JP2012064537A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明によって提供されるリチウムイオン二次電池において、正極64は、正極集電体62と、正極活物質70,75A,75Bと導電材71,76とを含む正極活物質層66とを備えている。正極活物質層は、集電体に近接する近接層68と、該近接層よりも対極側に離れる方向に形成された対極側層74とを少なくとも含む積層構造である。ここで、正極活物質と導電材のそれぞれの形状及び/又は平均粒径は、近接層と対極側層との間で相互に異なっており、それによって近接層の電子抵抗よりも対極側層の電子抵抗のほうが小さくなっている。
【選択図】図1
Description
ところで、このような構成のリチウムイオン二次電池において、正極中の正極活物質層の厚みは、充放電の際のリチウムイオン及び電子の動きに大きく関与している。即ち、リチウムイオンは正極集電体に近い部分においてその動きが阻害される傾向にあり、他方、電子は正極集電体から遠い部分(ここでは負極に近い部分)においてその動きが阻害される傾向にある。この傾向は特に低温域(例えば−30℃程度)で顕著に現れる。このような問題に対応すべく、従来技術として、特許文献1が挙げられる。特許文献1には、集電体側の導電化材の濃度に比べて、対極側の導電化材の濃度を高くすることによって電極体のレート特性及びサイクル特性を向上させようとする技術が記載されている。
このように、近接層と対極側層との層間で導電材の形状及び/又は平均粒径を相互に異ならせて対極側層の電子抵抗を小さくすることによって、電池の充放電の際に対極側層での電子の動きをスムーズにすることができる。また、近接層と対極側層との層間で正極活物質の形状及び/又は平均粒径を相互に異ならせることによって、近接層と対極側層とのいずれか一方の層は他方の層と比べて正極活物質がより緻密に充填される。このため、正極(正極活物質層)の厚さ方向においてリチウムイオンの動きを円滑にして正極活物質の利用率の向上を実現し得る。
従って、本発明によると、正極活物質層において対極側層の電子抵抗を低下させて正極活物質層(正極)の厚さ方向における電子の動きを円滑にすると共に、正極活物質層(正極)の厚さ方向においてリチウムイオンの動きを円滑にして正極活物質の利用率の向上を実現し、レート特性とサイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を提供することができる。
かかる構成によると、上記形状の導電材によって対極側層に好適な電子経路が形成されるため、対極側層での電子抵抗を近接層に比べて低減することができる。これにより、電池の充放電の際に正極活物質層の厚さ方向における電子の動きを円滑にすることできる。なお、「繊維状又はチューブ状の導電材」とは、導電材のアスペクト比(例えば平均長さ/平均直径)が5以上であるものをいう。
かかる構成によると、対極側層は近接層に比べて導電材が緻密に充填されて形成されたものであるため、対極側層は近接層に比べて導電性に優れ、対極側層での電子抵抗を低減することができる。これにより、電池の充放電の際に正極活物質層の厚さ方向における電子の動きを円滑にすることできる。
好ましくは、上記対極側層に含まれる2種類又はそれ以上の導電材のうちの1種類は、上記近接層に含まれる導電材と同じである。かかる構成によると、対極側層は近接層に比べて導電材がより緻密に充填されて形成されたものであるため、上記効果がよりよく発揮され得る。特に、上記対極側層において、上記2種類又はそれ以上の導電材のうち平均粒径が最も大きい導電材の該平均粒径は、上記2種類又はそれ以上の導電材のうち平均粒径が最も小さい導電材の該平均粒径の4倍以上であることが好ましい。
かかる構成によると、対極側層は近接層に比べて正極活物質が緻密に充填されて形成されたものであるため、電池の放電の際にはリチウムイオンがより正極集電体側(即ち近接層側)に移動しやすくなり、一方、電池の充電の際には近接層側のリチウムイオンがより対極側(即ち対極側層側)に移動しやすくなる。
好ましくは、上記対極側層に含まれる2種類又はそれ以上の正極活物質のうちの1種類は、上記近接層に含まれる正極活物質と同じである。かかる構成によると、対極側層は近接層に比べて正極活物質がより緻密に充填されて形成されたものであるため、上記効果がよりよく発揮され得る。特に、上記対極側層において、上記2種類又はそれ以上の正極活物質のうち平均粒径が最も大きい正極活物質の該平均粒径は、上記2種類又はそれ以上の正極活物質のうち平均粒径が最も小さい正極活物質の該平均粒径の4倍以上であることが好ましい。
かかる構成によると、各層における単位体積当たりの正極活物質の量がほぼ同じであるため、電池の充放電の際に、正極活物質層の厚さ方向において(各層間において)正極活物質の利用率のバラツキが抑制されて正極活物質を効率的に使用することができる。
上記正極集電体としては、従来のリチウムイオン二次電池の正極に用いられている集電体と同様、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。例えば、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金を用いることができる。正極集電体の形状は、リチウムイオン二次電池の形状等に応じて異なり得るため、特に制限はなく、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であり得る。
また、一般式がLiMPO4(MはCo、Ni、Mn、Feのうちの少なくとも一種以上の元素;例えばLiFePO4、LiMnPO4)で表記されるオリビン型リン酸リチウムを上記正極活物質として用いてもよい。
正極活物質は、平均粒径が1μmより大きい(典型的には凡そ1μm〜15μm(例えば凡そ2μm〜10μm)ものが好ましい。平均粒径が1μmよりも小さすぎる場合には、取り扱いが困難であると共に正極活物質層中で正極活物質が過剰に密集してしまいリチウムインの動きを阻害する虞がある。
さらに、対極側層に含まれている平均粒径が相互に異なる2種類又はそれ以上の正極活物質のうちの1種類は、近接層に含まれている正極活物質と同じであることが好ましい。特に、対極側層に含まれている2種類又はそれ以上の正極活物質のうち平均粒径が最も大きい正極活物質と、近接層に含まれている正極活物質とが同じであることが好ましい。この場合、対極側層は近接層に比べて正極活物質がより緻密に充填される。
また、対極側層に含まれている2種類又はそれ以上の正極活物質のうち平均粒径が最も大きい正極活物質の平均粒径D1と、該対極側層に含まれている2種類又はそれ以上の正極活物質のうち平均粒径が最も小さい正極活物質の平均粒径D2との倍率(即ちD1/D2)は、凡そ4倍以上であること(典型的には5倍又はそれ以上、例えば凡そ4〜6倍程度)が好ましい。D1/D2が4倍以上であると、正極活物質がより緻密に充填され得る。
さらにまた、近接層に含まれている単位体積当たりの正極活物質量A(質量基準)と、対極側層に含まれている単位体積当たりの正極活物質量B(質量基準)とはほぼ同じであることが好ましい。即ち、A/B或いはB/Aが0.9〜1.1の範囲内である、特に好ましくはA/Bが1.0である。A/B或いはB/Aが0.9よりも小さすぎる場合及び1.1よりも大きすぎる場合には、各層において正極活物質の利用率のバラツキが発生して、レート特性等が低下する虞がある。
繊維状炭素材料及びチューブ状炭素材料は、平均直径が凡そ0.25μm〜0.75μm(例えば0.4μm〜0.6μm)であり、平均長さが凡そ2.5μm〜7.5μm(例えば4μm〜6μm)であって、アスペクト比(平均長さ/平均直径)が5以上(好ましくは10以上)のものが好ましい。かかる炭素材料は、正極活物質層において好適な電子の経路を形成することができるため該正極活物質層の導電性を向上させることができる。また、粒状炭素材料は、平均粒径が凡そ0.01μm〜1μm(典型的には凡そ0.1μm〜0.5μm)の範囲内にあるものが好ましい。なお、正極活物質層における導電材の含有量は、例えば凡そ0.1〜30質量%(好ましくは5〜20質量%)であることが好ましい。導電材の含有量が上記範囲内にある場合には、正極活物質層において、十分な導電経路(導電パス)を確保することができる。
本実施形態に係る正極シート64では、対極側層74は相互に平均粒径の異なる正極活物質75A,75Bを混在して含んでいるため、近接層68に比べて対極側層74の方がより緻密に正極活物質75A,75Bが充填された状態となっている。これにより、リチウムイオン二次電池の充放電の際に、リチウムイオンの移動性を向上して正極全体での正極活物質の利用効率の向上を実現することができる。
また、対極側層74には繊維状の導電材76が含まれているため、粒状の導電材71を含む近接層68に比べて対極側層74の電子抵抗の低下が実現される。これにより、リチウムイオン二次電池の充放電の際に、電子の移動性を向上させることができる。以上より、上記正極シート64を用いて構築したリチウムイオン二次電池は、レート特性とサイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池となる。
上述した平均粒径を有する1種類の正極活物質70と、上述した平均粒径を有する1種類の粒状の導電材71と、有機溶媒に対して可溶性である結着材等を有機溶媒に分散させてなる近接層形成用ペーストを調製する。調製した該ペーストをシート状の正極集電体62に塗布し、乾燥させて近接層68を形成した後、必要に応じて圧縮(プレス)する。次いで、上述した平均粒径が相互に異なる2種類の正極活物質75A,75Bと、繊維状の導電材76と、有機溶媒に対して可溶性である結着材等を有機溶媒に分散させてなる対極側層形成用ペーストを調製する。調製した該ペーストを上記近接層68上に塗布し、乾燥させて対極側層74を形成した後、必要に応じて圧縮(プレス)する。これにより、正極集電体62と、該正極集電体62上に形成された近接層68と対極側層74とを含む正極活物質層66とを備えるシート状の正極64を作製することができる。このとき、近接層68と対極側層74との厚みの比が、凡そ50:50〜40:60程度となるようにペーストの塗布量を調節してプレスすることが適当である。
そして、上記負極活物質と結着材等とを従来と同様の適当な溶媒(水、有機溶媒等)に分散させてなるペースト(負極活物質層形成用ペースト)を調製する。該調製した該負極活物質層形成用ペーストを負極集電体に塗布し、乾燥させた後、圧縮(プレス)することによって、負極集電体と該負極集電体上に形成された負極活物質層とを備えるシート状の負極を作製することができる。
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
図2に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池10は、金属製(樹脂製又はラミネートフィルム製も好適である。)の電池ケース15を備える。このケース(外容器)15は、上端が開放された扁平な直方体状のケース本体30と、その開口部20を塞ぐ蓋体25とを備える。ケース15の上面(すなわち蓋体25)には、捲回電極体50の正極シート64と電気的に接続する正極端子60および該電極体の負極シート84と電気的に接続する負極端子80が設けられている。また、蓋体25には、従来のリチウムイオン二次電池のケースと同様に、電池異常の際にケース15内部で発生したガスをケース15の外部に排出するための安全弁40が設けられている。ケース15の内部には、正極シート64および負極シート84を計二枚のセパレータシート90とともに積層して捲回し、次いで得られた捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって作製される扁平形状の捲回電極体50が収容される。
正負極シート64,84間に使用されるセパレータシート90の好適例としては、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成されたものが挙げられる。なお、電解質として固体電解質もしくはゲル状電解質を使用する場合には、セパレータが不要な場合(すなわちこの場合には電解質自体がセパレータとして機能し得る。)があり得る。
また、電解質としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる非水系の電解質(典型的には電解液)と同様のものを特に限定なく使用することができる。例えば、適当量(例えば濃度1M)のLiPF6等のリチウム塩をジエチルカーボネートとエチレンカーボネートとの混合溶媒(例えば質量比1:1)に溶解してなる非水電解液を使用することができる。
さらに、対極側層に含まれている平均粒径が相互に異なる2種類又はそれ以上の導電材のうちの1種類は、近接層に含まれている導電材と同じであることが好ましい。特に、対極側層に含まれている2種類又はそれ以上の導電材のうち平均粒径が最も大きい導電材と、近接層に含まれている導電材とが同じであることが好ましい。この場合、対極側層は近接層に比べて導電材がより緻密に充填される。
また、対極側層に含まれている2種類又はそれ以上の導電材のうち平均粒径が最も大きい導電材の平均粒径D3と、該対極側層に含まれている2種類又はそれ以上の導電材のうち平均粒径が最も小さい導電材の平均粒径D4との倍率(即ちD3/D4)は、凡そ4倍以上であること(典型的には5倍又はそれ以上、例えば凡そ4〜6倍程度)が好ましい。D1/D2が4倍以上であると、導電材がより緻密に充填され得る。
また、対極側層174には相互に平均粒径の異なる粒状の導電材176Aが,176Bが含まれているため、粒状の1種類の導電材171を含む近接層168に比べて対極側層174の電子抵抗の低下が実現される。これにより、リチウムイオン二次電池の充放電の際に、電子の移動性を向上させることができる。以上より、上記正極シート164を用いて構築したリチウムイオン二次電池は、レート特性とサイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池となる。
結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)を5g溶解したNMP125mL中に、正極活物質としての光散乱法に基づいて得られる平均粒径が10μmのコバルト酸リチウム85gと、導電材としての平均粒径が0.5μmのカーボンブラック10gとを導入し、均一に混合するまで混錬して近接層形成用ペーストAを調製した。
また、結着材としてのPVDFを5g溶解したNMP125mL中に、正極活物質としての平均粒径が10μmのコバルト酸リチウム42.5g及び平均粒径が2μmのコバルト酸リチウム42.5gと、導電材としての平均直径0.5μm、平均長さ5μmのカーボンナノチューブ10gとを導入し、均一に混合するまで混錬して対極側層形成用ペーストBを調製した。
そして、ペーストAを厚さ15μmのアルミニウム集電体上に塗布量5mg/cm2で片面塗布した後、乾燥させた。続いて、該塗布物の上にペーストBを塗布量5mg/cm2で塗布した後、乾燥させた。このとき、ペーストAとペーストBの塗布量を合計で10mg/cm2とした。乾燥後、該塗布物をプレスして、正極活物質層(近接層及び対極側層の積層構造)の厚さ70μm、正極活物質層の密度2.5g/cm3とした電極を得た。最後にこの電極を直径16mmとなるように切り出して正極を作製した。
上記作製した正極と、直径19mm、厚み35μmの金属リチウムからなる負極を用いてCR2032型コインセル(リチウムイオン二次電池)を作製した。なお、セパレータとしては、ポリプロピレン製多孔質セパレータを使用した。電解質としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との3:7(体積比)混合溶媒に支持塩として1mol/LのLiPF6を溶解させた組成の非水電解液を使用した。
結着材としてのPVDFを5g溶解したNMP125mL中に、正極活物質としての平均粒径が10μmのコバルト酸リチウム42.5g及び平均粒径が2μmのコバルト酸リチウム42.5gと、導電材としての平均粒径0.5μmのカーボンブラック5g及び平均粒径0.1μmのカーボンブラック5gとを導入し、均一に混合するまで混錬して対極側層形成用ペーストCを調製した。
そして、上記ペーストAを厚さ15μmのアルミニウム集電体上に塗布量5mg/cm2で片面塗布した後、乾燥させた。続いて、該塗布物の上にペーストCを塗布量5mg/cm2で塗布した後、乾燥させた。乾燥後、該塗布物をプレスして、正極活物質層(近接層及び対極側層の積層構造)の厚さ70μm、正極活物質層の密度2.5g/cm3とした電極を得た。最後にこの電極を直径16mmとなるように切り出して正極を作製した。
得られた正極を用いた他は実施例1と同様にして、実施例2に係るコインセルを作製した。
結着材としてのPVDFを5g溶解したNMP125mL中に、正極活物質としての平均粒径が10μmのコバルト酸リチウム90gと、導電材としての平均粒径0.5μmのカーボンブラック5gとを導入し、均一に混合するまで混錬してペーストDを調製した。
また、結着材としてのPVDFを5g溶解したNMP125mL中に、正極活物質としての平均粒径が10μmのコバルト酸リチウム87gと、導電材としての平均粒径0.5μmのカーボンブラック8gとを導入し、均一に混合するまで混錬してペーストEを調製した。
さらに、結着材としてのPVDFを5g溶解したNMP125mL中に、正極活物質としての平均粒径が10μmのコバルト酸リチウム85gと、導電材としての平均粒径0.5μmのカーボンブラック10gとを導入し、均一に混合するまで混錬してペーストFを調製した。
そして、上記ペーストDを厚さ15μmのアルミニウム集電体上に塗布量3.33mg/cm2で片面塗布した後、乾燥させた。続いて、該ペーストDからなる塗布物の上にペーストEを塗布量3.33mg/cm2で塗布した後、乾燥させた。さらに、該ペーストEからなる塗布物の上にペーストFを塗布量3.33mg/cm2で塗布した後、乾燥させた。このとき、ペーストD及びペーストE及びペーストFの塗布量を合計で10mg/cm2とした。乾燥後、該塗布物をプレスして、正極活物質層(3層の積層構造)の厚さ70μm、正極活物質層の密度2.5g/cm3とした電極を得た。最後にこの電極を直径16mmとなるように切り出して正極を作製した。
得られた正極を用いた他は実施例1と同様にして、比較例1に係るコインセルを作製した。
正極作製の際に、上記調製したペーストFのみを用いて、アルミニウム集電体上に塗布量10mg/cm2で片面塗布した他は実施例1と同様にして、比較例2に係るコインセルを作製した。
上記のように作製した実施例1,2及び比較例1,2の各コインセルに対して、適当なコンディショニング処理(温度25℃にて、10分の1Cの充電レートで4.1Vまで定電流定電圧で充電する操作と、10分の1Cの放電レートで3.0Vまで定電流定電圧放電させる操作を3回繰り返す初期充放電処理)を行い、その後、放電レート特性を測定した。ここで放電レート特性は、充電レート1Cで上限電圧4.1Vまで2.5時間CCCV充電(定電流定電圧充電)を行い、その後放電レート3分の1Cで3.0VまでCC放電(定電流放電)を行った。そして、放電レートを1C,3C,5C,10C,20C,40Cと変化させて上記CCCV充電とCC放電とを繰り返した。放電レート3分の1Cにおける放電容量に対する放電レート40Cにおける放電容量の比率(40C放電容量/3分の1Cの放電容量×100)[%]である放電レート特性を求めた。その結果を表1に示す。
上記レート特性評価試験を行った後、実施例1,2及び比較例1,2の各コインセルに対して、充放電を500サイクル繰り返し、500サイクル後の放電容量維持率[%]を求めた。1サイクルの充放電条件は、測定温度60℃において、2Cで上限電圧4.1Vまで2時間CCCV充電を行い、その後2Cで下限電圧3.0VまでCC放電を行った。そして、1サイクル目の放電容量に対する500サイクル目の放電容量から放電容量維持率[%]を算出した。その結果を表1に示す。
上記近接層と上記対極側層とが相対的に上記条件を具備している限りにおいて、例えば、上記近接層と上記対極側層の間に他の層を形成したり、対極側層よりも対極側或いは近接層よりも集電体側に他の層を形成してもよい。
15 電池ケース
20 開口部
25 蓋体
30 ケース本体
40 安全弁
50 捲回電極体
60 正極端子
62 正極集電体
64 正極シート(正極)
66 正極活物質層
68 近接層
70 正極活物質
71 導電材(粒状炭素材料)
74 対極側層
75A,75B 正極活物質
76 導電材(繊維状炭素材料)
80 負極端子
82 負極集電体
84 負極シート(負極)
86 負極活物質層
90 セパレータシート
100 車両(自動車)
164 正極シート(正極)
166 正極活物質層
168 近接層
170 正極活物質
171 導電材(粒状炭素材料)
174 対極側層
175A,175B 正極活物質
176A,176B 導電材(粒状炭素材料)
Claims (9)
- 正極と負極とを備えるリチウムイオン二次電池であって、
前記正極は、正極集電体と、該集電体上に形成された少なくとも正極活物質と導電材とを含む正極活物質層とを備えており、
前記正極活物質層は、前記集電体に近接する近接層と、該近接層よりも対極側に離れる方向に形成された対極側層とを少なくとも含む積層構造であり、
ここで、前記正極活物質と前記導電材のそれぞれの形状及び/又は平均粒径は、前記近接層と前記対極側層との間で相互に異なっており、それによって前記近接層の電子抵抗よりも前記対極側層の電子抵抗のほうが小さくなっていることを特徴とする、リチウムイオン二次電池。 - 前記近接層は、所定の平均粒径を有する粒状の導電材を含んでおり、前記対極側層は、該近接層に含まれる粒状の導電材とは異なる繊維状又はチューブ状の導電材を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記近接層は、所定の平均粒径を有する1種類の導電材を含んでおり、前記対極側層は、平均粒径が相互に異なる2種類又はそれ以上の導電材を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記対極側層に含まれる2種類又はそれ以上の導電材のうちの1種類は、前記近接層に含まれる導電材と同じであることを特徴とする、請求項3に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記対極側層において、前記2種類又はそれ以上の導電材のうち平均粒径が最も大きい導電材の該平均粒径は、前記2種類又はそれ以上の導電材のうち平均粒径が最も小さい導電材の該平均粒径の4倍以上であることを特徴とする、請求項3又は4に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記近接層は、所定の平均粒径を有する1種類の正極活物質を含んでおり、前記対極側層は、平均粒径が相互に異なる2種類又はそれ以上の正極活物質を含んでいることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記対極側層に含まれる2種類又はそれ以上の正極活物質のうちの1種類は、前記近接層に含まれる正極活物質と同じであることを特徴とする、請求項6に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記対極側層において、前記2種類又はそれ以上の正極活物質のうち平均粒径が最も大きい正極活物質の該平均粒径は、前記2種類又はそれ以上の正極活物質のうち平均粒径が最も小さい正極活物質の該平均粒径の4倍以上であることを特徴とする、請求項6又は7に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記近接層に含まれている単位体積当たりの正極活物質量と前記対極側層に含まれている単位体積当たりの正極活物質量とはほぼ同じであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
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