JP2017106825A - 磁気検出装置 - Google Patents

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小林 陽介
Yosuke Kobayashi
陽介 小林
均至 村木
Kinji Muraki
均至 村木
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Abstract

【課題】簡単な構成により、検出精度のよい磁気検出装置を提供する。
【解決手段】磁気抵抗素子のハーフブリッジで形成される第1のMRセンサ10と、磁気抵抗素子のハーフブリッジで形成され、第1のMRセンサ10と所定距離だけ離間して配置される第2のMRセンサ20と、第1のMRセンサの中間電圧と第2のMRセンサの中間電圧を差動増幅して出力する回路部30と、を有し、第1のMRセンサ10と第2のMRセンサ20は、検出対象であるマグネット40のストローク(移動軌跡A)に対して対称に配置して磁気検出装置を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気検出装置に関する。
従来の技術として、磁気平衡動作を目的に磁気抵抗素子で構成されたブリッジ回路またはハーフブリッジ回路を備えた磁気検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この磁気検出装置は、薄膜微細パターンにより形成された磁気抵抗素子で構成されるブリッジ回路またはハーフブリッジ回路の磁電変換素子と、磁電変換素子に対する磁気平衡のために磁界を発生させる二次電流線と、極性を反転しうるバイアス磁界発生のための少なくとも一つ以上の電磁石と、磁電変換素子の検出信号を増幅する機能と、電磁石の極性と二次電流線の電流極性をそれぞれ切り替える機能を有した回路部とを備えて構成されている。この磁気検出装置によれば、磁気抵抗素子の製造上のバラツキにより発生するオフセット電圧およびオフセット電圧の温度変化の影響を受けることなく、磁界強度および被測定電流を精度良く検出できるとされている。
特開2012−132889号公報
しかし、特許文献1の磁気検出装置によれば、磁電変換素子の検出信号のオフセットを低減するために、別途、電磁石の極性と二次電流線の電流極性をそれぞれ切り替える機能を有した回路部を必要とし、コストアップの要因となる等の問題があった。また、マグネットのストローク方向を検出対象とする構成においては、マグネットがストローク方向と垂直方向に位置ズレした状態で移動すると、検出精度が低下してしまうという問題があった。
従って、本発明の目的は、簡単な構成により、検出精度のよい磁気検出装置を提供することにある。
[1]上記目的を達成するため、磁気抵抗素子のハーフブリッジで形成される第1のMRセンサと、磁気抵抗素子のハーフブリッジで形成され、前記第1のMRセンサと所定距離だけ離間して配置される第2のMRセンサと、前記第1のMRセンサの中間電圧と前記第2のMRセンサの中間電圧を差動増幅して出力する回路部と、を有し、前記第1のMRセンサと前記第2のMRセンサは、検出対象であるマグネットのストローク方向に対して垂直方向に対称に配置されていることを特徴とする磁気検出装置を提供する。
[2]前記第1のMRセンサ、及び前記第2のMRセンサは、リードフレーム上に実装され、封止体により一体にモールドパッケージされて構成されていることを特徴とする上記[1]に記載の磁気検出装置であってもよい。
[3]また、前記モールドパッケージは、前記第1のMRセンサと前記第2のMRセンサの間において、少なくとも前記マグネットの幅以上の領域で切り欠かれていることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の磁気検出装置であってもよい。
本発明によれば、簡単な構成により、検出精度のよい磁気検出装置を提供することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態に係る磁気検出装置の平面図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る磁気検出装置の回路図である。 図3(a)は、左から順に、本発明の実施の形態に係る磁気検出装置と検出対象であるマグネットの位置関係を示す平面図、磁束の方向を規定する角度と向きを示す図、磁気ベクトル角(磁束の方向)とMR出力の関係を示すグラフ、であって、マグネットの移動前の状態における各図であり、図3(b)は、左から順に、本発明の実施の形態に係る磁気検出装置と検出対象であるマグネットの位置関係を示す平面図、磁束の方向を規定する角度と向きを示す図、磁気ベクトル角(磁束の方向)とMR出力の関係を示すグラフ、であって、マグネットのストローク方向(A方向)へ移動した後における各図である。 図4(a)は、左から順に、本発明の実施の形態に係る磁気検出装置と検出対象であるマグネットの位置関係を示す平面図、磁束の方向を規定する角度と向きを示す図、磁気ベクトル角(磁束の方向)とMR出力の関係を示すグラフ、であって、マグネットの移動前の状態における各図であり、図4(b)は、左から順に、本発明の実施の形態に係る磁気検出装置と検出対象であるマグネットの位置関係を示す平面図、磁束の方向を規定する角度と向きを示す図、磁気ベクトル角(磁束の方向)とMR出力の関係を示すグラフ、であって、マグネットがストローク方向に対して垂直方向(E方向)へ位置ズレした場合における各図である。
(本発明の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る磁気検出装置の平面図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る磁気検出装置の回路図である。
本発明の実施の形態に係る磁気検出装置1は、磁気抵抗素子のハーフブリッジで形成される第1のMRセンサ10と、磁気抵抗素子のハーフブリッジで形成され、第1のMRセンサ10と所定距離だけ離間して配置される第2のMRセンサ20と、第1のMRセンサの中間電圧と第2のMRセンサの中間電圧を差動増幅して出力する回路部30と、を有し、第1のMRセンサ10と第2のMRセンサ20は、検出対象であるマグネット40のストローク方向(A方向)に対して垂直方向に対称に配置されて構成されている。
図1において、第1のMRセンサ10と第2のMRセンサ20は、磁気検出装置1の中心線CLに対して対称に形成、配置され、マグネット40のストローク方向(A方向)はこの中心線CLに一致するように構成されている。すなわち、マグネット40は、磁気検出装置1の中心線CL上を図示A方向に移動する。磁気検出装置1は、このマグネット40の移動に伴う各ストローク方向(A方向)に対応した出力電圧を出力する。
図1において、第1のMRセンサ10、及び第2のMRセンサ20は、リードフレーム51上に実装され、封止体60により一体にモールドパッケージされて構成されている。
(第1のMRセンサ10)
第1のMRセンサ10は、磁束の方向の変化により電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用したMR半導体素子を例えば90°の方向に直列に接続したハーフブリッジとして形成されている。本実施の形態では、図1に示すように、第1のMRセンサ10は、MRセンサチップ12上に、図2で示す方向に、MR半導体素子13、14が半導体製造工程により形成されている。
この第1のMRセンサ10は、図1に示すように、リードフレーム51上に配置されている。各MR半導体素子13、14は、例えば、ワイヤボンディングにより、後述する回路部30に接続されている。また、リードフレーム51は全体がグランドGNDとされ、例えば、MRセンサチップ12はリードフレーム51上に電気的に接続、固定されることにより、MRセンサチップ12のグランドは、グランドGNDに接続される。
MR半導体素子13、14は、垂直方向に印加される磁束密度に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果を有するもので、例えば、化合物半導体InSb(インジウム・アンチモン)等により形成される。MR半導体素子13、14は、図1に対応する回路図に示すように、45°右斜め上方向のMR半導体素子13と45°右斜め下方向のMR半導体素子14がTP1で直列に接続されて、ハーフブリッジとして構成されている。
(第2のMRセンサ20)
第2のMRセンサ20は、磁束の方向の変化により電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用したMR半導体素子を例えば90°の方向に直列に接続したハーフブリッジとして形成されている。本実施の形態では、図1に示すように、第2のMRセンサ20は、MRセンサチップ22上に、図2で示す方向に、MR半導体素子23、24が半導体製造工程により形成されている。
この第2のMRセンサ20は、図1に示すように、リードフレーム51上に配置されている。各MR半導体素子23、24は、例えば、ワイヤボンディングにより、後述する回路部30に接続されている。また、リードフレーム51は全体がグランドGNDとされ、例えば、MRセンサチップ22はリードフレーム51上に電気的に接続、固定されることにより、MRセンサチップ22のグランドは、グランドGNDに接続される。
MR半導体素子23、24は、垂直方向に印加される磁束密度に応じて抵抗値が変化する磁気抵抗効果を有するもので、例えば、化合物半導体InSb(インジウム・アンチモン)等により形成される。MR半導体素子23、24は、図1に対応する回路図に示すように、45°左斜め上方向のMR半導体素子23と45°左斜め下方向のMR半導体素子24がTP2で直列に接続されて、ハーフブリッジとして構成されている。
第1のMRセンサ10と第2のMRセンサ20は、図1に示すように、所定距離L1だけ離間して配置されている。この所定距離L1は、後述するマグネット40の幅Wよりも大きい値であればよい。図1に示すように、この所定距離L1の中央に磁気検出装置1の中心線CLがくるようにすると、第1のMRセンサ10(MR半導体素子13、14で構成されるハーフブリッジ)と第2のMRセンサ20(MR半導体素子23、24で構成されるハーフブリッジ)は、対称形に形成されている。
(回路部30)
回路部30は、図1に示すように、ICチップとして形成されて、リードフレーム51上に配置されている。回路部30はリードフレーム51上に電気的に接続、固定されることにより、回路部30のグランドは、グランドGNDに接続される。また、ICチップの各端子(パッド部)は、図2に示す回路構成に従って、ワイヤボンディングにより接続されている。
回路部30は、図2に示すように、第1のMRセンサ10の中間電圧を出力する点TP1と、第2のMRセンサ20の中間電圧を出力する点TP2の各電圧を差動増幅する差動増幅器OPで主に構成されている。差動増幅器OPの非反転入力端子30aに第1のMRセンサ10の中間電圧V1が入力され、反転入力端子30bに第2のMRセンサ20の中間電圧V2が入力される。
したがって、図2に示すように、磁界の方向を示す磁気ベクトルB1、B2が、それぞれ第1のMRセンサ10、第2のMRセンサ20に作用し、磁気ベクトルB1、B2が、それぞれ第1のMRセンサ10、第2のMRセンサ20に水平に作用する場合は、中間電圧V1とV2の差分はゼロであり、回路部30の出力はゼロとなる。磁気ベクトルB1、B2が、回転すると、180°の周期で、回路部30の出力は周期的に変化する。
(マグネット40)
マグネット40は、磁束を発生させる永久磁石であって、検出対象として機能する。図1に示すように、例えば、幅Wの直方体であり、所定の方向に着磁されている。図1の位置において、マグネット40は、例えば、図2で示すB1、B2のような、N極から出てS極に向かう磁束を発生させる。
永久磁石としては、ネオジム磁石、アルニコ磁石、フェライト磁石やプラスティックマグネット等の種々のものが使用できる。また、本実施の形態では、マグネット40を検出対象とするが、磁束を発生させて検出対象として機能するものであればよく、例えば、電磁石であってもよい。
(リードフレーム50)
リードフレーム50は、例えば、リードフレーム51、52で構成され、リードフレーム51上に第1のMRセンサ10、第2のMRセンサ20、回路部30が実装されて、ワイヤボンディングにより配線されて、封止体60により一体にモールドパッケージされる。リードフレームの材質としては、例えば、銅や銅合金等の導電性を有する金属材料などが用いられる。また、その表面には、例えば錫、ニッケル、金や銀等の金属材料によりメッキ処理が施されてもよい。
リードフレーム51は、上記した図1に示すように、第1のMRセンサ10、第2のMRセンサ20、回路部30が配置され、基板としての機能を有すると共に、グランドGND(コモン)としても機能する。
リードフレーム52は、図1に示すように、回路部30から出力端子30cが接続点52aに接続され、出力端子Voutとして機能する。
(封止体60)
封止体60は、リードフレーム50(リードフレーム51、52)上に配置され、ワイヤボンディングにより配線されて実装された第1のMRセンサ10、第2のMRセンサ20、回路部30を一体にモールドパッケージするものである。封止体60の材料としては、例えば、エポキシ樹脂を主成分に、シリカ充填材などを加えた熱硬化性成形材料が使用できる。
封止体60は、図1に示すように、第1のMRセンサ10と第2のMRセンサ20の間において、L2の距離(幅)で切り欠き部61とされている。または、L2の距離(幅)でモールドパッケージの一部が凹部とされている。これにより、図1に示すように、マグネット40が、A方向に移動しやすいように構成することができる。また、上記の切り欠き部61により、マグネット40と第1のMRセンサ10、第2のMRセンサ20との図1の紙面垂直方向の相対位置の設計自由度が増加する。これにより、マグネット40による磁束が第1のMRセンサ10、第2のMRセンサ20の感磁面を効率的に通過する構成とすることが可能になる。
(接続配線)
図1、2に示すように、第1のMRセンサ10は、点TP1が差動増幅器OPの非反転入力端子30aに接続されている。また、第1のMRセンサ10のMR半導体素子13の一端13aは、電源電圧Vccに接続されている。MR半導体素子14の一端14aは51aに接続されてリードフレーム51を介してグランドGND(コモン)に接続されている。いずれもワイヤボンディングにより電気的に接続される。
第2のMRセンサ20も同様に、点TP2が差動増幅器OPの反転入力端子30bに接続されている。また、第2のMRセンサ10のMR半導体素子23の一端23aは、電源電圧Vccに接続されている。MR半導体素子24の一端24aは51aに接続されてリードフレーム51を介してグランドGND(コモン)に接続されている。いずれもワイヤボンディングにより電気的に接続される。
(磁気検出装置1の動作、マグネット40が中心線CLに沿ってストローク方向(A方向)に移動する場合)
図3(a)は、左から順に、本発明の実施の形態に係る磁気検出装置と検出対象であるマグネットの位置関係を示す平面図、磁束の方向を規定する角度と向きを示す図、磁気ベクトル角(磁束の方向)とMR出力の関係を示すグラフ、であって、マグネットの移動前の状態における各図であり、図3(b)は、左から順に、本発明の実施の形態に係る磁気検出装置と検出対象であるマグネットの位置関係を示す平面図、磁束の方向を規定する角度と向きを示す図、磁気ベクトル角(磁束の方向)とMR出力の関係を示すグラフ、であって、マグネットのストローク方向(A方向)へ移動した後における各図である。
図3(a)において、第1のMRセンサ10、第2のMRセンサ20上を通る磁束の方向である磁気ベクトルをそれぞれB11、B21とする。図3(a)の真中に図示した磁束の方向を規定する角度と向きを示す図において、磁気ベクトルB11は45°、磁気ベクトルB21は135°とする。
マグネット40がストローク方向(A方向)に移動すると、図3(b)に示すように、磁気ベクトルB11はC方向へ磁気ベクトル角が回転して磁気ベクトルB12となる。また、磁気ベクトルB21はD方向へ磁気ベクトル角が回転して磁気ベクトルB22となる。
図3(a)における磁気ベクトルの角度差は大であり、これに比べて、図3(b)における磁気ベクトルの角度差は小である。すなわち、マグネット40のストローク(移動)により、第1のMRセンサ10、第2のMRセンサ20に加わる磁気ベクトルの方向が変化する。
第1のMRセンサ10、第2のMRセンサ20が、それぞれハーフブリッジで構成されているため、MR出力Voutは、それぞれのMRセンサに加わる磁気ベクトルの角度差に比例する。図3(a)の右図上に、第1のMRセンサ10の出力点MR1、第2のMRセンサ20の出力点MR2を示す。MR出力Voutは、これら出力点MR1、MR2の差分値として出力される。また、図3(b)の右図上に、マグネット40がストローク移動したときの第1のMRセンサ10の出力点MR1、第2のMRセンサ20の出力点MR2を示す。MR出力Voutは、差動増幅器OPによる出力点MR1とMR2の差分値として出力されるので、図3(a)、図3(b)からわかるように、マグネット40のストローク移動に伴い出力が小さくなる。なお、ストロークを十分に大きくとれば、磁気ベクトルの回転によりMR出力Voutは周期的に変化し、この周期は180°となる。
上記示したように、マグネット40がストローク方向(A方向)に移動すると、図3(a)、図3(b)の右図のように出力が変化する。これにより、検出対象であるマグネット40の位置を検出することができる。
(磁気検出装置1の動作、マグネット40が中心線CLからE方向にズレた場合)
図4(a)は、左から順に、本発明の実施の形態に係る磁気検出装置と検出対象であるマグネットの位置関係を示す平面図、磁束の方向を規定する角度と向きを示す図、磁気ベクトル角(磁束の方向)とMR出力の関係を示すグラフ、であって、マグネットの移動前の状態における各図であり、図4(b)は、左から順に、本発明の実施の形態に係る磁気検出装置と検出対象であるマグネットの位置関係を示す平面図、磁束の方向を規定する角度と向きを示す図、磁気ベクトル角(磁束の方向)とMR出力の関係を示すグラフ、であって、マグネットがストローク方向に対して垂直方向(E方向)へ位置ズレした場合における各図である。
図4(a)において、第1のMRセンサ10、第2のMRセンサ20上を通る磁束の方向である磁気ベクトルをそれぞれB11、B21とする。図4(a)の真中に図示した磁束の方向を規定する角度と向きを示す図において、磁気ベクトルB11は45°、磁気ベクトルB21は135°とする。
マグネット40が中心線CLからE方向に位置ズレすると、図4(b)に示すように、磁気ベクトルB11はF方向へ磁気ベクトル角が回転して磁気ベクトルB13となる。また、磁気ベクトルB21はG方向へ磁気ベクトル角が回転して磁気ベクトルB23となる。
図4(b)の左図に示すように、磁気ベクトルB11はF方向に回転して磁気ベクトルB13となり、図4(b)の真中に図示した磁束の方向を規定する角度と向きを示す図を参照すれば、磁気ベクトル角は小さくなる。一方、磁気ベクトルB21はG方向に回転して磁気ベクトルB23となり、図4(b)の真中に図示した磁束の方向を規定する角度と向きを示す図を参照すれば、磁気ベクトル角は大きくなる。
マグネット40の位置ズレにより、第1のMRセンサ10、第2のMRセンサ20に加わる磁気ベクトルの方向は変化するが、上記示したように、磁気ベクトル角の変化は互いに相殺されて、MR出力Voutは、位置ズレによる変動が抑えられて出力される。
図4(a)の右図上に、第1のMRセンサ10の出力点MR1、第2のMRセンサ20の出力点MR2を示す。また、図4(b)の右図上に、マグネット40が中心線CLからE方向に位置ズレした場合の、第1のMRセンサ10の出力点MR1、第2のMRセンサ20の出力点MR2を示す。図4(a)と比較して、図4(b)の出力点MR1、出力点MR2は、それぞれ磁気ベクトル角が同じ方向に同程度だけ変化している。しかし、MR出力Voutは、差動増幅器OPによる出力点MR1とMR2の差分値として出力されるので、位置ズレによる出力変動を抑えることができる。
(実施の形態の効果)
本発明の実施の形態に係る磁気検出装置によれば、以下のような効果を有する。
(1)磁気抵抗素子のハーフブリッジで形成される第1のMRセンサ10と、磁気抵抗素子のハーフブリッジで形成され、第1のMRセンサ10と所定距離だけ離間して配置される第2のMRセンサ20と、第1のMRセンサの中間電圧と第2のMRセンサの中間電圧を差動増幅して出力する回路部30と、を有し、第1のMRセンサ10と第2のMRセンサ20は、検出対象であるマグネット40のストローク方向(A方向)に対して垂直方向に対称に配置して構成する。これにより、図4(a)、(b)で説明したように、マグネット40が中心線CLからE方向に位置ズレした場合でも、MR出力Voutは、差動増幅器OPによる出力点MR1とMR2の差分値として出力されるので、位置ズレによる出力変動を抑えることができる。
(2)マグネット40が中心線CLからE方向に位置ズレした場合の出力変動を抑えることができるので、検出対象以外の動作をキャンセルできる。これにより、図3(a)、(b)で説明した、マグネット40が中心線CLに沿ってストローク方向(A方向)に移動する場合のマグネット40、すなわち、検出対象の位置の検出精度を向上させることが可能になる。
(3)また、検出対象の位置の検出精度を向上させることが可能になるので、寸法公差を広げることができる等の有利な効果が期待できる。
(4)図1に示すように、封止体60は、例えば、第1のMRセンサ10と第2のMRセンサ20の間において、L2の距離(幅)で切り欠き部61とされている。これにより、マグネット40が、A方向に移動しやすいように構成することができる。また、上記の切り欠き部61により、マグネット40と第1のMRセンサ10、第2のMRセンサ20との図1の紙面垂直方向の位置の設計自由度が増加するので、マグネット40による磁束が第1のMRセンサ10、第2のMRセンサ20の感磁面を効率的に通過する構成とすることが可能になる。
(5)以上示したように、本発明の実施の形態に係る磁気検出装置によれば、簡単な構成により、検出精度のよい磁気検出装置を提供することが可能となる。
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。また、これら実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…磁気検出装置
10…第1のMRセンサ
12…MRセンサチップ
13…MR半導体素子
13a…一端
14…MR半導体素子
14a…一端
20…第2のMRセンサ
22…MRセンサチップ
23…MR半導体素子
23a…一端
24…MR半導体素子
24a…一端
30…回路部
30a…非反転入力端子
30b…反転入力端子
30c…出力端子
40…マグネット
50、51、52…リードフレーム
60…封止体
61…切り欠き部

Claims (3)

  1. 磁気抵抗素子のハーフブリッジで形成される第1のMRセンサと、
    磁気抵抗素子のハーフブリッジで形成され、前記第1のMRセンサと所定距離だけ離間して配置される第2のMRセンサと、
    前記第1のMRセンサの中間電圧と前記第2のMRセンサの中間電圧を差動増幅して出力する回路部と、を有し、
    前記第1のMRセンサと前記第2のMRセンサは、検出対象であるマグネットのストローク方向に対して垂直方向に対称に配置されていることを特徴とする磁気検出装置。
  2. 前記第1のMRセンサ、及び前記第2のMRセンサは、リードフレーム上に実装され、封止体により一体にモールドパッケージされて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気検出装置。
  3. 前記モールドパッケージは、前記第1のMRセンサと前記第2のMRセンサの間において、少なくとも前記マグネットの幅以上の領域で切り欠かれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気検出装置。
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