JP6286826B2 - ハードコートフィルム - Google Patents

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本発明は、ハードコートフィルム、及びそのハードコートフィルムを用いた偏光板及び透過型液晶ディスプレイに関する。
液晶ディスプレイ用偏光板保護フィルム、有機ELディスプレイ等に用いられる偏光板の保護フィルムは、様々な機能を持たせるために樹脂層が形成されている。例えば、帯電防止機能を持たせるための帯電防止層、反射を抑えるための反射防止層、表面硬度を向上させるためのハードコート層といったものである。特に、ハードコート層は、ディスプレイ用途では必須になっており、単層で用いるだけでなく反射防止層の下層にもなる重要な部材となっている。
偏光板の保護機能としてのハードコート層を備えるハードコートフィルムは、近年、高硬度化の需要が高くなっている。しかしながら、硬度を向上させるためにハードコート塗液に多官能モノマー等の硬化性の高い材料を使用すると、紫外線照射や熱による架橋時に収縮が発生し、ハードコートフィルムのカールが大きくなるといった問題がある。
また、近年では、画像表示装置の薄型化が要求されており、この場合、ハードコートフィルムには従来の厚さ(80〜125μm程度)の半分程度の厚さを有する基材フィルムの使用が望まれる。このような厚さの薄い基材フィルムに、従来通りのハードコート層を形成すると、ハードコート層の硬化収縮により、ハードコートフィルムにさらに大きなカールが発生する。また、硬度を向上させるためにハードコート層を厚くすると、さらに大きなカールが生じることになる。その結果、表面保護フィルムとしての使用することが困難となる。
そこで、硬化収縮を抑え、カールの発生を抑制するために、同一分子内に3個以上のエチレン性不飽和基及び1個以上のイソシアヌレート環を有する化合物を含む硬化性組成物を基材上に塗設して硬化させた、硬化後のハードコート層の膜厚が15μm以上200μm以下であるハードコート処理品が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2004−141732号公報 特開2005−103973号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成を用いる場合、十分な硬度を得るためにハードコート層の厚さを大きく設定しなければならないという問題がある。
これに対して、2個のエチレン性不飽和基を有するイソシアヌレート誘導体と、ペンタエリスリトールアクリレートを含む組成物を硬化させて、ハードコート層とする技術が開示されている(例えば、特許文献2を参照)。しかしながら、この技術においては、イソシアヌレート誘導体単体の硬化物の硬度が不十分であるため、組成物を硬化させたハードコート層の硬度に関して、さらなる改良の余地がある。
また、塗膜の紫外線硬化、熱硬化における架橋反応により、塗膜に応力が発生する。この応力は、下記の式(1)及び式(2)に示されるように、結果的に位相差を発生させることになる。
△n=2π/45kT×(ND2+2)2/ND(σ‖−σ⊥)σ … (1)
Rth=△n×d … (2)
△n:複屈折率
ND:平均屈折率
σ‖−σ⊥:主分極差
σ:応力
k:ボルツマン定数
T:絶対温度
Rth:厚み方向位相差
d:膜厚
液晶表示装置は、液晶分子の持つ複屈折を利用した表示素子であり、液晶表示装置を構成する部材において、液晶、位相差板、偏光板以外のものは位相差を有さないものとして設計することが多いが、その他部材において微小ながらも位相差を有する場合には、液晶表示装置特有の視認性、特に斜め視認性が悪化する。このため、液晶表示装置に使用するハードコート等は、極力位相差を有さないものが望ましい。そのため、ハードコート材料としては、応力に影響のある硬化収縮の小さいものを選ぶ必要がある。
それ故に、本発明の目的は、上記課題を鑑みてなされたもので、プラスチック基材の片面に高硬度かつ低カールのハードコート層を有するハードコートフィルムを提供することである。また、さらなる目的は、ハードコートフィルムを有する液晶ディスプレイにおいて視認性の良好な液晶表示装置を提供することである。
本発明は、プラスチック基材の片面にハードコート層を有したハードコートフィルムであって、ハードコート層は、芳香環を有する2官能のジメタクリレートを70重量%から80重量%含む紫外線硬化性物質を含み、(1)プラスチック基材は、厚さが20μm以上かつ100μm以下であり、(2)ハードコート層は、膜応力が10MPa以下で、膜厚が3μm以上かつ15μm以下であり、(3)ハードコートフィルムの鉛筆硬度が2H以上であり、(4)ハードコートフィルムから切り出された、ハードコート層の塗布方向に2mmかつ幅方向に50mmのサンプル短冊の曲率半径にて測定されたカール値が70mm以上80mm以下であり、(5)厚みd(nm)であるハードコートフィルムの平面内のx方向屈折率をNx及びy方向屈折率をNyとし(Nx≧Ny)、ハードコートフィルムの厚み方向屈折率をNzとしたとき、厚み方向位相差Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×dの絶対値が2以下である、ことを特徴としている。
述したハードコートフィルムは、偏光板や透過型液晶ディスプレイ等に利用可能である。
上記本発明のハードコートフィルムを用いることにより、プラスチック基材での高硬度化に伴うカールを低減でき、ハードコートフィルムを偏光板に貼り付ける際の作業性が向上する。また、液晶ディスプレイの視認性向上効果が期待できる。
本発明の一実施形態に係るハードコートフィルム1の断面図
本発明の一実施形態に係るハードコートフィルム1の断面を示す図である。図1に示す本実施形態のハードコートフィルム1は、プラスチック基材11の上にハードコート層12が積層された構造である。ハードコート層12は、プラスチック基材11に対し、ハードコート層形成用塗液を塗布及び乾燥させた後、電離放射線により硬化させることによって完成する。
本願発明者は、鋭意検討した結果、芳香環を有する2官能のジアクリレートモノマー又は2官能のジメタクリレートモノマーを紫外線硬化性物質中に20〜80重量%含むことにより、高硬度かつ低カールのハードコート層12を作成できることを発明した。さらに、本願発明者は、このハードコート層12を作成したハードコートフィルム1を液晶表示装置に使用することで、視認性良好な液晶ディスプレイを提供できることを発明した。
ハードコート層12に十分な硬度を与え、さらにはカールや応力を低減するためには、硬化性を上げつつ、硬化時の収縮をできるだけ抑える必要がある。しかし、多官能のモノマーを有する場合には、硬化により多くの架橋点による硬度の向上が期待できる一方で、硬化時の収縮が大きくなりカールが悪化する。
本発明では、2重結合による架橋と合わせて芳香環のスタッキング効果を併用することで、2重結合の架橋反応のみによる硬度向上よりも収縮低減が期待でき、カールや応力を低減させることができることを見出したものである。
本発明で使用される紫外線硬化物質とは、紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応を経て硬化する樹脂を主たる成分とする樹脂のことをいう。また、芳香環を有する多官能のモノマーとしては、2官能のジアクリレート又は2官能のジメタクリレートのいずれを用いてもよい。
例えば、上述した2官能のジアクリレート又は2官能のジメタクリレートとしては、ライトエステルBP−4EM(共栄社化学:ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート)、ライトアクリレートBP−4PA(共栄社化学:ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート)、ライトアクリレートBP−4EAL(共栄社化学:ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート)等が挙げられる。
また、上述した2官能のジアクリレート又は2官能のジメタクリレートの使用量としては、紫外線硬化性物質に対して20〜80%が望ましい。それよりも少ない場合は、2重結合の反応による硬化収縮が大きくなる可能性もある。
一方、紫外線硬化性物質としては、光重合性モノマーや光重合性プレポリマー、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系等が挙げられる。これらの紫外線硬化性物質は、1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエステルアクリレートとしては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させて容易に形成されるものを挙げることができる。
エポキシアクリレートとしては、エポキシ樹脂のエポキシ基を開環しアクリル酸でアクリル化することにより得られるアクリレートであり、芳香環、脂環式のエポキシを用いたものがより好ましく用いられる。
また、本発明で使用される紫外線重合開始剤には、表面硬化系の重合開始剤として、短波長に吸収を持つα−ヒドロキシケトン、例えばIrg184、DAROCUR1173、Irg2959、また高いモル吸光係数を持つα−アミノケトンのIrg907等が好適に使用される。また、紫外線重合開始剤には、内部硬化系の重合開始剤として、フォトブリーチング効果の高いアシルフォスフィンオキサイド、例えばIrg819、またh線に吸収領域を有するα−アミノケトン、例えばIrg369などが好適に使用される。なお、これらの重合開始剤は、複数併用してもよい。
また、上記に示した重合開始剤以外にも、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類等で、表面硬化系又は内部硬化系の特徴を有する重合開始剤であれば、適宜選択できる。
重合開始剤の使用量は、感光性着色組成物の全固形分量を基準として0.5〜15重量%が好ましく、この範囲より多くても少なくても、膜硬度は低くなる傾向にある。特に、多すぎる場合には、ハードコート層12が着色する可能性もある。
また、光増感剤として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用いることができる。
これらの樹脂及び光重合開始剤は、溶媒に溶かし固形分を30〜80重量%、より好ましくは40〜60重量%に調整し、プラスチック基材11に塗工することができる。
また、本発明で用いられる溶媒は、樹脂、開始剤を溶解し、良好な塗工性が得られるものであれば、いずれの溶媒を用いてもよい。一般的には、沸点の低い溶媒を用いると、塗工後の乾燥が速くなるため、高沸点の溶媒を用いるのがより好ましい。
本発明で用いられる溶媒としては、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンといった高沸点ケトン類溶媒、トルエン、キシレンといった芳香族炭化水素溶媒、2−プロパノール、1−ブタノール、シクロペンタノール、ジアセトンアルコールといったアルコール類溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルといったエーテルアルコール類溶媒、酢酸イソブチル、酢酸ブチルといった高沸点エステル系溶媒等が挙げられる。
このような有機溶媒の中で好ましく用いられるものとしては、高沸点ケトン類溶媒、芳香族炭化水素溶媒、アルコール溶媒、高沸点酢酸エステル溶媒等が挙げられる。
本発明のハードコートフィルム1において使用される支持体としては、特に限定されないが、耐熱性に優れた各種高分子フィルムが適している。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ノルボネン系樹脂(環状オレフィン共重合体)、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリサルフォン等、広範囲な高分子フィルムを挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
調製した塗料には、防汚性、滑り性付与、欠陥防止、粒子の分散性向上のために添加剤を用いることができる。例えば、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性ポリマー、アクリル系共重合物、ポリエステル変性アクリル含有ポリジメチルシロキサン、シリコン変性ポリアクリル等が挙げられる。
また、塗工方式としては、公知の方法を用いることができる。具体的には、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、エアドクターコーティング法、プレードコーティング法、ワイヤードクターコーティング法、ナイフコーティング法、リバースコーティング法、トランスファロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キスコーティング法、キャストコーティング法、スロットオリフィスコーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法等である。
紫外線硬化樹脂を光硬化反応によって硬化させ、硬化皮膜を形成するための光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電管等を用いることができる。照射条件として紫外線照射量は、通常100〜800mJ/cm2である。
こうして得た硬化樹脂層には、ブロッキング防止や硬度付与、防眩性、帯電防止性能付与、又は屈折率調整のために無機あるいは有機化合物の微粒子を加えることができる。
ハードコート層12に使用される無機微粒子としては、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化スズ、五酸化アンチモンといった酸化物やアンチモンドープ酸化スズ、リンドープ酸化スズ等複合酸化物が挙げられる他、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、カオリン、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等も使用することができる。
また、有機微粒子としては、ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリル−スチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコン樹脂粉末、ポリスチレン系粉末、ポリカーボネート粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末等を挙げることができる。
これらの微粒子粉末の平均粒径としては、5nm〜20μmが好ましく、より好ましくは10nm〜10μmが好ましい。また、これらの微粒子は、2種類以上を複合して用いることもできる。
本発明で得られるハードコートフィルム1は、必要に応じて、ハードコート層12上に反射防止性能、帯電防止性能、防汚性能、防眩性能、電磁波シールド性能、赤外線吸収性能、紫外線吸収性能、色補正性能等を有する機能層が設けられる。これらの機能層としては、反射防止層、帯電防止層、防汚層、防眩層、電磁波遮蔽層、赤外線吸収層、紫外線吸収層、色補正層等が挙げられる。なお、これらの機能層は単層であっても構わないし、複数の層であっても構わない。例えば、反射防止層にあっては、低屈折率層単層から構成されても構わないし、低屈折率層と高屈折率層の繰り返しによる複数層から構成されていても構わない。また、機能層は、防汚性能を有する反射防止層というように、1層で複数の機能を有していても構わない。ハードコートフィルム1及びプラスチック基材11上にハードコート層12が形成された機能性フィルムは、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTディスプレイといった各種のディスプレイ表面と貼り合わせることができ、耐擦傷性に優れたディスプレイを提供することが可能となる。
反射防止層である低屈折率層としては、バインダマトリックス中に低屈折率剤を分散させたものを例示できる。このとき、低屈折率剤の種類は特に限定されるものではないが、フッ化マグネシウム、空気を含有する中空粒子、フッ素樹脂等の低屈折率材料を用いることができる。これらの低屈折率剤を、バインダマトリックス材料であるUV硬化型材料、珪素アルコキシド等の金属アルコキシドに分散させ、必要に応じて溶媒を加えたものを塗液とし、ハードコートフィルム1のハードコート層12上に塗工する。そして、ハードコート層12上に塗液を塗布した後、バインダマトリックス材料として紫外線硬化型材料を用いた場合には紫外線照射することにより、金属アルコキシドを用いた場合には焼成することにより、低屈折率層を形成することができ、反射防止フィルムとすることができる。なお、UV硬化型材料としては、先ほど例示した2官能もしくは多官能性モノマーを用いることができ、このとき、光重合開始剤を配合できる。塗工方法としては、ロールコータ、リバースロールコータ、グラビアコータ、ナイフコータ、バーコータ、スロットダイコータを用いた塗工方法を使用することができる。コスト面から、反射防止層は、低屈折率層と高屈折率層の繰り返しによる複数層で構成されるのではなく、低屈折率層単層で構成されることが好ましい。また、低屈折率層を形成する前に、ハードコート層12と反射防止層との密着性の向上を目的として、高硬度ハードコートフィルム1のハードコート層12に対してアルカリ溶液によるケン化処理を行うこともできる。
[実施例]
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。ハードコートフィルム1の性能は、下記の方法に従って評価した。
鉛筆硬度は、JIS−K5400に準じ評価を行った。カールは、ハードコート層12の塗布方向に2mmかつ幅方向に50mmのサンプル短冊をハードコートフィルム1から切り出して、このサンプル短冊の曲率半径にて評価を行った。ハードコート厚み方向の位相差Rthについては、分光エリプソメーターM220(日本分光社製)塗膜を形成した基板の法線から45°傾けた方位よりリタデーションΔ(λ)を測定し、この値を用いて得られる3次元屈折率から下記式(3)を用いてRthを算出した。
Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d … (3)
<実施例1>
40μmトリアセチルセルロースフィルム基材を用い、BP−4EM(共栄社化学:ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート)41.7重量部、アクリルモノマーPE−3A(共栄社化学)10.5重量部、イルガキュアー184(BASF)2.8重量部、メチルイソブチルケトン45.0重量部を、攪拌及び混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚5μmになるように塗布及び乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJの紫外線を照射してハードコート層12を形成し、その後70℃にて1分加熱を行った。このハードコートフィルム1の鉛筆硬度は3H、曲率半径にて測定したカールは80mmであった。また、ハードコート層12の膜応力は8MPa、ハードコートフィルム1の位相差は0であり、高硬度と低カール、位相差の小さいフィルムを形成することができた。
<実施例2>
40μmトリアセチルセルロースフィルム基材を用い、BP−4EM(共栄社化学:ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート)36.6重量部、アクリルモノマーPE−3A(共栄社化学)15.6重量部、イルガキュアー184(BASF)2.8重量部、メチルイソブチルケトン45.0重量部を、攪拌及び混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚8μmになるように塗布及び乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJの紫外線を照射してハードコート層12を形成し、その後70℃にて1分加熱を行った。このハードコートフィルム1の鉛筆硬度は3H、曲率半径にて測定したカールは70mmであった。また、ハードコート層12の膜応力は10MPa、ハードコートフィルム1の位相差は0であり、高硬度と低カール、位相差の小さいフィルムを形成することができた。
参考例1
40μmトリアセチルセルロースフィルム基材を用い、BP−4PA(共栄社化学:ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート)36.6重量部、アクリルモノマーPE−3A(共栄社化学)15.6重量部、イルガキュアー184(BASF)2.8重量部、メチルイソブチルケトン45.0重量部を、攪拌及び混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚8μmになるように塗布及び乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJの紫外線を照射してハードコート層12を形成し、その後70℃にて1分加熱を行った。このハードコートフィルム1の鉛筆硬度は3H、曲率半径にて測定したカールは70mmであった。また、ハードコート層12の膜応力は10MPa、ハードコートフィルム1の位相差は0.5であり、高硬度と低カール、位相差の小さいフィルムを形成することができた。
参考例2
40μmトリアセチルセルロースフィルム基材を用い、BP−4EAL(共栄社化学:ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート)36.6重量部、アクリルモノマーPE−3A(共栄社化学)15.6重量部、イルガキュアー184(BASF)2.8重量部、メチルイソブチルケトン45.0重量部を、攪拌及び混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚8μmになるように塗布及び乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJの紫外線を照射してハードコート層12を形成し、その後70℃にて1分加熱を行った。このハードコートフィルム1の鉛筆硬度は3H、曲率半径にて測定したカールは75mmであった。また、ハードコート層12の膜応力は11MPa、ハードコートフィルム1の位相差は1.6であり、高硬度と低カール、位相差の小さいフィルムを形成することができた。
参考例3
40μmトリアセチルセルロースフィルム基材を用い、BP−4EAL(共栄社化学:ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート)26.1重量部、アクリルモノマーPE−3A(共栄社化学)26.1重量部、イルガキュアー184(BASF)2.8重量部、メチルイソブチルケトン45.0重量部を、攪拌及び混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚8μmになるように塗布及び乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJの紫外線を照射してハードコート層12を形成し、その後70℃にて1分加熱を行った。このハードコートフィルム1の鉛筆硬度は4H、曲率半径にて測定したカールは60mmであった。また、ハードコート層12の膜応力は15MPa、ハードコートフィルム1の位相差は1.4であり、高硬度と低カール、位相差の小さいフィルムを形成することができた。
<比較例1>
40μmトリアセチルセルロースフィルム基材を用い、BP−4EM(共栄社化学:ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート)9.4重量部、アクリルモノマーPE−3A(共栄社化学)42.8重量部、イルガキュアー184(BASF)2.8重量部、メチルイソブチルケトン45.0重量部を、攪拌及び混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚8μmになるように塗布及び乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJの紫外線を照射してハードコート層12を形成し、その後70℃にて1分加熱を行った。このハードコートフィルム1の鉛筆硬度は4H、曲率半径にて測定したカールは35mmであった。また、ハードコート層12の膜応力は18MPa、ハードコートフィルム1の位相差は4.0であり、高硬度であるがカール、位相差が大きく、特性の両立はできなかった。
<比較例2>
40μmトリアセチルセルロースフィルム基材を用い、BP−4EM(共栄社化学:ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート)5.2重量部、アクリルモノマーPE−4A(共栄社化学)47.0重量部、イルガキュアー184(BASF)2.8重量部、メチルイソブチルケトン45.0重量部を、攪拌及び混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚8μmになるように塗布及び乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJの紫外線を照射してハードコート層12を形成し、その後70℃にて1分加熱を行った。このハードコートフィルム1の鉛筆硬度は3H、曲率半径にて測定したカールは35mmであった。また、ハードコート層12の膜応力は23MPa、ハードコートフィルム1の位相差は4.5であり、高硬度であるがカール、位相差が大きく、特性の両立はできなかった。
<比較例3>
40μmトリアセチルセルロースフィルム基材を用い、アクリルモノマーPE−4A(共栄社化学)52.2重量部、イルガキュアー184(BASF)2.8重量部、メチルイソブチルケトン45.0重量部を、攪拌及び混合した塗布液を、バーコート法により硬化膜厚8μmになるように塗布及び乾燥させ、メタルハライドランプにより400mJの紫外線を照射してハードコート層12を形成し、その後70℃にて1分加熱を行った。このハードコートフィルム1の鉛筆硬度は4H、曲率半径にて測定したカールは20mmであった。また、ハードコート層12の膜応力は35MPa、ハードコートフィルム1の位相差は5であり、高硬度であるがカール、位相差が大きく、特性の両立はできなかった。
以上の実施例1、実施例2、参考例1〜3及び比較例1〜3の評価結果を、以下の表にまとめて示す。
Figure 0006286826
実施例1及び実施例2と参考例1〜3及び比較例1〜3とを比べると、芳香環を有する2官能のジメタクリレートを使用した実施例1及び実施例2では、高硬度かつ低カール及び位相差を低減することが可能であることがわかる。
本発明のハードコートフィルムは、液晶表示装置、プラズマ表示装置、エレクトロクロミック表示装置、発光ダイオード表示装置、EL表示装置、タッチパネルなどの保護フィルムとして利用可能であり、また、機能性フィルムとしても使用できる。
1 ハードコートフィルム
11 プラスチック基材
12 ハードコート層

Claims (3)

  1. プラスチック基材の片面にハードコート層を有したハードコートフィルムであって、
    前記ハードコート層は、芳香環を有する2官能のジメタクリレートを70重量%から80重量%含む紫外線硬化性物質を含み、
    (1)前記プラスチック基材は、厚さが20μm以上かつ100μm以下であり、
    (2)前記ハードコート層は、膜応力が10MPa以下で、膜厚が3μm以上かつ15μm以下であり、
    (3)前記ハードコートフィルムの鉛筆硬度が2H以上であり、
    (4)前記ハードコートフィルムから切り出された、前記ハードコート層の塗布方向に2mmかつ幅方向に50mmのサンプル短冊の曲率半径にて測定されたカール値が70mm以上80mm以下であり、
    (5)厚みd(nm)である前記ハードコートフィルムの平面内のx方向屈折率をNx及びy方向屈折率をNyとし(Nx≧Ny)、前記ハードコートフィルムの厚み方向屈折率をNzとしたとき、下記式で表される厚み方向位相差Rthの絶対値が2以下である、ことを特徴とする、ハードコートフィルム。
    式: Rth={(Nx+Ny)/2−Nz}×d
  2. 請求項1に記載のハードコートフィルムを有する、偏光板。
  3. 請求項1に記載のハードコートフィルムを有する、透過型液晶ディスプレイ。
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