JP2017097221A - 液晶素子及び液晶素子の製造方法 - Google Patents

液晶素子及び液晶素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高分子分散型の液晶素子において液晶層に電界を印加する透明導電膜どうしの短絡を防止する。また、高分子分散型の液晶素子を積層した際の、各液晶素子の取り扱いを容易にし、さらに、液晶素子における傷の発生を防止する。【解決手段】液晶素子10は、第1支持板11と、第1支持板11と対向して配置された第2支持板12と、第1支持板11と第2支持板12との間に配置された高分子分散型液晶層20とを備え、第1支持板11及び第2支持板12は、それぞれ、基材13,15と、基材13,15上に設けられた透明導電層14,16とを有し、第2支持板12は、その縁部12aにおいて第1支持板11から離間するように曲がっている。【選択図】図2

Description

本発明は、高分子分散型液晶層を有する液晶素子及び液晶素子の製造方法に関する。
従来、例えば透明な高分子材料に液晶の液滴等を分散させた高分子分散型液晶素子が知られている。この高分子分散型液晶素子では、分散された液晶への電界の印加・解除により、入射光を透過させる透過状態と入射光を散乱させる散乱状態とを切替えることが可能である。高分子分散型液晶としては、例えば、透明な高分子材料の中に液晶の液滴を分散させたもの(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、液晶の連続層の中に高分子樹脂のネットワークが形成されたポリマーネットワーク型液晶(PNLC:Polymer Network Liquid Crystal)、コレステリック液晶を用いた高分子安定型コレステリック液晶(PSCT:Polymer Stabilized Cholesteric Texture)等を挙げることができる。これらの高分子分散型液晶は偏光板を用いる必要がないため、光の利用効率が高いという特徴を有している。
これらの高分子分散型液晶素子は、電車、自動車、また建築物の窓に用いられるほか、液晶ディスプレイのバックライトと組み合わせることにより液晶ディスプレイの視野角制御に用いられたり(特許文献1)、プロジェクター用のスクリーンとして用いられたり(特許文献2)している。
特開平5−72529号公報 特開平6−301005号公報
従来の液晶ディスプレイ等に用いられる封止方法では、例えば、ガラス等からなる一対の基材を用い、まず一方の基材上に、液晶層が形成されるべき領域を取り囲み且つその一部に開口部を有するような形状でシール材を形成し、このシール材を紫外線等を用いて硬化させる。次に、硬化したシール材で取り囲まれた領域内に液晶分子を含む材料を塗布する。その後、当該一方の基材上に、液晶分子を含む材料の層(液晶層)が形成された側から他方の基材を重ね合わせる。シール材に設けられた開口部から空気が排出された後に、この開口部を封止する。この方法では、高分子分散型液晶素子を大型化又は薄型化すると、一方の基材上に他方の基材を重ね合わせた後の空気の排出が十分に行われず、液晶層内に気泡が残留することがあった。また、各高分子分散型液晶素子を個別に製造することから、製造の高速化に十分に対応できていなかった。
そこで、本件発明者らは、基材として樹脂等で形成されたフィルム基材を用いることにより、ロールトゥロール法又はロールトゥシート法を利用して高分子分散型液晶素子を製造することを検討している。この方法によれば、高分子分散型液晶素子の液晶層内に気泡が残留することを抑制し、且つ、高分子分散型液晶素子の製造を高速化することができると考えられる。しかしながら、このロールトゥロール法又はロールトゥシート法を利用した高分子分散型液晶素子の製造について本件発明者らが検討を進めたところ、以下のような課題が知見された。
図11に比較形態として示されているように、ロールトゥロール法又はロールトゥシート法で、一対の支持板111,112とこの支持板111,112間に配置された液晶層120とを有する中間部材を作製し、この中間部材を所望の形状に断裁して高分子分散型液晶素子110を製造しようとすると、裁断時にこの中間部材の裁断箇所が押圧されることにより、製造された高分子分散型液晶素子110の端縁110a近傍において、支持板111,112の透明導電膜114,116どうしが互いに接近するようになる。この場合、接近した透明導電膜114,116どうしが互いに接触してしまうことがある。透明導電膜114,116どうしが接触した状態のまま封止等の後工程が行われると、透明導電膜114,116どうしが短絡することにより、製造された高分子分散型液晶素子110が正常に動作しなくなる。
また、この高分子分散型液晶素子110を保管等のために複数枚積層した場合、図12に比較形態として示されているように、隣接する高分子分散型液晶素子110どうしは、その中央部すなわち液晶層120が存在する領域に対応した広い面積で互いに接触する。これにより、隣接する高分子分散型液晶素子110どうしが密着し、各高分子分散型液晶素子110の取り扱いが困難になる。また、隣接する高分子分散型液晶素子110どうしが擦れることにより、高分子分散型液晶素子110の表面における液晶層120が存在する領域内に擦り傷等を生じることがある。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、高分子分散型の液晶素子において液晶層に電界を印加する透明導電膜どうしの短絡を防止することを目的とする。また、本発明は、高分子分散型の液晶素子を積層した際の、各液晶素子の取り扱いを容易にすること、及び、液晶素子における傷の発生を防止すること、を目的とする。
本発明による液晶素子は、
第1支持板と、前記第1支持板と対向して配置された第2支持板と、前記第1支持板と前記第2支持板との間に配置された高分子分散型液晶層とを備え、
前記第1支持板及び前記第2支持板は、それぞれ、基材と、前記基材上に設けられた透明導電層とを有し、
前記第2支持板は、その縁部において前記第1支持板から離間するように曲がっている。
本発明による液晶素子において、前記基材は樹脂で形成されていてもよい。
本発明による液晶素子において、前記第2支持板の曲がっている箇所と前記第1支持板との間は、封止材により封止されていてもよい。
本発明による液晶素子において、前記封止材は、酸素阻害を受ける光硬化型樹脂を含んでいてもよい。
本発明による液晶素子において、前記第2支持板の曲がっている箇所に対応した領域において、その厚みが縁部に向けて厚くなっていてもよい。
本発明による液晶素子の製造方法は、
第1支持板と、前記第1支持板と対向して配置された第2支持板と、前記第1支持板と前記第2支持板との間に配置された高分子分散型液晶層とを備え、前記第1支持板及び前記第2支持板は、それぞれ、基材と、前記基材上に設けられた透明導電層とを有する、液晶素子用中間部材において、前記第2支持板を、その縁部において前記第1支持板から離間するように曲げる工程を有する。
本発明による液晶素子の製造方法において、前記第2支持板の曲げられた箇所と前記第1支持板との間を封止材により封止する工程をさらに有してもよい。
本発明による液晶素子の製造方法において、前記封止材は、酸素阻害を受ける光硬化型樹脂を含んでいてもよい。
本発明によれば、高分子分散型の液晶素子において液晶層に電界を印加する透明導電膜どうしの短絡を防止することができる。また、本発明によれば、高分子分散型の液晶素子を積層した際の、各液晶素子の取り扱いを容易にすることができ、さらに、液晶素子における傷の発生を防止することができる。
図1は、本発明による一実施の形態を説明するための図であって、液晶素子を概略的に示す図である。 図2は、図1の液晶素子を示す断面図である。なお、図2に示された断面は、図1のII−II線に沿った断面に概ね対応している。 図3は、液晶素子の製造方法の一例を説明するための図である。 図4は、液晶素子の製造方法の一例を説明するための図である。 図5は、液晶素子の製造方法の一例を説明するための図である。 図6は、液晶素子の製造方法の一例を説明するための図である。 図7は、液晶素子の製造方法の一例を説明するための図である。 図8は、液晶素子の製造方法の一例を説明するための図である。 図9は、液晶素子の製造方法の一例を説明するための図である。 図10は、複数の液晶素子を積層した状態を示す図である。 図11は、比較形態を説明するための図であって、液晶素子を示す断面図である。 図12は、比較形態を説明するための図であって、複数の液晶素子を積層した状態を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「板」は「シート」や「フィルム」と呼ばれ得るような部材をも含む概念であり、したがって、例えば、「支持板」は、「支持シート」や「支持フィルム」と呼ばれる部材と、呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
また、「板面(シート面、フィルム面)」とは、対象となる板状(シート状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となる板状部材(シート状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1〜図10は本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち図1は液晶素子を概略的に示す図であり、図2は図1の液晶素子におけるII−II線に沿った断面を示す断面図である。
図1及び図2に示された液晶素子10は、電車や自動車等の車両、住宅等の建築物等の窓に設けられて、液晶素子10を介した透視性を制御したり、液晶ディスプレイのバックライトと組み合わせることによって液晶ディスプレイの視野角制御に用いることができる。
図2に示されているように、液晶素子10は、第1支持板11と、第1支持板11と対向して配置された第2支持板12と、第1支持板11と第2支持板12との間に配置された高分子分散型液晶層20とを備えている。また、液晶素子10の第1支持板11の縁部11aと第2支持板12の縁部12aとの間には、封止材35が設けられている。
第1支持板11及び第2支持板12は、高分子分散型液晶層20を挟むようにして支持し、高分子分散型液晶層20に電界を印加する機能を有する。第1支持板11は、第1基材13と、第1基材13上に設けられた第1透明導電層14とを有している。また、第2支持板12は、第2基材15と、第2基材15上に設けられた第2透明導電層16とを有している。図示された例では、第1透明導電層14と第2透明導電層16とが互いに対面するようにして、第1支持板11と第2支持板12とが対向して配置されている。したがって、図示された例では、第1基材13、第1透明導電層14、高分子分散型液晶層20、第2透明導電層16及び第2基材15が、この順に積層されている。
支持板11,12の基材13,15は、透明導電層14,16を支持する支持体として機能する。基材13,15の材料としては、特に限定されるものではなく、例えば可撓性を有する各種の透明なフィルム材を用いることができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース(三酢酸セルロース:TAC)等のセルロース系樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)樹脂などを含有するフィルム材を用いることができる。また、基材13,15の厚みとしては、例えば20μm以上300μm以下のものを用いることができ、好ましくは50μm以上150μm以下のものを用いることができる。
支持板11,12の透明導電層14,16は、通電されることにより高分子分散型液晶層20に電界を印加し、これにより高分子分散型液晶層20の後述する液晶材料22を駆動する電極として機能する。ここで、液晶材料22を「駆動」するとは、液晶材料22に含まれる液晶分子の向きを変化させることを意味する。例えば、透明導電層14,16を用いて高分子分散型液晶層20に対して電界を印加することにより、高分子分散型液晶層20の液晶材料22に含まれる液晶分子の配向方向を変化させることができる。
透明導電層14,16としては、高分子分散型液晶層20に電界を印加することが可能であって、透明と知覚される種々の構成のものを適用することができる。例えば、透明導電材であるITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(Aluminum-doped Zinc Oxide)、GZO(Gallium-doped Zinc Oxide)、ATO(Antimony Tin Oxide)、ZNO(Zinc Oxide)等の金属酸化物のほか、導電性高分子膜、銀ナノワイヤー、カーボンナノチューブ等を含有する材料を用いることができる。透明導電層14,16におけるシート抵抗は、特に限定されないが、100Ω/□以上300Ω/□以下、透過率は、85%以上とすることができる。本実施の形態においては、このような透明導電層14,16を、例えば基材13,15上の全面に形成して用いることができる。
図1及び図2に示された例では、第2支持板12は、その縁部12aにおいて第1支持板11から離間するように曲がっている。とりわけ図2に示された例では、第2支持板12は、その縁部12aにおいて、液晶素子10の端縁10aに近づくにつれて第1支持板11から離間するように曲がっている。すなわち、第1支持板11の縁部11aと第2支持板12の縁部12aとの間の、液晶素子10の板面への法線方向に沿った間隔は、液晶素子10の端縁10aに近づくにつれて広がっている。とりわけ、第1支持板11の縁部11aと第2支持板12の縁部12aとの間の、液晶素子10の板面への法線方向に沿った間隔は、液晶素子10の端縁10aに近づくにつれて広がり続けている。しかしこれに限られず、第1支持板11の縁部11aと第2支持板12の縁部12aとの間の、液晶素子10の板面への法線方向に沿った間隔が、液晶素子10の端縁10aに近づくにつれて変化しない部分や、液晶素子10の端縁10aに近づくにつれて狭くなる部分を有していてもよい。なお、図2には、第2支持板12が、第2支持板12の縁部12aと中央部12bとの境界において折り曲げられているものを示したが、これに限られず、第2支持板12が、第2支持板12の縁部12aと中央部12bとの境界において曲線状をなして曲がっていてもよい。
次に、高分子分散型液晶層20について説明する。高分子分散型液晶層20は、透明導電層14,16による電界の印加状態に応じて、高分子分散型液晶層20を介した透視性を変化させる機能を有する。図2に示された例では、高分子分散型液晶層20は、高分子マトリックス21と、高分子マトリックス21中に分散された液晶材料22と、スペーサ25とを有する。
この高分子分散型液晶層20は、一例として、重合性を有するモノマーと光重合開始剤及び重合基を有しない液晶材料を混合し、モノマーが光重合する際に液晶が相分離することにより形成することができる。これにより、モノマーが重合したものが高分子分散型液晶層20の高分子マトリックス21をなすようになり、相分離した重合基を有しない液晶材料が高分子分散型液晶層20の液晶材料22をなすようになる。
液晶材料は、長手方向を有する液晶分子を含んだ液状の材料である。液晶分子は、その形状に対応した屈折率異方性を有している。すなわち、液晶分子の長手方向に直交する方向での屈折率と、液晶分子の長手方向に平行な方向での屈折率とは異なっている。このような液晶材料としては、特に限られないがネマティック材料等の液晶材料を用いることができる。具体的には、例えばメルク社製のE7等のネマティック材料等を用いることができる。また、重合性を有するモノマーとしては、液晶を相分離させることが可能でかつ光透過性の高い材料であればよく、単官能、多官能いずれの重合性モノマー(重合性基)を有する樹脂を使用することができる。このような樹脂としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとの表記は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、アクリル系以外にも、カチオン重合性モノマーとして、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート等の脂環式エポキシド類、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類等を用いることもできる。これら重合性モノマーは、要求される性能、塗布適性等に応じて、1種類単独で又は2種類以上を併用して用いることができる。
光重合開始剤としては、特に限られることなく様々な光重合開始剤を使用することができる。例えば、ベンゾイン及びそのアルキルエーテル化物、ベンジルケタール類、アセトフェノン類を用いることができる。アセトフェノン類としては、例えばヒドロキシアセトフェノン、アミノアセトフェノン、ジアルコキシアセトフェノン、ハロゲン化アセトフェノン等を用いることができる。これらの光重合開始剤は、例えば、BASF社製のイルガキュア(登録商標)907、イルガキュア651、イルガキュア184等の商品が市販されており、これらを単独で、あるいは混合して用いることができる。
スペーサ25は、第1支持板11と第2支持板12との間隔を所定の間隔に保ち、これにより高分子分散型液晶層20の厚さ(高さ)を所定の厚さ(高さ)に保持する機能を有する。このスペーサ25としては、例えばプラスチックビーズ等の光透過性の高い樹脂製のものを用いることができる。また、図2に示された例では、スペーサ25として球状のスペーサを用いているが、スペーサ25の形状はこれに限られない。
ところで、液晶材料22が二色性色素を有するようにしてもよい。二色性色素は、液晶分子と同様に、長手方向を有するとともに、電界印加の有無に応じてその向きを変化させる。そして、二色性色素は、その向きに応じて色味を有するようになる。このため、液晶素子10は、低ヘイズ状態において無色透明又は無色透明に近い状態に維持され、その一方で、高ヘイズ状態においては、単なる白濁ではなく、所定の色味を有しながら不可視状態とすることができる。ここで所定の色味を、液晶素子10の周囲の部分(液晶素子10が設けられていない部分)と同様の色にすると、液晶素子10の部分だけ周囲の部分と外観が異なることを防ぐことができる。また、低ヘイズ状態にある液晶素子10の色味が液晶素子10の周囲の部分の色味と異なるようにして、液晶素子10を含む装置に意匠性を積極的に付与してもよい。このような二色性色素としては、例えば特開2007−009120号公報や特開2011−246411号公報に開示されているような種々の公知なものを用いることができる。
封止材35は、第1支持板11の縁部11aと第2支持板12の縁部12aとの間に設けられている。とりわけ図2に示された例では、封止材35は、第2支持板12の曲がっている箇所と第1支持板11との間に設けられている。この封止材35は、第1支持板11の縁部11aと第2支持板12の縁部12aとの間を封止し、高分子分散型液晶層20、とりわけ液晶材料22、が漏れ出すことを防止する機能を有する。このため、封止材35は、液晶素子10の板面への法線方向からの観察において、すなわち平面視において、高分子分散型液晶層20を取り囲む形状を有している。
図2に示した例では、液晶素子10の板面への法線方向に沿った、封止材35の厚さ(高さ)は、液晶素子10の端縁10aに近づくにつれて厚く(高く)なっている。とりわけ、封止材35の厚さは、液晶素子10の端縁10aに近づくにつれて厚くなり続けている。しかしこれに限られず、封止材35の厚さは、液晶素子10の端縁10aに近づくにつれて変化しない部分や、液晶素子10の端縁10aに近づくにつれて薄くなる部分を有していてもよい。
また、図2に示した例では、第2支持板12の曲がっている箇所に対応した領域において、液晶素子10の厚みが端縁10aに向けて厚くなっている。すなわち、液晶素子10の板面への法線方向に沿った、液晶素子10の厚さ(高さ)は、その端縁10aに近づくにつれて厚く(高く)なっている。とりわけ、液晶素子10の厚さは、その端縁10aに近づくにつれて厚くなり続けている。しかしこれに限られず、液晶素子10の厚さは、その端縁10aに近づくにつれて変化しない部分や、その端縁10aに近づくにつれて薄くなる部分を有していてもよい。
このような封止材35及び液晶素子10によれば、液晶素子10の周縁部における強度を向上させることができるので、液晶素子10に撓みが生じることを効果的に抑制することができる。
封止材35の材料としては、例えば高分子分散型液晶層20の高分子マトリックス21をなす樹脂と同様のものを用いることができる。光重合開始剤についても、例えば上述の光重合開始剤を用いることが可能である。好ましくは、光重合開始剤として酸素阻害を受ける光重合開始剤を用いることができる。ここで、光重合開始剤が酸素阻害を受けるとは、例えばラジカル型の光重合開始剤において、光重合開始剤に紫外線等の光が照射されることにより生じたラジカルと雰囲気中に存在する酸素とが反応し、このラジカルによるモノマーやプレポリマーの重合促進機能が阻害される現象をいう。このような酸素阻害を受ける光重合開始剤としては、一例として、アシルフォスフィンオキサイド系の光重合開始剤を挙げることができる。市販品では、例えば、BASF社製のイルガキュアTPO等を用いることができる。また、透明導電層14,16に対する密着性向上のため、適宜信越シリコーン社製KBM903等のシランカップリング剤、日本化薬社製KAYAMER(登録商標) PM−2等の密着補助剤を用いてもよい。
以上のように構成された液晶素子10では、液晶分子が配向されている状態において、液晶分子の屈折率と高分子マトリックス21の屈折率とが揃う。この状態において、液晶素子10へ入射した光は、進行方向を大きく曲げることなく、液晶素子10を透過することができる。すなわち、液晶分子が配向されている状態において、液晶素子10は低ヘイズ状態となる。この状態において、液晶素子10は透明な状態となり、液晶素子10を介した視認性が高くなる。
一方、この液晶素子10において、液晶分子が配向されていない状態では、液晶分子の長手方向の向きが、当該液晶分子の近傍に位置する高分子マトリックス21にも依存して、不規則的となる。この状態において、液晶素子10へ入射した光は、進行方向を大きく曲げられて拡散する。すなわち、液晶分子が配向されていない状態において、液晶素子10は高ヘイズ状態となる。このとき、液晶素子10は白濁した状態となり、液晶素子10を介した視認性が低くなる。
ノーマルタイプの液晶素子10では、ポジ型の液晶分子が使用される。この場合、透明導電層14,16により電界が印加されていない状態において、液晶分子の向きは不規則となる。したがって、ノーマルタイプの液晶素子10は、電界が印加されていない状態において、白濁して液晶素子10を介した視認性が低くなる。一方、透明導電層14,16により電界が印加された状態において、液晶分子は配向されるようになる。したがって、ノーマルタイプの液晶素子10は、電界が印加された状態で透明となり、これにより液晶素子10を介した視認性が高くなる。
また、リバースタイプの液晶素子10では、ネガ型の液晶分子が使用される。この場合、透明導電層14,16により電界が印加された状態において、液晶分子の向きは不規則となる。したがって、ノーマルタイプの液晶素子10は、電界が印加されている状態において、白濁して液晶素子10を介した視認性が低くなる。一方、透明導電層14,16により電界が印加されていない状態において、液晶分子は配向されるようになる。したがって、リバースタイプの液晶素子10は、電界が印加されていない状態で透明となり、これにより液晶素子10を介した視認性が高くなる。
次に、図3〜図9を参照して、液晶素子10の製造方法について説明する。
まず、基材13,15を準備する。基材13,15としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース(三酢酸セルロース:TAC)等のセルロース系樹脂、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)樹脂などを含有するフィルム材を用いることができる。
この基材13,15上に透明導電層14,16を形成する。これにより第1基材13上に第1透明導電層14が設けられた第1支持板11、及び、第2基材15上に第2透明導電層16が設けられた第2支持板12が作製される。例えば、長尺状の基材13,15をロール状に巻き取っておき、ここから基材13,15を連続的に繰り出す。繰り出された基材13,15上に透明導電層14,16を形成し、作製された支持板11,12をそれぞれロール状に巻き取る。このようにして作製された支持板11,12を図3に示す。
透明導電層14,16は、例えば透明導電材であるITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(Aluminum-doped Zinc Oxide)、GZO(Gallium-doped Zinc Oxide)、ATO(Antimony Tin Oxide)、ZNO(Zinc Oxide)等の金属酸化物を含有する層を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)、またはこれらの2以上を組み合わせた方法を用いて形成することができる。また、透明導電層14,16を導電性高分子材料を含有する層として形成する場合は、例えば導電性高分子材料を種々の塗布法又は印刷法等を用いて基材13,15上に形成することで、透明導電層14,16を形成することができる。さらに、透明導電層14,16を銀ナノワイヤー、カーボンナノチューブ等を含有する層として形成する場合は、例えば銀ナノワイヤー、カーボンナノチューブ等を水等の溶剤に分散させた分散液を基材13,15上に塗布した後に乾燥させることで、透明導電層14,16を形成することができる。
次に、第1支持板11をロールから繰り出し、例えば、重合性を有するモノマー、光重合開始剤及び重合基を有しない液晶材料を混合した液晶混合材料29を、ダイコーター、メイヤーバーコーター等を用いて第1支持板11の第1透明導電層14上に塗布する。
液晶材料としては、特に限られないがネマティック材料等の液晶材料を用いることができる。具体的には、例えばメルク社製のE7等のネマティック材料等を用いることができる。
重合性を有するモノマーとしては、液晶を相分離させることが可能でかつ光透過性の高い材料であればよく、単官能、多官能いずれの重合性モノマー(重合性基)を有する樹脂を使用することができる。このような樹脂としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類等が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとの表記は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、アクリル系以外にも、カチオン重合性モノマーとして、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート等の脂環式エポキシド類、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類等を用いることもできる。これら重合性モノマーは、要求される性能、塗布適性等に応じて、1種類単独で又は2種類以上を併用して用いることができる。
光重合開始剤としては、特に限られることなく様々な光重合開始剤を使用することができる。例えば、ベンゾイン及びそのアルキルエーテル化物、ベンジルケタール類、アセトフェノン類を用いることができる。アセトフェノン類としては、例えばヒドロキシアセトフェノン、アミノアセトフェノン、ジアルコキシアセトフェノン、ハロゲン化アセトフェノン等を用いることができる。これらの光重合開始剤は、例えば、BASF社製のイルガキュア907、イルガキュア651、イルガキュア184(いずれも登録商標)等の商品が市販されており、これらを単独で、あるいは混合して用いることができる。
また、第2支持板12をロールから繰り出し、第2支持板12の第2透明導電層16上に散布装置を用いてスペーサ25を散布する。スペーサ25としては、例えばプラスチックビーズ等の光透過性の高い樹脂製のものを用いることができる。
次に、液晶混合材料29が設けられた第1支持板11と、スペーサ25が散布された第2支持板12とを、液晶混合材料29とスペーサ25とが互いに対面するようにして積層する。このとき、第1支持板11と第2支持板12とが互いに押圧されるようにすることにより、スペーサ25が液晶混合材料29中に埋め込まれ、これによりスペーサ25が第1支持板11と第2支持板12との間隔を所定の間隔に保つ。なお、上記では第1支持板11の第1透明導電層14上に液晶混合材料29を塗布し、第2支持板12の第2透明導電層16上にスペーサ25を散布するものを示したが、これに限られず、第1支持板11の第1透明導電層14上にスペーサ25を散布し、第2支持板12の第2透明導電層16上に液晶混合材料29を塗布するようにしてもよい。
この状態で、例えば支持板11,12を介して紫外線を液晶混合材料29に照射することにより液晶混合材料29を硬化させ、この液晶混合材料29から高分子分散型液晶層20を形成する。ここで、液晶混合材料29として、例えば、重合性を有するモノマー、光重合開始剤及び重合基を有しない液晶材料を混合したものを用いた場合、重合性を有するモノマーが光重合する際に、重合基を有しない液晶材料が相分離して液滴状となる。これにより、モノマーが重合したものが高分子分散型液晶層20の高分子マトリックス21をなすようになり、相分離した重合基を有しない液晶材料が高分子分散型液晶層20の液晶材料22をなすようになる(図4参照)。なお、このとき重合性を有するモノマーが完全に重合し、高分子マトリックス21が完全に硬化した状態としてもよいし、重合性を有するモノマーが完全には重合せず、高分子マトリックス21が半硬化(仮硬化)した状態としてもよい。なお、ここで高分子マトリックス21が半硬化(仮硬化)した状態である場合、後に高分子マトリックス21を本硬化(完全硬化)させる工程を設けることが好ましい。
次に、図5に示すように、支持板11,12及び高分子分散型液晶層20を所定の寸法に裁断して液晶素子用中間部材30を得る。図示された例では、第1支持板11の液晶素子用中間部材30の板面に沿った幅Wは、第2支持板12の液晶素子用中間部材30の板面に沿った幅Wよりも大きくなるように裁断される。このとき、図示された例では、第2の支持板12が裁断箇所において第1の支持板11に向けて押圧される。これにより、裁断箇所近傍すなわち液晶素子用中間部材30の縁部において、高分子分散型液晶層20が外部に押し出され除去される。したがって、高分子分散型液晶層20の液晶素子用中間部材30の板面に沿った幅Wは、第1支持板11の幅W及び第2支持板12の幅Wよりも小さくなる。とりわけ図示された例では、第2支持板12の幅Wは高分子分散型液晶層20の幅Wよりも大きく、第1支持板11の幅Wは、第2支持板12の幅Wよりも大きくなっている。すなわち図示された例では、
> W > W
の関係を満たすようになっている。
なお、上記では第2の支持板12が裁断箇所において第1の支持板11に向けて押圧されることにより、液晶素子用中間部材30の縁部において高分子分散型液晶層20が外部に押し出され除去されるものを示したが、これに限られず、支持板11,12及び高分子分散型液晶層20を所定の寸法に裁断した後に、液晶素子用中間部材30の縁部における高分子分散型液晶層20を適宜の方法で除去するようにしてもよい。
図5に示された例では、液晶素子用中間部材30は、第1支持板11と、第1支持板11と対向して配置された第2支持板12と、第1支持板11と第2支持板12との間に配置された高分子分散型液晶層20とを備え、第1支持板11及び第2支持板12は、それぞれ、基材13,15と、基材13,15上に設けられた透明導電層14,16とを有している。この液晶素子用中間部材30において、図6に示されているように、第2支持板12を、その縁部12aにおいて第1支持板11から離間するように曲げる。例えば、第2支持板12の縁部12aの第1支持板11と反対側の面を吸盤で吸着し、第1支持板11と反対側へ向かって引張ることにより、第2支持板12の縁部12aを第1支持板11から離間するように曲げる。
とりわけ図6に示された例では、第2支持板12は、その縁部12aにおいて、液晶素子用中間部材30の端縁に近づくにつれて第1支持板11から離間するように曲がっている。すなわち、第1支持板11の縁部11aと第2支持板12の縁部12aとの間の、液晶素子用中間部材30の板面への法線方向に沿った間隔は、液晶素子用中間部材30の端縁に近づくにつれて広がっている。とりわけ、第1支持板11の縁部11aと第2支持板12の縁部12aとの間の、液晶素子用中間部材30の板面への法線方向に沿った間隔は、液晶素子用中間部材30の端縁に近づくにつれて広がり続けている。しかしこれに限られず、第1支持板11の縁部11aと第2支持板12の縁部12aとの間の、液晶素子用中間部材30の板面への法線方向に沿った間隔が、液晶素子用中間部材30の端縁に近づくにつれて変化しない部分や、液晶素子用中間部材30の端縁に近づくにつれて狭くなる部分を有していてもよい。なお、図6には、第2支持板12が、第2支持板12の縁部12aと中央部12bとの境界において折り曲げられているものを示したが、これに限られず、第2支持板12が、第2支持板12の縁部12aと中央部12bとの境界において曲線状をなして曲がっていてもよい。
次に、第2支持板12の曲げられた箇所と第1支持板11との間を封止材35により封止する。例えば、図7に示すように、第2支持板12の曲げられた箇所と第1支持板11との間に封止材料36を塗布する。とりわけ図示された例では、第2支持板12の曲げられた箇所と第1支持板11との間だけでなく、第1支持板11の縁部11a上から第2支持板12の縁部12a上にかけて封止材料36を塗布する。封止材料36の塗布は、例えばディスペンサ等を用いて行うことができる。封止材料36としては、例えば高分子分散型液晶層20の高分子マトリックス21をなす材料と同様のものを用いることができる。光重合開始剤についても、例えば上述の光重合開始剤を用いることが可能である。
次に、封止材料36を硬化させる。封止材料36に、例えば紫外線、電子線等を照射することにより封止材料36を硬化させ、硬化した封止材料36から封止材35を形成する。ここで、図8に示した例では、封止材料36中に含まれる光重合開始剤として酸素阻害を受ける光重合開始剤を用いている。すなわち、雰囲気中に存在する酸素により、光重合開始剤におけるモノマーやプレポリマーの重合促進機能が阻害されるようになっている。この場合、雰囲気中に酸素が含まれている状態で、封止材料36に、紫外線、電子線等を照射すると、封止材料36の雰囲気に接触する外側部分36bは、雰囲気中の酸素と接触することによりその重合反応の進行が阻害され十分に重合(硬化)しない。一方、封止材料36の内側部分36a、とりわけ第2支持板12の曲げられた箇所と第1支持板11との間の部分36aは、雰囲気中の酸素による重合促進の阻害(酸素阻害)を受けず、十分に重合(硬化)する。これにより、封止材料36のうち、第2支持板12の曲げられた箇所と第1支持板11との間の部分36aを十分に硬化させ、それ以外の部分36bは十分に重合させないようにすることができる。なお、このように、封止材料36のうち、第2支持板12の曲げられた箇所と第1支持板11との間の部分36aを十分に硬化させ、それ以外の部分36bは十分に重合させないようにするには、例えば、封止材料36中に含まれる光重合開始剤の種類、量(濃度)、雰囲気中の酸素濃度、照射する紫外線、電子線等の強度、照射時間等を適宜調整すればよい。
その後、図9に示すように、封止材料36のうち、十分に重合(硬化)していない部分36bを、例えば溶剤による溶解処理等により除去する。これにより、十分に重合(硬化)し、除去されなかった部分36aから封止材35が形成される。
最後に、第1支持板11を所定の寸法に裁断して、図2に示される液晶素子10を得る。このとき、第2支持板12や封止材35の周縁部も同時に裁断し、液晶素子10の周縁部の形状、とりわけ液晶素子10の板面への法線方向から観察したときの液晶素子10の周縁部の形状を整えるようにしてもよい。
上述した実施の形態の液晶素子10は、第1支持板11と、第1支持板11と対向して配置された第2支持板12と、第1支持板11と第2支持板12との間に配置された高分子分散型液晶層20とを備え、第1支持板11及び第2支持板12は、それぞれ、基材13,15と、基材13,15上に設けられた透明導電層14,16とを有し、第2支持板12は、その縁部12aにおいて第1支持板11から離間するように曲がっている。
上述した実施の形態の液晶素子10の製造方法は、第1支持板11と、第1支持板11と対向して配置された第2支持板12と、第1支持板11と第2支持板12との間に配置された高分子分散型液晶層20とを備え、第1支持板11及び第2支持板12は、それぞれ、基材13,15と、基材13,15上に設けられた透明導電層14,16とを有する、液晶素子用中間部材30において、第2支持板12を、その縁部12aにおいて第1支持板11から離間するように曲げる工程を有する。
このような液晶素子10及び液晶素子10の製造方法によれば、液晶素子10の第2支持板12は、その縁部12aにおいて第1支持板11から離間するように曲がっている(曲げられる)。これにより、支持板11,12の透明導電層14,16どうしの接触による短絡が効果的に防止される。したがって、液晶素子10の動作を安定させることができる。
また、図10に示すように、液晶素子10を保管等のために複数枚積層した場合、隣接する液晶素子10どうしは、その中央部すなわち高分子分散型液晶層20が存在する領域に対応した部分に間隙Gを有して、液晶素子10の周縁部でのみ互いに接触する。これにより、隣接する液晶素子10どうしが密着してしまうことを防止することができ、各液晶素子10の取り扱いが容易になる。
さらに、隣接する液晶素子10どうしは、その中央部すなわち高分子分散型液晶層20が存在する領域に対応した部分に間隙Gを有しているので、液晶素子10の表面における高分子分散型液晶層20が存在する領域に擦り傷等を生じることを効果的に抑制することができる。
以下、本発明の実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<液晶混合材料(高分子分散型液晶層をなす材料)の作製>
重合性基を有しないネマティック液晶材料80質量部、イソボルニルアクリレートを19質量部、及び、光重合開始剤としてBASF社製イルガキュア651を1質量部混合し、液晶混合材料を作製した。
<封止用樹脂材料(封止材料)の作製>
イソボルニルアクリレートを18質量部、密着補助剤として日本化薬社製KAYAMER PM−2を1質量部、及び、光重合開始剤としてBASF社製イルガキュア651を1質量部混合し、封止用樹脂材料を作製した。
<高分子分散型液晶素子の作製>
支持板として、100μm厚のPETフィルム基材上にシート抵抗150Ω/□のITO膜(透明導電層)が成膜されたものを2枚準備し、一方の支持板のITO膜上にスペーサードライ散布装置(株式会社アイエヌジー社製SDI−12)を用いて直径16μmのスペーサ剤(積水化学株式会社製ミクロパール(登録商標)SP216)を散布し、他方の支持板のITO膜上に、上述の液晶混合材料をメイヤーバーコーターを用いて塗布した。
2枚の支持板を、一方の支持板上のスペーサ剤と他方の支持板上の液晶混合材料が互いに対面するようにして貼り合せ、0.4mW/cmの紫外線を10分間照射し、液晶混合材料中のイソボルニルアクリレートを重合(硬化)させて高分子分散型液晶素子を作製した。得られた高分子分散型液晶素子に各ITO膜からの電極取り出し加工を行うとともに一方の支持板を所定の大きさに裁断し、外周部から1mmの箇所で、一方の支持板の縁部が他方の支持板から離間するように折り曲げ加工を行った。
裁断した支持板の外周上にディスペンサを用いて封止用樹脂材料を塗布し、一方の支持板の曲がっている箇所と他方の支持板との隙間に、毛細管現象を利用して封止用樹脂材料を注入した。この状態で0.4mW/cmの紫外線を2分間照射し封止用樹脂材料を硬化させた。酸素阻害を受けて十分に硬化していない封止用樹脂材料をMEK、アセトン等の溶剤を用いて洗浄、除去し、他方の支持板を所定の大きさに断裁し、高分子分散型液晶素子を作製した。
<ITO膜間の絶縁確認>
得られた高分子分散型液晶素子のITO膜間の絶縁を確認したところ、十分に絶縁されていることを確認した。
<液晶の漏出確認>
得られた高分子分散型液晶素子に対し100kgfで10分間の加圧を行って液晶の漏れ出しの有無を確認したところ、液晶の漏れ出しはなかった。
10 液晶素子
10a 端縁
11 第1支持板
11a 縁部
12 第2支持板
12a 縁部
12b 中央部
13 第1基材
14 第1透明導電層
15 第2基材
16 第2透明導電層
20 高分子分散型液晶層
21 高分子マトリックス
22 液晶材料
25 スペーサ
29 液晶混合材料
30 中間部材
35 封止材

Claims (8)

  1. 第1支持板と、前記第1支持板と対向して配置された第2支持板と、前記第1支持板と前記第2支持板との間に配置された高分子分散型液晶層とを備え、
    前記第1支持板及び前記第2支持板は、それぞれ、基材と、前記基材上に設けられた透明導電層とを有し、
    前記第2支持板は、その縁部において前記第1支持板から離間するように曲がっている、液晶素子。
  2. 前記基材は樹脂で形成されている、請求項1に記載の液晶素子。
  3. 前記第2支持板の曲がっている箇所と前記第1支持板との間は、封止材により封止されている、請求項1又は2に記載の液晶素子。
  4. 前記封止材は、酸素阻害を受ける光硬化型樹脂を含んでいる、請求項3に記載の液晶素子。
  5. 前記第2支持板の曲がっている箇所に対応した領域において、その厚みが端縁に向けて厚くなっている、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶素子。
  6. 第1支持板と、前記第1支持板と対向して配置された第2支持板と、前記第1支持板と前記第2支持板との間に配置された高分子分散型液晶層とを備え、前記第1支持板及び前記第2支持板は、それぞれ、基材と、前記基材上に設けられた透明導電層とを有する、液晶素子用中間部材において、前記第2支持板を、その縁部において前記第1支持板から離間するように曲げる工程を有する、液晶素子の製造方法。
  7. 前記第2支持板の曲げられた箇所と前記第1支持板との間を封止材により封止する工程をさらに有する、請求項6に記載の液晶素子の製造方法。
  8. 前記封止材は、酸素阻害を受ける光硬化型樹脂を含んでいる、請求項7に記載の液晶素子の製造方法。
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