JP2017106838A - 慣性検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】容量検出型及びサーボ制御方式の慣性センサに関して、低い電源電圧でもサーボ力を効率的に発生させることができ、検出精度の向上や劣化抑制を実現できる技術を提供する。
【解決手段】慣性検出装置は、慣性体を含むセンサ要素2と、慣性体に設けられている第1電極であるフレーム3及びセンスマス4と、第1電極との対で容量を構成する第2電極と、を備え、第1電極に入力される第1信号(搬送波C0)における第1周波数の第1周波数ピークと重なりのある周波数ピークを有する第2信号(サーボ制御信号)を、第2電極に入力して、慣性体をサーボ制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、慣性検出技術に関する。
慣性センサ(以下、慣性検出装置と呼ぶ場合がある)は、物体の加速度や角速度等の物理量を検出するセンサである。慣性センサは、物質が及ぼす圧力や角速度の変動、傾斜角等の物体の状態を観測可能である。慣性センサは、例えば自動車等の乗り物の制御、無人飛行機や遠隔操作ロボットの姿勢制御や姿勢検知、音波や地震波等の観測、老朽インフラの保守情報の取得、スマートフォンへの具備等、各種の用途に使用されている。
慣性センサの検出原理として、容量検出型がある。容量検出型では、センサ要素の慣性体を構成する電極間の静電容量の変化に基づいて物理量が検出される。容量検出型の慣性センサは、MEMS構造の適用によりMEMSセンサとして小型及び低価格で実現できるため、用途が拡大している。そのセンサ要素は、シリコン等の物質が用いられ、検出回路との親和性が高いので、製造上の利点がある。
慣性センサにおいて検出精度を向上するための方式としては、センサ要素の慣性体をサーボ制御する方式がある。このサーボ制御は、慣性体が物理量の変化に伴って慣性座標系で変位する場合に、この変位を制御するために慣性体にサーボ力を与える制御である。言い換えると、このサーボ制御は、回路部から慣性体にサーボ電圧を印加してサーボ力を与えることにより、慣性体が好適な振動状態になるようにする制御である。
容量検出型及びサーボ制御方式の慣性センサに関する先行技術例としては、特許第3804242号公報(特許文献1)が挙げられる。特許文献1には、物理量検出装置として、フィードバック電圧を出力する信号処理回路、搬送波信号発生手段、等を備える旨が記載されている。
特許第3804242号公報
慣性センサを備えるシステムは、低消費電力等の実現のために動作電圧の低減が求められている。例えば、自動車向けの慣性センサの電源電圧の場合、12V、5V、3.3Vと下がってきている。静電気力を用いて力を発生させるシステムでは、発生できる静電気力は印加電圧の2乗に比例する。上記システムでは、慣性体を駆動するための動作電圧が小さい場合、例えば従来よりも動作電圧が低減される場合、その動作電圧に基づいて発生できるサーボ力が小さくなる。サーボ力が小さくなる場合、検出精度が下がる。そのため、上記システムでは、限られた動作電圧を用いて必要な力を効率よく発生させることが重要である。
検出精度は慣性体の変位の大きさに応じるが、その変位の大きさに応じてサーボ制御のサーボ電圧及びサーボ力が必要である。そのサーボ電圧はシステムの電源電圧を用いて生成されるが、電源電圧が低い場合、発生できるサーボ電圧が低く、サーボ力が小さくなる。その結果、信号雑音比(S/N)が小さくなり、ダイナミックレンジが狭くなり、検出精度が向上しにくい。低い電源電圧を用いて高いサーボ電圧を生成するためには、高電圧発生回路等を備える必要がある。しかし、高電圧発生回路は、素子サイズ及び消費電力が大きい。そのため、その慣性センサを備えるシステムは、回路面積及び消費電力が大きくなり、高コストになり、小型で低消費電力が要求される用途には適用しにくい。
本発明の目的は、容量検出型及びサーボ制御方式の慣性センサに関して、低い電源電圧でもサーボ力を効率的に発生させることができ、検出精度の向上や劣化抑制を実現できる技術を提供することである。
本発明のうち代表的な実施の形態は、慣性検出装置であって、以下に示す構成を有することを特徴とする。一実施の形態の慣性検出装置は、慣性体を含むセンサ要素と、前記慣性体に設けられている第1電極と、前記第1電極との対で容量を構成する第2電極と、を備え、前記第1電極に入力される第1信号における第1周波数の第1周波数ピークと重なりのある周波数ピークを有する第2信号を、前記第2電極に入力して、前記慣性体をサーボ制御する。
本発明のうち代表的な実施の形態によれば、容量検出型及びサーボ制御方式の慣性センサに関して、低い電源電圧でもサーボ力を効率的に発生させることができ、検出精度の向上や劣化抑制を実現できる。
本発明の実施の形態1の慣性検出装置の構成を示す図である。 実施の形態1で、センサ要素のセンスマスに関する容量、電極の構成、及び回路の概要構成を示す図である。 実施の形態1で、センスマスの変位におけるサーボ力を示す図である。 実施の形態1で、搬送波、変調前後のサーボ制御信号、及びサーボ力を示す図である。 実施の形態1と比較例とで、信号雑音比の改善について示す図である。 実施の形態1で、実装のモジュールの構成を示す図である。 実施の形態1で、波形のスペクトルを示す図である。 実施の形態1と比較例とで、動作電圧に対するサーボ力を示す図である。 実施の形態1と比較例とで、電源電圧よりも高い電圧を用いる場合の、動作電圧に対するサーボ力を示す図である。 実施の形態1と比較例とで、電源電圧よりも高い電圧を用いる場合の例、及び波形なまりが有る場合の、各信号及びサーボ力を示す図である。 実施の形態1と比較例とで、電源電圧よりも高い電圧を用いる場合の例、及び波形なまりが無い場合の、各信号及びサーボ力を示す図である。 実施の形態1で、変調回路での位相遅延についての図である。 実施の形態1で、波形なまりが有る場合についての図である。 実施の形態1で、センサ要素及び回路部の構成を示す図である。 実施の形態1で、回路部のアナログ回路の構成を示す図である。 実施の形態1で、回路部のコリオリ検出側の変調回路の構成を示す図である。 実施の形態1で、回路部の駆動側の変調回路の構成を示す図である。 実施の形態1で、回路部のコリオリ検出側のDACの構成を示す図である。 実施の形態1で、センサ要素のMEMS実装構造例を示す図である。 本発明の実施の形態2の慣性検出装置における、センサ要素及び回路部の構成を示す図である。 実施の形態2で、波形のスペクトルを示す図である。 実施の形態2で、センサ要素のMEMS実装構造例を示す図である。 本発明の実施の形態3の慣性検出装置における、センサ要素及び回路部の構成を示す図である。 実施の形態3で、センサ要素のMEMS実装構造例を示す図である。 比較例の慣性センサの構成を示す図である。 比較例で、サーボ制御に関する波形及びサーボ力を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[比較例]
前述の課題について補足する。図25〜図26を用いて、実施の形態1に対する比較例の慣性センサのサーボ制御等について説明する。比較例の慣性センサは、容量検出型及び一軸サーボ制御方式の角速度センサである。
図25は、比較例の慣性センサの機能ブロック構成を示す。この慣性センサは、ベース部に、センサ要素SE、及び回路部が設けられている。センサ要素SEは、慣性体として、フレームFR及びセンスマスSMを有する。フレームFR及びセンスマスSMには、サーボ制御及び検出のための容量が設けられている。容量は電極対により構成される。フレームFRは、第1軸方向(X方向とする)で変位(xとする)が可能である。センスマスSMは、フレームFRに対して第2軸方向(Y方向とする)で変位(yとする)が可能である。X方向とY方向は直交する。この慣性センサは、回路部でセンスマスSMの変位yを計測することにより、角速度を計測する。この慣性センサで使われるサーボ制御は、2つの制御から成る。第1の制御は、フレームFRの運動を一定振動状態に保持する制御である。第2の制御は、センスマスSMを初期位置に保持する制御である。
回路部は、フレームFRに対するサーボ制御及び検出を行う第1回路部と、センスマスSMに対するサーボ制御及び検出を行う第2回路部と、フレームFR及びセンスマスSMに搬送波C0を印加する搬送波発生回路250とを含む。第1回路部は、第1高電圧発生回路251を含む。第1高電圧発生回路251は、電源電圧V0の入力に基づいて、電源電圧V0からの昇圧により、第1電圧V1を生成し出力する。V1>V0である。電源電圧V0は、この慣性センサが搭載されるシステムから供給される。第2回路部は、第2高電圧発生回路252を含む。第2高電圧発生回路252は、電源電圧V0の入力に基づいて、昇圧により、第2電圧V2を生成し出力する。V2>V0である。
この慣性センサでは、センサ要素SEの容量変化を検出するために、センサ要素SEに搬送波C0を印加する。搬送波C0は、容量電圧変換に用いられる。搬送波発生回路250は、電源電圧V0に基づいて、搬送波C0を発生し、フレームFR及びセンスマスSMに共通に印加する。
フレームFRの運動制御では、第1回路部により、フレームFRの変位xを、検出容量である容量Csxから検出電圧Vsxとして検出する。第1回路部内のアナログ回路は、容量Csxの容量値から、容量電圧変換に基づいて、検出電圧Vsxを得る。制御回路は、その検出電圧Vsxに基づいて、フレームFRの振動状態を制御するための信号を生成し、DAC(デジタルアナログ変換器)へ出力する。DACは、その信号に基づいて、サーボ制御のためのアナログ電圧を生成し、サーボ制御信号のサーボ電圧Vfxとして、サーボ容量である容量Cfxに印加する。この際、DACは、第1電圧V1に基づいてサーボ電圧Vfxを生成する。
センスマスSMの運動制御では、第2回路部により、センスマスSMの変位yを、検出容量である容量Csyから検出電圧Vsyとして検出する。第2回路部内のアナログ回路は、容量Csyの容量値を、容量電圧変換により、検出電圧Vsyとして差動検出する。制御回路は、その検出電圧Vsyに基づいて、センスマスSMの状態を制御するための信号を生成し、DACへ出力する。DACは、制御回路からの信号に基づいて、サーボ制御のためのアナログ電圧を生成し、サーボ制御信号のサーボ電圧Vfyとして、サーボ容量である容量Cfyに印加する。この際、DACは、第2電圧V2に基づいてサーボ電圧Vfyを生成する。
図26は、図25の比較例における各信号の波形及びサーボ力を示す。図26の(a)は、搬送波C0の電圧Vcomを示す。なお、この波形は、矩形波に基づいて、波形なまりにより、三角波に近付いた状態を示す。慣性センサで搬送波を印加する方式は公知技術である。図26の(b)は、センスマスSMに対するサーボ制御信号のサーボ電圧Vfyを示し、第2回路部内のDACの出力信号に相当する。サーボ電圧Vfyにおける正側の電圧Vfypと負側の電圧Vfynとで位相反転関係を持つ。図26の(c)は、センスマスSMに対するサーボ力Fsを示す。破線は実効サーボ力を示す。センスマスSMには、(a)の電圧Vcomと(b)のサーボ電圧Vfyとの両方が印加された結果、(c)のようなサーボ力Fsが発生している。
センスマスSMの変位yは、角速度の大きさをΩ、フレームFRの速度をv、センスマスSMの質量をmとすると、y=2mvΩと記述される。速度vを大きくすると、同じ大きさの角速度入力に対して出力を大きくすることができる。速度vを大きくするためには、フレームFRの変位xを大きくする必要がある。しかし、システムの電源電圧V0が低い場合、例えば従来よりも低減される場合、発生可能な力が小さくなる。そのため、速度xは小さくならざるを得ない。
そこで、比較例では、フレームFRに印加するサーボ電圧Vfxを生成するDACを含む第1回路部については、第1高電圧発生回路251を用いる。第1高電圧発生回路251では、低い電源電圧V0よりも高い電圧である第1電圧V1を生成し、第1電圧V1を用いてDACでサーボ電圧Vfxを生成する。これにより、フレームFRの変位xを大きくでき、それに伴ってセンスマスSMの変位yを大きくでき、これにより検出精度を向上することができる。
しかし、センスマスSMの変位yが大きくなる場合、変位yを抑制して静止状態に近付けるためのサーボ制御に必要な力もまた大きくなる。即ち、第2回路部のDACから容量Cfyに印加するサーボ電圧Vfyについても、高い電圧が必要となる。このために、比較例では、サーボ電圧Vfyを従来よりも増大するために、第2回路部で第2高電圧発生回路252を用いる必要がある。第2高電圧発生回路252では、低い電源電圧V0よりも高い電圧である第2電圧V2を生成し、第2電圧V2を用いてDACでサーボ電圧Vfyを生成する。
よって、比較例では、二系統の高電圧発生回路として、第1高電圧発生回路251及び第2高電圧発生回路252の具備が必要である。高電圧発生回路は、昇圧回路を含む。昇圧回路を構成するトランジスタ等の素子のサイズが大きい。そのため、各高電圧発生回路を実装するために、大きな回路面積を要する。これにより、比較例の慣性センサ及びそのシステムは、回路面積及び消費電力の増大を招く。
第2高電圧発生回路252を用いずに、低い電源電圧V0を用いてサーボ電圧Vfyを生成する構成とする場合、サーボ力不足となる。その結果、制御ループが完全な閉ループとならず、信号成分の漏れが起こる。そのため、信号雑音比(S/N)もしくはダイナミックレンジが劣化する要因となり、検出精度の低下につながる。
(実施の形態1)
図1〜図19を用いて、本発明の実施の形態1の慣性検出装置について説明する。実施の形態1の慣性検出装置は、容量検出型及び一軸サーボ制御方式の角速度センサである。
[(1−1)慣性センサ_機能ブロック]
図1は、実施の形態1の慣性検出装置の機能ブロック構成を示す。図1の実施の形態1の慣性検出装置は、図25の比較例の構成に対し特に異なる点として、変調回路13を有する点、第2回路部12には第2高電圧発生回路を有さない点がある。実施の形態1では、搬送波C0の利用の仕方が異なり、センサ要素2に印加されるサーボ制御信号のサーボ電圧Vfyの波形が異なる。
実施の形態1の慣性検出装置は、構成要素として、大別すると、ベース部1、センサ要素2、及び回路部を有する。ベース部1には、センサ要素2、及び回路部が設けられている。センサ要素2は、慣性体として、フレーム3とセンスマス4とを有する。フレーム3は第1マスであり、センスマス4は第2マスである。フレーム3は、ベース部1に対してバネ等を介して接続されており、第1軸方向であるX方向で変位xが可能である。センスマス4は、フレーム3に対してバネ等を介して接続されており、フレーム3に対して第2軸方向であるY方向で変位yが可能である。
慣性体におけるX方向の変位x及びY方向の変位yを検出するために、フレーム3及びセンスマス4を有する。フレーム3及びセンスマス4には、それぞれ、容量としてサーボ容量及び検出容量が設けられている。それらの容量は電極対により構成される。電極対は回路部と接続されている。一軸サーボ制御方式として、センサ要素2のセンスマス4を対象として、Y方向の変位yに関するサーボ制御が行われる。角速度センサでは、振動する慣性体に加わるコリオリの力を用いて角速度を検出する。静電容量型では、慣性体の変位による電極間の容量の変化が検出される。フレーム3は、第1軸方向(X方向)の変位xに対応した駆動側であり、センスマス4は、第2軸方向(Y方向)の変位yに対応したコリオリ検出側である。
実施の形態1の慣性検出装置では、フレーム3をX方向での一定振動状態に保持した状態で、センサ要素2に角速度が加わった場合、センスマス4が、フレーム3の振動と同一面内のY方向を、フレーム3に対し相対変位する。この慣性センサは、回路部で上記センスマス4の変位yを計測することにより角速度を計測する。この慣性センサで使われるサーボ制御は、2つの制御から成る。第1の制御は、フレーム3の運動を一定振動状態に保持する制御である。第1の制御では、変位xの制御目標として、所定の振動周波数及び振動振幅とする。第2の制御は、センスマス4を初期位置に保持する制御である。初期位置は、角速度がゼロの時の、フレーム3に対するセンスマス4の相対位置である。第2の制御では、変位yの制御目標として、初期位置での静止状態である。
回路部は、搬送波発生回路10、第1回路部11、第2回路部12、変調回路13を含む。回路部には、この慣性センサを搭載するシステムの電源電圧V0が入力される。
搬送波発生回路10は、電源電圧V0に基づいて、搬送波C0を発生し、搬送波C0を、センサ要素2のフレーム3及びセンスマス4に共通に印加する。第1回路部11は、フレーム3に対するサーボ制御及び検出を行う。第2回路部12は、センスマスSMに対するサーボ制御及び検出を行う。搬送波発生回路10は、制御回路52からの搬送波制御信号Scに従って搬送波C0を発生する。
第1回路部11は、アナログ回路41、制御回路51、DAC31、第1高電圧発生回路21を含む。第1高電圧発生回路21は、電源電圧V0を入力し、昇圧により、第1電圧V1を生成し出力する。V1>V0である。
フレーム3及びセンスマス4には、サーボ制御及び検出のための容量が設けられている。フレーム3には、サーボ制御のためのサーボ容量である容量Cfx、及び検出のための検出容量である容量Csxを有する。これらの容量は第1回路部11と接続されている。容量Csxを構成する電極はアナログ回路41と接続されている。容量Cfxを構成する電極はDAC31と接続されている。
センスマス4には、サーボ制御のためのサーボ容量である容量Cfyとして、正側の容量Cfyp及び負側の容量Cfynを有し、検出のための検出容量である容量Csyとして、正側の容量Csyp及び負側の容量Csynを有する。これらの4個の容量は、第2回路部12と接続されている。容量Csy{Csyp,Csyn}を構成する電極は、アナログ回路42と接続されている。容量Cfy{Cfyp,Cfyn}を構成する電極は、変調回路13の変調器132と接続されている。
フレーム3の運動制御では、第1回路部11により、フレーム3の変位xを、検出容量である容量Csxから検出電圧Vsxとして検出する。アナログ回路41は、容量Csxの容量値から、容量電圧変換に基づいて、検出電圧Vsxとして検出する。検出電圧Vsxは、変位xを表している。
制御回路51は、検出電圧Vsxに基づいて、フレーム3の振動状態を制御するためのデジタル信号を生成し、DAC31へ出力する。DAC31は、そのデジタル信号に基づいて、サーボ制御のためのアナログ電圧を生成し、サーボ制御信号のサーボ電圧Vfxとして出力する。この際、DAC31は、第1電圧V1に基づいて、サーボ電圧Vfxを生成する。サーボ電圧Vfxは、サーボ容量である容量Cfxの電極に印加される。
第2回路部12は、アナログ回路42、制御回路52、DAC32、ロジック回路53を有する。センスマス4の運動制御では、第2回路部12により、センスマス4の変位yを、検出容量である容量Csy{Csyp,Csyn}から検出する。アナログ回路42は、容量Csyの容量値を、容量電圧変換により、検出電圧Vsy{Vsyp,Vsyn}として差動検出する。検出電圧Vsyは、変位yを表している。
制御回路52は、検出電圧Vsyに基づいて、センスマス4の状態を制御するための信号SVを生成し、DAC32へ出力する。信号SVは、サーボ制御のためにDAC32を制御するための信号である。DAC32は、正側DAC及び負側DACを含む。DAC32は、制御回路52からの信号SVに基づいて、サーボ制御のためのアナログ電圧を生成する。この際、DAC32は、電源電圧V0に基づいて、そのアナログ電圧を生成し、出力信号DA{DAp,DAn}として、変調回路13へ出力する。出力信号DA{DAp,DAn}は、言い換えると、変調前のサーボ制御信号である。
変調回路13は、実施の形態1で特有のサーボ制御信号を生成する回路である。変調回路13は、反転器、遅延器131、変調器132を有する。変調回路13は、搬送波発生回路10からの搬送波C0を入力し、その搬送波C0の電圧Vcomの位相を反転器で反転して、遅延器131に入力する。遅延器132は、適切な変調のために、搬送波C0に適切な遅延を与える回路である。遅延器131は、制御回路52からの遅延制御信号Sdに基づいて、搬送波C0の反転信号を適切に遅延させて、搬送波遅延信号Vdとして出力する。適切な遅延については後述する。搬送波遅延信号Vdは変調器132に入力される。
変調回路13は、DAC32からの出力信号DA{DAp,DAn}を入力し、出力信号DA{DAp,DAn}のアナログ電圧を、搬送波C0を用いて変調する。その際、変調器132は、出力信号DA{DAp,DAn}のアナログ電圧を、搬送波遅延信号Vdによって変調する。変調器132は、正側変調器及び負側変調器を含む。変調器132は、変調後のアナログ電圧の信号を、サーボ制御信号のサーボ電圧Vfy{Vfyp,Vfyn}として出力する。サーボ電圧Vfyは、センスマス4のサーボ容量である容量Cfyを構成する電極に印加される。正側の出力信号DApは、正側変調器により変調されて、正側のサーボ電圧Vfypとして出力され、正側の容量Cfypの電極に印加される。負側の出力信号DAnは、負側変調器により変調されて、負側のサーボ電圧Vfynとして出力され、負側の容量Cfynの電極に印加される。
制御回路52は、アナログ回路42での検出電圧Vsyに基づいた信号OP1を、ロジック回路53へ出力する。ロジック回路53は、所定のロジック処理を行う回路であり、信号OP1に基づいて、角速度の計算を含む処理を行い、その結果の角速度検出情報を含む出力信号OP2を、外部へ出力する。角速度出力は、センスマス4の制御で印加したサーボ力の大きさとして表現される。ロジック回路53は、言い換えると角速度出力部である。
変調回路13は、搬送波C0及びサーボ電圧Vfyをモニタするための機能を備えている。この機能を用いて、各信号の波形を確認可能であり、それにより各信号の波形を調整可能である。遅延器131は、制御回路52からの遅延制御信号Sdに従って遅延量が制御される。その遅延量は、制御回路52に対する設定によって可変である。制御回路52は、この遅延量の設定を含むユーザ設定を実現する機能を備えてもよい。
[(1−2)センサ要素の容量及び電極の構成、回路構成]
図2は、センサ要素2のセンスマス4の容量、電極の構成、及びセンスマス4の変位yの検出及びサーボ制御のための回路の概要構成を示す。センスマス4は、コリオリ検出側の電極であり、搬送波C0が印加される第1電極である。センスマス4には、4個の容量として、サーボ容量である容量Cfy{Cfyp,Cfyn}、及び検出容量である容量Csy{Csyp,Csyn}が設けられている。
容量Cfyは、正側の容量Cfypと負側の容量Cfynとで成る。正側の容量Cfypは、電極対により構成され、その片方の電極は、第1電極であるセンスマス4であり、その他方の電極は、第2電極である電極Dfypである。電極Dfypは、正側のサーボ電極である。同様に、負側の容量Cfynは、電極対として、第1電極であるセンスマス4と、第2電極である電極Dfynとで構成される。電極Dfynは、負側のサーボ電極である。正側の電極Dfypには正側の電圧Vfypが印加され、負側の電極Dfynには負側の電圧Vfynが印加される。
容量Csyは、正側の容量Csypと負側の容量Csynとで成る。正側の容量Csypは、電極対により構成され、その片方の電極は、第1電極であるセンスマス4であり、その他方の電極は、第3電極である電極Dsypである。電極Dsypは、正側の検出電極である。同様に、負側の容量Csynは、電極対として、第1電極であるセンスマス4と、第3電極である電極Dsynとで構成される。電極Dsynは、負側の検出電極である。正側の電極Dsypから正側の電圧Vsypが検出され、負側の電極Dsynから負側の電圧Vsynが検出される。
第1電極であるセンスマス4は、フレーム3を通じて、第1回路である搬送波発生回路10と接続されている。センスマス4には第1信号として搬送波C0が印加される。第2電極である電極Dfy{Dfyp,Dfyn}は、変調回路13と接続されている。第3電極である電極Dsy{Dsyp,Dsyn}は、アナログ回路42と接続されている。第3回路である検出回路として、アナログ回路42は、第3電極からの検出電圧Vsyを、第3信号である検出信号として検出する。制御回路52は、検出信号に基づいた信号OP1を出力する。第3信号は、センスマス4の振動及び変位yの状態に応じた周波数を持つ信号である。
第2回路であるサーボ制御回路として、制御回路52は、検出電圧Vsyの検出信号から、サーボ制御のための信号SVを生成し、DAC32へ出力する。DAC32は、その信号SVから、電源電圧V0に基づいて、サーボ制御のためのアナログ電圧を生成し、出力信号DAとして出力する。変調回路13は、その出力信号DAを、搬送波C0により変調し、変調後のサーボ制御信号のサーボ電圧Vfyとして出力する。そのサーボ電圧Vfyは、第2信号として、第2電極である電極Dfy{Dfyp,Dfyn}に印加される。
センスマス4のY方向の変位yに対して、上記サーボ制御により発生されるサーボ力Fsが加えられることにより、センスマス4が初期位置に維持される。第1電極への第1信号である搬送波0の電圧Vcomは、後述するが、第1周波数ピークを持つ信号である。それに対し、第2電極への第2信号であるサーボ電圧Vfyは、第1信号の第1周波数ピークと重なる周波数ピークを持つ信号である。
[(1−3)変位、サーボ力]
図3は、図2のセンスマス4に慣性力が加わった場合における、Y方向の変位yの状態と、その時に働くサーボ力Fsについて示す。図3の(a)は、センスマス4の変位yとして正側(図3では上)へ変位した状態の時のサーボ力Fsを示す。このサーボ力は、センスマス4を変位yの初期位置(破線で示す)へ戻そうとする方向(図3では下)への力である。一点鎖線はセンスマス4の中心位置を示す。図3の(b)は、センスマス4の変位yとして負側(図3では下)へ変位した状態の時のサーボ力を示す。このサーボ力は、センスマス4を初期位置へ戻そうとする方向(図3では上)への力である。
サーボ制御側において、正側の容量Cfypの両端電圧をVpとすると、Vp=(Vfyp−Vcom)であり、負側の容量Cfynの両端電圧をVnとすると、Vn=(Vfyn−Vcom)である。サーボ力Fsは(Vp−Vn)に比例する。即ち、Fs∝(Vp−Vn)で記述される。
[(1−4)搬送波、サーボ制御信号、サーボ力]
図4は、実施の形態1で、サーボ制御に係わる各信号及びサーボ力について示す。図4の(a)は、搬送波C0の電圧Vcomを示す。なお、図4では、波形なまりが有る状態を示す。搬送波C0の発生時の波形は矩形波であるが、一般的に実際の波形は、回路伝播で波形がなまる影響により、図示するように三角波に近付く。搬送波C0の振動周波数Fcomは、フレーム3の周波数の2倍以上に設定されなければならない。通常の角速度センサでは、この振動周波数は、フレームの周波数よりも十分に大きな周波数に設定される。実施の形態1では、振動周波数Fcomは、フレーム3の周波数に対して8倍の周波数に設定されている。
搬送波C0の電圧Vcomにおいて、Lowの時の電位は接地電位Vgnd、Highの時の電位は電源電圧電位Vddである。電源電圧電位Vddは、電源電圧V0の最大電圧レベルに対応した電位である。電圧Vcomの振幅Vppは(Vdd−Vgnd)である。
アナログ回路42内の容量電圧変換回路の出力の電圧値をCVout、容量変動をΔC、容量電圧変換回路のゲインを決める容量をCgとする。その場合、CVout=Vpp×ΔC/Cgと記述される。CVoutは、搬送波C0の振幅Vppに比例する。そのため、振幅Vppは、電源電圧V0の全て、即ち最大の振幅及び電圧レベルを用いることが望ましい。よって、実施の形態1では、電源電圧V0の最大電圧レベルを用いて、上記搬送波C0の振幅Vppが規定されている。搬送波発生回路10は、電源電圧V0の最大電圧レベルに対応した振幅Vppを持つ搬送波C0を発生する。なお、変形例としては、搬送波C0の振幅Vppとして、電源電圧V0の最大電圧レベル以外を用いることも可能である。
図4の(b)は、変調前のサーボ制御信号である、DAC32の出力信号DA{DAp,DAn}の電圧波形を示す。この電圧波形は、検出電圧Vsxに基づいた、フレーム3の振動状態に応じた周波数を持つ信号である。この出力信号DAは、正側の出力信号DApと負側の出力信号DAnとで位相反転関係を持つ。なお、pは正側、nは負側を示す。
出力信号DAは以下のような信号である。センスマス4の変位yが、容量Csyの電極Dsyを通じてアナログ回路42で検出される。アナログ回路42は、電圧Vsy{Vsyp,Vsyn}から、容量電圧変換により、変位yに対応する容量値を電圧値として検出する。制御回路52は、変位yがゼロになるように制御するために、アナログ回路42の検出信号に基づいて、適切にゲイン、遅延、及び位相を制御する。制御回路52は、その制御による信号SVをDAC32へ出力する。DAC32は、その信号SVからDA変換により生成したアナログ電圧を、出力信号DAとする。DAC32は、出力信号DAに関して、正側と負側で位相を逆転させることにより、適切な制御を行う。この出力信号DAの波形では、センサ要素2の物理量入力として正弦波を仮定している。実施の形態1の場合、エラー成分と角速度成分が共に、フレーム3の振動と同じ周波数で変調されている。そのため、この正弦波の振動数及び振幅は、フレーム3の振動状態を反映している。
図4の(c)は、変調後のサーボ制御信号のサーボ電圧Vfyの波形を示す。このサーボ電圧Vfy{Vfyp,Vfyn}は、変調回路13により出力信号DA{DAp,DAn}であるアナログ電圧を、搬送波遅延信号Vdによって変調した電圧である。サーボ電圧Vfyは、搬送波C0の変調を有する信号である。この変調では、電圧Vcomの値がHighの時(例えば時点t1)には、出力信号DAの直流成分の値(例えば約0.75)に対応した出力(例えば約0.5)となるようにする。また、この変調では、電圧Vcomの値がLowの時(例えば時点t2)には、出力信号DAの直流成分の値に対して正負で位相反転した出力{Vfyp,Vfyn}となるようにする。正側の電圧Vfypと負側の電圧Vfynは、それぞれの直流レベルが、出力信号の直流成分に対して対称形状であり、位相反転関係を持つ。このように、変調回路13により搬送波C0を用いてサーボ制御信号に変調をかける点が重要である。サーボ電圧Vfyの詳しい特性については後述する。
図4の(d)は、図4の(c)のサーボ電圧Vfyに基づいて発生するサーボ力Fsを実効サーボ力として示す。実施の形態1と比較例で、発生可能な最大サーボ電圧を共通とした場合に、発生できる最大サーボ力について、比較説明する。まず、図26の(c)のように、比較例では、搬送波C0の電圧Vcomの周波数(f1)がサーボ力Fsの中に残ってしまう。そのため、比較例では、発生できる実効サーボ力が比較的小さくなる。
それに対し、図4の(d)のように、実施の形態1では、搬送波C0の電圧Vcomを用いて、DAC32の出力信号DAのアナログ電圧を変調する。そのため、電圧Vcomとの差分をとることにより、電圧Vcomの振動成分を除去できる。この結果、実施の形態1では、図4の(d)のサーボ力Fsにおいて、本来必要な正弦波成分しか残らず、結果として最大効率の実効サーボ力を発生することができる。このサーボ力Fsは、比較例のサーボ力Fsよりも大きくなる。
実施の形態1のように最大サーボ力が発生できる場合、サーボ電圧の生成手段として、高圧電源や高電圧発生回路を使用しなくて済む。即ち、実施の形態1では、電源電圧V0として高い電圧が不要であり、比較的低い電圧が適用可能である。また、電源電圧V0として低い電圧から高い電圧を生成するための第2高電圧発生回路252が不要である。もしくは、高圧電源を用いる場合でも、従来と比較して低い電圧で同じ効果が得られる。即ち、実施の形態1では、高効率のサーボ制御が可能である。これにより、実施の形態1では、実装の回路面積を低減でき、低消費電力を実現できる。また、実施の形態1では、S/N及びダイナミックレンジを確保し、検出精度を犠牲にせずに、安価なシステムを実現できる。
[(1−5)信号雑音比の改善]
図5を用いて、比較例に対する実施の形態1でのS/Nの改善について説明する。図5の(A)は実施の形態1でのS/N、図5の(B)は比較例でのS/Nを示す。それぞれ、(a)は入力物理量変位、(b)はサーボ制御変位、(c)は解像度、(d)は検出回路を示す。(a)のように、実施の形態1と比較例で共に、入力物理量変位を同じ100と仮定する。(b)のように、実施の形態1では、最大サーボ力が得られた結果、振幅を20まで抑制でき、比較例では、60までしか抑制できないと仮定する。この仮定で、比較例のサーボ制御変位を解像しきることができるように最大入力レンジを設定する。その場合、アナログ回路の階調が16ビットであるとすれば、(c)のように、解像度は60/216となる。この場合に、(d)のように、比較例では、(a)の入力物理量変位以上の信号の場合には、検出回路が飽和する。一方、実施の形態1では、それ以上の信号であっても検出回路は飽和せず、あと3倍まで入力物理量を増大可能である。
このため、回路の熱雑音を10LSBと仮定した場合におけるS/Nは、実施の形態1では30、比較例では10となる。よって、実施の形態1の採用により、比較例に対してS/Nを3倍に向上できる。上記S/Nは、ほんの一例であり、センサ要素のMEMS構造に応じてサーボ力の大きさを設計できるため、S/Nを3倍以上に向上できる可能性もある。この際、実施の形態1の優れた点として、変調回路13が必要であるものの、サーボ制御に使う電圧を従来方式の電圧と変わらないようにできる点がある。
[(1−6)モジュール]
図6は、図1の実施の形態1の慣性検出装置における実装のモジュール100の構成として、チップ配置及び配線等を示す。このモジュール100は、MEMS角速度センサモジュールである。図6の(A)は、モジュール100の主面の構成、図6の(B)は、側面の構成を示す。主面は、X方向及びY方向を持つ平面に対応する。このモジュール100は、回路チップ101と、センサチップ102とを有する。回路チップ101の上に、センサチップ102が積層されている。回路チップ101は、図1のベース部1と対応し、回路部がLSI等で実装されている。センサチップ102には、図1のセンサ要素2がMEMSで実装されている。回路チップ101とセンサチップ102は、外周部の複数の箇所で、それぞれ、ボンディングパッド103に対して為されたワイヤボンド104によって電気的に接続されている。ワイヤボンド104で接続されるボンディングパッド103同士は、物理的距離が短くなるよう配置されている。これにより、ワイヤボンド104による寄生成分を最小限に留め、予期せぬ遅延による不良を防ぐ効果がある。
[(1−7)スペクトル]
図7は、図6のモジュール100の各信号のスペクトルについて示す。図6で、プローブp1で示す箇所のボンディングパッド103をプローブし、その波形が観測される。プローブp1で示す箇所は、搬送波C0の電圧Vcomを印加する部分に相当する。プローブp1の箇所が、オシロスコープ等によって時系列に観測される。すると、図4の(a)のような搬送波C0の電圧Vcomが確認される。プローブp2で示す箇所は、変調前のサーボ制御信号の出力信号DAを印加する部分に相当する。この箇所を観測すると、図4の(b)のような出力信号DAの正側の出力信号DApの波形が確認される。プローブp3で示す箇所は、変調後のサーボ制御信号のサーボ電圧Vfyを印加する部分に相当する。この箇所を観測すると、図4の(c)のようなサーボ電圧Vfyの正側の電圧Vfypの波形が確認される。
これらの波形を周波数スペクトル解析すると、図7のようなスペクトルが得られる。図7で、横軸が周波数、縦軸がスペクトルであり、スペクトルSP1〜SP3を有する。点線で示すスペクトルSP1は、プローブp1に対応した図4の(a)の搬送波C0の電圧Vcomのスペクトルである。このスペクトルSP1は、第1周波数FS1の所に第1周波数ピークが確認される。この第1周波数ピークの第1周波数FS1は、図4の(a)の電圧Vcomの振動周波数Fcomに相当する。
細実線で示すスペクトルSP2は、プローブp2に対応した図4の(b)の正側の出力信号DApのスペクトルである。このスペクトルSP2は、第2周波数FS1の所に第2周波数ピークが確認される。第2周波数FS2は第1周波数FS1よりも低い。この第2周波数ピークの第2周波数FS2は、図4の(b)のフレーム3の振動周波数Ffに相当する。フレーム3の振動周波数Ffは、搬送波C0の振動周波数Fcomよりも低い(Ff<Fcom)。
太実線で示すスペクトルSP3は、プローブp3に対応した図4の(c)の変調後のサーボ制御信号のサーボ電圧Vfyの正側の電圧Vfypのスペクトルである。このスペクトルSP3は、第1周波数FS1及び第2周波数FS2の2つの周波数の所に、周波数ピーク701及び周波数ピーク702が確認される。これら2つの周波数は、フレーム3の振動周波数Ff及び搬送波C0の振動周波数Fcomに該当する。スペクトルSP3の第1周波数FS1の所の周波数ピーク701は、スペクトルSP1の第1周波数ピークとの重なりを有する。スペクトルSP3の第2周波数FS2の所の周波数ピーク702は、スペクトルSP2の第2周波数ピークとの重なりを有する。このように、スペクトルSP3は特徴的な成分として2つの周波数ピークを持つ。この理由は、変調回路13で、振動周波数Ffを持つ出力信号DAの波形を、振動周波数Fcomを持つ搬送波C0によって変調しているためである。
モジュール100では、変調回路13のモニタの機能を用いて、搬送波C0の電圧Vcom、及びサーボ電圧Vfy等を観測できる。これにより、図7のように、スペクトル解析結果として、特徴的な成分を持つことが確認できる。上記のように、実施の形態1でセンスマス4に印加されるサーボ電圧Vfyは、第1周波数ピーク及び第2周波数ピークに対応した2つの周波数ピークを持つ波形である。なお、これらのスペクトルは理想的な状態を示しており、実際のスペクトルには、ノイズ成分や矩形波に基づいた高調波成分が含まれる可能性があるが、上記特徴が観測される特性は失われない。
[(1−8)サーボ力−動作電圧_(1)]
図8は、実施の形態1の効果に関して、動作電圧に対するサーボ力を、比較例との定量比較で示す。図8中の実線は実施の形態1、破線は比較例を示す。図8の(A)は、一定の搬送波C0で、サーボ電圧Vfyを変化させた場合における、発生するサーボ力Fsの変化をプロットしたグラフを示す。一定の搬送波C0として、電圧Vcomの振幅を1に固定した場合である。サーボ電圧Vfyとして、正側の電圧Vfyp(電圧Vfynでも同じ)の大きさを0〜1の範囲で変化させた場合である。電圧Vcom及び電圧Vfypの大きさが1である場合は、電源電圧V0の最大電圧レベルを使用する場合に相当する。比較例のサーボ力Fsの最大値は約0.15[au]であり、実施の形態1のサーボ力Fsの最大値は約0.6[au]である。実施の形態1では、電圧Vfypに対してサーボ力Fsが線形で増加する特性を有する。実施の形態1では、比較例に比して最大で4倍大きいサーボ力Fsが得られる。実施の形態1は、これらの2つの利点を有する。
図8の(B)は、一定のサーボ電圧Vfyで、搬送波C0の電圧Vcomを変化させた場合における、サーボ力Fsの変化をプロットしたグラフを示す。一定のサーボ電圧Vfyとして、正側の電圧Vfypを1に固定した場合である。電圧Vcomの振幅を0〜1の範囲で変化させた場合である。容量検出時の信号の振幅の大きさは電圧Vcomに比例する。そのため、基本的には電圧Vcomの振幅として最大値である1を用いることが自然である。比較例では、電圧Vcomが小さいほど大きなサーボ力Fsが得られるため、大きなサーボ力Fsを得るためには、無理の無い範囲で電圧Vcomを小さくせざるを得ない。比較例では、サーボ力Fsと容量検出精度及びS/N等との間にトレードオフの関係がある。
一方、実施の形態1では、サーボ力Fsが電圧Vcomに比例するため、搬送波C0の電圧Vcomを最大値である1に設定することができる。これは、最大のサーボ力Fsが得られると共に、最大の信号強度もしくは最大の容量検出精度及びS/N等が得られることを意味する。即ち、実施の形態1では、比較例のサーボ力Fsと容量検出精度等とのトレードオフを解消できる利点がある。
[(1−8)サーボ力−動作電圧_(2)]
図9は、電源電圧V0よりも高い電圧(Vhとする)をサーボ電圧Vfyに用いる場合における、動作電圧に対するサーボ力の関係について、実施の形態1と比較例との比較で示す。横軸は、搬送波C0の電圧Vcomの振幅を1に固定した場合で、正側の電圧Vfypを0〜4の範囲で変化させた場合を示す。図9を用いて、サーボ電圧Vfyとして電源電圧V0よりも高い電圧Vhを利用できる場合について説明する。
Vfyp=4とは、電源電圧V0の4倍の高圧電源に対応する電圧Vhを、サーボ電圧Vfyの発生に用いたことを意味する。実施の形態1と比較例で、発生できるサーボ力Fsがクロスオーバーするのは、Vfyp/Vcom=2、即ち、電源電圧V0の2倍の電圧Vhを用いる場合である。(Vfyp/Vcom)<2の領域を第1領域、これ以外の領域を第2領域とする。第1領域では、全域で実施の形態1の方が大きなサーボ力Fsが得られ、第2領域では、全域で比較例の方が大きなサーボ力Fsが得られる。
サーボ力Fsをできるだけ大きくする場合において、第2領域の電圧Vhをサーボ電圧Vfyに用いる場合には、比較例を選択するべきである。しかし、サーボ力Fsが足りており、図8の(B)のサーボ電圧Vfyに対するサーボ力Fsの線形の特性を重要視する場合には、第1領域と第2領域のいずれでも実施の形態1を選択するべきである。これらの選択はシステム設計に依存する。
[(1−8)サーボ力−動作電圧_(3)]
図10は、図9の電圧Vhを利用できる場合として、(Vfyp/Vcom)=4の場合における、各信号の波形例を、(A)の実施の形態1と(B)の比較例との比較で示す。それぞれ、(a)は搬送波C0の電圧Vcom、(b)はサーボ電圧Vfy、(c)はサーボ力Fsを示す。図10では、波形なまりが有る場合を示す。実施の形態1では、比較例に対し、破線で示す実効サーボ力Fsが小さくなっている。これは、図9の(B)の比較例では電圧Vcomが小さいほど大きなサーボ力Fsが得られる特性から理解できる。サーボ電圧Vfyの大きさに対して電圧Vcomの大きさが無視できるようになると、比較例の方が大きなサーボ力Fsが得られる。
一方、実施の形態1では、電圧Vcomとサーボ電圧Vfyの直流成分が近いレベルにある場合には効果的であるが、これが離れてしまうと、発生できるサーボ力が小さくなってしまう。これが、図10で実効サーボ力Fsが小さくなってしまう理由である。上記のように、実施の形態1は、低い電源電圧V0を用いる場合で、電圧Vcomとサーボ電圧Vfyの直流成分が近いレベルにある場合に適用すると効果的である。
[(1−8)サーボ力−動作電圧_(4)]
図11は、図10と同様のグラフであるが、波形なまりが無い場合を示す。搬送波C0は、理想的な矩形波である。
[(1−9)搬送波の位相遅延]
図12は、前述の変調回路13の遅延器131における、搬送波C0の電圧Vcomの位相遅延について補足説明するための説明図である。前述の「適切な遅延」とは、サーボ電圧Vfyに関して、搬送波C0の電圧Vcomと位相を正確に揃えるための最適遅延量を指す。(a)は搬送波C0の電圧Vcomとして波形なまりが無い矩形波を示す。(b)は変調後のサーボ電圧Vfy{Vfyp,Vfyn}を示す。(c)は電圧Vcomの位相遅延量(単位は[radian])に対するサーボ力のグラフを示す。
この位相遅延量が適切であるかについては、予め設計及び製造段階で、サーボ電圧Vfy及び電圧Vcomが実際に観測されて、適切であるか確認され、適切になるように調整される。上記位相遅延量が適切である場合、即ち電圧Vcomとサーボ電圧Vfyで位相が揃っている場合、サーボ力Fsを高効率で発生させることができる。また、製造後でもこの位相遅延の確認及び調整を可能とするために、変調回路13は、前述のように電圧Vcom及びサーボ電圧Vfy等をモニタできる回路を含む機能を有する。遅延器131は、この位相遅延量の調整のための機能を有する。遅延器131の位相遅延量は、制御回路52からの遅延制御信号Sdに基づいて設定可能である。制御回路52では、位相遅延量の設定が可能である。
また、変調回路13のインピーダンスとDAC32の駆動力は、サーボ電圧Vfyが適切に振幅するように設計されている。これらは、配線の寄生容量等に依存する。そのため、慣性センサの実装については、モジュール100のように適切に工夫されている。
図12で、電圧Vcomとサーボ電圧Vfyとで位相にズレがある場合の検出精度について説明する。遅延1201は、(a)の電圧Vcomと(b)のサーボ電圧Vfyとの位相ズレに対応する遅延を示す。位相1202は、2πであり、電圧Vcomの1周期を指す。(c)で、実線は実施の形態1のサーボ力を示す。位相遅延が0の場合は、最適遅延量であり、サーボ力Fsとして1[au]が得られる。位相遅延がπ(180度)の場合は、正側の電圧Vfypと負側の電圧Vfynが反転する。その場合に得られるサーボ力Fsは、遅延1201が0である場合のサーボ力Fsと同等である。よって、実施の形態1では、位相遅延は0が望ましく、π(180度)も許容される。
破線は比較例のサーボ力を示す。比較例では、最大でもサーボ力Fsは0.25しか得られない。実施の形態1で、比較例よりも大きなサーボ力Fsを得るための位相遅延の条件としては、以下となる。即ち、位相遅延量をDとすると、0≦D<(3π/8+nπ)、または、(5π/8+nπ)<D<(11π/8+nπ)、または、(11π/8+nπ)<D<(2π+nπ)、である。これは、搬送波C0が理想的な矩形波である場合で計算したものであるが、波形なまりが有る場合でも同様に成立する。
[(1−10)波形なまり]
図13は、図10等のように波形なまりが有る場合でも実施の形態1の所定の効果が実現されることについて補足説明するための説明図である。図13は、搬送波C0の電圧Vcomのみについて、2次のローパスフィルタを通過させて、矩形波から三角波に近付けた例を示す。ローパスフィルタの遮断周波数Fcを、Fc=20とする。(a)は、遮断周波数Fcに対するサーボ力の関係、及び遮断周波数Fcに対する位相遅延の関係を示す。(b)は搬送波C0の電圧Vcomとして、Fc=20の波形なまりが有る場合を示す。(c)は、(b)に対応する場合のサーボ力Fsを示す。
適切な遅延として、Fc=20の場合の位相遅延量D=0.72[rad]を適用する。その結果、図11のような矩形波の場合と比較して、図13のように最適な状態になっている。なお、電圧Vcomとサーボ電圧Vfyで同じように波形なまりが有る場合に対し、異なる波形なまりに設定された場合には、発生できるサーボ力が小さくなる。実施の形態1では、電圧Vcom、またはサーボ電圧Vfy、またはそれらの両方に、波形なまりが有る場合、上記例のように、変調回路13で、適切な位相遅延量を適用する。適切な遅延量とは、Bode線図を作成した場合に位相遅延としてプロットできる値のことである。これにより、実施の形態1では、前述のように低い電源電圧V0に対して高効率でサーボ力Fsを発生できる等の好ましい効果が得られる。
[(1−11)回路部]
図14は、図6のモジュール100におけるセンサ要素2及び回路部の構成を示す。モジュール100は、角速度の検出のために、センサ要素2の慣性体における駆動側であるフレーム3の第1軸のX方向の変位x、及びコリオリ検出側であるセンスマス4の第2軸のY方向の変位yを検出する。それに対応して、センサ要素2は、駆動側及びコリオリ検出側の二系統の検出容量及びサーボ容量を有し、回路部は、二系統の検出回路及びサーボ制御回路を有する。
センサ要素2は、後述のMEMSで実装される部品であるが、図14では等価回路で表現している。センサ要素2は、駆動側であるフレーム3に設けられた検出容量である容量Csx{Csxp,Csxn}と、サーボ容量である容量Cfx{Cfxp,Cfxn}とを有する。容量Csxは、変位xを検出するための相補の容量であり、正側の容量Csxpと負側の容量Csxnとを有する。容量Cfxは、変位xのサーボ制御のための相補の容量であり、正側の容量Cfxpと負側の容量Cfxnとを有する。センサ要素2は、コリオリ検出側であるセンスマス4に設けられた検出容量である容量Csy{Csyp,Csyn}と、サーボ容量である容量Cfy{Cfyp,Cfyn}とを有する。容量Csyは、変位yを検出するための相補の容量であり、正側の容量Csypと負側の容量Csynとを有する。容量Cfyは、変位yのサーボ制御のための容量であり、正側の容量Cfypと負側の容量Cfynとを有する。
これらの各容量は相補の関係であり、図2と同様に、電極対により構成される。例えば、駆動側の検出容量において、正側の容量Csxpは、正側の電極Dsxpとフレーム3とで構成され、負側の容量Csxnは、負側の電極Dsxnとフレーム3とで構成される。同様に、サーボ容量において、正側の容量Cfxpは、正側の電極Dfxpとフレーム3とで構成され、負側の容量Cfxnは、負側の電極Dfxnとフレーム3とで構成される。フレーム3は前述の第1電極に相当する。
センサ要素2の駆動側及びコリオリ検出側の計8個の容量は、それぞれの容量の電極対における片方の電極が、ノード1401として示すように、互いに電気的に接続されている。言い換えると、第1電極であるフレーム3及びセンスマス4として、共通に接続されている。これらの容量に対して共通に搬送波C0の電圧Vcomが印加される。
回路部は、二系統の検出回路、二系統のサーボ制御回路、搬送波発生回路10、制御回路52、ロジック回路53を含む。二系統の検出回路として、駆動側の検出容量から電圧を検出するアナログ回路42xと、コリオリ検出側の検出容量から電圧を検出するアナログ回路42yとを有する。二系統のサーボ制御回路として、駆動側のサーボ容量にサーボ電圧を印加するためのDAC32x及び変調回路13xと、コリオリ検出側のサーボ容量にサーボ電圧を印加するためのDAC32y及び変調回路13yとを有する。
駆動側の検出容量{Csxp,Csxn}の検出電極{Dsxp,Dsxn}は、駆動側のアナログ回路42xと接続されている。コリオリ検出側の検出容量{Csyp,Csyn}の検出電極{Dsyp,Dsyn}は、コリオリ検出側のアナログ回路42yと接続されている。駆動側のサーボ容量{Cfxp,Cfxn}のサーボ電極{Dfxp,Dfxn}は、駆動側の変調回路13xと接続されている。コリオリ検出側のサーボ容量{Cfyp,Cfyn}のサーボ電極{Dfyp,Dfyn}は、コリオリ検出側の変調回路13yと接続されている。
コリオリ検出側のサーボ容量{Cfyp,Cfyn}のサーボ電極{Dfyp,Dfyn}に対しては、変調回路13yからのサーボ電圧Vfy{Vfyp,Vfyn}が印加される。正側の電極Dfypに正側の電圧Vfypが印加され、負側の電極Dfynに負側の電圧Vfynが印加される。コリオリ検出側の検出容量{Csyp,Csyn}の検出電極{Dsyp,Dsyn}からは、検出信号の検出電圧Vsy{Vsyp,Vsyn}が、アナログ回路42y内の容量電圧変換回路で検出される。正側の電極Dsypから正側の電圧Vsyp(正側の変位信号を示す)が検出され、負側の電極Dsynから負側の電圧Vsyn(負側の変位信号を示す)が検出される。
アナログ回路42xは、駆動側の検出容量から、変位xを検出電圧Vsxとして検出し、それに対応するデジタル信号を、出力信号ADxとして出力する。アナログ回路42yは、コリオリ検出側の検出容量から、変位yを検出電圧Vsyとして検出し、それに対応するデジタル信号を、出力信号ADyとして出力する。
図15は、アナログ回路42x,42yの内部構成を示す。アナログ回路42x内には、容量電圧変換回路421x(「CVC」で示す)、増幅器422x、ADC(アナログデジタル変換器)423x、等を含む。容量電圧変換回路421は、正側及び負側の回路を含む。同様に、アナログ回路42y内には、容量電圧変換回路421y、増幅器422y、ADC423y、等を含む。
例えば、アナログ回路42yの容量電圧変換回路421yは、検出電圧Vsy{Vsyp,Vsyn}を入力し、容量電圧変換により容量値から電圧値に変換して、その結果のアナログ電圧信号CVy1{CVy1p,CVy1n}を出力する。例えば、正側の回路は、正側の変位信号である電圧Vsypを入力し、正側のアナログ電圧信号CVy1pを出力する。増幅器422yは、アナログ電圧信号CVy1を入力し差動増幅して、アナログ電圧信号CVy2として出力する。ADC423yは、アナログ電圧信号CVy2を入力し、正負の差動でAD変換を行い、その結果のデジタル信号を出力信号ADyとして出力する。アナログ回路42xも同様の構成である。
アナログ回路42x,42yの構成部品は一般的なものが適用可能であり、クロックに基づくサンプルホールド回路でもよいし、連続型回路でもよい。また、それぞれの回路のゲインは、システムを最適化するために設計されていればよく、特定のゲインや方式に限定されない。なお、変形例として、容量電圧変換回路の出力で十分なゲインが得られる場合には、増幅器を省略可能である。また、容量電圧変換回路は、出力が相補の正負の信号ではなく1つの信号である回路構成でもよいし、入力の検出電圧をそれぞれ差動増幅する回路構成でもよい。
図14で、制御回路52は、アナログ回路42x,42yの出力信号ADx,ADyを入力し、それらの出力信号に基づいて、サーボ制御のための信号SVx,SVyを生成し、DAC32x,32yへ出力する。制御回路52は、DAC32x,32yに対して適切な制御を行う。また、制御回路52は、搬送波発生回路10、変調回路13x,13yに対して適切な制御を行う。
制御回路52は、DAC32xへ制御のためのデジタル信号である信号SVx{SVxp,SVxn}を出力する。信号SVxは、正側の信号SVxpと負側の信号SVxnとで成る。制御回路52は、DAC32yへ制御のためのデジタル信号である信号SVy{SVyp,SVyn}を出力する。信号SVyは、正側の信号SVypと負側の信号SVynとで成る。
また、制御回路52は、コリオリ検出側の変調回路13yへ、遅延制御信号Sdを出力する。遅延制御信号Sdは、サーボ電圧Vfyに適切な遅延を設定するための信号である。また、制御回路52は、駆動側の変調回路13xへ、変調制御信号CKmを出力する。変調制御信号CKmは、駆動側のサーボ制御の変調を適切に制御するための信号である。また、制御回路52は、搬送波発生回路10へ、搬送波制御信号Scを出力する。搬送波制御信号Scは、搬送波発生回路10での搬送波C0の発生を制御する信号である。
制御回路52は、同期検波による低周波雑音除去、PIDコントローラによるサーボ制御のための信号SVの生成、ゲイン回路による増幅、差分回路による直流オフセット除去、等の制御を行う。また、制御回路52は、遅延制御信号Sd、変調制御信号CKm、及び搬送波制御信号Scの生成、等の制御を行う。
制御回路52は、出力信号ADx,ADyに基づいた信号OP1を、ロジック回路53へ出力する。ロジック回路53は、信号OP1を用いて、角速度の計算を含むロジック処理を行い、角速度検出情報を含む出力信号OP2を、外部へ出力する。
DAC32xは、信号SVxのDA変換により、駆動側のサーボ制御のためのアナログ電圧の出力信号DAx{DAxp,DAxn}を生成する。DAC32yは、信号SVyのDA変換により、コリオリ検出側のサーボ制御のためのアナログ電圧の出力信号DAy{DAyp,DAyn}を生成する。DAC32x,32yは、それぞれ、正側DAC及び負側DACを含む。例えば、DAC32yの正側DACは、正側の信号SVypを入力し、DA変換を行い、その結果の正側の出力信号DAypを出力する。コリオリ検出側のDAC32yは、図1のDAC32と同様の構成であり、アナログ電圧の出力信号DAy{DAyp,DAyn}は、前述の出力信号DA{DAp,DAn}に相当する。
搬送波発生回路10は、電源電圧V0に基づいて、及び制御回路52からの搬送波制御信号Scに従って、搬送波C0の電圧Vcomを発生し、センサ要素2の第1電極のノード1401、及びコリオリ検出側の変調回路13yへ出力する。
コリオリ検出側の変調回路13yは、図1の変調回路13と同様の構成である。変調回路13yは、DAC32yからのアナログ電圧の出力信号DAy{DAyp,DAyn}を、搬送波C0の電圧Vcomを用いて、遅延制御信号Sdに従うタイミングで、適切に変調を行う。これにより、変調回路13yは、変調後の信号である、サーボ電圧Vfy{Vfyp,Vfyn}を出力する。サーボ電圧Vfyは、センサ要素2のコリオリ検出側のサーボ容量を構成する電極{Dfyp,Dfyn}に印加される。
駆動側の変調回路13xは、DAC32xからのアナログ電圧の出力信号DAx{DAxp,DAxn}を、変調制御信号CKmに従って変調し、変調後の信号であるサーボ電圧Vfx{Vfxp,Vfxn}を出力する。サーボ電圧Vfxは、センサ要素2の駆動側のサーボ容量を構成する電極{Dfxp,Dfxn}に印加される。
なお、変形例として、用途に応じて計測軸を増やす場合には、モジュール100を複数に増やした形態や、センサ要素2を複数に増やして1つの回路部で共有する形態も可能である。共有する形態の場合、回路部は、適切な切替回路や切替信号を用いる。
[(1−12)変調回路]
図16の(A)は、コリオリ検出側の変調回路13yの詳しい構成を示す。この変調回路13yは、図1の変調器132が、アナログスイッチ素子であるスイッチ135{SW:SW1,SW2,SW3,SW4}を用いて構成されている。各スイッチ135は、入力「SWin」と出力「SWout」と制御入力「CK」とを有する。スイッチ135の入力側には、DAC32yの出力信号DAy{DAyp,DAyn}の入力線が接続されている。スイッチ135の出力側には、サーボ電圧Vfy{Vfyp,Vfyn}の出力線が接続されている。第1スイッチSW1は、正側の入力線と負側の出力線との間に設けられている。第2スイッチSW2は、負側の入力線と正側の出力線との間に設けられている。第3スイッチSW3は、負側の入力線と負側の出力線との間に設けられている。第4スイッチSW4は、正側の入力線と正側の出力線との間に設けられている。
遅延器131には、図4の(a)のような搬送波C0の電圧Vcom、及び遅延制御信号Sdが入力される。遅延器131は、電圧Vcomに対し、遅延制御信号Sdに基づいたタイミングで適切な遅延を発生させ、その結果の搬送波遅延信号Vdを、各スイッチ135{SW1〜SW4}の制御入力「CK」へ与える。搬送波遅延信号Vdは、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2に対しては、反転器で位相が反転された信号が入力され、第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4に対しては、反転無しの信号が入力される。
各スイッチ135は、制御入力「CK」の搬送波遅延信号Vdの値{High,Low}に応じて、入力「SWin」の値を出力「SWout」の値として出力する否かを切り替えるように動作する。搬送波遅延信号Vdの値がHighの場合、第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4は出力、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2は値がLowにより否(非出力)となる。よって、変調回路13yの出力であるサーボ電圧Vfyとしては、負側の電圧Vfynとして、負側の信号DAynが出力され、正側の電圧Vfypとして、正側の信号DAypが出力される。搬送波遅延信号Vdの値がLowの場合、出力のサーボ電圧Vfyとしては、上記正負の値が逆になって出力される。
実施の形態1では、前述のように、搬送波C0の電圧Vcomは、電源電圧V0の最大電圧レベルに対応した振幅Vpp{接地電位Vgnd〜電源電圧電位Vdd}を持つ。アナログ電圧である電圧Vcomが、このように電源電圧電位Vddと接地電位Vgndとの2値をとる場合、電圧Vcomは、変調回路13yでロジックと同じ扱いで処理することができる。そのため、変調回路13yのスイッチ135の制御が簡単になり、簡易及び小規模の回路で実現できる。
図16の(B)は、スイッチ135の詳しい構成を示す。このスイッチ135の回路は、1個のPMOS素子1601と1個のNMOS素子1602が、それぞれのソース及びドレインが接続されるように配置されている。制御線(制御入力「CK」)は、NMOS素子1602のゲートに結線され、制御線の反転情報が、PMOS素子1601のゲートに結線される。このようなスイッチ135の構成により、接地電位Vgndから電源電圧電位Vddまでのアナログ電圧レベルを、電圧降下無く出力できる。なお、スイッチ135の出力「SWout」には、サーボ容量を駆動するために、図示しないオン抵抗が適切に設計されている。
図17は、駆動側の変調回路13xの詳しい構成を示す。変調回路13xは、変調回路13yと異なる点として、遅延器131が無く、変調制御信号CKmがそのまま遅延無しでスイッチ135{SW1〜SW4}に対する制御入力「CK」として使用される。変調回路13xの入力である出力信号DAxのレベルは、上側の電位が、電位Vddhであり、電位Vddhは、変調回路13yの入力の上側の電位Vddよりも高い電位である(Vddh>Vdd)。スイッチ135は、この電位Vddhを持つ電圧信号の入力ができるように適切に設計されている。具体的には、スイッチ135に用いるMOSトランジスタにおいて、通常よりも酸化膜厚が厚く、高圧まで耐性のあるタイプが選択される。
[(1−13)DAC]
図18の(A)は、コリオリ検出側のDAC32yの詳しい構成を示す。DAC32yは、デコーダ321、アナログ電圧選択回路322、駆動回路323を含む。制御回路52からの信号SVy{SVyp,SVyn}は、デコーダ321に入力される。デコーダ321は、信号SVyをデコードすることにより、その結果の信号である選択制御信号SEL{SELp,SELn}を生成し、アナログ電圧選択回路322へ出力する。選択制御信号SELは、アナログ電圧選択回路322内のスイッチ325から選択するための信号であり、正側の信号SELpと負側の信号SELnとを含む。なお、選択制御信号SELにおける記号[0:m]は、m+1個の線を省略して示す記号である。
アナログ電圧選択回路322は、複数の抵抗324と、複数のスイッチ325とを含む。複数の抵抗324は、直列接続されたストリングを構成している。ストリングの基準電圧における、低側電位REFL及び高側電位REFHは、任意に設計可能であるが、実施の形態1では、接地電位Vgnd及び電源電圧電位Vddである。ストリングに対してタップ位置にスイッチ325が配置されている。スイッチ325として、番号[0]から番号[m]までで示すm+1個がある。スイッチ325は、入力「in」と正負の出力「outp」「outn」と制御入力「ck」とを有する。
スイッチ325は、制御入力「ck」の選択制御信号SELの値に応じて、入力値を出力するか否かを切り替える。選択制御信号SEL{SELp,SELn}における番号毎の値{Hign,Low}により、どのスイッチ325で出力するか否かを選択可能である。正側の信号SELpにより正側の出力「outp」を選択可能であり、負側の信号SELnにより負側の出力「outn」を選択可能である。正側の信号SELpの選択番号をkp、負側の信号SELnの選択番号をknとすると、選択番号kpと選択番号knとの間には、kp+kn=mという関係が成立している。即ち、アナログ電圧選択回路322では、選択制御信号SELの選択値を中心として、ストリングの基準電圧の範囲内で、正側の電圧値と負側の電圧値とが相補の関係となるように、選択された電圧信号が生成されて出力される。
スイッチ325の正側の出力「outp」は、駆動回路323の正側の回路に接続されており、スイッチ325の負側の出力「outn」は、駆動回路323の負側の回路に接続されている。駆動回路323は、アナログ電圧選択回路322で選択された電圧信号を、正負のそれぞれで増幅し、出力信号DAy{DAyp,DAyn}として出力する。
上記のように、アナログ電圧選択回路322の出力として、所望の電圧を選択して出力可能である。アナログ電圧選択回路322は、選択制御信号SELによりタップ位置を変更して所望のアナログ電圧を選択して出力できる回路であることが重要である。なお、DAC32yの出力インピーダンスを調整するためには、図18以外でも様々な回路構成が適用可能である。
図18の(B)は、スイッチ325の回路構成を示す。このスイッチ325の回路は、第1スイッチsw1と第2スイッチsw2を含む。スイッチ325の入力「in」の電圧に対し、制御入力「ck」の選択制御信号SEL{SELp,SELn}の選択番号{kp,kn}により、第1スイッチsw1及び第2スイッチsw2の出力か否かが選択される。この選択の結果が、正側の出力「outp」及び負側の出力「outn」となる。スイッチ325の入力「in」の電圧は、第1スイッチsw1の入力「in1」及び第2スイッチsw2の入力「in2」に入力される。正側の信号SELpは第1スイッチsw1の制御入力「ck1」に入力され、負側の信号SELnは第2スイッチsw2の制御入力「ck2」に入力される。第1スイッチsw1の出力が正側の出力「outp」、第2スイッチsw2の出力が負側の出力「outn」である。例えば、正側の信号SELpの選択番号kpにより選択されたスイッチ325の第1スイッチsw1がオンに切り替えられて、入力「in1」の電圧を正側の出力「outp」として出力する。
駆動側のDAC32xは、図示しないが、コリオリ検出側のDAC32yの構成に対して、以下の点が異なる。DAC32xは、アナログ電圧選択回路の基準電圧の高側電位として、DAC32yのアナログ電圧選択回路322の基準電圧の高側電位REFHである電源電圧電位Vddよりも高い電位Vddhを用いる。また、アナログ電圧選択回路内のスイッチや駆動回路は、その電位Vddhの基準電圧に対応した回路である。具体的には、その回路に用いるMOSトランジスタとして、通常よりも酸化膜厚が厚く、高圧まで耐性のあるタイプが選択される。
[(1−14)センサ要素_MEMS構造]
図19は、モジュール100のセンサ要素2のMEMS実装構造成例を示す。このセンサ要素2は、単一の慣性体であるマスを有する角速度センサ要素である。このセンサ要素2は、櫛歯形状の電極を用いて構成されている。このセンサ要素2は、フレーム3に対応する電極190において、図14に示した計8個の容量{Cfx{Cfxp,Cfxn},Cfy{Cfyp,Cfyn},Csx{Csxp,Csxn},Csy{Csyp,Csyn}}が、MEMSの電極対として設けられている。それらの電極対として、電極{{Dfxp1,Dfxp2,Dfxn1,Dfxn2},{Dfyp,Dfyn},{Dsxp1,Dsxp2,Dsxn1,Dsxn2},{Dsyp,Dsyn}}を示す。
電極190は、概略矩形を有し、外周の四箇所でスプリング1901と接続されている。電極190の外周の一方辺に対して駆動側の電極{Dfxp1,Dsxp1,Dsxn1,Dfxn1}が配置されており、外周の他方辺に対して駆動側の電極{Dfxp2,Dsxp2,Dsxn2,Dfxn2}が配置されている。また、電極190の内周の四箇所でスプリング1902と接続されており、スプリング1902を介してコリオリ検出側の電極{Dfyp,Dfyn,Dsyp,Dsyn}が配置されている。例えば、前述の容量Cfxpの片方の電極Dfxpは、電極Dfxp1と電極Dfxp2との2つの電極部で構成され、それらの電極部が電極190を通じて離れた位置に配置され、電気的に接続されている。他の容量の電極についても同様である。
[(1−15)効果等]
以上説明したように、実施の形態1の容量検出型及びサーボ制御方式の慣性検出装置であるMEMS角速度センサによれば、低い電源電圧でもサーボ力を効率的に発生させることができ、検出精度の向上や劣化抑制を実現できる。実施の形態1の慣性検出装置は、搬送波C0を用いてDACの出力信号を変調し、その変調後のサーボ電圧を用いてセンサ要素2のサーボ制御を行う。これにより、低い電源電圧V0でも、サーボ力Fsを最大効率で発生させることができ、必要な最大サーボ電圧を低減できる。この結果、実施の形態1では、検出精度を向上または維持できる。実施の形態1では、比較例のような従来技術に対し、高電圧発生回路を削減できるので、回路面積及び消費電力を低減でき、小型で低コストの慣性センサ及びシステムを実現できる。
実施の形態1の慣性検出装置は、慣性センサを適用するシステムが、低い電源電圧で低消費電力を実現したいシステムである場合に、特に好適に適用できる。そのシステムは、低消費電力で高感度に物理量を検出でき、省スペースで慣性センサを搭載できる。適用可能なシステムとしては、背景技術で述べた各種の用途に適用可能である。実施の形態1の慣性検出装置は、加速度センサや、その他の静電容量型及びサーボ制御方式の全ての物理量センサに同様に適用可能である。
(実施の形態2)
図20〜図22を用いて、実施の形態2の慣性検出装置について説明する。実施の形態2の基本的な構成は、実施の形態1と同様であり、以下、実施の形態2における実施の形態1とは異なる構成部分について説明する。実施の形態2の慣性検出装置は、容量検出型及び一軸サーボ制御方式の加速度センサである。
[(2−1)回路部]
図20は、実施の形態2の慣性検出装置の実装のモジュール200におけるセンサ要素2及び回路部の構成を示す。モジュール200の概要は、図6のモジュール100と同様である。センサ要素2は、一軸における加速度の検出のために、一系統の検出容量及びサーボ容量を有する。回路部は、それに対応して、一系統のアナログ回路42z、DAC32z及び変調回路13z等を有する。
センサ要素2は、加速度センサ要素であり、1つの慣性体のマスを有する。センサ要素2は、所定の一軸の方向の変位を検出するための検出容量及びサーボ容量として計4個の容量を有する。検出容量として、相補である正側の容量Cspと負側の容量Csnとを有し、サーボ容量として、相補である正側の容量Cfpと負側の容量Cfnとを有する。検出容量の正側の容量Cspは、正側の電極Dspと第1電極とで構成され、負側の容量Csnは、負側の電極Dsnと第1電極とで構成される。サーボ容量の正側の容量Cfpは、正側の電極Dfpと第1電極とで構成され、負側の容量Cfnは、負側の電極Dfnと第1電極とで構成される。第1電極は、慣性体のマスを構成する電極である。ノード2001では、各容量を構成する第1電極が電気的に接続されており、搬送波C0の電圧Vcomが共通に印加される。
回路部は、アナログ回路42z、DAC32z、変調回路13z、搬送波発生回路10、制御回路52、ロジック回路53を含む。アナログ回路42zは、センサ要素2の検出容量{Csp,Csn}の電極{Dsp,Dsn}と接続されており、それらの電極から検出電圧Vs{Vsp,Vsn}を検出する。アナログ回路42z内の構成は、図15の構成と同様であり、容量電圧変換回路、増幅器、ADC等を含む。アナログ回路42zは、検出電圧Vsから、容量電圧変換により、変位を表す電圧信号を得る。アナログ回路42zは、増幅後の電圧値から差動のAD変換によるデジタル信号を、出力信号ADとして出力する。
制御回路52は、アナログ回路42zからの出力信号ADに基づいて、実施の形態1と同様に、DAC32z等に対し、適切な制御を行う。制御回路52は、出力信号ADに基づいて、DAC32zに対する制御のための信号SV{SVp,SVn}を生成して出力する。また、制御回路52は、変調回路13zへ遅延制御信号Sdを出力し、搬送波発生回路10へ搬送波制御信号Scを出力する。
搬送波発生回路10は、電源電圧V0に基づいて、及び制御回路52からの搬送波制御信号Scに従い、搬送波C0の電圧Vcomを発生し、センサ要素2の第1電極のノード2001及び変調回路13zへ出力する。
DAC32zは、信号SVのDA変換により、アナログ電圧を生成し、出力信号DA{DAp,DAn}として出力する。変調回路13zは、実施の形態1の変調回路13yと同様の構成である。変調回路13zは、DAC32zからの出力信号DA{DAp,DAn}を、遅延制御信号Sdのタイミングに従って搬送波C0により変調し、変調後のサーボ電圧Vf{Vfp,Vfn}を出力する。サーボ電圧Vfは、サーボ容量の電極{Dfp,Dfn}に印加される。
制御回路52は、出力信号ADに基づいた信号OP1をロジック回路53へ出力する。ロジック回路53は、信号OP1に基づいて、加速度の計算を含む処理を行い、加速度検出情報を含む出力信号OP2を、外部へ出力する。ロジック回路53は、言い換えると、加速度検出部である。
[(2−2)スペクトル]
図21は、実施の形態2における波形のスペクトルを示す。実施の形態1と同様に、モジュール200の所定のパッドの箇所をプローブして波形が観測される。スペクトルSP1は、前述のプローブp1に対応する、搬送波C0の電圧V0の波形のスペクトルを示す。スペクトルSP2は、前述のプローブp2に対応する、変調後のサーボ電圧Vfpの波形のスペクトルを示す。
スペクトルSP1は、第1周波数FS1に第1周波数ピークを有する。第1周波数FS1は、慣性体の振動周波数Fcomに対応する。スペクトルSP2は、同じく第1周波数FS1の所に、スペクトルSP1の第1周波数ピークと重なる周波数ピーク2101を有する。また、スペクトルSP2は、第1周波数FS1よりも小さい周波数である、入力加速度周波数Fsigの所に、周波数ピーク2101よりも小さい周波数ピーク2102を有する。
入力加速度周波数Fsigは、非常に低周波かまたは直流レベルにある。当然、入力加速度が直流である場合には、Fsig=0となり、明確な周波数ピークは観測されない。また、入力加速度がゼロの場合には、スペクトルSP1の第1周波数ピークと重なる周波数ピーク2101が、スペクトルSP2には観測されない可能性もある。図示のように、スペクトルSP2にスペクトルSP1と重なる周波数ピーク2101が観測されるのは、加速度が印加されている場合のみであると言える。
[(2−3)センサ要素_MEMS構造]
図22は、実施の形態2におけるセンサ要素2のMEMS実装構造例を示す。このセンサ要素2は、所定の一軸の検出及びサーボ制御に対応して、1つの慣性体であるマスを構成する電極220を有する。そして、電極220において、図20の4個の容量{Cfp,Cfn,Csp,Csn}を構成する電極対{Dfp,Dfn,Dsp,Dsn}が、8個の電極部{Dfp1,Dfp2,Dfn1,Dfn2,Dsp1,Dsp2,Dsn1,Dsn2}として設けられている。
電極220は、概略矩形形状を有し、梁構造を持つ微小な可動部を有する。電極220の外周の四箇所は、スプリング2201と接続されている。電極220の外周の一方辺には、電極部{Dfp1,Dfn1,Dsp1,Dsn1}が配置されており、外周の他方辺には、電極部{Dfp2,Dfn2,Dsp2,Dsn2}が配置されている。例えば、容量Cfpを構成する電極Dfpは、電極部Dfp1と電極部Dfp2とで構成され、それらが電極220を通じて離れた位置に配置され、電気的に接続されている。他の容量についても同様である。
[(2−4)効果等]
実施の形態2の容量検出型及びサーボ制御方式の慣性検出装置であるMEMS加速度センサによれば、実施の形態1と同様に、低い電源電圧でもサーボ力を効率的に発生させることができ、検出精度の向上や劣化抑制を実現できる。
(実施の形態3)
図23〜図24を用いて、実施の形態3の慣性検出装置について説明する。実施の形態3の慣性検出装置は、実施の形態1の角速度センサの変形例である。
[(3−1)回路部]
図23は、実施の形態3の慣性センサの実装のモジュール300におけるセンサ要素2及び回路部の構成を示す。実施の形態3では、センサ要素2は、2つの慣性体である2つのマスとして、第1慣性体5A及び第2慣性体5Bを有する。各慣性体は、実施の形態1と同様に、フレーム3及びセンスマス4で構成される。回路部は、これら2つの慣性体に対する検出及びサーボ制御を行うための二系統の回路として、回路231及び回路232を有する。1つの慣性体の単位での構成は、実施の形態1と同様である。
第1慣性体5A及び第2慣性体5Bは、図14の各容量及び電極対が、図25で、第1慣性体5A側の容量及び電極対と、第2慣性体5B側の容量及び電極対とに分かれて構成されている。例えば、第1慣性体5Aは、計8個の容量{CfxpA,CfxnA,CfypA,CfynA,CsxpA,CsxnA,CsypA,CsynA}及びそれらの容量を構成する電極対を有する。例えば、コリオリ検出側の正側のサーボ容量である容量Cfypは、第1慣性体5A側の容量CfypAと、第2慣性体5B側の容量CfypBとの組で構成される。回路部は、容量の組から差分で検出を行う。
回路部は、回路231、回路232、ロジック回路53を有する。回路231及び回路232の内部構成は、実施の形態1の図14の回路部のロジック回路53を除く部分と同様である。回路231は、第1慣性体5Aの容量に対する検出及びサーボ制御を行う。回路231は、第1慣性体5Aの第2電極に対し、サーボ制御信号の電圧を印加し、第1慣性体5Aの第3電極から、電圧を検出する。回路232は、第2慣性体5Bの容量に対する検出及びサーボ制御を行う。回路232は、第2慣性体5Bの第2電極に対し、サーボ制御信号の電圧を印加し、第2慣性体5Bの第3電極から、電圧を検出する。
回路231は、搬送波発生回路10を含み、回路232は、搬送波発生回路10を含まない。回路231の搬送波発生回路10から、搬送波C0が、第1慣性体5Aのノード2301及び第2慣性体5Bのノード2302に共通に印加される。回路231内の制御回路は、第1慣性体5Aからの検出電圧を含む信号OP1Aを出力する。回路231内の制御回路は、第2慣性体5Bからの検出電圧を含む信号OP1Bを出力する。ロジック回路53は、回路231からの信号OP1A、及び回路232からの信号OP1Bを用いて、角速度の計算を含む処理を行い、角速度検出情報を含む出力信号OP2を、外部へ出力する。
[(3−2)センサ要素_MEMS構造]
図24は、実施の形態3のセンサ要素2のMEMS実装構造例を示す。このセンサ要素2は、図23の2つの慣性体である第1慣性体5A及び第2慣性体5Bに対応して、2つのフレームに対応する2つの電極241,242を有する。これらの電極241,242は、互いに逆方向に働く。回路部で、角速度検出に係わる信号は、これらの電極241,242の信号の差分をとることにより得られる。
電極241,242は、それぞれ、実施の形態1の図19の電極190と概略同様構造である。電極241,242は、第1電極であり、搬送波C0の電圧Vcomが印加される。電極241,242において、二軸のサーボ制御及び検出に係わる8個の容量{Cfx{Cfxp,Cfxn},Cfy{Cfyp,Cfyn},Csx{Csxp,Csxn},Csy{Csyp,Csyn}}は、それらの容量を構成する電極対が、図示する電極部として設けられている。即ち、電極部{{Dfxp1,Dfxp2,Dfxp3,Dfxp4,Dfxn1,Dfxn2,Dfxn3,Dfxn4},{DfypA,DfynA,DfypB,DfynB},{Dsxp1,Dsxp2,Dsxn3,Dsxn4,Dsxn1,Dsxn2,Dsxp3,Dsxp4},{DsypA,DsynA,DsypB,DsynB}}を有する。電極241には、外周の一方辺に、電極部{Dfxp1,Dsxp1,Dsxn1,Dfxn1}が配置され、他方辺に、電極部{Dfxp2,Dsxp2,Dsxn2,Dfxn2}が配置されている。電極241の内周には、電極部{DsypA,DfypA,DfynA,DsynA}が配置されている。電極242には、外周の一方辺に、電極部{Dfxn3,Dsxn3,Dsxp3,Dfxp3}が配置され、他方辺に、電極部{Dfxn4,Dsxn4,Dsxp4,Dfxp4}が配置されている。電極241の内周には、電極部{DsynB,DfynB,DfypB,DsypB}が配置されている。
例えば、コリオリ検出側の検出容量である正側の容量Csypを構成する電極は、電極241側の電極部DsypAと、電極242側の電極部DsypBとの2つの電極部で構成される。それらの電極部は、電極241及び電極242を通じて離れた位置に配置され、電気的に接続されている。他の容量についても同様である。
[(3−3)効果等]
実施の形態3の容量検出型及びサーボ制御方式の慣性検出装置であるMEMS角速度センサによれば、実施の形態1と同様に、低い電源電圧でもサーボ力を効率的に発生させることができ、検出精度の向上や劣化抑制を実現できる。実施の形態3では、2つの慣性体を用いて差分で検出を行う構成により、実施の形態1に対して、信号を2倍、S/Nをルート2倍にする効果があり、高い検出精度を実現できる。
以上、本発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1…ベース部、2…センサ要素、3…フレーム、4…センスマス、10…搬送波発生回路、11…第1回路部、12…第2回路部、13…変調回路、21…第1高電圧発生回路、31,32…DAC、41,42…アナログ回路、51,52…制御回路、53…ロジック回路、131…遅延器、132…変調器。

Claims (13)

  1. 慣性検出装置であって、
    慣性体を含むセンサ要素と、
    前記慣性体に設けられている第1電極と、
    前記第1電極との対で容量を構成する第2電極と、
    を備え、
    前記第1電極に入力される第1信号における第1周波数の第1周波数ピークと重なりのある周波数ピークを有する第2信号を、前記第2電極に入力して、前記慣性体をサーボ制御する、
    慣性検出装置。
  2. 請求項1記載の慣性検出装置において、
    前記第1電極に前記第1信号を出力するための第1回路と、
    前記第2電極に前記第2信号を出力するための第2回路と、
    を備え、
    前記第2信号は、前記第1周波数による変調を有する信号である、
    慣性検出装置。
  3. 請求項2記載の慣性検出装置において、
    変調回路を備え、
    前記第2回路は、前記第2信号を出力するためのアナログ電圧出力信号を生成し、
    前記変調回路は、前記アナログ電圧出力信号を、前記第1信号を用いて変調することにより、前記第2信号を生成する、
    慣性検出装置。
  4. 請求項2記載の慣性検出装置において、
    前記第1回路は、前記第1信号として、矩形波に基づいた搬送波を発生する、
    慣性検出装置。
  5. 請求項2記載の慣性検出装置において、
    前記第1電極との対で容量を構成する第3電極から、前記容量の容量値を電圧値として検出するための第3回路を備え、
    前記第2回路は、前記第3回路で検出した電圧値に基づいて、前記第2信号を出力するためのアナログ電圧出力信号を生成する、
    慣性検出装置。
  6. 請求項3記載の慣性検出装置において、
    前記第1回路は、電源電圧に基づいて、前記第1信号を発生し、
    前記第2回路は、前記電源電圧に基づいて、前記アナログ電圧出力信号を生成する、
    慣性検出装置。
  7. 請求項3記載の慣性検出装置において、
    前記変調回路は、前記アナログ電圧出力信号を変調する変調器を含み、
    前記変調器は、複数のスイッチで構成される、
    慣性検出装置。
  8. 請求項3記載の慣性検出装置において、
    前記変調回路は、前記第1信号を遅延させる遅延器を含み、前記遅延器で遅延させた前記第1信号を用いて前記変調を行う、
    慣性検出装置。
  9. 請求項1記載の慣性検出装置において、
    前記第1電極に前記第1信号を出力するための第1回路と、
    前記第2電極に前記第2信号を出力するための第2回路と、
    前記第1電極との対で容量を構成する第3電極から、前記容量の容量値を電圧値として検出するための第3回路と、
    を備え、
    前記慣性体は、第1方向の変位が可能な第1マスと、第2方向の変位が可能な第2マスと、を有し、
    前記第1回路は、前記第1マス及び前記第2マスを構成する前記第1電極に前記第1信号を共通に出力し、
    前記第2回路は、前記第2マスのサーボ容量を構成する前記第2電極に前記第2信号を出力し、
    前記第3回路は、前記第2マスの検出容量を構成する前記第3電極から前記電圧値を検出し、前記電圧値に基づいて前記慣性体に加えられた角速度を検出する、
    慣性検出装置。
  10. 請求項1記載の慣性検出装置において、
    前記第1電極に前記第1信号を出力するための第1回路と、
    前記第2電極に前記第2信号を出力するための第2回路と、
    前記第1電極との対で容量を構成する第3電極から、前記容量の容量値を電圧値として検出するための第3回路と、
    を備え、
    前記慣性体は、所定方向の変位が可能なマスを有し、
    前記第1回路は、前記マスを構成する前記第1電極に前記第1信号を共通に出力し、
    前記第2回路は、前記マスのサーボ容量を構成する前記第2電極に前記第2信号を出力し、
    前記第3回路は、前記マスの検出容量を構成する前記第3電極から前記電圧値を検出し、前記電圧値に基づいて前記慣性体に加えられた加速度を検出する、
    慣性検出装置。
  11. 慣性検出装置であって、
    センサ要素に入力される搬送波における第1周波数の第1周波数ピークと重なりのある周波数ピークを有するサーボ制御信号によって前記センサ要素をサーボ制御する、
    慣性検出装置。
  12. 請求項11記載の慣性検出装置において、
    前記センサ要素の慣性体を駆動する前記サーボ制御信号は、前記第1周波数よりも低い第2周波数に周波数ピークを有する、
    慣性検出装置。
  13. 請求項11記載の慣性検出装置において、
    前記センサ要素の慣性体からの検出信号に基づいてデジタルアナログ変換器で生成されたアナログ電圧出力信号は、前記第1周波数よりも低い第2周波数に第2周波数ピークを有し、
    前記慣性体を駆動する前記サーボ制御信号は、前記搬送波を用いて前記アナログ電圧信号を変調した後の信号であって、前記第2周波数ピークと重なりのある周波数ピークを有する、
    慣性検出装置。
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