JP2017094511A - タイヤ製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加硫工程中に発生するドレインによる温度差の発生を減じて、加硫バラツキ、加硫不足、加硫時間の延長などを抑制する。【解決手段】 加硫工程Sは、ブラダー3内にスチームを供給して未加硫タイヤAを内側から加熱する加熱段階S1と、加硫成形後、バキュームによりブラダー3からスチームを排出するバキューム段階S3とを含む。ブラダー3内には、連続気泡を有する吸水性のスポンジ体20が収容され、ブラダー3内のドレインをスポンジ体20により吸水させる。またバキューム段階S3では、バキュームによりスポンジ体20から吸水したドレインを吸い出し加熱媒体とともに排出する。【選択図】図2
Description
本発明は、スチームである加熱媒体によりブラダーを膨張させて未加硫タイヤを内側から加熱する加熱段階を有するタイヤ製造方法に関する。
一般に、空気入りタイヤの製造方法では、例えば図6に概念的に示すように、加硫装置を用いて未加硫タイヤAを加硫成形する加硫工程が行われる。図中の符号aは未加硫タイヤAを装着する加硫金型、符号bはブラダー、符号cは前記ブラダーbを保持する中心機構である。
そして加硫工程では、加硫金型a内に未加硫タイヤAを装着した後、
・ブラダーb内に高温高圧の加熱媒体を供給し、未加硫タイヤAを内側から加熱する加熱段階と、
・その後、例えば窒素ガスなどの不活性ガス、或いは不活性ガスとスチームとの混合ガスからなる高圧の加圧媒体を引き続いて供給し、加熱状態の未加硫タイヤAを加硫金型内面に強く押し付ける加圧段階とが順次行われる。
・ブラダーb内に高温高圧の加熱媒体を供給し、未加硫タイヤAを内側から加熱する加熱段階と、
・その後、例えば窒素ガスなどの不活性ガス、或いは不活性ガスとスチームとの混合ガスからなる高圧の加圧媒体を引き続いて供給し、加熱状態の未加硫タイヤAを加硫金型内面に強く押し付ける加圧段階とが順次行われる。
しかし、加熱媒体に相変化時の潜熱放出が大きいスチームを用いた場合、熱交換したスチームが加硫工程中に液化し、ドレインDとなってタイヤ下方側のサイドウォールAsの位置に溜まる。そのため、この位置と他の位置との温度差が大きくなり、タイヤ部位間の加硫バラツキ、低温部位の加硫不足、或いは加硫時間の延長などを招くという問題がある。
なお下記の特許文献1には、ブラダー内に高温高圧媒体(スチーム)を供給するための供給口の向きを特定し、供給口から噴出される高温高圧媒体(スチーム)の勢いによって、ドレインを排出口まで導いて排出させることが提案されている。また、特許文献2には、ブラダーの下開口縁を固定する下部クランプ部に傾斜部や排水溝を設け、ドレインを排出口に導くことも提案されている。
しかし、これらは何れも、前回の加硫工程において発生するドレインを、次回の加硫工程開始時の高温高圧媒体(スチーム)の噴出力によって排出するものであって、加硫工程中に発生するドレインを、その加硫工程中に排出するものではない。そのため、ドレインによる温度差の発生、及びそれに伴うタイヤ部位間の加硫バラツキ、低温部位の加硫不足、或いは加硫時間の延長などを、十分に抑制することはできなかった。
そこで発明は、加硫工程中に加熱媒体が液状化して生成するドレインの少なくとも一部を、ブラダー内に収容する吸水性のスポンジ体に吸水させることを基本として、ドレインによる温度差の発生を減じることができ、タイヤ部位間の加硫バラツキ、低温部位の加硫不足、或いは加硫時間の延長などを十分に抑制しうるタイヤ製造方法を提供することを課題としている。
本発明は、加硫金型内に装着された未加硫タイヤの内側に配置されるブラダー、及び前記ブラダー内にスチームである加熱媒体を供給する供給口と排出する排気口とを有する中心機構を具えた加硫装置を用いて、前記未加硫タイヤを加硫成形する加硫工程を具えるタイヤ製造方法であって、
前記加硫工程は、
前記ブラダー内に前記加熱媒体を供給して該ブラダーを膨張させ、未加硫タイヤを内側から加熱する加熱段階と、
加硫成形後、バキュームにより前記ブラダーから加熱媒体を排出して該ブラダーを萎ませ、ブラダーを加硫後のタイヤから取り出すバキューム段階とを含むとともに、
前記ブラダーの内部には、連続気泡を有する吸水性のスポンジ体が収容されており、
前記加硫工程では、前記加熱媒体が潜熱放出に伴い液化してブラダー内の下部に溜まるドレインの少なくとも一部を、前記スポンジ体が吸水するとともに、
前記バキューム段階では、前記スポンジ体が吸水したドレインを、前記バキュームによりスポンジ体から絞り出し、かつ加熱媒体とともに前記排気口から排出することを特徴としている。
前記加硫工程は、
前記ブラダー内に前記加熱媒体を供給して該ブラダーを膨張させ、未加硫タイヤを内側から加熱する加熱段階と、
加硫成形後、バキュームにより前記ブラダーから加熱媒体を排出して該ブラダーを萎ませ、ブラダーを加硫後のタイヤから取り出すバキューム段階とを含むとともに、
前記ブラダーの内部には、連続気泡を有する吸水性のスポンジ体が収容されており、
前記加硫工程では、前記加熱媒体が潜熱放出に伴い液化してブラダー内の下部に溜まるドレインの少なくとも一部を、前記スポンジ体が吸水するとともに、
前記バキューム段階では、前記スポンジ体が吸水したドレインを、前記バキュームによりスポンジ体から絞り出し、かつ加熱媒体とともに前記排気口から排出することを特徴としている。
本発明に係るタイヤ製造方法では、前記スポンジ体は、固形成分としてセルロースを含有し、かつスポンジ体の比重が0.10g/cc以下であることが好ましい。
本発明に係るタイヤ製造方法では、前記スポンジ体は、このスポンジ体の質量の10倍以上の重さの水を吸水かつ保持可能であることが好ましい。
本発明に係るタイヤ製造方法では、前記スポンジ体の総体積は、加熱段階におけるブラダーの内部容積の1〜60%であることが好ましい。
本発明に係るタイヤ製造方法では、前記加熱段階の工程時間は、加硫工程全体の工程時間の3%以上であることが好ましい。
本願において「バキューム」とは、大気圧より低い圧力に減圧することを意味する。
本発明は叙上の如く、ブラダーの内部に吸水性のスポンジ体が予め収容されている。そのため、加硫工程時において、加熱媒体が液化して生じるドレインの少なくとも一部を前記スポンジ体によって吸水させ、その水位を下げることができる。これにより、ドレインに起因するタイヤの温度差の発生を減じることができ、タイヤ部位間の加硫バラツキ、低温部位の加硫不足、或いは加硫時間の延長などを十分に抑制しうる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のタイヤ製造方法は、加硫装置1を用いて未加硫タイヤAを加硫成形する加硫工程Sを具える。
図1に示すように、本実施形態のタイヤ製造方法は、加硫装置1を用いて未加硫タイヤAを加硫成形する加硫工程Sを具える。
前記加硫装置1は、未加硫タイヤAを装着する加硫金型2と、前記未加硫タイヤAの内側に配置されるブラダー3と、該ブラダー3を保持する中心機構4とを含む。
加硫金型2としては、従来的な種々の構造のものが適宜採用しうる。本例の加硫金型2は、タイヤトレッド成形用のトレッドモールド5と、タイヤサイド成形用の上下のサイドモールド6U、6Lとを具える。下のサイドモールド6Lは、例えばプラテン板7Lを含む下部プレート8に固定される。また、上のサイドモールド6Uは、例えばプラテン板7Uを含む昇降自在な上部プレート9に支持される。そして前記上部プレート9の上昇により、金型開状態となり、加硫金型2内への未加硫タイヤAの投入、及び加硫済みタイヤの取り出しが行われる。
前記トレッドモールド5は、周方向に分割された複数のトレッドセグメント5Aからなり、各トレッドセグメント5Aは、セクターシュー10に交換可能に取り付く。
また前記上部プレート9には、各セクターシュー10を吊り下げて支持する略円筒状のアクチェータ11が取り付く。このアクチェータ11は、その内周面に、下方に向かって拡径するコーン状の案内面11Sを有し、各セクターシュー10は、適宜のガイド手段(図示しない。)を介して、案内面11Sに沿って摺動可能に保持される。
従って、未加硫タイヤAの投入後、図4に示すように、セクターシュー10は、アクチェータ11に吊り下げられた状態にて上部プレート9と一体に下降する。そして、セクターシュー10の下面が、下部プレート8の上面と当接した後、セクターシュー10は、下部プレート8上を半径方向内側にスライド移動し、周方向で隣り合うトレッドセグメント5A同士が互いに接合することで、金型閉状態Y(図1に示す)となる。
前記中心機構4は、本例では、タイヤ軸心と同心に立ち上がる支持筒12と、その中心孔に上下移動可能に内挿されるセンタ軸13とを具える。
前記支持筒12の上端部には、ブラダー3の下開口縁部3aを狭持する円盤状の下クランプ板14Lが固定される。またセンタ軸13の上端部には、ブラダー3の上開口縁部3bを狭持する円盤状の上クランプ板14Uが固定される。ブラダー3は、上下が開口する円筒状をなし、その上開口縁部3b及び下開口縁部3aは、それぞれ前記上クランプ板14U及び下クランプ板14Lの各外周部分で保持される。
また前記下クランプ板14Lの上面には、前記ブラダー3内にスチームである加熱媒体を供給する供給口15Aと、加熱媒体を排出する排気口15Bとが形成される。なお前記供給口15A及び排気口15Bには、前記支持筒12内を通る供給流路16A、及び排気流路16Bが導通する。本例の場合、下クランプ板14Lの上面に、加熱媒体の供給及び排気を兼ねる共通の給排口15が形成されるとともに、この給排口15に、共通の給排流路16が導通している。しかし供給口15A及び排気口15B、並びに供給流路16A及び排気流路16Bをそれぞれ別々に形成することもできる。
本例では、図5に概念的に示すように、給排流路16には、加熱媒体を供給する例えばボイラー等の加熱媒体供給源Qaと、加熱媒体をバキュームによって排気する例えば真空ポンプ等のバキューム装置Pとが、第1の切替弁V1を介して接続される。また本例では、前記給排流路16には、ブラダー3内に、窒素ガスなどの不活性ガスからなる高圧の加圧媒体を加熱媒体の後に供給する加圧媒体供給源Qbが、第1の切替弁V1と加熱媒体供給源Qaとの間に、第2の切替弁V2を介して接続される。
次に、前記加硫工程Sは、加熱媒体による加熱段階S1と、バキュームによって加熱媒体を排出するバキューム段階S3とを含む。本例では、加熱段階S1とバキューム段階S3との間に、加圧媒体による加圧段階S2を具える。
図2に示すように、前記加熱段階S1では、金型閉状態Yにおいて、ブラダー3内に供給口15A(本例では給排口15)から高温の加熱媒体を供給して該ブラダー3を膨張させ、これにより未加硫タイヤAを内側から加熱する。
加熱媒体として、液化時の潜熱を放出する意味で熱容量が大な高温気体である飽和蒸気状のスチームが使用される。加熱媒体の温度(供給時の温度)としては特に規制されないが、タイヤ加硫において通常用いられる190〜210℃の範囲、特には200℃が好適に使用しうる。なお210℃を上回ると、圧力を20.02気圧(2028kPa)を越えて高くする必要があるため、配管設備等の耐久性や保全コストの上昇を招く。また180℃を下回ると、タイヤの昇温速度が遅くなって加硫時間の延長を招く。なお加熱段階S1では、ブラダー内で加熱媒体を拡販して均一化を図るため、ゴム流れを促進するため、及びスピュー切れの改善等のために、加熱媒体の圧力を途中で変更することもでき、この場合、圧力に伴って加熱媒体の温度も変化する。
また加熱段階S1の工程時間T1は、加硫工程S全体の工程時間T0の3%以上が好ましい。工程時間T1が工程時間T0の3%を下回ると、タイヤ内腔面側のインナーライナーゴムの加硫が不十分となって所定の粘弾性や空気保持性を保つことが難しくなる。また、サイドウォールゴム等の加硫量が少ない半生状態にて、加圧段階S2に移行するため、スピューが異常に長くなり、スピューが途中で切れたり、切れたゴムでスピュー穴が詰まる等のトラブルの発生傾向を招く。なお前記加硫工程S全体の工程時間T0は、金型閉から金型開までの時間であって、加硫が最も遅れる部位(通常、下側となるベルト端部分)に未加硫ポーラスを発生させない時間+余裕率(10〜18%)にて設定される。
前記加圧段階S2では、加熱段階S1に引き続き、供給口15A(本例では給排口15)から高温高圧の加圧媒体をブラダー3内に供給する。これにより、加熱状態の未加硫タイヤAを、加硫金型2の内面に強く押し付けて加熱加圧が行われる。
加圧媒体は、窒素ガスなどの不活性ガス、或いは不活性ガスとスチームとの混合ガスからなり、前記高温媒体よりも高圧、例えば24気圧で使用される。なお加圧媒体は、前記給排流路16を通ることにより、例えば150℃程度にまで加熱されて供給される。なお加圧段階S2においては、加圧媒体は、ブラダー3内では加熱媒体との混合気体となって未加硫タイヤAを加熱加圧する。加圧段階S2の工程時間T2は、実質的には、工程時間T0から工程時間T1を引いた値である。
なお加圧媒体による加圧段階S2を行わず、加熱媒体による加熱段階S1のみで加硫成形することもできる。この場合、前述の如く、加熱媒体の圧力を途中で多段階で変更することが好ましい。このとき、加熱段階S1の工程時間T1は、前記工程時間T0の100%となる。
そして本発明では、前記ブラダー3の内部には、予め、連続気泡を有する吸水性のスポンジ体20が収容されている。このスポンジ体20は、加硫工程Sにおいて、加熱媒体が液化してブラダー3内の下部に溜まるドレインDの少なくとも一部を吸水する。これにより、ドレインDの水位を下げることができ、ドレインDが生じるタイヤの部位である下方側のサイドウォールの温度と、その他の部位の温度との差を減じることができる。
図3に示すように、前記バキューム段階S3では、加硫成形後、バキュームにより前記ブラダー3から加熱媒体を排出して該ブラダー3を萎ませ、ブラダー3を加硫後のタイヤA0から取り出す。このときバキューム段階S3では、スポンジ体20が吸水したドレインDは、前記バキュームによってスポンジ体20から絞り出され、加熱媒体とともに前記排気口15B(本例では給排口15)から排出される。
ここで、前記スポンジ体20では、水との親和性の高い水酸基を多く含む化学組成を有することが好ましい。また比重が小さく、水の保持性が高く、200℃付近の湿熱耐久性、耐薬品性、難溶性、及び絞り屈曲での耐久性に優れることも好ましい。このような観点から、スポンジ体20として、固形成分としてセルロースを含有した連続気泡の発砲スポンジ(所謂セルローススポンジ)が好適に採用できる。なお、例えば綿等の植物繊維を、補強繊維としてさらに含有させることもできる。
前記セルローススポンジでは、水酸基を多く有するため水になじみやすく、かつ微小気泡による毛細管現象によって自己吸水性を発揮する。そのため、強制することなく素早く吸水することができる。また連続気泡のため、ほぼ全ての気泡に水分を取り込むことができ、吸水量を高めうる。なおスポンジ体20では、比重が0.10g/cc以下であることが好ましく、これを上回ると空隙率が過小となって、吸水速度及び吸水量の大幅な低下を招く。
またスポンジ体20では、吸水した水の保持性に優れることも必要である。そのため本例では、スポンジ体20の質量の10倍以上の重さの水を吸水かつ保持可能なスポンジが使用される。このような保持性をうるために、前記セルローススポンジにおいて、気泡の平均孔径が0.7〜2.2mm(微粒〜中粒)の範囲のものが好適に採用される。このように親和性と平均孔径の最適化とによって、水の保持性を高めうる。
前記水の保持性は、スポンジ体20に水を吸水させた後、10分間静置し、液だれ分を除いた重量G1を測定し、吸水前のスポンジ体20の重量G2との差に基づいて下記式(1)で示される。
(G1−G2)/G2 −−−(1)
(G1−G2)/G2 −−−(1)
ウレタンスポンジなどでは、上記の平均孔径を採用した場合にも、静置することで吸水した水が自重で流れ出し、上記の水の保持性をうることでできない。
また、ドレインDの水位を減じるために、スポンジ体20の総体積Vaは、加熱段階S1におけるブラダー3の内部容積Vbの1〜60%であるのが好ましい。前記総体積Vaは、大気中で放置させた自然状態における総体積である。総体積Vaが1%未満では、ドレインDの水位を充分減じることが難しくなる。逆に60%を越えると、未加硫タイヤAの投入作業の妨げとなる。このような観点から、前記総体積Vaの下限は2%以上、上限は40%以下がさらに好ましい。なお乗用車用タイヤの場合、例えば34.5リッタのブラダー内部容積Vbに対して、約2.0リッタのドレインが発生している。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
本発明の効果を確認するため、吸水性のスポンジ体を収容したブラダーを有する加硫装置1(図1に示す)用いて、空気入りタイヤ(195/65R15)を、表1の仕様に基づき、プラテン温度、加熱段階の工程時間、スポンジ体の有無、及びスポンジ体の総体積Vaを変化させて加硫成形した。そして加硫工程中における、タイヤ上方側のベルト端位置における最高温度tU、タイヤ下方側のベルト端位置における最高温度tL、及びその温度差Δtを測定して互いに比較した。また加硫後の各タイヤの転がり抵抗を測定して互いに比較した。なお加硫工程S全体の工程時間T0は、最も加硫が遅れるタイヤ下方側のベルト端位置における最高温度tLが170〜180℃の範囲に入るように調整している。
スポンジ体として、東レファインケミカル(株)製のSF107−1を使用した。比重は0.04g/cc、水の保持性はスポンジ体の質量の20〜30倍である。スポンジ体として、実施例1,2、3、4、6では、それぞれ直径6cm×高さ3cmの円柱体を使用し、実施例5では、縦10cm×横10cm×高さ10cmの立方体を使用した。また加熱段階S1におけるブラダーの内部容積Vbは、34.5リッターである。
転がり抵抗は、転がり抵抗試験機を用い、内圧200kPa、縦荷重4.5kN、速度80km/Hの条件にて走行したときの転がり抵抗を測定し、比較例1を100とする指数で評価した。数値が大きい方が転がり抵抗性能に優れている。
表の如く実施例では、温度差Δtを2.0℃以下に抑えることができ、これにより加硫バラツキ、加硫不足、及び過加硫を抑制しうるのが確認できる。また温度が均一化されるため加硫時間を短縮することが可能となり、トレッド耐久性の制約である最高温度180°以下を確保しつつ、転がり抵抗性、及び生産性を両立させうる
1 加硫装置
2 加硫金型
3 ブラダー
4 中心機構
15A 供給口
15B 排気口
20 スポンジ体
A 未加硫タイヤ
D ドレイン
S1 加熱段階
S3 バキューム段階
S 加硫工程
2 加硫金型
3 ブラダー
4 中心機構
15A 供給口
15B 排気口
20 スポンジ体
A 未加硫タイヤ
D ドレイン
S1 加熱段階
S3 バキューム段階
S 加硫工程
Claims (5)
- 加硫金型内に装着された未加硫タイヤの内側に配置されるブラダー、及び前記ブラダー内にスチームである加熱媒体を供給する供給口と排出する排気口とを有する中心機構を具えた加硫装置を用いて、前記未加硫タイヤを加硫成形する加硫工程を具えるタイヤ製造方法であって、
前記加硫工程は、
前記ブラダー内に前記加熱媒体を供給して該ブラダーを膨張させ、未加硫タイヤを内側から加熱する加熱段階と、
加硫成形後、バキュームにより前記ブラダーから加熱媒体を排出して該ブラダーを萎ませ、ブラダーを加硫後のタイヤから取り出すバキューム段階とを含むとともに、
前記ブラダーの内部には、連続気泡を有する吸水性のスポンジ体が収容されており、
前記加硫工程では、前記加熱媒体が潜熱放出に伴い液化してブラダー内の下部に溜まるドレインの少なくとも一部を、前記スポンジ体が吸水するとともに、
前記バキューム段階では、前記スポンジ体が吸水したドレインを、前記バキュームによりスポンジ体から絞り出し、かつ加熱媒体とともに前記排気口から排出することを特徴とするタイヤ製造方法。 - 前記スポンジ体は、固形成分としてセルロースを含有し、かつスポンジ体の比重が0.10g/cc以下であることを特徴とする請求項1記載のタイヤ製造方法。
- 前記スポンジ体は、このスポンジ体の質量の10倍以上の重さの水を吸水かつ保持可能であることを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤ製造方法。
- 前記スポンジ体の総体積は、加熱段階におけるブラダーの内部容積の1〜60%であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のタイヤ製造方法。
- 前記加熱段階の工程時間は、加硫工程全体の工程時間の3%以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のタイヤ製造方法。
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