JP2007098873A - タイヤ加硫方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】生タイヤTの外表面に大きな段差等が存在していても、加硫時にこれらを確実に消失させる。
【解決手段】閉止が完了した加硫金型22の加硫媒体室45に非圧縮性の加硫媒体が所定量だけ供給されると、生タイヤTは加熱されてゴム流動性が高くなるとともに熱膨張するが、このとき、加硫媒体室45の周囲は非圧縮性であるので、膨張した分のゴムには逃げ場がない。このとき、生タイヤTの外表面に段差、凹み等が存在していると、前記逃げ場を失ったゴムは高速の流動速度(熱膨張速度に対応)で流動して段差等を埋め消失させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、加硫媒体室に非圧縮性流体からなる加硫媒体を供給して生タイヤを加硫するようにしたタイヤ加硫方法および装置に関する。
従来のタイヤ加硫方法・装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。
特開昭63−221018号公報
このものは、加硫モールドを互いに接近させてその内部に生タイヤが収納されるキャビティを形成する工程と、加硫モールドの閉止作業中に切換弁を通じて非圧縮性流体からなる低圧の加硫媒体を低圧アキュムレータから加硫媒体室に供給する工程と、加硫モールドの閉止完了時に切換弁を切換えて非圧縮性流体からなる高圧の加硫媒体を高圧アキュムレータから加硫媒体室に供給する工程と、前記加硫媒体室と高圧アキュムレータとを接続状態としておきながら、加硫媒体により生タイヤを加硫モールドの型付け面に押し付けて加硫する工程とを備えたものである。
そして、このものにあっては、生タイヤの外表面に多少の凹凸が存在していても、生タイヤが加硫モールドにより加熱されて外表面でのゴム流動性が高くなるとともに、加硫媒体の圧力により該生タイヤが加硫モールドの型付け面に押し付けられることで、前記凹凸近傍のゴムが流動するため、このような凹凸は消失してしまうのである。このとき、生タイヤが熱膨張するが、この熱膨張分の加硫媒体は加硫媒体室から高圧アキュムレータに押し戻されるため、前記加硫媒体室の圧力は変化せず、実質上一定である。
しかしながら、このような従来のタイヤ加硫方法・装置にあっては、生タイヤの外表面に大きな段差、凹み等が存在している場合、例えば、外表面の一部をリボン状ストリップを巻回することで成形したような場合には、前述した加硫時における加硫媒体の圧力(高圧アキュムレータの圧力)ではゴムの流動速度が遅すぎて、前記段差近傍のゴムが、加硫の進行により外表面での流動が終了するまでの間に、段差の消失に必要な量だけ流動することができず、この結果、製品タイヤの外表面に段差等が残存してしまうことがあるという課題があった。
この発明は、生タイヤの外表面に大きな段差等が存在していても、加硫時にこれらを確実に消失させることができるタイヤ加硫方法および装置を提供することを目的とする。
このような目的は、第1に、加硫モールドを互いに接近させてその内部に生タイヤが収納されるキャビティを形成する工程と、生タイヤの外表面が加硫モールドの型付け面に全面で面接触しているときの加硫媒体室の容積と実質上同一量の非圧縮性流体からなる加硫媒体を加硫媒体室に供給して閉じ込める工程と、前記加硫媒体により生タイヤを加硫モールドの型付け面に押し付けながら加硫する工程とを備えたタイヤ加硫方法により、達成することができ、
第2に、互いに接近したとき、その内部に生タイヤが収納されるキャビティを形成する加硫モールドと、生タイヤの外表面が加硫モールドの型付け面に全面で面接触しているときの加硫媒体室の容積と実質上同一量の非圧縮性流体からなる加硫媒体を加硫媒体室に供給して閉じ込める供給密閉手段とを備え、前記加硫媒体により生タイヤを加硫モールドの型付け面に押し付けながら加硫するようにしたタイヤ加硫装置により、達成することができる。
加硫モールドが閉止されるとともに、加硫媒体室に加硫媒体が供給されると、生タイヤが加硫モールドにより加熱されて外表面でのゴム流動性が高くなるとともに熱膨張するが、このとき、加硫媒体室に供給される加硫媒体は非圧縮性流体で、しかも供給後は加硫媒体室に閉じ込められ、さらに、その量は生タイヤの外表面が加硫モールドの型付け面に全面で面接触しているときの加硫媒体室の容積と実質上同一量であるため、生タイヤは非圧縮性の剛体からなる加硫モールドと非圧縮性流体の加硫媒体とによって周囲から囲まれることになる。
この結果、前述の熱膨張により膨張した分のゴムには逃げ場がないが、生タイヤの外表面に段差、凹み等が存在している場合には、前記逃げ場を失ったゴムは、加硫の進行により外表面での流動が終了するまでの間、継続してこれら段差等を埋めて消失させるよう流動する。このときのゴムの流動速度はゴムの膨張速度(膨張量/時間)に対応した高速であるため、前述した段差等が大きなものであっても、これを容易かつ確実に消失させることができる。
ここで、加硫媒体を加硫媒体室に閉じ込める時期を、加硫モールドの閉止完了前とすると、加硫モールドの閉止作業の途中で生タイヤを加硫モールド間に噛み込むおそれがあり、一方、加硫モールドの閉止完了からある程度の時間経過後とすると、生タイヤの外表面の加硫が進行してゴム流動が終了し、段差等を消失させるのが困難となるが、請求項2に記載の時期であると、このような事態を防止することができる。
また、請求項3に記載のように構成すれば、加硫媒体の圧力を、当該生タイヤの加硫に好適な所定圧に保持することができ、設計通りの加硫を行うことができるとともに、加硫媒体の圧力が高くなり過ぎて加硫モールドが開く事態を防止することもできる。ここで、加硫媒体の圧力が最低圧力まで下降した時点より前で所定圧以上となったときに排出が行われると、加硫媒体室内の加硫媒体量が不足して前述の最低圧力が低くなり過ぎ、加硫を充分に行うことができないことがあるので、請求項3に記載のように加硫媒体の圧力が最低圧力まで下降した時点以後に行うことが好ましい。
さらに、請求項4に記載のように構成すれば、加硫媒体の大部分を低圧で供給すればよいので、供給手段として安価なものを用いることができるとともに、エネルギーロスが少なくなる。しかも、退避させておいた加硫媒体を圧入すると、生タイヤが強制的に膨張され、該生タイヤの外表面を加硫モールドの型付け面に容易に全面で面接触させることができる。
また、請求項5に記載のように構成すれば、加硫媒体の供給が終了した時点から加硫を通常の加硫速度で開始することができて、加硫時間が短縮し、さらに、請求項6に記載のように構成すれば、前述した加硫媒体の排出を構造簡単で安価なもので行うことができる。
以下、この発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1において、11は生タイヤTを加硫して加硫済みタイヤとするタイヤ加硫装置であり、このタイヤ加硫装置11は下プラテンを含む下基台12を有し、この下基台12の上面には生タイヤTの下側サイドウォール部Sを主に型付けする下サイドモールド13が固定されている。14は下基台12の上方に設置され上プラテンを含む上基台であり、この上基台14には図示していない垂直なシリンダのピストンロッドが連結されており、この結果、前記シリンダが作動すると、上基台14は昇降し、下基台12に対して離隔、接近する。
17は上基台14の下面に固定された上サイドモールドであり、この上サイドモールド17は生タイヤTの上側サイドウォール部Sを主に型付けする。18は上サイドモールド17を囲む上基台14の下面に支持され、全体としてリング状を呈するセクターモールドであり、このセクターモールド18は円周方向に複数、例えば9個に分割された弧状セグメント19から構成され、各弧状セグメント19は、上基台14に半径方向に移動可能に支持されたスライダ20と、該スライダ20の半径方向内端に固定され、生タイヤTのトレッド部Dを主に型付けするセクターセグメント21とから構成されている。
そして、これら弧状セグメント19は上基台14に支持された状態で図示していない移動手段により半径方向に同期移動するが、半径方向内側限まで移動して上サイドモールド17に密着したとき、その周方向両端面が密着して連続リング状のセクターモールド18となる。そして、これら上、下サイド、セクターモールド17、13、18はいずれも加硫モールドに該当するが、全体として加硫金型22を構成する。
24は下基台12の中央部に遊嵌された上下方向に延びる円筒体であり、この円筒体24は加硫済みタイヤの取出し時に、図示していない流体シリンダまたはノックアウトレバーによって上昇される。この円筒体24の上端部外周には下クランプリング25が取り付けられ、この下クランプリング25は、円筒体24が下降したとき、下サイドモールド13の内端部上面に密着する。
前記円筒体24内には該円筒体24と同軸のセンターポスト27が摺動可能に挿入され、このセンターポスト27は図示していないシリンダによって円筒体24と別個に昇降する。このセンターポスト27の上端外周には上クランプリング28が取り付けられ、この上クランプリング28は、上サイドモールド17の内端部下面に密着することができる。
ここで、前述した上サイドモールド17が下降限まで下降するとともに、弧状セグメント19が半径方向内側限まで同期移動して、加硫モールドである上、下サイド、セクターモールド17、13、18が互いに接近して密着するとともに、上、下クランプリング28、25が上、下サイドモールド17、13にそれぞれ密着すると、加硫金型22は閉止が完了して、その内部に生タイヤTが収納されるキャビティ30を形成する。
32は下端部が下クランプリング25に気密状態で挟持された屈曲可能な加硫ブラダであり、この加硫ブラダ32の上端部は前記上クランプリング28に気密状態で挟持されている。そして、この加硫ブラダ32の内部に加硫媒体が供給されると、該加硫ブラダ32は生タイヤT内でドーナツ状に膨張し、該生タイヤTを閉止が完了した加硫金型22の型付け面に押し付けながら加硫する。
35は前記円筒体24に形成された上下に延びる貫通した給排通路であり、この給排通路35の上端は前記キャビティ30に連通し、その下端には流体通路36の一端が接続されている。前記流体通路36の他端には切換弁37が接続されるとともに、その途中には流体通路36を通過した加硫媒体の量を計測する流量計38が介装されている。ここで、前述の流量計38としては、例えば周知のルーツ式の容量式流量計、あるいは、タービン羽根式流量計を用いることができ、この流量計38によって計測された加硫媒体の量はCPU等の制御手段39に出力される。
40は供給通路43を介して前記切換弁37に接続されたポンプであり、このポンプ40からは低圧の非圧縮性流体からなる加硫媒体が吐出される。41は加硫媒体が貯留されたタンクであり、このタンク41と前記切換弁37とは排出通路42を通じて接続されている。ここで、前述の加硫媒体としては、例えば、作動油、液体状態のプラスチック、液体金属ナトリウム、加圧水等を用いることができるが、油圧機器に用いられる作動油が操作性、安全性等から最も適している。
そして、前記切換弁37が制御手段39からの切換信号により供給位置Aに切換えられると、ポンプ40から吐出された加硫媒体は、供給通路43、流体通路36および給排通路35を通じて円筒体24、センターポスト27、上、下クランプリング28、25、加硫ブラダ32によって画成された密閉されている加硫媒体室45に供給されるが、このとき、センターポスト27、上クランプリング28が下降すると、加硫ブラダ32は略円筒状から略ドーナツ状に膨出変形する。
46は前記下クランプリング25の下面に固定された上下方向に延びるシリンダであり、このシリンダ46のピストンロッド47は前記下クランプリング25に形成された孔48に摺動可能に挿入されている。前記ピストンロッド47の先端には該ピストンロッド47より大径の圧入ピストン49が固定され、この圧入ピストン49は下クランプリング25の上面に形成され前記孔48に連通する退避凹み50に摺動可能に挿入されている。
ここで、前記圧入ピストン49の厚さは退避凹み50の軸方向長より短く、この結果、前記シリンダ46のピストンロッド47が引っ込んで圧入ピストン49が退避凹み50の底壁に当接するまで下降すると、圧入ピストン49より上方には加硫媒体室45に連通する所定容積の退避空間が形成される。そして、前記圧入ピストン49を下降させて退避空間を形成した状態で、前述のようにポンプ40から加硫媒体を加硫媒体室45に供給すると、この退避空間にも加硫媒体が供給充填され、一部の加硫媒体が退避空間に退避される。
そして、前述のようにポンプ40から加硫媒体室45に供給される加硫媒体量は流量計38が常に計測しているが、この加硫媒体室45内における加硫媒体の体積と、前記退避空間に退避している加硫媒体の体積との合計値が、生タイヤTの外表面が閉止状態の加硫金型22、即ち上、下サイド、セクターモールド17、13、18の型付け面に全面で面接触しているときの加硫媒体室45の容積と実質上同一量となったとき、制御手段39は前記流量計39からの計測結果を基に切換弁38を中立位置Bに切換えて、加硫媒体を加硫媒体室45および退避空間に閉じ込める。
このとき、退避空間に所定体積の加硫媒体が退避しているため、生タイヤTのトレッドゴムの外表面は全面で加硫金型22(セクターモールド18)の型付け面に接触しておらず、セクターモールド18の内表面に形成された主骨、サイプブレードの先端部に接触しているのみで、セクターモールド18の内表面との間に多少の間隙が発生している。
その後、前記シリンダ46が作動してピストンロッド47が突出し、退避空間内に退避していた加硫媒体が加硫媒体室45に圧入されると、加硫媒体室45内の圧力が上昇して、生タイヤTのトレッドゴムに前記主骨、サイプブレードの突出部全体が押し込まれ、トレッドゴムの外表面を含む生タイヤTの外表面が加硫金型22の型付け面に全面で面接触するようになるとともに、加硫媒体室45に、生タイヤTの外表面が加硫金型22の型付け面に全面で面接触しているときの加硫媒体室45の容積と実質上同一量(所定量)の加硫媒体が供給されて閉じ込められる。
前述した給排通路35、流体通路36、切換弁37、流量計38、制御手段39、ポンプ40、供給通路43、シリンダ46、圧入ピストン49は全体として、生タイヤTの外表面が閉止状態にある加硫金型22の型付け面に全面で面接触しているときの加硫媒体室45の容積と実質上同一量の非圧縮性流体からなる加硫媒体を加硫媒体室45に供給して閉じ込める供給密閉手段51を構成する。
ここで、前述した加硫媒体室45に加硫媒体を閉じ込める、詳しくは圧入ピストン49によって退避していた加硫媒体を加硫媒体室45に圧入する時期は、加硫金型22の閉止完了時または閉止完了直後とすることが好ましい。その理由は、前記時期を、加硫金型22の閉止完了前とすると、加硫金型22の閉止作業の途中で生タイヤTを上、下サイド、セクターモールド17、13、18間に噛み込むおそれがあり、一方、加硫金型22の閉止完了からある程度の時間経過後とすると、生タイヤTの外表面の加硫が進行してゴム流動が終了し、後述のように段差等を消失させるのが困難となるが、前述した時期であると、このような事態を防止することができるからである。
また、前述のように加硫媒体室45に供給される加硫媒体の一部を退避空間に一時退避しておくとともに、加硫金型22の閉止完了時または閉止完了直後に該退避した加硫媒体を加硫媒体室45に圧入して生タイヤTの外表面を加硫金型22の型付け面に全面で面接触させるようにすれば、加硫媒体の大部分を低圧で供給すればよいので、供給手段、ここではポンプ40として吐出圧の低い安価なものを用いることができるとともに、エネルギーロスが少なくすることができる。しかも、退避させておいた加硫媒体を圧入することで、生タイヤTが強制的に膨張され、該生タイヤTの外表面を加硫金型22の型付け面に容易に全面で面接触させることができる。
ここで、前述の加硫媒体は予め加硫温度、例えば 150〜 300度Cまで加熱しておくとともに、この加熱された加硫媒体を前記キャビティ30(加硫媒体室45)に供給することが好ましい。その理由は、常温(低温)の加硫媒体を供給した場合には、閉じ込め後にヒーター等によって加硫媒体を加硫温度まで加熱する必要があるが、前述のように予め加硫温度まで加熱しておけば、加硫媒体の供給が終了した時点から加硫を通常の加硫速度で開始することができ、加硫時間を短縮することができるからである。
前述のように生タイヤTを収納した加硫金型22の閉止が完了するとともに、加硫媒体室45に所定量の加硫媒体が供給されて閉じ込められると、生タイヤTは加硫媒体により加硫金型22の型付け面に押し付けながら加硫される。このとき、生タイヤTは加熱されて熱膨張するが、非圧縮性流体からなる加硫媒体は加硫媒体室45に閉じ込められて逃げ場がないため、該加硫媒体の圧力が異常に上昇するおそれがある。
このため、この実施例においては、流体通路36に一端が、排出通路42に他端がそれぞれ接続されたリリーフ通路53を設けるとともに、このリリーフ通路53の途中に開閉弁54およびリリーフ弁55を一端から他端に向かって順次介装し、開閉弁54を制御手段39によって後述する時期に開に切換えるようにしている。ここで、前記リリーフ弁55はその設定圧を、生タイヤTの加硫に好適な所定圧、例えば 1.5〜 4.0MPaに設定しており、この結果、開閉弁54が開に切換わっているとき、加硫媒体室45内に閉じ込められている加硫媒体の圧力が所定圧以上まで上昇すると、リリーフ弁55が開となって加硫媒体室45の加硫媒体がタンク41に排出され、該加硫媒体の圧力が所定圧に保持される。
このように加硫媒体の排出を、設定圧を所定圧に設定したリリーフ弁55によって行うようにすれば、加硫媒体の排出を構造簡単で安価なもので行うことができる。ここで、前述した生タイヤTの加硫に好適な所定圧とは、生タイヤTの内部構造、タイヤサイズ、ゴムの配合状態等により決定される圧力で、生タイヤTの種類により異なっている。前述したリリーフ通路53、開閉弁54、リリーフ弁55は全体として、加硫媒体室45に閉じ込められた加硫媒体の圧力が加硫に好適な所定圧以上となったとき、加硫媒体室45から加硫媒体をタンク41に排出して加硫媒体室45内の加硫媒体圧力を所定圧に保持する保持手段56を構成する。
次に、前記実施例1の作用について説明する。
今、上基台14、上サイドモールド17および拡径状態のセクターモールド18が上昇限まで上昇し、一方、センターポスト27が上昇限まで上昇して加硫ブラダ32が略ドーナツ状から略円筒状に変形するとともに、加硫媒体室45内から加硫媒体が排出位置Cの切換弁37を通じてタンク41に排出され、また、加硫済タイヤが加硫装置11から搬出されたとする。このとき、シリンダ46のピストンロッド47は突出して退避空間は圧入ピストン49により閉止され、開閉弁54は閉となっている。
次に、横置き状態の生タイヤTが図示していない搬送手段により加硫装置11に搬入された後、加硫ブラダ32の外側を下降して下サイドモールド13上に載置される。次に、上基台14、上サイドモールド17、セクターモールド18が一体的に下降するが、この下降の途中で上サイドモールド17が上クランプリング28に当接する。この当接後も継続して上基台14等は一体的に下降するが、この下降と同期して上クランプリング28、センターポスト27も同一速度で下降する。
このとき、制御手段39からの切換信号により切換弁37が排出位置Cから供給位置Aに切換えられて、ポンプ40から吐出された低圧の加硫媒体が供給通路43、流体通路36、給排通路35を通じて加硫媒体室45に供給され、加硫ブラダ32が略ドーナツ状に膨出変形する。このとき、シリンダ46のピストンロッド47が引っ込んで圧入ピストン49が退避凹み50の底壁に当接するまで下降し、圧入ピストン49より上方に形成された退避空間に所定体積の加硫媒体が一時的に退避される。
そして、前記上基台14等が下降限まで下降すると、弧状セグメント19の下端が下基台12の上面に当接する。その後、これら弧状セグメント19は移動手段により半径方向内側に同期移動され縮径する。そして、前記弧状セグメント19が半径方向内側限まで移動して最小径まで縮径すると、その周方向両端面が密着して連続リング状のセクターモールド18となるとともに、このセクターモールド18は上、下サイドモールド17、13に密着し、加硫金型22の閉止が完了する。
ここで、前述のように切換弁37が供給位置Aに切換えられ加硫媒体が加硫媒体室45に供給され始めたときから流量計38は加硫媒体室45に供給された加硫媒体の量を常に計測しているため、この加硫媒体室45内における加硫媒体の体積と、前記退避空間内に退避している加硫媒体の体積との合計値が、生タイヤTの外表面が閉止状態の加硫金型22の型付け面に全面で面接触しているときの加硫媒体室45の容積と実質上同一量となったとき、制御手段39は前記流量計39からの計測結果を基に切換弁38を中立位置Bに切換えて、加硫媒体を加硫媒体室45および退避空間に閉じ込める。
このとき、前述のように退避空間内には所定体積の加硫媒体が退避しているので、生タイヤTのトレッドゴムの外表面は全面で加硫金型22(セクターモールド18)の型付け面に接触しておらず、セクターモールド18の内表面に形成された主骨、サイプブレードの先端部に接触しているだけで、セクターモールド18の内表面との間に多少の間隙が発生している。このときの加硫媒体室45内の加硫媒体圧力および加硫媒体体積が図2、3に時間T0における値として示されている。
その後、シリンダ46が作動してピストンロッド47が突出し、退避空間内に退避していた加硫媒体が加硫媒体室45に圧入されると、加硫媒体室45内の圧力が上昇して、生タイヤTのトレッドゴムに前記主骨、サイプブレードの突出部全体が押し込まれ、トレッドゴムの外表面を含む生タイヤTの外表面が加硫金型22の型付け面に全面で面接触するようになるとともに、加硫媒体室45に、生タイヤTの外表面が加硫金型22の型付け面に全面で面接触しているときの加硫媒体室45の容積と実質上同一量(所定量)の加硫媒体が供給されて閉じ込められる。そして、前述の圧入が終了した時点が図2、3の時間T1である。
このように加硫金型22の閉止が完了した直後に加硫媒体室45に所定量の加硫媒体が供給されて加硫が開始すると、生タイヤTが加硫金型22により加熱されて外表面でのゴム流動性が高くなるとともに熱膨張するが、このとき、加硫媒体室45に供給された加硫媒体は非圧縮性流体で、しかも供給後は加硫媒体室45に閉じ込められ、さらに、その量は生タイヤTの外表面が加硫金型22の型付け面に全面で面接触しているときの加硫媒体室45の容積と実質上同一量であるため、生タイヤTは非圧縮性の剛体からなる加硫金型22と非圧縮性流体の加硫媒体とによって周囲から囲まれることになる。
この結果、前述の熱膨張により膨張した分の未加硫ゴムには逃げ場がないが、生タイヤTの外表面に段差、凹み等が存在している場合には、前記逃げ場を失った未加硫ゴムは、加硫の進行により外表面での流動が終了するまでの間、継続してこれら段差等を埋めて消失させるよう流動する。このときの未加硫ゴムの流動速度はゴムの膨張速度(膨張量/時間)に対応した高速であるので、前述した段差等が大きなものであっても、これを容易かつ確実に消失させることができる。
例えば、前記生タイヤTが、少なくとも外表面の一部(トレッド部D、サイドウォール部S等)がリボン状ストリップを巻回することで成形されたリボン成型タイヤである場合には、生タイヤTの外表面にリボン状ストリップの大きな( 0.5〜 1.0mm程度の)段差が生じるが、このような大きな段差であっても前記未加硫ゴムの流動により効果的に消失させることができる。
ここで、前述のように生タイヤTが熱膨張すると、加硫媒体室45に閉じ込められた加硫媒体は前述のように周囲が非圧縮性であるため、加硫媒体室45の圧力が一旦上昇する。そして、時間T2となると、前述のように生タイヤTの外表面の未加硫ゴムが容易に流動する温度まで加熱されるため、未加硫ゴムが流動して前述のように段差等を消失させるとともに、上、下サイド、セクターモールド17、13、18間の間隙およびベントホール等にはみ出し、これにより、加硫媒体の圧力が比較的急激に下降する。
そして、時間T3となると、前述した未加硫ゴムの流動、はみ出しが流動抵抗、加硫の進行等により終了し、加硫媒体の圧力が最低圧力となる。その後、生タイヤTの熱膨張により、加硫媒体の圧力が再び上昇するよう変化するが、この実施例では、前述のように加硫媒体の圧力が再び上昇を開始した直後に開閉弁54が制御手段39によって開に切換えられる。
ここで、前述した制御手段39による開閉弁54の開への切換えは、加硫媒体の圧力が最低圧力まで下降した時点以後で、加硫媒体の圧力が加硫に好適な所定圧となるまでの間に行うことが好ましい。その理由は、加硫媒体の圧力が最低圧力まで下降した時点より前に開閉弁54を開に切換えると、最低圧力より前の一旦圧力が所定圧以上に上昇した時点、例えば時間T2付近で加硫媒体の排出が行われ、この結果、加硫媒体室45内の加硫媒体量が不足して前述の最低圧力が低くなり過ぎ、加硫を充分に行うことができないことがあるからである。
なお、この実施例では、同一種類の未加硫タイヤTを予め複数個だけ加硫して前述した最低圧力の発生時間を求めるとともに、これら発生時間を平均した時間から若干時間が経過した時点を設定時間とし、この設定時間を制御手段39に記憶させて作業を行っている。そして、前述のように開閉弁54が開に切換えられた後、生タイヤTの熱膨張によって加硫媒体の圧力が加硫に好適な所定圧以上まで上昇(このときの時間はT4)すると、リリーフ弁55が開に切換わって加硫媒体室45から加硫媒体がタンク41に徐々に排出され、加硫媒体室45(加硫媒体)の圧力が所定圧に保持される。
これにより、設計通りの加硫を行うことができるとともに、加硫媒体の圧力が高くなり過ぎて加硫金型22が開くような事態を防止することもできる。そして、この状態で加硫が進行するが、この加硫が終了して未加硫タイヤTが加硫済タイヤとなると、制御手段39によって開閉弁54が閉に切換えられるとともに、切換弁37が排出位置Cに切換えられ、加硫媒体室45内の加硫媒体がタンク41に排出回収される。
その後、弧状セグメント19が半径方向外側限まで同期移動するとともに、上基台14、上サイドモールド17、セクターモールド18が一体的に上昇限まで上昇し、加硫金型22が開放される。このとき、センターポスト27、上クランプリング28も上昇限まで上昇し、加硫ブラダ32が略ドーナツ状から略円筒状に収縮変形し、また、シリンダ46の作動により圧入ピストン49が退避凹み50の底壁に当接するまで下降する。その後、加硫済タイヤが搬送手段により加硫装置11から取り出されて次工程まで搬出される。
なお、前述の実施例においては、流量計38を用いて加硫媒体室45に供給される加硫媒体量を計測し、これにより、加硫媒体室45に所定量の加硫媒体を供給し閉じ込めるようにしたが、この発明においては、加硫媒体室45に所定量の加硫媒体が供給され閉じ込められるよう、加硫媒体の体積(量)を予め計量し、この計量済みの加硫媒体を閉止が完了した加硫金型の加硫媒体室にシリンダ等を用いて圧入するようにしてもよい。この場合には、シリンダ46、退避凹み50を省略することができる。
また、前述の実施例においては、リリーフ弁55を用いて加硫媒体室の圧力を所定圧に保持するようにしたが、この発明においては、加硫媒体の圧力を常時圧力計により計測するとともに、この圧力が所定圧以上となると、シリンダ46を作動して圧入ピストン49を下降させることにより、加硫媒体を退避凹み50に逃がしたり、あるいは、切換弁37を短時間排出位置Cに切換えることで、加硫媒体をタンク41に逃がし、加硫媒体の圧力を所定圧に保持するようにしてもよい。
さらに、この発明においては、加硫媒体の圧力が最低圧力まで下降した時点以後に、加硫媒体室を、所定圧の加硫媒体を貯留しているアキュムレータに連通することで、あるいは、制御手段からの信号によって設定圧を変更することができるリリーフ弁を用いることで、加硫媒体の圧力を所定圧に保持するようにしてもよい。
この発明は、加硫媒体室に非圧縮性流体からなる加硫媒体を供給して生タイヤを加硫するようにした産業分野に適用できる。
この発明の実施例1を示す一部が記号で表された正面断面図である。 加硫媒体室内の加硫媒体圧力と時間との関係を示すグラフである。 加硫媒体室内の加硫媒体体積と時間との関係を示すグラフである。
符号の説明
11…加硫装置 13、17、18…加硫モールド
30…キャビティ 45…加硫媒体室
55…リリーフ弁 T…生タイヤ

Claims (7)

  1. 加硫モールドを互いに接近させてその内部に生タイヤが収納されるキャビティを形成する工程と、生タイヤの外表面が加硫モールドの型付け面に全面で面接触しているときの加硫媒体室の容積と実質上同一量の非圧縮性流体からなる加硫媒体を加硫媒体室に供給して閉じ込める工程と、前記加硫媒体により生タイヤを加硫モールドの型付け面に押し付けながら加硫する工程とを備えたことを特徴とするタイヤ加硫方法。
  2. 前記加硫媒体を加硫媒体室に閉じ込める時期を、加硫モールドの閉止完了時または閉止完了直後とした請求項1記載のタイヤ加硫方法。
  3. 加硫媒体室に閉じ込められた加硫媒体の圧力が、生タイヤの熱膨張により一旦上昇した後、該生タイヤを構成する未加硫ゴムのはみ出しにより下降し、その後、再び上昇するよう変化するとき、前記加硫媒体の圧力が最低圧力まで下降した時点以後において、加硫媒体の圧力が加硫に好適な所定圧以上となると、加硫媒体室から加硫媒体を排出して加硫媒体の圧力を所定圧に保持するようにした請求項1または2記載のタイヤ加硫方法。
  4. 加硫媒体室に供給される加硫媒体の一部を一時退避しておくとともに、加硫モールドの閉止完了時または閉止完了直後に該退避した加硫媒体を加硫媒体室に圧入して生タイヤの外表面を加硫モールドの型付け面に全面で面接触させるようにした請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ加硫方法。
  5. 前記加硫媒体を予め加硫温度まで加熱しておき、この加熱された加硫媒体を加硫媒体室に供給するようにした請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ加硫方法。
  6. 前記加硫媒体の排出は、設定圧を所定圧に設定したリリーフ弁によって行うようにした請求項3記載のタイヤ加硫方法。
  7. 互いに接近したとき、その内部に生タイヤが収納されるキャビティを形成する加硫モールドと、生タイヤの外表面が加硫モールドの型付け面に全面で面接触しているときの加硫媒体室の容積と実質上同一量の非圧縮性流体からなる加硫媒体を加硫媒体室に供給して閉じ込める供給密閉手段とを備え、前記加硫媒体により生タイヤを加硫モールドの型付け面に押し付けながら加硫するようにしたことを特徴とするタイヤ加硫装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102825680A (zh) * 2011-06-14 2012-12-19 株式会社神户制钢所 轮胎硫化机以及轮胎硫化方法
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JP7428882B2 (ja) 2020-02-10 2024-02-07 横浜ゴム株式会社 タイヤの加硫装置および方法

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