JP6338425B2 - 振動音響装置、振動音響出力方法および振動音響プログラム - Google Patents
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Description
本発明は振動音響装置、振動音響出力方法および振動音響プログラムに関し、より詳細には、音源より出力される出力音を振動として聴取者に体感させることが可能な振動音響装置、振動音響出力方法および振動音響プログラムに関する。
車室内での音響効果を高めることを目的として、車両のシートにスピーカを設置するシートオーディオシステムが数多く提案されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。一般的なシートオーディオシステムは、シートのヘッドレスト付近に設置されて、低域から高域までの広い音域の音を再生することが可能なフルレンジスピーカと、シートの中部または下部に設置されて、低域音を重点的に再生することが可能なサブウーハーとによって構成される。
サブウーハーを、シート内部に埋め込むようにして設置することにより、音楽の低域の信号レベルに応じてシートが振動して聴取者に振動が伝達されるので、音と振動との組み合わせによってより一層高い臨場感を、聴取者に与えることが可能になっている。なお、シート内部に埋め込まれるサブウーハーとしては、例えば、コーン紙等を用いるダイナミック型スピーカや、接触面を振動させることにより音の出力を行うエキサイターなどが多く用いられる。
また、音源から各種警告音を出力することにより、単に音(警告音)として聴覚的に警告を行うだけでなく、振動による体感的な警告を行うことができるので、聴取者に対する警告等の認知度向上を図ることが可能となっている。
しかしながら、シート内部にサブウーハーを埋め込むことにより、聴取者に音響出力と振動を体感させるシートオーディオシステムでは、サブウーハーより出力された出力音がシート内部から表面へ出力される過程で大きく減退し、また、振動成分も大きく減退する傾向があった。このため、シートに着座する聴取者に対して十分な振動を体感させるためには、サブウーハーにおいて大きなレベルの音響出力が必要であった。大きなレベルの音響出力を実現するためには、増幅率が大きく大出力のパワーアンプが必要となり、結果的に消費電力の増大とコストの上昇を招いてしまうという問題があった。
特に、振動により警告を行う場合には、シートの着座者が確実に警告に気づくように、より大きな振動が要求される傾向があり、上述した消費電力の増大とコストの上昇という問題がより顕著なものとなっていた。
また、シート以外の振動を伝達することが可能な部材にサブウーハーを設置した場合であっても、同様に、聴取者に振動を体感させるまでの過程で、出力音の出力が大きく減退してしまうという問題が生じていた。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、音源より出力される音響信号を聴取者に振動として伝達させる場合において、信号出力のレベル低減と省電力化を実現しつつ、聴取者が体感可能な振動を出力することが可能な振動音響装置、振動音響出力方法および振動音響プログラムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る振動音響装置は、音源より出力された音響信号の振幅の絶対値を求めた後に積分処理を行うことにより包絡線信号を検出する包絡線検出手段と、前記音響信号を出力するための低域出力スピーカが設けられて、該低域出力スピーカから出力された低域音の振動を聴取者に体感させることが可能な振動伝達部材と、該振動伝達部材に設けられた前記低域出力スピーカのインパルス応答により求められた共振周波数と同じ周波数からなる正弦波を、前記包絡線信号に乗算することにより、共振周波数に基づく周波数変換処理が行われた音響信号を生成する周波数変換手段とを有し、前記周波数変換手段において前記周波数変換処理の行われた前記音響信号が、前記低域出力スピーカより出力されることを特徴とする。
また、本発明に係る振動音響出力方法は、音源より出力された音響信号の振幅の絶対値を求めた後に積分処理を行うことにより、包絡線検出手段が包絡線信号を検出する包絡線検出ステップと、低域音の振動を聴取者に体感させることが可能な振動伝達部材に設けられた低域出力スピーカのインパルス応答により求められた共振周波数と同じ周波数からなる正弦波を、前記包絡線信号に乗算することにより、周波数変換手段が、共振周波数に基づく周波数変換処理が行われた音響信号を生成する周波数変換ステップと、前記低域出力スピーカが、前記周波数変換ステップにおいて前記周波数変換処理の行われた前記音響信号を出力する音響信号出力ステップとを有することを特徴とする。
さらに、本発明に係る振動音響装置用の振動音響プログラムは、振動伝達部材に設けられた低域出力スピーカより低域音を出力させることにより、当該振動伝達部材を介して聴取者に前記低域音の振動を体感させるための振動音響装置用の振動音響プログラムであって、音源より出力された音響信号の振幅の絶対値を求めた後に積分処理を行うことにより、包絡線検出手段に包絡線信号を検出させる包絡線検出機能と、前記低域出力スピーカのインパルス応答により求められた共振周波数と同じ周波数からなる正弦波を、前記包絡線信号に乗算させることにより、周波数変換手段に、共振周波数に基づく周波数変換処理が行われた音響信号を生成させる周波数変換機能と、前記低域出力スピーカに、前記周波数変換機能において前記周波数変換処理の行われた前記音響信号を出力させる音響信号出力機能とを実現させるための振動音響装置用の振動音響プログラムであることを特徴とする。
本発明に係る振動音響装置、振動音響出力方法および振動音響装置用の振動音響プログラムにおいて、低域出力スピーカより出力される低域音は、振動伝達部材に設けられた低域出力スピーカの共振周波数に基づいて周波数変換処理が行われているため、低域音の信号レベルを効果的に増大させることが可能となる。このため、振動伝達部材を介して聴取者に伝達される振動も、共振周波数の周波数変換処理により増大させることが可能となるので、聴取者に従来と同じ振動を体感させる場合に、低域出力スピーカより出力させる低域音の信号レベルを従来よりも小出力化することができると共に、アンプ等の電力量を大幅に低減させることが可能になる。
さらに、低域出力スピーカより出力される低域音を振動として聴取者に体感させることができ、この振動を共振周波数に基づく周波数変換処理により増大することができる。このため、例えば、警告等の報知を行う場合には、聴取者に聴覚だけでなく振動として体感的に報知を行うことが可能になる。
また、上述した振動音響装置は、前記共振周波数と同じ周波数からなる正弦波の信号レベルを可変させつつ前記低域出力スピーカより当該正弦波を出力させることによって集音された低域音に基づいて、該低域音における全帯域の信号成分から共振周波数の信号成分を抽出して歪成分を求め、該歪成分に対する共振周波数の信号成分の割合を可変される前記信号レベルに応じて算出することによって、前記低域出力スピーカにおける歪率を測定する歪率測定手段と、前記低域出力スピーカより出力される低域音の信号レベルが当該低域出力スピーカで再生可能な信号レベルの上限以下になるように、前記歪率測定手段により測定された歪率に基づいて、前記包絡線信号の信号レベルを前記共振周波数毎に抑圧するダイナミックレンジ圧縮手段とを有し、前記周波数変換手段は、前記ダイナミックレンジ圧縮手段により信号レベルが抑圧された前記包絡線信号に対して前記周波数変換処理を行うものであってもよい。
さらに、上述した振動音響出力方法は、前記共振周波数と同じ周波数からなる正弦波の信号レベルを可変させつつ前記低域出力スピーカより当該正弦波を出力させることによって集音された低域音に基づいて、前記低域音における全帯域の信号成分から共振周波数の信号成分を抽出して歪成分を求め、該歪成分に対する共振周波数の信号成分の割合を可変される前記信号レベルに応じて算出することによって、歪率測定手段が、前記低域出力スピーカにおける歪率を測定する歪率測定ステップと、前記低域出力スピーカより出力される低域音の信号レベルが当該低域出力スピーカで再生可能な信号レベルの上限以下になるように、前記歪率測定ステップにおいて測定された歪率に基づいて、ダイナミックレンジ圧縮手段が、前記包絡線信号の信号レベルを前記共振周波数毎に抑圧するダイナミックレンジ圧縮ステップとを有し、前記周波数変換ステップにおいて、前記ダイナミックレンジ圧縮ステップにおいて信号レベルが抑圧された前記包絡線信号に対して、前記周波数変換手段が前記周波数変換処理を行うものであってもよい。
また、上述した振動音響装置用の振動音響プログラムは、前記共振周波数と同じ周波数からなる正弦波の信号レベルを可変させつつ前記低域出力スピーカより当該正弦波を出力させることによって集音された低域音に基づいて、前記低域音における全帯域の信号成分から共振周波数の信号成分を抽出して歪成分を求めさせ、該歪成分に対する共振周波数の信号成分の割合を可変される前記信号レベルに応じて算出させることによって、歪率測定手段に、前記低域出力スピーカにおける歪率を測定させる歪率測定機能と、前記低域出力スピーカより出力される低域音の信号レベルが当該低域出力スピーカで再生可能な信号レベルの上限以下になるように、前記歪率測定機能において測定された歪率に基づいて、ダイナミックレンジ圧縮手段に、前記包絡線信号の信号レベルを前記共振周波数毎に抑圧させるダイナミックレンジ圧縮機能とを有し、前記周波数変換機能において、前記ダイナミックレンジ圧縮機能によって信号レベルが抑圧された前記包絡線信号に対して、前記周波数変換手段に前記周波数変換処理を行わせることを特徴とする振動音響装置用の振動音響プログラムであってもよい。
本発明に係る振動音響装置、振動音響出力方法および振動音響装置用の振動音響プログラムでは、共振周波数の信号成分に基づいて低域出力スピーカにおける歪率を測定し、低域出力スピーカより出力される低域音の信号レベルが当該低域出力スピーカの再生可能な信号レベルの上限以下になるように、歪率に基づいて共振周波数毎に包絡線信号の信号レベルを抑圧させてから周波数変換処理を行う。このため、低域出力スピーカの再生能力を超えて低域音が出力されてしまうことを防止することが可能になり、低域出力スピーカより出力される低域音に歪みが発生したり、低域出力スピーカに焼損が生じたりすることを効果的に防ぐことが可能になる。
また、上述した振動音響装置、振動音響出力方法および振動音響装置用の振動音響プログラムにおいて、前記振動伝達部材は、前記聴取者が着座する椅子であってもよい。
振動伝達部材として聴取者が着座する椅子を用いることによって、低域音を振動として伝達するための振動伝達部材に聴取者が常に接することになるので、確実に振動を聴取者に伝達することが可能となる。さらに椅子に着座した聴取者は、座部あるいは背もたれ部等により、より広い面で振動を体感することが可能となるので、より確実に振動を体感させることが可能となる。
本発明に係る振動音響装置、振動音響出力方法および振動音響装置用の振動音響プログラムにおいて、低域出力スピーカより出力される低域音は、振動伝達部材に設けられた低域出力スピーカの共振周波数に基づいて周波数変換処理が行われているため、低域音の信号レベルを効果的に増大させることが可能となる。このため、振動伝達部材を介して聴取者に伝達される振動も、共振周波数の周波数変換処理により増大させることが可能となるので、聴取者に従来と同じ振動を体感させる場合に、低域出力スピーカより出力させる低域音の信号レベルを従来よりも小出力化することができると共に、アンプ等の電力量を大幅に低減させることが可能になる。
さらに、低域出力スピーカより出力される低域音を振動として聴取者に体感させることができ、この振動を共振周波数に基づく周波数変換処理により増大することができる。このため、例えば、警告等の報知を行う場合には、聴取者に聴覚だけでなく振動として体感的に報知を行うことが可能になる。
以下、本発明に係る振動音響装置を、その一例であるシートオーディオシステムを用いて詳細に説明する。図1は、シートオーディオシステムの概略構成を示したブロック図である。
シートオーディオシステム100は、音源部(音源)110と、第1音響処理部120と、第1パワーアンプ130と、第1スピーカ140Lと、第2スピーカ140Rと、第2音響処理部200と、第2パワーアンプ150と、サブウーハー(低域出力スピーカ)160とを備えている。さらに、シートオーディオシステム100には、マイクロフォン310と、インパルス応答測定部320と、歪率測定部(歪率測定手段)330とが設けられている。
音源部110は、LチャンネルおよびRチャンネル用の音響信号を、第1音響処理部120および第2音響処理部200へ出力することが可能となっている。音源部110より出力される音響信号は、一般的な音楽だけには限定されず、例えば、携帯電話の着信音や、各種警告音等であってもよい。例えば、シートオーディオシステム100が車載用のオーディオシステムとして用いられる場合には、メーターパネル内の警告表示に連動して出力される警告音や、車外障害物用の検知装置等によって障害物が検出された場合に発動される検知警報音等を、音源部110より出力される音響信号として用いることが可能である。従って、音源部110は、CDやDVD等の音響信号を再生するための機能を備える装置だけには限定されず、他の機器により出力(再生)された音響信号を、例えば、外部入力端子等を介して取得し、少なくとも第2音響処理部200等へ出力する機能を備えるものであればよい。
第1音響処理部120は、音源部110より取得した音響信号の音量調節等を行う役割を有している。例えば、第1音響処理部120として、入力された音響信号の音量調節を行うための音量や、聴取者の嗜好等に応じて音場補正等を行うためのイコライザ等が用いられる。第1音響処理部120において音量調節等の音響処理が行われた音響信号は、第1パワーアンプ130へ出力される。
第1パワーアンプ130は、第1音響処理部120より入力された音響信号の信号増幅を行って第1スピーカ140Lおよび第2スピーカ140Rへ出力する役割を有している。第1スピーカ140Lおよび第2スピーカ140Rは、低域から高域までの広帯域の信号出力を行うことが可能なフルレンジスピーカにより構成されている。
図2(a)(b)は、第1スピーカ140L、第2スピーカ140Rおよびサブウーハー160がシート(振動伝達部材、椅子)170に設置された状態の一例を示している。シート170は、着座した聴取者に対して音楽等を聴覚的に提供するとともに、音楽等の低域成分に基づいて振動を体感させることを目的とするものであり、ヘッドレスト部171と、背もたれ部(振動伝達部材)172と、座部173とにより構成されている。
第1スピーカ140Lおよび第2スピーカ140Rは、図2(a)(b)に示すように、シート170のヘッドレスト部171に対して、聴取者の左右耳近傍に位置するように設けられている。この位置に第1スピーカ140Lおよび第2スピーカ140Rが設置されることにより、LチャンネルおよびRチャンネル用の音響信号を、聴取者の左右方向からそれぞれ聴取させることが可能となっている。
座部173は着座した聴取者を下側から支える構造となっており、座部173には、背もたれ部172が起倒可能に取り付けられている。
背もたれ部172には、シート170に着座した聴取者に対して音響出力の振動を体感させることができるようにして、サブウーハー160が設けられている。例えば、図2に示すように、聴取者の腰位置辺りにサブウーハー160を設置することにより、腰から背中にかけて振動を伝達することが可能となる。本実施の形態においては、サブウーハー160の一例として、エキサイターを用いる。
聴取者は、好みに応じて背もたれ部172の傾斜角度を調節することが可能となっており、背もたれ部172で、聴取者の背面を支持するとともに、背もたれ部172の上部に取り付けられるヘッドレスト部171で、聴取者の頭部を支持する構造となっている。このため、シート170に聴取者が着座した状態で、第1スピーカ140L、第2スピーカ140Rおよびサブウーハー160から音響出力がなされると、シート170に着座した聴取者は、左の耳位置近傍に設置される第1スピーカ140LよりLチャンネルの音響信号を聴取し、右の耳位置近傍に設置される第2スピーカ140RよりRチャンネルの音響信号を聴取するだけでなく、サブウーハー160からの低音出力によって、低域の音響信号を聴覚で音として聴取するとともに、背もたれ部172を介して伝達された音響信号を振動として体感することが可能になっている。
第2音響処理部200は、音源部110より入力された音響信号から低域成分だけを抽出し、低域の音響信号に対して周波数変換処理を行う役割を有している。第2音響処理部200における詳細な構成およびその処理内容については次述する。第2音響処理部200において周波数変換処理された低域の音響信号は、第2パワーアンプ150へ出力される。
第2パワーアンプ150は、第2音響処理部200より入力された音響信号の信号増幅を行う役割を有している。第2パワーアンプ150によって増幅された音響信号は、サブウーハー160へ出力される。
図3は、第2音響処理部200の概略構成を示したブロック図である。第2音響処理部200は、モノラル部201と、ダウンサンプリング部202と、音量調節部203と、包絡線検波部(包絡線検出手段)204と、n個の周波数変換部205(以下、1つ目の周波数変換部205を、第1周波数変換部205−1、2つ目の周波数変換部205を、第2周波数変換部205−2、・・・、n個目の周波数変換部205を、第n周波数変換部205−nとする。周波数変換手段)と、合成部206と、アップサンプリング部207とを有している。
モノラル部201は、音源部110により入力されるLチャンネル用の音響信号と、Rチャンネル用の音響信号とを合成してモノラル化する役割を有している。モノラル部201においてモノラル化された音響信号(モノラル音響信号)は、ダウンサンプリング部202へ出力される。
[ダウンサンプリング処理]
ダウンサンプリング部202は、音量調節部203、包絡線検波部204、周波数変換部205および合成部206における信号処理の演算量を低減させるために、低域通過フィルタを適用した後に、サンプリング周波数の間引きを行う役割を有している。このようにダウンサンプリング部202において間引き処理を行うことにより、信号処理に用いられる音響信号のデータ量を低減させることが可能となる。ここで、ダウンサンプリング部202における低域通過フィルタのカットオフ周波数は、サブウーハー160より出力される音響信号の音源における周波数帯域に基づいて設定される。
ダウンサンプリング部202は、音量調節部203、包絡線検波部204、周波数変換部205および合成部206における信号処理の演算量を低減させるために、低域通過フィルタを適用した後に、サンプリング周波数の間引きを行う役割を有している。このようにダウンサンプリング部202において間引き処理を行うことにより、信号処理に用いられる音響信号のデータ量を低減させることが可能となる。ここで、ダウンサンプリング部202における低域通過フィルタのカットオフ周波数は、サブウーハー160より出力される音響信号の音源における周波数帯域に基づいて設定される。
図4(a)は、本実施の形態のダウンサンプリング部202において、一例として用いた低域通過フィルタの周波数特性を示した図である。図4(a)に示すように、本実施の形態に係るダウンサンプリング部202では、低域通過フィルタとして1,024タップのFIRフィルタを適用し、カットオフ周波数を150Hzに設定している。図4(a)に示す低域通過フィルタを用いてフィルタ処理を行った後に、ダウンサンプリング数を32としてサンプリング周波数の間引き処理を行うことにより、サンプリング周波数が44.1kHzである音響信号を、ダウンサンプリング後に1.38kHzへダウンサンプリングすることが可能になる。
[音量調節処理]
音量調節部203は、ダウンサンプリング処理された音響信号の音量調節を行う役割を有している。音量調節部203において音量調節を行うことにより、サブウーハー160より出力される低域信号の信号レベルを、聴取者の好みのレベルに調節することが可能となる。
音量調節部203は、ダウンサンプリング処理された音響信号の音量調節を行う役割を有している。音量調節部203において音量調節を行うことにより、サブウーハー160より出力される低域信号の信号レベルを、聴取者の好みのレベルに調節することが可能となる。
[包絡線検波処理]
包絡線検波部204は、音量調節部203で音量調節が行われた音響信号に対して、絶対値検出を行った後に、低域通過フィルタを用いて積分処理(フィルタ処理)を行うことによって、音響信号の包絡線を検出する役割を有している。
包絡線検波部204は、音量調節部203で音量調節が行われた音響信号に対して、絶対値検出を行った後に、低域通過フィルタを用いて積分処理(フィルタ処理)を行うことによって、音響信号の包絡線を検出する役割を有している。
図4(b)は、音源部110より音響信号として音楽が再生される場合に、包絡線検波部204の低域通過フィルタとして用いられるフィルタの周波数特性の一例を示している。図4(b)に示す低域通過フィルタでは、256タップのFIRフィルタを適用し、カットオフ周波数を20Hzに設定した場合が示されている。
また、図5(a)には、包絡線検波部204に入力される信号(ダウンサンプリング部202でダウンサンプリング処理された後、音量調節部203で音量調節が行われたダウンサンプリング信号)の信号波形を示し、図5(b)は、包絡線検波部204において絶対値検出を行った後の信号(絶対値検出信号)と低域通過フィルタにより積分処理(フィルタ処理)された信号(低域通過フィルタ出力信号)の信号波形を示している。さらに、図6は、ダウンサンプリング信号、絶対値検出信号および低域通過フィルタ出力信号の周波数特性を示している。
図5(a),(b)および図6に示すように、包絡線検波部204に入力されたダウンサンプリング信号を信号処理して絶対値検出信号を検出し、さらに低域通過フィルタ出力信号を生成することにより、包絡線検波部204において包絡線信号を検出することが可能となる。図6に示す包絡線信号(低域通過フィルタ出力信号)では、20Hz以下の音響信号がベースバンド信号として検出されていることが確認できる。
[周波数変換処理]
周波数変換部205は、ベースバンド信号となる包絡線信号に対して、共振周波数に基づいて周波数変換を行う役割を有している。周波数変換部205において用いられる共振周波数は、図1に示したインパルス応答測定部320によって測定されたインパルス応答の周波数状態(より詳細には、ピークとなる周波数)に基づいて決定される。
周波数変換部205は、ベースバンド信号となる包絡線信号に対して、共振周波数に基づいて周波数変換を行う役割を有している。周波数変換部205において用いられる共振周波数は、図1に示したインパルス応答測定部320によって測定されたインパルス応答の周波数状態(より詳細には、ピークとなる周波数)に基づいて決定される。
図7は、サブウーハー160としてエキサイターを用いた場合において、サブウーハー160から出力された音響信号(インパルス信号)をマイクロフォン310で測定することにより求められたインパルス応答の周波数特性の一例を示している。マイクロフォン310を用いて、サブウーハー160より出力される音響信号のインパルス応答を測定することにより、サブウーハー160と背もたれ部172の表面との間の再生系の音響特性を測定することが可能になる。図7は、測定されたインパルス応答をフーリエ変換して周波数特性として求めたものを示している。
図7から明らかなように、再生系の音響特性において、信号レベルの大きな2つのピーク周波数が共振周波数として検出される。本実施の形態では、第1のピーク周波数である28Hzを1番目の共振周波数(n=1となる共振周波数)とし、第2のピーク周波数である56Hzを、2番目の共振周波数(n=2となる共振周波数)とし検出する。
検出された1番目の共振周波数である28Hzは、第1周波数変換部205−1における共振周波数として設定され、2番目の共振周波数である56Hzは、第2周波数変換部205−2における共振周波数として設定される。
そして、第1周波数変換部205−1では、包絡線検波部204で検出されたベースバンド信号(包絡線信号)に対して、共振周波数として設定された28Hzの正弦波(共振周波数と同じ28Hzからなる正弦波)を掛け合わせる(乗算する)ことによって、28Hzの共振周波数が強調された低域信号を生成する。また、第2周波数変換部では、包絡線検波部204で検波されたベースバンド信号(包絡線信号)に対して、共振周波数として設定された56Hzの正弦波(共振周波数と同じ56Hzからなる正弦波)を掛け合わせる(乗算する)ことによって、56Hzの共振周波数が強調された低域信号を生成する。
なお、本実施の形態では、図7に示すように28Hzと56Hzとの2つの周波数を共振周波数として抽出したので、周波数変換部205として第1周波数変換部205−1と第2周波数変換部205−2との2つ(n=2)の周波数変換部が設けられる場合を一例として示したが、共振周波数となるピークが複数(例えばn個)検出された場合には、n個の共振周波数に基づいて、1からnまでのn個の周波数変換部205−1〜205−nにおいて、それぞれ周波数変換が行われることになる。
[合成処理]
合成部206は、n個の周波数変換部205において各共振周波数に基づいて周波数変換されたベースバンド信号を合成する役割を有している。合成部206では、それぞれの周波数変換部205(第1周波数変換部205−1から第n周波数変換部205−nまでのそれぞれの周波数変換部205)において周波数変換された信号を足し合わせることによって合成する。この合成処理により、それぞれの共振周波数に対応するようにして周波数変換が行われた信号を1つに合成することが可能となる。本発明に係る「周波数変換処理」は、周波数変換部205における周波数変換と、この合成部206における合成処理との2つの処理を含んだ処理を意味している。合成部206で合成された低域信号は、アップサンプリング部207へと出力される。
合成部206は、n個の周波数変換部205において各共振周波数に基づいて周波数変換されたベースバンド信号を合成する役割を有している。合成部206では、それぞれの周波数変換部205(第1周波数変換部205−1から第n周波数変換部205−nまでのそれぞれの周波数変換部205)において周波数変換された信号を足し合わせることによって合成する。この合成処理により、それぞれの共振周波数に対応するようにして周波数変換が行われた信号を1つに合成することが可能となる。本発明に係る「周波数変換処理」は、周波数変換部205における周波数変換と、この合成部206における合成処理との2つの処理を含んだ処理を意味している。合成部206で合成された低域信号は、アップサンプリング部207へと出力される。
[アップサンプリング処理]
アップサンプリング部207は、合成部206より入力された信号に対して、アップサンプル数に対応する零を挿入した後、ダウンサンプリング部と同様の低域通過フィルタを用いて、折り返し成分の除去を行う。例えば、アップサンプル数が32の場合は、サンプリング周波数が、1.38kHzから44.1kHzへと変換され、音源部110から出力された音響信号と同様のサンプリング周波数に変換される。
アップサンプリング部207は、合成部206より入力された信号に対して、アップサンプル数に対応する零を挿入した後、ダウンサンプリング部と同様の低域通過フィルタを用いて、折り返し成分の除去を行う。例えば、アップサンプル数が32の場合は、サンプリング周波数が、1.38kHzから44.1kHzへと変換され、音源部110から出力された音響信号と同様のサンプリング周波数に変換される。
図8(a)は、第2パワーアンプ150に入力された音響信号(アップサンプリング部207でアップサンプリング処理された音響信号)の信号レベル変化を示し、図8(b)は、同じ音響信号の周波数特性を示している。また、図8(c)は、シート170の表面近傍位置においてマイクロフォン310で集音された信号音の信号レベル変化を示し、図8(d)は、集音された信号音の周波数特性を示している。なお、図8(a)〜(d)に示した「制御なし」の信号は、周波数変換部205で周波数変換処理を行うことなく、低域信号をそのまま第2パワーアンプ150へ出力した場合の信号を示し、「制御あり」の信号は、28Hzの共振周波数を用いて周波数変換部205で周波数変換処理を行った場合の信号を示している。
図8(a)(b)に示すように、第2パワーアンプ150へ入力される音響信号の信号レベルは、制御ありの場合も制御なしの場合も、ほぼ同一の信号レベルとなっている。しかしながら、サブウーハー160より出力された後にシート170の表面近傍で集音された信号音の信号レベル(図8(c)(d))を比べると、制御ありに比べて制御なしの方が、20dB以上もレベルが小さいことを確認することができる。つまり、シート170の表面の振動状態を比較すると、共振周波数を用いて周波数変換処理された信号の振動レベルの方が、20dB以上も大きいと判断することができる。
従って、制御なしの状態と制御ありの状態とを比較して、それぞれ同一の振動状態をシート170に着座した聴取者に体感させるためには、制御なしの場合には制御ありの場合よりも20dB以上も大きな信号レベルで信号出力を行う必要が生じる。同様の観点から、聴取者に同一の振動状態を体感させる場合、制御ありの場合には、制御なしの場合に比べて、小さな信号レベルの信号出力を行えば十分に振動を体感させることができるので、第2パワーアンプ150の小出力化と大幅な省電力化を実現することが可能となる。
図9(a)〜(d)は、図8(a)〜(d)と同様に、第2パワーアンプ150に入力された音響信号の信号レベル変化(図9(a))および周波数特性(図9(b))と、マイクロフォン310で集音された信号音の信号レベル変化(図9(c))および周波数特性(図9(d))を示している。ただし、図9(a)〜(d)に示す制御ありの信号では、28Hzだけでなく56Hzの共振周波数も用いて周波数変換処理を行う点で、図8(a)〜(d)と異なっている。また、図9(a)(b)は、図8(a)(b)に対して、28Hzと56Hzとの信号レベルを6dBだけ低減させている。この低減処理は2つの共振周波数を用いて周波数変換を行った後に、合成部206で合成処理を行うと、合成時に1つの共振周波数だけで周波数変換を行った場合に比べて、信号レベルが増大してしまうことを考慮したものである。
図9(c)(d)に示すように、2つの共振周波数を用いて周波数変換処理を行った音響信号を用いて、シート170の表面近傍の振動状態を検出した場合、制御なしの信号レベルに比べて制御ありの信号レベルの方が、17dB以上の信号レベルが高く検出されている。このため、複数の共振周波数を用いて周波数変換を行った場合においても、聴取者に同一の振動状態を体感させるためには、制御ありでは制御なしに比べて、小さな信号レベルの信号出力で十分に振動を体感させることができ、第2パワーアンプ150の小出力化と大幅な省電力化を実現することが可能になる。
このように、サブウーハー160の共振周波数を予め検出し、検出された共振周波数を用いてサブウーハー160より出力される音響信号の周波数変換処理を行うことにより、共振周波数における音響信号の共振を利用して、より増大された低域の振動を聴取者に体感させることが可能となる。このため、共振周波数による周波数変換処理を行わない場合に比べて、信号出力の小出力化と大幅な省電力化を実現することが可能となる。
一方で、音源部110より出力される音響信号として音楽等を用いる場合には、周波数特性がさまざまに変化する傾向がある。例えば、図7に示したように、インパルス応答により周波数特性を求める場合には、信号レベルの高い周波数を共振周波数として求めることができる。しかしながら、音楽等がサブウーハー160より出力される場合には、周波数特性が大きく変化するので、共振周波数以外の周波数の信号レベルがピークとして出力されたり、ディップが発生して信号レベルが変化したりする。
このため、共振周波数に基づく周波数変換処理を行わない場合には、音源部110から出力される音楽(音楽信号)の特性に依存してサブウーハー160より出力される振動レベルが大きく変化する傾向がある。従って、ヘッドレスト部171に設けられるフルレンジスピーカ(第1スピーカ140Lおよび第2スピーカ140R)から再生される低域の音量と、サブウーハー160から出力される低域の振動量とが対応しなくなり、聴取する音と体感する振動とに聴取者が違和感を生じるおそれがあった。
このような聴取する音と体感する振動との違和感を解消するためには、サブウーハー160における共振周波数を用いて低域の音響信号に対して周波数変換処理を行って、振動の制御を行うことにより、音源から出力される音楽信号の周波数特性変化に依存せず、信号の振動特性に応じた振動を、聴取者に体感させることが可能となる。このため、共振周波数を用いた周波数変換処理により低域信号の制御を行うことによって、フルレンジスピーカから再生される音量に対応した振動(振動量)を聴取者に体感させることが可能になる。
[信号レベルの抑圧処理(ダイナミックレンジ圧縮処理)]
以上説明したように、共振周波数に基づいて周波数変換処理を行うことにより、サブウーハー160において大きなレベルの信号を再生することが可能となるが、サブウーハー160の再生能力を超えるレベルの信号が、サブウーハー160から出力された場合には、信号がクリップされて歪みが発生するおそれがあり、信号レベルが再生能力の上限以上になってしまう場合には、ボイスコイルの焼損を招くおそれもある。このように、サブウーハー160の再生能力を超えた信号レベルで信号の再生がなされないようにするため、信号レベルに応じてダイナミックレンジを圧縮する処理を第2音響処理部に付加する場合について説明する。
以上説明したように、共振周波数に基づいて周波数変換処理を行うことにより、サブウーハー160において大きなレベルの信号を再生することが可能となるが、サブウーハー160の再生能力を超えるレベルの信号が、サブウーハー160から出力された場合には、信号がクリップされて歪みが発生するおそれがあり、信号レベルが再生能力の上限以上になってしまう場合には、ボイスコイルの焼損を招くおそれもある。このように、サブウーハー160の再生能力を超えた信号レベルで信号の再生がなされないようにするため、信号レベルに応じてダイナミックレンジを圧縮する処理を第2音響処理部に付加する場合について説明する。
図10は、図3に示した第2音響処理部200の構成に対して、包絡線検波部204と周波数変換部205との間に、周波数変換部205の設置個数nに対応するn個のダイナミックレンジ圧縮部(ダイナミックレンジ圧縮手段)208(以下、1つ目のダイナミックレンジ圧縮部208を第1ダイナミックレンジ圧縮部208−1、2つ目のダイナミックレンジ圧縮部208を第2ダイナミックレンジ圧縮部208−2、・・・、n個目のダイナミックレンジ圧縮部208を第nダイナミックレンジ圧縮部208−nとする)が設置された第2音響処理部200aの概略構成を示したブロック図である。図10に示す、モノラル部201と、ダウンサンプリング部202と、音量調節部203と、包絡線検波部204と、周波数変換部205と、合成部206と、アップサンプリング部207とは、図3を用いて既に説明したものと同じものであり、図10においても同一の符号を附すと共に、ここでの説明は省略する。
包絡線検波部204より出力された音響信号は、第1ダイナミックレンジ圧縮部208−1から第nダイナミックレンジ圧縮部208−nまでのそれぞれに入力される。ダイナミックレンジ圧縮部208は、レベル変換部209(以下、n番目のダイナミックレンジ圧縮部208−nに対応するレベル変換部を、第nレベル変換部209−nとする。)と乗算部210(n個のダイナミックレンジ圧縮部208に設けられる乗算部210は、全て同じ構成となっており、図10に示すように、ダイナミックレンジ圧縮部208毎に1つずつ設けられている。)とを有している。
各レベル変換部209−1〜209−nは、それぞれのレベル変換部209−1〜209−nに対応する周波数変換部205−1〜205−nの共振周波数に対して、ルックアップテーブルを用いたレベル変換を行う役割を有している。乗算部210は、レベル変換部209においてレベル変換された信号を、包絡線検波部204より出力された音響信号に乗算処理することにより、出力される音響信号の信号レベル調整(低減・圧縮)を行う。このように、レベル変換部209(209−1〜209−n)を設けて共振周波数に対して信号レベル調整(低減・圧縮)を行うことにより、サブウーハー160の再生能力を超えるような音響信号の信号レベルを予め抑圧することができるので、出力音の歪みやサブウーハー160の焼損等を防止することが可能となる。
レベル変換部209のルックアップテーブルは、各共振周波数におけるサブウーハー160の再生能力に基づいて決定される。再生能力の上限となる信号レベルは、図1に示した歪率測定部330を用いて、共振周波数と同じ周波数からなる正弦波の信号レベルを可変しながら第2パワーアンプ150へと出力し、第2パワーアンプ150を介してサブウーハー160より出力された低域音を、マイクロフォン310を介して歪率測定部330で検出することにより測定される歪率に基づいて判断される。
図11は、歪率等の測定結果の一例を示したグラフである。図11では、サブウーハー160の共振周波数の1つである56Hzの正弦波を用いて、信号レベルを−18dBから0dBまで可変して第2パワーアンプ150へと出力した場合の測定結果を示している。図11の横軸の信号レベルが、−18dBから0dBまでの範囲となっているのは、信号レベルの可変範囲に対応した値となっているためである。また、図11には、マイクロフォン310を介して歪率測定部330で測定された低域音に基づいて、全帯域の信号成分の信号レベル(図11の全成分の値)と、共振周波数である56Hzの信号成分の信号レベル(図11の1次成分の値)とが示されており、さらに、全帯域の信号成分(全成分)から56Hzの信号成分(1次成分)を抽出した後の信号成分が歪成分として示されている。さらに、図11には、1次成分から歪成分を減算して(なお、デシベル値での減算はリニアでは割り算に該当する)求められる歪率が示されている。
図12(a)(b)は、入力される音響信号の振幅状態(上段図)と、1次成分と歪成分とを含む全帯域の信号成分の周波数特性(下段図)とを示した図である。より詳細に、図12(a)は、入力される音響信号の信号レベルが小さい場合における、信号レベルの振幅状態((a)の上段図)と全帯域の信号成分の周波数特性((a)の下段図)とを示し、図12(b)は、入力される音響信号の信号レベルが大きい場合における、信号レベルの振幅状態((b)の上段図)と全帯域の信号成分の周波数特性((b)の下段図)とを示している。
歪成分は、図12(a)(b)の下段図に示すように、1次成分のピークを示す56Hzよりも高い周波数帯域の信号成分であって、信号レベルが大きく変動する範囲の信号成分が該当する。つまり、図12(a)(b)の下段図に示すように、全帯域の信号成分(全成分)から56Hzの信号成分(1次成分)を抽出した部分以外の成分が歪成分としてとして抽出される。
例えば、歪率が−10dBとなる信号レベルを、サブウーハー160の再生能力と定義すると、図11に示す縦軸の歪率[dB]が−10dBとなる場合の横軸の再生能力の信号レベルは、−11.5dBとなる。共振周波数が56Hzとなる信号レベルのレベル変換を行う第1レベル変換部209−1では、この−11.5dBが上限の信号レベルになるように、ルックアップテーブルの設定が行われる。
図13は、第1レベル変換部209−1で設定されるルックアップテーブルに基づいて第1ダイナミックレンジ圧縮部208−1で抑圧される信号レベルの変換特性を示した図である。図13に示すように、入力信号が−13.5dBまでの間は、入力信号の信号レベルがそのまま出力信号の信号レベルとなり、信号の抑圧処理は行われない。
しかしながら、入力信号が−13.5dBを過ぎると、信号の抑圧処理が開始され、入力信号が0dB(フルスケール)になると、出力信号の信号レベルが、上述した図11の歪率の関係から求められる再生能力の信号レベルである−11.5dBとなるように抑圧が行われる。このようにして、歪率に基づいて定義されるサブウーハー160の再生能力に基づいてルックアップテーブルが設定されて、それぞれのダイナミックレンジ圧縮部208における信号レベルの抑圧処理(ダイナミックレンジ圧縮処理)が行われることにより、サブウーハー160より出力される低域音の信号レベルが、サブウーハー160の再生能力の上限よりも大きくなってしまうことを抑制することができる。このため、サブウーハー160より出力される低域音に対する歪みの発生を抑えることができ、焼損を防ぐことが可能となる。
図14は、音源部110より出力される音響信号の信号レベル(音量)が大きい場合に、ダイナミックレンジ圧縮部208で圧縮処理が行われた場合(図14の抑圧あり)と行われなかった場合(図14の抑圧なし)の信号レベル変化を、第2パワーアンプ150に入力される音響信号の信号レベルの値に基づいて示した図である。具体的に、図14は、図8(a)に示した制御ありの信号レベルに対して音量を11dB増加させることにより信号レベルを大きくした場合を示している
図14に示すように、抑圧なしの場合には、信号レベルがダイナミックレンジ圧縮部208において抑圧(制限)されないため、第2パワーアンプ150へ入力される音響信号の信号レベルは、サブウーハー160の再生能力の上限である−11.5dBよりも高い値になっている。しかしながら、抑圧ありの場合には、信号レベルがダイナミックレンジ圧縮部208において抑圧(制限)されるため、第2パワーアンプ150へ入力される音響信号の信号レベルは、サブウーハー160の再生能力の上限である−11.5dB以内に抑えられている。このため、サブウーハー160より出力される低域音もサブウーハー160の再生能力の範囲内(上限以下)に抑えられることになり、出力音に歪みが発生したり、サブウーハー160に焼損が生じたりすることを効果的に防ぐことが可能となる。
以上、説明したように、本実施の形態に係るシートオーディオシステム100を用いることにより、サブウーハー160より出力される低域音に対して、サブウーハー160の共振周波数に基づく周波数変換処理を施して、低域音の振動を効果的に増大させることが可能となる。このため、第2パワーアンプ150における小出力化と大幅な省電力化を実現させることが容易となる。
さらに、本実施の形態に係るシートオーディオシステム100では、共振周波数毎の信号成分(1次成分)に基づいて歪率の変化を求め、サブウーハー160の再生能力の上限として設定されるサブウーハー160の歪率に基づいて、再生能力の上限となる信号レベルを決定することにより、レベル変換部209のルックアップテーブルを設定することも可能である。このようにして設定されたレベル変換部209のルックアップテーブルを用いて、ダイナミックレンジ圧縮部208より出力される音響信号の信号レベル抑圧を行うことにより、共振周波数による周波数変換によってサブウーハー160より出力される低域音がサブウーハー160の再生能力を超えて出力されてしまうことを防止することができる。このため、サブウーハー160より出力される出力音(低域音)に歪みが発生したり、サブウーハー160に焼損が生じたりすることを効果的に防ぐことが可能となる。
さらに、本実施の形態に係るシートオーディオシステム100を用いることにより、出力音を振動として聴取者に体感させることができるので、例えば、警報システムに連動する警告音等を、音源部110の音響信号として入力させることにより、警告を警告音により聴覚的に聴取するだけでなく、振動として体感することが可能となる。このため、より効果的に聴取者に警告を知らせることが可能となり、音響信号をより効果的に振動として聴取者へ報知することが可能になる。
また、本実施の形態に係るシートオーディオシステム100では、サブウーハー160がシート170の背もたれ部172に設置されている。サブウーハー160をシート170に設けることにより、シート170に着座した聴取者の背中がシート170の背もたれ部172に常に接することとなり、確実に振動を聴取者に伝達することが可能となる。さらに、シート170に着座した聴取者は、背もたれ部172等により、より広い面(振動伝達面)で振動を体感することが可能となるので、より確実に振動を体感することが可能になる。
以上、本発明に係る振動音響装置について、シートオーディオシステム100を一例として用いて説明を行ったが、本発明に係る振動音響装置は、実施の形態に示したものに限定されるものではない。
例えば、シートオーディオシステム100では、サブウーハー160がシート170の背もたれ部172に設置される場合を一例として用いた。しかしながら、サブウーハー160の設置箇所は、低域音を振動として聴取者に体感させることができるものであれば、シート170の背もたれ部172に限定されるものではない。例えば、シート170の座部173やヘッドレスト部171等にサブウーハー160を設置することも可能である。また、聴取者が低域音を振動として体感することができれば十分であるため、例えば、車両のハンドルや肘置き部や床面のマットなど、聴取者の体の一部等に接触する振動伝達可能な物体にサブウーハー160を設置することができれば、その設置位置、設置物体等は特に限定されない。
また、図13に示す例では、出力信号の抑圧処理により聴取者が信号レベル変化に違和感を生じないように、入力信号が−13.5dBから0dBに増加するに従って、出力信号の信号レベルの抑圧処理を緩やかに行う構成としたが、抑圧処理の信号レベルはこの範囲に限定されるものではない。従って、抑圧処理を開始する入力信号の信号レベルは、−13.5dBには限定されず、他の信号レベルの値から抑圧処理を開始してもよい。抑圧処理の処理状況をより適切に設定することにより、抑圧処理による出力音の振動の違和感を緩和させることも可能となる。
100 …シートオーディオシステム(振動音響装置)
110 …音源部(音源)
120 …第1音響処理部
130 …第1パワーアンプ
140L …第1スピーカ
140R …第2スピーカ
150 …第2パワーアンプ
160 …サブウーハー(低域出力スピーカ)
170 …シート(振動伝達部材、椅子)
171 …ヘッドレスト部
172 …背もたれ部(振動伝達部材)
173 …座部
200,200a …第2音響処理部
201 …モノラル部
202 …ダウンサンプリング部
203 …音量調節部
204 …包絡線検波部(包絡線検出手段)
205,205−1,・・・,205−n …周波数変換部(周波数変換手段)
206 …合成部
207 …アップサンプリング部
208,208−1,・・・,208−n …ダイナミックレンジ圧縮部(ダイナミックレンジ圧縮手段)
209,209−1,・・・,209−n …レベル変換部
210 …乗算部
310 …マイクロフォン
320 …インパルス応答測定部
330 …歪率測定部(歪率測定手段)
110 …音源部(音源)
120 …第1音響処理部
130 …第1パワーアンプ
140L …第1スピーカ
140R …第2スピーカ
150 …第2パワーアンプ
160 …サブウーハー(低域出力スピーカ)
170 …シート(振動伝達部材、椅子)
171 …ヘッドレスト部
172 …背もたれ部(振動伝達部材)
173 …座部
200,200a …第2音響処理部
201 …モノラル部
202 …ダウンサンプリング部
203 …音量調節部
204 …包絡線検波部(包絡線検出手段)
205,205−1,・・・,205−n …周波数変換部(周波数変換手段)
206 …合成部
207 …アップサンプリング部
208,208−1,・・・,208−n …ダイナミックレンジ圧縮部(ダイナミックレンジ圧縮手段)
209,209−1,・・・,209−n …レベル変換部
210 …乗算部
310 …マイクロフォン
320 …インパルス応答測定部
330 …歪率測定部(歪率測定手段)
Claims (9)
- 音源より出力された音響信号の振幅の絶対値を求めた後に積分処理を行うことにより包絡線信号を検出する包絡線検出手段と、
前記音響信号を出力するための低域出力スピーカが設けられて、該低域出力スピーカから出力された低域音の振動を聴取者に体感させることが可能な振動伝達部材と、
該振動伝達部材に設けられた前記低域出力スピーカのインパルス応答により求められた共振周波数と同じ周波数からなる正弦波を、前記包絡線信号に乗算することにより、共振周波数に基づく周波数変換処理が行われた音響信号を生成する周波数変換手段と
を有し、
前記周波数変換手段において前記周波数変換処理の行われた前記音響信号が、前記低域出力スピーカより出力されること
を特徴とする振動音響装置。 - 前記共振周波数と同じ周波数からなる正弦波の信号レベルを可変させつつ前記低域出力スピーカより当該正弦波を出力させることによって集音された低域音に基づいて、該低域音における全帯域の信号成分から共振周波数の信号成分を抽出して歪成分を求め、該歪成分に対する共振周波数の信号成分の割合を可変される前記信号レベルに応じて算出することによって、前記低域出力スピーカにおける歪率を測定する歪率測定手段と、
前記低域出力スピーカより出力される低域音の信号レベルが当該低域出力スピーカで再生可能な信号レベルの上限以下になるように、前記歪率測定手段により測定された歪率に基づいて、前記包絡線信号の信号レベルを前記共振周波数毎に抑圧するダイナミックレンジ圧縮手段と
を有し、
前記周波数変換手段は、前記ダイナミックレンジ圧縮手段により信号レベルが抑圧された前記包絡線信号に対して前記周波数変換処理を行うこと
を特徴とする請求項1に記載の振動音響装置。 - 前記振動伝達部材は、前記聴取者が着座する椅子であること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動音響装置。 - 音源より出力された音響信号の振幅の絶対値を求めた後に積分処理を行うことにより、包絡線検出手段が包絡線信号を検出する包絡線検出ステップと、
低域音の振動を聴取者に体感させることが可能な振動伝達部材に設けられた低域出力スピーカのインパルス応答により求められた共振周波数と同じ周波数からなる正弦波を、前記包絡線信号に乗算することにより、周波数変換手段が、共振周波数に基づく周波数変換処理が行われた音響信号を生成する周波数変換ステップと、
前記低域出力スピーカが、前記周波数変換ステップにおいて前記周波数変換処理の行われた前記音響信号を出力する音響信号出力ステップと、
を有することを特徴とする振動音響出力方法。 - 前記共振周波数と同じ周波数からなる正弦波の信号レベルを可変させつつ前記低域出力スピーカより当該正弦波を出力させることによって集音された低域音に基づいて、前記低域音における全帯域の信号成分から共振周波数の信号成分を抽出して歪成分を求め、該歪成分に対する共振周波数の信号成分の割合を可変される前記信号レベルに応じて算出することによって、歪率測定手段が、前記低域出力スピーカにおける歪率を測定する歪率測定ステップと、
前記低域出力スピーカより出力される低域音の信号レベルが当該低域出力スピーカで再生可能な信号レベルの上限以下になるように、前記歪率測定ステップにおいて測定された歪率に基づいて、ダイナミックレンジ圧縮手段が、前記包絡線信号の信号レベルを前記共振周波数毎に抑圧するダイナミックレンジ圧縮ステップと
を有し、
前記周波数変換ステップにおいて、前記ダイナミックレンジ圧縮ステップにおいて信号レベルが抑圧された前記包絡線信号に対して、前記周波数変換手段が前記周波数変換処理を行うこと
を特徴とする請求項4に記載の振動音響出力方法。 - 前記振動伝達部材は、前記聴取者が着座する椅子であること
を特徴とする請求項4または請求項5に記載の振動音響出力方法。 - 振動伝達部材に設けられた低域出力スピーカより低域音を出力させることにより、当該振動伝達部材を介して聴取者に前記低域音の振動を体感させるための振動音響装置用の振動音響プログラムであって、
音源より出力された音響信号の振幅の絶対値を求めた後に積分処理を行うことにより、包絡線検出手段に包絡線信号を検出させる包絡線検出機能と、
前記低域出力スピーカのインパルス応答により求められた共振周波数と同じ周波数からなる正弦波を、前記包絡線信号に乗算させることにより、周波数変換手段に、共振周波数に基づく周波数変換処理が行われた音響信号を生成させる周波数変換機能と、
前記低域出力スピーカに、前記周波数変換機能において前記周波数変換処理の行われた前記音響信号を出力させる音響信号出力機能と
を実現させるための振動音響装置用の振動音響プログラム。 - 前記共振周波数と同じ周波数からなる正弦波の信号レベルを可変させつつ前記低域出力スピーカより当該正弦波を出力させることによって集音された低域音に基づいて、前記低域音における全帯域の信号成分から共振周波数の信号成分を抽出して歪成分を求めさせ、該歪成分に対する共振周波数の信号成分の割合を可変される前記信号レベルに応じて算出させることによって、歪率測定手段に、前記低域出力スピーカにおける歪率を測定させる歪率測定機能と、
前記低域出力スピーカより出力される低域音の信号レベルが当該低域出力スピーカで再生可能な信号レベルの上限以下になるように、前記歪率測定機能において測定された歪率に基づいて、ダイナミックレンジ圧縮手段に、前記包絡線信号の信号レベルを前記共振周波数毎に抑圧させるダイナミックレンジ圧縮機能とを有し、
前記周波数変換機能において、前記ダイナミックレンジ圧縮機能によって信号レベルが抑圧された前記包絡線信号に対して、前記周波数変換手段に前記周波数変換処理を行わせること
を特徴とする請求項7に記載の振動音響装置用の振動音響プログラム。 - 前記振動伝達部材は、前記聴取者が着座する椅子であること
を特徴とする請求項7または請求項8に記載の振動音響装置用の振動音響プログラム。
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