JP2017106078A - 真空バルブ用接点材料、その製造方法、この接点材料を有する接点ならびに真空バルブ - Google Patents

真空バルブ用接点材料、その製造方法、この接点材料を有する接点ならびに真空バルブ Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐電圧特性を有する真空バルブ用接点材料、その製造方法、真空バルブ用接点ならびこれを搭載した真空バルブを提供する。
【解決手段】Crを25〜65原子%含有し少なくともCuを過飽和に固溶してなる、体心立方構造を有する過飽和固溶体によって表面が覆われてなることを特徴とする真空バルブ用接点材料、その製造方法、真空バルブ用これを搭載した真空バルブ。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、真空バルブ用接点材料およびこれを用いた真空バルブに関わり、より具体的には、優れた耐電圧特性を有する真空バルブ用接点材料、その製造方法、真空バルブ用接点ならびこれを搭載した真空バルブに関わる。
真空バルブ用接点材料としては、例えば、導電成分であるCuやAgに、用途に応じた種々の成分が複合化された材料が従来提案されている。特に、耐電圧特性および大電流遮断特性を有する接点材料としては、Cu−Cr合金が一般に使用されている。
この接点材料は、Crの複合化により優れた遮断性能を発揮し、Cr25〜35wt%付近まではCrの複合量増大に伴い遮断性能、耐電圧性能ともに向上する傾向があるが、さらにCr複合量を増大させると遮断性能は低下する傾向にある。また、一般的にCr複合量の増大は接触抵抗も増大させる傾向がある。
機器の使用環境の変化やコンパクト化に伴い、開閉機器には、より高電界の環境下での使用が求められている。特に真空バルブ用接点材料が搭載される真空開閉機器に関しては、環境調和の観点から、より高電圧の領域への適用が望まれ、真空バルブの耐電圧性能の向上が期待されている。
真空バルブの接点間の絶縁破壊は、一般に接点表面からの電子放出および粒子の離脱によって引き起こされると理解されている。電子放出は、接点表面の形状と組成あるいは相構成に依存するところが大きく、粒子離脱は接点表面の機械的性質によるため、組織的な因子が関わっていると考えられている。
前述したように、Cu−Cr系接点材料では、Cr25〜35wt%近傍で遮断性能が最も良好となるため、この組成の近傍で使用される場合が多く、このため、Cr25〜35wt%近傍の組成において、CuCr合金の組織改善による耐電圧性能の向上が図られてきた。
特許第2695902号公報では、CuCr接点の表面にCuマトリックス中に微細なCr粒子が分散した表面層を形成した接点材料が示されている。このようなCuCr接点材料の組織の微細化は、接点表面硬さを高め、開閉による損傷を軽減することで接点表面からの粒子の離脱による絶縁破壊を抑制する。
しかしながら、一般的にCuとCrは固相状態においては互いに固溶する組成範囲が極めて少なく、化合物も形成しないため、従来のCu−Cr系接点材料においては、接点材料組織の相構成は、組織の微細性に関わらず、常に僅かにCuを含むCr分散相と、僅かにCrを含むCuマトリックス相の二層状態である。従って、接点材料の耐電圧特性を電子放出の観点から改善しようとする試みは、本発明者らが知る限りではこれまで全く無かった。
特許第2695902号公報
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、優れた耐電圧特性を有する真空バルブ用接点材料、その製造方法、真空バルブ用接点ならびこれを搭載した真空バルブを提供することである。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意研究を重ねた結果、CuCr電極の極表面に電子放出し難い相を形成することが課題解決に有効であることを見出した。
本発明の実施形態による真空バルブ用接点材料は、Crを25〜65原子%含有し少なくともCuを過飽和に固溶してなる、体心立方構造を有する過飽和固溶体によって、表面が覆われてなること、を特徴とする。
また、本発明の実施形態による真空バルブ用接点材料の製造方法は、Crを25〜65原子%含有し少なくともCuを過飽和に固溶してなる、体心立方構造を有する過飽和固溶体によって表面が覆われてなる真空バルブ用接点材料を製造する方法であって、
前記の過飽和固溶体を、気相状態のCuおよび気相状態のCrの両者を固化させることによって形成すること、を特徴とする。
また、本発明の実施形態による真空バルブ用接点は、Crを25〜65原子%含有し少なくともCuを過飽和に固溶してなる、体心立方構造を有する過飽和固溶体を、接点の極表面に有すること、を特徴とする。
そして、本発明の実施形態による真空バルブは、上記の真空バルブ用接点を具備すること、を特徴とするものである。
本発明の実施形態による真空バルブ用接点材料は、Cuを主成分とし、少なくともCrを過飽和に固溶している過飽和固溶体を表面に有することから、優れた耐電圧性能を発揮することができ、高耐電圧領域で使用される真空バルブ用の接点材料に適している。
実施例1による真空バルブ用接点材料の概要を示す断面図。 実施例2による真空バルブ用接点材料の概要を示す断面図。 比較例1による接点材料の概要を示す断面図。 比較例2による接点材料の概要を示す断面図。 過飽和固溶体の形成に適した真空容器ならびに本発明の実施形態による真空バルブの概要を示す断面図。
<真空バルブ用接点材料>
本発明の実施形態による真空バルブ用接点材料は、Crを25〜65原子%含有し少なくともCuを過飽和に固溶してなる、体心立方構造を有する過飽和固溶体によって、表面が覆われてなること、を特徴とするものである。
ここで、「Cuを過飽和に固溶している過飽和固溶体」とは、「平衡溶解度以上にCuを固溶している固溶体」を意味する。特に、「固溶体」とは、「2種以上の元素によって形成される均一な固体の結晶質の相」(JIS G201:2000 1311)を意味する。このような「固溶体」は、Cr原子のつくる結晶格子の中にCu原子が溶け込んで、両原子が混合して一つの相を作っているものと捉えることが出来る。
<<過飽和固溶体>>
本発明の実施形態における上記に「過飽和固溶体」の好ましい一具体例としては、Crを25〜65原子%、特に好ましくは35〜60原子%、含有し、Cuを35〜75原子%、好ましくはCuを40〜65原子%、を含んでなるものを挙げることができる。
この「過飽和固溶体」は、Crと、このCrに固溶したCuに加えて、さらに、好ましくは、V、Ta、Nb、Moから選ばれた一種または2種以上の元素を含むことができる。特に好ましくは、Vおよび(または)Nbの元素を含むことができる。なお、これらのV、Ta、Nb、Moから選ばれた一種または2種以上の元素は、前記の「Cuを過飽和に固溶している過飽和固溶体」の中に、過飽和に固溶されている場合がある。
ここで、「過飽和固溶体」を構成している各元素(例えば、Cu、Cr、V、Ta、Nb、Mo)の存在の有無およびその存在量は、例えば、化学分析または表面分析によって確認することができ、そして、「固溶体」であることは、例えば、走査透過電子顕微鏡によって確認することができる。
過飽和固溶体中にVが存在する場合、Vの存在量は、好ましくは0.1〜20原子%、特に好ましくは10〜15原子%、である。Taが存在する場合、Ta存在量は、好ましくは0.1〜2原子%、特に好ましくは0.5〜1.5原子%、である。Nb存在する場合、Nbの存在量は、好ましくは0.1〜15原子%、特に好ましくは3〜8原子%、である。Moが存在する場合、Moの存在量は、好ましくは0.1〜2原子%、特に好ましくは0.5〜1.5原子%、である。
なお、この「過飽和固溶体」が、「Cu相およびCr相を含んでなる複合材料」(詳細後記)に由来するものである場合(例えば、「過飽和固溶体」が「Cu相およびCr相を含んでなる複合材料」から形成されたものである場合)、過飽和固溶体中に存在する元素(Cu、Cr、V、Ta、Nb、Mo)の種類および存在量は、複合材料中に存在する元素の種類および存在量と関連することがある。
本発明の実施形態における上記の「過飽和固溶体」は、「体心立方構造」の結晶構造を有している。このことによって、耐電圧性能を向上させることができる。ここで、「体心立方構造」は、具体的には、例えば、透過電子顕微鏡等によって電子線回折像を得ることによって確認することができる。なお、過飽和固溶体のうち「体心立方構造」が占める割合は、好ましくは80体積%以上、特に好ましくは95体積%以上、である。
一般的に、Cu−Crを構成する原子の電子放出特性としては、面心立方構造のCuに比べて体心立方構造のCrの方が仕事関数が高く、より電子放出しにくい傾向が認められる。そこで、この体心立方構造のCrにCuを固溶させることで、電子放出しにくく耐電圧性能に優れたCu−Cr合金を創生することができる。また、一般的に、Cu−Cr合金の仕事関数は、Cr原子がクラスターまたはCr原子が多数を占める相を形成する場合と、Cr原子をCu原子が多数を占める相の中に固溶して存在させる場合とでは異なり、後者の方が仕事関数が高くなる。これは、Cr原子に他のCr原子が多く隣接した状態と、Cu原子が多く隣接した状態とではスピンの状態が異なることによるものと理解されている。
このように、Cu−Cr合金系においては、体心立方構造を有し、CuをCr中に過飽和に固溶させた状態が最も高い仕事関数を有し、優れた耐電圧性能を発揮することができる状態であるといえる。
上述した過飽和体からなる表面層の形成は、従来から行われてきたアーク溶解、真空溶解といった急冷凝固や電子ビーム、レーザー照射といった液相領域まで急熱急冷することによる表面微細組織層の形成法のみでは成し得ない。これらの液相が介在する方法は、例外なく、いずれもCuを主成分とする固溶体とCrを主成分とする固溶体の二相に分離するからである。本発明の実施形態における所定の過飽和固溶体は、CuとCrを一旦気相とし、再凝縮させることによってはじめて形成させることができる。
<真空バルブ用接点材料(具体例)>
本発明の実施形態による真空バルブ用接点材料は、前記の所定の「過飽和固溶体」によって、表面が覆われて被覆されてなるものである。従って、本発明の実施形態による真空バルブ用接点材料は、(イ)その全てが所定の「過飽和固溶体」のみから構成されているもの、ならびに(ロ)所定の「過飽和固溶体」と、真空バルブ用接点材料を構成する「他の材料ないし資材」とを具備してなり、この「過飽和固溶体」によって表面が覆われてなるもの、等が包含される。ここで、「他の材料ないし資材」の特に好ましい具体例としては、好ましくは、例えば、「Cu相およびCr相を含んでなる複合材料」(詳細後記)を挙げることができる。
したがって、本発明の実施形態による真空バルブ用接点材料は、好ましい態様として、前記の過飽和固溶体と、Cu相およびCr相を含んでなる複合材料とを具備してなり、この「過飽和固溶体」によって表面が覆われてなるものが包含される。
特に好適な真空バルブ用接点材料の具体例としては、例えは図1および図2に示されるものを挙げることができる。
図1に示される真空バルブ用接点材料1は、「過飽和固溶体3」と「Cu相およびCr相を含んでなる複合材料20」とを具備してなり、この「過飽和固溶体20」によって表面が覆われてなる空バルブ用接点材料1である。
図1の具体例において、真空バルブ用接点材料1、複合材料20および過飽和固溶体3のそれぞれの厚さは、真空バルブ用接点材料1の具体的用途、目的、耐久性等を考慮して適宜定めることができる。例えば24kV級の真空バルブに特に好適な真空バルブ用接点材料としては、真空バルブ用接点材料1の厚さおよびこれとほぼ同じ厚さの複合材料20の厚さは、好ましくは2〜5mm、特に好ましくは2〜3mmであり、過飽和固溶体3の厚さが、好ましくは0.1〜0.5μm、特に好ましくは0.2〜0.4μmでありのものである。なお、各材料の厚さは、真空バルブ用接点材料1の全部分にわたって均一である場合および部分的に異なる場合がある。
図2に示される真空バルブ用接点材料1は、「過飽和固溶体3」と「Cu相およびCr相を含んでなる複合材料20」とを具備してなり、この「複合材料20の表層部200が「Cu相201およびCr相202を含んでなるもの」である。
図2の具体例において、真空バルブ用接点材料1、複合材料20、その表層部200、および過飽和固溶体3のそれぞれの厚さは、真空バルブ用接点材料1の具体的用途、目的、耐久性等を考慮して適宜定めることができる。例えば24kV級のバルブに特に好適な真空バルブ用接点材料としては、真空バルブ用接点材料1の厚さおよびこれとほぼ同じ厚さの複合材料20の厚さが、好ましくは2〜5mm、特に好ましくは2〜3mmであり、その表層部200の厚さが、好ましくは5〜100μm、特に好ましくは20〜50μmであり、過飽和固溶体3の厚さが、好ましくは0.1〜0.5μm、特に好ましくは0.2〜0.4μmのものである。各材料の厚さは、真空バルブ用接点材料1の全部分にわたって均一である場合および部分的に異なる場合がある。なお、複合材料20の表層部200の領域と、複合材料20の表層部200以外の領域とは分散層の平均粒径または平均幅が明確に異なり、そして、表層部200の領域と、複合材料20の表層部200以外の領域とは、例えば断面組織の走査型電子顕微鏡を用いた観察によって識別することができる。
本発明の実施形態による真空バルブ用接点材料は、図1および図2に具体的に示される物も含め、CrがCuを主成分とする相の中に固溶して存在した過飽和固溶体であって、特にこの過飽和固溶体が体心立方構造を有していて、極めて高い仕事関数を有していることから、優れた耐電圧性能を発揮することができる。
<<複合材料>>
本発明の実施形態による真空バルブ用接点材料1における複合材料20としては、好ましくは、図1に示されるような、「Cuを含有するマトリクス相21を、好ましくは35〜75原子%、特に好ましくは55〜72原子%、含み、Crを含有する分散相22を、好ましくは25〜65原子%、特に好ましくは28〜45原子%、含んでなる複合材料20」を挙げることができる。この分散相22は、平均粒径または平均幅が、好ましくは5〜200μm、特に好ましくは10〜50μm、の範囲内のものである。ここで、「平均粒径」は、原料Cr粉末の粒度分布測定によって定められるものであり、「平均幅」は、断面組織の光学顕微鏡観察によって求められたものである。
この複合材料20のマトリクス相21中に含まれるCr以外の元素をとしては、例えばV、Ta、Nb、Moから選ばれた一種または二種以上の元素を挙げることができる。これらの元素の存在量は、好ましくは0.001〜1原子%、特に好ましくは0.001〜0.01原子%、である。
一方、複合材料20の分散相22中に含まれるCr以外の元素をとしては、例えばV、Ta、Nb、Moから選ばれた一種または二種以上の元素を挙げることができる。Vが存在する場合、Vの存在量は、好ましくは0.1〜20原子%、特に好ましくは10〜15原子%、である。Taが存在する場合、Ta存在量は、好ましくは0.1〜2原子%、特に好ましくは0.5〜1.5原子%、である。Nb存在する場合、Nbの存在量は、好ましくは0.1〜15原子%、特に好ましくは3〜8原子%、である。Moが存在する場合、Moの存在量は、好ましくは0.1〜2原子%、特に好ましくは0.5〜1.5原子%、である。
また、本発明の別の実施形態による真空バルブ用接点材料1における複合材料20としては、好ましくは、図2に示されるような、「Cuを含有するマトリクス相21を、好ましくは35〜75原子%、特に好ましくは55〜72原子%、含み、Crを含有する分散相22を、好ましくは25〜65原子%、特に好ましくは28〜45原子%、含んでなる複合材料20」であって、この「複合材料20」の表層部200が、「Cuを含有するマトリクス相を、好ましくは35〜75原子%、特に好ましくは55〜72原子%、含み、Crを含有する分散相22を、好ましくは25〜65原子%、特に好ましくは28〜45原子%、含んでなるもの」を挙げることができる。
表層部200における分散相202は、平均粒径または平均幅が好ましくは0.01〜1.0μm、特に好ましくは0.01〜0.3μm、の範囲内のものである。ここで、「平均粒径」および「平均幅」は、例えば透過電子顕微鏡観察によって求められたものである。表層部200における分散相202の平均粒径または平均幅は、複合材料20の分散相21のそれよりも小さい。なお、図2に示される好ましい具体例において、分散相22の平均粒径または平均幅、ならびにその内容は、図1に示される好ましい具体例とほぼ同様である。
表層部200のマトリクス相201中に含まれるCu以外の元素をとしては、例えばV、Ta、Nb、Moから選ばれた一種または二種以上の元素を挙げることができる。これらの元素の存在量は、好ましくは0.001〜1原子%、特に好ましくは0.001〜0.01原子%、である。
一方、複合材料20の分散相22中に含まれるCr以外の元素をとしては、例えばV、Ta、Nb、Moから選ばれた一種または二種以上の元素を挙げることができる。Vが存在する場合、Vの存在量は、好ましくは0.1〜20原子%、特に好ましくは10〜15原子%、である。Taが存在する場合、Ta存在量は、好ましくは0.1〜2原子%、特に好ましくは0.5〜1.5原子%、である。Nb存在する場合、Nbの存在量は、好ましくは0.1〜15原子%、特に好ましくは3〜8原子%、である。Moが存在する場合、Moの存在量は、好ましくは0.1〜2原子%、特に好ましくは0.5〜1.5原子%、である。
なお、この表層部200が、複合材料20に由来するものである場合(例えば、表層部200が複合材料20から形成されたものである場合(詳細後記))、表層部200中に存在する元素(Cu、Cr、V、Ta、Nb、Mo)の種類および存在量は、多くの場合、複合材料20中に存在する元素の種類および存在量と相関する。
<真空バルブ用接点材料の製造方法>
本発明の実施形態による真空バルブ用接点材料の製造方法は、Crを25〜65原子%含有し少なくともCuを過飽和に固溶してなる、体心立方構造を有する過飽和固溶体によって表面が覆われて被覆されてなる真空バルブ用接点材料を製造する方法であって、
前記の過飽和固溶体を、気相状態のCuおよび気相状態のCrの両者を固化させることによって形成すること、を特徴とする。
上記の本発明による真空バルブ用接点材料の製造方法は、好ましい態様(イ)として、前記の過飽和固溶体を、Cuを含有するマトリクス相35〜75原子%と、Crを含有する分散相25〜65原子%とからなる複合材料から発生させた、気相状態のCuおよび気相状態のCrの両者を凝固させることによって形成するもの、を包含する。
この本発明による真空バルブ用接点材料の製造方法は、好ましい態様(ロ)として、前記の過飽和固溶体を、前記の複合材料を電極とするアーク放電によって、前記の複合材料から生成させたプラズマ中の物質を凝固させることにより形成するもの、を包含する。なお、プラズマは電離した気体と捉え、プラズマ状態にある金属は気相状態と扱うこととする。
この本発明による真空バルブ用接点材料の製造方法は、さらに好ましい態様(ハ)として、前記の過飽和固溶体を、極性を変えて実施された複数回のアーク放電によって生成されたプラズマ中の物質からの凝固物の累積によって形成するもの、を包含する。
この本発明による真空バルブ用接点材料の製造方法は、とりわけ好ましい態様(ニ)として、前記の複合材料が、その表面を液相状態になるまで加熱した後、冷却することによって、前記複合材料の表層部に平均粒径または平均幅が0.01〜1.0μmの微細化された分散相を生成させたものもの、を包含する。
本発明の実施形態による真空バルブ用接点材料の製造方法では、気相状態のCuおよび気相状態のCrを生成させ、両者を、液相状態を経ることなく急速に固相へと相変化させることによって形成することができる。好ましくは、例えば真空蒸着や、スパッタリング、イオンプレーティング、の物理蒸着法等の方法によって過飽和固溶体の形成を行うことができる。
この過飽和固溶体は、Cu原子とCr原子が相互の平衡溶解度を大幅に超えて共存する過飽和固溶体であって、特にこの過飽和固溶体が体心立方構造を有している場合においては、極めて高い仕事関数を有していることから、優れた耐電圧性能を付与できるものである。
上記の真空バルブ用接点材料の製造方法は、気相状態のCuおよび気相状態のCrが、好ましくは、例えば、図1および図2に示される、「Cu相およびCr相を含んでなる複合材料20」、さらに好ましくは「Cuを含有するマトリクス相35〜75原子%と、Crを含有する分散相25〜65原子%とからなる複合材料20」、とりわけ好ましくは「前記の分散相が、その平均粒径または平均幅が0.1〜1.0μmである複合材料200」、に由来するものである方法を挙げることができる。
上記の真空バルブ用接点材料の製造方法(好ましい態様(ロ)および(ハ))において、「アーク放電」とは、大電流を通電している1対の接点極を開離することによって接点間に発生する放電を意味し、「プラズマ」とは、接点間に存在する物質または接点から放出された物質の一部が電離することによって形成される物質の存在状態を意味し、「凝固」とは、前記プラズマ中に接点から放出された物質の一部が液体状態を経由することなく固化することを意味する。
上記の真空バルブ用接点材料の製造方法(好ましい態様(ロ))によれば、例えば図1に示される「過飽和固溶体3」を表面に有する「真空バルブ用接点材料1」を、「主としてCuからなるマトリクス相20と、主としてCrからなる分散相21とからなる複合材料20」を、この複合材料20を電極とするアーク放電によって前記の複合材料20から生成させたプラズマ中の物質を凝固させることにより、前記の「複合材料20の表面」(なお、複合材料20は、その少なくとも一部がアーク放電によって蒸発ないし飛散して、複合材料20の体積はアーク放電に付す前よりも減少している)に、「Cuを主成分とし、少なくともCrを過飽和に固溶している過飽和固溶体3」を形成することによって製造することができる。
この真空バルブ用接点材料の製造方法(好ましい態様(ロ))においては、「前記の過飽和固溶体3を、複合材料20を電極とするアーク放電によって前記の複合材料20から生成させたプラズマ中の物質を凝固させること」が行われる。これは、複合材料20を片方の電極とし、これと他の対向電極とを、気相中(好ましくは不活性ガス中あるいは真空中)に配置して、両電極との間に電圧を印加し、両電極間に発生したアーク放電によって生じたプラズマ(即ち、アークプラズマ)中の物質を、凝固させることにより、「複合材料20の表面」に「過飽和固溶体3」を形成することができる。
好ましくは、具体的には、図5に示されるような、真空容器Aの内部に収容された固定電極Bに複合材料20を設置し、同じく真空容器Aの内部に収容された可動電極Cに複合材料20’を設置し、真空雰囲気中で、固定電極Bと可動電極Cとの間に電圧を印加し、両電極間に発生したアーク放電によって生じたプラズマ(即ち、アークプラズマ)中の物質(具体的には、複合材料20、20’中のCuならびにCrに由来する物質)を、凝固させることにより、「複合材料20および20’の表面」に「過飽和固溶体」を形成することができる。
アーク放電およびプラズマの発生条件、ならびにアークマプラズマ中の物質を凝固させる条件は、好ましくは、交流50Hzの500〜10000Aの電流を遮断することである。
この真空バルブ用接点材料の製造方法(好ましい態様(ハ))においては、「前記の過飽和固溶体3を、極性を変えて実施された複数回のアーク放電によって生成されたプラズマ中の物質からの凝固物の累積によって形成すること」が行われる。このような好ましい態様によれば、例えば図5に示されるように、両極上に設置されたそれそれの複合材料20、20’の上に、均等な厚さの「過飽和固溶体」を形成することが容易になる。
上記の真空バルブ用接点材料の製造方法(好ましい態様(ニ))によれば、例えば図2に示される「過飽和固溶体3」を表面に有する「真空バルブ用接点材料1」を、「Cuからなるマトリクス相21と、Crからなる分散相22とからなる複合材料20」を、その表面部が液相状態になるまで加熱した後、冷却することによって、前記の「複合材料20の表層部200に、平均粒径または平均幅が0.01〜1.0μmの微細化された分散相202を生成させ、その後、この複合材料20を電極とするアーク放電によって前記の複合材料20(特に表層部200)から生成させたプラズマ中の物質を凝固させることにより、前記の「複合材料20(特に表層部200)」の表面に、上記の特定の「過飽和固溶体3」を形成することによって、容易に製造することができる。
平均粒径または平均幅が0.01〜1.0μmの微細化された分散相201は、複合材料20の表面部を、アーク溶解、真空溶解といった急冷凝固や電子ビーム、レーザー照射といった液相領域まで急熱かつ急冷することによって行うことが好ましい。特に好ましくは、不活性ガス雰囲気または真空雰囲気中で、複合材料20の表面および表面から5〜100μm程度の深さまでの領域を、最高到達温度1600〜2000℃までに、加熱速度1000〜2000℃/秒で加熱した後に、冷極速度500℃/秒以上で急速冷却することによって、複合材料20の表層部200における分散相201の平均粒径または平均幅が0.01〜1.0μmに微細化することが好ましい。
この真空バルブ用接点材料の製造方法(ニ)でも、前記(ロ)の製造方法と同様に、前記の過飽和固溶体を、極性を変えて実施された複数回のアーク放電によって生成されたプラズマ中の物質からの凝固物の累積によって形成する方法を、好ましい態様として包含する。このような好ましい態様によれば、両極上に設置されたそれそれの複合材料20、20’の上に、均等な厚さの「過飽和固溶体」を形成することが容易になる。
アーク放電およびプラズマの発生条件、ならびにアークマプラズマ中の物質を凝集させる条件は、好ましくは、交流50Hzの100〜2000Aの電流を遮断することである。
<真空バルブ用接点および真空バルブ>
本発明の実施形態による真空バルブ用接点は、Crを25〜65原子%含有し少なくともCuを過飽和に固溶してなる、体心立方構造を有する過飽和固溶体を、接点の極表面に有すること、を特徴とするものである。
また、発明の実施形態による真空バルブは、上記の「真空バルブ用接点」を具備すること、を特徴とするものである。
このような本発明の実施形態による真空バルブ用接点ならびに真空バルブの好ましい具体例としては、例えば図5に示される過飽和固溶体の形成に利用した真空容器において、その「複合材料20および20’の表面」に「過飽和固溶体」を具備する真空バルブ用接点、および、そのような真空バルブ用接点を搭載した真空バルブを挙げることができる。
すなわち、本発明の好ましい実施形態によれば、目的とする真空バルブが得られるような、例えば図5に示されるような「複合材料20および20’」を配設した電極を組み込んだ真空容器Aを用意し、この複合材料を電極とするアーク放電によって前記の複合材料から生成させたプラズマ中の物質を、凝固させることにより、所定の過飽和固溶体を形成することによって、目的とする真空バルブ用接点ならびに真空バルブを得ることができる。
図5は、本発明の実施形態による真空バルブの好ましい具体例を示すものである。図5に示される真空バルブAは、「Cuを主成分とし、少なくともCrを過飽和に固溶している過飽和固溶体」(図示せず)が「複合材料20および20’」の表面に形成されてなる「真空バルブ用接点B、C」と、「アークシールドD」と、「アークシールドE」と、「ベローズF」とを具備してなるものである。
(接点材料の製造工程)
下記の各実施例および各比較例において、Cu−Cr合金の製造方法については、一般に焼結法、溶浸法、真空溶解法、アークメルト法などが知られており、いずれの方法によって製造しても素材は二相組織を有しており、Cr相の幅または粒径は焼結法や溶浸法では数百μmのオーダーであり、真空溶解法やアークメルト法では数十μmのオーダーである。この素材を用いて作製した接点から発生するアークプラズマで過飽和固溶相を形成する場合、アークプラズマの発生源である陰極点が熱的に影響を及ぼす領域が直径数十〜数百μm程度のオーダーであることから、均質な組成の表面層を形成するには、より微細な二相組織を下地としていることが望ましい。そこで、下地の素材は真空溶解法により製造したCu−35wt%Cr合金を使用した。さらに均質な表面層を形成するには、アーク溶解、真空溶解といった急冷凝固や電子ビーム、レーザー照射といった液相領域まで急熱急冷することにより、より微細な二相組織を形成しておくことがより望ましい。そこで、真空溶解によって作製した素材を所定の接点形状に加工した後、場合によっては表面に電子ビームを照射して急熱、急冷を行い、二相組織をより微細化し、Cr相の幅または粒径を0.1μm以下とした。このような状態とした後、接点を真空バルブに組み込み、交流50Hz−1kA半波のアーク放電を繰り返し印加することによって、発生したアークプラズマから凝固した過飽和Cu−Cr相の表面層を形成した。凝固は、主として陰極側に生じるため、アーク放電の印加は極性を変えながら行った。形成した凝固層の結晶構造は、極表面近傍の断面の透過電子顕微鏡観察と電子線回折パターンに基づく結晶方位解析で調べ、体心立方格子であることを確認した。
(耐電圧性能評価)
真空バルブに接点を組み込んだ状態で接点間のギャップを3mmとしてインパルス電源から電圧を印加し、絶縁破壊電圧を測定した。
<実施例1〜2および比較例1〜2>
真空溶解Cu−35wt%Cr材の下地(分散相の平均粒径が20μm)の表面に、同じ組成の過飽和Cu−Cr相をアーク放電によって形成した接点材料を実施例1として、および真空溶解Cu−35wt%Cr材の下地表面に電子ビームを照射し、下地より微細な2相組織(分散相の平均粒径が0.1μm)を表面に形成した上から、さらに最表面層として過飽和固溶体層をアーク放電によって形成した接点材料を実施例2として、それぞれ作製した。過飽和固溶体層の厚さは、0.2μm(実施例1)、0.3μm(実施例2)であった。
実施例1および2のそれぞれの接点材料について、極表面近傍の断面の透過電子顕微鏡観察と電子線回折パターンに基づく結晶方位解析で調べ、体心立方格子であることを確認した。
比較のため、真空溶解Cu−35wt%Cr材を加工後そのまま使用した比較例1およびこれに電子ビーム照射して表面に2相組織を形成した比較例2とを併せて評価した。
その結果、絶縁破壊電圧は、比較例1を1.0とした場合、比較例2では1.2であるのに対し、実施例1では1.7、実施例2では1.9まで到達した。
<実施例3〜4および比較例3〜4>
真空溶解で作製したCu−21wt%Cr−11wt%V材についても、実施例1と同様にCu−Cr−V過飽和固溶体層(厚さ0.2μm)を有する接点材料(実施例3)を作製した。
また、真空溶解で作製したCu−21wt%Cr−11wt%V材についても、実施例2と同様にCu−Cr−V過飽和固溶体層相(厚さ0.2μm)を有する接点材料(実施例4)を作製した。
実施例3および4での真空溶解したCu−21wt%Cr−11wt%V材は、CuにわずかにCr,Vが固溶した相とCr−V固溶体にわずかにCuが含まれる相の2相組織を形成する。
一方、真空溶解で作製したCu−21wt%Cr−11wt%V材をそのまま使用した比較例1、および真空溶解で作製したCu−21wt%Cr−11wt%V材に実施例2と同様に電子ビーム照射して同じ構成でより微細な2相組織を表面に形成した比較例2とを併せて評価した。
その結果、絶縁破壊電圧は、比較例3を1.0とした場合、比較例4では1.2であるのに対し、実施例3では1.6、実施例4では1.8まで到達した。
<実施例5〜6および比較例5>
アークプラズマ中の物質の凝固は、陰極側と陽極側で異なるため、極性を反転させて均等に過飽和固溶体を形成することがより望ましい。本実施例のように、1kA程度の電流でアークプラズマを発生させた場合では、主として陰極側に凝固による過飽和固溶体の形成が見られる。
実施例5は、真空溶解Cu−35wt%Cr材の下地表面に電子ビームを照射し、プラズマ発生時に極性を固定して、主に陰極側に過飽和固溶体を形成した真空バルブである。
一方、実施例6は真空溶解Cu−35wt%Cr材の下地表面に電子ビームを照射し、極性を反転させながら繰り返しプラズマを発生させ、両側の接点に均等に過飽和固溶体を形成した真空バルブである。
これらを過飽和固溶体を形成していな真空溶解Cu−35wt%Cr材を搭載した真空バルブ(比較例5)と併せて評価した。
その結果、比較例5を1.0とした場合の絶縁破壊電圧は、実施例5では1.6、実施例6では1.8となった。
上述の実施例1および2では、真空バルブ内においてアーク放電プラズマから過飽和固溶体を凝固させたが、Cu−Cr合金をターゲットとして用い、スパッタリングにより過飽和固溶体を形成することも可能である。
以上のように、本発明の実施形態による真空バルブ用接点材料は、スピン状態を制御し仕事関数を高めた体心立方格子の過飽和固溶体の最表面層としていることにより、優れた耐電圧性能を発揮することができ、高耐電圧領域で使用される真空バルブの接点材料に適している。
1 真空バルブ用接点材料
3 過飽和固溶体
20 複合材料
21 マトリクス相
22 分散相
200 複合材料20の表層部
201 マトリクス相
202 微細化された分散相
A 真空容器
B 固定電極
C 可動電極
D アークシールド
E アークシールド
F ベローズ

Claims (13)

  1. Crを25〜65原子%含有し少なくともCuを過飽和に固溶してなる、体心立方構造を有する過飽和固溶体によって、覆われてなることを特徴とする、真空バルブ用接点材料。
  2. 前記の過飽和固溶体が、さらにV、Ta、Nb、Moから選ばれた一種または二種以上の元素を含んでなる、請求項1に記載の真空バルブ用接点材料。
  3. 前記の過飽和固溶体によって、Cu相およびCr相を含んでなる複合材料の表面が覆われてなる、請求項1または2に記載の真空バルブ用接点材料。
  4. 前記の複合材料が、Cuを含有するマトリクス相35〜75原子%と、Crを含有する分散相25〜65原子%とからなるものである、請求項3に記載の真空バルブ用接点材料。
  5. 前記の分散相は、その平均粒径または平均幅が0.01〜1.0μmである、請求項4に記載の真空バルブ用接点材料。
  6. 前記の複合材料が、さらにV、Ta、Nb、Moから選ばれた一種または二種以上の元素を含んでなる、請求項3〜5のいずれか1項に記載の真空バルブ用接点材料。
  7. Crを25〜65原子%含有し少なくともCuを過飽和に固溶してなる、体心立方構造を有する過飽和固溶体によって表面が覆われて被覆されてなる真空バルブ用接点材料を製造する方法であって、
    前記の過飽和固溶体を、気相状態のCuおよび気相状態のCrの両者を凝固させることによって形成することを特徴とする、真空バルブ用接点材料の製造方法。
  8. 前記の過飽和固溶体を、Cuを含有するマトリクス相35〜75原子%と、Crを含有する分散相25〜65原子%とからなる複合材料から発生させた、気相状態のCuおよび気相状態のCrの両者を凝固させることによって形成する、請求項7に記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
  9. 前記の過飽和固溶体を、前記の複合材料を電極とするアーク放電によって、前記の複合材料から生成させたプラズマ中の物質を凝集させることにより形成する、請求項8に記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
  10. 前記の過飽和固溶体を、極性を変えて実施された複数回のアーク放電によって生成されたプラズマ中の物質からの凝集物の累積によって形成する、請求項9に記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
  11. 前記の複合材料が、その表面を液相状態になるまで加熱した後、冷却することによって、前記複合材料の表層部に平均粒径または平均幅が0.01〜1.0μmの微細化された分散相を生成させたものである、請求項8〜10のいずれか1項に記載の真空バルブ用接点材料の製造方法。
  12. Crを25〜65原子%含有し少なくともCuを過飽和に固溶してなる、体心立方構造を有する過飽和固溶体を、接点の極表面に有することを特徴とする、真空バルブ用接点。
  13. 請求項12に記載の真空バルブ用接点を具備することを特徴とする、真空バルブ。
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