JP6178268B2 - タービン動翼および蒸気タービン - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、タービン動翼および蒸気タービンに関する。
火力発電プラントまたは原子力発電プラントにおいて、ボイラ、熱交換器または蒸気発生機器などで発生した蒸気は、蒸気タービン内に導入される。蒸気タービンにおいて、導入された蒸気の熱エネルギが回転エネルギに変換される。
このような蒸気タービンに対して、高出力化、高効率化が要求されている。高出力化の一対策として、最終段に代表されるタービン出口のタービン段落における翼長を長くすることが検討されている。また、長翼化に伴って問題となる運転中の動翼の振動を抑制するための対策も同時に検討されている。高効率化の一対策として、タービン損失を低減することが検討されている。
図13は、従来の蒸気タービンにおける動翼300の斜視図である。図14および図15は、従来の蒸気タービンにおける動翼300を半径方向外側から見たときの平面図である。図14には静止時の動翼300を、図15には回転時の動翼300を示している。また、図13および図14には、蒸気の流れ方向Ds、動翼300の回転方向Drおよびタービンロータ軸方向Daを示している。図16は、図15のC−C断面を示す図である。なお、図16には、スナッバ310の断面のみを示している。ここでは、低圧タービンを例示している。また、動翼300としては、最終段のタービン段落を構成するものを例示している。
図13に示すように、最終段の動翼300の先端にはスナッバ310が一体的に形成されている。スナッバ310は、動翼300の前縁301側で背側302に突出する前縁スナッバ311と、動翼300の後縁303側で腹側304に突出する後縁スナッバ312とを備えている。前縁スナッバ311は、隣接する動翼300の後縁スナッバ312と周方向に隣接し、後縁スナッバ312は、隣接する動翼300の前縁スナッバ311と周方向に隣接している。
静止時には、図14に示すように、隣接するスナッバ310間に隙間Gを有するように構成されている。これは、静止時において隣接するスナッバ310間に隙間Gを構成しない場合、組立てが困難となり、さらに運転時に生じる拘束モーメントが大きくなりスナッバに過大な応力がかかるからである。
一方、回転時には、動翼300の捻れ戻り(アンツイスト)が生じて、図15に示すように、互いに隣接する動翼300における前縁スナッバ311の接触面311aと、後縁スナッバ312の接触面312aとが接触する。これによって、全周一群の連結構造が構成される。このように、回転時に隣接するスナッバ310どうしを接触させることで、拘束モーメントの増大を最小限に抑えて、動翼300の振動を抑制している。
なお、上記したように動翼300は回転するため、スナッバ310と、動翼300(スナッバ310)の周囲に設けられた静止部材であるダイアフラム外輪との間には、隙間を有している。この隙間から漏洩する蒸気の流量を抑えることも、タービン効率の向上に繋がる。
ここで、図16に示すように、スナッバ310の断面形状は、矩形である。すなわち、蒸気が流れる動翼300間の先端部は、後縁スナッバ312と前縁スナッバ311とからなるブロック状の構造となる。そのため、蒸気の流れ方向に対向する、後縁スナッバ312の前縁312bは平面となる。また、蒸気が流出する側の、前縁スナッバ311の後縁311bも平面となる。
スナッバ310は、最も外径が大きくなる翼先端部に備えられているため、周速が最も大きくなる。翼長の長い最終段の動翼300の先端部では、周速が大きいことに起因して流れの相対流入速度が音速を超えることがある。最終段の動翼300の先端部において入口から超音速の流れ場が形成されている場合、図16に示すように、後縁スナッバ312の前縁312bの前方に離脱衝撃波320が形成されることがある。また、前縁スナッバ311の後縁311bからはウェーク330が発生する。
特許第4105528号公報
上記したように、蒸気が流れる動翼300間の先端部には、ブロック状のスナッバ310が存在するため、流れに対してブロッケージ効果により、流体的な損失要因となる。また、後縁スナッバ312の前縁312bの前方に離脱衝撃波320が形成された場合、離脱衝撃波320の前後に全圧損失が発生するとともに、発生した離脱衝撃波320が蒸気の主流と干渉して流れを乱して流体的な損失が生じる。最終段の動翼300の翼長が長くなるほど、先端部の周速が増して入口相対流入速度が大きくなり、強い離脱衝撃波320が誘起されるため、これらの損失は増加する傾向にある。さらに、前縁スナッバ311の後縁311bから発生するウェーク330によって、流体的な損失が発生する。
上記したような損失を低減するためには、スナッバ310の厚さTを全体的に薄くすることが考えられる。これによって、離脱衝撃波320の強さを弱め、衝撃波損失を低減することができる。また、ブロッケージ効果やウェーク330による流体的な損失も低減することができる。しかしながら、スナッバ310の厚さTを全体的に薄くした場合、前縁スナッバ311と後縁スナッバ312との接触面積が小さくなり、接触面圧が過大となる。そのため、スナッバ310に過大な応力が発生する。
本発明が解決しようとする課題は、動翼の先端部における流体的な損失を低減するとともに、隣接する動翼どうしの接触面における接触面圧が過大になることを抑制できるタービン動翼および蒸気タービンを提供するものである。
実施形態のタービン動翼は、翼先端部の前縁側で背側に突出する前縁連結部材と、前記翼先端部の後縁側で腹側に突出する後縁連結部材とを備える。そして、運転の際、前記後縁連結部材と隣接するタービン動翼の前記前縁連結部材、または前記前縁連結部材と隣接するタービン動翼の前記後縁連結部材が接触して形成される連結部構造体の蒸気流れ方向における断面において、前記連結部構造体の、前縁と後縁との間で前記連結部構造体の厚さが最大となり、前記連結部構造体の厚さが最大となる位置から、前記連結部構造体の、前縁側および後縁側に向かって、前記連結部構造体の厚さが単調に減少する
第1の実施の形態の動翼を備えた蒸気タービンの鉛直方向の子午断面を示す図である。 第1の実施の形態の動翼の斜視図である。 第1の実施の形態の動翼を半径方向外側から見たときの平面図である。 第1の実施の形態の動翼を半径方向外側から見たときの平面図である。 図4のA−A断面を示す図である。 第1の実施の形態の動翼の他の構成のスナッバ構造体の、図4のA−A断面に相当する断面を示す図である。 第1の実施の形態の動翼の他の構成のスナッバ構造体の、図4のA−A断面に相当する断面を示す図である。 第1の実施の形態の動翼におけるシールフィンを備えるスナッバ構造体を半径方向外側から見たときの平面図である。 図8のB−B断面を示す図である。 第2の実施の形態の動翼のスナッバ構造体の、図4のA−A断面に相当する断面を示す図である。 第2の実施の形態の動翼において、他の構成を有するスナッバ構造体の、図4のA−A断面に相当する断面を示す図である。 第3の実施の形態の動翼のスナッバ構造体の、図4のA−A断面に相当する断面を示す図である。 従来の蒸気タービンにおける動翼の斜視図である。 従来の蒸気タービンにおける動翼を半径方向外側から見たときの平面図である。 従来の蒸気タービンにおける動翼を半径方向外側から見たときの平面図である。 図15のC−C断面を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の動翼22を備えた蒸気タービン10の鉛直方向の子午断面を示す図である。なお、ここでは、低圧タービンを例示して説明する。
図1に示すように、蒸気タービン10は、ケーシング20を備え、このケーシング20内には、タービンロータ21が貫設されている。このタービンロータ21には、ロータディスク21aが形成されている。このロータディスク21aに、複数の動翼22が周方向に植設され、動翼翼列を構成している。動翼翼列は、タービンロータ21の軸方向に複数段構成されている。なお、タービンロータ21は、図示しないロータ軸受によって回転可能に支持されている。
ケーシング20の内周には、ダイアフラム外輪23が設置され、このダイアフラム外輪23の内側には、ダイアフラム内輪24が設置されている。また、ダイアフラム外輪23とダイアフラム内輪24との間には、周方向に複数の静翼25が配置され、静翼翼列を構成している。この静翼翼列は、タービンロータ21の軸方向に動翼翼列と交互に複数段備えられている。そして、静翼翼列と、その直下流側に位置する動翼翼列とで一つのタービン段落を構成している。
ダイアフラム外輪23とダイアフラム内輪24との間には、主蒸気が流れる環状の蒸気通路29が形成されている。タービンロータ21とケーシング20との間には、蒸気の外部への漏洩を防止するために、グランドシール部26が設けられている。また、タービンロータ21とダイアフラム内輪24との間には、この間を蒸気が下流側へ通過するのを防止するために、シール部27が設けられている。
また、蒸気タービン10には、クロスオーバ管28からの蒸気を蒸気タービン10の内部に蒸気を導入するための蒸気入口管(図示しない)がケーシング20を貫通して設けられている。最終段のタービン段落の下流側には、タービン段落において膨張仕事をした蒸気を排気するための排気通路(図示しない)が設けられている。この排気通路は、復水器(図示しない)に連通されている。
次に、第1の実施の形態の動翼22の構成について説明する。
図2は、第1の実施の形態の動翼22の斜視図である。図3および図4は、第1の実施の形態の動翼22を半径方向外側から見たときの平面図である。図3には静止時の動翼22を、図4には回転時の動翼22を示している。また、図2〜図3には、蒸気の流れ方向Ds、動翼22の回転方向Drおよびタービンロータ軸方向Daを示している。図5は、図4のA−A断面を示す図である。なお、図5には、スナッバ構造体70の断面のみを示している。ここでは、動翼22として、最終段のタービン段落に設けられる動翼を例示して説明する。
図2に示すように、動翼22は、翼根元から翼先端に亘って捻じれた翼有効部40と、翼有効部40の翼先端に形成されたスナッバ50と、翼根元よりも半径方向内側に形成された翼植込部60とを備える。ここでは、スナッバ50は、連結部材として機能する。なお、連結部材は、例えば、シュラウドなどと称されることもある。
スナッバ50は、翼先端部の前縁41側で背側43に突出する前縁スナッバ51と、翼先端部の後縁42側で腹側44に突出する後縁スナッバ52とを備える。スナッバ50は、例えば、翼有効部40と一体的に形成される。前縁スナッバ51は、前縁連結部材として機能し、後縁スナッバ52は、後縁連結部材として機能する。
図3に示すように、静止時には、後縁スナッバ52と、この後縁スナッバ52に隣接する前縁スナッバ51との間に隙間Gを有するように構成されている。例えば、静止時において、後縁スナッバ52と前縁スナッバ51との間に隙間Gを構成しない場合、組立てが困難となり、さらに運転時に生じる拘束モーメントが大きくなりスナッバ50に過大な応力がかかる。
一方、運転時(回転時)おいて、図4に示すように、例えば、前縁スナッバ51は、隣接する動翼22の後縁スナッバ52に接触する。また、運転時おいて、後縁スナッバ52は、隣接する動翼22の前縁スナッバ51に接触する。このように、運転時おいて、動翼22を備える動翼翼列は、全周一群の連結構造となる。ここでは、このように前縁スナッバ51と後縁スナッバ52とが接触したものをスナッバ構造体70と呼ぶ。そして、スナッバ構造体は、連結部構造体として機能する。
次に、スナッバ50の構成について説明する。
スナッバ構造体70を図4に示すA−A断面、すなわち蒸気流れ方向における断面で示すと図5のようになる。図5に示す断面において、スナッバ構造体70は、スナッバ構造体70の、前縁71と後縁72との間で厚さTが最大厚さTmとなる部分を有する。なお、ここでいう、前縁71と後縁72との間には、前縁71および後縁72は含まれない。すなわち、前縁71と後縁72との間とは、前縁71および後縁72を除く、前縁71と後縁72との間を意味する。また、厚さTとは、スナッバ構造体70の半径方向の厚さ(幅)である。
ここでは、最大厚さTmは、後縁スナッバ52と前縁スナッバ51との接触部80よりも前縁スナッバ51側に存在している。すなわち、最大厚さTmは、前縁スナッバ51の断面で得られる。
スナッバ構造体70の厚さTは、図5に示すように、最大厚さTmとなる位置から、スナッバ構造体70の、前縁71側および後縁72側に向かって単調に減少する。換言すると、スナッバ構造体70は、最大厚さTmとなる位置から、スナッバ構造体70の、前縁71側および後縁72側に向かって、先細りとなるテーパ形状を有している。
後縁スナッバ52および前縁スナッバ51ともに、内周側は、最大厚さTmとなる位置から前縁71側および後縁72側に向かって外周側に傾く面を構成する。一方、外周側は、後縁スナッバ52および前縁スナッバ51ともに、最大厚さTmとなる位置から前縁71側および後縁72側に向かって内周側に傾く面を構成する。
後縁スナッバ52の接触面52aと、前縁スナッバ51の接触面51aの断面は、例えば、同じ形状に形成される。これによって、接触部80の内周側および外周側ともに、蒸気の流れ方向に段差のない接触部80が形成される。
なお、ここでは、隣接する動翼間のほぼ中央における、蒸気流れ方向の断面(図4参照)を図5に示したが、中央以外の蒸気流れ方向の断面においても、同様の構成である。すなわち、スナッバ構造体70の、前縁71と後縁72との間で厚さTが最大厚さTmとなる部分を有する。
なお、ここでは、最大厚さTmが接触部80よりも前縁スナッバ51側に存在する一例を示したが、最大厚さTmは、接触部80よりも後縁スナッバ52側に存在してもよい。
次に、動翼22のスナッバ50の作用について説明する。
タービンロータ21が回転すると、回転数の上昇に伴い、翼有効部40には、翼根元から翼先端に向かって遠心力が作用する。翼有効部40が捻じれているため、遠心力によって、翼有効部40にアンツイストが発生する。この際、図4および図5に示すように、互いに隣接する動翼22の、後縁スナッバ52の接触面52aと、前縁スナッバ51の接触面51aとが接触する。これによって、全周一群の連結構造が構成される。
ここで、動翼22の先端部における入口相対マッハ数が1を超えると、図5に示すように、後縁スナッバ52の前縁71の上流側に離脱衝撃波Sが形成されることがある。離脱衝撃波Sは、上流側に湾曲した形状を有している。
ここで、図5に示したスナッバ構造体70の断面における、蒸気流れ方向に延びる中心軸をLとする。この中心軸L上の蒸気の流線と離脱衝撃波Sとのなす角である衝撃波角が90度または90度に近いところでは、離脱衝撃波Sを介して蒸気の流れが超音速から亜音速に減速される。これによって、大きな全圧損失が生じる。一方、スナッバ構造体70の中心軸Lから十分に離れた位置では、衝撃波角がマッハ角とほとんど等しくなる。そのため、全圧損失はほとんど生じない。
離脱衝撃波Sによる全圧損失を低減するためには、衝撃波角が90度または90度に近い領域を小さくすることが重要である。本実施の形態のスナッバ50においては、最大厚さTmとなる位置から、スナッバ構造体70の前縁71側に向かって、厚さTが単調に減少する。そのため、例えば厚さTが一定のスナッバ構造体に比べて前縁71の厚さTを薄くできる。これによって、離脱衝撃波Sの衝撃波角が全体的に小さくなり、離脱衝撃波Sによる全圧損失を低減できる。ここで、上記した効果を得るために、スナッバ構造体70の前縁71におけるくさび角度αを小さくすることが有効である。
また、スナッバ構造体70の後縁72からはウェークWが発生する。それによって、流体的な損失が発生し、タービン段落の性能が低下する。本実施の形態のスナッバ50においては、最大厚さTmとなる位置から、スナッバ構造体70の後縁72側に向かって、厚さTが単調に減少する。そのため、例えば厚さTが一定のスナッバ構造体に比べて後縁72の厚さTを薄くできる。これによって、ウェークWによる損失を低減できる。ここで、上記した効果を得るために、スナッバ構造体70の後縁72におけるくさび角度βを小さくすることが有効である。
また、スナッバ構造体70の、前縁71と後縁72との間で厚さTが最大厚さTmとなる部分を有するため、接触部80において十分な接触面積を確保することができる。これによって、接触部80において接触面圧が過大になることを抑制できる。
上記したように、第1の実施の形態の動翼22によれば、動翼22の先端部における流体的な損失を低減するとともに、後縁スナッバ52と前縁スナッバ51との接触部80における過大な接触面圧の発生を抑制できる。
ここで、第1の実施の形態の動翼22のスナッバ構造体70の構成は上記した構成に限れるものではない。図6および図7は、第1の実施の形態の動翼22の他の構成のスナッバ構造体70の、図4のA−A断面に相当する断面を示す図である。
図6に示すように、スナッバ構造体70が最大厚さTmとなる位置を、後縁スナッバ52と前縁スナッバ51とが接触する接触部80としてもよい。上記したように、離脱衝撃波SおよびウェークWによる損失を低減するためには、くさび角度αおよびくさび角度βを小さくすることが有効である。そのため、最大厚さTmとなる位置を接触部80とすることで、スナッバ構造体70における蒸気流れ方向の限られた長さの下で、くさび角度αおよびくさび角度βのそれぞれを小さくすることができる。
また、最大厚さTmとなる位置を接触部80とすることで、接触部80において最大の接触面積を得ることができる。これによって、接触部80における過大な接触面圧の発生を抑制できる。
また、図7に示すように、後縁スナッバ52と前縁スナッバ51とが接触する接触部80において、後縁スナッバ52の接触面52aの厚さTを、前縁スナッバ51の接触面51aの厚さT以上にしてもよい。すなわち、接触部80において、後縁スナッバ52の接触面52aの厚さTの方が前縁スナッバ51の接触面51aの厚さT以上であれば、それぞれの接触面の厚さTは同じでなくてもよい。なお、図7には、スナッバ構造体70の厚さTが最大厚さTmとなる位置に接触部80が位置する構成を例示している。
ここで、接触部80において、後縁スナッバ52の接触面52aの厚さTと前縁スナッバ51の接触面51aの厚さTが同じ場合については、図5または図6を参照してすでに説明している。
接触面52aの厚さTと接触面51aの厚さTの差は、段差における流れの損失を小さくするため小さいことが好ましい。例えば、接触面52aの厚さTを1とした場合、接触面51aの厚さTは、0.8以上1未満であることが好ましい。なお、後縁スナッバ52と前縁スナッバ51の蒸気の流れ方向Dsの中心軸Lは同軸上であることが好ましい。
このように、上記した範囲内で、上流側の後縁スナッバ52の接触面52aの厚さTを大きくしても、段差において蒸気は流れ方向Dsに膨張するため、段差による損失はほぼ無視できる。また、段差に起因する離脱衝撃波Sの発生も抑制できる。
図8は、第1の実施の形態の動翼22におけるシールフィン90を備えるスナッバ構造体70を半径方向外側から見たときの平面図である。図8には回転時の動翼22を示している。また、図9は、図8のB−B断面を示す図である。なお、図9には、シールフィン90を備えたスナッバ構造体70の断面のみを示している。
図8および図9に示すように、前縁スナッバ51および後縁スナッバ52の外面に、シールフィン90を備えてもよい。このシールフィン90の構成は、特に限定されるものではなく、一般に広く用いられている構造であればよい。図8に示すように、運転時(回転時)において、例えば、隣接する動翼22のシールフィン90どうしが接触する。このように、シールフィン90においても、周方向に全周一群の連結構造が構成される。
シールフィン90は、ダイアフラム外輪(図示しない)の内面に対向するように、前縁スナッバ51および後縁スナッバ52の外面に突設されている。シールフィン90の先端と、シールフィン90の外周を覆うダイアフラム外輪の内面との間には、所定の隙間が設けられている。
このように、シールフィン90を備えたスナッバ構造体70においては、離脱衝撃波SおよびウェークWによる損失を低減するとともに、スナッバ構造体70とダイアフラム外輪との間からの漏洩蒸気の流量を低減することができる。
(第2の実施の形態)
図10は、第2の実施の形態の動翼22のスナッバ構造体70の、図4のA−A断面に相当する断面を示す図である。なお、第1の実施の形態の構成と同一の構成部分には、同一の符号を付して重複する説明を省略または簡略する。
図10に示した断面において、スナッバ構造体70の内周縁における、後縁スナッバ52と前縁スナッバ51との接触点Pは、後縁スナッバ52の内周縁の一部と前縁スナッバ51の内周縁の一部とによって形成される直線M上に位置する。すなわち、接触点P側の後縁スナッバ52の内周縁は直線M1で構成され、接触点P側の前縁スナッバ51の内周縁は直線M2で構成されている。そして、これらの直線M1、M2が直線的に交わり、同一直線を構成し、直線Mが形成されている。
なお、第1の実施の形態と同様に、スナッバ構造体70は、スナッバ構造体70の、前縁71と後縁72との間で厚さTが最大厚さTmとなる部分を有する。ここでは、後縁スナッバ52と前縁スナッバ51との接触部80が最大厚さTmなる一例を示している。
第2の実施の形態のスナッバ構造体70によれば、第1の実施の形態と同様に、離脱衝撃波SやウェークWによる損失を低減できる。さらに、スナッバ構造体70の内周縁において、後縁スナッバ52の内周縁の一部と前縁スナッバ51の内周縁の一部とが連続的に直線状に繋がるため、接触点Pにおける流れの剥離などが抑制される。そのため、流体的な損失を低減することができる。
スナッバ構造体70の内周面は、翼有効部40を流れる蒸気が接する面である。そのため、連続的に直線状に繋がる面を有することで、この面に沿って流れる蒸気と、翼有効部40を流れる蒸気との干渉が低減される。これによって、流体的な損失を低減することができる。
また、スナッバ構造体70の、前縁71と後縁72との間で厚さTが最大厚さTmとなる部分を有するため、接触部80において十分な接触面積を確保することができる。これによって、接触部80において接触面圧が過大になることを抑制できる。
ここで、スナッバ構造体70の内周縁において、直線Mで構成される範囲が広いほど、スナッバ構造体70の内周面に沿って流れる蒸気と、翼有効部40を流れる蒸気との干渉が低減される。図11は、第2の実施の形態の動翼22において、他の構成を有するスナッバ構造体70の、図4のA−A断面に相当する断面を示す図である。
図11に示すように、スナッバ構造体70の内周縁を直線としてもよい。これは、図10に示した、スナッバ構造体70の内周縁の直線Mの範囲を最大とした構成である。この場合、後縁スナッバ52および前縁スナッバ51ともに、外周側は、最大厚さTmとなる位置から前縁71側および後縁72側に向かって内周側に傾く面を構成する。
この構成とすることで、スナッバ構造体70の内周面に沿って流れる蒸気と、翼有効部40を流れる蒸気との干渉がさらに低減される。さらに、スナッバ構造体70の内周面に突面が無くなるため、スナッバ構造体70の内周面から膨張波は発生しない。そのため、膨張波と翼有効部40を流れる蒸気との干渉が防止され、流体的な損失を低減することができる。
(第3の実施の形態)
図12は、第3の実施の形態の動翼22のスナッバ構造体70の、図4のA−A断面に相当する断面を示す図である。
図12に示す断面において、スナッバ構造体70の外周縁は、直線である。なお、第1の実施の形態と同様に、スナッバ構造体70は、スナッバ構造体70の、前縁71と後縁72との間で厚さTが最大厚さTmとなる部分を有する。スナッバ構造体70の厚さTは、図12に示すように、最大厚さTmとなる位置から、スナッバ構造体70の、前縁71側および後縁72側に向かって単調に減少する。
このスナッバ構造体70においては、後縁スナッバ52および前縁スナッバ51ともに、内周側は、最大厚さTmとなる位置から前縁71側および後縁72側に向かって外周側に傾く面を構成する。なお、ここでは、後縁スナッバ52と前縁スナッバ51との接触部80が最大厚さTmなる一例を示している。
第3の実施の形態のスナッバ構造体70によれば、第1の実施の形態と同様に、離脱衝撃波SやウェークWによる損失を低減できる。また、スナッバ構造体70の、前縁71と後縁72との間で厚さTが最大厚さTmとなる部分を有するため、接触部80において十分な接触面積を確保することができる。これによって、接触部80において接触面圧が過大になることを抑制できる。
さらに、加工の際、後縁スナッバ52、前縁スナッバ51、翼有効部40の外周面を同一平面とすることができる。これによって、機械加工性を向上させることができる。
なお、上記した実施の形態では、動翼22として、最終段のタービン段落を構成する長翼を例示して説明したが、本実施の形態の構成は、短翼にも適用することができる。
以上説明した実施形態によれば、動翼の先端部における流体的な損失を低減するとともに、隣接する動翼どうしの接触面における接触面圧が過大になることを抑制することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…蒸気タービン、20…ケーシング、21…タービンロータ、21a…ロータディスク、22…動翼、23…ダイアフラム外輪、24…ダイアフラム内輪、25…静翼、26…グランドシール部、27…シール部、28…クロスオーバ管、29…蒸気通路、40…翼有効部、41,71…前縁、42,72…後縁、43…背側、44…腹側、50…スナッバ、51…前縁スナッバ、51a…接触面、52…後縁スナッバ、52a…接触面、60…翼植込部、70…スナッバ構造体、80…接触部、90…シールフィン。

Claims (7)

  1. 翼先端部の前縁側で背側に突出する前縁連結部材と、
    前記翼先端部の後縁側で腹側に突出する後縁連結部材と
    を備え、
    運転の際、前記後縁連結部材と隣接するタービン動翼の前記前縁連結部材、または前記前縁連結部材と隣接するタービン動翼の前記後縁連結部材が接触して形成される連結部構造体の蒸気流れ方向における断面において、前記連結部構造体の、前縁と後縁との間で前記連結部構造体の厚さが最大となり、
    前記連結部構造体の厚さが最大となる位置から、前記連結部構造体の、前縁側および後縁側に向かって、前記連結部構造体の厚さが単調に減少することを特徴とするタービン動翼。
  2. 前記連結部構造体の厚さが最大となる位置が、前記後縁連結部材と前記前縁連結部材とが接触する位置であることを特徴とする請求項1記載のタービン動翼。
  3. 前記後縁連結部材と前記前縁連結部材とが接触する位置において、前記後縁連結部材の接触面の厚さが、前記前縁連結部材の接触面の厚さ以上であることを特徴とする請求項1または2記載のタービン動翼。
  4. 前記断面において、前記連結部構造体の内周縁における、前記後縁連結部材と前記前縁連結部材との接触点が、前記後縁連結部材の内周縁の一部と前記前縁連結部材の内周縁の一部とによって形成される直線上に位置することを特徴とする請求項1または2記載のタービン動翼。
  5. 前記断面において、前記連結部構造体の外周縁が、直線であることを特徴とする請求項1または2記載のタービン動翼。
  6. 前記断面において、前記連結部構造体の内周縁が、直線であることを特徴とする請求項1または2記載のタービン動翼。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項記載のタービン動翼を備えたことを特徴とする蒸気タービン
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