JP2017094560A - 積層基板および積層基板の製造方法 - Google Patents

積層基板および積層基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】質感に優れた積層基板および積層基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】積層基板1は、ポリカーボネート系樹脂を主成分とする樹脂材料で構成された樹脂層2と、樹脂層2の上面21側に設けられ、多数本のガラス繊維31の集合体で構成されたガラス繊維層3とを備える。また、樹脂層2とガラス繊維層3とは、互いに厚さ方向に重なり合う重なり部4を有し、重なり部4の厚さをTとし、ガラス繊維層3の重なり部を除く残りの部分の厚さをT34としたとき、T<T34を満たす。
【選択図】図2

Description

本発明は、積層基板および積層基板の製造方法に関する。
例えば照明機器の照明用カバーとして、多層樹脂シートが用いられていることが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の多層樹脂シートは、シリコーン樹脂を含有したガラスクロスシートと、ポリカーボネート樹脂シートとを積層したものであり、光の透過率が20%以上、65%以下となっている。
このように多層樹脂シートでは、光の透過率が適度な数値範囲となっているが、近年では、多層樹脂シートの見た目の質感を向上させたいという要望があった。
特開2015−110331号公報
本発明の目的は、質感に優れた積層基板および積層基板の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(9)の本発明により達成される。
(1) ポリカーボネート系樹脂を主成分とする樹脂材料で構成された樹脂層と、
前記樹脂層の一方の面側に設けられ、多数本のガラス繊維の集合体で構成されたガラス繊維層とを備え、
前記樹脂層と前記ガラス繊維層とは、互いに厚さ方向に重なり合う重なり部を有し、
前記重なり部の厚さをt1とし、前記ガラス繊維層の前記重なり部を除く残りの部分の厚さをt2としたとき、t1<t2を満たすことを特徴とする積層基板。
(2) ポリカーボネート系樹脂を主成分とする樹脂材料で構成された樹脂層と、
前記樹脂層の一方の面側に設けられ、多数本のガラス繊維の集合体で構成されたガラス繊維層とを備え、
前記樹脂層と前記ガラス繊維層とは、互いに厚さ方向に重なり合う重なり部を有し、
前記重なり部の厚さをt1とし、前記ガラス繊維層の前記重なり部を除く残りの部分の厚さをt2としたとき、t1≧t2を満たすことを特徴とする積層基板。
(3) 前記ガラス繊維層側を表側、前記樹脂層側を裏側として用いられる上記(1)または(2)に記載の積層基板。
(4) 前記全ガラス繊維の平均外径をφdとしたとき、該平均外径φdは、前記ガラス繊維層の全厚である前記厚さt1と前記厚さt2との和の2%以上、20%以下である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の積層基板。
(5) 前記樹脂層の全厚をt3としたとき、t3≦0.3mmを満たす上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の積層基板。
(6) 当該積層基板を燃焼させた際に生じる発熱量は、8MJ/m以下である上記(5)に記載の積層基板。
(7) 前記集合体は、前記ガラス繊維を複数本束ねてなる第1ガラス繊維束と、前記第1ガラス繊維束と交差し、前記ガラス繊維を複数本束ねてなる第2ガラス繊維束とを有し、複数の前記第1ガラス繊維束と複数の前記第2ガラス繊維束とを織り込んでなるガラス織布である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の積層基板。
(8) 建築材料として用いられる上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の積層基板。
(9) ポリカーボネート系樹脂を主成分とする樹脂材料で構成された樹脂層と、該樹脂層の一方の面側に設けられ、多数本のガラス繊維の集合体で構成されたガラス繊維層とを備える積層基板を製造する方法であって、
前記樹脂層となる樹脂基板の一方の面に前記集合体を重ね合わせた重ね合わせ状態とする重ね合わせ工程と、
前記重ね合わせ状態で、前記ポリカーボネート系樹脂の軟化点以上で加熱して前記樹脂基板と前記集合体とを圧着する熱圧着工程とを有することを特徴とする積層基板の製造方法。
本発明によれば、質感に優れた積層基板を提供することができ、また、このような積層基板を製造することができる。
図1は、本発明の積層基板の第1実施形態を示す平面図である。 図2は、図1中のA−A線断面図である。 図3は、図1に示す積層基板を製造する過程を順に示す断面図である。 図4は、図1に示す積層基板を製造する過程を順に示す断面図である。 図5は、図1に示す積層基板を製造する過程を順に示す断面図である。 図6は、本発明の積層基板の第2実施形態を示す断面図である。 図7は、本発明の積層基板の第3実施形態を示す断面図である。 図8は、図1に示す積層基板の使用状態の一例を示す斜視図である。 図9は、図1に示す積層基板の使用状態の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の積層基板および積層基板の製造方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の積層基板の第1実施形態を示す平面図である。図2は、図1中のA−A線断面図である。図3〜図5は、それぞれ、図1に示す積層基板を製造する過程を順に示す断面図である。図8および図9は、それぞれ、図1に示す積層基板の使用状態の一例を示す斜視図である。なお、以下では、説明の都合上、図2〜図5中(図6および図7についても同様)の上側を「上(上方)」または「表側」、下側を「下(下方)」または「裏側」と言う。
図1、図2のように、積層基板1は、樹脂層2とガラス繊維層3とを備え、樹脂層2上にガラス繊維層3が積層された積層体である。これにより、積層基板1は、適度な剛性と適度な可撓性との相反する特性を持つものとなる。
また、図8、図9に示すように、この積層基板1は、屋内(部屋)20の天井201に設置されている照明機器202を覆う膜天井(光天井)203として用いられる。「膜天井(光天井)」とは、天井201の面積の50%以上を占めると照明機器202の一部である「照明用カバー」としてではなく、天井201の一部として認定されたものである。そして、この場合、積層基板1は、後述する建築基準法に沿った条件のものでなければならない。なお、図8に示す使用例では、積層基板1は、平坦な状態で使用されており、図9に示す使用例では、積層基板1は、湾曲させた状態で使用されている。
樹脂層2は、ポリカーボネート系樹脂を主成分とする樹脂材料で構成された層である。樹脂層2でのポリカーボネート系樹脂の含有率としては、特に限定されず、例えば、80%以上が好ましく、90%以上、100%以下であるのがより好ましい。
ポリカーボネート系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ビスフェノールと、ホスゲンまたはジフェニルカーボネートとがカーボネート結合されている芳香族系ポリカーボネート樹脂を用いることができる。この芳香族系ポリカーボネート樹脂は、一般に、界面重縮合や、エステル交換反応などで合成される。
ビスフェノールとしては、ビスフェノールAや、式(1)に示すビスフェノール(変性ビスフェノール)等が挙げられる。
Figure 2017094560
(式中、Xは、炭素数1〜18のアルキル基、芳香族基、および環状脂肪族基から選ばれるものであり、Ra、Rbは、炭素数1〜12のアルキル基であり、m、nはそれぞれ0〜4である。)
式(1)に示すビスフェノールとしては、具体的には、例えば4,4’−(ペンタン−2,2−ジイル)ジフェノール、4,4’−(ペンタン−3,3−ジイル)ジフェノール、4,4’−(ブタン−2,2−ジイル)ジフェノール、1,1’−(シクロヘキサンジイル)ジフェノール、2−シクロヘキシル−1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、2,3−ビスシクロヘキシル−1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン等が挙げられる。
そして、ポリカーボネート系樹脂の中でも、ビスフェノール骨格を有するビスフェノール型ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。これにより、積層基板1(樹脂層2)は、透明性に優れたものとなり、よって、照明機器202からの照射光で屋内20を照らすことができる。
なお、樹脂層2の構成材料には、必要に応じて、例えば、可塑剤、酸化防止剤、フィラー等が添加されてもよい。そして、添加するものの種類によっては、例えば、照明機器202からの照射光や熱による劣化を抑制することができる。
樹脂層2は、厚さが一定のものであり、その厚さ(全厚)をT(t3)としたとき、0<T≦0.3mmを満たすのが好ましく、0<T≦0.2mmであるのがより好ましい。これにより、積層基板1を燃焼させた際に生じる発熱量を、ガラス繊維層3の大小に関わらず、8MJ/m以下に抑えることができる。
前述したように積層基板1を建築材料として用いる場合、積層基板1は、建築基準法上の不燃性、準不燃性または難燃性を有する必要がある。建築基準法では、不燃材料であることを満足するには、「燃焼時の総発熱量が8MJ/m以下となる」と規定されている。準不燃材料であることを満足するには、「最高発熱速度が10秒を超えて連続して200kW/mを超えることがないこと」と規定されている。また、難燃材料であることを満足するには、「裏面まで貫通する炎上有害な亀裂および穴がないこと」と規定されている。
図8、図9に示すように、積層基板1を建築材料である膜天井203に用いる場合は、当該積層基板1は、「不燃材料(建築不燃)」として認定される。そして、積層基板1は、前記のように発熱量が8MJ/m以下に抑えられたものとなっているため、建築基準法上の条件を満足している、すなわち、建築基準法に適合したものとなっている。これにより、積層基板1を膜天井203に好適に用いることができる。
図2に示すように、樹脂層2の上面(一方の面)21側、すなわち、表側には、ガラス繊維層3が設けられている。ガラス繊維層3は、多数本のガラス繊維31を集合させた集合体で構成されている。そして、その集合態様としては、特に限定されず、例えば、多数本のガラス繊維31を単に束ねたものの他、織布のものや不織布のもの等の布帛が挙げられ、これらのうち、織布が好ましい。図1に示す構成では、ガラス繊維層3は、互いに直交した縦方向ガラスヤーン(経糸)32と横方向ガラスヤーン(緯糸)33とで構成された平織りのガラス織布3’となっている。なお、ガラス繊維層3の織組織としては、平織りの他、ななこ織り、朱子織り、綾織り等であってもよい。
なお、ガラス繊維層3の最大厚さ(全厚)Tとしては、特に限定されず、例えば、0.05mm以上、0.3mm以下であるのが好ましく、0.07mm以上、0.2mm以下であるのがより好ましい。
ガラス繊維31は、無機系ガラス材料で構成されている。この無機系ガラス材料としては、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Tガラス、Dガラス、NEガラス、クオーツ、低誘電率ガラス、高誘電率ガラス等が挙げられ、中でもアルカリ金属などのイオン性不純物が少なく入手の容易なEガラス、Sガラス、Tガラス、NEガラスが好ましく用いられ、特に30℃から250℃における平均線膨張係数が5ppm以下であるSガラスまたはTガラスがより好ましく用いられる。本実施形態では、縦方向ガラスヤーン32でのガラス繊維31の構成材料と、横方向ガラスヤーン33でのガラス繊維31の構成材料とは、同じとなっているが、これに限定されず、異なっていてもよい。
また、無機系ガラス材料の屈折率は、用いる樹脂材料の屈折率に応じて適宜設定されるものの、例えば、1.4〜1.6程度であるのが好ましく、1.5〜1.55程度であるのがより好ましい。これにより、照明機器202からの照射光が各ガラス繊維31で屈折して拡散され、よって、屋内20全体を過不足なく照らすことができる。本実施形態では、縦方向ガラスヤーン32でのガラス繊維31の屈折率と、横方向ガラスヤーン33でのガラス繊維31の屈折率とは、同じとなっているが、これに限定されず、異なっていてもよい。
ガラス繊維層3を構成する全ガラス繊維31の平均外径をφd31(φd)としたとき、平均外径φd31は、ガラス繊維層3の最大厚さTの2%以上、20%以下であるのが好ましく、3%以上、15%以下であるのがより好ましい。なお、平均外径φd31は、積層基板1の横断面を各種顕微鏡等で観察し、観察像から測定される100本分のガラス繊維31の直径の平均値として求められる。
本実施形態では、縦方向ガラスヤーン32でのガラス繊維31の直径と、横方向ガラスヤーン33でのガラス繊維31の直径とは、同じとなっている。
図1に示すように、縦方向ガラスヤーン32は、図中の上下方向に延在した複数のガラス繊維31を束ねてなる第1ガラス繊維束であり、横方向ガラスヤーン33は、図中の左右方向に延在した複数のガラス繊維31を束ねてなる第2ガラス繊維束である。縦方向ガラスヤーン32および横方向ガラスヤーン33のいずれも、1つのガラスヤーン当たり、ガラス繊維31が30〜300本程度含まれているのが好ましく、50〜250本程度含まれているのがより好ましい。本実施形態では、縦方向ガラスヤーン32中のガラス繊維31の本数と、横方向ガラスヤーン33中のガラス繊維31の本数とは、同じとなっているが、これに限定されず、異なっていてもよい。
また、ガラス繊維層3全体としてのガラス繊維31の配設密度としては、特に限定されず、例えば、80g/m以上、330g/m以下であるのが好ましく、95g/m以上、220g/m以下であるのがより好ましい。
そして、このような縦方向ガラスヤーン32が複数、図1中の左右方向に間隔をおいて配置され、隣接する縦方向ガラスヤーン32同士の間を縫うように、複数の横方向ガラスヤーン33が図1中の上下方向に間隔をおいて配置されている。これにより、積層基板1は、複数の縦方向ガラスヤーン32と複数の横方向ガラスヤーン33とを織り込んだ平織りのものとなる。これにより、積層基板1を例えば図9に示すように湾曲変形させて用いる場合、その変形を容易に行なうことができ、また、変形後の状態も維持され易くなる。
なお、このようなガラス繊維層3を構成する織布を製造する際には、例えば、縦方向ガラスヤーン32がMD方向(流れ方向)を向き、横方向ガラスヤーン33がTD方向(垂直方向)を向くようにして製造装置にセットされる。ここで、縦方向ガラスヤーン32と横方向ガラスヤーン33とを織り込む場合には、双方に等しい力が加わるわけではなく、糸送りの方向によって変わる。従って、織り込む際に加わる力の差が最終的な積層基板1の光透過性等に及ぼす影響を考慮し、縦方向ガラスヤーン32の本数と横方向ガラスヤーン33の本数を適宜異ならせるのが好ましい。
また、ガラス繊維層3には、あらかじめ開繊処理が施されているのが好ましい。開繊処理により、縦方向ガラスヤーン32や横方向ガラスヤーン33が拡幅され、その全体としての横断面が扁平状に成形される。また、いわゆるバスケットホールも小さくなる。その結果、積層基板1の薄型化が図れる。開繊処理としては、例えば、ウォータージェットを噴射する処理、エアージェットを噴射する処理、ニードルパンチングを施す処理等が挙げられる。
図2に示すように、樹脂層2とガラス繊維層3とは、互いに厚さ方向に重なり合う重なり部4を共有している。この重なり部4は、積層基板1を製造する過程で、ガラス繊維層3に樹脂層2の一部が含浸して形成された部分である。
そして、重なり部4の厚さをT(t1)とし、ガラス繊維層3の重なり部4を除く残りの部分、すなわち、樹脂層2からガラス繊維層3が露出した露出部34の厚さをT34(t2)としたとき、T<T34であるのが好ましい。特に、厚さT34は、厚さTの1.1倍以上、3.0倍以下であるのが好ましく、1.2倍以上、2.0倍以下であるのがより好ましい。このような大小関係により、樹脂層2の上面21が表側に露出する部分の面積よりも、ガラス繊維層3の露出部34の面積が上回る。従って、前記樹脂材料によって光沢を有する部分の面積よりも、前記ガラス材料で光沢が抑えられた部分の面積が上回ることとなる。これにより、積層基板1を表側から見たとき、当該積層基板1は、質感として、光沢が抑えられた、すなわち、艶が抑えられた状態であるマット感を有するものとなる。このマット感を有する積層基板1は、ガラス繊維層3側を表側(屋内20側)、樹脂層2側を裏側(天井201の裏側)として屋内20の雰囲気に合わせて用いることができる。
また、ガラス繊維層3の最大厚さT(=厚さT+厚さT34)と、当該ガラス繊維層3を構成する全ガラス繊維31の平均外径φd31とをそれぞれ前述した数値範囲にすることによる相乗効果で、積層基板1は、よりマット感に富み、質感が向上したものとなる。
また、樹脂層2とガラス繊維層3とは、重なり部4を介して接合された状態となっているため、互いの密着性が高い。これにより、積層基板1を湾曲変形させて用いた場合でも、樹脂層2とガラス繊維層3とが剥離してしまうのを防止することができる。
次に、積層基板1を製造する方法(積層基板の製造方法)について、図3〜図5を参照しつつ説明する。
本製造方法は、用意工程(図3参照)と、重ね合わせ工程(図4参照)と、熱圧着工程(図5参照)とを有している。
なお、熱圧着工程では、加圧加熱装置30を用いる。加圧加熱装置30は、接近離間可能に支持された上側プレート301と下側プレート302とを有している。上側プレート301には、通電により発熱するヒータ303が内蔵されている。下側プレート302にも、通電により発熱するヒータ304が内蔵されている。
[1] 用意工程
図3に示すように、樹脂層2となる樹脂基板2’と、ガラス繊維層3となるガラス織布3’とを1枚ずつ用意する。
[2] 重ね合わせ工程
図4に示すように、樹脂層2となる樹脂基板2’の上面21にガラス織布3’を載置して重ね合わせた重ね合わせ状態とする。このとき、ガラス織布3’に皺や折れ等が生じるのを防止するために、当該ガラス織布3’を面方向に均一に一旦引張るのが好ましい。
[3] 熱圧着工程
図5に示すように、重ね合わせ状態の樹脂基板2’とガラス織布3’とを加圧加熱装置30の上側プレート301と下側プレート302との間に配置して、そのままプレート同士を接近させる。また、この接近に伴って、ヒータ303とヒータ304を作動させて、重ね合わせ状態の樹脂基板2’とガラス織布3’とを一括して加熱する。このときの加熱温度は、ポリカーボネート系樹脂の軟化点以上である。例えば、樹脂基板2’がポリカーボネートで構成されている場合、当該ポリカーボネートの軟化点は、150℃である。この場合、加圧加熱装置30による加熱温度は、150℃以上、230℃以下であるのが好ましく、160℃以上、200℃以下であるのがより好ましい。このような加圧および加熱を厚さT34と厚さTとが前記大小関係を満足するまで行なう。これにより、樹脂基板2’とガラス織布3’とが圧着して、すなわち、樹脂基板2’の一部がガラス織布3’に含浸する。
その後、上側プレート301と下側プレート302と離間することにより、加圧加熱装置30から積層基板1を取り出すことができる。
以上のような工程を経ることにより、積層基板1が得られる。
また、熱圧着工程に先立って、上側プレート301と下側プレート302とを予め加熱しておくのが好ましい。
また、ガラス織布3’には、樹脂基板2’の含浸を促進して互いの密着性を向上させる目的で、プラズマ処理を施したり、カップリング剤を付与してもよい。カップリング剤としては、例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤等が挙げられるが、シラン系カップリング剤が特に好ましく用いられる。シランカップリング剤には、官能基としてエポキシ基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、アミド基等を含むものが好ましく用いられる。
<第2実施形態>
図6は、本発明の積層基板の第2実施形態を示す断面図である。
以下、この図を参照して本発明の積層基板および積層基板の製造方法の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、重なり部の厚さが異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図6に示すように、本実施形態では、重なり部4の厚さTと、ガラス繊維層3の露出部34の厚さT34とは、T≧T34なる関係を満たす。特に、厚さT34は、厚さTの0.0001倍以上、1倍以下であるのが好ましく、0.001倍以上、0.5倍以下であるのがより好ましい。このような大小関係により、樹脂層2の上面21が表側に露出する部分の面積が、ガラス繊維層3の露出部34の面積を上回る。従って、前記樹脂材料によって光沢を有する部分の面積が、前記ガラス材料で光沢が抑えられた部分の面積を上回ることとなる。これにより、積層基板1を表側から見たとき、当該積層基板1は、質感として、光沢感を有するものとなる。この光沢感を有する積層基板1は、ガラス繊維層3側を表側、樹脂層2側を裏側として屋内20の雰囲気に合わせて用いることができる。
<第3実施形態>
図7は、本発明の積層基板の第3実施形態を示す断面図である。
以下、この図を参照して本発明の積層基板および積層基板の製造方法の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、コート層をさらに備えること以外は前記第1実施形態と同様である。
図7に示すように、本実施形態では、積層基板1は、コート層5をさらに備えている。コート層5は、光透過性(透明性)を有し、樹脂層2の上面21をガラス繊維層3の露出部34ごと覆っている。これにより、露出部34を保護することができる。また、積層基板1を表側から見たとき、当該積層基板1は、コート層5によりマット感が抑えられ、代わって、光沢感を有するものとなる。
また、コート層5は、露出部34によるアンカー効果により、剥離が確実に防止されている。
コート層5の構成材料としては、無機材料を用いることができ、例えばSi、Al、Ca、Na、B、Ti、Pb、Nb、Mg、P、Ba、Ge、Li、K、Zr等からなる群から選択される少なくとも1種の酸化物または2種以上の混合物の酸化物、フッ化物、窒化物あるいは酸窒化物等が挙げられる。
また、コート層5には、光拡散剤としての多数のビーズ51が分散している。これにより、照明機器202からの照射光は、各ガラス繊維31での屈折と相まって、さらに広範囲に拡散され、よって、屋内20全体を過不足なく照らすことができる。
ビーズ51の構成材料としては、特に限定されず、例えば、酸化チタン等が挙げられる。
以上、本発明の積層基板および積層基板の製造方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、積層基板を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の積層基板および積層基板の製造方法は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、積層基板は、前記各実施形態では膜天井として用いられているが、これに限定されず、例えば、垂れ壁やパーテーション等としても用いることができる。
1 積層基板
2 樹脂層
2’ 樹脂基板
21 上面(一方の面)
3 ガラス繊維層
3’ ガラス織布
31 ガラス繊維
32 縦方向ガラスヤーン(経糸)
33 横方向ガラスヤーン(緯糸)
34 露出部
4 重なり部
5 コート層
51 ビーズ
20 屋内(部屋)
201 天井
202 照明機器
203 膜天井(光天井)
30 加圧加熱装置
301 上側プレート
302 下側プレート
303 ヒータ
304 ヒータ
φd31 平均外径
厚さ(全厚)
最大厚さ(全厚)
34 厚さ
厚さ

Claims (9)

  1. ポリカーボネート系樹脂を主成分とする樹脂材料で構成された樹脂層と、
    前記樹脂層の一方の面側に設けられ、多数本のガラス繊維の集合体で構成されたガラス繊維層とを備え、
    前記樹脂層と前記ガラス繊維層とは、互いに厚さ方向に重なり合う重なり部を有し、
    前記重なり部の厚さをt1とし、前記ガラス繊維層の前記重なり部を除く残りの部分の厚さをt2としたとき、t1<t2を満たすことを特徴とする積層基板。
  2. ポリカーボネート系樹脂を主成分とする樹脂材料で構成された樹脂層と、
    前記樹脂層の一方の面側に設けられ、多数本のガラス繊維の集合体で構成されたガラス繊維層とを備え、
    前記樹脂層と前記ガラス繊維層とは、互いに厚さ方向に重なり合う重なり部を有し、
    前記重なり部の厚さをt1とし、前記ガラス繊維層の前記重なり部を除く残りの部分の厚さをt2としたとき、t1≧t2を満たすことを特徴とする積層基板。
  3. 前記ガラス繊維層側を表側、前記樹脂層側を裏側として用いられる請求項1または2に記載の積層基板。
  4. 前記全ガラス繊維の平均外径をφdとしたとき、該平均外径φdは、前記ガラス繊維層の全厚である前記厚さt1と前記厚さt2との和の2%以上、20%以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の積層基板。
  5. 前記樹脂層の全厚をt3としたとき、t3≦0.3mmを満たす請求項1ないし4のいずれか1項に記載の積層基板。
  6. 当該積層基板を燃焼させた際に生じる発熱量は、8MJ/m以下である請求項5に記載の積層基板。
  7. 前記集合体は、前記ガラス繊維を複数本束ねてなる第1ガラス繊維束と、前記第1ガラス繊維束と交差し、前記ガラス繊維を複数本束ねてなる第2ガラス繊維束とを有し、複数の前記第1ガラス繊維束と複数の前記第2ガラス繊維束とを織り込んでなるガラス織布である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の積層基板。
  8. 建築材料として用いられる請求項1ないし7のいずれか1項に記載の積層基板。
  9. ポリカーボネート系樹脂を主成分とする樹脂材料で構成された樹脂層と、該樹脂層の一方の面側に設けられ、多数本のガラス繊維の集合体で構成されたガラス繊維層とを備える積層基板を製造する方法であって、
    前記樹脂層となる樹脂基板の一方の面に前記集合体を重ね合わせた重ね合わせ状態とする重ね合わせ工程と、
    前記重ね合わせ状態で、前記ポリカーボネート系樹脂の軟化点以上で加熱して前記樹脂基板と前記集合体とを圧着する熱圧着工程とを有することを特徴とする積層基板の製造方法。
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