JP2017095017A - 車両用報知装置、車両用報知方法および報知信号 - Google Patents

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Abstract

【課題】路面状況によって報知振動がマスキングされ得る状況であっても、運転者に報知振動を識別させる。【解決手段】車両用報知装置1は、シートに設けられた複数の振動手段EX1〜EX4と、初期周波数とターゲット周波数との組み合わせが異なる複数の信号データを記録する記録手段と、複数の信号データよりいずれかの信号データを、振動手段の数だけランダムに抽出し、抽出された信号データの初期周波数からターゲット周波数まで周波数を変化させた1周期毎のスイープ信号を、複数生成するスイープ信号生成手段2とを有する。スイープ信号生成手段2により生成された複数のスイープ信号のそれぞれを、複数の振動手段EX1〜EX4より別々に出力させることによって、変化する周波数の周波数範囲が異なる複数の報知振動をシートの複数箇所より出力させる。【選択図】図1

Description

本発明は車両用報知装置、車両用報知方法および報知信号に関し、より詳細には、ユーザに対して振動により報知を行うことが可能な車両用報知装置、車両用報知方法および報知信号に関する。
従来より、車両のシートにスピーカを設置したオーディオシステムが知られている(例えば、特許文献1、参照文献2参照)。このようなオーディオシステムでは、例えば、シートのヘッドレスト付近に、フルレンジスピーカが設置され、シートの背もたれ部あるいは座面部にサブウーハーが設置されており、低域から高域まで幅広い音域の音響出力が可能になっている。サブウーハーは、シート内部に埋め込まれており、音楽の低帯域の信号レベルに応じてシートを振動させる構造になっている。ヘッドレスト付近に設置されるフルレンジスピーカで出力される音と、サブウーハーから出力される振動とが組み合わされることによって、臨場感を高めることが可能になっている。
また、サブウーハーは、重低音(低域音)を出力することによって音楽の臨場感を高めるためだけに使用されるものではない。近時では、運転者への報知手段(警報手段)として利用される場合もある。
例えば、車両が車線を逸脱した場合に、運転者に対して車線を逸脱したことを振動によって報知すると共に、逸脱した車線の位置を、振動の発生位置によって報知する車両用報知装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、心拍センサを用いて運転者の心拍値を検出することによって居眠り状態を判断し、シート内に設置された振動体(加振装置)で振動を発生させることによって、運転者を覚醒させる車両用報知装置が提案されている(特許文献4参照)。
このように、運転席に設けられた振動体(サブウーハー等)を、必要に応じて振動させることにより、運転者に対して警報・報知を行うことが可能になる。その他、運転席に設置されたスピーカ等を振動させることによって運転者に報知を行う方法が、数多く提案されている。
特開2007−65038号公報 特開2008−72165号公報 特開2008−129716号公報 特開2007−55321号公報
シート内に埋め込まれるスピーカとして、コーン紙等を用いるダイナミック型のスピーカや、接触面を振動させて音や振動の出力を行うエキサイタ等が数多く用いられている。また、スピーカを振動させるための音源として、正弦波信号やスイープ信号(出力音の周波数を段階的に変動させた信号)等が用いられる。
いずれのスピーカがシート内に埋め込まれる場合であっても、シート表面において低域音または低域振動の振動成分が大きく低減してしまう傾向がある。従って、シートにスピーカが埋設された報知装置では、ユーザが確実に振動を感じ取ることができるように、大きな信号レベルで音響信号を出力させる必要があった。
一方で、ダイナミック型のスピーカやエキサイタに対して、許容入力レベル以上の信号レベルを備えた信号が入力されると、ボイスコイルの焼損が発生するという問題があった。特に、正弦波信号やスイープ信号のようなレベルが一様な信号(信号レベル・振幅が一定の信号)が連続してスピーカ等に入力されると、過大電流が生じるおそれがあり、入力された信号の信号レベルが許容入力レベル以内であっても、スピーカ等のボイスコイルが焼損してしまう場合があった。
また、車両走行時の路面状況に応じて定常的な走行振動がシートに伝わるため、シートに対して低周波のシート振動が発生する場合がある。低周波のシート振動が発生する場合、スピーカやエキサイタから警報用の低周波振動を発生させても、両方の振動が同じ周波数帯域の振動になってしまい、運転者が車体の振動と警報用の振動とを識別することが困難になるという問題があった。
このように、警報用の振動が車体の振動によってマスキングされ、運転者が警報振動を識別することが困難な場合には、意図的に警報用の信号の周波数を高くして、警報用の信号の周波数帯域を車体の振動と異なる周波数帯域にする方法が考えられる。しかしながら、警報用の信号の周波数帯域を高く変更すると、シートの伝搬モード(振動を伝達する特性)が低域の警報用の信号に対して変化するため、警報用の信号の振動成分が小さくなり、音成分として出力されてしまう傾向がある。音として出力されてしまうと、音は空間を伝搬するため、運転者以外にも警報音が伝わってしまい、同乗者に不安を与えるという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、シート内に設けられたスピーカやエキサイタ等から警報用の振動を出力させる場合に、路面状況によって警報用の振動がマスキングされ得る状況であっても、運転者に確実に警報信号を識別させることが可能な車両用報知装置、車両用報知方法および報知信号を提供することを課題とする。
また、本発明は、シート内に設けられたスピーカやエキサイタ等から警報用の振動を出力させる場合に、スピーカやエキサイタ等の振動デバイスの焼損を防止することが可能な車両用報知装置、車両用報知方法および報知信号を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用報知装置は、シートに対して別々に設けられた複数の振動手段と、初期周波数とターゲット周波数との組み合わせが異なる複数の信号データを記録する記録手段と、該記録手段に記録された複数の前記信号データよりいずれかの信号データを、前記振動手段の数だけランダムに抽出し、抽出された前記信号データの前記初期周波数から前記ターゲット周波数まで周波数を変化させた1周期毎のスイープ信号を、前記振動手段の数に応じて複数生成するスイープ信号生成手段とを有し、前記スイープ信号生成手段により生成された複数の前記スイープ信号のそれぞれを、複数の前記振動手段より別々に出力させることによって、変化する周波数の周波数範囲が異なる複数の前記報知振動を前記シートの複数箇所より出力させることを特徴とする。
また、本発明に係る車両用報知方法は、シートに対して別々に設けられた複数の振動手段より報知振動を出力することを特徴とする車両用報知装置の車両用報知方法であって、スイープ信号生成手段が、初期周波数とターゲット周波数との組み合わせが異なる複数の信号データが記録された記録手段より、前記振動手段の数だけ、いずれかの信号データをランダムに抽出し、抽出された前記信号データの前記初期周波数から前記ターゲット周波数まで周波数を変化させた1周期毎のスイープ信号を、前記振動手段の数に応じて複数生成するスイープ信号生成ステップと、前記スイープ信号生成ステップにおいて生成された複数の前記スイープ信号のそれぞれを、複数の前記振動手段より別々に出力させることによって、変化する周波数の周波数範囲が異なる複数の報知振動を前記シートの複数箇所より出力させる振動出力ステップとを有することを特徴とする
さらに、本発明に係る報知信号は、シートに対して別々に設けられた複数の振動手段より報知振動を出力させるために、複数の前記振動手段に入力される、車両用報知装置の報知信号であって、初期周波数とターゲット周波数との組み合わせが異なる複数の信号データより、いずれかの信号データがランダムに抽出され、抽出された前記信号データの前記初期周波数から前記ターゲット周波数までの1周期毎において周波数を変化させることにより、信号内の周波数成分をスイープさせた信号であることを特徴とする。
本発明に係る車両用報知手段、車両用報知方法および報知信号では、初期周波数とターゲット周波数との複数の組み合わせのうち、ランダムに抽出されたいずれかの初期周波数とターゲット周波数との組み合わせに基づいて、周波数範囲が変更されたスイープ信号を生成して、複数の振動手段より、異なるスイープ信号を出力させることができる。このように、スイープ信号の初期周波数とターゲット周波数とを変化させることによって、スイープ信号の波長が1周期分毎に変化するため、シートの各位置よりさまざまな周波数成分を有する報知振動を出力することが可能になる。
特に、シートには複数の振動手段が設けられており、それぞれの振動手段より異なる周波数成分を有する報知振動を出力することができる。このため、報知振動に対する運転者の認識性・識別性を向上させることができると共に、報知振動に対する運転者の注意力を顕著に高めることが可能になる。また、車両走行時の路面状況に応じて路面からシートに伝わる定常的な振動により、報知振動がマスキングされ得る状況であっても、報知振動に対する運転者の認識性・識別性を向上させることができると共に、報知振動に対する運転者の注意力を顕著に高めることが可能になる。
また、上述した車両用報知装置は、前記1周期分の時間範囲の中から、いずれかの時間の値を遅延時間値としてランダムに抽出すると共に、当該遅延時間値の抽出を連続的に行うことにより、当該遅延時間値の変化状態を示した複数の遅延信号を生成する遅延信号生成手段と、複数の前記遅延信号におけるそれぞれの前記遅延時間値の変化状態に基づいて、前記スイープ信号生成手段により生成された複数の前記スイープ信号のそれぞれを、前記1周期毎に遅延させる可変遅延手段とを有することを特徴とする。
さらに、上述した車両用報知方法は、前記1周期分の時間範囲の中から、いずれかの時間の値を遅延時間値としてランダムに抽出すると共に、当該遅延時間値の抽出を連続的に行うことにより、遅延信号生成手段が、当該遅延時間値の変化状態を示した複数の遅延信号を生成する遅延信号生成ステップと、該遅延信号生成ステップで生成された複数の前記遅延信号におけるそれぞれの前記遅延時間値の変化状態に基づいて、可変遅延手段が、前記スイープ信号生成ステップにより生成された複数の前記スイープ信号のそれぞれを、前記1周期毎に遅延させる可変遅延ステップとを有することを特徴とする。
また、上述した報知信号は、前記1周期分の時間範囲の中から、いずれかの時間の値を遅延時間値としてランダムに抽出すると共に、当該遅延時間値の抽出を連続的に行うことにより求められる当該遅延時間値の変化状態に基づいて、前記振動手段より出力される前記スイープ信号の出力タイミングを前記1周期毎に遅延させた信号であることを特徴とする。
また、本発明に係る車両用報知手段、車両用報知方法および報知信号では、複数の遅延信号における遅延時間値の変化状態に基づいて、複数のスイープ信号のそれぞれを、1周期毎に遅延させることができる。このため、複数の振動手段より出力される報知振動の出力タイミングを変化させることが可能となる。また、報知振動に対する運転者の認識性・識別性を向上させることができると共に、報知振動に対する運転者の注意力を顕著に高めることが可能になる。
また、複数の振動手段より出力される報知振動の出力タイミングを変化させることが可能となるため、車両走行時の路面状況に応じて路面からシートに伝わる定常的な振動により、報知振動がマスキングされ得る状況であっても、報知振動に対する運転者の認識性・識別性を向上させることができると共に、報知振動に対する運転者の注意力を顕著に高めることが可能になる。
また、上述した車両用報知装置は、前記スイープ信号生成手段により生成された前記スイープ信号の振幅値を、前記1周期毎にランダムに変化させる振幅変更手段と、前記スイープ信号生成手段により生成された前記スイープ信号の振幅値を、前記1周期毎にランダムにゼロに制限することにより、前記1周期分だけ前記報知振動の発生を抑制する発生頻度調節手段との少なくとも一方を備えることを特徴とする。
さらに、上述した車両用報知方法は、前記スイープ信号生成ステップにおいて生成された前記スイープ信号の振幅値を、振幅変更手段が、前記1周期毎にランダムに変化させる振幅変更ステップと、前記スイープ信号生成ステップにおいて生成された前記スイープ信号の振幅値を、発生頻度調節手段が、前記1周期毎にランダムにゼロに制限することにより、前記1周期分だけ前記報知振動の発生を抑制する発生頻度調節ステップとの少なくとも一方のステップを備えることを特徴とする。
また、上述した報知信号は、前記スイープ信号の振幅値を、前記1周期毎にランダムに変化させるか、または、前記スイープ信号の振幅値を、前記1周期毎にランダムにゼロに制限することにより、前記1周期分だけ前記報知振動の発生を抑制するかの少なくとも一方の処理が行われた信号であることを特徴とする。
また、本発明に係る車両用報知手段、車両用報知方法および報知信号では、スイープ信号の振幅値を、1周期毎にランダムに変化させ、または、スイープ信号の振幅値を、1周期毎にランダムにゼロに制限することにより、1周期分だけ報知振動の発生を抑制することが可能である。つまり、各振動手段より出力される報知振動を、振動手段毎に異なる大きさの振幅値に変更し、また、ランダムに1周期分の報知振動の発生を抑制することができる。これにより、報知振動に対する運転者の認識性・識別性を向上させることができると共に、報知振動に対する運転者の注意力を顕著に高めることが可能になる。また、車両走行時の路面状況に応じて路面からシートに伝わる定常的な振動によって、報知振動がマスキングされ得る状況であっても、報知振動に対する運転者の認識性・識別性を向上させることができると共に、報知振動に対する運転者の注意力を顕著に高めることが可能になる。
また、上述した車両用報知装置は、前記スイープ信号生成手段が、前記初期周波数から前記ターゲット周波数まで前記スイープ信号の周波数を変化させる場合において、当該周波数の変化に応じて振幅値を変化させることを特徴とする。
さらに、上述した車両用報知方法は、前記スイープ信号生成ステップにおいて前記スイープ信号生成手段が、前記初期周波数から前記ターゲット周波数まで前記スイープ信号の周波数を変化させる場合に、当該周波数の変化に応じて振幅値を変化させることを特徴とする。
また、上述した報知信号は、前記初期周波数から前記ターゲット周波数まで前記スイープ信号の周波数を変化させる場合において、当該周波数の変化に応じて振幅値を変化させた信号であることを特徴とする。
また、本発明に係る車両用報知手段、車両用報知方法および報知信号では、初期周波数からターゲット周波数までスイープ信号の周波数を変化させる場合において、周波数の変化に応じて振幅値を変化させることができる。例えば、スイープ信号の振幅値を初期周波数から徐々に増加させて、初期周波数からターゲット周波数までのいずれかの周波数において振幅値を最大とし、当該いずれかの周波数からターゲット周波数に向けて徐々にスイープ信号の振幅値を低減させることが可能になる。このように、周波数の変化に応じて振幅を変化させることによって、スイープ信号における1周期内の振幅値を変化させることができる。
1スイープ信号における1周期内の振幅値を変化させることにより、振動手段に対して振幅値(信号レベル)の一様な信号が連続して入力されてしまうことを防止することができるので、過大電流による振動手段の焼損等を防止することができ、振動手段の寿命を延ばすことが可能になる。また、1スイープ信号における1周期内の振幅値を変化させることにより、振動手段における消費電力の低減を図ることができ、省電力化を図ることが可能になる。
本発明に係る車両用報知手段、車両用報知方法および報知信号では、初期周波数とターゲット周波数との複数の組み合わせのうち、ランダムに抽出されたいずれかの初期周波数とターゲット周波数との組み合わせに基づいて、周波数範囲が変更されたスイープ信号を生成して、複数の振動手段より、異なるスイープ信号を出力させることができる。このように、スイープ信号の初期周波数とターゲット周波数とを変化させることによって、スイープ信号の波長が1周期分毎に変化するため、シートの各位置よりさまざまな周波数成分を有する報知振動を出力することが可能になる。
特に、シートには複数の振動手段が設けられており、それぞれの振動手段より異なる周波数成分を有する報知振動を出力することができる。このため、報知振動に対する運転者の認識性・識別性を向上させることができると共に、報知振動に対する運転者の注意力を顕著に高めることが可能になる。また、車両走行時の路面状況に応じて路面からシートに伝わる定常的な振動により、報知振動がマスキングされ得る状況であっても、報知振動に対する運転者の認識性・識別性を向上させることができると共に、報知振動に対する運転者の注意力を顕著に高めることが可能になる。
実施の形態に係る車両用警報装置の概略構成を示したブロック図である。 実施の形態に係るエキサイタEX1〜EX4が運転席に設置された状態を模式的に示した図である。 実施の形態に係るスイープ信号生成部の概略構成を示したブロック図である。 (a)は、実施の形態に係る信号生成部で生成されるスイープ信号の振幅特性の一例を示した図である。(b)は、(a)に示したスイープ信号に対して、ハン窓による重み付けが行われたスイープ信号の振幅特性の一例を示した図である。 8種類のスイープ信号(信号1〜信号8)における初期周波数とターゲット周波数との組み合わせの一例を示した表である。 図5に示す信号1〜信号8をランダムに抽出してスイープ信号を生成したときのスイープ信号の出力特性の一例を示した図である。 実施の形態に係る生成頻度調節部の概略構成を示したブロック図である。 (a)は、実施の形態に係る第1一様分布発生器の出力特性の一例を示した図である。(b)は、実施の形態に係る第2一様分布発生器の出力特性の一例を示した図である。 図8(a)に示した第1一様分布発生器の出力特性に基づいて、スイープ信号における各パルス状の信号の生成頻度を調節した出力特性の一例を示した図である。 実施の形態に係る生成レベル調節部の概略構成を示したブロック図である。 図9に示したスイープ信号に対して、実施の形態に係る生成レベル調節部で振幅値(信号レベル)の重み付け処理が行われたスイープ信号の出力特性の一例を示した図である。 図6に示したスイープ信号に対して、実施の形態に係る生成遅延調節部で再生時間位置をランダム変化させた信号の出力特性の一例を示した図である。 実施の形態に係る生成遅延調節部の概略構成を示したブロック図である。 実施の形態に係る可変遅延部で遅延処理を行うための遅延時間の変化状態を時系列に示した図の一例である。 周波数が50Hzの正弦波と55Hzの正弦波とを合成した場合の正弦波信号の振幅特性を示した図である。
以下、本発明に係る車両用報知装置に関し、車両用警報装置を一例として示すことにより、図面を用いて詳細に説明する。図1は、実施の形態に係る車両用警報装置の概略構成を示したブロック図である。車両用警報装置(車両用報知装置)1は、スイープ信号生成部(スイープ信号生成手段)2と、生成頻度調節部(発生頻度調節手段)3と、生成レベル調節部(振幅変更手段)4と、生成遅延調節部(遅延信号生成手段、可変遅延手段)5と、増幅部6と、4つのエキサイタ(振動手段)EX1,EX2,EX3,EX4とを有している。
また、スイープ信号生成部2には、エキサイタEX1〜EX4において、警報用の振動(以下、警報振動と称する)を発生させるか否かの判断基準となる警報情報を生成する警報情報出力部10が接続されている。警報情報出力部10とは、車両逸脱信号や、車両接近情報や、居眠り検知情報や、急カーブ信号等に基づく警報情報等を生成してスイープ信号生成部2へ出力する装置である。警報情報出力部10における警報対象の検出は、車両前方映像を撮影して画像解析する方法や、レーダー波を前方に照射して反射波を測定することにより検出する方法等、一般的に用いられている方法により行われる。
[エキサイタ]
エキサイタEX1〜EX4は、運転者に対して注意を促すために、振動および音を個別に出力させて、運転者に報知を行う振動デバイスとしての役割を有している。実施の形態では、振動デバイスとしてエキサイタを用いる場合を一例として説明する。ただし、振動デバイスはエキサイタのみには限定されず、ダイナミック型スピーカ等の他のデバイスを用いることも可能である。なお、エキサイタとは、ボイスコイルから伝わる振動力を、エキサイタに接触する対象物に伝達し、対象物を振動板として利用することによって振動や音を出力させることが可能な出力装置である。
図2は、エキサイタEX1〜EX4が、車両の運転席(シート)20に設置された状態を模式的に示した図である。図2に示すように、エキサイタEX1は、運転席20の座面部21における左側前部分に設置され、エキサイタEX2は、座面部21における右側前部分に設置され、エキサイタEX3は、運転席20の背もたれ部22における左側上部分に設置され、エキサイタEX4は、背もたれ部22における右側上部分に設置される。エキサイタEX1〜EX4は、座面部21および背もたれ部22の内装部材であるクッション材に設置される。
なお、エキサイタEX1〜EX4の設置位置は、図2に示す位置には限定されない。エキサイタEX1〜EX4の設置位置は、それぞれのエキサイタEX1〜EX4の振動を、車両運転中の運転者が身体部位によって識別できる位置であればよい。このため、エキサイタEX1〜EX4の設置位置は、柔軟に変更することが可能である。例えば、エキサイタEX3およびエキサイタEX4の設置位置は、背もたれ部22の左右側上部分に限定されず、例えば、背もたれ部22の左右側下部分であってもよい。あるいは、エキサイタEX3およびエキサイタEX4を、座面部21の左右側後部分に設置することも可能である。さらに、エキサイタの設置個数は4個には限定されず、4個よりも多く設置したり、または、4個よりも少なく設置することも可能である。
[スイープ信号生成部]
スイープ信号生成部2は、警報情報出力部10より警報情報を受信した場合に、警報情報に基づいて警報用のスイープ信号を生成する役割を有している。図3は、スイープ信号生成部2の概略構成を示したブロック図である。スイープ信号生成部2は、図3に示すように、4つの信号生成部2a(2a−1,2a−2,2a−3および2a−4:スイープ信号生成手段)と、重み付け部(スイープ信号生成手段)2bと、記録部(記録手段)2cとを有している。信号生成部2aは、4つのエキサイタEX1〜EX4のそれぞれに対応して4個設けられている。それぞれの信号生成部2a(2a−1〜2a−4)は、警報情報出力部10から受信した警報情報に基づいて、スイープ信号を生成する。
なお、スイープ信号生成部2では、警報情報出力部10より警報情報が入力されている間、信号生成部2aおよび重み付け部2bによって連続的にスイープ信号生成し、継続して生成頻度調節部3へスイープ信号を出力する。なお、スイープ信号生成部2で生成されるスイープ信号は、エキサイタEX1〜EX4毎に別々に生成されて(4つのスイープ信号が生成されて)、生成頻度調節部3へと出力される。
信号生成部2aは、正弦波からなるスイープ信号であって、正弦波の周波数を低域の周波数範囲においてスイープさせた信号を生成する。全帯域を対象とするスイープ信号を用いてエキサイタを振動させた場合には、運転席20における振動特性(振動の伝搬モード)が変化し、振動成分が音成分に変化してしまうおそれがある。この場合には、警報振動が音に変化して空間を伝搬してしまい、運転者以外の同乗者に警報音が認識されてしまうおそれがある。このため、スイープ信号における正弦波のスイープ範囲(スイープさせる周波数帯域の範囲)を低域に限定することにより、警報振動が音となって同乗者に認識されてしまうことを防止することが可能になる。
記録部2cには、初期周波数とターゲット周波数との組み合わせが異なる8種類の信号1〜信号8に関する情報(信号データ)が記録されている。図5は、記録部2cに記録される8種類の信号1〜信号8と、それぞれの信号における初期周波数とターゲット周波数との組み合わせを示した表である。
信号生成部2aは、記録部2cにアクセスして、図5の表に示す信号1〜信号8のいずれかの情報(信号データ)を記録部2cより読み出し(抽出)することが可能となっている。信号生成部2aは、記録部2cより読み出した信号の情報に基づいて初期周波数とターゲット周波数とを決定し、決定した初期周波数からターゲット周波数までの周波数範囲において正弦波の周波数を円滑に変化させることによって、スイープ信号を生成する。
図4(a)は、信号生成部2aにおいて生成されるスイープ信号の振幅特性の一例を示した図である。図4(a)には、初期周波数40Hzからターゲット周波数60Hzまで、正弦波の周波数が変化されたスイープ信号(つまり、スイープされる周波数帯域が40Hzから60Hzまでのスイープ信号)が示されている。
図4(a)に示したスイープ信号は、1周期が(40Hzから60Hzまで周波数を変化(スイープ)させる周期)が0.2secであって、サンプリング周波数が44.1kHzとなっている。また、図4(a)に示すように、0.2secのスイープ信号は、8,821サンプル分の信号に該当し、この8,821サンプルがスイープ信号の1周期分に該当することになる。
重み付け部2bは、信号生成部2aによって生成されたスイープ信号に対して、重み付けを行う。実施の形態に係る重み付け部2bでは、窓関数の一例としてハン窓を用いて、スイープ信号の重み付けを行う。図4(b)は、図4(a)に示したスイープ信号に対して、ハン窓による重み付けが行われたスイープ信号の振幅特性を示している。重み付け部2bによる重み付け処理は、窓関数を用いた重み付け処理には限定されず、スイープ信号の初期周波数付近とターゲット周波数付近の振幅を十分に減衰させるものであれば、どのような重み付け処理を行ってもよい。また、窓関数を用いて重み付けを行う場合であっても、ハン窓を用いた重み付け処理には限定されず、他の窓関数を用いることも可能である。
重み付け部2bによって重み付けされたスイープ信号は、図4(b)に示すように、初期周波数の振幅とターゲット周波数の振幅とが収束し、その中間の振幅が増幅された状態となる。つまり、周波数が変化するのに応じて振幅値が変化する振幅特性を備えることになる。このように振幅値の重み付けが行われるため、1周期のスイープ信号は、パルス状の信号に調整・変形される。
スイープ信号に重み付け処理を行うことにより、1周期のスイープ信号における振幅値を変化させることができるため、シートにおける振動感を維持しながら、エキサイタEX1〜EX4等の振動デバイスに対して、レベル(信号レベル、振幅値)の一様な信号が連続して入力されることを防止することができる。このため、レベルの一様な信号が連続して入力されることによって、振動デバイスに過大電流が生じてしまい、焼損を招いてしまうことを防止することができる。
さらに、重み付け部2bにおける重み付け処理により、スイープ信号をパルス状の信号に調整・変形することができるため、レベルが一様な信号に比べて、振動デバイスにおける消費電力の低減を図ることが可能になる。
また、シート内部であって、クッション材等の特定の部材に設置されたエキサイタEX1〜EX4から特定の周波数の信号を出力すると、振動を共振させることが可能である。共振が生じる信号の周波数を、共振周波数という。共振周波数は、エキサイタEX1〜EX4が設置された部材の固有振動数に依存し、エキサイタEX1〜EX4から出力させる信号レベルが小さい場合であっても、比較的大きな振動を発生させることが可能になる。このため、運転者に対して振動で警報を伝える場合に、共振周波数を有する信号をエキサイタEX1〜EX4から出力することによって、増幅部6の小出力化と省電力化とを図ることが可能になる。
しかしながら、共振周波数は、振動を発生するエキサイタEX1〜EX4等(振動デバイス)の個体差、振動を伝えるための運転席20のシート材質のばらつき、エキサイタEX1〜EX4の取り付け位置の違い、またエキサイタEX1〜EX4、シート素材、取り付け部材等の経年劣化等により、変化するという特徴がある。このため、信号生成部2aは、警報信号(スイープ信号)として単一周波数に基づく正弦波信号を用いるのではなく、周波数をスイープさせた正弦波を警報信号として用いることにより、共振周波数が変化した場合であっても、警報信号によって共振を発生させることができる。
なお、信号生成部2aでは、スイープ信号を生成する場合において、初期周波数とターゲット周波数をランダムに変更することによって、スイープ信号においてスイープされる周波数範囲を変更することも可能である。例えば、4つの信号生成部2a−1〜2a−4がそれぞれで独立して、図5に示す信号1〜信号8(初期周波数とターゲット周波数とのそれぞれの組み合わせ)のいずれかを記録部2cからランダムに抽出し、抽出された信号の初期周波数とターゲット周波数とに基づいてスイープ信号を生成する。このように、信号生成部2a−1〜2a−4がそれぞれで独立して記録部2cの信号1〜8をランダムに抽出することによって、変化する周波数の周波数範囲(スイープする周波数範囲)が異なるスイープ信号を、それぞれ信号生成部2a−1〜2a−4で生成することが可能である。
図6は、それぞれの信号生成部2a−1〜2a−4において、図5の表に示す信号1〜信号8をランダムに抽出することにより、初期周波数とターゲット周波数との組み合わせを変更して生成されたスイープ信号の出力特性(振幅特性)を示している。信号生成部2aにおいて生成されるスイープ信号は、エキサイタEX1〜EX4のそれぞれに対して独立して生成される。図6には、EX1〜EX4から出力される4つのスイープ信号が示されている。
図6に示すように、初期周波数とターゲット周波数とを変化させることによって、スイープ信号の1周期分毎(1つのパルス状の信号毎)に波長が変化し、周波数が変化する。このようにスイープ信号の周波数範囲を変化させることによって、運転席20の各シート位置よりさまざまな周波数成分を有する警報振動を出力することが可能になる。
特に、実施の形態に係る運転席20には、エキサイタが4箇所に設けられており、それぞれのエキサイタEX1〜EX4より異なる周波数成分を有する警報振動が出力される。このため、警報振動に対する運転者の認識性・識別性を向上させることができるとともに、振動に対する注意力を顕著に高めることが可能になる。
また、上述した例では、信号生成部2aで生成されるスイープ信号を1周期毎、つまり0.2sec(8,821サンプル分)の信号として生成する場合について説明したが、スイープ信号の周期は、この長さに限定されるものではない。実施の形態に係る4つの信号生成部2a(2a−1〜2a−4)では、スイープ信号の周期を、それぞれ独立してランダムに変化させることも可能である。
スイープ信号生成部2において生成された4つのスイープ信号は、第1スイープ信号A、第1スイープ信号B、第1スイープ信号Cおよび第1スイープ信号Dとして、生成頻度調節部3へ出力される。
[生成頻度調節部]
生成頻度調節部3は、エキサイタEX1〜EX4より出力される警報振動の生成頻度を調節する役割を有している。スイープ信号生成部2では、図4(b)に示したように、1周期のスイープ信号がパルス状に生成され、警報情報出力部10の警報情報に基づいて連続的に生成頻度調節部3へと出力される。従って、生成頻度調節部3において警報振動の生成頻度を調節しない場合には、エキサイタEX1〜EX4において、パルス状のスイープ信号が連続して出力され、連続的に警報振動が発生されることになる。
一方で、生成頻度調節部3において警報振動の生成頻度を調節することによって、エキサイタEX1〜EX4において警報振動が発生する場合と発生しない場合とが生じることになり、警報振動の出力パターン(発生パターン)を変化させることが可能となる。このため、警報振動の出力パターンが固定されて、運転者が警報振動に鈍感になってしまうことを防止することができる。
図7は、生成頻度調節部3の概略構成を示したブロック図である。生成頻度調節部3は、図7に示すように、4つの第1一様分布発生器3a(3a−1〜3a−4)と、4つの可変頻度部3b(3b−1〜3b−4)とを有している。第1一様分布発生器3aおよび可変頻度部3bは、エキサイタEX1〜EX4にそれぞれ対応付けて、4つずつ設けられる。4つの可変頻度部3bには、第1スイープ信号A〜第1スイープ信号Dがそれぞれ入力される。
第1一様分布発生器3aは、予め設定された数値範囲のうちからいずれかの数値をランダムに抽出し、抽出された数値が、予め設定されるスレッショルド(閾値)以下の場合に、警報振動の出力を許可する制御信号を可変頻度部3bに出力し、予め設定されるスレッショルドより大きい値の場合には、警報振動の出力を禁止する制御信号を可変頻度部3bに出力する。
図8(a)は、第1一様分布発生器3aの出力特性の一例を示した図である。図8(a)において、予め設定された数値範囲は、0.00〜4.00であり、スレッショルド(閾値)として3.00が設定されている。また、図8(a)の縦軸に示す「頻度」は、第1一様分布発生器3aにおいて、0.00〜4.00のそれぞれの値が抽出される割合を示している。図8(a)の場合には、数値範囲0.00〜4.00において一様に等しい割合でいずれかの数値がランダムに抽出されることが示されている。図8(a)に示す第1一様分布発生器3aの出力特性では、4分の3の割合で、「出力を許可する信号」が、制御信号として可変頻度部3bへと出力され、4分の1の割合で、「出力を禁止する信号」が、制御信号として可変頻度部3bへと出力されることになる。
可変頻度部3bは、第1一様分布発生器3aより入力される制御信号に基づいて、制御信号が「出力を許可する信号」である場合には、スイープ信号生成部2より入力された第1スイープ信号を1周期分だけ(1つのパルス状の信号だけ)、生成レベル調節部4へ出力する。
一方で、制御信号が「出力を禁止する信号」である場合には、スイープ信号生成部2より入力された第1スイープ信号の1周期分の振幅(1つのパルス状の信号の振幅)を0(ゼロ)に制限して、生成レベル調節部4へと出力させる。また、スイープ信号生成部2より入力された第1スイープ信号を1周期分だけ(1つのパルス状の信号だけ)遮断して、スイープ信号が生成レベル調節部4へ出力されないようにする。
図9は、初期周波数を40Hz、ターゲット周波数を60Hzに設定した第1スイープ信号A〜Dに対し、図8(a)に示した第1一様分布発生器3aの出力特性に基づいて、各パルス状の信号の生成頻度を調整した信号の出力特性を示した図である。図9に示すように、スイープ信号におけるパルス状の信号(1周期が0.2secの重み付けされた信号)が、ランダムな頻度で出力されていることが示されている。図9に示す4つのスイープ信号を、第2スイープ信号A、第2スイープ信号B、第2スイープ信号C、および第2スイープ信号Dとする。
図8(a)および図9に示す場合には、第2スイープ信号におけるパルス状(1周期分)の出力が、上述した4分の3の割合に対応しているため、4周期分のパルス状の信号に対して平均で3周期だけ出力されることになる。図8(a)に示したスレッショルドの値を変更することによって、第2スイープ信号におけるパルス状の信号の生成頻度を変更することが可能である。例えば、スレッショルドの値を小さい値に設定すると、パルス状の信号の生成頻度を低下させることできるため、パルス状の信号の間隔が長くなり、パルス状の信号の生成頻度が粗くなった第2スイープ信号を設定することができる。
なお、第2スイープ信号A〜Dは、エキサイタEX1〜E4毎に個別に生成されるため、4つの第1一様分布発生器3aおよび4つの可変頻度部3bによる生成頻度の調節処理も、各エキサイタEX1〜EX4のそれぞれのスイープ信号毎に行われる。図9に示す、各第2スイープ信号AからDにおけるそれぞれのパルス状の信号の生成頻度・生成状態は、他の第2スイープ信号の影響を受けることなく、それぞれ独立して決定される。
生成頻度調節部3においてパルス状の信号の生成頻度の調節処理が行われた4つの第2スイープ信号A〜Dは、生成レベル調節部4へ出力される。
[生成レベル調節部]
生成レベル調節部4は、生成頻度調節部3によって1周期毎にパルス状の信号に対する生成頻度の調節処理が行われたスイープ信号(第2スイープ信号A〜D)の信号レベルを調節する役割を有している。図10は、生成レベル調節部4の概略構成を示したブロック図である。生成レベル調節部4は、図10に示すように、4つの第2一様分布発生器4a(4a−1〜4a−4)と、4つの可変レベル部4b(4b−1〜4b−4)とを有している。第2一様分布発生器4aおよび可変レベル部4bは、エキサイタEX1〜EX4にそれぞれ対応付けて、4つずつ設けられる。4つの可変レベル部4bには、第2スイープ信号A〜第2スイープ信号Dがそれぞれ入力される。
第2一様分布発生器4aは、予め設定された数値範囲の中からいずれかのレベル数値をランダムに抽出し、抽出されたレベル数値の情報(レベル値情報)を、可変レベル部4bへ出力する。図8(b)は、第2一様分布発生器4aの出力特性の一例を示した図である。図8(b)において、予め設定された数値範囲は、−12dB〜0dBに設定されている。また、図8(b)の縦軸に示す頻度は、第2一様分布発生器4aにおいて、−12dB〜0dBのそれぞれのレベル数値が抽出される割合を示している。図8(b)の場合には、数値範囲−12dB〜0dBにおいて一様に等しい割合でレベル数値がランダムに抽出されることが示されている。
可変レベル部4bは、第2一様分布発生器4aより入力されるレベル値情報に基づいて、生成頻度調節部3より入力された第2スイープ信号A〜Dの信号レベルを1周期分ずつ(1つのパルス状の信号ずつ)調節して生成遅延調節部5へと出力する。具体的に、可変レベル部4bは、第2一様分布発生器4aより取得したレベル値情報よりレベル数値を判断し、レベル数値をデシベル(dB)からリニア(振幅値)に変換した後に、1周期分(1つのパルス状の信号)の第2スイープ信号A〜Dに対して、振幅値の重み付け処理(振幅値の調整処理)を行う。この重み付け処理は、それぞれの可変レベル部4b−1〜4b−4において、それぞれの第2スイープ信号に対して独立して行われる。
図11は、生成頻度調節部3において生成頻度の調節が行われた第2スイープ信号A〜Dに対して、生成レベル調節部4で振幅値(信号レベル)の重み付け処理を行った4つのスイープ信号の出力特性の一例を示した図である。図11に示す4つのスイープ信号を、第3スイープ信号A、第3スイープ信号B、第3スイープ信号C、および第3スイープ信号Dとする。
図11に示すように、それぞれの第3スイープ信号A〜Dにおけるパルス状の信号(1周期分の信号)の振幅値が、1周期毎にランダムに調整・変更されていることが示されている。図11において、1周期分(1つパルス状の信号)の振幅値が小さくなればなるほど、小さいレベル数値によって重み付けされた信号であることを示している。
なお、図11では、重み付けされるレベル数値の範囲が−12dB〜0dBの場合を示しているが、このレベル数値の範囲は、−12dB〜0dBには限定されない。例えば、図8(b)に示したレベル数値の範囲を、−24dB〜0dBの範囲に拡大することによって、重み付け処理されたスイープ信号(第3スイープ信号A〜D)の振幅値(信号レベル)を、より大きく変化させることが可能になる。
なお、第3スイープ信号A〜Dは、エキサイタEX1〜EX4毎に個別に生成されるため、4つの第2一様分布発生器4aおよび4つの可変レベル部4bによる重み付け処理も、各エキサイタEX1〜EX4のそれぞれのスイープ信号毎に行われる。図11に示す、重み付け処理された各スイープ信号(各第3スイープ信号A〜D)は、他の第3スイープ信号の影響を受けることなく、それぞれ独立して振幅値の重み付けが行われる。
生成レベル調節部4において振幅値(信号レベル)の重み付け処理が行われた4つの第3スイープ信号A〜Dは、生成遅延調節部5へ出力される。
[生成遅延調節部]
生成遅延調節部5は、生成レベル調節部4によって重み付け処理されたスイープ信号(第3スイープ信号)の再生時間位置の調節を行う役割を有している。具体的に、生成遅延調節部5は、各第3スイープ信号A〜Dの再生時間位置を、ランダムに変化させる処理を行う。再生時間位置をランダムに変化させるために、生成遅延調節部5は、4つの第3スイープ信号A〜Dのそれぞれに基づいて、エキサイタEX1〜EX4より出力される警報振動の出力タイミングを連続的に変化させる。
図12は、生成遅延調節部5において、再生時間位置をランダム変化させた信号の出力特性の一例を示した図である。生成遅延調節部5において再生時間位置の調節が行われたスイープ信号を、第4スイープ信号A、第4スイープ信号B、第4スイープ信号C、および第4スイープ信号Dとする。
図12に示すように、各スイープ信号におけるパルス状(1周期分)の信号の再生時間位置が、他のスイープ信号とは別個に独立して変化している状態が示されている。このように、第4スイープ信号A〜Dにおける各パルス状の信号の再生時間位置を変化させることにより、各エキサイタEX1〜EX4において出力される警報振動がさまざまな時間間隔で出力される。
図13は、生成遅延調節部5の概略構成を示したブロック図である。生成遅延調節部5は、図13に示すように、4つの第3一様分布発生器5a(5a−1〜5a−4:遅延信号生成手段)と、4つのリピート部5b(5b−1〜5b−4:遅延信号生成手段)と、4つのスムージング部5c(5c−1〜5c−4:遅延信号生成手段)と、4つの可変遅延部5d(5d−1〜5d−4:可変遅延手段)とを有している。第3一様分布発生器5a、リピート部5b、スムージング部5cおよび可変遅延部5dは、エキサイタEX1〜EX4にそれぞれ対応付けて、4つずつ設けられる。4つの可変遅延部5dには、第3スイープ信号A〜第3スイープ信号Dがそれぞれ入力される。
第3一様分布発生器5aは、第3スイープ信号の1周期分の時間範囲の中から、いずれかの時間の値を遅延時間値として、1周期単位毎にランダムに抽出することによって、ランダムな信号(遅延信号)を生成する。実施の形態では、0.0sec〜0.2secの時間範囲の中からランダムに値を抽出し、この値の抽出を1周期単位毎に連続的して行うことにより遅延信号を生成する。このようにして生成される遅延信号には、抽出された時間の値(遅延時間値)の変化状態が、時系列で示されることになる。
リピート部5bは、第3一様分布発生器5aによって生成された遅延信号を所定数繰り返すことによって、時間の引き延ばしを行う。実施の形態では、例えば、引き延ばしをスイープ信号の8周期分だけ行う。スムージング部5cは、リピート部5bによって時間が引き延ばされた信号のスムージング処理を行うことにより、連続的かつ円滑に変化する遅延信号を生成する。実施の形態では、スムージング部5cとして、例えば、一次のバタワースローパスフィルタを使用し、正規化カットオフ周波数を0.05とする。
可変遅延部5dは、スムージング部5cから遅延信号を受信し、遅延信号の変化状態に基づいて、生成レベル調節部4より入力された第3スイープ信号A〜Dに対する遅延処理を行う。図14は、スムージング部5cから可変遅延部5dへと出力される遅延信号に基づいて、可変遅延部5dにおいて第3スイープ信号に対して遅延処理を行うための遅延時間の変化状態を時系列に示した図である。図14に示すように、遅延時間は0secから0.2secまでの範囲で連続的に変化している。また、第3一様分布発生器5a、リピート部5b、スムージング部5cおよび可変遅延部5dに基づく遅延信号の生成および遅延処理は、4つのエキサイタEX1〜EX4のそれぞれに対応する、4つの第3スイープ信号A〜Dに対して個別に独立して行われる。このため、図14に示した遅延時間の変化状態の図においても、それぞれのエキサイタEX1〜EX4に対応する第3スイープ信号毎に、独立して遅延時間の変化状態が時系列に示されることになる。
可変遅延部5dにおいて、4つの第3スイープ信号に対して、パルス状の信号毎(1周期毎)に、別個に独立して再生時間位置の調節処理が行われた第4スイープ信号A〜D(例えば、図12参照)は、増幅部6へ出力される。
[増幅部]
増幅部6は、生成遅延調節部5より入力された4つの第4スイープ信号A〜Dのそれぞれに対して振幅値(信号レベル)の増幅処理を行う。増幅部6において振幅値の増幅処理が行われたスイープ信号は、警報信号としてエキサイタEX1〜EX4より出力される。運転者は、運転席20のエキサイタEX1〜EX4より出力される警報振動を体感することにより、警報の有無を認識することが可能になる。
以上説明したように、実施の形態に係る車両用警報装置1では、スイープ信号生成部2においてパルス状のスイープ信号を生成し、生成されたスイープ信号を各エキサイタEX1〜EX4より出力するため、シート等の共振周波数における共振を利用した振動出力を行うことができる。
特に、共振周波数は、振動を発生するエキサイタの個体差、振動を伝えるため運転席20のシート材質のばらつき、エキサイタの取り付け位置の違い、エキサイタ、シート素材、取り付け部材等の経年劣化等により、変化するという特徴がある。このため、スイープ信号生成部2において、単一周波数に基づく正弦波信号を生成するではなく、周波数をスイープさせた正弦波信号を警報信号として用いることにより、共振周波数が変化した場合であっても、警報振動において共振を発生させることができる。
また、スイープ信号生成部2でスイープ信号を生成する場合において、スイープ信号の初期周波数とターゲット周波数との組み合わせを変更した複数の信号(信号1〜信号8)を記録部2cに記録しておき、いずれかの信号をランダムに抽出してスイープ信号を生成し、警報信号として用いることによって、運転席20に内設された各エキサイタEX1〜EX4より、さまざまな周波数成分を有する警報振動を出力することが可能になる。このため、警報振動に対する運転者の振動慣れを抑制することができ、警報信号に対する認識力、識別力および注意力の向上・維持を図ることが可能になる。
さらに、生成頻度調節部3においてパルス状の信号(1周期分のスイープ信号)の生成頻度をランダムに変更・調整することにより、運転席20に内設された各エキサイタEX1〜EX4より、さまざまな生成頻度・出力パターンで、警報振動を出力することが可能になる。また、生成レベル調節部4においてスイープ信号の振幅値をランダムに変更・調整することによって、運転席20に内設された各エキサイタEX1〜EX4より、さまざまな振動レベル(振幅値)で警報振動を出力することが可能になる。このため、走行時の路面状況に応じて発生する定常的な車体振動により、警報振動がマスキングされてしまう可能性を大幅に低減させることが可能になる。
また、生成頻度および振動レベルだけでなく、スイープ信号生成部2によりスイープ信号の初期周波数およびターゲット周波数の組み合わせをランダムに変更してスイープ信号を生成したり、スイープ信号の周期をランダムに変更してスイープ信号を生成したり、生成遅延調節部5によりスイープ信号の再生時間位置をランダムに変更することによって、警報振動に対するマスキングの影響をさらに軽減することが可能になる。
さらに、一定の警報振動では、運転者が振動に慣れてしまい警報に対する注意力が得られなくなってしまうが、ランダムな生成頻度(出力間隔)、ランダムな振動レベル(振幅値)、スイープ信号のランダムな周波数範囲の変更、ランダムな再生時間位置変更、およびスイープ信号のランダムな周期変更等を用いてスイープ信号における警報振動の出力制御を行うことによって、運転者の注意力を向上・回復・維持させることが可能になる。
さらに、ランダムな生成頻度(出力間隔)、ランダムな振動レベル(振幅値)、スイープ信号のランダムな周波数範囲変更、ランダムな再生時間位置変更、およびスイープ信号のランダムな周期変更等を用いてスイープ信号における警報振動の出力制御を行うことによって、エキサイタEX1〜EX4にレベルが一様な信号が連続して入力されてしまうことを防止することができるため、過大電流の発生によるエキサイタEX1〜EX4の焼損を防止することができる。
さらに、スイープ信号生成部2、生成頻度調節部3、生成レベル調節部4および生成遅延調節部5を経てエキサイタへ出力されるスイープ信号は、各エキサイタEX1〜EX4に対してそれぞれ独立して生成頻度、振動レベル、再生時間位置等の変更・調整が行われるため、各エキサイタにおける警報振動の発生パターンに変化が生じることになる。したがって、車両を運転中であっても、運転者が警報振動の発生を認識、識別し、注意しやすくなるという効果を奏することが可能になる。
以上、本発明に係る車両用報知装置、車両用報知方法および報知信号について、車両用警報装置1を一例として示すと共に、図面を用いて詳細に説明を行ったが、本発明に係る車両用報知装置、車両用報知方法および報知信号は、実施の形態に示した例には限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても、実施の形態において示した車両用警報装置1と同様の効果を奏すること可能である。
例えば、スイープ信号生成部2で生成されるスイープ信号の周波数帯域は、必ずしも図5に示した初期周波数およびターゲット周波数の組み合わせには限定されない。図5は、単なる例示であるため、エキサイタにおいて信号を振動として出力可能な周波数の範囲内であれば、その範囲および初期周波数・ターゲット周波数の周波数値は限定されない。また、スイープ信号に用いられる信号は、必ずしも正弦波をスイープした信号には限定されない。他の波形をスイープさせるものであってもよい。
また、実施の形態に係るスイープ信号生成部2では、スイープ信号におけるターゲット周波数を初期周波数よりも高い周波数値に設定して、低い周波数から高い周波数へ正弦波の周波数を一定の速度で変化させる(スイープする)場合を一例として示した。しかしながら、周波数を変化させる場合には、低い周波数から高い周波数へと変化させる(スイープする)場合には限定されず、高い周波数から低い周波数へと変化させるものでもよい。周波数の変化による推移感を、運転者に提供することができるものであれば、周波数における変化の方向はどちらであってもよい。
さらに、実施の形態に係るスイープ信号生成部2では、初期周波数である40Hzからターゲット周波数である60Hzまで一定速度で変化する1周期分のパルス状の信号に基づいてスイープ信号を生成する場合について説明したが、生成するスイープ信号は必ずしも周波数が一定速度で変化する1周期分のパルス状の信号を基準とする場合には限定されない。周波数が一定の速度で増加または減少するのではなく、例えば、周波数値の上昇下降を繰り返して変化するスイープ信号を1つのパルス状の信号となるようにしてもよい。このようなスイープ信号に対して、重み付け部2bで重み付けを行うことによって、スイープ信号を生成する構成であってもよい。さらに、複数周期分だけ周波数が変化したスイープ信号を1つのパルス状の信号となるようにして、重み付け部2bで重み付けを行うことによって、スイープ信号を生成する構成であってもよい。
また、実施の形態に係る2では、重み付け部2bにおいて、窓関数を用いて重み付けを行うことにより、スイープ信号の振幅を前半部分において小さい振幅から増大させ、かつ後半部分において振幅を収束させたパルス状の信号に変形する処理を行った。この重み付け処理により、レベルが一様な信号が連続してエキサイタEX1〜EX4に入力されてしまい過大電流により焼損してしまうことを防止することが可能となっている。しかしながら、警報信号をパルス状の信号に変形する処理は、必ずしも窓関数を用いる場合には限定されない。
例えば、周波数の異なる2つの正弦波信号を用い、それらを合成することにより、振幅の重み付けが行われた信号を生成することも可能である。例えば周波数が50Hzの正弦波と55Hzの正弦波とを合成した場合には、図15に示すように、振幅値の重み付けが行われた正弦波信号を生成することが可能である。
1 …車両用警報装置(車両用報知装置)
2 …スイープ信号生成部(スイープ信号生成手段)
2a …信号生成部(スイープ信号生成手段)
2b …重み付け部(スイープ信号生成手段)
2c …記録部(記録手段)
3 …生成頻度調節部(発生頻度調節手段)
3a …第1一様分布発生器
3b …可変頻度部
4 …生成レベル調節部(振幅変更手段)
4a …第2一様分布発生器
4b …可変レベル部
5 …生成遅延調節部(遅延信号生成手段、可変遅延手段)
5a …第3一様分布発生器(遅延信号生成手段)
5b …リピート部(遅延信号生成手段)
5c …スムージング部(遅延信号生成手段)
5d …可変遅延部(可変遅延手段)
10 …警報情報出力部
20 …運転席(シート)
21 …座面部
22 …背もたれ部
EX1〜EX4 …エキサイタ(振動手段)

Claims (12)

  1. シートに対して別々に設けられた複数の振動手段と、
    初期周波数とターゲット周波数との組み合わせが異なる複数の信号データを記録する記録手段と、
    該記録手段に記録された複数の前記信号データよりいずれかの信号データを、前記振動手段の数だけランダムに抽出し、抽出された前記信号データの前記初期周波数から前記ターゲット周波数まで周波数を変化させた1周期毎のスイープ信号を、前記振動手段の数に応じて複数生成するスイープ信号生成手段と
    を有し、
    前記スイープ信号生成手段により生成された複数の前記スイープ信号のそれぞれを、複数の前記振動手段より別々に出力させることによって、変化する周波数の周波数範囲が異なる複数の前記報知振動を前記シートの複数箇所より出力させること
    を特徴とする車両用報知装置。
  2. 前記1周期分の時間範囲の中から、いずれかの時間の値を遅延時間値としてランダムに抽出すると共に、当該遅延時間値の抽出を連続的に行うことにより、当該遅延時間値の変化状態を示した複数の遅延信号を生成する遅延信号生成手段と、
    複数の前記遅延信号におけるそれぞれの前記遅延時間値の変化状態に基づいて、前記スイープ信号生成手段により生成された複数の前記スイープ信号のそれぞれを、前記1周期毎に遅延させる可変遅延手段と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用報知装置。
  3. 前記スイープ信号生成手段により生成された前記スイープ信号の振幅値を、前記1周期毎にランダムに変化させる振幅変更手段と、
    前記スイープ信号生成手段により生成された前記スイープ信号の振幅値を、前記1周期毎にランダムにゼロに制限することにより、前記1周期分だけ前記報知振動の発生を抑制する発生頻度調節手段と
    の少なくとも一方を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用報知装置。
  4. 前記スイープ信号生成手段は、前記初期周波数から前記ターゲット周波数まで前記スイープ信号の周波数を変化させる場合において、当該周波数の変化に応じて振幅値を変化させること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両用報知装置。
  5. シートに対して別々に設けられた複数の振動手段より報知振動を出力することを特徴とする車両用報知装置の車両用報知方法であって、
    スイープ信号生成手段が、初期周波数とターゲット周波数との組み合わせが異なる複数の信号データが記録された記録手段より、前記振動手段の数だけ、いずれかの信号データをランダムに抽出し、抽出された前記信号データの前記初期周波数から前記ターゲット周波数まで周波数を変化させた1周期毎のスイープ信号を、前記振動手段の数に応じて複数生成するスイープ信号生成ステップと、
    前記スイープ信号生成ステップにおいて生成された複数の前記スイープ信号のそれぞれを、複数の前記振動手段より別々に出力させることによって、変化する周波数の周波数範囲が異なる複数の報知振動を前記シートの複数箇所より出力させる振動出力ステップと
    を有することを特徴とする車両用報知方法。
  6. 前記1周期分の時間範囲の中から、いずれかの時間の値を遅延時間値としてランダムに抽出すると共に、当該遅延時間値の抽出を連続的に行うことにより、遅延信号生成手段が、当該遅延時間値の変化状態を示した複数の遅延信号を生成する遅延信号生成ステップと、
    該遅延信号生成ステップで生成された複数の前記遅延信号におけるそれぞれの前記遅延時間値の変化状態に基づいて、可変遅延手段が、前記スイープ信号生成ステップにより生成された複数の前記スイープ信号のそれぞれを、前記1周期毎に遅延させる可変遅延ステップと
    を有することを特徴とする請求項5に記載の車両用報知方法。
  7. 前記スイープ信号生成ステップにおいて生成された前記スイープ信号の振幅値を、振幅変更手段が、前記1周期毎にランダムに変化させる振幅変更ステップと、
    前記スイープ信号生成ステップにおいて生成された前記スイープ信号の振幅値を、発生頻度調節手段が、前記1周期毎にランダムにゼロに制限することにより、前記1周期分だけ前記報知振動の発生を抑制する発生頻度調節ステップと
    の少なくとも一方のステップを備えることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の車両用報知方法。
  8. 前記スイープ信号生成ステップにおいて前記スイープ信号生成手段は、前記初期周波数から前記ターゲット周波数まで前記スイープ信号の周波数を変化させる場合に、当該周波数の変化に応じて振幅値を変化させること
    を特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の車両用報知方法。
  9. シートに対して別々に設けられた複数の振動手段より報知振動を出力させるために、複数の前記振動手段に入力される、車両用報知装置の報知信号であって、
    初期周波数とターゲット周波数との組み合わせが異なる複数の信号データより、いずれかの信号データがランダムに抽出され、抽出された前記信号データの前記初期周波数から前記ターゲット周波数までの1周期毎において周波数を変化させることにより、信号内の周波数成分をスイープさせたことを特徴とする報知信号。
  10. 前記1周期分の時間範囲の中から、いずれかの時間の値を遅延時間値としてランダムに抽出すると共に、当該遅延時間値の抽出を連続的に行うことにより求められる当該遅延時間値の変化状態に基づいて、前記振動手段より出力される前記スイープ信号の出力タイミングを前記1周期毎に遅延させたこと
    を特徴とする請求項9に記載の報知信号。
  11. 前記スイープ信号の振幅値を、前記1周期毎にランダムに変化させるか、
    または、前記スイープ信号の振幅値を、前記1周期毎にランダムにゼロに制限することにより、前記1周期分だけ前記報知振動の発生を抑制するか
    の少なくとも一方の処理が行われたことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の報知信号。
  12. 前記初期周波数から前記ターゲット周波数まで前記スイープ信号の周波数を変化させる場合において、当該周波数の変化に応じて振幅値を変化させること
    を特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の報知信号。
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