JP2017103444A - ソルダーレジストパターンの形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、接続パッド上にソルダーレジストの残渣が発生せず、電気的接続信頼性に優れる配線基板を製造することができるソルダーレジストパターンの形成方法を提供することである。
【解決手段】接続パッドを少なくとも有する回路基板上にソルダーレジスト層が形成される工程、ソルダーレジスト層の厚みが接続パッドの厚み以下になるまで、硬化していないソルダーレジスト層が薄膜化される工程を、この順に少なくとも含むソルダーレジストパターンの形成方法において、前記ソルダーレジスト層が(A)カルボキシル基を含有するポリマー、(B)重合性化合物、(C)フィラーおよび(D)光重合開始剤を少なくとも含有してなり、(C)の平均粒子径が接続パッド上の表面粗さRaの1.1倍以上であることを特徴とするソルダーレジストパターンの形成方法。
【選択図】図3

Description

ソルダーレジストパターンの形成方法に関する。
各種電気機器内部の配線基板には、回路基板の半田付け不要な導体配線に半田が付着しないようにするために、この半田付け不要な部分がソルダーレジスト層で被覆されるようにソルダーレジストパターンが形成される。また、ソルダーレジストパターンは、導体配線の酸化防止、電気絶縁及び外部環境からの保護という役割を果たしている。
配線基板上に半導体チップ等の電子部品を搭載した半導体パッケージにおいて、フリップチップ接続による電子部品の搭載は、高速化、高密度化を実現する上で有効な手段である。フリップチップ接続では、導体配線の一部がフリップチップ接続用の接続パッドとなり、例えば、この接続パッド上に配設した半田バンプと電子部品の電極端子とを接合する。
回路基板へのソルダーレジストパターンの形成方法としては、フォトリソグラフィー方式が一般に知られている。フォトリソグラフィー方式では、絶縁層1上に接続パッド6と導体配線2を有する回路基板上にソルダーレジスト層3を形成した後、露光、現像して、接続パッド6周辺のソルダーレジスト層3を除去し、開口部を設けることによって、図1に示すSolder Mask Defined(SMD)構造や図2に示すNon Solder Mask Defined(NSMD)構造を形成する。
図1に示すSMD構造において、接続パッド6はその周辺近傍がソルダーレジスト層3に被覆されているため、電子部品の電極端子と接続パッド6とを電気的に確実に接続するために、接続パッド6の露出面に形成する接合部に必要な半田量を確保する必要があり、接続パッドが大型化してしまうという問題があった。さらに、接続パッド6の周辺近傍がソルダーレジスト層3によって確実に被覆されるようにするために、加工精度を考慮して、接続パッド6のソルダーレジスト層3によって被覆する部分の幅を広く確保しておく必要があり、接続パッド6が更に大型化するという問題があった。一方、図2に示すNSMD構造の接続パッド6では、接続パッド6全体がソルダーレジスト層3から露出するために、半田との接続面積が大きく、SMD構造の場合と比較して、接続パッド6を小型化することができる。しかし、NSMD構造では、接続パッド6がソルダーレジスト層3から完全に露出しているため、互いに隣接する接続パッド6間において、半田による電気的な短絡が生じる場合があった。
このような問題を解決するために、接続パッド6を有する回路基板上にソルダーレジスト層3が形成される工程、ソルダーレジスト層3の厚みが接続パッド6の厚み以下になるまで、硬化していないソルダーレジスト層3が薄膜化される工程をこの順に少なくとも含むソルダーレジストパターンの形成方法が開示されている(例えば、特許文献1〜2参照)。このソルダーレジストパターンの形成方法では、図3に示したように、接続パッド6表面はソルダーレジスト層3から露出しているが、接続パッド6側面の一部はソルダーレジスト層3によって被覆されている構造が得られる。図3に示す構造では、互いに隣接する接続パッド6間の半田による電気的な短絡が生じ難く、電子部品の電極端子と接続パッド6とを電気的に確実に接続するために必要な半田量を確保でき、接続パッド6を小型化することが可能で、電気的接続信頼性に優れる高密度配線の配線基板を作製することができる。
ところで、導体配線2表面とソルダーレジスト層3との密着性を向上させることを目的として、導体配線2表面を粗面化処理し、アンカー効果を生じさせる方法が一般に知られている。導体配線2表面の粗面化処理では、エッチング剤を用いて、導体配線2表面をマイクロエッチングすることにより、導体配線2表面が粗面化される。接続パッド6は導体配線2の一部であるため、接続パッド6表面も粗面化される。
ソルダーレジストは一般的にフィラーを含有している。フィラーによって、ソルダーレジスト層3の硬化収縮が抑制され、密着性、硬度などの特性が向上する。反対に、現像性の低下や光散乱の増大による解像性の低下という問題も発生する。よって、高精細なソルダーレジストパターンの形成が要求されるソルダーレジストでは、粒子径の小さいフィラーを使用する必要がある。
しかしながら、粒子径の小さなフィラーを含有するソルダーレジストを用いて、特許文献1〜2に開示されている方法によってソルダーレジストパターンを形成すると、粗面化された接続パッド6表面の凹部にフィラーがはまり込む場合がある。接続パッド6表面の凹部にはまり込んだフィラー周囲のソルダーレジスト層3は、薄膜化処理速度が通常より遅くなる場合が多い。その結果、接続パッド6表面上にソルダーレジストの残渣が発生し、電気的接続信頼性に悪影響を及ぼす場合があった。
特開2011−192692号公報 国際公開第2012/043201号パンフレット
接続パッドを少なくとも有する回路基板上にソルダーレジスト層が形成される工程、ソルダーレジスト層の厚みが接続パッドの厚み以下になるまで、硬化していないソルダーレジスト層が薄膜化される工程を、この順に少なくとも含むソルダーレジストパターンの形成方法において、接続パッド上にソルダーレジストの残渣が発生せず、電気的接続信頼性に優れる配線基板を製造することができるソルダーレジストパターンの形成方法を提供することが、本発明の課題である。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、接続パッドを少なくとも有する回路基板上にソルダーレジスト層が形成される工程、ソルダーレジスト層の厚みが接続パッドの厚み以下になるまで、硬化していないソルダーレジスト層が薄膜化される工程を、この順に少なくとも含むソルダーレジストパターンの形成方法において、前記ソルダーレジスト層が(A)カルボキシル基を含有するポリマー、(B)重合性化合物、(C)フィラーおよび(D)光重合開始剤を少なくとも含有してなり、(C)の平均粒子径が接続パッド上の表面粗さRaの1.1倍以上であることを特徴とするソルダーレジスト層の形成方法。
によって、上記課題を解決できることを見出した。
本発明によれば、接続パッドを少なくとも有する回路基板上にソルダーレジスト層が形成される工程、ソルダーレジスト層の厚みが接続パッドの厚み以下になるまで、硬化していないソルダーレジスト層が薄膜化される工程を、この順に少なくとも含むソルダーレジストパターンの形成方法において、接続パッド上にソルダーレジストの残渣が発生せず、電気的接続信頼性に優れる配線基板を製造することができる。
ソルダーレジストパターンの断面構造(SMD構造)を示す説明図である。 ソルダーレジストパターンの断面構造(NSMD構造)を示す説明図である。 本発明のソルダーレジストパターンの形成方法で形成されるソルダーレジストパターンの断面構造の一例を示す説明図である。 本発明のソルダーレジストパターンの形成方法における工程の一例を示す説明図である。 本発明のソルダーレジストパターンの形成方法における工程の一例を示す説明図である。
本発明のソルダーレジストパターンの形成方法は、接続パッドを少なくとも有する回路基板上にソルダーレジスト層が形成される工程、ソルダーレジスト層の厚みが接続パッドの厚み以下になるまで、硬化していないソルダーレジスト層が薄膜化される工程を、この順に少なくとも含んでいる。
図4を用いて、本発明のソルダーレジストパターンの形成方法を説明する。絶縁層1上に接続パッド6を有する回路基板(図4a)上に、回路基板全面を覆うように、ソルダーレジスト層3が形成される(図4b)。続いて、ソルダーレジスト層3の厚みが接続パッド6の厚み以下になるまで、硬化していないソルダーレジスト層3が薄膜化されることによって、図4dに示すように、接続パッド6表面がソルダーレジスト層3から露出したソルダーレジストパターンが形成される。
図5を用いて、別の本発明のソルダーレジストパターンの形成方法を説明する。絶縁層1上に導体配線2及び接続パッド6を有する回路基板(図5a)上に、回路基板全面を覆うように、ソルダーレジスト層3が形成される(図5b)。次いで、ソルダーレジスト層3の厚みが接続パッド6の厚み以下になるまで薄膜化される領域以外の部分(薄膜化されない部分)を活性光線5により露光して、ソルダーレジスト層3が硬化される(図5c)。図5cでは、フォトマスク4を介して露光されているが、直接描画方式で露光されてもかまわない。続いて、ソルダーレジスト層3の厚みが接続パッド6の厚み以下になるまで、硬化していないソルダーレジスト層3が薄膜化されることによって、図5dに示すように、接続パッド6表面がソルダーレジスト層3から露出したソルダーレジストパターンが形成される。
図4及び図5に示したソルダーレジストパターンの形成方法以外にも、本発明においては、回路基板上にソルダーレジスト層3が形成される工程、ソルダーレジスト層3が薄膜化される工程、活性光線によりソルダーレジスト層3が露光される工程及び硬化していないソルダーレジスト層3を完全に除去する現像工程等を、各工程の順番、各工程の回数、各工程における条件(例えば、露光する部分、薄膜化量、ソルダーレジスト層形成時の厚み等)等を変えて組み合わせることができ、種々の構造を有するソルダーレジストパターンを形成することができる。
本発明において、回路基板は、絶縁層1と、絶縁層1の表面に形成された接続パッド6とを有する。絶縁層1の表面には、導体配線2が形成されていて、接続パッド6は導体配線2の一部である。本発明において、配線基板は、回路基板の表面にソルダーレジスト層3からなるソルダーレジストパターンを有し、ソルダーレジスト層3から接続パッド6の一部が露出している。電子部品を搭載する配線基板の場合、片表面の接続パッド6は電子部品接続用であり、別の表面の接続パッド6は外部接続用である。電子部品接続用の接続パッド6は電子部品と接合され、外部接続用の接続パッド6は外部電気基板の導体配線と接合される。
本発明のソルダーレジストパターンの形成方法における工程の一例を示す説明図である図4及び図5、本発明のソルダーレジストパターンの形成方法で形成されるソルダーレジストパターンの断面構造の一例を示す説明図である図3には、絶縁層1を一層有し、絶縁層1の片表面に接続パッド6を有する回路基板が記載されているが、本発明に係わる回路基板としては、導体配線が配設された絶縁基板にビルドアップ用の絶縁層や導体配線を交互に積層して作製され、絶縁層1と、絶縁層1の表面に形成された接続パッド6とを表面に有する回路基板が含まれる。
絶縁基板としては、例えば、ガラスクロスにビスマレイミドトリアジン樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた電気絶縁材料等からなる樹脂製基板が挙げられる。ビルドアップ用の絶縁層としては、例えば、絶縁基板と同様にガラスクロスに熱硬化性樹脂を含浸させた電気絶縁材料、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に酸化ケイ素等の無機フィラーを分散させた電気絶縁材料等が挙げられる。
導体配線2と接続パッド6は、例えば、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、アディティブ法等によって形成される。サブトラクティブ法では、例えば、絶縁層1上に設けられた銅層上にエッチングレジストパターンを形成し、露光、現像、エッチング、レジスト剥離を実施して、導体配線2と接続パッド6を形成する。セミアディティブ法では、絶縁層1の表面に無電解銅めっきにより電解銅めっき用の下地金属層を設ける。次に、下地金属層上にめっきレジストパターンを形成し、露出した下地金属層の表面に電解銅めっき層を形成する。その後、レジスト剥離、下地金属層のフラッシュエッチングを実施して、導体配線2と接続パッド6が形成される。
本発明に係わるソルダーレジスト層3は、(A)カルボキシル基を含有するポリマー、(B)重合性化合物、(C)フィラーおよび(D)光重合開始剤を少なくとも含有してなる。
本発明に係わるソルダーレジストとしては、アルカリ現像型のソルダーレジストが使用できる。また、1液性、2液性、どちらの液状レジストであってもよく、ドライフィルム状レジストであってもよい。
本発明に係わる(A)カルボキシル基を含有するポリマーとしては、分子中にカルボキシル基を含有している重合体が使用できる。分子中に更にエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基を含有するポリマーは、(B)重合性化合物と共に架橋可能であり、硬化性、硬化後のソルダーレジスト層3におけるアルカリ水溶液への耐性の面からより好ましい。具体的には、下記に列挙するようなポリマーが挙げられる。
(1)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の1種類以上とを共重合することによって得られるカルボキシル基を含有するポリマー。
(2)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の1種類以上との共重合体に、グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物や(メタ)アクリル酸クロライドなどによって、エチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基を含有するポリマー。
(3)グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸を反応させ、生成した二級の水酸基に多塩基酸無水物を反応させることによって得られるカルボキシル基を含有するポリマー。
(4)無水マレイン酸などの不飽和二重結合を有する酸無水物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させることによって得られるカルボキシル基を含有するポリマー。
(5)多官能エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸などの不飽和モノカルボン酸とを反応させ、生成した反応物中の水酸基に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基を含有するポリマー。
(6)ポリビニルアルコール誘導体などの水酸基含有ポリマーに、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させた後、生成したカルボン酸に一分子中にエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させることによって得られる水酸基含有のカルボキシル基を含有するポリマー。
(7)多官能エポキシ化合物と、(メタ)アクリル酸などの不飽和モノカルボン酸と、一分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と、エポキシ基と反応するアルコール性水酸基以外の1個の反応性基を有する化合物(例えば、ジメチロールプロピオン酸など)とを反応させ、得られた反応生成物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させることによって得られるカルボキシル基を含有するポリマー。
(8)一分子中に少なくとも2個のオキセタン環を有する多官能オキセタン化合物に(メタ)アクリル酸などの不飽和モノカルボン酸を反応させることによって変性オキセタン樹脂を得、得られた変性オキセタン樹脂中の第一級水酸基に対して、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させることによって得られるカルボキシル基を含有するポリマー。
(9)多官能エポキシ樹脂(例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂など)に不飽和モノカルボン酸(例えば、(メタ)アクリル酸など)を反応させた後、多塩基酸無水物(例えば、テトラヒドロフタル酸無水物など)を反応させることによって得られるカルボキシル基を含有するポリマーに、さらに、分子中に1個のオキシラン環と1個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物(例えば、グリシジル(メタ)アクリレートなど)を反応させることによって得られるカルボキシル基を含有するポリマー。
(A)カルボキシル基を含有するポリマーは、上記列挙したポリマーに限定されるものではない。また、これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記列挙したポリマーの中で好ましいものとしては、上記(2)、(5)、(7)、(9)のカルボキシル基を含有するポリマーであり、特に上記(9)のカルボキシル基を含有するポリマーが、硬化性、硬化後のソルダーレジスト層3の特性の面からより好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
上記のような(A)カルボキシル基を含有するポリマーは、バックボーン・ポリマー(主鎖)の側鎖に、多数の遊離のカルボキシル基を有するため、アルカリ水溶液による薄膜化や希アルカリ水溶液による現像が可能になる。
また、上記(A)カルボキシル基を含有するポリマーの好ましい酸価は、80〜150mgKOH/gの範囲であり、より好ましくは90〜120mgKOH/gの範囲である。(A)カルボキシル基を含有するポリマーの酸価が80mgKOH/g未満であると、接続パッド6上にソルダーレジストの残渣が発生しやすく、電気的接続信頼性の確保が困難となる場合がある。一方、150mgKOH/gを超えると、ソルダーレジスト層3を薄膜化する工程においてソルダーレジスト層3が膨潤し、ソルダーレジストパターンの絶縁信頼性が低下する場合がある。
(A)カルボキシル基を含有するポリマーの質量平均分子量は5,000〜150,000であることが好ましく、10,000〜100,000であることがより好ましい。質量平均分子量が5,000未満では、硬化後のソルダーレジスト層3におけるアルカリ水溶液に対する耐性が低下する傾向があり、一方、150,000を超えると、薄膜化処理に要する時間が長くなる傾向がある。
(A)カルボキシル基を含有するポリマーの配合量は、ソルダーレジスト層3に対して40〜65質量%であることが好ましく、45〜55質量%であることがより好ましい。(A)カルボキシル基を含有するポリマーの配合量が40質量%未満では、硬化後のソルダーレジスト層3の化学的強度、機械的強度が低くなる傾向がある。また、被膜性が悪くなる傾向がある。(A)カルボキシル基を含有するポリマーの配合量が65質量%を超えると、重合性が低下する場合がある。
本発明に係わる(B)重合性化合物は、活性光線照射によって光重合して、ソルダーレジスト層3を硬化させて、アルカリ水溶液に対して不溶化させる化合物、又は不溶化させることを助ける化合物である。このような化合物としては、エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコール又はこれらのエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価(メタ)アクリレート類;フェノキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、及びこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価(メタ)アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価(メタ)アクリレート類;及びメラミン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(B)重合性化合物の配合量は、(A)カルボキシル基を含有するポリマー100質量部に対して、好ましくは5〜100質量部であり、より好ましくは、5〜70質量部である。(B)重合性化合物の配合量が5質量部未満の場合、硬化性が低下し、活性光線照射と薄膜化工程によるソルダーレジストパターン形成が困難となる場合やソルダーレジストパターンによる外部環境からの保護という役割が果たせなくなる場合がある。一方、100質量部を超えた場合、薄膜化処理に要する時間が長くなる場合や、ソルダーレジスト層3が脆くなる場合がある。
(C)フィラーとしては、無機又は有機フィラーが使用できる。特に硫酸バリウム、シリカ及びタルクが好ましく用いられ、これらを単独で又は2種以上配合することができる。フィラーの平均粒子径は、0.1〜20μmの範囲内であることが好ましい。
本発明では、(C)フィラーの平均粒子径が接続パッド6上の表面粗さRaの1.1倍以上であることを特徴としている。(C)フィラーの平均粒子径は接続パッド6上の表面粗さRaに対し、1.2倍以上であることがより好ましく、1.3倍以上であることが更に好ましい。ソルダーレジスト層3が、平均粒子径が接続パッド6上の表面粗さRaの1.1倍以上である(C)フィラーを含有することによって、接続パッド6上にソルダーレジスト層3の残渣が発生しないため、絶縁信頼性を確保しつつ、電気的接続信頼性に優れる高密度配線の配線基板を作製することができる。
(C)フィラーの配合量は、(A)カルボキシル基を含有するポリマー100質量部に対して、好ましくは300質量部以下であり、より好ましくは0.1〜300質量部であり、更に好ましくは、0.1〜150質量部である。(C)フィラーの配合量が300質量部を超えた場合、ドライフィルム状レジストを製造するための塗液や液状レジストの粘度が高くなり、塗工性が低下する場合や、硬化後のソルダーレジスト層3が脆くなる場合がある。
(C)フィラーの形状は、ソルダーレジスト層3への分散性や解像性への影響の観点から球状であることが好ましい。
導体配線2表面は、ソルダーレジスト層3との密着性を向上させることを目的として、エッチング剤によって粗面化される。接続パッド6は導体配線2の一部であるため、接続パッド6の表面も粗面化される。エッチング剤としては、過酸化水素、硫酸、ベンゾトリアゾール類、塩化物イオンを含有する処理剤;過酸化水素、無機酸、トリアゾール、テトラゾール、イミダゾールなどの処理剤;ハライドイオン源を含有する処理剤;オキソ酸、過酸化物、アゾール及びハロゲン化物を含む処理剤;過酸化水素、無機酸、トリアゾール、テトラゾール及び/又はイミダゾール並びに界面活性剤を含む処理剤;過酸化水素、硫酸、フェニルテトラゾール、塩素イオン源を含有する処理剤;過酸化水素、硫酸、アミノテトラゾール、テトラゾール化合物、ホスホン酸系キレート剤を含有する処理剤;無機酸及び銅の酸化剤からなる主剤とアゾール類及びエッチング抑制剤からなる助剤とを含む水溶液からなる処理剤などが知られている。
(D)光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)アセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−(1−t−ブチルジオキシ−1−メチルエチル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類等が挙げられる。
また、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン(市販品としては、BASF社製のイルガキュア(Irgacure、登録商標)907、イルガキュア(登録商標)369、イルガキュア(登録商標)379等)等のα−アミノアセトフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド(市販品としては、BASF社製のルシリン(Lucirin、登録商標)TPO、イルガキュア(登録商標)819等)等のアシルホスフィンオキサイド類が、好ましい(D)光重合開始剤として挙げられる。
(D)光重合開始剤の配合量は、(A)カルボキシル基を含有するポリマー100質量部に対して、好ましくは0.01〜30質量部、より好ましくは0.5〜15質量部の割合である。(D)光重合開始剤の配合率が、(A)カルボキシル基を含有するポリマー100質量部に対し0.01質量部未満であると、ソルダーレジスト層3の光重合性が不足する場合や、ソルダーレジスト層3が剥離する場合や、耐薬品性等のソルダーレジスト層3の特性が低下する場合がある。一方、光重合開始剤の配合率が、(A)カルボキシル基を含有するポリマー100質量部に対して30質量部を超えると、光重合開始剤の光吸収により、深部硬化性が低下する場合がある。
本発明に係わるソルダーレジスト層3には、ソルダーレジスト層3の物理的強度等を上げるために、必要に応じて、熱硬化性成分を配合することができる。このような熱硬化性成分としては、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などのアミノ樹脂、ブロックイソシアネート化合物、シクロカーボネート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂などの熱硬化性樹脂が使用できる。
熱硬化性成分の配合量は通常用いられる割合であればよく、例えば(A)カルボキシル基を含有するポリマーと(B)重合性化合物との総量100質量部に対して、好ましくは0.01〜20質量部である。熱硬化性成分は、単独で用いることもできるし、又は2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
(A)カルボキシル基を含有するポリマーの合成、液状レジストの調製のため、ドライフィルム状レジストを製造するための塗液の調製のため、又は液状レジストや前記塗液の粘度調整のために、本発明に係わるソルダーレジストには、有機溶剤を使用することができる。
有機溶剤としては、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などが挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などが挙げられる。有機溶剤は、単独で用いられるし、又は2種以上の混合物として用いられる。
回路基板上にソルダーレジスト層3が形成される方法は、いかなる方法でもよい。例えば、液状レジストの場合、スクリーン印刷法、ロールコート法、スプレー法、浸漬法、カーテンコート法、バーコート法、エアナイフ法、ホットメルト法、グラビアコート法、刷毛塗り法、オフセット印刷法等が挙げられる。ドライフィルム状レジストの場合、ラミネート法、真空ラミネート法が挙げられる。
本発明において、ソルダーレジスト層3を薄膜化する工程は、薄膜化処理液(アルカリ水溶液)によって、硬化していないソルダーレジスト層成分をミセル化させるミセル化処理(薄膜化処理)と、次に行われる、ミセル除去液によってミセルを除去するミセル除去処理とを含む。さらに、除去しきれなかったソルダーレジスト層3表面や残存付着した薄膜化処理液及びミセル除去液を水洗によって洗い流す水洗処理、水洗水を除去する乾燥処理を含んでもよい。
薄膜化処理(ミセル化処理)とは、薄膜化処理液によって、ソルダーレジスト層成分をミセル化し、このミセルを薄膜化処理液に対して一旦不溶化する処理である。薄膜化処理液は高濃度のアルカリ水溶液である。薄膜化処理液に使用されるアルカリ性化合物としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アンモニウムリン酸塩、アンモニウム炭酸塩等の無機アルカリ性化合物;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキサイド(コリン)等の有機アルカリ性化合物が挙げられる。上記アルカリ性化合物は単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。また、無機アルカリ性化合物と有機アルカリ性化合物を併用することもできる。
アルカリ性化合物の含有量は、薄膜化処理液に対して、3質量%以上50質量%以下であることが好ましい。また、ソルダーレジスト層3表面をより均一に薄膜化するために、薄膜化処理液に、硫酸塩、亜硫酸塩を添加することもできる。硫酸塩又は亜硫酸塩としては、リチウム、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属硫酸塩又は亜硫酸塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属硫酸塩又は亜硫酸塩が挙げられる。
薄膜化処理液としては、これらの中でも特に、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物、及び、TMAH、コリンから選ばれる有機アルカリ性化合物の群から選ばれる少なくとも1種を含み、アルカリ性化合物の含有量が5〜25質量%である薄膜化処理液が、表面をより均一に薄膜化できるため、好適に使用できる。5質量%未満では、薄膜化量が不均一になる場合がある。また、25質量%を超えると、無機アルカリ性化合物では、無機アルカリ性化合物の析出が起こりやすくなることから、薄膜化処理液の経時安定性が問題となる場合がある。有機アルカリ性化合物の場合には、臭気が強くなるために作業性が問題になる場合がある。アルカリ性化合物の含有量は、7〜17質量%がより好ましく、8〜13質量%が更に好ましい。薄膜化処理液のpHは10以上とすることが好ましい。また、界面活性剤、消泡剤、溶剤等を適宜添加することもできる。
薄膜化処理は、浸漬処理、パドル処理、スプレー処理、ブラッシング、スクレーピング等の方法を用いることができるが、浸漬処理が好ましい。浸漬処理以外の処理方法は、薄膜化処理液中に気泡が発生しやすく、その発生した気泡が薄膜化処理中にソルダーレジスト層3表面に付着して、薄膜化量が不均一となる場合がある。
薄膜化処理液に対して不溶化されたソルダーレジスト層成分のミセルを除去するミセル除去処理においては、ミセル除去液をスプレーすることによって、一挙にミセルを溶解除去する。
ミセル除去液としては、水道水、工業用水、純水等を用いることができる。また、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物、及び、TMAH、コリンから選ばれる有機アルカリ性化合物の群から選ばれる少なくとも1種を含むpH5〜10の水溶液をミセル除去液として用いることによって、薄膜化処理液で不溶化されたソルダーレジスト層成分が再分散しやすくなる。ミセル除去液のpHが5未満の場合、ソルダーレジスト層成分が凝集し、不溶性のスラッジとなって、薄膜化したソルダーレジスト層3表面に付着するおそれがある。一方、ミセル除去液のpHが10を超えた場合、ソルダーレジスト層3が過度に溶解拡散し、面内で薄膜化量にムラが発生しやすくなる場合がある。また、ミセル除去液は、硫酸、リン酸、塩酸等を用いて、pHを調整することができる。
ミセル除去処理におけるスプレーの条件について説明する。スプレーの条件(温度、時間、スプレー圧)は、薄膜化処理されるソルダーレジスト層3の溶解速度に合わせて適宜調整される。具体的には、処理温度は10〜50℃が好ましく、より好ましくは15〜35℃である。また、スプレー圧は0.01〜0.5MPaとするのが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3MPaである。ミセル除去液の供給流量は、1cm当たりのソルダーレジスト層3に対して0.030〜1.0L/minが好ましく、0.050〜1.0L/minがより好ましく、0.10〜1.0L/minが更に好ましい。供給流量がこの範囲であると、薄膜化後のソルダーレジスト層3表面に不溶性のスラッジを残すことなく、面内で略均一にミセルを除去することができる。1cm当たりの供給流量が0.030L/min未満では、不溶化したソルダーレジスト層成分の溶解不良が起こる場合がある。一方、供給流量が1.0L/minを超えると、供給のために必要なポンプなどの部品が巨大になり、大掛かりな装置が必要となる場合がある。さらに、1.0L/minを超えた供給流量では、ソルダーレジスト層成分の溶解拡散に与える効果が変わらなくなる場合がある。
ミセル除去処理後、さらに、除去しきれなかったソルダーレジスト層3やソルダーレジスト層3表面に残存付着した薄膜化処理液及びミセル除去液を水洗処理によって洗い流すことができる。水洗処理の方法としては、拡散速度と液供給の均一性の点からスプレー方式が好ましい。水洗水としては、水道水、工業用水、純水等を用いることができる。このうち純水を使用することが好ましい。純水は、一般的に工業用に用いられるものを使用することができる。
乾燥処理では、熱風乾燥、室温送風乾燥のいずれも用いることができるが、好ましくは高圧空気をエアガンからあるいはブロアから大量の空気を送気してエアナイフでソルダーレジスト層3表面に残存している水を吹き飛ばす乾燥方法がよい。
本発明のソルダーレジストパターンの形成方法では、ソルダーレジスト層3形成後の厚みと硬化していないソルダーレジスト層3が薄膜化された量で、接続パッド6周囲のソルダーレジスト層3の厚みが決定される。また、本発明のソルダーレジストパターンの形成方法では、0.01〜500μmの範囲で薄膜化量を自由に調整することができる。薄膜化後のソルダーレジスト層3から接続パッド6のトップ面までの高さは、必要な半田量に応じて適宜調整する。具体的には、接続パッド6のトップ面から1μm以上50μm以下の膜厚を残すところまで薄膜化することが好ましい。
ソルダーレジスト層3が露光される工程における露光では、ソルダーレジスト層3に対して活性光線を照射する。キセノンランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、UV蛍光灯を光源とした反射画像露光、フォトマスクを用いた片面、両面密着露光や、プロキシミティ方式、プロジェクション方式やレーザ走査露光等を使用することができる。走査露光を行う場合には、UVレーザ、He−Neレーザ、He−Cdレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンイオンレーザ、ルビーレーザ、YAGレーザ、窒素レーザ、色素レーザ、エキシマレーザ等のレーザ光源を発光波長に応じてSHG波長変換した走査露光、あるいは、液晶シャッター、マイクロミラーアレイシャッターを利用した走査露光によって露光することができる。露光によって、ソルダーレジスト層3は重合して、硬化する。
ソルダーレジスト層3の厚みが接続パッド6の厚み以下になるまで薄膜化される領域は、接続パッド6以上の大きさであればよく、隣接する導体配線2の絶縁抵抗性に影響しない限り、どれだけ大きくしてもかまわない。
本発明では、ソルダーレジスト層3が薄膜化される工程よりも後に、ソルダーレジスト層3に硬化処理を行う工程(ポストキュア工程)が行われることが好ましい。薄膜化される工程とポストキュア工程の間に別の工程が含まれていてもよい。ポストキュア工程によって、ソルダーレジストパターンは、導体配線の酸化防止、電気絶縁及び外部環境からの保護という役割を効率良く果たすことができる。硬化処理としては、例えば、加熱処理、活性光線をソルダーレジスト層の全面に照射する露光処理、加熱と露光処理の併用等が挙げられる。加熱処理を行う場合は、窒素雰囲気中で、室温から450℃の温度を選び、段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び、連続的に昇温しながら、5分〜5時間実施する。加熱処理の最高温度は、好ましくは120〜450℃であり、より好ましくは130〜450℃である。例えば、130℃、200℃、400℃で、各々30分間加熱処理する。また、室温から400℃まで2時間かけて直線的に昇温して加熱処理してもよい。
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
攪拌機、温度計、環流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたセパラブルフラスコに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名:EOCN−104S)550.0質量部、カルビトールアセテート471.0質量部、及びソルベントナフサ221.0質量部を仕込み、90℃に加熱して攪拌し、溶解した。次に、一旦60℃まで冷却し、アクリル酸216質量部、トリフェニルホスフィン4.0質量部、メチルハイドロキノン1.3質量部を加えて、100℃で12時間反応させた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸400.0質量部を加えて、90℃に加熱して6時間反応させた。これにより、不揮発分65質量%、固形分酸価116mgKOH/gの(A)カルボキシル基を含有するポリマーの溶液を得た。以下、この(A)カルボキシル基を含有するポリマーの溶液を、「ポリマーA」と称す。なお、酸価はJIS K2501:2003に準拠して測定した。
(C)フィラーとして、表1に示す非晶質シリカからなるフィラーを使用した。本発明における平均粒子径とは、レーザ回折散乱法で測定されたD50(体積基準50%粒子径)である。
表2に示す割合(質量部)にて各材料を配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練し、配合例1〜4のソルダーレジストを調製した。
(銅張積層板の粗面化処理)
清浄化剤(三菱ガス化学社製、商品名:CPE−700)を用いて、銅張積層板(面積170mm×200mm、銅箔厚18μm、基材厚み0.4mm)を処理して、銅表面を清浄化した。次に、過酸化水素水1.5質量%、硫酸5質量%、塩化物イオン0.005質量%、1H−ベンゾトリアゾール0.3質量%からなるエッチング剤(温度30℃)に銅張積層板を浸漬し、水洗、乾燥させて、銅表面が粗面化された銅張積層板を得た。浸漬時間を変えることによって、銅表面の表面粗さを調整した。得られた銅張積層板の表面粗さRaを表3に示した。
表面粗さRaは算術平均表面粗さであり、超深度形状測定顕微鏡(株式会社キーエンス(KEYENCE)製、品番「VK−8500」)を用いて、JIS B0601−1994 表面粗さ−定義に準じた計算式により求めた。なお、測定領域は900μm、基準長さは40μmとした。
(実施例1〜24及び比較例1〜10)
粗面化処理した銅張積層板から、エッチングレジストを使用したサブトラクティブ法によって、絶縁層1に導体配線幅80μm、導体配線間距離80μmの導体配線2を有する回路基板を作製した。次に、配合例1〜4のソルダーレジストを、上記回路基板上にアプリケーターを用いてそれぞれ塗工し、70℃、30分間の乾燥を実施した。これにより、絶縁層1表面からソルダーレジスト層3表面までの乾燥膜厚が35μmのソルダーレジスト層3が回路基板上に形成された。
次に、導体配線2の始点と終点にあたる部分を接続パッド6とみなし、始点と終点にあたる部分の端から80μm外の領域に活性光線5が照射されるようなパターンを有するフォトマスク4を用いて、密着露光機にて、200mJ/cmのエネルギーにて、ソルダーレジスト層3に露光を実施した。
次いで、表4に示すアルカリ水溶液(薄膜化処理液)を用いて、表4に示す処理時間で浸漬処理を行い、続いて、水道水を用いて、ミセル除去処理及び水洗を実施し、次に、乾燥処理を行って、非露光部のソルダーレジスト層3の厚みが平均12μmになるまで、硬化していないソルダーレジスト層3を薄膜化した。
続いて、150℃、60分の条件でポストキュアを実施した。形成された実施例1〜24及び比較例1〜10のソルダーレジストパターンを顕微鏡で観察した結果、図3に示したように、高さ18μmの導体配線2が厚み35μmのソルダーレジスト層3によって被覆され、高さ18μmの接続パッド6表面が露出していて、接続パッド6側面が厚み12μmのソルダーレジスト層3によって被覆されたソルダーレジストパターンが形成されていた。
また、実施例1〜24及び比較例1〜10のソルダーレジストパターンにおいて、接続パッド6及び接続パッド6周囲のソルダーレジスト層3を顕微鏡で観察した。用いられた(C)フィラーの平均粒子径が接続パッド上の表面粗さRaの1.1倍以上である実施例1〜24では、接続パッド6上にソルダーレジストの残渣が無いことが確認された。これに対し、用いられた(C)フィラーの平均粒子径が接続パッド上の表面粗さRaの1.1倍に満たない比較例1〜10では、接続パッド6上にソルダーレジストの残渣があることが確認された。
本発明のソルダーレジストパターンの形成方法は、例えば、配線の一部にフリップチップ接続用の接続パッドを備えた回路基板のソルダーレジストパターンの形成を行う用途に適用できる。
1 絶縁層
2 導体配線
3 ソルダーレジスト層
4 フォトマスク
5 活性光線
6 接続パッド

Claims (1)

  1. 接続パッドを少なくとも有する回路基板上にソルダーレジスト層が形成される工程、ソルダーレジスト層の厚みが接続パッドの厚み以下になるまで、硬化していないソルダーレジスト層が薄膜化される工程を、この順に少なくとも含むソルダーレジストパターンの形成方法において、前記ソルダーレジスト層が(A)カルボキシル基を含有するポリマー、(B)重合性化合物、(C)フィラーおよび(D)光重合開始剤を少なくとも含有してなり、(C)の平均粒子径が接続パッド上の表面粗さRaの1.1倍以上であることを特徴とするソルダーレジストパターンの形成方法。
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