JP2017102334A - ハードコートフィルム、偏光板、および透過型液晶ディスプレイ - Google Patents

ハードコートフィルム、偏光板、および透過型液晶ディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】鉛筆硬度に優れ、干渉縞が低減され、リタデーションの低いハードコートフィルム、並びに、これを用いた視認性の良い偏光板および透過型液晶ディスプレイを提供する。【解決手段】支持基材の片面もしくは両面にハードコート層を有するハードコートフィルムであって、支持基材が、(メタ)アクリロイル基を有する光重合性モノマーを含む光重合性組成物が光硬化した樹脂成形体であり、光重合性組成物は、芳香環もしくは環状構造を含み、支持基材の引張強度が40N/mm2以上であり、支持基材のガラス転移温度が45℃以上であることを特徴とする、ハードコートフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示装置、プラズマ表示装置、エレクトロクロミック表示装置、発光ダイオード表示装置、EL表示装置などや、タッチパネルなどの表示装置部品などの保護フィルムとして使用でき、また、機能性フィルムとしても使用できるハードコートフィルムに関する。
液晶ディスプレイ用偏光板保護フィルムや、有機ELディスプレイ等に用いられる偏光板の保護フィルムには、様々な機能を持たせるために樹脂層が形成されている。樹脂層としては、例えば帯電防止機能を持たせるための帯電防止層、反射を抑えるための反射防止層、表面硬度を向上させるためのハードコート層といったものが形成される。特にハードコート層についてはディスプレイ用途では必要不可欠なものとなっており、単層で用いるだけでなく反射防止層の下層にもなる。
支持基材上にハードコート層が形成されたフィルムにおいては、ハードコート層と支持基材の屈折率差が大きくなると、ハードコート層上面(ディスプレイ表面)で反射する光と、ハードコート層下面(透明基材との界面)で反射する光で、両者の光が干渉して虹色のムラ(干渉縞)を生じ、ディスプレイの視認性が低下する要因となる。
干渉縞を軽減する方法として、透明支持基材とハードコート層の屈折率差を低減するために、透明支持基材とハードコート層の間に、屈折率が透明基材とハードコート層の各値の中間の値である層(中間層)を1層設ける方法(特許文献1参照)、透明基材とハードコート層の界面近傍の屈折率が連続的に変化するように、ハードコート塗液中の溶剤に透明基材を溶解又は膨潤させるものを用い、透明基材とハードコート層の間に屈折率傾斜層を設ける方法(特許文献2参照)などが検討されている。
しかし、中間層を設ける方法では、屈折率差は小さくなるが、層間の界面は残っており、干渉縞を完全になくすことは不可能であり、さらに中間層を形成させるプロセスが必要であるため、製造コストが増す。透明基材を溶解又は膨潤させる溶剤を用いた方法では、干渉縞をなくすために必要な厚さの屈折率傾斜層が形成される前に、溶剤が揮発してしまうため、干渉縞抑制が困難である。また、透明支持基材を溶解、もしくは膨潤させるため、ハードコートの十分な硬さが得られないといった課題があった。
また、液晶表示装置は、液晶分子の持つ複屈折性を利用した表示素子である。液晶表示装置を構成する部材においては、液晶、位相差板、偏光板以外のものは位相差をもたないものとして設計することが多い。液晶、位相差板、偏光板以外の部材において、微小ながらも位相差を有する場合には、液晶表示装置特有の視認性、特に斜め視認性が悪化する。そのため、液晶表示装置などで使用される支持基材や、塗布膜は極力位相差を有さないものが望ましい。
光学フィルムの支持基材として一般的に使用される、トリアセチルセルロース(TAC)やポリエチレンテレフタレート(PET)などは、基材の材料自体の性質により、またはその基材の製造過程により位相差が発生する。これらを液晶ディスプレイ等のハードコートフィルムの支持基材として使用した場合には、視認性の低下が生じやすくなるため、近年では、支持基材の位相差を低減させる検討も試みられている(非特許文献1参照)。
フィルムなどにおける厚み方向の位相差Rthは、下記式(1)にて表され、膜厚に比例して大きくなる。また、式(1)中の複屈折率Δnは、下記式(2)にて表される。式(1)より、位相差を生じる基材を使用する場合、膜厚の薄いものを使用する方が視認性は良化することがわかる。
Rth=Δn×d ・・・(1)
Δn=(2π/45kT)×{(ND+2)/ND}×(σ‖−σ⊥)×σ
・・・(2)
ここで、
Δn:複屈折率
ND:平均屈折率
σ‖−σ⊥:主分極差
σ:応力
k:ボルツマン定数
T:絶対温度
Rth:厚み方向位相差
d:膜厚
である。
また、基材に塗工する塗液についても、位相差の小さいものであることが望ましい。特に、熱硬化性の樹脂においては、収縮が大きいものを用いると、上記式(2)に記載の応力σが大きくなり、結果として位相差が大きくなる。
特開2000−111706号公報 特開2003−131007号公報
鈴木亮、「低複屈折光学フィルムの開発と動向」、月刊ディスプレイ、テクノタイムズ社、2012年4月
本発明は、鉛筆硬度に優れ、干渉縞が低減され、リタデーションの低いハードコートフィルム、並びに、これを用いた視認性の良い偏光板および透過型液晶ディスプレイを提供することを目的とする。
本発明は、支持基材の片面もしくは両面にハードコート層を有するハードコートフィルムに関するものであって、支持基材が、(メタ)アクリロイル基を有する光重合性モノマーを含む光重合性組成物が光硬化した樹脂成形体であり、光重合性組成物に含まれる光重合性モノマーは芳香環もしくは環状構造を含み、支持基材の引張強度が40N/mm以上であり、支持基材のガラス転移温度が45℃以上であることを特徴とする。ガラス転移温度が45℃以上であれば、ハードコートの実用上問題がない。本発明では、支持基材がハードコート層に近い屈折率を有するため、干渉縞が低減される。
下記式(3)で表される厚み方向の位相差Rthが2nm以下であることが好ましい。
Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d ・・・(3)
ここで、Nxはハードコートフィルムの平面内で定義したX方向の屈折率、NyはX方向と直交するY方向の屈折率(ただし、NxはNx≧Nyとする遅相軸)、Nzは厚み方向の屈折率である。dはハードコートフィルムの厚みである。
支持基材の厚さが20μm以上100μm以下であることが好ましい。
ハードコート層の厚さが2μm以上15μm以下であることが好ましい。
ハードコート層が光硬化性組成物の硬化膜よりなることが好ましい。
鉛筆硬度が2H以上であることが好ましい。
また、本発明に係る偏光板は、上記のいずれかのハードコートフィルムを備えるものである。
また、本発明に係る透過型液晶ディスプレイは、上記のいずれかのハードコートフィルムを備えるものである。
本発明によれば、鉛筆硬度に優れ、干渉縞が低減され、リタデーションの低いハードコートフィルム、並びに、これを用いた視認性の良い偏光板および透過型液晶ディスプレイを提供できる。
本発明に係るハードコートフィルムは、アクリロイル基またはメタクリロイル基を2または3個有する光重合性モノマーを含有する光重合性組成物であって、芳香環または環状構造を有するモノマーを全質量の50%以上含有する光重合性組成物を光硬化させて得た硬化膜を支持基材として用いる。支持基材の引張強度は40N/mm以上であり、このような強度の高い支持基材上にハードコート層を形成することで、高い硬度が発現しやすくなる。また、本発明に係るハードコートフィルムにおいて、支持基材のリタデーションは低い。さらには、この支持基材上に、光硬化性樹脂を塗布しハードコート層を形成することで、支持基材とハードコート層の屈折率差が小さくなり、干渉縞が低減し、当該フィルムを搭載したディスプレイにおいては、視認性の向上が期待できる。
本発明で使用される光重合性モノマー、光重合性組成物、光硬化性組成物とは、紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応を経て硬化する材料をいう。
芳香環もしくは環状構造(脂環構造)を有する(メタ)アクリレートのモノマーを用いることにより、比較的高い強度特性が得られる。
本発明で使用される光重合性モノマーとして、アクリレート(メタクリレート)系のモノマーを用いることができる。2個のアクリロイル基もしくはメタクリロイル基および環状構造を含有する市販のモノマーとして、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(ライトアクリレートDCP−A):共栄社化学)、ビスフェノールA PO2mol付加物ジグリシジルエーテル アクリル付加物(エポキシエステル3002A:共栄社化学)、パラクミルフェノールEO変性アクリレート(アロニックスM−110:東亞合成)、ビスフェノールEO変性ジアクリレート(M−211B:東亞合成)、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(A−9300:新中村化学)、EA−HG011(大阪ガス化学)などがあげられる。
また、環状構造を含有しない2または3個のアクリロイル基もしくはメタクリロイル基を含有する樹脂として、エチレングリコールジアクリレート系の樹脂(ライトアクリレート3EG−A、ライトアクリレート4EG−A、ライトアクリレート9EG−A:共栄社化学)、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート(ライトアクリレートPTMGA−250:共栄社化学)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(ライトアクリレート1.6HX−A)、1,9−ノナンジオールジアクリレート(ライトアクリレート1.9ND−A)、トリメチロールプロパントリアクリレート(ライトアクリレートTMP−A)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(ライトアクリレートPE−3A)などが挙げられる。
環状構造を有し、1個のアクリロイル基もしくはメタクリロイル基を含有する樹脂としては、イソボルニルアクリレート(ライトアクリレートIB−XA:共栄社化学)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(ライトアクリレートTHF−A:共栄社化学)、フェノキシジエチレングリコールアクリレート(AMP−20GY:新中村化学)、アクリロイルモルホリン(ACMO(登録商標):KJケミカルズ)、アダマンチル骨格含有モノマー(HADM:三菱ガス化学)、パラクミルフェノールEO変性アクリレート(M−110:東亞合成)などが挙げられる。
環状構造を有さず、1個のアクリロイル基もしくはメタクリロイル基を含有する樹脂としては、ラウリルアクリレート(ライトアクリレートL−A)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(ライトエステルHOA:共栄社化学)などが挙げられる。
光重合性組成物の塗液において、溶剤の添加の有無は問わないが、溶剤を使用する場合には光硬化性樹脂を溶解するものであれば何でも使用できる。塗膜形成後の面性を良化させるためには、比較的沸点の高いもののほうが、レベリング性(均一塗布性)が向上する。また、塗膜の膜厚が厚い場合には、塗膜中に溶剤が残りやすくなるため、できるだけ沸点は低いほうがよく、前者と後者のバランスを考慮して溶剤を決定することができる。
また、本発明で塗液に使用される重合開始剤としては、特に限定されないが、透明樹脂の硬化で、特に着色の少ないIrgacure(登録商標)184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を用いることができる。また、表面硬化系の重合開始剤α−ヒドロキシケトン、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、高いモル吸光係数をもつα−アミノケトンの2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンと内部硬化系の重合開始剤であるアシルフォスフィンオキサイド、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、また、h線に吸収領域を有するα−アミノケトン、例えば2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などを組み合わせて使用してもよい。
また、上記に示されるもの以外にも、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類等で、表面硬化系、内部硬化系の特徴を有する開始剤であれば適宜選択できる。
紫外線重合開始剤の使用量は、光重合性モノマーの全固形分量を基準として、0.5〜15質量%が好ましく、この範囲より多くても少なくても、膜硬度は低くなる傾向にある。特に、多すぎる場合には、塗膜が着色する可能性もある。
また、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用いてもよい。
本発明において、ハードコートフィルムの支持基材を形成するための支持体としては、ロール状の金属体やポリエチレンテレフタレート(PETフィルム)などを使用することができる。光重合性組成物を塗布した後、乾燥、紫外線硬化等の工程において支持体が変形することなく、紫外線硬化後に硬化した樹脂成形体を容易に剥離することができれば、特に限定されるものではない。
また、光重合性組成物の塗液の支持体への塗工方法としては公知の方法を用いることができる。具体的には、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、エアドクターコーティング法、プレードコーティング法、ワイヤードクターコーティング法、ナイフコーティング法、リバースコーティング法、トランスファロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キスコーティング法、キャストコーティング法、スロットオリフィスコーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法等を用いることができる。
光重合性組成物を光硬化反応により硬化させ、硬化皮膜を形成するための光源としては、紫外線を発生する光源であれば、特に限定されない。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電管等を用いることができる。照射条件として、紫外線照射量は、100〜800mJ/cmに設定することができる。
得られた支持基材上に塗布するハードコート層は、光重合により硬化する光硬化性組成物であれば、いずれの材料を使用してもよい。硬度を向上させるために、多官能のメタ(アクリル)系樹脂、ウレタン骨格を含むもの、耐熱性向上させるために脂環構造を含むものを使用しても良い。また、硬化時の収縮を緩和し、カールを低減するためにポリマーを併用することもある。
ハードコート層は、上述した支持基材に、光硬化性組成物の塗液を塗布し、光硬化させることにより形成する。塗布方法、硬化方法等は、支持基材の形成と同様の方法を利用できる。
ハードコート層を形成するための光硬化性組成物の塗液は、溶剤に光重合性モノマーおよび重合開始剤などを溶解させて調製するが、防汚性、滑り性付与、欠陥防止、粒子の分散性向上のために添加剤を添加してもよい。例えば、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性ポリマー、アクリル系共重合物、ポリエステル変性アクリル含有ポリジメチルシロキサン、シリコン変性ポリアクリル等を用いることができる。
以上のようにして得たハードコート層には、ブロッキング防止や硬度付与、防眩性、帯電防止性能付与、または屈折率調整のために無機あるいは有機化合物の微粒子を含ませることができる。
使用される無機微粒子としては、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化スズ、五酸化アンチモンといった酸化物やアンチモンドープ酸化スズ、リンドープ酸化スズ等複合酸化物などを用いることができる。その他では、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、カオリン、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等も使用することができる。
また、有機微粒子としては、ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリル−スチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコン樹脂粉末、ポリスチレン系粉末、ポリカーボネート粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末等を用いることができる。
これらの微粒子粉末の平均粒径としては、5nm〜20μmが好ましく、10nm〜10μmがより好ましい。また、これらの微粒子は2種類以上を複合して用いることもできる。
本発明で得られるハードコートフィルムは、必要に応じて、反射防止性能、帯電防止性能、防汚性能、防眩性能、電磁波シールド性能、赤外線吸収性能、紫外線吸収性能、又は色補正性能等を有する機能層を積層させてもよい。なお、これらの機能層は単層であってもかまわないし、複数の層であってもかまわない。例えば、反射防止層にあっては、低屈折率層単層から構成されても構わないし、低屈折率層と高屈折率層の繰り返しによる複数層から構成されていても構わない。また、機能層は、防汚性能を有する反射防止層というように、1層で複数の機能を有していても構わない。
以上説明したハードコートフィルムを偏光子シート上に設けることで、外観が良好で、位相差の小さい、偏光板を実現することができる。
また、画像表示パネルとバックライトユニットを備えた透過型液晶ディスプレイにおいて、画像表示パネルが本発明に係るハードコートフィルムを含む偏光板を搭載することで、位相差が小さく、視認性向上効果が期待される。
以下に、実施例について説明する。ただし、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
ハードコートフィルムの性能は、以下の方法に従って評価した。
<位相差Rth>
ハードコートフィルムの厚み方向の位相差Rthについては、分光エリプソメーターM220(日本分光社製)を使用して、ハードコート層が形成された支持基材の法線方向から45°傾けた方向よりリタデーションΔ(λ)を測定し、この値を用いて得られる3次元屈折率から、下記の式(3)を用いてRthを算出した。尚、分光エリプソメーターの測定波長は590nmとした。
Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d ・・・(3)
ここで、Nxはハードコートフィルムの平面内で定義したX方向の屈折率、NyはX方向と直交するY方向の屈折率、Nzは厚み方向の屈折率である。また、NxはNx≧Nyとする遅相軸、dはハードコートフィルムの厚みである。
<引張伸度>
引張特性の試験は、光硬化性樹脂フィルムから100mm×15mmの短冊状のフィルムサンプルを形成し、島津製作所社製小型卓上試験機EZ−Lを用い、測定開始時のチャック間距離を50mmとし、引張速度5mm/minにて試験をおこなった。また、引張伸度は、下記の式(4)を用いて算出した。
引張伸度={(破断時の長さ)−(引張前の初期長さ)}/引張前の初期長さ
・・・式(4)
<干渉縞の観察>
透明基材の他方の面(裏面)をサンドペーパーで擦り、その後、艶消しの黒色塗料を塗布し、蛍光灯(三波長蛍光灯)直下で、ハードコート層表面を観察した。なお、目視にて確認した干渉縞は、以下の基準で評価した。
◎:干渉縞が認められない。
○:干渉縞がほとんど認められない。
△:干渉縞がわずかに認められる。
×:干渉縞が顕著に認められる。
<鉛筆硬度の測定>
透明基材の一方の表面に対して、JIS K5600−5−4に示された試験方法に基づき評価した。
[ウレタン1の製造]
下記化学式に示すウレタンアクリレート(以下、「ウレタン1」という)を、特開2013−159691号公報を参考に合成した。具体的には、冷却管、攪拌装置および温度計を取り付けた反応容器に、イソホロンジイソシアネート31.5質量部およびジブチル錫ジラウレート0.1質量部を仕込み、50℃にてε−カプロラクトン1mol変性2−ヒドロキシエチルアクリレート68.4質量部を1時間かけて滴下した後、90℃で10時間攪拌して反応を行った。この反応液中の残存イソシアネート量をFT−IRを使用して測定したところ、ウレタン化反応が定量的に行われ、最終的にはイソシアネートがなくなり、下記の化学式で表されるウレタン1 99.9質量部を得た。尚、下記の化学式中のAは、アクリロイルオキシ基である。
Figure 2017102334
<実施例1>
○支持基材
ウレタン1 57.14質量部
イルガキュアー184(BASF) 2.86質量部
メチルエチルケトン 40.0 質量部

○ハードコート層
ウレタンアクリレートUA−306I(ペンタエリスリトールトリアクリレート トルエンジイソシアネート ウレタンプレポリマー、共栄社化学) 18.18質量部
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 18.18質量部
イルガキュアー184(BAF) 1.82質量部
TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、BASF) 1.82質量部
メチルイソブチルケトン 60 質量部
上記の支持基材形成用材料を攪拌、混合した塗布液を、PETフィルム(ルミラーT60−75μm:東レ)にバーコート法により硬化膜厚40μmになるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより300mJ/cmの紫外線を照射し、光硬化した塗膜を剥離し、支持基材を得た。この支持基材の引張強度は80N/mm、引張伸度は8%で、ガラス転移温度は50℃であった。引張特性が良好なフィルムを形成することができた。
次に、上記のハードコート層形成用材料を攪拌、混合した塗布液を支持基材上にバーコートを用いて、硬化膜が5μmとなるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより、300mJ/cmの紫外線を照射し光硬化させ、ハードコートフィルムを得た。得られたハードコートフィルムは外観が良好であった。鉛筆硬度は2H、位相差Rthは0.4nmであり、高硬度、低リタデーションのハードコートフィルムを得ることができた。
<実施例2>
○支持基材
ウレタン1 40.00質量部
M−211B(東亞合成) 17.14質量部
イルガキュアー184(BASF) 2.86質量部
メチルエチルケトン 40.0 質量部

○ハードコート層
ウレタンアクリレートUA−306I(共栄社化学) 18.18質量部
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 18.18質量部
イルガキュアー184(BASF) 1.82質量部
TPO(BASF) 1.82質量部
メチルイソブチルケトン 60 質量部
上記の支持基材形成用材料を攪拌、混合した塗布液を、PETフィルム(ルミラーT60−75μm:東レ)にバーコート法により硬化膜厚40μmになるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより300mJ/cmの紫外線を照射し、光硬化した塗膜を剥離し、支持基材を得た。この支持基材の引張強度は80N/mm、引張伸度は7%で、ガラス転移温度は58℃であった。引張特性が良好なフィルムを形成することができた。
次に、ハードコート層形成用の材料を攪拌、混合した塗布液を支持基材上にバーコートを用いて、硬化膜が5μmとなるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより、300mJ/cmの紫外線を照射し光硬化させ、ハードコートフィルムを得た。得られたハードコートフィルムは外観が良好であった。鉛筆硬度は2H、位相差Rthは0.7nmであり、高硬度、低リタデーションのハードコートフィルムを得ることができた。
<実施例3>
○支持基材
ウレタン1 40.00質量部
A−DCP(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、新中村化学)
17.14質量部
イルガキュアー184(BASF) 2.86質量部
メチルエチルケトン 40.0 質量部

○ハードコート層
ウレタンアクリレートUA−306I(共栄社化学) 18.18質量部
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 18.18質量部
イルガキュアー184(BASF) 1.82質量部
TPO(BASF) 1.82質量部
メチルイソブチルケトン 60 質量部
上記の支持基材形成用材料層に記載の感光性組成物を攪拌、混合した塗布液を、PETフィルム(ルミラーT60−75μm:東レ)にバーコート法により硬化膜厚40μmになるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより300mJ/cmの紫外線を照射し、光硬化した塗膜を剥離し、支持基材を得た。この支持基材の引張強度は70N/mm、引張伸度は5%で、ガラス転移温度は70℃であった。引張特性が良好なフィルムを形成することができた。
上記のハードコート層形成用材料を攪拌、混合した塗布液を前記、形成した支持基材上にバーコートを用いて、硬化膜が5μmとなるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより、300mJ/cmの紫外線を照射し光硬化させ、ハードコートフィルムを得た。得られたハードコートフィルムは外観が良好であった。鉛筆硬度は2H、位相差Rthは0.5nmであり、高硬度、低リタデーションのハードコートフィルムを得ることができた。
<実施例4>
○支持基材
ウレタン1 40.00質量部
HADM(三菱ガス化学) 17.14質量部
イルガキュアー184(BASF) 2.86質量部
メチルエチルケトン 40.0 質量部

○ハードコート層
ウレタンアクリレートUA−306I(共栄社化学) 18.18質量部
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 18.18質量部
イルガキュアー184(BASF) 1.82質量部
TPO(BASF) 1.82質量部
メチルイソブチルケトン 60 質量部
上記の支持基材形成用材料を攪拌、混合した塗布液を、PETフィルム(ルミラーT60−75μm:東レ)にバーコート法により硬化膜厚40μmになるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより300mJ/cmの紫外線を照射し、光硬化した塗膜を剥離し、支持基材を得た。この支持基材の引張強度は85N/mm、引張伸度は5%で、ガラス転移温度は70℃であった。引張特性が良好なフィルムを形成することができた。
上記のハードコート層形成用材料を攪拌、混合した塗布液を前記、形成した支持基材上にバーコートを用いて、硬化膜が5μmとなるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより、300mJ/cmの紫外線を照射し光硬化させ、ハードコートフィルムを得た。得られたハードコートフィルムは外観が良好であった。鉛筆硬度は3H、位相差Rthは0.3nmであり、高硬度、低リタデーションのハードコートフィルムを得ることができた。
<実施例5>
○支持基材
ウレタン1 40.00質量部
EA−HG011(大阪ガス化学) 17.14質量部
イルガキュアー184(BASF) 2.86質量部
メチルエチルケトン 40.0 質量部

○ハードコート層
ウレタンアクリレートUA−306I(共栄社化学) 18.18質量部
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 18.18質量部
イルガキュアー184(BASF) 1.82質量部
TPO(BASF) 1.82質量部
メチルイソブチルケトン 60 質量部
上記の支持基材形成用材料を攪拌、混合した塗布液を、PETフィルム(ルミラーT60−75μm:東レ)にバーコート法により硬化膜厚40μmになるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより300mJ/cmの紫外線を照射し、光硬化した塗膜を剥離し、支持基材を得た。この支持基材の引張強度は85N/mm、引張伸度は5%で、ガラス転移温度は65℃であった。引張特性が良好なフィルムを形成することができた。
上記のハードコート層形成用材料を攪拌、混合した塗布液を前記、形成した支持基材上にバーコートを用いて、硬化膜が5μmとなるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより、300mJ/cmの紫外線を照射し光硬化させ、ハードコートフィルムを得た。得られたハードコートフィルムは外観が良好であった。鉛筆硬度は3H、位相差Rthは0.4nmであり、高硬度、低リタデーションのハードコートフィルムを得ることができた。
<実施例6>
○支持基材
ウレタン1 40.00質量部
A−9300(新中村化学) 17.14質量部
イルガキュアー184(BASF) 2.86質量部
メチルエチルケトン 40.0 質量部

○ハードコート層
ウレタンアクリレートUA−306I(共栄社化学) 18.18質量部
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 18.18質量部
イルガキュアー184(BASF) 1.82質量部
TPO(BASF) 1.82質量部
メチルイソブチルケトン 60 質量部
上記の支持基材形成用材料を攪拌、混合した塗布液を、PETフィルム(ルミラーT60−75μm:東レ)にバーコート法により硬化膜厚40μmになるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより300mJ/cmの紫外線を照射し、光硬化した塗膜を剥離し、支持基材を得た。この支持基材の引張強度は80N/mm、引張伸度は5%で、ガラス転移温度は75℃であった。引張特性が良好なフィルムを形成することができた。
上記のハードコート層形成用材料を攪拌、混合した塗布液を前記、形成した支持基材上にバーコートを用いて、硬化膜が5μmとなるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより、300mJ/cmの紫外線を照射し光硬化させ、ハードコートフィルムを得た。得られたハードコートフィルムは外観が良好であった。鉛筆硬度は2H、位相差Rthは0.5nmであり、高硬度、低リタデーションのハードコートフィルムを得ることができた。
<実施例7>
○支持基材
ウレタン1 40.00質量部
ACMO(KJケミカルズ) 17.14質量部
イルガキュアー184(BASF) 2.86質量部
メチルエチルケトン 40.0 質量部

○ハードコート層
ウレタンアクリレートUA−306I(共栄社化学) 18.18質量部
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 18.18質量部
イルガキュアー184(BASF) 1.82質量部
TPO(BASF) 1.82質量部
メチルイソブチルケトン 60 質量部
上記の支持基材形成用材料を攪拌、混合した塗布液を、PETフィルム(ルミラーT60−75μm:東レ)にバーコート法により硬化膜厚40μmになるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより300mJ/cmの紫外線を照射し、光硬化した塗膜を剥離し、支持基材を得た。この支持基材の引張強度は85N/mm、引張伸度は10%で、ガラス転移温度は80℃であった。引張特性が良好なフィルムを形成することができた。
上記のハードコート層形成用材料を攪拌、混合した塗布液を前記、形成した支持基材上にバーコートを用いて、硬化膜が5μmとなるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより、300mJ/cmの紫外線を照射し光硬化させ、ハードコートフィルムを得た。得られたハードコートフィルムは外観が良好であった。鉛筆硬度は3H、位相差Rthは0.5nmであり、高硬度、低リタデーションのハードコートフィルムを得ることができた。
<実施例8>
○支持基材
UV7000B(日本合成化学工業) 17.14質量部
ACMO(KJケミカルズ) 40.00質量部
イルガキュアー184(BASF) 2.86質量部
メチルエチルケトン 40.0 質量部

○ハードコート層
ウレタンアクリレートUA−306I(共栄社化学) 18.18質量部
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 18.18質量部
イルガキュアー184(BASF) 1.82質量部
TPO(BASF) 1.82質量部
メチルイソブチルケトン 60 質量部
上記の支持基材形成用材料を攪拌、混合した塗布液を、PETフィルム(ルミラーT60−75μm:東レ)にバーコート法により硬化膜厚40μmになるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより300mJ/cmの紫外線を照射し、光硬化した塗膜を剥離し、支持基材を得た。この支持基材の引張強度は70N/mm、引張伸度は8%で、ガラス転移温度は50℃であった。引張特性が良好なフィルムを形成することができた。
上記のハードコート層形成用材料を攪拌、混合した塗布液を前記、形成した支持基材上にバーコートを用いて、硬化膜が5μmとなるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより、300mJ/cmの紫外線を照射し光硬化させ、ハードコートフィルムを得た。得られたハードコートフィルムは外観が良好であった。鉛筆硬度は2H、位相差Rthは0.5nmであり、高硬度、低リタデーションのハードコートフィルムを得ることができた。
<実施例9>
○支持基材
エポキシエステル3002A(共栄社化学) 57.14質量部
イルガキュアー184(BASF) 2.86質量部
メチルエチルケトン 40.0 質量部

○ハードコート層
ウレタンアクリレートUA−306I(共栄社化学) 18.18質量部
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 18.18質量部
イルガキュアー184(BASF) 1.82質量部
TPO(BASF) 1.82質量部
メチルイソブチルケトン 60 質量部
上記の支持基材形成用材料を攪拌、混合した塗布液を、PETフィルム(ルミラーT60−75μm:東レ)にバーコート法により硬化膜厚40μmになるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより300mJ/cmの紫外線を照射し、光硬化した塗膜を剥離し、支持基材を得た。この支持基材の引張強度は65N/mm、引張伸度は13%で、ガラス転移温度は45℃であった。引張特性が良好なフィルムを形成することができた。
上記のハードコート層形成用材料を攪拌、混合した塗布液を前記、形成した支持基材上にバーコートを用いて、硬化膜が5μmとなるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより、300mJ/cmの紫外線を照射し光硬化させ、ハードコートフィルムを得た。得られたハードコートフィルムは外観が良好であった。鉛筆硬度は2H、位相差は1nmであり、高硬度、低リタデーションのハードコートフィルムを得ることができた。
<実施例10>
○支持基材
エポキシエステル3002A(共栄社化学) 45.71質量部
ライトアクリレート4EG−A(共栄社化学) 11.43質量部
イルガキュアー184(BASF) 2.86質量部
メチルエチルケトン 40.0 質量部

○ハードコート層
ウレタンアクリレートUA−306I(共栄社化学) 18.18質量部
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 18.18質量部
イルガキュアー184(BASF) 1.82質量部
TPO(BASF) 1.82質量部
メチルイソブチルケトン 60 質量部
上記の支持基材形成用材料を攪拌、混合した塗布液を、PETフィルム(ルミラーT60−75μm:東レ)にバーコート法により硬化膜厚40μmになるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより300mJ/cmの紫外線を照射し、光硬化した塗膜を剥離し、支持基材を得た。この支持基材の引張強度は50N/mm、引張伸度は10%で、ガラス転移温度は60℃であった。引張特性が良好なフィルムを形成することができた。
上記のハードコート層形成用材料を攪拌、混合した塗布液を前記、形成した支持基材上にバーコートを用いて、硬化膜が5μmとなるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより、300mJ/cmの紫外線を照射し光硬化させ、ハードコートフィルムを得た。得られたハードコートフィルムは外観が良好であった。鉛筆硬度は2H、位相差Rthは0.5nmであり、高硬度、低リタデーションのハードコートフィルムを得ることができた。
<実施例11>
○支持基材
エポキシエステル3002A(共栄社化学) 28.57質量部
ライトアクリレートDCP−A(共栄社化学) 28.57質量部
イルガキュアー184(BASF) 2.86質量部
メチルエチルケトン 40.0 質量部

○ハードコート層
ウレタンアクリレートUA−306I(共栄社化学) 18.18質量部
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 18.18質量部
イルガキュアー184(BASF) 1.82質量部
TPO(BASF) 1.82質量部
メチルイソブチルケトン 60 質量部
上記の支持基材形成用材料を攪拌、混合した塗布液を、PETフィルム(ルミラーT60−75μm:東レ)にバーコート法により硬化膜厚40μmになるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより300mJ/cmの紫外線を照射し、光硬化した塗膜を剥離し、支持基材を得た。この支持基材の引張強度は60N/mm、引張伸度は8%で、ガラス転移温度は80℃であった。引張特性が良好なフィルムを形成することができた。
上記のハードコート層形成用材料を攪拌、混合した塗布液を前記、形成した支持基材上にバーコートを用いて、硬化膜が5μmとなるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより、300mJ/cmの紫外線を照射し光硬化させ、ハードコートフィルムを得た。得られたハードコートフィルムは外観が良好であった。鉛筆硬度は3H、位相差Rthは0.5nmであり、高硬度、低リタデーションのハードコートフィルムを得ることができた。
<実施例12>
○支持基材
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 17.14質量部
AMP−20GY(新中村化学) 40.00質量部
イルガキュアー184(BASF) 2.86質量部
メチルエチルケトン 40.0 質量部

○ハードコート層
ウレタンアクリレートUA−306I(共栄社化学) 18.18質量部
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 18.18質量部
イルガキュアー184(BASF) 1.82質量部
TPO(BASF) 1.82質量部
メチルイソブチルケトン 60 質量部
上記の支持基材形成用材料を攪拌、混合した塗布液を、PETフィルム(ルミラーT60−75μm:東レ)にバーコート法により硬化膜厚40μmになるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより300mJ/cmの紫外線を照射し、光硬化した塗膜を剥離し、支持基材を得た。この支持基材の引張強度は50N/mm、引張伸度は5%で、ガラス転移温度は65℃であった。引張特性が良好なフィルムを形成することができた。
上記のハードコート層形成用材料を攪拌、混合した塗布液を前記、形成した支持基材上にバーコートを用いて、硬化膜が5μmとなるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより、300mJ/cmの紫外線を照射し光硬化させ、ハードコートフィルムを得た。得られたハードコートフィルムは外観が良好であった。鉛筆硬度は2H、位相差Rthは2nmであり、高硬度、低リタデーションのハードコートフィルムを得ることができた。
<実施例13>
○支持基材
M−211B(東亞合成) 40.0 質量部
ライトアクリレート4EG−A(共栄社化学) 17.14質量部
イルガキュアー184(BASF) 2.86質量部
メチルエチルケトン 40.0 質量部

○ハードコート層
ウレタンアクリレートUA−306I(共栄社化学) 18.18質量部
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 18.18質量部
イルガキュアー184(BASF) 1.82質量部
TPO(BASF) 1.82質量部
メチルイソブチルケトン 60 質量部
上記の支持基材形成用材料を攪拌、混合した塗布液を、PETフィルム(ルミラーT60−75μm:東レ)にバーコート法により硬化膜厚40μmになるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより300mJ/cmの紫外線を照射し、光硬化した塗膜を剥離し、支持基材を得た。この支持基材の引張強度は40N/mm、引張伸度は10%で、ガラス転移温度は70℃であった。引張特性が良好なフィルムを形成することができた。
上記のハードコート層形成用材料を攪拌、混合した塗布液を前記、形成した支持基材上にバーコートを用いて、硬化膜が5μmとなるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより、300mJ/cmの紫外線を照射し光硬化させ、ハードコートフィルムを得た。得られたハードコートフィルムは外観が良好であった。鉛筆硬度はH、位相差Rthは0.5nmであり、高硬度、低リタデーションのハードコートフィルムを得ることができた。
<比較例1>
○支持基材
ライトアクリレート3EG−A(共栄社化学) 57.14質量部
イルガキュアー184(BASF) 2.86質量部
メチルエチルケトン 40.0 質量部

○ハードコート層
ウレタンアクリレートUA−306I(共栄社化学) 18.18質量部
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 18.18質量部
イルガキュアー184(BASF) 1.82質量部
TPO(BASF) 1.82質量部
メチルイソブチルケトン 60 質量部
上記の支持基材形成用材料を攪拌、混合した塗布液を、PETフィルム(ルミラーT60−75μm:東レ)にバーコート法により硬化膜厚40μmになるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより300mJ/cmの紫外線を照射し、光硬化した塗膜を剥離し、支持基材を得た。この支持基材の引張強度は30N/mm、引張伸度は10%で、ガラス転移温度は45℃であった。
上記のハードコート層形成用材料を攪拌、混合した塗布液を前記、形成した支持基材上にバーコートを用いて、硬化膜が5μmとなるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより、300mJ/cmの紫外線を照射し光硬化させ、ハードコートフィルムを得た。得られたハードコートフィルムは外観が良好であった。また鉛筆硬度はF、位相差Rthは0.5であり、実施例と比較し鉛筆硬度が低くなった。
<比較例2>
○支持基材
アロニックスM−211B(東亞合成) 17.14質量部
ライトアクリレート4EG−A (共栄社化学) 40.0 質量部
イルガキュアー184(BASF) 2.86質量部
メチルエチルケトン 40.0 質量部

○ハードコート層
ウレタンアクリレートUA−306I(共栄社化学) 18.18質量部
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 18.18質量部
イルガキュアー184(BASF) 1.82質量部
TPO(BASF) 1.82質量部
メチルイソブチルケトン 60 質量部
上記の支持基材形成用材料を攪拌、混合した塗布液を、PETフィルム(ルミラーT60−75μm:東レ)にバーコート法により硬化膜厚40μmになるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより300mJ/cmの紫外線を照射し、光硬化した塗膜を剥離し、支持基材を得た。この支持基材の引張強度は20N/mm、引張伸度は10%で、ガラス転移温度は40℃であった。
上記のハードコート層形成用材料を攪拌、混合した塗布液を前記、形成した支持基材上にバーコートを用いて、硬化膜が5μmとなるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより、300mJ/cmの紫外線を照射し光硬化させ、ハードコートフィルムを得た。得られたハードコートフィルムは外観が良好であった。また鉛筆硬度はF、位相差Rthは0.5であり、実施例と比較し鉛筆硬度が低くなった。
<比較例3>
○支持基材
アロニックスM110(東亞合成) 28.57質量部
ACMO(KJケミカルズ) 28.57質量部
イルガキュアー184(BASF) 2.86質量部
メチルエチルケトン 40.0 質量部

○ハードコート層
ウレタンアクリレートUA−306I(共栄社化学) 18.18質量部
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 18.18質量部
イルガキュアー184(BASF) 1.82質量部
TPO(BASF) 1.82質量部
メチルイソブチルケトン 60 質量部
上記の支持基材形成用材料を攪拌、混合した塗布液を、PETフィルム(ルミラーT60−75μm:東レ)にバーコート法により硬化膜厚40μmになるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより300mJ/cmの紫外線を照射したが、塗膜が硬化せず、支持基材として、支持体から剥離しフィルム化することができなかった。
<比較例4>
○支持基材
UA−306I(共栄社化学) 28.57質量部
ライトアクリレートLA(共栄社化学) 28.57質量部
イルガキュアー184(BASF) 2.86質量部
メチルエチルケトン 40.0 質量部
上記の支持基材形成用材料を攪拌、混合した塗布液を、PETフィルム(ルミラーT60−75μm:東レ)にバーコート法により硬化膜厚40μmになるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより300mJ/cmの紫外線を照射したところ、硬化したが、硬く脆い塗膜となり、フィルムとして剥離することはできなかった。
<比較例5>
○支持基材
TACフィルム(40μm)

○ハードコート層
ウレタンアクリレートUA−306I(共栄社化学) 18.18質量部
ライトアクリレートPE−3A(共栄社化学) 18.18質量部
イルガキュアー184(BASF) 1.82質量部
TPO(BASF) 1.82質量部
メチルイソブチルケトン 60 質量部
上記のハードコート層形成用材料を攪拌、混合した塗布液をTAC上にバーコートを用いて、硬化膜が5μmとなるように、塗布、乾燥させ、高圧水銀ランプにより、300mJ/cmの紫外線を照射し光硬化させ、ハードコートフィルムを得た。得られたハードコートフィルムは干渉縞がみられた。また鉛筆硬度はH、位相差Rthは15であり、鉛筆硬度が低く、リタデーションの大きなハードコートフィルムが得られた。
以上の実施例1〜実施例13及び比較例1〜比較例5の評価結果を表1にまとめて示す。
Figure 2017102334
本発明のハードコートフィルムは、外観良好、高硬度、低リタデーションであり、低リタデーションの光学フィルムとして使用することができ、このハードコートフィルムを搭載した液晶ディスプレイにおいて視認性向上効果が期待できる。
本発明は、液晶表示装置、プラズマ表示装置、エレクトロクロミック表示装置、発光ダイオード表示装置、EL表示装置などや、タッチパネルなどの表示装置部品などの保護フィルムとして使用でき、また、機能性フィルムとして使用できる光硬化性樹脂塗布フィルムなどに利用することができる。

Claims (8)

  1. 支持基材の片面もしくは両面にハードコート層を有するハードコートフィルムであって、
    支持基材が、(メタ)アクリロイル基を有する光重合性モノマーを含む光重合性組成物が光硬化した樹脂成形体であり、
    前記光重合性組成物は、芳香環もしくは環状構造を含み、
    前記支持基材の引張強度が40N/mm以上であり、
    前記支持基材のガラス転移温度が45℃以上であることを特徴とする、ハードコートフィルム。
  2. 下記式(3)で表される厚み方向の位相差Rthが2nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のハードコートフィルム。
    Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d ・・・(3)
    ここで、Nxはハードコートフィルムの平面内で定義したX方向の屈折率、NyはX方向と直交するY方向の屈折率(ただし、NxはNx≧Nyとする遅相軸)、Nzは厚み方向の屈折率である。dはハードコートフィルムの厚みである。
  3. 前記支持基材の厚さが20μm以上100μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のハードコートフィルム
  4. 前記ハードコート層の厚さが2μm以上15μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のハードコートフィルム。
  5. 前記ハードコート層が光硬化性組成物の硬化膜よりなることを特徴とする、請求項1に記載のハードコートフィルム。
  6. 鉛筆硬度が2H以上であることを特徴とする、請求項1に記載のハードコートフィルム。
  7. 請求項1に記載のハードコートフィルムを備えることを特徴とする、偏光板。
  8. 請求項1に記載のハードコートフィルムを備えることを特徴とする、透過型液晶ディスプレイ。
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