JP2017105232A - 車両用衝突判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】衝突しても姿勢が変化し難い位置にセンサを配置し、衝突形態を的確に判定できるようにする。
【解決手段】車両用衝突判定装置20は、前部コンパートメント11よりも後方かつ左右方向の中央部に設けられる第1センサMFSと、第1センサMFSよりも車両10における後方かつ左右方向の両側に設けられる第2センサLFSおよび第3センサRFSと、第1センサMFSから取得する信号である第1信号と、第2センサLFSから取得する信号である第2信号と、第3センサRFSから取得する信号である第3信号とを用いて、車両10と衝突対象物との衝突形態を判定する衝突形態判定部とを有する。衝突形態判定部は第1信号,第2信号および第3信号で検出されている加速度の大きさに基づいて、第1信号が第1閾値を越えることを条件として、車両10の前方側にかかる衝突形態を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の前方側にかかる衝突形態を判定する車両用衝突判定装置に関する。
従来では、車両前後方向の衝突に対して衝突形態に応じてエアバッグの展開を制御することを目的とするエアバッグ展開制御装置に関する技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。このエアバッグ展開制御装置は、第1及び第2の加速度検出手段と、左右のエアバッグと、エアバッグ展開制御手段とを有する。エアバッグ展開制御手段は、第1及び第2の加速度検出手段により検出された左右の前後加速度の差が所定以上の場合、左右のエアバッグのうち前後加速度が大きい側のエアバッグを展開する。
具体的には、第1及び第2の加速度検出手段のうち、いずれか一方の加速度検出手段で検出された前後加速度(すなわち前後方向の加速度)が所定の基準値以上になることを条件として、オフセット衝突と判定して、一方の加速度検出手段に対応する側のカーテンエアバッグを展開する。さらに、他方の加速度検出手段で検出された前後加速度も所定の基準値以上になれば、正面衝突と判定して、運転席や助手席のエアバッグを展開する。
特開2006−160066号公報
しかし、特許文献1に記載された第1及び第2の加速度検出手段は、車両と衝突対象物が衝突する際のエネルギーを吸収する部位(いわゆるクラッシャブルゾーン)に取り付けられている。車両と衝突対象物が衝突すると、加速度検出手段が設置された部位(例えばサイドメンバなど)が変形して、加速度検出手段の姿勢が変化する。加速度検出手段の姿勢が変化するに伴って、衝突前である定常時に配置されていた車両の前後方向の加速度が変化してゆく。定常時には前後方向の加速度を検出する加速度検出手段であっても、時間の経過とともに送信する加速度が前後方向以外の他方向の加速度を送信することになる。すなわち、時間の経過とともに前後方向の信号でなくなってゆく。したがって、姿勢変化による前後方向の加速度に基づいて衝突形態を判定するので、不適切な衝突形態を判定する可能性がある、という問題点があった。
また、特許文献1に記載の技術を適用しても、左側オフセット衝突,右側オフセット衝突,正面衝突のいずれかを判定できるに過ぎない。例えば、車両と衝突対象物とが相対的に斜めに衝突する斜め衝突の場合には、左側オフセット衝突,右側オフセット衝突,正面衝突のいずれにも判定され得る。したがって、衝突形態を的確に判定することができない、という問題点もあった。
本開示はこのような点に鑑みてなしたものであり、車両と衝突対象物が衝突しても姿勢が変化し難い位置にセンサを配置するとともに、左側オフセット衝突,右側オフセット衝突,正面衝突に加えて斜め衝突も的確に判定することができる車両用衝突判定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、車両(10)と衝突対象物(CT)との衝突形態を判定する車両用衝突判定装置(20)において、前記車両における前部コンパートメント(11)よりも後方かつ左右方向の中央部に設けられ、前記車両の衝突にかかる前後方向の加速度(Gx)を計測する第1センサ(MFS)と、前記第1センサよりも前記車両における後方かつ左右方向の一方側に設けられ、前記車両の衝突にかかる前後方向の加速度(GLx,GRx)を計測する第2センサ(LFS,RFS)と、前記第1センサよりも前記車両における後方かつ左右方向の他方側に設けられ、前記車両の衝突にかかる前後方向の加速度(GRx,GLx)を計測する第3センサ(RFS,LFS)と、前記第1センサから取得する信号である第1信号(Sx)と、前記第2センサから取得する信号である第2信号(SLx,SRx)と、前記第3センサから取得する信号である第3信号(SRx,SLx)とを用いて、前記車両と衝突対象物との衝突形態を判定する衝突形態判定部(22)とを有し、前記衝突形態判定部は、同時を含む所定期間(PT)内に取得している前記第1信号,前記第2信号および前記第3信号で検出されている加速度の大きさに基づいて、前記第1信号が第1閾値(Th_GX)を越えることを条件として、前記車両の前方側にかかる前記衝突形態を判定する。
この構成によれば、第1センサ,第2センサおよび第3センサは、いずれも前部コンパートメントよりも後方に設けられるので、衝突対象物と衝突しても姿勢が変化し難い。そのため、衝突時に時間が経過しても、各センサが検出する前後方向の加速度は従来よりも正確になるので、適切な衝突形態を判定することができる。
また、衝突形態判定部は第1信号,第2信号および第3信号で検出されている加速度の大きさに基づいて、第1信号が第1閾値を越えることを条件として、車両の前方側にかかる衝突形態を判定する。そのため、左側オフセット衝突,右側オフセット衝突,正面衝突だけでなく、斜め衝突も的確に判定することができる。
なお、「車両」は走行可能な自動車であれば、動力や車輪数等の形態を問わない。「前方」は車両が通常に進行する方向である。「前部コンパートメント」は、クラッシャブルゾーンを含む部位であり、例えばエンジンルームやトランクルームを含む。「前後方向」は、車両が進行(例えば前進または後進)する進行方向である。「左右方向」は、前後方向と直交する方向である。「衝突対象物」は、自車となる車両以外の物体であって、車両が衝突し得る物体であれば問わない。例えば、他車となる車両,鉄道車両,構造物,設置物などが該当する。構造物には、例えば建築物や橋梁等を含む。設置物には、例えば標識,信号機,電柱,ガードレール等を含む。「所定期間」は、期間内に同時を含むことを条件として、任意に設定してよい。「第1センサ」,「第2センサ」,「第3センサ」は、それぞれ少なくとも前後方向の加速度を計測できれば、種類を問わずに任意のセンサを適用してよい。「計測」には検出や検知の意味を含む。例えば、加速度センサや減速度センサ等が該当する。「第1閾値」,「第2閾値」,「第3閾値」には、いずれも任意の適切な数値を設定してよい。「斜め衝突」は、車両の前方で衝突対象物と相対的に斜めに衝突する形態であり、例えば左側斜め衝突や右側斜め衝突が該当する。
車両の第1構成例を模式的に示す平面図である。 車両用衝突判定装置の構成例を示す模式図である。 衝突判定処理の手続き例を示すフローチャート図である。 右側判定処理の手続き例を示すフローチャート図である。 左側判定処理の手続き例を示すフローチャート図である。 車両と衝突対象物とが左側斜め衝突する例を示す模式図である。 車両と衝突対象物とが左側オフセット衝突する例を示す模式図である。 第1信号,第2信号,第3信号の第1変化例を示すマップ図である。 車両と衝突対象物とが右側斜め衝突する例を示す模式図である。 車両と衝突対象物とが右側オフセット衝突する例を示す模式図である。 第1信号,第2信号,第3信号の第2変化例を示すマップ図である。 車両と衝突対象物とが正面衝突する例を示す模式図である。 第1信号,第2信号,第3信号の第3変化例を示すマップ図である。 車両の第2構成例を模式的に示す平面図である。 車両と衝突対象物の設置物とが衝突する例を示す模式図である。 車両と衝突対象物の構造物とが衝突する例を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的に接続することを意味する。各図は、本発明を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示しているとは限らない。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。「正面衝突」は、全面衝突とも呼ばれる。「収束時間」は、衝突対象物との衝突が発生してから収束するまでに要する時間である。
〔実施の形態1〕
実施の形態1は図1〜図13を参照しながら説明する。図1に示す車両10は、中央衝突検出センサMFS,左側衝突検出センサLFS,右側衝突検出センサRFS,車両用衝突判定装置20などを一点鎖線で示す車室12内に有する。本形態では、車両10の前後方向となる図面左右方向をX方向と仮定し、前後方向に対する左右方向となる図面上下方向をY方向と仮定する。X方向とY方向は、一部に小文字で含む符号がある。
一点鎖線で示す前部コンパートメント11は、衝突対象物と衝突する際のエネルギーを吸収するクラッシャブルゾーンを含む。この前部コンパートメント11は、エンジン,バンパリーンホースメント,サイドメンバなどのうちで一以上を含むエンジンルームにもなり、荷物や工具などを収容するトランクルームにもなる。
「第1センサ」に相当する中央衝突検出センサMFSは、衝突時における車両10のX方向の加速度Gxを計測し、図2に示す中央衝突検出信号Sxとして出力する。中央衝突検出信号Sxは「第1信号」に相当する。中央衝突検出センサMFSは、車両10における前部コンパートメント11よりも後方であり、かつ、Y方向の中央部に設けられる。本形態では、車室12内であって、図1の図面左側である前方側に配置して設けられる。
左側衝突検出センサLFSおよび右側衝突検出センサRFSは、衝突形態に応じて一方のセンサが「第2センサ」に相当し、他方のセンサが「第3センサ」に相当する。具体的には、車両10のY方向について衝突した側のセンサが「第2センサ」に相当し、衝突していない側のセンサが「第3センサ」に相当する。なお正面衝突の場合は、どちらのセンサを「第2センサ」としてもよく、「第3センサ」としてもよい。
左側衝突検出センサLFSは、車両10のX方向の加速度GLxを計測し、図2に示す左側衝突検出信号SLxとして出力する。左側衝突検出信号SLxは、左側衝突検出センサLFSが第2センサであれば第2信号に相当し、第3センサであれば第3信号に相当する。この左側衝突検出センサLFSは、中央衝突検出センサMFSよりも車両10の後方であり、かつ、Y方向の一方側(例えば図1の図面下側である左側)に設けられる。本形態では、図1に示す車室12に含まれる左側ピラーに配置して設けられる。左側ピラーは、左側フロントピラー,左側センターピラー,左側リアピラーのいずれでもよい。
右側衝突検出センサRFSは、車両10のX方向の加速度GRxを計測し、図2に示す右側衝突検出信号SRxとして出力する。右側衝突検出信号SRxは、右側衝突検出センサRFSが第2センサであれば第2信号に相当し、第3センサであれば第3信号に相当する。この右側衝突検出センサRFSは、中央衝突検出センサMFSよりも車両10の後方であり、かつ、Y方向の他方側(例えば図1の図面上側である右側)に設けられる。本形態では、図1に示す車室12に含まれる右側ピラーに配置して設けられる。右側ピラーは、右側フロントピラー,右側センターピラー,右側リアピラーのいずれでもよい。
図2に示す車両用衝突判定装置20と乗員保護装置30は、いずれも車両10に備えられる。車両用衝突判定装置20は、判定マップ作成部21や衝突形態判定部22などを有する。この車両用衝突判定装置20は、後述する衝突形態の判定が行えれば任意に構成してよく、例えばECUやコンピュータ等が該当する。ECUは「Electronic Control Unit」の頭文字からなる略称である。
判定マップ作成部21は、中央衝突検出信号Sx,左側衝突検出信号SLxおよび右側衝突検出信号SRxなどを含めてマップを作成する。このマップは、例えば後述する図6に示すマップM1や、後述する図9に示すマップM2、後述する図12に示すマップM3などが該当する。
図2の判定マップ作成部21は、上述したマップM1,M2,M3を作成するため、符号「LPF」で示すローパスフィルタ21a,21c,21eや、記号「∫」で示す積分器21b,21d,21fなどを有する。ローパスフィルタ21a,21c,21eは、いずれも高調波等のノイズを除去して、現在の加速度aを出力する。加速度aは、後述する加速度Gx,GLx,GRxなどが該当する。積分器21b,21d,21fは、個々に対応する加速度を積分演算して、各センサの位置における速度dvを出力する。
ローパスフィルタ21aは、中央衝突検出センサMFSから伝達される中央衝突検出信号Sxに含まれる加速度Gxを出力する。ローパスフィルタ21eは、左側衝突検出センサLFSから伝達される左側衝突検出信号SLxに含まれる加速度GLxを出力する。ローパスフィルタ21cは、右側衝突検出センサRFSから伝達される右側衝突検出信号SRxに含まれる加速度GRxを出力する。一般的には、車両10と衝突対象物CTとの衝突形態に応じて、加速度Gx,GLx,GRxの各数値は異なる変化をする。
積分器21bは、中央衝突検出信号Sxに含まれる加速度Gxを積分演算して、中央衝突検出センサMFSの位置における速度Vxを出力する。積分器21fは、左側衝突検出信号SLxに含まれる加速度GLxを積分演算して、左側衝突検出センサLFSの位置における速度VLxを出力する。積分器21dは、右側衝突検出信号SRxに含まれる加速度GRxを積分演算して、右側衝突検出センサRFSの位置における速度VRxを出力する。加速度Gx,GLx,GRxと同様に、車両10と衝突対象物CTとの衝突形態に応じて、速度Vx,VLx,VRxの各数値は異なる変化をする。
衝突形態判定部22は、所定期間内に取得する各信号に基づいて、少なくとも車両10の前方における衝突対象物CTとの衝突形態を判定する機能を含む。図2に示す衝突形態判定部22には、判定を行う際に用いる複数の閾値を含めて記録する記録媒体22aを含めてもよい。記録媒体22aには、情報やデータを記録可能な任意の媒体を適用できる。例えば、半導体メモリ,非遷移的実体的記録媒体,ハードディスク,光ディスク,フレキシブルディスクなどのうちで一以上が該当する。なお、電源遮断後も記録内容を保持可能な不揮発性メモリを用いるのが望ましく、光ディスクには光磁気ディスク等を含む。
複数の閾値は、例えば中央衝突閾値Th_Gx、左側衝突閾値Th_GLx1,Th_GLx2、右側衝突閾値Th_GRx1,Th_GRx2などが該当する。中央衝突閾値Th_Gxは「第1閾値」に相当する。左側衝突閾値Th_GLx1と右側衝突閾値Th_GRx1は、いずれも「第2閾値」に相当する。左側衝突閾値Th_GLx2と右側衝突閾値Th_GRx2は、いずれも「第3閾値」に相当する。
衝突形態判定部22は、左側斜め衝突,左側オフセット衝突,正面衝突,右側オフセット衝突,右側斜め衝突などの判定結果を含め、出力信号Soutとして乗員保護装置30に伝達する。出力信号Soutの形態は任意であり、信号でもよく、データでもよい。
乗員保護装置30は、乗員を保護するエアバッグやシートベルトなどを含み、エアバッグやシートベルト等の作動を制御する制御回路などを有する。制御回路は、例えばエアバッグを展開する点火制御回路や、シートベルトを駆動する駆動制御回路などが該当する。この乗員保護装置30は、衝突形態判定部22から伝達される出力信号Soutに基づいて、衝突時に乗員を保護するべくエアバッグやシートベルト等の作動を制御する。
衝突形態判定部22が行う処理例について、図3〜図5を参照しながら説明する。なお、ステップS10,S11,S12,S20,S21,S30,S31は、中央衝突検出センサMFS,左側衝突検出センサLFSおよび右側衝突検出センサRFSから各信号を取得するタイミングを含め、破線で示す所定期間PT内であれば任意に実行してよい。破線間を矢印で示す所定期間PTは、各信号の取得について同時を含み、始期や終期等を任意に設定してよい。
図3に示す斜め衝突判定処理において、まずステップS10では各センサから各信号を取得する。ステップS11では、衝突対象物CTとの衝突が発生したか否かを判別するため、中央衝突検出信号Sxに含まれる加速度Gxが中央衝突閾値Th_Gx以上であるか否かを判別する。すなわち、Gx≧Th_Gxの不等式を満たすか否かを判別する。
もし加速度Gxが中央衝突閾値Th_Gx未満であれば、ステップS11はNOになる。未だ衝突対象物CTと衝突していないので、ステップS10,S11を繰り返し実行する。これに対して加速度Gxが中央衝突閾値Th_Gx以上であれば、ステップS11はYESになる。衝突対象物CTとの衝突が発生したので、ステップS12に進む。
ステップS12では、車両10の左側または右側のどちらで衝突が発生したのかを判別するため、右側衝突検出信号SRxに含まれる加速度GRxが右側衝突閾値Th_GRx1以上であるか否かを判別する。すなわち、GRx≧Th_GRx1の不等式を満たすか否かを判別する。
もし右側衝突検出信号SRxに含まれる加速度GRxが右側衝突閾値Th_GRx1以上であれば、ステップS12はYESになる。右側で衝突が発生したと推定されるので、図4の右側判定処理に進む。これに対して右側衝突検出信号SRxに含まれる加速度GRxが右側衝突閾値Th_GRx1未満であれば、ステップS12はNOになる。左側で衝突が発生したと推定されるので、図5の左側判定処理に進む。
図4に示す右側判定処理において、まずステップS20では左側衝突検出信号SLxに含まれる加速度GLxが左側衝突閾値Th_GLx1未満であるか否かを判別する。すなわち、GLx<Th_GLx1の不等式を満たすか否かを判別する。もし加速度GLxが左側衝突閾値Th_GLx1以上であれば、ステップS20はNOになる。加速度Gx,GLx,GRxが全て閾値を超えるので、ステップS26に進む。ステップS26では、後述するステップS24よりも車両10の速度が低い「正面衝突」と判定し、出力信号Soutを乗員保護装置30に出力する。乗員保護装置30は、正面衝突に対応してエアバッグやシートベルト等を作動させる。
これに対して、加速度GLxが左側衝突閾値Th_GLx1未満であれば、ステップS20はYESになる。左側の衝撃力が弱いので、さらに詳細な判別を行うためにステップS21に進む。ステップS21では、加速度GLxが左側衝突閾値Th_GLx2以上であるか否かを判別する。すなわち、GLx≧Th_GLx2の不等式を満たすか否かを判別する。左側衝突閾値Th_GLx2は、正面衝突なのか、左側オフセット衝突または左側斜め衝突なのかを判別するため、右側衝突閾値Th_GRx1よりも小さい値を設定するとよい。
もし加速度GLxが左側衝突閾値Th_GLx2未満であれば、ステップS21はNOになる。車両10の速度が低く、左側よりも右側の衝撃力が強いと推定されるので、ステップS25に進む。ステップS25では「低速の右側斜め衝突」または「右側オフセット衝突」と判定し、出力信号Soutを乗員保護装置30に出力する。乗員保護装置30は、右側斜め衝突や右側オフセット衝突に対応してエアバッグやシートベルト等を作動させる。左側斜め衝突か左側オフセット衝突かの判定は、別個に行うとよい。例えば、加速度Gx,GLxの各最大値や収束時間等に応じて判定してもよく、他の条件によって判定してもよい。
これに対して、加速度GLxが左側衝突閾値Th_GLx2以上であれば、ステップS21はYESになる。正面衝突か否かを判別するため、ステップS22に進む。ステップS22では、速度dv2と速度dv1との差である速度差Δdvが速度閾値Th_t以上であるか否かを判別する。すなわち、Δdv=dv2−dv1≧Th_tの式を満たすか否かを判別する。速度dv1,dv2は、車両10の左側で衝突対象物CT1と衝突したか、車両10の右側で衝突対象物CT1と衝突したかによって異なる。
車両10の左側前方で衝突対象物CTと衝突した場合において、速度dv1は加速度GLxが左側衝突閾値Th_GLx1を越えた時点の速度である。同じく速度dv2は加速度GRxが右側衝突閾値Th_GRx2を越えた時点の速度である。
車両10の右側前方で衝突対象物CTと衝突した場合において、速度dv1は加速度GRxが右側衝突閾値Th_GRx1を越えた時点の速度である。同じく速度dv2は加速度GLxが左側衝突閾値Th_GLx2を越えた時点の速度である。
もし速度差Δdvが速度閾値Th_t未満であれば、ステップS22はNOになる。3つのセンサ間で衝撃が伝達するまでの時間差が短く、右側と左側で同程度の衝撃力が発生したと推定されるので、ステップS24に進む。ステップS24では「正面衝突」と判定し、出力信号Soutを乗員保護装置30に出力する。この正面衝突は、加速度GLxが左側衝突閾値Th_GLx1未満であることから、ステップS26よりも弱い正面衝突と推定される。乗員保護装置30は、正面衝突に対応してエアバッグやシートベルト等を作動させる。
もし速度差Δdvが速度閾値Th_t以上であれば、ステップS22はYESになる。右側に強い衝撃力が発生したと推定されるので、ステップS23に進んで「高速の右側斜め衝突」または「右側オフセット衝突」と判定し、出力信号Soutを乗員保護装置30に出力する。乗員保護装置30は、右側斜め衝突または右側オフセット衝突に対応してエアバッグやシートベルト等を作動させる。右側斜め衝突か右側オフセット衝突かの判定は、別個に行うとよい。例えば、加速度Gx,GRxの各最大値や収束時間等に応じて判定してもよく、他の条件によって判定してもよい。
図5に示す左側判定処理において、まずステップS30では左側衝突検出信号SLxに含まれる加速度GLxが左側衝突閾値Th_GLx1以上であるか否かを判別する。すなわち、GLx≧Th_GLx1の不等式を満たすか否かを判別する。もし加速度GLxが左側衝突閾値Th_GLx1未満であれば、ステップS30はNOになる。加速度Gxは閾値を超えるが、加速度GLx,GRxが閾値を下回って分類できないので、ステップS36に進んで「その他の衝突」と判定し、出力信号Soutを乗員保護装置30に出力する。その他の衝突の判定は別個に行ってもよい。例えば、加速度Gx,GLx,GRxの各最大値や収束時間等に応じて判定してもよく、他の条件によって判定してもよい。乗員保護装置30は、その他の衝突に対応してエアバッグやシートベルト等を作動させる。
これに対して、加速度GLxが左側衝突閾値Th_GLx1以上であれば、ステップS30はYESになる。左側と右側の両方で衝撃力が強いと推定されるので、さらに詳細な判別を行うためにステップS31に進む。ステップS31では、加速度GRxが右側衝突閾値Th_GRx2以上であるか否かを判別する。すなわち、GLx≧Th_GRx2の不等式を満たすか否かを判別する。右側衝突閾値Th_GRx2は、正面衝突なのか、右側オフセット衝突または右側斜め衝突なのかを判別するため、左側衝突閾値Th_GLx1よりも小さい値を設定するとよい。
もし加速度GRxが右側衝突閾値Th_GRx2未満であれば、ステップS31はNOになる。車両10の速度が低く、右側よりも左側の衝撃力が強いと推定されるので、ステップS35に進む。ステップS35では「低速の左側斜め衝突」または「左側オフセット衝突」と判定し、出力信号Soutを乗員保護装置30に出力する。乗員保護装置30は、左側斜め衝突や左側オフセット衝突に対応してエアバッグやシートベルト等を作動させる。右側斜め衝突か右側オフセット衝突かの判定は、別個に行うとよい。例えば、加速度Gx,GRxの各最大値や収束時間等に応じて判定してもよく、他の条件によって判定してもよい。
これに対して、加速度GRxが右側衝突閾値Th_GRx2以上であれば、ステップS31はYESになる。正面衝突か否かを判別するため、ステップS32に進む。ステップS32では、ステップS22と同様の判別を行う。すなわち、Δdv=dv2−dv1≧Th_tの式を満たすか否かを判別する。
もし速度差Δdvが速度閾値Th_t未満であれば、ステップS32はNOになる。3つのセンサ間で衝撃が伝達するまでの時間差が短く、右側と左側で同程度の衝撃力が発生したと推定されるので、ステップS34に進む。ステップS34では「正面衝突」と判定し、出力信号Soutを乗員保護装置30に出力する。この正面衝突は、加速度Gx,GLx,GRxが全て閾値を超えるので、強い正面衝突と推定される。乗員保護装置30は、正面衝突に対応してエアバッグやシートベルト等を作動させる。
もし速度差Δdvが速度閾値Th_t以上であれば、ステップS32はYESになる。右側に強い衝撃力が発生したと推定されるので、ステップS33に進んで「高速の左側斜め衝突」または「左側オフセット衝突」と判定し、出力信号Soutを乗員保護装置30に出力する。乗員保護装置30は、左側斜め衝突または左側オフセット衝突に対応してエアバッグやシートベルト等を作動させる。左側斜め衝突か左側オフセット衝突かの判定は、別個に行うとよい。例えば、加速度Gx,GLxの各最大値や収束時間等に応じて判定してもよく、他の条件によって判定してもよい。
上述した衝突判定処理,右側突判定処理,左側突判定処理を実行した例について、衝突形態に応じて分けて説明する。なお、衝突対象物CTは車両CT1と仮定する。
(左側斜め衝突または左側オフセット衝突)
衝突形態が左側斜め衝突または左側オフセット衝突である場合について、図6〜図8を参照しながら説明する。車両10の前方左側において、車両CT1と相対的に斜めで衝突する左側斜め衝突の例を図6に示す。同じく車両10の前方左側において、車両CT1と相対的にオフセットして衝突する左側オフセット衝突の例を図7に示す。左側斜め衝突におけるマップM1の一例を図8に示す。図示を省略するが、左側オフセット衝突におけるマップもマップM1と同様になる。
図8のマップM1において、実線で示す加速度Gxが中央衝突閾値Th_Gxを超えているので、図3のステップS11はYESになる。車両10の前方左側で衝突対象物CT1と衝突しているので、図8に二点鎖線で示す加速度GRxは左側衝突閾値Th_GLx1と同値である右側衝突閾値Th_GRx1に達せず、図3のステップS12はNOに図8に一点鎖線で示す加速度GLxは左側衝突閾値Th_GLx1を超えているので、図5のステップS30はYESになる。また、加速度GRxは右側衝突閾値Th_GRx2を超えているので、図5のステップS31はYESになる。図8に示す速度差Δdvは速度閾値Th_tを超えているので、図5のステップS32はYESになる。したがって、図5のステップS33において「高速の左側斜め衝突」または「左側オフセット衝突」と判定される。
(右側斜め衝突または右側オフセット衝突)
衝突形態が右側斜め衝突または右側オフセット衝突である場合について、図9〜図11を参照しながら説明する。車両10の前方右側において、車両CT1と相対的に斜めで衝突する右側斜め衝突の例を図9に示す。同じく車両10の前方右側において、車両CT1と相対的にオフセットして衝突する右側オフセット衝突の例を図10に示す。右側斜め衝突におけるマップM2の一例を図11に示す。図示を省略するが、右側オフセット衝突におけるマップもマップM2と同様になる。
図11のマップM2において、実線で示す加速度Gxが中央衝突閾値Th_Gxを超えているので、図3のステップS11はYESになる。車両10の前方右側で衝突対象物CT1と衝突しているので、図11に二点鎖線で示す加速度GRxは右側衝突閾値Th_GRx1を超えて、図3のステップS12はYESになる。図11に一点鎖線で示す加速度GLxは、右側衝突閾値Th_GRx1と同値である左側衝突閾値Th_GLx1に達せず、図4のステップS20はYESになる。また、加速度GLxは左側衝突閾値Th_GLx2を超えているので、図4のステップS21はYESになる。図11に示す速度差Δdvは速度閾値Th_tを超えているので、図4のステップS22はYESになる。したがって、図4のステップS23において「高速の右側斜め衝突」または「右側オフセット衝突」と判定される。
(正面衝突)
衝突形態が正面衝突である場合について、図12,図13を参照しながら説明する。車両10の前方において、車両CT1と相対的に正面で衝突する正面衝突の例を図12に示す。一般的に、車両10と車両CT1とは、車長や車幅が同じとは限らない。そのため、ともに実線で示す車両10と車両CT1との正面衝突に限らず、実線で示す車両10と二点鎖線で示す車両CT1とのようにY方向にずれる正面衝突も含まれる。
正面衝突におけるマップM3の一例を図13に示す。マップM3において、加速度Gxが中央衝突閾値Th_Gxを超えているので、図3のステップS11はYESになる。車両10の前方で衝突対象物CT1と衝突しているため、加速度GRxの大きさは不定値になり、図3のステップS12はYESとNOのいずれにもなる。
図3のステップS12がYESの場合は、図13に示す加速度GLxが左側衝突閾値Th_GLx1を超えるので、図4のステップS20はYESになる。図13に示す速度dv2は速度dv1よりも小さいので、図4のステップS22はNOになる。したがって、図4のステップS23において「正面衝突」と判定される。また、加速度GLxが左側衝突閾値Th_GLx1を超えない場合でも、図4のステップS20はNOになるので、図4のステップS26において「正面衝突」と判定される。
図3のステップS12がNOの場合は、図13に実線で示す加速度GLxが左側衝突閾値Th_GLx1を超えるので、図5のステップS30はYESになる。また図13に二点鎖線で示す加速度GRxが右側衝突閾値Th_GRx2を超えるので、図5のステップS31はYESになる。図13に示す速度dv2は速度dv1よりも小さいので、図5のステップS32はNOになる。したがって、図5のステップS33において「正面衝突」と判定される。
上述した実施の形態1によれば、以下に示す各作用効果を得ることができる。
(1)図1に示すように、中央衝突検出センサMFS,左側衝突検出センサLFSおよび右側衝突検出センサRFSにかかる3つのセンサは、いずれも前部コンパートメント11よりも後方に設けられるので、車両10の前方で車両CT1と衝突しても姿勢が変化し難しい。そのため、衝突時に時間が経過しても、各センサが検出するX方向の加速度Gx,GLx,GRxは従来よりも正確になるので、適切な衝突形態を判定することができる。また、衝突形態判定部22は加速度GLxが第1閾値に相当する中央衝突閾値Th_Gxを越えることを条件として、車両10の前方側にかかる衝突形態を判定する。そのため、左右側を含めてオフセット衝突,正面衝突,斜め衝突のいずれかを的確に判定することができる。
(2)図1に示すように、中央衝突検出センサMFS,左側衝突検出センサLFSおよび右側衝突検出センサRFSにかかる3つのセンサは、いずれも車室12内に配置されるので、車両10の乗員近傍位置における衝撃である加速度Gx,GLx,GRxを検出することができる。左側衝突検出センサLFSと右側衝突検出センサRFSとは、車両10におけるX方向の中心線に対して左右対称に設けられるので、X方向では同一の位置になる。オフセット衝突や斜め衝突の場合には、3つのセンサに衝撃が伝達するまでの時間差が生じるので、当該時間差に基づいてY方向の偏りを判定することもできる。
(3)図8,図11に示すように、衝突形態判定部22は、さらに速度dv2が速度dv1よりも大きければ、第2センサが設けられる側でオフセット衝突または斜め衝突が発生したと判定する。よって、車両CT1との衝突が左前方斜め衝突,左側オフセット衝突,右側オフセット衝突、右前方斜め衝突のいずれであるのかを的確に判定できる。また、衝突形態に応じて、乗員保護装置30による最適の乗員保護を行うことができる。
〔実施の形態2〕
実施の形態2は図14を参照しながら説明する。なお図示および説明を簡単にするため、特に明示しない限り、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。よって、実施の形態1と相違する点を中心に説明する。
図14に示す車両10は、中央衝突検出センサMFS,左側二軸衝突検出センサLFS2,右側二軸衝突検出センサRFS2,車両用衝突判定装置20などを一点鎖線で示す車室12内に有する。図14に示す車両10が図1に示す車両10と相違するのは、左側衝突検出センサLFSに代えて左側二軸衝突検出センサLFS2を用い、右側衝突検出センサRFSに代えて右側二軸衝突検出センサRFS2を用いる点である。
左側二軸衝突検出センサLFS2と右側二軸衝突検出センサRFS2は、衝突形態に応じて一方のセンサが「第2センサ」に相当し、他方のセンサが「第3センサ」に相当する。具体的には、車両10のY方向について衝突した側のセンサが「第2センサ」に相当し、衝突していない側のセンサが「第3センサ」に相当する。なお正面衝突の場合は、どちらのセンサを「第2センサ」としてもよく、「第3センサ」としてもよい。
左側二軸衝突検出センサLFS2は、車両10のX方向の加速度GLxおよびY方向の加速度GLyを計測し、それぞれ図2に示す左側衝突検出信号SLxおよび左側衝突検出信号SLyとして出力する。左側衝突検出信号SLx,SLyは、左側二軸衝突検出センサLFS2が第2センサであれば第2信号に相当し、第3センサであれば第3信号に相当する。この左側二軸衝突検出センサLFS2は、左側衝突検出センサLFSと同様に、中央衝突検出センサMFSよりも車両10の後方であり、かつ、Y方向の一方側(例えば図14の図面下側である左側)に設けられる。本形態では、図14に示す車室12に含まれる左側ピラーに配置して設けられる。
右側二軸衝突検出センサRFS2は、車両10のX方向の加速度GRxおよびY方向の加速度GRyを計測し、それぞれ図2に示す右側衝突検出信号SRxおよび右側衝突検出信号SRyとして出力する。右側衝突検出信号SRx,SRyは、右側二軸衝突検出センサRFS2が第2センサであれば第2信号に相当し、第3センサであれば第3信号に相当する。この右側二軸衝突検出センサRFS2は、右側衝突検出センサRFSと同様に、中央衝突検出センサMFSよりも車両10の後方であり、かつ、Y方向の他方側(例えば図14の図面上側である右側)に設けられる。本形態では、図14に示す車室12に含まれる右側ピラーに配置して設けられる。
左側二軸衝突検出センサLFS2は加速度GLxを含む左側衝突検出信号SLxを出力し、右側二軸衝突検出センサRFS2は加速度GRxを含む右側衝突検出信号SRxを出力する。よって、車両用衝突判定装置20は基本的に実施の形態1と同様に作動する。
ただし、左側二軸衝突検出センサLFS2はさらに加速度GLyを含む左側衝突検出信号SLyを出力し、右側二軸衝突検出センサRFS2はさらに加速度GRyを含む右側衝突検出信号SRyを出力する。そこで衝突形態判定部22は、図5のステップS30でNOのときに、ステップS36に進んで「その他の衝突」と判定し、出力信号Soutを乗員保護装置30に出力する。乗員保護装置30は、その他の衝突に対応してエアバッグやシートベルト等を作動させる。
ステップS36における「その他の衝突」では、側面衝突を判定してもよい。例えば、左側衝突検出信号SLyに含まれる加速度GLyが左側衝突閾値Th_GLy以上であれば、左側側面への衝撃力が大きいので、「左側側面衝突」と判定する。乗員保護装置30は、左側側面衝突に対応してエアバッグやシートベルト等を作動させる。
一方、右側衝突検出信号SRyに含まれる加速度GRyが右側衝突閾値Th_GRy以上であれば、右側側面への衝撃力が大きいので、「右側側面衝突」と判定する。乗員保護装置30は、右側側面衝突に対応してエアバッグやシートベルト等を作動させる。
上述した実施の形態2によれば、上述した(1)〜(3)に示す作用効果のほかに、以下に示す各作用効果を得ることができる。
(4)図14に示すように、左側二軸衝突検出センサLFS2はX方向の加速度GLxとY方向の加速度GLyとを計測する二軸センサであり、右側二軸衝突検出センサRFS2はX方向の加速度GRxとY方向の加速度とを計測する二軸センサである構成とした。この構成によれば、加速度GLy,GRyの大きさを考慮することによって、左前方斜め衝突,左側オフセット衝突,正面衝突,右側オフセット衝突、右前方斜め衝突を的確に判定することができる。また、左前方斜め衝突,左側オフセット衝突,正面衝突,右側オフセット衝突、右前方斜め衝突のいずれにも該当しない場合には、「その他の衝突」として左側側面衝突や右側側面衝突を判定することもできる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について実施の形態1,2に従って説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
上述した実施の形態1,2では、図6,図7,図9,図10,図12に示すように、衝突対象物CTとして車両CT1を適用した。この形態に代えて、車両CT1以外であって、他の衝突対象物CTを適用してもよい。他の衝突対象物CTは、車両10と衝突し得る物体であれば任意である。例えば、図15に示す設置物CT2を適用してもよく、図16に示す構造物CT3を適用してもよい。設置物CT2は車両10が走行する道路や通路などに設けられる物体であり、例えば電柱,標識,信号機,ガードレールなどが該当する。構造物CT3は、車両10が走行可能な物体であり、例えば建築物や橋梁などが該当する。その他、車両10と衝突する対象となる物体であれば任意であり、例えば鉄道車両,航空機,船舶などが該当する。車両10が衝突し得る衝突対象物CTの相違に過ぎないので、実施の形態1,2と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態1,2では、図1,図14に示すように、中央衝突検出センサMFSを車室12内の前方側かつ中央部に設ける構成とした。この形態に代えて、衝突しても姿勢が変化し難い位置であれば、車室12内におけるどの位置に設けてもよい。左側衝突検出センサLFSや右側衝突検出センサRFSについても同様である。車両10が衝突対象物CTと衝突しても、センサの姿勢が変わらないので、正確な加速度を計測することができる。よって、実施の形態1,2と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態1では、図1に示すように、一軸センサとして中央衝突検出センサMFS,左側衝突検出センサLFS,右側衝突検出センサRFSを用いる構成とした。実施の形態2では、図14に示すように、二軸センサとして左側二軸衝突検出センサLFS2,右側二軸衝突検出センサRFS2を用いる構成とした。この形態に代えて、三軸以上の複数軸センサを用いてもよい。センサの軸数が相違するに過ぎないので、実施の形態1,2と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態2では、図14に示すように、左側衝突検出センサLFSに代えて左側二軸衝突検出センサLFS2を用い、右側衝突検出センサRFSに代えて右側二軸衝突検出センサRFS2を用いる構成とした。この形態に代えて、中央衝突検出センサMFSに代えて、図示を省略する中央二軸衝突検出センサMFS2を用いてもよい。中央二軸衝突検出センサMFS2は、車両10のX方向の加速度GxおよびY方向の加速度Gyを計測し、それぞれ中央衝突検出信号Sx,Syとして出力する。図6,図7に示す前方左側での衝突や、図9,図10に示す前方右側での衝突が発生すると、加速度Gyが大きい値になる。そのため、正面衝突、左前方斜め衝突または左側オフセット衝突、右側オフセット衝突または右前方斜め衝突のいずれであるのかを的確に判定できる。よって、実施の形態2と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態2では、図14に示すように、左側衝突検出センサLFSに代えて左側二軸衝突検出センサLFS2を用い、右側衝突検出センサRFSに代えて右側二軸衝突検出センサRFS2を用いる構成とした。この形態に代えて、左側衝突検出センサLFS,右側衝突検出センサRFSとともに、車両10の鉛直軸回りの回転角速度を計測するヨーレートセンサを用いる構成としてもよい。図6,図7に示す前方左側での衝突や、図9,図10に示す前方右側での衝突が発生すると、回転角速度が大きい値になる。そのため、正面衝突、左前方斜め衝突または左側オフセット衝突、右側オフセット衝突または右前方斜め衝突のいずれであるのかを的確に判定できる。よって、実施の形態2と同様の作用効果を得ることができる。
10 車両
11 前部コンパートメント
12 車室
20 車両用衝突判定装置
21 判定マップ作成部
22 衝突形態判定部
30 乗員保護装置
CT 衝突対象物
MFS 中央衝突検出センサ(第1センサ)
LFS 左側衝突検出センサ(第2センサ,第3センサ)
RFS 右側衝突検出センサ(第2センサ,第3センサ)

Claims (5)

  1. 車両(10)と衝突対象物(CT)との衝突形態を判定する車両用衝突判定装置(20)において、
    前記車両における前部コンパートメント(11)よりも後方かつ左右方向の中央部に設けられ、前記車両の衝突にかかる前後方向の加速度(Gx)を計測する第1センサ(MFS)と、
    前記第1センサよりも前記車両における後方かつ左右方向の一方側に設けられ、前記車両の衝突にかかる前後方向の加速度(GLx,GRx)を計測する第2センサ(LFS,RFS)と、
    前記第1センサよりも前記車両における後方かつ左右方向の他方側に設けられ、前記車両の衝突にかかる前後方向の加速度(GRx,GLx)を計測する第3センサ(RFS,LFS)と、
    前記第1センサから取得する信号である第1信号(Sx)と、前記第2センサから取得する信号である第2信号(SLx,SRx)と、前記第3センサから取得する信号である第3信号(SRx,SLx)とを用いて、前記車両と衝突対象物との衝突形態を判定する衝突形態判定部(22)とを有し、
    前記衝突形態判定部は、同時を含む所定期間(PT)内に取得している前記第1信号,前記第2信号および前記第3信号で検出されている加速度の大きさに基づいて、前記第1信号が第1閾値(Th_GX)を越えることを条件として、前記車両の前方側にかかる前記衝突形態を判定する車両用衝突判定装置。
  2. 前記第1センサは前記車両の車室(12)内に配置され、
    前記第2センサおよび前記第3センサは、前記車両における前後方向の中心線に対して左右対称に設けられ、かつ、前記第1センサよりも後方かつ前記車室内に配置される請求項1に記載の車両用衝突判定装置。
  3. 前記第1信号,前記第2信号,前記第3信号を含めてマップ(M1,M2,M3)を作成する判定マップ作成部(21)を有し、
    前記衝突形態判定部は、前記第3信号が第3閾値(Th_GLx2,Th_GRx2)を越えた時点における前記車両の速度(dv2)が、前記第2信号が第2閾値(Th_GLx1,Th_GRx1)を超えた時点における前記車両の速度(dv1)よりも大きければ、前記第2センサが設けられている側で斜め衝突またはオフセット衝突が発生したと判定する請求項1または2に記載の車両用衝突判定装置。
  4. 前記衝突形態は、左前方斜め衝突,左側オフセット衝突,正面衝突,右側オフセット衝突,右前方斜め衝突のいずれかである請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用衝突判定装置。
  5. 前記第1センサ,前記第2センサおよび前記第3センサのうちで一以上のセンサは、前記車両の衝突にかかる前後方向の加速度(GLx,GRx)と、前記車両の衝突にかかる左右方向の加速度(GLy,GRy)とを計測する二軸センサ(LFS2,RFS2)である請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用衝突判定装置。
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