JP2017105724A - 貼付型冷熱ゲルシート - Google Patents

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Abstract

【課題】揮発性有効成分の放散による害虫の忌避効果に加え、使用時の蒸れによる不快感をなくすことができる貼付型冷熱ゲルシートを提供する。【解決手段】基布2に、水および吸水性ポリマーを必須成分とする含水ゲル3を積層した、貼付型の冷熱ゲルシート1であって、含水ゲル3に、蚊、ダニ、アブラムシ等の害虫に対する忌避効果のある有効成分4が含有されているものである。基布2の透湿度(JISK7129 A法:40℃90RH)が、5000g/m2/24hr〜7500g/m2/24hrである不織布、織布、編物、機能性樹脂シートである。含水ゲル3の重量が、1800g/m2〜2800g/m2で、60〜95%の水分率である。害虫に対する忌避効果のある有効成分が、シトロネラオイル、ゲラニオール等である。害虫に対する忌避効果のある有効成分4の濃度は、含水ゲル3の0.01〜2.5重量%である。【選択図】図1

Description

本発明は、害虫に対する忌避効果を有する冷熱ゲルシートに関するものである。
マラリア、黄熱、デング熱、西ナイル熱、フィラリア症等の疾病は、蚊やハエなどの飛来害虫が媒介となって発生することが知られている。この種の疾病を媒介する飛来害虫は、主に年間を通じて温暖な地域において生息していたため、従来、この種の疾病は、当該地域にのみ限定的に発生していた。
しかしながら、近年、飛来害虫の北限生息域の上昇が観察されており、我が国においても、飛来害虫を効率良く駆除する手段が求められてきている。
現在、飛来害虫を駆除するにあたっては、殺虫剤を大気中に噴霧する手段が主に行なわれている。しかしながら、殺虫剤に含まれる殺虫成分は人体にとっても有害であり、その高濃度使用時における人体への影響が懸念されている。
そのため、飛来害虫を直接的に駆除するのではなく、忌避することによって飛来害虫を生活環境から遠ざける手段が開発されている(例えば、下記特許文献1,2参照)。
特開平5−339102号公報 特表2006−506062号公報
前記特許文献1に開示された「揮発性有効成分を放出する積層体」は、揮発性有効成分を含む膨潤ゲル層の片面に粘着剤層が形成されていることを特徴とするものであり、前記粘着剤層を表皮に貼付した状態で使用に供され、前記膨潤ゲル層中に含まれる前記揮発性有効成分を大気中に放散させることによって飛来害虫を忌避するものである。
しかしながら、前記特許文献1に開示された手段では、表皮に貼付けることによって貼付けた箇所が蒸れてしまい、不快感が増すといった不都合を生じることとなる。
一方、前記特許文献2に開示された「ディスペンサー」は、揮発性物質を担持させた貯蔵部が、第一の制御要素と第二の制御要素からなる二層構造のフィルムからなる袋材に封入されてなるものである。そして、前記特許文献2では、前記第一の制御要素を前記揮発性物質が透過し得る素材とする一方で、前記第二の制御要素を前記揮発性物質が透過できない素材とし、さらに、前記第二の制御要素に表裏を貫通する複数の細孔を設けることによって、揮発性物質が揮散する速度を制御している。
しかしながら、前記特許文献2に開示された手段では、表皮に接することとなる底面が少なくとも1つの揮発性物質に対する透過性のない物質の層によって覆われているため、やはり表皮に貼付けることによって貼付けた箇所が蒸れてしまい、不快感が増すといった不都合を生じることとなる。
特に、飛来害虫は、気温が高い季節に発生することが多いため、前記した使用時の不快感は、飛来害虫の発生する季節には、より不快感が助長されることとなってしまう。
本発明は、係る実情に鑑みてなされたものであって、揮発性有効成分の放散による害虫の忌避効果に加え、使用時の蒸れによる不快感をなくすことができる貼付型冷熱ゲルシートを提供することを目的としている。
上記課題を解決するための本発明に係る貼付型冷熱ゲルシートは、基布に、水および吸水性ポリマーを必須成分とする含水ゲルを積層した、貼付型の冷熱ゲルシートであって、前記含水ゲルには、蚊、ダニ、アブラムシ等の害虫に対する忌避効果のある有効成分が含有されているものである。
上記貼付型冷熱ゲルシートにおいて、基布としては透湿度(JISK7129 A法:40℃90RH)が、5000g/m2/24hr〜7500g/m2/24hrである不織布、織布、編物又は多孔性樹脂フィルムないしシートが望ましい。
上記貼付型冷熱ゲルシートにおいて、含水ゲルの重量が、1800g/m2〜2800g/m2であり、しかも含水ゲルの水分率が60〜95重量%のものが望ましい。
上記貼付型冷熱ゲルシートにおいて、害虫に対する忌避効果のある有効成分が、シトロネラオイル、ゲラニオール、ユーカリオイル、ラベンダーオイル、リナロール、桂皮酸メチル又はN‘N−ジエチル−m−トリアミドの中から選択された少なくとも1種が挙げられる。
上記貼付型冷熱ゲルシートにおいて、害虫に対する忌避効果のある有効成分の濃度は、含水ポリマー全体の0.01〜2.5重量%のものが望ましい。
上記貼付型冷熱ゲルシートにおいて、含水ゲルには、有効成分を溶解させるための溶解促進剤が添加されているものであってもよい。
上記貼付型冷熱ゲルシートは、有効成分の放散を防止するための袋材に密封されてなるものであってもよい。
本発明によれば、有効成分を大気中に放散することによって害虫に対する忌避効果が得られるとともに、含水ゲルを使用しているため、当該含水ゲルから基布を介して気化される水分および有効成分の気化熱が制御されることとなり、貼付けた箇所に蒸れによる不快感を生じることなく快適に使用することができる。
本発明に係る冷熱ゲルシートの全体構成の概略を示す断面図である。 図1の冷熱ゲルシートを袋材で密封した状態を示す斜視図である。 害虫忌避試験その2を行なうための実験装置の全体構成の概略図である。
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)を図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図1に、本発明に係る冷熱ゲルシート1の一実施形態を示す。この冷却ゲルシート1は、基布2に、含水ゲル3を積層し、当該含水ゲル3に有効成分4を担持させて構成されている。
基布2は、含水ゲル3からの水分および有効成分4の気化による水蒸気やガスの放散を妨げることなく形成されたものが使用される。
具体的には、透湿度によって管理された基布2を使用することが好ましい。好ましい基布2の透湿度としては、JISK7129 A法:40℃90RHによる測定値が、5000g/m2/24hr〜7500g/m2/24hrである。基布2の透湿度の測定は、内面となる面から外面となる面に向う方向について行なうものとする。
このような透湿度の要件を満たすものであれば、基布2の具体的な構成としては、特に限定されるものではない。例えば、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、レーヨン、アセテート、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の人工繊維、綿、麻、絹等の天然繊維から選ばれる1種または2種以上の素材を用いて形成された不織布、織布、編物などであってもよいし、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、塩酸ゴム等で形成されたフィルムないしシートであってもよいし、これらの複合体からなるものであってもよい。
また、基布2の重さや厚みについても特に限定されるものではなく、例えば不織布、織布や編物の場合、60g/m2〜120g/m2、好ましくは70g/m2〜100g/m2のものを使用することができる。例えば多孔性樹脂フィルムないしシートの場合、100μm以下、さらに好ましくは20〜60μm、特に好ましくは30〜50μmのものを使用することができる。
前記基布2としては、揮発による含水ゲル3からの水分および有効成分4の放散を妨げないものが使用されているが、それに加えて含水ゲル3からの水分および有効成分4の放出を防止する機能が付加された機能性フィルムないしシートであってもよい。
この基布2は、内面側となる面に、1800g/m2〜2800g/m2となるように、60〜95%の水分率に調製した含水ゲル3が積層される。
含水ゲル3は、分散質としての吸水性ポリマーと分散媒としての水を必須構成成分とし、ゼリー状ないしゲル状に形成されたいわゆるヒドロゲルである。
前記吸水性ポリマーとしては、主として水を円滑、かつ大量に吸水してゲル化する高分子材料であれば特に制限されるものではなく、既知の親水性高分子材料を好適に使用することができる。前記吸水性ポリマーの具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、無水マレイン酸共重合体などの合成高分子系親水性ポリマー、デキストリン、プルラン、ゼラチンなどの如き天然系親水性ポリマー、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースの如き半合成系化合物等が挙げられる。本発明においては、これらの吸水性ポリマーから選ばれた1種ないしは2種以上を適宜選択して用いることができる。
また、本発明においては、前記含水ゲル3の製造時、または、製造後、必要に応じて、前記含水ゲル3中に、充填剤や界面活性剤などの添加剤を配合しても良い。
前記充填剤としては、吸水性ポリマーを架橋して含水ゲル3の粘度を調節したり、保型性の向上を図ったりするための架橋剤や増量剤等、各種機能を発現する役割を果たすものであれば特に限定されるものではない。前記充填剤の具体例としては、カオリン、ベントナイト、パーミキュライト、シリカ粉、クレー、パーライト、ゼオライト、亜鉛華、酸化チタン、タルク、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、カリミョーバン、球状セルロース等の有機球状体、ポリブテン、ポリイソブチレン、アセトアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリオキザール、ジアルデヒドデンプン、ジメチルケトン等の架橋剤や増量剤などが挙げられる。また、これらの充填剤は、1種ないし複数種を混合して用いることができる。
一方、前記界面活性剤は、主として材料の分散性を向上させるために添加される。この界面活性剤の具体例としては、例えば、高脂肪酸せっけん、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アシルN−メチルタウリン塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩またはN−アシルアミノ酸塩等のアニオン界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムおよび塩化ベンザルコニウム等のカチオン界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドジメチルアミノ酢酸ベタインおよび2−アルキル−N−ヒドロキシイミダゾリミウムベダイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレン型および多価アルコールエステル型およびエチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体等の非イオン性界面活性剤、あるいはモノラウリン酸ソルビタン等の高分子界面活性剤、天然界面活性剤等のその他の界面活性剤を挙げることができる。
この含水ゲル3は、60〜95%の水分率となるように調製したものが使用される。60%よりも水分率が少ないと、冷熱ゲルシート1は、含水ゲル3からの水分および有効成分4の気化による十分な冷熱が得られず、当該冷熱ゲルシート1を貼り付けた部分の不快感が増すこととなり好ましくない。また、冷熱ゲルシートは、95%よりも水分率が多くなると、含水ゲル3からの水分および有効成分4が、液状のまま基布4を透過して外に滲み出ることとなり、衣服や寝具を濡らすこととなってしまい好ましくない。
有効成分4は、害虫を忌避することができるものであれば特に限定するものではない。特に、本発明においては、害虫を忌避させることができる有効成分4を含有する各種の忌避剤および/または香料を使用することができる。この際、有効成分4は、体温付近の温度での揮発性を有するものを使用することが好ましい。対象となる害虫としては、蚊、ハエ、ゴキブリ、ブヨ、アブなどの飛来害虫の他にも、ダニ、ノミ、アブラムシ、蟻、毛虫、ムカデ、ゲジなどの害虫が挙げられる。
忌避剤の具体例としては、N,N−ジエチル−m−トリアミド、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジクロルベンゼン、ジフェニル類、ペンタクロルフェノール、イソバレルアルデヒド、サリチルアルデヒド、ジ−n−プロピルイソシンコメロネート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、リナロルオキシド、フェニル酢酸誘導体、樟脳白油、N−オクチルビシクロヘプロテンジカルボキシイミド、ブタジエン−フルフラール共重合体などが挙げられる。
一方、香料の具体例としては、α−アミルシンナムアルデヒド、アラントラニル酸メチル、イソオイゲノール、γ−ウンデカラクトン、エチルバニリン、オイゲノール、クマリン、桂皮アルコール、桂皮アルデヒド、桂皮酸メチル、桂皮酸エチル、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルピニル、酢酸フェニルエチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、酢酸1−メンチル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シトロネロール、シトロネラール、デシルアルデヒド、γ−ナノラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシプロピルセルロース、ピペロナール、フェニルエチルアルコール、フェニル酢酸エチル、ベンジルアルコール、メチルフェニルポリシロキサン、l−メントール、ヨノン、リナノール、シトラール、ボルネオール、テレピネロール、ネロリン、ジフェニルオキシド、アシニックアルデヒド、dl−カンフル等の化学物質の他、テレピン油、シトロネラ油、レモングラス油、ユーカリ油、ニクズク油、杉葉油、ジャコウ、リュウセンコウ、ラベンダー油、チモール等の抽出油等を挙げることができる。
これらの有効成分4は、前記した含水ゲル3中に、0.01〜2.5重量%、好ましくは0.02〜1.5重量%、特に好ましくは0.025〜1.0重量%となるように添加して使用される。この有効成分4は、0.01重量%よりも少ない量を使用した場合には、害虫の忌避に関して所望の効果を得ることができず、2.5重量%をよりも多い量を使用した場合には、害虫の忌避効果に限界を生じるため、不経済となり、かつ、有効成分4の臭いが強くなるため好ましくない。
また、有効成分4は、その種類によっては含水ゲル3の水分と分離してしまう。このように有効成分4が分離してしまうような場合、含水ゲル3は、水分が蒸発した後に有効成分4が蒸発することとなり、有効成分4の蒸発のタイミングが遅くなり、有効成分4がいつまでも含水ゲル3に残るようなことになってしまう。したがって、含水ゲル3の水分の蒸発とともに有効成分4も蒸発して有効成分4による害虫の忌避効果が有効に発揮することができるように、有効成分4には、含水ゲル3の水分に溶解させるための溶解促進剤を添加しておくことが好ましい。この溶解促進剤は、前記した含水ゲル4中に、0〜15重量%、好ましくは0.01〜2.5重量%、特に好ましくは0.025〜1.0重量%となるように添加される。有効成分4が水に溶解する場合は0重量%であってもよいし、溶解促進剤を加えるものであってもよい。
冷熱ゲルシート1は、前記した基布2に、前記した所望の量で所望の水分率および有効成分4を含有する含水ゲル3を塗工して製造されるが、そのままでは含水ゲル3の水分および有効成分4が徐々に揮発してしまうこととなる。したがって、図2に示すように、製造した冷熱ゲルシート1は、使用を開始するまで、これら水分および有効成分4の放散を防止することができる袋材5に密封された状態に構成される。
このようにして構成された冷熱ゲルシート1を使用する場合は、袋材5から冷熱ゲルシート1を取り出して含水ゲル3の面を人体の表皮に貼り付ける。この際、貼り付ける場所としては、人体の下腿部から足の所望の部位、前腕部から手の甲の所望の位置、頭部や首回り周辺など、害虫が好む位置などに貼り付ける。
すると、含水ゲル3に含まれた水分が、人体の熱を奪って表皮から蒸発し、この蒸発時の気化熱で貼付け箇所は冷却されることとなる。なお、含水ゲル3からは、水分および有効成分4が蒸発することとなるが、含水ゲル3の表面には、所望の透湿度に調製した基布4が設けられているため、含水ゲル3から蒸発する水分および有効成分4の量は、一定状態に制御されることとなり、貼付けた箇所に蒸れによる不快感を生じることなく快適に冷却された状態が6〜12時間に渡って持続することとなる。
[実施例1〜9]
有効成分が添加された含水ゲルとして、表1に示す組成のものを使用した。
Figure 2017105724
表2に示すように、各透湿度に設定されたポリエステル繊維不織布からなる基布に、12.0g±0.5gの量の上記含水ゲルを塗工し、5cm×13cmの大きさの各冷熱ゲルシートを調製した。
なお、透湿度は、L80−4000型ガス透過度計により、リッシー法で測定した。また、水分率は、A&D社製加熱乾燥式水分計MS70によって測定した。
−冷熱試験−
上記各冷熱ゲルシートを、JIS S4100:1996に準じた試験方法により、以下の条件で冷却温度の持続時間を測定する試験を行なった。
試験は、20℃±1℃の環境雰囲気温度下に、温熱器と循環式恒温水槽からなる温熱装置を設け、温熱器には、12±2L/分の流量で循環式恒温水槽からの温水を供給して循環させた。これにより、温熱器における温熱部の表面を被覆するポリアクリル板の表面を、人体の皮膚表面温度に見立てた34.5℃±0.5℃の温度に維持することができるように、循環させる温水の水温を調節した。
そして、ポリアクリル板の上に、冷熱ゲルシートを、含水ゲルの面がポリアクリル板に貼り付けられるようにして設け、貼り付け面の表面温度の経時的変化を測定し、皮膚の表面温度に見立てた34.5℃±0.5℃よりも低い34℃未満を維持できる時間の長さを測定した。計測は、チノー社製ハイブリット計測計LE1000によって行なった。結果を表2に示す。
Figure 2017105724
表2の結果から、6〜9時間にわたって皮膚の表面温度よりも低い温度を維持することができることが確認された。
[実施例10〜18]
含水ゲルの塗工量を16.0g±0.5gに変更したこと以外は、上記実施例1〜9と同様に冷熱試験および害虫忌避試験を行なった。結果を表3に示す。
Figure 2017105724
表3の結果から、7〜12時間にわたって皮膚の表面温度よりも低い温度を維持することができることが確認された。
[実施例19〜27]
含水ゲルの塗工量を18.0g±0.5gに変更したこと以外は、上記実施例1〜9と同様に試験を行なった。結果を表4に示す。
Figure 2017105724
表4の結果から、8〜12時間にわたって皮膚の表面温度よりも低い温度を維持することができることが確認された。
[実施例28]
−害虫忌避試験その1−
有効成分の絶対量が最も少ない上記実施例1の冷熱ゲルシートを使った冷熱試験を、布団一枚敷用(約2m×1m×1.5mのサイズの空間)に形成した蚊帳(蚊帳自体の虫避け加工がされていないものを使用)内で行い、当該蚊帳内には、30匹の蚊(ヒトスジシマカの雌成虫 未吸血)を放った。また、冷熱ゲルシートから周囲に約15cm離隔する位置に、約1cm四方の網目に形成したドーム状の籠を被せ、この籠に蚊が触れるか否か、またはこの籠よりも内側の空間に蚊が入るか否かを、蚊帳内にセットしたビデオカメラの画像と目視との双方で、時間の経過とともに観察した。
また、この籠のすぐ外側の位置で臭気センサーによる臭気を測定した。試験開始から15分経過後の臭気センサーの臭気を100%とし、臭気センサーの数値の経時的変化を測定した。
その結果、臭気センサーの値が85%以上の間、蚊が籠に触れたり、籠の内側に入ったりするようなことは無く、冷熱ゲルシートは、蚊に対する忌避効果を発揮していることが確認できた。また、臭気センサーの値が50%となっても、蚊が籠に触れたり、籠の内側に入ることはあっても、冷熱ゲルシートに蚊が触れるようなことは無く、依然として蚊に対する忌避効果を発揮していることが確認できた。この臭気センサーの数値は、12時間以上の間、常に85%以上の数値を維持していた。したがって、就寝時の害虫の忌避対策として十分な時間にわたって忌避効果を発揮できることが確認できた。また、この臭気センサーの数値は、前記した冷熱試験において冷熱効果が認められる7時間の経過後、上昇することが確認された。これは、水分の蒸発によって発生する冷熱により、冷熱効果が認められる7時間の間は有効成分の揮発が均等となるように抑制されていたが、冷熱効果が認められる7時間が経過した後は、蒸発する水分量の低下とともに、皮膚の表面に見立てていた温熱部の表面温度が上昇するに伴って有効成分の揮発量が増えたことによるものと考えられる。
−害虫忌避試験その2−
有効成分の絶対量が最も少ない上記実施例1の冷熱ゲルシート1を使った冷熱試験を、8時間(実施例28a)、10時間(実施例28b)、12時間(実施例28c)行なった後、2.5cm×13cmの大きさに二等分し、2名の被験者の前腕部にそれぞれ貼り付けた。図3に示すように、30匹の蚊(ヒトスジシマカの雌成虫 未吸血)が放たれた30cm×30cm×100cmの大きさに形成した蚊帳6(蚊帳自体の虫避け加工がされていないものを使用)を2つ(図面では1つだけを表示)用意し、それぞれの蚊帳6の一方の端面61側から、前記した冷熱ゲルシート1を貼り付けたそれぞれの被験者の前腕部aを挿入した。挿入から5分経過した後から2分間にわたり、蚊帳6内の前腕部aを挿入した側の半分の空間60(Aの二点鎖線から前腕部a側の空間)に飛来する蚊の数をカウントした。カウントした蚊の飛来数から飛来率を計算した。また、素手で行なった場合の蚊の飛来数と比較して蚊の忌避率を計算した。計算は、以下の計算式に基づいて行なった。
飛来率(%)=(カウントした蚊の飛来数/30)×100 30は蚊の数
忌避率(%)=[(カウントした素手の場合の蚊の飛来数)−(カウントした蚊の飛来数)/カウントした素手の場合の蚊の飛来数]]×100
比較対象として実施例28aの冷熱ゲルシートから有効成分を取り除いて形成した冷熱ゲルシートについても6時間の冷熱試験後、同様の実験を行なった。結果を表5に示す。
Figure 2017105724
結果から、何れの冷熱ゲルシートにおいても、蚊に対する優れた忌避効果を確認することができた。
[実施例29〜34]
有効成分を、N,N−ジエチル−m−トリアミド0.06%とその溶解剤としてのエタノール0.003%(実施例29)、ユーカリオイル0.06%とその溶解剤としてのエタノール0.003%(実施例30)、リナロール0.06%とその溶解剤としてのエタノール0.003%(実施例31)、ゲラニオール0.06%とその溶解剤としてのエタノール0.003%(実施例32)、ラベンダーオイル0.06%とその溶解剤としてのエタノール0.003%(実施例33)、桂皮酸メチル0.06%とその溶解剤としてのエタノール0.003%(実施例34)に変更したこと以外は、上記実施例1〜28と同様に、冷熱試験、害虫忌避試験その1、その2をそれぞれ行なった。
その結果、何れの実施例の場合も、実施例1〜27の場合と全く同様の冷熱試験結果が得られた。
また、害虫忌避試験その1についても、何れの実施例の場合も、実施例28の場合と同様に、臭気センサーの値が85%以上の間、蚊が籠に触れたり、籠の内側に入ったりするようなことは無く、冷熱ゲルシートは、蚊に対する忌避効果を発揮していることが確認できた。また、臭気センサーの値が50%となっても、蚊が籠に触れたり、籠の内側に入ることはあっても、冷熱ゲルシートに蚊が触れるようなことは無く、依然として蚊に対する忌避効果を発揮していることが確認できた。この臭気センサーの数値は、12時間以上の間、常に85%以上の数値を維持していた。したがって、就寝時の害虫の忌避対策として十分な時間にわたって忌避効果を発揮できることが確認できた。また、この臭気センサーの数値は、前記した冷熱試験において冷熱効果が認められる7時間の経過後、上昇することが確認された。
さらに、害虫忌避試験その2についても、何れの実施例の場合も、実施例28a〜28cの場合と同様に、蚊に対する忌避率0%の優れた忌避効果が得られた。
1 冷熱ゲルシート
2 基布
3 含水ゲル
4 有効成分
5 袋材

Claims (7)

  1. 基布に、水および吸水性ポリマーを必須成分とする含水ゲルを積層した、貼付型の冷熱ゲルシートであって、前記含水ゲルには、蚊、ダニ、アブラムシ等の害虫に対する忌避効果のある有効成分が含有されていることを特徴とする貼付型冷熱ゲルシート。
  2. 基布は、透湿度(JISK7129 A法:40℃90RH)が、5000g/m2/24hr〜7500g/m2/24hrである不織布、織布、編物又は多孔性樹脂フィルムないしシートである請求項1記載の貼付型冷熱ゲルシート。
  3. 含水ゲルの重量が、1800g/m2〜2800g/m2であり、しかも含水ゲルの水分率が60〜95重量%である請求項1または2記載の貼付型冷熱ゲルシート。
  4. 害虫に対する忌避効果のある有効成分が、シトロネラオイル、ゲラニオール、ユーカリオイル、ラベンダーオイル、リナロール、桂皮酸メチル又はN‘N−ジエチル−m−トリアミドの中から選択された少なくとも1種である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の貼付型冷熱ゲルシート。
  5. 害虫に対する忌避効果のある有効成分の濃度は、含水ゲル全体の0.01〜2.5重量%である請求項4に記載の貼付型冷熱ゲルシート。
  6. 含水ゲルには、有効成分を溶解させるための溶解促進剤が添加されている請求項4または5記載の貼付型冷熱ゲルシート。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の貼付型冷熱ゲルシートが、有効成分の放散を防止するための袋材に密封されてなる貼付型冷熱ゲルシート。
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