JP2017106409A - 回転機械の動翼 - Google Patents

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茂樹 妹尾
Shigeki Senoo
茂樹 妹尾
穣 山下
Minoru Yamashita
穣 山下
修一 尾崎
Shuichi Ozaki
修一 尾崎
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Abstract

【課題】長翼化に伴って翼の固有振動数が低下した場合でも、フラッターの発生を抑制することが可能な回転機械の動翼を提供する。【解決手段】ロータ80に固定される翼根元部21と、前記翼根元部から翼先端部22にかけてねじれた翼部2と、前記翼先端部に翼背側及び翼腹側に伸延して設けられたシュラウドカバー3,4とを有し、前記ロータの回転時に前記翼部に発生するねじり戻りによって前記シュラウドカバーを隣接翼同士で接触させて連結する回転機械の動翼1において、前記シュラウドカバーは、前記ロータの全周で少なくとも2つの異なる形状を有する。【選択図】 図6

Description

本発明は、蒸気タービン、ガスタービン、圧縮機等の回転機械に用いられる動翼に関する。
高圧の流体が低圧部に向かって膨張する際に生じる運動エネルギーを、静翼と動翼から構成される段落により回転力に変える機能を持つタービンでは、単位時間当たりに段落を通過する流体の質量(流量)を増加させることにより、段落当たりの出力を増加させたいという要求がある。段落当たりの出力を増加できれば、例えば発電用蒸気タービンなどの多段落タービンにおいて、段落数を変えずに発電量を増加させることが可能となる。
段落を通過する流量を増加させるためには、回転軸方向からみた流路面積(環帯面積)を大きくすることが有効である。軸流タービンの場合は、環帯面積は、翼長×平均直径(=(翼の外周端直径+翼の内周端直径)/2)×円周率×2で定義されるため、環帯面積を大きくするためには、翼長又は平均直径を大きくする必要がある。
特開平11−229805号公報
しかしながら、環帯面積を大きくするために翼長を大きくすると、翼の固有振動数が低下し、フラッターと呼ばれる自励振動が発生しやすくなる。フラッターは、翼振動により誘起される流体力変動が翼振動自身を促進する(正のフィードバックを持つ)不安定現象であり、この正のフィードバックが構造減衰を上回ると、翼振動の振幅が発散することにより翼が破損する可能性がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、長翼化に伴って固有振動数が低下した場合でも、フラッターの発生を抑制することが可能な回転機械の動翼を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、ロータに固定された翼根元部と、前記翼根元部から翼先端部にかけてねじれた翼部と、前記翼先端部に翼背側及び翼腹側に伸延して設けられたシュラウドカバーとを有し、前記ロータの回転時に前記翼部に発生するねじり戻りによって前記シュラウドカバーを隣接翼同士で接触させて連結する回転機械の動翼において、前記シュラウドカバーは、前記ロータの全周で少なくとも2つの異なる形状を有するものとする。
本発明によれば、フラッターの発生を抑制しつつ動翼の翼長を大きくすることができるため、回転機械の段落当たりの出力を増加させることが可能となる。
回転機械の一例としての軸流タービンが備えるタービン段落部の基本構造を示す子午面断面図である。 動翼の斜視図である。 動翼をタービンロータに取り付けた状態で示す斜視図である。 従来技術に係る動翼のシュラウドカバーを半径方向外周側から見た平面図である。 従来技術に係る動翼のタイボスを半径方向外周側から見た平面図(断面図)である。 本発明の第1の実施例に係る動翼のシュラウドカバーを半径方向外周側から見た平面図である。 動翼の振動モードの一例を示す図である。 動翼の節直径数と空力減衰比との関係を示す図である。 本発明の第2の実施例に係る動翼のシュラウドカバーを半径方向外周側から見た平面図である。 半径方向外周側から見た二次元平面における動翼の振動軌跡を示す図である。 動翼の節直径数と最低次モードの翼振動角度との関係を示す図である。 動翼の節直径数とシュラウドカバーの構造減衰比との関係を示す図である。 本発明の第3の実施例に係る動翼のシュラウドカバーを半径方向外周側から見た平面図である。 本発明の第4の実施例に係る動翼のタイボスを半径方向外周側から見た平面図(断面図)である。 本発明の第5の実施例に係る動翼のタイボスを半径方向外周側から見た平面図(断面図)である。 本発明の第6の実施例に係る動翼のタイボスを半径方向外周側から見た平面図(断面図)である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。
図1は、回転機械の一例としての軸流タービンが備えるタービン段落部の基本構造を示す子午面断面図である。図1に示すように、軸流タービンのタービン段落は、作動流体流れ方向上流側(以下単に「上流側」という。)の高圧部P0と作動流体流れ方向下流側(以下単に「下流側」という。)の低圧部P1との間に設けられている。タービン段落は、タービンケーシング84の内周側に固設された外周側ダイアフラム83と内周側ダイアフラム82との間に固設された静翼81と、タービン中心軸90周りに回転するタービンロータ(以下単に「ロータ」という。)80に設けられた動翼1とからなる。タービン段落が複数の段落から構成される軸流タービンの場合、この段落構造が作動流体流れ方向に複数回繰り返されて設けられている。各段落において、静翼の下流側に動翼が対向する。
図2は、動翼1の斜視図である。動翼1は、ロータ80(図1参照)の外周部に固定されるプラットフォーム7と、プラットフォーム7に固定された翼根元部21から翼先端部22にかけてねじれた翼部2と、翼先端部22に設けられ翼背側及び翼腹側にそれぞれ伸延して設けられた背側シュラウドカバー3及び腹側シュラウドカバー4と、翼中間部23の背側及び腹側にそれぞれ突出して設けられた背側タイボス5及び腹側タイボス6とを有している。シュラウドカバー3,4及びタイボス5,6は、何れも翼部2と一体的に形成されている。また、タイボス5、6は、翼部2の翼長方向のほぼ中央(翼長の1/2)に設けられることが多いが、翼部2のねじり剛性等に応じて翼長方向の中央よりも翼先端側或いは翼根元側に設けられることもある。また、タイボス5,6は、翼部2の前縁(蒸気入口側縁部)と後縁(蒸気入口側縁部)のほぼ中央に設けられることが多い。
図3は、動翼1をロータ80に取り付けた状態で示す斜視図である。翼部2には、ロータの回転上昇に伴い、翼根元から翼先端に向かって遠心力が作用する。翼部2がねじれているため、遠心力によって翼部2にアンツイスト(ねじり戻り)が発生する。図3中、動翼1aの翼先端部に作用するアンツイストモーメントの向きを矢印16で示し、翼回転方向yにおいて動翼1aの背側に隣接する動翼1bの翼先端部に作用するアンツイストモーメントの向きを矢印16bで示す。同様に、動翼1a,1bの翼中間部にそれぞれ作用するアンツイストモーメントの向きを矢印17a,17bで示す。また、ロータ回転時に動翼1a,1bの翼先端部及び翼中間部に作用するアンツイストモーメント16,17によってシュラウドカバー3,4又はタイボス5,6を接触させて隣接翼同士を連結した場合、アンツイストモーメント16,17の反作用としてアンツイストモーメント16,17と逆向きのねじりモーメントが翼根元部に作用する。このねじりモーメントの向きを各々矢印30a,30bで示す。
図4は、従来技術に係る動翼1のシュラウドカバー3,4を半径方向外周側から見た平面図であり、シュラウドカバー3,4を介して隣接翼同士が連結された状態を示している。図4中、上流から下流に向かう回転軸方向を矢印xで示し、動翼1の回転方向(以下「翼回転方向」という。)を矢印yで示し、動翼1の回転座標系における流れ方向を矢印40で示す。
図4において、動翼1aの腹側シュラウドカバー4aは、動翼1bに向かって伸延した形状を有し、動翼1bの背側シュラウドカバー4bは、動翼1aに向かって伸延した形状を有する。そのため、腹側シュラウドカバー4a及び背側シュラウドカバー3bは、回転軸方向xにおいて互いに対向する端面を有する。腹側シュラウドカバー4a側の端面は、アンツイストモーメント16aにより矢印41の方向に変位する。一方、背側シュラウドカバー3bの端面は、アンツイストモーメント16bにより矢印42の方向に変位する。これらの端面が当接して接触面18abを形成することにより、変位41,42が互いに拘束され、動翼1aと動翼1bとが連結される。接触面18abが翼回転方向yに対してなす角度θ1は、0°≦θ1<90°の範囲にある。また、背側シュラウドカバー3a,3b,3c,3d,…及び腹側シュラウドカバー4a,4b,4c,4d,…の形状はロータ80の全周で均一であるため、隣接翼間の接触面18ab,18bc,18cd,…が翼回転方向yに対してなす角度θ1,θ2,θ3,…はロータ80の全周で均一となる。
アンツイストモーメント16によって隣接翼同士を連結するのに十分な面圧を接触面18で発生させるためには、翼部2が翼根元部21から翼先端部22にかけて大きくねじれている必要があり、翼根元部21のスタッガ角(翼断面の最上流の点と最下流の点を結ぶ線が回転軸方向xに対してなす角度)と翼先端部22のスタッガ角との差が45°以上あることが望ましい。
図5は、従来技術に係る動翼1のタイボス5,6を半径方向外周側から見た平面図(断面図)であり、タイボス5,6を介して隣接翼同士が連結された状態を示している。
図5において、動翼1aの腹側タイボス6aは、動翼1bに向けて突出した形状を有し、動翼1bの背側タイボス5bは、動翼1aに向けて突出した形状を有する。そのため、腹側タイボス6a及び背側タイボス5bは、回転軸方向xにおいて互いに対向する端面を有する。アンツイストモーメント17aによりこれらの端面が当接して接触面19abが形成されることにより、動翼1aと動翼1bとが連結される。接触面19abが翼回転方向yに対してなす角度θ11は、0°≦θ11<90°の範囲にある。また、背側タイボス5a,5b,5c,5d,…及び腹側タイボス6a,6b,6c,6d,…の形状はロータ80の全周で均一であるため、隣接翼間の接触面19ab,19bc,19cd,…が翼回転方向yに対してなす角度θ11,θ12,θ13,…はロータ80の全周で均一となる。
以上のように構成した動翼1によれば、ロータ80の全周で隣接翼同士を連結することにより、動翼1が全周一翼群としての振動特性を有し、連結しない場合に比べ動翼1の固有振動数は大幅に上昇し、動翼1の振動応答が大きくなる可能性のある低次の一次曲げ振動が消滅する。また、隣接翼同士を接触面19を介して連結することにより、接触面19で生じる摩擦により動翼1の振動応答を小さくすることができる。
しかしながら、このような動翼を備えた軸流タービンであっても、長翼化に伴う翼の固有振動数の低下により、フラッターと呼ばれる自励振動が発生しやすくなる。フラッターは、翼振動により誘起される流体力変動が翼振動自身を促進する(正のフィードバックを持つ)不安定現象であり、この正のフィードバックが構造減衰を上回ると、翼振動の振幅が発散することにより翼が破損する可能性がある。
本発明は、隣接翼同士を連結するためのシュラウドカバー3,4又はタイボス5,6の形状等をロータ80の全周で均一とならないように構成することにより、長翼化に伴って翼の固有振動数が低下した場合でも、フラッターの発生を抑制することが可能な動翼1を実現するものである。
以下、本発明の実施例として、本発明を蒸気タービンの最終段落の動翼に適用した例を説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、蒸気タービンの最終段落以外の動翼やガスタービンなどの圧縮機翼にも適用可能であり、シュラウドカバー3,4又はタイボス5,6のいずれか一方のみを備えた動翼にも適用可能である。また、蒸気や空気といった作動流体の種類によらず効果を発揮するものである。
図6は、本発明の第1の実施例に係る動翼のシュラウドカバーを半径方向外周側から見た平面図である。
図6において、従来技術(図4参照)との相違点は、シュラウドカバー3,4の上流側端面又は下流側端面の形状がロータ80の全周で均一でない点である。具体的には、従来技術(図4参照)と比較して、動翼1bの背側シュラウドカバー3bの下流側端面が下流側に突出した形状をしており、動翼1cの背側シュラウドカバー3cの下流側端面が上流側に窪んだ形状をしており、動翼1dの腹側シュラウドカバー4dの上流端側面が上流側に突出した形状をしている。このように、翼部2の形状は変更することなく、シュラウドカバー3,4の形状等をロータ80の全周で均一とならないように構成することにより、流体性能に影響を与えることなく、翼振動の抑制効果を向上させることが可能となる。以下、シュラウドカバー3,4による振動抑制効果について、図7及び図8を用いて説明する。
図7に、動翼1の振動モードの一例を示す。翼の振動モードは、周方向に節(以下「節直径」という。)を持つ。図7は、4つの節直径を有する振動モードを示している。ここで、ロータ80の全周に設けられた動翼1の枚数をNとすると、節直径数は最大でN/2となる。振動モードは、ロータ80の周方向に伝播する。動翼1の翼回転方向yに伝播する振動モードを前回りモードと呼び、このときの節直径数を正とする。逆に、動翼1の翼回転方向yと逆方向に伝播する振動モードを後回りモードと呼び、このときの節直径数を負とする。
図8に、動翼1の節直径数と空力減衰比との関係を示す。空力減衰比ζaは、フラッターの発生しにくさを示す指標値であり、空力減衰比ζaが負になる節直径数NDの振動モードでは、翼振動により引き起こされる流体力変動が、翼振動振幅を増大させるように作用する。この負の空力減衰比ζaに、振動抑制効果のある構造減衰比(材料減衰比を含む)を加えた合計が負になると、フラッターが発生する。ロータ80の全周で動翼1の形状が均一である従来技術に係る動翼の場合、図8中破線で示すように、後回りモード(節直径数ND<0)の一部で、空力減衰比ζaが負となっている。これに対して、本実施例では、シュラウドカバー3,4の形状がロータ80の全周で均一でない(シュラウドカバー3,4がロータ80の全周で少なくとも2つの異なる形状を有する)ため、動翼1がロータ80の全周で少なくとも2つ異なる固有振動数を有することとなり、振動モードの周方向の伝播が抑制される。これにより、図8中実線で示すように、節直径数NDに対する空力減衰比ζaの変動が小さくなり、すべての節直径数NDに対して空力減衰比ζaが正となる。その結果、長翼化に伴って翼の固有振動数が低下した場合でも、フラッターの発生を抑制することが可能となる。
なお、図6に示す例では、シュラウドカバー3,4の半径方向外周側から見た形状がロータ80の全周で均一とならないように構成したが、本発明はこれに限定されず、シュラウドカバー3,4の外周側表面又は内周側表面に凹凸を設ける等してシュラウドカバー3,4の半径方向の平均厚さがロータ80の全周で均一とならないように構成しても良い。また、シュラウドカバー3,4の形状はロータ80の全周で均一とし、シュラウドカバー3,4の材料密度がロータ80の全周で均一とならないように構成しても良い。
本発明の第2の実施例に係る動翼1について、従来技術と比較して説明する。図9は、本実施例に係る動翼のシュラウドカバーを半径方向外周側から見た平面図である。
図9において、従来技術(図4参照)との相違点は、隣接翼間(背側シュラウドカバー3と腹側シュラウドカバー4)の接触面18ab,18bc,18cd,…が翼回転方向yに対してなす角度θ1,θ2,θ3,…が、ロータ80の全周で均一でない点である。具体的には、動翼1a,1b間の接触面18abの角度θ1が動翼1b,1c間の接触面18bcの角度θ2よりも大きく、動翼1b,1c間の接触面18bcの角度θ2が動翼1c,1d間の接触面18cdの角度θ3よりも大きい。
本実施例に係る動翼1によれば、シュラウドカバー3,4の形状がロータ80の全周で均一でない(シュラウドカバー3,4がロータ80の全周で少なくとも2つの異なる形状を有する)ため、第1の実施例と同様に、すべての節直径数NDに対して空力減衰比ζaが正とすることができ、長翼化に伴って翼の固有振動数が低下した場合でも、フラッターの発生を抑制することが可能となる。
また、隣接翼間(背側シュラウドカバー3と腹側シュラウドカバー4)の接触面18ab,18bc,18cd,…が翼回転方向yに対してなす角度θ1,θ2,θ3,…がロータ80の全周で均一でない(接触面18がロータ80の全周で少なくとも2つの異なる角度を有する)ため、フラッターに限らず、あらゆる翼振動を抑制することができ、フラッター以外の翼振動による翼損傷も防止することが可能となる。以下、接触面18の摩擦による構造減衰効果について、図10〜図12を用いて説明する。
図10に、半径方向外周側から見た二次元平面における動翼1の振動軌跡を示す。翼の回転軸方向xの振動成分と翼回転方向yの振動成分との間には一般に位相差があるため、動翼1の振動軌跡は楕円形状になる。この楕円軌跡の長軸方向を翼振動方向vと定義し、翼振動方向vの翼回転方向yに対する角度を翼振動角度βと定義する。
図11に、節直径数NDと最低次モードの翼振動角度βとの関係を示す。節直径数NDがゼロ付近のときは、翼振動角度βもゼロ付近にある(図10において、翼振動方向vが翼回転周方向yとほぼ一致する)。翼振動角度βは、節直径数NDが大きくなるに従い、あるところまで急峻に増加する(図10において、翼振動方向vが回転軸方向xに近づく)。節直径数NDがさらに大きくなると、翼振動角度βは緩やかに低下する(図10において、翼振動方向vが翼回転方向y寄りに若干戻る)。
図12に、節直径数NDとシュラウドカバー3,4の構造減衰比との関係を示す。従来技術(図4参照)又は第1の実施例(図6参照)のように、シュラウドカバー3,4の接触面18の翼回転方向yに対する角度θがロータ80の全周で均一である場合、翼振動角度βと接触面19の角度θとの差が小さい節直径数NDの振動モードでは、接触面18の摩擦効果(構造減衰比ζs)が大きくなるが、翼振動角度βと接触面18の角度θとの差が大きい節直径数NDの振動モードでは、接触面18の摩擦効果(構造減衰比ζs)が小さくなる。そのため、構造減衰比ζsは、図12の破線で示すように、節直径数NDに応じて大きく変動する。すなわち、特定の節直径数NDにおいて構造減衰比ζsが極端に小さくなり、その特定の節直径数NDの振動モードで翼が破損する可能性がある。これに対して、本実施例では、隣接翼間(背側シュラウドカバー3と腹側シュラウドカバー4)の接触面18ab,18bc,18cd,…の角度θ1,θ2,θ3,…がロータ80の全周で均一でない(接触面18がロータ80の全周で少なくとも2つの異なる角度を有する)ため、図9の実線で示すように、節直径数NDに対する構造減衰比ζsの変動が小さくなり、特定の節直径数NDに対して構造減衰比ζsが極端に小さくなることを防ぐことができる。これにより、フラッターに限らず、あらゆる翼振動を抑制することができ、フラッター以外の翼振動による翼損傷も防止することが可能となる。
本発明の第3の実施例に係る動翼1について、第2の実施例と比較して説明する。図13は、本実施例に係る動翼のシュラウドカバーを半径方向外周側から見た平面図である。
図13において、第2の実施例(図9参照)との相違点は、隣接翼間(背側シュラウドカバー3と腹側シュラウドカバー4)の接触面18ab,18bc,18cd,…が翼回転方向yに対してなす角度θ1,θ2,θ3,…が、ロータ80の全周で交互に異なる点である。具体的には、動翼1a,1b間の接触面18abの角度θ1は、動翼1b,1c間の接触面18bcの角度θ2よりも大きく、動翼1c,1d間の接触面18cdの角度θ3と等しい。
本実施例に係る動翼1によれば、シュラウドカバー3,4の形状がロータ80の全周で均一でない(シュラウドカバー3,4がロータ80の全周で少なくとも2つの異なる形状を有する)ため、第1の実施例と同様に、すべての節直径数NDに対して空力減衰比ζaが正とすることができ、長翼化に伴って翼の固有振動数が低下した場合でも、フラッターの発生を抑制することが可能となる。
また、隣接翼間(背側シュラウドカバー3と腹側シュラウドカバー4)の接触面18ab,18bc,18cd,…の角度θ1,θ2,θ3,…がロータ80の全周で均一でないため、第2の実施例と同様に、特定の節直径数NDに対して構造減衰比ζsが極端に小さくなることを防止できる。これにより、フラッターに限らず、あらゆる翼振動を抑制することができ、フラッター以外の翼振動による翼損傷も防止することが可能となる。
さらに、背側シュラウドカバー3と腹側シュラウドカバー4との接触面18ab,18bc,18cd,…が翼回転方向yに対してなす角度θ1,θ2,θ3,…が、ロータ80の全周で交互に異なる構成としたことにより、シュラウドカバー3,4の形状が2通りに限定されるため、動翼1の製作コストを抑えると共に、動翼1のロータ80への取付性を向上できる。
本発明の第4の実施例に係る動翼について、従来技術と比較して説明する。図14は、本実施例に係る動翼のタイボスを半径方向外周側から見た平面図(断面図)である。
図14において、従来技術(図5参照)との相違点は、背側タイボス5又は腹側タイボス6の上流側端面又は下流側端面の形状が、ロータ80の全周で均一でない点である。具体的には、従来技術(図5参照)と比較して、動翼1bの背側タイボス5bの下流側端面が上流側に窪んだ形状をしており、動翼1cの背側タイボス5cの下流側端面が下流側に突出した形状をしており、動翼1dの腹側タイボス6dの上流側端面が下流側に窪んだ形状をしている。
本実施例に係る動翼1よれば、タイボス5,6の形状がロータ80の全周で均一でない(タイボス5,6がロータ80の全周で少なくとも2つの異なる形状を有する)ため、第1〜3の実施例(シュラウドカバー3,4の形状が均一でない場合)と同様に、すべての節直径数NDに対して空力減衰比ζaが正とすることができ、長翼化に伴って翼の固有振動数が低下した場合でも、フラッターの発生を抑制することが可能となる。
なお、図9に示す例では、タイボス5,6の半径方向外周側から見た形状がロータ80の全周で均一とならないように構成したが、本発明はこれに限定されず、タイボス5,6の外周側表面又は内周側表面に凹凸を設ける等してタイボス5,6の半径方向の平均厚さが均一とならないように構成しても良い。また、タイボス5,6の形状は均一とし、タイボス5,6の材料密度が均一とならないように構成しても良い。
本発明の第5の実施例に係る動翼1について、従来技術と比較して説明する。図15は、本実施例に係る動翼のタイボスを半径方向外周側から見た平面図(断面図)である。
図15において、従来技術(図5参照)との相違点は、隣接翼間(背側タイボス5と腹側タイボス6)の接触面19ab,19bc,19cd,…が翼回転方向yに対してなす角度θ11,θ12,θ13,…が、ロータ80の全周で均一でない点である。具体的には、動翼1aと動翼1bとの間の接触面19abの角度θ11が、動翼1bと動翼1cとの間の接触面19bcの角度θ12よりも小さく、動翼1bと動翼1cとの間の接触面19bcの角度θ12が、接触面19cdの角度θ13よりも小さい。
本実施例に係る動翼1によれば、タイボス5,6の形状がロータ80の全周で均一でない(タイボス5,6がロータ80の全周で少なくとも2つの異なる形状を有する)ため、第4の実施例と同様に、すべての節直径数NDに対して空力減衰比ζaを正とすることができ、長翼化に伴って翼の固有振動数が低下した場合でも、フラッターの発生を抑制することが可能となる。
また、隣接翼間(背側タイボス5と腹側タイボス6)の接触面19ab,19bc,19cd,…が翼回転方向yに対してなす角度θ11,θ12,θ13,…がロータ80の全周で均一でないため、第2の実施例(背側シュラウドカバー3と腹側シュラウドカバー4との接触面18ab,18bc,18cd,…の角度θ1,θ2,θ3,…がロータ80の全周で均一でない場合)と同様に、特定の節直径数NDに対して構造減衰比ζsが極端に小さくなることを防ぐことができる。これにより、フラッターに限らず、あらゆる翼振動を抑制することができ、フラッター以外の翼振動による翼損傷も防止することが可能となる。
本発明の第6の実施例に係る動翼1について、第5の実施例と比較して説明する。図16は、本実施例に係る動翼のタイボスを半径方向外周側から見た平面図(断面図)である。
図16において、第5の例(図15参照)との相違点は、隣接翼間(背側タイボス5と腹側タイボス6)の接触面19ab,19bc,19cd,…が翼回転方向yに対してなす角度θ11,θ12,θ13,…が、ロータ80の全周で交互に異なる点である。具体的には、動翼1a,1b間の接触面19abの角度θ11が、動翼1b,1c間の接触面19bcの角度θ12よりも小さく、動翼1c,1d間の接触面19cdの角度θ13と等しい。
本実施例に係る動翼1によれば、タイボス5,6の形状がロータ80の全周で均一でない(タイボス5,6がロータ80の全周で少なくとも2つの異なる形状を有する)ため、第5の実施例と同様に、すべての節直径数NDに対して空力減衰比ζaを正とすることができ、長翼化に伴って翼の固有振動数が低下した場合でも、フラッターの発生を抑制することが可能となる。
また、隣接翼間(背側タイボス5と腹側タイボス6)の接触面19ab,19bc,19cd,…が翼回転方向yに対してなす角度θ11,θ12,θ13,…がロータ80の全周で均一でない(接触面19がロータ80の全周で少なくとも2つの異なる角度を有する)ため、第5の実施例と同様に、特定の節直径数NDに対して構造減衰比ζsが極端に小さくなることを防ぐことができる。これにより、フラッターに限らず、あらゆる翼振動を抑制することができ、フラッター以外の翼振動による翼損傷も防止することが可能となる。
さらに、背側タイボス5と腹側タイボス6との接触面19ab,19bc,19cdの角度θ11,θ12,θ13がロータ80の全周で交互に異なる構成としたことにより、タイボス5,6の形状が2通りに限定されるため、第5の実施例と比較して、動翼1の製作コストを抑えると共に、動翼1のロータ80への取付性を向上できる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成の一部を加えることも可能であり、ある実施例の構成の一部を削除し、あるいは、他の実施例の一部と置き換えることも可能である。
1…動翼、2…翼部、3…背側シュラウドカバー、4…腹側シュラウドカバー、5…背側タイボス、6…腹側タイボス、7…プラットフォーム、16,17…アンツイストモーメント、18,19…接触面、21…翼根元部、22…翼先端部、23…翼中間部、30a,30b…ねじりモーメント、40…回転座標系における流れ方向、41,42…変位、80…タービンロータ(ロータ)、81…静翼、82…内周側ダイアフラム、83…外周側ダイアフラム、84…タービンケーシング、90…タービン中心軸、P0…高圧部、P1…低圧部、v…翼振動方向、x…回転軸方向、y…翼回転方向。

Claims (10)

  1. ロータの外周部に固定される翼根元部と、前記翼根元部から翼先端部にかけてねじれた翼部と、前記翼先端部に翼背側及び翼腹側に伸延して設けられたシュラウドカバーとを有し、前記ロータの回転時に前記翼部に発生するねじり戻りによって前記シュラウドカバーを隣接翼同士で接触させて連結する回転機械の動翼において、
    前記シュラウドカバーは、前記ロータの全周で少なくとも2つの異なる形状を有することを特徴とする回転機械の動翼。
  2. 請求項1に記載の回転機械の動翼において、
    前記シュラウドカバーは、前記ロータの全周で交互に異なる形状を有することを特徴とする回転機械の動翼。
  3. 請求項1に記載の回転機械の動翼において、
    前記シュラウドカバーは、前記ロータの回転時に前記ロータの全周で回転方向に対して少なくとも2つの異なる角度の接触面を形成するように構成されたことを特徴とする回転機械の動翼。
  4. 請求項3に記載の回転機械の動翼において、
    前記シュラウドカバーは、前記ロータの回転時に前記ロータの全周で翼回転方向に対して交互に異なる角度の接触面を形成するように構成されたことを特徴とする回転機械の動翼。
  5. ロータの外周部に固定される翼根元部と、前記翼根元部から翼先端部にかけてねじれた翼部と、前記翼先端部に翼背側及び翼腹側に伸延して設けられたシュラウドカバーとを有し、前記ロータの回転時に前記翼部に発生するねじり戻りによって前記シュラウドカバーを隣接翼同士で接触させて連結する回転機械の動翼において、
    前記シュラウドカバーは、前記ロータの全周で少なくとも2つの異なる材料密度を有することを特徴とする回転機械の動翼。
  6. ロータの外周部に固定される翼根元部と、前記翼根元部から翼先端部にかけてねじれた翼部と、前記翼部の翼中間部に翼背側及び翼腹側に突出して設けられたタイボスとを有し、前記ロータの回転時に前記翼部に発生するねじり戻りによって前記タイボスを隣接翼同士で接触させて連結する回転機械の動翼において、
    前記タイボスは、前記ロータの全周で少なくとも2つの異なる形状を有することを特徴とする回転機械の動翼。
  7. 請求項6に記載の回転機械の動翼において、
    前記タイボスは、前記ロータの全周で交互に異なる形状を有することを特徴とする回転機械の動翼。
  8. 請求項6に記載の回転機械の動翼において、
    前記タイボスは、前記ロータの回転時に前記ロータの全周で翼回転方向に対して少なくとも2つの異なる角度の接触面を形成するように構成されたことを特徴とする回転機械の動翼。
  9. 請求項8に記載の回転機械の動翼において、
    前記タイボスは、前記ロータの回転時に前記ロータの全周で翼回転方向に対して交互に異なる角度の接触面を形成するように構成されたことを特徴とする回転機械の動翼。
  10. ロータの外周部に固定される翼根元部と、前記翼根元部から翼先端部にかけてねじれた翼部と、前記翼部の翼中間部に翼背側及び翼腹側に突出して設けられたタイボスとを有し、前記ロータの回転時に前記翼部に発生するねじり戻りによって前記タイボスを隣接翼同士で接触させて連結する回転機械の動翼において、
    前記タイボスは、前記ロータの全周で少なくとも2つの異なる材料密度を有することを特徴とする回転機械の動翼。
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