JP2017095576A - オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法、並びに、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法 - Google Patents
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法、並びに、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017095576A JP2017095576A JP2015228412A JP2015228412A JP2017095576A JP 2017095576 A JP2017095576 A JP 2017095576A JP 2015228412 A JP2015228412 A JP 2015228412A JP 2015228412 A JP2015228412 A JP 2015228412A JP 2017095576 A JP2017095576 A JP 2017095576A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- olefin resin
- film
- biaxially stretched
- stretched film
- olefin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Cell Separators (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
Abstract
【課題】 本発明は、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを提供する。【解決手段】本発明のオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、微小孔部を有し且つオレフィン系樹脂を含有するオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムであって、上記オレフィン系樹脂は、分子量が5万以下の成分を30〜70質量%及び分子量が50万以上の成分を5〜30質量%含有し、且つ、重量平均分子量が10万〜50万であり、突き刺し強度が0.7N以上で且つ透気度が75〜400s/100mLであることを特徴とする。【選択図】 なし
Description
本発明は、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法、並びに、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法に関する。
従来から携帯用電子機器の電源としてリチウムイオン二次電池が用いられている。このリチウムイオン電池は、一般的に正極と、負極と、セパレータとを電解液中に配設することによって構成されている。正極は、アルミニウム箔の表面にコバルト酸リチウム又はマンガン酸リチウムが塗布されることで形成される。負極は、銅箔の表面にカーボンが塗布されることで形成される。そして、セパレータは、正極と負極とを仕切るように配設され、電極間の電気的な短絡を防止している。
リチウムイオン電池の充電時には、正極からリチウムイオンが放出されて負極内に移動する。一方、リチウムイオン電池の放電時には、負極からリチウムイオンが放出されて正極に移動する。
セパレータとしては、絶縁性及びコスト性に優れていることから、ポリオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムが用いられている。しかしながら、ポリオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、ポリオレフィン系樹脂の融点付近で大きく熱収縮する。例えば、金属異物などの混入によりセパレータが破損して電極間に短絡が生じた場合、ジュール熱の発生により電池温度が上昇し、これによりポリオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムが熱収縮する。このポリオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの熱収縮によって、さらに短絡が進行して電池温度もさらに上昇する。
近年、リチウムイオン電池には、高出力であると共に優れた安全性を確保できることが望まれている。したがって、セパレータにも耐熱性の向上が要望されている。
特許文献1には、電子線照射により処理され、100℃における熱機械分析(TMA)の値が、0%〜−1%であるリチウム二次電池用セパレータが開示されている。しかしながら、電子線照射による処理だけではリチウム二次電池用セパレータの耐熱性や機械的強度が不十分である。
特許文献2には、架橋点間分子量が20万以下、収縮残存率が15%以上、気孔率が20〜80%であるポリエチレン微多孔膜が開示されている。しかしながら、ポリエチレン微多孔膜の耐熱性や機械的強度が不十分である。
更に、特許文献3には、多数の気孔を有する多孔性基材と、前記多孔性基材の少なくとも一面にコートされており、無機粒子及びバインダーを含む多孔性コーティング層とを有し、前記バインダーが架橋されているセパレータが開示されている。
しかしながら、セパレータを薄膜化しようとすると、多孔性基材の厚みを薄くする必要があるが、多孔性基材の厚みを薄くすると熱によって溶けやすくなり、その結果、セパレータの耐メルトダウン性が低下するという問題点を生じる。
そこで、本発明は、機械的強度に優れたオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法、並びに、上記オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを一部に有する耐熱性、耐メルトダウン性及び機械的強度に優れた耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法を提供する。
本発明のオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、
微小孔部を有し且つオレフィン系樹脂を含有するオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムであって、
上記オレフィン系樹脂は、分子量が5万以下の成分を30〜70質量%及び分子量が50万以上の成分を5〜30質量%含有し、且つ、重量平均分子量が10万〜50万であり、
突き刺し強度が0.7N以上で且つ透気度が75〜400s/100mLであることを特徴とする。
微小孔部を有し且つオレフィン系樹脂を含有するオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムであって、
上記オレフィン系樹脂は、分子量が5万以下の成分を30〜70質量%及び分子量が50万以上の成分を5〜30質量%含有し、且つ、重量平均分子量が10万〜50万であり、
突き刺し強度が0.7N以上で且つ透気度が75〜400s/100mLであることを特徴とする。
本発明の耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、
分子量が5万以下の成分を30〜70質量%及び分子量が50万以上の成分を5〜30質量%含有し且つ重量平均分子量が10万〜50万であるオレフィン系樹脂を含有し、微小孔部を有するオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムと、
上記オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面の少なくとも一部に形成され且つ1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物の重合体を含む皮膜層とを有する耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムであって、
突き刺し強度が0.7N以上で且つ透気度が75〜400s/100mLであることを特徴とする。
分子量が5万以下の成分を30〜70質量%及び分子量が50万以上の成分を5〜30質量%含有し且つ重量平均分子量が10万〜50万であるオレフィン系樹脂を含有し、微小孔部を有するオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムと、
上記オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面の少なくとも一部に形成され且つ1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物の重合体を含む皮膜層とを有する耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムであって、
突き刺し強度が0.7N以上で且つ透気度が75〜400s/100mLであることを特徴とする。
本発明のオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの製造方法は、
オレフィン系樹脂を押出機に供給して溶融混練し押出してオレフィン系樹脂フィルムを製造する押出工程と、
上記オレフィン系樹脂フィルムを(オレフィン系樹脂の融点−50℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−10℃)で養生する養生工程と、
上記養生工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が10℃〜(オレフィン系樹脂の融点−30℃)にて押出方向に1.2〜1.6倍に延伸する第1延伸工程と、
上記第1延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて押出方向に1.5〜3倍に延伸する第2延伸工程と、
上記第2延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(第2延伸工程時のオレフィン系樹脂フィルムの表面温度)〜(オレフィン系樹脂の融点)にてアニーリングする第1アニーリング工程と、
上記第1アニーリング工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−70℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて幅方向に1.05〜3.0倍に延伸する第3延伸工程と、
上記第3延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点)にてアニーリングする第2アニーリング工程とを含むことを特徴とする。
オレフィン系樹脂を押出機に供給して溶融混練し押出してオレフィン系樹脂フィルムを製造する押出工程と、
上記オレフィン系樹脂フィルムを(オレフィン系樹脂の融点−50℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−10℃)で養生する養生工程と、
上記養生工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が10℃〜(オレフィン系樹脂の融点−30℃)にて押出方向に1.2〜1.6倍に延伸する第1延伸工程と、
上記第1延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて押出方向に1.5〜3倍に延伸する第2延伸工程と、
上記第2延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(第2延伸工程時のオレフィン系樹脂フィルムの表面温度)〜(オレフィン系樹脂の融点)にてアニーリングする第1アニーリング工程と、
上記第1アニーリング工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−70℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて幅方向に1.05〜3.0倍に延伸する第3延伸工程と、
上記第3延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点)にてアニーリングする第2アニーリング工程とを含むことを特徴とする。
本発明の耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの製造方法は、
オレフィン系樹脂を押出機に供給して溶融混練し押出してオレフィン系樹脂フィルムを製造する押出工程と、
上記オレフィン系樹脂フィルムを(オレフィン系樹脂の融点−50℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−10℃)で養生する養生工程と、
上記養生工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が10℃〜(オレフィン系樹脂の融点−30℃)にて押出方向に1.2〜1.6倍に延伸する第1延伸工程と、
上記第1延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて押出方向に1.5〜3倍に延伸する第2延伸工程と、
上記第2延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(第2延伸工程時のオレフィン系樹脂フィルムの表面温度)〜(オレフィン系樹脂の融点)にてアニーリングする第1アニーリング工程と、
上記第1アニーリング工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−70℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて幅方向に1.05〜3.0倍に延伸する第3延伸工程と、
上記第3延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点)にてアニーリングする第2アニーリング工程とを経てオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを製造する微多孔二軸延伸フィルム製造工程と、
上記オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面に、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を塗布する塗布工程と、
上記重合性化合物に活性エネルギー線を照射する照射工程とを有することを特徴とする。
オレフィン系樹脂を押出機に供給して溶融混練し押出してオレフィン系樹脂フィルムを製造する押出工程と、
上記オレフィン系樹脂フィルムを(オレフィン系樹脂の融点−50℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−10℃)で養生する養生工程と、
上記養生工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が10℃〜(オレフィン系樹脂の融点−30℃)にて押出方向に1.2〜1.6倍に延伸する第1延伸工程と、
上記第1延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて押出方向に1.5〜3倍に延伸する第2延伸工程と、
上記第2延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(第2延伸工程時のオレフィン系樹脂フィルムの表面温度)〜(オレフィン系樹脂の融点)にてアニーリングする第1アニーリング工程と、
上記第1アニーリング工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−70℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて幅方向に1.05〜3.0倍に延伸する第3延伸工程と、
上記第3延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点)にてアニーリングする第2アニーリング工程とを経てオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを製造する微多孔二軸延伸フィルム製造工程と、
上記オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面に、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を塗布する塗布工程と、
上記重合性化合物に活性エネルギー線を照射する照射工程とを有することを特徴とする。
本発明のオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、優れた機械的強度を有しており、リチウム金属の析出に起因するデンドライトや異物などによる正負電極間の短絡を効果的に防止することができる。
更に、本発明のオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、優れた透気性を有しているので、二次電池の内部抵抗を低減することができ、高出力用途の充放電が可能な二次電池を構成することができる。
また、本発明の耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、優れた耐熱性、耐メルトダウン性及び機械的強度を有しており、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの上記効果に加えて、過充電や内部短絡などの異常事態の発生により二次電池の内部が高温となった場合であっても、電極間の電気的な短絡を効果的に抑制することができる。
本発明のオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、微小孔部を有し且つオレフィン系樹脂を含有する。
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムはオレフィン系樹脂を含んでいる。オレフィン系樹脂としては、エチレン系樹脂及びプロピレン系樹脂が好ましく、エチレン系樹脂がより好ましい。オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムにはオレフィン系樹脂以外の合成樹脂が含まれていてもよいが、オレフィン系樹脂の含有量は50質量%以上が好ましく、60〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%が特に好ましい。
プロピレン系樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。プロピレン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。又、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであってもよい。プロピレン系樹脂中におけるプロピレン成分の含有量は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
なお、プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィンなどが挙げられ、エチレンが好ましい。
エチレン系樹脂としては、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高密度ポリエチレン、及びエチレン−プロピレン共重合体などが挙げられる。エチレン系樹脂中におけるエチレン成分の含有量は、好ましくは50質量%を超え、より好ましくは80質量%以上である。
オレフィン系樹脂の重量平均分子量は、10万〜50万であり、11万〜48万がより好ましい。プロピレン系樹脂の重量平均分子量は、25万〜50万が好ましく、28万〜48万がより好ましい。エチレン系樹脂の重量平均分子量は、10万〜25万が好ましく、11万〜20万がより好ましい。重量平均分子量が上記範囲内であるオレフィン系樹脂によれば、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、微小孔部が均一に形成されている。
オレフィン系樹脂の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、5.0〜30が好ましく、7.5〜25がより好ましい。プロピレン系樹脂の分子量分布は、7.5〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。エチレン系樹脂の分子量分布は、5.0〜30が好ましく、8.0〜25がより好ましい。分子量分布が上記範囲内であるオレフィン系樹脂によれば、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは高い表面開口率を有している。
オレフィン系樹脂は、分子量が5万以下の成分を30〜70質量%含有しており、40〜65質量%が好ましく、45〜60質量%がより好ましい。分子量が5万以下の成分が上記範囲内であると、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、優れた耐熱性及び耐メルトダウン性を有している。
オレフィン系樹脂は、分子量が50万以上の成分を5〜30質量%含有しており、5〜20質量%が好ましく、6〜18質量%がより好ましく、7〜15質量%が特に好ましい。分子量が50万以上の成分が上記範囲内であると、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、微小孔部が均一に形成されており透気性に優れている。
ここで、オレフィン系樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって測定されたポリスチレン換算した値である。具体的には、オレフィン系樹脂6〜7mgを採取し、採取したオレフィン系樹脂を試験管に供給した上で、試験管に0.05質量%のBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)を含んでいるo−DCB(オルトジクロロベンゼン)溶液を加えてオレフィン系樹脂濃度が1mg/mLとなるように希釈して希釈液を作製する。
溶解濾過装置を用いて145℃にて回転数25rpmにて1時間に亘って上記希釈液を振とうさせてオレフィン系樹脂をo−DCB溶液に溶解させて測定試料とする。この測定試料を用いてGPC法によってオレフィン系樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量、並びに、分子量が5万以下の成分量及び分子量が50万以上の成分量を測定することができる。
オレフィン系樹脂における重量平均分子量及び数平均分子量、並びに、分子量が5万以下の成分量及び分子量が50万以上の成分量は、例えば、下記測定装置及び測定条件にて測定することができる。
測定装置 TOSOH社製 商品名「HLC-8121GPC/HT」
測定条件 カラム:TSKgelGMHHR-H(20)HT×3本
TSKguardcolumn-HHR(30)HT×1本
移動相:o−DCB 1.0mL/分
サンプル濃度:1mg/mL
検出器:ブライス型屈折計
標準物質:ポリスチレン(TOSOH社製 分子量:500〜8420000)
溶出条件:145℃
SEC温度:145℃
測定装置 TOSOH社製 商品名「HLC-8121GPC/HT」
測定条件 カラム:TSKgelGMHHR-H(20)HT×3本
TSKguardcolumn-HHR(30)HT×1本
移動相:o−DCB 1.0mL/分
サンプル濃度:1mg/mL
検出器:ブライス型屈折計
標準物質:ポリスチレン(TOSOH社製 分子量:500〜8420000)
溶出条件:145℃
SEC温度:145℃
オレフィン系樹脂の融点は、130〜170℃が好ましく、133〜165℃がより好ましい。プロピレン系樹脂の融点は、160〜170℃が好ましく、160〜165℃がより好ましい。エチレン系樹脂の融点は、130〜140℃が好ましく、133〜139℃がより好ましい。融点が上記範囲内であるオレフィン系樹脂によれば、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、製膜安定性及び耐メルトダウン性に優れている。
なお、本発明において、オレフィン系樹脂の融点は、示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツル社 装置名「DSC220C」など)を用い、下記手順に従って測定することができる。先ず、オレフィン系樹脂10mgを25℃から昇温速度10℃/分にて250℃まで加熱し、250℃にて3分間に亘って保持する。次に、オレフィン系樹脂を250℃から降温速度10℃/分にて25℃まで冷却して25℃にて3分間に亘って保持する。続いて、オレフィン系樹脂を25℃から昇温速度10℃/分にて250℃まで再加熱し、この再加熱工程における吸熱ピークの頂点の温度を、オレフィン系樹脂の融点とする。
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、微小孔部を含んでいる。微小孔部は、フィルム厚み方向に貫通していることが好ましく、これによりオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに優れた透気性を付与することができる。このようなオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムはその厚み方向にリチウムイオンなどのイオンを透過させることが可能となる。
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの透気度は、75〜400sec/100mLであり、100〜300sec/100mLがより好ましい。透気度が上記範囲内であるオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、イオン透過性に優れている。
なお、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの透気度は、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下でJIS P8117に準拠して、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの長さ方向に10cm間隔で10箇所測定し、その相加平均値を算出することにより得られた値とする。
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの突き刺し強度は、0.7N以上であり、1.1〜10.0Nが好ましく、1.3〜8.0Nがより好ましく、1.5〜5.0Nが特に好ましい。突き刺し強度が上記範囲内であるオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、リチウム金属の析出に起因するデンドライトや異物などによる正負電極間の短絡を効果的に防止することができる。なお、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの突き刺し強度は、JIS Z1707に準拠して測定された値をいう。
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、オレフィン系樹脂フィルムの二軸延伸フィルムである。オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、二軸延伸されていることから、優れた機械的強度を有している。
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、後述するように、その表面の一部に、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物の重合体を含む皮膜層が形成されてもよく、このような場合、皮膜層の形成にあたって活性エネルギー線が照射される。
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、上述の通り、二軸延伸されており優れた機械的強度を有しているので、皮膜層の形成過程において、万一、劣化が生じたとしても十分な機械的強度を維持しており、正負電極間の短絡を効果的に防止することができる。
更に、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、二軸延伸されていることから、皮膜層の形成過程における活性エネルギー線の照射によって万一、劣化が生じたとしても、一軸延伸フィルムに比して劣化度合いが小さく、十分な機械的強度を維持しており、正負電極間の短絡を効果的に防止することができる。
また、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは二軸延伸されており、微小孔部が大きく開口した状態に形成されているので、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面に皮膜層が形成された場合にあっても、微小孔部が皮膜層によって閉塞されるようなことはなく、優れたイオン透過性を維持する。
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面開口率は、25〜55%が好ましく、25〜53%がより好ましく、30〜50%が特に好ましい。表面開口率が上記範囲内であるオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、優れたイオン透過性を有する。
なお、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面開口率は下記の要領で測定することができる。先ず、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面の任意の部分において、縦9.6μm×横12.8μmの平面長方形状の測定部分を定め、この測定部分を倍率1万倍にて写真撮影する。
次いで、測定部分内に形成された各微小孔部を、長辺と短辺の何れか一方がオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの長さ方向(延伸方向)に平行となる長方形で囲む。この長方形は、長辺及び短辺が共に最小寸法となるように調整する。長方形の面積を各微小孔部の開口面積とする。各微小孔部の開口面積を合計して微小孔部の総開口面積S(μm2)を算出する。この微小孔部の総開口面積S(μm2)を122.88μm2(9.6μm×12.8μm)で除して100を乗じた値を表面開口率(%)とする。なお、測定部分と、測定部分でない部分とに跨がって存在している微小孔部については、微小孔部のうち、測定部分内に存在している部分のみを測定対象とする。
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの厚みは、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
なお、本発明において、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの厚みの測定は、次の要領にしたがって行うことができる。即ち、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの任意の10箇所をダイヤルゲージを用いて測定し、その相加平均値をオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの厚みとする。
次に、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの製造方法について説明する。オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの製造方法は、特に限定されないが、(1)オレフィン系樹脂を押し出すことによりオレフィン系樹脂フィルムを得る工程と、このオレフィン系樹脂フィルム中にラメラ結晶を発生及び成長させる工程と、オレフィン系樹脂フィルムを二軸延伸してラメラ結晶間を離間させることにより微小孔部が形成されてなるオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを得る工程とを有する方法;及び(2)オレフィン系樹脂と充填剤とを含んでいるオレフィン系樹脂組成物を押し出すことによりオレフィン系樹脂フィルムを得る工程と、このオレフィン系樹脂フィルムを二軸延伸してオレフィン系樹脂と充填剤との界面を剥離させることにより微小孔部が形成されてなるオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを得る工程とを有する方法などが挙げられる。微小孔部が均一に且つ多数形成されているオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムが得られることから、(1)の方法が好ましい。
上記(1)の方法において、
オレフィン系樹脂を押出機に供給して溶融混練し押出してオレフィン系樹脂フィルムを製造する押出工程と、
上記オレフィン系樹脂フィルムを(オレフィン系樹脂の融点−50℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−10℃)で養生する養生工程と、
上記養生工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が10℃〜(オレフィン系樹脂の融点−30℃)にて押出方向に1.2〜1.6倍に延伸する第1延伸工程と、
上記第1延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて押出方向に1.5〜3倍に延伸する第2延伸工程と、
上記第2延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(第1延伸工程時のオレフィン系樹脂フィルムの表面温度)〜(オレフィン系樹脂の融点)にてアニーリングする第1アニーリング工程と、
上記第1アニーリング工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−70℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて幅方向に1.05〜3.0倍に延伸する第3延伸工程と、
上記第3延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点)にてアニーリングする第2アニーリング工程とを含むことがより好ましい。
オレフィン系樹脂を押出機に供給して溶融混練し押出してオレフィン系樹脂フィルムを製造する押出工程と、
上記オレフィン系樹脂フィルムを(オレフィン系樹脂の融点−50℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−10℃)で養生する養生工程と、
上記養生工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が10℃〜(オレフィン系樹脂の融点−30℃)にて押出方向に1.2〜1.6倍に延伸する第1延伸工程と、
上記第1延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて押出方向に1.5〜3倍に延伸する第2延伸工程と、
上記第2延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(第1延伸工程時のオレフィン系樹脂フィルムの表面温度)〜(オレフィン系樹脂の融点)にてアニーリングする第1アニーリング工程と、
上記第1アニーリング工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−70℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて幅方向に1.05〜3.0倍に延伸する第3延伸工程と、
上記第3延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点)にてアニーリングする第2アニーリング工程とを含むことがより好ましい。
上記方法によれば、フィルム厚み方向に貫通する微小孔部が多数形成されているオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを得ることができる。このようなオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムによれば、優れた透気性を有しており、リチウムイオンなどのイオンが円滑に且つ均一に透過することができる。従って、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムによれば、二次電池の内部抵抗を低減することができる。このような二次電池は、電気自動車などの車両など高出力用途においても高電流密度で充放電を行うことが可能である。さらに、過充電や内部短絡などの異常事態の発生により二次電池の内部が高温となった場合であっても、電極間の電気的な短絡を効果的に抑制することができることから、二次電池の優れた安全性が確保されている。
(押出工程)
オレフィン系樹脂を含むオレフィン系樹脂フィルムは、オレフィン系樹脂を押出機に供給して溶融混練した上で、押出機の先端に取り付けたTダイから押出すことにより製造することができる。
オレフィン系樹脂を含むオレフィン系樹脂フィルムは、オレフィン系樹脂を押出機に供給して溶融混練した上で、押出機の先端に取り付けたTダイから押出すことにより製造することができる。
オレフィン系樹脂を押出機にて溶融混練する際のオレフィン系樹脂の温度は、(オレフィン系樹脂の融点+20℃)〜(オレフィン系樹脂の融点+100℃)が好ましく、(オレフィン系樹脂の融点+25℃)〜(オレフィン系樹脂の融点+90℃)がより好ましく、(オレフィン系樹脂の融点+40℃)〜(オレフィン系樹脂の融点+86℃)が特に好ましい。溶融混練時のオレフィン系樹脂の温度をオレフィン系樹脂の融点よりも20℃高い温度以上とすることにより、均一な厚みを有するオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを得ることができる。また、溶融混練時のオレフィン系樹脂の温度をオレフィン系樹脂の融点よりも100℃高い温度以下とすることにより、オレフィン系樹脂の配向性を向上させて、ラメラの生成を促進させることができる。
オレフィン系樹脂を押出機からフィルム状に押出す際におけるドロー比は、50〜300が好ましく、65〜250がより好ましく、70〜250が特に好ましい。ドロー比を50以上とすることにより、オレフィン系樹脂に加わる張力を向上させることができる。これによりオレフィン系樹脂を十分に配向させてラメラの生成を促進させることが可能となる。また、ドロー比を300以下とすることによって、オレフィン系樹脂フィルムの製膜安定性を向上させることができる。これにより均一な厚みや幅を有するオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを得ることが可能となる。
なお、ドロー比とは、TダイのリップのクリアランスをTダイから押出されたオレフィン系樹脂フィルムの厚みで除した値をいう。Tダイのリップのクリアランスの測定は、JIS B7524に準拠したすきまゲージ(例えば、株式会社永井ゲージ製作所製 JISすきまゲージ)を用いてTダイのリップのクリアランスを10箇所以上測定し、その相加平均値を求めることにより行うことができる。又、Tダイから押出されたオレフィン系樹脂フィルムの厚みは、ダイヤルゲージ(例えば、株式会社ミツトヨ製 シグナルABSデジマチックインジケータ)を用いてTダイから押出されたオレフィン系樹脂フィルムの厚みを10箇所以上測定し、その相加平均値を求めることにより行うことができる。
オレフィン系樹脂フィルムの製膜速度は、10〜300m/分が好ましく、15〜250m/分がより好ましく、15〜30m/分が特に好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの製膜速度を10m/分以上とすることによって、オレフィン系樹脂に加わる張力を向上することができる。これによりオレフィン系樹脂分子を十分に配向させてラメラの生成を促進することが可能となる。また、オレフィン系樹脂フィルムの製膜速度を300m/分以下とすることによって、オレフィン系樹脂フィルムの製膜安定性を向上することができる。これにより均一な厚みや幅を有するオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを得ることが可能となる。
そして、Tダイから押出されたオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−100℃)以下となるまで冷却することにより、オレフィン系樹脂フィルムを構成しているオレフィン系樹脂が結晶化してラメラが高度に生成する。本発明では、溶融混練したオレフィン系樹脂を押出すことにより、オレフィン系樹脂フィルムを構成しているオレフィン系樹脂分子を予め配向させた上で、オレフィン系樹脂フィルムを冷却する。これによりオレフィン系樹脂が配向している部分においてラメラの生成を促進することができる。
冷却されたオレフィン系樹脂フィルムの表面温度は、オレフィン系樹脂の融点よりも100℃低い温度以下が好ましく、オレフィン系樹脂の融点よりも140〜110℃低い温度がより好ましく、オレフィン系樹脂の融点よりも135〜120℃低い温度が特に好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの表面温度を上記範囲内まで冷却することによって、オレフィン系樹脂を結晶化させてラメラを高度に生成することができる。
オレフィン系樹脂フィルムの複屈折率は、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムのイオン透気性が向上するので、0.017以上が好ましい。
なお、オレフィン系樹脂フィルムの複屈折率は、次のようにして測定する。先ず、オレフィン系樹脂フィルムの厚みDをマイクロゲージを用いて測定する。
次に、オレフィン系樹脂フィルムの表裏面にパラフィンワックスを全面的に塗布して光の乱反射による光線透過量の影響を除去する。厚みが1mmの二枚のガラス板をその厚み方向に重ね合わせ、ガラス板上に上記オレフィン系樹脂フィルムを載置する。
しかる後、オレフィン系樹脂フィルムの光線透過率T(%)を複屈折率測定装置を用いて検光子135°、偏光子45°の条件下にて測定し、下記式に基づいて波長λが550nmにおける位相差Reを算出し、この位相差Reに基づいて複屈折率Δnを算出する。
位相差Re=550×arcsin(T1/2)/π
複屈折率Δn=Re/D
位相差Re=550×arcsin(T1/2)/π
複屈折率Δn=Re/D
(養生工程)
次いで、上述した押出工程により得られたオレフィン系樹脂フィルムを養生する。このオレフィン系樹脂フィルムの養生工程は、押出工程においてオレフィン系樹脂フィルム中に生成したラメラを成長させるために行う。これにより、オレフィン系樹脂フィルムの押出方向に結晶化部分(ラメラ)と非結晶部分とが交互に配列している積層ラメラ構造を形成することができ、後述するオレフィン系樹脂フィルムの延伸工程において、ラメラ内ではなく、ラメラ間において亀裂を発生させ、この亀裂を起点として微小な貫通孔(微小孔部)を形成することができる。
次いで、上述した押出工程により得られたオレフィン系樹脂フィルムを養生する。このオレフィン系樹脂フィルムの養生工程は、押出工程においてオレフィン系樹脂フィルム中に生成したラメラを成長させるために行う。これにより、オレフィン系樹脂フィルムの押出方向に結晶化部分(ラメラ)と非結晶部分とが交互に配列している積層ラメラ構造を形成することができ、後述するオレフィン系樹脂フィルムの延伸工程において、ラメラ内ではなく、ラメラ間において亀裂を発生させ、この亀裂を起点として微小な貫通孔(微小孔部)を形成することができる。
養生工程において、押出工程により得られたオレフィン系樹脂フィルムを、(オレフィン系樹脂の融点−50℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−10℃)にて養生することにより行うことが好ましい。
オレフィン系樹脂フィルムの養生温度は、(オレフィン系樹脂の融点−30℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−1℃)が好ましく、(オレフィン系樹脂の融点−25℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−5℃)がより好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの養生温度をオレフィン系樹脂の融点よりも30℃低い温度以上とすることによって、オレフィン系樹脂フィルムの結晶化を充分に促進することができる。また、オレフィン系樹脂フィルムの養生温度をオレフィン系樹脂の融点よりも1℃低い温度以下にすることによって、オレフィン系樹脂の分子配向の緩和によるラメラ構造の崩壊を低減することができる。
なお、オレフィン系樹脂フィルムの養生温度とは、オレフィン系樹脂フィルムの表面温度である。しかしながら、オレフィン系樹脂フィルムの表面温度を測定できないような場合、例えば、オレフィン系樹脂フィルムをロール状に巻き取った状態で養生させる場合には、オレフィン系樹脂フィルムの養生温度とは、雰囲気温度とする。例えば、熱風炉などの加熱装置内部でオレフィン系樹脂フィルムをロール状に巻き取った状態で養生を行う場合には、加熱装置内部の温度を養生温度とする。
オレフィン系樹脂フィルムの養生は、オレフィン系樹脂フィルムを走行させながら行ってもよく、オレフィン系樹脂フィルムをロール状に巻き取った状態で行ってもよい。
オレフィン系樹脂フィルムの養生をオレフィン系樹脂フィルムを走行させながら行う場合、オレフィン系樹脂フィルムの養生時間は、1分以上が好ましく、5分〜60分がより好ましい。
オレフィン系樹脂フィルムをロール状に巻き取った状態で養生させる場合、養生時間は、1時間以上が好ましく、15時間以上がより好ましい。このような養生時間でロール状に巻き取った状態のオレフィン系樹脂フィルムを養生させることにより、全体的にオレフィン系樹脂フィルムの温度を上述した養生温度にして十分に養生を行うことができる。これによりオレフィン系樹脂フィルム中にラメラを十分に成長させることができる。また、オレフィン系樹脂フィルムの熱劣化を低減する観点から、養生時間は、35時間以下が好ましく、30時間以下がより好ましい。
なお、オレフィン系樹脂フィルムをロール状に巻き取った状態で養生させた場合、養生工程後のオレフィン系樹脂フィルムロールからオレフィン系樹脂フィルムを巻き出して、後述する工程を行えばよい。
(第1延伸工程)
次に、養生工程後のオレフィン系樹脂フィルムに、その表面温度が10℃〜(オレフィン系樹脂の融点−30℃)にて押出方向に延伸倍率1.2〜1.6倍に一軸延伸を施す第1延伸工程を実施する。第1延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルム中のラメラは殆ど溶融しておらず、延伸によってラメラ同士を離間させることによって、ラメラ間の非結晶部において効率的に微細な亀裂を独立して生じさせ、この亀裂を起点として多数の微小孔部を確実に形成させる。
次に、養生工程後のオレフィン系樹脂フィルムに、その表面温度が10℃〜(オレフィン系樹脂の融点−30℃)にて押出方向に延伸倍率1.2〜1.6倍に一軸延伸を施す第1延伸工程を実施する。第1延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルム中のラメラは殆ど溶融しておらず、延伸によってラメラ同士を離間させることによって、ラメラ間の非結晶部において効率的に微細な亀裂を独立して生じさせ、この亀裂を起点として多数の微小孔部を確実に形成させる。
第1延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムの表面温度は、10℃〜(オレフィン系樹脂の融点−30℃)が好ましく、15℃〜(オレフィン系樹脂の融点−50℃)がより好ましく、20℃〜(オレフィン系樹脂の融点−80℃)がより好ましく、21℃〜(オレフィン系樹脂の融点−100℃)が特に好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの表面温度を10℃以上とすることにより、延伸時におけるオレフィン系樹脂フィルムの破断を低減することができる。また、オレフィン系樹脂フィルムの表面温度をオレフィン系樹脂の融点−20℃)以下とすることにより、ラメラ間の非結晶部において亀裂を発生させることができる。
第1延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率は、1.2〜1.6倍が好ましく、1.25〜1.5倍がより好ましい。延伸倍率を1.2倍以上とすることにより、ラメラ間の非結晶部において微小孔部を形成することができる。また、延伸倍率を1.6倍以下とすることにより、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに微小孔部を均一に形成することができる。
なお、本発明において、オレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率とは、延伸後のオレフィン系樹脂フィルムの長さを延伸前のオレフィン系樹脂フィルムの長さで除した値をいう。
オレフィン系樹脂フィルムの第1延伸工程における延伸速度は、20%/分以上が好ましく、20〜500%/分がより好ましく、20〜70%/分が特に好ましい。延伸速度を20%/分以上とすることにより、ラメラ間の非結晶部において微小孔部を均一に形成することができる。延伸速度を500%/分以下とすることにより、第1延伸工程におけるオレフィン系樹脂フィルムの破断を抑制することができる。
なお、本発明において、オレフィン系樹脂フィルムの延伸速度とは、単位時間当たりのオレフィン系樹脂フィルムの延伸方向における寸法の変化割合をいう。
上記第1延伸工程におけるオレフィン系樹脂フィルムの延伸方法としては、オレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸することができれば、特に限定されず、例えば、オレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸装置を用いて所定温度にて一軸延伸する方法などが挙げられる。
(第2延伸工程)
次いで、第1延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムに、その表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて押出方向に延伸倍率1.5〜3倍に一軸延伸処理を施す第2延伸工程を実施する。第2延伸工程においても、オレフィン系樹脂フィルムを好ましくは押出方向にのみ一軸延伸する。このような第2延伸工程における延伸処理を行うことによって、第1延伸工程にてオレフィン系樹脂フィルムに形成された多数の微小孔部を成長させることができる。
次いで、第1延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムに、その表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて押出方向に延伸倍率1.5〜3倍に一軸延伸処理を施す第2延伸工程を実施する。第2延伸工程においても、オレフィン系樹脂フィルムを好ましくは押出方向にのみ一軸延伸する。このような第2延伸工程における延伸処理を行うことによって、第1延伸工程にてオレフィン系樹脂フィルムに形成された多数の微小孔部を成長させることができる。
第2延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムの表面温度は、(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)が好ましく、(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−30℃)がより好ましく、(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−40℃)が特に好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの表面温度を(オレフィン系樹脂の融点−60℃)以上とすることによって、第1延伸工程においてオレフィン系樹脂フィルムに形成された微小孔部を高度に成長させることができる。また、オレフィン系樹脂フィルムの表面温度を(オレフィン系樹脂の融点−20℃)以下とすることによって、第1延伸工程においてオレフィン系樹脂フィルムに形成された微小孔部の閉塞を低減することができる。
第2延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率は、1.5〜3倍が好ましく、1.6〜3倍がより好ましく、2〜2.5倍が特に好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率を1.5倍以上とすることによって、第1延伸工程時にオレフィン系樹脂フィルムに形成された微小孔部を成長させることができる。これにより優れた透気性を有するオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを提供することができる。また、オレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率を3倍以下とすることによって、第1延伸工程においてオレフィン系樹脂フィルムに形成された微小孔部の閉塞を抑制することが可能となる。
第2延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムの延伸速度は、500%/分以下が好ましく、400%/分以下がより好ましく、15〜60%/分が特に好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの延伸速度を上記範囲内とすることによって、オレフィン系樹脂フィルムに微小孔部を均一に形成することができる。
上記第2延伸工程におけるオレフィン系樹脂フィルムの延伸方法としては、オレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸することができれば、特に限定されず、例えば、オレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸装置を用いて所定温度にて一軸延伸する方法などが挙げられる。
(第1アニーリング工程)
次に、第2延伸工程において一軸延伸が施されたオレフィン系樹脂フィルムにアニール処理を施す第1アニーリング工程を行う。この第1アニーリング工程は、上述した延伸工程において加えられた延伸によってオレフィン系樹脂フィルムに生じた残存歪みを緩和して、得られるオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに熱収縮が生じるのを抑えるために行われる。
次に、第2延伸工程において一軸延伸が施されたオレフィン系樹脂フィルムにアニール処理を施す第1アニーリング工程を行う。この第1アニーリング工程は、上述した延伸工程において加えられた延伸によってオレフィン系樹脂フィルムに生じた残存歪みを緩和して、得られるオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに熱収縮が生じるのを抑えるために行われる。
第1アニーリング工程におけるオレフィン系樹脂フィルムの表面温度は、(第2延伸工程時のオレフィン系樹脂フィルムの表面温度)〜(オレフィン系樹脂の融点)が好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの表面温度を第2延伸工程時のオレフィン系樹脂フィルムの表面温度以上とすることによって、オレフィン系樹脂フィルム中に残存した歪みを十分に緩和することができる。これによりオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの加熱時における寸法安定性を向上させることが可能となる。また、オレフィン系樹脂フィルムの表面温度をオレフィン系樹脂の融点以下とすることによって、延伸工程で形成された微小孔部の閉塞を抑制することができる。
第1アニーリング工程におけるオレフィン系樹脂フィルムの収縮率は、25%以下が好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの収縮率を25%以下とすることによって、オレフィン系樹脂フィルムのたるみの発生を低減して、オレフィン系樹脂フィルムを均一にアニールすることができる。
なお、オレフィン系樹脂フィルムの収縮率とは、第1アニーリング工程時における延伸方向におけるオレフィン系樹脂フィルムの収縮長さを、第2延伸工程後の延伸方向におけるオレフィン系樹脂フィルムの長さで除して100を乗じた値をいう。
(第3延伸工程)
次に、第1アニーリング工程においてアニーリングが施されたオレフィン系樹脂フィルムに、その表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−70℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて幅方向(押出方向に直交する方向)に延伸倍率1.05〜3.0倍に延伸処理を施す第3延伸工程を実施する。第3延伸工程においては、オレフィン系樹脂フィルムを好ましくは幅方向にのみ延伸する。このように、第3延伸工程を行うことによって、第2延伸工程にてオレフィン系樹脂フィルムに形成された多数の微小孔部を損ねることなく幅方向にも拡げて微小孔部の開口度合いを大きくし、得られるオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの透気性を向上させることができる。更に、第3延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムに施された押出方向への延伸処理に伴う残留歪みを緩和することもでき、高温時における熱収縮を緩和し、正負電極間の短絡を効果的に防止することができる。
次に、第1アニーリング工程においてアニーリングが施されたオレフィン系樹脂フィルムに、その表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−70℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて幅方向(押出方向に直交する方向)に延伸倍率1.05〜3.0倍に延伸処理を施す第3延伸工程を実施する。第3延伸工程においては、オレフィン系樹脂フィルムを好ましくは幅方向にのみ延伸する。このように、第3延伸工程を行うことによって、第2延伸工程にてオレフィン系樹脂フィルムに形成された多数の微小孔部を損ねることなく幅方向にも拡げて微小孔部の開口度合いを大きくし、得られるオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの透気性を向上させることができる。更に、第3延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムに施された押出方向への延伸処理に伴う残留歪みを緩和することもでき、高温時における熱収縮を緩和し、正負電極間の短絡を効果的に防止することができる。
第3延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムの表面温度は、(オレフィン系樹脂の融点−70℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)が好ましく、(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−30℃)がより好ましく、(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−40℃)が特に好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの表面温度を(オレフィン系樹脂の融点−70℃)以上とすることによって、第2延伸工程においてオレフィン系樹脂フィルムに形成された微小孔部を高度に成長させることができる。また、オレフィン系樹脂フィルムの表面温度を(オレフィン系樹脂の融点−20℃)以下とすることによって、第2延伸工程においてオレフィン系樹脂フィルムに形成された微小孔部の閉塞を低減することができる。
第3延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率は、1.05〜3.0倍が好ましく、1.1〜2.8倍がより好ましく、1.5〜2.5倍が特に好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率を1.05倍以上とすることによって、第2延伸工程時にオレフィン系樹脂フィルムに形成された微小孔部を成長させることができる。これにより優れた透気性を有するオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを製造することができる。また、オレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率を3.0倍以下とすることによって、第2延伸工程においてオレフィン系樹脂フィルムに形成された微小孔部の閉塞を抑制することができる。
第3延伸工程において、オレフィン系樹脂フィルムの延伸速度は、500%/分以下が好ましく、400%/分以下がより好ましく、15〜60%/分が特に好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの延伸速度を上記範囲内とすることによって、オレフィン系樹脂フィルムに微小孔部を均一に形成することができる。
上記第3延伸工程におけるオレフィン系樹脂フィルムの延伸方法としては、オレフィン系樹脂フィルムを幅方向に延伸することができれば、特に限定されず、例えば、オレフィン系樹脂フィルムを延伸装置を用いて所定温度にて幅方向に延伸する方法などが挙げられる。
(第2アニーリング工程)
次に、第3延伸工程において延伸処理が施されたオレフィン系樹脂フィルムにアニール処理を施す第2アニーリング工程を行う。この第2アニーリング工程は、上述した延伸工程において加えられた延伸によってオレフィン系樹脂フィルムに生じた残存歪みを緩和して、得られるオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに熱収縮が生じるのを抑えるために行われる。
次に、第3延伸工程において延伸処理が施されたオレフィン系樹脂フィルムにアニール処理を施す第2アニーリング工程を行う。この第2アニーリング工程は、上述した延伸工程において加えられた延伸によってオレフィン系樹脂フィルムに生じた残存歪みを緩和して、得られるオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに熱収縮が生じるのを抑えるために行われる。
第2アニーリング工程におけるオレフィン系樹脂フィルムの表面温度は、(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)が好ましく、(オレフィン系樹脂の融点−50℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−25℃)がより好ましく、(オレフィン系樹脂の融点−40℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−35℃)が特に好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの表面温度を(オレフィン系樹脂の融点−60℃)以上とすることによって、オレフィン系樹脂フィルム中に残存した歪みを十分に緩和することができる。これによりオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの加熱時における寸法安定性を向上させることが可能となる。また、オレフィン系樹脂フィルムの表面温度を(オレフィン系樹脂の融点−20℃)以下とすることによって、延伸工程で形成された微小孔部の閉塞を抑制することができる。
第2アニーリング工程におけるオレフィン系樹脂フィルムの収縮率は、25%以下が好ましい。オレフィン系樹脂フィルムの収縮率を25%以下とすることによって、オレフィン系樹脂フィルムのたるみの発生を低減して、オレフィン系樹脂フィルムを均一にアニールすることができる。
なお、オレフィン系樹脂フィルムの収縮率とは、第2アニーリング工程時における延伸方向におけるオレフィン系樹脂フィルムの収縮長さを、第3延伸工程後の延伸方向におけるオレフィン系樹脂フィルムの長さで除して100を乗じた値をいう。
(皮膜層)
上記オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面の少なくとも一部に、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物の重合体を含む皮膜層を形成することによって、耐熱性、耐メルトダウン性及び機械的強度に優れた耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを構成することができる。
上記オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面の少なくとも一部に、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物の重合体を含む皮膜層を形成することによって、耐熱性、耐メルトダウン性及び機械的強度に優れた耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを構成することができる。
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、上述の通り、二軸延伸されていることから微小孔部は広く開口した状態となっており、皮膜層による微小孔部の閉塞が抑制され、表面に皮膜層が形成されているにもかからず、優れた透気性を有している。
更に、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの大きく開口した微小孔部を通じて、微小孔部の壁面(オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの内部)にも皮膜層を形成することができ、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは全体的に優れた耐熱性及び耐メルトダウン性を有している。
皮膜層は、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物の重合体を含んでいる。このような重合体を含んでいる皮膜層は、高い硬度を有していると共に、適度な弾性及び伸度を有している。したがって、上記重合体を含んでいる皮膜層を用いることによって、耐熱性及び耐メルトダウン性の双方に優れている耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを提供することができる。
皮膜層は、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面の少なくとも一部に形成されていればよいが、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面全面に形成されていることが好ましく、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面、及びオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面から連続する微小孔部の壁面にも形成されていることがより好ましい。
また、重合性化合物を用いることにより、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの微小孔部を閉塞しないように、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面に皮膜層を形成することができる。これによって、優れた透気性及びイオン透過性が確保されている耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを提供することができる。
重合性化合物は、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有している。ラジカル重合性官能基は、活性エネルギー線の照射によってラジカル重合可能なラジカル重合性不飽和結合を含んでいる官能基である。ラジカル重合性官能基としては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリロイル基やビニル基などが挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
重合性化合物としては、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する多官能性アクリル系モノマー、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有するビニル系オリゴマー、1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多官能性(メタ)アクリレート変性物、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する樹枝状ポリマー、及び(メタ)アクリロイル基を2個以上有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。また、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
多官能性アクリル系モノマーは、ラジカル重合性官能基を1分子中に2個以上有していればよいが、ラジカル重合性官能基を1分子中に3個以上有している3官能以上の多官能性アクリル系モノマーが好ましく、ラジカル重合性官能基を1分子中に3〜6個有している3官能〜6官能の多官能性アクリル系モノマーがより好ましい。
多官能性アクリル系モノマーとしては、
1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどの2官能の多官能性アクリル系モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、及びエトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレートなどの3官能以上の多官能性アクリル系モノマー
などを例示することができる。
1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどの2官能の多官能性アクリル系モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、及びエトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレートなどの3官能以上の多官能性アクリル系モノマー
などを例示することができる。
ビニル系オリゴマーとしては、特に限定されず、例えば、ポリブタジエン系オリゴマーなどを例示することができる。なお、ポリブタジエン系オリゴマーとは、ポリ(1,2−ブタジエン)オリゴマー、ポリ(1,3−ブタジエン)オリゴマーなどのブタジエン骨格を有するオリゴマーを意味する。
ポリブタジエン系オリゴマーは市販されている製品を用いることができる。ポリ(1,2−ブタジエン)オリゴマーとしては、日本曹達社製 商品名「B−1000」、「B−2000」及び「B−3000」などを例示することができる。
多官能性(メタ)アクリレート変性物としては、多官能性(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物、及び多官能性(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物が好ましく挙げられる。
多官能性(メタ)アクリレートのアルキレンオキサイド変性物は、好ましくは、多価アルコールとアルキレンオキサイドとの付加物を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得られる。また、多官能性(メタ)アクリレートのカプロラクトン変性物は、好ましくは、多価アルコールとカプロラクトンとの付加物を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得られる。
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹枝状ポリマーとは、(メタ)アクリロイル基を配置した枝分子を放射状に組み立てた球状の巨大分子を意味する。
(メタ)アクリロイル基を有する樹枝状ポリマーとしては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するデンドリマー、及び1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するハイパーブランチポリマーが挙げられる。
デンドリマーとは、(メタ)アクリレートを枝分子とし、(メタ)アクリレートを球状に集積することによって得られる球状高分子を意味する。
1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するハイパーブランチポリマーとは、ABx型の多官能性モノマー(ここでAとBは互いに反応する官能基、Bの数Xは2以上)を重合させて得られる不規則な分岐構造を有する高分岐構造体の表面および内部を(メタ)アクロイル基によって修飾することによって得られる球状高分子を意味する。
ウレタンアクリレートオリゴマーは、例えば、ポリイソシアネート化合物と、ヒドロキシル基またはイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートと、ポリオール化合物とを反応させることにより得られる。
本発明においては、上記した重合性化合物のうち、多官能性アクリル系モノマーが好ましく、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが好ましい。これらによれば、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに優れた耐熱性及び耐メルトダウン性を付与することができる。
重合性化合物として多官能性アクリル系モノマーを用いる場合、重合性化合物中における多官能性アクリル系モノマーの含有量は、30質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。多官能性アクリル系モノマーを30質量%以上含んでいる重合性化合物を用いることにより、得られる耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに、透気性を低下させることなく優れた耐熱性及び耐メルトダウン性を付与することができる。
なお、本発明においては、重合性化合物としては、上記した重合性化合物のうちの一種のみを用いてもよく、二種以上の重合性化合物を併用しても構わない。
皮膜層は、上述した重合性化合物の重合体を含んでいる。この重合体は、活性エネルギー線の照射によって重合性化合物が重合されてなる重合体であることが好ましい。即ち、上記重合体は、活性エネルギー線の照射による重合性化合物の重合体であることが好ましい。このような重合体を含んでいる皮膜層は高い硬度を有しており、これにより高温下における耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの熱収縮を低減して、耐熱性を向上させることができる。
活性エネルギー線としては、特に限定されず、例えば、電子線、プラズマ、紫外線、α線、β線、及びγ線などが挙げられる。なかでも、電子線及び紫外線が好ましく、電子線がより好ましい。
皮膜層中の重合体の一部とオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム中のオレフィン系樹脂の一部とが化学的に結合していることが好ましい。このような重合体を含んでいる皮膜層を用いることによって、上述した通り、高温下における熱収縮が低減されて優れた耐熱性を有すると共に優れた耐メルトダウン性を有する耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを提供することができる。化学的な結合としては、特に制限されず、共有結合、イオン結合、及び分子間結合などが挙げられる。
耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム中における皮膜層の含有量は、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム100質量部に対して、5〜80質量部が好ましく、5〜60質量部がより好ましく、10〜40質量部が特に好ましい。皮膜層の含有量を上記範囲内とすることによって、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面の微小孔部を閉塞させることなく皮膜層を均一に形成することができる。これにより、透気性を低下させることなく耐熱性及び耐メルトダウン性が向上されている耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを提供することができる。
皮膜層の厚みは、特に制限されないが、1〜100nmが好ましく、5〜50nmがより好ましい。皮膜層の厚みを上記範囲内とすることによって、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面に微小孔部を閉塞させることなく皮膜層を均一に形成することができる。これにより、透気性を低下させることなく耐熱性及び耐メルトダウン性が向上されている耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを提供することができる。
皮膜層は、無機粒子を含んでいなくても、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの耐熱性及び耐メルトダウン性を向上させることができる。したがって、皮膜層は、無機粒子を含んでいないことが好ましい。しかしながら、必要に応じて、皮膜層は無機粒子を含んでいてもよい。無機粒子としては、耐熱性多孔質層に一般的に用いられている無機粒子が挙げられる。無機粒子を構成する材料としては、例えば、Al2O3、SiO2、TiO2、及びMgOなどが挙げられる。
(耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム)
本発明の耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、上述した通り、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムと、このオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面の少なくとも一部に形成された皮膜層とを含んでいる。
本発明の耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、上述した通り、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムと、このオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面の少なくとも一部に形成された皮膜層とを含んでいる。
耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの突き刺し強度は、0.7N以上が好ましく、1.1〜10.0Nがより好ましく、1.3〜8.0Nが特に好ましく、1.5〜5.0Nが最も好ましい。突き刺し強度が上記範囲内である耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、リチウム金属の析出に起因するデンドライトや異物などによる正負電極間の短絡を効果的に防止することができる。なお、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの突き刺し強度は、JIS Z1707に準拠して測定された値をいう。
耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの透気度は、75〜400sec/100mLが好ましく、100〜350sec/100mLがより好ましく、100〜300sec/100mLが特に好ましい。耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、上述した通り、皮膜層の形成によってオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの微小孔部の閉塞が低減されており、皮膜層の形成による透気性の低下が低減されている。したがって、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの透気度を上記範囲内にすることができる。透気度が上記範囲内である耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、イオン透過性に優れている。
なお、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの透気度の測定方法としては、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの透気度の上述した測定方法と同じ方法が用いられる。
TMA測定における耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの最大熱収縮率は、25%以下であるが、5〜20%が好ましく、8〜13%がより好ましい。耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、皮膜層によって高温下における熱収縮が低減されており、優れた耐熱性を有している。したがって、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの最大熱収縮率を25%以下とすることができる。
なお、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムのTMA測定における最大熱収縮率の測定は、次の通りに行うことができる。先ず、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを切断することにより、平面長方形状の試験片(幅3mm×長さ30mm)を得る。この時、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの長さ方向(押出方向)と試験片の長さ方向とを平行にする。試験片の長さ方向の両端部をつかみ具により把持して、TMA測定装置(例えば、セイコーインスツル社製 商品名「TMA−SS6000」など)に取り付ける。この時、つかみ具間の距離を10mmとし、つかみ具は試験片の熱収縮に伴って移動可能とする。そして、試験片に長さ方向に19.6mN(2gf)の張力を加えた状態で、空気中で試験片を25℃から250℃まで5℃/分の昇温速度にて加熱し、各温度においてつかみ具間の距離L(mm)を測定し、下記式に基づいて熱収縮率を算出し、その最大値を最大熱収縮率とする。
熱収縮率(%)=100×(10−L)/10
熱収縮率(%)=100×(10−L)/10
耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面開口率は、特に限定されないが、30〜55%が好ましく、30〜50%がより好ましい。上述した通り、皮膜層の形成によるオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの微小孔部の閉塞が低減されており、これにより耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面開口率を上記範囲内にすることができる。表面開口率が上記範囲内である耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、機械的強度とイオン透過性の双方に優れている。
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面開口率の測定方法としては、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面開口率の上述した測定方法と同じ方法が用いられる。
耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムのゲル分率は、特に限定されないが、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が特に好ましい。皮膜層のゲル分率が60質量%以上であると、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの耐熱性及び耐メルトダウン性が向上する。
耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムのゲル分率は、下記の要領で測定される。耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを5mm幅の短冊に切り出して約0.1gの試験片を作製する。試験片の初期重量W0を測定した後、試験管に試験片を入れる。試験管内にキシレンを入れ、試験管を130℃に加熱したオイルバスに16時間時間浸漬する。200メッシュの金網を用意し、この金網の重量W1を測定する。試験管内の熱キシレン溶液を200メッシュの金網で濾過して、ゲル分を分離する。金網上のゲル分を80℃で8時間減圧乾燥させた後、金網とゲル分の合計重量W2を測定する。下記式に基づいて耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムのゲル分率を算出する。
ゲル分率(%)=100×(W2−W1)/W0
ゲル分率(%)=100×(W2−W1)/W0
(耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの製造方法)
本発明の耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの製造方法は、上述したオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを製造する二軸延伸フィルム製造工程と、
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面の少なくとも一部に、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を塗布する塗布工程と、
上記重合性化合物を塗布したオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの重合性化合物に活性エネルギー線を照射する照射工程と、
を有する。
本発明の耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの製造方法は、上述したオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを製造する二軸延伸フィルム製造工程と、
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面の少なくとも一部に、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を塗布する塗布工程と、
上記重合性化合物を塗布したオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの重合性化合物に活性エネルギー線を照射する照射工程と、
を有する。
(塗布工程)
先ず、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面の少なくとも一部に、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を塗布する塗布工程を実施する。オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは二軸延伸され、微小孔部は大きく開口した状態に形成されていることから、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの微小孔部の癖面にも重合性化合物を均一に且つ容易に塗布することができる。
先ず、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面の少なくとも一部に、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を塗布する塗布工程を実施する。オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは二軸延伸され、微小孔部は大きく開口した状態に形成されていることから、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの微小孔部の癖面にも重合性化合物を均一に且つ容易に塗布することができる。
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面に重合性化合物を塗布することによって、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面に重合性化合物を付着させることができる。この時、重合性化合物をそのままオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面に塗布してもよい。しかしながら、重合性化合物を溶媒中に分散又は溶解させて塗布液を得、この塗布液をオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面に塗布することが好ましい。このように重合性化合物を塗布液として用いることによって、微小孔部の閉塞を低減しながら、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面に重合性化合物を均一に付着させることができる。これにより皮膜層が均一に形成され、透気性を低下させることなく、耐熱性及び耐メルトダウン性が向上された耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを製造することが可能となる。
更に、塗布液はオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムにおける微小孔部の壁面にも円滑に流動することができ、これによりオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面だけでなく、この表面に連続する微小孔部の開口端部の壁面にも皮膜層を形成することができる。これにより皮膜層をオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面に強固に一体化させることができると共に、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム全体に耐熱性を付与することができる。
また、2官能以上のラジカル重合性官能基を有する重合性化合物はオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに対する馴染み性に優れていることから、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに微小孔部を閉塞させることなく重合性化合物を塗布することができる。これにより、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの微小孔部に対応する箇所に、厚み方向に貫通する貫通孔を有している皮膜層を形成することができる。したがって、このような皮膜層によれば、透気性を低下させることなく、耐熱性及び耐メルトダウン性が向上された耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを提供することができる。
塗布液に用いられる溶媒としては、重合性化合物を溶解又は分散させることができれば、特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エチル、クロロホルムなどが挙げられる。なかでも、酢酸エチル、エタノール、メタノール、アセトンが好ましい。これらの溶媒は、塗布液をオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面に塗布した後に円滑に除去することができる。さらに、上記溶媒は、リチウムイオン二次電池などの二次電池を構成している電解液との反応性が低く、安全性にも優れている。
塗布液中における重合性化合物の含有量は、3〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。重合性化合物の含有量を上記範囲内とすることによって、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面に微小孔部を閉塞させることなく皮膜層を均一に形成することができ、したがって、透気性を低下させることなく耐熱性及び耐メルトダウン性が向上されている耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを製造することができる。
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面への重合性化合物の塗布方法としては、特に制限されず、例えば、(1)オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面に重合性化合物を塗布する方法;(2)重合性化合物中にオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを浸漬して、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面に重合性化合物を塗布する方法;(3)重合性化合物を溶媒中に溶解又は分散させて塗布液を作製し、この塗布液をオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面に塗布した後、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを加熱して溶媒を除去する方法;及び(4)重合性化合物を溶媒中に溶解又は分散させて塗布液を作製し、この塗布液中にオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを浸漬して、塗布液をオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム中に塗布した後、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを加熱して溶媒を除去する方法が挙げられる。なかでも、上記(3)(4)の方法が好ましい。これらの方法によれば、重合性化合物をオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面に均一に塗布することができる。
上記(3)及び(4)の方法において、溶媒を除去するためのオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの加熱温度は、用いられる溶媒の種類や沸点によって設定することができる。溶媒を除去するためのオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの加熱温度は、50〜140℃が好ましく、70〜130℃がより好ましい。加熱温度を上記範囲内とすることによって、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの熱収縮や微小孔部の閉塞を低減しつつ、塗布された溶媒を効率的に除去することができる。
上記(3)及び(4)の方法において、溶媒を除去するためのオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの加熱時間は、特に制限されず、用いられる溶媒の種類や沸点によって設定することができる。溶媒を除去するためのオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの加熱時間は、0.02〜60分が好ましく、0.1〜30分がより好ましい。
上述の通り、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面に重合性化合物又は塗布液を塗布することによって、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面に重合性化合物を付着させることができる。
(照射工程)
次に、重合性化合物を塗布した上記オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに、活性エネルギー線を照射する照射工程を実施する。これにより重合性化合物を重合させて、重合性化合物の重合体を含む皮膜層を、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面の少なくとも一部、好ましくは表面全面に一体的に形成することができる。
次に、重合性化合物を塗布した上記オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに、活性エネルギー線を照射する照射工程を実施する。これにより重合性化合物を重合させて、重合性化合物の重合体を含む皮膜層を、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム表面の少なくとも一部、好ましくは表面全面に一体的に形成することができる。
活性エネルギー線を照射することで、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム中に含まれているオレフィン系樹脂の一部が分解して、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの機械的強度及び耐メルトダウン性が低下する可能性がある。しかしながら、重合性化合物の重合体を含む皮膜層によれば、上述した通り、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの機械的強度及び耐メルトダウン性の低下を補うことができ、これにより機械的強度、耐熱性及び耐メルトダウン性に優れている耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを提供することが可能となる。
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムにエチレン系樹脂が含有されている場合には、活性エネルギー線の照射によって、エチレン系樹脂同士が架橋してオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム全体の機械的強度、耐熱性及び耐メルトダウン性が向上し、よって、得られる耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、優れた機械的強度、耐熱性及び耐メルトダウン性を有している。
そして、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは架橋構造が付与されることによって、電池内部が高温となってエチレン系樹脂の融点以上となった場合にあっても、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、その架橋構造によってフィルム形態を維持し、正負電極間の短絡を効果的に防止する。
しかも、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムにエチレン系樹脂が含有されている場合には、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの一部が溶融を開始し、電池内の異常昇温の初期段階において微小孔部が閉塞して優れたシャットダウン効果を発揮し、イオンの通過を阻止して二次電池の放電を停止させて電池内の昇温を阻止し、安全性に優れた二次電池を構成することができる。
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに対する活性エネルギー線の照射線量は、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムがホモポリプロピレンを含む場合は、20〜100kGyが好ましく、30〜80kGyがより好ましく、40〜70kGyが特に好ましい。また、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムがホモポリエチレンを含む場合は、40〜300kGyが好ましく、60〜200kGyがより好ましく、80〜200kGyが特に好ましい。活性エネルギー線の照射線量を上記範囲内とすることによって、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム中のオレフィン系樹脂の劣化を低減しながら重合性化合物を重合させることができ、これにより耐熱性及び耐メルトダウン性の双方に優れている耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを提供することができる。
活性エネルギー線としては、特に限定されず、例えば、電子線、プラズマ、紫外線、α線、β線、及びγ線などが挙げられる。なかでも、電子線及び紫外線が好ましく、電子線がより好ましい。
活性エネルギー線として電子線を用いる場合、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに対する電子線の加速電圧は特に限定されないが、50〜300kVが好ましく、100〜250kVがより好ましい。電子線の加速電圧を上記範囲内とすることによって、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム中のオレフィン系樹脂の劣化を低減しながら皮膜層を形成することができる。
活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに対する紫外線の積算光量は、1000〜5000mJ/cm2が好ましく、1000〜4000mJ/cm2がより好ましく、1500〜3700mJ/cm2が特に好ましい。なお、活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、上記塗布液に光重合開始剤が含まれていることが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、及びアントラキノンなどが挙げられる。
活性エネルギー線としてプラズマを用いる場合、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに対するプラズマのエネルギー密度は特に限定されないが、5〜50J/cm2が好ましく、10〜45J/cm2がより好ましく、20〜45J/cm2が特に好ましい。
照射工程において、酸素濃度が10ppm以下の雰囲気下で、重合性化合物を塗布したオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに活性エネルギー線を照射することが好ましい。照射工程における雰囲気中の酸素濃度は、10ppm以下が好ましいが、8〜0ppmがより好ましく、5〜0ppmが特に好ましい。このような酸素濃度の雰囲気下で照射工程を実施することにより、照射工程において、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムに含まれているオレフィン系樹脂の酸化劣化を低減することができると共に、皮膜層の架橋密度を高くすることができる。これにより、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの耐熱性及び耐メルトダウン性を向上させることができる。
照射工程は、不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。これにより、照射工程における雰囲気中の酸素濃度を容易に調整することができる。不活性ガスとしては、特に制限されず、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、及びこれらの混合ガスなどが挙げられる。
本発明のオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及び耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、非水電解液二次電池用セパレータとして好適に用いられる。非水電解液二次電池としては、リチウムイオン二次電池などが挙げられる。
オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及び耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、優れた機械的強度を有していることから、リチウム金属の析出に起因するデンドライトや異物などによる正負電極間の短絡を効果的に防止することができる。
また、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは更に耐熱性及び耐メルトダウン性に優れていることから、このような耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを用いることによって、電池内部が、例えば100〜150℃、特に130〜150℃の高温となった場合であっても、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの収縮及び融けによる電極間の電気的な短絡が低減することができる。
そして、正極と負極との間にオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム又は耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムをセパレータとして配設し、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム又は耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの微小孔部内に非水電解液を充填することによって非水電解液二次電池を構成することができる。
正極は、特に制限されないが、正極集電体と、この正極集電体の少なくとも一面に形成された正極活物質層とを含んでいることが好ましい。正極活物質層は、正極活物質と、この正極活物質間に形成された空隙とを含んでいることが好ましい。正極活物質層が空隙を含んでいる場合には、この空隙中にも非水電解液が充填される。正極活物質はリチウムイオンなどを吸蔵放出することが可能な材料であり、正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム又はマンガン酸リチウムなどが挙げられる。正極に用いられる集電体としては、アルミニウム箔、ニッケル箔、及びステンレス箔などが挙げられる。正極活物質層は、バインダーや導電助剤などをさらに含んでいてもよい。
負極は、特に制限されないが、負極集電体と、この負極集電体の少なくとも一面に形成された負極活物質層とを含んでいることが好ましい。負極活物質層は、負極活物質と、この負極活物質間に形成された空隙とを含んでいることが好ましい。負極活物質層が空隙を含んでいる場合には、この空隙中にも非水電解液が充填される。負極活物質はリチウムイオンなどを吸蔵放出することが可能な材料であり、負極活物質としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック及びケチェンブラックなどが挙げられる。負極に用いられる集電体としては、銅箔、ニッケル箔、及びステンレス箔などが挙げられる。負極活物質層は、バインダーや導電助剤などをさらに含んでいてもよい。
非水電解液とは、水を含まない溶媒に電解質塩を溶解させた電解液である。リチウムイオン二次電池に用いられる非水電解液としては、例えば、非プロトン性有機溶媒に、リチウム塩を溶解した非水電解液が挙げられる。非プロトン性有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、及びエチレンカーボネートなどの環状カーボネートと、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、及びジメチルカーボネートなどの鎖状カーボネートとの混合溶媒などが挙げられる。また、リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、及びLiN(SO2CF3)2などが挙げられる。
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
[実施例1〜4、比較例1]
(押出工程)
ホモポリエチレンを押出機に供給して表1に示した押出温度にて溶融混練し、押出機の先端に取り付けられたTダイからフィルム状に押出し、表面温度が30℃となるまで冷却してホモポリエチレンフィルム(厚み30μm)を得た。ホモポリエチレンについて、重量平均分子量、分子量が5万以下の成分量、分子量が50万以上の成分量、密度及び融点を表1に示した。なお、押出量は9kg/時間、成膜速度は22m/分、ドロー比は83であった。
(押出工程)
ホモポリエチレンを押出機に供給して表1に示した押出温度にて溶融混練し、押出機の先端に取り付けられたTダイからフィルム状に押出し、表面温度が30℃となるまで冷却してホモポリエチレンフィルム(厚み30μm)を得た。ホモポリエチレンについて、重量平均分子量、分子量が5万以下の成分量、分子量が50万以上の成分量、密度及び融点を表1に示した。なお、押出量は9kg/時間、成膜速度は22m/分、ドロー比は83であった。
(養生工程)
得られたホモポリエチレンフィルムを雰囲気温度125℃の熱風炉中に24時間に亘って静置して養生した。
得られたホモポリエチレンフィルムを雰囲気温度125℃の熱風炉中に24時間に亘って静置して養生した。
(第1延伸工程)
養生後のホモポリエチレンフィルムを押出方向(長さ方向)に300mm、幅方向に160mmの短冊状に裁断した。このホモポリエチレンフィルムを一軸延伸装置を用いて表面温度が表1に示した温度となるようにして表1に示した延伸速度にて表1に示した延伸倍率に押出方向にのみ一軸延伸した。
養生後のホモポリエチレンフィルムを押出方向(長さ方向)に300mm、幅方向に160mmの短冊状に裁断した。このホモポリエチレンフィルムを一軸延伸装置を用いて表面温度が表1に示した温度となるようにして表1に示した延伸速度にて表1に示した延伸倍率に押出方向にのみ一軸延伸した。
(第2延伸工程)
続いて、ホモポリエチレンフィルムを一軸延伸装置を用いて表面温度が表1に示した温度となるようにして表1に示した延伸速度にて表1に示した延伸倍率に押出方向にのみ一軸延伸した。
続いて、ホモポリエチレンフィルムを一軸延伸装置を用いて表面温度が表1に示した温度となるようにして表1に示した延伸速度にて表1に示した延伸倍率に押出方向にのみ一軸延伸した。
(第1アニーリング工程)
しかる後、ホモポリエチレンフィルムをその表面温度が表1に示した温度となるように且つホモポリエチレンフィルムに張力が加わらないようにして10分間に亘って静置して、ホモポリエチレンフィルムにアニールを施した。なお、アニール時のホモポリエチレンフィルムの収縮率を表1に示した。
しかる後、ホモポリエチレンフィルムをその表面温度が表1に示した温度となるように且つホモポリエチレンフィルムに張力が加わらないようにして10分間に亘って静置して、ホモポリエチレンフィルムにアニールを施した。なお、アニール時のホモポリエチレンフィルムの収縮率を表1に示した。
(第3延伸工程)
続いて、ホモポリエチレンフィルムを一軸延伸装置を用いて表面温度が表1に示した温度となるようにして表1に示した延伸速度にて表1に示した延伸倍率に幅方向にのみ延伸した。
続いて、ホモポリエチレンフィルムを一軸延伸装置を用いて表面温度が表1に示した温度となるようにして表1に示した延伸速度にて表1に示した延伸倍率に幅方向にのみ延伸した。
(第2アニーリング工程)
次に、ホモポリエチレンフィルムをその表面温度が表1に示した温度となるように且つホモポリエチレンフィルムに張力が加わらないようにして10分間に亘って静置して、ホモポリエチレンフィルムにアニールを施した。これにより、微小孔部を有するホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムを得た。なお、アニール時のホモポリエチレンフィルムの収縮率を表1に示した。
次に、ホモポリエチレンフィルムをその表面温度が表1に示した温度となるように且つホモポリエチレンフィルムに張力が加わらないようにして10分間に亘って静置して、ホモポリエチレンフィルムにアニールを施した。これにより、微小孔部を有するホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムを得た。なお、アニール時のホモポリエチレンフィルムの収縮率を表1に示した。
得られたホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムについて、上述の方法にしたがって、突き刺し強度、透気度、表面開口率及び厚みを表1に示した。
(塗布工程)
溶媒として酢酸エチル94質量%、及び重合性化合物としてトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、共栄化学社製 商品名「ライトアクリレートTMP−A」)6質量%を含んでいる塗布液を用意した。次に、塗布液をホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムの表面に塗工した後、ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムを80℃で2分間加熱することにより溶媒を除去した。これによりホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルム表面全面に重合性化合物を付着させた。
溶媒として酢酸エチル94質量%、及び重合性化合物としてトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、共栄化学社製 商品名「ライトアクリレートTMP−A」)6質量%を含んでいる塗布液を用意した。次に、塗布液をホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムの表面に塗工した後、ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムを80℃で2分間加熱することにより溶媒を除去した。これによりホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルム表面全面に重合性化合物を付着させた。
(照射工程)
次に、重合性化合物を付着させたホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムに、加速電圧110kVで吸収線量が200kGyとなるように電子線を照射し、重合性化合物を重合させた。これにより、ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムの表面及びこの表面に連続する微小孔部の開口端部の壁面に重合性化合物の重合体を含む皮膜層が形成されている耐熱性ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムを得た。
次に、重合性化合物を付着させたホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムに、加速電圧110kVで吸収線量が200kGyとなるように電子線を照射し、重合性化合物を重合させた。これにより、ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムの表面及びこの表面に連続する微小孔部の開口端部の壁面に重合性化合物の重合体を含む皮膜層が形成されている耐熱性ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムを得た。
[実施例5]
実施例2と同様の要領で微小孔部を有するホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムを得た。
実施例2と同様の要領で微小孔部を有するホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムを得た。
(塗布工程)
溶媒として酢酸エチル94質量%、及び重合性化合物としてトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、共栄化学社製 商品名「ライトアクリレートTMP−A」)6質量%を含んでいる塗布液を用意した。塗布液100質量部に光重合開始剤としてベンゾフェノン5質量部を添加した。次に、塗布液をホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムの表面に塗工した後、ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムを80℃で2分間加熱することにより溶媒を除去した。これによりホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルム表面全面に重合性化合物を付着させた。
溶媒として酢酸エチル94質量%、及び重合性化合物としてトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA、共栄化学社製 商品名「ライトアクリレートTMP−A」)6質量%を含んでいる塗布液を用意した。塗布液100質量部に光重合開始剤としてベンゾフェノン5質量部を添加した。次に、塗布液をホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムの表面に塗工した後、ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムを80℃で2分間加熱することにより溶媒を除去した。これによりホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルム表面全面に重合性化合物を付着させた。
(照射工程)
次に、重合性化合物を付着させたホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムに積算光量が3000mJ/cm2となるように紫外線を照射し、重合性化合物を重合させた。これにより、ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムの表面及びこの表面に連続する微小孔部の開口端部の壁面に重合性化合物の重合体を含む皮膜層が形成されている耐熱性ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムを得た。
次に、重合性化合物を付着させたホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムに積算光量が3000mJ/cm2となるように紫外線を照射し、重合性化合物を重合させた。これにより、ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムの表面及びこの表面に連続する微小孔部の開口端部の壁面に重合性化合物の重合体を含む皮膜層が形成されている耐熱性ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムを得た。
得られた耐熱性ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムについて、上述の方法にしたがって、突き刺し強度、透気度、表面開口率、厚み、最大熱収縮率割合及びゲル分率を表1に示した。
比較例1の耐熱性ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムの最大熱収縮率に対する各実施例の耐熱性ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムの最大熱収縮率の割合(各実施例の耐熱性ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムの最大熱収縮率/比較例1の耐熱性ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムの最大熱収縮率)を「最大熱収縮率割合」として表1に示した。
得られた耐熱性ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルムについて、ホモポリエチレン微多孔二軸延伸フィルム100質量部に対する皮膜層の含有量を表1に示した。
本発明のオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、機械的強度に優れている。本発明の耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、機械的強度、耐熱性及び耐メルトダウン性に優れている。したがって、本発明のオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及び耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムは、非水電解液二次電池用セパレータとして好適に用いられる。
Claims (7)
- 微小孔部を有し且つオレフィン系樹脂を含有するオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムであって、
上記オレフィン系樹脂は、分子量が5万以下の成分を30〜70質量%及び分子量が50万以上の成分を5〜30質量%含有し、且つ、重量平均分子量が10万〜50万であり、
突き刺し強度が0.7N以上で且つ透気度が75〜400s/100mLであることを特徴とするオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム。 - オレフィン系樹脂がエチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム。
- 分子量が5万以下の成分を30〜70質量%及び分子量が50万以上の成分を5〜30質量%含有し且つ重量平均分子量が10万〜50万であるオレフィン系樹脂を含有し、微小孔部を有するオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムと、
上記オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面の少なくとも一部に形成され且つ1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物の重合体を含む皮膜層とを有する耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムであって、
突き刺し強度が0.7N以上で且つ透気度が75〜400s/100mLであることを特徴とする耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム。 - オレフィン系樹脂がエチレン系樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム。
- オレフィン系樹脂を押出機に供給して溶融混練し押出してオレフィン系樹脂フィルムを製造する押出工程と、
上記オレフィン系樹脂フィルムを(オレフィン系樹脂の融点−50℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−10℃)で養生する養生工程と、
上記養生工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が10℃〜(オレフィン系樹脂の融点−30℃)にて押出方向に1.2〜1.6倍に延伸する第1延伸工程と、
上記第1延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて押出方向に1.5〜3倍に延伸する第2延伸工程と、
上記第2延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(第2延伸工程時のオレフィン系樹脂フィルムの表面温度)〜(オレフィン系樹脂の融点)にてアニーリングする第1アニーリング工程と、
上記第1アニーリング工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−70℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて幅方向に1.05〜3.0倍に延伸する第3延伸工程と、
上記第3延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点)にてアニーリングする第2アニーリング工程とを含むことを特徴とするオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの製造方法。 - オレフィン系樹脂を押出機に供給して溶融混練し押出してオレフィン系樹脂フィルムを製造する押出工程と、
上記オレフィン系樹脂フィルムを(オレフィン系樹脂の融点−50℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−10℃)で養生する養生工程と、
上記養生工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が10℃〜(オレフィン系樹脂の融点−30℃)にて押出方向に1.2〜1.6倍に延伸する第1延伸工程と、
上記第1延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて押出方向に1.5〜3倍に延伸する第2延伸工程と、
上記第2延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(第2延伸工程時のオレフィン系樹脂フィルムの表面温度)〜(オレフィン系樹脂の融点)にてアニーリングする第1アニーリング工程と、
上記第1アニーリング工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−70℃)〜(オレフィン系樹脂の融点−20℃)にて幅方向に1.05〜3.0倍に延伸する第3延伸工程と、
上記第3延伸工程後のオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が(オレフィン系樹脂の融点−60℃)〜(オレフィン系樹脂の融点)にてアニーリングする第2アニーリング工程とを経てオレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムを製造する微多孔二軸延伸フィルム製造工程と、
上記オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面に、1分子中にラジカル重合性官能基を2個以上有する重合性化合物を塗布する塗布工程と、
上記重合性化合物に活性エネルギー線を照射する照射工程とを有することを特徴とする耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの製造方法。 - 塗布工程において、オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの表面に更に光重合開始剤を塗布すると共に、照射工程において、1000〜5000mJ/cm2の積算光量で紫外線を照射することを特徴とする請求項6に記載の耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015228412A JP2017095576A (ja) | 2015-11-24 | 2015-11-24 | オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法、並びに、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015228412A JP2017095576A (ja) | 2015-11-24 | 2015-11-24 | オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法、並びに、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017095576A true JP2017095576A (ja) | 2017-06-01 |
Family
ID=58817798
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015228412A Withdrawn JP2017095576A (ja) | 2015-11-24 | 2015-11-24 | オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法、並びに、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017095576A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020070362A (ja) * | 2018-10-31 | 2020-05-07 | 株式会社リコー | 多孔質層の製造方法、多孔質層および電極 |
-
2015
- 2015-11-24 JP JP2015228412A patent/JP2017095576A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020070362A (ja) * | 2018-10-31 | 2020-05-07 | 株式会社リコー | 多孔質層の製造方法、多孔質層および電極 |
JP7200603B2 (ja) | 2018-10-31 | 2023-01-10 | 株式会社リコー | 多孔質層の製造方法、多孔質層および電極 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5934438B2 (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム及びその製造方法、非水電解液二次電池用セパレータ並びに非水電解液二次電池 | |
JP5593003B1 (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム及びその製造方法、非水電解液二次電池用セパレータ並びに非水電解液二次電池 | |
JP2017203145A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム及び電池用セパレータ | |
JP2015221889A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの製造方法、耐熱性合成樹脂微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池 | |
JP2016199734A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、非水電解液二次電池、及び耐熱性合成樹脂微多孔フィルムのその製造方法 | |
JP6046835B2 (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム及びセパレータの製造方法 | |
WO2015166949A1 (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム及びその製造方法、非水電解液二次電池用セパレータ並びに非水電解液二次電池 | |
JP2015063639A (ja) | 耐熱性プロピレン系樹脂微多孔フィルムの製造方法、耐熱性プロピレン系樹脂微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池 | |
JP2017095576A (ja) | オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法、並びに、耐熱性オレフィン系樹脂微多孔二軸延伸フィルム及びその製造方法 | |
JP2017128639A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム | |
JP2017078152A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム及びその製造方法 | |
JP2017078153A (ja) | オレフィン系樹脂微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池 | |
JP2015212322A (ja) | 耐熱性微多孔フィルムの製造方法、耐熱性微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ及び非水電解液二次電池 | |
JP2014240471A (ja) | 架橋合成樹脂微多孔フィルムの製造方法、架橋合成樹脂微多孔フィルム、及びリチウムイオン電池用セパレータ | |
JPWO2017104760A1 (ja) | 合成樹脂微多孔フィルム及びその製造方法、蓄電デバイス用セパレータ、並びに蓄電デバイス | |
JP2017057238A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム | |
JP2015221558A (ja) | 耐熱性微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、非水電解液二次電池、及び耐熱性微多孔フィルムの製造方法 | |
JP2017132107A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム | |
JP2017186477A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム | |
JP2016088976A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの製造方法、耐熱性合成樹脂微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池 | |
JP2017132925A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム | |
JP2015214689A (ja) | 耐熱性微多孔フィルム及びその製造方法、非水電解液二次電池用セパレータ並びに非水電解液二次電池 | |
JP2017132105A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム | |
JP2017132106A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルム | |
JP2015131874A (ja) | 耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの製造方法、耐熱性合成樹脂微多孔フィルム、非水電解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20180521 |