JP2017098559A - フィルムコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】高耐電圧で低損失な電気特性を有するフィルムコンデンサを提供すること。【解決手段】フィルムコンデンサはコンデンサ素子と第一と第二の外部電極とを備える。コンデンサ素子は、誘電体フィルム11A、11Bと、誘電体フィルムを介して互いに対向する第一と第二の電極膜12A、12Bを含む。第一の電極膜は、マトリクス状に配置された複数の小電極部16Aと、第一の方向で互いに隣り合う小電極部間を接続する複数の第一のヒューズ17Aと、第一の方向と直角の第二の方向で互いに隣り合う小電極部間を接続する複数の第二のヒューズ18Aとを含む。複数の第二のヒューズは、第二の方向に配置された小電極部からなる複数列に散らして配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は各種電子機器、電気機器、産業機器、自動車等に使用され、特に、ハイブリッド自動車のモータ駆動用インバータ回路の平滑用、フィルタ用、スナバ用に最適なフィルムコンデンサに関する。
近年、環境保護の観点から、あらゆる電気機器がインバータ回路で制御され、省エネルギー化、高効率化が進められている。中でも自動車業界においては、電気モータとエンジンで走行するハイブリッド車(以下、HEVと呼ぶ)が市場導入される等、地球環境に優しく、省エネルギー化、高効率化に関する技術の開発が活発化している。
このようなHEV用の電気モータは使用電圧領域が数百ボルトと高いため、この電気モータに関連して使用されるコンデンサとして、高耐電圧で低損失の電気特性を有する金属化フィルムコンデンサが注目されている。
そして、この金属化フィルムコンデンサは、一般に金属箔を電極に用いるものと、誘電体フィルム上に蒸着等で形成した金属膜を電極に用いるものとに大別される。中でも、蒸着等で形成した金属膜を電極とする金属化フィルムコンデンサは、金属箔のものに比べて電極の占める体積が小さく、小型軽量化が図れる。また、金属化フィルムコンデンサは、蒸着等で形成した電極膜特有の自己回復機能、すなわち、欠陥部周辺の電極膜が蒸発・飛散し、コンデンサの機能が回復するセルフヒーリング性を有する。セルフヒーリング性により絶縁破壊に対する信頼性が高いことから、金属化フィルムコンデンサは広く用いられている。電極膜は薄いほど蒸発・飛散しやすく、セルフヒーリング性が良くなるので、耐電圧が高くなる。
図7は従来のフィルムコンデンサ1の斜視図である。フィルムコンデンサ1は、コンデンサ素子5と、コンデンサ素子5の両端面に形成された一対の外部電極6とを備える。コンデンサ素子5は、巻回された一対の金属化フィルム4よりなる。金属化フィルム4は、誘電体フィルム2と、誘電体フィルム2上に形成された電極膜3とを有する。一対の金属化フィルム4に形成された夫々の電極膜3が誘電体フィルム2を介して対向するように重ね合わせて一対の金属化フィルム4が巻回されている。一対の金属化フィルム4のうち少なくとも一方の電極膜3は、複数の小電極部7と、複数の小電極部7を接続する複数の第一のヒューズ8と、複数の小電極部7を接続する複数の第二のヒューズ9とを有する。小電極部7は、一対の外部電極6間を結ぶ第一の方向5Aと、第一の方向5Aと垂直な第二の方向5Bに、それぞれ複数列配置されている。第一のヒューズ8は第一の方向5Aで隣り合う小電極部7を互いに接続する。第二のヒューズ9は、第二の方向5Bで隣り合う小電極部7を互いに接続する。ある小電極部7が短絡し、過電流が流れると、この小電極部7と接続されたヒューズ8、9が溶断し、短絡した箇所の小電極部7が切り離される。したがって、フィルムコンデンサ1は、容量は若干減少するが、耐電圧を高く保つことが出来る。
フィルムコンデンサ1に関連する技術が、例えば、特許文献1、2に記載されている。
特開平10−135072号公報 特開2004−87648号公報
フィルムコンデンサは、コンデンサ素子と、コンデンサ素子に設けられた第一と第二の外部電極とを備える。コンデンサ素子は、誘電体フィルムと、誘電フィルム上に設けられた第一の電極膜と、誘電体フィルムを介して第一の電極膜に対向する第二の電極膜とを含む。コンデンサ素子は、第一の方向に配列された第一の端と第二の端とを有する。第一の外部電極は、コンデンサ素子の第一の端に設けられてかつ第一の電極膜に接続されている。第二の外部電極は、コンデンサ素子の第二の端に設けられてかつ第二の電極膜に接続されている。第一の電極膜は、複数の小電極部と、複数の小電極部間を接続する複数の第一のヒューズと、複数の小電極部間を接続する複数の第二のヒューズとを含む。複数の小電極部は、第一の方向に延びる複数の第一のスリットと第一の方向に直角の第二の方向に延びる複数の第二のスリットとで区分けされて、第一の方向にそれぞれ配列された複数の行と第二の方向にそれぞれ配列された複数の列とを有するマトリクス状に配置されている。複数の第一のヒューズは、複数の小電極部のうちの第一の方向で互いに隣り合う小電極部間を接続するように複数の第二のスリットに位置する。複数の第二のヒューズは、複数の小電極部のうちの第二の方向で互いに隣り合う小電極部間を接続するように複数の第一のスリットに位置する。複数の第一のスリットのそれぞれには複数の第二のヒューズのうちの少なくとも1つが位置している。複数の小電極部の複数の列は、第一の外部電極から最も遠い最遠列と、1つ以上の他の列よりなる。上記他の列のそれぞれにおいて、複数の小電極部のうちの任意の小電極部に第二の方向で隣り合う2つの小電極部のうちの少なくとも1つの小電極部は上記任意の小電極部と第二の方向において電気的に非接続である。
この金属化フィルムコンデンサの耐電圧を安定して高めることができる。
図1は本発明の実施の形態におけるフィルムコンデンサの斜視図である。 図2は実施の形態におけるフィルムコンデンサの金属化フィルムの上面図である。 図3は実施の形態におけるフィルムコンデンサの金属化フィルムの上面図である。 図4は比較例のフィルムコンデンサの金属化フィルムの上面図である。 図5Aは比較例のフィルムコンデンサの金属化フィルムの上面図である。 図5Bは比較例のフィルムコンデンサの金属化フィルムの上面図である。 図5Cは実施の形態におけるフィルムコンデンサの金属化フィルムの上面図である。 図6Aは比較例のフィルムコンデンサの評価結果を示す図である。 図6Bは比較例のフィルムコンデンサの評価結果を示す図である。 図6Cは実施の形態におけるフィルムコンデンサの評価結果を示す図である。 図7は従来のフィルムコンデンサの斜視図である。
図1は本発明の実施の形態におけるフィルムコンデンサ13の斜視図である。フィルムコンデンサ13は、コンデンサ素子14と、コンデンサ素子14の端面14A、14Bにそれぞれ形成された外部電極15A、15Bとを備える。コンデンサ素子14は、互いに重ね合わされて中心軸14Cを中心に巻回された一対の金属化フィルム10A、10Bを有する。外部電極15Aから第一の方向13Aに外部電極15Bが位置する。中心軸14Cは第一の方向13Aと平行である。
図2は金属化フィルム10A、10Bの上面図である。金属化フィルム10A、10Bは、誘電体フィルム11A、11Bと、誘電体フィルム11A、11B上に形成された電極膜12A、12Bとをそれぞれ有する。金属化フィルム10Aの電極膜12Aはフィルムコンデンサの陽極として機能し、金属化フィルム10Bの電極膜12Bはフィルムコンデンサの陰極として機能する。
金属化フィルム10A(誘電体フィルム11A)は第一の方向13Aで互いに反対側の端310A、410A(端311A、411A)を有する。金属化フィルム10B(誘電体フィルム11B)は第一の方向13Aで互いに反対側の端310B、410B(端311B、411B)を有する。互いに重ねられて中心軸14Cを中心に巻回された金属化フィルム10A、10Bで構成されたコンデンサ素子14において、金属化フィルム10Aの端310A(誘電体フィルム11Aの端311A)はコンデンサ素子14の端面14Aを形成する。金属化フィルム10Bの端310B(誘電体フィルム11Bの端311B)はコンデンサ素子14の端面14Bを形成する。金属化フィルム10Aの端410A(誘電体フィルム11Aの端411A)はコンデンサ素子14の端面14Bに達していてもいなくてもよく、金属化フィルム10Bの端410B(誘電体フィルム11Bの端411B)はコンデンサ素子14の端面14Aに達していてもいなくてもよい。
電極膜12Aは金属化フィルム10Aの端310A(誘電体フィルム11Aの端311A)まで達している。コンデンサ素子14の端面14Aに設けられた外部電極15Aは金属化フィルム10Aの端310A(誘電体フィルム11Aの端311A)において電極膜12Aに接続されている。同様に、電極膜12Bは金属化フィルム10Bの端310B(誘電体フィルム11Bの端311B)まで達している。コンデンサ素子14の端面14Bに設けられた外部電極15Bは金属化フィルム10Bの端310B(誘電体フィルム11Bの端311B)において電極膜12Bに接続されている。電極膜12Aは金属化フィルム10Aの端410A(誘電体フィルム11Aの端411A)から離れており、コンデンサ素子14の端面14Bに達しておらず、外部電極15Bから離れており接続されていない。金属化フィルム10Aは、端410A(誘電体フィルム11Aの端411A)まで続き電極膜12Aが設けられていない絶縁マージン部20Aを有する。同様に、電極膜12Bは金属化フィルム10Bの端410B(誘電体フィルム11Bの端411B)から離れており、コンデンサ素子14の端面14Aに達しておらず、外部電極15Aから離れており接続されていない。金属化フィルム10Bは、端410B(誘電体フィルム11Bの端411B)まで続き電極膜12Bが設けられていない絶縁マージン部20Bを有する。
図1に示すように、金属化フィルム10A、10Bは、電極膜12A、12Bが誘電体フィルム11A、11Bを介して対向するように重ね合わされて巻回または積層されている。第一の方向13Aは外部電極15Aから外部電極15Bに向かう方向である。
図2に示すように、電極膜12Aは、複数の小電極部16Aと、複数の小電極部16Aを互いに接続する複数の第一のヒューズ17Aと、複数の小電極部16Aを互いに接続する複数の第二のヒューズ18Aと、大電極部21Aと、低抵抗部22Aとを有する。複数の小電極部16Aは、外部電極15A、15B間を結ぶ第一の方向13Aと、第一の方向13Aと垂直な第二の方向13Bとにマトリクス状に配列されている。複数の第一のヒューズ17Aは、第一の方向13Aで隣り合う小電極部16Aを互いに接続する。複数の第二のヒューズ18Aは、第二の方向に隣り合う小電極部16Aを互いに接続する。複数の小電極部16Aは、第二の方向13Bに並べられて複数の列Y11〜Y14を構成する。また、複数の小電極部16Aは第一の方向13Aに並べられて複数の行X11〜X14を構成する。図2は4つの行X11〜X14を示しているが、金属化フィルム10Aは第二の方向13Bに長く延びており、複数の小電極部16Aは非常に多くの行(…、X11、…、X14、…)を構成する。このように、複数の小電極部16Aは、複数の行X11〜X14(…、X11、…、X14、…)と複数の列Y11〜Y14よりなるマトリクスを構成する。第二の方向13Bに配列された複数の小電極部16Aよりなる複数の列の数は二列、三列でもよく、四列より多くてもよい。
同様に、図2に示すように、電極膜12Bは、複数の小電極部16Bと、複数の小電極部16Bを互いに接続する複数の第一のヒューズ17Bと、複数の小電極部16Bを互いに接続する複数の第二のヒューズ18Bと、大電極部21Bと、低抵抗部22Bとを有する。複数の小電極部16Bは、第一の方向13Aと第二の方向13Bとにマトリクス状に配列されている。複数の第一のヒューズ17Bは、第一の方向13Aで隣り合う小電極部16Bを互いに接続する。複数の第二のヒューズ18Bは、第二の方向に隣り合う小電極部16Bを互いに接続する。複数の小電極部16Bは第二の方向13Bに並べられて複数の列Y21〜Y24を構成する。また、複数の小電極部16Bは第一の方向13Aに並べられて複数の行X21〜X24を構成する。図2は4つの行X21〜X24を示しているが、金属化フィルム10Bは第二の方向13Bに長く延びており、複数の小電極部16Bは非常に多くの行(…、X21、…、X24、…)を構成する。このように、複数の小電極部16Bは、複数の行X21〜X24(…、X21、…、X24、…)と複数の列Y21〜Y24よりなるマトリクスを構成する。第二の方向13Bに配列された複数の小電極部16Bよりなる複数の列の数は二列、三列でもよく、四列より多くてもよい。
小電極部16Aは、第一の方向13Aに延びる複数の第一のスリット29Aと第二の方向13Bに延びる複数の第二のスリット19Aにより区分けされる。小電極部16Bは、第一の方向13Aに延びる複数の第一のスリット29Bと第二の方向13Bに延びる複数の第二のスリット19Bにより区分けされる。スリット19A、19B、29A、29Bは、電極膜12A、12Bを形成する工程の前に、電極膜12A、12Bの材料となる金属材料が誘電体フィルム11A、11B上のスリット19A、19B、29A、29Bとなる部分に蒸着しないように、誘電体フィルム11A、11Bのその部分にオイルコーティングを施すことで形成できる。ヒューズ17A、17B、18A、18Bも同様に、電極膜12A、12Bを形成する工程の前にオイルコーティング等を施して金属材料が部分的に蒸着されないようにして形成する。
小電極部16A、16Bは、電極膜12A、12Bのそれぞれ全体に形成していてもよく、電極膜12A、12Bの第一の方向13Aの全幅に対して部分的な幅にのみ形成されていてもよい。
複数の小電極部16Aを部分的に形成する場合は、接続される外部電極15Aと反対側の端410A(411A)の側に形成し、複数の小電極部16Bを部分的に形成する場合は、接続される外部電極15Bと反対側の端410B(411B)の側に形成することが好ましい。外部電極15A、15Bに近い領域では大電流が流れるため、電流密度が小さい箇所に小電極部16Aを設ける方が、発熱が小さくなる。実施の形態におけるフィルムコンデンサ13では、電極膜12Aは、金属化フィルム10Aの端310A(誘電体フィルム11Aの端311A)に繋がる大電極部21Aを有する。大電極部21Aは第一の方向13Aにも第二の方向13Bにも区分けされていない。複数の小電極部16Aは第一の方向13Aにおいて大電極部21Aからに比べて端310A(311A)からより離れて設けられており、ヒューズ17Aを介して大電極部21Aに接続されている。また、電極膜12Bは、金属化フィルム10Bの端310B(誘電体フィルム11Bの端311B)に繋がる大電極部21Bを有する。大電極部21Bは第一の方向13Aにも第二の方向13Bにも区分けされていない。複数の小電極部16Bは第一の方向13Aにおいて大電極部21Bからに比べて端310B(311B)からより離れて設けられており、ヒューズ17Bを介して大電極部21Bに接続されている。実施の形態におけるフィルムコンデンサ13では、複数の小電極部16Aは電極膜12Aの第一の方向13Aにおける中央付近から絶縁マージン部20Aまで設けられ、複数の小電極部16Bは電極膜12Bの第一の方向13Aにおける中央付近から絶縁マージン部20Bまで設けられている。これにより、コンデンサ素子14では、電極膜12Aの複数の小電極部16Aは誘電体フィルム11A、11Bを介して電極膜12Bの大電極部21Bに対向し、電極膜12Bの複数の小電極部16Bは誘電体フィルム11A、11Bを介して電極膜12Aの大電極部21Aに対向して、フィルムコンデンサ13の容量を形成する。
電極膜12Aは金属化フィルム10Aの端310A(誘電体フィルム11Aの端311A)に沿って設けられた低抵抗部22Aを有する。電極膜12Bは金属化フィルム10Bの端310B(誘電体フィルム11Bの端311B)に沿って設けられた低抵抗部22Bを有する。低抵抗部22A、22Bは電極膜12A、12Bでの局部的に厚い部分であり、小電極部16A、16Bや大電極部21A、21Bより厚い低抵抗部22A、22Bにおいて電極膜12A、12Bが外部電極15A、15Bにそれぞれ強固にかつ低抵抗で接続され、コンデンサ素子14すなわちフィルムコンデンサ13の低抵抗化を図ることができる。
実施の形態におけるコンデンサ素子14では、第一のヒューズ17Aは、第一の方向13Aで互いに隣り合う小電極部16A間の全てをそれぞれ接続し、第一のヒューズ17Bは、第一の方向13Aで互いに隣り合う小電極部16B間の全てをそれぞれ接続する。これにより第一の方向13Aに電流が流れ、外部電極15A、15Bと小電極部16A、16B間の電気的パスが短くなるので、コンデンサ素子14の低抵抗化を図ることができる。なお、一部の小電極部16A間のみを第一のヒューズ17Aで接続し、一部の小電極部16B間のみを第一のヒューズ17Bで接続してもよいが、全ての小電極部16A間を第一のヒューズ17Aで接続し、全ての小電極部16B間を第一のヒューズ17Bで接続する方がコンデンサ素子14の低抵抗化のためには望ましい。
第二のヒューズ18A(18B)は、第二の方向13Bで互いに隣り合う一部の小電極部16A(16B)間を接続する。第二のヒューズ18A(18B)は、第二の方向13Bに配置された小電極部16A(16B)からなる複数の列Y11〜Y14(Y21〜Y24)に散らして配置される。第二のヒューズ18A(18B)の第一の方向13Aの幅は、第一のヒューズ17A(17B)の第二の方向13Bの幅より狭い。コンデンサ素子14では外部電極15A、15B間を結ぶ第一の方向13Aに電界を生じるので、電極膜12A、12Bでは、第二の方向13Bよりも第一の方向13Aに大きい電流が流れる。第二の方向13Bに小電極部16A、16Bを接続する第二のヒューズ18A,18Bに比べて、第一の方向13Aに大電極部21A、21Bと小電極部16A、16Bを接続する第一のヒューズ17A、17Bに大きい電流が流れるので、第一のヒューズ17A,17Bの幅を広くし、抵抗を下げることがフィルムコンデンサ13の低抵抗化に有効である。第二のヒューズ18A、18Bは電流が主に流れる方向に小電極部16A、16Bを接続していないので、フィルムコンデンサ13の抵抗に与える影響は少ない。したがって、第二のヒューズ18A、18Bの幅を狭くし、溶断しやすくすることで、ヒューズとしての機能を高めることができる。
図2に示す金属化フィルム10A、10Bでは、全ての列Y11〜Y14において、少なくとも1つの第二のヒューズ18Aが設けられて、第二の方向13Bで互いに隣り合っているが第二のヒューズ18Aで接続されていない小電極部16Aがある。同様に、全ての列Y21〜Y24において、少なくとも1つの第二のヒューズ18Bが設けられて、第二の方向13Bで互いに隣り合っているが第二のヒューズ18Bで接続されていない小電極部16Bがある。実施の形態におけるフィルムコンデンサ13の金属化フィルム10A、10Bでは、列Y11〜Y14のうちの一部の列において全ての小電極部16Aが第二のヒューズ18Aで接続されていてもよく、列Y21〜Y24のうちの一部の列において全ての小電極部16Bが第二のヒューズ18Bで接続されていてもよい。
以下、各部材の材料、構成について説明する。
誘電体フィルム11A、11Bの材料としては、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニルサルファイド、またはポリスチレンなどのフィルムが挙げられる。
電極膜12A、12Bの材料としては、アルミニウム、アルミニウムとマグネシウムやシリコン、亜鉛からなる合金、または亜鉛などの金属材料が挙げられる。アルミニウムは薄くても抵抗が比較的小さいため、セルフヒーリング性を高めることができる。電極膜12A、12Bは、例えば蒸着によって形成できる。電極膜12A、12Bの低抵抗部22A、22Bは金属材料の蒸着により局部的に厚くすることで形成することができる。実施の形態では、アルミニウム−亜鉛合金の蒸着により低抵抗部22A、22Bを形成する。
外部電極15A、15Bの材料としては、アルミニウム、アルミニウムと亜鉛やシリコンからなる合金、または亜鉛などの金属材料が挙げられる。外部電極15A、15Bは、例えばコンデンサ素子14の端面14A、14Bに上記金属材料を溶射して形成できる。
以上述べたように、複数の小電極部16A(16B)は、第一の方向13Aに延びる複数の第一のスリット29A(29B)と第二の方向13Bに延びる複数の第二のスリット19A(19B)とで区分けされて、第一の方向13Aにそれぞれ配列された複数の行X11〜X14(X21〜X24)と第二の方向13Bにそれぞれ配列された複数の列Y11〜Y14(Y21〜Y24)とを有するマトリクス状に配置されている。複数の第一のヒューズ17A(17B)は複数の小電極部16A(16B)のうちの第一の方向13Aで互いに隣り合う小電極部間16A(16B)を接続するように複数の第二のスリット19A(19B)に位置する。複数の第二のヒューズ18A(18B)は、複数の小電極部16A(16B)のうちの第二の方向13Bで互いに隣り合う小電極部間16A(16B)を接続するように複数の第一のスリット29A(29B)に位置する。複数の第一のスリット29A(29B)のそれぞれには複数の第二のヒューズ18A(18B)のうちの少なくとも1つが位置している。複数の小電極部16A(16B)の複数の列Y11〜Y14(Y21〜Y24)は、第一の外部電極15A(15B)から最も遠い最遠列Y14(Y24)と、1つ以上の他の列Y11〜Y13(Y21〜Y23)よりなる。1つ以上の他の列Y11〜Y13(Y21〜Y23)のそれぞれにおいて、複数の小電極部16A(16B)のうちの任意の小電極部16A(16B)に第二の方向13Bで隣り合う2つの小電極部16A(16B)のうちの少なくとも1つの小電極部16A(16B)は上記任意の小電極部16A(16B)と第二の方向13Bにおいて電気的に非接続である。
複数の第二のヒューズ18A(18B)の第一の方向13Aの幅は、複数の第一のヒューズ17A(17B)の第二の方向13Bの幅より狭くてもよい。
複数の第一のヒューズ17A(17B)は、複数の小電極部16A(16B)のうちの複数の行X11〜X14(X21〜X24)のそれぞれでの全ての複数の小電極部16A(16B)を互いに接続してもよい。
実施の形態におけるフィルムコンデンサ13の試料を作製して評価した。
(実施例1)
実施例1のフィルムコンデンサでは、図2に示すように、複数の小電極部16Aは第二の方向13Bに配列された複数の小電極部16Aよりそれぞれなる4つの列Y11〜Y14を構成し、複数の小電極部16Bは第二の方向13Bに配列された複数の小電極部16Bよりそれぞれなる4つの列Y21〜Y24を構成する。
実施例1では、四列Y11〜Y14全てでいずれかの箇所に第二のヒューズ18Aを設け、四列Y21〜Y24全てのいずれかの箇所に第二のヒューズ18Bが設けられている。第二のヒューズ18A、18Bを複数の列に散らして配置することで、第二のヒューズ18A、18Bが巻回された金属化フィルム10A、10Bにおいて重なりにくくなる。また、実施例1では、各四列(列Y11〜Y14、Y21〜Y24)にそれぞれ設けられた第二のヒューズ18A、18Bはほぼ同数とした。更に、実施例1では、第二のヒューズ18A、18Bの第一の方向13Aの幅が第一のヒューズ17A、17Bの第二の方向13Bの幅より狭い。複数の列Y11〜Y14のうち複数の第二のヒューズ18Aが設けられている列(列Y12)では、複数の第二のヒューズ18Aは第二の方向13Bに平行な直線LA上に配置されている。同様に、複数の列Y21〜Y24のうち複数の第二のヒューズ18Bが設けられている列(列Y22)では、複数の第二のヒューズ18Bは第二の方向13Bに平行な直線LB上に配置されている。実施例1では、複数の第二のヒューズ18Aの総数は、複数の小電極部16Aの総数の約30%であり、複数の第二のヒューズ18Bの総数は、複数の小電極部16Bの総数の約30%である。なお、実施例1では、全ての列Y11〜Y14において、第二の方向13Bで互いに隣り合っているが第二のヒューズ18Aで接続されていない小電極部16Aがある。同様に、全ての列Y21〜Y24において、第二の方向13Bで互いに隣り合っているが第二のヒューズ18Bで接続されていない小電極部16Bがある。
実施例1では、電極膜12A、12Bは主にアルミニウムを蒸着して形成し、外部電極15A、15Bは亜鉛を溶射して形成した。端310A、310B、311B、311Bにおいて電極膜12A、12Bにアルミニウム−亜鉛合金を蒸着することで低抵抗部22A、22Bを形成する。低抵抗部22A、22Bにより電極膜12A、12Bと外部電極15A、15Bとを良好に接続でき、コンデンサ素子14の低抵抗化を図ることができる。
(実施例2)
図3は実施の形態におけるフィルムコンデンサ13の実施例2の金属化フィルム10A、10Bの上面図である。実施例2の金属化フィルム10A、10Bは実施例1に対し、第二のヒューズ18A、18Bの位置のみが異なっている。実施例2の金属化フィルム10A、10Bでは、第二の方向13Bで互いに隣り合う第二のヒューズ18Aは互いに第一の方向13Aにずらして配置され、第二の方向13Bで互いに隣り合う第二のヒューズ18Bは互いに第一の方向13Aにずらして配置されている。すなわち、複数の第二のヒューズ18Aが設けられている列(列Y12)では複数の第二のヒューズ18Aは第二の方向13Bに平行な1つの線上に配置されておらず、複数の第二のヒューズ18Bが設けられている列(列Y22)では複数の第二のヒューズ18Bは第二の方向13Bに平行な1つの線上に配置されていない。
図4は、比較例1のフィルムコンデンサの金属化フィルム110の上面図である。比較例1の金属化フィルム110は、実施例1の金属化フィルム10A、10Bと第二のヒューズ118の位置のみが異なる。実施例1のフィルムコンデンサと同様に、一対の金属化フィルム110を積層し巻回して比較例1のフィルムコンデンサを作製した。比較例1では、第二のヒューズ118は列Y14、Y24にのみ配置されている。すなわち第二のヒューズ118は、第二の方向の列Y11〜Y14、Y21〜Y24に散らすことなく、いずれか一つの列のみにまとめて配置されている。また第二のヒューズ118は列Y14、Y24の中心軸LP上に配置されている。すなわち列Y14、Y24において、第二のヒューズ118は、第一の方向13Aにずれることなく同一線上に配置されている。
実施例1、2の金属化フィルム10A、10Bと比較例1の金属化フィルム110を用いてフィルムコンデンサの試料を作製し、耐電圧試験を行った。この耐電圧試験は、100℃雰囲気下、所定電圧を外部電極15A、15B間に印加し、誘電体フィルム11A、11Bに微小貫通孔が形成されるか否か(微小貫通破壊の有無)を目視で確認した。実施例1、2と比較例1のそれぞれについて様々な厚みの電極膜12A、12Bを用いて試料を作製した。厚みが異なることで、それらの試料の電極膜12A、12Bの膜抵抗値を11Ω/□、13Ω/□、15Ω/□に設定した。
(表1)は、実施例1、実施例2、比較例1の耐電圧試験における微小貫通破壊の有無を示す。1つの試料に対して耐電圧試験を3回行った。(表1)において、微小貫通孔が形成されなかった試料を「A」の評価結果で示し、微小貫通孔が2回以上形成された試料を「C」の評価結果で示す。
Figure 2017098559
(表1)に示すように、実施例1では、電極膜12A、12Bがある程度薄い(膜抵抗値が13Ω/□以上)場合には、微小貫通破壊が見られず、比較例1に比べて耐電圧性能が向上している。実施例2では、電極膜12A、12Bが厚く(膜抵抗値が低く)ヒューズが溶断しにくくても微小貫通破壊が見られず、実施例1よりさらに耐電圧性能が向上している。
その理由は、実施例2の金属化フィルム10A、10Bが巻回された状態で第二のヒューズ18A、18Bが重なる割合が低いからである。すなわち実施例1、2では、第二のヒューズ18A、18Bは列Y11〜Y14、Y21〜Y24に散らして配置される。さらに実施例2では、列Y11〜Y14、Y21〜Y24のそれぞれにおいて、第二のヒューズ18A、18Bが第一の方向13Aにずらして配置されている。したがって、金属化フィルム10A、10Bが巻回された状態でも第二のヒューズ18A、18Bが重なりにくくなる。実施例1、2の第二のヒューズ18A、18Bは幅を狭くしているので溶断しやすいが、第二のヒューズ18A、18Bのうちの1つが切れても、他の第二のヒューズ18A、18Bは安定に動作するので、耐電圧を高めることができる。
これに対し比較例1では、全ての第二のヒューズ118が同じ列Y14、Y24に配置され、かつ列Y14、Y24において中心軸LPの同一線上に配置されているので、金属化フィルム110が巻回された状態で第二のヒューズ118どうしが重なる割合が高い。したがって、いずれか一つの第二のヒューズ118が溶断した際、重なった他の第二のヒューズ118の動作性に影響を及ぼして溶断しにくくし、微小貫通破壊が生じる。
以上より実施の形態における実施例1、2のフィルムコンデンサ13は、金属化フィルム10A、10Bが巻回されている状態で第二のヒューズ18A、18Bを重なりにくくすることができ、フィルムコンデンサ13の耐電圧を高めることができる。また実施例2では、電極膜12A、12Bをより薄くすることができるので、セルフヒーリング性が向上する。
図7に示す従来のフィルムコンデンサ1では、ヒューズ8、9を設けても安定して耐電圧を高めることができない場合がある。コンデンサ素子5では、或る第二のヒューズ9が誘電体フィルム2を介して他の第二のヒューズ9に重なる場合がある。
或る第二のヒューズ9が先に溶断すると、溶断による熱で誘電体フィルム2の変質が起ることにより、あるいは溶断時のガス圧により、他の第二のヒューズ9が溶断しにくくなる場合がある。この状態で、定格以上の電流が流れるなどの原因により電極膜に欠陥が生じた際、他の第二のヒューズ9が溶断しにくくなることで、この欠陥部分を含む小電極部7を切り離せず、金属化フィルム4に微小貫通破壊すなわち絶縁破壊が起こる場合がある。
特に多数の第二のヒューズ9が同一線上に配置されると、巻回、積層した時に誘電体フィルム2を介して重なりやすいので、他の第二のヒューズ9に影響を与え易い。ヒューズ9の幅を狭くすることでヒューズとしての機能は高まるが、他の第二のヒューズ9が影響をより受けやすくなる。その結果、フィルムコンデンサ1は安定して耐電圧を高めることができなくなる。
実施の形態におけるフィルムコンデンサ13は、上記のように、金属化フィルム10A、10Bが巻回されている状態で第二のヒューズ18A、18Bを重なりにくくすることができ、フィルムコンデンサ13の耐電圧を高めることができる。また実施例2では、電極膜12A、12Bをより薄くすることができるので、セルフヒーリング性をさらに向上できる。
以上述べたように、複数の列Y11〜Y14(Y21〜Y24)の少なくとも1つにおいて、複数の第二のヒューズ18A(18B)のうちの或る第二のヒューズ18A(18B)は、複数の第二のヒューズ18A(18B)のうちの上記或る第二のヒューズ18A(18B)に隣り合う第二のヒューズ18A(18B)に対して第一の方向13Aにずらして配置されていてもよい。
(実施例3)
実施例3は、実施例1に対し、第二のヒューズ18A、18Bの数が異なる。実施例3では、第二のヒューズ18Aの総数の小電極部16Aの総数に対する比Rnは5%であり、第二のヒューズ18Bの総数の小電極部16Bの総数に対する比Rnは5%である。実施例3では、実施例1と同様に、第二のヒューズ18Aは複数列Y11〜Y14に散らして配置され、列Y11〜Y14のいずれにおいても互いに隣り合う第二のヒューズ18Aは互いに第一の方向13Aにずらして配置されている。また、第二のヒューズ18Bは複数列Y21〜Y24に散らして配置され、列Y21〜Y24のいずれにおいても互いに隣り合う第二のヒューズ18Bは互いに第一の方向13Aにずらして配置されている。
(実施例4)
実施例4は、実施例1に対し、第二のヒューズ18A、18Bの数が異なる。実施例4では、第二のヒューズ18Aの総数の小電極部16Aの総数に対する比Rnは10%であり、第二のヒューズ18Bの総数の小電極部16Bの総数に対する比Rnは10%である。実施例4でも、第二のヒューズ18Aは複数列Y11〜Y14に散らして配置され、列Y11〜Y14のいずれにおいても互いに隣り合う第二のヒューズ18Aは互いに第一の方向13Aにずらして配置されている。また、第二のヒューズ18Bは複数列Y21〜Y24に散らして配置され、列Y21〜Y24のいずれにおいても互いに隣り合う第二のヒューズ18Bは互いに第一の方向13Aにずらして配置されている。
(実施例5)
実施例5は、実施例1に対し、第二のヒューズ18A,18Bの数が異なる。実施例5では、第二のヒューズ18Aの総数の小電極部16Aの総数に対する比Rnは20%であり、第二のヒューズ18Bの総数の小電極部16Bの総数に対する比Rnは20%である。実施例5でも、第二のヒューズ18Aは複数列Y11〜Y14に散らして配置され、列Y11〜Y14のいずれにおいても互いに隣り合う第二のヒューズ18Aは互いに第一の方向13Aにずらして配置されている。また、第二のヒューズ18Bは複数列Y21〜Y24に散らして配置され、列Y21〜Y24のいずれにおいても互いに隣り合う第二のヒューズ18Bは互いに第一の方向13Aにずらして配置されている。
(実施例6)
実施例6は、実施例1に対し、第二のヒューズ18A、18Bの数が異なる。実施例6では、第二のヒューズ18Aの総数の小電極部16Aの総数の比Rnは35%であり、第二のヒューズ18Bの総数の小電極部16Bの総数の比Rnは35%である。実施例6でも、第二のヒューズ18Aは複数列Y11〜Y14に散らして配置され、列Y11〜Y14のいずれにおいても互いに隣り合う第二のヒューズ18Aは互いに第一の方向13Aにずらして配置されている。また、第二のヒューズ18Bは複数列Y21〜Y24に散らして配置され、列Y21〜Y24のいずれにおいても互いに隣り合う第二のヒューズ18Bは互いに第一の方向13Aにずらして配置されている。
(実施例7)
実施例7は、実施例1に対し、第二のヒューズ18A、18Bの数が異なる。実施例7では、第二のヒューズ18Aの総数の小電極部16Aの総数に対する比Rnは40%であり、第二のヒューズ18Bの総数の小電極部16Bの総数に対する比Rnは40%である。実施例7でも、第二のヒューズ18Aは複数列Y11〜Y14に散らして配置され、列Y11〜Y14のいずれにおいても互いに隣り合う第二のヒューズ18Aは互いに第一の方向13Aにずらして配置されている。また、第二のヒューズ18Bは複数列Y21〜Y24に散らして配置され、列Y21〜Y24のいずれにおいても互いに隣り合う第二のヒューズ18Bは互いに第一の方向13Aにずらして配置されている。
(表2)は、実施例3〜7の耐電圧試験における微小貫通破壊の有無を示す。1つの試料に対して耐電圧試験を3回行った。(表2)において、微小貫通孔が形成されなかった試料を「A」の評価結果で示し、微小貫通孔が1回形成された試料を「B」の評価結果で示す。
Figure 2017098559
(表2)に示すように、第二のヒューズ18A(18B)の総数の小電極部16A(16B)の総数に対する比Rnを35%以下とすることでより耐電圧を高めることができる。その理由は、小電極部16A、16Bの数が増えると、多くの第二のヒューズ18A、18Bが接続されるので、過電流が流れた際にいずれかの第二のヒューズ18A、18Bが溶断しきれない場合があるからである。このため、欠陥の生じた小電極部16A、16Bを絶縁させて切り離すことができず、微小貫通破壊が生じてしまう。
第二のヒューズ18Aを列Y11〜Y14のうちの一つの列にのみ設け、第二のヒューズ18Bを列Y21〜Y24のうちの一つの列にのみ設けた金属化フィルムを積層し巻回してフィルムコンデンサの試料を作製した。これらの試料では、第二のヒューズ18Aは列Y11〜Y14のそれぞれの列において第二の方向13Bで互いに隣り合う小電極部16Aの全てを接続し、第二のヒューズ18Bは列Y21〜Y24のそれぞれの列において第二の方向13Bで互いに隣り合う小電極部16Bの全てを接続する。これらの試料に対して電圧ステップアップ試験を行った。電圧ステップアップ試験では、100℃雰囲気下、試料の外部電極15A、15B間に印加する電圧を所定時間ごとに一定電圧ずつ昇圧し、電圧を印加する前のフィルムコンデンサ13の容量に対する電圧の印加の前後の容量の比である容量変化率が−5%になる電圧Vfを測定した。(表3)はこれらの試料の電圧Vfを示す。
Figure 2017098559
(表3)に示すように、外部電極15A、15Bと接続される側の端310A、310B(311A、311B)に最も近い列Y11、Y21より、反対側の端410A、410B(411A、411B)に最も近い列Y14、Y24に第二のヒューズ18A、18Bを設けることで、電圧Vfが高くなり容量変化率が小さくなる。その理由は、第一のヒューズ17A、17Bや第二のヒューズ18A、18Bが動作して溶断し、或る小電極部16A、16Bを切り離した際に、当該小電極部16A、16Bの切り離しの影響を受けた他の小電極部16A、16Bがフィルムコンデンサ13の容量を形成しなくなるからである。外部電極15A、15Bと接続される側の端310A、310B(311A、311B)に最も近い列Y11、Y21に第二のヒューズ18A、18Bを設けた場合には、或る小電極部16A、16Bが切り離された場合、切り離された小電極部16A、16Bに接続された複数の小電極部16A、16Bも容量を形成しなくなる。一方、絶縁マージン部20A、20Bすなわち端410A、410B(411A、411B)に最も近い列Y14、Y24に第二のヒューズ18A、18Bを設けた場合は、第二のヒューズ18A、18Bが溶断することにより容量を形成しない小電極部16A、16Bの数が少なく容量の減少が少なくてすむ。したがって、絶縁マージン部20A、20Bすなわち端410A、410B(411A、411B)に最も近い列Y14、Y24に第二のヒューズ18A、18Bを設けことで、容量変化率が小さくなる。
以上より、実施例1〜7において、第二のヒューズ18A、18Bは列Y11〜Y14、Y21〜24に散らして配置しつつ、少なくとも外部電極15A、15Bと接続される側の端310A、310B(311A、311B)に比べて、反対側の端410A、410B(411A、411B)に近い部分で第二のヒューズ18A、18Bの数が多くなるように構成することが好ましい。
次に、実施の形態におけるフィルムコンデンサ13の実使用における最適な構成について述べる。
比較例2、比較例3、実施例8のフィルムコンデンサの試料を作製した。比較例2、比較例3、実施例8のフィルムコンデンサ13では、第二のヒューズ18A、18Bの第一の方向13Aの幅は実施例1〜7の試料より狭く、かつ誘電体フィルム11A、11Bはより厚い。具体的には、実施例1〜7のフィルムコンデンサ13の誘電体フィルム11A、11Bの厚みは2.5μmであるのに対し、比較例2、比較例3、実施例8のフィルムコンデンサ13の誘電体フィルム11A、1Bの厚みは4.0μmである。したがって、比較例2、比較例3、実施例8の試料は、実施例1〜7の試料より第二のヒューズ18A、18Bがより溶断しやすく、誘電体フィルム11A、11Bが厚いことから実施例1〜7に比べて微小貫通破壊が発生しにくい。
(比較例2)
図5Aは比較例2のフィルムコンデンサ13の金属化フィルム10A(10B)の上面図である。比較例2の金属化フィルム10A(10B)では、複数の小電極部16A(16B)は第二の方向13Bに配列された小電極部16A(16B)よりなる3つの列Y11〜Y13(Y21〜Y23)に配列され、列Y11(Y12)の小電極部16A(16B)が大電極部21A(21B)に第一のヒューズ17A(17B)で接続されている。外部電極15A(15B)に最も遠い列Y13(Y23)においては、第二の方向13Bに連設された全ての小電極部16A(16B)が第二のヒューズ18A(18B)で接続されている。列Y11、Y12(Y21、Y22)においては、第二のヒューズ18A(18B)は設けられておらず。小電極部16A(16B)は第二のヒューズ18A(18B)では接続されていない。
(比較例3)
図5Bは比較例3のフィルムコンデンサ13の金属化フィルム10A(10B)の上面図である。比較例3の金属化フィルム10A(10B)では、比較例2と同様に、複数の小電極部16A(16B)は第二の方向13Bに配列された小電極部16A(16B)よりなる3つの列Y11〜Y13(Y21〜Y23)に配列され、列Y11(Y12)の小電極部16A(16B)が大電極部21A(21B)に第一のヒューズ17A(17B)で接続されている。また、列Y13(Y23)において全ての小電極部16A(16B)が第二のヒューズ18A(18B)で接続されている。
さらに、比較例3の金属化フィルム10A(10B)では、列Y11、Y12(Y21、Y22)でも列Y13(Y23)と同様に全ての小電極部16A(16B)が第二のヒューズ18A(18B)で接続されている。すなわち、比較例3の金属化フィルム10A(10B)においては、各小電極部16A(16B)が周囲の他の小電極部16A(16B)と第二のヒューズ18A(18B)および第一のヒューズ17A(17B)によって接続されている。
(実施例8)
図5Cは実施例6のフィルムコンデンサ13の金属化フィルム10A(10B)の上面図である。実施例8の金属化フィルム10A(10B)では、比較例2、3と同様に、複数の小電極部16A(16B)は第二の方向13Bに配列された小電極部16A(16B)よりなる3つの列Y11〜Y13(Y21〜Y23)に配列され、列Y11(Y21)の小電極部16A(16B)が大電極部21A(21B)に第一のヒューズ17A(17B)で接続されている。また、比較例2、3と同様に,外部電極15A(15B)に最も遠い列Y13(Y23)においては、第二の方向13Bに連設された全ての小電極部16A(16B)が第二のヒューズ18A(18B)で接続されている。実施例8の金属化フィルム10A(10B)では、列Y13(Y23)以外の列Y11、Y12(Y21、Y22)において第二のヒューズ18A(18B)は散らして配置されている。
具体的には、列Y11(Y21)においては、第二の方向13Bに一定の周期すなわち2個の小電極部16A(16B)につき1つの第二のヒューズ18A(18B)で飛び石状に第二のヒューズ18Aが配置されている。列Y12(Y22)においても列Y11(Y21)と同様に、第二の方向13Bに一定の周期で飛び石状に第二のヒューズ18A(18B)が配置されている。列Y11(21)に設けられた第二のヒューズ18A(18B)は列Y12(Y22)に設けられた第二のヒューズ18A(18B)と第1の方向13Aにおいて隣り合わない。したがって、列Y11、Y12(Y21,Y22)において第二のヒューズ18A(18B)は第2の方向13Bに沿って第1の方向13Aで左右交互に配置されている。
図5Cに示すように、列Y11(Y21)における第二のヒューズ18A(Y21)の数と列Y12(Y22)における第二のヒューズ18A(18B)の数が実質的に同数となるように、第二のヒューズ18A(18B)は列Y11、Y12(Y21、Y22)のそれぞれに均等に配分されている。
比較例2、比較例3、実施例8のフィルムコンデンサ13の試料に電圧−時間試験を行い、フィルムコンデンサ13の寿命を比較した。具体的には、電圧−時間試験では、105℃雰囲気下で1100Vの一定電圧を外部電極15A、15B間に印加する。電圧を印加する前のフィルムコンデンサ13の容量に対する電圧の印加の前後の容量の比である容量変化率を測定した。容量変化率が−10%になる時間を寿命の目安である高温下寿命とする。なお、この電圧−時間試験では実施例8と比較例2、3につき3つの試料を作製し、3つの試料のそれぞれの高温下寿命のうち中位の値を実施例8と比較例2、3の高温下寿命とする。
図6A、図6B、図6Cはそれぞれ実施の形態におけるフィルムコンデンサ13の比較例2、比較例3、実施例8に対する電圧−時間試験の結果を示す。図6Aから図6Cにおいて、縦軸は容量の変化率を示し、横軸は電圧を印加した時間を示す。
比較例2の金属化フィルムコンデンサでは、電圧−時間試験において図6Aに示すように容量が変化し、高温下寿命は約220時間であった。
比較例3の金属化フィルムコンデンサでは、電圧−時間試験において図6Bに示すように容量が変化し、高温下寿命は約440時間であった。このように、比較例3の試料は比較例2に比べ、大幅に高温下寿命が延びている。これは、比較例3の金属化フィルムコンデンサにおいては、小電極部16A(16B)に欠陥が生じた際に、第一のヒューズ17A(17B)および第二のヒューズ18A(18B)を溶断させることで、欠陥が生じた小電極部16A(16B)を単体で切り離せることによる。すなわち、比較例2の金属化フィルムコンデンサでは、小電極部16A(16B)に欠陥が生じた際、欠陥が生じた小電極部16A(16B)を切り離すと当該小電極部16A(16B)に接続されている他の小電極部16A(16B)も同時にフィルムコンデンサの電流経路から切り離されてしまうので、その分容量減少が大きくなる。一方、比較例3の金属化フィルムコンデンサでは、欠陥の生じた小電極部16A(16B)を単体で切り離すことが可能であり、比較的容量減少が少ない。この結果、比較例3の金属化フィルムコンデンサの高温下寿命は比較例2に比べ長くなっている。
実施例8のフィルムコンデンサ13では、電圧−時間試験において図6Cに示すように容量が変化し、高温下寿命は約470時間であった。すなわち、実施例8のフィルムコンデンサ13の寿命は比較例3に比べ若干長い。これは、実施例8のフィルムコンデンサ13では比較例3と同様に、欠陥が生じた小電極部16A(16B)を単体で切り離すことが可能であるとともに、巻回された金属化フィルム10A(10B)において第二のヒューズ18A(18B)どうしが重なり合う可能性が比較例3より小さいことに起因する。すなわち、実施例8では、第二のヒューズ18A(18B)どうしが重なり合うことによる第二のヒューズ18A(18B)の溶断の妨げや誤動作の可能性が抑制され、第二のヒューズ18A(18B)が適切に溶断して動作する。
このように、上記電圧−時間試験によると実施例8のフィルムコンデンサ13が最も良好な性能を示す。
比較例3、実施例8のフィルムコンデンサ13のコンデンサ性能を比較するため、耐電圧試験を行った。この耐電圧試験では上述の実施例1、2の金属化フィルム10A、10Bに行った試験と同じく、比較例3、実施例8の金属化フィルム10A、10Bに100℃雰囲気下で所定電圧を印加した際の微小貫通破壊の有無を目視で確認した。比較例3、実施例8の金属化フィルム10A、10Bの電極膜12A、12Bの抵抗値は12Ω/□である。
この耐電圧試験を3回ずつ行った結果、比較例3では微小貫通破壊が3回とも目視により確認された。一方で、実施例8では微小貫通破壊は3回の試験全てにおいて確認されなかった。
実使用の際の微小貫通破壊の発生は絶縁抵抗等のコンデンサ性能の劣化の要因となる。したがって、上記耐電圧試験において微小貫通破壊が発生しなかった実施例8のフィルムコンデンサ13は比較例3に比べ優れた信頼性を有している。
したがって、実施例8のフィルムコンデンサ13は安定に高い耐電圧性を有するので、HEV用途等の高電圧で使用されるフィルムコンデンサとして好適に使用することができる。
以上述べたように、図5Cに示すように、複数の列Y11〜Y13(Y21〜Y23)は、第一の列Y11、Y12(Y21、Y22)と、第一の列Y11、Y12(Y21、Y22)に比べて外部電極15A(15B)から離れている第二の列Y13(Y23)とを含む。複数の第二のヒューズ18A(18B)のうちの第二の列Y13(Y23)での1つ以上の第二のヒューズ18A(18B)の数は、第一の列Y11、Y12(Y21、Y22)での1つ以上の第二のヒューズ18A(18B)の数より多くてもよい。
また、図5Cに示すように、複数の第二のヒューズ18A(18B)は、複数の小電極部16A(16B)のうちの最遠列Y13(Y23)での複数の小電極部16A(16B)の全てを互いに接続してもよい。
また、図5Cに示すように、1つ以上の他の列Y11、Y12(Y21、Y22)のそれぞれにおいて、複数の第二のヒューズ18A(18B)は第二の方向13Bに所定の周期で飛び石状に配置されていてもよい。
また、複数の他の列Y11、Y12(Y21、Y22)のそれぞれにおいて、複数の第二のヒューズ18A(18B)は第二の方向13Bに所定の周期で飛び石状に配置されており、複数の第二のヒューズ18A(18B)のうちの複数の他の列Y11、Y12(Y21、Y22)のそれぞれでの1つ以上の第二のヒューズ18A(18B)の数は互いに同じであってもよい。
また、複数の他の列Y11、Y12(Y21、Y22)のうちの互いに隣り合う2つの列Y11、Y12(Y21、Y22)において、複数の第二のヒューズ18A(18B)は第二の方向13Bで交互に配置されていてもよい。
なお、実施例1〜8は巻回型のフィルムコンデンサ13であるが、一対の金属化フィルム10A、10Bを積層した積層型のフィルムコンデンサにおいても同様に、第二のヒューズ18A(18B)を重なりにくくすることで、第二のヒューズ18A(18B)を細くしても安定に溶断して動作し、かつ耐電圧を高めることができる。積層型のフィルムコンデンサでは、長尺の金属化フィルム10A(10B)を任意の幅にカットして積層したり、あるいは大径に巻回した後カットして形成したりするので、実施例1〜8のように第二のヒューズ18A(18B)をランダムに配置することで重なりにくくすることができる。
また、実施例1〜8では、陽極、陰極としてそれぞれ機能する金属化フィルム10A、10Bを同じ構成としたが、金属化フィルム10A、10Bのうちのいずれか一方のみに小電極部(16A、16B)と第一のヒューズ(17A、17B)、第二のヒューズ(18A、18B)を形成し、他方の金属化フィルムはスリットが設けられていなくてもよい。その場合でも同様にフィルムコンデンサ13の高耐電圧化を図ることができる。
本発明によるフィルムコンデンサは優れた耐電圧を有しており、各種電子機器、電気機器、産業機器、自動車等に用いられるコンデンサとして好適に採用でき、特に高耐電圧特性が求められる自動車用分野に有用である。
10A,10B 金属化フィルム
11A,11B 誘電体フィルム
12A,12B 電極膜
13 フィルムコンデンサ
14 コンデンサ素子
15A,15B 外部電極
16A,16B 小電極部
17A,17B 第一のヒューズ
18A,18B 第二のヒューズ
19A,19B 第二のスリット
29A,29B 第一のスリット

Claims (11)

  1. 長尺の誘電体フィルムと、
    前記長尺の誘電フィルム上に設けられた第一の電極膜と、
    前記長尺の誘電体フィルムを介して前記第一の電極膜に対向する第二の電極膜と、を含み、
    前記長尺の誘電体フィルムの幅方向に配列された第一の端と第二の端とを有するコンデンサ素子と、
    前記コンデンサ素子の前記第一の端に設けられてかつ前記第一の電極膜に接続された第一の外部電極と、
    前記コンデンサ素子の前記第二の端に設けられてかつ前記第二の電極膜に接続された第二の外部電極と、を備え、
    前記第一の電極膜は、
    前記幅方向に延びる複数の第一のスリットと前記長尺の誘電体フィルムの長手方向に延びる複数の第二のスリットとで区分けされて、前記幅方向にそれぞれ配列された複数の行と前記長手方向にそれぞれ配列された複数の列とを有するマトリクス状に配置された複数の小電極部と、
    前記複数の小電極部のうちの前記幅方向で互いに隣り合う小電極部間を接続するように前記複数の第二のスリットに位置する複数の第一のヒューズと、
    前記複数の小電極部のうちの前記長手方向で互いに隣り合う小電極部間を接続するように前記複数の第一のスリットに位置する複数の第二のヒューズと、
    を含み、
    前記複数の第一のスリットのそれぞれには前記複数の第二のヒューズのうちの少なくとも1つが位置しており、前記複数の小電極部の前記複数の列のそれぞれにおいて、前記複数の小電極部のうちの任意の小電極部に前記長手方向で隣り合う2つの小電極部のうちの少なくとも1つの小電極部は前記任意の小電極部と前記長手方向において電気的に非接続である、
    フィルムコンデンサ。
  2. 前記複数の列のそれぞれにおいて、前記複数の小電極のうちの前記長手方向で隣り合う少なくとも2つの小電極部は前記長手方向において前記複数の第二のヒューズのうちの1つで互いに電気的に接続されている、請求項1に記載のフィルムコンデンサ。
  3. 前記複数の列の少なくとも1つにおいて、前記複数の第二のヒューズのうちの或る第二のヒューズは、前記複数の第二のヒューズのうちの前記或る第二のヒューズに隣り合う第二のヒューズに対して前記幅方向にずらして配置されている、請求項1または2に記載のフィルムコンデンサ。
  4. 前記複数の第二のヒューズの総数は前記複数の小電極部の総数の35%以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載のフィルムコンデンサ。
  5. 前記複数の列は、第一の列と、前記第一の列に比べて前記第一の外部電極から離れている第二の列とを含み、
    前記複数の第二のヒューズのうちの前記第二の列での1つ以上の第二のヒューズの数は、前記第一の列での1つ以上の第二のヒューズの数より多い、請求項1から4のいずれか一項に記載のフィルムコンデンサ。
  6. 前記複数の第二のヒューズは、前記複数の小電極部の前記複数の列うちの前記第一の外部電極から最も遠い最遠列での複数の小電極部の全てを互いに接続する、請求項1から5のいずれか一項に記載のフィルムコンデンサ。
  7. 前記複数の列のそれぞれにおいて、前記複数の第二のヒューズは前記長手方向に所定の周期で飛び石状に配置されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のフィルムコンデンサ。
  8. 前記複数の第二のヒューズのうちの前記複数の列のそれぞれでの1つ以上の第二のヒューズの数は互いに同じである、請求項7に記載のフィルムコンデンサ。
  9. 前記複数の列のうちの互いに隣り合う2つの列において、前記複数の第二のヒューズは前記長手方向で交互に配置されている、請求項7または8に記載のフィルムコンデンサ。
  10. 前記複数の第二のヒューズの前記幅方向の寸法は、前記複数の第一のヒューズの前記長手方向の寸法より小さい、請求項1から9のいずれか一項に記載のフィルムコンデンサ。
  11. 前記複数の第一のヒューズは、前記複数の小電極部のうちの前記複数の行のそれぞれにおいて全ての複数の小電極部を互いに接続する、請求項1から10のいずれか一項に記載のフィルムコンデンサ。
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