JP2017097187A - 定着ベルト、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着ベルト、定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トナー画像の定着性と記録媒体の分離性の両方に優れる定着ベルトを提供する。
【解決手段】定着ベルト10では、耐熱性樹脂であるポリイミド製の基層12と、弾性材料としてシリコーンゴム製の弾性層16と、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂の離型層18とがこの順で積層されている。定着ベルト10の180℃における反発性は、0.4mm/ms以上かつ0.7mm/ms未満である。
【選択図】図1

Description

本発明は、定着ベルト、定着装置および画像形成装置に関する。
複写機やレーザービームプリンターなどの画像形成装置で採用される定着装置は、通常、加熱された定着ベルトを、未定着のトナー画像を担持している記録媒体に当接させて、トナー画像を記録媒体に定着させる。次いで、トナー画像が定着された記録媒体は、定着ベルトから分離される。上記定着ベルトは、例えば、基層、弾性層および離型層がこの順で積層されている無端状のベルトである。
上記定着ベルトとして、反発弾性率が5%以上かつ20%以下である定着ベルトが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の定着ベルトでは、弾性層の材料としてシリコーンゴムが使用されている。
特開2009−139619号公報
定着装置における定着性および分離性には、定着ベルトの反発性が寄与している。また、弾性層に使用されるシリコーンゴムは、常温時と高温時とでゴム物性が異なるため、常温時のゴム物性を考慮したベルト設計では、所期の定着性および分離性を得ることができないことがある。このため、従来の定着装置を有する電子写真方式の画像形成装置においては、紙詰まりが発生してしまうことがある。また、特許文献1からも明らかなように、定着性および分離性を高める観点から、常温時の反発弾性率に着目されている定着ベルトは知られているが、高温時における反発性に着目されている定着ベルトは知られていない。
本発明の第1の課題は、トナー画像の定着性と記録媒体の分離性の両方に優れる定着ベルトを提供することである。また、本発明の第2の課題は、トナー画像の定着と記録媒体の分離のいずれもが良好な定着を実現することである。
本発明者らは、上記の定着性および分離性の課題に対して、定着ベルトの高温時における反発性による解決を図り、鋭意検討を重ね、本発明を完成させた。
本発明に係る定着ベルトは、耐熱性樹脂製の基層と、弾性材料製の弾性層と、離型層とがこの順で積層されている無端状の定着ベルトであって、180℃における反発性は、0.4mm/ms以上かつ0.7mm/ms未満である。
本発明に係る定着装置は、無端状の定着ベルト、前記定着ベルトを軸支する二以上のローラ、および前記定着ベルトを加熱するための加熱装置を含む定着部材と、前記定着ベルトを介して前記ローラのうちの一つに対して相対的に付勢されるように配置される加圧ローラと、を有し、前記定着ベルトは、本発明に係る定着ベルトであり、前記ローラのうちの、前記加圧ローラに付勢されるローラのローラ径は、50mm以上である。
本発明に係る画像形成装置は、記録媒体上に電子写真方式によって形成された未定着のトナー画像を加熱および加圧によって前記記録媒体に定着させる定着装置を有する画像形成装置であって、前記定着装置は、本発明に係る定着装置である。
本発明によれば、トナー画像の定着性と記録媒体の分離性の両方に優れる定着ベルトを提供することができ、この定着ベルトを用いることにより、電子写真方式の画像形成装置において、トナー画像の定着と記録媒体の分離のいずれもが良好な定着を実現することができる。
図1Aは、本発明の一実施の形態に係る定着ベルトの一例を模式的に示す図であり、図1Bは、図1A中のB部を拡大して示す図である。 図2は、本発明の一実施の形態に係る定着装置の一例を模式的に示す図である。 図3は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の一例を模式的に示す図である。
[定着ベルト]
(定着ベルトの構成)
本実施の形態に係る定着ベルトは、耐熱性樹脂製の基層と、弾性材料製の弾性層と、離型層とがこの順で積層されている。当該定着ベルトの形状は無端状である。
上記基層は、耐熱性樹脂製である。上記耐熱性樹脂は、定着ベルトの使用温度において変性および変形を生じない樹脂から適宜に選ばれ、一種でもそれ以上でもよい。上記耐熱性樹脂の例には、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミドイミドおよびポリエーテルエーテルケトンが含まれる。中でも、耐熱性の観点から、ポリイミドが好ましい。
ポリイミドは、その前駆体であるポリアミド酸の、200℃以上の加熱による、または触媒を用いることによる、脱水・環化(イミド化)反応によって得ることができる。ポリアミド酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを溶媒に溶解し、混合・加熱による重縮合反応によって製造してもよいし、市販品を用いてもよい。上記ジアミン化合物およびテトラカルボン酸二無水物の例には、特開2013−25120号公報の段落0123〜0130に記載の化合物が含まれる。
上記基層は、本実施形態の効果が得られる範囲において、耐熱性樹脂以外の成分をさらに含んでいてもよい。たとえば、上記基層の材料は、他の樹脂成分をさらに含んでいてもよい。上記基層の材料における上記耐熱性樹脂の含有量は、成形性などの観点から、40〜100体積%であることが好ましい。
上記弾性層は、弾性材料製である。当該弾性層の材料(弾性材料)の例には、シリコーンゴムや熱可塑性エラストマー、ゴム材料などの弾性樹脂材料が含まれる。上記弾性材料は、耐熱性および弾性の観点から、シリコーンゴムであることが好ましい。
上記シリコーンゴムは、一種でもそれ以上でもよい。上記シリコーンゴムの例には、ポリオルガノシロキサンまたはその加熱硬化物が含まれる。たとえば、シリコーンゴムは、100質量部のジメチルポリシロキサン(ビニル基量0.72mol%)と、2.3質量部のSiH基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン(Si−H基量0.6mol%)と、1質量部のシリカとの加熱硬化物(特開2006−336668号公報)、100質量部のジメチルポリシロキサン(ビニル基量0.009mol%)と、1.2質量部のアルケニル基含有メチルハイドロジェンポリシロキサンおよび1.1質量部のSiH基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン(Si−H基量/アルケニル基=1.5)と、2質量部のシリカとの加熱硬化物(特開2008−255283号公報)、70質量部のビニル基含有ジメチルポリシロキサン(ビニル基量0.008mol%)および30質量部のビニル基非含有ジメチルポリシロキサンと、0.5質量部のSiH基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン(Si−H基量/アルケニル基=1.0)と、250質量部のアルミナとの加熱硬化物(特開2008−255283号公報)、または100質量部のジメチルポリシロキサン(ビニル基量0.72mol%)と、1.0質量部のSiH基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン(Si−H基量0.6mol%)と、250質量部のアルミナとの加熱硬化物(特開2005−70409号公報)である。
当該弾性層の厚さは、例えば、伝熱性および弾性を十分に発現させる観点から、5〜300μmであることが好ましく、50〜250μmであることがより好ましく100〜200μmであることがさらに好ましい。
上記弾性層は、本実施形態の効果が得られる範囲において、上記の弾性樹脂材料以外の成分をさらに含んでいてもよい。たとえば、上記弾性材料は、弾性層の伝熱性を高めるための伝熱性のフィラーをさらに含んでいてもよい。当該フィラーの材料の例には、シリカ、金属シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、カーボンおよび黒鉛が含まれる。上記フィラーの形態は、限定されず、例えば、球状粉末、不定形粉末、扁平粉末または繊維である。
上記弾性材料において、上記フィラーの含有量が多くなるほど、伝熱性が高くなるものの、上記弾性樹脂材料の含有比率が低下し、高温反発性が低下する傾向にある。上記弾性材料における上記弾性樹脂材料の含有量は、例えば、60〜100体積%であることが好ましく、75〜100体積%であることがより好ましく、80〜100体積%であることがさらに好ましい。
上記離型層は、トナー成分に対する適度な離型性を有する。上記離型層は、定着時に記録媒体に当接する定着ベルトの外表面を構成する。当該離型層の材料の例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、アルコール可溶性ナイロン、ポリカーボネート、ポリアリレート、フェノール、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリホスファゼン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンエーテル、ポリパラバン酸、ポリアリルフェノール、フッ素樹脂、ポリ尿素、アイオノマー、シリコーン、および、これらの混合物または共重合体、が含まれる。上記離型層の材料は、上記の離型性および耐熱性の観点から、フッ素樹脂であることが好ましく、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)であることがより好ましい。
上記離型層の厚さは、例えば、熱の伝達、弾性層の変形への追従および離型性の発現の観点から、5〜40μmであることが好ましく、10〜35μmであることがより好ましく、20〜30μmであることがさらに好ましい。
上記離型層は、本実施形態の効果が得られる範囲において、上記の樹脂マトリクス材料以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。たとえば、上記離型層は、潤滑材粒子をさらに含んでいてもよい。当該潤滑材粒子の例には、フッ素樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子およびシリカ粒子が含まれる。
上記離型層の材料における上記樹脂マトリクス材料の含有量は、伝熱性、および、弾性層の変形に十分に追従する柔軟性、の観点から、70〜100体積%であることが好ましい。
上記定着ベルトは、本実施形態の効果を奏する範囲において、前述した基層、弾性層および離型層以外の他の層をさらに有していてもよい。当該他の層の例には、補強層が含まれる。
上記補強層は、定着ベルトの機械的強度を高めるための層であり、例えば、定着ベルトにおける弾性層および離型層とは反対側の表面(基層の内周面)に配置される。当該補強層は、前述した耐熱性樹脂で構成することができ、その厚さは、適宜に決めることが可能である。
(定着ベルトの高温反発性)
記録媒体の分離性を高める観点から、本実施形態に係る定着ベルトの高温反発性は、0.4mm/ms以上かつ0.7mm/ms未満である。本明細書中、高温反発性とは、定着ベルトの温度が180℃のとき、トナー画像の定着時に加圧ローラにより押し込まれて歪んだ定着ベルトが元の状態に戻るときの平均速度をいう。高温反発性が高すぎたり、低すぎたりすると、定着時に歪んだ定着ベルトが元の状態に戻るときの速度が速すぎたり、遅すぎたりして、記録媒体の分離性が悪くなるおそれがある。また、記録媒体と定着ベルトとの張り付き防止の観点から、高温反発性は、0.45mm/ms以上であることが好ましい。また、トナー画像にかかる圧力を均一化して、所期の定着性を発現させる観点から、高温反発性は、0.5mm/ms以下であることが好ましい。
定着ベルトの高温反発性は、弾性層の弾性材料やフィラーの添加(前述)などにより調整することが可能である。たとえば、高温反発性は、弾性材料のゴム硬度、引っ張り強度および反発弾性率が大きくなるほど大きくなる傾向にあり、弾性材料の伸びおよび圧縮永久歪が大きくなるほど小さくなる傾向にある。また、前述のとおり、高温反発性は、フィラーの添加により弾性層における弾性材料の含有比率が小さくなるほど、小さくなる傾向にある。
高温反発性は、公知の工業用粘弾性測定装置(例えば、Wavesyber社製のE−200DT)を用いて測定することができる。たとえば、まず、20mm×20mmの小型セラミックヒータ(ミスミ社製のMMCPH)上に20mm×20mm×0.3mmの大きさのベルトサンプルを載せ、当該サンプルを上記ヒータにより昇温速度10℃/分で加熱する。次いで、サンプル温度が180℃に達したときに、上記測定装置により上記サンプルに、高さ2.50mm、先端R0.1、30°の円錐形状の圧子で44500mNの負荷を加え(JIS K6253準拠、タイプD)、上記サンプルに負荷が加えられてから2秒後に加重を0にする。圧子の押し込み深さと、上記サンプルに負荷が加えられた状態から、負荷が加えられていない状態に戻るまでの時間とに基づいて、高温反発性(押し込み深さ/時間)を測定することができる。高温反発性は、例えば、上記測定を三回行ったときの平均値である。
なお、本実施形態に係る定着ベルトにおいて、離型層の厚さは、弾性層の厚さと比較して薄いため、定着ベルトの高温反発性に与える離型層の影響は小さい。したがって、定着ベルトの高温反発性は、離型層がない状態、例えば、離型層を剥がした状態で測定してもよいし、離型層が積層されている状態で測定してもよい。
上記定着ベルトは、積層型の定着ベルトを作製する公知の方法を利用して作製することが可能である。たとえば、上記定着ベルトは、基層となる上記耐熱性樹脂製の無端状の成形体の外表面に、離型層となるチューブを被せる工程と、当該成形体と当該チューブとの間に弾性材料またはその前駆体を注入する工程と、必要に応じて当該弾性材料または等体前駆体を加熱硬化させる工程と、を含む方法によって作製することができる。
上記定着ベルトの一例を図1に示す。図1Aは、本発明の一実施の形態に係る定着ベルトの一例を模式的に示す図であり、図1Bは、図1A中のB部を拡大して示す図である。
定着ベルト10は、図1Aに示されるように、無端状の形状を有し、図1Bに示されるように、基層12と、基層12の外周面上に配置された弾性層16と、弾性層16の外周面上に配置された離型層18とを有する。基層12は、例えばポリイミド製であり、弾性層16は、例えばシリコーンゴム製であり、離型層18は、例えばPFA製である。
弾性層16は、例えば、両末端にトリメチルシロキサン基を有し、側鎖にビニル基を有するジメチルポリシロキサンの二種以上を混合し、加熱によりビニル基を架橋(硬化)させてなるシリコーンゴムにより構成されている。
上記のような定着ベルト10は、下記の二軸ベルト式の定着装置における定着ベルトに好適に採用され、特に高速(例えば、後述の定着速度で60枚/分以上)の画像形成装置において顕著な効果を奏する。
[定着装置]
本実施形態に係る定着装置は、前述の無端状の定着ベルト、当該定着ベルトを軸支する二以上のローラ、および上記定着ベルトを加熱するための加熱装置を含む定着部材と、上記定着ベルトを介して上記ローラのうちの一つに対して相対的に付勢されるように配置される加圧ローラと、を有する。上記定着装置は、上記ローラのうちの、加圧ローラに付勢されるローラのローラ径は、50mm以上である。また、上記定着装置は、前述の定着ベルトを有する以外は、公知のいわゆる二軸ベルト式定着装置と同様に構成することができる。
上記定着ベルトを軸支する上記ローラは、二以上であり、当該定着ベルトを加熱するための加熱装置を含む。加熱装置は、例えば、アルミニウム製などの伝熱性のスリーブと、当該スリーブの内側に配置されるハロゲンヒータなどの加熱源とを有する加熱ローラであってもよいし、定着ベルトに対向するように配置されるハロゲンヒータなどの加熱源であってもよい。また、当該スリーブの外周面は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂製の層によって被覆されていてもよい。
上記定着ベルトを軸支するローラ以外のローラは、一以上あればよく、所望の他の機能に応じて適宜に構成することが可能である。
上記の二以上のローラに軸支されている上記定着ベルトの張力は、より高速の画像形成に適用させる観点から、45N以下であることが好ましく、43N以下であることがより好ましい。当該張力は、例えば、上記ローラの軸間距離を拡げる方向に上記ローラを付勢するばねなどの弾性部材の弾性力(付勢力)や、上記定着ベルトを軸支するローラの軸間距離などによって調整することが可能である。
上記加圧ローラは、定着時に定着ベルトとの当接部(定着ニップ部)を構成する。加圧ローラの例には、外周面に弾性を有するローラ、および、その回転軸が上記定着ベルトに対して接近、離間自在なローラ、が含まれる。
上記ローラのうちの、上記加圧ローラに付勢されるローラのローラ径は、より高速の画像形成に適用させる観点から、50mm以上であり、60mm以上であることが好ましい。上記ローラのローラ径の上限は、例えば、定着装置の許容される大きさによって適宜に決めることができる。
また、上記定着装置において、定着に供された記録媒体の分離角は、67〜85°であることが、より高速の画像形成に適用させる観点から好ましい。当該分離角とは、定着ニップ部を構成する二つのローラの軸を結ぶ直線に平行な直線(図2中のL1)に対して、上記定着ニップ部における記録媒体の搬送方向の下流端において、定着ベルトの接線(図2中のL2)がなす角度(図2中のθ)である。
一般に、分離角が大きいと、画像形成の高速化には有利となり、定着ベルトに対する記録媒体の分離性の観点からは不利となる傾向がある。しかしながら、上記の定着ベルトは、前述した高温反発性の条件を満足する。したがって、画像形成の高速化には不利とされてきた比較的大きな分離角においても、十分な上記分離性を発現する。画像形成の高速化と上記分離性とを両立させる観点から、上記分離角は、70〜81°であることがより好ましく、73〜77°であることがさらに好ましい。
上記分離角は、例えば、上記定着ニップ部を構成する上記ローラのローラ径や、画像形成速度、上記加圧ローラの付勢力(ニップ圧)などによって調整することが可能である。
上記定着装置は、本実施形態の効果が得られる範囲において、上記以外の他の構成をさらに有していてもよい。当該他の構成の例には、加熱装置で加熱された定着ベルトの温度を検出するための第1の温度センサー、上記加圧ローラの軸移動機構、上記加圧ローラ内に配置される第2のヒータ、上記加圧ローラの温度を検出するための第2の温度センサー、および記録媒体を上記定着ニップ部に、あるいは当該定着ニップ部から案内するためのガイド部材、が含まれる。これらの他の構成には、公知の定着装置で採用されている公知の部材などを採用することができる。
上記定着装置は、前述の定着ベルトを有するため、高い分離性で記録媒体を分離させることができる。このため、上記定着装置は、分離用の装置(例えば、記録媒体を剥がすための気流を生じさせる気流分離装置など)を別途、有していなくてもよい。
以下、上記定着装置の一例をより詳しく説明する。図2は、本発明の一実施の形態に係る定着装置の一例を模式的に示す図である。
定着装置70は、例えば、図2に示されるように、定着ベルト10、加熱ローラ71、第1加圧ローラ72、第2加圧ローラ73、ヒータ74、75、第1温度センサー76、第2温度センサー77、案内板79および案内ローラ80を有している。
定着ベルト10は、前述した本実施形態に係る定着ベルトである。定着ベルト10は加熱ローラ71と第1加圧ローラ72とによって軸支され、張設されている。定着ベルト10の張力は、例えば43Nである。
加熱ローラ71は、回転自在なアルミニウム製のスリーブと、その内部に配置されたヒータ74とを有する。第1加圧ローラ72は、例えば、回転自在な芯金と、その外周面上に配置された弾性層とを有している。
第2加圧ローラ73は、定着ベルト10を介して第1加圧ローラ72に対向して配置されている。第2加圧ローラ73は、例えば、回転自在なアルミニウム製のスリーブと、当該スリーブ内に配置されているヒータ75とを有する。第2加圧ローラ73は、第1加圧ローラ72に対して接近、離間自在に配置されており、第1加圧ローラ72に対して接近したときに、定着ベルト10を介して第1加圧ローラ72の弾性層を押圧し、定着ベルト10との接触部である定着ニップ部を形成する。
第1温度センサー76は、加熱ローラ71によって加熱された定着ベルト10の温度を検出するための装置であり、第2温度センサー77は、第2加圧ローラ73の外周面の温度を検出するための装置である。
案内板79は、未定着のトナー画像を有する記録媒体を上記定着ニップ部に案内するための部材であり、案内ローラ80は、トナー画像が定着された記録媒体を上記定着ニップ部から画像形成装置外へ案内するための部材である。
定着装置70において、第1加圧ローラ72のローラ径は、例えば60mmであり、定着ベルト10の回転移動速度は、315m/秒であり、分離角θは73°である。上記定着ベルト10の回転移動速度は、A4版の記録媒体への画像形成速度(「定着速度」または「印刷速度」)に換算すると、60枚/分である。
分離角θは、図2中、第1加圧ローラ72の回転軸と第2加圧ローラ73の回転軸とを結ぶ直線に平行な直線L1に対して、記録媒体の搬送方向における定着ニップ部の下流端での定着ベルト10の接線がなす角度のうち、第2加圧ローラ73側の角度である。当該分離角θは、第2加圧ローラ73のローラ径などによって調整することが可能である。
たとえば、第2加圧ローラ73のローラ径が50mmであるときの分離角をθ50(例えば79°)とすると、第2加圧ローラ73のローラ径が60mmである場合には、そのときの分離角θ60は、(θ50+4)°となる。
定着ベルト10は、上記の速度で回転駆動し、例えば、第1温度センサー76によるフィードバック制御によりヒータ74によって所望の温度(例えば190℃)に加熱される。第2加圧ローラ73は、例えば第2温度センサー77によるフィードバック制御によりヒータ75によって所望の温度(例えば180℃)に加熱される。そして、第2加圧ローラ73は、記録媒体の到着に合わせて、定着ベルト10を介して第1加圧ローラ72の外周面を付勢し、定着ニップ部を形成する。
未定着のトナー画像を担持する記録媒体は、案内板79に案内されながら上記ニップ部に案内される。十分に加熱された定着ベルト10は、記録媒体に十分に密着し、未定着のトナー画像が速やかに記録媒体に定着される。
定着ニップ部の下流端において、トナー画像が定着された記録媒体には、定着ベルト10に付着する力と、定着ベルト10の接線方向に進もうとする力とがかかる。前述した高温反発性の条件を満たす定着ベルト10は、上記定着ニップ部の下流端で、記録媒体に対して適度な反発性を発現すると考えられ、その結果、記録媒体は、定着ベルト10から離れて、定着ベルト10の接線方向に移動する。
定着ベルト10から分離した記録媒体は、案内ローラ80により、画像形成装置外に向けて案内される。
なお、定着ニップ部は、前述のように第1加圧ローラ72の周面および定着ベルト10が窪むことで形成されてもよいし、あるいは第2加圧ローラ73の周面が窪むことによって形成されてもよい。
このように、上記定着装置は、電子写真方式の画像形成装置の定着装置に好適に採用され、特に、高速の画像形成装置に採用されることにより、顕著な効果を発現する。
[画像形成装置]
画像形成装置は、記録媒体上に電子写真方式によって形成された未定着のトナー画像を加熱および加圧によって記録媒体に定着させるための上記の定着装置を有する。上記画像形成装置は、上記定着装置が定着装置として採用される以外は、公知の画像形成装置と同様に構成され得る。以下、画像形成装置の一例を、図3に基づいて説明する。
画像形成装置50は、図3に示されるように、画像形成部、中間転写部、定着装置70、画像読み取り部および記録媒体搬送部を有する。
上記画像形成部は、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色に対応する四つの画像形成ユニットを含む。画像形成ユニットは、図3に示されるように、感光体ドラム51、感光体ドラム51を帯電させる帯電装置52、帯電した感光体ドラム51に光を照射して静電潜像を形成する露光装置53、静電潜像が形成された感光体ドラム51にトナーを供給して静電潜像に応じたトナー画像を形成する現像装置54、および、感光体ドラム51の残留トナーを除去するクリーニング装置55、を有する。
感光体ドラム51は、例えば、光導電性を有する負帯電型の有機感光体である。帯電装置52は、例えば、コロナ帯電器である。帯電装置52は、帯電ローラや帯電ブラシ、帯電ブレードなどの接触帯電部材を感光体ドラム51に接触させて帯電させる接触帯電装置であってもよい。露光装置53は、例えば、半導体レーザーで構成される。現像装置54は、例えば、電子写真方式の画像形成装置における公知の現像装置である。「トナー画像」とは、トナーが画像状に集合した状態を言う。
上記中間転写部は、一次転写ユニットと二次転写ユニットを含む。当該一次転写ユニットは、中間転写ベルト61、一次転写ローラ62、バックアップローラ63、複数の支持ローラ64およびクリーニング装置65を有する。中間転写ベルト61は、無端状のベルトである。中間転写ベルト61は、バックアップローラ63および支持ローラ64によって、ループ状に張架される。バックアップローラ63および支持ローラ64の少なくとも一つのローラが回転駆動することにより、中間転写ベルト61は、無端軌道上を一方向に一定速度で走行する。
上記二次転写ユニットは、二次転写ベルト66、二次転写ローラ67および複数の支持ローラ68を有する。二次転写ベルト66も、無端状のベルトである。二次転写ベルト66は、二次転写ローラ67および支持ローラ68によってループ状に張架される。
定着装置70は、例えば、図2に示される定着装置70である。紙Sは、記録媒体に相当する。
上記画像読み取り部は、給紙装置81、スキャナー82、CCDセンサー83および画像処理部84を有する。上記記録媒体搬送部は、三つの給紙トレイユニット91および複数のレジストローラ対92を有する。給紙トレイユニット91には、坪量やサイズなどに基づいて識別された紙S(規格紙、特殊紙)が予め設定された種類ごとに収容される。レジストローラ対92は、所期の搬送経路を形成するように配置されている。
[画像形成方法]
画像形成方法は、記録媒体上に電子写真方式によって形成された未定着のトナー画像を、上記の定着装置を用いて加熱および加圧によって記録媒体に定着させる工程を含む。上記画像形成方法は、上記の画像形成装置50によって行うことが可能である。当該画像形成方法の一例として、画像形成装置50による画像の形成を以下に説明する。
スキャナー82は、給紙装置81から送られたコンタクトガラス上の原稿Dを光学的に走査して読み取る。原稿Dからの反射光がCCDセンサー83により読み取られ、入力画像データとなる。入力画像データは、画像処理部84において所定の画像処理が施され、露光装置53に送られる。
一方で、感光体ドラム51は、A4版の記録媒体で60枚/分以上の印刷速度に相当する一定の周速度で回転する。
帯電装置52は、感光体ドラム51の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置53は、各色成分の入力画像データに対応するレーザー光で感光体ドラム51を照射する。こうして感光体ドラム51の表面には、静電潜像が形成される。現像装置54は、感光体ドラム51の表面にトナーを付着させることにより静電潜像を可視化する。こうして感光体ドラム51の表面に、静電潜像に応じたトナー画像が形成される。感光体ドラム51の表面のトナー画像は、中間転写ベルト61に転写される。感光体ドラム51の転写残トナーは、クリーニング装置55によって除去される。中間転写ベルト61には、各感光体ドラム51で形成された各色のトナー画像が順次重なるように転写される。
一方、二次転写ローラ67は、二次転写ベルト66をバックアップローラ63に向けて押圧し、中間転写ベルト61に圧接させる。それにより、二次転写ニップ部が形成される。他方、給紙トレイユニット91からレジストローラ対92を介して上記二次転写ニップ部に紙Sが搬送される。レジストローラ対92は、紙Sの傾きを補正し、また搬送のタイミングを調整する。
二次転写ニップ部に紙Sが搬送されると、二次転写ローラ67に転写電圧が印加され、中間転写ベルト61上のトナー画像が紙Sに転写される。トナー画像が転写された紙Sは、二次転写ベルト66によって、定着装置70に搬送される。中間転写ベルト61上の転写残トナーは、クリーニング装置65によって除去される。
定着装置70では、定着ベルト10がA4版の記録媒体で60枚/分以上の印刷速度に相当する一定の速度で回転し、紙Sの搬送に際して、前述したように、第2加圧ローラ74が定着ベルト10と定着ニップ部を形成する。紙Sは、当該定着ニップ部で加熱、加圧され、前述したように定着ベルト10の反発力によって画像形成装置50の外に向けて案内され、排出される。こうして、紙S上のトナー画像が形成され、当該紙Sは、機外に排出される。
以上の説明から明らかなように、上記定着ベルトは、耐熱性樹脂製の基層と、弾性材料製の弾性層と、離型層とがこの順で積層されている無端状の定着ベルトであって、180℃における反発性は、0.4mm/ms以上かつ0.7mm/ms未満であることから、トナー画像の定着性と記録媒体の分離性の両方に優れる。
また、上記180℃における反発性が0.45mm/ms以上かつ0.5mm/ms以下であることは、より良好な分離性を実現させる観点から、より一層効果的である。
また、上記耐熱性樹脂がポリイミドであり、上記弾性材料がシリコーンゴムであり、上記離型層の材料がペルフルオロアルコキシフッ素樹脂であることは、定着性および分離性の両方に優れる定着ベルトを容易に生産する観点からより一層効果的である。
また、上記定着装置は、無端状の定着ベルト、上記定着ベルトを軸支する二以上のローラ、および上記定着ベルトを加熱するための加熱装置を含む定着部材と、上記定着ベルトを介して上記ローラのうちの一つに対して相対的に付勢されるように配置される加圧ローラと、を有し、上記ローラのうちの、上記加圧ローラに付勢されるローラのローラ径は、50mm以上である。よって、トナー画像の定着と記録媒体の分離のいずれもが良好な定着を実現することができる。このため、上記定着装置では、記録媒体の分離のための装置を別途設ける必要がない。
また、高速のトナー画像の定着に適用する観点から、上記ローラに軸支されている上記定着ベルトの張力が45N以下であることは、より一層効果的である。より具体的には、前述の定着速度で60枚/分以上(例えば、60〜100枚/分)の画像形成に適用することができる。
また、上記画像形成装置は、記録媒体上に電子写真方式によって形成された未定着のトナー画像を加熱および加圧によって上記記録媒体に定着させる定着装置を有する画像形成装置であって、上記定着装置は、本実施形態に係る定着装置であることから、トナー画像の定着と記録媒体の分離のいずれもが良好な定着を実現することができる。これにより、トナー画像の定着時の紙詰まりを抑制することができる。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例などに限定されない。
[実施例1]
内径99mm、長さ360mm、厚み70μmの熱硬化性ポリイミド樹脂からなるベルト基材の内側に、外径60mmのステンレス製の円筒状の芯金を密着させた。次いで、当該ベルト基材の外側に、厚さ30μmのPFAチューブを内周面上に保持する円筒金型を被せ、このようにして上記芯金と上記円筒金型を同軸で保持するとともに、両者の間にキャビティを形成した。次いで、当該キャビティにシリコーンゴム材料Aを注入し、加熱硬化して、厚さ200μmのシリコーンゴムAによる弾性層を形成した。こうして、ベルト基材、シリコーンゴムAの弾性層およびPFA製の離型層をこの順で積層されている定着ベルト1を作製した。
なお、シリコーンゴム材料Aとしては、ゴムメーカーが調製した試供品を使用した。シリコーンゴムAのゴム硬度は40であり、引張強度は2.0MPaであり、伸びは200%であり、熱伝導率は0.3W/m・Kであり、圧縮永久歪は5%であり、反発弾性率は80%であった。
シリコーンゴムAのゴム硬度は、厚さ2.0mmの測定用のゴムシートを用いて、JIS K6301に従い、デュロメータAにより測定した。上記ゴムシートは、上記弾性層の製造条件と同じ条件で作製した。
シリコーンゴムAの引張強度は、上記ゴムシートを用いて、テンシロン万能引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ製)により測定した。
シリコーンゴムAの伸びは、上記ゴムシートを用いて、テンシロン万能引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ製)により測定した。
シリコーンゴムAの熱伝導率は、上記ゴムシートを用いて、QTM迅速熱伝導率計(京都電子工業株式会社製)により測定した。
シリコーンゴムAの圧縮永久歪は、上記ゴムシートを用いて、JIS K6249に従って測定した。
シリコーンゴムAの反発弾性率は、上記ゴムシートを用いて、JIS K6255に従って測定した。
また、定着ベルト1の硬度は80°であり、高温反発性は0.6mm/msであった。
定着ベルト1の硬度は、JIS K6253に従い、アスカーゴム硬度計C型(高分子計器株式会社製)により測定した。
定着ベルト1の高温反発性は、20mm×20mm×0.3mmの測定用サンプルを用いて、前述した方法と同様の方法により測定した。上記測定用サンプルは、弾性ベルト1の製造条件と同じ条件で作製した。まず、20mm×20mmの小型セラミックヒータ(ミスミ社製のMMCPH)上に、上記測定用サンプルを載せ、上記測定用サンプルを上記ヒータにより昇温速度10℃/分で加熱した。次いで、上記測定用サンプルの温度が180℃に達したときに、工業用粘弾性測定装置(Wavesyber社製のE−200DT)により、上記測定用サンプルに高さ2.50mm、先端R0.1、30°の円錐形状の圧子で44500mNの負荷を加え(JIS K6253準拠、タイプD)、上記測定用サンプルに負荷が加えられてから2秒後に加重を0にした。圧子の押し込み深さと、上記測定用サンプルに負荷が加えられた状態から、負荷が加えられていない状態に戻るまでの時間とに基づいて、高温反発性(押し込み深さ/時間)を測定した。本実施例では、高温反発性は、上記測定を三回行ったときの平均値である。
[評価]
定着ベルト1を、図2に示されるような二軸ベルト式定着装置を備えた電子写真方式の画像形成装置の定着ベルトとして設置した。定着ニップ部を構成するローラであって、定着ベルト1を軸支する側のローラのローラ径は60mmであり、A4普通紙で60枚/分の印刷速度のときの上記定着装置における分離角は73°である。また、トナーには、コニカミノルタ株式会社製「デジタルトナーHD+」を用いた。
(1)定着性
60枚/分の印刷速度で、搬送方向に対して垂直方向に5cm幅のベタ黒帯状画像をA4サイズの普通紙に形成し、得られた画像を目視にて観察し、定着性を以下の基準により評価した。ベタ画像に定着不要による欠陥が若干見られる程度であれば、実用上問題ない。
○:ベタ画像に定着不良による欠陥が見られない
△:ベタ画像に定着不良による欠陥が若干見られる
×:ベタ画像に定着不良による欠陥が見られる
(2)分離性
定着ベルト1の表面温度を180℃とし、上記ベタ画像を有するA4サイズの普通紙を60枚/分の速度で縦方向に搬送する。このときの画像側における定着ベルト1と上記普通紙との分離性を下記の基準により評価した。普通紙が若干カールする程度であれば、実用上問題ない。
○:普通紙がカールすることなく定着ベルトと分離する
△:普通紙が定着ベルトと分離するが、若干カールする
×:普通紙が定着ベルトに巻き付き定着ベルトと分離できない
[実施例2〜4および比較例1〜3]
シリコーンゴムAの代わりにシリコーンゴムB〜Gを用いた以外は、定着ベルト1と同様にして、定着ベルト2〜4、C1〜C3を作製した。シリコーンゴムB〜Gも、ゴムメーカーが調製した試供品を使用した。また、シリコーンゴムAと同様にして、シリコーンゴムB〜Gの各種物性を測定した。また、定着ベルト1と同様にして、定着ベルト2〜4、C1〜C3の各種物性を測定した。さらに、定着ベルト1に代えて定着ベルト2〜4、C1〜C3のそれぞれを用いた以外は実施例1と同様にして、定着性および分離性を評価した。
シリコーンゴムA〜Gの各種物性、定着ベルト1〜4、C1〜C3の各種物性および定着ベルト1〜4、C1〜C3の評価結果を表1に示す。
Figure 2017097187
表1から明らかなように、定着ベルト1〜4では、いずれも、画像形成装置において、分離性および定着性のいずれにも十分な性能を示していた。これは、高温反発性が0.4mm/ms以上かつ0.7mm/ms未満であるため、と考えられる。
これに対して、定着ベルトC1〜C3では、いずれも、画像形成装置において、分離性および定着性のいずれか一方、またはいずれもが不十分であった。これは、高温反発性が0.4mm/ms未満または0.7mm/ms以上であったため、と考えられる。
以上の説明から明らかなように、耐熱性樹脂製の基層と、弾性材料製の弾性層と、離型層とがこの順で積層されている無端状の定着ベルトであって、180℃における反発性が0.4mm/ms以上かつ0.7mm/ms未満である定着ベルトは、上記の高速機において分離性および定着性の両方を十分に発現することがわかる。
また、定着ベルト2、3では、いずれも、画像形成装置において、分離性および定着性のいずれにも、より優れた性能を示していた。この結果から、上記180℃における反発性が0.45mm/ms以上かつ0.5mm/ms以下であることは、分離性および定着性を両立する観点からより一層効果的であることがわかる。
本発明によれば、電子写真方式の画像形成装置におけるさらなる高速化、高性能化および省力化が期待され、当該画像形成装置のさらなる普及が期待される。
10 定着ベルト
12 基層
16 弾性層
18 離型層
50 画像形成装置
51 感光体ドラム
52 帯電装置
53 露光装置
54 現像装置
55、65 クリーニング装置
61 中間転写ベルト
62 一次転写ローラ
63 バックアップローラ
64、68 支持ローラ
66 二次転写ベルト
67 二次転写ローラ
70 定着装置
71 加熱ローラ
72 第1加圧ローラ
73 第2加圧ローラ
74、75 ヒータ
76 第1温度センサー
77 第2温度センサー
79 案内板
80 案内ローラ
81 給紙装置
82 スキャナー
83 CCDセンサー
84 画像処理部
91 給紙トレイユニット
92 レジストローラ対
D 原稿
S 紙

Claims (6)

  1. 耐熱性樹脂製の基層と、弾性材料製の弾性層と、離型層とがこの順で積層されている無端状の定着ベルトであって、
    180℃における反発性は、0.4mm/ms以上かつ0.7mm/ms未満である、定着ベルト。
  2. 前記180℃における反発性は、0.45mm/ms以上かつ0.5mm/ms以下である、請求項1に記載の定着ベルト。
  3. 前記耐熱性樹脂はポリイミドであり、前記弾性材料はシリコーンゴムであり、前記離型層の材料はペルフルオロアルコキシフッ素樹脂である、請求項1または2に記載の定着ベルト。
  4. 無端状の定着ベルト、前記定着ベルトを軸支する二以上のローラ、および前記定着ベルトを加熱するための加熱装置を含む定着部材と、
    前記定着ベルトを介して前記ローラのうちの一つに対して相対的に付勢されるように配置される加圧ローラと、
    を有し、
    前記定着ベルトは、請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着ベルトであり、
    前記ローラのうちの、前記加圧ローラに付勢されるローラのローラ径は、50mm以上である、
    定着装置。
  5. 前記ローラに軸支されている前記定着ベルトの張力は、45N以下である、請求項4に記載の定着装置。
  6. 記録媒体上に電子写真方式によって形成された未定着のトナー画像を加熱および加圧によって前記記録媒体に定着させる定着装置を有する画像形成装置であって、
    前記定着装置は、請求項4または5に記載の定着装置である、画像形成装置。
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