JP2017097111A - 異形打抜きに優れた光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

異形打抜きに優れた光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017097111A
JP2017097111A JP2015227917A JP2015227917A JP2017097111A JP 2017097111 A JP2017097111 A JP 2017097111A JP 2015227917 A JP2015227917 A JP 2015227917A JP 2015227917 A JP2015227917 A JP 2015227917A JP 2017097111 A JP2017097111 A JP 2017097111A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fine particles
optical film
inorganic fine
resin
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015227917A
Other languages
English (en)
Inventor
和樹 赤阪
Kazuki Akasaka
和樹 赤阪
翔太 岩間
Shota Iwama
翔太 岩間
崇 南條
Takashi Nanjo
崇 南條
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2015227917A priority Critical patent/JP2017097111A/ja
Publication of JP2017097111A publication Critical patent/JP2017097111A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】異形打抜き性や耐久性に優れた光学フィルムを提供する。【解決手段】シクロオレフィン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、及び(メタ)アクリル樹脂からなる群より選ばれる樹脂と、長径と短径とを有し、形状異方性有する無機微粒子Aと、形状等方性を有する無機微粒子Bとを含み、前記無機微粒子Aの平均長径rAと前記無機微粒子Bの平均一次粒子径rBの比であるrA/rBが2.5以上、40以下であり、前記光学フィルムの面内において屈折率が最大となる遅相軸に対して45°の方向の引張弾性率が2.2GPa超、3.5GPa未満である、光学フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、異形打抜きに優れた光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、テレビ、ノートパソコン、及びスマートフォン等の液晶ディスプレイとして広く用いられている。液晶表示装置は、通常、液晶セルと、それを挟持する一対の偏光板とを含み、偏光板は、偏光子と、保護フィルムとを含む。
そのような保護フィルムとして用いられる光学フィルムの光学特性や耐久性などを改良するために、無機微粒子を添加した樹脂を用いた光学フィルムが知られている。このような光学フィルムとしては、(A)シクロオレフィン系樹脂と、(B)長径と短径を有し、且つ長径の屈折率が短径の屈折率よりも大きい針状無機微粒子とを含む光学フィルム(特許文献1)や、長軸と短軸の屈折率が異なる針状粒子を含むセルロースエステルフィルム(特許文献2)等が挙げられる。更に、光学樹脂材料用の充填剤として、針状ストロンチウム微粉末(特許文献3)も知られている。
近年、特に車用途では、デザイン性を重視した表示装置が求められている。この為、偏光板を、従来の長方形ではなく、角が丸い形状、複雑な曲面を持った形状、または中央部に穴が開いた形状等に打ち抜いて製造することがある。このような自由な形状のディスプレイを、異形パネルまたはフリーフォームディスプレイ(FFD)と呼ぶ。このようなディスプレイは、自動車のメーターなどへの利用が考えられており、その一例として、図1に示したようなアナログメーターのカーブに合わせた形状のディスプレイが挙げられる。
特開2005−227606号公報 特開2008−281890号公報 特開2014−80360号公報
ところで、異形パネルを車載用途で使用する場合、過酷な環境下での耐久性が求められるが、従来の偏光板を異形に打ち抜くと、クラック、即ち、ひび、割れや端部におけるささくれ等が発生しやすいという問題があった。更にクラックを生じることなく打抜きできた場合でも、耐久性試験後の評価で満足な結果を示すものは少なかった。よって、異形打抜きの際にクラックを発生しない光学フィルムの開発が求められている。
これに対して針状、即ち、長径と短径を有する無機微粒子のみを含有する特許文献1や特許文献2の光学フィルムは、ヘイズの低減といった光学特性の改善は達成しているものの、異形に打ち抜くとクラックの発生が認められた。これは、一般的なフィルム形状である長方形を打ち抜く場合には、力は縦横の方向に逃げるため、局所的な力の集中は問題とならないが、フィルムを異形に打ち抜く場合には、湾曲した部分等に斜め方向の力などが局所的に集中しやすく、そこからクラックが発生しやすいためと考えられる。また、特許文献3の無機微粒子は疎水性有機溶媒における分散性が高いことから、光学樹脂材料の充填剤として有用であると記載されているが、他の無機微粒子との組み合わせや、複数種の無機微粒子を組み合わせることによって得られる相乗効果については何も記載がない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、光学特性に優れ、異形に打ち抜いてもクラック等を生じにくく、耐久性の高い光学フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題の解決を鋭意検討した結果、シクロオレフィン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、及び(メタ)アクリル樹脂からなる群より選ばれる樹脂と、形状異方性の無機微粒子Aと、形状等方性の無機微粒子Bとを含み、無機微粒子Aの平均長径と無機微粒子Bの平均一次粒子径の比であるA/Bが2.5以上、40以下であり、更に光学フィルムの斜め弾性率が2.2GPa超、3.5GPa未満であると、光学フィルムは光学特性に優れるだけでなく、異形打抜き性や耐久性にも優れることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
[1] シクロオレフィン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、及び(メタ)アクリル樹脂からなる群より選ばれる樹脂と、
長径と短径とを有する、形状異方性を有する無機微粒子Aと、
形状等方性を有する無機微粒子Bと
を含む光学フィルムであって、
前記無機微粒子Aの平均長径rと前記無機微粒子Bの平均一次粒子径rの比であるr/rが2.5以上、40以下であり、
前記光学フィルムの面内において屈折率が最大となる遅相軸に対して45°の方向の引張弾性率が2.2GPa超、3.5GPa未満である、光学フィルム。
[2] 前記無機微粒子Aと前記無機微粒子Bの含有比率C/Cが、質量比で0.15以上、120.00以下である、[1]に記載の光学フィルム。
[3] 前記無機微粒子Aの含有量が、前記樹脂に対して1質量%以上、10質量%以下であり、
前記無機微粒子Bの含有量が、前記樹脂に対して0.5質量%以上、2質量%以下である、[1]または[2]に記載の光学フィルム。
[4] 前記無機微粒子Aの平均長径が50nm以上、300nm以下であり、且つ平均アスペクト比が1.5以上、4.0以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の光学フィルム。
[5] 前記無機微粒子Aが炭酸ストロンチウム粒子である、[1]〜[4]のいずれかに記載の光学フィルム。
[6] 前記炭酸ストロンチウム粒子が、粒子表面にポリオキシアルキレン基を有するポリカルボン酸もしくはその無水物に由来の基と、ポリオキシアルキレン基及び炭化水素基を有するアミンに由来の基とを有する、[5]に記載の光学フィルム。
[7] 前記無機微粒子Bの平均粒径が6nm以上、20nm以下である、[1]〜[6]のいずれかに記載の光学フィルム。
[8] 前記無機微粒子Bが二酸化ケイ素微粒子である、[1]〜[7]のいずれかに記載の光学フィルム。
[9] 前記二酸化ケイ素微粒子が、粒子表面にジメチルシリル基またはトリメチルシリル基を有する、[8]に記載の光学フィルム。
[10] 前記樹脂がシクロオレフィン系樹脂である、[1]〜[9]のいずれかに記載の光学フィルム。
[11] 偏光子と、[1]〜[10]のいずれかに記載の光学フィルムとを含む、偏光板。
[12] 第1の偏光板と、液晶セルと、第2の偏光板と、バックライトとをこの順に含む液晶表示装置であって、
前記第1の偏光板は、第1の偏光子と、前記第1の偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF1と、前記第1の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された保護フィルムF2とを含み、
前記第2の偏光板は、第2の偏光子と、前記第2の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された保護フィルムF3と、前記第2の偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF4とを含み、
前記保護フィルムF1、F2、F3及びF4の少なくとも一つが、[1]〜[10]のいずれかに記載の光学フィルムである、液晶表示装置。
[13] 前記保護フィルムF1が、[1]〜[10]のいずれかに記載の光学フィルムである、[11]に記載の液晶表示装置。
本発明によれば、光学特性に優れるだけでなく、異形に打ち抜いてもクラック等を生じにくく、高い耐久性を有する光学フィルムを提供することができる。
車載用フリーフォームディスプレイの一例を示す概略図である。 実施例で試験用に異形打抜きを行ったフィルムの形状および寸法を示した概略図である。 液晶表示装置の基本的な構成の一例を示す模式である。
前述の通り、針状、即ち、長径と短径を有する無機微粒子のみを含有する光学フィルムは、フィルムの粘りが不十分であり、異形に打ち抜くとクラックが発生するという問題があった。これに対して本発明者らは、シクロオレフィン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、及び(メタ)アクリル樹脂からなる群より選ばれる樹脂に、形状異方性を有する無機微粒子Aと、形状等方性を有する無機微粒子Bとを、無機微粒子Aの平均長径rと無機微粒子Bの平均一次粒子径rの比r/rが2.5以上、40以下となるように組み合わせることで、得られる光学フィルムの光学特性を犠牲にすることなく、フィルムの粘りや硬度といった物性を高め、異形に打ち抜いた際のクラックの発生を抑制できることを見出した。この理由は明らかではないが、以下のように推測される。
樹脂中に形状異方性の無機微粒子Aと、形状等方性であり、無機微粒子Aよりも平均一次粒径の小さい無機微粒子Bとが樹脂中に分散している場合、2種の粒子はそれぞれが均一に分散するのではなく、複数の無機微粒子Aと複数の無機微粒子Bの両方を含んだ凝集または非凝集の塊であるドメインを形成すると考えられる。このドメインの存在によって、光学フィルムを異形に打ち抜いた際に局所的に集中する斜めからの応力などが緩和され、クラックの発生が防止されると考えられる。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
1.光学フィルム
本発明の光学フィルムは、樹脂と、無機微粒子Aと、無機微粒子Bとを含む。
1−1.樹脂
本発明の光学フィルムに含まれる樹脂は、シクロオレフィン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、及び(メタ)アクリル樹脂からなる群より選ばれる1種である。
(シクロオレフィン系樹脂)
本発明の光学フィルムに含まれるシクロオレフィン系樹脂は、シクロオレフィン単量体の重合体、又はシクロオレフィン単量体とそれ以外の共重合性単量体との共重合体である。
シクロオレフィン単量体は、その耐久性などの点から、ノルボルネン骨格を有するシクロオレフィン単量体であることが好ましく、下記一般式(A−1)又は(A−2)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体であることがより好ましい。
Figure 2017097111
一般式(A−1)のR〜Rは、独立して水素原子、炭素原子数1〜30の炭化水素基、又は極性基を表す。但し、R〜Rの全てが水素原子となる場合を除き、RとRが同時に水素原子となるか、又はRとRが同時に水素原子となる場合はないものとする。
炭素原子数1〜30の炭化水素基は、炭素原子数1〜10の炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数1〜5の炭化水素基であることがより好ましい。炭素原子数1〜30の炭化水素基は、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子又はケイ素原子を含む連結基をさらに有していてもよい。そのような連結基の例には、カルボニル基、イミノ基、エーテル結合、シリルエーテル結合、チオエーテル結合等の2価の極性基が含まれる。炭素原子数1〜30の炭化水素基の例には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が含まれる。
極性基の例には、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基及びシアノ基が含まれる。中でも、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基及びアリロキシカルボニル基が好ましく、溶液製膜時の溶解性を確保する観点から、アルコキシカルボニル基及びアリロキシカルボニル基が好ましい。
一般式(A−1)のpは、0〜2の整数を示す。pは、1〜2であることが好ましい。
Figure 2017097111
一般式(A−2)のRは、水素原子、炭素数1〜5の炭化水素基、又は炭素数1〜5のアルキル基を有するアルキルシリル基を表す。中でも、炭素数1〜5の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜3の炭化水素基がより好ましい。
一般式(A−2)のRは、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、又はハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子若しくはヨウ素原子)を表す。中でも、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基及びアリロキシカルボニル基が好ましく、溶液製膜時の溶解性を確保する観点から、アルコキシカルボニル基及びアリロキシカルボニル基がより好ましい。
一般式(A−2)のpは、0〜2の整数を表す。pは、1〜2であることが好ましい。
一般式(A−2)で表されるシクロオレフィン単量体は、得られる光学フィルムにおいて針状無機微粒子等の他の成分を偏在させやすい点から好ましい。その理由は明らかではないが、一般式(A−2)で表されるシクロオレフィン単量体の置換基R及びRが、分子の対称軸に対して片側の環構成炭素原子のみに置換されているので、分子の対称性が低い。それにより、光学フィルムの製膜時の溶媒揮発時に、シクロオレフィン系樹脂と他の成分同士の拡散運動が促進され、それに伴い他の成分の製膜フィルム表面への移動が促されるからであると考えられる。
一般式(A−1)で表されるシクロオレフィン単量体の具体例を例示化合物1〜14に示し、一般式(A−2)で表されるシクロオレフィン単量体の具体例を例示化合物15〜34に示す。
Figure 2017097111
シクロオレフィン単量体と共重合可能な共重合性単量体の例には、シクロオレフィン単量体と開環共重合可能な共重合性単量体、シクロオレフィン単量体と付加共重合可能な共重合性単量体が含まれる。
開環共重合可能な共重合性単量体の例には、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエン等のシクロオレフィンが含まれる。
付加共重合可能な共重合性単量体の例には、不飽和二重結合含有化合物、ビニル系環状炭化水素単量体、(メタ)アクリレートが含まれる。不飽和二重結合含有化合物の例には、炭素原子数2〜12(好ましくは2〜8)のオレフィン系化合物であり、その例には、エチレン、プロピレン、ブテンが含まれる。ビニル系環状炭化水素単量体の例には、4−ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロペンテン等のビニルシクロペンテン系単量体が含まれる。(メタ)アクリレートの例には、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の炭素原子数1〜20のアルキル(メタ)アクリレートが含まれる。
シクロオレフィン系樹脂は、前述の通り、ノルボルネン骨格を有するシクロオレフィン単量体、好ましくは一般式(A−1)又は(A−2)で表される構造を有するシクロオレフィン単量体を重合又は共重合して得られる重合体であり、その例には、以下のものが含まれる。
(1)シクロオレフィン単量体の開環重合体
(2)シクロオレフィン単量体とそれと開環共重合可能な共重合性単量体との開環共重合体
(3)上記(1)又は(2)の開環(共)重合体の水素添加物
(4)上記(1)又は(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフツ反応により環化した後、水素添加した(共)重合体
(5)シクロオレフィン単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体
(6)シクロオレフィン単量体のビニル系環状炭化水素単量体との付加共重合体及びその水素添加物
(7)シクロオレフィン単量体と(メタ)アクリレートとの交互共重合体
(1)〜(7)の重合体は、いずれも公知の方法、例えば特開2008−107534号公報や特開2005−227606号公報に記載の方法で得ることができる。例えば、(2)の開環共重合に用いる触媒や溶媒は、特開2008−107534号公報の段落0019〜0024に記載のものを使用できる。(3)及び(6)の水素添加に用いる触媒は、特開2008−107534号公報の段落0025〜0028に記載のものを使用できる。(4)のフリーデルクラフツ反応に用いる酸性化合物は、特開2008−107534号公報の段落0029に記載のものを使用できる。(5)〜(7)の付加重合に用いる触媒は、例えば特開2005−227606号公報の段落0058〜0063を使用できる。(7)の交互共重合反応は、特開2005−227606号公報の段落0071及び0072に記載の方法で行うことができる。
中でも、(1)〜(3)が好ましく、(3)がより好ましい。即ち、シクロオレフィン系樹脂は、得られるシクロオレフィン系樹脂のガラス転移温度を高くし、且つ光透過率を高くすることができる点で、下記一般式(B−1)で表される構造単位と下記一般式(B−2)で表される構造単位の少なくとも一方を含むことが好ましく、本発明においては、一般式(B−2)で表される構造単位のみを含むものがより好ましい。
Figure 2017097111
一般式(B−1)のXは、−CH=CH−又は−CHCH−である。
一般式(B−1)のR〜R及びpは、一般式(A−1)のR〜R及びpとそれぞれ同義である。
Figure 2017097111
一般式(B−2)のXは、−CH=CH−又は−CHCH−である。
一般式(B−2)のR〜R及びpは、一般式(A−2)のR〜R及びpとそれぞれ同義である。
シクロオレフィン系樹脂は、市販品であってもよい。シクロオレフィン系樹脂の市販品の例には、JSR(株)製のアートン(Arton)G(例えばG7810等)、アートンF、アートンR(例えばR4500、R4900及びR5000等)、及びアートンRXが含まれる。
シクロオレフィン系樹脂の固有粘度〔η〕inhは、0.2〜5cm/gであることが好ましく、0.3〜3cm/gであることがより好ましく、0.4〜1.5cm/gであることがさらに好ましい。
シクロオレフィン系樹脂の数平均分子量(Mn)は、8000〜100000であることが好ましく、10000〜80000であることがより好ましく、12000〜50000であることがさらに好ましい。シクロオレフィン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、20000〜300000であることが好ましく、30000〜250000であることがより好ましく、40000〜200000であることがさらに好ましい。シクロオレフィン系樹脂の数平均分子量や重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にてポリスチレン換算にて測定することができる。
固有粘度〔η〕inh、数平均分子量及び重量平均分子量が上記範囲にあると、シクロオレフィン系樹脂の耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性とフィルムとしての成形加工性が良好となる。
シクロオレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、通常、110℃以上であり、110〜350℃であることが好ましく、120〜250℃であることがより好ましく、120〜220℃であることがさらに好ましい。Tgが110℃以上であると、高温条件下での変形を抑制しやすい。一方、Tgが350℃以下であると、成形加工が容易となり、成形加工時の熱による樹脂の劣化も抑制しやすい。
(セルロースエステル系樹脂)
セルロースエステル系樹脂は、セルロースと、炭素原子数2〜22の脂肪族カルボン酸および芳香族カルボン酸の少なくとも一方とをエステル化反応させて得られる化合物である。セルロースエステル系樹脂の例には、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースベンゾエート、セルロースアセテートベンゾエートなどが含まれる。なかでも、位相差発現性の低いものが好ましく、セルローストリアセテートが好ましい。
セルロースエステル系樹脂のアシル基の総置換度は、2.0〜3.0程度であり、好ましくは2.5〜3.0、より好ましくは2.7〜3.0、さらに好ましくは2.8〜2.95である。位相差発現性を低くするためには、アシル基の総置換度は高くすることが好ましい。
セルロースエステル系樹脂に含まれるアシル基の炭素原子数は、2〜7であることが好ましく、2〜4であることがより好ましい。良好な耐熱性を得るためなどから、セルロースエステルに含まれるアシル基は、アセチル基を含むことが好ましい。炭素原子数3以上のアシル基の置換度は、0.9以下であることが好ましく、0であることがより好ましい。
セルロースエステル系樹脂のアシル基の置換度は、ASTM−D817−96に規定の方法で測定することができる。
セルロースエステル系樹脂の重量平均分子量は、一定以上の機械的強度を得るためには、5.0×10〜5.0×10であることが好ましく、1.0×10〜3.0×10であることがより好ましく、1.5×10〜2.9×10であることがさらに好ましい。セルロースエステルの分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、1.0〜4.5であることが好ましい。
セルロースエステル系樹脂の重量平均分子量および分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されうる。測定条件は、以下の通りである。
溶媒:メチレンクロライド
カラム:Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製)を3本接続して使用する。
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000((株)日立製作所製)
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standardポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1.0×10〜5.0×10までの13サンプルによる校正曲線を使用する。13サンプルは、ほぼ等間隔に選択することが好ましい。
((メタ)アクリル樹脂)
(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、または(メタ)アクリル酸エステルとそれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体でありうる。
(メタ)アクリル酸エステルは、好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、より好ましくはメタクリル酸メチルである。
メタクリル酸メチルと共重合可能な他のモノマーの例には、アルキル部分の炭素原子数が2〜18のメタクリル酸アルキルエステル;アルキル部分の炭素原子数が1〜18のアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和基含有二価カルボン酸;スチレン、α−メチルスチレン、核置換スチレン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のα,β−不飽和ニトリル;無水マレイン酸;マレイミド、N−置換マレイミド;グルタル酸無水物などが含まれる。アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基は、環状であっても鎖状であってもよい。これらの他のモノマーは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記共重合体を構成する全構成単位に対する、メタクリル酸メチル由来の構造単位の含有割合は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
本発明においては、シクロオレフィン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、及び(メタ)アクリル樹脂の中で、特にシクロオレフィン系樹脂が好ましく、ノルボルネン系樹脂がより好ましい。ノルボルネン系樹脂は耐水性に優れるという特徴があるため、車載用途などの過酷な環境での使用が想定される場合に特に好ましい。
1−2.無機微粒子A
本発明の光学フィルムに含まれる無機微粒子Aは、長径と短径とを有し、形状異方性を有する無機微粒子である。形状異方性を有するとは、無機微粒子Aの平均アスペクト比(長径/短径)が1.5以上4.0以下であることを意味する。無機微粒子Aの平均アスペクト比(長径/短径)は、1.5以上、4.0以下であることが好ましく、2.0以上、3.5以下である針状の微粒子がより好ましい。
無機微粒子Aの平均長径は、50nm以上、300nm以下であることが好ましく、70nm以上、200nm以下であることがより好ましい。無機微粒子Aの長径が50nm未満では、無機微粒子Bと類似した粒子となるため、2種の異なる無機微粒子を使用することによる効果を発揮することが難しくなる。また、無機微粒子Aの長径が300nmを超えると、光学フィルムのヘイズが増加するため好ましくない。
無機微粒子Aの平均短径は、12.5nm以上、200nm以下であることが好ましく、20nm以上、100nm以下であることがより好ましい。
本発明の光学フィルムに含まれる無機微粒子Aの平均長径、平均短径及び平均アスペクト比は、以下の方法で測定することができる。
1)光学フィルムをTHF溶媒に溶解させた後、濾過して濾過物を採取する。それにより、光学フィルムから無機微粒子Aを分離する。
2)分離された無機微粒子Aのうち、任意の20個の無機微粒子Aの形状を、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察及びコンピュータソフトによる画像解析により測定する。具体的には、後述の実施例と同様にして、2−1)無機微粒子Aを前処理した後、TEM観察を行い、2−2)スキャナーで読み取った画像から解析を行うために粒子の画像のコントラストを強調するフィルター処理を行い、2−3)画像上のノイズを除去する選別を行い、2−4)計測した絶対最大長やアスペクト比等の粒子のデータを、データ処理ソフトに取り込み、粒子の分布状態を計算するデータ処理を行う。
本発明において無機微粒子Aの形状は、針状が好ましい。
無機微粒子Aは、長径方向の屈折率が短径方向の屈折率よりも大きい正の無機微粒子であってもよいし、長径方向の屈折率が短径方向の屈折率よりも小さい負の無機微粒子であってもよい。中でも、光学フィルムの波長分散Ro(450)/Ro(630)を1未満に調整しやすい(負の波長分散特性が得られやすい)点では、無機微粒子Aは、長径方向の屈折率が短径方向の屈折率よりも小さい負の無機微粒子であることが好ましい。
そのような負の無機微粒子Aの例には、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸マグネシウム、炭酸コバルト、炭酸マンガン、炭酸バリウム、炭酸カリウム、チタン微粒子、スズ微粒子が含まれる。中でも、フィルムの抜き打ち性が特に高まるため、炭酸ストロンチウムがより好ましい。
無機微粒子Aとして使用する炭酸ストロンチウム粒子は、粒子表面にポリオキシアルキレン基を有するポリカルボン酸もしくはその無水物に由来の基と、ポリオキシアルキレン基及び炭化水素基を有するアミンに由来の基とを有するものが特に好ましい。このような基を粒子表面に有すると、極性が増加するため樹脂との相溶性が向上し、その結果、光学フィルムのヘイズが低下しやすい。また、樹脂と無機微粒子Aとの間の相互作用が生じやすいので、斜め弾性率を一層高めやすく、優れた異形打抜き性を発揮しやすいと考えられる。
上述したような基を表面に有する粒子は、特開2014−80360号公報(前記特許文献3)の記載に従って無機微粒子Aに表面処理を行うことが得ることができる。側鎖にポリオキシアルキレン基を有するポリカルボン酸もしくはその無水物は、ポリカルボン酸はポリカルボン酸系界面活性剤であってもよい。ポリカルボン酸の例には、日油株式会社製のマリアリムAKM−0531、マリアリムAKM−1511−60、マリアリムHKM−50A、マリアリムAKM−150A、マリアリムSC−0505Kが含まれる。
ポリオキシアルキレン基及び炭化水素基を有するアミンにおけるポリオキシアルキレン基は、ポリオキシエチレン基であることが好ましく、炭化水素基は炭素数12〜18のアルキレン基であることが好ましい。そのようなアミンは、HLB(親水親油バランス)が4〜10の範囲にあるアミン系界面活性剤であってもよく、その例には、ポリオキシエチレン−ラウリルアミン、ポリオキシエチレン−ステアリルアミン、ポリオキシエチレン−オレイルアミン、ポリオキシエチレン−アルキル(ヤシ)アミン、ポリオキシエチレン−牛脂アルキルアミンが含まれる。
無機微粒子Aが前述の表面処理されていることは、フーリエ変換赤外分光測定装置(FT−IR)を用いて、粒子表面の赤外吸収スペクトルを測定することにより確認することができる。
無機微粒子Aの含有量は、樹脂に対して1質量%以上、10質量%以下であることが好ましい。無機微粒子Aの含有量が1質量%未満であると、無機微粒子Aの存在による効果が発揮されにくい場合があり、10質量%を超えると、無機微粒子Aの量が多すぎて、光学フィルムのヘイズが高くなる場合がある。無機微粒子Aの含有量は、樹脂に対して1〜5質量%であることがより好ましい。
1−3.無機微粒子B
本発明の光学フィルムに含まれる無機微粒子Bは、形状等方性の粒子である。本発明において形状等方性を有するとは、無機微粒子Bの一次粒子の平均長径と平均短径とが同一または近似値であること、即ち、その平均アスペクト比(長径/短径)が、1.0以上、1.5未満であることを意味する。
無機微粒子Bの平均粒径(即ち、一次粒径)は6nm以上、20nm以下が好ましい。無機微粒子Bの平均粒径が20nmを超えると、無機微粒子Aの平均短径とのサイズ差が小さくなり、無機微粒子Bの添加による効果が発揮されにくくなる。
本発明の光学フィルムに含まれる無機微粒子Bの一次粒子の長径、短径及び平均アスペクト比は、無機微粒子Aと同様にTEMで計測することができる。
無機微粒子Bの例には、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、炭酸ストロンチウムの微粒子が挙げられ、樹脂との相溶性の観点から二酸化ケイ素が好ましい。
二酸化ケイ素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、RX300、R816、NAX50、RM50、200、200V、300、300V、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
無機微粒子Bとして使用する二酸化ケイ素微粒子は、粒子表面にジメチルシリル基またはトリメチルシリル基を有するものが好ましい。このような無機微粒子Bは、側鎖にジメチルシリル基またはトリメチルシリル基を有するシランカップリング剤で表面処理することによって得ることができるし、また、表面処理の施された市販の二酸化ケイ素微粒子(例えば、アエロジル R812、RX300、R816、R972、NAX50、やRM50(すべて日本アエロジル(株)製))を使用することもできる。このような表面処理が施された二酸化ケイ素微粒子は、樹脂との相互作用が高まることによって、フィルムの粘りや硬度といった物性を高め、斜め弾性率が向上し、優れた異形打抜き性を発揮しやすいと考えられる。
無機微粒子Bの含有量は、樹脂に対して0.5質量%以上、2質量%以下であることが好ましい。無機微粒子Bの含有量が0.5質量%未満であると、無機微粒子Bの存在による効果は十分には発揮されにくい場合があり、2質量%を超えると、無機微粒子Bの量が多すぎて、光学フィルムのヘイズが高くなる場合がある。無機微粒子Bの含有量は、樹脂に対して0.5〜2質量%であることがより好ましい。
本発明は、上述した形状異方性の無機微粒子Aと、形状等方性の無機微粒子Bとを組み合わせて使用することに特徴があり、異なる形状およびサイズの粒子を組み合わせることによって、フィルム中に異なる形状の粒子からなるドメインを形成し、異形打抜きの際のクラックの発生を抑制する。よって、無機微粒子Aの平均長径rと無機微粒子Bの平均一次粒径rの比であるr/rが2.5以上、40以下となるものでなければならない。上記粒径比r/rが2.5以上、40以下であると、光学フィルム中に形成される無機微粒子Aと無機微粒子Bとからなるドメイン構造の大きさが適正なものとなり、異形打抜き性が向上すると考えられる。粒径比r/rは、10以上、30以下であることがより好ましい。
無機微粒子Aと無機微粒子Bの含有比率C/Cは、質量比でC/Cは0.15以上、120.00以下が好ましく、1以上、40以下がより好ましく、2以上、20以下がさらに好ましい。無機微粒子Aと無機微粒子Bの含有比率が上記範囲内であると、無機微粒子Aと無機微粒子Bのいずれか一方の含有比率が極端に増えすぎないので、ドメインの形成による耐衝撃性の向上効果が得られやすい。
1−4.その他の成分
本発明の光学フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、他の添加剤をさらに含んでいてもよい。他の添加剤の例には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤、マット剤、界面活性剤、フッ素系界面活性剤及び剥離助剤等が含まれる。
1−5.フィルムの物性
(遅相軸に対して45°の方向の引張弾性率)
本発明の光学フィルムは、フィルム面内の遅相軸に対して45°の方向の引張弾性率(以下、「斜め弾性率」ともいう)が2.2GPa超、3.5GPa未満であり、好ましくは2.3GPa〜3.0GPaである。フィルム面内の遅相軸とは、フィルム面において屈折率が最大となる軸をいう。光学フィルムの面内の遅相軸は、KOBRA−21ADHにより確認することができる。
斜め弾性率が2.2GPa以下であると、光学フィルムが柔らかすぎて、複雑な形状にきれいに打ち抜くことが難しくなる。また、斜め弾性率が3.5GPa以上であると、光学フィルムは硬く、打抜きの際にクラックが発生しやすくなる。
光学フィルムの斜め弾性率は、以下の方法で測定することができる。
始めに、光学フィルムの遅相軸に対して45°の方向が主軸となるように試験片をフィルムから切り出す。切り出した試験片を、25℃、60%RHの環境下で24時間調湿した後、JIS K7127に記載の方法で主軸方向に対する弾性率を測定する。具体的な測定条件は、後述の実施例と同様である。
本発明の光学フィルムにおいては、無機微粒子Aと無機微粒子Bの粒径の異なる2種類の粒子が存在するときにのみ、フィルム中で複雑な複合粒子が形成され、この複合粒子が斜めからの力を緩和する機能を発揮すると考えられる。よって、一般的に無機微粒子Aと無機微粒子Bの含有量が多いほど、斜め弾性率は上昇するが、多すぎるとフィルムが堅くなり、斜め弾性率も高くなりすぎると考えられる。また、使用する無機微粒子の粒径が大きすぎると、形成される複合粒子の粒径も大きくなるため、無機微粒子とフィルムとの相互作用が少なくなり、弾性率を向上させる効果があまり発揮されないと考えられる。
光学フィルムの斜め弾性率を上記範囲(2.2GPa超、3.5GPa未満)とするためには、例えば、粒径比r/rが2.5〜40の範囲内となるように無機微粒子Aと無機微粒子Bを選択し、それらの含有比率C/Cを(0.5/0.1)〜(12/3.0)の範囲内であり、樹脂に対する無機微粒子Aの含有量が1質量%〜10質量%、無機微粒子Bの含有量が0.5質量%〜2質量%となるように、無機微粒子Aと無機微粒子Bの含有量を調整することが好ましい。光学フィルムの斜め弾性率を高めるためには、無機微粒子Aや無機微粒子Bの含有量を増やすことが考えられる。また、光学フィルムの斜め弾性率を下げるためには、無機微粒子Aと無機微粒子Bの含有量を減らしたり、より粒径の大きな無機微粒子Aや無機微粒子Bを使用することが考えられる。
(位相差値)
光学フィルムは、その用途に応じて種々の位相差値をとり得る。例えば、測定波長590nm、23℃55%RHの環境下で測定される面内方向の位相差Ro及び厚み方向の位相差Rthは、下記関係を満たすことが好ましい。
30nm≦Ro≦300nm
−200nm≦Rth≦200nm
光学フィルムの面内方向の位相差Roは、50≦Ro≦250nmを満たすことがより好ましく、70nm≦Ro≦200nmを満たすことがさらに好ましい。光学フィルムの厚み方向の位相差Rthは、−150nm≦Rth≦150nmを満たすことがより好ましく、−120nm≦Rth≦120nmを満たすことがさらに好ましい。
光学フィルムのRo及びRthは、それぞれ下記式で定義される。
式(2a):Ro=(nx−ny)×d
式(2b):Rth=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、
nxは、光学フィルムの面内遅相軸方向の屈折率を表し、
nyは、光学フィルムの面内遅相軸に直交する方向の屈折率を表し、
nzは、光学フィルムの厚み方向の屈折率を表し、
dは、光学フィルムの厚み(nm)を表す。)
光学フィルムの面内遅相軸とは、フィルム面において屈折率が最大となる軸をいう。光学フィルムの面内遅相軸は、自動複屈折率計アクソスキャン(AxoScan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)により確認することができる。
光学フィルムのRo及びRthの測定は、以下の方法で行うことができる。
1)光学フィルムを23℃55%RHの環境下で24時間調湿する。この光学フィルムの平均屈折率をアッベ屈折計で測定し、厚みdを市販のマイクロメーターを用いて測定する。
2)調湿後の光学フィルムの、測定波長590nmにおけるリターデーションRo及びRthを、それぞれ自動複屈折率計アクソスキャン(AxoScan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)を用いて、23℃55%RHの環境下で測定する。具体的な測定手順や測定条件は、後述の実施例と同様である。
光学フィルムの位相差Ro及びRthは、シクロオレフィン系樹脂と無機微粒子Aの含有比率や延伸条件によって調整されうる。光学フィルムの位相差Roを大きくするためには、例えば無機微粒子Aの含有量を少なくしたり、延伸倍率を高くしたりすることが好ましい。
(波長分散)
光学フィルムの波長分散Ro(450)/Ro(630)は、0.80〜1.03であることが好ましく、0.82〜0.98であることがより好ましい。光学フィルムのRo(450)/Ro(630)が上記範囲内であると、それを含む液晶表示装置の色味を良好としうる。
波長分散Ro(450)/Ro(630)は、測定波長を450nm、630nmに変えて前述の位相差Roを測定して算出することができる。
光学フィルムの波長分散Ro(450)/Ro(630)は、光学フィルムに含まれる無機微粒子Aの種類や量によって調整されうる。
(厚み)
光学フィルムの厚みは、RoとRthが前述の範囲を満たし、且つ薄型化する観点から、例えば10〜200μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましく、10〜60μmであることがさらに好ましい。
2.光学フィルムの製造方法
本発明の光学フィルムは、溶液流延製膜法で製造されても、溶融流延製膜法で製造されてもよい。高温での溶融が不要であり、比較的分子量の大きい樹脂でも製膜しやすいことから、本発明の光学フィルムは、溶液流延製膜法で製造されることが好ましい。
即ち、本発明の光学フィルムの、溶液流延製膜法による製造方法は、1)上記各成分を溶剤に溶解させてドープを得る工程と、2)ドープを支持体上に流延した後、剥離して膜状物を得る工程と、3)膜状物を乾燥させる工程とを含む。本発明の光学フィルムの製造方法は、前記2)と前記3)の間に4)膜状物を延伸する工程や、前記3)の後に5)得られたフィルムを巻取る工程をさらに含むことが好ましい。
1)の工程について
少なくとも樹脂と、無機微粒子Aと、無機微粒子Bとを1種類以上の溶媒と混合してドープを得る。樹脂と無機微粒子AおよびBを溶媒に同時に混合して樹脂を溶解させてドープを得てもよいし、樹脂を溶媒に溶解させた樹脂溶液と、無機微粒子Aおよび/またはBを溶媒に分散させた粒子溶液とを混合してドープを得てもよい。
ドープの調製に用いられる有機溶媒は、樹脂を溶解するが、無機微粒子Aと無機微粒子Bは溶解しないものであれば、制限なく用いることができる。
有機溶媒の例には、ジクロロメタンなどの塩素系有機溶媒や;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタンなどの非塩素系有機溶媒などが含まれる。なかでも、ジクロロメタン、酢酸メチル、酢酸エチルおよびアセトンが好ましい。
有機溶媒には、1〜40質量%の炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖状の脂肪族アルコールがさらに含まれてもよい。これらの脂肪族アルコールをドープ中に含有させることで、膜状物がゲル化し、金属支持体からの剥離を容易にしやすい。
炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖状の脂肪族アルコールの例には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール等が含まれる。なかでも、ドープの安定性に寄与し、沸点も比較的低く、乾燥性が高いことなどから、エタノールやブタノールが好ましい。
有機溶媒は、ジクロロメタンと炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖状の脂肪族アルコールとの混合物であることが好ましい。
樹脂の溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上の温度で加圧して行う方法、特開平9−95544号公報、特開平9−95557号公報、又は特開平9−95538号公報に記載されている冷却溶解法を適用して行う方法、特開平11−21379号公報に記載されている高圧で行う方法等種々の溶解方法を用いることができるが、特に主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法が好ましい。
ドープ中の樹脂の濃度は、ドープ全質量に対し10〜45質量%の範囲としうる。
異物故障を抑制する観点等から、得られたドープ(特に樹脂溶液)を濾材で濾過することが好ましい。濾過したドープを脱泡した後、送液ポンプで流延ダイに供給する。
2)の工程について
得られたドープを、送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通して加圧ダイに送液する。そして、ドープを、加圧ダイのスリットから無端状の金属支持体上に流延する。金属支持体は、例えばステンレスベルトなどの金属ベルトであってもよいし;回転する金属ドラムなどであってもよい。
加圧ダイの例には、コートハンガーダイやTダイ等が含まれる。金属支持体31の表面は鏡面であることが好ましい。
次いで、流延されたドープを金属支持体上で加熱し、溶媒を蒸発させて膜状物を得る。
溶媒を蒸発させる方法は、ドープの表面に風を吹かせる方法、金属支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱によりドープの表裏から伝熱する方法等がある。なかでも、乾燥効率が高いことから、金属支持体の裏面から液体により伝熱する方法が好ましい。
金属支持体上でのドープの乾燥は、40〜100℃の雰囲気下で行うことが好ましい。40〜100℃の雰囲気とするには、この温度の温風を、ドープ膜の表面に当てるか、赤外線を当てるなどによりドープを加熱することが好ましい。
次いで、金属支持体上で溶媒を蒸発させて得られた膜状物を、剥離位置で剥離する。得られる膜状物の面品質や剥離性を高める観点などから、流延後30〜120秒以内で膜状物を金属支持体から剥離することが好ましい。
金属支持体上から剥離する際の膜状物の残留溶媒量は、乾燥の条件の強弱、金属支持体の長さなどにもよるが、概ね50〜120質量%であることが好ましい。残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、膜状物が柔らか過ぎると、剥離時に不均一に伸びるなどして平面性を損ないやすく、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易い。従って、平面性を損なわない範囲で剥離時の残留溶媒量が決められうる。
膜状物の残留溶媒量は、下式で定義される。
残留溶媒量(%)=(膜状物の加熱処理前質量−膜状物の加熱処理後質量)/(膜状物の加熱処理後質量)×100
なお、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、140℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
金属支持体から膜状物を剥離する際の剥離張力は、通常、196〜245N/mであることが好ましい。剥離の際に皺が入り易い場合、剥離張力は、190N/m以下とすることが好ましい。
金属支持体の剥離位置における膜状物の温度は、−50〜40℃であることが好ましく、10〜40℃であることがより好ましく、15〜30℃であることがさらに好ましい。
4)の工程について
剥離して得られた膜状物を延伸して位相差を調整することが好ましい。
延伸は、少なくとも前述の方向Xに行うことが好ましい。方向Xは、流延方向(MD方向)と幅手方向(TD方向)のいずれであってもよい。延伸方向は、一つであってもよいし、二以上であってもよい。二方向への延伸(二軸延伸)は、流延方向(MD方向)と幅手方向(TD方向)にそれぞれ行うことが好ましい。二軸延伸は、同時二軸延伸であってもよいし、段階的な二軸延伸(逐次二軸延伸)であってもよい。
段階的な二軸延伸には、延伸方向の異なる延伸を順次行うことや;同一方向の延伸を多段階に分割して行うことが含まれる。段階的な二軸延伸の例には、次のようなものが含まれる。
a)流延方向に延伸→幅手方向に延伸→流延方向に延伸→流延方向に延伸
b)幅手方向に延伸→幅手方向に延伸→流延方向に延伸→流延方向に延伸
延伸倍率は、流延方向(MD方向)と幅手方向(TD方向)の合計で、好ましくは110%〜400%の範囲であり、より好ましくは120〜300%の範囲であり、さらに好ましくは130〜250%の範囲である。延伸倍率を高くすることで、得られるフィルムの引張弾性率を高くしやすく、CHE/CTEを低くしやすい。
延伸温度は、光学フィルムのTg〜(Tg+50)℃であることが好ましく、Tg〜(Tg+40)℃であることがより好ましい。具体的には、セルロースエステルを主成分とする光学フィルムを得る場合、延伸温度は100〜200℃程度としうる。
テンター延伸装置で延伸を行う場合、テンター延伸開始時の膜状物の残留溶媒量は、20〜100質量%であることが好ましい。さらに、膜状物の残留溶媒量が10質量%以下になるまで、好ましくは5質量%以下になるまで乾燥を行うことが好ましい。乾燥温度は、30〜160℃の範囲が好ましく、50〜150℃の範囲がより好ましい。
3)の工程について
前記2)又は4)で得られた膜状物を乾燥させて、光学フィルムを得る。
乾燥温度は、概ね40〜250℃であることが好ましく、40〜160℃であることがより好ましい。急激な乾燥は、得られる光学フィルムの平面性を損ねやすいことから、高温による乾燥は、膜状物の残留溶媒量が8質量%以下となる時点で行うことが好ましい。
膜状物の乾燥は、乾燥装置内に複数配置したロールに膜状物を交互に通し、膜状物を搬送させながら乾燥させるロール乾燥法や、クリップで膜状物の両端を把持して搬送させながら乾燥させるテンター乾燥法で行うことができる。
乾燥方法は、特に制限されず、熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行うことができ、簡便さの点から、熱風で行うことが好ましい。
5)の工程について
得られた光学フィルムを、巻き取り機で巻き取る。巻き取り方法は、一般に使用されているものを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等でありうる。
本発明の光学フィルムは、長尺状であることが好ましく、具体的には、長さが100m〜5000m程度であることが好ましい。このような長尺状の光学フィルムは、通常、長さ方向に対して直交する方向を巻き取り軸として巻き取ったロール体で提供されうる。光学フィルムの幅は、1.3〜4mであることが好ましく、1.4〜2mであることがより好ましい。
3.偏光板
本発明の偏光板は、偏光子と、2つの保護フィルムとを含み、保護フィルムの少なくとも一つが本発明の光学フィルムである。本発明の光学フィルムが偏光子の一方の面にのみ配置される場合は、偏光子の他方の面には、他の光学フィルムが配置されうる。
3−1.偏光子
偏光子は、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光子は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムである。ポリビニルアルコール系偏光フィルムには、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと、二色性染料を染色させたものとがある。
ポリビニルアルコール系偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸した後、ヨウ素又は二色性染料で染色したフィルム(好ましくはさらにホウ素化合物で耐久性処理を施したフィルム)であってもよいし;ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素又は二色性染料で染色した後、一軸延伸したフィルム(好ましくは、さらにホウ素化合物で耐久性処理を施したフィルム)であってもよい。偏光子の吸収軸は、通常、最大延伸方向と平行である。
例えば、特開2003−248123号公報、特開2003−342322号公報等に記載のエチレン単位の含有量1〜4モル%、重合度2000〜4000、けん化度99.0〜99.99モル%のエチレン変性ポリビニルアルコールが用いられる。中でも、熱水切断温度が66〜73℃であるエチレン変性ポリビニルアルコールフィルムが好ましく用いられる。
偏光子の厚みは、5〜30μmであることが好ましく、偏光板を薄型化するため等から、5〜20μmであることがより好ましい。
3−2.光学フィルム
本発明の光学フィルムは、偏光子の少なくとも一方の面に配置される。本発明の光学フィルムがλ/4フィルムとして用いられる場合、本発明の光学フィルムの面内遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、20〜70°であることが好ましく、30〜60°であることがより好ましく、40〜50°であることがさらに好ましい。
3−3.他の光学フィルム
偏光子の他方の面には、他の光学フィルムが配置されうる。他の光学フィルムの例には、市販のセルロースアシレートフィルム(例えば、コニカミノルタタックKC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5、KC4FR−1、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、KC8UE、KC4UE、KC4HR−1、KC4KR−1、KC4UA、KC6UA以上コニカミノルタオプト(株)製)等が含まれる。
他の光学フィルムの位相差値は、組み合わせる液晶セルの種類にもよるが、例えばIPSモードの液晶セルと組み合わせる場合、23℃RH55%下、波長590nmで測定される面内方向の位相差Ro(590)は0〜30nmであることが好ましく、0〜10nmであることがより好ましい。厚さ方向の位相差Rth(590)は、−30〜30nmであることが好ましく、−10〜10nmであることがより好ましい。Ro及びRthは、前述と同様の方法で測定されうる。
他の光学フィルムの厚みは、特に限定はないが、10〜100μmであることが好ましく、10〜60μmであることがより好ましく、20〜60μmであることが特に好ましい。
本発明の偏光板は、偏光子と本発明の光学フィルムとを接着剤を介して貼り合わせて得ることができる。接着剤は、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(水糊)や活性エネルギー線硬化性接着剤でありうる。偏光子と本発明の光学フィルムの貼り合わせは、通常、ロールトゥロールで行うことができる。
本発明では、偏光板を異形に打ち抜いて液晶表示装置を得る。本発明の光学フィルムは斜め弾性率が一定以上に調整されているので、異形に打ち抜いたときのクラックを抑制しうる。それにより、本発明の光学フィルムを含む本発明の偏光板も異形に打ち抜いたときのクラックを抑制しうる。
4.液晶表示装置
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、それを挟持する一対の偏光板とを含む。
図3は、液晶表示装置の基本的な構成の一例を示す模式図である。図3に示されるように、本発明の液晶表示装置10は、液晶セル30と、それを挟持する第一の偏光板50及び第二の偏光板70と、バックライト90とを含む。
液晶セル30の表示モードは、例えばTN(Twisted Nematic)、VA(Vistical Alignment)、又はIPS(InPlane Switching)等のいずれの表示モードであってよい。例えば、モバイル機器向けの液晶セルとしては、IPSモードが好ましい。
第一の偏光板50は、液晶セル30の視認側の面に配置された第一の偏光子51と、第一の偏光子51の視認側の面に配置された保護フィルム53(F1)と、第一の偏光子51の液晶セル側の面に配置された保護フィルム55(F2)とを含む。
第二の偏光板70は、液晶セル30のバックライト側の面に配置された第二の偏光子71と、第二の偏光子71の液晶セル側の面に配置された保護フィルム73(F3)と、第二の偏光子71のバックライト側の面に配置された保護フィルム75(F4)とを含む。
第一の偏光子51の吸収軸と第二の偏光子71の吸収軸とは直交している(クロスニコルとなっている)ことが好ましい。
保護フィルム53(F1)、55(F2)、73(F3)および75(F4)の少なくとも一つを本発明の光学フィルムとしうる。中でも、本発明の光学フィルムは、波長分散が低減されていることから、保護フィルム53(F1)として好ましく用いられる。保護フィルム(F1)として本発明の光学フィルムを含む液晶表示装置は、良好な視認性(色味)を有する。なお、本発明の光学フィルム以外の保護フィルムとしては、前述の他の光学フィルムを用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.光学フィルムの材料
(1)樹脂
下記のシクロオレフィン系樹脂COP1〜COP3、またはその他の樹脂を使用した。
COP1:ARTON−G7810(JSR社製)、シクロオレフィン系樹脂(式(A−2)で表される単量体と他の単量体の共重合体(前述の(5)の重合体)、重量平均分子量=140000)
COP2:ARTON−R5000(JSR社製)、シクロオレフィン系樹脂(式(A−1)で表される単量体、式(A−2)で表される単量体及び他の単量体との共重合体(前述の(5)の重合体)、重量平均分子量=50000)
COP3:ARTON−RH4900(JSR社製)、シクロオレフィン系樹脂(式(A−2)で表される単量体と他の単量体との共重合体(前述の(5)の重合体)、重量平均分子量=57000)
(その他の樹脂)
PMMA:ポリメチルメタクリレート(重量平均分子量=200000)
TAC:セルローストリアセテート(アセチル基置換度(総アシル基置換度)=2.88、重量平均分子量=280000)
樹脂A:特願2005−227606の記載に従って合成した環状オレフィン系樹脂(a−1)
(2)無機微粒子A
表1に記載したチタン微粒子、スズ微粒子、炭酸カリウム微粒子および炭酸ストロンチウム微粒子を無機微粒子Aとして使用した。
(粒子の形状測定方法)
無機微粒子Aの長径、短径及び平均アスペクト比は、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察及びコンピュータソフトによる画像解析により、以下の方法で測定した。
1)まず、観察前の処理として、粒子をエタノールで分散させた後、C膜上に滴下乾燥させた上で、その粒子をTEMで観察した。TEMは、JEM−2000FX(日本電子製)(加速電圧:200kV)を使用した。対象画像は、各試料×10000(直接×5000)の断面TEM像各2枚とした。入力はネガを印画紙にプリントしフラットヘッドスキャナーにて電子化した(入力解像度:300dpi、dpiとは2.54cm当たりのドット数を表す)。
2)次に、スキャナーで読み取った画像から解析を行なうために、粒子の画像のコントラストを強調して、画像ソフトが粒子を認識可能とするフィルター処理を行った。さらに、フィルターの条件を変更してコントラストの最適化を行った。
フィルター処理は、メディアン3×3、次に平坦化20ピクセル、次にハイパス3×3、次にメディアン3×3を使用した。次に、上記コントラストを最適化した画像から粒子を抽出し個々の粒子の形状を画像解析ソフトを用いて、長軸方向の長さと短軸方向の長さを測定した。
3)また、画像上のノイズと考えられるものを除去する選別を行った。さらに、計測した絶対最大長やアスペクト比等の粒子のデータをデータ処理ソフトに取り込み、粒子の分布状態を計算するデータ処理を行った。
フラットヘッドスキャナーは、Sitios9231(コニカミノルタ株式会社製)を使用し、画像解析ソフトはImagePro Plus(Media Cybernetics製)を、データ処理ソフトはExcel(Microsoft社製)を使用した。
(無機微粒子Aの表面処理)
無機微粒子Aが表面処理を施したものである場合には、特開2014−80360号公報の記載に従って表面処理を行った。具体的には、炭酸ストロンチウム粒子の水性スラリー(濃度:5.8質量%)3500gをホモミキサーに投入し、撹拌しながら水性スラリーに、側鎖にポリオキシアルキレン基を有するポリカルボン酸の無水物(マリアリムKM−0521、日油株式会社製)を12.2g(炭酸ストロンチウム粒子100質量部に対して6質量部)添加して、水性スラリーに溶解させた。次に、ポリオキシエチレン−ステアリルアミン(ナイミーンS204、HLB=8.0、日油株式会社製)を30.5g(炭酸ストロンチウム粒子100質量部に対して15質量部)添加し、その後1時間撹拌混合を続けた。撹拌混合後の炭酸ストロンチウム粒子水性スラリーを120〜130℃に加熱したステンレス板の上に噴霧し、水性スラリーを乾燥して、表面処理を施した炭酸ストロンチウム微粉末を得た。
(3)無機微粒子B
表1に記載したR812、RX300、R816、R972、NAX50、RM50、及び300Vは、すべて日本アエロジル(株)製からアエロジルの商品名で市販されている二酸化ケイ素の微粒子である。尚、これらの内、アエロジル 300Vは表面処理のされていない二酸化ケイ素微粒子であり、その他のアエロジルはシランまたはシロキサンで化学的に処理された、粒子表面にジメチルシリル基またはトリメチルシリル基を有する、二酸化ケイ素微粒子である。
上記二酸化ケイ素微粒子のいずれか1種、または上記表面処理を施した炭酸ストロンチウム微粒子を無機微粒子Bとして使用した。
2.光学フィルムの作製
[実施例1]
<粒子分散液の作製>
下記各組成物を、超音波分散機UH−300(株式会社エスエムテー製)において出力目盛り10で連続40分間分散し、粒子分散液を調製した。
無機微粒子A(チタン微粒子) 6質量部
無機微粒子B(アエロジルR812) 1質量部
メチレンクロライド 96.5質量部
エタノール 96.5質量部
<分散液希釈液の作製>
下記各組成物を容器に投入し完全に溶解した。
COP1 25質量部
メチレンクロライド 488質量部
エタノール 34質量部
<ドープ追加液の作製>
下記各組成物を容器に投入し完全に溶解した。
COP1 173質量部
メチレンクロライド 100質量部
<ドープ液の作製>
上記分散液希釈液に、粒子分散液の200質量部をゆっくり添加した後、この混合液を超音波分散機UH−300(株式会社エスエムテー製)において出力目盛り10で容器のまわりを冷水で冷やしながら、連続10分間再分散を行なった。
再分散した液をよく攪拌しながら上記ドープ追加液をゆっくり加え、完全に溶解して、無機微粒子A及びBを含むドープ液を調製した。
<溶液流延製膜法による試料フィルムの作製>
作製したドープ液を40℃に保ち、40℃に保温された無限移行する無端の金属支持体であるステンレスベルト上に均一に流延した。
ドープをステンレスベルトに流延する際に、ダイのスリット内を流れるドープのスリット通過時間は1.5秒、ドラフト比は3となるようにランド長の異なるダイに交換するとともに、ドープに流量およびステンレスベルトの走行速度を調整した。
この流延膜の残留溶媒量が80%まで乾燥した後、ステンレスベルト上から剥離し、剥離したフィルムの膜状物を40℃で残留溶剤量を20%まで溶媒を蒸発させた後、さらに多数のロールで搬送させながら120℃で乾燥して20μm、幅1.3mの試料フィルム1を得た。
[実施例2〜29、比較例1〜3、11]
樹脂、無機微粒子Aおよび無機微粒子Bの種類や量を表1に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
[比較例4、5および7]
表1に記載した樹脂と無機微粒子Aのみを使用して、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
[比較例6]
表1に記載した樹脂と無機微粒子Bのみを使用して、実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
[比較例8〜10]
表1に記載した樹脂のみを使用し、無機微粒子Aおよび無機微粒子Bを使用せずに、実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
実施例1〜28及び比較例1〜10の光学フィルムの原料とそれらの物性を、作製したフィルムの膜厚と共に表1に示す。
Figure 2017097111
得られた光学フィルムの斜め弾性率、ヘイズ、位相差、波長分散を、それぞれ以下の方法で測定した。
尚、異形打抜き性および打抜き後耐久性については、実施例および比較例で得られた光学フィルムを用いて下記のように偏光フィルムおよび偏光板を作製し、作製した偏光板について試験した。
(斜め弾性率)
光学フィルムの遅相軸に対して45°の方向が主軸となるように、1.0cm(遅相軸方向に対して直交する方向)×10.0cm(遅相軸方向に対して45°方向)の試験片をフィルムから切り出した。切り出した試験片を、25℃、60%RHの環境下で24時間調湿した。得られた試験片の引張弾性率を、JIS K7127に記載の引張り試験方法により測定した。具体的には、試料片を、引張試験装置(株)オリエンテック製テンシロンにセットし、チャック間距離50.0mm、引張り速度50mm/minの条件で引張試験を行ったときの引張弾性率を測定した。測定は、25℃60%RH下で行った。
(ヘイズ)
光学フィルムのヘイズは、JIS K−7136に準拠して、ヘイズメーター(濁度計)(型式:NDH 2000、日本電色(株)製)で測定した。
(位相差及び波長分散)
光学フィルムのRo及びRthは、以下の方法で測定した。
1)光学フィルムを23℃55%RHの環境下で24時間調湿した。得られた光学フィルムの平均屈折率をアッベ屈折計で測定した。また、光学フィルムの厚みdを、市販のマイクロメーターを用いて測定した。
2)調湿後の光学フィルムの、測定波長590nmにおけるリターデーションRo及びRthを、それぞれ自動複屈折計アクソスキャン(アクソメトリックス社製)を用いて、23℃55%RHの環境下で測定した。具体的には、
i)フィルム面の法線方向に平行に測定波長590nmの光を入射させたときのRoを、アクソスキャンにて測定した。
ii)さらに、アクソスキャンにより、試料片の面内遅相軸を傾斜軸(回転軸)として、試料片の表面の法線に対してθの角度(入射角(θ))から測定波長590nmの光を入射させたときの位相差R(θ)を測定した。位相差R(θ)の測定は、θが0°〜50°の範囲で10°毎に6点行った。試料片の面内遅相軸は、アクソスキャンにより確認した。
iii)測定されたRo及びR(θ)と、前述の平均屈折率と厚みとから、アクソスキャンがnx、ny及びnzを算出し、上記式(2b)に基づいて測定波長590nmでのRthを算出した。
iv)測定波長を450nm又は630nmに変えて、上記i)及びii)と同様の測定を行い、各測定波長におけるRoを測定し、波長分散Ro(450)/Ro(630)を求めた。
さらに、得られた光学フィルムを用いて製造した偏光板の異形打抜き性と打抜き後耐久性を、それぞれ以下の方法で評価した。
(異形打抜き性、打抜き後耐久性)
1)偏光子の作製
重合度2,400、ケン化度99.9モル%、厚さ60μm、幅3,300mmの長尺のポリビニルアルコールフィルム((株)クラレ製の商品名“クラレビニロン PE3000”)〕を原反フィルムとし、以下のように操作して偏光フィルムを作製した。延伸は、処理槽前後の駆動ニップロールに周速差をつけて行った。
まず、原反フィルムが弛まないように機械方向(流れ方向)の緊張状態を保ったまま、37℃の純水が入った膨潤槽に80秒間浸漬して、フィルムを十分に膨潤させた。膨潤に伴う膨潤槽の入口と出口のロール速度比は1.2であった。膨潤槽出口に設けたニップロールで水切りを行った後、30℃の純水が入った水浸漬槽に160秒間浸漬した。水浸漬槽でのフィルムの機械方向の延伸倍率は1.04倍とした。次に、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水が重量比で0.04/1.5/100の水溶液が入った染色槽にフィルムを浸漬しつつ、延伸倍率約1.6倍で一軸延伸を行った。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水が重量比で12/3.6/100の水溶液が入った第一のホウ酸槽に、温度56.5℃で130秒間浸漬して第一のホウ酸処理を施しつつ、原反からの積算延伸倍率が5.3倍になるまで一軸延伸を行った。さらに、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水が重量比で12/1.5/100の水溶液が入った第二のホウ酸槽に温度30℃で60秒間浸漬して第二のホウ酸処理を行った。引き続き、10℃の純水が入った水洗槽に約16秒間浸漬して洗浄した後、約60℃の乾燥炉と約85℃の乾燥炉を順次通過させ、それら乾燥炉での滞留時間を合計160秒間として乾燥を行った。こうして、ヨウ素が吸着配向している厚さ12μmの偏光子を得た。
2)偏光板の作製
実施例および比較例で作製した各光学フィルムの片面にコロナ処理を施して使用した。
また、他の光学フィルムとして、アルカリ鹸化処理したコニカミノルタタック KC2UA(コニカミノルタオプト(株)製)を用意した。
光学フィルムのコロナ処理した面と、KC2UAのアルカリ鹸化処理した面とがそれぞれ上記偏光子と接するようにして貼り合わせた。この時、接着剤として、ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3質量%水溶液を使用した。また、貼り合わせる際には、実施例または比較例の光学フィルムは、偏光子の吸収軸と遅相軸が平行になるように、そして反対側の他の光学フィルムは、偏光子の吸収軸と遅相軸が直行するように貼り合わせた。貼り合わせたフィルムを60℃の温風で5分乾燥させ、偏光板を得た。
3)粘着剤付き偏光板の作製
離型フィルム上に25μmの厚さで形成されている、市販の熱硬化型アクリル系粘着剤シートを用いた。この粘着剤の80℃における貯蔵弾性率は0.42Mpaであった。この粘着剤シートを偏光板の光学フィルム側に貼り、粘着剤付き偏光板を得た。
4)異形打抜き性の評価)
作製した粘着剤付き偏光板を図2に示した車載メーター用の形状に断裁した。尚、図2においては、上部の凹んだカーブ部は、図形内部の2つの円と接すると想定した半径60mmの真円の外周に沿うものである。
異形に断裁した偏光板から離型フィルムを剥がし、その粘着剤側をコーニング社製の液晶セル用ガラス基板に貼合した。このようなサンプルを各偏光板につき10枚用意した。この状態でまず偏光子に破断が生じているか否かを目視で確認し、クラックが発生しているサンプルの枚数をカウントした。以下の評価基準に基づき、クラックの発生した偏光板の枚数から異形打抜き性を評価した。
◎: クラックの生じた枚数 0枚
○: クラックの生じた枚数 1〜2枚
△: クラックの生じた枚数 3〜5枚
×: クラックの生じた枚数 6枚以上
5)打抜き後耐久性の評価
次に、上記で作製した各サンプルをヒートショック試験に付した。具体的には、各サンプルについて、−40℃に30分保つ工程と温度85℃に30分保つ工程を1サイクルとするヒートサイクル試験を1000サイクル行った。試験後、偏光子に破断が生じているか否かを目視で確認し、クラックが発生しているサンプルの枚数をカウントした。上記評価基準に基づき、クラックの発生した偏光板の枚数から異形打抜き性を評価した。
実施例1〜29及び比較例1〜11の光学フィルムの評価結果を表2に示す。
Figure 2017097111
表2に示されるように、形状異方性の無機微粒子Aと、形状等方性の無機微粒子Bの両方を含有する実施例の光学フィルムは、優れた異形打抜き性を示し、ヒートショック試験に対する耐久性も有していた。無機微粒子Aとして炭酸ストロンチウムの微粒子を使用すると、粒径やアスペクト比が同じ他の金属種の微粒子を使用した場合よりも優れた抜き打ち性および耐久性が得られ、更にRo、Rthおよび波長分散が向上した(実施例1〜3と実施例4)。
炭酸ストロンチウムの微粒子に表面処理を施してから使用する(実施例5)と、無機微粒子Aの極性が増加して樹脂との相溶性が向上するため、表面処理なしの炭酸ストロンチウムの微粒子を使用した場合(実施例6)と比べて、ヘイズが著しく低下した。また、表面処理を施した二酸化ケイ素微粒子を使用する(実施例4)と、無機微粒子Bと樹脂との相互作用が高まることによって、表面処理なしの二酸化ケイ素微粒子を使用した場合(実施例29)と比べて、抜き打ち性および耐久性が向上した。
また、無機微粒子Aの含有量が1質量%〜10質量%であり、無機微粒子Bの含有量が0.5質量%〜2質量%の時に打抜き性と耐久性が最も高く、無機微粒子Aや無機微粒子Bの含有量が上記範囲未満(実施例7や11)であると、微粒子の量が少ないため、打抜き性と耐久性の向上効果が幾分低くなり、上記範囲を超えると(実施例10や14)、打抜き性と耐久性が少し低下すると共に、ヘイズも上昇した。
上記に対して、無機微粒子Aと無機微粒子Bいずれか一方のみ、もしくはいずれも含まない比較例4〜10の光学フィルムは、異形打抜き可能であっても、ヒートショック試験に対する耐久性を示すものはなかった。また、無機微粒子Aと無機微粒子Bの両方を含有していても、それらの粒径比r/rが2.5未満(比較例1と2)または40超(比較例3)の場合には、光学フィルムの斜め弾性率は2.2未満となり、異形打抜きの際に半数を超えるサンプルにクラックが発生した。これらの結果は、偏光板の異形打抜き性および耐久性が、形状および粒径の異なる2種類の無機微粒子を組み合わせて使用することによって発揮される効果であることを示している。
また、無機微粒子Aと無機微粒子Bの含有比率C/Cが0.15未満であり、且つ光学フィルムの斜め弾性率が3.5超(比較例11)であると、異形打抜きの際に半数を超えるサンプルにクラックが発生した。これらの結果は、偏光板の異形打抜き性および耐久性は、斜め弾性率が2.2GPa超、3.5GPa未満の時に発揮される効果であることを示している。
更に樹脂単独としてはセルロースエステル系樹脂(比較例10)の異形打抜き性がシクロオレフィン系樹脂(比較例8)や(メタ)アクリル樹脂(比較例9)よりも優れていたが、無機微粒子Aおよび無機微粒子Bと組み合わせた際に発揮される異形打抜き性および耐久性は、(メタ)アクリル樹脂(実施例27)やセルロースエステル系樹脂(実施例28)よりもシクロオレフィン系樹脂(実施例26等)の方が優れていた。本発明によって、従来、耐久性は高いものの、異形打抜きは難しいと考えられていたシクロオレフィン系樹脂の異形打抜き性を向上させることができた。
本発明によれば、異形打抜き性や耐久性に優れた光学フィルムを提供できる。
10 液晶表示装置
30 液晶セル
50 第一の偏光板
51 第一の偏光子
53 保護フィルム(F1)
55 保護フィルム(F2)
70 第二の偏光板
71 第二の偏光子
73 保護フィルム(F3)
75 保護フィルム(F4)
90 バックライト

Claims (13)

  1. シクロオレフィン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、及び(メタ)アクリル樹脂からなる群より選ばれる樹脂と、
    長径と短径とを有する、形状異方性を有する無機微粒子Aと、
    形状等方性を有する無機微粒子Bと
    を含む光学フィルムであって、
    前記無機微粒子Aの平均長径rと前記無機微粒子Bの平均一次粒子径rの比であるr/rが2.5以上、40以下であり、
    前記光学フィルムの面内において屈折率が最大となる遅相軸に対して45°の方向の引張弾性率が2.2GPa超、3.5GPa未満である、光学フィルム。
  2. 前記無機微粒子Aと前記無機微粒子Bの含有比率C/Cが、質量比で0.15以上、120.00以下である、請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記無機微粒子Aの含有量が、前記樹脂に対して1質量%以上、10質量%以下であり、
    前記無機微粒子Bの含有量が、前記樹脂に対して0.5質量%以上、2質量%以下である、請求項1または2に記載の光学フィルム。
  4. 前記無機微粒子Aの平均長径が50nm以上、300nm以下であり、且つ平均アスペクト比が1.5以上、4.0以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  5. 前記無機微粒子Aが炭酸ストロンチウム粒子である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  6. 前記炭酸ストロンチウム粒子が、粒子表面にポリオキシアルキレン基を有するポリカルボン酸もしくはその無水物に由来の基と、ポリオキシアルキレン基及び炭化水素基を有するアミンに由来の基とを有する、請求項5に記載の光学フィルム。
  7. 前記無機微粒子Bの平均粒径が6nm以上、20nm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  8. 前記無機微粒子Bが二酸化ケイ素微粒子である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  9. 前記二酸化ケイ素微粒子が、粒子表面にジメチルシリル基またはトリメチルシリル基を有する、請求項8に記載の光学フィルム。
  10. 前記樹脂がシクロオレフィン系樹脂である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  11. 偏光子と、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学フィルムとを含む、偏光板。
  12. 第1の偏光板と、液晶セルと、第2の偏光板と、バックライトとをこの順に含む液晶表示装置であって、
    前記第1の偏光板は、第1の偏光子と、前記第1の偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF1と、前記第1の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された保護フィルムF2とを含み、
    前記第2の偏光板は、第2の偏光子と、前記第2の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された保護フィルムF3と、前記第2の偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF4とを含み、
    前記保護フィルムF1、F2、F3及びF4の少なくとも一つが、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学フィルムである、液晶表示装置。
  13. 前記保護フィルムF1が、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学フィルムである、請求項11に記載の液晶表示装置。
JP2015227917A 2015-11-20 2015-11-20 異形打抜きに優れた光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置 Pending JP2017097111A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015227917A JP2017097111A (ja) 2015-11-20 2015-11-20 異形打抜きに優れた光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015227917A JP2017097111A (ja) 2015-11-20 2015-11-20 異形打抜きに優れた光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017097111A true JP2017097111A (ja) 2017-06-01

Family

ID=58803756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015227917A Pending JP2017097111A (ja) 2015-11-20 2015-11-20 異形打抜きに優れた光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017097111A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2017150377A1 (ja) * 2016-03-03 2018-12-27 大日本印刷株式会社 ポリイミドフィルム、ポリイミドフィルムの製造方法、及びポリイミド前駆体樹脂組成物
CN109283609A (zh) * 2017-07-20 2019-01-29 住友化学株式会社 偏振板的制造方法
JP2019174636A (ja) * 2018-03-28 2019-10-10 コニカミノルタ株式会社 斜め延伸フィルム、偏光板、異形表示装置および斜め延伸フィルムの製造方法
JP2019191458A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 住友化学株式会社 偏光板の製造方法
JP2019191556A (ja) * 2018-04-24 2019-10-31 住友化学株式会社 積層体
KR20200100202A (ko) 2018-03-30 2020-08-25 닛토덴코 가부시키가이샤 점착제층을 구비한 편광 필름 및 화상 표시 장치
KR20210140738A (ko) 2019-03-20 2021-11-23 닛토덴코 가부시키가이샤 점착제층을 갖는 편광 필름, 화상 표시 패널 및 화상 표시 장치
KR20210140739A (ko) 2019-03-20 2021-11-23 닛토덴코 가부시키가이샤 점착제층을 갖는 편광 필름, 화상 표시 패널 및 화상 표시 장치

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2017150377A1 (ja) * 2016-03-03 2018-12-27 大日本印刷株式会社 ポリイミドフィルム、ポリイミドフィルムの製造方法、及びポリイミド前駆体樹脂組成物
CN109283609A (zh) * 2017-07-20 2019-01-29 住友化学株式会社 偏振板的制造方法
JP2019020648A (ja) * 2017-07-20 2019-02-07 住友化学株式会社 偏光板の製造方法
CN109283609B (zh) * 2017-07-20 2021-02-26 住友化学株式会社 偏振板的制造方法
JP2019174636A (ja) * 2018-03-28 2019-10-10 コニカミノルタ株式会社 斜め延伸フィルム、偏光板、異形表示装置および斜め延伸フィルムの製造方法
KR20200100202A (ko) 2018-03-30 2020-08-25 닛토덴코 가부시키가이샤 점착제층을 구비한 편광 필름 및 화상 표시 장치
US11169312B2 (en) 2018-03-30 2021-11-09 Nitto Denko Corporation Pressure-sensitive-adhesive-layer-attached polarizing film, and image display device
JP2019191556A (ja) * 2018-04-24 2019-10-31 住友化学株式会社 積層体
JP2019191458A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 住友化学株式会社 偏光板の製造方法
JP7107734B2 (ja) 2018-04-27 2022-07-27 住友化学株式会社 偏光板の製造方法
KR20210140738A (ko) 2019-03-20 2021-11-23 닛토덴코 가부시키가이샤 점착제층을 갖는 편광 필름, 화상 표시 패널 및 화상 표시 장치
KR20210140739A (ko) 2019-03-20 2021-11-23 닛토덴코 가부시키가이샤 점착제층을 갖는 편광 필름, 화상 표시 패널 및 화상 표시 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017097111A (ja) 異形打抜きに優れた光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置
KR101437703B1 (ko) 편광판 보호 필름, 편광판, 액정 표시 장치
WO2014175040A1 (ja) 偏光板、その製造方法及び液晶表示装置
JP5754445B2 (ja) 光学フィルム、及びそれを用いた偏光板、液晶表示装置
KR20150115890A (ko) 광학 필름, 및 이를 포함하는 편광판 및 va형 액정 표시 장치
JP2007304559A (ja) 偏光散乱異方性を有する偏光板保護フィルム、それを用いた偏光板及び液晶表示装置
JP5671832B2 (ja) 光学フィルム、及びそれを用いた偏光板、液晶表示装置
JPWO2008050603A1 (ja) Ips型液晶表示装置及びips型液晶表示装置の製造方法
JP5737287B2 (ja) 位相差フィルム、それを用いた偏光板、及び液晶表示装置
JP6264373B2 (ja) 光学フィルムの製造方法
JP2008076478A (ja) 偏光板保護フィルム、それを用いた偏光板及び液晶表示装置
JP2007041280A (ja) 位相差フィルム、偏光板およびこれらを用いた液晶表示装置
WO2011145495A1 (ja) 位相差フィルム付きの偏光板
JP5760844B2 (ja) 光学フィルム
JP5861502B2 (ja) 液晶表示装置
JPWO2011114764A1 (ja) 位相差フィルム及びそれが備えられた偏光板
JP5549397B2 (ja) 光学フィルム、及びそれを用いた偏光板、液晶表示装置
JP2007292917A (ja) 偏光板
WO2012165361A1 (ja) 位相差フィルム、その製造方法、偏光板、及び液晶表示装置
WO2013094263A1 (ja) Ipsモード型液晶表示装置
JP6720706B2 (ja) 偏光板保護フィルム、偏光板及び液晶表示装置
WO2013145560A1 (ja) 光学フィルムの製造方法及び光学フィルム、偏光板、液晶表示装置
JP2007132990A (ja) 偏光板、その打ち抜き方法、この偏光板を搭載した液晶表示装置
JP2015132661A (ja) 偏光板保護フィルム、その製造方法、偏光板及び液晶表示装置
WO2011121817A1 (ja) 光学フィルム、偏光板および液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181011

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190708

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190809

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190820

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20191011

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200303

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200908