに臨界角よりも大きい角度で向かうため、周面1cにおいて全反射する。
一方、図5、図6Bに示すように、入光部15から光Zが周面1cに向かうとき、周面1cに対して臨界角θ0よりも小さい角度θで入射する場合は、光Zは当該周面1cにおいて一部が外部に漏光して、光強度は弱まる。つまり、臨界角直線Eと入光部間直線Dとの間の広域領域B(図5において右上がりハッチング及びクロスハッチング部分)を通る光は、周面1cに対して臨界角θ0よりも小さい角度で入射する。このため、光Zは当該周面1cにおいて一部が外部に漏光して発光強度が弱まる。
そこで、本実施形態では、入光部15から入射した光の光軸Lが臨界角直線Eと入光部間直線Dとの間の広域領域Bの略中心線に沿って進行するように入光部15を設定している。光軸Lとは、系全体を通過する光束の代表となる仮想的な光線をいう。より具体的には、光軸Lは、照射範囲の中心線であり、照射範囲が入光部15においてつくる照射角度αを二等分する直線に一致する。
即ち、臨界角直線Eと入光部間直線Dとがなす広域角度βを二等分する二等分線Fを中心に、広域角度βを100%としたときに50%の角度を作る2直線F1、F1間に形成される領域を光領域C(図5においてクロスハッチング部分)とする。光領域Cは、二等分線Fを中心に、臨界角直線E側及び入光部間直線D側に広がる。更に好ましくは、光領域Cは、広域角度βを100%としたときに40%の角度を作る2直線間に形成される領域であることが好ましく、30%の角度を作る2直線間に形成される領域であることが望ましい。光領域Cに入光部15から入射された光の光軸Lが通るように、入光部15が設定されている。
このように入光部15を設定するためには、例えば、入光部15の向きや光源2の出射部20の向きを調整すると良い。このようにすることで、入光部15から入射された光は、周面1cに当たる前に、広域領域Bを進行し、導光板1の表面1a及び裏面1bから均一に漏光する。このため、導光板1を均一に発光させることができる。
また、図4Aに示すように入光部15から導光板1に入射した光の光軸Lは、光領域Cを通り、且つ入光部15と楕円形状の長軸Gの端部G1との間を結ぶ入光部端部間直線Tを中心に、入光部15において30°の角度を作って交差する2直線間の進行領域Q内を通っているとよく、更に入光部15において20°の角度を作って交差する2直線間の進行領域Q内を通っているとよい。本実施形態では、入光部15から導光板1に入射された光の光軸Lは、進行領域Q内において、導光板1の楕円形状の長軸Gの端部G1に向かっている。このため、入光部15から入射された光は周面1cに当たるまで長く且つ広い範囲を進行する。ゆえに、導光板1の全体は均一に発光することができる。
ところで、一対の入光部15を通じて光源2から導光板1の内部に光を入射したとき、導光板1の中央領域Xは、一対の入光部15から入射した光が共に照射され、中央領域Xよりも周辺に位置する周辺領域Yは、一方の入光部15から入射した光が照射される。周辺領域Yは中央領域Xよりも発光強度が低くなる傾向にある。そこで、導光板1の裏面1bに複数の窪み11を点在させ、中央領域Xの窪み11の深さよりも周辺領域Yの窪み11の深さを深くすることで、周辺領域Yの単位投影面積当たりの光の当たる面の面積を中央領域Xの単位投影面積当たりの光の当たる面の面積よりも大きくする。これにより、中央領域Xと周辺領域Yの発光ムラを更に低減させることができる。
更に詳しく説明する。図8は、窪み領域Kを示すための導光板1の平面図であって、図8の最も大きいクロスハッチングは中央領域Xを示し、最も小さいクロスハッチングは周辺領域Yを示し、中間の大きさのクロスハッチングは境界領域Pを示す。図7は、導光板の裏面に設けた窪みを説明するための、図8のB−B矢視断面図である。
図7、図8に示すように、導光板1の裏面1bには、多数の窪み11が点在している。導光板1の裏面1bは、周縁から所定の幅で窪み11のない平坦領域Jと、窪み11が点在する窪み領域Kとを有する。窪み領域Kは、一対の光源2の間に配置された中央領域Xと、中央領域X以外の部分に配置された周辺領域Yと、中央領域Xと周辺領域Yとの間に介在する境界領域Pとを有する。
図8に示すように、中央領域Xは導光板1の中央に位置し、境界領域Pは中央領域Xを挟んでその両側に位置して帯状に延びている。周辺領域Yは、窪み領域Kにおいて境界領域Pの更に外側に位置している。
図9に示すように、中央領域Xは、一対の入光部15を通じて光源2から光が入射される照射領域が重なり合っている双方光路領域Mを有する。本実施形態では、照射領域は、光源2から放たれた光の光軸Lを中心に120°の照射角度αを有する領域である(図4B)。図9において紙面右側に位置する光源2の照射領域は右上がりハッチングで示す領域であり、図9の紙面左側に位置する光源2の照射領域は左上がりハッチングで示す領域である。双方光路領域Mは、右上がりハッチングと左上がりハッチングとが重なり合った部分、すなわちクロスハッチングの部分に相当する。図9において、左上がりハッチングで示す領域及び右上がりハッチングで示す領域のうち、両ハッチングが重なり合っていない領域は、一方の入光部15を通じて光が入射される一方光路領域Nである。
図4Bに示すように、入光部15は、光源2の出射部20の近傍に屈曲部16を有する。屈曲部16では光源2から入射した光が散乱して入射されるため、屈曲部16近傍は比較的強く発光する。屈曲部16近傍が、一方光路領域Nに存在していても、比較的強く発光する。図9には、屈曲部16の近傍で強く発光する屈曲近傍領域Rをドットハッチングで示す。このように、屈曲近傍領域Rがある場合には、中央領域Xは双方光路領域M及び屈曲近傍領域Rからなる。周辺領域Yは、窪み領域Kの中央領域X以外の領域、即ち、一方光路領域Nから屈曲近傍領域Rを除いた領域からなる。
図8、図9に示すように、双方光路領域Mと一方光路領域Nとの境界線Q1が窪み領域Kと平坦領域Jとの境界線と交わる点を点Q2とし、窪み領域Kと平坦領域Jとの境界線のうち、導光板1の短軸H側の周面1cに沿った線を短軸側線K1とする。この場合、中央領域Xは、点Q2と屈曲近傍領域Rとを結ぶ直線QRと短軸側直線K1とで囲まれた略平行四辺形をなしている。
境界領域Pは、中央領域Xの両側に位置していて、直線QRに沿って延びる帯状の領域である。境界領域Pの幅は、3〜10mmがよく、本実施形態では5mmの幅とする。
周辺領域Yは、一方光路領域Nを有し、窪み領域Kにおける境界領域Pよりも長軸Gの端部G1の側に位置している。
なお、入光部15に屈曲部16がない場合には、屈曲近傍領域Rは強く発光せず一方光路領域Nと同程度の発光強度となる。この場合、中央領域Xは、屈曲近傍領域Rを含まず、双方光路領域Mのみからなる。周辺領域Yは一方光路領域Nからなる。
図7に示すように、中央領域Xの窪み11の深さT3と周辺領域Yの窪み11の深さT1の比率(T3/T1)は、0.1〜0.9がよく、更に、0.2〜0.75、0.3〜0.7が好ましい。この場合には、中央領域Xと周辺領域Yとの発光強度の差を殆ど視認させないようにすることができる。
本実施形態では、中央領域Xに形成された窪み11の深さT3は0.3mmとし、境界領域Pに形成された窪み11の深さT2は0.4mmとし、周辺領域Yに形成された窪み11の深さT1は0.5mmとする。いずれの領域に形成された窪み11も、同じ密度(ピッチ)で点在している。
また、本実施形態では、窪み11は、窪み領域Kのすべてにおいて、同じ形状をなす。窪み11の形状は、特に限定はないが、錐形状、柱形状が挙げられる。錐形状としては、円錐、角錐などがあり、柱形状としては、円柱、角柱などがある。このうち、円錐が好ましい。図7に示すように、円錐の窪み11を囲む立面11aは導光板1の表面側に傾斜しているため、導光板1内部を進む光が立面11aにあたったときに光を表面1a側に向けやすいからである。本実施形態では、窪み11の形状は円錐とする。また、窪み11は、窪み領域K全体にわたって、長軸方向及び短軸方向にそれぞれ等間隔で格子状に配列している。
周辺領域Yは一方の入光部15から入射された光が通る一方光路領域Nを有し、中央領域Xは両方の入光部15から入射された光が通る双方光路領域Mと、散乱光が照射される屈曲近傍領域Rとを有する。このため、窪み11の深さを同じとした場合、導光板1の一方光路領域Nでの発光強度は、双方光路領域Mの発光強度よりも小さくなってしまう。
本実施形態では、周辺領域Yに点在する窪み11の深さを、中央領域Xに点在する窪み11の深さよりも深くしている。これにより、周辺領域Yの単位投影面積当たりの光の当たる面が、中央領域Xの単位投影面積当たりの光の当たる面よりも大きくなる。周辺領域Yでは、中央領域Xよりも光が漏光しやすい。周辺領域Yの発光の強度は、中央領域Xの発光の強度と同程度になり、導光板1の全体が均一に発光する。
また、境界領域Pに点在する窪み11の深さを、中央領域Xの窪み11の深さと周辺領域Yの窪み11の深さの中間とすることで、両領域で急激に窪み11の深さを変えた場合に比べて、中央領域Xと周辺領域Yの境界が視認されにくくなる。導光板1は、より一層均一に発光することができる。
導光板1の内部を進む光は、窪み11の立面11aで反射ないし散乱される。例えば、窪み11の深さが大きい場合、導光板1を表面1a側からみると、窪み11は他の部分よりも強く発光する発光点として見えることがある。本実施形態では、導光板1の窪み11は、窪み領域Kのすべてにおいて、等間隔に配列している。導光板1を表面1aからみたとき、窪み11に起因する発光点が導光板1の全体で均一にみえる。導光板1全体が、均一な発光点により均一な発光強度で発光することができる。
一方、図10に示すように、周辺領域Yの窪み11間のピッチP1を、中央領域Xの窪み11間のピッチP3よりも小さくしてもよい。即ち周辺領域Yの窪み11の密度を中央領域Xの窪み11の密度よりも大きくしてもよい。周辺領域Yの単位投影面積当たりの光の当たる面が、中央領域Xの単位投影面積当たりの光の当たる面よりも大きくなり、導光板1の全体を均一に発光させることができる。一方で、周辺領域Yの窪み11間のピッチP1が、中央領域Xの窪み11間のピッチP3よりも小さい場合は、周辺領域Yの単位投影面積当たりの発光点が、中央領域Xの単位投影面積当たりの発光点よりも多くなり、周辺領域Yと中央領域Xとで発光の見え方は異なってくる。境界領域Pを設ける場合、境界領域Pの窪み11のピッチP2は、周辺領域Yの窪み11のピッチP1と中央領域Xの窪み11のピッチP3との間の大きさとするとよい。
図11に示すように、屈折部材3は、屈折領域36と背景領域37とを有する。屈折領域36は、導光板1から入射された光を屈折させる。屈折領域36は、延び方向Iに長い延設部36bを有する。屈折領域36において、延設部36bは、1又は複数設けられている。複数の延設部36bが設けられている場合には、複数の延設部36bは、中心部36aを中心にして放射状に配置されているとよい。本実施形態では、屈折領域36は、中心部36aを中心にして、4つの延設部36bが4方向に延びている。各延設部36bの幅は、延び方向Iに向けて変化している形状であってもよく、また、延び方向Iのいずれの部分においても同じであってもよい。本実施形態では、各延設部36bの幅は、延び方向Iに向けて徐々に狭くなっている。
屈折部材3は、透明基材31と、背景層32と、ハーフミラー層33と、プリズムシート34とを有する。透明基材31は、透明な薄板である。透明基材31の周縁は、ケース9の周壁92に設けられた段部94に係止されている(図3)。透明基材31は、例えば、PMMA、PC、PC/ABSアロイなどの合成樹脂からなる。これらのうち、PMMAは透明度が高く射出成形性に優れるため、最も好ましい。
図11、図3に示すように、透明基材31の裏面31bは、平坦部35と、平坦部35よりも窪む中央の凹部30とを有する。凹部30は屈折領域36に相当する部分であり、平面矢視で放射形状をなしている。平坦部35は、透明基材31の裏面31bにおける凹部30以外の部分であって、背景領域37に相当する部分である。屈折領域36は、透明基材31の裏面31bにおいて、背景領域37よりも表面側に窪んでいるため、屈折部材3を表面から見た時に、屈折領域36は背景領域37に対して手前側に飛び出しているかのように立体的に見える。
なお、屈折領域36は、背景領域37に対して裏面側に突出していてもよい。この場合、屈折領域36が背景領域37よりも奥側に位置しているように見える。屈折領域36は、背景領域37に対して同一高さであってもよい。
図12に示すように、本実施形態では、屈折領域36の平面矢視の放射形状は、中心部36aと、中心部36aから等角度(90°)で4方向に延びる4つの延設部36bとからなる。4つの延設部36bのうち2つは長軸方向に延び、他の2つは短軸方向に延びている。
図11に示すように、背景層32は、透明基材31の裏面31bにおいて、屈折領域36以外の部分、即ち背景領域37を被覆している。背景層32は、白色半透明をなす。背景層32は塗装法又は印刷法によって形成されるとよい。背景層32は、着色又は無着色の透光性を有する合成樹脂材料からなるとよい。かかる合成樹脂材料としては、PMMA、PC、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PVC(ポリビニルクロライド)などを用いると良い。
ハーフミラー層33は、透明基材31の裏面31b側全体を被覆している。ハーフミラー層33は、外部からの光は反射するが、裏面側に配置された導光板1からの光は透過させる。ハーフミラー層33は、背景層32よりも、導光板1からの光を透過させやすい。ハーフミラー層33は、厚み1μm程度以下の薄い金属層からなる。ハーフミラー層33に用いられる金属としては、スズ、銀、金、チタン、アルミニウム、クロム、インジウムなどが挙げられる。本実施形態では、ハーフミラー層33には、アルミニウムを用いる。ハーフミラー層33は蒸着、メッキなどにより形成される。
図13に示すように、プリズムシート34は、複数の溝34aが同じピッチで形成されている。複数の溝34aは、屈折領域36の中心34bから等角度(90°)で4つの延び方向Iに等間隔で直線畝状に配列している。プリズムシート34は、シリンドリカルレンズ面を所定間隔毎の区画に切断して厚みを減らしたプリズムパターン(リニアフレネルレンズ)を形成している。各溝34aは、シリンドリカルレンズ面の区画の境界線である。シリンドリカルレンズ面とは、円筒面のことで、一方向には曲率を持つが、該一方向と直交する方向には曲率を持たない面のことである。そのため、プリズムシート34は、シート面に入射した光を、屈折領域36の延び方向Iに屈折させながら、シート面全体に拡散させる。溝34aのピッチは5μm〜100μmがよく、本実施形態では10μmとしている。プリズムシート34に形成されるプリズムパターンは、屈折領域36において、導光板1から入射した光を屈折させるパターンであって、延設部36bの延び方向Iに向かって配列する複数の溝34aが設けられていればよく、シリンドリカルレンズパターン以外に、フレネルレンズでもよい。
プリズムシート34は、透光性を有する合成樹脂材料からなる。プリズムシート34に用いられる合成樹脂材料としては、PMMA、PC、PETなどを用いるとよい。プリズムシート34は、押出成形やカレンダー成形により形成されるとよい。また、プリズムシート34は、ベースフィルムの一面側に各溝34aを有するプリズム層を形成した2層のシート材であってもよい。
図3、図11に示すように、透明基材31の裏面全体はハーフミラー層33により被覆されている。透明基材31の裏面31bの背景領域37では、透明基材31とハーフミラー層33との間に背景層32が配置されている。このため、図12に示すように、屈折部材3の裏面から表面に向けて光を照射して表面から屈折部材3を見たとき、屈折領域36では、プリズムシート34の溝34aを視認できる。背景領域37では、背景層32により遮られて、溝34aを視認することはできない。
ここで、図14に示すように、導光板1の裏面1bには、多数の窪み11が長軸方向及び短軸方向に等間隔に格子状に配列している。長軸方向及び短軸方向で隣合う窪み11同士のピッチS1は、他の方向で隣合う窪み11同士とのピッチよりも短い。
本実施形態では、図15に示すように、屈折部材3の屈折領域36の延設部36bの延び方向Iは、窪み11の配列方向Sに一致している。窪み11の配列方向Sでは、窪み11間のピッチS1が最も狭くなる。窪み11で反射、拡散された光が溝34aによって更に反射、拡散される。この場合、図16に示すように、屈折部材3の表面から屈折部材3及び導光板1を見ると、延設部36bの延び方向Iに多数の直線状の筋が延びていて、延設部36bが延び方向Iに強調されているように視認される。これは、窪み11で反射、散乱された光が窪み11の配列方向Sに最も強調されたため、窪み11の配列方向と平行な延設部36bの延び方向Iに多数の線が延びているように視認されたものであると考えられる。
これに対して、図17に示すように、屈折部材3の屈折領域36の延設部36bの延び方向Iは、窪み11の配列方向Sに対して45°傾斜させたとする。この場合、図18に示すように、屈折部材3の表面から屈折部材3及び導光板1を見ると、延設部36bに、延び方向に対して45°で傾斜する多数の線が延びているように視認される。これは、窪み11で反射、散乱された光が窪み11の配列方向に最も強調され、窪み11の配列方向Sは、延設部36bの延び方向Iに対して45°で傾斜するため、当該傾斜方向に多数の線が延びているように視認されたものであると考えられる。
図19に示すように、加飾部材5は、車種、メーカー名などを表示した表示領域56を有するエンブレムである。加飾部材5は、カバー材51と加飾層52とハーフミラー層53とを有する。図19、図3に示すように、カバー材51は、平坦部55と、平坦部55よりも窪む中央の凹部50とを有する。凹部50は、ハーフミラー層53が視認される表示領域56となる部分である。平坦部55は、加飾層52が視認される加飾領域57となる部分である。カバー材51は、透明であり、例えば、PMMA、PC、PC/ABSアロイなどの合成樹脂からなる。これらのうち、PMMAは透明度が高く射出成形性に優れるため、最も好ましい。
加飾部材5の加飾層52は、カバー材51の裏面において、加飾領域57を被覆している。加飾層52は塗装法又は印刷法によって形成されるとよい。加飾層52は、着色又は無着色の透光性を有する合成樹脂材料からなるとよい。着色する場合には、合成樹脂材料に着色材が添加されている。かかる合成樹脂材料としては、PMMA、PC、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PVC(ポリビニルクロライド)などを用いると良い。本実施形態において、加飾層52は青色半透明を呈している。
加飾部材5のハーフミラー層53は、カバー材51の裏面側全体を被覆している。ハーフミラー層53は、屈折部材3のハーフミラー層33と同様に、薄い金属層からなる。加飾部材5のハーフミラー層53に用いられる金属としては、屈折部材3のハーフミラー層33に用いられるものと同様のものを用いることができる。本実施形態では、ハーフミラー層53はアルミニウムを用いる。
カバー材51の表示領域56を平面矢視からみた形状は、菱形である。カバー材51の裏面全体はハーフミラー層53により被覆されているが、カバー材51の裏面の加飾領域57ではカバー材51とハーフミラー層53との間に加飾層52が配置されている。このため、表示領域36ではハーフミラー層53の金属色が視認され、加飾領域37では加飾層52の青色が視認される。
本実施形態の発光装置において、光源2のスイッチをOFFにした状態で発光装置を表面側からみたときには、図20に示すように、ハーフミラー層53の菱形形状の金属調の表示領域56と、その周囲の加飾領域57に加飾層52の青色が見える。このとき、加飾部材5のハーフミラー層53により裏面側の屈折領域36は見えない。
図21に示すように、光源2のスイッチをONにした状態で発光装置を表面側からみたときには、ハーフミラー層53の菱形形状の金属調の表示領域56と、その周囲に加飾層52の青色の加飾領域57が見える。そして、加飾部材5のハーフミラー層53を透かして、裏面側の屈折部材3の屈折領域36が見える。ハーフミラー層53の中に屈折領域36が一際明るく見える。更に、屈折領域36には、延設部36bの延び方向に多数の直線状の筋が見え、延設部36bが延び方向に強調されて視認される。
夜間のように暗い環境下で発光装置をみたときには、加飾領域56の発光パターンに加えて、屈折領域36の発光パターンが鮮明に見える。昼間などの明るい環境下で見たときとは違って、複雑で美観の高い発光意匠を視認することができる。
また、導光板1は均一に発光するため、屈折部材3は導光板1から均一に光が照射される。ゆえに、加飾部材5は、屈折部材3を通じて、ムラなく発光することができる。
本実施形態では、入光部15は導光板1の外周縁から径方向内側に窪む段部17に設けられており、段部17に光源2が配置される。このため、導光板1及び光源2ともに楕円形状のケース9内に収まり、外観がよい。一方、導光板1の入光部15は、導光板1の外周縁から径方向外側に突出した部分に設けてもよい。この場合には、導光板1の楕円形状の部分の全体を発光させることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態の発光装置は、図22に示すように、導光板1の平面矢視形状を円形とした点が、第1の実施形態と相違する。
本実施形態において、互いに向かい合う一対の入光部15のうち一の入光部15から導光板1に入射した一の光の光軸Lと、他の入光部15から導光板1に入射した他の光の光軸Lとは、入光部間直線Dを挟んで互いに反対側の領域を通る。各入光部15から入射された光は、第1の実施形態と同様に光領域C内を通る。このため、一対の入光部15から入射された光は、周面1cに当たる前に、広域領域Bの広範囲を進行する。したがって、導光板1を均一に発光させることができる。
図23に示すように、導光板1の平面矢視形状が円形である場合にも、周辺領域Yの窪み11の高さを、中央領域Xの窪み11の高さよりも大きくし、境界領域Pの窪み11の深さは、中央領域Xの窪み11の深さと周辺領域Yの窪み11の深さとの中間の大きさとすることがよい。これにより、導光板1の中央領域Xと周辺領域Yとで均一な発光強度で発光させることができる。
(第3の実施形態)
本実施形態の発光装置は、図24に示すように、導光板1の平面矢視形状が長方形である点で、第1の実施形態と相違する。
本実施形態において、一対の入光部15は、導光板1の長方形の長辺同士の中心線U1及び短辺同士の中心線U2を挟んで、互いに反対側に配置されている。導光板1の平面矢視形状が長方形である場合、図24に示すように、入光部15は周面1cの長辺の途中に配置されているが、周面1cの角部18に配置しても良い。いずれの場合にも、互いに向かい合う一対の入光部15のうち一の入光部15から入射した一の光の光軸Lと、他の入光部15から入射した他の光の光軸Lとは、入光部間直線Dを挟んで互いに反対側に存在する光領域C内を通り、且つ、各光領域C内に存在する中心線U1の端部U3を通る。このため、両方の入光部15から入射した光は、周面1cに当たる前に、広域領域Bの広範囲を進行する。このため、導光板1を均一に発光させることができる。なお、導光板1の平面矢視形状が長方形の場合、臨界角直線Eは、入光部15と角部18とを結ぶ直線となる。
図25に示すように、導光板1の平面矢視形状が長方形である場合にも、導光板1の裏面1bに点在する窪み11は、中央領域X、境界領域P及び周辺領域Yの順で、徐々に深くしていくことがよい。
(第4の実施形態)
本実施形態の発光装置は、図26に示すように、導光板1の平面矢視形状が正方形である点で、第3の実施形態と相違する。
本実施形態において、一対の入光部15は、導光板1の正方形の2対の辺のうち一方の一対の辺同士の中心線V1及び他方の一対の辺同士の中心線V2を挟んで、互いに反対側に配置されている。導光板1の平面矢視形状が正方形である場合、図26に示すように、入光部15は周面1cの角部18に配置されているが、周面1cの辺の途中に配置されていても良い。いずれの場合にも、互いに向かい合う一対の入光部15のうち一の入光部15から入射した一の光の光軸Lと、他の入光部15から入射した他の光の光軸Lとは、入光部間直線Dを挟んで互いに反対側に存在する光領域Cを通り、且つ、各光領域C内に存在する辺同士の中心線V1の端部V3を通る。両方の入光部15から入射された光は、周面1cに当たる前に、広域領域Bの広範囲を進行する。したがって、導光板1を均一に発光させることができる。
図27に示すように、導光板1の平面矢視形状が正方形である場合にも、導光板1の裏面1bに点在する窪み11は、中央領域X、境界領域P及び周辺領域Yの順で、徐々に深くしていくことがよい。
(第5の実施形態)
本実施形態の発光装置は、図28、図29に示すように、屈折部材3の屈折領域36の形状が3方向に延びる放射形状をなしている点、及び導光板1の裏面1bに設けられた窪み11が、3方向の配列方向Sに配列する点で、第1の実施形態と相違する。
図28に示すように、屈折領域36は、中心部36aから等角度(120°)で3方向に延びる延設部36bを有する。屈折領域36において、プリズムシート34は、中心34bから等間隔に複数の溝34aが形成されている。
図29に示すように、導光板1の裏面1bに設けられた窪み11は、短軸方向と、短軸方向に対して右側及び左側に120°傾斜する2方向の、あわせて3方向に配列しており、各配列方向Sは互いに等角度(120°)を形成している。
図30に示すように、屈折領域36の延び方向が導光板1の窪み11の配列方向Sに一致するように、屈折部材3と導光板1とを配置する。光源2のスイッチをOFFにしてこのように配置した屈折部材3及び導光板1を屈折部材3の表面側から見ると、図31に示すように、第1の実施形態の屈折領域36と同様に、屈折領域36の延設部36bの延び方向に沿って多数の直線の筋が見え、延設部36bの延び方向が強調されて見える。
(第6の実施形態)
本実施形態の発光装置は、図32に示すように、加飾部材5を設けていない点で、第1の実施形態と相違する。
本実施形態の発光装置は、導光板1と反射材8と屈折部材3とを備えている。屈折部材3全体が、発光装置の表面側から見える。光源2がONの場合及びOFFの場合のいずれにおいても、屈折領域36がみえる。光源2がONの場合には、屈折領域36は見え、更に屈折領域36の中に、溝34aと窪み11との協調による直線の筋が見える(図21参照)。光源2がOFFの場合には、屈折領域36は見えるが、直線の筋は見えない。
(第7の実施形態)
本実施形態の発光装置は、図33に示すように、屈折部材3を設けていない点が、第1の実施形態と相違する。
本実施形態の発光装置は、導光板1と反射材8と加飾部材5とを備えており、屈折部材3を設けていない。このため、光源2をONにしたときに、導光板1が均一に発光し、加飾部材5を均一な強度の光で照らす。加飾部材5は、発光ムラなく、発光意匠を発現することができる。
なお、上記実施形態では、加飾部材5はエンブレムであるが、ミリ波カバーなどの電波透過部材であってもよい。
上記実施形態では、導光板1において、互いに向かい合う入光部15のうち一の入光部15から入射した光の光軸Lと、他の入光部15から入射した光の光軸Lとは、入光部間直線Dを挟んで互いに反対側の領域に存在する光領域Cを通り、且つ入光部15と楕円形状の長軸Gの端部G1との間を結ぶ入光部端部間直線Tを中心に、入光部15において20°の角度を作って交差する2直線間の進行領域Q内を通っている。しかし、当該光軸は、光領域Cは通るが、進行領域Qは通らない場合であってもよく、逆に進行領域Qは通るが光領域Cは通らない場合であってもよい。
また、変形例として、光軸が光領域C及び進行領域Qを通るか否かにかかわらず、裏面1bの窪み11の深さを中央領域Xよりも周辺領域Yで低くしてもよく、また、屈折部材3及び/又は加飾部材5を設けてもよい。
上記実施形態の発光装置においては、導光板1の平面矢視形状が楕円、円形、長方形又は正方形であったが、これに限定されない。導光板1の平面矢視形状は、例えば、三角形、五角形、六角形などの他の多角形状であってもよい。
(1)上記実施形態の発光装置は、表面1aと裏面1bと周面1cを有する導光板1と、周面1cにおいて互いに対向する位置に設けられた複数の入光部15と、複数の入光部15にそれぞれ配設された複数の光源2とを備え、
互いに向かい合う一対の入光部15、15のうち一の入光部15から入射された一の光の光軸Lと、他の入光部15から入射された他の光の光軸Lとは、一の入光部15と他の入光部15とを結ぶ入光部間直線Dを挟んで反対側の領域を通り、
入光部15を通り且つ周面1cに対して臨界角θ0を形成する臨界角直線Eと、入光部間直線Dとがなす広域角度βを二等分する二等分線Fを中心に、広域角度βを100%としたときに50%の角度を作る2直線F1、F1間に形成された領域を光領域Cとしたときに、入光部15から入射された光の光軸Lが光領域C内を通るように入光部15が設定されていることを特徴とする。
上記構成において、複数の入光部15は、周面1cにおいて互いに対向する位置に配置されている。入光部15から入射された光の光軸Lは、入光部15と該入光部15と対向する他の入光部15とを結ぶ入光部間直線Dを挟んで反対側の領域を通る。このため、複数の入光部15から導光板1に光が入射されることによって、導光板1の広い範囲を発光させることができる。
ここで、臨界角θ0とは、屈折率が大きいところから小さいところに光が向かうとき、全反射が起きる最も小さな入射角をいう。入光部15から入射された光が周面1cに向かうとき、入光部15と周面1cにおいて臨界角θ0を形成する部分とを結ぶ直線を臨界角直線Eという。入光部15から光が、周面1cに対して臨界角θ0よりも大きい角度で入射する場合は、光は全反射するため、導光板1から外部に漏光せず、周面1cで反射される前後で光の強度は維持される。一方、入光部15から光が、周面1cに対して臨界角θ0よりも小さい角度で入射する場合は、光は当該周面1cにおいて一部が外部に漏光して、光強度は弱まる。つまり、臨界角直線Eと入光部間直線Dとの間の広域領域Bを通る光は、周面1cに対して臨界角θ0よりも小さい角度で入射する。光は当該周面1cにおいて一部が導光板1から外部に漏光して、導光板1を進行する光強度は、周面1cで反射された後には反射される前よりも弱くなる。
そこで、本実施形態では、入光部15から入射した光の光軸Lが臨界角直線Dと入光部間直線Eとの間の広域領域Bの略中心線に沿って進行するように入光部15を設定している。即ち、臨界角直線Eと入光部間直線Dとがなす広域角度βを二等分する二等分線Fを中心に、広域角度βを100%としたときに50%の角度を作る2直線F1、F1間に形成される領域を光領域Cとする。このとき、入光部15から入射された光の光軸Lが光領域C内を通るように、入光部15が設定されている。このようにすることで、入光部15から入射された光は、周面1cに当たって一部が外部に漏れ出る前に、広域領域Bの広範囲を進行し、表面1a及び裏面1bから均一に漏光する。このため、導光板1を均一に発光させることができる。
以上のように、条規実施形態によれば、導光体を均一に発光させることができる発光装置を提供することができる。
(2)上記(1)において、導光板1の平面形状は、楕円形状をなすことがよい。
(3)上記(1)又は(2)において、入光部15から入射された光の光軸Lは、入光部15と楕円形状の長軸Gの端部G1との間を結ぶ直線を中心に、入光部15において30°の角度を作って交差する2直線間の領域(進行領域Q)内を通るように入光部15が設定されていることが好ましい。
この場合には、入光部15から入射された光が、周面1cに当たる前に、遠方まで進行する。このため、周面1cに当たる前に、導光板1の広範囲が、入光部15から入射された光により発光する。ゆえに、効率的に導光板1を均一に発光させることができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、導光板1の裏面1bは、互いに対向する一対の入光部15、15の間に位置して一対の入光部15、15から入射された光が通る領域(双方光路領域M)を有する中央領域Xと、中央領域X以外の部分に位置する周辺領域Y(一方光路領域Nを含む)とをもち、周辺領域Y及び中央領域Xは複数の窪み11が点在しており、周辺領域Yに位置する窪み11の深さは、中央領域Xに位置する窪み11の深さよりも大きいことが好ましい。
一対の入光部15を通じて光源2から導光板1の内部に光を入射したとき、導光板1の中央領域Xは、一対の入光部15から入射した光が共に照射され、中央領域Xよりも周辺に位置する周辺領域Yは、一方の入光部15から入射した光が照射される。周辺領域Yは中央領域Xよりも発光強度が低くなる傾向にある。
そこで、上記実施形態では、導光板1の裏面1bに複数の窪み11を点在させ、中央領域Xの窪み11よりも周辺領域Yの窪み11の深さを深くして単位面積当たりの光の当たる面の面積を大きくする。これにより、中央領域Xと周辺領域Yの発光ムラを更に低減させることができる。
(5)上記(4)において、入光部15は、屈曲部18を有する場合がある。この場合、中央領域Xは、入光部15の屈曲部18において散乱した光が通る屈曲近傍領域Rを更に有することが好ましい。
屈曲近傍領域Rは、屈曲部18で散乱された光が強く発光する部分である。このため、屈曲近傍領域Rの窪み11についても、中央領域Xよりも窪みの深さを低くすることで、より均一な発光強度で導光板1を発光させることができる。
(6)上記(4)又は(5)において、導光板1の裏面1bは、中央領域Xと周辺領域Yとの間に、周辺領域Yに位置する窪み11の深さと、中央領域Xに位置する窪み11の深さとの間の深さをもつ窪みが点在する境界領域Pを有することが好ましい。
中央領域Xと周辺領域Yの境界で急激に窪み11の深さを変えた場合に比べて、中央領域Xと周辺領域Yの境界が視認されにくくなる。導光板1は、より一層均一に発光することができる。
(7)上記(4)〜(6)のいずれかにおいて、導光板1の表面側には、屈折部材3が配設されており、
屈折部材3は、透明基材31と、透明基材31の裏面31bにおいて順に積層された背景層32、ハーフミラー層33及びプリズムシート34とを有し、
ハーフミラー層33及びプリズムシート34は、透明基材31の裏面31b側において、少なくとも、1又は複数の延び方向Iに延びる延設部36bを有する屈折領域36を被覆しており、
背景層32は、透明基材31の裏面31bにおいて、屈折領域36を除く背景領域37を被覆しており、
プリズムシート34は、延設部36bの延び方向Iに向かって配列する複数の溝34aが設けられており、
導光板の窪み11の配列方向Sは、延設部36bの延び方向Iに一致していることが好ましい。
この場合、屈折部材3の裏面から表面に向けて光を照射して表面から屈折部材3を見たとき、屈折領域36は、プリズムシート34の溝34aを明確に視認できる。
ここで、導光板1の裏面1bには、多数の窪み11が複数の配列方向Sに等間隔に配列している。配列方向Sで隣合う窪み11同士のピッチS1は、他の角度で隣合う窪み11とのピッチよりも短い。窪み11の配列方向は、屈折領域36の延設部36bの延び方向Iに一致している。窪み11で反射、拡散された光が溝34aによって更に反射、拡散される。この場合、屈折部材3の表面から屈折部材3及び導光板1を見ると、屈折領域36の延設部36bの延び方向に多数の直線状の筋が延びていて、屈折領域36が延び方向Iに強調されているように視認される。
(8)上記(7)において、屈折部材3の表面側には、加飾部材5が配設されており、
加飾部材5は、透明なカバー材51と、カバー材51の裏面において順に積層された加飾層52及びハーフミラー層53とを有し、
加飾層52は、カバー材51の裏面において表示領域56以外の加飾領域57を被覆しており、
ハーフミラー層53は、カバー材51の裏面側において、少なくとも表示領域56を被覆していることが好ましい。
この場合、加飾部材5のカバー材51の表示領域56では、ハーフミラー層53が視認され、加飾領域57では加飾層52が視認される。
光源2のスイッチをOFFにした状態で発光装置を表面側からみたときには、ハーフミラー層53の金属調の表示領域56と、その周囲の加飾領域57に加飾層52の青色が見える。このとき、加飾部材5のハーフミラー層53により裏面側の屈折領域36は見えない。
光源2のスイッチをONにした状態で発光装置を表面側からみたときには、表示領域56にはハーフミラー層53の色と、加飾領域57には加飾層52の色が見える。そして、ハーフミラー層53を透かして、屈折部材3の屈折領域36が見える。更に、屈折領域36には、延び方向に多数の直線状の筋が見え、屈折領域36が延び方向Iに強調されて視認される。
夜間のように暗い環境下で発光装置をみたときには、加飾領域56の発光パターンに加えて、屈折領域36の発光パターンが鮮明に見える。昼間などの明るい環境下で見たときとは違って、複雑で美観の高い発光意匠を視認することができる。
加飾部材5は、屈折部材3の表面側に配設する代わりに、導光板1の表面側に直接配設することもできる。
(9)上記(1)〜(8)のいずれかにおいて、導光板1の裏面1bは反射材8で被覆されていることが好ましい。導光板1の裏面1bにおいて反射材8により光が反射、散乱されるため、裏面1bからの漏光を防止できる。
(10)上記実施形態の発光装置は、楕円形状の表面1a及び裏面1bと周面1cを有する導光板1と、周面1cにおいて互いに対向する位置に設けられた複数の入光部15と、複数の入光部15にそれぞれ配設された複数の光源2とを備え、
互いに向かい合う一対の入光部15、15のうち一の入光部15から入射された一の光の光軸Lと、他の入光部15から入射された他の光の光軸Lとは、一の入光部15と他の入光部15とを結ぶ入光部間直線Dを挟んで反対側の領域を通り、
入光部15から入射された光の光軸Lは、入光部15と楕円形状の長軸Gの端部G1との間を結ぶ直線(入光部端部間直線T)を中心に、入光部において30°の角度を作って交差する2直線間の領域(進行領域Q)内を通るように入光部15が設定されていることを特徴とする。
上記構成によれば、入光部15から入射された光は周面1cに当たるまで長く且つ広い範囲を進行する。周面1cからの漏光により光の強度が弱くなる前に、導光板1の広い範囲を進行させることができる。ゆえに、導光板1の全体は均一に発光することができる。
上記(10)においては、上記(2)、(4)〜(9)のいずれかを組み合わせることができる。
(11)本発明の変形形態である発光装置は、表面1aと裏面1bと周面1cを有する導光板1と、周面1cにおいて互いに対向する位置に設けられた複数の入光部15と、複数の入光部15にそれぞれ配設された複数の光源2とを備え、
導光板1の裏面1bは、互いに対向する一対の入光部15の間に位置して一対の入光部15、15から入射された光が通る領域を有する中央領域Xと、中央領域X以外の部分に位置する周辺領域Yとをもち、
周辺領域Y及び中央領域Xは複数の窪み11が点在しており、
周辺領域Yに位置する窪み11の深さは、中央領域Xに位置する窪み11の深さよりも大きいことを特徴とする。
上記(11)は、上記(1)〜(3)、(5)〜(10)のいずれかと組み合わせることができる。
(12)本発明の変形形態である屈折部材3は、透明基材31と、透明基材31の裏面31bにおいて順に積層された背景層32、ハーフミラー層33及びプリズムシート34とを有し、
ハーフミラー層33及びプリズムシート34は、透明基材31の裏面側において、少なくとも、1又は複数の延び方向Iに延びる延設部36bを有する屈折領域36を被覆しており、
背景層32は、透明基材31の裏面31bにおいて、屈折領域36を除く背景領域37を被覆しており、
プリズムシート34は、延設部36bの延び方向Iに向かって配列する複数の溝34aが設けられていることを特徴とする。
導光板1の窪み11の配列方向Sは、延設部36bの延び方向Iに一致していることが好ましい。
上記(12)は、上記(1)〜(6)、(8)〜(11)のいずれかと組み合わせることができる。