JP2020070362A - 多孔質層の製造方法、多孔質層および電極 - Google Patents

多孔質層の製造方法、多孔質層および電極 Download PDF

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Abstract

【課題】透過性に優れた多孔質および電極を得ることを目的とする。【解決手段】基材上に、重合性化合物、ラジカル発生剤および溶媒を含む多孔質形成層を準備する準備工程と、大気よりも酸素濃度が低い環境下において、前記ラジカル発生剤を活性化させて前記重合性化合物の重合により多孔質骨格を形成する重合工程と、前記多孔質形成層に含まれる溶媒を除去して多孔質層を得る溶媒除去工程と、を備える多孔質層の製造方法である。また、連続する架橋構造により形成された多孔質層であり、表面の空隙率が20%以上であることを特徴とする多孔質層である。【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質層の製造方法、多孔質層および電極に関する。
特許文献1には、ポリオレフインに発泡剤及び架橋剤を添加した架橋ポリオレフイン連続気泡体の製造方法が記載されている。特許文献2には、高分子化合物と溶剤との熱誘起相分離により形成された多孔質中空糸膜が記載されている。
特許文献3には、エポキシ樹脂と硬化剤をポロゲンに溶解し、加熱重合し、次いでポロゲンを除去する多孔体の製造方法が記載されている。特許文献4や特許文献5には、洗浄、抽出することでポロゲンを除去することが記載されている。特許文献6には、光開始剤を用いて得られる多孔質膜が記載されている。
本発明は、透過性に優れた多孔質層および電極を得ることを目的とする。
本発明は、基材上に、重合性化合物、ラジカル発生剤および溶媒を含む多孔質形成層を準備する準備工程と、大気よりも酸素濃度が低い環境下において、前記ラジカル発生剤を活性化させて前記重合性化合物を重合させ、多孔質骨格を形成する重合工程と、前記多孔質形成層に含まれる溶媒を除去して多孔質層を得る溶媒除去工程と、を備える多孔質層の製造方法である。
本発明は、連続する架橋構造により形成された多孔質層であり、表面の空隙率が20%以上であることを特徴とする多孔質層である。また、本発明は、活物質を含む電池用電極活物質層と、前記電池用電極活物質層上に形成された前記多孔質層と、を備えた電極である。
本発明によれば、透過性に優れた多孔質層および電極を得ることができる。
本発明の一実施形態である相分離多孔質膜の製造方法を実現する為の装置を示す。 本実施形態における重合工程部20の詳細を示す図である。 本実施形態における実施例1で得られた多孔質膜の表面SEM写真である。 本実施形態における実施例1で得られた多孔質膜の断面SEM写真である。 本実施形態における実施例2で得られた多孔質膜の表面SEM写真である。 本実施形態における実施例2で得られた多孔質膜の断面SEM写真である。 本実施形態における比較例で得られた多孔質膜の表面SEM写真である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
多孔質構造体は、様々なアプリケーションに活用できる。例えば、空孔および骨格部分の形状やサイズ、大きさが適当な多孔質構造体を選定することで、ある特定の物質のみを透過または遮断するといった物質分離が可能である。
また、多孔質構造体が有する広大な表面積や空隙容積の利用により、外部から取り込んだ気体や液体の効率的な反応場や貯蓄場としても活用することができる。
上記のように物質分離や反応場、貯蔵場として用いる際には、多孔質構造体が外部からの液体や気体を取り込みやすい構造を有していること、熱や薬品に対する耐性が十分に高くあらゆる状況においても多孔質骨格を維持して機能を発現できることが重要となる。
多孔質構造を得る方法としては発泡剤の使用による方法が挙げられるが、得られる多孔質体は連通性が低くガスや液体の透過性が低い傾向がある。
また、微粒子の積層により多孔質構造体は得ることも可能だが、この方法では最密充填構造をとりやすく、ガスや液体の浸透性が高い高空隙の多孔質構造が得られにくい。また、粒子間を結着させるために結着剤を使用することが一般的であり、結着剤の使用は空隙を更に低下させる原因となる。
相分離により形成された多孔質体は、空隙率が高く、空孔領域は連通性を有している為に気体や液体の透過に有利な構造が得られやすい。
これは多孔質構造体が何らかの基材上に形成された薄膜状であっても十分な効果を発揮するものと考えられ、生産効率に優れた製造方法により曲面や凹凸表面など基材の形状を問わずに形成できるならば、例えば電池用の絶縁層として利用することも可能であり、上記アプリケーション活用の場は飛躍的に向上する。
しかし、高分子を使用する場合、一般的な熱誘起や貧溶剤誘起では非架橋の高分子骨格であることに由来して耐薬品性や耐熱性が低かった。
一方、架橋構造を有する高分子多孔質体は、重合反応により得ることが可能であり、耐薬品性や耐熱性に優れるが、十分な透過性を確保するのが課題である。
従来の重合反応を用いた相分離多孔質膜製造プロセスには、熱をトリガーとして溶解性や重合の進行により相溶性を低下させたものが存在する。しかし、これらは多孔質形成に時間を要し、また、形成時間が長いことに付随し、得られる多孔質膜も粗大かつばらつきが大きい構造をとりやすい。すなわち、透過性のばらつきが大きかった。
更には、相分離剤の除去には洗浄や抽出の手法をとるものがあるが、それに伴う使用材料の増大や耐薬品性を有する多孔質支持体の限定などによって生産性に課題が存在する。
生産性の高い製造方法としては光を利用した方法が考えられる。しかし、一般的に得られる多孔質膜は表面の空隙が小さくなりやすい。これは光沢性の有するインク受容層としては有効だが、先に記述したようなアプリケーションとして利用する場合は、気体や液体の透過性が大きく損なわれる為に十分な機能や効果を得ることが難しい。
すなわち、従来の重合反応を用いた相分離多孔質膜製造方法は、熱をトリガーとして進行する製造方法では多孔質形成時間が長く生産性が十分ではなく、透過性のばらつきがあった。また、光を使用した製造方法においては多孔質形成時間が短く生産性は高いものの、透過性が十分ではなかった。そこで本実施形態は、前記課題を解決するものであって、重合反応を用いた相分離により製造される多孔質層(膜)において、優れた透過性を確保することを目的とする。
図1は、本発明の一実施形態である相分離多孔質膜の製造方法を実現する為の装置を示す。
(製造装置100)
相分離多孔質膜の製造装置100は、重合性化合物および重合開始剤および溶媒からなる製膜原液を用いて相分離多孔質膜を製造する装置である。
製造装置100は、印刷基材4上に、重合性化合物、重合開始剤および溶媒からなる多孔質形成層を形成、準備する準備工程を含む印刷工程部10と、多孔質形成層の重合開始剤を活性化させて重合性化合物の重合により多孔質骨格を形成し、多孔質前駆体6を得る重合工程を含む重合工程部20と、多孔質前駆体6を加熱する加熱工程を含む加熱工程部30を備え、多孔質層(多孔質膜)を得る。
製造装置100は、また、印刷基材4を搬送する搬送部5を備え、搬送部5は、印刷工程部10、重合工程部20、加熱工程部30の順に印刷基材4をあらかじめ設定された速度で搬送する。
(印刷工程部10)
印刷工程部10は、印刷基材4上にインクを吐出する印刷装置1aと、インクを貯留するインク容器1bと、インク容器1bに貯留されたインクを印刷装置1aに供給するインク供給チューブ1cを備える。
インク容器1bに貯留されたインクは、重合性化合物、重合開始剤および溶媒を含む製膜原液7であり、印刷工程部10は、印刷装置1aから製膜原液7を吐出して、印刷基材4上に製膜原液7を塗布して多孔質膜形成層を薄膜状に形成する。
印刷装置1aは、後述する製膜原液7が塗布形成できるものであれば、特に制限はなく、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェット印刷法等の各種印刷方法に応じた任意の印刷装置を用いることができる。
インク容器1bやインク供給チューブ1cは、後述する製膜原液7を安定して貯蔵および供給できるものであれば任意に選択可能である。インク容器1bやインク供給チューブ1cを構成する材料は、紫外および可視光の比較的短波長領域において遮光性を有することが好ましい。これにより、製膜原液7が外光により重合開始されることが防止される。
次に、製膜原液7に関して記述する。製膜原液は重合性化合物、重合開始剤および溶媒から成る。
(重合性化合物)
重合性化合物は多孔質構造体を形成するための樹脂の前駆体に該当し、光の照射や熱によって架橋性の構造体形成が可能である樹脂であれば何でもよいが、たとえば、アクリレート樹脂、メタアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ビニルエーテル、エン−チオール反応を活用した樹脂、中でも特に、反応性の高さからラジカル重合を利用して構造体を形成が容易なアクリレート樹脂、メタアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ビニルエステル樹脂が生産性の観点から好ましい。
製膜原液に含まれる樹脂化合物は、光または熱によって硬化できる機能として、重合性化合物と、重合開始剤の一例として光または熱によってラジカルまたは酸を発生する化合物を混合した混合物を調液することで得ることができる。
重合誘起相分離により多孔質膜を形成するためには、上記混合物に、予めポロジェンとしての溶媒を混合させた硬化性組成物(インク)を作製すればよい。
相分離により多孔質膜を得る方法は他にも存在するが、重合誘起相分離を用いることで連続する架橋構造を有する多孔質膜を形成できるために、薬品や熱に対する耐性の高い多孔質膜が期待できる。また、他の主要と比較して、プロセス時間が短く、表面修飾が容易といったメリットも挙げられる。
重合性化合物は少なくとも1つのラジカル重合性官能基を有する。その例としては、1官能、2官能、又は3官能以上のラジカル重合性化合物、機能性モノマー、ラジカル重合性オリゴマーなどが挙げられる。これらの中でも、2官能以上のラジカル重合性化合物が特に好ましい。
前記1官能のラジカル重合性化合物としては、例えば、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマーなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
前記2官能のラジカル重合性化合物としては、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
前記3官能以上のラジカル重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
(重合開始剤)
重合開始剤の一例として、ラジカル発生剤を用いることができ、さらに光ラジカル発生剤を用いることができる。 例えば、商品名イルガキュアーやダロキュアで知られるミヒラーケトンやベンゾフェノンのような光ラジカル重合開始剤、より具体的な化合物としては、ベンゾフェノン、アセトフェノン誘導体、例えばα−ヒドロキシ−もしくは、α−アミノセトフェノン、4−アロイル−1,3−ジオキソラン、ベンジルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、pp’−ジクロロベンゾフェン、pp’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾインパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、ゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインn−プロピルなどのベンゾインアルキルエ−テルやエステル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(ダロキュア1173)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンモノアシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシドまたはチタノセン、フルオレセン、アントラキノン、チオキサントンまたはキサントン、ロフィンダイマー、トリハロメチル化合物またはジハロメチル化合物、活性エステル化合物、有機ホウ素化合物、などが好適に使用される。
さらにビスアジド化合物のような光架橋型ラジカル発生剤を同時に含有させてもかまわない。
また、熱により重合を促進させる場合は、光ラジカル発生剤にAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)などの熱重合開始剤を混合して使用することができる。あるいは、他の実施形態として、AIBNのような熱重合開始剤を主に用いて光ラジカル発生剤を混合しても良い。
一方、光照射により酸を発生する光酸発生剤と、酸の存在下で重合する少なくとも1種のモノマーとで混合物を調整しても同様の機能を達成することができる。このような液体インクに光を照射すると、光酸発生剤が酸を発生し、この酸は重合性化合物の架橋反応の触媒として機能する。また、発生した酸はインク層内で拡散する。しかも、酸の拡散および酸を触媒とした架橋反応は、加熱することにより加速可能であり、この架橋反応はラジカル重合とは異なって、酸素の存在によって阻害されることがない。得られる樹脂層は、ラジカル重合系の場合と比較して密着性にも優れる。
酸の存在下で架橋する重合性化合物は、エポキシ基、オキセタン基、オキソラン基などのような環状エーテル基を有する化合物、上述した置換基を側鎖に有するアクリルまたはビニル化合物、カーボネート系化合物、低分子量のメラミン化合物、ビニルエーテル類やビニルカルバゾール類、スチレン誘導体、アルファ−メチルスチレン誘導体、ビニルアルコールとアクリル、メタクリルなどのエステル化合物をはじめとするビニルアルコールエステル類など、カチオン重合可能なビニル結合を有するモノマー類を併せて使用することが挙げられる。
光照射により酸を発生する光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩、ジアゾニウム塩、キノンジアジド化合物、有機ハロゲン化物、芳香族スルフォネート化合物、バイスルフォン化合物、スルフォニル化合物、スルフォネート化合物、スルフォニウム化合物、スルファミド化合物、ヨードニウム化合物、スルフォニルジアゾメタン化合物、およびそれらの混合物などを使用することができる。
なかでも光酸発生剤としては、オニウム塩を使用することが望ましい。使用可能なオニウム塩としては、例えば、フルオロホウ酸アニオン、ヘキサフルオロアンチモン酸アニオン、ヘキサフルオロヒ素酸アニオン、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、パラトルエンスルホネートアニオン、及びパラニトロトルエンスルホネートアニオンを対イオンとするジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、及びスルホニウム塩を挙げることができる。また、光酸発生剤は、ハロゲン化トリアジン化合物でも使用できる。
光酸発生剤は、場合によって、増感色素をさらに含んでいてもよい。増感色素としては、例えば、アクリジン化合物、ベンゾフラビン類、ペリレン、アントラセン、およびレーザ色素類などを挙げることができる。
本実施形態では、重合開始剤として、光ラジカル発生剤を用い、必要に応じて光酸発生剤および熱重合開始剤を加えるものとする。
(溶媒)
次に、使用される溶媒に関して記述する。また、重合誘起相分離により多孔質体を形成する為には上記重合性化合物および光によってラジカルまたは酸を発生する化合物に、予め溶媒を混合させた混合液の作製により達成できる。溶媒は光による重合進行時に、多孔質の空孔領域を形成するポロジェンとして機能する。
ポロジェンとしては、前記重合性化合物および光によってラジカルまたは酸を発生する化合物を溶解可能であり、かつ、前記重合性化合物および光によってラジカルまたは酸を発生する化合物が重合していく過程で、相分離を生じさせることが可能な液状物質ならば任意に選択可能である。
ポロジェンとしては、たとえば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエチレングリコール類、γブチロラクトン、炭酸プロピレンなどエステル類、NNジメチルアセトアミドなどのアミド類などを挙げることができる。
また、テトラデカン酸メチル、デカン酸メチル、ミリスチン酸メチル、テトラデカンなど比較的分子量の大きな液状物質もポロジェンとして機能する傾向がある。中でも特に、エチレングリコール類は高沸点のものも多く存在する。相分離機構は形成される構造体が、ポロジェンの濃度に大きく依存する。そのため、上記液状物質を使用すれば、安定した多孔質体の形成が可能となる。またポロジェンは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また得られる製膜原液の粘度はハンドリング性および印刷品質確保の観点からレベリング性能を考慮して25℃において、1〜150mPa・sが好ましく、5〜20mPa・sがより好ましい。
また、製膜原液中における重合性化合物の固形分濃度は、5〜70質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。
重合性化合物濃度が上記よりも高い場合、硬化性組成物(インク)粘度が増大し、活物質表面及び内部に多孔質層を形成することが難しくなる。また、空孔径が数十nm以下と小さくなり液体や気体の浸透が起きにくくなる傾向が見られる。また、重合性化合物濃度が上記よりも低い場合は、樹脂の三次元的な網目構造が十分に形成されず、多孔質構造が得られない、または、得られる多孔質体の強度が著しく低下する傾向が見られる。
形成される多孔質膜形成層の膜厚は、光重合工程20における光照射の均一性を考慮して0.01〜500μmであることが好ましく、0.01〜100μmであることがより好ましい。膜厚が上記よりも薄い場合は、得られる多孔質膜の表面積が小さい為に多孔質膜形成による機能が十分に得られない。また、膜厚が上記よりも厚いと、膜厚方向において重合時に用いる光や熱のムラが発生しやすくなる為に、膜厚方向においてばらつきの小さい多孔質構造が得られにくい傾向がある。更に、上記光や熱のムラ等によって予期せず不規則かつ不均一な多孔質膜の構造ムラが生じることは、液体や気体の透過性を低下させる原因となる為に好ましくない。
(印刷基材4)
本発明の印刷基材の材料としては透明、不透明を問わずあらゆる材料を用いることができる。すなわち、透明基材として、ガラス基材や各種プラスチックフィルム等の樹脂フィルム基材やまたその複合基板などが、また不透明な基材としてはシリコン基材、ステンレス等の金属基材、又はこれらを積層したものなど、種々の基材を用いることができる。
また、形状に関しても曲面であっても凹凸形状を有するものであっても、印刷工程部10、重合工程部20、乾燥工程、除去工程部30に適用可能な基材ならば使用することができる。
ただし、特に電池用の絶縁層として用いる場合には電極基体上に予め形成された活物質層上への塗布が必要となる。
電極基体は平面性および導電性を有する基体であれば、特に制限はなく、一般に蓄電デバイスである2次電池、キャパシター、なかでもリチウムイオン2次電池に好適に用いることができる、アルミ箔、銅箔、ステンレス箔、チタニウム箔および、それらをエッチングして微細な穴を開けたエッチド箔や、リチウムイオンキャパシターに用いられる穴あき電極基体などが用いられる。また、燃料電池のような発電デバイスで用いられるカーボンペーパー繊維状の電極を不織または織状で平面にしたものや上記穴あき電極基体のうち微細な穴を有するものも使用できる。更に、太陽光デバイスの場合、上記電極に加えてガラスやプラスチックスなどの平面基体上に、インジウム・チタン系の酸化物や亜鉛酸化物のような、透明な半導体薄膜を形成したものや、導電性電極膜を薄く蒸着したものを用いることができる。
活物質層は、粉体状の活性物質や触媒組成物を液体中に分散し、かかる液を電極基体上に塗布、固定、乾燥することによって形成されており、通常はスプレー、ディスペンサー、ダイコーターや引き上げ塗工を用いた印刷が用いられ、塗布後に乾燥して形成する。
正極活物質は、アルカリ金属イオンを可逆的に吸蔵及び放出できる材料であれば特に限定されない。 典型的には、アルカリ金属含有遷移金属化合物を正極用活物質として使用できる。 例えばリチウム含有遷移金属化合物として、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄及びバナジウムからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素とリチウムとを含む複合酸化物が挙げられる。例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムなどのリチウム含有遷移金属酸化物、LiFePOなどのオリビン型リチウム塩、二硫化チタン、二硫化モリブデンなどのカルコゲン化合物、二酸化マンガンなどが挙げられる。 リチウム含有遷移金属酸化物は、リチウムと遷移金属とを含む金属酸化物または該金属酸化物中の遷移金属の一部が異種元素によって置換された金属酸化物である。 異種元素としては、例えばNa、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、Bなどが挙げられ、なかでもMn、Al、Co、NiおよびMgが好ましい。 異種元素は1種でもよくまたは2種以上でもよい。 これらの正極活物質は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。 ニッケル水素電池における上記活物質としては水酸化ニッケルなどが挙げられる。
負極活物質は、アルカリ金属イオンを可逆的に吸蔵及び放出できる材料であれば特に限定されない。 典型的には、黒鉛型結晶構造を有するグラファイトを含む炭素材料を負極活物質として使用できる。 そのような炭素材料として、天然黒鉛、球状又は繊維状の人造黒鉛、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)等が挙げられる。 炭素材料以外の材料としては、チタン酸リチウムが挙げられる。 また、リチウムイオン電池のエネルギー密度を高める観点から、シリコン、錫、シリコン合金、錫合金、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化錫等の高容量材料も負極活物質として好適に使用できる。
ニッケル水素電池における上記活物質としては水素吸蔵合金としては、Zr−Ti−Mn−Fe−Ag−V−Al−WやTi15Zr21V15Ni29Cr5Co5Fe1Mn8等で代表されるAB2系あるいはA2B系の水素吸蔵合金が例示される。
正極または負極の結着剤には、例えばPVDF、PTFE、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ヘキサフルオロポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースなどが使用可能である。 また、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテル、アクリル酸、ヘキサジエンより選択された2種以上の材料の共重合体を用いてもよい。またこれらのうちから選択された2種以上を混合して用いてもよい。また電極に含ませる導電剤には、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛のグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミニウムなどの金属粉末類、酸化亜鉛やチタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、フェニレン誘導体、グラフェン誘導体などの有機導電性材料などが用いられる。
燃料電池での活物質は一般に、カソード電極やアノード電極の触媒として、白金、ルテニウムあるいは白金合金などの金属微粒子をカーボンなどの触媒担体に担持させたものが用いる。触媒担体の表面に触媒粒子を担持させるには、例えば触媒担体を水中に懸濁させ、触媒粒子の前駆体を添加、(塩化白金酸、ジニトロジアミノ白金、塩化第二白金、塩化第一白金、ビスアセチルアセトナート白金、ジクロロジアンミン白金、ジクロロテトラミン白金、硫酸第二白金塩化ルテニウム酸、塩化イリジウム酸、塩化ロジウム酸、塩化第二鉄、塩化コバルト、塩化クロム、塩化金、硝酸銀、硝酸ロジウム、塩化パラジウム、硝酸ニッケル、硫酸鉄、塩化銅などの合金成分を含むものを用い)懸濁液中に溶解させアルカリを加え金属の水酸化物を生成させると共に、触媒担体表面に担持させた触媒担体を得る。かかる触媒担体を電極上に塗布し、水素雰囲気下などで還元させることで、表面に触媒粒子(活物質)が塗布された電極を得る。
太陽電池等の場合、活物質は、酸化タングステン粉末や酸化チタン粉末のほかSnO、ZnO、ZrO、Nb、CeO、SiO、Alといった酸化物半導体層があげられ、半導体層には、色素が担持させられており、例えば、ルテニウム・トリス型の遷移金属錯体、ルテニウム−ビス型の遷移金属錯体、オスミウム−トリス型の遷移金属錯体、オスミウム−ビス型の遷移金属錯体、ルテニウム−シス−ジアクア−ビピリジル錯体、フタロシアニン及びポルフィリン、有機−無機のペロブスカイト結晶などの化合物を挙げることができる。
(重合工程部20)
重合工程20部は、図1に示すように、光を照射する光照射装置2aと、重合不活性気体を循環させる重合不活性気体循環装置2bを有する。光照射装置2aは、印刷工程部10により形成された相分離多孔膜形成層に重合不活性気体存在下において光を照射し、光重合させて相分離多孔膜骨格を形成し、多孔質膜前駆体6を得る。
図2は、重合工程部20の詳細を示す図である。重合不活性気体循環装置2bには、搬送される印刷基材4を受け入れる受け入れ口2b1と、搬送される印刷基材4を送り出す送り出し口2b2が形成されている。
重合工程部20部は、重合不活性気体循環装置2b内部に重合不活性気体(N2)を噴射する噴射ノズル201、202を備える。噴射ノズル201は、重合不活性気体循環装置2b内部から受け入れ口2b1に向けて重合不活性気体を噴射するよう配置され、噴射ノズル202は、重合不活性気体循環装置2b内部から送り出し口2b2に向けて重合不活性気体を噴射するよう配置される。これにより、重合不活性気体循環装置2b内部が重合不活性気体によりパージされる。
光照射装置2aは、多孔膜形成層に含まれる光重合開始剤の吸収波長に応じて適宜選択され、多孔膜形成層中の化合物の重合を開始および進行させられるものならば特に限定はなく、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、熱陰極管、冷陰極管、LED等の紫外線光源が挙げられる。ただし、短波長の光ほど一般に深部に到達しやすい傾向を持つため、形成する多孔質膜の厚みに応じた光源の選択は必要だと考えられる。
次に、光照射装置2aの光源の照射強度に関して、照射強度が強すぎると相分離が十分に起きる前に急激に重合が進行する為、多孔質構造が得られにくい傾向がある。また、照射強度が弱すぎる場合は、相分離がミクロスケール以上に進行し多孔質のばらつきや粗大化が起きやすい。また、照射時間も長くなり、生産性が低下する傾向にある。そのため、照射強度としては10mW/cm2〜1W/cm2が好ましく、30mW/cm2〜300mW/cm2がより好ましい。
次に、重合不活性気体循環装置2bは、大気中に含まれる重合活性な酸素濃度を低下させ、多孔質膜形成層の表面近傍の重合性化合物の重合反応を阻害されることなく進行させる役割を担う。そのため、用いられる重合不活性気体は上記機能を満たすものならば特に制限はなく、例えば窒素や二酸化炭素やアルゴンなどが挙げられる。
また、その流量としては阻害低減効果が効果的に得られる事を考慮して、O2濃度が20%未満(大気よりも酸素濃度が低い環境)が必要であり、0〜15%を実現できる程度であることが好ましく、0%〜5%であることがより好ましい。
また、重合不活性気体循環装置2bは安定した重合進行条件を実現させる為に、温度を調節できる温調手段が設けられていることが好ましい。
(加熱工程部30)
加熱工程部30は、図1に示すように、加熱装置3aを有し、重合工程部20により形成した多孔質膜前駆体6に残存する溶媒を、加熱装置3aにより加熱して乾燥させて除去する溶媒除去工程を含む。これにより多孔質層(多孔質膜)を形成することができる。加熱工程部30は、溶媒除去工程を減圧下で実施しても良い。
また、加熱工程部30は、多孔質膜前駆体6を加熱装置3aにより加熱して、重合工程部20で実施した重合反応を更に促進させる重合促進工程、および多孔質膜前駆体6に残存する光重合開始剤を、加熱装置3aにより加熱して乾燥させて除去する開始剤除去工程も含む。なお、これらの重合促進工程および開始剤除去工程は、溶媒除去工程と同時でもよく、溶媒除去工程の前または後に実施されても良い。
さらに、加熱工程部30は、溶媒除去工程後に、多孔質膜を減圧下で加熱する重合完了工程を含む。加熱装置3aは、上記機能を満たすものならば特に制限はなく、例えばIRヒーターや温風ヒーターなどが挙げられる。
また、加熱温度や時間に関しては、多孔質膜前駆体6に含まれる溶媒の沸点や形成膜厚に応じて適宜選択可能である。
上記工程を経て形成される多孔質膜は、樹脂を主成分とする。ここで、樹脂を主成分とするとは、多孔質膜を構成する全物質の50質量%以上を樹脂が占めることを意味する。多孔質膜の構造としては、液体や気体の良好な浸透性を確保する観点から、樹脂の硬化物の三次元分岐網目構造を骨格として、連続する架橋構造により形成された共連続構造を有することが好ましい。
すなわち、多孔質膜は多数の空孔を有しており、一の空孔がその周囲の他の空孔と連結した連通性を有して三次元的に広がっていることが好ましい。空孔同士が連通することで、液体や気体の浸み込みが十分に起き、物質分離や反応場といった機能を効率的に発現することができる。
多孔質膜の有する空孔の断面形状は、略円形状、略楕円形状、略多角形状等の様々な形状及び様々な大きさであって構わない。ここで、空孔の大きさとは、断面形状における最も長い部分の長さを指すものとする。空孔の大きさは、走査電子顕微鏡(SEM)で撮影した断面写真から求めることができる。
多孔質膜の有する空孔の大きさに関しては、液体や気体の浸透性の観点から0.01〜10μm程度であることが好ましい。
また、多孔質膜中の空隙率は30〜90%が好ましく、50〜90%であることがより好ましい。空隙率が上記よりも低い場合、空孔の連通性が低下したり、空孔径が数十nm以下と小さくなり液体や気体の浸透が起きにくくなったりする傾向が見られる。また、空隙率が上記よりも高い場合は、樹脂の三次元的な網目構造が十分に形成されず、得られる多孔質膜の強度が著しく低下する傾向が見られる。
次に、多孔質膜表面の空隙率、すなわち表面積に対する表面の空孔によって占められる総面積の比率は20%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。また、平均の表面空孔径は0.01〜1.0μmであることが好ましく、0.1〜1.0μmであることがより好ましい。多孔質膜表面の空孔の割合や形状は、液体や気体の浸透に大きな影響を与え、多孔質膜表面の空孔の割合や形状が上記から大きく異なる場合、液体や気体の浸透が起きにくくなる傾向が見られる。
多孔質膜の膜厚は、上述した多孔質膜形成層のように、0.01〜500μmであることが好ましく、0.01〜100μmであることがより好ましい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
次に、表1には、実施例及び比較例における多孔質膜の作製に使用した溶媒、印刷基材、重合工程部及び加熱工程部の詳細を示した。
<実施例1>
下記〔1〕〜〔5〕により、相分離多孔質膜を作製した。
〔1〕製膜原液の調製
相分離多孔質膜形成用の製膜原液として、以下に示した割合で材料を混合し製膜原液を調製した。
・トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
(ダイセル・オルニクス株式会社):29質量部
・テトラデカン(関東化学工業株式会社製):70質量部
・Irgacure184(BASF製)(光ラジカル発生剤の一例):1質量部
〔2〕印刷工程部:
ついで、印刷工程部10を用いて多孔質膜形成層を形成した。印刷装置1aはインクジェット装置を採用した。厚み8μmの銅箔を印刷基材4として用い、上記にて調整した製膜原液を印刷し、厚み約10μmとなるような連続膜を形成した。
〔3〕重合工程部:
予め、重合不活性気体循環装置2bにより、重合工程部20の装置内をN2にてパージし、重合工程部20内部のO2濃度を0%とした。また温度調節機構により重合工程部20内部を25℃とした。搬送部5により印刷基材4を搬送させることで、〔2〕にて形成した多孔質形成層を重合工程部20の装置内部に移動させ、多孔質形成層を印刷した約5s後に光照射装置2aによりUV照射を行い多孔質前駆体が形成されるようにした。
〔4〕加熱工程部(1):
予め、加熱装置3a内を80℃になるように加熱し、搬送部5により印刷基材4を搬送させることで〔3〕にて形成した多孔質前駆体を加熱装置3a内部に移動させ、大気中にて多孔質膜前駆体に残存する溶媒の除去および重合反応を促進させ、多孔質膜を形成した(溶媒除去工程、重合促進工程)。
〔5〕加熱工程部(2):
最後に、〔4〕にて形成した多孔質膜を減圧下で120℃、20h加熱することにより残存していた開始剤および重合反応基を処理した(開始剤除去工程、重合完了工程)。
実施例1で得られた多孔質膜は、表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%以上であることがわかった。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%以上の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
図3に表面SEM観察の結果を示す。図4に断面SEM観察の結果を示す。
上記実施例1で得られた多孔質膜において最表面構造評価を行った。試験および評価方法は下記に詳細を示す。結果は下記表2に示す。
評価1:最表面構造評価
作製した多孔質膜について、多孔質構造のばらつきを評価する為に、空隙部に不飽和脂肪酸を充填し、オスミウム染色を施した後に、SEMを用いて多孔質膜表面の空隙率を測定した。観察結果を下記基準にて評価した。
[評価基準]
◎:表面の空隙率の偏差が「断面SEM観察の結果得られた表面近傍と底部近傍の平均値」と比較して±5%未満
〇:表面の空隙率の偏差が「断面SEM観察の結果得られた表面近傍と底部近傍の平均値」と比較して±10%未満
×:表面の空隙率の偏差が「断面SEM観察の結果得られた表面近傍と底部近傍の平均値」と比較して±10%以上
次いで、上記実施例1で得られた多孔質膜において膜厚方向の構造評価を行った。試験および評価方法は下記に詳細を示す。結果は下記表2に示す。
評価2:膜厚方向構造評価
作製した多孔質膜について、多孔質構造のばらつきを評価する為に空隙部に不飽和脂肪酸を充填し、オスミウム染色を施した後に、断面SEMを用いて多孔質膜の表面近傍および底部近傍の空隙率を測定した。
観察結果を下記基準にて評価した。
[評価基準]
〇:表面近傍と底部近傍の空隙率の差が10%未満
△:表面近傍と底部近傍の空隙率の差が10%以上15%未満
×:表面近傍と底部近傍の空隙率の差が20%以上
次いで、上記実施例1で得られた多孔質膜において硬化収縮率の評価を行った。試験および評価方法は下記に詳細を示す。結果は下記表2に示す。
評価3:硬化収縮率評価
作成した多孔質膜の溶媒除去工程、重合促進工程前後において硬化収縮率の程度を基板の反りにより測定し、下記基準にて評価した。
[評価基準]
〇:溶媒除去工程、重合促進工程前後において硬化収縮率の差が10%未満
×:溶媒除去工程、重合促進工程前後において硬化収縮率の差が10%以上
次いで、上記実施例1で得られた多孔質膜において透過性評価を行った。試験および評価方法は下記に詳細を示す。結果は下記表2に示す。
評価4:電解液浸透性試験(表面多孔質効果試験)
多孔質膜表面にプロピレンカーボネートを30℃環境にて5μLを滴下し、これが完全に浸透することを目視で観測してその浸透時間を測定し、この浸透時間によって液体透過性を評価した。
[評価基準]
30s以内に浸透:〇 30秒以上:×
次いで、上記実施例1で得られた多孔質膜において多孔質膜中の空隙率評価を行った。試験および評価方法は下記に詳細を示す。結果は下記表2に示す。
評価5:空隙率評価
作製した多孔質膜について、多孔質膜中の空隙率を測定する為に空隙部に不飽和脂肪酸を充填し、オスミウム染色を施した後に、FIBで加工した後にSEMを用いて多孔質膜中の空隙率を測定した。観察結果を下記基準にて評価した。
[評価基準]
空隙率50%以上:〇 空隙率50%未満:×
最後に、上記実施例1で得られた多孔質膜において耐熱性の評価を行った。試験および評価方法は下記に詳細を示す。結果は下記表2に示す。
評価6:耐熱性試験
作製した多孔質膜について、多孔質膜の耐熱性を評価する為に多孔質膜を200℃において15分間加熱し、加熱前後における空隙率の変化を測定した。
[評価基準]
空隙率の変化5%未満:〇 5%以上:×
<実施例2>
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
重合工程部20にて、予め、重合不活性気体循環装置2b内をN2にてパージせず、重合不活性気体循環装置2b内部のO2濃度を5%とした以外は実施例1に記した〔1〕〜〔5〕と同様にして相分離多孔膜を作製した。
実施例2で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%以上であることがわかった。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%以上の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
図5に表面SEM観察の結果を示す。図6に断面SEM観察の結果を示す。
上記実施例2の多孔質膜において、実施例1と同様に評価1〜6を実施した。結果は表2に示す。
<実施例3>
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
重合工程部20にて、予め、重合不活性気体循環装置2b内をN2にてパージせず、重合不活性気体循環装置2b内部のO2濃度を15%とした以外は実施例1に記した〔1〕〜〔5〕と同様にして相分離多孔膜を作製した。
実施例3で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%以上であることがわかった。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%以上の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
上記実施例3の多孔質膜において、実施例1と同様に評価1〜6を実施した。結果は表2に示す。
<実施例4>
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
〔0〕負極活物質層の形成
負極活物質であるグラファイト粒子(平均粒径10μm)97質量部と、増粘剤としてセルロース1質量部と、アクリル樹脂をバインダとして2質量部を水中に均一に分散して負極活物質分散体を得た。この分散体を負極電極基体である厚み8μmの銅箔に塗布し、得られた塗膜を120℃で10分乾燥して、プレスして、厚みが60μmの多孔質基材である負極活物質層を得た。
最後に、50mm×33mmにて切り出しを行い負極とした。
〔1〕製膜原液の調製
相分離多孔質膜形成用の製膜原液として、以下に示した割合で材料を混合し製膜原液を調製した。
・トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
(ダイセル・オルニクス株式会社):29質量部
・テトラデカン(関東化学工業株式会社製):70質量部
・Irgacure184(BASF製):1質量部
〔2〕印刷工程:
ついで、印刷工程部101aを用いて多孔質膜形成層を形成した。印刷装置はインクジェット装置を採用した。〔1〕で作製した負極活物質層が形成された銅箔を印刷基材4として用い、上記にて調整した製膜原液を印刷し、厚み約10μmとなるような連続膜を形成した。
印刷工程後は実施例1に記した〔3〕〜〔5〕と同様にして相分離多孔膜を作製した。すなわち、活物質を含む電池用電極活物質層と、電池用電極活物質層上に形成された多孔質層と、を備えた電極を作製した。
実施例4で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%以上であることがわかった。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%以上の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
図4に表面SEM観察の結果を示す。図5に断面SEM観察の結果を示す。
上記実施例4の多孔質膜において、実施例1と同様に最表面構造評価および膜厚方向構造評価および硬化収縮率評価を実施した。結果は表2に示す。
<実施例5>
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
重合工程部20にて重合不活性気体循環装置2b内部を50℃とした以外は実施例1に記した〔1〕〜〔5〕と同様にして相分離多孔膜を作製した。
実施例5で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%以上であることがわかった。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%以上の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
上記実施例5の多孔質膜において、実施例1と同様に最表面構造評価および膜厚方向構造評価および硬化収縮率評価を実施した。結果は表2に示す。
<実施例6>
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
重合工程部20にて多孔質形成層を印刷した約30s後に光照射装置2a によりUV照射を行い多孔質前駆体が形成されるようにした以外は実施例1に記した〔1〕〜〔5〕と同様にして相分離多孔膜を作製した。
実施例6で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%以上であることがわかった。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%以上の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
上記実施例6の多孔質膜において、実施例1と同様に最表面構造評価および膜厚方向構造評価および硬化収縮率評価を実施した。結果は表2に示す。
<実施例7>
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
〔1〕製膜原液の調製
相分離多孔質膜形成用の製膜原液として、以下に示した割合で材料を混合し製膜原液を調製した。
・トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
(ダイセル・オルニクス株式会社):29質量部
・NNジメチルアセトアミド(東京化成株式会社製):70質量部
・Irgacure184(BASF製):1質量部
〔2〕印刷工程:
ついで、印刷工程部10を用いて多孔質膜形成層を形成した。印刷装置1aはインクジェット装置を採用した。厚み8μmの銅箔を印刷基材4として用い、上記にて調整した製膜原液を印刷し、厚み約10μmとなるような連続膜を形成した。
〔3〕重合工程:
予め、重合不活性気体循環装置2b内をN2にてパージし、重合不活性気体循環装置2b内部のO2濃度を0%とした。また温度調節機構により重合不活性気体循環装置2b内部を25℃とした。搬送部5により印刷基材4を搬送させることで〔2〕にて形成した多孔質形成層を重合不活性気体循環装置2b内部に移動させ、多孔質形成層を印刷した約5s後に光照射装置2a によりUV照射を行い多孔質前駆体が形成されるようにした。
〔4〕加熱工程部(1):
予め、加熱装置3a内を50℃になるように加熱し、搬送部5により印刷基材4を搬送させることで〔3〕にて形成した多孔質前駆体を加熱装置3a内部に移動させ、大気中にて多孔質膜前駆体に残存する溶媒の除去および重合反応を促進させ、多孔質膜を形成した(溶媒除去工程、重合促進工程)。
〔5〕加熱工程部(2):
最後に、〔4〕にて形成した多孔質膜を減圧下で120℃、20h加熱することにより残存していた開始剤および重合反応基を処理した(開始剤除去工程、重合完了工程)。
実施例7で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%以上であることがわかった。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%以上の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
上記実施例7の多孔質膜において、実施例1と同様に最表面構造評価および膜厚方向構造評価および硬化収縮率評価を実施した。結果は表2に示す。
<実施例8 >
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
加熱工程部(1)程にてO2濃度0%雰囲気下にて多孔質膜前駆体に残存する溶媒の除去および重合反応を促進させ、多孔質膜を形成した以外は実施例1に記した〔1〕〜〔5〕と同様にして相分離多孔膜を作製した。
実施例8で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%以上であることがわかった。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%以上の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
上記実施例8の多孔質膜において、実施例1と同様に最表面構造評価および膜厚方向構造評価および硬化収縮率評価を実施した。結果は表2に示す。
<実施例9>
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
重合工程部20にて重合不活性気体循環装置2b内部を50℃とした以外は実施例7に記した〔1〕〜〔5〕と同様にして相分離多孔膜を作製した。
実施例9で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%以上であることがわかった。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%以上の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
上記実施例9の多孔質膜において、実施例1と同様に最表面構造評価および膜厚方向構造評価および硬化収縮率評価を実施した。結果は表2に示す。
<実施例10 >
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
重合工程部20にて多孔質形成層を印刷した約30s後に光照射装置2a によりUV照射を行い多孔質前駆体が形成されるようにした以外は実施例7に記した〔1〕〜〔5〕と同様にして相分離多孔膜を作製した。
実施例10で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%以上であることがわかった。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%以上の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
上記実施例10の多孔質膜において、実施例1と同様に最表面構造評価および膜厚方向構造評価および硬化収縮率評価を実施した。結果は表2に示す。
<実施例11>
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
〔1〕製膜原液の調製
相分離多孔質膜形成用の製膜原液として、以下に示した割合で材料を混合し製膜原液を調製した。
・トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
(ダイセル・オルニクス株式会社):19質量部
・テトラデカン(関東化学工業株式会社):80質量部
・Irgacure184(BASF社):1質量部
上記以外は実施例1に記した〔2〕〜〔5〕と同様にして相分離多孔膜を作製した。
実施例11で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%以上であることが判明した。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%以上の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
上記実施例11の多孔質膜において、実施例1と同様に評価1〜評価6の試験を実施した。結果は表2に示す。
<実施例12>
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
〔1〕製膜原液の調製
相分離多孔質膜形成用の製膜原液として、以下に示した割合で材料を混合し製膜原液を調製した。
・トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
(ダイセル・オルニクス株式会社):9質量部
・テトラデカン(関東化学工業株式会社):90質量部
・Irgacure184(BASF社):1質量部
上記以外は実施例1に記した〔2〕〜〔5〕と同様にして相分離多孔膜を作製した。
実施例12で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%以上であることが判明した。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%以上の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
上記実施例12の多孔質膜において、実施例1と同様に評価1〜評価6の試験を実施した。結果は表2に示す。
<実施例13>
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
〔1〕製膜原液の調製
相分離多孔質膜形成用の製膜原液として、以下に示した割合で材料を混合し製膜原液を調製した。
・トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
(ダイセル・オルニクス株式会社):19質量部
・テトラデカン(関東化学工業株式会社):80質量部
・Irgacure184(BASF社):1質量部
上記以外は実施例2に記した〔2〕〜〔5〕と同様にして相分離多孔膜を作製した。
実施例13で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%以上であることが判明した。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%以上の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
上記実施例13の多孔質膜において、実施例1と同様に評価1〜評価6の試験を実施した。結果は表2に示す。
<実施例14>
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
〔1〕製膜原液の調製
相分離多孔質膜形成用の製膜原液として、以下に示した割合で材料を混合し製膜原液を調製した。
・トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
(ダイセル・オルニクス株式会社):9質量部
・テトラデカン(関東化学工業株式会社):90質量部
・Irgacure184(BASF社):1質量部
上記以外は実施例2に記した〔2〕〜〔5〕と同様にして相分離多孔膜を作製した。
実施例14で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%以上であることが判明した。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%以上の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
上記実施例14の多孔質膜において、実施例1と同様に評価1〜評価6の試験を実施した。結果は表2に示す。
<実施例15>
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
〔1〕製膜原液の調製
相分離多孔質膜形成用の製膜原液として、以下に示した割合で材料を混合し製膜原液を調製した。
・トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
(ダイセル・オルニクス株式会社):19質量部
・テトラデカン(関東化学工業株式会社):80質量部
・Irgacure184(BASF社):1質量部
上記以外は実施例3に記した〔2〕〜〔5〕と同様にして相分離多孔膜を作製した。
実施例15で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%以上であることが判明した。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%以上の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
上記実施例15の多孔質膜において、実施例1と同様に評価1〜評価6の試験を実施した。結果は表2に示す。
<実施例16>
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
〔1〕製膜原液の調製
相分離多孔質膜形成用の製膜原液として、以下に示した割合で材料を混合し製膜原液を調製した。
・トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
(ダイセル・オルニクス株式会社):9質量部
・テトラデカン(関東化学工業株式会社):90質量部
・Irgacure184(BASF社):1質量部
上記以外は実施例3に記した〔2〕〜〔5〕と同様にして相分離多孔膜を作製した。
実施例16で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%以上であることが判明した。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%以上の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
上記実施例16の多孔質膜において、実施例4と同様に評価1〜評価6の試験を実施した。結果は表2に示す。
<比較例1>
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
重合工程部20にて、予め、重合不活性気体循環装置2b内をN2にてパージせず、重合不活性気体循環装置2b内部のO2濃度を20%とした以外は実施例1に記した〔1〕〜〔5〕と同様にして相分離多孔膜を作製した。
比較例で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%未満であることがわかった。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%未満の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
図7に表面SEM観察の結果を示す。
上記比較例の多孔質膜において、実施例1と同様に評価1〜6を実施した。結果は表2に示す。
<比較例2>
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
重合工程にて、予め、重合不活性気体フロー装置内をN2にてパージせず、重合不活性気体フロー装置内部のO2濃度を20%とした以外は実施例11に記した〔1〕〜〔5〕と同様にして相分離多孔膜を作製した。
比較例2で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%未満であることが判明した。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%未満の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
上記比較例2の多孔質膜において、実施例1と同様に評価1〜評価6の試験を実施した。結果は表2に示す。
<比較例3>
下記により、相分離多孔質膜を作製した。
重合工程にて、予め、重合不活性気体フロー装置内をN2にてパージせず、重合不活性気体フロー装置内部のO2濃度を20%とした以外は実施例12に記した〔1〕〜〔5〕と同様にして相分離多孔膜を作製した。
比較例3で得られた多孔質膜は表面SEM観察の結果、表面の空隙率が20%未満であることが判明した。また、断面SEM観察の結果、表面近傍と底部近傍の平均値より40%未満の空隙率の多孔質膜が形成されていることがわかった。
上記比較例3の多孔質膜において、実施例1と同様に評価1〜評価6の試験を実施した。結果は表2に示す。
表2の評価1および評価2の結果から、実施例1〜実施例3および実施例11〜実施例16に関しては表面及び膜厚方向に関して、ばらつきが小さい多孔質構造を有する多孔質膜が得られていることがわかった。ただし、重合時のO2濃度が0%,5%,15%と増加するにつれて表面の空隙率は低下する傾向が見られた。
また、重合時のO2濃度が更に高い比較例1〜3に関しては表面においてばらつきが小さい多孔質構造は得られていない。この結果から、重合時のO2濃度を20%未満(大気よりも酸素濃度が低い環境)、好ましくは15%以下、更には5%以下を実現することにより、表面においては内部と同様にばらつきが小さい多孔質構造が得られる事がわかった。
次に実施例4に関しては、印刷基材に多孔質基材である電池用電極活物質層を用いたが、実施例1と同様の理想的なばらつきが小さい多孔質構造が得られている。これは、ラジカルによる重合プロセスの採用により瞬間的な多孔質膜の形成が可能となったことおよび本実施形態による効果が寄与しているものと考えられる。
また、実施例5においては重合時の温度を50度に設定しているが、評価結果を見る限り理想的な多孔質膜が得られた。
更に、実施例6では印刷から重合までの時間を30sに延長しているが、これに関しても評価結果より理想的な多孔質膜が得られた。
これは溶媒として用いているテトラデカンの沸点が常圧において253℃と比較的高温であり、テトラデカンの乾燥は薄膜状態であっても80℃程度の高温を要する。
そのため、重合時の温度を50℃に設定した場合、硬化までの時間を30sに延長した場合のいずれにおいても溶媒の乾燥は生じないため、重合前および重合中にモノマー濃度が一定に保たれながら重合が進行したことに由来する。
一方、比較的低沸点であるNNジメチルアセトアミドは薄膜状態ならば、大気中での放置や50℃といった比較的低温の加温によっても乾燥が起こる。
そのために、実施例7のように重合時の温度が25℃であり、印刷から硬化までの時間が短時間である場合に関しては膜厚方向においてばらつきが小さい多孔質構造が得られているが、実施例9および実施例10のような溶媒が乾燥しやすい製造プロセス環境では重合前および重合中にモノマー濃度の勾配が生じ、膜厚方向においてばらつきが小さい多孔質構造が得られにくいと考えられる。
このことから、溶媒除去工程までに溶媒乾燥が生じないような製造工程の工夫はばらつきが小さい多孔質膜の形成には重要な事項であり、光照射による重合時の温度を溶媒の乾燥温度以下に抑えることにより膜厚方向においてばらつきが小さい多孔質構造が得られることがわかる。
最後に実施例8に関してだが、重合後に大気解放せずに乾燥および重合促進を実施することで、得られる多孔質膜の歪みが大きくなる結果を示している。乾燥および重合促進工程は、多孔質骨格形成後に残存している重合性反応基の反応を進行させる工程に該当するが、実施例8のようにO2濃度が低い環境で実施すると、重合性反応基の反応速度が速く、大気化における処理条件と比較して歪みが生じやすくなると考えられる。
従来の重合反応を用いた相分離多孔質膜製造方法は熱をトリガーとして進行する製造方法では多孔質形成時間が長く生産性が十分ではなく、透過性のばらつきがあった。また、光を使用した製造方法においては多孔質形成時間が短く生産性は高いものの、透過性が十分ではなかった。しかし、上記結果から、本実施形態では重合反応を用いた相分離により製造される多孔質層(膜)において、優れた透過性を確保することができる。
以上説明したように本発明の一実施形態にかかる多孔質層の製造方法は、基材上に、重合性化合物およびラジカル発生剤および溶媒からなる多孔質形成層を準備する準備工程と、大気よりも酸素濃度が低い環境下において、ラジカル発生剤を活性化させて重合性化合物の重合により多孔質骨格を形成する重合工程と、多孔質形成層に含まれる溶媒を除去して多孔質層を得る溶媒除去工程と、を備える。
本実施形態では、ラジカル発生剤を活性化させて重合性化合物の重合により多孔質骨格を形成するため、耐熱性に優れた三次元的な網目構造の多孔質層を短時間で確実に得ることができる。また、大気よりも酸素濃度が低い環境下において重合工程を行うため、酸素濃度の局所的なばらつきに起因するラジカル濃度のばらつきを低減して、重合性化合物の局所的な重合阻害を低減することができる。これにより、多孔質層表面の空孔によって占められる総面積を大きくし、透過性に優れた多孔質層を得ることができる。
準備工程では、重合性化合物は多孔質形成層中に10〜50wt%含まれる。これにより、多孔質層を確実に形成して、透過性を確保することができる。
ラジカル発生剤は光ラジカル発生剤を含み、重合工程では、多孔質形成層に対して光照射することにより、光ラジカル発生剤を活性化させる。これにより、重合開始剤として熱重合開始剤を主に用いる場合に比べて、重合工程における温度設定の自由度が向上する。
重合工程後に、大気下において多孔質骨格を加熱する加熱工程を備える。これにより、硬化収縮を抑制しながら重合性化合物の重合の促進および重合開始剤の除去が可能となり、多孔質層表面の空孔によって占められる総面積が大きく生産効率に優れた多孔質層を得ることができる。
溶媒除去工程は、加熱処理を含む。これにより、多孔質形成層に含まれる溶媒を乾燥により除去することができる。
重合工程は、溶媒除去工程における温度よりも低い温度で行われる。これにより、重合工程では溶媒除去工程に比べて溶媒の乾燥が抑制されるため、重合性化合物の濃度のばらつきが抑制され、空隙率が大きい多孔質層を得ることができる。好ましくは、重合工程における温度は、溶媒の沸点未満である。
溶媒除去工程の後に、多孔質層を減圧下で加熱する工程を含む。これにより、重合性化合物の重合を完了することができ、長期安定性に優れた高品質な多孔質層を得ることができる。
基材が多孔質基材であり、前記多孔質層が共連続構造を有する多孔質膜である。これにより、多孔質基材に対して多孔質膜による機能性を付与した多孔質構造体を得ることができる。
多孔質基材が活物質を含む電池用電極活物質層である。これにより、活物質基材上に対して多孔質膜による機能性を付与した電池用電極を得ることができる。
本発明の一実施形態にかかる多孔質層は、連続する架橋構造により形成された多孔質層であり、表面の空隙率、すなわち表面積に対する空孔によって占められる総面積の比率が20%以上である。これにより、連続する架橋構造に基づき耐熱性に優れ、かつ透過性に優れた多孔質層を得ることができる。
空孔が、周囲の他の空孔と連結した連通性を有することにより、液体や気体の浸み込みが十分に起き、物質分離や反応場といった機能を効率的に発現することができる。
厚さが0.1〜500μmであることにより、多孔質層形成による機能を十分得つつ、膜厚方向においてばらつきの小さい多孔質構造が得られる。
層全体の空隙率が30〜90%であることにより、透過性を確保しつつ、多孔質層の強度を確保することができる。
表面の空孔の平均孔径が0.01〜1.0μmであることにより、透過性を確保することができる。
表面近傍断面の空隙率と底部近傍断面の空隙率の平均値に対して、表面の空隙率の偏差が±5%未満であることにより、表面の空隙率を大きくすることができ、透過性を確保することができる。
本発明の一実施形態にかかる電極は、活物質を含む電池用電極活物質層と、電池用電極活物質層上に形成された上記多孔質層を備える。これにより、活物質基材上に対して多孔質層による機能性を付与した電池用電極を得ることができる。
1a:印刷装置
1b:インク容器
1c:インク供給チューブ
2a:光照射装置
2b:重合不活性気体フロー装置
3a:加熱装置
4:印刷基材
5:搬送部
6:多孔質膜前駆体
7:製膜原液
10:印刷工程部
20:重合工程部
30:加熱工程部
…特公昭62−19294号公報 …特開2004‐41835 …特許第5153142号 …特許第3168006号 …特許第6142118号 …特表2009‐502583

Claims (16)

  1. 基材上に、重合性化合物、ラジカル発生剤および溶媒を含む多孔質形成層を準備する準備工程と、
    大気よりも酸素濃度が低い環境下において、前記多孔質形成層の前記ラジカル発生剤を活性化させて前記重合性化合物を重合させ、多孔質骨格を形成する重合工程と、
    前記多孔質形成層に含まれる溶媒を除去して多孔質層を得る溶媒除去工程と、
    を備える多孔質層の製造方法。
  2. 前記準備工程では、前記重合性化合物は前記多孔質形成層中に10〜50wt%含まれることを特徴とする請求項1記載の多孔質層の製造方法。
  3. 前記ラジカル発生剤は光ラジカル発生剤を含み、
    前記重合工程では、前記多孔質形成層に対して光照射することにより、前記光ラジカル発生剤を活性化させる請求項1または2記載の多孔質層の製造方法。
  4. 前記重合工程後に、大気下において前記多孔質骨格を加熱する加熱工程を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか記載の多孔質層の製造方法。
  5. 前記溶媒除去工程では、前記多孔質形成層を加熱することを特徴とする請求項1〜4の何れか記載の多孔質層の製造方法。
  6. 前記重合工程は、前記溶媒除去工程における温度よりも低い温度で行われることを特徴とする請求項1〜5の何れか記載の多孔質層の製造方法。
  7. 前記溶媒除去工程の後に、前記多孔質層を減圧下で加熱する工程を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか記載の多孔質層の製造方法。
  8. 前記基材が多孔質基材であり、前記多孔質層が共連続構造を有する多孔質膜であることを特徴とする請求項1〜7の何れか記載の多孔質層の製造方法。
  9. 前記多孔質基材が、活物質を含む電池用電極活物質層であることを特徴とする請求項8記載の多孔質層の製造方法。
  10. 連続する架橋構造により形成された多孔質層であり、表面の空隙率が20%以上であることを特徴とする多孔質層。
  11. 空孔が、周囲の他の空孔と連結した連通性を有することを特徴とする請求項10記載の多孔質層。
  12. 厚さが0.1〜500μmであることを特徴とする請求項10または11記載の多孔質層。
  13. 層全体の空隙率が30〜90%であることを特徴とする請求項10〜12の何れか記載の多孔質層。
  14. 表面の空孔の平均孔径が0.01〜1.0μmであることを特徴とする請求項10〜13の何れか記載の多孔質層。
  15. 表面近傍断面の空隙率と底部近傍断面の空隙率の平均値に対して、表面の空隙率の偏差が±5%未満であることを特徴とする請求項10〜14の何れか記載の多孔質層。
  16. 活物質を含む電池用電極活物質層と、前記電池用電極活物質層上に形成された請求項10〜15の何れか記載の多孔質層と、を備えた電極。
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