JP2017096766A - タイヤの粘着力試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に且つ高精度にタイヤの粘着力を評価する方法の提供。
【解決手段】この粘着力試験方法は、走行後のタイヤ6が準備される準備工程と、このタイヤ6を回転させながら、タイヤ6の上方からビーズ24を落下させてタイヤ6に付着させる付着工程と、このタイヤ6に付着したビーズ24の重量に基づいてタイヤ6の粘着力が評価される評価工程とを備えている。このタイヤ6は、走行後1時間以内のタイヤである。好ましくは、このビーズ24は、球状である。このビーズ24の平均粒径は、1μm以上1mm以下である。このビーズ24の密度は、0.8g/cm 以上10g/cm 以下である。ビーズ24を落下させる高さH1は、1cm以上100cm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤの粘着力の試験方法に関する。
摩擦力を向上させることで、タイヤのグリップ力が向上する。このグリップ力の向上は、車両の運動性及び安全性の向上に寄与する。この摩擦力の向上には、タイヤ表面の粘着力が大きく寄与する。タイヤ表面の粘着力を正確に評価することは、摩擦力の高いタイヤを開発する上で、重要な要素となっている。
特開平2−296134号公報、特開2001−188036号公報及び特開2009−210463号公報には、タイヤのゴムの粘着力の評価方法が開示されている。特開2010−24411号公報には、ゴム表面での液体の表面張力を規定して、粘着力を向上させたタイヤが開示されている。特開2013−19776号公報には、オーリング形状の接触子を表面に接触させて、粘着力を測定する方法が開示されている。これらの方法を用いることで、ゴム表面の粘着力を評価しうる。
特開平2−296134号公報 特開2001−188036号公報 特開2009−210463号公報 特開2010−24411号公報 特開2013−19776号公報
特開平2−296134号公報、特開2001−188036号公報及び特開2009−210463号公報の粘着力の評価方法は、シート平面の粘着力を評価するものである。また、これらの評価方法は、未加硫ゴムの粘着力の測定に適する方法である。タイヤの表面にはトレッドパターンのマクロな凹凸とゴムの表面粗さを主因にするミクロな凹凸とが形成されている。この様な凹凸を備えるタイヤの表面で、液体の表面張力を測定することは容易ではない。特開2013−19776号公報の粘着力の測定方法では、接触子で局所の粘着力を測定する。この方法では、タイヤ表面全体の粘着力を測定するには、多大な労力と時間とを要する。
本発明の目的は、容易に且つ高精度にタイヤの粘着力を評価する方法の提供にある。
本発明に係るタイヤの粘着力試験方法は、走行後の試験タイヤが準備される準備工程と、この試験タイヤを回転させながら、試験タイヤの上方からビーズを落下させて試験タイヤのトレッド面に付着させる付着工程と、このトレッド面に付着したビーズの重量に基づいて試験タイヤの粘着力が評価される評価工程とを備えている。
好ましくは、上記準備工程で準備される試験タイヤは、走行後1時間以内のタイヤである。上記付着工程のピーズは、ガラスビーズである。このビーズの形状は球状である。このビーズの平均粒径は、1μm以上1mm以下である。このビーズの密度は、0.8g/cm 以上10g/cm 以下である。このビーズを落下させる高さH1は、1cm以上100cm以下である。
好ましくは、上記付着工程において上記トレッド面に気体をノズルで吹き付けている。この気体は、水分濃度0.5%以下の空気又は不活性ガスである。この気体を吹き付けるときの気体流速は、1リットル/min以上20リットル/min以下である。このノズルの吹き出し口の開口面積は、円形面積に換算されたときに、口径が0.5mm以上10mm以下の円形断面の面積に相当する大きさである。上記評価工程において、上記トレッド面に気体をノズルで吹き付けた後のトレッド面に付着しているビーズの重量に基づいて、試験タイヤの粘着力が評価されている。
好ましくは、上記付着工程において、試験タイヤの回転速度V1は、0.5km/h以上5km/h以下にされている。
好ましくは、上記評価工程において、深さ2mm以上の溝に入り込んだビーズを除き、トレッド面からビーズが剥離されている。この剥離したビーズの重量が測定される。
好ましくは、上記評価工程において、試験タイヤの回転速度を付着工程の回転速度より速くして、遠心力でビーズが剥離されている。この剥離したビーズの重量が測定されている。
好ましくは、上記評価工程において、試験タイヤの回転速度V2は、10km/h以上にされている。
本発明に係る試験方法では、トレッド面全体の粘着力を容易に評価しうる。この試験方法は、従来の方法に比べて短時間でかつ高精度に、トレッド面全体の粘着力を評価しうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る試験方法の説明図である。 図2は、本発明の他の実施形態に係る試験方法の説明図である。 図3は、図2の試験方法にる粘着力Faと摩擦係数μとの関係が示されたグラフである。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、本発明の一の粘着力試験方法に用いられるタイヤ組立体2と、このタイヤ組立体2が取り付けられた試験装置4とが示されている。以下の説明において、特に言及しない限り、図1の左右方向が試験装置4の前後方向であり、紙面に垂直な方向がタイヤ組立体2の軸方向であり、試験装置4の左右方向である。この説明において、上下方向は、図1の上下方向として説明がされる。
このタイヤ組立体2は、試験タイヤとしてのタイヤ6と、タイヤ6が組み込まれたリム8を備えている。このタイヤ6は、周知の空気入りタイヤである。このタイヤ6は、トレッド、一対のサイドウォール、一対のクリンチ、一対のビード、カーカス、ベルト、バンド、インナーライナー、インスレーション、一対のチェーファー等を備えている。このタイヤ6のトレッドは、路面に接地するトレッド面6aを形成している。このリム8は、タイヤ6の正規リムである。このタイヤ6は、リム8に組み込まれて、例えば乗用車に装着される。
試験装置4は、架台10、回転装置12、受け皿14、ホッパ16及び気体噴射装置18を備えている。架台10は、床に接地する基台20と、基台20から上方に延びる支柱22とを備えている。
回転装置12は、支柱22に支持されている。回転装置12は、基台20の上方に位置している。回転装置12は、タイヤ組立体2が取り付け可能にされている。回転装置12に取り付けられたタイヤ組立体2は、基台20の上方に位置している。回転装置12は、タイヤ組立体2を回転可能に支持している。このタイヤ組立体2は、その軸線を回転軸にして回転可能にされている。
受け皿14は、基台20の上に位置している。受け皿14は、回転装置12に取り付けられたタイヤ組立体2の下方に位置している。受け皿14は、底板14aと、この底板14aの縁から上方に延びる側壁14bとからなっている。この受け皿14は、側壁14bの上端により開口14cが形成されている。
ホッパ16は、タイヤ組立体2の上方にしている。ホッパ8は、ホッパ供給口16a、ホッパ排出口16b及び案内壁16cを備えている。ホッパ供給口16aは、ホッパ16の上端に位置している。ホッパ排出口16bは、ホッパ16の下端に位置している。案内壁16cは、このホッパ供給口16aからホッパ排出口16bまでの前後左右を囲む壁である。この案内壁16cで囲まれて、ホッパ供給口16aからホッパ排出16bまでの開口が形成されている。ホッパ供給口16aでの開口は、ホッパ排出口16bでの開口より大きい。この開口の大きさは、ホッパ供給口16aからホッパ排出口16bに向かって徐々に小さくなっている。
気体噴射装置18は、ノズル18aとノズル18aに気体を案内するホース18bとを備えている。ノズル18aは、気体の吹き出し口18cを形成する。この吹き出し口18cは、タイヤ6のトレッド面6aに向けられている。この吹き出し口18cの形状は円形である。この吹き出し口18cの直径は、例えば1mmである。言い換えると、この吹き出し口18cの口径は、1mmである。
多数のビーズ24が準備される。このビーズ24の形状は、球状である。このホッパ供給口16aからホッパ16に投入されている。このホッパ排出口16bは閉じられた状態で、ビーズ24がホッパ16に蓄えられている。このビーズ24は、例えばガラスビーズである。このビーズ24は、例えば平均粒径100μmであり、密度2.5g/cmである。
図1の両矢印H1は、タイヤ6からホッパ16の排出口16bまでの高さを表している。この高さH1は、タイヤ6のトレッド面6aの赤道面における上端から排出口16bまで高さとして測定される。
本発明にかかる粘着力試験方法は、準備工程、付着工程及び評価工程を備えている。図1の試験装置4を用いた試験方法が説明される。
準備工程では、評価対称とされるタイヤ6が準備される。このタイヤ6はリム8に組み込まれて、タイヤ組立体2が準備される。このタイヤ組立体2は路面を走行させられる。走行後のタイヤ6は、十分に暖められている。この走行後のタイヤ6(タイヤ組立体2)が回転装置12に取り付けられる。回転装置12は、このタイヤ組立体2を回転させる。図1の矢印V1は、タイヤ組立体2の回転向きと回転速度とを表している。この回転速度V1は、タイヤ6のトレッド面6aの赤道面で測定される。この回転速度V1は、一定にされている。例えば、この回転速度V1は、0.3km/hである。このタイヤ6は、例えば約0.3rpmで回転させられる。
付着工程では、ホッパ16の排出口16bは開かれる。多数のビーズ24は、排出口16bからタイヤ6に向かって落下する。この排出口16bの高さH1は、例えば10cmである。例えば、毎分1kgのビーズ24がホッパ16からタイヤ6に向かって落下する。ホッパ16から、例えば1分間ビーズ24が落下させられる。落下したビーズ24は、回転するタイヤ6のトレッド面6aに付着する。このビーズ24は、主にトレッド面6aに付着する。タイヤ6に付着しなかったビーズ24は、下方に落下する。
更に、この付着工程では、気体噴射装置18が空気を吹き出す。ノズル18cから回転するタイヤ6のトレッド面6aに向かって空気が吹き出される。ビーズ24がタイヤ6に向かって落下する位置に対して、タイヤ6の回転向きの下手の位置に空気が吹き付けられる。例えば、ビーズ24を落下させる時間と、更にその後にタイヤ6が一回転する間の時間と間、空気が吹き付けられる。この空気の水分濃度は、例えば0.3%である。この空気の流量は、例えば3リットル/minである。ここで、気体として空気を用いたが、不活性ガスが用いられてもよい。例えば窒素ガスが用いられても良い。
この様にして、タイヤ6にビーズ24が付着させられた後に、回転装置12は、タイヤ6の回転を停止する。
評価工程では、受け皿14は空の状態にされている。タイヤ6に付着したビーズ24が剥離されて、受け皿14に集めされる。例えば、刷毛でタイヤ6の表面からビーズ24が掻き取られる。タイヤ6のトレッド面6aからビーズ24が掻き取られる。この様にして、集められたビーズ24の重量が測定される。このビーズ24の重量が大きいほど、タイヤ6の粘着力が高いと評価される。
この評価工程では、好ましくは、タイヤ6のトレッド面6aから深さ2mm以上の溝に付着したビーズ24は、集められない。例えば、刷毛でビーズ24を掻き取るときに、深さ2mm以上の溝に付着したビーズ24は掻き取られない。タイヤ6のトレッド面6aが路面に接地するとき、深い溝の表面は路面に接地しない。この様な溝の表面の粘着力は、タイヤ6のグリップ力の向上に寄与しない。深さ2mm以上の溝に付着したビーズ24を除き、タイヤ6に付着したビーズ24の重量を測定することで、タイヤ6の摩擦力は高精度に評価されうる。
この付着工程では、タイヤ6を回転させながら、上方からビーズ24を落下させている。評価工程では、落下してタイヤ6に付着したビーズの重量が測定されている。この方法は、短時間に、タイヤ6の粘着力を評価できる。
この準備工程では、走行後のタイヤ6が準備されている。走行後のタイヤ6のトレッド面6aは、走行前のそれに比べて、高い粘着力を発揮する。この方法では、走行状態に近いタイヤ6の粘着力を測定できる。この方法では、走行状態のタイヤ6の粘着力を、高精度に測定できる。この観点から、この準備工程では、走行後1時間以内のタイヤ6が準備される。更に好ましくは、30分以内であり、特に好ましくは10分以内である。
例えば、この走行にドラム試験機を用いる。タイヤ6がドラム試験機に取り付けられる。このタイヤ6がドラム路面上を走行させられる。タイヤ6がドラム表面に接地して回転する。十分に温度が上昇した後に、タイヤ6とドラムとの回転が停止される。このタイヤ6がドラム試験機から取り外される。このタイヤ6が、試験装置4に取り付けられる。試験装置4がタイヤ6を回転させて、ビーズ24がタイヤに向けて落下させられる。
この走行後の時間は、タイヤ6とドラムの回転が停止された時から、回転するタイヤ6に向かってビーズ24の落下が開始される時までの時間をいう。ここでは、ドラム試験機を例に説明したが、実車にタイヤ6が装着され、路面を走行させても良い。車両を停止させた時から、ビーズ24の落下が開始される時までの時間としてもよい。
このビーズ24の形状は球状にされている。角のないビーズ24は、タイヤ6の表面に食い込み難い。ビーズ24は、主にタイヤ24の粘着力により付着する。この試験方法では、タイヤ6の表面の粘着力を高精度に測定しうる。
平均粒径が大き過ぎるビーズ24は、タイヤ6に付着し難い。タイヤ6に付着するビーズ24が少な過ぎると、タイヤ6の付着力を高精度に評価し得ない。この観点から、ビーズ24の平均粒径は、好ましくは1mm以下であり、更に好ましくは500μm以下であり、特に好ましくは150μm以下である。一方で、平均粒径が小さ過ぎるビーズ24は、タイヤ6に付着し易い。タイヤ6に付着するビーズ24が多過ぎると、タイヤ6の付着力を高精度に評価し得ない。平均粒径が小さ過ぎるビーズ24は、取り扱い難い。これらの観点から、ビーズ24の平均粒径は、好ましくは1μm以上であり、更に好ましくは50μm以上である。
JIS Z 8815:1994に準拠して乾式ふるい分け試験で粒度分布が求められる。この粒度分布から粒径と質量とに基づく加重平均が算出される。この平均粒径は、この加重平均として求められる。
重過ぎるビーズ24は、タイヤ6に付着し難い。タイヤ6に付着するビーズ24が少なすぎると、タイヤ6の付着力を高精度に評価し得ない。この観点から、ビーズ24の密度は、好ましくは10g/cm以下であり、更に好ましくは5g/cm以下であり、特に好ましくは3g/cm以下である。一方で、軽過ぎるビーズ24は、タイヤ6に付着し易い。タイヤ6に付着するビーズ24が多すぎると、タイヤ6の付着力を高精度に評価し得ない。この観点から、ビーズ24の密度は、好ましくは0.8g/cm以上であり、更に好ましくは2g/cm以上である。
好ましい形状、平均粒径、密度等を満たし、且つ比較的に容易に安価に入手できる観点から、このビーズ24として、ガラスビーズが好適である。このガラスビーズは、例えばソーダ石灰ガラスからなる。このビーズ24として、高精度ユニビーズSPL100(ユニチカ株式会社製)が例示される。
付着工程において、ビーズ24の落下速度が速すぎると、タイヤ6に付着し難い。タイヤ6に付着するビーズ24が少な過ぎると、タイヤ6の付着力を高精度に評価し得ない。この観点から、高さH1は、好ましくは1m以内であり、更に好ましくは10cm以下である。一方で、この高さH1を大きくすることで、ビーズ24はタイヤ6のトレッド面6aに均一に付着する。この観点から、この高さH1は、好ましくは1cm以上であり、更に好ましくは5cm以上である。
付着工程での回転速度V1が速過ぎると、ビーズ24がタイヤ6に付着し難い。タイヤ6の付着力を高精度に評価する観点から、この回転速度V1は、好ましくは5km/h以下であり、更に好ましくは4km/h以下である。一方で、この回転速度V1を速くすることで、ビーズ24が効率よくトレッド面6aの全体に付着する。効率的に評価する観点から、この回転速度V1は、好ましくは0.5km/h以上であり、更に好ましくは1km/h以上であり、特に好ましくは2km/h以上である。
この付着工程では、タイヤ6の表面に空気が吹き付けられている。この空気は、付着力が弱いビーズ24を吹き飛ばす。この空気は、トレッド面6aのみならず、他のタイヤ6の表面を含めて吹き付けられてもよい。これにより、タイヤ6の付着力をより高精度に評価しうる。
水分濃度が高い空気は、ビーズ24を互いに付着させてしまう。タイヤ6に付着したビーズ24以外のビーズ24が残ってしまう。この観点から、この空気の水分濃度は低いことが好ましい。この空気の水分濃度は、好ましくは0.5%以下にされている。
この空気は、一定の流速で吹き付けられることが好ましい。この流速が速すぎると、タイヤ6に付着したビーズ24をも吹き飛ばす。タイヤ6の付着力を高精度に評価し得ない。この観点から、この流速は、好ましくは20リットル/min以下であり、更に好ましくは12リットル/min以下である。一方で、この流速が遅過ぎると、付着力が弱いビーズ24が吹き飛ばされない。タイヤ6の付着力を高精度に評価し難い。この観点から、この流速は、好ましくは1リットル/min以上であり、更に好ましくは10リットル/min以上である。
タイヤ6の付着力を高精度に評価するため、適切な空気の流速を得る観点から、ノズル18の吹き出し口18cの口径は、好ましくは0.5mm以上である。一方で、適切な空気の流速を得る観点から、吹き出し口18cの口径は、好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは2mm以下である。この吹き出し口18cの形状は円形に限られない。この形状は、楕円形、四角形、長方形等であってもよい。吹き出し口18cの形状は円形で無い場合、吹き出し口18cの開口面積が円形面積に換算される。この円形面積に換算したときの口径が、円形のとき口径にされていればよい。
この方法では、タイヤ6が回転させられて、ビーズ24がトレッド面6a全体に付着している。このビーズ24の重量が測定されている。この方法は、トレッド面6aの全体の粘着力を短時間に容易に評価しうる。
図2には、本発明の他の粘着力試験方法に用いられるタイヤ組立体2と、このタイヤ組立体2が取り付けられた試験装置26とが示されている。ここでは、試験装置26について、試験装置4と異なる構成が説明される。試験装置4と同様の構成については、その説明が省略される。試験装置4と同様の構成については、同じ符号を用いて説明がされる。
この試験装置26は、ガイドカバー28を備えている。図2には示されないが、この試験装置26は、ホッパ16及び気体噴射装置18を備えている。
このガイドカバー28は、タイヤ6のトレッド面6aの半径方向外側に位置する。このガイドカバー28と受け皿14とが、トレッド面6aの半径方向外側の全体を覆っている。
この粘着力試験方法は、図1に示された粘着力試験方法と同様に、準備工程と付着工程を備えている。この準備工程と付着工程とについて、図1を基に説明されているので、ここでは説明は省略される。
この付着工程の後に、評価工程において、ガイドカバー28と受け皿14とにより、タイヤ6のトレッド面6aの外側が覆われる。図2の矢印V2は、タイヤ組立体2の回転向きと回転速度とを表している。この回転速度V2は、タイヤ6のトレッド面6aの赤道面で測定される。この回転速度V2は、図1の回転速度V1より速くされている。
回転させられるタイヤ6に付着したビーズ24には、遠心力が働く。この遠心力がビーズ24の粘着力を越えたとき、ビーズ24は、タイヤ6から剥離する。剥離したビーズ24は、ガイドカバー38と受け皿14とに集められる。剥離したビーズ24の重量が測定される。この重量が大きいほど、粘着力が大きい。
この遠心力で分離されるビーズ24の重量をW(N)とし、タイヤ2の回転速度V2を速度v(m/s)とし、タイヤの変形をR(m)とし、重力加速度をg(m/s)とする。このときに、粘着力F(N)は、以下の数式(1)で算出される。

F=(W・v)/(g・R) (1)
この方法では、タイヤ6が回転させられて、付着したビーズ24が剥離される。この剥離したビーズ24の重量が測定されている。この方法は、ビーズ24の剥離が容易にされている。この方法は、粘着力の評価が短時間に容易にされる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
この実施例では、3種類のタイヤA、B及びCが準備された。これらのタイヤサイズは、205/55R16であった。それぞれのタイヤのトレッドは、下記の表1に示される配合のゴム組成物が混練され、加硫成型されて得られた。これらのゴム組成物は、表1に示された質量部で配合されていた。
Figure 2017096766
この表1のポリマー1は、天然ゴム「RSS3」である。ポリマー2は、ジエン系ゴム(宇部興産製「BR700」)である。シリカは、デグサ社製「ウルトラシルVN3」である。カーボンは、昭和キャボット社製「ショウワブラックN110(窒素吸着比表面積145m/g)」である。カップリング剤は、デグサ社製「テトラスルフィドシランSi69」である。酸化亜鉛は、三井金属鉱業製である。ステアリン酸は日本油脂製「椿」である。オイルは、ジャパンエナジー社製アロマオイル「プロセスX−260」である。老化防止剤は、住友化学製「アンチゲン6C」である。ワックスは、大内新興化学製「サンノックN」である。硫黄は、軽井沢硫黄製の粉末硫黄である。加硫促進剤CZは、大内新興化学製「ノクセラーCZ」である。加硫促進剤DPGは、大内新興化学製「ノクセラーD」である。
[摩擦係数の測定]
ドラム試験機を用いて、下記の測定条件で、タイヤA、B及びCの摩擦係数μを測定した。この測定では、ドラム路面は65km/hにされた。タイヤA、B及びCのそれぞれをこのドラム路面で走行させた。タイヤA、B及びCのそれぞれは、その速度を60km/hから0km/hまで変化させて、ドラム路面を滑らせた。この速度を60km/hから0km/hまで変化させたときに、速度と摩擦係数μとが測定された。
使用リム:正規リム
内圧:180kPa
荷重:4.24kN
この結果が、下記の表2に示されている。表2には、タイヤA、B及びCで得られた最大摩擦係数μが示されている。この最大摩擦係数μは、速度を60km/hから0km/hまで変化させたときの、摩擦係数μの最大値である。
[テスト1]
図1を用いて説明がされた、一の粘着力試験方法で、タイヤA、B及びCの粘着力の評価がされた。この付着工程では、ノズルからタイヤに空気が吹き付けられた。この評価工程では、深さ2mm以上の溝部分を除き、タイヤA、B及びCのトレッド面に付着したビーズが、刷毛で掻き落とされた。掻き落とされたビーズの重量が測定された。その結果が指数として表2に示されている。この指数は、数値が大きいほどビーズの重量が大きい。数値が大きいほど粘着力が高い。
Figure 2017096766
表2に示される様に、最大摩擦係数μは、タイヤA、B、Cの順に、だんだん大きくなっている。粘着力指数も、タイヤA、B、Cの順に、だんだん大きくなっている。この結果から、最大摩擦係数μと粘着力指数との間に相関関係があることは明らかである。
[テスト2]
図2を用いて説明がされた、他の粘着力試験方法で、タイヤA、B及びCの粘着力の評価がされた。この準備工程及び付着工程は、テスト1と同様にされた。評価工程では、タイヤAの回転速度V2が段階的に速くされた。この回転速度V2が10km/hにされた。この回転速度V2が10km/hのときに剥離したビーズの重量が測定された。その後回転速度V2が25km/hにされた。この回転速度V2が25km/hのときに剥離したビーズの重量が測定された。同様にして、更に、回転速度V2が50km/h、75km/h、100km/hにされて、それぞれ回転速度V2で剥離したビーズの重量が測定された。
回転速度V2が10km/hのときのビーズの重量から、前述の数式(1)により、粘着力F10が算出された。同様にして、回転速度V2が25km/hのときのビーズの重量から、粘着力F25が算出された。更に、回転速度V2が50km/h、75km/h、100km/hについて、同様に、粘着力F50、F75、F100 が算出された。更に、この粘着力F10、F25、F50、F75及びF100 の合計の粘着力が算出されて、積算粘着力Faとされた。
その結果が、タイヤAの最大摩擦係数μの値と共に、表3のタイヤAの欄に示されている。このタイヤAと同様にして、タイヤB、タイヤCについても粘着力が算出された。その結果が表3に示されている。
Figure 2017096766
表3の累積粘着力Faは、回転速度V2が100km/hのタイヤの粘着力の値を示している。タイヤA及びBでは、回転速度V2が75km/hと100km/hとのときに剥離したビーズの重量は0である。このため、粘着力F75及びF100 の値の欄は0となっている。このタイヤA及びBでは、累積粘着力Faは、回転速度V2が75km/hのタイヤの粘着力の値でもあり、50km/hのタイヤの粘着力の値でもある。
図3には、タイヤA、B及びCの積算粘着力Faと最大摩擦係数μとの関係が示されている。この図3には、この積算粘着力Faと最大摩擦係数μとの間の相関関係が示されている。
表3では、回転速度V2が10km/hにおいても、タイヤA、B及びCの粘着力の差が明らかにされている。表3では、回転速度V2が10km/h以上において、タイヤA、B及びCの粘着力の差が明らかにされている。
この方法では、回転速度を段階的に速くして、それそれの回転速度で剥離したビーズの重量が測定されている。このビーズの重量からそれぞれの回転速度で剥離したビーズの粘着力が算出されている。この積算粘着力Faは、トレッド面全体の粘着力に近い値が得られうる。更に、回転速度を細かく段階的に速くして、積算粘着力Faを算出することで、トレッド面全体の粘着力に一層近い値が得られうる。
表1から3に示されるように、この粘着力試験方法では、タイヤのトレッド面全体の粘着力を、短時間でかつ高精度に評価しうる。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された方法は、二輪自動車、四輪自動車を含む種々の車両に装着されるタイヤの粘着力の評価に適用されうる。
2・・・タイヤ組立体
4、26・・・試験装置
6・・・タイヤ
6a・・・トレッド面
8・・・リム
10・・・架台
12・・・回転装置
14・・・受け皿
16・・・ホッパ
18・・・気体噴射装置
18a・・・ノズル
18c・・・吹き出し口
24・・・ビーズ

Claims (7)

  1. 走行後の試験タイヤが準備される準備工程と、
    この試験タイヤを回転させながら、試験タイヤの上方からビーズを落下させて試験タイヤのトレッド面に付着させる付着工程と、
    このトレッド面に付着したビーズの重量に基づいて試験タイヤの粘着力が評価される評価工程とを備えているタイヤの粘着力試験方法。
  2. 上記準備工程で準備される試験タイヤが走行後1時間以内のタイヤであり、
    上記付着工程のピーズがガラスビーズであり、その形状が球状であり、このビーズの平均粒径が1μm以上1mm以下であり、このビーズの密度が0.8g/cm 以上10g/cm 以下であり、このビーズを落下させる高さが1cm以上100cm以下である請求項1に記載の粘着力試験方法。
  3. 上記付着工程において上記トレッド面に気体をノズルで吹き付けており、
    この気体が水分濃度0.5%以下の空気又は不活性ガスで有り、
    この気体を吹き付けるときの気体流速が1リットル/min以上20リットル/min以下であり
    このノズルの吹き出し口の開口面積が、円形面積に換算されたときに、口径が0.5mm以上10mm以下の円形断面の面積に相当する大きさであり、
    上記評価工程において、上記トレッド面に気体をノズルで吹き付けた後の試験タイヤに付着しているビーズの重量に基づいて試験タイヤの粘着力が評価されている請求項1又は2に記載の粘着力試験方法。
  4. 上記付着工程において、試験タイヤの回転速度V1が0.5km/h以上5km/h以下にされている請求項1から3のいずれかに記載の粘着力試験方法。
  5. 上記評価工程において、深さ2mm以上の溝に入り込んだビーズを除き、タイヤ表面からビーズが剥離されており、この剥離したビーズの重量が測定される請求項1から4のいずれかに記載の粘着力試験方法。
  6. 上記評価工程において、試験タイヤの回転速度を付着工程の回転速度より速くして、遠心力でビーズが剥離されており、この剥離したビーズの重量が測定されている請求項1から4のいずれかに記載の粘着力試験方法。
  7. 上記評価工程において、試験タイヤの回転速度V2が10km/h以上にされている請求項6に記載の粘着力試験方法。
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