JPH08129183A - 液晶素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶素子及びその製造方法

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JPH08129183A
JPH08129183A JP6268974A JP26897494A JPH08129183A JP H08129183 A JPH08129183 A JP H08129183A JP 6268974 A JP6268974 A JP 6268974A JP 26897494 A JP26897494 A JP 26897494A JP H08129183 A JPH08129183 A JP H08129183A
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liquid crystal
cell
gap
substrates
solidified
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Application number
JP6268974A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Ishihara
知幸 石原
Takeshi Hashimoto
毅 橋本
Yousuke Fujino
陽輔 藤野
Shinya Tawara
慎哉 田原
Yutaka Kumai
裕 熊井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AG Technology Co Ltd
Original Assignee
AG Technology Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】液晶と固化物とからなる液晶固化物複合体を用
いた液晶素子の表示ムラを低減する。 【構成】液晶固化物複合体5を挟む基板1A、1Bの基
板間ギャップを、シール部分W2 よりセル中心部分でW
1 で小さくする。これにより、固化時に収縮が生じて
も、遮光膜4の下のマトリクスの横方向への移動を抑制
し、遮光膜4の下の特性が異なる部分が画素内に出てこ
ないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶と樹脂の固化物と
の複合体層を有する液晶素子及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】液晶と樹脂の固化物との複合体層を有す
る液晶素子は、透過−散乱を制御することにより表示可
能になり、偏光板が必要でなくなるという利点を有して
おり、最近注目されている。
【0003】この液晶と樹脂の固化物との複合体層は、
均一性の良い層を形成するために、次のような製造方法
で製造されることが多い。まず、液晶と固化性化合物の
混合液をセル内に真空注入する。この場合、固化性化合
物として紫外線硬化性化合物を用いると短時間で固化が
可能であり、加熱が不要であり、複合体層の特性を制御
しやすいという利点がある。
【0004】次いで、固化性化合物を重合固化させる。
この際に、使用する固化性モノマーあるいは固化性オリ
ゴマーが体積収縮を起こすことは、通常の重合反応から
と何等変わらない現象である。一般に前者のほうが収縮
率が大きく、後者が小さいため、得られる素子の電気光
学特性を考慮しながら両者混合、あるいは後者単独で使
用されることが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような収縮を生じ
た場合、2枚の基板間をシールで保持したセルにおいて
は、重合固化時に収縮により生じる応力の影響がセル内
の場所により異なり、これが表示ムラを生じるという問
題点を生じることが判明した。
【0006】即ち、セル中心部分近傍では、固化性化合
物の固化に伴う収縮は、基板間隙を狭めるように働き、
通常収縮分に対応する分だけ基板間隙が減少する。これ
に対して、シール近傍では、シールにより基板間隙の縮
小が妨げられ、これが複合体層中の液晶の配向に液晶を
与え、表示特性がセル内の場所によって変化するという
問題を生じる。
【0007】特に、表示領域の各画素の周囲に遮光膜を
形成した液晶素子であって、固化性化合物として光硬化
性化合物を用いた場合には、シール近傍の画素ほど、画
素の遮光時(散乱時)に光の透過率(直線透過光)が高
くなるという問題点があった。本発明は、これらの問題
点を解決し、固化に伴う液晶への影響を抑制し、セル内
の広範囲において、表示特性の均一性の良い液晶素子を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、液晶と固化性化合物
の混合液をセル内で重合固化することにより液晶と固化
物とからなる液晶固化物複合体を形成した液晶素子にお
いて、基板間ギャップがシール部分よりセル中心部分で
減少していて、セル中心部分ではスペーサーにより基板
間ギャップが保持されていることを特徴とする液晶素子
を提供するものである。
【0009】また、その液晶素子が表示領域の各画素の
周囲には遮光膜が形成され、固化性化合物が光硬化性化
合物であり、光硬化により固化させられた液晶素子であ
ることを特徴とする液晶素子、及び、それらの基板間ギ
ャップがシール部分に比してセル中心部分で、 0.4〜 1
μm小さくなっていることを特徴とする液晶素子を提供
するものである。
【0010】また、液晶と固化性化合物の混合液をセル
内に注入した後、セルの表面を加圧するか注入口から減
圧して、シール部分に比してセル中央部分の基板間ギャ
ップを狭くさせた状態で、セル内に固化性化合物を固化
させることにより、さらに液晶と固化物とからなる液晶
固化物複合体の容積を減少せしめて、基板間ギャップが
シール部分よりセル中心部分で減少している液晶素子を
製造することを特徴とする液晶素子の製造方法を提供す
るものである。
【0011】本発明では、固化性化合物が固化する際
に、収縮することを前提に、収縮が生じたとしても表示
の均一性を向上させることができる。このため、液晶と
固化性化合物の混合液をスペーサーの存在下でセル内で
重合固化させ、その基板間ギャップがシール部分よりセ
ル中心部分で減少していて、セル中心部分ではスペーサ
ーにより基板間ギャップが保持されるようにされる。
【0012】固化性化合物が固化する際に収縮が生じ
る。この際に、シールの極近傍ではシールの高さがあら
かじめ決まっているため、高さ方向に収縮することがで
きない。そのため、シールから離れた位置、即ちセル中
心部分側に対して横方向に収縮の力が働く。このため、
シールの極近傍の隣接位置では、高さ方向にやや収縮す
ると共に横方向にも収縮する。これは、シールの極近傍
に比しては、シールの高さの影響は少ないが、やはり基
板の剛性からセル中心部ほど自由に曲がれないためであ
る。
【0013】このような作用をする領域は、基板間ギャ
ップ、基板の材質、セルの大きさ等によっても異なる
が、一般には数mm〜30mm程度となる。さらに内側の
領域では、基板間ギャップはスペーサーによって規定さ
れる。このスペーサーの高さをうまく調整してやること
により、固化後の収縮が生じた際に表示領域においてセ
ル中央部とシールの近傍との表示の均一性が向上する。
【0014】本発明に用いる液晶と固化性化合物の混合
液は、液晶と、重合固化後に固化物マトリクスを構成す
る固化物材料とを混ぜ合わせて液状とし、これをセル内
に注入後、密閉雰囲気下で、光硬化、熱硬化、電子線硬
化等により重合させて固化させられるものであればよ
い。この固化後において、固化物マトリクス中に液晶が
分散した状態をとるものであればよい。この液晶が分散
というのは、固化物マトリクスがカプセルを形成し、カ
プセル中に液晶が封入されたような状態のものも、3次
元マトリクス状の多孔質マトリクス中に液晶が含浸され
たような液晶が連通している状態のものも、その中間的
な状態のものも含む。
【0015】この液晶としては、電圧の印加により透過
散乱を制御することができるものであれば使用でき、通
常はネマチック液晶が使用される。なお、この代わりに
スメクチック液晶を用いたり、液晶中に2色性色素、カ
イラル物質等の通常の液晶に添加されるような材料を添
加してもよい。
【0016】固化性化合物としては、光硬化、熱硬化、
電子線硬化等により重合させて固化させられるものであ
ればよい。中でも、光硬化性の化合物が、固化を制御し
やすく、かつ短時間で固化させられるので、好適であ
る。特に、光硬化性のアクリル系化合物を使用すること
により、液晶とのなじみも良く、短時間で均一な樹脂マ
トリクス層を形成しやすいので、有利である。なお、こ
れらの液晶と固化性化合物との混合液には、固化のため
の重合開始剤をはじめ、基板間隔を維持するスペーサ
ー、顔料、色素、粘度調整剤、連鎖移動材、その他本発
明の性能に悪影響を与えない添加剤を添加してもよい。
【0017】この液晶素子は、一対の基板間に液晶が固
化物マトリクス中に分散保持され、その固化物マトリク
スの屈折率が使用する液晶の常光屈折率(n0)とほぼ一致
するようにされることが好ましい。これにより透過散乱
型の液晶素子であって、明るい表示が得られる液晶素子
を容易に得ることができる。
【0018】本発明では、液晶と固化性化合物の混合液
が均一溶液となるものを使用することが好ましい。この
混合液を所定の温度において均一溶解液にしておいて、
これを光硬化、熱硬化、電子線硬化等により固化させて
樹脂などの固化物マトリクスを相分離し、粒子状の液晶
と固化物マトリクスとが複合体を形成するようにすれば
よい。
【0019】本発明の液晶素子の基板は、ガラス、プラ
スチック等の公知の基板が使用でき、その内面には電極
が形成されている。この電極は、通常は画素電極はIn2O
3-SnO2(ITO)、SnO2等の透明電極とされる。もちろ
ん、反射型表示の場合には、反射性の電極とされてもよ
い。また、電極と基板との間に、SiO2、TiO2等の絶縁性
のコーティング層を設けたり、画素周辺にTFT、MI
M、ダイオード等の能動素子を設けたり、遮光膜、カラ
ーフィルター等を設けてもよい。
【0020】本発明の液晶素子は特に各画素に能動素子
が設けられ、各画素周辺に遮光膜を設けた液晶素子の場
合に好適であり、投射型表示装置に用いられる液晶素子
に好適である。
【0021】本発明では、この液晶素子にはスペーサー
が用いられる。このスペーサーは通常は通常のTN型液
晶表示素子等で使用される粒子状や繊維状のスペーサー
で使用できる。このスペーサーは液晶と固化性化合物の
混合液に混合されて注入してもよいし、セル化時に基板
上にスペーサーを散布してからセル化してもよい。ま
た、スペーサーを基板表面に印刷したり、フォトリソプ
ロセスで形成してもよい。
【0022】このスペーサーは、本発明の固化性化合物
が収縮するので、シリカやアルミナの粒子やガラス繊維
といような固いものよりも、弾力性のあるプラスチック
の粒子のスペーサーの使用が好ましい。
【0023】また、このスペーサーは本発明の固化性化
合物が固化して収縮した際に、シールの高さよりも低い
高さ(基板間ギャップ)で保持されるものであればよ
い。通常は、その弾力性にもよるが、シールの高さより
も低い高さのスペーサーを用いることが好ましい。
【0024】図1は、本発明の液晶素子の断面図であ
る。図1において、1A、1Bは基板、2A、2Bは電極、 3は
シール、 4は画素間の遮光膜、 5は液晶と固化性化合物
とから形成された液晶固化物複合体を示している。この
図では、分かりやすくするために、液晶セル内では横方
向に比して縦方向の倍率を大きくしてあり、かつ基板も
基板1Aのみがたわんでいるように示してある。実際の液
晶素子では、両方の基板がたわんでセル中央部でシール
近傍よりは基板間ギャップが小さくされている。
【0025】また、この図1では、スペーサーを描くと
複数の画素を覆うような大きなスペーサーとして描かれ
るので、誤解を避けるためにスペーサーが省略してあ
る。スペーサーは基板間に配置されている。なお、画素
のピッチは 100μm〜 500μm程度であるのに対し、基
板間隙は 5〜20μm程度であり、実際の液晶素子では球
状のスペーサーを用いても画素よりもスペーサーは充分
小さくなる。
【0026】図1では、基板間ギャップはシール部分で
はW1 、セル中心部分ではW2 で表されている。このギ
ャップ差は、W1 −W2 で大旨 0.4〜 1μm小さくされ
ればよい。この値はSTN型液晶表示素子等でこのよう
な構成を取っている液晶表示素子に比してはずっと大き
い。これはSTN型液晶表示素子で基板間ギャップの均
一性は 0.1μm程度以下が要求されているためである。
【0027】本発明の基板間ギャップをシール部分より
セル中心部分で小さくし、凹型にしているのは、従来の
STN型液晶表示素子の場合とは全く異なる機構で表示
の均一化を図るものである。即ち、STN型液晶表示素
子の場合には、液晶はセル化後も液体であり、流動して
いる。そして、表示の均一化のためには、基板間ギャッ
プのずれが大きくても 0.1μm程度以下にしないと表示
ムラが見えてしまうものであり、表示領域内おいてでき
るだけ均一ギャップとなるように設計されている。
【0028】この場合、特公昭59-18685号のように、シ
ールの高さよりもセル内部が凹型になるように内部を減
圧状態に保つことにより、スペーサーにより基板間隙が
かなり均一に保つことができる。
【0029】これに対して、本発明ではシール部分とセ
ル中心部分とで基板間ギャップの差を大きく取ってい
る。これは、表示領域内で基板間ギャップのずれを 0.1
μm程度以下にすることを目的としていないためであ
る。これは、本発明の素子が固化されるため、固化後に
おいては従来の液晶のように流動しないので、固化後に
は基板間ギャップの変動はほとんど生じないため、及
び、表示が透過散乱型なのでSTN型のように厳密な基
板間ギャップ精度が不要なためである。
【0030】特に、本発明では従来のSTN型液晶表示
素子の場合のように完成した液晶表示素子の基板間ギャ
ップがセル全体で均一フラットであることは好ましくな
い。このよう基板間ギャップを均一フラットにした場合
には、本発明の液晶素子では後述するようにマトリクス
の横方向の移動が生じて、特性が異なる部分が生じ、表
示ムラを生じることになる。
【0031】また、本発明のようなマトリクスを固化さ
せる液晶素子の場合には、セル化後の基板間ギャップの
変動は実質的に無いので、それを抑える目的のために特
公昭59-18685号のような手段を採る必要がない。しか
し、本発明の液晶素子では固化性化合物の固化という工
程を経るために、固化に伴う収縮という新たな問題が生
じていた。本発明は、この固化に伴うマトリクスの収縮
によるマトリクスの固化状態の差またはそれによるマト
リクスの移動から生じる表示ムラの低減を図るものであ
る。
【0032】これは、固化性化合物の固化の工程におい
て、シール部分の極近傍では、シールにより高さが制限
されているので、高さ方向の基板間ギャップの低下とい
う方法で固化に伴う収縮を吸収できない。このため、収
縮が横方向に生じ、それが液晶の配向に液晶を与え、マ
トリクスの移動を生じる。一方、セル中心部近傍では収
縮はほぼ高さ方向のみで吸収される。
【0033】このため、セル中心部分とシール部分の近
傍とでは、液晶と固化してきたマトリクスとからなる液
晶固化物複合体の特性に差が生じることになる。
【0034】これを図2を参照して説明する。図2は各
画素16の周辺に遮光膜14を形成した液晶素子で、固化性
化合物として光硬化型固化性化合物を用いた場合を例に
して説明する。分かり易くするために5×5マトリクス
として画素が左上端からA11、A12、A13、A14、A15 で右上端
となり、中央がA33 、右下端がA55 (不図示)となって
いる。
【0035】各画素A11、………A55 の周囲には遮光膜が
形成されている。もし、この素子をシール部分とセル中
心部分とが特別な配慮をせずに固化させると、固化に伴
う収縮でシール部分からセル中央部分に向かって徐々に
基板間ギャップが減少する。この場合、前述したように
セル中央部分では高さ方向に収縮するのに対し、シール
部分の近傍では横方向にも収縮が起きる。
【0036】この例の場合には、遮光膜が存在する部分
では重合を生じさせるための光が遮光されるため、重合
の進行が遅くなる。このため、短時間で光照射を終了す
れば遮光膜の下の部分では反応が不充分となり、画素の
良く光が照射された部分に比してマトリクスの重合度が
低くなる。また、充分反応を進行させても、遮光膜が存
在する部分では他の部分が固まっているのに、まだ柔ら
かい期間を生じるので、特に横方向に引っ張られて、固
まった部分と固まっていない部分との間に特性の差を生
じる。
【0037】この状態を示しているのが図2であり、セ
ル中央部分の画素A33 では画素全体がほぼ均一に固化さ
れているのに対し、そこから周辺に行くに従い、特性が
異なる部分17が、発生している。この特性が異なる部分
17は、マトリクスの固化に伴いシールに近い部分ほど横
方向に(中央からシールに向かって)引っ張られ、遮光
膜の下になっていた部分が画素の部分に引き出されてき
ている。
【0038】このような状態になると、画素毎に透過特
性が変化し、画像が全体で均一にならないという問題点
を生じる。これに対して、本願発明ではスペーサーを適
切に配置して、セル中央部分で凹型になるようにしてい
るので、収縮時に横方向への移動を抑制することができ
る。このため、図2に示したような特性の異なる部分17
が小さくでき、均一な表示特性が得られる。
【0039】これは、スペーサーによりセル中央部分で
は高さ方向の収縮が抑制される。このため、比較的シー
ル部分近傍まで、基板がスペーサーの間隔まで強制的に
曲げられ、基板が湾曲する位置が、シール部分のかなり
近傍になる。このため、表示領域部分では基板間ギャッ
プはほぼ一定になり、かつほとんど横方向へのマトリク
スの収縮が生じなく、各画素において均一な透過特性が
得られる。
【0040】このようにした場合、前述のように 0.4〜
1μm程度の基板間ギャップの減少を生じさせても、基
板が湾曲し基板間ギャップが変動するのは、シール部分
から数mm〜十数mm程度の部分に限定することができ
る。このため、表示領域においてほぼ基板間ギャップが
一定となり、ほとんど横方向へのマトリクスの収縮によ
る移動が生じないので、固化時に遮光膜の下に当ってい
た部分のマトリクスが画素部分にほとんど出てこなく、
各画素においてほぼ均一な透過特性が得られる。
【0041】特に、固化前においても、シール部分に比
してセル中央部分の基板間ギャップを減少させた状態に
しておくことが、制御がしやすい。即ち、液晶と固化性
化合物の混合液をセル内に注入した後、セルの表面を加
圧するか注入口から減圧して、シール部分に比してセル
中央部分が凹むようにする。これにより、基板間ギャッ
プがセル中央部分で狭くなった状態とし、この状態で固
化性化合物の固化を行わせることが好ましい。
【0042】この固化により、固化したマトリクスの収
縮が生じ、さらに基板間ギャップが低下させられる。し
かし、スペーサーが存在しているので、基板間ギャップ
はある点でバランスした状態になる。このバランス点
は、スペーサーの径(高さ)と弾性、シール部分の高
さ、セルの大きさ、固化性化合物の固化に伴う収縮率等
により決まる。
【0043】一般に収縮率は 2〜10%程度のものが多い
し、液晶と固化物との容積比も25〜75%:75〜25%程度
であり、樹脂のスペーサーを用いればそれなりの弾性が
あるので、前述のように 0.4〜 1μm程度のギャップ差
になるようにされればよい。固化前のギャップ差は、こ
れよりも小さくされるが、やはりシール部分の基板間ギ
ャップはセル中央部の基板間ギャップよりも小さくされ
ることが好ましい。固化前の基板間ギャップ差を無しと
することも可能ではあるが、固化時の制御が難しくなる
ので、固化前から基板間ギャップ差を設けておく方がよ
い。
【0044】このようにして製造された液晶素子は、透
過型、反射型等の直視型表示素子として用いられてもよ
いが、投射型表示装置として用いられることが、従来の
TN型液晶素子を用いた投射型表示装置に比して明るい
表示が容易に得られるので好ましい。
【0045】この投射型表示装置として用いる場合に
は、光源、色分離光学系、本発明の液晶素子、色合成光
学系、投射レンズ等を組合せて、公知の投射型表示装置
と同様に構成すればよい。
【0046】
【実施例】
例1(実施例) 100mm角のガラス基板上に各画素毎にTFTを設け、
画素の周囲を遮光膜で覆ったTFT基板と、ベタ電極を
形成したガラス基板とを、周辺をシール材でシールして
空セルを形成した。このセルのシール部分の高さは13μ
mであった。なお、この空セル内には、あらかじめ平均
粒径が12.5μm径の樹脂スペーサーを散布により配置し
た。この空セル内に、2-ヒドロキシエチルアクリレート
19重量部、アクリルオリゴマー19重量部、光硬化開始剤
0.38重量部、ネマチック液晶62重量部とを均一に混合溶
解し混合液を注入した。
【0047】次いで、セル表面を加圧し、中央部分がシ
ール部分に比べ 0.2μm凹になるようにして注入口を封
止した。その後、紫外線を照射して重合を行わせて、マ
トリクスの固化を行った。この結果、セル中央部分で
0.4μm凹になった液晶素子が得られた。
【0048】この液晶素子はシール部分から約10mm程
度で基板が湾曲しており、それよりもセルの中央に向か
ってはわずかにしか曲がっていないものであった。この
液晶素子の表示ムラを調べたところ、ムラはほとんど無
いものであった。
【0049】例2(比較例) 注入後加圧する点を除いて、例1と同様にして、液晶セ
ルを形成し、中央部分がシール部分に比べ 0.2μm凸に
なるようにして注入口を封止した。その後、紫外線を照
射して重合を行わせて、マトリクスの固化を行った。こ
の結果、セルは全体にほぼフラットの液晶素子が得られ
た。
【0050】この液晶素子は基板間ギャップはほぼ均一
であったが、図2に示したように特性が異なる部分が画
素内に生じた。この特性が異なる部分は画素の位置(セ
ル中央近傍か、シール近傍か)によって、その位置面積
が異なり、散乱時における透過率(直線透過光)が、か
なり高いものであった。この液晶素子の表示ムラを調べ
たところ、周辺部分と中央部分との間でムラが発生して
いた。この表示ムラは、固化後の液晶素子では基板間ギ
ャップがフラットでありながら発生したものであった。
【0051】
【発明の効果】本発明では、基板間ギャップをシール部
分よりセル中心部分で狭くして、セル中心部分ではスペ
ーサーにより基板間ギャップが保持されるようにしてい
る。これにより、固化性化合物が固化する際に、収縮す
ることを前提に、固化工程により生じる特性が異なる部
分の悪影響を減少させることができ、表示ムラの低減を
図ることができる。
【0052】遮光膜と光硬化性固化物との組合せ、熱伝
導率の悪い部材と熱硬化性固化物との組合せというよう
に、部分的に固化の速度に差が生じる場合、特性が異な
る部分が生じる。この特性が異なる部分が、画素部分以
外で固定されていれば、表示ムラは生じないが、マトリ
クスの固化に伴い収縮が生じた場合、画素部分からこの
ような特性が異なる部分が画素部分に出てきてしまうこ
とがある。本発明では、このようなマトリクスの横方向
への移動に伴う表示ムラを低減することができる。
【0053】本発明では、スペーサーによりセル中央部
分では高さ方向の収縮が抑制され、比較的シール部分近
傍まで、基板がスペーサーの間隔まで強制的に曲げら
れ、基板が湾曲する位置が、シール部分のかなり近傍に
なる。これにより、表示領域部分では基板間ギャップは
ほぼ一定になり、かつほとんど横方向へのマトリクスの
収縮による移動が生じなく、各画素において均一な透過
特性が得られることになる。
【0054】本発明では、シール近傍の表示領域が基板
が湾曲している部分に該当することもあり、この場合に
はその部分はセルの中央部分よりも基板間ギャップがや
や大きくなる。このため、セル中央部分と同じ電圧を印
加した場合、単位長さ(高さ)当りの印加電圧はシール
近傍の部分はセル中央部分よりも低くなる。これによ
り、同じ電圧を印加してもシール近傍の部分ではより低
い電圧を印加したことと同じことになる。
【0055】これは、シール近傍の部分では透過率(直
線透過光)が低くなる(散乱性が高くなる)ことにな
る。しかし、前述のごとくマトリクスの横方向の移動が
生じて遮光膜の下の部分が画素にでてきた部分では、散
乱時の透過率がもともと高くなっている。このため、こ
の電圧の低下に伴う透過率の低下と、電圧非印加時のも
ともとの透過率の増加とが、相互に打ち消しあうことに
なるので、表示ムラは目立ちにくくなる。
【0056】この打ち消しあいは、あまり大面積では丁
度打ち消すようにすることは難しくなるが、シール近傍
の一部のみであれば、かなり効果的に打ち消されるよう
に固化条件等を制御できるので、表示ムラは極めて少な
くなる。本発明は、本発明の効果を損しない範囲内で、
種々の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の断面図である。
【図2】固化に伴う収縮による特性の異なる部分が生じ
た状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1A、1B:基板 2A、2B:電極 3 :シール 4 :遮光膜 5 :液晶固化物複合体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤野 陽輔 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 田原 慎哉 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 熊井 裕 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町松原1160番 地 エイ・ジー・テクノロジー株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶と固化性化合物の混合液をセル内で重
    合固化することにより液晶と固化物とからなる液晶固化
    物複合体を形成した液晶素子において、基板間ギャップ
    がシール部分よりセル中心部分で減少していて、セル中
    心部分ではスペーサーにより基板間ギャップが保持され
    ていることを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】請求項1の液晶素子が表示領域の各画素の
    周囲には遮光膜が形成され、固化性化合物が光硬化性化
    合物であり、光硬化により固化させられた液晶素子であ
    ることを特徴とする液晶素子。
  3. 【請求項3】請求項1または2の液晶素子において、基
    板間ギャップがシール部分に比してセル中心部分で、
    0.4〜 1μm小さくなっていることを特徴とする液晶素
    子。
  4. 【請求項4】液晶と固化性化合物の混合液をセル内に注
    入した後、セルの表面を加圧するか注入口から減圧し
    て、シール部分に比してセル中央部分の基板間ギャップ
    を狭くさせた状態で、セル内に固化性化合物を固化させ
    ることにより、さらに液晶と固化物とからなる液晶固化
    物複合体の容積を減少せしめて、基板間ギャップがシー
    ル部分よりセル中心部分で減少している液晶素子を製造
    することを特徴とする液晶素子の製造方法。
JP6268974A 1994-11-01 1994-11-01 液晶素子及びその製造方法 Pending JPH08129183A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100708803B1 (ko) * 2005-05-09 2007-04-18 삼성전자주식회사 액정표시장치의 제조방법 및 제조장치
JP2008292670A (ja) * 2007-05-23 2008-12-04 Toshiba Matsushita Display Technology Co Ltd 液晶表示装置
JP2009187941A (ja) * 2008-02-01 2009-08-20 Samsung Mobile Display Co Ltd 有機発光ディスプレイ装置及びその製造方法
JP2017097221A (ja) * 2015-11-26 2017-06-01 大日本印刷株式会社 液晶素子及び液晶素子の製造方法

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