JP2017095681A - 衛生材料用ウレタンフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は機械強度、透湿性、風合い、防漏性のいずれにも優れる衛生材料用バックシートを提供することにある。【解決手段】ポリオキシエチレン鎖を有する高分子ジオール(A)と、ジイソシアネート(B)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、及びチオジエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である鎖伸長剤(C)とを必須構成単量体とするポリウレタン樹脂であって、下記の条件を満たす衛生材料用ウレタンフィルム用ポリウレタン樹脂(U)を含有する衛生材料用ウレタンフィルム。(1)(U)が下記式(1)で示されるポリオキシテトラメチレン基を有さない。−(OCH2CH2CH2CH2)n− (1)[nは2以上の整数。](2)(U)の乾式膜の熱軟化温度が200〜250℃(3)(U)のウレタン基含量が12〜18重量%(4)(U)のオキシエチレン基含量が20〜60重量%【選択図】なし
Description
本発明は無孔質膜である衛生材料用ウレタンフィルムに関する。
従来、衛生材料に使用される透湿性シートとして、一般にオレフィン樹脂である線状低密度ポリエチレンが用いられている。しかしながら、単にそのような低密度ポリエチレンに充填剤を多量に混合し、シート状に成形した後一軸または二軸に延伸した微多孔性シートは、シート強度、特に吸収性物品の裏面材として要求される防漏性、引き裂き強度に問題があった。
上記問題を解決するために、上述の微多孔性シートにホットメルト接着剤等を用いて不織布と接着して強度を向上させる方法が提案されているが、該方法では引き裂き強度は向上するものの防漏性は改良されていない。即ち、一般に開示されている防漏性は純水または一般水(水道水等)で測定されているため、あたかも実用に耐えられる値を呈示されているが、実際に人体から排出される体液、例えば尿等は多量の有機、無機物を含んでいて、表面張力で表示すると純水が70〜72dyne/cmであるのに対し、尿等は40〜50dyne/cmと低く、更に、吸収性物品がより薄型になるにつれ、尿等排出液が吸収体に留まらず裏面材に到達することが多くなっている。従って、従来の透湿シートでは尿等低表面張力液体の漏れを防ぐことが出来ない。前述の特許文献1で開示されているシートも同様に尿等低表面張力液では防漏性が著しく劣る。また、多孔性のため、汚れなどによって目詰まりを起こし、透湿性が低下する。
また、別の対策として特定のポリウレタンシート(無孔質透湿性)と伸縮性不織布を積層して無孔の伸縮性透湿シートが提案されている(特許文献2)。このシートは無孔のため、尿等低表面張力液でも防漏性はあるが、機械強度が十分ではないため耐用時間が短く、皮膜の厚みを厚くして強度を維持する必要があり、そのような対策ではウレタンの特長である柔軟な風合いが損なわれる。また、薄型化の潮流にある衛生材料の設計として使用する樹脂の皮膜の厚みを薄くできないのは制約が大きい。
このように従来の衛生材料用透湿性シートは、柔軟性、引き裂き強度、及び透湿性、尿等低表面張力液の防漏性等吸収性物品の透湿・防漏シートとして要望される物性を全て満足するに至っていない。
このように従来の衛生材料用透湿性シートは、柔軟性、引き裂き強度、及び透湿性、尿等低表面張力液の防漏性等吸収性物品の透湿・防漏シートとして要望される物性を全て満足するに至っていない。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は機械強度、透湿性、風合い、防漏性のいずれにも優れる衛生材料用ウレタンフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、ポリオキシエチレン鎖を有する高分子ジオール(A)と、ジイソシアネート(B)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、及びチオジエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である鎖伸長剤(C)とを必須構成単量体とするポリウレタン樹脂であって、かつ下記の(1)〜(4)を満足する、衛生材料用ウレタンフィルム用ポリウレタン樹脂(U);該衛生材料用ウレタンフィルム用ポリウレタン樹脂(U)を含有する衛生材料用ウレタンフィルム(F)である。
(1)(U)が下記式(1)で示されるポリオキシテトラメチレン基を有さないか、又は(U)の重量に基づいて20重量%以下含有する。
−(OCH2CH2CH2CH2)n− (1)
[nは2以上の整数である。]
(2)(U)の乾式膜の熱機械分析装置で測定された熱軟化温度が200〜250℃である。
(3)(U)のウレタン基含量が(U)の重量に対して12〜18重量%である。
(4)(U)のオキシエチレン基含量が(U)の重量に対して20〜60重量%である。
(1)(U)が下記式(1)で示されるポリオキシテトラメチレン基を有さないか、又は(U)の重量に基づいて20重量%以下含有する。
−(OCH2CH2CH2CH2)n− (1)
[nは2以上の整数である。]
(2)(U)の乾式膜の熱機械分析装置で測定された熱軟化温度が200〜250℃である。
(3)(U)のウレタン基含量が(U)の重量に対して12〜18重量%である。
(4)(U)のオキシエチレン基含量が(U)の重量に対して20〜60重量%である。
本発明の衛生材料用ウレタンフィルムは透湿性、防漏性、機械強度、風合いのいずれにも優れる。
本発明の衛生材料用ウレタンフィルムは、ポリオキシエチレン鎖を有する高分子ジオール(A)と、ジイソシアネート(B)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、及びチオジエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である鎖伸長剤(C)とを必須構成単量体とするポリウレタン樹脂(U)を含有するウレタンフィルム(F)に関する。
高分子ジオール(A)としては、ポリオキシエチレン鎖を有し、ウレタンフィルムの風合いの観点から、上記式(1)で示されるポリオキシテトラメチレン基を有さないか、又は(U)の重量に基づいて20重量%以下含有する。
(A)の水酸基価は好ましくは11〜224である。
(A)の水酸基価は好ましくは11〜224である。
高分子ジオール(A)としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン共重合グリコール、ポリエステルポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシエチレングリコールとポリオキシプロピレングリコールの混合物が挙げられ、これらのなかでポリオキシエチレングリコールが好ましい。
ポリウレタン樹脂(U)の構成単量体として、高分子ジオール(A)の他に、オキシエチレン鎖を有さず、かつ(U)が上記式(1)で示されるポリオキシテトラメチレン基を有しないポリエーテルジオール(a1)やポリエステルジオール(a2)を用いてもよい。
オキシエチレン鎖を有しないポリエーテルジオール(a1)としては、ポリプロピレングリコールが挙げられる。また、ポリエステルジオール(a2)としては、例えば縮合型ポリエステルジオール、ポリラクトンジオール及びポリカーボネートジオール等が挙げられる。
オキシエチレン鎖を有しないポリエーテルジオール(a1)としては、ポリプロピレングリコールが挙げられる。また、ポリエステルジオール(a2)としては、例えば縮合型ポリエステルジオール、ポリラクトンジオール及びポリカーボネートジオール等が挙げられる。
縮合型ポリエステルジオールは、例えば前記炭素数2〜20の2価アルコールと炭素数2〜20のジカルボン酸とを反応させて得られる。
炭素数2〜20のジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸(例えばコハク酸、アジピン酸及びセバシン酸)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸及びイソフタル酸)及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
炭素数2〜20のジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸(例えばコハク酸、アジピン酸及びセバシン酸)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸及びイソフタル酸)及びこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。
縮合型ポリエステルジオールの具体例としては、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリジエチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオール及びポリネオペンチルテレフタレートジオール等が挙げられる。
ポリラクトンジオールは、前記炭素数2〜20の2価アルコールへのラクトンの重付加物であり、ラクトンとしては、炭素数4〜12のラクトン(例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びε−カプロラクトン)等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールの具体例としては、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールの具体例としては、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートジオールとしては、前記炭素数2〜20の2価アルコールと、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート及び炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート)とを、脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。炭素数2〜20の2価アルコール及び低分子カーボネート化合物はそれぞれ2種以上併用してもよい。
ポリカーボネートポリオールの具体例としては、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール及びポリ(テトラメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートジオール(例えば1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールをジアルキルカーボネートと脱アルコール反応させながら縮合させて得られるジオール)等が挙げられる。
高分子ジオール(A)の水酸基価は、ウレタンフィルム(F)の防水性及び風合いの観点から、好ましくは11〜224、より好ましくは12〜150mgKOH/g、更に好ましくは13〜70mgKOH/gである。水酸基価が11mgKOH/g以上ではウレタンフィルム(F)の強度が高く、ウレタンフィルム(F)の防水性が良好であり、224mgKOH/g以下ではウレタンフィルム(F)は柔軟であり、バックシートの風合いが良好である。
また、ウレタン樹脂(U)は透湿性の観点から、オキシエチレン基の含有量としてはウレタン樹脂(U)に対して20〜60重量%を含有し、好ましくは30〜55重量%であり、更に好ましくは40〜50重量%である。20重量%未満の場合、ウレタンフィルム(F)の透湿性が不十分であり、また60重量%を越える場合はウレタンフィルム(F)の防漏性が不十分となる。
また、高分子ジオール(A)は、(A)の重量に対してオキシエチレン基を好ましくは80〜100重量%を含有し、更に好ましくは90〜100重量%である。
また、高分子ジオール(A)は、(A)の重量に対してオキシエチレン基を好ましくは80〜100重量%を含有し、更に好ましくは90〜100重量%である。
鎖伸長剤(C)としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、チオジエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種が用いられる。鎖伸長剤(C)としてこれらのグリコールを用いることにより高い熱軟化点と風合いが両立した衛生材料用ウレタンフィルムを形成することが容易となる。
これらの中でエチレングリコールが特に好ましい。
鎖伸長剤(C)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの中でエチレングリコールが特に好ましい。
鎖伸長剤(C)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
反応停止剤(D)としては、炭素数1〜8のモノアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、セロソルブ類及びカルビトール類等)及び炭素数1〜10のモノアミン類(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、モノオクチルアミン等のモノ又はジアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のモノ又はジアルカノールアミン等)が挙げられる。反応停止剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ウレタン樹脂(U)の構成成分であるジイソシアネート(B)としては、一般にポリウレタン樹脂の製造に使用されるジイソシアネートの内、分子量150〜300の範囲のジイソシアネートはすべて好ましく使用でき、例えば芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート及びこれらの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等)が挙げられる。ジイソシアネート(B)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
芳香族ジイソシアネートとしては、炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のジイソシアネートも同様)が6〜13の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。具体例としては、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDIと略記)、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記)等が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネート(1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート及び2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)等が挙げられる。
脂環式ジイソシアネートとしては、炭素数6〜13の脂環式ジイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート及びノルボルナンジイソシアネート等)等が挙げられる。
芳香脂肪族イソシアネートとしては、炭素数8の芳香脂肪族ジイソシアネート(キシリレンジイソシアネート等)が挙げられる。
これらの中で機械強度の観点から好ましいのは、芳香族ジイソシアネートであり、更に好ましいのは、TDI、MDI及びこれらのイソシアネートの変性物であり、特に好ましいのは、MDIである。イソシアネート成分(B)全体としてのイソシアネート基含有量(NCO%)は25〜45重量%が好ましい。
ウレタン樹脂(U)の重量平均分子量(Mw)は、機械強度の観点から、好ましくは50,000〜1,000,000、更に好ましくは100,000〜500,000である。
尚、本発明におけるポリウレタン樹脂のMwは、ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記)を溶媒として用いポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される。サンプル濃度は0.25wt%、カラム固定相はTSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの、カラム温度は40℃とすればよい。
尚、本発明におけるポリウレタン樹脂のMwは、ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記)を溶媒として用いポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される。サンプル濃度は0.25wt%、カラム固定相はTSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの、カラム温度は40℃とすればよい。
本発明の衛生材料用ウレタンフィルム(F)の製造方法は、特に限定されないが、例えば以下の方法が挙げられる。
(1)本発明におけるウレタン樹脂(U)を押出機中で溶融し、Tダイに押し出してフィルム化する方法(Tダイ法)
(2)本発明におけるウレタン樹脂(U)を溶媒に溶解し、得られた溶液を離型紙上に塗工し、乾燥することでフィルム化する方法(乾式加工法)
加工に必要な設備の汎用性の観点から(2)の方法が好ましい。
(1)本発明におけるウレタン樹脂(U)を押出機中で溶融し、Tダイに押し出してフィルム化する方法(Tダイ法)
(2)本発明におけるウレタン樹脂(U)を溶媒に溶解し、得られた溶液を離型紙上に塗工し、乾燥することでフィルム化する方法(乾式加工法)
加工に必要な設備の汎用性の観点から(2)の方法が好ましい。
本発明の衛生材料用ウレタンフィルム用ポリウレタン樹脂(U)の乾式膜の熱機械分析装置で測定された熱軟化温度は200〜250℃である。
<熱機械分析装置で測定された熱軟化温度の測定方法>
本発明のウレタン樹脂(U)をジメチルフォルムアミドに溶かした濃度30重量%の溶液を、離型処理したガラス板上に金属製スペーサーを使用して0.7mmの厚みとなるように塗布し、60℃の循風乾燥機で3時間乾燥した後、減圧可能な乾燥機で60℃3時間乾燥する。その後、20℃で24時間静置後ガラス板から剥がすことにより得られた厚さが約0.2mmのウレタン樹脂フィルムを測定試料とする。このフィルムを用いて熱機械分析装置を使用して40℃から260℃の範囲で測定して熱軟化点を測定する。
熱機械分析装置は針入測定ができる装置であれば使用することができる。使用できる装置としては、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製「EXSTER6000 TMA/SS6100」、(株)島津製作所製「TMA−60/60H」等があるが、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製「EXSTER6000 TMA/SS6100」が好ましい。下記実施例のデータはエスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製「EXSTER6000 TMA/SS6100」を使用した。
<熱機械分析装置で測定された熱軟化温度の測定方法>
本発明のウレタン樹脂(U)をジメチルフォルムアミドに溶かした濃度30重量%の溶液を、離型処理したガラス板上に金属製スペーサーを使用して0.7mmの厚みとなるように塗布し、60℃の循風乾燥機で3時間乾燥した後、減圧可能な乾燥機で60℃3時間乾燥する。その後、20℃で24時間静置後ガラス板から剥がすことにより得られた厚さが約0.2mmのウレタン樹脂フィルムを測定試料とする。このフィルムを用いて熱機械分析装置を使用して40℃から260℃の範囲で測定して熱軟化点を測定する。
熱機械分析装置は針入測定ができる装置であれば使用することができる。使用できる装置としては、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製「EXSTER6000 TMA/SS6100」、(株)島津製作所製「TMA−60/60H」等があるが、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製「EXSTER6000 TMA/SS6100」が好ましい。下記実施例のデータはエスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製「EXSTER6000 TMA/SS6100」を使用した。
本発明のウレタン樹脂(U)の熱軟化点は200〜250℃であり、好ましくは205℃から240℃である。熱軟化点が200℃より低い場合は、得られるウレタンフィルム(F)の耐熱性が十分でなく、ポリプロピレンスパンボンド不織布などとの貼り合わせの際に用いる接着剤との貼り合わせが困難となる。一方、250℃より高い場合、一般的にウレタン樹脂の凝集力が高いハードセグメント部位の含有量が高い、もしくはウレア基などのウレタン基より凝集力が高い官能基が導入されており、ウレタンフィルム(F)の風合いとしては硬くなる傾向が有る。熱軟化点を調整するためにはウレタン樹脂のハードセグメント部位の組成および分子量が重要である。
また、上記高分子ジオール(A):上記ジイソシアネート(B):上記鎖伸長剤(C)の重量比は(30〜70):(10〜50):(5〜40)の範囲で使用されることが特に好ましい。上記高分子ジオール(A)が30以上の比率の時はウレタン基含量、オキシエチレン基の含量が適当であり、満足のいく風合いや透湿性が得られる。また70以下の場合はウレタン基含量が適当であり、十分な機械強度が得られる。上記イソシアネート(B)が10以上であると十分な機械強度が得られ、逆に50以下の場合はウレタン基含量が適当であり満足のいく風合いが得られる。さらに上記伸長剤(C)は5以上であると熱軟化点が適当であり、40以下であるとウレタン基含量が適当であり、風合いが良好である。
本発明に記載のウレタン樹脂(U)のウレタン基含量としては12〜18重量%であり、好ましくは14〜17重量%、更に好ましくは15〜16重量%である。12%未満の場合は十分な機械強度が得られず、18重量%を越えた場合は風合いが低下する。また、上記ポリウレタン樹脂(U)のウレア基含量は、(U)の重量に対して0.1重量%以下であることが特に好ましく、この範囲では凝集力の高いウレア基によるウレタンフィルムの風合いが悪化するという不具合が発生しないためである。
ウレタン基含量の分析法としては、原料の仕込量から算出することもできるし、以下の分析方法により測定することもできる。
<ウレタン基含量及びウレア基含量の測定方法>
ウレタン樹脂のウレタン基含量及びウレア基含量は、窒素分析計[ANTEK7000(アンテック社製)]によって定量される窒素原子含有量と1H−NMRによって定量されるウレタン基とウレア基の比率から算出する。1H−NMR測定については、「NMRによるウレタン樹脂の構造研究:武田研究所報34(2)、224−323(1975)」に記載の方法で行う。即ち1H−NMRを測定して、脂肪族イソシアネートを使用した場合、化学シフト6ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト7ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を測定し、当該重量比と上記の窒素原子含有量からウレタン基含量及びウレア基含量を算出する。芳香族イソシアネートを使用した場合、化学シフト8ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト9ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を算出し、当該重量比と上記の窒素原子含量からウレタン基含量及びウレア基含量を算出する。
<ウレタン基含量及びウレア基含量の測定方法>
ウレタン樹脂のウレタン基含量及びウレア基含量は、窒素分析計[ANTEK7000(アンテック社製)]によって定量される窒素原子含有量と1H−NMRによって定量されるウレタン基とウレア基の比率から算出する。1H−NMR測定については、「NMRによるウレタン樹脂の構造研究:武田研究所報34(2)、224−323(1975)」に記載の方法で行う。即ち1H−NMRを測定して、脂肪族イソシアネートを使用した場合、化学シフト6ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト7ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を測定し、当該重量比と上記の窒素原子含有量からウレタン基含量及びウレア基含量を算出する。芳香族イソシアネートを使用した場合、化学シフト8ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト9ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を算出し、当該重量比と上記の窒素原子含量からウレタン基含量及びウレア基含量を算出する。
ウレタン樹脂(U)のオキシエチレン基含量の分析方法として、1H−NMR測定を用いる。3.2〜3.7ppmのオキシエチレンのプロトンに帰属されるシグナルと、オキシエチレン基を含むウレタン樹脂(U)を構成する各原料由来の全ピークとの強度比率から算出することができる。
本発明の衛生材料用ウレタンフィルム(F)の100%応力は3〜7MPaが好ましい。
100%応力としてはウレタンフィルム(F)の風合いと機械強度の観点から4〜6MPaが特に好ましい。100%応力が3MPa以上であるとウレタンフィルム(F)の機械強度が十分であり、7MPa以下ではウレタンフィルム(F)を使用した衛生材料の風合いが良好である。
100%応力としてはウレタンフィルム(F)の風合いと機械強度の観点から4〜6MPaが特に好ましい。100%応力が3MPa以上であるとウレタンフィルム(F)の機械強度が十分であり、7MPa以下ではウレタンフィルム(F)を使用した衛生材料の風合いが良好である。
また、衛生材料用ウレタンフィルム(F)が有する水膨潤率は16〜22%の範囲が好ましい。水膨潤率の測定方法としては、熱軟化点を測定する際と同様の方法で作成した乾式膜を幅1cm、長さの10cmの試験片とし、8cmの幅で標線を引き、12時間水に浸漬した前後の2辺の線膨張率を平均化することで求められる。なお測定した水膨潤率は2サンプルの平均で評価する。水膨潤率が16%以上の場合はウレタンフィルム(F)の透湿性が良好であり、22%以下では尿と接した際に強度が低下せず防漏性が良好である傾向となる。水膨潤率は、透湿性と防漏性の観点から18〜20%が特に好ましい。
本発明に記載するウレタン樹脂の製造方法は特に限定されず、公知の方法等で製造できる。例えば、高分子ジオール(A)、鎖伸長剤(C)、ジイソシアネート(B)並びに必要により有機溶剤及び添加剤を一括して仕込んで反応させてもよいし、鎖伸長剤(C)とジイソシアネート(B)とを反応させてイソシアネート基末端のプレポリマーを得た後、鎖伸長剤により伸長反応を行うこともできる。
上記ウレタンフィルム(F)はフィルム同士のブロッキングを抑制する為、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、炭酸カルシウム等の無機微粒子ブロッキング防止剤やPMMA、ポリエチレン、ポリアミド、ポリスチレン、セルロースパウダー等の有機微粒子などのブロッキング防止剤があり効果が発現するのであれば任意に選択する事が可能であるが、ブロッキングを抑制する性能からシリカ粒子(S)が好ましい。また、シリカ粒子(S)の含有量としては、ウレタンフィルム(F)を形成するウレタン樹脂(U)の樹脂固形分に対して2〜20重量%が好ましい。更に好ましくは5〜15重量%であり、最も好ましくは7〜12重量%である。シリカ粒子(S)が2重量%以上の場合は、ウレタンフィルム(F)が十分な耐ブロッキング性能を有しており、取扱が容易である。一方、20重量%以下ではウレタンフィルム(F)の機械強度および透湿性が低下しない。シリカ粒子(S)の平均一次粒子径としては、5〜20μmが好ましく、更に好ましいのは7〜15μmである。5μm以上では十分な耐ブロッキング性能が得られ、20μm以下ではウレタンフィルム(F)の風合いが悪化しない。
シリカ粒子(S)は、ウレタンフィルム(F)の製造時に添加しても良いし、ウレタン樹脂(U)製造時の任意の過程で添加しても構わない。
本発明のウレタンフィルム(F)は、ブロッキング防止剤の他に必要により顔料、安定剤及びその他の添加剤を添加して使用することができる。ウレタンフィルム(F)に含有される顔料としては特に限定されず、公知の有機顔料及び/又は無機顔料を使用することができ、ポリウレタン樹脂に対して、通常0〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%配合する。有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、銅フタロシアニン系顔料及びキナクリドン系顔料等が挙げられ、無機系顔料としては例えばクロム酸塩、フェロシアン化合物、金属酸化物、硫化セレン化合物、金属塩(硫酸塩、珪酸塩、炭酸塩、燐酸塩等)、金属粉末及びカーボンブラック等が挙げられる。
ウレタンフィルム(F)に含有される安定剤としては特に限定されず公知の酸化防止剤及び/又は紫外線吸収剤を使用することができ、ウレタンフィルム(F)に対して、通常0〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%配合される。
また、酸化防止剤としては、フェノール系[2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール及びブチル化ヒドロキシアニソール等];ビスフェノール系[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等];リン系[トリフェニルフォスファイト及びジフェニルイソデシルフォスファイト等]等が挙げられる。
また、酸化防止剤としては、フェノール系[2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール及びブチル化ヒドロキシアニソール等];ビスフェノール系[2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等];リン系[トリフェニルフォスファイト及びジフェニルイソデシルフォスファイト等]等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系[2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン及び2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等];ベンゾトリアゾール系[2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等];サリチル酸系[フェニルサリシレート等];ヒンダードアミン系[ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等]等が挙げられる。その他の添加剤としては、融着防止剤及び難燃剤等が挙げられる。
顔料、安定剤及びその他の添加剤は、ウレタン樹脂(U)の製造時の任意の段階で添加することでき、製造後にウレタンフィルム(F)の製造時の任意の段階で添加してもよい。
上記ウレタンフィルム(F)の厚みは10〜20μmが特に好ましい。10μm以上であると十分な防漏性を発揮でき、20μm以下であると満足のいく風合いが得られる。
本発明の衛生材料用ウレタンフィルム用ポリウレタン樹脂(U)の作成方法としては、高分子ジオール(A)と鎖伸長剤(C)を反応容器に投入し、続いてMDIなどのジイソシアネート(B)とジメチルホルムアミドなどの有機溶剤を投入して均一化する。この混合物を70℃程度で加熱し、所定の粘度に達したところでn−ブチルアルコールなどの反応停止剤(D)を投入し、末端停止反応を行うことで合成する。
この衛生材料用ウレタンフィルム用ポリウレタン樹脂(U)を用いた衛生材料用ウレタンフィルムの作成方法としては、ポリウレタン樹脂(U)に酢酸エチルなどの有機溶剤を添加して希釈し、その中にブロッキング防止剤であるシリカ粒子(S)を添加し、他には必要により顔料、安定剤及びその他の添加剤を加えて均一化する。その処理液を用いて前述の乾式加工法などで衛生材料用ウレタンフィルム(F)を作成する。
衛生材料用ウレタンフィルム(F)を使用したバックシートの作成方法としては、ウレタンフィルム(F)の上にホットメルト接着剤をスプレー塗布し、その上にPP製不織布を貼りつけて衛生材料用バックシートを作成する。
衛生材料用ウレタンフィルム(F)を使用したバックシートは、例えば、生理用ナプキン、尿取りライナー、産褥ショーツ、母乳パッド、汗脇パッド、紙おむつ、ペットシート、病院用ガウン及び手術用白衣等で例示される吸収性物品として使用される。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下において部は重量部を表す。
実施例1 [ウレタン樹脂(U−1)の製造]
高分子ジオール(A)であるポリエチレングリコール(分子量4000、水酸基価28、三洋化成工業株式会社社製)200部、鎖伸長剤(C)であるエチレングリコールを28部、ジイソシアネート(B)であるMDIを127部及び有機溶剤であるジメチルホルムアミドを反応容器に仕込み、乾燥窒素雰囲気下、70℃で12時間反応させた。その後、反応停止剤(D)としてn−ブチルアルコールを仕込んで、1時間末端停止反応を行い、本発明のポリウレタン樹脂(U−1)の溶液を得た。
高分子ジオール(A)であるポリエチレングリコール(分子量4000、水酸基価28、三洋化成工業株式会社社製)200部、鎖伸長剤(C)であるエチレングリコールを28部、ジイソシアネート(B)であるMDIを127部及び有機溶剤であるジメチルホルムアミドを反応容器に仕込み、乾燥窒素雰囲気下、70℃で12時間反応させた。その後、反応停止剤(D)としてn−ブチルアルコールを仕込んで、1時間末端停止反応を行い、本発明のポリウレタン樹脂(U−1)の溶液を得た。
実施例2〜10 [ウレタン樹脂(U−2)〜(U−10)の製造]
表1に示す処方に従って、実施例1と同様に高分子ジオール(A)、鎖伸長剤(C)、ジイソシアネート(B)及び有機溶剤を反応容器に仕込み、乾燥窒素雰囲気下、70℃で12時間反応させて、その後、必要により反応停止剤(D)を仕込んで、1時間末端停止反応を行い本発明のポリウレタン樹脂(U−2)〜(U−10)の溶液を得た。 表1、2に示した処方の数字は重量部数を示す。
また、表1、2に示した処方中の原料の内容は以下のとおりである。
ポリエチレンポリプロピレングリコール:分子量3000、水酸基価37、株式会社旭電化製PR−3090
ポリテトラメチレンポリアジペート:分子量2000、水酸基価56、三洋化成工業株式会社製「サンエスター4620」(2個以上連続するオキシテトラメチレン基は有さない。)
表1に示す処方に従って、実施例1と同様に高分子ジオール(A)、鎖伸長剤(C)、ジイソシアネート(B)及び有機溶剤を反応容器に仕込み、乾燥窒素雰囲気下、70℃で12時間反応させて、その後、必要により反応停止剤(D)を仕込んで、1時間末端停止反応を行い本発明のポリウレタン樹脂(U−2)〜(U−10)の溶液を得た。 表1、2に示した処方の数字は重量部数を示す。
また、表1、2に示した処方中の原料の内容は以下のとおりである。
ポリエチレンポリプロピレングリコール:分子量3000、水酸基価37、株式会社旭電化製PR−3090
ポリテトラメチレンポリアジペート:分子量2000、水酸基価56、三洋化成工業株式会社製「サンエスター4620」(2個以上連続するオキシテトラメチレン基は有さない。)
比較例1〜11 [化合物(U’−1)〜(U’−11)の製造]
表2に示す処方に従って、実施例1と同様に高分子ジオール(A)、鎖伸長剤(C)、ジイソシアネート(B)及び有機溶剤を反応容器に仕込み、乾燥窒素雰囲気下、70℃で12時間反応させて、その後、反応停止剤(D)を仕込んで、1時間末端停止反応を行い比較のポリウレタン樹脂(U’−1)〜(U’−11)の溶液を得た。
表2に示す処方に従って、実施例1と同様に高分子ジオール(A)、鎖伸長剤(C)、ジイソシアネート(B)及び有機溶剤を反応容器に仕込み、乾燥窒素雰囲気下、70℃で12時間反応させて、その後、反応停止剤(D)を仕込んで、1時間末端停止反応を行い比較のポリウレタン樹脂(U’−1)〜(U’−11)の溶液を得た。
実施例11〜20および比較例12〜23[衛生材料用ウレタンフィルム(F−1)〜(F−20)の製造]及びその評価
実施例1〜20および比較例12〜23で得られたウレタン樹脂溶液から以下のようにしてウレタンフィルムを作成し、このウレタンフィルムを用いて測定又は評価した機械強度、透湿性、バックシート評価(風合い、濡れ感)の性能を表3および表4に示す。比較例11で使用するPE(ポリエチレン)フィルムは、市販のPE製多孔質膜(膜厚25μm、透気度700秒/100cc、平均細孔半径(水銀圧入法)0.04μm)を使用した。
実施例1〜20および比較例12〜23で得られたウレタン樹脂溶液から以下のようにしてウレタンフィルムを作成し、このウレタンフィルムを用いて測定又は評価した機械強度、透湿性、バックシート評価(風合い、濡れ感)の性能を表3および表4に示す。比較例11で使用するPE(ポリエチレン)フィルムは、市販のPE製多孔質膜(膜厚25μm、透気度700秒/100cc、平均細孔半径(水銀圧入法)0.04μm)を使用した。
[1]機械強度の測定方法
ウレタン樹脂溶液を、離型処理したガラス板上に0.7mmの厚みに塗布し、70℃の循風乾燥機で3時間乾燥した後、ガラス板から剥がすことにより得られた厚さが約0.2mmのウレタン樹脂フィルムと市販のPE(ポリエチレン)製多孔質膜を準備した。準備した引張試験用フィルムを温度25℃、湿度65%RHに調整した室内に1日間静置した後、JIS K 6251に従い、100%応力および引張強度を測定した。
ウレタン樹脂溶液を、離型処理したガラス板上に0.7mmの厚みに塗布し、70℃の循風乾燥機で3時間乾燥した後、ガラス板から剥がすことにより得られた厚さが約0.2mmのウレタン樹脂フィルムと市販のPE(ポリエチレン)製多孔質膜を準備した。準備した引張試験用フィルムを温度25℃、湿度65%RHに調整した室内に1日間静置した後、JIS K 6251に従い、100%応力および引張強度を測定した。
[2]透湿性の評価方法
上記ウレタン樹脂溶液を離型紙上に35μmの厚みに塗布し、120℃の循風乾燥機で5分間乾燥した後、離型紙から剥がすことにより得られた厚さが約10μmのウレタン樹脂フィルムと市販のPE(ポリエチレン)製多孔質膜[膜厚20μm、透気度700秒/100cc、平均細孔半径(水銀圧入法)0.04μm]を透湿度試験用フィルムとして準備した。
準備したフィルムサンプルについて、JIS L−1099塩化カルシウム法(A−1)に基づいて透湿度を測定した。
上記ウレタン樹脂溶液を離型紙上に35μmの厚みに塗布し、120℃の循風乾燥機で5分間乾燥した後、離型紙から剥がすことにより得られた厚さが約10μmのウレタン樹脂フィルムと市販のPE(ポリエチレン)製多孔質膜[膜厚20μm、透気度700秒/100cc、平均細孔半径(水銀圧入法)0.04μm]を透湿度試験用フィルムとして準備した。
準備したフィルムサンプルについて、JIS L−1099塩化カルシウム法(A−1)に基づいて透湿度を測定した。
[3]風合いの評価方法
上記透湿度測定用フィルムと同様にして作製したフィルムの上に、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)系ホットメルト接着剤を目付5g/m2となるように点状に散布した後、目付量20g/m2のポリプロピレンスパンボンド不織布とを加圧ロールによって圧着し、貼り合せた後、離型紙を剥離させ風合い評価用の衛材用バックシートを得た。風合い評価は健康な成人20人の手による官能評価で行い、その平均値から下記の基準で評価した。
1:非常に柔らかい
2:柔らかい
3:やや硬い
4:硬い
上記透湿度測定用フィルムと同様にして作製したフィルムの上に、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)系ホットメルト接着剤を目付5g/m2となるように点状に散布した後、目付量20g/m2のポリプロピレンスパンボンド不織布とを加圧ロールによって圧着し、貼り合せた後、離型紙を剥離させ風合い評価用の衛材用バックシートを得た。風合い評価は健康な成人20人の手による官能評価で行い、その平均値から下記の基準で評価した。
1:非常に柔らかい
2:柔らかい
3:やや硬い
4:硬い
[4]濡れ感の評価方法
風合い評価用のシート作成手順と同様にバックシートを作成し、透湿性フィルム側を径3 c m のシリンダー端部にシリコーンゴムパッキン付リングで固定し、シート通気面が径3 c m とした。シリンダーに人工尿を3 5 c m の高さまで入れ、24時間後の不織布側の触感で以下の評価基準に従って濡れ感を評価した。なお、用いた人工尿は、尿素1 . 9 4 % 、塩化ナトリウム0 . 7 9 5 % 、硫酸マグネシウム0 . 1 1 0 % 、塩化カルシウム0 . 0 6 2 % 、硫酸カリウム0 . 1 9 7 % 、赤色2 号( 染料) 0 . 0 1 0 % 、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルで表面張力を4 5 d y n e / c m に調整した。
○:水漏れなし
×:水漏れあり
風合い評価用のシート作成手順と同様にバックシートを作成し、透湿性フィルム側を径3 c m のシリンダー端部にシリコーンゴムパッキン付リングで固定し、シート通気面が径3 c m とした。シリンダーに人工尿を3 5 c m の高さまで入れ、24時間後の不織布側の触感で以下の評価基準に従って濡れ感を評価した。なお、用いた人工尿は、尿素1 . 9 4 % 、塩化ナトリウム0 . 7 9 5 % 、硫酸マグネシウム0 . 1 1 0 % 、塩化カルシウム0 . 0 6 2 % 、硫酸カリウム0 . 1 9 7 % 、赤色2 号( 染料) 0 . 0 1 0 % 、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルで表面張力を4 5 d y n e / c m に調整した。
○:水漏れなし
×:水漏れあり
本発明の衛生材料用ウレタンフィルムを使用したバックシートは、透湿性、風合い、機械強度に優れる事から、紙おむつ(子供用紙おむつおよび大人用紙おむつ)用のバックシートとして使用するのに好適である。また、その他の衛生材料(例えば、生理用ナプキン、失禁用パッド、母乳パッド、手術用アンダーパッド、ペットシート等)にも好適に使用することができる。
Claims (12)
- ポリオキシエチレン鎖を有する高分子ジオール(A)と、ジイソシアネート(B)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、及びチオジエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である鎖伸長剤(C)とを必須構成単量体とするポリウレタン樹脂であって、かつ下記の(1)〜(4)を満足する、衛生材料用ウレタンフィルム用ポリウレタン樹脂(U)。
(1)(U)が下記式(1)で示されるポリオキシテトラメチレン基を有さないか、又は(U)の重量に基づいて20重量%以下含有する。
−(OCH2CH2CH2CH2)n− (1)
[nは2以上の整数である。]
(2)(U)の乾式膜の熱機械分析装置で測定された熱軟化温度が200〜250℃である。
(3)(U)のウレタン基含量が(U)の重量に対して12〜18重量%である。
(4)(U)のオキシエチレン基含量が(U)の重量に対して20〜60重量%である。 - 上記高分子ジオール(A)の水酸基価が11〜224である請求項1に記載のポリウレタン樹脂(U)。
- 上記ジイソシアネート(B)の分子量が150〜300である請求項1又は2に記載のポリウレタン樹脂(U)。
- 上記高分子ジオール(A):上記ジイソシアネート(B):上記鎖伸長剤(C)の重量比が(30〜70):(10〜50):(5〜40)である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂(U)。
- 上記ポリウレタン樹脂(U)のウレア基含量が(U)の重量に対して0.1重量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂(U)。
- 上記高分子ジオール(A)がポリオキシエチレングリコールである請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂(U)。
- 上記鎖伸長剤(C)がエチレングリコールである請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂(U)。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の衛生材料用ウレタンフィルム用ポリウレタン樹脂(U)を含有する衛生材料用ウレタンフィルム(F)。
- 平均一次粒子径が5〜20μmであるシリカ粒子(S)をさらに含有する請求項8に記載のウレタンフィルム(F)。
- 100%応力が3〜7MPaである請求項8又は9に記載のウレタンフィルム(F)。
- 水膨潤率が16〜22%である請求項8〜10のいずれか1項に記載のウレタンフィルム(F)。
- 厚みが10〜20μmである請求項8〜11のいずれか1項に記載のウレタンフィルム(F)。
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