JP2017103220A - 触媒層付電解質膜の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
電解質膜の変形やしわの発生を抑制するとともに、触媒層の電解質膜への均一な転写を達成しつつ、連続的に触媒付電解質膜を製造する。
【解決手段】
長尺の高分子電解質膜と、長尺の触媒転写シートとを連続搬送しながら高分子電解質膜に触媒層を転写する触媒層付電解質膜の製造方法であって、高分子電解質膜と触媒転写シートの触媒層とが接触した状態で高分子電解質膜と触媒転写シートとを一定圧力で面的に加圧しながら搬送する加圧搬送工程を有する触媒層付電解質膜の製造方法。
【選択図】図1
電解質膜の変形やしわの発生を抑制するとともに、触媒層の電解質膜への均一な転写を達成しつつ、連続的に触媒付電解質膜を製造する。
【解決手段】
長尺の高分子電解質膜と、長尺の触媒転写シートとを連続搬送しながら高分子電解質膜に触媒層を転写する触媒層付電解質膜の製造方法であって、高分子電解質膜と触媒転写シートの触媒層とが接触した状態で高分子電解質膜と触媒転写シートとを一定圧力で面的に加圧しながら搬送する加圧搬送工程を有する触媒層付電解質膜の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、触媒層付電解質膜の製造方法および製造装置に関する。
燃料電池は、水素、メタノールなどの燃料を電気化学的に酸化することによって、電気エネルギーを取り出す一種の発電装置であり、近年、クリーンなエネルギー供給源として注目されている。なかでも固体高分子形燃料電池は、標準的な作動温度が100℃前後と低く、かつ、エネルギー密度が高いことから、比較的小規模の分散型発電施設、自動車や船舶など移動体の発電装置として幅広い応用が期待されている。また、小型移動機器、携帯機器の電源としても注目されており、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池に替わり、携帯電話やパソコンなどへの搭載が期待されている。
燃料電池は通常、発電を担う反応の起こるアノードとカソードの電極と、アノードとカソード間のプロトン伝導体となる高分子電解質膜とが、膜電極接合体(Membrane−Electrode Assembly;MEA)を構成し、このMEAがセパレータによって挟まれたセルをユニットとして構成されている。MEAは、大きく分けて2通りの製法により製造される。第1の方法は、まず高分子電解質膜の表面に触媒層を形成した触媒層付電解質膜(Catalyst Coated Membrane;CCM)を作成し、この両側にガス拡散層(Gas Diffusion Layer;GDL)を接合する方法である。また、第2の方法は、まずガス拡散層の表面に触媒層を形成したガス拡散電極(Gas Diffusion Electrode;GDE)を作成し、これを高分子電解質膜の両面に接合する方法である。
また近年は水素インフラ関連機器の素材として高分子電解質膜の用途展開が行われており、固体高分子電解質膜型水電解装置や電気化学式水素ポンプなどに使用するCCMやMEAの品位も耐久性や性能信頼性の観点から重要となってきている。
CCMの製造装置または製造方法としては、例えば、触媒担持フィルムの触媒層を電解質膜上に熱間プレスあるいは熱間ローラーにより転写する方法が、特許文献1に提案されている。また、触媒担持フィルムと予備加熱された電解質膜とを加熱加圧ローラーによりホットプレスして触媒層を転写した後、冷却ローラーにより冷却すると共に剥離ローラーによりフィルムを剥離する複合体製造装置が、特許文献2に提案されている。
しかしながら、特許文献1のような熱間プレスによる転写では、連続的にCCMを製造することができない。また、特許文献1及び特許文献2に記載された熱間ローラー(加熱加圧ローラー)による転写では、連続的にロール状CCMとして作製できる可能性があるが、触媒層担持フィルム及び電解質膜と熱間ローラーとの接触が線接触であり、触媒層担持フィルム及び電解質膜全体に均一に熱を与えることができない。そのため、熱間ローラーによる加熱加圧後の冷却過程でCCMの反りが生じる場合がある。また、触媒層担持フィルム及び電解質膜と熱間ローラーとの接触が線接触であるため、材質や機械強度が異なる触媒層担持フィルムと電解質膜の両者に均一に圧力をかけることができず、電解質膜のみに膜の伸びが生じたり、触媒層が電解質膜に均一に転写できない場合がある。
そこで、特許文献3や特許文献4には、触媒層と電解質膜を接触させた状態で、ローラーやベルトにより熱および圧力を加える加熱加圧工程により両者を接合した後、接合体を冷却しながら圧力を加える冷却加圧工程を行うCCMの製造方法が提案されている。
しかしながら、特許文献3や特許文献4のような方法であっても、CCMの作製において電解質膜の伸びなどの変形やしわの発生の抑制は十分ではなかった。本発明の課題は、電解質膜の変形やしわの発生を抑制するとともに、触媒層の電解質膜への均一な転写を達成しつつ、連続的に触媒付電解質膜を製造することである。
上記課題は、下記の本発明により解決される。
(1)長尺の高分子電解質膜と、長尺の触媒転写シートとを連続搬送しながら高分子電解質膜に触媒層を転写する触媒層付電解質膜の製造方法であって、高分子電解質膜と触媒転写シートの触媒層とが接触した状態で高分子電解質膜と触媒転写シートとを一定圧力で面的に加圧しながら搬送する加圧搬送工程を有する触媒層付電解質膜の製造方法。
(2)加圧搬送工程を、接触した状態の高分子電解質膜と触媒転写シートとを両面から搬送ベルトで挟み込むダブルベルトプレス機構により行う、(1)に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
(3)ダブルベルトプレス機構が搬送ベルトに面的に均一な圧力を付与する加圧手段を内蔵するものである、(2)に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
(4)加圧手段が油圧方式である、(3)に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
(5)加圧搬送工程中に、高分子電解質膜および触媒転写シートを加熱しながら搬送するステップを有する、(1)〜(4)のいずれかに記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
(6)加圧搬送工程中に、高分子電解質膜および触媒転写シートを100℃未満の温度で搬送する転写前ステップ、該転写前ステップよりも高い温度に加熱しながら搬送する転写ステップをこの順に有する、(5)に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
(7)加圧搬送工程中に、高分子電解質膜および触媒転写シートを100℃未満の温度で搬送する転写前ステップ、該転写前ステップより高い温度に加熱しながら搬送する転写ステップ、冷却しながら搬送する冷却ステップをこの順に有する、(6)に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
(8)転写前ステップの初期温度上昇速度が20℃/秒以下である、(6)または(7)に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
(9)高分子電解質膜として芳香族炭化水素系ポリマーからなる電解質膜を用いる、(1)〜(8)のいずれかに記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
(10)長尺の高分子電解質膜と、長尺の触媒転写シートとを連続搬送しながら高分子電解質膜に触媒層を転写する触媒層付電解質膜の製造装置であって、高分子電解質膜と触媒転写シートの触媒層とが接触した状態で高分子電解質膜と触媒転写シートとを一定圧力で面的に加圧しながら搬送する加圧搬送部を有する触媒層付電解質膜の製造装置。
(11)加圧搬送部は、接触した状態の高分子電解質膜と触媒転写シートとを両面から搬送ベルトで挟み込むダブルベルトプレス機構で構成される、(10)に記載の触媒層付電解質膜の製造装置。
(12)加圧搬送部が、高分子電解質膜と触媒転写シートとを加熱するための加熱手段を備える、(10)または(11)に記載の触媒層付電解質膜の製造装置。
(13)加圧搬送部が、さらに加熱された高分子電解質膜と触媒転写シートとを冷却するための冷却手段を備える、(12)に記載の触媒層付電解質膜の製造装置。
(1)長尺の高分子電解質膜と、長尺の触媒転写シートとを連続搬送しながら高分子電解質膜に触媒層を転写する触媒層付電解質膜の製造方法であって、高分子電解質膜と触媒転写シートの触媒層とが接触した状態で高分子電解質膜と触媒転写シートとを一定圧力で面的に加圧しながら搬送する加圧搬送工程を有する触媒層付電解質膜の製造方法。
(2)加圧搬送工程を、接触した状態の高分子電解質膜と触媒転写シートとを両面から搬送ベルトで挟み込むダブルベルトプレス機構により行う、(1)に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
(3)ダブルベルトプレス機構が搬送ベルトに面的に均一な圧力を付与する加圧手段を内蔵するものである、(2)に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
(4)加圧手段が油圧方式である、(3)に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
(5)加圧搬送工程中に、高分子電解質膜および触媒転写シートを加熱しながら搬送するステップを有する、(1)〜(4)のいずれかに記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
(6)加圧搬送工程中に、高分子電解質膜および触媒転写シートを100℃未満の温度で搬送する転写前ステップ、該転写前ステップよりも高い温度に加熱しながら搬送する転写ステップをこの順に有する、(5)に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
(7)加圧搬送工程中に、高分子電解質膜および触媒転写シートを100℃未満の温度で搬送する転写前ステップ、該転写前ステップより高い温度に加熱しながら搬送する転写ステップ、冷却しながら搬送する冷却ステップをこの順に有する、(6)に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
(8)転写前ステップの初期温度上昇速度が20℃/秒以下である、(6)または(7)に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
(9)高分子電解質膜として芳香族炭化水素系ポリマーからなる電解質膜を用いる、(1)〜(8)のいずれかに記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
(10)長尺の高分子電解質膜と、長尺の触媒転写シートとを連続搬送しながら高分子電解質膜に触媒層を転写する触媒層付電解質膜の製造装置であって、高分子電解質膜と触媒転写シートの触媒層とが接触した状態で高分子電解質膜と触媒転写シートとを一定圧力で面的に加圧しながら搬送する加圧搬送部を有する触媒層付電解質膜の製造装置。
(11)加圧搬送部は、接触した状態の高分子電解質膜と触媒転写シートとを両面から搬送ベルトで挟み込むダブルベルトプレス機構で構成される、(10)に記載の触媒層付電解質膜の製造装置。
(12)加圧搬送部が、高分子電解質膜と触媒転写シートとを加熱するための加熱手段を備える、(10)または(11)に記載の触媒層付電解質膜の製造装置。
(13)加圧搬送部が、さらに加熱された高分子電解質膜と触媒転写シートとを冷却するための冷却手段を備える、(12)に記載の触媒層付電解質膜の製造装置。
本発明によれば、電解質膜の変形やしわの発生を抑えつつ、触媒層が均一に転写された触媒付電解質膜を連続的に製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<CCMの製造方法・製造装置>
本発明においては、長尺の高分子電解質膜と、触媒層を担持した長尺の触媒転写シートとを連続搬送しながら高分子電解質膜に触媒層を転写するCCMの製造方法において、高分子電解質膜と触媒転写シートの触媒層とが接触した状態で高分子電解質膜と触媒転写シートとを一定圧力で面的に加圧しながら搬送する工程を有することを特徴とする。以下、この工程を加圧搬送工程と呼ぶ。なお、「面的に加圧」するとは、一組のローラーで加圧する場合のように触媒転写シート等の被加圧物と加圧部材とが単一の線状に接触するのではなく、搬送方向に幅をもって接触することを意味する。被加圧物と加圧部材の接触幅は、特に制限されるものではなく、製造する電解質膜のサイズ等に応じて適宜設定することができるが、一般的には搬送方向に30cm以上の幅で接触することが好ましい。また、「一定圧力」とは、当該接触面に実質的に均一な圧力が負荷されることを意味する。加圧面における圧力のばらつきは、実質的に均一な圧力であれば特に限定されるものではないが、0.1MPa以下であることが好ましい。
本発明においては、長尺の高分子電解質膜と、触媒層を担持した長尺の触媒転写シートとを連続搬送しながら高分子電解質膜に触媒層を転写するCCMの製造方法において、高分子電解質膜と触媒転写シートの触媒層とが接触した状態で高分子電解質膜と触媒転写シートとを一定圧力で面的に加圧しながら搬送する工程を有することを特徴とする。以下、この工程を加圧搬送工程と呼ぶ。なお、「面的に加圧」するとは、一組のローラーで加圧する場合のように触媒転写シート等の被加圧物と加圧部材とが単一の線状に接触するのではなく、搬送方向に幅をもって接触することを意味する。被加圧物と加圧部材の接触幅は、特に制限されるものではなく、製造する電解質膜のサイズ等に応じて適宜設定することができるが、一般的には搬送方向に30cm以上の幅で接触することが好ましい。また、「一定圧力」とは、当該接触面に実質的に均一な圧力が負荷されることを意味する。加圧面における圧力のばらつきは、実質的に均一な圧力であれば特に限定されるものではないが、0.1MPa以下であることが好ましい。
〔第1の実施形態〕
まず、図1に示すCCM製造装置100を用いた第1の実施形態に係るCCMの製造方法について説明する。なお、本明細書においては、便宜上各図面の上方を「上」、下方を「下」として説明するが、各図面の上下方向は必ずしも地面に対する垂直方向を意味するものではない。
まず、図1に示すCCM製造装置100を用いた第1の実施形態に係るCCMの製造方法について説明する。なお、本明細書においては、便宜上各図面の上方を「上」、下方を「下」として説明するが、各図面の上下方向は必ずしも地面に対する垂直方向を意味するものではない。
まず、電解質膜供給ローラー102は、高分子電解質膜10を巻き出して供給する。巻き出された高分子電解質膜10の上方および下方には、それぞれ触媒転写シート供給ローラー104A、104Bが設置されている。高分子電解質膜10の上面に形成される触媒層を形成するための触媒転写シート20Aは触媒転写シート供給ローラー104Aから、高分子電解質膜10の下面に形成される触媒層を形成するための触媒転写シート20Bは触媒転写シート供給ローラー104Bから、それぞれの触媒層の担持された面が高分子電解質膜10と対向するように巻き出されて供給される。このように、本実施形態のCCM製造装置100においては、高分子電解質膜10の両面に接合層としての触媒層を転写するが、高分子電解質膜10の片面のみに触媒層を転写するように構成してもよい。
このように供給された高分子電解質膜10、触媒転写シート20A、20Bは、ガイドローラー106Aと106Bの間を通過する。ガイドローラー106Aと106Bは、供給された高分子電解質膜10と触媒転写シート20A、20Bとを挟みこんで回転することで、これらを搬送する。高分子電解質膜10と触媒転写シート20A、20Bとは、この過程で、高分子電解質膜10の上面に触媒転写シート20Aの触媒層が、高分子電解質膜10の下面に触媒転写シート20Bの触媒層が接触した状態で位置決めされる。
位置決めされた高分子電解質膜10、触媒転写シート20A、20Bは、接触した状態のまま、加圧搬送部Pに進入する。本実施形態では、加圧搬送部Pは、2つのドラム108Aに巻き掛けられて周回走行する搬送ベルト110Aを備えた上方ベルト機構と、上方ベルト機構の下側に上方ベルト機構と対向するように配置され、同じく2つのドラム108Bに巻き掛けられて周回走行する搬送ベルト110Bを備えた下方ベルト機構と、搬送ベルト110A、110Bをそれぞれ触媒転写シート20A、20Bに押し付けるように圧力を付与する加圧手段124A、124Bとから構成されるダブルベルトプレス機構である。加圧搬送部Pにおいて、高分子電解質膜10、触媒転写シート20A、20Bは、上方ベルト機構と下方ベルト機構に挟み込まれ、上下から一定の圧力を面的に受けた状態で搬送される。
本実施形態においては、上方ベルト機構および下方ベルト機構は、高分子電解質膜10と触媒転写シート20A、20Bと接触する部分のほぼ全長に渡り、加熱手段116が延在している。従って、高分子電解質膜10と触媒転写シート20A、20Bは、上方ベルト機構と下方ベルト機構により挟みこまれ、一定圧力で面的に加圧されながら搬送されると同時に、加熱手段116からの熱により、転写開始温度以上の温度まで1秒以内に加熱される。ここで、本明細書において、転写開始温度とは、高分子電解質膜を構成する高分子の中で、最も低いガラス転移温度(Tg)を有する高分子のTg、あるいは、Tgが明確でない高分子のみからなる高分子電解質膜を用いる場合には、JIS−K7197:2012により測定される高分子電解質膜の荷重たわみ温度(HDT)を意味する。そして、高分子電解質膜10と触媒転写シート20Aは、その後転写開始温度以上に加熱された状態のまま、加圧搬送部Pを通過する。すなわち、本実施形態においては、加圧搬送工程中に、高分子電解質膜および触媒転写シートを転写開始温度以上の温度で加熱しながら搬送するステップ(転写ステップ)のみを有する。転写ステップで、触媒転写シート20Aおよび20Bの触媒層は、高分子電解質膜10の上面および下面にそれぞれ転写される。すなわち、転写ステップを通過した高分子電解質膜10は触媒付電解質膜(CCM)12となり、触媒転写シート20A、20Bは触媒層を失って基材22A、22Bのみが残る。
ダブルベルトプレス機構に内蔵される加圧手段は特に限定されるものではないが、油圧方式とすることで、搬送ベルト面により面的に均一な圧力を付与することが可能となる。なお、結果的に高分子電解質膜と触媒転写シートとを一定圧力で面的に加圧することができれば、加圧手段は必ずしもダブルベルトプレス機構に内蔵されていなくてもよい。例えば搬送ベルトに十分に強い張力をかけ、搬送ベルトの撓みがない状態でダブルベルトプレス機構を駆動させることで、触媒転写シート等を一定圧力で面的に加圧することが可能である。
加熱手段としては、各種ヒーター、蒸気、オイル等の熱媒を使用することができるが、特に限定されるものではない。また、ダブルベルトプレス機構を構成する搬送ベルトは、金属製が好ましく、鋼、ステンレス等の熱容量及び熱伝導性の高い材料を用いることが好ましい。なお、搬送ベルトの表面にフッ素樹脂や炭素皮膜、ハードクロムメッキなどの保護皮膜を設けてもよい。
転写ステップにおける高分子電解質膜の加熱温度は、高分子電解質膜への触媒層の転写が確実に行われるよう、転写開始温度以上の温度であれば特に限定されない。具体的な温度は高分子電解質膜や触媒層の材質等に応じて適宜設定することができるが、一般的には100℃以上200℃以下であることが好ましい。100℃未満の場合、触媒層を十分に高分子電解質膜に転写できない場合がある。一方、200℃以上の場合、高分子電解質膜が熱によるダメージを受ける場合がある。高分子電解質膜の加熱温度は120℃以上180℃以下であることがより好ましい。なお、高分子電解質膜の加熱温度とは、高分子電解質膜ダブルベルトプレス機構を通過する高分子電解質膜および触媒転写シートに温度素子を設置して測定した実測値を意味する。
また、転写ステップの通過時間は、特に制限されるものではないが、通常1秒以上10分以下である。1秒未満の場合、触媒層を十分に高分子電解質膜に転写できない場合がある。10分より長い場合、高分子電解質膜が熱によるダメージを受ける場合がある。転写ステップの通過時間は、より好ましくは1秒以上5分以下、さらに好ましくは1秒以上1分以下、一層好ましくは1秒以上20秒以下である。
加圧搬送工程において高分子電解質膜および触媒転写シートに付与される圧力は、任意の圧力を適用できるが、0.15〜10MPaであることが好ましい。0.15MPa未満の場合、触媒層を十分に高分子電解質膜に転写できない場合がある。10MPaよりも大きい場合、高分子電解質膜に余分な圧力がかかりすぎるため、高分子電解質膜のダメージが大きくなり、耐久性が低下する場合がある。加圧搬送工程の圧力は、より好ましくは、0.5MPa以上5MPa以下である。
加圧搬送部Pを通過したCCM12は、ガイドローラー118A、118Bの間を通過し、CCM巻取ローラー120によってロール状に巻き取られ、製造が終了する。また、基材22A、22Bは、基材巻取ローラー122A、122Bによってロール状に巻き取られる。
〔第2の実施形態〕
次に、図2に示す第2の実施形態に係るCCMの製造装置および製造方法について、図1に示すCCM製造装置を使用した場合との違いを中心に説明する。
次に、図2に示す第2の実施形態に係るCCMの製造装置および製造方法について、図1に示すCCM製造装置を使用した場合との違いを中心に説明する。
図2に示すCCM製造装置100は、加熱手段116が上方ベルト機構と下方ベルト機構の下流側(右側)にのみ備えられている。そのため、加圧搬送部Pに進入した高分子電解質膜10と触媒転写シート20A、20Bとは、まず加熱手段116から離れた位置でダブルベルトプレス機構により加圧されながら搬送される。そして、高分子電解質膜10と触媒転写シート20A、20Bは、加熱手段116の位置近くまで搬送されるにつれて、加熱手段116からの熱により徐々に加熱され、最終的に転写開始温度以上の温度にまで達する。すなわち、本実施形態に係るCCMの製造方法においては、加圧搬送工程中に、高分子電解質膜と触媒転写シートを転写開始温度未満の温度で1秒以上搬送するステップ(転写前ステップ)と、転写開始温度以上の温度に加熱しながら搬送するステップ(転写ステップ)とをこの順に有する。転写ステップにおいて、触媒転写シート20Aおよび20Bの触媒層は、高分子電解質膜10の上面および下面にそれぞれ転写される。すなわち、転写ステップを通過した高分子電解質膜10は触媒付電解質膜(CCM)12となり、触媒転写シート20A、20Bは触媒層を失って基材22A、22Bのみが残る。
転写前ステップ通過中の高分子電解質膜および触媒転写シートの温度は、転写開始温度未満の温度であれば特に限定されないが、5℃以上100℃未満であることが好ましい。100℃以上の場合は、加圧すると同時に高分子電解質膜10の表面が乾燥し、しわが発生しやすくなる。また、5℃未満の場合は、電解質膜の表面の柔軟性が失われ、触媒層と電解質膜との界面が乱れて転写むらが発生する場合がある。転写前ステップにおける高分子電解質膜および触媒転写シートの温度は、20℃以上100℃未満であることがより好ましい。また、転写前ステップにおいては、転写前ステップ開始前の高分子電解質膜の温度からの温度変化が30℃以内であることが好ましい。
転写前ステップの通過時間は、1秒以上であれば特に制限されるものではないが、1秒以上30分以下が好ましい。1秒未満の場合、電解質シートとガス拡散シートとを十分に接触させることができず、電解質シートにさらにしわが発生しやすくなる場合がある。30分以上の場合、工程時間が非常に長く、生産性が低下する可能性がある。転写前ステップの通過時間は、より好ましくは1秒以上10分以下、さらに好ましくは1秒以上1分以下、一層好ましくは1秒以上20秒以下である。
また、転写前ステップの初期温度上昇速度sは20℃/秒以下となるよう設定することが好ましい。初期温度上昇速度とは、転写前ステップ開始直後、すなわち本実施形態においては加圧搬送工程進入直後の高分子電解質膜および触媒転写シートの温度上昇カーブの傾きを意味する。転写前ステップにおける初期温度上昇速度は、15℃/秒以下がより好ましく10℃/秒以下がさらに好ましい。また、転写前ステップを5秒以上行う場合には、転写前ステップ開始から5秒後の温度上昇速度が20℃/秒以下となるよう設定することが好ましく、15℃/秒以下がより好ましく10℃/秒以下がさらに好ましい。このように設定することで、高分子電解質膜中や触媒層中の水分等の残存揮発分がある場合、急激に蒸発してCCMの表面にボイドを形成したりシワが発生したりするのを低減できる。なお、初期温度上昇速度は、転写前ステップを通過する高分子電解質膜、触媒転写シート、あるいはそれを模した試験用シートに温度素子を設置して測定するものとする。
転写ステップの加熱温度は、転写開始温度以上の温度であって。転写前ステップより高い温度である限り特に限定されるものではないが、上記第1の実施形態として記載したのと同様の温度を適用することが好ましい。転写ステップの通過時間および圧力についても同様である。
〔第3の実施形態〕
次に、図3に示すCCM製造装置100を用いた第3の実施形態に係るCCMの製造方法について、図1に示すCCM製造装置を使用した場合との違いを中心に説明する。
次に、図3に示すCCM製造装置100を用いた第3の実施形態に係るCCMの製造方法について、図1に示すCCM製造装置を使用した場合との違いを中心に説明する。
図3に示すCCM製造装置100においては、上方ベルト機構および下方ベルト機構の上流部分には加熱手段等が設けられておらず、単純に圧力を付与するのみに構成されている。そして、上方ベルト機構および下方ベルト機構の各中流部分に加熱手段116が備えられている。さらに、上方ベルト機構および下方ベルト機構の各下流部分には、冷却手段126が備えられている。そのため、加圧搬送部Pに進入した高分子電解質膜10と触媒転写シート20A、20Bとは、まず実質的な加熱手段116から離れた位置でダブルベルトプレス機構により加圧されならが1秒以上搬送される。そして、高分子電解質膜10と触媒転写シート20A、20Bが加熱手段116の位置近くまで搬送されるにつれて、加熱手段116からの熱により徐々に加熱され、最終的に転写開始温度以上の温度にまで達する。この加熱により、触媒転写シート20Aおよび20Bの触媒層は、高分子電解質膜10の上面および下面にそれぞれ転写さる。すなわち、高分子電解質膜10は触媒付電解質膜(CCM)12となり、触媒転写シート20A、20Bは触媒層を失って基材22A、22Bのみが残る。そして、CCM12および基材22A、22Bがさらに冷却手段126の位置まで搬送されると、CCM12および基材22A、22Bは冷却手段126により冷却される。すなわち、本実施形態に係るCCMの製造方法においては、加圧搬送工程中に、高分子電解質膜と触媒転写シートを転写開始温度未満の温度で1秒以上搬送するステップ(転写前ステップ)と、転写開始温度以上の温度で加熱しながら搬送するステップ(転写ステップ)と、冷却しながら搬送するステップ(冷却ステップ)とをこの順に有する。なお、「冷却」とは、転写ステップ終了後のCCMの温度を転写開始温度未満に低下させる操作を意味する。
冷却ステップにおける冷却手段は、転写ステップを経たCCMの温度を低下させるものである限り特に限定されない。このような冷却手段としては、例えば、水やアルコールなどの、冷媒を用いた冷却装置を使用することができる。しかし、このような積極的に温度を低下させる操作を伴わないものであっても、加熱を行わないことにより結果的に転写ステップ終了後のCCMの温度を転写開始温度未満に低下させる場合は、冷却手段を有するとみなすことができる。
冷却ステップ通過直後のCCMの温度は、転写開始温度未満であれば特に限定されないが、5℃以上100℃未満であることが好ましい。100℃未満であれば、CCMのそりを効果的に抑制することができる。5℃未満の場合、触媒層と高分子電解質膜との界面剥離が生じる可能性がある。冷却ステップ通過直後のCCMの温度は、20℃以上80℃以下であることがより好ましい。また、冷却ステップにおいては、転写ステップ終了後のCCMの温度を40℃〜120℃低下させることが好ましく、60℃〜100℃低下させることがさらに好ましい。
また、冷却ステップの通過時間は、特に制限されるものではないが、1秒以上50分以下が好ましい。1秒未満の場合、急激に高分子電解質膜が冷却されるため、高分子電解質膜と触媒層との接合界面が乱れる場合がある。50分より長い場合、冷却するのに時間がかかり過ぎて熱によるダメージを受ける場合がある。冷却ステップの通過時間は、より好ましくは1秒以上10分以下、さらに好ましくは1秒以上1分以下である。
本実施形態においては、高分子電解質膜10だけでなく、搬送ベルト110A、110Bもそれぞれ冷却手段126の周辺を走行する際に冷却される。これにより、搬送ベルト110A、110Bは、次に上方ベルト機構および下方ベルト機構の上流部分を走行する際には十分に熱が取れた状態となり、転写前ステップにおいて高分子電解質膜等に余分な熱が加わることを防ぐことができる。その結果、高分子電解質膜の熱によるダメージが軽減され、耐久性が向上する場合がある。
<電解質膜>
本発明の触媒層付電解質膜の製造方法に供される高分子電解質膜は、プロトン伝導性を有し、固体高分子形燃料電池用の電解質膜として作動する限り特に限定されるものではなく、公知または市販のものを使用できる。このような高分子電解質膜としては、パーフルオロスルホン酸からなる電解質膜、具体的にはDuPont社製の「Nafion」(登録商標)、旭硝子社製の「Flemion」(登録商標)、旭化成社製の「Aciplex」(登録商標)、ゴア社製の「GORE−SELECT」(登録商標)等が挙げられる。また、炭化水素系骨格にプロトン伝導性を付与した炭化水素系ポリマーからなる高分子電解質膜も用いることができる。このような炭化水素系ポリマーとしては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリアリーレンエーテル系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリパラフェニレン、ポリアリーレン系ポリマー、ポリアリーレンケトン、ポリエーテルケトン、ポリアリーレンホスフィンホキシド、ポリエーテルホスフィンホキシド、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリベンズイミダゾール、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミドスルホン等の、主鎖に芳香環を有する芳香族炭化水素系ポリマーが好ましい例として挙げられる。
本発明の触媒層付電解質膜の製造方法に供される高分子電解質膜は、プロトン伝導性を有し、固体高分子形燃料電池用の電解質膜として作動する限り特に限定されるものではなく、公知または市販のものを使用できる。このような高分子電解質膜としては、パーフルオロスルホン酸からなる電解質膜、具体的にはDuPont社製の「Nafion」(登録商標)、旭硝子社製の「Flemion」(登録商標)、旭化成社製の「Aciplex」(登録商標)、ゴア社製の「GORE−SELECT」(登録商標)等が挙げられる。また、炭化水素系骨格にプロトン伝導性を付与した炭化水素系ポリマーからなる高分子電解質膜も用いることができる。このような炭化水素系ポリマーとしては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリアリーレンエーテル系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリパラフェニレン、ポリアリーレン系ポリマー、ポリアリーレンケトン、ポリエーテルケトン、ポリアリーレンホスフィンホキシド、ポリエーテルホスフィンホキシド、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリベンズイミダゾール、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミドスルホン等の、主鎖に芳香環を有する芳香族炭化水素系ポリマーが好ましい例として挙げられる。
なお、ポリエーテルスルホンとはその分子鎖にスルホン結合を有しているポリマーの総称である。また、ポリエーテルケトンとはその分子鎖にエーテル結合およびケトン結合を有しているポリマーの総称であり、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンスルホンなどを含むものであり、特定のポリマー構造を限定するものではない。
これらのポリマーのなかでも、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリアリーレンエーテル系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリアリーレンケトン、ポリエーテルケトン、ポリアリーレンホスフィンホキシド、ポリエーテルホスフィンホキシド等のポリマーが、機械強度、物理的耐久性、加工性および耐加水分解性の面から好適に用いられる。
特に芳香族炭化水素系ポリマーからなる電解質膜の場合、最初から加熱と共に加圧すると、電解質膜の表面の乾燥が顕著であり、触媒層の転写むらやしわが発生しやすいため、本発明の製造方法、製造装置を好適に適用できる。
<その他>
本発明の製造方法および製造装置は、前述の各実施形態に限定されるわけではなく、当業者には容易に理解されるように、各実施形態で説明したそれぞれの要素を任意に組み合わせて実施することができる。例えば、上記第3の実施形態としては、転写前ステップ、転写ステップおよび冷却ステップが一つのダブルベルトプレス機構の通過中に連続して行われる例を記載したが、各ステップにおいて高分子電解質膜と触媒転写シートとを一定圧力で面的に加圧しながらの搬送が行われる限り、それぞれのステップを別々のダブルベルトプレス機構により行うよう構成してもよい。また、上記の全ての実施形態は、加圧搬送工程中に少なくとも転写ステップを有する例であり、この態様が最も好ましいが、必ずしも加圧搬送工程中に転写ステップが行われる必要はなく、例えば加圧搬送工程中に転写前ステップや冷却ステップのみを有するよう構成することもできる。さらに、図3に示すCCMの製造装置は、ダブルベルトプレス機構の上流部分には加熱手段等を有しないとともに、中流部分に加熱手段を、下流部分に冷却手段を有する例であるが、上流部分、中流部分、下流部分に温度設定可能な調温手段を設け、各調温手段の設定温度を操作することや、各調温手段のスイッチをオン/オフすることにより、転写前ステップ、転写ステップおよび/または冷却ステップを実施するよう構成してもよい。
本発明の製造方法および製造装置は、前述の各実施形態に限定されるわけではなく、当業者には容易に理解されるように、各実施形態で説明したそれぞれの要素を任意に組み合わせて実施することができる。例えば、上記第3の実施形態としては、転写前ステップ、転写ステップおよび冷却ステップが一つのダブルベルトプレス機構の通過中に連続して行われる例を記載したが、各ステップにおいて高分子電解質膜と触媒転写シートとを一定圧力で面的に加圧しながらの搬送が行われる限り、それぞれのステップを別々のダブルベルトプレス機構により行うよう構成してもよい。また、上記の全ての実施形態は、加圧搬送工程中に少なくとも転写ステップを有する例であり、この態様が最も好ましいが、必ずしも加圧搬送工程中に転写ステップが行われる必要はなく、例えば加圧搬送工程中に転写前ステップや冷却ステップのみを有するよう構成することもできる。さらに、図3に示すCCMの製造装置は、ダブルベルトプレス機構の上流部分には加熱手段等を有しないとともに、中流部分に加熱手段を、下流部分に冷却手段を有する例であるが、上流部分、中流部分、下流部分に温度設定可能な調温手段を設け、各調温手段の設定温度を操作することや、各調温手段のスイッチをオン/オフすることにより、転写前ステップ、転写ステップおよび/または冷却ステップを実施するよう構成してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各物性の測定条件および電池性能の評価方法は次の通りである。
(測定例1)高温低加湿発電評価(発電性能)
実施例記載の方法で作製したCCMにガス拡散層(SGL社製市販ガス拡散層:24BCH)を接合して膜電極接合体(MEA)を作製した。作製したMEAを英和(株)製 JARI標準セル“Ex−1”(電極面積25cm2)にセットして発電評価用モジュールとし、下記条件で発電評価を行い、電圧が0.1V以下になるまで0A/cm2から1.2A/cm2まで電流を掃引した。本発明では電流密度1A/cm2時の電圧を比較した。なお、膜電極接合体を上記セルにセットする際に、0.7GPaの圧力を負荷した。
実施例記載の方法で作製したCCMにガス拡散層(SGL社製市販ガス拡散層:24BCH)を接合して膜電極接合体(MEA)を作製した。作製したMEAを英和(株)製 JARI標準セル“Ex−1”(電極面積25cm2)にセットして発電評価用モジュールとし、下記条件で発電評価を行い、電圧が0.1V以下になるまで0A/cm2から1.2A/cm2まで電流を掃引した。本発明では電流密度1A/cm2時の電圧を比較した。なお、膜電極接合体を上記セルにセットする際に、0.7GPaの圧力を負荷した。
電子負荷装置;菊水電子工業社製 電子負荷装置“PLZ664WA”
セル温度;常時80℃
ガス加湿条件;アノード、カソードとも30%RH
ガス利用率;アノードは量論の70%、カソードは量論の40%
(測定例2)乾湿サイクル試験(耐久性)
膜の乾燥湿潤サイクルを実際の発電状態で起こし機械的な耐久性および化学的な耐久性の総合的な指標とした。サイクル回数が大きいほど機械的および化学的耐久性が優れている。
セル温度;常時80℃
ガス加湿条件;アノード、カソードとも30%RH
ガス利用率;アノードは量論の70%、カソードは量論の40%
(測定例2)乾湿サイクル試験(耐久性)
膜の乾燥湿潤サイクルを実際の発電状態で起こし機械的な耐久性および化学的な耐久性の総合的な指標とした。サイクル回数が大きいほど機械的および化学的耐久性が優れている。
上記測定例6と同様に発電評価用モジュールとし、下記の条件で起動と停止繰り返し、起動時の電圧が0.2V未満または停止時の開回路電圧が0.8V未満になる回数を評価した。
電子負荷装置;菊水電子工業社製 電子負荷装置“PLZ664WA”
セル温度;常時80℃
ガス加湿条件;アノード、カソードとも50%RH
起動時供給ガス;アノードは水素、カソード空気
起動時負荷電流;1A/cm2
起動時ガス利用率;アノードは量論の70%、カソードは量論の40%
起動時間;3分間
停止時供給ガス流量;アノード水素は0.25L/min、カソード空気は1L/min
停止時間;3分間
起動と停止の切り替え時;アノードに乾燥窒素、カソードに乾燥空気を1L/minで1分間供給し電解質膜を乾燥させた。
セル温度;常時80℃
ガス加湿条件;アノード、カソードとも50%RH
起動時供給ガス;アノードは水素、カソード空気
起動時負荷電流;1A/cm2
起動時ガス利用率;アノードは量論の70%、カソードは量論の40%
起動時間;3分間
停止時供給ガス流量;アノード水素は0.25L/min、カソード空気は1L/min
停止時間;3分間
起動と停止の切り替え時;アノードに乾燥窒素、カソードに乾燥空気を1L/minで1分間供給し電解質膜を乾燥させた。
(測定例3)CCMの品位評価
CCMは、目視にて電解質膜の変形が確認されなかった場合を「良好」、変形が確認された場合を「不良」と記載し、さらに目視にて表面にしわが確認された場合を「しわ有り」、また目視にて触媒層の転写むらが確認された場合を「転写むらあり」と記載した。
CCMは、目視にて電解質膜の変形が確認されなかった場合を「良好」、変形が確認された場合を「不良」と記載し、さらに目視にて表面にしわが確認された場合を「しわ有り」、また目視にて触媒層の転写むらが確認された場合を「転写むらあり」と記載した。
また、CCMを50mm角に切り取り、室温25℃、相対湿度60%の環境下で30分放置後に、オプテックス・エフエー株式会社製卓上3D形状計測装置3D−Eyeスキャナー標準タイプ(青色レーザー、光切断法)を用い、下記の条件でシワ高さ(=最大値−最小値)を測定した。同一CCMサンプル内の任意の場所から採取した5水準を測定し、計測された最大値と最小値を除いた3水準の平均値をシワ高さとした。
スキャン幅:14.5mm
スキャン長さ:30.0mm
スキャン速度:10mm/秒
測定分解能: X軸 10μm、Y軸 9.5μm、Z軸 0.84μ
[合成例1:下記式で表されるポリマーからなるポリエーテルケトン系高分子電解質膜の合成]
スキャン幅:14.5mm
スキャン長さ:30.0mm
スキャン速度:10mm/秒
測定分解能: X軸 10μm、Y軸 9.5μm、Z軸 0.84μ
[合成例1:下記式で表されるポリマーからなるポリエーテルケトン系高分子電解質膜の合成]
まず、下記式で表される2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン(K−DHBP)を合成した。
攪拌器、温度計及び留出管を備えた500mlフラスコに、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン49.5g、エチレングリコール134g、オルトギ酸トリメチル96.9g及びp−トルエンスルホン酸1水和物0.50gを仕込み溶解する。その後78〜82℃で2時間保温攪拌した。更に、内温を120℃まで徐々に昇温、ギ酸メチル、メタノール、オルトギ酸トリメチルの留出が完全に止まるまで加熱した。この反応液を室温まで冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、有機層を5%炭酸カリウム水溶液100mlで洗浄し分液後、溶媒を留去した。残留物にジクロロメタン80mlを加え結晶を析出させ、濾過し、乾燥して2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン52.0gを得た。この結晶をGC分析したところ99.8%の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソランと0.2%の4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノンであった。
次に、下記式で表されるジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノンを合成した。
4,4’−ジフルオロベンゾフェノン109.1g(アルドリッチ試薬)を発煙硫酸(50%SO3)150mL(和光純薬試薬)中、100℃で10h反応させた。その後、多量の水中に少しずつ投入し、NaOHで中和した後、食塩200gを加え合成物を沈殿させた。得られた沈殿を濾別し、エタノール水溶液で再結晶し、ジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノンを得た。純度は99.3%であった。構造は1H−NMRで確認した。不純物はキャピラリー電気泳動(有機物)およびイオンクロマトグラフィー(無機物)で定量分析を行った。
次に、炭酸カリウム6.91g、ジソジウム 3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン7.30g、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン10.3g、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン5.24gを用いて、N−メチルピロリドン(NMP)中、210℃で重合を行った。
得られたポリマーを溶解させた25重量%N−メチルピロリドン(NMP)溶液を、ガラス繊維フィルターを用いて加圧ろ過後、ロール状のPETフィルム上に流延塗布し、100℃にて4h乾燥後、窒素下150℃で10分間熱処理し、ポリケタールケトン膜を得た。ポリマーの溶解性は極めて良好であった。95℃で10重量%硫酸水溶液に24時間浸漬してプロトン置換、脱保護反応した後に、大過剰量の純水に24時間浸漬して充分洗浄し、高分子電解質膜を得た。
このようにして得られた高分子電解質膜を構成するポリマーのTgは155℃℃である。
[実施例1]
図1に示す概略構成の装置を用いて、合成例1で作成したポリエーテルケトン系高分子電解質膜に触媒転写シートから触媒層を転写してCCMを作製した。触媒転写シートは、PTFEシート上に、田中貴金属工業社製Pt担持カーボン触媒TEC10E50Eと”ナフィオン(登録商標)”溶液からなる触媒塗液を塗工し、乾燥して作製したものを使用した(白金担時量は0.3mg/cm2)。加圧手段としては油圧方式を用い、4.5MPaの面的に均一な圧力を搬送ベルトに付与するものとした。高分子電解質膜と触媒転写シートは、加圧搬送工程(転写ステップ)の通過時間が10秒となるスピードで搬送した。加圧搬送部Pは、転写ステップ通過中の高分子電解質膜の実測温度の最高値が160℃となるよう調整した。このように作製したCCMを目視確認したところ、CCMのしわは若干存在したが、高分子電解質膜の変形は存在しなかった。
図1に示す概略構成の装置を用いて、合成例1で作成したポリエーテルケトン系高分子電解質膜に触媒転写シートから触媒層を転写してCCMを作製した。触媒転写シートは、PTFEシート上に、田中貴金属工業社製Pt担持カーボン触媒TEC10E50Eと”ナフィオン(登録商標)”溶液からなる触媒塗液を塗工し、乾燥して作製したものを使用した(白金担時量は0.3mg/cm2)。加圧手段としては油圧方式を用い、4.5MPaの面的に均一な圧力を搬送ベルトに付与するものとした。高分子電解質膜と触媒転写シートは、加圧搬送工程(転写ステップ)の通過時間が10秒となるスピードで搬送した。加圧搬送部Pは、転写ステップ通過中の高分子電解質膜の実測温度の最高値が160℃となるよう調整した。このように作製したCCMを目視確認したところ、CCMのしわは若干存在したが、高分子電解質膜の変形は存在しなかった。
測定例1および2に従って測定した発電性能は、0.3V、乾湿サイクル耐久性は、3000回であった。
[実施例2]
高分子電解質膜として、合成例1で作製したものに替えてNafion(登録商標)211CS膜(デュポン社製)(Tg:118℃)を使用したこと、転写ステップ通過中の高分子電解質膜の実測温度の最高値が150℃となるよう調整したこと以外は実施例1と同様にして、CCMを作製した。
高分子電解質膜として、合成例1で作製したものに替えてNafion(登録商標)211CS膜(デュポン社製)(Tg:118℃)を使用したこと、転写ステップ通過中の高分子電解質膜の実測温度の最高値が150℃となるよう調整したこと以外は実施例1と同様にして、CCMを作製した。
[実施例3]
図2に示す概略構成の装置を用いて、合成例1で作成したポリエーテルケトン系高分子電解質膜に触媒転写シートから触媒層を転写してCCMを作製した。なお、実際に用いた装置は、加圧搬送部Pにおける転写前ステップと転写ステップの通過距離が1:1となるように構成した。また、加圧手段としては油圧方式を用い、4.5MPaの面的に均一な圧力を搬送ベルトに付与するものとした。加圧搬送部Pは、転写前ステップ進入時のベルトと高分子電解質膜の実測温度がともに25℃、転写前ステップにおける初期温度上昇速度が18℃/秒、転写ステップ通過中のベルトと高分子電解質膜の実測温度の最高値はともに160℃となるように調整した。高分子電解質膜と触媒転写シートは、転写前ステップおよび転写ステップの各通過時間が10秒となるスピードで搬送した。
図2に示す概略構成の装置を用いて、合成例1で作成したポリエーテルケトン系高分子電解質膜に触媒転写シートから触媒層を転写してCCMを作製した。なお、実際に用いた装置は、加圧搬送部Pにおける転写前ステップと転写ステップの通過距離が1:1となるように構成した。また、加圧手段としては油圧方式を用い、4.5MPaの面的に均一な圧力を搬送ベルトに付与するものとした。加圧搬送部Pは、転写前ステップ進入時のベルトと高分子電解質膜の実測温度がともに25℃、転写前ステップにおける初期温度上昇速度が18℃/秒、転写ステップ通過中のベルトと高分子電解質膜の実測温度の最高値はともに160℃となるように調整した。高分子電解質膜と触媒転写シートは、転写前ステップおよび転写ステップの各通過時間が10秒となるスピードで搬送した。
[実施例4]
図3に示す概略構成の装置を用いて、合成例1で作成したポリエーテルケトン系高分子電解質膜に触媒転写シートから触媒層を転写してCCMを作製した。なお、実際に用いた装置は、加圧搬送部Pにおける転写前ステップ、転写ステップおよび冷却ステップの通過距離が1:1:6となるように構成した。また、加圧手段としては油圧方式を用い、4.5MPaの面的に均一な圧力を搬送ベルトに付与するものとした。加圧搬送部Pは、転写前ステップ進入時のベルトと高分子電解質膜の実測温度がともに25℃、初期温度上昇速度が5℃/秒、転写ステップ通過中のベルトと高分子電解質膜の実測温度の最高値がともに160℃、冷却ステップ終了直後のベルトと高分子電解質膜の実測温度がともに80℃となるように調整した。高分子電解質膜と触媒転写シートは、転写前ステップおよび転写ステップの各通過時間が10秒、冷却ステップの通過時間が60秒となるスピードで搬送した。
図3に示す概略構成の装置を用いて、合成例1で作成したポリエーテルケトン系高分子電解質膜に触媒転写シートから触媒層を転写してCCMを作製した。なお、実際に用いた装置は、加圧搬送部Pにおける転写前ステップ、転写ステップおよび冷却ステップの通過距離が1:1:6となるように構成した。また、加圧手段としては油圧方式を用い、4.5MPaの面的に均一な圧力を搬送ベルトに付与するものとした。加圧搬送部Pは、転写前ステップ進入時のベルトと高分子電解質膜の実測温度がともに25℃、初期温度上昇速度が5℃/秒、転写ステップ通過中のベルトと高分子電解質膜の実測温度の最高値がともに160℃、冷却ステップ終了直後のベルトと高分子電解質膜の実測温度がともに80℃となるように調整した。高分子電解質膜と触媒転写シートは、転写前ステップおよび転写ステップの各通過時間が10秒、冷却ステップの通過時間が60秒となるスピードで搬送した。
[実施例5]
高分子電解質膜として、合成例1で作製したものに替えてNafion211CS膜を使用し、転写ステップ通過中の高分子電解質膜の実測温度が150℃となるよう調整した以外は実施例3と同様にして、CCMを作製した。
高分子電解質膜として、合成例1で作製したものに替えてNafion211CS膜を使用し、転写ステップ通過中の高分子電解質膜の実測温度が150℃となるよう調整した以外は実施例3と同様にして、CCMを作製した。
[実施例6]
高分子電解質膜として、合成例1で作製したものに替えてNafion211CS膜を使用した以外は実施例4と同様にして、CCMを作製した。
高分子電解質膜として、合成例1で作製したものに替えてNafion211CS膜を使用した以外は実施例4と同様にして、CCMを作製した。
[比較例1]
ロールプレス装置を用いて、合成例1で作成したポリエーテルケトン系高分子電解質膜に触媒転写シートから触媒層を転写してCCMを作製した。ロールと接触中の高分子電解質膜の実測温度の最高値は160℃、圧力4.5Ma、ロールとの接触時間が1秒となるよう実施した。
ロールプレス装置を用いて、合成例1で作成したポリエーテルケトン系高分子電解質膜に触媒転写シートから触媒層を転写してCCMを作製した。ロールと接触中の高分子電解質膜の実測温度の最高値は160℃、圧力4.5Ma、ロールとの接触時間が1秒となるよう実施した。
[比較例2]
高分子電解質膜として、合成例1で作製したものに替えてNafion211CS膜を使用し、ロールと高分子電解質膜の実測温度の最高値が150℃となるよう調整した以外は比較例1と同様にして、CCMを作製した。
高分子電解質膜として、合成例1で作製したものに替えてNafion211CS膜を使用し、ロールと高分子電解質膜の実測温度の最高値が150℃となるよう調整した以外は比較例1と同様にして、CCMを作製した。
各実施例、比較例の製造条件およびCCMの評価結果を表1に示す。
10:高分子電解質膜
12:CCM
20A、20B:触媒転写シート
22A、22B:基材
100:CCM製造装置
102:電解質膜供給ローラー
104A、104B:触媒転写シート供給ローラー
106A、106B、118A、118B:ガイドローラー
108A、108B、112A、112B:ドラム
110A、110B:搬送ベルト
116:加熱手段
120:CCM巻取ローラー
122A,122B:基材巻取ローラー
124A、124B:加圧手段
126:冷却手段
12:CCM
20A、20B:触媒転写シート
22A、22B:基材
100:CCM製造装置
102:電解質膜供給ローラー
104A、104B:触媒転写シート供給ローラー
106A、106B、118A、118B:ガイドローラー
108A、108B、112A、112B:ドラム
110A、110B:搬送ベルト
116:加熱手段
120:CCM巻取ローラー
122A,122B:基材巻取ローラー
124A、124B:加圧手段
126:冷却手段
Claims (13)
- 長尺の高分子電解質膜と、長尺の触媒転写シートとを連続搬送しながら前記高分子電解質膜に触媒層を転写する触媒層付電解質膜の製造方法であって、
前記高分子電解質膜と前記触媒転写シートの触媒層とが接触した状態で前記高分子電解質膜と前記触媒転写シートとを一定圧力で面的に加圧しながら搬送する加圧搬送工程を有する触媒層付電解質膜の製造方法。 - 前記加圧搬送工程を、接触した状態の前記高分子電解質膜と前記触媒転写シートとを両面から搬送ベルトで挟み込むダブルベルトプレス機構により行う、請求項1に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
- 前記ダブルベルトプレス機構が前記搬送ベルトに面的に均一な圧力を付与する加圧手段を内蔵するものである、請求項2に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
- 前記加圧手段が油圧方式である、請求項3に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
- 前記加圧搬送工程中に、前記高分子電解質膜および前記触媒転写シートを加熱しながら搬送するステップを有する、請求項1〜4のいずれかに記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
- 前記加圧搬送工程中に、前記高分子電解質膜および前記触媒転写シートを転写開始温度未満の温度で1秒以上搬送する転写前ステップ、該転写前ステップよりも高い温度であって、転写開始温度以上の温度に加熱しながら搬送する転写ステップをこの順に有する、請求項5に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
- 前記加圧搬送工程中に、前記高分子電解質膜および前記触媒転写シートを転写開始温度未満の温度で1秒以上搬送する転写前ステップ、該転写前ステップより高い温度であって、転写開始温度以上の温度に加熱しながら搬送する転写ステップ、転写開始温度未満の温度に冷却しながら搬送する冷却ステップをこの順に有する、請求項6に記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
- 前記転写前ステップの初期温度上昇速度が20℃/秒以下である請求項6記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
- 前記高分子電解質膜として芳香族炭化水素系ポリマーからなる電解質膜を用いる、請求項1〜7のいずれかに記載の触媒層付電解質膜の製造方法。
- 長尺の高分子電解質膜と、長尺の触媒転写シートとを連続搬送しながら前記高分子電解質膜に触媒層を転写する触媒層付電解質膜の製造装置であって、
前記高分子電解質膜と前記触媒転写シートの触媒層とが接触した状態で前記高分子電解質膜と前記触媒転写シートとを一定圧力で面的に加圧しながら搬送する加圧搬送部を有する触媒層付電解質膜の製造装置。 - 前記加圧搬送部は、接触した状態の前記高分子電解質膜と前記触媒転写シートとを両面から搬送ベルトで挟み込むダブルベルトプレス機構で構成される、請求項10に記載の触媒層付電解質膜の製造装置。
- 前記加圧搬送部が、前記高分子電解質膜と前記触媒転写シートとを加熱するための加熱手段を備える、請求項10または11に記載の触媒層付電解質膜の製造装置。
- 前記加圧搬送部が、さらに加熱された前記高分子電解質膜と前記触媒転写シートとを冷却するための冷却手段を備える、請求項12に記載の触媒層付電解質膜の製造装置。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015226276 | 2015-11-19 | ||
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017103220A true JP2017103220A (ja) | 2017-06-08 |
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ID=59018186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016224729A Pending JP2017103220A (ja) | 2015-11-19 | 2016-11-18 | 触媒層付電解質膜の製造方法および製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017103220A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11108069B2 (en) | 2016-09-30 | 2021-08-31 | Kolon Industries, Inc. | Method for manufacturing membrane electrode assembly including transferring electrode layer to electrolyte membrane by gas pressure |
WO2024004856A1 (ja) * | 2022-06-27 | 2024-01-04 | 東レ株式会社 | 電解質膜、触媒層付電解質膜およびその作製に用いられる転写シート、膜電極接合体、水電解装置並びに触媒層付電解質膜の製造方法 |
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2016
- 2016-11-18 JP JP2016224729A patent/JP2017103220A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11108069B2 (en) | 2016-09-30 | 2021-08-31 | Kolon Industries, Inc. | Method for manufacturing membrane electrode assembly including transferring electrode layer to electrolyte membrane by gas pressure |
WO2024004856A1 (ja) * | 2022-06-27 | 2024-01-04 | 東レ株式会社 | 電解質膜、触媒層付電解質膜およびその作製に用いられる転写シート、膜電極接合体、水電解装置並びに触媒層付電解質膜の製造方法 |
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