JP2017100650A - 車両用空調装置 - Google Patents

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有基 坂本
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Abstract

【課題】可変容量圧縮機の吐出容量制御により冷凍性能を制御する場合でも、錆の蓄積による吸着力の低下を容易に抑制又は防止することが可能な車両用空調装置を提供する。【解決手段】車両駆動用のエンジン40の動力が電磁クラッチ20を介して伝達されることによって作動する可変容量圧縮機1を有する冷凍回路10と、エンジン作動中に空調作動スイッチ31aがオン状態である場合、電磁クラッチ20への電源供給を維持し、可変容量圧縮機1の吐出容量を制御して冷凍性能を制御する空調制御運転を実行する空調制御部30とを備えた車両用空調装置100において、エンジン作動中に、空調作動スイッチ31aがオンであることを少なくとも含む所定の条件を満足した場合に、電磁クラッチ20への電源供給を所定時間Δt1の間だけ強制停止するための電源強制オフ・オン動作を実行する構成とした。【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載される車両用空調装置に関する。
この種の車両用空調装置として、例えば、特許文献1に開示された車両用空調装置が知られている。この特許文献1に開示された車両用空調装置は、いわゆる斜板式の可変容量圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器が冷媒配管により接続されてなる冷凍回路と、可変容量圧縮機の吐出容量を制御することにより冷凍回路の冷凍性能を制御する空調制御部と、を備えている。
上記冷凍回路の可変容量圧縮機は、電磁クラッチを介して車両駆動用のエンジンの動力が伝達されることによって作動するように構成されている。つまり、電磁クラッチに電源が供給されて、可変容量圧縮機の駆動軸に連結されたクラッチ板の端面が、エンジンの動力によって回転駆動されているロータの端面に磁気吸着されることにより、エンジンの動力が可変容量圧縮機へ伝達される。一方、電磁クラッチへの電源供給が遮断されて、クラッチ板の端面がロータの端面から離れることにより、エンジンから可変容量圧縮機への動力伝達が遮断されて、可変容量圧縮機は停止する。
また、上記空調制御部は、エンジン作動中に空調作動スイッチがオン状態の場合、空調の必要性に関わらず電磁クラッチへ電源を供給して可変容量圧縮機を作動させ、電磁クラッチへの電源供給を維持した状態(空調の必要性に関わらず可変容量圧縮機の作動を維持した状態)で、可変容量圧縮機の吐出容量を制御することによって冷凍回路の冷凍性能を制御している。つまり、上記空調制御部は、エンジン作動中に空調作動スイッチがオン状態の場合、電磁クラッチへの電源の供給を維持しつつ、可変容量圧縮機の吐出容量を制御することによって冷凍回路の冷凍性能を制御する空調制御運転を実行している。
特開2009−287432号公報
ところで、この種の車両用空調装置では、例えば、車両が使用されず、クラッチ板がロータの端面から離れた状態で放置されると、クラッチ摩擦面(クラッチ板の端面とロータの端面)に、錆が蓄積し得るが、エンジンが作動して、電磁クラッチに電源が供給(オン)されると、クラッチ板がロータに当接してロータと同期回転するまでの間に、この蓄積した錆びがそぎ落とされ得る。つまり、電磁クラッチが電源遮断状態(オフ状態)から電源供給状態(オン状態)になる度に、錆がそぎ落とされ得るため、この電磁クラッチへの電源供給動作の回数が多いほど、錆の蓄積は抑制される。
しかしながら、特許文献1に開示された車両用空調装置では、圧縮機のオン・オフ制御(つまり、電磁クラッチのオン・オフ制御)ではなく、圧縮機の吐出容量制御により冷凍回路の冷凍性能をコントロールする構成である。したがって、この車両用空調装置では、エンジン作動中に空調作動スイッチが一旦オンされると、空調の必要性がないときであっても、例えば、空調作動スイッチがオフされるまでは、電磁クラッチへの電源供給はそのまま継続され、クラッチ板の端面とロータの端面とが磁気吸着された状態が維持される。したがって、上記車両用空調装置では、クラッチ板の端面とロータの端面とが長時間磁気吸着された状態が維持されることに起因して、クラッチ摩擦面に蓄積され得る錆をそぎ落とす機会(回数)が極めて少なくなり、クラッチ摩擦面に錆が蓄積しやすくなる。そして、このクラッチ摩擦面への錆の蓄積量が多くなると、クラッチ摩擦面における磁気抵抗が増加してしまい、電磁クラッチの吸着力が著しく低下する。その結果、エンジンの動力を圧縮機へ適切に伝達することができなくなり、圧縮機を正常に作動させることが困難になるおそれがある。
この錆蓄積の対策としては、一般的に、錆が付着した状態でも十分な吸着力を確保できるように、電磁クラッチのコイルを必要以上に大きくしたり、コイルに入力する電力を上げたりする等して、電磁クラッチ自体に工夫を施している。しかし、この場合、電磁クラッチが大型化したり、消費電力が上昇したりしてしまうため、工夫が求められている。
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、可変容量圧縮機の吐出容量を調整することにより冷凍性能を制御する場合でも、錆の蓄積による吸着力の低下を容易に抑制又は防止することが可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。
このため、本発明の一側面による車両用空調装置は、車両駆動用のエンジンの動力が電磁クラッチを介して伝達されることによって作動すると共に吐出容量を変更可能な可変容量圧縮機を有する冷凍回路と、前記エンジンの作動中に空調作動スイッチがオン状態である場合、前記電磁クラッチへの電源の供給を維持しつつ、前記可変容量圧縮機の吐出容量を制御することにより前記冷凍回路の冷凍性能を制御する空調制御運転を実行する空調制御部と、を備え、前記可変容量圧縮機により圧縮した冷媒を循環させて車両内の空調を行う車両用空調装置であって、前記エンジンの作動中に、前記空調作動スイッチがオンであることを少なくとも含む所定の条件を満足した場合に、前記電磁クラッチへの電源供給を所定時間の間だけ強制停止するための電源強制オフ・オン動作を実行する構成とした。
上記一側面による車両用空調装置によれば、エンジンの作動中に空調作動スイッチがオン状態である場合、電磁クラッチへの電源の供給を維持しつつ、可変容量圧縮機の吐出容量を制御することにより冷凍回路の冷凍性能の制御する空調制御運転を実行する空調制御部を備え、上記エンジンの作動中に、前記空調作動スイッチがオンであることを少なくとも含む所定の条件を満足した場合に、電磁クラッチへの電源供給を所定時間の間だけ停止するための電源強制オフ・オン動作を実行する構成であるため、上記所定の条件を適宜設定するだけで、電磁クラッチを強制的に切り離した後に、電磁クラッチを結合させることができる。その結果、クラッチ摩擦面における錆の蓄積を抑制又は防止する機会(回数)を増加させることができる。また、電磁クラッチ自体については、何ら工夫を施さなくてもよい。
これにより、可変容量圧縮機の吐出容量を調整して冷凍性能を制御する空調制御運転により、長時間電磁クラッチが結合される得る場合でも、錆の蓄積による吸着力の低下を、容易に抑制又は防止することが可能な車両用空調装置を提供することができる。
また、電磁クラッチのコイルの大きさを従来と同程度にする場合には、コイルに過剰な電力を入力せずに、エンジンの動力を可変容量圧縮機に確実に伝達することができる。一方、電磁クラッチにおける消費電力を従来と同程度にする場合には、コイルを従来のコイルよりも小さくしたとしても、エンジンの動力を可変容量圧縮機に確実に伝達することができる。したがって、電磁クラッチの消費電力の抑制や電磁クラッチの小型化を図ることもできる。
本発明の一実施形態による車両用空調装置を示すブロック図である。 上記車両用空調装置の電磁クラッチが作動している状態を示した図である。 上記電磁クラッチに対する電源強制オフ・オン動作を説明するための図である。 上記電磁クラッチに対する電源強制オフ・オン動作を説明するための別の図である。 上記電源強制オフ・オン動作の変形例(変形例1)を説明するための図である。 上記電源強制オフ・オン動作の変形例(変形例6)を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による車両用空調装置100の概略の構成を示すブロック図である。図2は、後述する電磁クラッチ20が作動している状態を示した図である。
本実施形態による車両用空調装置100は、吐出容量を変更可能な可変容量圧縮機1を有する冷凍回路10と、電磁クラッチ20と、空調制御部30とを備えて構成され、可変容量圧縮機1により圧縮した冷媒を循環させて車両内の空調を行うものである。
前記冷凍回路10は、可変容量圧縮機1と、凝縮器2と、膨張弁3と、蒸発器4と、これらの機器をこの順番で接続する冷媒配管5とを有して構成されている。この冷凍回路10において、可変容量圧縮機1により圧縮された冷媒ガスは、凝縮器2に圧送され、外気により冷却及び凝縮されて冷媒液になる。この冷媒液は、膨張弁3において断熱膨張され、その後、蒸発器4において蒸発して冷媒ガスになる。詳しくは、膨張弁3を通過した冷媒は、蒸発器4の周囲を通過する空気から熱を奪った後、冷媒ガスとなり、可変容量圧縮機1に戻される。この冷媒に熱を奪われて蒸発器4で冷却された空気が適宜車両(車室)内に導入されることにより、車両内の空調が行われる。
ここで、可変容量圧縮機1は車両駆動用の内燃エンジン(以下において、単にエンジンという)40を駆動源としている。このエンジン40には、図示を省略したバッテリーを駆動源とするスタータモータが接続されており、エンジン40は、このスタータモータにより始動され、スタータモータによる始動完了後は、燃料により作動する。なお、本実施形態では、車両は、車両駆動源としてエンジン40のみを搭載したガソリンエンジン車又はディーゼルエンジン車である場合を一例に挙げて以下説明するが、これに限らず、車両は車両駆動源としてエンジン40と駆動モータを搭載したハイブリット車であってもよい。このハイブリット車においては、エンジン40をスタータモータではなく、上記駆動モータで始動させる。
本実施形態において、可変容量圧縮機1としては、往復動型の斜板式圧縮機を採用する。この可変容量圧縮機1は、シリンダボアが形成されたシリンダーブロック11と、フロントハウジング12と、吸入室13aと吐出室13bとが形成されたリアハウジング(シリンダヘッド)13とを備えて構成されている。
シリンダーブロック11の一端にはフロントハウジング12が連結され、シリンダーブロック11の他端には、リアハウジング13が連結されている。この状態で、上記シリンダボアは、吸入室13aと吐出室13bにそれぞれ連通している。また、シリンダーブロック11とフロントハウジング12によりクランク室14が規定され、このクランク室14内を縦断するように、駆動軸15が延びている。
駆動軸15は、クランク室14内に配置された円盤状の斜板16を貫通している。この斜板16は、駆動軸15に固定されたロータ17と適宜の連結手段を介してヒンジ結合されている。これにより、斜板16は、ロータ17に、上記連結手段を介して駆動軸15の中心軸線に対する傾角(斜板16の法線と駆動軸15の軸線とがなす角)を変更可能に連結される。また、駆動軸15の一端部は、シリンダーブロック11の中央部分に回転可能に支持され、駆動軸15の他端部は、フロントハウジング12の下端部にて外方に突出されたボス部内を貫通すると共に回転可能に支持されている。この駆動軸15の他端部には、電磁クラッチ20の後述するアーマチュア22が取付けられている。
また、シリンダーブロック11に形成される上記シリンダボア内には、ピストン11aが配置されている。このピストン11aには、クランク室14内に突出するようにテール部が一体的に形成されている。上記テール部に形成される凹部には、一対のシューが配置されている。このシューは斜板16の外周部に対し挟み込むように摺接している。これにより、ピストン11aと斜板16は、上記シューを介して互いに連動し、ピストン11aは、駆動軸15の回転により上記シリンダボア内を往復動する。
吸入室13aとピストン11aの背方のクランク室14とは、図示省略する放圧通路により互いに連通されている。また、吐出室13bとクランク室14とは、図示省略する圧力供給通路により互いに連通されている。
このように、本実施形態では、可変容量圧縮機1は、シリンダボア内のピストン11aを駆動軸15の回転により往復動させて、吸入室13aからシリンダボア内に吸入した冷媒ガスを圧縮して吐出室13bを介して外部に吐出する圧縮機構(11a,15,16,17等)と、吐出室13bとクランク室14とを連通する上記圧力供給通路(図示省略)と、吸入室13aとクランク室14とを連通する上記放圧通路(図示省略)と、を備えている。
また、可変容量圧縮機1は、上記放圧通路の流量を所定値に規制すると共に、上記圧力供給通路の開度を調整することで、クランク室14の圧力を調整して冷媒の吐出容量を変更可能に構成されている。詳しくは、可変容量圧縮機1は、上記圧力供給通路の開度を調整することでクランク室14の圧力を調整し、その結果、斜板16の傾角を変化させてピストン11aのストローク量を変化させる。このストローク量の調整により、可変容量圧縮機1は、上記シリンダボアからの冷媒の吐出容量を変更する。この吐出容量の変更制御は、後述するように、空調制御部30により実行される。
前記電磁クラッチ20は、可変容量圧縮機1の一端部に取付けられ、エンジン40の動力を可変容量圧縮機1に適宜に伝達するものである。つまり、電磁クラッチ20は、図1及び図2に示すように、エンジン40から可変容量圧縮機1への動力の伝達とその遮断とを切り換える。したがって、可変容量圧縮機1は、図2に示すように、エンジン40からの動力が電磁クラッチ20を介して伝達されることによって作動し、図1に示すように、エンジン40からの動力の伝達が電磁クラッチ20を介して遮断されるとその作動を停止する。
この電磁クラッチ20は、詳しくは、ロータ21と、ロータ21に対向配置されたクラッチ板としてのアーマチュア22と、ロータ21とアーマチュア22を磁気吸着させる電磁コイルユニット23と、を含む。
前記ロータ21は、フロントハウジング12の上記ボス部の外周に図示省略した軸受部を介して回転可能に支持されている。このロータ21の外周面には、駆動ベルトBが取り付けられている。ロータ21は、この駆動ベルトBを介して伝達されるエンジン40の動力によって回転する。詳しくは、エンジン40が始動されて、そのクランクシャフトの一端に連結されたロータ41が回転すると、その回転力がロータ41に取付けられた駆動ベルトBを介して電磁クラッチ20のロータ21に伝達される。したがって、エンジン40が始動すると、ロータ21は回転し、エンジン40が停止すると、ロータ21の回転は停止する。
前記アーマチュア22は、可変容量圧縮機1の駆動軸15の端部に適宜連結されて、ロータ21の端面に対向配置されている。電磁コイルユニット23に電源が供給されていない(オフ)状態では、アーマチュア22の端面はロータ21の端面から離れており、アーマチュア22の端面とロータ21の端面との間には、隙間がある。
前記電磁コイルユニット23は、ロータ21の径方向内側に適宜配置されている。
具体的には、電磁クラッチ20は、電磁コイルユニット23に電源が供給されると、電磁力を発生し、アーマチュア22の端面をロータ21の端面に磁気吸着させる。これにより、ロータ21とアーマチュア22とが結合され、ロータ21の回転力(即ち、エンジン40の動力)がアーマチュア22へと伝達され、更には可変容量圧縮機1の駆動軸15へと伝達されて可変容量圧縮機1が作動する。
一方、電磁クラッチ20は、電磁コイルユニット23への電源の供給が停止(遮断)されると、図示を省略したリーフスプリング等の付勢力によってアーマチュア22をロータ21の端面から離脱させる(つまり、結合を開放させる)。これにより、ロータ21への回転力の伝達が遮断されて可変容量圧縮機1は停止する。
したがって、エンジン40が停止しているときは、可変容量圧縮機1は作動しない。そして、エンジン40が作動しており、且つ、電磁クラッチ20に電源が供給されているときに、可変容量圧縮機1が作動し、エンジン40が作動しているが、電磁クラッチ20への電源の供給が停止(遮断)されていると、可変容量圧縮機1は作動しない。本実施形態において、この電磁クラッチ20への電源の供給とその遮断は、後述するように、空調制御部30により制御されている。
前記空調制御部30は、冷凍回路10等の空調動作を主に制御するものである。
空調制御部30は、エンジン40の作動中(以下、単にエンジン作動中という)に後述の空調作動スイッチ31aがオン状態である場合、電磁クラッチ20への電源の供給を維持しつつ、可変容量圧縮機1の吐出容量を制御することにより冷凍回路10の冷凍性能を制御する空調制御運転を実行する。したがって、空調制御部30は、例えば、エンジン作動中に空調作動スイッチ31aがオンされると、空調の必要性に関わらず電磁クラッチ20へ電源を供給して可変容量圧縮機1を作動させ、電磁クラッチ20への電源供給を維持しつつ(つまり、可変容量圧縮機1を待機運転させつつ)、後述するように蒸発器出口温度と空調設定温度とに基づいて可変容量圧縮機1の吐出容量を制御することによって冷凍回路10の冷凍性能を制御する空調制御運転を実行する。
具体的には、空調制御部30は、冷凍回路10の蒸発器4の周囲を通過するように送風されて車内に導入される空気の温度(蒸発器出口温度)が車内に設けられる空調操作部31を介して利用者等により設定される空調設定温度に近づくように、上記圧力供給通路に介装される制御弁(図示省略)の開度を制御する。例えば、空調制御部30からの制御信号により制御弁の弁開度が縮小されると、吐出室13bの冷媒のクランク室14への供給量が減少する。その結果、クランク室14内の圧力が低下すると、斜板16の傾角が増大して吐出容量が増大する。一方、空調制御部30からの制御信号により制御弁の弁開度が増大されると、吐出室13bの冷媒のクランク室14への供給量が増大する。その結果、クランク室14内の圧力が上昇すると、斜板16の傾角が減少して吐出容量が減少する。
この空調制御部30による空調制御運転においては、例えば、上記蒸発器出口温度が空調設定温度に近似しており、冷凍回路10内に冷媒を循環させる必要が無い場合であっても、利用者等により空調作動スイッチ31aがオフされない限り、電磁クラッチ20への電源供給は維持されて、可変容量圧縮機1は作動し続ける(待機運転し続ける)。この空調制御運転における上記待機運転中に、制御弁の弁開度は空調制御部30により斜板16の傾角が最小になるように制御され、この状態で、冷媒は可変容量圧縮機1内を循環(内部循環)するように構成されている。つまり、斜板16が最小傾角状態のときは、冷媒は冷媒配管5を経由して冷凍回路10を循環(外部循環)しない。
また、空調制御部30には、エンジン40の動作を制御するエンジン制御部50が接続され、エンジン40の回転数N等の各種情報が空調制御部30に送信されるように構成されている。
本実施形態において、上記「エンジン作動中」には、エンジン40の始動中を含まないものとして以下説明する。つまり、エンジン作動中とは、スタータモータによるエンジン40の始動が完了した後のことであり、エンジン40がスタータモータによらず燃料だけで作動を開始した時をその始点とする。
空調制御部30には、例えば、スタータモータへの電源供給が停止された状態でエンジン40が作動していることを判別可能な適宜の情報がエンジン制御部50から入力される。この情報としては、例えば、図示を省略したイグニッションスイッチの回動位置とエンジン40の回転数Nの情報を用いる。イグニッションスイッチは、OFF位置、ACC位置、ON位置、START位置の順に回動され、ON位置ではエンジン40の点火系が通電され、START位置ではスタータモータが通電される(つまり、バッテリーからスタータモータに電源が供給される)。
空調制御部30は、エンジン制御部50からの入力情報(例えば、イグニッションスイッチの回動位置を示す情報とエンジン40の回転数Nを示す情報)に基づいて、イグニッションスイッチがON位置であると共にエンジン40が作動(回転)していると判定した場合に、エンジン40が燃料だけで作動中(エンジン作動中)であると判定する。
また、空調操作部31には、空調作動スイッチ(A/Cスイッチ)31aが設けられている。この空調作動スイッチ31aは利用者等によりオン・オフ操作される。例えば、利用者等により、この空調作動スイッチ31aがオン操作されると、空調作動スイッチ31aがオンであることを示すスイッチON信号が空調制御部30に出力される。これにより、空調制御部30は、空調作動スイッチ31aがオン状態であるかオフ状態であるかを判別可能に構成されている。つまり、空調制御部30は、空調作動スイッチ31aからスイッチON信号が入力されている場合に、空調作動スイッチ31aがオン状態であると判定し、スイッチON信号が入力されていない場合に、空調作動スイッチ31aがオフ状態であると判定する。
したがって、空調制御運転において、空調制御部30は、エンジン40が作動中であり、且つ、空調作動スイッチ31aがオン状態であると判定した場合、スタータモータの駆動源でもある前述したバッテリーからの電源を電磁クラッチ20に供給し、この電源供給を維持しつつ、蒸発器出口温度と空調設定温度とに基づいて上記制御弁の弁開度を適宜制御し、エンジン作動中に利用者等により空調作動スイッチ31aがオフされると、このバッテリーから電磁クラッチ20への電源の供給を遮断して、空調制御運転を停止する。つまり、空調制御部30は、空調制御運転において、弁開度を制御する機能を有すると共に、空調作動スイッチ31aのオン・オフ状態に連動して電磁クラッチ20に対する電源オン・オフ(電源通常オン・オフ)動作を実行する機能も有している。
ここで、空調制御部30は、空調制御運転における上記電源通常オン・オフ動作の他に、電磁クラッチ20に対し、錆の蓄積を抑制又は防止させるための後述する電源強制オフ・オン動作を実行する機能を更に有する。以下では、空調制御部30における錆蓄積の抑制又は防止のための機能について詳述する。
本実施形態において、空調制御部30は、エンジン作動中に、空調作動スイッチ31aがオンであることを少なくとも含む所定の条件を満足した場合に、電磁クラッチ20への電源供給を所定時間Δt1の間だけ停止するための電源強制オフ・オン動作を実行する機能も有する。上記「所定の条件」は、空調制御部30に、例えば、空調操作部31を介して、適宜設定可能に構成されている。
本実施形態において、空調制御部30には、空調作動スイッチ31aがオンであり、且つ、車両の走行時間Tが所定の時間T1より長いことを、電源強制オフ・オン動作を実行するための上記所定の条件として設定されている。また、例えば、空調制御部30内には、計時部(図示省略)が設けられている。空調制御部30は、この計時部により、エンジン作動中において、空調作動スイッチ31aがオン状態(つまり、電磁クラッチ20に電源を供給している状態)での車両の走行時間Tを計測し、この走行時間Tが予め定めた所定の時間T1よりも長いか否かを判定するように構成されている。つまり、空調制御部30は、エンジン作動中に空調作動スイッチ31aがオン状態であると判定した上、空調制御運転中における走行時間Tが所定の時間T1よりも長くなったと判定した時に、電磁クラッチ20に対する電源強制オフ・オン動作を実行(開始)する。また、例えば、この電源強制オフ・オン動作が完了すると、計時部のタイマーはリセットされ、空調制御部30は、タイマーリセット後の空調制御運転中における走行時間Tが再び所定の時間T1よりも長くなったと判定した時に、次の電源強制オフ・オン動作を実行するように構成されている。このように、空調制御部30は、空調制御運転中において、T>T1と判定する毎に、電源強制オフ・オン動作を実行する。
また、本実施形態において、空調制御部30は、図3に示すように、電源強制オフ・オン動作を連続して複数回(図では5回)実行するように構成されている。図3において、横軸はスタータモータの起動開始時刻からの時間を示し、縦軸は電磁クラッチ20に対する電源の供給・遮断状態(電源ON・OFF)を示す。
空調制御部30は、電源強制オフ・オン動作の際に、バッテリーから電磁クラッチ20への電源の供給を強制的に遮断(オフ)してから所定時間Δt1経過した時に、電磁クラッチ20に電源を供給(オン)し、電源供給後、所定時間Δt2経過した時に、次の電源強制遮断(オフ)を行う。つまり、Δt1は通電遮断時間であり、Δt2は通電時間である。これらΔt1及びΔt2は変更可能に構成されている。また、複数回の電源強制オフ・オン動作の各回のΔt1及びΔt2をそれぞれ異ならせて設定することもできる。
次に、本実施形態における車両用空調装置100の電磁クラッチ20に対する電源強制オフ・オン動作について、図1〜図3を参照して詳述する。
なお、図3に示すように、空調作動スイッチ31aは、エンジン始動前にオン状態であり、その後、エンジン作動中にオフされないものとし、空調制御運転の開始条件(つまり、エンジン作動中であり、且つ、空調作動スイッチ31aがオン状態であること)を満たした後に、所定の条件(空調作動スイッチ31aがオン、且つ、T>T1)を満足する場合を一例に挙げて説明する。
まず、図示を省略するが、利用者等によりイグニッションスイッチが操作されて、イグニッションスイッチがSTART位置まで回動されると、バッテリーからスタータモータへ電源が供給される。これにより、エンジン40はバッテリーを駆動源として回転し始め、その回転数Nが徐々に上昇する。その後、イグニッションスイッチがON位置に戻されると、スタータモータへの電源の供給が遮断されると共に、エンジン40の点火系が通電されて、エンジン40がスタータモータによらず燃料だけで作動し始める。この時、空調制御部30には、エンジン制御部50から、イグニッションスイッチがON位置であることを示す情報と、エンジン40の回転数N(>0)の情報が入力されると共に、空調作動スイッチ31aからのスイッチON信号が入力されている。これにより、空調制御部30は、エンジン40はエンジン作動中であると共に、空調作動スイッチ31aがオン状態であると判定し、バッテリーからの電源を電磁クラッチ20に供給(オン)すると共に、制御弁の弁開度を適宜制御する空調制御運転を開始する。空調制御部30は、この空調制御運転の開始時を起点として、空調制御運転中における車両の走行時間Tの計時部による計測を開始すると共に、電磁クラッチ20への電源供給を維持しつつ、可変容量圧縮機1の吐出容量制御を適宜実行する。その後、走行時間Tがカウントアップされて所定の時間T1よりも長くなると、空調制御部30は、計時部からの走行時間T1の情報に基づいて、TがT1より長くなったことを検知する。このT>T1を検知した時、空調制御部30は、バッテリーから電磁クラッチ20への電源の供給を強制的に遮断(オフ)する。そして、この遮断から所定時間Δt1経過した時に、空調制御部30は、電磁クラッチ20への電源の供給を再開(オン)する。さらに、この電源供給再開から所定時間Δt2経過した時に、空調制御部30は、次の電源強制遮断(オフ)を行い、その後、この電源遮断と供給を複数回繰り返して、初めの電源強制オフ・オン動作が完了する。そして、最後の電源強制オフ・オン動作におけるΔt2経過後は、空調制御運転が再開されて、その後、電磁クラッチ20への電源の供給は維持される。始めの電源強制オフ・オン動作が完了すると、計時部のタイマーはリセットされ、空調制御部30は、タイマーリセット後の走行時間Tが再び所定の時間T1よりも長くなったと判定した時に、次の電源強制オフ・オン動作を実行する。その後、空調制御部30は、T>T1と判定する毎に、電源強制オフ・オン動作を実行する。
このように、電磁クラッチ20への電源供給が強制的に遮断されて電源が再供給されて、アーマチュア22の端面がロータ21の端面に当接する直前において、ロータ21は所定の回転数Nで回転しているが、アーマチュア22は停止又は慣性によりロータ21より低速で回転している。そして、アーマチュア22の端面がロータ21の端面に当接した瞬間において、アーマチュア22は、その端面を回転しているロータ21の端面により擦られつつ、ロータ21の回転に追従するように回転し始め、例えば、十msec〜数十msec後には、ロータ21と同期して回転する。つまり、停止又は低速で回転しているアーマチュア22を回転しているロータ21に電磁吸着させることにより、アーマチュア22とロータ21が同期回転するまでの間、アーマチュア22の端面とロータ21の端面とを擦り合わせるようにする。この擦り合わせにより、アーマチュア22の端面とロータ21の端面における錆の蓄積を抑制又は防止する。本実施形態において、この擦り合わせは、空調制御運転の開始時に1回行われ、その後、上記初めの電源強制オフ・オン動作において5回行われ、少なくとも合計で6回行われている。
なお、図3における電源強制オフ・オンの説明では、空調作動スイッチ31aは、エンジン始動前にオン状態である場合を一例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、エンジン始動後、つまり、エンジン作動中にオフ状態からオン状態に操作されてもよい。この場合、図4に示すように、空調制御運転は、エンジン始動完了直後には開始されず、エンジン始動完了後、空調作動スイッチ31aがオンされた時に開始されるため、計時部はエンジン始動完了後、空調作動スイッチ31aがオンされた時を起点として走行時間Tの計測をする。
本実施形態の車両用空調装置100によれば、エンジン作動中に空調作動スイッチ31aがオン状態である場合、電磁クラッチ20への電源の供給を維持しつつ、可変容量圧縮機1の吐出容量を制御することにより冷凍回路10の冷凍性能の制御する空調制御運転を実行する空調制御部30を備え、エンジン作動中に、空調作動スイッチ31aがオンであることを少なくとも含む所定の条件を満足した場合に、電磁クラッチ20への電源供給を所定時間Δt1の間だけ停止するための電源強制オフ・オン動作を実行する構成であるため、上記所定の条件を適宜設定するだけで、空調制御運転中に、電磁クラッチ20を強制的に切り離した後に、電磁クラッチ20を結合させることができる。その結果、クラッチ摩擦面における錆の蓄積を抑制又は防止する機会(回数)を増加させることができる。また、電磁クラッチ自体については、何ら工夫を施さなくてもよい。
これにより、可変容量圧縮機1の吐出容量を調整して冷凍性能を制御する空調制御運転により、長時間の間、電磁クラッチ20が結合される場合でも、錆の蓄積による吸着力の低下を、容易に抑制又は防止することが可能な車両用空調装置100を提供することができる。また、電磁クラッチ20の電磁コイルユニット23の大きさを従来と同程度にする場合には、電磁コイルユニット23に過剰な電力を入力せずに、エンジン40の動力を可変容量圧縮機1に確実に伝達することができる。一方、電磁クラッチ20における消費電力を従来と同程度にする場合には、電磁コイルユニット23を従来の電磁コイルユニットよりも小さくしたとしても、エンジン40の動力を可変容量圧縮機1に確実に伝達することができる。したがって、電磁クラッチ20の消費電力の抑制や電磁クラッチ20の小型化を図ることもできる。
ところで、スタータモータによりエンジン40が始動されている時は、エンジン40自体は動力を発生していないため、この始動時に電磁クラッチ20を作動(オン)すると、スタータモータに負荷がかかることになる。このため、始動時に電磁クラッチ20を作動(オン)することは、エンジン40の始動性を考慮すると好ましくない。また、エンジン40の始動時に、スタータモータの駆動源でもあるバッテリーから電磁クラッチ20へ電源を供給すると、バッテリーの電圧が変化する可能性があるため、同様に、エンジン40の始動性を考慮すると好ましくない。
このエンジン40の始動性に関しては、本実施形態の車両用空調装置100では、「エンジン作動中」には、エンジン40の始動中を含まないものとした。つまり、空調制御運転と電源強制オフ・オン動作を、エンジン作動中に(言い換えると、エンジン40の始動時を避けて)実行する構成としたため、エンジンの始動性を損ねることはない。なお、例えば、バッテリーの容量が十分に確保されており、空調制御運転と電源強制オフ・オン動作をエンジン40の始動時を避ける必要がない場合は、「エンジン作動中」には、エンジン40の始動中を含むものとし、空調制御運転と電源強制オフ・オン動作をエンジンの始動時に行ってもよい。この場合、空調制御部30は、エンジン制御部50からの入力情報に基づいて、イグニッションスイッチがON位置又はSTART位置であると共にエンジン40が回転していると判定した場合に、エンジン作動中であると判定する。
また、本実施形態では、電源強制オフ・オン動作は連続して複数回実行される構成とした。
これにより、アーマチュア22の端面とロータ21の端面との擦り合わせを複数回実行させることができるため、アーマチュア22の端面とロータ21の端面における錆の蓄積を確実に抑制又は防止することができる。なお、本実施形態では、図3及び図4に示すように、電源強制オフ・オン動作の連続回数は5回であるものとしたが、これに限らず、適宜の複数回実行してもよい。また、複数回に限らず、1回でもよい。この場合でも、空調制御運転における電源通常オン動作と合わせると、上記擦り合わせを少なくとも2回行うことができる。
また、本実施形態では、空調作動スイッチ31aがオンであり、且つ、空調制御運転中における(言い換えると空調作動スイッチ31aがオン状態での)車両の走行時間Tが所定の時間T1より長いことを、電源強制オフ・オン動作を実行(開始)するための条件とした。
これにより、空調制御運転を、長時間の走行時に実行しても、その走行時間Tが予め定めた時間T1より長くなる毎に、電磁クラッチ20を強制的に開放させた後、再度結合させることができるため、長時間走行したとしても、電磁クラッチ20が結合された状態が長時間続かないので、錆の蓄積を確実に抑制又は防止することができる。
なお、本実施形態では、空調作動スイッチ31aがオンであり、且つ、空調制御運転中における車両の走行時間Tが所定の時間T1より長いことを、電源強制オフ・オン動作を実行(開始)するための条件とした場合を一例に挙げて説明したが、これに限らず、以下に説明する変形例1のように、車両の走行時間に替って車両の走行距離を用いてもよい。
詳しくは、図5に示すように、空調作動スイッチ31aがオンであり、且つ、空調制御運転中における車両の走行距離Lが所定の距離L1より長いことを、電源強制オフ・オン動作を実行するための条件としてもよい(変形例1)。この変形例1の場合、例えば、エンジン制御部50から空調制御部30に車両の累積走行距離L2の情報が入力され、空調制御部30は、この累積走行距離L2の情報に基づいて、エンジン作動中において、空調作動スイッチ31aがオン状態での車両の走行距離Lを算出すると共に、この算出した走行距離Lが所定の距離L1よりも長いか否かを判定するように構成する。つまり、空調制御部30は、エンジン作動中に空調作動スイッチ31aがオン状態であると判定した上、その走行距離Lが所定の距離L1よりも長くなったと判定した時に、電磁クラッチ20に対する電源強制オフ・オン動作を実行(開始)する。
これにより、空調制御運転を、長距離の走行時に実行しても、その走行距離Lが予め定めた距離L1より長くなる毎に、電磁クラッチ20を強制的に開放させた後、再度結合させることができるため、長距離走行したとしても、電磁クラッチ20が結合された状態が長時間続かないので、錆の蓄積を確実に抑制又は防止することができる。
また、本実施形態(図3、図4)及び上記変形例1(図5)においては、電源強制オフ・オン動作を実行(開始)するための条件に用いるパラメータは、空調作動スイッチ31aの状態及び車両の走行時間T1、又は、空調作動スイッチ31aの状態及び車両の走行距離L1であるものとして、説明したが、これに限らず、以下に説明する変形例2〜変形例5のように、エンジン40の回転数N又は車両の走行速度Vをパラメータとして更に組み入れてもよい。つまり、パラメータとして、空調作動スイッチ31aの状態に加えて、車両の走行時間Tとエンジン40の回転数Nを用いたり(変形例2)、車両の走行時間Tと車両の走行速度Vを用いたり(変形例3)、車両の走行距離Lとエンジン40の回転数Nを用いたり(変形例4)、車両の走行距離Lと車両の走行速度Vを用いたり(変形例5)してもよい。
具体的には、上記変形例2では、図示省略するが、空調作動スイッチ31aがオンであり、且つ、T>T1であることを、電源強制オフ・オン動作を実行するための基本条件とした上、空調制御運転中におけるエンジン40の回転数Nがアイドル回転数Ni以上の所定の第1回転数N1より大きいことを、電源強制オフ・オン動作を実行するための条件に更に含む構成とする。したがって、空調制御部30は、空調制御運転中に、T>T1と判定し、且つ、エンジン制御部50から送信されるエンジン40の回転数Nと、予め定められた第1回転数N1とを比較し、N>N1であると判定した時に、電磁クラッチ20に対する電源強制オフ・オン動作を実行する。つまり、空調制御部30は、空調制御運転中に、T>T1と判定した場合でも、NがN1以下である場合は電源強制オフ・オン動作を実行せず、NがN1より大きくなったと判定した時に、電源強制オフ・オン動作を開始する。
これにより、エンジン40が、エンジン作動中において比較的に高速で回転している時に、電磁クラッチ20を作動させることができるため、アーマチュア22の端面とロータ21の端面とを高速で擦り合わせることができる。その結果、錆の蓄積をより確実に抑制又は防止することができる。
また、上記変形例3では、図示省略するが、空調作動スイッチ31aがオンであり、且つ、T>T1であることを、電源強制オフ・オン動作を実行するための基本条件とした上、空調制御運転中における車両が減速状態であることを、電源強制オフ・オン動作を実行(開始)するための条件に更に含む構成とする。この変形例3の場合、例えば、エンジン制御部50から空調制御部30に車両の走行速度Vの情報が入力され、空調制御部30においてその走行速度Vを所定の時間の間だけモニタリングして減速状態であるか否かを判定するように構成する。つまり、空調制御部30は、空調制御運転中に、T>T1と判定し、且つ、車両が減速状態であると判定した時に、電磁クラッチ20に対する電源強制オフ・オン動作を実行(開始)する。つまり、T>T1であっても、空調制御運転中に、車両が加速状態である場合は電源強制オフ・オン動作を実行しない。
これにより、車両が加速している時(期間)を避けて、エンジン40から可変容量圧縮機1への動力伝達の断続を行うことができる。したがって、車両の加速中に動力伝達の断続に起因する負荷変動をエンジン40に与えることなく、車両の減速中に錆の蓄積の抑制又は防止を行うことができる。
また、上記変形例4では、図示省略するが、空調作動スイッチ31aがオンであり、且つ、L>L1であることを、電源強制オフ・オン動作を実行するための基本条件とした上、N>N1であることを、電源強制オフ・オン動作を実行するための条件に更に含む構成とする。したがって、空調制御部30は、空調制御運転中に、L>L1と判定し、且つ、N>N1であると判定した時に、電磁クラッチ20に対する電源強制オフ・オン動作を実行する。
これにより、変形例2と同様に、アーマチュア22の端面とロータ21の端面とを高速で擦り合わせることができ、錆の蓄積をより確実に抑制又は防止することができる。
また、上記変形例5では、図示省略するが、空調作動スイッチ31aがオンであり、且つ、L>L1であることを、電源強制オフ・オン動作を実行するための基本条件とした上、車両が減速状態であることを、電源強制オフ・オン動作を実行するための条件に更に含む構成とする。したがって、空調制御部30は、空調制御運転中に、L>L1と判定し、且つ、車両が減速状態であると判定した時に、電磁クラッチ20に対する電源強制オフ・オン動作を実行する。
これにより、変形例3と同様に、車両の加速中に動力伝達の断続に起因する負荷変動をエンジン40に与えることなく、車両の減速中に錆の蓄積の抑制又は防止を行うことができる。
また、変形例2や変形例4のように、エンジンの回転数Nを、電源強制オフ・オン動作開始用のパラメータとして用いる場合は、電源強制オフ・オン動作を実行するための条件として、空調作動スイッチ31aがオンであり、T>T1、且つ、N>N1(変形例2)、又は、空調作動スイッチ31aがオンであり、L>L1且つ車両が減速状態であること(変形例4)、に加えて、以下の条件A、条件Bをそれぞれ付加してもよい(変形例5)。
詳しくは、空調制御運転中における可変容量圧縮機1の吐出容量Sが所定の第1吐出容量S1より小さい場合は、エンジン40の回転数Nが第1回転数N1より大きい所定の第2回転数N2より大きいこと(条件A)を、電源強制オフ・オン動作を実行(開始)するための条件に更に含み、空調制御運転中における可変容量圧縮機1の吐出容量Sが第1吐出容量S1より大きい所定の第2吐出容量S2より大きい場合は、エンジン40の回転数Nが第2回転数N2より小さいこと(条件B)を、電源強制オフ・オン動作を実行するための条件に更に含む構成としてもよい(変形例5)。
上記吐出容量Sは、空調制御部30から制御弁に出力する制御信号(電流値)の大きさに対応しているため、空調制御部30は、例えば、制御信号の大きさにより、吐出容量Sを算出することができる。この吐出容量Sが大きいほど、斜板16の駆動軸15の中心軸線に対する傾角(斜板16の法線と駆動軸15の軸線とがなす角)は大きく、吐出容量Sが小さいほど斜板16の上記傾角は小さくなる。そして、吐出容量Sが小さいと、可変容量圧縮機1を作動させるために必要なトルクが小さくなり(つまり低負荷になり)、吐出容量Sが大きいと、上記トルクが大きくなる(つまり高負荷になる)。このため、吐出容量Sが小さい(低負荷)状態で、電磁クラッチ20を結合させる場合は、回転数Nが高い方が、錆を効率的にそぎ取ることができ、逆に、吐出容量Sが大きい(高負荷)状態で、電磁クラッチ20を結合させる場合は、回転数Nが高くなくても、錆を容易にそぎ取ることができる。
この変形例5の場合、例えば、空調制御部30は、空調作動スイッチ31aの状態と走行時間T又は空調作動スイッチ31aの状態と走行距離Lをモニタリングすると共にエンジン制御部50からの回転数Nの情報をモニタリングし、且つ、制御信号の大きさに基づいて吐出容量Sを算出し、吐出容量Sが第1吐出容量S1より小さいか否か、吐出容量Sが第2吐出容量S2(>S1)より大きいか否か、回転数Nが第1回転数N1より大きいか否か、及び、回転数Nが第2回転数より大きいか否かを判定する。そして、空調制御部30は、空調制御運転中に、T>T1、又は、L>L1と判定した上、S<S1(低負荷)と判定した場合は、N>N1に加えて、N>N2(高速回転)を検知した時に、電源強制オフ・オン動作を実行し、空調制御運転中に、T>T1、又は、L>L1と判定した上、S2>S>S1(中負荷)と判定した場合は、単にN>N1を検知した時に、電源強制オフ・オン動作を実行し、空調制御運転中に、T>T1、又は、L>L1と判定した上、S>S2(高負荷)と判定した場合は、N>N1に加えて、N2>N(つまり、N2>N>N1)を検知した時に、電源強制オフ・オン動作を実行する。
これにより、空調作動スイッチ31aの状態と走行時間T又は空調作動スイッチ31aの状態と走行距離Lに加えて、可変容量圧縮機1の吐出容量Sと回転数Nに基づいて、効率的に錆をそぎ取ることができるタイミングで、電源強制オフ・オン動作を実行させることができる。なお、この変形例5では、吐出容量Sを制御弁に出力する制御信号の大きさに基づいて検知するものとしたが、これに限らず、斜板16の傾角を適宜モニタリングして、この傾角に基づいて吐出容量Sを算出してもよい。
また、電源強制オフ・オン動作を実行(開始)するための上記所定の条件は、本実施形態及び上記変形例1〜変形例5に限らず、空調作動スイッチ31aがオンであることを少なくとも含めばよい。例えば、空調作動スイッチ31aがオンであることのみを上記所定の条件としたり(変形例6)、空調作動スイッチ31aがオンであり、且つ、N>N1であることを上記所定の条件としたり(変形例7)、空調作動スイッチ31aがオンであり、且つ、車両が減速状態であることを上記所定の条件としたり(変形例8)してもよい。
詳しくは、変形例6の場合、図6に示すように、エンジン始動完了時において、既に、電源強制オフ・オン動作を実行するための上記所定の条件(空調作動スイッチ31aがON)を満足しているため、エンジン始動完了直後に、電源強制オフ・オン動作の実行を開始することができる。つまり、変形例6では、空調制御運転の開始条件を満たしている時には、電源強制オフ・オン動作を実行するための上記所定の条件を満足しているため、電源強制オフ・オン動作を優先して実行し、その後、空調制御運転に移行する。変形例6の場合、図6に示すように、エンジン始動完了後において、空調作動スイッチ31aがオン状態になっている場合には、空調作動スイッチ31aがオンであることを検知した後(図ではエンジン始動完了直後)に、電源強制オフ・オン動作を、連続して複数回(図では連続して5回)実行してもよいし、図示を省略するが、1回だけ実行してもよい。すなわち、変形例6では、エンジン始動完了後において、空調作動スイッチ31aがオン状態になっていた場合、1回又は連続する複数回の電源強制オフ・オン動作を、全体として1回だけ実行し、この1回又は連続する複数回の電源強制オフ・オン動作が完了した後は、空調作動スイッチ31aのオン状態が維持されていても、電源強制オフ・オン動作は実行されない。具体的には、空調制御部30は、図6に示すように、エンジン始動完了直後に、空調制御運転に移行せずに、所定時間Δt1の間だけ引き続き電源の供給を停止した後、電磁クラッチ20へ電源をΔt2の間だけ供給し、その後、この電源強制オフ・オン動作を複数回繰り返し、最後のΔt2経過後は、空調制御運転に移行する。
また、変形例7の場合、図示省略するが、エンジン始動完了後であっても、電源強制オン・オフ動作は、N>N1となるまで実行されず、N>N1となった時に実行される。これにより、エンジン始動完了後の比較的早い時期において、高速擦り合わせを行うことができ、錆の蓄積をより確実に抑制又は防止することができる。
さらに、変形例8においては、図示省略するが、エンジン始動完了後であっても、電源強制オン・オフ動作は、車両が加速時には実行されず、車両が減速状態になった時に実行される。これにより、エンジン始動完了後の比較的早い時期において、車両の加速時を避けて錆の蓄積の抑制又は防止を行うことができる。
また、以上の説明においては、空調制御運転を実行(制御)する空調制御部30が、電源強制オフ・オン動作を制御するものとして説明したが、これに限らず、空調制御部30とは別の制御部により制御するようにしてもよい。車両用空調装置100は、空調制御運転中に、車両の走行に関する所定の条件を満足した場合に、電磁クラッチ20への電源供給を所定時間Δt1の間だけ強制停止するための電源強制オフ・オン動作を実行可能であればよい。言い換えると、車両用空調装置100は、空調制御運転中(空調制御運転開始時も含む)に、上記電源強制オフ・オン動作を、所定のタイミングで(例えば、上記条件1〜条件5の少なくともいずれか一つを満足した時に)開始するように構成されていればよい。
以上、本発明の好ましい実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は上記実施形態及び変形例に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて更なる変形及び変更が可能である。
1…可変容量圧縮機
10…冷凍回路
20…電磁クラッチ
30…空調制御部
31a…空調作動スイッチ
40…エンジン

Claims (8)

  1. 車両駆動用のエンジンの動力が電磁クラッチを介して伝達されることによって作動すると共に吐出容量を変更可能な可変容量圧縮機を有する冷凍回路と、
    前記エンジンの作動中に空調作動スイッチがオン状態である場合、前記電磁クラッチへの電源の供給を維持しつつ、前記可変容量圧縮機の吐出容量を制御することにより前記冷凍回路の冷凍性能を制御する空調制御運転を実行する空調制御部と、
    を備え、前記可変容量圧縮機により圧縮した冷媒を循環させて車両内の空調を行う車両用空調装置であって、
    前記エンジンの作動中に、前記空調作動スイッチがオンであることを少なくとも含む所定の条件を満足した場合に、前記電磁クラッチへの電源供給を所定時間の間だけ強制停止するための電源強制オフ・オン動作を実行する、車両用空調装置。
  2. 前記空調作動スイッチがオンであり、且つ、前記空調制御運転中における前記車両の走行時間が所定の時間より長いことを、前記所定の条件とする、請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記空調作動スイッチがオンであり、且つ、前記空調制御運転中における前記車両の走行距離が所定の距離より長いことを、前記所定の条件とする、請求項1に記載の車両用空調装置。
  4. 前記空調作動スイッチがオンであることを、前記所定の条件とする、請求項1に記載の車両用空調装置。
  5. 前記エンジンの回転数がアイドル回転数以上の所定の第1回転数より大きいことを、前記所定の条件に更に含む、請求項2〜4のいずれか一つに記載の車両用空調装置。
  6. 前記車両が減速状態であることを、前記所定の条件に更に含む、請求項2〜4のいずれか一つに記載の車両用空調装置。
  7. 前記空調制御運転中における前記可変容量圧縮機の前記吐出容量が所定の第1吐出容量より小さい場合は、前記エンジンの回転数が前記第1回転数より大きい所定の第2回転数より大きいことを、前記所定の条件に更に含み、
    前記空調制御運転中における前記可変容量圧縮機の前記吐出容量が前記第1吐出容量より大きい所定の第2吐出容量より大きい場合は、前記エンジンの回転数が前記第2回転数より小さいことを、前記所定の条件に更に含む、請求項5に記載の車両用空調装置。
  8. 前記電源強制オフ・オン動作は連続して複数回実行される、請求項1〜7のいずれか一つに記載の車両用空調装置。
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