JP2017098049A - リチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

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将史 上田
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雅則 北吉
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直久 秋山
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Abstract

【課題】「水系」の正極ペーストを用いて正極活物質層を形成しながらも、電池の初期の電池抵抗が高くなるのを抑制できるリチウムイオン二次電池の製造方法を提供すること。【解決手段】リチウムイオン二次電池1の製造方法は、リチウム含有正極活物質24を水で洗浄する水洗工程S1と、水洗工程S1の後、リチウム含有正極活物質24を含み、水を溶媒とした水系の正極ペーストを作製するペースト作製工程S2と、正極ペーストを用いて、正極集電箔22上に正極活物質層23を形成して正極板21を形成する正極板形成工程S3とを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、リチウム含有正極活物質を含む正極活物質層を正極集電箔上に有する正極板と、負極板と、非水電解液とを備えるリチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」ともいう)を製造するにあたり、「水系」の正極ペーストを用いて正極活物質層を形成することが知られている。即ち、まず、リチウム含有正極活物質を、導電材や結着剤などと共に、水と共に混練して、「水系」の正極ペーストを作製する。その後、この正極ペーストを正極集電箔に塗布し、塗膜を乾燥させて、正極活物質層を形成する。その後、これをプレスして、正極板を得る。例えば、特許文献1には、このように「水系」の正極ペーストを用いて正極活物質層を形成することが開示されている(特許文献1の請求項1等を参照)。
特開2014−207176号公報
しかしながら、「水系」の正極ペーストでは、リチウム含有正極活物質から水中にリチウムイオン(Li+)が溶出する。更に、このリチウムイオンは、正極ペーストの塗膜を乾燥させて正極活物質層を形成する際に、リチウム含有正極活物質の表面にLiOHとして析出する。このLiOHは抵抗となるため、電池において初期の電池抵抗が高くなることが判ってきた。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、「水系」の正極ペーストを用いて正極活物質層を形成しながらも、初期の電池抵抗が高くなるのを抑制したリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、リチウム含有正極活物質を含む正極活物質層が正極集電箔上に形成された正極板と、負極板と、非水電解液と、を備えるリチウムイオン二次電池の製造方法であって、上記リチウム含有正極活物質を水で洗浄する水洗工程と、上記水洗工程の後、上記リチウム含有正極活物質を含み、水を溶媒とした水系の正極ペーストを作製するペースト作製工程と、上記正極ペーストを用いて、上記正極集電箔上に上記正極活物質層を形成して上記正極板を形成する正極板形成工程と、を備えるリチウムイオン二次電池の製造方法である。
上述のリチウムイオン二次電池の製造方法では、溶媒に水(以下、「溶媒用水」ともいう)を用いて「水系」の正極ペーストを作製するのに先立ち、リチウム含有正極活物質を水(以下、「洗浄用水」ともいう)で洗浄しておく。洗浄用水で洗浄した際にリチウム含有正極活物質から洗浄用水にリチウムイオンが溶出するので、その後再び水に触れた場合に、リチウム含有正極活物質から溶出するリチウムイオンの量が少なくなる。従って、一旦洗浄したリチウム含有正極活物質を用いて水系の正極ペーストを作製すると、リチウム含有正極活物質から溶媒用水に溶出するリチウムイオンの量が、予めリチウム含有正極活物質を水洗しない場合に比べて、少なくなる。このため、この正極ペーストを用いて正極活物質層を形成すると、リチウム含有正極活物質の表面にLiOHが析出するのを抑制できる。従って、この電池の製造方法によれば、「水系」の正極ペーストを用いて正極活物質層を形成しながらも、電池において初期の電池抵抗が高くなるのを抑制できる。
なお、「リチウム含有正極活物質」としては、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。リチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば、遷移金属としてニッケル(Ni)とコバルト(Co)とマンガン(Mn)とを含むリチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物や、遷移金属としてニッケルとマンガンとを含むリチウムニッケルマンガン系複合酸化物、ニッケル酸リチウム(LiNiO2 )、コバルト酸リチウム(LiCoO2 )、マンガン酸リチウム(LiMn24 )、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO4 )等のオリビン系材料などが挙げられる。
「正極ペースト」には、リチウム含有正極活物質及び水のほか、例えば、導電材や結着剤、増粘剤を含めることができる。
「負極板」としては、例えば、負極活物質を含む負極活物質層を負極集電箔上に設けた形態の負極板が挙げられる。
更に、上記のリチウムイオン二次電池に製造方法であって、前記水洗工程は、pH=8.0〜10.0の水を用い、前記ペースト作製工程は、pH=8.0〜10.0、かつ、上記水洗工程で用いた水のpH以上のpHを有する水を用いるリチウムイオン二次電池の製造方法とすると良い。
水洗工程で用いる水(洗浄用水)のpHが低いほど、洗浄の際にリチウム含有正極活物質から洗浄用水に多くのリチウムイオンが溶出する。すると、リチウム含有正極活物質中に含まれるリチウムの量が少なくなるため、初期の電池容量も少なくなる。
これに対し、上述の電池の製造方法では、水洗工程をpH=8.0〜10.0の洗浄用水を用いて行う。これにより、洗浄の際にリチウム含有正極活物質から洗浄用水に溶出するリチウムイオンの量を抑制できるので、水洗工程においてリチウム含有正極活物質中に含まれるリチウムの量が少なくなるのを抑制できる。従って、電池において、充放電に寄与できるリチウムの量が少なくなることを抑制し、初期の電池容量が少なくなるのを抑制できる。
更に、ペースト作製工程を、pH=8.0〜10.0、かつ、洗浄用水のpH以上のpHを有する水(溶媒用水)を用いて行う。これにより、予め洗浄しなかった場合はもとより、洗浄用水より低いpHの溶媒用水を用いた場合に比べても、リチウム含有正極活物質から溶媒用水に溶出するリチウムイオンの量を抑制できるので、正極活物質層を形成したときにリチウム含有正極活物質の表面にLiOHが析出するのを、更に抑制できる。よって、電池の初期の電池抵抗が高くなるのを、更に効果的に抑制できる。また、初期の電池容量が少なくなるのを抑制できる。
更に、上記のリチウムイオン二次電池の製造方法であって、前記正極集電箔は、アルミニウム箔からなり、前記水洗工程は、pH=9.0以下の水を用い、前記ペースト作製工程は、pH=9.0以下の水を用いるリチウムイオン二次電池の製造方法とするのが好ましい。
正極集電箔がアルミニウム箔からなる場合、ペースト作製工程で用いる溶媒用水のpHが高すぎると、具体的にはpH=9.0よりも高いと、正極ペーストのpHもpH=9.0よりも高くなり、正極ペーストの塗膜によって正極集電箔(アルミニウム箔)が腐食するおそれがある。
これに対し、上述の電池の製造方法では、溶媒用水のpHをpH=9.0以下としているので、正極ペーストのpHもpH=9.0以下となり、正極ペーストの塗膜により正極集電箔(アルミニウム箔)が腐食するのを防止できる。
更に、上記のリチウムイオン二次電池の製造方法であって、前記水洗工程は、pH=9.0の水を用い、前記ペースト作製工程は、pH=9.0の水を用いるリチウムイオン二次電池の製造方法とするのが好ましい。
前述のように、水洗工程で用いる洗浄用水のpHを高くするほど、洗浄の際にリチウム含有正極活物質から洗浄用水に溶出するリチウムイオンの量を抑制できるので、洗浄用水のpHは高くしたい。一方、正極ペーストの塗膜による正極集電箔(アルミニウム箔)の腐食を防止するべく、溶媒用水のpHはpH=9.0以下としたい。
これに対し、上述の電池の製造方法では、洗浄用水及び溶媒用水のpHをそれぞれpH=9.0としているので、正極集電箔(アルミニウム箔)の腐食を防止しつつ、かつ、水洗工程及びペースト作製工程でリチウム含有正極活物質から水中に溶出するリチウムイオンの量を、最も効果的に抑制できる。
実施形態に係るリチウムイオン二次電池の斜視図である。 実施形態に係るリチウムイオン二次電池を電池厚み方向に直交する(電池横方向及び電池縦方向に沿う)平面で切断した電池の縦断面図である。 実施形態に係り、正極板及び負極板をセパレータを介して互いに重ねた状態を示す、電極体の展開図である。 実施形態に係るリチウムイオン二次電池の製造工程を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1及び図2に、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」ともいう)1の斜視図及び縦断面図を示す。また、図3に、この電池1を構成する電極体20の展開図を示す。なお、以下では、電池1の電池厚み方向BH、電池横方向CH及び電池縦方向DHを、図1及び図2に示す方向と定めて説明する。
この電池1は、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両などに搭載される角型で密閉型の非水系のリチウムイオン二次電池である。電池1は、電池ケース10と、この内部に収容された電極体20と、電池ケース10に支持された正極端子部材50及び負極端子部材60等から構成される。また、電池ケース10内には、非水電解液19が収容されており、その一部は電極体20内に含浸されている。
このうち電池ケース10は、直方体箱状で金属(本実施形態ではアルミニウム)からなる。この電池ケース10は、上側のみが開口した有底角筒状のケース本体部材11と、このケース本体部材11の開口11hを閉塞する形態で溶接された矩形板状のケース蓋部材13とから構成される。ケース蓋部材13には、電池ケース10の内圧が所定圧力に達した際に破断開弁する安全弁14が設けられている。また、このケース蓋部材13には、電池ケース10の内外を連通する注液孔13hが形成され、封止部材15で気密に封止されている。
また、ケース蓋部材13には、アルミニウムからなる内部端子部材53、外部端子部材54及びボルト55により構成される正極端子部材50が、樹脂からなる内部絶縁部材57及び外部絶縁部材58を介して固設されている。この正極端子部材50の一端は、電池ケース10内において、後述する電極体20のうち正極板21の正極露出部21mに接続し導通しており、正極端子部材50の他端は、ケース蓋部材13を貫通して電池外部まで延び、電池1の正極端子を構成している。
また、ケース蓋部材13には、銅からなる内部端子部材63、外部端子部材64及びボルト65により構成される負極端子部材60が、樹脂からなる内部絶縁部材67及び外部絶縁部材68を介して固設されている。この負極端子部材60の一端は、電池ケース10内において、後述する電極体20のうち負極板31の負極露出部31mに接続し導通しており、負極端子部材60の他端は、ケース蓋部材13を貫通して電池外部まで延び、電池1の負極端子を構成している。
次に、電極体20について説明する(図2及び図3参照)。この電極体20は、扁平状をなし、横倒しにした状態で電池ケース10内に収容されている。電極体20と電池ケース10との間には、絶縁フィルムからなり、一端側(図2中、上方)に開口を有する袋状の絶縁フィルム包囲体17が配置され、電極体20と電池ケース10との間を絶縁している。電極体20は、帯状の正極板21と帯状の負極板31とを、帯状の一対のセパレータ41,41を介して互いに重ね(図3参照)、軸線周りに捲回して扁平状に圧縮したものである(図2参照)。
正極板21は、帯状のアルミニウム箔からなる正極集電箔22の両主面のうち、幅方向の一部でかつ長手方向に延びる領域上に、正極活物質層23,23を帯状に設けてなる。正極活物質層23には、リチウム含有正極活物質24、導電材(導電助剤)25、結着剤26、増粘剤27及びリン化合物28が含まれる。本実施形態では、リチウム含有正極活物質24として、リチウム遷移金属複合酸化物、具体的には、スピネル型の結晶構造を有するリチウムニッケルマンガン系複合酸化物の1つであるLiNi0.5Mn1.54 を用いている。また、導電材25としてアセチレンブラック(AB)を、結着剤26としてポリアクリル酸ナトリウムを、増粘剤27としてカルボシキメチルセルロース(CMC)を、リン化合物28としてリン酸リチウム(Li3PO4)を用いている。正極板21のうち幅方向の片方の端部は、厚み方向に正極活物質層23が存在せず、正極集電箔22が厚み方向に露出した正極露出部21mとなっている。前述の正極端子部材50は、この正極露出部21mに溶接されている。
次に、負極板31について説明する。この負極板31は、帯状の銅箔からなる負極集電箔32の両主面のうち、幅方向の一部でかつ長手方向に延びる領域上に、負極活物質層33,33を帯状に設けてなる。この負極活物質層33には、負極活物質、結着剤及び増粘剤が含まれる。本実施形態では、負極活物質として黒鉛粒子を、結着剤としてスチレンブタジエンゴム(SBR)を、増粘剤としてカルボシキメチルセルロース(CMC)を用いている。負極板31のうち幅方向の片方の端部は、厚み方向に負極活物質層33が存在せず、負極集電箔32が厚み方向に露出した負極露出部31mとなっている。前述の負極端子部材60は、この負極露出部31mに溶接されている。
セパレータ41は、樹脂からなる多孔質膜であり、帯状でフィルム状をなす。
次いで、上記電池1の製造方法について説明する(図4参照)。まず、正極板21の製造について説明する。まず、「水洗工程S1」において、リチウム含有正極活物質24を水で洗浄する。具体的には、LiNi0.5Mn1.54 からなるリチウム含有正極活物質24を用意する。また、pH=8.0〜10.0(本実施形態ではpH=9.0)の水(洗浄用水)を用意し、容器内に入れておく。なお、pH=9.0の洗浄用水は、イオン交換水にNaOHを添加してpH=9.0に調整することにより得た。
そして、リチウム含有正極活物質24を水中に浸漬させ、スターラーを用いて攪拌する。洗浄用水のpHを測定し、pHが安定したら攪拌を止める。その後、アスピレータを用いて吸引濾過し、リチウムイオンを含んだ洗浄用水を廃棄する。その後、リチウム含有正極活物質24を乾燥させる。このような洗浄を洗浄用水のpHが洗浄前後で変化しなくなる(pHが9.0から上がらなくなる)まで繰り返し行う。リチウム含有正極活物質24の洗浄が十分になされれば、リチウムイオンがそれ以上溶出しなくなり、洗浄用水のpHが洗浄前後で変化しなくなるからである。本実施形態では、上述の洗浄用水による洗浄を3回行った。
次に、「ペースト作製工程S2」において、水洗したリチウム含有正極活物質24を用い、かつ、溶媒に水(溶媒用水)を用いて、水系の正極ペーストを作製する。具体的には、pH=8.0〜10.0、かつ、水洗工程S1で用いた洗浄用水のpH以上のpHを有する(本実施形態では洗浄用水と同じpH=9.0の)溶媒用水を用意する。このpH=9.0の溶媒用水は、前述の洗浄用水と同じ手法で得た。まず、この溶媒用水と、前述の洗浄済みのリチウム含有正極活物質24とを混合する。その後、これに増粘剤(CMC)27を加えてプラネタリーミキサで混合し、CMCペーストを作製する。その後、このCMCペーストと、導電材(AB)25と、リン化合物(リン酸リチウム)28とをプラネタリーミキサで混合する。その後、このペーストに結着剤(ポリアクリル酸ナトリウム)26を添加し、更にプラネタリーミキサで攪拌して、「水系」の正極ペーストを得る。
次に、「正極板形成工程S3」において、上記の正極ペーストを用いて、正極集電箔22上に正極活物質層23を形成して正極板21を形成する。具体的には、上記の正極ペーストを、帯状のアルミニウム箔からなる正極集電箔22の一方の主面にコンマコータを用いて塗布する。その後、この塗膜を140℃で乾燥させて、正極活物質層23を形成する。更に、正極集電箔22の他方の主面にも同様に正極ペーストを塗布し、加熱乾燥させて、正極活物質層23を形成する。その後、この正極板をロールプレス機でプレスして、正極活物質層23,23の密度を高める。これにより、正極板21が形成される。
また別途、負極板31を形成しておく。具体的には、まず、負極活物質(黒鉛粒子)、結着剤(SBR)及び増粘剤(CMC)を、溶媒(水)と共に混練して、負極ペーストを作製する。そして、この負極ペーストを、帯状の銅箔からなる負極集電箔32の一方の主面に塗布し、加熱乾燥させて、負極活物質層33を形成する。また、負極集電箔32の反対側の主面にも同様に負極ペーストを塗布し、加熱乾燥させて、負極活物質層33を形成する。その後、この負極板をロールプレス機でプレスして、負極活物質層33,33の密度を高める。これにより、負極板31が形成される。
次に、「電極体形成工程S4」において、正極板21、負極板31等を用いて、電極体20を形成する。具体的には、正極板21及び負極板31を、別途用意した一対のセパレータ41,41を介して互いに重ね(図3参照)、巻き芯を用いて捲回する。更に、これを扁平状に圧縮して電極体20を形成する。
次に、「組立工程S5」において、電池を組み立てる。具体的には、ケース蓋部材13、内部端子部材53,63、外部端子部材54,64、ボルト55,65、内部絶縁部材57,67及び外部絶縁部材58,68を用意する。そして、ケース蓋部材13に、内部絶縁部材57,67及び外部絶縁部材58,68を介して、内部端子部材53,63、外部端子部材54,64及びボルト55,65からなる正極端子部材50及び負極端子部材60を固設する(図1及び図2参照)。その後、正極端子部材50及び負極端子部材60を、電極体20の正極露出部21m及び負極露出部31mにそれぞれ溶接する。次に、電極体20に絶縁フィルム包囲体17を被せて、これらをケース本体部材11内に挿入すると共に、ケース本体部材11の開口11hをケース蓋部材13で塞ぐ。そして、ケース本体部材11とケース蓋部材13とをレーザ溶接して電池ケース10を形成する。その後、非水電解液19を、注液孔13hから電池ケース10内に注液して電極体20内に含浸させる。その後、封止部材15で注液孔13hを封止する。
次に、「初充電・検査工程S6」において、この電池に初充電を行う。また、この電池について各種検査を行う。かくして、電池1が完成する。
(実施例及び比較例)
次いで、本発明の効果を検証するために行った試験の結果について説明する。実施例1として、上述の実施形態と同様にして、正極板21を製造し、更に電池1と製造した。即ち、下記の表1に示すように、水洗工程S1で用いる洗浄用水のpHをpH=9.0、ペースト作製工程S2で用いる溶媒用水のpHをpH=9.0とした。
また、実施例2として、洗浄用水のpHをpH=7.0、溶媒用水のpHをpH=7.0とし、それ以外は実施形態と同様にして、正極板21及び電池を製造した。
一方、比較例として、水洗工程S1を行わずに、かつ、溶媒用水のpHをpH=7.0とし、それ以外は実施形態と同様にして、正極板21及び電池を製造した。
なお、実施例1,2及び比較例のそれぞれにおいて、ペースト作製工程S2の後に、正極ペーストのpHをそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2017098049
また、実施例1,2及び比較例の各正極板21について、正極活物質層23からリチウム含有正極活物質24をそれぞれ回収した。そして、飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF−SIMS:Time-of-flight secondary ion mass spectrometer)を用いて、リチウム含有正極活物質24の表面に存在するLiOHの量をそれぞれ測定した。更に、比較例1のLiOHの量を基準(=1.00)として、実施例1,2のLiOH析出量比をそれぞれ求めた。その結果を表1に示す。
また、実施例1,2及び比較例の各電池について、電池の初期の電池抵抗をそれぞれ測定した。具体的には、25℃の温度環境下において、各電池を1/3Cの充電電流値でSOC60%まで充電し、その後、1C、3C、5Cの放電電流値でCC放電を行い、放電開始から10秒間の電圧降下量をそれぞれ測定した。そして、電圧降下量と放電電流値との関係から、電池抵抗(IV抵抗)を求め、これを初期の電池抵抗値とした。更に、比較例1の電池の初期の電池抵抗値を基準(=1.00)として、実施例1,2の各電池の初期電池抵抗比をそれぞれ求めた。その結果を表1に示す。
また、実施例1,2及び比較例の各電池について、電池の初期の電池容量をそれぞれ測定した。具体的には、25℃の温度環境下において、各電池を1/3Cの充電電流値で4.75Vまで充電する。その後、この電池を1Cの放電電流値で3.5Vまで放電したときの放電電気量を、初期の電池容量とした。更に、比較例1の電池の初期の電池容量を基準(=1.00)として、実施例1,2の各電池の初期電池容量比をそれぞれ求めた。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、比較例に比べ、実施例1,2では、LiOH析出量比が小さく、かつ、初期電池抵抗比が小さいことが判る。
その理由は、以下であると考えられる。即ち、比較例1では、水洗工程S1を行っていないため、ペースト作製工程S2において、リチウム含有正極活物質24から溶媒用水に多くのリチウムイオンが溶出する。その結果、正極ペーストのpHがpH=10.8に上昇した。更に、溶出したリチウムイオンは、正極活物質層23を形成したときに、リチウム含有正極活物質24の表面にLiOHとして多く析出する。このため、比較例1では、LiOHの析出量が多くなった。また、LiOHは抵抗となるため、初期の電池抵抗が高くなったと考えられる。
これに対し、実施例1,2では、いずれも、水洗工程S1で予めリチウム含有正極活物質24を水洗しているため、更には、溶媒用水のpHを洗浄用水のpHと同じとしているため、ペースト作製工程S2において、リチウム含有正極活物質24から溶媒用水に溶出するリチウムイオンの量が十分に抑制されている。その結果、正極ペーストのpHが上昇しなかった(溶媒用水のpHと同じであった)。このため、正極活物質層23を形成したときにリチウム含有正極活物質24の表面に析出するLiOHの析出量が少なくなった。また、LiOHの析出量が少ないことから、初期の電池抵抗が低く抑えられたと考えられる。
また、表1から明らかなように、実施例1の電池の初期の電池容量は、比較例1の電池の初期の電池容量と同じであり、また、実施例2の電池の初期の電池容量は、実施例1及び比較例1の電池の初期の電池容量よりも少ないことが判る。
その理由は、以下であると考えられる。即ち、比較例1では、水洗工程S1を行っていないため、正極ペーストの作製に用いるリチウム含有正極活物質24は、リチウムを多く含んでいる。しかし、ペースト作製工程S2において、リチウム含有正極活物質24から溶媒用水に多くのリチウムイオンが溶出し、正極活物質層23を形成したときにLiOHとして多く析出する。このため、比較例1の電池では、充放電に寄与できるリチウムは、LiOHが析出した分だけ少なくなると考えられる。
これに対し、実施例1では、水洗工程S1でリチウム含有正極活物質24を水洗した際に、リチウム含有正極活物質24から洗浄用水にリチウムイオンが溶出するため、正極ペーストの作製に用いるリチウム含有正極活物質24は、比較例1の場合よりも、リチウムが少なくなっている。しかし、実施例1では、ペースト作製工程S2でリチウム含有正極活物質24から溶媒用水に溶出するリチウムイオンの量が十分に抑制されている。このため、実施例1の電池では、充放電に寄与できるリチウムが、結果的に比較例1の電池と同じとなったため、初期の電池容量が比較例1の電池と同じになったと考えられる。
また、実施例2では、洗浄用水のpH(=7.0)が実施例1の場合(pH=9.0)よりも低いため、水洗工程S1でリチウム含有正極活物質24から洗浄用水に溶出するリチウムイオンの量が、実施例1よりも多くなる。このため、実施例2では、正極ペーストの作製に用いるリチウム含有正極活物質24に含まれるリチウムの量が、実施例1よりも少ない。一方、実施例2の場合も、実施例1の場合と同様に、ペースト作製工程S2でリチウム含有正極活物質24から溶媒用水に溶出するリチウムイオンの量は十分に抑制されている。従って、実施例2の電池では、水洗工程S1において実施例1に比してリチウムが減った分だけ、充放電に寄与できるリチウムの量が実施例1の電池よりも少ないため、初期の電池容量が実施例1の電池よりも少なくなったと考えられる。
以上で説明したように、本実施形態の電池1の製造方法では、ペースト作製工程S2で溶媒に水(溶媒用水)を用いて「水系」の正極ペーストを作製するのに先立ち、水洗工程S1でリチウム含有正極活物質24を水(洗浄用水)で洗浄しておく。洗浄用水で洗浄した際にリチウム含有正極活物質24から洗浄用水にリチウムイオンが溶出するので、その後再び水に触れた場合に、リチウム含有正極活物質24から溶出するリチウムイオンの量が少なくなる。従って、一旦洗浄したリチウム含有正極活物質24を用いて水系の正極ペーストを作製すると、リチウム含有正極活物質24から溶媒用水に溶出するリチウムイオンの量が、予めリチウム含有正極活物質24を水洗しない場合に比べて、少なくなる。このため、この正極ペーストを用いて正極活物質層23を形成すると、リチウム含有正極活物質24の表面にLiOHが析出するのを抑制できる。従って、この電池1の製造方法によれば、「水系」の正極ペーストを用いて正極活物質層23を形成しながらも、電池1の初期の電池抵抗が高くなるのを抑制できる。
更に本実施形態では、水洗工程S1をpH=8.0〜10.0の洗浄用水を用いて行う。これにより、洗浄の際にリチウム含有正極活物質24から洗浄用水に溶出するリチウムイオンの量を抑制できるので、水洗工程S1においてリチウム含有正極活物質24中に含まれるリチウムの量が少なくなるのを抑制できる。従って、電池1において、充放電に寄与できるリチウムの量が少なくなることを抑制し、初期の電池容量が少なくなるのを抑制できる。
更に、ペースト作製工程S2を、pH=8.0〜10.0、かつ、洗浄用水のpH以上のpHを有する溶媒用水を用いて行う。これにより、予め洗浄しなかった場合はもとより、洗浄用水より低いpHの溶媒用水を用いた場合に比べても、リチウム含有正極活物質24から溶媒用水に溶出するリチウムイオンの量を抑制できるので、正極活物質層23を形成したときにリチウム含有正極活物質24の表面にLiOHが析出するのを、更に抑制できる。よって、電池1の初期の電池抵抗が高くなるのを、更に効果的に抑制できる。また、初期の電池容量が少なくなるのを抑制できる。
また本実施形態では、溶媒用水のpHをpH=9.0以下としているので、正極ペーストのpHもpH=9.0以下となり、正極ペーストの塗膜により正極集電箔(アルミニウム箔)22が腐食するのを防止できる。特に本実施形態では、洗浄用水及び溶媒用水のpHをそれぞれpH=9.0としているので、正極集電箔(アルミニウム箔)22の腐食を防止しつつ、かつ、水洗工程及びペースト作製工程でリチウム含有正極活物質24から水中に溶出するリチウムイオンの量を、最も効果的に抑制できる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
1 リチウムイオン二次電池(電池)
10 電池ケース
19 非水電解液
20 電極体
21 正極板
22 正極集電箔
23 正極活物質層
24 リチウム含有正極活物質
31 負極板
41 セパレータ

Claims (2)

  1. リチウム含有正極活物質を含む正極活物質層が正極集電箔上に形成された正極板と、負極板と、非水電解液と、を備えるリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    上記リチウム含有正極活物質を水で洗浄する水洗工程と、
    上記水洗工程の後、上記リチウム含有正極活物質を含み、水を溶媒とした水系の正極ペーストを作製するペースト作製工程と、
    上記正極ペーストを用いて、上記正極集電箔上に上記正極活物質層を形成して上記正極板を形成する正極板形成工程と、を備える
    リチウムイオン二次電池の製造方法。
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池に製造方法であって、
    前記水洗工程は、
    pH=8.0〜10.0の水を用い、
    前記ペースト作製工程は、
    pH=8.0〜10.0、かつ、上記水洗工程で用いた水のpH以上のpHを有する水を用いる
    リチウムイオン二次電池の製造方法。
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