JP2017218983A - タービン動翼および蒸気タービン - Google Patents

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野村 大輔
Daisuke Nomura
大輔 野村
村田 頼治
Yoriji Murata
頼治 村田
康史 高木
Yasushi Takagi
康史 高木
知彦 佃
Tomohiko Tsukuda
知彦 佃
威夫 須賀
Takeo Suga
威夫 須賀
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Abstract

【課題】ストレート型の翼植込部を有する場合においても、翼根元側の蒸気の流量の増加を抑制し、動翼における性能の向上を図ることができるタービン動翼および蒸気タービンを提供する。【解決手段】動翼22は、翼有効部40と、タービンロータに植設される翼根部70と、翼有効部40と翼根部70との間に形成され、翼背側の側面61および翼腹側の側面62が平面であるプラットフォーム60とを備える。翼根部70がタービンロータに植設された際、タービンロータ軸方向の下流側から翼有効部40を見たときに、翼有効部40の後縁の位置Pから翼根元41に亘って、翼有効部40の後縁43が、タービンロータの回転方向と逆側に円弧状に突出している。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、タービン動翼および蒸気タービンに関する。
蒸気タービンは、静翼翼列と、この静翼翼列の直下流側の動翼翼列とでタービン段落を構成している。そして、蒸気タービンは、このタービン段落をタービンロータ軸方向に複数段備えている。
例えば、低圧タービンの最終段のタービン段落(以下、最終段という)では、蒸気が真空近くまで膨張され、通過する蒸気の体積流量も大きい。そのため、低圧タービンの最終段を構成する動翼として、1mを超えるような長翼が使用されることがある。
また、一つのタービン段落に流すことができる蒸気の流量を多くできれば、例えば、複数設置する低圧タービンの数を減らしつつ、一つの低圧タービンの出力を高めることができる。この場合、例えば、低圧タービンの最終段動翼は、長翼で構成されることになる。
このような長翼の動翼には、大きな遠心力がかかる。そこで、長翼の動翼が大きな遠心力に耐え、安定した運転を維持するには、翼根元および翼植込部の形状が重要となる。なお、翼根元は、翼有効部の内周端(翼植込部のプラットフォームと接する端部)である。
翼植込部は、限られたスペースで大きな遠心力に耐えるため、様々な形状的な工夫がなされている。最も大きな遠心力を受ける最終段の長翼の翼植込部には、例えば、タービンロータ軸方向に植え込む軸方向挿入式(アキシャルエントリー式)のクリスマスツリー型翼根部が適している。
ここで、図13および図14は、従来の動翼300の翼植込部310、320の斜視図である。図13には、タービンロータ軸方向に沿ったストレート型の翼植込部310を示している。図14には、動翼の翼根元の断面形状に沿って弓型に湾曲したカーブ型の翼植込部320を示している。
また、図15は、翼有効部側から見たときの、従来のストレート型の翼植込部310におけるプラットフォーム311の平面図である。図16は、翼有効部側から見たときの、従来のカーブ型の翼植込部320におけるプラットフォーム321の平面図である。なお、図15および図16において、プラットフォーム311、321の外周面312、322上に位置する動翼300の翼根元の形状を破線で示している。
図13に示されたストレート型の翼植込部310は、図14に示されたカーブ型の翼植込部320に比べて、形状的な観点から、製造が容易である。ストレート型の翼植込部310において、プラットフォーム311の外周面312は、一般的に平行四辺形となる。そして、動翼300の翼根元は、プラットフォーム311の外周面312の領域内に収められる。流体性能の観点から、ストレート型の翼植込部310では、カーブ型の翼植込部320に比べて、翼根元の設計上の制約が大きい。
ここで、図15に示すように、ストレート型の翼植込部310において、プラットフォーム311のタービンロータ軸方向に対する傾斜角をθとする。翼植込部310に発生する応力バランスの観点から、傾斜角θが大きいことは好ましくない。
プラットフォーム311の外周面312の領域内に動翼300の翼根元を収めつつ、傾斜角θを小さくすると、例えば、図15に示す翼根元の形状において、動翼300の背側や腹側の曲率が小さな扁平な形状となる。
このように、ストレート型の翼植込部310の場合、動翼300の翼根元における翼形状が扁平となるため、隣接する動翼間に形成されるスロート幅S(最小流路幅)が大きくなる。そのため、翼根元側を流れる蒸気の流量が多い。
ここで、図17は、従来の動翼翼列の翼根元側に発生する2次流れ渦の発生形態を模式的に示す図である。なお、図17では、動翼翼列を外周側(半径方向外側)から見ている。
動翼300間における圧力は、一般的に、背側(負圧面側)330で低くなり、腹側(正圧面側)331で高くなる。そして、圧力の高い方から低い方へ2次流れ渦の駆動力340が働く。通常、動翼300間を蒸気が転向しながら流れることによる遠心力が駆動力340に対向するように働く。翼根元側の環状壁面350の近傍では、環状壁面350との摩擦の影響で蒸気の流速が著しく低下する。
これによって、背側330から腹側331へ向かう遠心力が低下し、駆動力340に抗しきれなくなり、2次流れ渦が発生する。2次流れ渦は、動翼300の前縁部に発生し、背側330に沿って発達する馬蹄形渦341と、腹側331から駆動力340によって背側330に引き寄せられながら発達する通過渦342とで構成される。
馬蹄形渦341と通過渦342は、背側330の後縁側で立体的に交錯し、翼高さ方向に巻き上がる。この2次流れ渦の発生によって、大きな損失が生じる。
特開2000−45704号公報
上記したように、従来のストレート型の翼植込部を有する動翼では、翼根元側におけるスロート幅Sが大きく、翼根元側を流れる蒸気の流量が多い。また、2次流れ渦が発生する翼根元側の蒸気の流量が多いため、2次流れ渦による損失が増加する。そのため、動翼全体としての性能が低下する。
本発明が解決しようとする課題は、ストレート型の翼植込部を有する場合においても、翼根元側の蒸気の流量の増加を抑制し、動翼における性能の向上を図ることができるタービン動翼および蒸気タービンを提供するものである。
実施形態のタービン動翼は、翼有効部と、タービンロータに植設される翼根部と、前記翼有効部と前記翼根部との間に形成され、翼背側の側面および翼腹側の側面が平面であるプラットフォームとを備える。
そして、タービン動翼は、前記翼根部が前記タービンロータに植設された際、タービンロータ軸方向の下流側から前記翼有効部を見たときに、前記翼有効部の後縁の所定位置から翼根元に亘って、前記翼有効部の後縁が、タービンロータの回転方向と逆側に円弧状に突出している。
実施の形態の動翼を備えた蒸気タービンの鉛直方向の子午断面を示す図である。 実施の形態の動翼の斜視図である。 実施の形態の動翼がロータディスクに植設されたときの、翼植込部の拡大斜視図である。 ロータディスクに植設された実施の形態の動翼をタービンロータ軸方向の下流側から見たときの平面図である。 翼有効部側から見たときの、実施の形態の動翼における翼植込部のプラットフォームの平面図である。 実施の形態の動翼の出口における翼高さ方向の蒸気の流量分布を示す図である。 低圧タービンの最終段に設けられる長翼の動翼に発生する、蒸気の単位流量当たりの動翼エネルギ損失の一例を示した図である。 実施の形態の動翼の出口における翼高さ方向の蒸気の流量分布を示す図である。 実施の形態の動翼における翼高さ方向の動翼性能を示す図である。 実施の形態の動翼が周方向に複数備えられたときの斜視図である。 図10のA−A断面を示す図である。 図10に示された実施の形態の動翼を外周側から見たときの平面図である。 従来の動翼の翼植込部の斜視図である。 従来の動翼の翼植込部の斜視図である。 翼有効部側から見たときの、従来のストレート型の翼植込部におけるプラットフォームの平面図である。 翼有効部側から見たときの、従来のカーブ型の翼植込部におけるプラットフォームの平面図である。 従来の動翼翼列の翼根元側に発生する2次流れ渦の発生形態を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施の形態の動翼22を備えた蒸気タービン10の鉛直方向の子午断面を示す図である。なお、蒸気タービン10は、最終段などに長翼を備える低圧タービンである。
図1に示すように、蒸気タービン10は、ケーシング20を備え、このケーシング20内には、タービンロータ21が貫設されている。このタービンロータ21には、ロータディスク21aが形成されている。
このロータディスク21aには、タービンロータ軸方向から動翼22が挿入される。そして、ロータディスク21aの周方向には、複数の動翼22が設けられ、動翼翼列を構成する。動翼翼列は、タービンロータ21の軸方向に複数段構成されている。なお、タービンロータ21は、図示しないロータ軸受によって回転可能に支持されている。
ケーシング20の内周には、ダイアフラム外輪23が設置され、このダイアフラム外輪23の内側には、ダイアフラム内輪24が設置されている。また、ダイアフラム外輪23とダイアフラム内輪24との間には、周方向に複数の静翼25が配置され、静翼翼列を構成している。
この静翼翼列は、タービンロータ21の軸方向に動翼翼列と交互に複数段備えられている。そして、静翼翼列と、その直下流側に位置する動翼翼列とで一つのタービン段落を構成している。
ダイアフラム外輪23とダイアフラム内輪24との間には、主蒸気が流れる環状の蒸気通路29が形成されている。タービンロータ21とケーシング20との間には、蒸気の外部への漏洩を防止するために、グランドシール部26が設けられている。また、タービンロータ21とダイアフラム内輪24との間には、この間を蒸気が下流側へ通過するのを防止するために、シール部27が設けられている。
また、蒸気タービン10には、クロスオーバ管28からの蒸気を蒸気タービン10の内部に蒸気を導入するための蒸気入口管(図示しない)がケーシング20を貫通して設けられている。最終段の下流側には、タービン段落において膨張仕事をした蒸気を排気するための排気通路(図示しない)が設けられている。この排気通路は、復水器(図示しない)に連通されている。
次に、実施の形態の動翼22の構成について説明する。
図2は、実施の形態の動翼22の斜視図である。図3は、実施の形態の動翼22がロータディスク21aに植設されたときの、翼植込部50の拡大斜視図である。図4は、ロータディスク21aに植設された実施の形態の動翼22をタービンロータ軸方向の下流側から見たときの平面図である。図5は、翼有効部40側から見たときの、実施の形態の動翼22における翼植込部50のプラットフォーム60の平面図である。
なお、図5において、プラットフォーム60の翼有効部40側の端面上に位置する動翼22の翼根元の形状を破線で示している。また、図4には、タービンロータ21の回転方向を矢印で示している。
実施の形態の動翼22は、例えば、最終段や最終段よりも1段上流段のタービン段落に備えられる。この動翼22は、例えば、1m以上の長翼である。ここでは、動翼22として、最終段の動翼を例示して説明する。
図2に示すように、動翼22は、翼有効部40と、翼植込部50とを備える。翼植込部50は、プラットフォーム60と、翼根部70とを備える。
翼根部70は、例えば、タービンロータ軸方向に植え込む軸方向挿入式(アキシャルエントリー式)のクリスマスツリー型に形成される。翼根部70は、図3および図4に示すように、ロータディスク21aの植込溝30にタービンロータ軸方向から挿入され、固定される。
なお、このような軸方向挿入式(アキシャルエントリー式)のクリスマスツリー型の翼根部70は、大きな遠心力がかかる長翼に好適である。
プラットフォーム60は、翼有効部40と翼根部70との間に形成されている。プラットフォーム60は、例えば、板状である。図5に示すように、翼有効部40側からプラットフォーム60を見ると、プラットフォーム60の外周面63は、例えば、平行四辺形である。ここで、プラットフォーム60の外周面63は、プラットフォーム60の翼有効部40側の端面である。
なお、プラットフォーム60を翼有効部40側から見たときの形状は、平行四辺形に限らず、例えば、長方形であってもよい。
プラットフォーム60の翼背側の側面61および翼腹側の側面62は、平面である。この平面は、例えば、図4に示すように、ラジアル線L1に沿う平面である。すなわち、側面61および側面62は、周方向に湾曲などしていない平面である。周方向から側面61、62を見ると、側面61、62は、長方形または略長方形である。
ここで、ラジアル線L1は、タービンロータの中心を通り、半径方向に延びる線である。なお、ここでは、このような形状のプラットフォーム60を有する翼植込部50をストレート型の翼植込部と呼ぶ。
プラットフォーム60の外周面63の形状が平行四辺形の場合、図5に示すように、タービンロータ軸方向と、外周面63の翼背側の側辺64とのなす角(以下、傾斜角αという)は、0度〜20度程度であることが好ましい。この傾斜角αの範囲とすることで、翼植込部50に発生する応力の適正なバランスが維持できる。
翼有効部40は、翼根元41から翼先端42に亘ってねじれている。複数の動翼22を周方向に備えた動翼翼列において、隣接する動翼22の翼有効部40間を蒸気が通過する。
図5に示すように、翼有効部40の翼根元41は、プラットフォーム60の外周面63の領域内に収まっている。すなわち、翼根元41の全体が、プラットフォーム60の外周面63に接している。このように、翼根元41の全体を外周面63に接合させることで、長翼化において遠心力が増大したときでも、翼植込部50において十分な強度を維持することができる。
図4に示すように、翼根部70がロータディスク21aに植設された際、タービンロータ軸方向の下流側から翼有効部40を見たときに、翼有効部40の後縁43の位置Pから翼根元41に亘って、翼有効部40の後縁43が、タービンロータ21の回転方向と逆側に円弧状に突出している。
この円弧状に突出する突出部44において、タービンロータ21の回転方向と逆側に最も突出する最大突出部をQとする。
ここで、突出部44は、図4において、例えば、プラットフォーム60の外周面63と、翼有効部40の翼根元41の後縁43とが接する点Rを通るラジアル線L2よりも、タービンロータ21の回転方向と逆側に突出している。なお、ラジアル線L2も前述したラジアル線L1と同様の定義である。
また、翼根部70がロータディスク21aに植設された際、タービンロータ軸方向の下流側から翼有効部40を見たときに、上記した位置Pよりも翼先端42側の翼有効部40の後縁43が、翼先端42に行くに伴って、タービンロータの回転方向と逆側に突出している。
この位置Pよりも翼先端42側の翼有効部40の突出延設部45の後縁43と、位置Pよりも翼根元41側の突出部44の後縁43は、例えば、滑らかな曲線でS字状につながっている。そして、図4に示すように、タービンロータ軸方向の下流側から翼有効部40を見たときに、位置Pは、翼有効部40の後縁43の湾曲する方向が変わる変曲点である。なお、翼高さH0とは、翼有効部40の翼根元41から翼先端42までの距離である。
動翼22において、翼有効部40の翼高さH0を1としたときに、翼根元41から位置Pまでの翼高さ方向の距離H1は、0.15〜0.5であることが好ましい。すなわち、距離H1は、翼根元41(プラットフォーム60の外周面63)から、位置Pを含む翼高さ方向に垂直な断面までの翼高さ方向の距離である。なお、翼根元41においては、翼高さ方向の距離は0(ゼロ)であり、翼先端42においては翼高さ方向の距離は1である。
ここで、翼有効部40の翼根元41側に突出部44を設けること、および翼根元41から位置Pまでの翼高さ方向の距離H1が上記した範囲が好ましいことについて説明する。
図6は、実施の形態の動翼22の出口における翼高さ方向の蒸気の流量分布を示す図である。図6には、実施の形態の動翼22以外にも、比較のため、従来のストレート型の翼植込部を有する動翼、従来のカーブ型の翼植込部を有する動翼についても示している。なお、図6に示した各動翼は、低圧タービンの最終段の動翼である。各動翼の翼有効部の翼高さは同じである。また、各動翼翼列を構成する動翼の数も同じである。また、図7は、低圧タービンの最終段に設けられる長翼の動翼に発生する、蒸気の単位流量当たりの動翼エネルギ損失の一例を示した図である。
なお、図6および図7に示された結果は、数値解析に基づくものである。図6および図7の横軸は、翼高さ位置を示す。この翼高さ位置は、翼有効部40の翼高さを1としたときの、翼根元41からの翼高さ方向の距離である。すなわち、翼根元における翼高さ位置は0(ゼロ)であり、翼先端における翼高さ位置は1である。
図6に示すように、従来のストレート型の翼植込部を有する動翼では、従来のカーブ型の翼植込部を有する動翼に比べて、翼根元側における蒸気の流量が多い。ストレート型の翼植込部では、カーブ型の翼植込部に比べて、翼根元側の最小流路幅が広がるため、翼根元側の蒸気の流量が多くなる。
一方、実施の形態の動翼22は、ストレート型の翼植込部を採用しているが、従来のストレート型の翼植込部を有する動翼に比べて、翼根元側における蒸気の流量が少ない。また、実施の形態の動翼22は、従来のカーブ型の翼植込部を有する動翼に比べて、翼根元近傍の蒸気の流量は多いが、翼高さ位置が0.05から0.3の範囲では、蒸気の流量は少ない。
すなわち、実施の形態の動翼22では、位置Pから翼根元41に亘って突出部44を備えることで、翼高さ位置が0.05から0.3の範囲の翼有効部40間のスロート幅S(最小流路幅)を小さくすることができる(図5参照)。これによって、この範囲の翼有効部40間を流れる蒸気の流量を減少することができる。
図7に示すように、一般的に、翼高さ位置が0.2程度まで、動翼エネルギ損失が高い。そして、翼高さ位置が0.2を超え0.7までの範囲では、動翼エネルギ損失が低い。翼高さ位置が0.7を超える範囲では、翼先端における漏れ流れによる損失や、マッハ数が1を超える回転周速によって発生する衝撃波による損失によって、動翼エネルギ損失が増加している。すなわち、翼高さ位置が0〜0.2程度まで間では、2次流れ渦により損失が大きく、動翼エネルギ損失が高い。
ここで、動翼におけるトータルの損失は、図7に示した蒸気の単位流量当たりの動翼エネルギ損失に、図6に示した蒸気の流量をかけて積分平均をすることで得られる。すなわち、トータルの損失を減少させるためには、2次流れ渦により損失が大きくなる翼高さ範囲の蒸気の流量を減少させることが有効である。
また、図7に示した長翼よりもさらに長翼化がなされた動翼を使用した場合でも、2次流れ渦により損失が大きくなる翼高さ範囲は、翼高さ位置が0.15以下の範囲であることが、解析結果から得られている。
そこで、実施の形態では、2次流れ渦により損失が大きくなる翼高さ範囲に、突出部44を設け、この範囲の蒸気の流量を低減している。そして、突出部44が形成される翼有効部40の後縁43の位置Pを、翼高さ位置において0.15以上とした。
一方、翼有効部の翼高さが低くなると、2次流れ渦により損失が大きくなる翼高さ範囲の占める割合は、大きくなる。しかしながら、翼高さ中央まで蒸気の流量を減少させると、タービン性能が低下する。そのため、突出部44が形成される翼有効部40の後縁43の位置Pを、翼高さ位置において0.5以下とした。
翼根元41から位置Pまでの翼高さ方向の距離H1は、翼有効部40の翼高さH0に基づいて、適した距離に設定される。
例えば、動翼22の翼長さが1m以上の場合、翼根元41から位置Pまでの翼高さ方向の距離H1は、2次流れ渦により損失が大きくなる翼高さ範囲などを考慮して、0.15 〜0.3の範囲にすることが好ましい。
翼有効部40の翼高さや隣接する動翼22間での流れの転向角の大きさ等によって、2次流れの翼高さ範囲は変化する。しかしながら、翼根元41から位置Pまでの翼高さ方向の距離を上記範囲とすることで、2次流れ渦により損失が大きくなる翼高さ範囲の蒸気の流量が減少する。これによって、動翼エネルギ損失を低減できる。
なお、位置Pよりも翼先端42側の翼有効部40の後縁43に突出延設部45を設けているのは、隣接する翼有効部40の突出延設部45間における蒸気流量の低減を狙ったものではない。周方向に設けられる動翼22の枚数が決まっているため、隣接する動翼22との周方向の間隔(ピッチ)が翼先端42側に行くに伴い広がる。そのため、突出延設部45を備えている。
また、ここでは、突出延設部45が位置Pから翼先端42まで単調に突出する一例を示したが、この形状に限られるものではない。タービンロータの回転方向と逆側に突出する突出延設部45の形状は、例えば、動翼22の各翼高さ位置での重心設計等によって決定される。
次に、突出部44の最大突出部Qの翼高さ位置について説明する。
動翼22において、翼根元41から位置Pまでの翼高さ方向の距離を1としたときに、翼根元41から最大突出部Qまでの翼高さ方向の距離H2が、1/4〜1/2であることが好ましい。すなわち、距離H2は、図4に示すように、翼根元41(プラットフォーム60の外周面63)から、最大突出部Qを含む翼高さ方向に垂直な断面までの翼高さ方向の距離である。なお、この場合、翼根元41においては、翼高さ方向の距離は0(ゼロ)であり、位置Pにおいては翼高さ方向の距離は1である。
ここで、翼根元41から最大突出部Qまでの翼高さ方向の距離H2が上記した範囲が好ましいことについて説明する。
図8は、実施の形態の動翼22の出口における翼高さ方向の蒸気の流量分布を示す図である。図8では、翼根元41からから最大突出部Qまでの翼高さ方向の距離H2を変化させたときの流量分布を実線で示している。図8には、実施の形態の動翼22以外にも、比較のため、従来のストレート型の翼植込部を有する動翼についても示している。図8には、この従来の動翼における流量分布を破線で示している。
なお、各動翼の翼有効部の翼高さや動翼の数は、図6および図7の説明したものと同じである。図9は、実施の形態の動翼22における翼高さ方向の動翼性能を示す図である。
ここで、図8および図9に示された結果は、数値解析に基づくものである。図8の横軸は、翼高さ位置である。この翼高さ位置の定義は、図6および図7におけるもとの同じである。図9の横軸は、翼根元41から最大突出部Qまでの翼高さ方向の翼高さ位置である。図9に示す翼高さ位置は、翼根元41から位置Pまでの翼高さ方向の翼高さを1としたときの、翼根元41からの翼高さ方向の距離である。すなわち、翼根元における翼高さ位置は0(ゼロ)であり、位置Pにおける翼高さ位置は1である。
図8に示すように、最大突出部Qの翼高さ位置によって流量分布が異なる。換言すれば、最大突出部Qの翼高さ位置によって、流量が最も少なくなる翼高さ位置が変化する。また、最大突出部Qが位置する翼高さ位置において、流量が最も少なくなる。
図9に示すように、最大突出部Qの翼高さ位置が1/4〜1/2の範囲で、高い動翼特性が得られる。ここで、動翼性能とは、各翼高さ位置における動翼エネルギ損失(%)の平均値を100%から引いたものである。そのため、動翼エネルギ損失が小さければ、動翼性能は高い値となる。
また、最大突出部Qの翼高さ位置のさらに好ましい範囲は、より高い動翼特性が得られる、1/3〜1/2.5の範囲である。
このように、2次流れ渦により損失が大きくなる翼高さ範囲に基づいて、翼根元41から最大突出部Qまでの翼高さ方向の距離H2を設定することができる。すなわち、突出部44が形成される、翼根元41から位置Pまでの翼高さ方向の上記範囲に最大突出部Qを形成することで、より的確に2次流れ渦による損失を減少することができる。これによって、動翼性能を向上することができる。
ここで、図10は、実施の形態の動翼22が周方向に複数備えられたときの斜視図である。図11は、図10のA−A断面を示す図である。図12は、図10に示された実施の形態の動翼22を外周側から見たときの平面図である。
動翼22において、図2および図10に示すように、翼有効部40の翼高さ方向の中間部に、中間連結部材80を備えてもよい。中間連結部材80は、翼有効部40の背側46から突出する背側中間連結部材81と、翼有効部40の腹側47から突出する腹側中間連結部材82とを備える。
さらに、動翼22において、図2および図10に示すように、翼有効部40の翼先端42に、先端連結部材90を備えてもよい。先端連結部材90は、翼有効部40の背側46から突出する背側先端連結部材91と、翼有効部40の腹側47から突出する腹側先端連結部材92とを備える。なお、先端連結部材90は、スナッバやシュラウドなどと称されることもある。
中間連結部材80および先端連結部材90は、例えば、翼有効部40と一体的に形成される。なお、中間連結部材80および先端連結部材90の形状は、特に限定されるものではない。中間連結部材80および先端連結部材90の形状は、ねじれ翼の連結部として広く採用されている構造を適用することができる。
タービンロータ21が回転すると、回転数の上昇に伴い、翼有効部40には、翼根元41から翼先端42に向かって遠心力が作用する。翼有効部40がねじれているため、遠心力によって、翼有効部40にアンツイストが発生する。なお、図12には、タービンロータ21の回転方向を実線矢印で、アンツイストのモーメントの向きを破線矢印で示している。
そして、図11に示すように、例えば、動翼22の背側中間連結部材81の接触面81aと、この動翼22の背側46に隣接する動翼22の腹側中間連結部材82の接触面82aとが接触する。また、例えば、図12に示すように、動翼22の背側先端連結部材91の接触面91aと、この動翼22の背側46に隣接する動翼22の腹側先端連結部材92の接触面92aとが接触する。これによって、全周一群の連結構造が構成される。
なお、タービンロータ21が回転していない状態では、背側中間連結部材81の接触面81aと腹側中間連結部材82の接触面82aとの間、背側先端連結部材91の接触面91aと腹側先端連結部材92の接触面92aとの間には、例えば、隙間(ギャップ)を有する。
前述したように、実施の形態の動翼22の翼植込部50は、ストレート型である。この動翼22では、プラットフォーム60の外周面63の領域内に動翼22の翼根元41を収める。そのため、外周面63に接する翼根元41の形状は、動翼22の背側46や腹側47の曲率が小さな扁平な形状となる。
このような形状の動翼22は、カーブ型の翼植込部を有する動翼に比べて、周方向の断面係数が小さく、周方向の曲げ変形に対して弱い。また、一般的に周方向の曲げや翼ねじり方向の固有振動数が下がる。そのため、中間連結部材80および先端連結部材90を備え、回転する際、全周一群の連結構造を形成することで、動翼22の変形や動翼22の振動を抑制することができる。
上記したように、実施の形態の動翼22によれば、2次流れ渦により損失が大きくなる翼高さ範囲に、翼有効部40の後縁43に突出部44を備える。そして、突出部44が形成された部分の翼有効部40間のスロート幅S(最小流路幅)を小さくする。そのため、この範囲の翼有効部40間を流れる蒸気の流量を減少することができる。これによって、2次流れ渦による損失を抑制し、動翼エネルギ損失を低減できる。
また、実施の形態の動翼22によれば、形状的に製造が容易なストレート型の翼植込部50を採用しても、優れた動翼性能を得ることができる。
以上説明した実施形態によれば、ストレート型の翼植込部を有する場合においても、翼根元側の蒸気の流量の増加を抑制し、動翼における性能の向上を図ることが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…蒸気タービン、20…ケーシング、21…タービンロータ、21a…ロータディスク、22…動翼、23…ダイアフラム外輪、24…ダイアフラム内輪、25…静翼、26…グランドシール部、27…シール部、28…クロスオーバ管、29…蒸気通路、30…植込溝、40…翼有効部、41…翼根元、42…翼先端、43…後縁、44…突出部、45…突出延設部、46…背側、47…腹側、50…翼植込部、60…プラットフォーム、61,62…側面、63…外周面、64…側辺、70…翼根部、80…中間連結部材、81…背側中間連結部材、81a,82a,91a,92a…接触面、82…腹側中間連結部材、90…先端連結部材、91…背側先端連結部材、92…腹側先端連結部材。

Claims (9)

  1. 翼有効部と、
    タービンロータに植設される翼根部と、
    前記翼有効部と前記翼根部との間に形成され、翼背側の側面および翼腹側の側面が平面であるプラットフォームと
    を備え、
    前記翼根部が前記タービンロータに植設された際、タービンロータ軸方向の下流側から前記翼有効部を見たときに、前記翼有効部の後縁の所定位置から翼根元に亘って、前記翼有効部の後縁が、タービンロータの回転方向と逆側に円弧状に突出していることを特徴とするタービン動翼。
  2. タービンロータ軸方向の下流側から前記翼有効部を見たときに、前記所定位置よりも翼先端側の前記翼有効部の後縁が、翼先端に行くに伴って、タービンロータの回転方向と逆側に突出していることを特徴とする請求項1記載のタービン動翼。
  3. タービンロータ軸方向の下流側から前記翼有効部を見たときに、前記所定位置が、前記翼有効部の後縁の湾曲する方向が変わる変曲点であることを特徴とする請求項1または2記載のタービン動翼。
  4. 前記翼有効部の翼高さを1としたときに、翼根元から前記所定位置までの翼高さ方向の距離が、0.15〜0.5であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のタービン動翼。
  5. 前記翼根元から前記所定位置までの翼高さ方向の距離を1としたときに、前記翼根元から、円弧状に突出する前記翼有効部の後縁の最大突出位置までの翼高さ方向の距離が、1/4〜1/2であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のタービン動翼。
  6. 前記翼有効部の前記翼根元の全体が、前記プラットフォームの前記翼有効部側の端面に接していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のタービン動翼。
  7. 前記翼有効部の前記翼根元と翼先端との間に、前記翼有効部の背側および前記翼有効部の腹側から突出する中間連結部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のタービン動翼。
  8. 前記翼有効部の翼先端に、前記翼有効部の背側および前記翼有効部の腹側から突出する先端連結部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のタービン動翼。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項記載のタービン動翼を、少なくとも最終段のタービン段落に備えたことを特徴とする蒸気タービン。
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