JP2017104044A - 触媒活性の向上方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不斉開環反応における植物加工物の触媒活性を向上させる方法を提供すること。【解決手段】式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物を反応させて式(3)で表される化合物を得る反応を促進する植物加工物の触媒活性を向上させる方法であって、植物加工物を酵素処理する工程を含む、方法。【化1】(式中、Xは、−O−または−NR−であり、Rは、水素原子等であり、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子等であり、Yは、−O−、−NR6−または−S−であり、R5およびR6は、それぞれ独立に、水素原子等であり、ただし、式(2)で表される化合物は水または硫化水素ではない。)【選択図】なし

Description

本発明は、触媒活性の向上方法に関する。
式(Z)で表される化合物(以下、「化合物(Z)」ともいう。)は、連続する2つの炭素原子に、それぞれ酸素原子または窒素原子が結合した化合物であり、1分子中に少なくとも2つの不斉炭素を有するため、複数の光学異性体が存在する。光学活性な化合物(Z)は、医薬品または農薬の開発の分野において汎用される化学構造の1つであり、不斉反応で使用する遷移金属触媒のリガンドとしても使用できる。
Figure 2017104044

なお、式中、Xは−O−または−NR−を示し、Yは−O−、−NR−または−S−を示し、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または有機基を示し、アスタリスクはその炭素原子が不斉炭素であることを示す。
化合物(Z)は、具体的には、例えば、1,2−ジオール(XおよびYがともに−O−である場合)、1,2−アミノアルコール(Xが−O−かつYが−NH−である場合、または、Xが−NH−かつYが−O−である場合)、1,2−ジアミン(XおよびYがともに−NH−である場合)、1,2−メルカプトアルコール(Xが−O−かつYが−S−である場合)、1,2−メルカプトアミン(Xが−NH−かつYが−S−である場合)である。
現在までに、光学活性な化合物(Z)の製造方法について、多くの検討が行われている。なかでも、入手が容易なエポキシド構造またはアジリジン構造を有する化合物に求核剤を反応させ、立体選択的に開環することにより光学活性な化合物(Z)を得る方法は、原子効率が高く有用である。
例えば、エポキシド構造を有する化合物に求核剤を反応させて、光学活性な化合物(Z)を得る方法としては、(A)ラセミ体を光学分割する方法(例えば、特許文献1〜3、非特許文献1、2)、(B)他の位置に不斉炭素を導入し、生じたジアステレオマーを分離する方法(例えば、特許文献4、非特許文献3)、(C)光学活性な触媒の存在下でエポキシド構造を有する化合物と求核剤の不斉開環反応を行う方法(例えば、特許文献5、非特許文献4〜6)等がある。特に、(A)の方法としては、分割剤として光学活性な酸を用いる方法、光学活性な充填剤を利用したカラムクラマトグラフィーを用いて分離する方法、および動物または微生物に由来する酵素を利用する方法などが知られている。
また、アジリジン構造を有する化合物に求核剤を反応させて、化合物(Z)を得る方法としては、(D)ラセミ体を光学分割する方法(例えば、特許文献6)、(E)光学活性な触媒の存在下でアジリジン構造を有する化合物と求核剤の不斉開環反応を行う方法(例えば、非特許文献7,8)等がある。
特許第4406483号公報 特許第4406482号公報 米国特許第5981267号明細書 特開平9−157258号公報 特開2003−206266号公報 特開2011−83934号公報 特許第3331870号公報 特許第3018622号公報
Tetrahedron,56,9773−9779(2000) Synth.Commun.,29,1369−1377(1999) J.Med.Chem.41,38−45(1998) Tetrahedron:Asymmetry,9,1747−1752(1998) Bull.Chem.Soc.Jpn.,61,1213−1220(1988) Chemistry Letters,36,34−35(2007) Org.Biomol.Chem.,9,6205−6207(2011) J.Org.Chem.,68,5160−5167(2003) Biosci.Biotechnol.Biochem.60(12),2028−2031,1996 Biosci.Biotechnol.Biochem.65(10),2249−2258,2001 Biosci.Biotechnol.Biochem.66(5),1155−1158,2002 J.Agric.Food Chem.2004,52,5506−5512. J.Agric.Food Chem.2007,55,502−509. 食品工業,1994,71−76. 食品加工技術,Vol.19,No.4,1−8(1999). 日本食品科学工学会誌,第58巻,第11号,2011年11月,559−566. Jpn.J.Crop Sci.66(1),62−66(1997).
本発明者らは、式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」等ともいう。)と化合物(2)を植物加工物、特に水溶性大豆多糖類の存在下で反応させることにより、立体選択的かつ効率的に反応が進行し、化合物(Z)に対応する化合物(3)を得ることができることを見出した。
Figure 2017104044
これまでに水溶性大豆多糖類の成分分析及びその食品機能剤として応用に関する報告があるが、上述の触媒活性に関する報告はない(例えば、特許文献7〜8、非特許文献9〜17)。
本発明の目的は、上記反応における植物加工物の触媒活性を向上させる方法を提供することである。
本発明は、以下の[1]〜[12]を提供する。
[1] 式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物を反応させて式(3)で表される化合物を得る反応を促進する植物加工物の触媒活性を向上させる方法であって、
植物加工物を酵素処理する工程を含む、方法。
Figure 2017104044

(式中、Xは、−O−または−NR−であり、Rは、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基、置換基を有してもよいC6−10アリール基、置換基を有してもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基を有してもよいC6−10アリールカルボニル基、置換基を有してもよいC1−6アルキルスルホニル基またはC6−10アリールスルホニル基であり、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基または置換基を有してもよいC6−10アリール基であり、前記置換基が、C1−4アルキル基、C2−4アルケニル基、C2−4アルキニル基、C1−4アルコキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、オキソ基、ニトリル基、メルカプト基またはハロゲン原子であり、また、RおよびRが互いに結合して式(1b)で表される化合物となっていてもよく、Yは、−O−、−NR−または−S−であり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基または置換基を有してもよいC6−10アリール基であり、前記置換基が、C1−4アルコキシ基、C6−10アリール基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、オキソ基、ニトリル基、メルカプト基またはハロゲン原子であり、また、RおよびRが互いに結合して式(2a)で表される化合物となっていてもよく、ただし、式(2)で表される化合物は水または硫化水素ではない。)
Figure 2017104044

(式中、X、RおよびRは、上記定義と同一であり、Rは、RおよびRが互いに結合して形成される基を示す。)
Figure 2017104044

(式中、Rは、RおよびRが互いに結合して形成される基を示す。)
[2] 酵素処理が、植物加工物を、脂質分解酵素、タンパク質分解酵素、糖分解酵素及び糖転移酵素から選択される少なくとも1種の酵素で処理することを含む、[1]に記載の方法。
[3] 植物加工物が、水溶性大豆多糖類、柑橘類粉末、ニンジン粉末、ウコン粉末、緑茶粉末を含む、[1]又は[2]に記載の方法。
[4] 式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物を反応させて式(3)で表される化合物を得る反応を促進する触媒であって、
植物加工物を酵素処理して得られる組成物を含む、触媒。
Figure 2017104044

(式中、Xは、−O−または−NR−であり、Rは、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基、置換基を有してもよいC6−10アリール基、置換基を有してもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基を有してもよいC6−10アリールカルボニル基、置換基を有してもよいC1−6アルキルスルホニル基またはC6−10アリールスルホニル基であり、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基または置換基を有してもよいC6−10アリール基であり、前記置換基が、C1−4アルキル基、C2−4アルケニル基、C2−4アルキニル基、C1−4アルコキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、オキソ基、ニトリル基、メルカプト基またはハロゲン原子であり、また、RおよびRが互いに結合して式(1b)で表される化合物となっていてもよく、Yは、−O−、−NR−または−S−であり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基または置換基を有してもよいC6−10アリール基であり、前記置換基が、C1−4アルコキシ基、C6−10アリール基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、オキソ基、ニトリル基、メルカプト基またはハロゲン原子であり、また、RおよびRが互いに結合して式(2a)で表される化合物となっていてもよく、ただし、式(2)で表される化合物は水または硫化水素ではない。)
Figure 2017104044

(式中、X、RおよびRは、上記定義と同一であり、Rは、RおよびRが互いに結合して形成される基を示す。)
Figure 2017104044

(式中、Rは、RおよびRが互いに結合して形成される基を示す。)
[5] 酵素処理が、植物加工物を、脂質分解酵素、タンパク質分解酵素、糖分解酵素及び糖転移酵素から選択される少なくとも1種の酵素で処理することを含む、[4]に記載の触媒。
[6] 植物加工物が、水溶性大豆多糖類、柑橘類粉末、ニンジン粉末、ウコン粉末、緑茶粉末を含む、[4]又は[5]に記載の触媒。
[7] 植物加工物を酵素処理して得られる触媒の存在下、式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物を反応させる工程を含む、式(3)で表される化合物の製造方法。
Figure 2017104044

(式中、Xは、−O−または−NR−であり、Rは、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基、置換基を有してもよいC6−10アリール基、置換基を有してもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基を有してもよいC6−10アリールカルボニル基、置換基を有してもよいC1−6アルキルスルホニル基またはC6−10アリールスルホニル基であり、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基または置換基を有してもよいC6−10アリール基であり、前記置換基が、C1−4アルキル基、C2−4アルケニル基、C2−4アルキニル基、C1−4アルコキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、オキソ基、ニトリル基、メルカプト基またはハロゲン原子であり、また、RおよびRが互いに結合して式(1b)で表される化合物となっていてもよく、Yは、−O−、−NR−または−S−であり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基または置換基を有してもよいC6−10アリール基であり、前記置換基が、C1−4アルコキシ基、C6−10アリール基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、オキソ基、ニトリル基、メルカプト基またはハロゲン原子であり、また、RおよびRが互いに結合して式(2a)で表される化合物となっていてもよく、ただし、式(2)で表される化合物は水または硫化水素ではない。)
Figure 2017104044

(式中、X、RおよびRは、上記定義と同一であり、Rは、RおよびRが互いに結合して形成される基を示す。)
Figure 2017104044

(式中、Rは、RおよびRが互いに結合して形成される基を示す。)
[8] 酵素処理が、植物加工物を、脂質分解酵素、タンパク質分解酵素、糖分解酵素及び糖転移酵素から選択される少なくとも1種の酵素で処理することを含む、[7]に記載の方法。
[9] 植物加工物が、水溶性大豆多糖類、柑橘類粉末、ニンジン粉末、ウコン粉末、緑茶粉末を含む、[7]又は[8]に記載の方法。
[10] 式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物を反応させて式(3)で表される化合物を得る反応を促進するための、植物加工物を酵素処理して得られる組成物の使用。
Figure 2017104044

(式中、Xは、−O−または−NR−であり、Rは、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基、置換基を有してもよいC6−10アリール基、置換基を有してもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基を有してもよいC6−10アリールカルボニル基、置換基を有してもよいC1−6アルキルスルホニル基またはC6−10アリールスルホニル基であり、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基または置換基を有してもよいC6−10アリール基であり、前記置換基が、C1−4アルキル基、C2−4アルケニル基、C2−4アルキニル基、C1−4アルコキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、オキソ基、ニトリル基、メルカプト基またはハロゲン原子であり、また、RおよびRが互いに結合して式(1b)で表される化合物となっていてもよく、Yは、−O−、−NR−または−S−であり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基または置換基を有してもよいC6−10アリール基であり、前記置換基が、C1−4アルコキシ基、C6−10アリール基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、オキソ基、ニトリル基、メルカプト基またはハロゲン原子であり、また、RおよびRが互いに結合して式(2a)で表される化合物となっていてもよく、ただし、式(2)で表される化合物は水または硫化水素ではない。)
Figure 2017104044

(式中、X、RおよびRは、上記定義と同一であり、Rは、RおよびRが互いに結合して形成される基を示す。)
Figure 2017104044

(式中、Rは、RおよびRが互いに結合して形成される基を示す。)
[11] 酵素処理が、植物加工物を、脂質分解酵素、タンパク質分解酵素、糖分解酵素及び糖転移酵素から選択される少なくとも1種の酵素で処理することを含む、[10]に記載の使用。
[12] 植物加工物が、水溶性大豆多糖類、柑橘類粉末、ニンジン粉末、ウコン粉末、緑茶粉末を含む、[10]又は[11]に記載の使用。
本発明によれば、上記反応における植物加工物の触媒活性を向上させることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物を反応させて式(3)で表される化合物を得る反応は、以下に示すスキームにより表される不斉開環反応である。
Figure 2017104044
<式(1)で表される化合物(化合物(1))>
式(1)において、Xは、−O−または−NR−である。すなわち、化合物(1)は、エポキシド構造を有する化合物またはアジリジン構造を有する化合物を意味する。
Figure 2017104044
Rは、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基、置換基を有してもよいC6−10アリール基、置換基を有してもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基を有してもよいC6−10アリールカルボニル基、置換基を有してもよいC1−6アルキルスルホニル基またはC6−10アリールスルホニル基である。
また、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、C1−6アルキル基、C3−6シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C3−6シクロアルケニル基、C2−6アルキニル基またはC6−10アリール基である。
1−6アルキル基とは、炭素数1〜6のアルキル基を意味する。C1−6アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロパン−1−イル基、プロパン−2−イル基(イソプロピル基)、ブタン−1−イル基、ブタン−2−イル基、ペンタン−1−イル基、ペンタン−2−イル基、ペンタン−3−イル基、ヘキサン−1−イル基、ヘキサン−2−イル基および3−ヘキシル基が挙げられる。
3−6シクロアルキル基とは、炭素数3〜6のシクロアルキル基を意味する。C3−6シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
2−6アルケニル基とは、炭素数2〜6のアルケニル基を意味する。C2−6アルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペン−1−イル基、2−プロペン−1−イル基、プロペン−2−イル基、2−ブテン−1−イル基、2−ブテン−2−イル基、3−ブテン−1−イル基、2−ペンテン−1−イル基、3−ペンテン−1−イル基、2−ヘキセン−1−イル基、3−ヘキセン−1−イル基、4−ヘキセン−1−イル基および5−ヘキセン−1−イル基が挙げられる。
3−6シクロアルケニル基とは、炭素数3〜6のシクロアルケニル基を意味する。C3−6シクロアルケニル基としては、例えば、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基が挙げられる。
2−6アルキニル基とは、炭素数2〜6のアルキニル基を意味する。C2−6アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロパルギル基および3−ブチン−1−イル基が挙げられる。
6−10アリール基とは、炭素数6〜10のアリール基を意味する。C6−10アリール基としては、例えば、フェニル基およびナフチル基が挙げられる。
1−6アルキル基、C3−6シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C3−6シクロアルケニル基、C2−6アルキニル基およびC6−10アリール基は、それぞれ無置換であっても、置換基を有していてもよい。置換基としては、C1−4アルキル基、C2−4アルケニル基、C2−4アルキニル基、C1−4アルコキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、オキソ基、ニトリル基、メルカプト基またはハロゲン原子が挙げられる。C1−4アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基が挙げられる。
化合物(1)としては、例えば、Cis−2,3−エポキシブタンが挙げられる。
また、化合物(1)の代わりに、Xが−S−であるチイラン構造を有する化合物を用いてもよい。チイラン構造を有する化合物を用いた場合、1,2−メルカプトアミン、1,2−メルカプトアルコール、1,2−ジチオールを得ることができる。
また、化合物(1)は、化合物(1b)であってもよい。
Figure 2017104044

式中、X、RおよびRは、上記定義と同一であり、Rは、RおよびRが互いに結合して形成される基を示す。
式(1b)中、Xは、−O−または−NR−を示し、Rは、RおよびRが互いに結合して形成される基を示す。RおよびRが互いに結合して形成される基とは、RまたはRが置換基を有している場合、当該置換基を介して接続されるように結合してもよい。すなわち、Rは、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基、C2−6アルキニレン基およびC6−10アリーレン基だけでなく、RとRとが置換基を介して結合して形成される態様も包含する。
1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基、C2−6アルキニレン基およびC6−10アリーレン基とは、それぞれ式(1)で定義されたC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基およびC6−10アリール基からさらに水素原子を1つ除いてなる基である。
とRが置換基を介して結合して形成される態様とは、例えば、2−オキサプロピレン基(−CHOCH−)、3−オキサペンチレン基(−CHCHOCHCH−)、3−オキソペンチレン基(−CHCHC(=O)CHCH−)が挙げられる。
式(1b)で表される化合物の具体例としては、6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、8−オキサビシクロ[5.1.0]オクタンおよび3,6−ジオキサビシクロ[3.1.0]ヘキサンが挙げられる。
<式(2)で表される化合物(化合物(2))>
式(2)において、Yは、−O−、−NR−または−S−である。すなわち、化合物(2)は、アルコール、アミンまたはチオールを意味する。ただし、水および硫化水素は、化合物(2)の範囲から除かれる。
Figure 2017104044
また、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、C1−6アルキル基、C3−6シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C3−6シクロアルケニル基、C2−6アルキニル基またはC6−10アリール基である。
1−6アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロパン−1−イル基、プロパン−2−イル基(イソプロピル基)、ブタン−1−イル基、ブタン−2−イル基、ペンタン−1−イル基、ペンタン−2−イル基、ペンタン−3−イル基、ヘキサン−1−イル基、ヘキサン−2−イル基および3−ヘキシル基が挙げられる。
3−6シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
2−6アルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペン−1−イル基、2−プロペン−1−イル基、プロペン−2−イル基、2−ブテン−1−イル基、2−ブテン−2−イル基、3−ブテン−1−イル基、2−ペンテン−1−イル基、3−ペンテン−1−イル基、2−ヘキセン−1−イル基、3−ヘキセン−1−イル基、4−ヘキセン−1−イル基および5−ヘキセン−1−イル基が挙げられる。
3−6シクロアルケニル基としては、例えば、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基が挙げられる。
2−6アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロパルギル基および3−ブチン−1−イル基が挙げられる。
6−10アリール基としては、例えば、フェニル基およびナフチル基が挙げられる。
1−6アルキル基、C3−6シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C3−6シクロアルケニル基、C2−6アルキニル基およびC6−10アリール基は、それぞれ無置換であっても、置換基を有していてもよい。置換基としては、C1−4アルキル基、C2−4アルケニル基、C2−4アルキニル基、C6−10アリール基、C1−4アルコキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、オキソ基、ニトリル基、メルカプト基またはハロゲン原子が挙げられる。C1−4アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基およびブトキシ基が挙げられる。
化合物(2)の具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロパノール)、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、フェノール、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、2−プロピルアミン(イソプロピルアミン)、2−ペンチルアミン、3−ペンチルアミン、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、tert−ブチルアミン、アリルアミン、プロパルギルアミン、ベンジルアミン、2−フェニルエチルアミン、アニリン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、メタンチオール、エタンチオール、1−プロパンチオール、2−プロパンチオール、ブタンチオールが挙げられる。
また、化合物(2)は、化合物(2a)であってもよい。
Figure 2017104044

式中、Rは、RおよびRが互いに結合して形成される基を示す。
式(2a)中、Rは、RおよびRが互いに結合して形成される基を示す。RおよびRが互いに結合して形成される基とは、RまたはRが置換基を有している場合、当該置換基を介して接続されるように結合してもよい。すなわち、Rは、C1−6アルキレン基、C3−6シクロアルキレン基、C2−6アルケニレン基、C3−6シクロアルケニレン基、C2−6アルキニレン基およびC6−10アリーレン基だけでなく、RとRが置換基を介して結合して形成される態様も包含する。
1−6アルキレン基、C3−6シクロアルキレン基、C2−6アルケニレン基、C3−6シクロアルケニレン基、C2−6アルキニレン基およびC6−10アリーレン基とは、それぞれ式(2)で定義されたC1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基およびC6−10アリール基からさらに水素原子を1つ除いてなる基である。
とRが置換基を介して結合して形成される態様とは、例えば、2−オキサプロピレン基(−CHOCH−)、3−オキサペンチレン基(−CHCHOCHCH−)、3−オキソペンチレン基(−CHCHC(=O)CHCH−)が挙げられる。
化合物(2a)の具体例としては、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ホモピペラジン、チオモルホリンである。
<式(3)で表される化合物(化合物(3))>
化合物(3)とは、式(3)で表される化合物であり、式中、X、Y、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、上記定義と同一である。
Figure 2017104044
また、化合物(1)が化合物(1b)である場合、化合物(2)が化合物(2a)である場合を考慮すると、化合物(3)には化合物(3a)〜(3c)が包含される。
Figure 2017104044
化合物(3)の具体例としては、1,2−ジオール(XおよびYがともに−O−である場合)、1,2−アミノアルコール(Xが−O−かつYが−NH−である場合、または、Xが−NH−かつYが−O−である場合)、1,2−ジアミン(XおよびYがともに−NH−である場合)、1,2−メルカプトアルコール(Xが−O−かつYが−S−である場合)、1,2−メルカプトアミン(Xが−NH−かつYが−S−である場合)が挙げられる。
<植物加工物>
本明細書において、植物加工物とは、植物の一部を加工して得られる粉末または抽出物である。植物としては、例えば、食用植物である。
上記「食用植物」とは、ヒトがその一部を食べることができる植物として、一般的に知られた植物を意味する。食用植物としては、例えば、穀類、豆類、野菜、果物またはいも類に分類される植物であり、食用植物の一部とは、果実全体、果肉、果皮、茎、種子、胚芽、根、球根および葉から適宜選択することができる。食用植物としては、具体的には、マメ科(例えば、大豆、黒豆、赤インゲンマメ、エンドウマメ)、モクセイ科(例えば、オリーブ)、バショウ科(例えば、バナナ)、イネ科(例えば、小麦)、ウリ科(例えば、カボチャ)、ナス科(例えば、トマト、ジャガイモ)、ウルシ科(例えば、ピスタチオ、カシューナッツ)、ショウガ科(例えば、ウコン)、ツバキ科(例えば、茶)、ミカン科(例えば、ナツミカン、柚子、花柚子、ブンタン)、ヒガンバナ科(例えば、ニンニク)、セリ科(例えば、ニンジン)、アブラナ科(例えば、ダイコン)、ハス科(例えば、レンコン)、マタタビ科(例えば、キウイ)、バラ科(例えば、リンゴ)およびネギ科(例えば、ネギ)の植物が挙げられる。食用植物としては、マメ科(例えば、大豆、黒豆、赤インゲンマメ、エンドウマメ)、ツバキ科(例えば、茶)、セリ科(例えば、ニンジン)、マタタビ科(例えば、キウイ)およびユリ科(例えば、ネギ)からなる群から選択されることが好ましい。なお、ネギは、ネギ科として分類される場合もある。
上記「加工」とは、必要に応じて、乾燥する、加熱する、火であぶる、焙煎する、油であげる、発酵させる、不要な部位を除去する等の処理を行った後、粉末状になるまで粉砕すること、あるいは成分を抽出することを意味する。また、上記植物加工物には、食用植物のエキスを抽出した後、乾燥したものを粉砕して得られる粉末も包含される。したがって、上記茶は、緑茶であってもよく、紅茶であってもよい。また、上記大豆は、きな粉であってもよく、納豆であってもよい。
植物加工物は、粉末状または液状に加工された状態で市販されたものを使用してもよく、加工された状態で市販されたものを適宜粉末状に粉砕して使用してもよい。市販されたものとしては、きな粉、脱脂大豆粉(例えば、フジプロF(不二製油(株)製、商品名)、サンリッチF(昭和産業(株)製、商品名)、ソーヤフラワーFT−N(日清オイリオ(株)製、商品名)、エスサンミート特等(味の素(株)製、商品名)、豊年ソイプロ(J−オイルミルズ(株)製、商品名)、水溶性大豆多糖類(例えば、ソヤファイブS−DN(不二製油(株)製、商品名)等の大豆加工物を用いることが好ましく、きな粉、ソーヤフラワーFT−NまたはソヤファイブS−DNを用いることがより好ましい。
<不斉開環反応>
化合物(2)の量は、経済性、回収性を考慮した任意の量を用いることができる。このような量としては、例えば、化合物(1)のモル数に対して0.01〜100当量、好ましくは0.1〜10当量、更に好ましくは0.5〜2当量である。
植物加工物の量としては、経済性、回収性を考慮した任意の量を用いることができる。このような植物加工物の量としては、例えば、式(1)で表される化合物の質量に対して、質量比で0.01〜100倍量、好ましくは0.1〜10倍量、更に好ましくは1〜5倍量である。
不斉開環反応は、溶媒中で行ってもよい。溶媒中で行う場合は、化合物(1)および化合物(2)と反応しない溶媒であれば、通常、有機合成化学でよく知られた有機溶媒および水を使用することができる。このような有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類;ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、エチルtert−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。また、これらの溶媒は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合して用いる場合は、有機溶媒と水を混合して用いることが好ましく、回収性、安全性、経済性の面からトルエンまたはヘプタンと水との混合溶媒を用いることが特に好ましい。
不斉開環反応に使用できる溶媒の量は、単独溶媒、混合溶媒のいずれにおいても経済性を考慮した量で用いることができる。このような溶媒の量は、例えば、化合物(1)の質量に対して、容量比で0〜100倍量、好ましくは0.5〜50倍量、更に好ましくは2〜10倍量である。
不斉開環反応に使用できる水の含量は、触媒に対して水を質量比で0.05〜1倍量の範囲とすることができ、触媒に対して水を0.20〜0.50倍量の範囲であることが更に好ましい。このような範囲であれば、反応の変換率および生成物の光学純度がより向上する。
反応温度は−20℃〜100℃が好ましく、特に30℃〜50℃が好ましい。反応終了後、触媒をろ別することで、対応する化合物(3)を得ることができる。本発明の不斉開環反応を行う際に、ろ別によって回収された触媒を再利用することができる。
反応時間は、経済性を考慮した任意の変換率が得られる時間まで反応を行うことができる。このような反応時間としては、例えば、1〜500時間、好ましくは1〜100時間、更に好ましくは1〜48時間である。
次に、上述の不斉開環反応において、植物加工物の触媒活性を向上させる方法について、説明する。
植物加工物の触媒活性を向上させる方法は、植物加工物を酵素処理する工程を含む。
植物加工物を酵素処理する工程は、植物加工物に酵素を接触させることにより、酵素処理物を得る工程である。
酵素は、脂質分解酵素、タンパク質分解酵素、糖分解酵素及び糖転移酵素からなる群から選択される1種以上の酵素であることが好ましい。
脂質分解酵素は、脂質を加水分解する酵素(リパーゼ)であってもよく、リン脂質を加水分解する酵素(ホスホリパーゼ)であってもよい。好ましい脂質分解酵素はリパーゼである。
タンパク質分解酵素は、エンドペプチダーゼであってもよく、エキソペプチダーゼであってもよい。また、タンパク質分解酵素は、セリンプロテイナーゼ、チオールプロテイナーゼ、金属プロテイナーゼ、アスパラギン酸プロテイナーゼ、酸性プロテイナーゼ、中性プロテイナーゼ又はアルカリ性プロテイナーゼであってもよい。タンパク質分解酵素としては、例えば、ペプシン、トリプシン、α−キモトリプシン、サブチリシン、パパイン、エラスターゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼ等が挙げられる。タンパク質分解酵素は、レンネット等の酵素の混合物であってもよい。
糖分解酵素としては、例えば、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、マルターゼ、ラクターゼ、サッカラーゼ、ヘスペリジナーゼ、ガラクトシダーゼ等が挙げられる。
糖転移酵素としては、例えば、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ、グリコシルトランスフェラーゼ等が挙げられる。
酵素処理の温度は、使用する酵素が活性化される温度であればよく、例えば、0〜100℃である。酵素処理の時間は、実用性を考慮して、当業者が適宜設定することができ、例えば、0.1〜120時間である。
酵素処理は、緩衝液中で行ってもよい。pHを酵素反応に最適な範囲に維持できる緩衝液であれば、制限されない。緩衝液としては、ホウ酸緩衝液、トリス緩衝液、リン酸緩衝液が挙げられ、好ましくはリン酸緩衝液である。酵素処理に最適なpHの範囲は、使用する酵素の種類に合わせて設定すればよく、通常、1〜11である。
特定の時間、酵素処理した後、混合物中に残存する酵素を失活させて酵素処理物を得てもよい。酵素を失活させる手段としては、加熱する、酸を添加する、プロテイナーゼK等のタンパク質分解酵素を添加する等の手段がある。好ましい酵素の失活手段は、プロテイナーゼKを添加する方法である。
得られた酵素処理物は、そのまま不斉開環反応の触媒として使用してもよく、乾燥して固形物として保管した後に使用してもよい。
酵素処理物は植物加工物に比べて、上記不斉開環反応の触媒活性が向上するだけでなく、粘性がより低下する。酵素処理物は植物加工物に比べて、容器への付着がより少なく、ろ過性が向上し、不斉開環反応の後処理がより容易となる。
酵素を失活させた後、限外濾過膜などを用いて濾過精製を行ってもよい。濾過精製を行うことにより酵素処理物から不要物を除去することができ、単位重量あたりの触媒活性をより高めることができ、不斉開環反応中における触媒の分散性もより向上する。
また、酵素処理物は、さらにゲルろ過クロマトグラフィーで精製してもよい。ゲルろ過クロマトグラフィーによる精製は、例えば、示差屈折計で測定して得られるクロマトグラムにおいて、ピークが観測されたフラクションを回収する方法が挙げられる。ゲルろ過クロマトグラフィーで酵素処理物を精製することにより、単位重量あたりの触媒活性をさらに高めることができる。
本明細書において、「触媒活性が向上する」という語は、植物加工物をそのまま使用した場合と比較して、不斉開環反応の変換率が増加する、不斉開環反応の選択率が増加する、または、不斉開環反応の反応速度が増加するという意味で使用される。
以下、本発明を実施例、参考例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
合成した化合物は、テトラメチルシランを内部標準としたH−NMRおよび13C−NMRスペクトルにより、その構造式を決定した。データは、内部標準として用いたTMS(テトラメチルシラン)を0ppmとしたときの化学シフト値(δ)を記載した。また、水酸基およびアミノ基等の幅広いピークの場合は、記載していない。
明細書中で用いられる「変換率」とは、下記式に基づいて算出した値である。変換率の算出方法は、具体的には、次のとおりである。まず、植物加工物の存在下、化合物(1)と化合物(2)との反応を行った際の反応液を少量採取する。次に、ガスクロマトグラフィーを用いて採取した反応液を測定し、化合物(1)および化合物(3)の各ピーク面積を得る。得られた各ピーク面積から、有効炭素数法(ECN)によって化合物(1)と化合物(3)のモル比を算出し、下記式に基づいて算出した値である。なお、有効炭素数法(ECN)とは、例えば、Gas Chromatography,Academic Press,NewYork,1962,p207および分析化学便覧改訂5版(村田誠四郎、日本分析化学会編、丸善(株))に記載の方法である。例えば、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタンの有効炭素数は、5.00であり、2−シクロプロピルアミノ−1−シクロヘキサノールの有効炭素数は、7.50である。
変換率(%)=100×化合物(3)のモル数/(化合物(1)のモル数+化合物(3)のモル数)
光学純度は、鏡像体過剰率(%ee)を算出して記載した。測定条件は以下のとおりである。
「選択率(%ee)」は、特記しない限り、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて測定した後、ピーク面積の比から、下記式に基づいて計算した。すなわち、選択率が負の値の場合は、「短いGC保持時間のピーク面積」の値が「長いGC保持時間のピーク面積」の値より大きかったことを示す。なお、「選択率(R,R)%ee」と記載されている場合は、(R,R)体の選択率を示す。
選択率(%ee)=100×{(保持時間が長いピークのピーク面積)−(保持時間が短いピークのピーク面積)}/{(保持時間が長いピークのピーク面積)+(保持時間が短いピークのピーク面積)}
分析条件
(1)ガスクロマトグラフィー法
得られた化合物の分析条件は、表1に記載の条件で測定した。なお、全ての分析条件に共通する事項は、下記共通条件に記載のとおりである。
共通条件
キャリアガス:ヘリウム
検出器:水素炎イオン化検出器
圧力:94kPa
気化室温度:220℃
検出器温度:300℃
スプリット比: 1:150
注入量:0.5μL
サンプル前処理:試料約1mgをジクロロメタンに溶解し、塩化トリメチルシランとトリエチルアミンを加え撹拌し、不溶物をろ過した。
カラム:
BETADEX 120(長さ:30m、内径:0.25μm、Supelco社製)
CP−CHIRASIL−DEX CB(長さ:25m、内径:0.25mm、膜厚:0.25μm、VARIAN社製)
Figure 2017104044
(2)液体クロマトグラフィー法
得られた化合物の分析条件は、表2に記載の条件で測定した。なお、全ての分析条件に共通する事項は、下記共通条件に記載のとおりである。
共通条件
注入量:5μL
検出器:紫外吸光検出器(波長254nm)
カラム:
CHIRALCEL OB−H(4.6×250mm、株式会社ダイセル製)
CHIRALPAK AS−RH(4.6×150mm、株式会社ダイセル製)
CHIRALCEL OD−H(4.6×250mm、株式会社ダイセル製)
Figure 2017104044
分析の為のラセミ体合成と分析方法は、以下の参考例に示した。
参考例1 trans−2−(イソプロピルアミノ)シクロヘキサノール合成
50mLナスフラスコに7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン 1.45gとイソプロピルアミン0.87gを量りとり、メタノール8mLと水2mL、塩化リチウム0.13gを加え、50℃で48時間反応した。反応後、減圧下に濃縮し、粗体を得た。粗体は柴田科学社製ガラスチューブオーブンGTO−250RS(クーゲルロール)で減圧蒸留し、trans−2−(イソプロピルアミノ)シクロヘキサノールを1.26g得た。(外浴温度135−140℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.82−0.94(m,1H), 1.00(d,J=6.31Hz,3H), 1.06(d,J=6.31Hz,3H), 1.20−1.31(m,3H), 1.69−1.73(m,2H), 2.06−2.10(m,2H), 2.18−2.26(m,1H), 2.96(sep,J=6.31Hz,1H),3.09(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 22.79(CH3), 24.28(CH2), 24.73(CH3), 25.36(CH2), 31.29(CH2), 32.98(CH2), 45.05(CH), 60.64(CH), 73.87(CH)
分析条件A 保持時間 12.9分、13.2分
参考例2 trans−2−(シクロプロピルアミノ)シクロヘキサノール合成
イソプロピルアミンに代えて、シクロプロピルアミンを用いる他は全て参考例1と同様に操作した。得られた粗体はそのまま分析に用いた。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.19−0.55(m、4H),0.94−1.07(m,1H),1.18−1.30(m,3H),1.71−1.76(m,2H),2.00−2.06(m,1H),2.19−2.36(m,3H),3.06−3.14(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 5.69(CH2),7.22(CH2),24.19(CH2),24.85(CH2),27.50(CH),30.71(CH2),33.26(CH2),63.54(CH),72.94(CH)
分析条件B 保持時間 (S,S)体:26.9分、(R,R)体:27.4分
参考例3 trans−2−(プロピルアミノ)シクロヘキサンノール合成
イソプロピルアミンに代えて、プロピルアミンを用いる他は全て参考例1と同様に操作した。(外浴温度115−120℃、圧力0.2mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.90−0.99(m,4H),1.21−1.29(m,3H),1.42−1.55(m,2H),1.71−1.73(m,2H),2.02−2.22(m,3H),2.39−2.47(m,1H),2.70−2.79(m,1H),3.10−3.18(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 11.69(CH3),23.60(CH2),24.39(CH2),25.03(CH2),30.43(CH2),33.52(CH2),48.54(CH2),63.47(CH), 73.46(CH)
分析条件B 保持時間 20.0分、20.3分
参考例4 trans−2−(3−ペンチルアミノ)シクロヘキサノール合成
イソプロピルアミンに替えて、3−アミノペンタンを用いる他は全て参考例1と同様に操作した。(外浴温度150−155℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.83−0.94(m,7H),1.20−1.56(m,7H),1.69−1.73(m,2H),2.05−2.09(m,2H),2.14−2.22(m,1H),2.44−2.52(m,1H),3.02−3.10(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 8.99(CH3),10.26(CH3),24.28(CH2),25.40(CH2),26.19(CH2),26.89(CH2),31.41(CH2),32.89(CH2),56.76(CH),61.14(CH),74.12(CH)
分析条件B 保持時間 30.3分、31.3分
参考例5 trans−2−(tert−ブチルアミノ)シクロヘキサノール合成
イソプロピルアミンに代えて、tert−ブチルアミンを用いる他は全て参考例1と同様に操作した。(外浴温度100−105℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.90−1.19(m,1H),1.13(s,9H),1.24−1.32(m,3H),1.67−1.71(m,2H),1.98−2.07(m,2H),2.19−2.27(m,1H),2.89−2.97(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 24.47(CH2),25.88(CH2),30.63(CH3),32.64(CH2),34.88(CH2),50.68(C),58.13(CH),74.31(CH)
分析条件B 保持時間 15.6分、16.0分
参考例6 trans−2−(アリルアミノ)シクロヘキサノール合成
イソプロピルアミンに代えて、アリルアミンを用いる他は全て参考例1と同様に操作した。得られた粗体はそのまま分析に用いた。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.92−1.04(m,1H),1.19−1.31(m,3H),1.70−1.72(m,2H), 1.97−2.07(m,2H),2.24−2.32(m,1H),3.11−3.26(m,2H),3.36−3.42(m,1H),5.06−5.22(m,2H),5.84−5.97(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 24.28(CH2),24.71(CH2),30.07(CH2),33.62(CH2),49.17(CH2),62.65(CH),73.27(CH),115.61(CH2),136.85(CH)
分析条件A 保持時間 34.8分、35.2分
参考例7 trans−2−(プロパルギルアミノ)シクロヘキサノール合成
イソプロピルアミンに代えて、プロパルギルアミンを用いる他は全て参考例1と同様に操作した。得られた粗体はそのまま分析に用いた。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.92−1.05(m,1H),1.21−1.38(m,3H),1.68−1.73(m,2H),1.96−2.08(m,2H),2.24(t,J=2.40Hz,1H),2.40−2.48(m,1H),3.21−3.29(m,1H),3.47(dq,J1=16.82Hz,J2=2.40Hz,2H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 24.31(CH2),24.56(CH2),29.79(CH2),33.80(CH2),35.35(CH2),62.01(CH),71.30(C),73.61(CH),82.22(CH)
分析条件C 保持時間 47.1分、47.6分
参考例8 trans−2−(シクロペンチルアミノ)シクロヘキサノール合成
イソプロピルアミンに代えて、シクロペンチルアミンを用いる他は全て参考例1と同様に操作した。(外浴温度170−175℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.87−0.95(m,1H),1.20−1.38(m,5H),1.50−1.87(m,8H),2.01−2.22(m,3H),3.01−3.09(m,1H),3.19−3.27(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl3)δ 23.59(CH2),23.79(CH2),24.31(CH2),25.27(CH2),30.91(CH2),33.08(CH2),33.12(CH2),34.59(CH2),56.14(CH),61.86(CH),73.75(CH)
分析条件D 保持時間 24.7分、25.1分
参考例9 trans−2−(シクロヘキシルアミノ)シクロヘキサノール合成
イソプロピルアミンに代えて、シクロヘキシルアミンを用いる他は全て参考例1と同様に操作した。(外浴温度170−175℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.83−1.04(m,2H),1.08−1.36(m,7H),1.62−1.73(m,6H),1.90(d,J=12.32Hz,1H),1.97−2.08(m,2H),2.21−2.30(m,1H),2.51−2.60(m,1H),3.01−3.09(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl3) δ 24.29(CH2),24.56(CH2),25.06(CH2),25.29(CH2),26.00(CH2),31.47(CH2),33.04(CH2),33.50(CH2),35.19(CH2),53.18(CH),60.26(CH),73.77(CH)
分析条件E 保持時間 31.4分、31.9分
参考例10 trans−2−(ジメチルアミノ)シクロヘキサノール合成
イソプロピルアミンに代えて、ジメチルアミンを用いる他は全て参考例1と同様に操作した。(外浴温度70−75℃、圧力0.2mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.03−1.31(m,4H),1.69−1.78(m,3H),2.07−2.33(m,8H),3.27−3.35(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 20.16(CH2),23.97(CH2),25.14(CH2),33.05(CH2),39.98(CH3),69.11(CH),69.36(CH)
分析条件F 保持時間 46.5分、47.1分
参考例11 trans−2−(ジエチルアミノ)シクロヘキサノール合成
イソプロピルアミンに代えて、ジエチルアミンを用いる他は全て参考例1と同様に操作した。(外浴温度80−85℃、圧力0.2mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.04(t,J=6.91Hz,6H),1.13−1.31(m,4H),1.69−1.77(m,3H),2.10−2.14(m,1H),2.26−2.42(m,3H),2.57−2.69(m,2H),3.26−3.34(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 14.58(CH3),22.69(CH2),24.04(CH2),25.61(CH2),33.07(CH2),43.08(CH2),66.05(CH),68.89(CH)
分析条件G 保持時間 29.7分、30.6分
参考例12 trans−2−(1−ピロリジニル)シクロヘキサノール合成
イソプロピルアミンに代えて、ピロリジンを用いる他は全て参考例1と同様に操作した。(外浴温度100−105℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.17−1.27(m,4H),1.69−1.78(m,7H),2.05−2.15(m,1H),2.42−2.59(m,3H),2.64−2.71(m,2H),3.29−3.37(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 20.99(CH2),23.43(CH2),24.03(CH2),25.16(CH2),33.13(CH2),47.03(CH2),64.78(CH),70.51(CH)
分析条件H 保持時間 23.0分、23.2分
参考例13 trans−2−(1−ピペリジニル)シクロヘキサノール合成
イソプロピルアミンに代えて、ピペリジンを用いる他は全て参考例1と同様に操作した。(外浴温度105−115℃、圧力0.2mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.12−1.26(m,4H),1.43−1.79(m,9H),2.10−2.17(m,2H),2.31−2.34(m,2H),2.63−2.70(m,2H),3.31−3.39(m,2H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl3) δ 22.06(CH2),24.04(CH2),24.79(CH2),25.56(CH2),26.67(CH2),33.19(CH2),49.63(CH2),68.45(CH),70.93(CH)
分析条件H 保持時間 35.6分、35.8分
参考例14 trans−2−(フェニルアミノ)シクロヘキサノール合成
イソプロピルアミンに代えて、アニリンを用いる他は全て参考例1と同様に操作した。得られた粗体はそのまま分析に用いた。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.98−1.11(m,1H),1.24−1.47(m,3H),1.70−1.79(m,2H),2.10−2.14(m,2H),3.10−3.18(m,1H),3.31−3.39(m,1H),6.70−6.77(m,3H),7.15−7.25(m,2H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl3) δ 24.15(CH2),24.82(CH2),31.42(CH2),33.09(CH2),59.89(CH),74.25(CH),114.17(CH),118.07(CH),129.18(CH),147.73(C)
分析条件α 保持時間 27.5分、29.7分
参考例15 trans−2−(2−フェニルエチルアミノ)シクロヘキサノール合成
イソプロピルアミンに代えて、2−フェニルエチルアミンを用いる他は全て参考例1と同様に操作した。得られた粗体はそのまま分析に用いた。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.84−0.96(m,1H),1.18−1.32(m,3H),1.67−1.71(m,2H),1.99−2.07(m,2H),2.16−2.25(m,1H),2.70−2.86(m,3H),3.00−3.15(m,2H),7.18−7.32(m,5H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 24.29(CH2),25.15(CH2),30.55(CH2),33.25(CH2),37.01(CH2),47.89(CH2),63.55(CH),73.62(CH),126.06(CH),128.36(CH),128.63(CH),140.06(C)
分析条件α 保持時間 25.0分、35.0分
参考例16 trans−2−(ベンジルアミノ)シクロヘキサノール合成
イソプロピルアミンに代えて、ベンジルアミンを用いる他は全て参考例1と同様に操作した。(外浴温度175−180℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.91−1.05(m,1H),1.16−1.35(m,3H),1.71−1.74(m,2H),2.01−2.07(m,1H),2.15−2.21(m,1H),2.25−2.33(m,1H),3.16−3.24(m,1H),3.69(d,J=12.92Hz,1H),3.96(d,J=12.92Hz,1H),7.22−7.36(m,5H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 24.25(CH2),24.85(CH2),30.20(CH2),33.40(CH2),50.68(CH2),62.89(CH),73.41(CH),126.81(CH),127.96(CH),128.25(CH),140.32(C)
分析条件α 保持時間 16.9分、26.9分
参考例17 trans−2−(3−エトキシプロピルアミノ)シクロヘキサノール合成
イソプロピルアミンに代えて、3−エトキシプロピルアミンを用いる他は全て参考例1と同様に操作した。得られた粗体は、そのまま分析に用いた。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.91−1.03(m,1H),1.15−1.30(m,6H),1.70−1.79(m,4H),1.99−2.09(m,2H),2.17−2.25(m,1H),2.52−2.61(m,1H),2.82−2.91(m,1H),3.14−3.22(m,1H),3.43−3.51(m,4H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 14.98(CH3),24.26(CH2),24.86(CH2),30.21(CH2),30.33(CH2),33.42(CH2),43.90(CH2),63.35(CH),65.98(CH2),68.80(CH2),73.27(CH)
分析条件AA 保持時間 25.6分、25.8分
参考例18 trans−2−(イソプロピルアミノ)シクロペンタノール合成
エポキシドとして6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサンを用いる他は参考例1同様に操作した。(外浴温度95−100℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.05−1.10(m、6H),1.21−1.31(m、1H),1.48−1.78(m、3H),1.88−2.08(m、2H),2.67−2.95(m、2H),3.78−3.85(m、1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 20.03(CH2),22.44(CH3),23.85(CH3),30.41(CH2),32.18(CH2),47.03(CH),63.90(CH),77.78(CH)
分析条件I 保持時間 14.3分、14.7分
参考例19 trans−2−(シクロプロピルアミノ)シクロペンタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、シクロプロピルアミン用いる他は全て参考例18と同様に操作した。(外浴温度105−110℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.31−0.52(m,4H),1.27−1.40(m,1H),1.48−1.79(m,3H),1.88−1.99(m,1H),2.03−2.19(m,2H),2.90−2.97(m,1H),3.85(q,J=6.31Hz,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 5.89(CH2),6.46(CH2),20.08(CH2),29.30(CH),30.13(CH2),32.12(CH2),66.95(CH),77.21(CH)
分析条件J 保持時間 15.5分、15.7分
参考例20 trans−2−(プロピルアミノ)シクロペンタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、プロピルアミン用いる他は全て参考例18と同様に操作した。(外浴温度100−105℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.71(t,J=7.51Hz,3H),1.22−1.35(m,1H),1.45−1.78(m,5H),1.88−2.11(m,2H),2.50−2.66(m,2H),2.78−2.86(m,1H),3.85(q,J=6.61Hz,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 11.66(CH3),20.15(CH2),23.22(CH2),29.93(CH2),32.53(CH2),50.41(CH2),66.57(CH),77.43(CH)
分析条件K 保持時間 17.3分、17.6分
参考例21 trans−2−(アリルアミノ)シクロペンタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、アリルアミン用いる他は全て参考例18と同様に操作した。得られた粗体はそのまま分析に用いた。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.23−1.36(m,1H),1.48−1.78(m,3H),1.89−2.06(m,2H),2.82−2.90(m,1H),3.18−3.34(m,4H),3.83−3.89(m,1H),5.10(d,J=10.21Hz,1H),5.18(dd,J1=17.12Hz,J2=1.50Hz,1H),5.85−5.98(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 20.02(CH2),29.67(CH2),32.38(CH2),50.87(CH2),65.81(CH),77.31(CH),115.97(CH2),136.31(CH)
分析条件L 保持時間 32.9分、34.0分
参考例22 trans−2−(プロパルギルアミノ)シクロペンタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、プロパルギルアミン用いる他は全て参考例18と同様に操作した。得られた粗体はそのまま分析に用いた。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.25−1.37(m,1H),1.51−1.81(m,3H),1.89−2.07(m,2H),2.27−2.29(m,1H),3.01−3.08(m,1H),3.35−3.54(m,2H),3.89(q,J=6.31Hz,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 20.12(CH2),29.39(CH2),32.48(CH2),36.57(CH2),64.97(CH),71.50(C),77.53(CH),81.89(CH)
分析条件M 保持時間 40.1分、41.9分
参考例23 trans−2−(シクロペンチルアミノ)シクロペンタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、シクロペンチルアミン用いる他は全て参考例18と同様に操作した。(外浴温度165−170℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.22−1.36(m,3H),1.47−1.77(m,7H),1.82−2.06(m,4H),2.82−2.89(m,1H),3.11(quin,J=7.21Hz,1H),3.81(q,J=6.91Hz,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 19.83(CH2),23.57(CH2),23.66(CH2),29.98(CH2),32.10(CH2),32.63(CH2),33.65(CH2),58.34(CH),65.01(CH),77.25(CH)
分析条件N 保持時間 24.3分、24.5分
参考例24 trans−2−(1−ピロリジニル)シクロペンタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、ピロリジン用いる他は全て参考例18と同様に操作した。(外浴温度125−130℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.46−1.83(m,8H),1.86−2.00(m,2H),2.41−2.48(m,1H),2.59−2.61(m,4H),4.06−4.12(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 21.34(CH2),22.96(CH2),29.70(CH2),34.51(CH2),52.46(CH2),73.19(CH),76.28(CH)
分析条件O 保持時間 19.9分、20.3分
参考例25 trans−2−(1−ピペリジニル)シクロペンタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、ピペリジン用いる他は全て参考例18と同様に操作した。(外浴温度125−130℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.41−1.75(m,10H),1.80−1.97(m,2H),2.48−2.56(m,5H),4.10−4.16(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 21.71(CH2),24.29(CH2),25.76(CH2),26.92(CH2),34.36(CH2),52.14(CH2),74.38(CH),75.17(CH)
分析条件N 保持時間 23.1分、23.4分
参考例26 trans−2−(フェニルアミノ)シクロペンタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、アニリン用いる他は全て参考例18と同様に操作した。(外浴温度160−165℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.29−1.38(m,1H),1.41−2.02(m,4H),2.16−2.28(m,1H),3.52−3.58(m,1H),3.96−4.01(m,1H),6.62−6.73(m,3H),7.09−7.21(m,2H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 20.84(CH2),30.97(CH2),32.61(CH2),61.93(CH),77.97(CH),113.30(CH),117.42(CH),129.17(CH),147.64(C)
分析条件P 保持時間 51.3分、51.6分
参考例27 trans−2−(2−フェニルエチルアミノ)シクロペンタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、2−フェニルエチルアミン用いる他は全て参考例18と同様に操作した。(外浴温度160−165℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.18−1.31(m,1H),1.47−1.76(m,3H),1.86−2.04(m,2H),2.72−2.96(m,5H),3.82(q,J=6.31Hz,1H),7.18−7.30(m,5H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 20.24(CH2),30.02(CH2),32.63(CH2),36.32(CH2),49.63(CH2),66.50(CH),77.61(CH),126.07(CH),128.36(CH),128.54(CH),139.69(C)
分析条件α 保持時間 13.6分、18.3分
参考例28 trans−2−(ベンジルアミノ)シクロペンタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、ベンジルアミン用いる他は全て参考例18と同様に操作した。(外浴温度160−165℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.23−1.36(m,1H),1.43−1.57(m,1H),1.59−1.75(m,2H),1.84−2.04(m,2H),2.81−2.88(m,1H),3.66−3.85(m,3H),7.20−7.32(m,5H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 20.22(CH2),29.96(CH2),32.46(CH2),52.45(CH2),66.03(CH),77.69(CH),126.88(CH),128.07(CH),128.30(CH),140.04(C)
分析条件β 保持時間 33.2分、34.9分
参考例29 trans−2−(3−エトキシプロピルアミノ)シクロペンタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、3−エトキシプロピルアミン用いる他は全て参考例18と同様に操作した。得られた粗体は、そのまま分析に用いた。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.19(t,J=6.91Hz,3H),1.26−1.36(m,1H),1.48−1.81(m,5H),1.89−2.07(m,2H),2.64−2.86(m,3H),3.35−3.51(m,4H),3.83−3.89(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 15.01(CH3),20.18(CH2),29.90(CH2),29.99(CH2),32.48(CH2),45.91(CH2),66.02(CH2),66.04(CH),68.98(CH2),77.42(CH)
分析条件γ 保持時間 23.6分、24.7分
参考例30 trans−4−(イソプロピルアミノ)−3−テトラヒドロフラン−3−オール合成
エポキシドとして3,6−ジオキサビシクロ[3.1.0]ヘキサンを用いる他は参考例1同様に操作した。(外浴温度120−125℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.08(d,J=6.31Hz,3H),1.08(d,J=6.31Hz,3H),2.86(sep,J=6.31Hz,1H),3.23−3.26(m,1H),3.55(dd,J1=9.01Hz,J2=3.91Hz,1H),3.62−3.66(m,1H),3.98(dd,J1=9.61Hz,J2=5.11Hz,1H),4.05(dd,J1=9.31Hz,J2=5.71Hz,1H),4.11−4.15(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 22.46(CH3),23.11(CH3),46.70(CH),63.73(CH),72.17(CH2),73.63(CH2),76.33(CH)
分析条件γ 保持時間 25.5分、25.7分
参考例31 trans−4−(シクロプロピルアミノ)テトラヒドロフラン−3−オール合成
イソプロピルアミンに代えて、シクロプロピルアミンを用いる他は全て参考例30と同様に操作した。得られた粗体はそのまま分析に用いた。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.41−0.53(m,4H), 2.12−2.19(m,1H), 3.27−3.31(m,1H), 3.61−3.68(m,2H), 3.97(dd,J1=9.61Hz,J2=4.81Hz,1H),4.06(dd,J1=9.01Hz,J2=5.41Hz,1H), 4.21(q,J=2.40Hz,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 6.18(CH2),6.35(CH2),28.93(CH),66.57(CH),71.90(CH2),73.62(CH2),75.59(CH)
分析条件γ 保持時間 26.2分、28.2分
参考例32 trans−4−(プロピルアミノ)テトラヒドロフラン−3−オール合成
イソプロピルアミンに代えて、プロピルアミンを用いる他は全て参考例30と同様に操作した。(外浴温度150−155℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.93(t,J=7.21Hz,3H),1.50(sext,J=7.21Hz,2H),2.58(t,J=7.21Hz,2H),3.13−3.15(m,1H),3.58(dd,J1=9.31Hz,J2=3.60Hz,1H),3.65(dd,J1=9.61Hz,J2=2.70Hz,1H),3.99(dd,J1=9.61Hz,J2=4.81Hz,1H),4.05(dd,J1=9.31Hz,J2=5.71Hz,1H),4.13−4.14(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 11.54(CH3),23.02(CH2),49.96(CH2),66.52(CH),71.96(CH2),73.80(CH2),75.98(CH)
分析条件Q 保持時間 18.3分、18.9分
参考例33 trans−4−(アリルアミノ)テトラヒドロフラン−3−オール合成
イソプロピルアミンに代えて、アリルアミンを用いる他は全て参考例30と同様に操作した。得られた粗体はそのまま分析に用いた。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 3.17−3.27(m,3H),3.56−3.68(m,2H),3.95−4.05(m,2H),4.10−4.16(m,1H)5.11−5.23(m,2H),5.81−5.95(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 50.39(CH2),65.59(CH),71.78(CH2),73.70(CH2),75.86(CH),116.58(CH2),135.67(CH)
分析条件R 保持時間 20.3分、20.7分
参考例34 trans−4−(プロパルギルアミノ)テトラヒドロフラン−3−オール合成
イソプロピルアミンに代えて、プロパルギルアミンを用いる他は全て参考例30と同様に操作した。得られた粗体はそのまま分析に用いた。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 2.31(s,1H),3.37−3.52(m,3H),3.57−3.72(m,2H),3.97−4.18(m,3H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 36.28(CH2),64.88(CH),71.94(CH2),72.07(C),73.87(CH2),75.97(CH),81.48(CH)
分析条件S 保持時間 24.5分、25.1分
参考例35 trans−4−(シクロペンチルアミノ)テトラヒドロフラン−3−オール合成
イソプロピルアミンに代えて、シクロペンチルアミンを用いる他は全て参考例30と同様に操作した。(外浴温度170−175℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.22−1.36(m,2H),1.53−1.74(m,4H),1.87−1.90(m,2H),3.06−3.22(m,2H),3.56(dd,J1=9.01Hz,J2=3.91Hz,1H),3.65(dd,J1=9.61Hz,J2=2.70Hz,1H),3.95−4.15(m,3H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 23.67(CH2),33.00(CH2),33.38(CH2),58.13(CH),65.27(CH),72.33(CH2),73.73(CH2),76.37(CH)
分析条件γ 保持時間 28.5分、28.7分
参考例36 trans−4−(ジエチルアミノ)テトラヒドロフラン−3−オール合成
イソプロピルアミンに代えて、ジエチルアミンを用いる他は全て参考例30と同様に操作した。(外浴温度115−120℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.05(t,J=7.21Hz.6H),2.62(q,J=7.21Hz,4H),3.21(dt,J1=6.61Hz,J2=3.00Hz,1H),3.61−3.69(m,2H),3.93−4.03(m,2H),4.27−4.32(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 11.55(CH3),43.97(CH2),69.59(CH2),70.33(CH),74.48(CH),74.76(CH2)
分析条件T 保持時間 15.8分、16.1分
参考例37 trans−4−(1−ピペリジニル)テトラヒドロフラン−3−オール合成
イソプロピルアミンに代えて、ピペリジンを用いる他は全て参考例30と同様に操作した。(外浴温度150−155℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.47(d,J=4.81Hz,2H),1.56−1.63(m,4H),2.34−2.40(m,2H),2.54−2.57(m,2H),2.81(dt,J1=6.61Hz,J2=2.70Hz,1H),3.66−3.71(m,2H),3.95(dd,J1=9.61Hz,J2=5.71Hz,1H),4.02(dd,J1=9.01Hz,J2=7.21Hz,1H),4.32−4.36(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 23.99(CH2),25.48(CH2),52.39(CH2),69.63(CH2),74.11(CH),74.95(CH),75.13(CH2)
分析条件U 保持時間 16.6分、17.0分
参考例38 trans−4−(フェニルアミノ)テトラヒドロフラン−3−オール合成
イソプロピルアミンに代えて、アニリンを用いる他は全て参考例30と同様に操作した。(外浴温度195−200℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDOD) δ 3.66−3.78(m,3H),3.95(dd,J1=9.61Hz,J2=3.91Hz,1H),4.16−4.21(m,2H),6.60−6.68(m,3H),7.08−7.13(m,2H)
13C−NMR(75.45MHz,CDOD) δ 62.66(CH),72.96(CH2),74.95(CH2),76.52(CH),114.11(CH),118.24(CH),130.07(CH),148.72(C)
分析条件V 保持時間 50.8分、51.2分
参考例39 trans−4−(2−フェニルエチルアミノ)テトラヒドロフラン−3−オール合成
イソプロピルアミンに代えて、2−フェニルエチルアミンを用いる他は全て参考例30と同様に操作した。(外浴温度190−195℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 2.76−2.90(m,4H),3.15(s,1H),3.51(dd,J1=9.01Hz,J2=3.30Hz,1H),3.63(dd,J1=9.61Hz,J2=1.80Hz,1H),3.93(dd,J1=9.61Hz,J2=4.81Hz,1H),4.00−4.08(m,2H),7.17−7.31(m,5H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 36.17(CH2),49.28(CH2),66.56(CH),72.17(CH2),73.92(CH2),76.28(CH),126.27(CH),128.47(CH),128.53(CH),139.34(C)
分析条件γ 保持時間 29.2分、29.4分
参考例40 trans−4−(ベンジルアミノ)テトラヒドロフラン−3−オール合成
イソプロピルアミンに代えて、ベンジルアミンを用いる他は全て参考例30と同様に操作した。(外浴温度185−190℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 3.15(s,1H),3.54(dd,J1=9.31Hz,J2=3.30Hz,1H),3.62(dd,J1=9.61Hz,J2=1.80Hz,1H),3.74(s,2H),3.94(dd,J1=9.61Hz,J2=4.51Hz,1H),4.00(dd,J1=9.31Hz,J2=5.71Hz,1H),4.08−4.10(m,1H),7.22−7.34(m,5H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 52.03(CH2),65.82(CH),72.08(CH2),73.82(CH2),76.18(CH),127.15(CH),128.07(CH),128.42(CH),139.37(C)
分析条件γ 保持時間 29.1分、29.3分
参考例41 trans−4−(3−エトキシプロピルアミノ)テトラヒドロフラン−3−オール合成
イソプロピルアミンに代えて、3−エトキシプロピルアミンを用いる他は全て参考例30と同様に操作した。得られた粗体は、そのまま分析に用いた。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.19(t,J=6.91Hz,3H),1.76(quin,J=6.61Hz,2H),2.69−2.73(m,2H),3.13−3.17(m,1H),3.46−3.51(m,4H),3.57(dd,J1=9.01Hz,J2=3.30Hz,1H),3.66(dd,J1=9.61Hz,J2=2.40Hz,1H),3.98(dd,J1=9.61Hz,J2=4.81Hz,1H),4.06(dd,J1=9.01Hz,J2=5.41Hz,1H),4.14(quin,J=2.40Hz,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 14.98(CH3),29.78(CH2),45.74(CH2),66.05(CH2),66.55(CH),68.89(CH2),72.08(CH2),73.84(CH2),75.91(CH)
分析条件ζ 保持時間 7.3分、9.1分
参考例42 trans−2−(イソプロピルアミノ)シクロヘプタノール合成
エポキシドとして8−オキサビシクロ[5.1.0]オクタンを用いる他は参考例1同様に操作した。得られた粗体は、そのまま分析に用いた。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.02(d,J=6.01Hz,3H),1.06(d,J=6.01Hz,3H),1.36−1.72(m,8H),1.88−2.05(m,2H),2.23−2.31(m,1H),2.94(sep,J=6.01Hz,1H),3.08−3.14(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 22.35(CH3),22.56(CH2),24.07(CH3),24.38(CH2),26.50(CH2),30.69(CH2),32.96(CH2),45.56(CH),62.52(CH),75.09(CH)
分析条件W 保持時間 9.4分、9.5分
参考例43 trans−2−(シクロプロピルアミノ)シクロヘプタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、シクロプロピルアミンを用いる他は全て参考例42と同様に操作した。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.22−0.56(m,4H),1.21−1.32(m,1H),1.39−1.71(m,7H),1.89−1.99(m,1H),2.07−2.14(m,1H),2.21−2.28(m,1H),2.33−2.41(m,1H),3.06−3.16(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 6.20(CH2),7.13(CH2),22.03(CH2),23.71(CH2),26.55(CH2),27.62(CH), 29.90(CH2),32.75(CH2),65.76(CH),74.90(CH)
分析条件γ 保持時間 25.8分、30.8分
参考例44 trans−2−(2−フェニルエチルアミノ)シクロヘプタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、2−フェニルエチルアミンを用いる他は全て参考例42と同様に操作した。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.09−1.20(m,1H),1.33−1.67(m,7H),1.83−1.98(m,2H),2.24(dt,J1=9.31Hz,J2=2.70Hz,1H),2.67−3.07(m,5H),3.13−3.20(m,1H),7.15−7.29(m,5H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 21.95(CH2),23.80(CH2),26.52(CH2),29.27(CH2),33.25(CH2),36.55(CH2),47.99(CH2),65.39(CH),74.96(CH),125.83(CH),128.11(CH),128.34(CH),139.65(C)
分析条件β 保持時間 9.7分、12.4分
参考例45 trans−2−(ベンジルアミノ)シクロヘプタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、ベンジルアミンを用いる他は全て参考例42と同様に操作した。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.17−1.30(m,1H), 1.34−1.72(m,7H), 1.89−2.02(m,2H), 2.32(dt,J1=9.31Hz,J2=3.00Hz,1H), 3.19−3.26(m,1H),3.64(d,J=12.62Hz,1H),3.90(d,J=12.62Hz,1H), 7.19−7.30(m,5H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 22.00(CH2),23.80(CH2),26.65(CH2),29.11(CH2),33.31(CH2),50.88(CH2),64.90(CH),75.22(CH),126.81(CH),127.97(CH),128.19(CH),139.89(C)
分析条件β 保持時間 8.1分、10.1分
参考例46 trans−2−(プロパルギルアミノ)シクロヘプタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、プロパルギルアミンを用いる他は全て参考例42と同様に操作した。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.20−1.31(m,1H),1.34−1.74(m,7H),1.81−1.98(m,2H),2.21−2.26(m,1H),2.44−2.52(m,1H),3.26−3.33(m,1H),3.38−3.55(m,2H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 22.00(CH2),23.54(CH2),26.76(CH2),28.63(CH2),33.69(CH2),35.65(CH2),64.42(CH),71.10(C),75.41(CH),82.03(CH)
分析条件X 保持時間 22.0分、22.3分
参考例47 trans−2−(シクロペンチルアミノ)シクロヘプタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、シクロペンチルアミンを用いる他は全て参考例42と同様に操作した。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.10−2.05(m,18H),2.23(dt,J1=9.31Hz,J2=3.00Hz,1H),3.07−3.14(m,1H),3.22(quin,J=6.01Hz,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 22.28(CH2),23.47(CH2),23.69(CH2),24.03(CH2),26.49(CH2),30.15(CH2),32.77(CH2),33.03(CH2),34.26(CH2),56.33(CH),63.63(CH),75.09(CH)
分析条件Y 保持時間 21.0分、21.2分
参考例48 trans−2−(ジエチルアミノ)シクロヘプタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、ジエチルアミンを用いる他は全て参考例42と同様に操作した。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.09(t,J=7.21Hz,6H),1.19−1.78(m,9H),2.01−2.09(m,1H),2.34−2.52(m,3H),2.64−2.76(m,2H),3.38−3.45(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 14.08(CH3),22.00(CH2),22.47(CH2),24.74(CH2),26.90(CH2),33.52(CH2),43.59(CH2),67.37(CH),71.27(CH)
分析条件C 保持時間 21.0分、21.2分
参考例49 trans−2−(1−ピペリジニル)シクロヘプタノール合成
イソプロピルアミンに代えて、ピペリジンを用いる他は全て参考例42と同様に操作した。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.14−1.26(m,1H),1.30−1.83(m,14H),2.01−2.08(m,1H),2.14−2.21(m,1H),2.31−2.33(m,2H),2.60−2.67(m,2H),3.33−3.41(m,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 21.46(CH2),21.67(CH2),24.02(CH2),24.40(CH2),26.22(CH2),26.44(CH2),33.03(CH2),48.96(CH2),70.60(CH),71.88(CH)
分析条件Z 保持時間 21.0分、21.2分
参考例50 trans−2−アミノシクロヘキサノール
trans−2−アミノシクロヘキサン−1−オールは、シグマアルドリッチ社製のものをそのまま用いた。
分析条件A 保持時間 (S,S)体:18.3分、(R,R)体:18.7分
参考例51 trans−3−シクロプロピルアミノ−2−ブタノール
Cis−2,3−エポキシブタンとシクロプロピルアミンを用いる他は、参考例1と同様に操作した。得られた粗体は、そのまま分析に用いた。(外浴温度135−140℃、圧力0.1mmHg)
分析条件G 保持時間 11.0分、11.3分
参考例52 trans−2−(2−プロピルチオ)シクロヘキサノール
50mLナスフラスコに7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン 2.00gと2−プロパンチオール1.70mLを量りとり、メタノール8mLと水2mL、トリエチルアミン2.84mLを加え、50℃で20時間反応した。反応後、減圧下に濃縮し、残渣3.12g得た。残渣1.00gを柴田科学社製ガラスチューブオーブンGTO−250RS(クーゲルロール)で減圧蒸留し、trans−2−(2−プロピルチオ)シクロヘキサン−1−オールを0.77g得た。(外浴温度140−150℃、圧力0.1mmHg)
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.20−1.51(m,4H),1.29(d,J=6.61Hz,3H),1.30(d,J=6.61Hz,3H),1.68−1.79(m,2H),2.07−2.15(m,2H),2.38−2.46(m,1H),3.03(sep.,J=6.61Hz,1H),3.26(dt,J1=4.51Hz,J2=9.91Hz,1H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 24.24(CH3),24.31(CH2),24.39(CH3),26.23(CH2),33.67(CH2),34.05(CH2),35.08(CH),53.58(CH),72.56(CH)
分析条件AB 保持時間 17.6分,18.8分
参考例53 7−トシル−7−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン
温度計、攪拌子を設置した50mL四つ口フラスコに2−アミノシクロヘキサノール1.00g、THF15mL,トリエチルアミン1.81mLを加え、氷冷し、内温3℃で塩化トシル1.74gを加えた。この時内温は10℃まで上昇した。氷冷下で30分、室温(26℃)で30分攪拌した後、水20mL、トルエン20mLを加えて分液し、トルエン層を水10mLで2回洗浄した。洗浄後のトルエン層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで減圧濃縮した。得られたオイルを真空ポンプで乾燥しtrans−N−トシル−2−アミノシクロヘキサノール(結晶)を2.27g得た。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.10−1.30(m,4H),1.53−1.76(m,3H),2.00−2.04(m,1H),2.43(s,3H),2.65(d,J=3.30Hz,1H),2.80−2.90(m,1H),3.26−3.35(m,1H),4.96(d,J=6.91Hz,1H),7.32(d,J=8.11Hz,1H),7.80(d,J=8.11Hz,1H)
温度計、攪拌子、塩化カルシウム管を設置した50mL四つ口フラスコにtrans−N−トシル−2−アミノシクロヘキサノール2.17g、トリフェニルホスフィン2.75g、THF22mLを加え、氷冷し、内温2℃でアゾジカルボン酸ジイソプロピル(90.0+%)2.17gを滴下ロートを用いて10分かけて滴下した。このとき内温は5℃まで上昇した。氷冷下で80分、室温(26℃)で60分攪拌した後、水20mL、酢酸エチル30mLを加えて分液し、酢酸エチル層をロータリーエバポレーターで減圧濃縮し、残渣7.21gを得た。残渣をシリカゲル140g、展開溶媒トルエン:酢酸エチル=5:1を用いてカラムクロマトグラフィーを行い、7−トシル−7−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン1.33gを得た。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 1.15−1.27(m,2H),1.35−1.44(m,2H),1.79(t,J=5.11Hz,4H),2.44(s,3H),2.97−2.98(m,2H),7.32(d,J=8.11Hz,2H),7.82(d,J=8.11Hz,2H)
参考例54 trans−N−トシル−(2−(2−フェニルエチルアミノ)シクロヘキシルアミン)
イソプロピルアミンに代えて、2−フェニルエチルアミンを、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタンに代えて、7−トシル−7−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタンを用いる他はすべて参考例1と同様に操作した。得られた粗体はそのまま分析に用いた。
H−NMR(300.4MHz,CDCl) δ 0.83−0.94(m,1H),1.06−1.25(m,3H),1.57−1.63(m,2H),1.97−2.07(m,2H),2.16−2.24(m,1H),2.38(s,3H),2.54−2.69(m,4H),2.78−2.87(m,1H),7.13−7.30(m,7H),7.70(d,J=8.11Hz,2H)
13C−NMR(75.45MHz,CDCl) δ 21.27(CH3),24.23(CH2),24.42(CH2),30.89(CH2),32.32(CH2),36.43(CH2),46.90(CH2),57.07(CH),60.11(CH),125.92(CH),126.97(CH),128.22(CH),128.39(CH),129.35(CH),137.09(C),139.68(C),142.89(C)
分析条件θ 保持時間:37.2分、40.6分
<植物加工物調製例>
植物加工物は、以下のようにして入手した。
脱脂大豆粉、ペクチン(柑橘類由来)、水溶性大豆多糖類、カボチャ、レンコン、ジャガイモ、ニンジン、小麦胚芽、ウコンは、粉末状に加工されたものを入手した。
キウイ、ブンタン、ナツミカン、花柚子、ニンニク、大豆、ネギ、ピスタチオ、カシューナッツ、茶(紅茶、緑茶)、赤インゲンマメ、エンドウマメなど加工していない植物片は、必要に応じて加温されたデシケーターで乾燥し、約5gを小型粉砕器“粉砕くん”(柴田化学器械工業社製、SCM−40A)にて30秒間粉砕した後、ヘキサン50mLを加えて分散させ、ヘキサンを除去した後、得られた粉末を減圧下乾燥した。
<参考例55〜81>
5mLの試験管に、表3に記載の植物加工物100mgを量りとり、トルエン0.4mL、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン48mg、シクロプロピルアミン34mg、水17mgを加えた。密閉し、37℃の温浴で16時間振とうした。反応後、触媒をろ過し、GCにて変換率と選択率を測定した。なお、カボチャとして「パンプキンパウダー」(こだま食品製)、ジャガイモとして「マッシュポテト」(三木食品製)、ニンジンとして「キャロットパウダー」(こだま食品製)、トマトとして「トマトパウダー」(こだま食品製)、ダイコンとして「乾燥大根おろし」(こだま食品製)、レンコンとして「れんこんパウダー」(こだま食品製)を粉末状に粉砕して使用した。また、ピスタチオは、脱脂した後に粉砕したものを使用した。
Figure 2017104044

Figure 2017104044

*:ペクチンとして、「ペクチン(柑橘類由来)」(関東化学製、Cat No.32536−32)を使用した。
結果を表3に示した。参考例55〜81では、立体選択的に化合物(3)が得られた。特に、参考例55、56、65および67は、変換率、立体選択性ともに優れていた。
参考例82〜101
5mLの試験管に、表4に記載の植物加工物100mgを量りとり、トルエン0.4mL、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン48mg、イソプロピルアミン29mg、水17mgを加えた。密閉し、40℃の温浴で6日間振とうした。反応後、触媒をろ過し、GCにて変換率と選択率を測定した。なお、カボチャとして「パンプキンパウダー」(こだま食品製)、ジャガイモとして「マッシュポテト」(三木食品製)、ニンジンとして「キャロットパウダー」(こだま食品製)、トマトとして「トマトパウダー」(こだま食品製)、ダイコンとして「乾燥大根おろし」(こだま食品製)、レンコンとして「れんこんパウダー」(こだま食品製)を粉末状に粉砕して使用し、ピスタチオは、脱脂した後に粉砕したものを使用した。
Figure 2017104044

Figure 2017104044
結果を表4に示した。実施例82〜101では、立体選択的に化合物(3)が得られた。特に、参考例82〜85,87,93,97および100は、変換率、立体選択性ともに優れていた。
参考例102〜117
5mLの試験管に、水溶性大豆多糖類(ソヤファイブS―DN)100mgを量りとり、トルエン0.4mL、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン48mg、表5に記載の化合物(2)1.2当量、水17mgを加えた。密閉し、40℃の温浴で6日間振とうした。反応後、触媒をろ過し、GCにて変換率と選択率を測定した。
Figure 2017104044
結果を表5に示した。参考例102〜117では、立体選択的に化合物(3)が収率よく得られた。
参考例118〜130
5mLの試験管に、ニンジン100mgを量りとり、トルエン0.4mL、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン48mg、表6に記載の化合物(2)1.2当量、水17mgを加えた。密閉し、40℃の温浴で6日間振とうした。反応後、触媒をろ過し、GCにて変換率と選択率を測定した。
Figure 2017104044
結果を表6に示した。参考例118〜130では、立体選択的に化合物(3)が得られた。特に、参考例123および129は、変換率、立体選択性ともに優れていた。
参考例131〜142
5mLの試験管に、水溶性大豆多糖類(ソヤファイブS―DN)100mgを量りとり、トルエン0.4mL、6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン41mg、表7に記載の化合物(2)1.2当量、水17mgを加えた。密閉し、40℃の温浴で6日間振とうした。反応後、触媒をろ過し、GCにて変換率と選択率を測定した。
Figure 2017104044
結果を表7に示した。参考例131〜142は全て、立体選択性、収率ともに優れていた。
参考例143〜154
5mLの試験管に、水溶性大豆多糖類(ソヤファイブS―DN)100mgを量りとり、トルエン0.4mL、3,6−ジオキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン42mg、表8に記載の化合物(2)1.2当量、水17mgを加えた。密閉し、40℃の温浴で6日間振とうした。反応後、触媒をろ過し、GCにて変換率と選択率を測定した。
Figure 2017104044
結果を表8に示した。参考例143〜154は全て、立体選択性、収率ともに優れていた。
参考例155〜162
5mLの試験管に、水溶性大豆多糖類(ソヤファイブS−DN)100mgを量りとり、トルエン0.4mL、8−オキサビシクロ[5.1.0]オクタン41mg、表9に記載の化合物(2)1.2当量、水17mgを加えた。密閉し、40℃の温浴で6日間振とうした。反応後、触媒をろ過し、GCにて変換率と選択率を測定した。
Figure 2017104044
結果を表9に示した。参考例155〜162は全て、立体選択的に化合物(3)を与えた。特に、実施例107は、変換率、立体選択性ともに優れていた。
参考例163
5mLの試験管に、水溶性大豆多糖類(ソヤファイブS−DN)1.1gを量りとり、トルエン2.87mL、Cis−2,3−エポキシブタン41mg、シクロプロピルアミン1.2当量、水390mgを加えた。密閉し、40℃の温浴で6日間振とうした。反応後、触媒をろ過し、GCにて変換率と選択率を測定した。その結果、変換率55%、選択率4%eeであった。
参考例164〜168
攪拌機、温度計を装着した1L四つ口フラスコに、大豆加工物70.0g、トルエン198mL、水28.0mL、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン35.0gおよびシクロプロピルアミン24.4gを加え、窒素雰囲気下にて、40℃で撹拌した。各実施例で使用した大豆加工物および反応時間を表1に示した。反応液を少量採取し、ガスクロマトグラフィーを用いて、所定の反応時間における変換率および選択率を算出した。
Figure 2017104044
結果を表10に示した。参考例164〜168は全て、立体選択的に化合物(3)を与えた。特に、参考例166〜168は、変換率、立体選択性ともに優れていた。
参考例169
5mLの試験管に、水溶性大豆多糖類(ソヤファイブS−DN)100mgを量りとり、トルエン0.4mL、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン100mg、2−プロパンチオール109mg、水17mgを加えた。密閉し、50℃の温浴で5日間振とうした。反応後、触媒をろ過し、GCにて変換率と選択率を測定した。その結果、変換率7%、選択率72%eeであった。
参考例170
5mLの試験管に、水溶性大豆多糖類(ソヤファイブS−DN)100mgを量りとり、トルエン0.4mL、7−トシル−7−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン100mg、2−フェニルエチルアミン58mg、水17mgを加えた。密閉し、50℃の温浴で5日間振とうした。反応後、触媒をろ過し、ろ液を濃縮し、trans−N−トシル(2−(2−フェニルエチルアミノ)シクロヘキシルアミン)の粗体120mgを得た。粗収率81%、選択率4%eeであった。
参考例171 (1R,2R)−2−(シクロプロピルアミノ)シクロヘキサノールの合成
攪拌機、温度計を装着した1L四つ口フラスコに、ソヤファイブS−DN70.0g、トルエン198mL、水28.0mL、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン35.0gおよびシクロプロピルアミン24.4gを加え、窒素雰囲気下にて、40℃で26時間撹拌した。ソヤファイブS−DNを、ヌッチェを用いてろ別し、トルエン140mLで洗浄した。得られたろ液を減圧下にて濃縮し、粗生成物として(1R,2R)−2−(シクロプロピルアミノ)シクロヘキサノール58.4g(含量51.0g、64%ee、収率92%)を得た。ここで、含量は、粗生成物のH−NMRスペクトルを測定し、2−(シクロプロピルアミノ)シクロヘキサノールとトルエンとのプロトンの積分比を用いて、粗生成物の質量を基に算出した値である。
攪拌機、温度計を装着した5L四つ口フラスコに、得られた粗生成物の(1R,2R)−2−(シクロプロピルアミノ)シクロヘキサノール317.5g(含量272.4g、64%ee)とイソプロパノール2724mLを加え、40℃に昇温した後、フマル酸61.1gと種晶A10mg、活性炭(精製白鷺(日本エンバイロケミカルズ社、商品名))27.2gを加え、30分間静置した。このとき、種晶Aには、ラセミ体の2−シクロプロピルアミノシクロヘキサノールフマル酸塩を用いた。室温まで冷却し、さらに60分間静置した後に、析出したラセミ体の2−(シクロプロピルアミノ)シクロヘキサノールフマル酸塩の結晶および活性炭を、ヌッチェを用いてろ別し、イソプロパノール272mLで結晶を洗浄した。得られたろ液をロータリーエバポレーターで減圧下、濃縮した。得られた(1R,2R)−2−(シクロプロピルアミノ)シクロヘキサノールにトルエン1498mL、水34.5mLおよび水酸化カリウム40.3gを加えて、フリー体に変換し、トルエン層を分離した。得られたトルエン層を水68mLで3回洗浄し、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下にて濃縮し、固形物154.1g(含量135.6g)を得た。攪拌機、温度計を装着した1L四つ口フラスコに、当該固形物154.1g(含量135.6g)とヘプタン407mLを加え、内温25℃に調整し、種晶B135mgを加え、30分間かけて静置した。このとき、種晶Bには、(1R,2R)−2−(シクロプロピルアミノ)シクロヘキサノールを用いた。さらに、内温10〜15℃で60分間、0℃で60分間静置した後、析出した結晶をろ取した。得られた結晶を0℃のヘプタン68mLで洗浄し、室温で減圧乾燥し、白色の(1R,2R)−2−(シクロプロピルアミノ)シクロヘキサノールの一次晶103.0g(100%ee)を得た。ろ液はロータリーエバポレーターで減圧下にて濃縮し、一次晶を得た時と同様の操作で二次晶11.0g(100%ee)を得た。粗生成物の(1R,2R)−2−(シクロプロピルアミノ)シクロヘキサノールから、一次晶および二次晶を合わせた(1R,2R)−2−(シクロプロピルアミノ)シクロヘキサノールの結晶を得る工程の収率は42%であった。
参考例172 光学活性trans−2−(イソプロピルアミノ)シクロヘキサノールの合成
攪拌機、温度計を装着した1L四つ口フラスコに、ソヤファイブS−DN14.4g、ヘプタン36mL、水4.3mL、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン12gおよびイソプロピルアミン8.7gを加え、窒素雰囲気下にて、40℃で49時間撹拌した。ソヤファイブS−DNを、ヌッチェを用いてろ別し、ヘプタン50mLで洗浄した。得られたろ液を減圧下にて濃縮し、再び36mLのヘプタンに溶解し、生じた結晶をろ過した。結晶を5mLのヘプタンで洗浄し、母液を濃縮して、光学活性trans−2−(イソプロピルアミノ)シクロヘキサノール11g(保持時間の長い異性体 82%ee)を得た。
参考例173 光学活性trans−2−(プロパルギルアミノ)シクロヘキサノールの合成
攪拌機、温度計を装着した50mL四つ口フラスコに、ソヤファイブS−DN1.2g、ヘプタン3mL、水0.36mL、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン0.858gおよびプロパルギルアミン0.407gを加え、窒素雰囲気下にて、40℃で6日間撹拌した。トルエン3mLを加え攪拌し、ソヤファイブS−DNを、ヌッチェを用いてろ別し、トルエン3mLで洗浄した。得られたろ液を減圧下にて濃縮し、粗生成物として光学活性trans−2−(プロパルギルアミノ)シクロヘキサノール1.19g(45%ee、収率91%)を得た。
攪拌機、温度計を装着した50mL四つ口フラスコに、得られた粗生成物の光学活性trans−2−(プロパルギルアミノ)シクロヘキサノール1.19g(45%ee)とエタノール12mLを加え、40℃に昇温した後、フマル酸0.595gと種晶10mgを加え、30分間静置した。このとき、種晶には、ラセミ体のtrans−2−(プロパルギルアミノ)シクロヘキサノールフマル酸塩を用いた。室温まで冷却し、さらに60分間静置した後に、析出したラセミ体のtrans−2−(プロパルギルアミノ)シクロヘキサノールフマル酸塩の結晶を、ヌッチェを用いてろ別し、エタノール1mLで結晶を洗浄した。得られたろ液をロータリーエバポレーターで減圧下、濃縮した。得られた光学活性trans−2−(プロパルギルアミノ)シクロヘキサノールにトルエン10mL、水1mLおよび水酸化カリウム0.480gを加えて、フリー体に変換し、トルエン層を分離した。得られたトルエン層を水1mLで3回洗浄し、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下にて濃縮し、光学活性trans−2−(プロパルギルアミノ)シクロヘキサノール0.440g(90%ee)を得た。この時の通算収率は31%であった。
実施例1 触媒S−G1の調製
水溶性大豆多糖類(ソヤファイブS―DN(商品名)、不二製油株式会社製、以下、「植物加工物S−O」と略す)が25mg/mL、コンチザイム(天野エンザイム株式会社製)が50mg/mL、リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)が25mMの濃度になるように調製した溶液100mLを用意し、37℃で18時間、振盪反応させた。植物加工物S−Oを消化するのに使用した酵素を分解する為にプロテイナーゼ K(株式会社キアゲン製)を1mL添加し37℃で2時間以上振盪反応させ、溶液(触媒S−G1−G)を得た。
触媒S−G1−Gを分画分子量100kDaの孔径の限外濾過膜(VIVASPIN 20、ザルトリウス・ジャパン株式会社)を用いて、取り扱い説明書に従い脱塩・精製を行い、精製液(触媒S−G1)を得た。
実施例2 触媒S−G2の調製
コンチザイムが50mg/mLである代わりに、コンチザイムが50mg/mLであり、かつラクターゼF「アマノ」(天野エンザイム株式会社製)が5mg/mLになるように添加した以外は、触媒S−G1と同様な方法で、触媒S−G2を得た。
実施例3 触媒S−G3の調製
コンチザイムが50mg/mLである代わりに、コンチザイムが50mg/mLであり、ラクターゼF「アマノ」が5mg/mLであり、かつ可溶性ヘスペリジナーゼ<タナベ>(田辺製薬株式会社製)が5mg/mLになるように添加した以外は、触媒S−G2と同様な方法で、触媒S−G3を得た。
実施例4 触媒S−G4の調製
コンチザイムが50mg/mLである代わりに、コンチザイムが50mg/mLであり、ラクターゼF「アマノ」が5mg/mLであり、可溶性ヘスペリジナーゼ<タナベ>が5mg/mLであり、かつラクセルDJ(洛東化成工業株式会社製)が5mg/mLになるように添加した以外は、触媒S−G2の調製方法と同様な方法で、触媒S−G4を得た。
実施例5 触媒S−G5の調製
コンチザイムが50mg/mLである代わりに、コンチザイムが50mg/mLであり、ラクターゼF「アマノ」が5mg/mLであり、可溶性ヘスペリジナーゼ<タナベ>が5mg/mLであり、ラクセルDJが5mg/mLであり、かつパンセラーゼBR(ヤクルト薬品工業株式会社製)が5mg/mLになるように添加した以外は、触媒S−G2の調製方法と同様な方法で、触媒S−G5を得た。
実施例6 触媒S−L1の調製
コンチザイムが50mg/mLである代わりに、リパーゼA「アマノ」6(天野エンザイム株式会社製)が5mg/mLになるように添加した以外は、触媒S−G2の調製方法と同様な方法で、触媒S−L1を得た。
実施例7 触媒S−P1の調製
コンチザイムが50mg/mLである代わりに、プロレザー(天野エンザイム株式会社製)が5mg/mLになるように添加した以外は、触媒S−G2の調製方法と同様な方法で、触媒S−P1を得た。
実施例8 触媒S−P2の調製
コンチザイムが50mg/mLの代わりに、プロレザーが5mg/mLであり、かつプロレザーFG−F(天野エンザイム株式会社製)が5mg/mLになるように添加した以外は、触媒S−G2の調製方法と同様な方法で、触媒S−P2を得た。
試験例1 触媒活性の測定
植物加工物S−O、触媒S−G1−G、触媒S−G1、触媒S−G2、触媒S−G3、触媒S−G4、触媒S−G5、触媒S−L1、触媒S−P1及び触媒S−P2の糖濃度を測定した。糖濃度の測定はフェノール−硫酸法(生物工学,2012年,第90巻,790ページ)で行い、標準物質としてマルトースを用いた。
糖濃度を測定した後、各触媒を凍結乾燥し、粉末化した。糖含量が25mgになるように粉末化触媒をガラスバイアルにいれ、そこへトルエン 0.4mL、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン 48mg、シクロプロピルアミン 34mg、水 5mg、飽和食塩水 10mgを加えた。ガラスバイアルを密閉し、37℃の温浴で16時間振とうした。16時間経過後、触媒をろ過し、ガスクロマトグラフィー(GC)分析を行った。クロマトグラムのピーク面積に基づき、trans−2−(シクロプロピルアミノ)シクロヘキサノールへの変換率と選択率を算出した。
GC分析は以下の条件で行った。
機器:GC−2010 Plus(商品名、株式会社島津製作所製)
移動相:ヘリウム
圧力:94kPa
検出器:水素炎イオン化検出器
気化室温度:220℃
検出器温度:300℃
スプリット比:1:150
注入量:0.5μL
カラム:BETADEX120(長さ:30m、内径:0.25μm、Supelco社製)
カラム温度:130℃
植物加工物S−Oを触媒として用いた場合の変換率は46%、選択率は67%であった。植物加工物S−Oの変換率に対する各触媒の変換率の値を相対活性値として算出した。表11に示すとおり、各触媒の触媒活性は、植物加工物S−Oに対して向上した。
Figure 2017104044
実施例9 ゲルろ過クロマトグラフィーによる精製1
15mLの触媒S−L1を1N酢酸を用いてpH5に調整した溶液をカラムにアプライし、初めに溶出した液10mLをフラクションNo.1とした。フラクションNo.31−No.33を混合して、触媒S−L1−Cを得た。また、フラクションNo.34−No.36を混合して、触媒S−L1−Dを得た。
なお、ゲルろ過クロマトグラフィーによる精製は、以下の条件で行った。
カラム:Sephacryl S−400 HR(GEヘルスケア・ジャパン株式会社製、直径:2.4cm、高さ:96cm)
溶出溶媒:50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)
温度:室温
1フラクションあたりの容積:10mL
実施例10 ゲルろ過クロマトグラフィーによる精製2
15mLの触媒S−G5を1N酢酸でpH5に調整し、実施例9と同様な方法でゲルろ過によるサイズ分画を行った。フラクションNo.31−No.33を混合して、触媒S−G5−Iを得た。
実施例11 ゲルろ過クロマトグラフィーによる精製3
15mLの触媒S−P2を1N酢酸でpH5に調整し、実施例9と同様な方法でゲルろ過によるサイズ分画を行った。フラクションNo.35−No.37を混合して、触媒S−P2−Tを得た。
試験例2 触媒活性の測定
試験例1と同様の方法で、触媒S−L1−C、触媒S−L1−D、触媒S−G5−I及び触媒S−P2−Tを用いた場合の変換率をそれぞれ算出した。また、対応する植物加工物S−Oを用いた場合の変換率に対する各触媒を用いた変換率の値(相対活性値)をそれぞれ算出し、表12に示した。表12に示すとおり、各触媒の触媒活性は、植物粉末S−Oに対して向上した。
Figure 2017104044
実施例12 触媒P−L1の調製
柑橘類由来成分(ペクチン(商品名)、関東化学株式会社製、以下、「植物加工物P−O」と略す)が2.5mg/mL、リパーゼA「アマノ」6が5mg/mL、リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)が25mMの濃度になるように調製した溶液50mLを用意し、37℃で18時間、振盪反応させた。植物加工物S−Oを消化するのに使用した酵素を分解する為にプロテイナーゼ K(株式会社キアゲン製)を1mL添加し、37℃で2時間以上振盪反応させた。分画分子量30kDaの孔径の限外濾過膜(VIVASPIN 20、ザルトリウス・ジャパン株式会社)を用いて、取り扱い説明書に従い脱塩・精製を行い、精製液(触媒P−L1)を得た。
実施例13 触媒C−L1の調製
植物加工物P−Oの代わりにニンジン由来成分(キャロットパウダー(商品名)、こだま食品株式会社製、以下、「植物加工物C−O」と略す)を用いた以外は、触媒P−L1の調製と同様な方法で、触媒C−L1を得た。
実施例14 触媒U−L1の調製
植物加工物P−Oの代わりにウコン由来成分(有機ウコン末(商品名)、日本粉末薬品株式会社製、以下、「植物加工物U−O」と略す)を用いた以外は、触媒P−L1の調製と同様な方法で、触媒U−L1を得た。
実施例15 触媒T−L1の調製
植物加工物P−Oの代わりに緑茶由来成分(粉末緑茶Eライフ(商品名)、株式会社三香園商店製、以下、「植物加工物T−O」と略す)を用いた以外は、触媒T−L1の調製と同様な方法で、触媒U−L1を得た。
実施例16 触媒C−P2の調製
リパーゼA「アマノ」6の代わりにプロレザーが5mg/mLであり、プロレザーFG−Fが5mg/mLになるように添加した以外は、触媒C−L1と同様な方法により、触媒C−P2を得た。
試験例3 触媒活性の測定
反応時間を16時間から48時間に変更した以外は実施例2と同様な方法により、植物加工物P−O、植物加工物C−O、植物加工物U−O、植物加工物T−O、触媒P−L1、触媒C−L1、触媒U−L1、触媒T−L1及び触媒C−P2を用いて反応を行い、trans−2−(シクロプロピルアミノ)シクロヘキサノールへの変換率と選択率を算出した。
各触媒を用いた反応における変換率を表13に示した。植物加工物を酵素処理することにより触媒活性の向上が見られた。
さらに、選択率に関しては、植物加工物T−Oを用いた場合は40%eeであるのに対し、触媒T−L1を用いた場合は60%eeであり、著しい選択率向上が見られた。
Figure 2017104044
試験例4 触媒活性の測定
植物加工物S−O、植物加工物C−O、植物加工物P−O、触媒S−L1−C、触媒S−L1−D、触媒S−P2−T、触媒C−L1、触媒C−P2、触媒P−L1及び触媒T−L1の糖濃度を測定した。糖濃度の測定はフェノール−硫酸法(生物工学,2012年,第90巻,790ページ)で行い、標準物質としてマルトースを用いた。
糖濃度を測定した後、各触媒を凍結乾燥し、粉末化した。糖含量が12.5mgになるように粉末化触媒をガラスバイアルにいれ、そこへトルエン 0.4mL、7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン 48mg、イソプロピルアミン 34mg、水 5mg、飽和食塩水 10mgを加えた。ガラスバイアルを密閉し、37℃の温浴で60時間振とうした。60時間経過後、触媒をろ過し、試験例1と同様な方法によりガスクロマトグラフィー(GC)分析を行った。クロマトグラムのピーク面積に基づき、trans−2−(イソプロピルアミノ)シクロヘキサノールへの変換率と選択率を算出した。
植物加工物S−O、植物加工物C−O及び植物加工物P−Oの変換率はそれぞれ、47%、3%及び6%であった。対応する植物加工物を用いた場合の変換率に対する各触媒を用いた変換率の値(相対活性値)をそれぞれ算出し、表14〜16に示した。各触媒は、酵素処理を行うことにより、触媒活性が向上した。
さらに、植物加工物T−Oの選択率を測定した。植物加工物T−Oは6%であるのに対し、触媒T−L1は23%eeであり、著しい選択率向上が見られた。
Figure 2017104044
Figure 2017104044
Figure 2017104044

Claims (6)

  1. 式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物を反応させて式(3)で表される化合物を得る反応を促進する植物加工物の触媒活性を向上させる方法であって、
    植物加工物を酵素処理する工程を含む、方法。
    Figure 2017104044

    (式中、Xは、−O−または−NR−であり、Rは、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基、置換基を有してもよいC6−10アリール基、置換基を有してもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基を有してもよいC6−10アリールカルボニル基、置換基を有してもよいC1−6アルキルスルホニル基またはC6−10アリールスルホニル基であり、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基または置換基を有してもよいC6−10アリール基であり、前記置換基が、C1−4アルキル基、C2−4アルケニル基、C2−4アルキニル基、C1−4アルコキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、オキソ基、ニトリル基、メルカプト基またはハロゲン原子であり、また、RおよびRが互いに結合して式(1b)で表される化合物となっていてもよく、Yは、−O−、−NR−または−S−であり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基または置換基を有してもよいC6−10アリール基であり、前記置換基が、C1−4アルコキシ基、C6−10アリール基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、オキソ基、ニトリル基、メルカプト基またはハロゲン原子であり、また、RおよびRが互いに結合して式(2a)で表される化合物となっていてもよく、ただし、式(2)で表される化合物は水または硫化水素ではない。)
    Figure 2017104044

    (式中、X、RおよびRは、前記定義と同一であり、Rは、RおよびRが互いに結合して形成される基を示す。)
    Figure 2017104044

    (式中、Rは、RおよびRが互いに結合して形成される基を示す。)
  2. 酵素処理が、植物加工物を、脂質分解酵素、タンパク質分解酵素、糖分解酵素及び糖転移酵素から選択される少なくとも1種の酵素で処理することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記植物加工物が、水溶性大豆多糖類、柑橘類粉末、ニンジン粉末、ウコン粉末、緑茶粉末を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物を反応させて式(3)で表される化合物を得る反応を促進する触媒であって、
    植物加工物を酵素処理して得られる組成物を含む、触媒。
    Figure 2017104044

    (式中、Xは、−O−または−NR−であり、Rは、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基、置換基を有してもよいC6−10アリール基、置換基を有してもよいC1−6アルキルカルボニル基、置換基を有してもよいC6−10アリールカルボニル基、置換基を有してもよいC1−6アルキルスルホニル基またはC6−10アリールスルホニル基であり、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基または置換基を有してもよいC6−10アリール基であり、前記置換基が、C1−4アルキル基、C2−4アルケニル基、C2−4アルキニル基、C1−4アルコキシ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、オキソ基、ニトリル基、メルカプト基またはハロゲン原子であり、また、RおよびRが互いに結合して式(1b)で表される化合物となっていてもよく、Yは、−O−、−NR−または−S−であり、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいC1−6アルキル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC2−6アルケニル基、置換基を有してもよいC3−6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC2−6アルキニル基または置換基を有してもよいC6−10アリール基であり、前記置換基が、C1−4アルコキシ基、C6−10アリール基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、オキソ基、ニトリル基、メルカプト基またはハロゲン原子であり、また、RおよびRが互いに結合して式(2a)で表される化合物となっていてもよく、ただし、式(2)で表される化合物は水または硫化水素ではない。)
    Figure 2017104044

    (式中、X、RおよびRは、前記定義と同一であり、Rは、RおよびRが互いに結合して形成される基を示す。)
    Figure 2017104044

    (式中、Rは、RおよびRが互いに結合して形成される基を示す。)
  5. 前記酵素処理が、植物加工物を、脂質分解酵素、タンパク質分解酵素、糖分解酵素及び糖転移酵素から選択される少なくとも1種の酵素で処理することを含む、請求項4に記載の触媒。
  6. 前記植物加工物が、水溶性大豆多糖類、柑橘類粉末、ニンジン粉末、ウコン粉末、緑茶粉末を含む、請求項4又は5に記載の触媒。
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