JP2017093428A - 酸味料組成物及びこれを用いた食品、清涼飲料水、pH調整剤、酸味のマスキング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸味がマスキングされた酸味料組成物及びこれを用いたゲル状食品、並びに、酸味のマスキング方法を提供する
【解決手段】本発明に係る酸味料組成物は、酸を含有するpH6.0以下の水溶液中にmyo−イノシトールを含有し、myo−イノシトールの濃度が0.8〜2.0質量%であることを特徴とする。イノシトールをこの濃度で配合することによって、酸味を有意に低減することができる。
【選択図】なし
【解決手段】本発明に係る酸味料組成物は、酸を含有するpH6.0以下の水溶液中にmyo−イノシトールを含有し、myo−イノシトールの濃度が0.8〜2.0質量%であることを特徴とする。イノシトールをこの濃度で配合することによって、酸味を有意に低減することができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、酸味がマスキングされた酸味料組成物及びこれを用いた食品、清涼飲料水、pH調整剤、酸味のマスキング方法に関する。
食品に酸味を付与したり、鮮度保持や加工を目的として食品のpHを調整したりするために、有機酸等の酸味料が広く用いられている。
例えば、特許文献1には、コーヒー原料と寒天とを含む原料溶液を用いて製造したコーヒーゼリー飲料が記載されている。特許文献1では、コーヒーを強酸性にすると、沈殿が生じて品質が劣化したり、風味が悪くなったり、泡立ちが発生しやすくなったりするという課題を解決するために、特定の酸味料、すなわち、リン酸、グルコン酸、フィチン酸から選ばれる1種類または2種類以上の酸味料を用いて原料溶液のpHを4.0未満に調整することが記載されている。
ゲル状食品に用いるゲル化剤としては、特許文献1の実施例で使用されている寒天の他に、ゼラチン、カラギーナン、ペクチン等が用いられる。この中でもペクチンを用いたゲルは、やや弾力があるが滑らかであるという特徴がある。ペクチンは、エステル化度が50%以上のHMペクチンと、エステル化度が50%未満のLMペクチンとに分類され、それぞれゲル化の条件とゲルの物性とが異なる。HMペクチンは、固形分が50%以上かつpHが3.5以下の条件下でゲル化し、ペクチンのエステル化度が高くなるにつれてゲル化性は強くなる。
ゲル化剤としてHMペクチンを使用する場合、上述したように、ゲル化させるための条件として、酸を加えるなどして原料溶液のpHを3.5以下に調整する必要がある。しかしながら、ゲル状食品に用いる材料(例えば、コーヒーゼリーを製造する場合のコーヒー溶液)によっては、pHを低下させることで酸味が強くなるため、風味が損なわれる場合がある。
また、米飯や惣菜等の加工食品においては、pH調整剤の添加によりpHを低下させて細菌の繁殖や変色を防止することが行われているが、pH調整剤に含まれるクエン酸やグルコン酸自体が持つ酸味により、加工食品の風味を損なってしまう場合があった。
それ故に、本発明は、酸味がマスキングされた酸味料組成物及びこれを用いた食品、清涼飲料水、pH調整剤、酸味のマスキング方法を提供することを目的とする。
本発明に係る酸味料組成物及び清涼飲料水は、酸とmyo−イノシトールを含有し、myo−イノシトールの濃度が0.8〜2.0質量%であることを特徴とするものである。
また、本発明に係る酸味料組成物及び清涼飲料水は、酸とmyo−イノシトールと高甘味度甘味料とを含有し、myo−イノシトールの濃度が0.1〜2.0質量%であり、高甘味度甘味料の濃度が0.04〜0.67質量%であることを特徴とするものである。
また、本発明に係る食品は、HMペクチンと、上述したいずれかの酸味料組成物とを含有することを特徴とするものである。
また、本発明に係る酸味のマスキング方法は、食品中に含まれる酸1質量部に対して、myo−イノシトールを0.8〜250質量部配合することを特徴とするものである。
また、本発明に係る酸味のマスキング方法であって、食品中に含まれる酸1質量部に対して、myo−イノシトールを0.067〜250質量部と、高甘味度甘味料を0.067〜1.0質量部配合することを特徴とするものである。
また、本発明に係るpH調整剤は、酸とmyo−イノシトールとを含有し、酸1質量部に対するmyo−イノシトールの配合量が0.8〜250質量部であることを特徴とするものである。
また、本発明に係るpH調整剤は、酸とmyo−イノシトールと高甘味度甘味料とを含有し、酸1質量部に対するmyo−イノシトールの配合量が0.13〜250質量部であり、酸1質量部に対する高甘味度甘味料の配合量が0.067〜1.0質量部以上であることを特徴とするものである。
上記のpH調整剤は、粉末状であっても良いし、液状であっても良い。
本発明によれば、酸味がマスキングされた酸味料組成物及びこれを用いた食品、清涼飲料水、pH調整剤、酸味のマスキング方法を提供できる。
本発明は、酸とmyo−イノシトール(以下、単に「イノシトール」という)とを組み合わせることによって、酸自体の機能(pHを低下させる機能)はそのままで刺激のある酸味をマスキングした点に特徴を有する。
本発明で用いる酸としては、フィチン酸、クエン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、乳酸、クロロゲン酸、酢酸、グルコン酸(グルコノデルタラクトンを含む)、アジピン酸、酒石酸、フマル酸等が挙げられる。尚、イノシトールを用いた酸味のマスキング方法によって、食品が有する酸味をマスキングする際には、ここで例示したような酸がマスキングの対象となる。また、本発明は、これらの有機酸に加え、食品の製造工程において助剤や調整剤として使用されるリン酸や塩酸等に起因する刺激のある酸味をマスキングすることも可能である。
また、上述した酸とその塩(例えば、ナトリウム塩やカリウム塩)とを組み合わせて使用しても良い。酸とその塩の組み合わせとしては、酢酸(無水酢酸)及び酢酸ナトリウムの組み合わせや、クエン酸及びクエン酸ナトリウムの組み合わせ、乳酸及び乳酸ナトリウムの組み合わせ等を例示できる。上述した酸とその塩とを組み合わせることにより、本発明に係る酸味料組成物やpH調整剤、またはこれらの添加後の食品材料に緩衝作用を付与することができ、添加後の食品材料のpHをより安定して維持することができる。
イノシトールは、グルコースを原料として生合成され、植物や動物の体内に含まれる環状ポリオールである。イノシトールは、白色で無臭の結晶性粉末である。イノシトールは、3%ショ糖溶液の甘味度の約50%の甘味を有するが、後味(雑味)がなく、ショ糖に比べて違和感のないすっきりとした甘味を呈する。また、イノシトールは、水溶性であり(20℃での溶解度、約15%(W/W))で、酸、アルカリの条件下で安定である。イノシトールは、吸湿性が無く、耐光性に優れている。更に、イノシトールは、糖アルコールと同様に、熱に安定でありタンパク質などのアミノ化合物と共に加熱してもメイラード反応(褐変反応)を起こさない。
イノシトールは、細胞成長促進に不可欠なビタミンB様物質であり、生体内でも生合成され、腎臓、性腺、肝臓、心臓、血液、眼球、甲状腺などに広く分布する。イノシトールは、主にイノシトールリン脂質の構成成分として細胞膜を構成する重要な成分である。イノシトールリン脂質は、特に神経細胞膜に多く含まれ、神経を正常に保つために必須な物質である。また、人乳中には大部分がフリーの形でイノシトールが存在する。イノシトールは、乳児には欠かせない成長物質であり、乳児の必須ビタミンとして粉ミルクに添加されている。通常欠乏症は見られないが、体内での合成量には限界があるため、食事からの十分な摂取が必要である。動物において欠乏すると脱毛や発育不全、脂肪肝になるとされている。また、イノシトールは、抗脂肪肝因子として脂肪肝、肝硬変、過コレステロール血症に有効とされ、医薬品分野で用いられている。イノシトールは、LDLコレステロールの減少、精神性疾患の改善、血糖値の調整等に効果があることが研究により示唆されている。
一般に、酸味は、甘味料が呈する甘味によってある程度マスキングできることが知られているが、甘味料の甘味が強く出すぎない程度に甘味料を配合した場合には、pH6.0以下の酸性水溶液または食品、特に、pH4.0以下の強酸性水溶液または食品の酸味を完全にマスキングすることは困難である。ただし、イノシトールと共に甘味料を使用することによって、甘味料の配合量を多くしすぎることなく、イノシトールによる酸味のマスキング効果を向上させることができる。甘味料として、高甘味度甘味料を使用しても良い。具体的に、イノシトールと併用可能な高甘味度甘味料としては、羅漢果抽出物、ステビア抽出物、ソーマチン、肝臓抽出物、グリチルリチン、フィロズルチン、モネリン等の天然の高甘味度甘味料や、アスパルテーム、スクラロース、サッカリン、ネオテーム、アセスルファムカリウム、チクロ等の人工の高甘味度甘味料が挙げられる。酸味料組成物に、イノシトールと高甘味度甘味料の両方を配合することによって、酸由来の酸味をより効果的に低減することができる。高甘味度甘味料を併用するか否かは、酸味料組成物の用途に応じて選択すれば良い。例えば、米飯やパン、惣菜等の鮮度保持に用いるpH調整剤の用途では、強い甘味が望まれない場合があるため、高甘味度甘味料を用いず、イノシトールの作用によって酸味がマスキングされた酸味料組成物を使用すれば良い。一方、清涼飲料水や冷菓等の甘味が必要な用途では、イノシトールと高甘味度甘味料とを併用し、両方の作用によって酸味がマスキングされた酸味料組成物を使用すれば良い。
<高甘味度甘味料を用いない場合の配合>
高甘味度甘味料を用いない場合、pH6.0以下の液状の酸味料組成物中に含まれるイノシトールの濃度を、0.8質量%以上とすることによって、酸が呈する酸味を有意に低減できる。酸味料組成物中のイノシトール濃度は、1.5質量%以上であることがより好ましく、1.85質量%以上であることがより好ましい。酸味料組成物中のイノシトール濃度が高くなるにつれて、酸味をより効果的に低減することができる。イノシトール濃度の上限は、イノシトールが溶解できる限り特に制限されないが、イノシトール濃度が2質量%程度になると酸味のマスキング効果が向上しないので、原料コストや酸味料溶液の甘味度を必要以上に増加させないことを考慮すると、イノシトール濃度は、2質量%以下とすることが好ましい。この液状の酸味料組成物は、水に酸とイノシトールとを少なくとも溶解させ、必要に応じて他の材料を溶解させた溶液として調製することができる。
高甘味度甘味料を用いない場合、pH6.0以下の液状の酸味料組成物中に含まれるイノシトールの濃度を、0.8質量%以上とすることによって、酸が呈する酸味を有意に低減できる。酸味料組成物中のイノシトール濃度は、1.5質量%以上であることがより好ましく、1.85質量%以上であることがより好ましい。酸味料組成物中のイノシトール濃度が高くなるにつれて、酸味をより効果的に低減することができる。イノシトール濃度の上限は、イノシトールが溶解できる限り特に制限されないが、イノシトール濃度が2質量%程度になると酸味のマスキング効果が向上しないので、原料コストや酸味料溶液の甘味度を必要以上に増加させないことを考慮すると、イノシトール濃度は、2質量%以下とすることが好ましい。この液状の酸味料組成物は、水に酸とイノシトールとを少なくとも溶解させ、必要に応じて他の材料を溶解させた溶液として調製することができる。
また、酸の質量を基準にした場合、酸1質量部に対してイノシトールを0.8質量部以上配合すれば、酸味を有意に低減できる。食品中または水溶液中に含まれる酸1質量部に対するイノシトールの配合量は、1.8質量部以上であることがより好ましく、9質量部以上であることが更に好ましい。上述したように、イノシトールの配合量の上限は、イノシトールが溶解できる限り特に制限されないが、酸1質量部に対するイノシトールの配合量が250質量部程度になると、酸味のマスキング効果が向上しないので、原料コストを考慮すると、イノシトールの配合量は、250質量部以下とすることが好ましい。
<高甘味度甘味料を併用する場合の配合>
高甘味度甘味料を併用する場合、pH6.0以下の酸味料組成物中に含まれるイノシトールの濃度を0.1質量%以上、かつ、高甘味度甘味料の濃度を0.04質量%以上とすることによって、酸が呈する酸味を有意に低減できる。酸味料組成物中のイノシトール濃度は、0.18質量%以上であることがより好ましく、0.30質量%以上であることがより好ましい。酸味料組成物中のイノシトール濃度が高くなるにつれて、酸味をより効果的に低減することができる。イノシトール濃度の上限は、イノシトールが溶解できる限り特に制限されないが、イノシトール濃度が2質量%程度になると酸味のマスキング効果が向上しないので、原料コストや酸味料溶液の甘味度を必要以上に増加させないことを考慮すると、イノシトール濃度は、2質量%以下とすることが好ましい。この液状の酸味料組成物は、水に酸とイノシトールと高甘味度甘味料とを少なくとも溶解させ、必要に応じて他の材料を溶解させた溶液として調製することができる。
高甘味度甘味料を併用する場合、pH6.0以下の酸味料組成物中に含まれるイノシトールの濃度を0.1質量%以上、かつ、高甘味度甘味料の濃度を0.04質量%以上とすることによって、酸が呈する酸味を有意に低減できる。酸味料組成物中のイノシトール濃度は、0.18質量%以上であることがより好ましく、0.30質量%以上であることがより好ましい。酸味料組成物中のイノシトール濃度が高くなるにつれて、酸味をより効果的に低減することができる。イノシトール濃度の上限は、イノシトールが溶解できる限り特に制限されないが、イノシトール濃度が2質量%程度になると酸味のマスキング効果が向上しないので、原料コストや酸味料溶液の甘味度を必要以上に増加させないことを考慮すると、イノシトール濃度は、2質量%以下とすることが好ましい。この液状の酸味料組成物は、水に酸とイノシトールと高甘味度甘味料とを少なくとも溶解させ、必要に応じて他の材料を溶解させた溶液として調製することができる。
また、酸味料組成物中の高甘味度甘味料の濃度は、0.06質量%以上であることがより好ましく、0.15質量%以上であることがより好ましい。酸味料組成物中の高甘味度甘味料が高くなるにつれて、酸味をより効果的に低減し、甘味を強くすることができる。高甘味度甘味料の濃度の上限は、特に制限されないが、原料コストを考慮し、高甘味度甘
味料による甘味の増加が飽和する程度の濃度とすることが好ましく、0.67質量%以下であることが好ましい。
味料による甘味の増加が飽和する程度の濃度とすることが好ましく、0.67質量%以下であることが好ましい。
また、酸の質量を基準にした場合、酸1質量部に対してイノシトールを0.13質量部以上と、高甘味度甘味料を0.067質量部以上配合すれば、酸味を有意に低減できる。酸1質量部に対するイノシトールの配合量は、0.45質量部以上であることがより好ましく、0.9質量部以上であることが更に好ましい。上述したように、イノシトールの配合量の上限は、イノシトールが溶解できる限り特に制限されないが、酸1質量部に対するイノシトールの配合量が250質量部程度になると、酸味のマスキング効果が向上しないので、原料コストや酸味料溶液の甘味度を必要以上に増加させないことを考慮すると、イノシトールの配合量は、250質量部以下とすることが好ましい。
また、酸味料組成物中の高甘味度甘味料の配合量は、酸1質量部に対して0.25質量%以上であることがより好ましく、0.45質量%以上であることがより好ましい。酸味料組成物中の高甘味度甘味料が高くなるにつれて、酸味をより効果的に低減し、甘味を強くすることができる。高甘味度甘味料の濃度の上限は、特に制限されないが、原料コストを考慮し、高甘味度甘味料による甘味の増加が飽和する程度の濃度とすることが好ましく、配合量は、酸1質量部に対して1.0質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以下であることがより好ましい。。
高甘味度甘味料を用いない組成、高甘味度甘味料を用いる組成のいずれにおいても、他の甘味料を更に配合しても良い。他の甘味料の例としては、ショ糖、ブドウ糖、果糖、果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖果糖液糖、アガベシロップ、糖蜜、蜂蜜、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、シクロデキストリン、グリコシルスクロース、トレハロース、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、コージオリゴ糖、環状四糖、マルトシルトレハロース、リン酸化オリゴ糖カルシウム、フラクトオリゴ糖、パラチノース、トレハロース、ラフィノース、ラクトスクロース、ラクチュロース、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、キチンオリゴ糖、キトサンオリゴ糖、マンノオリゴ糖、シクロイヌオリゴ糖、ダイフラクトースアンハイドライドIII、アガロオリゴ糖、キシリトール、ラクチトール、エリスリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、還元パラチノース糖の二糖アルコール、還元水あめ等が挙げられる。また、ポリデキストロース、マルトデキストリン、分岐デキストリン、難消化性デキストリン、高度分岐環状デキストリン、難消化性でん粉、イヌリン、還元難消化性デキストリン、大豆多糖類の食物繊維又は多糖類を配合しても良い。これらの材料を適宜選択して配合することによって、酸味料組成物にまろやかさを付与したり、甘味の後引き感を改善したり、酸味料組成物にボディ感間を付与したり、自然な甘味を付与したりするなどの味質の改善が可能となる。
また、高甘味度甘味料を用いない組成、高甘味度甘味料を用いる組成のいずれにおいても、分岐シクロデキストリンを更に配合しても良い。
分岐シクロデキストリンは、数分子のD−グルコースが環状に結合した環状オリゴ糖であり、分子の中心に空洞を有している。この空洞の内側は親油性で、外側は親水性となっている。分岐シクロデキストリン(ホスト)は、この空洞の内部に疎水性の有機化合物(ゲスト)を分子間力によって取り込み、包接錯体を形成する包接作用と、取り込んだゲスト分子を条件に応じて放出する除放作用とを有する。分岐シクロデキストリンは、ゲスト分子としてイノシトールを包接することにより、イノシトールの溶解性を向上させる。本発明においては、α型、β型及びγ型のいずれの分岐シクロデキストリンも使用できる。
分岐シクロデキストリンの配合量は、配合するイノシトール1質量部に対して、0.2〜3質量部であることがより好ましく、1〜2質量部であることが更に好ましい。分岐シクロデキストリンの配合量をより好ましい範囲とすることよって、イノシトールの溶解性を向上させることができる。
また、分岐シクロデキストリン以外の材料として、溶解性向上のために加工澱粉等を添加しても良い。加工澱粉としては、アミコール(日澱化学株式会社)等を使用できる。
尚、上述した酸味料組成物の形態としては、酸と、イノシトール、高甘味度甘味料(使用する配合例の場合)と、必要に応じて配合される他の材料とを含有するpH6.0以下の水溶液としても良いし、酸と、イノシトールと、高甘味度甘味料(使用する配合例の場合)と、必要に応じて配合される他の材料とを少量の水に溶解させた酸濃度が極めて高い高濃度の液体(以下、「原液」という)としても良い。酸味料組成物を原液の形態とする場合には、イノシトールや高甘味度甘味料の溶解性を向上させるために、上述した分岐シクロデキストリンを配合することが好ましい。また、酸味料組成物の形態は、水に溶解させず、酸と、イノシトール及び/又は高甘味度甘味料と、必要に応じて配合される他の材料とを粉体のまま混合した粉末としても良い。原液または粉末の形態で提供された酸味料組成物は、食品の製造時などの使用時に、適宜希釈したり、水に溶解させたり、食品材料等に混合したりして使用される。原液や粉末の場合、希釈率や添加量を調整することによって、酸味料組成物を添加した材料のpHを調整することが容易となる。
上述した酸味料組成物は、HMペクチンのゲル化に好適に使用することができる。HMペクチンは、固形分が50%以上かつpHが3.5以下の条件下でゲル化するため、上述した酸味料組成物を用いてpH調整を行うことによって、HMペクチンをゲル化させることができる。HMペクチン及び本発明の酸味料組成物を含有する食品は、HMペクチンをゲル化させるためにpH3.5以下に調整されているが、酸味料組成物の酸味が低減されている。したがって、本発明の酸味料組成物は、コーヒーや抹茶、クリーム等を用いたグミやゼリーのような、酸味が好ましくない食品の用途に特に好適である。
また、上述したイノシトールの配合は、食品が呈する酸味のマスキング方法としても利用できる。具体的には、pH4.0以下の食品または水溶液に対して、酸1質量部に対して上述した配合比でイノシトールと、必要に応じて高甘味度甘味料を配合することによって、食品または水溶液が有する酸味を低減できる。本発明に係る酸味のマスキング方法は、例えば、レモン等の酸味の強い果実の果汁(ジュース)またはこれを用いた清涼飲料水の酸味を調整したり、クエン酸含有量を意図的に高くした栄養ドリンクの酸味を低減した、ペクチンでゲル化させたグミやゼリーの酸味を低減したりするために利用できる。
また、上述した酸味料組成物は、食品添加物として使用されるpH調整剤としても利用できる。pH調整剤は、食品のpHを7未満に保って食品の変質や腐敗を防ぐ目的で、米飯やパン、果物等の様々な食品に使用される食品添加物である。ただし、pH調整剤の主成分は、クエン酸、酢酸、リン酸、アジピン酸等の酸であるので、pH調整剤を食品に使用すると酸味が付与されてしまう。従来のpH調整剤に代えて、酸とイノシトールとを配合した本発明の酸味料組成物を使用すれば、イノシトールによって酸味が低減されるため、従来のpH調整剤と同様のpH調整を行いつつ、添加した食品の風味を損なうことを抑制できる。また、イノシトールは、生体内でも生合成される天然由来の化合物であるため、人体にとって無害であり、また、ショ糖程の甘味がないので添加した食品の味質への影響も少ない。pH調整剤として利用する場合、上述した原液(高濃度液体)の形態、希釈液の形態、粉末状の形態のいずれでも良い。
以上説明したように、イノシトールの配合により酸味をマスキングできるので、本発明は、HMペクチンのゲル化等に用いる酸味料組成物、pH調整剤、酸味を低減した清涼飲料水や冷菓等の食品等に利用できる。
以下、本発明を具体的に実施した実施例を説明する。
実施例及び比較例では、以下の材料を使用した。
・myo−イノシトール:築野食品工業株式会社
・アセスルファムカリウム:神戸化成株式会社 アセスルファムカリウムA
・アスパルテーム:神戸化成株式会社 KCスイートAS
・酵素処理ステビア抽出物:東洋精糖株式会社 αGスイートPX−G(α−グルコシルステビオール配糖体及び未反応のステビオール配糖体の合計含量85%以上、α−グルコシルステビオール配糖体含量80%以上)
・羅漢果抽出物:DAMIN FOOD(ZHANGZHOU)CO.,LTD FD羅漢果濃縮パウダー(モグロシドV含有量45%±5%)
・分岐シクロデキストリン:塩水港精糖株式会社 イソエリートP(全シクロデキストリン量80%以上、マルトシルシクロデキストリン50%以上)
・ポリデキストロース:TATE&LYLE JAPAN(ポリマー含有率90%以上)・フラクトオリゴ糖:株式会社明治フードマテリア メイオリゴP(液)
・イソマルトオリゴ糖:昭和産業株式会社(固形分中の分岐オリゴ糖含有率80%以上)・糖蜜:東洋精糖株式会社 液糖Y75C
・ソルビトール:MCフードスペシャリティーズ株式会社 ソルビットKK
・myo−イノシトール:築野食品工業株式会社
・アセスルファムカリウム:神戸化成株式会社 アセスルファムカリウムA
・アスパルテーム:神戸化成株式会社 KCスイートAS
・酵素処理ステビア抽出物:東洋精糖株式会社 αGスイートPX−G(α−グルコシルステビオール配糖体及び未反応のステビオール配糖体の合計含量85%以上、α−グルコシルステビオール配糖体含量80%以上)
・羅漢果抽出物:DAMIN FOOD(ZHANGZHOU)CO.,LTD FD羅漢果濃縮パウダー(モグロシドV含有量45%±5%)
・分岐シクロデキストリン:塩水港精糖株式会社 イソエリートP(全シクロデキストリン量80%以上、マルトシルシクロデキストリン50%以上)
・ポリデキストロース:TATE&LYLE JAPAN(ポリマー含有率90%以上)・フラクトオリゴ糖:株式会社明治フードマテリア メイオリゴP(液)
・イソマルトオリゴ糖:昭和産業株式会社(固形分中の分岐オリゴ糖含有率80%以上)・糖蜜:東洋精糖株式会社 液糖Y75C
・ソルビトール:MCフードスペシャリティーズ株式会社 ソルビットKK
以下の各実施例及び各比較例における酸味のマスキング効果は、識別力のある3人の試験者による官能試験により評価した。各試験者は、「+2:酸味を全く感じない、+1:酸味をほぼ感じない、0:酸味を僅かに感じる、−1:酸味を強く感じる、−2:酸味を極めて強く感じる」の5段階で評価し、3人の試験者の平均点を四捨五入した値を各サンプルの評価値とした。
(実施例A1〜A13)
表1及び表2に、実施例A1〜A13、比較例A1及びA2に係る酸味料組成物の原液の組成(材料及び配合比)、原液の25倍希釈液のpH、酸濃度(質量%)、イノシトール濃度(質量%)、酸味のマスキング効果の評価結果を示す。尚、以降の表において、原液の材料の配合比の数値は、質量部で表す。また、希釈液は、原液1質量部を24質量部の水で希釈したものである。
表1及び表2に、実施例A1〜A13、比較例A1及びA2に係る酸味料組成物の原液の組成(材料及び配合比)、原液の25倍希釈液のpH、酸濃度(質量%)、イノシトール濃度(質量%)、酸味のマスキング効果の評価結果を示す。尚、以降の表において、原液の材料の配合比の数値は、質量部で表す。また、希釈液は、原液1質量部を24質量部の水で希釈したものである。
表1及び表2に示すように、pH0.6〜4のフィチン酸水溶液に、1.00〜2.00質量%の濃度でイノシトールを配合した実施例A1〜A13に係る酸味料組成物では、フィチン酸の酸味が低減されていた。これに対して、0.57質量%の濃度でイノシトールを配合した比較例A2では、イノシトールを配合していない比較例A1に係るフィチン酸水溶液と比べて酸味の低減効果が小さく、強い酸味が感じられた。
(実施例B1〜B4)
実施例B1〜B4では、フィチン酸以外の酸(アスコルビン酸、リンゴ酸)に対しても同様に酸味のマスキング効果があるかどうかを検証した。表3に、実施例B1〜B4、比較例B1及びB2に係る酸味料組成物の原液の組成(材料及び配合比)、原液の25倍希釈液のpH、酸濃度(質量%)、イノシトール濃度(質量%)、酸味のマスキング効果の評価結果を示す。
実施例B1〜B4では、フィチン酸以外の酸(アスコルビン酸、リンゴ酸)に対しても同様に酸味のマスキング効果があるかどうかを検証した。表3に、実施例B1〜B4、比較例B1及びB2に係る酸味料組成物の原液の組成(材料及び配合比)、原液の25倍希釈液のpH、酸濃度(質量%)、イノシトール濃度(質量%)、酸味のマスキング効果の評価結果を示す。
表3に示すように、pH1.5〜2.0のアスコルビン酸またはリンゴ酸水溶液においても、1.82質量%または1.90質量%の濃度でイノシトールを配合した実施例B1〜B4に係る酸味料組成物では、イノシトールを配合していない比較例B1、B2と比べて、酸味が十分に低減されていた。
(参考例C1〜C15)
参考例C1〜C15では、イノシトールを配合せず、ショ糖の甘味のみでどの程度の酸味のマスキング効果があるかを検証した。表4及び表5に、参考例C1〜C15に係る酸味料組成物の原液の組成(材料及び配合比)、原液の25倍希釈液のpH、酸濃度(質量%)、ショ糖濃度(質量%)、酸味のマスキング効果の評価結果を示す。
参考例C1〜C15では、イノシトールを配合せず、ショ糖の甘味のみでどの程度の酸味のマスキング効果があるかを検証した。表4及び表5に、参考例C1〜C15に係る酸味料組成物の原液の組成(材料及び配合比)、原液の25倍希釈液のpH、酸濃度(質量%)、ショ糖濃度(質量%)、酸味のマスキング効果の評価結果を示す。
表4に示すように、pH0.8〜4.4のフィチン酸水溶液に、1.60〜2.00質量%の濃度でショ糖を配合することによって、酸味が低減された。ただし、ほぼ感じない程度まで酸味をマスキングするためには、ショ糖濃度を1.90質量%(参考例C5)まで高くする必要があり、これは、ほぼ感じない程度まで酸味をマスキングするために必要なイノシトール濃度である1.60質量%(表1の実施例A2)より高くなった。また、全く感じない程度まで酸味をマスキングするためには、ショ糖濃度を1.98質量まで高くする必要があり、これは、全く感じない程度まで酸味をマスキングするために必要なイノシトール濃度である1.90質量%(表1の実施例A4)より高くなった。つまり、ショ糖の甘味によって酸味をマスキングすることはできるが、マスキングに必要なショ糖濃度は、マスキングに必要なイノシトール濃度より高い。ショ糖の甘味はイノシトールの甘味より強いため、甘味が望まれない用途では、ショ糖によりもイノシトールの方が酸味のマスキングに向いていると言える。
(実施例D1〜D4)
実施例D1〜D4では、イノシトール及び高甘味度甘味料の他に、イソマルトオリゴ糖、糖蜜、ポリデキストロース、果糖ブドウ糖液糖、ソルビトールのいずれかを更に配合した。表6に、実施例D1〜D4に係る酸味料組成物の原液の組成(材料及び配合比)、原
液の25倍希釈液のpH、酸濃度(質量%)、イノシトール濃度(質量%)、酸味のマスキング効果の評価結果を示す。尚、実施例D1〜D4では、材料の溶解性を向上させるために、イノシトールと等量の分岐シクロデキストリンを配合した。
実施例D1〜D4では、イノシトール及び高甘味度甘味料の他に、イソマルトオリゴ糖、糖蜜、ポリデキストロース、果糖ブドウ糖液糖、ソルビトールのいずれかを更に配合した。表6に、実施例D1〜D4に係る酸味料組成物の原液の組成(材料及び配合比)、原
液の25倍希釈液のpH、酸濃度(質量%)、イノシトール濃度(質量%)、酸味のマスキング効果の評価結果を示す。尚、実施例D1〜D4では、材料の溶解性を向上させるために、イノシトールと等量の分岐シクロデキストリンを配合した。
表6に示すように、実施例D1〜D4に係る酸味料組成物はいずれも、pH1.2〜1.5と比較的低いpHを示したが、酸味は有意に低減されていた。また、イノシトール及び高甘味度甘味料以外の甘味料や食物繊維、糖アルコールを配合することによって、酸味料組成物の甘味質をまろやかにしたり、ボディ感を付与したり、特有の芳香を付与したりすることができた。
(実施例E1〜E13)
実施例E1〜E13では、フィチン酸以外の酸として、クエン酸を使用した場合にも同様に酸味のマスキング効果があるかどうかを検証した。表9及び表10に、E1〜E13、比較例E1及びE2に係る酸味料組成物の原液の組成(材料及び配合比)、原液の25倍希釈液のpH、酸濃度(質量%)、イノシトール濃度(質量%)、酸味のマスキング効果の評価結果を示す。
実施例E1〜E13では、フィチン酸以外の酸として、クエン酸を使用した場合にも同様に酸味のマスキング効果があるかどうかを検証した。表9及び表10に、E1〜E13、比較例E1及びE2に係る酸味料組成物の原液の組成(材料及び配合比)、原液の25倍希釈液のpH、酸濃度(質量%)、イノシトール濃度(質量%)、酸味のマスキング効果の評価結果を示す。
表7及び8に示すように、クエン酸水溶液においても、1.00〜2.00質量%の濃度でイノシトールを配合した実施例E1〜E13に係る酸味料組成物では、イノシトールを配合していない比較例E1と比べて、酸味が十分に低減されていた。また、0.57質量%の濃度でイノシトールを配合した比較例E2では、イノシトールを配合していない比較例E1に係るクエン酸水溶液と比べて酸味の低減効果が小さく、強い酸味が感じられた。
(実施例F1〜F5)
実施例F1〜F5では、イノシトールと高甘味度甘味料とを併用した場合のフィチン酸の酸味のマスキング効果を検証した。表9に、実施例F1〜F5及び比較例F1に係る酸味料組成物の粉末の組成(材料及び配合比)、粉末を水に溶解させた水溶液のpH、酸味のマスキング効果、味質の評価結果を示す。尚、実施例F1〜F5及び比較例F1において、味質は、識別力のある3人の試験者による官能試験により評価した。実施例F1〜F5及び比較例F1においては、1質量部のフィチン酸を24質量部の水に溶解させた後、表9に記載の割合でイノシトール及びラカンカ抽出物を配合したサンプルを調製し、各試験者は、このサンプルの水溶液を官能評価し、「+2:ほぼ甘味を感じない、+1:僅かに甘味を感じる、0:甘味を感じる、−1:甘味または酸味を強く感じる、−2:甘味または酸味を極めて強く感じる」の5段階で評価し、3人の試験者の平均点を四捨五入した値を各サンプルの評価値とした。また、実施例F1〜F5及び比較例F1で調製したサンプルのpHは、いずれも1.5±0.2であった。
実施例F1〜F5では、イノシトールと高甘味度甘味料とを併用した場合のフィチン酸の酸味のマスキング効果を検証した。表9に、実施例F1〜F5及び比較例F1に係る酸味料組成物の粉末の組成(材料及び配合比)、粉末を水に溶解させた水溶液のpH、酸味のマスキング効果、味質の評価結果を示す。尚、実施例F1〜F5及び比較例F1において、味質は、識別力のある3人の試験者による官能試験により評価した。実施例F1〜F5及び比較例F1においては、1質量部のフィチン酸を24質量部の水に溶解させた後、表9に記載の割合でイノシトール及びラカンカ抽出物を配合したサンプルを調製し、各試験者は、このサンプルの水溶液を官能評価し、「+2:ほぼ甘味を感じない、+1:僅かに甘味を感じる、0:甘味を感じる、−1:甘味または酸味を強く感じる、−2:甘味または酸味を極めて強く感じる」の5段階で評価し、3人の試験者の平均点を四捨五入した値を各サンプルの評価値とした。また、実施例F1〜F5及び比較例F1で調製したサンプルのpHは、いずれも1.5±0.2であった。
表9に示すように、フィチン酸1質量部に対して、イノシトールを0.13質量部以上と、ラカンカ抽出物を0.067〜1質量部を配合した実施例F1〜F5に係る酸味料組成物では、酸味が低減され、高甘味度甘味料であるラカンカ抽出物による甘味もほぼ感じないか、感じたとしてもそれほど強い甘味ではなかった。これに対して、比較例F1に係る酸味料組成物では、酸に対するイノシトール及びラカンカ抽出物の配合量が少なすぎるために、酸味のマスキングが不十分であった。尚、実施例F5の組成においてラカンカ抽出物を酸1質量部に対して倍量の2.0質量部としたところ、ラカンカ抽出物の甘味が強く出すぎて、味質の評価が悪くなった。
以上説明したように、酸水溶液にイノシトールを上述した濃度で配合することによって、酸味をマスキングできることが確認された。また、イノシトールと高甘味度甘味料とを併用することで、酸味のマスキング効果が向上することが確認された。
本発明は、食品の酸味のマスキングに利用でき、特に、HMペクチンをゲル化させるために使用する酸味料組成物及びこれを用いたゲル状食品、清涼飲料水や冷菓等の酸味調整、食品添加物として使用されるpH調整剤等に利用できる。
Claims (11)
- pH6.0以下の液状の酸味料組成物であって、
酸とmyo−イノシトールを含有し、
前記myo−イノシトールの濃度が0.8〜2.0質量%であることを特徴とする、組成物。 - pH6.0以下の液状の酸味料組成物であって、
酸とmyo−イノシトールと高甘味度甘味料とを含有し、
前記myo−イノシトールの濃度が0.1〜2.0質量%であり、
前記高甘味度甘味料の濃度が0.04〜0.67質量%であることを特徴とする、酸味料組成物。 - HMペクチンと、
請求項1または2に記載の酸味料組成物とを含有する、食品。 - pH6.0以下の清涼飲料水であって、
酸とmyo−イノシトールとを含有し、
前記myo−イノシトールの濃度が0.8〜2.0質量%であることを特徴とする、清涼飲料水。 - pH6.0以下の清涼飲料水であって、
酸とmyo−イノシトールと高甘味度甘味料とを含有し、
前記myo−イノシトールの濃度が0.1〜2.0質量%であり、
前記高甘味度甘味料の濃度が0.04〜0.67質量%であることを特徴とする、酸味料組成物。 - 酸味のマスキング方法であって、
酸1質量部に対して、myo−イノシトールを0.8〜250質量部配合することを特徴とする、酸味のマスキング方法。 - 酸味のマスキング方法であって、
酸1質量部に対して、myo−イノシトールを0.13〜2.5質量部と、高甘味度甘味料を0.067〜1.0質量部配合することを特徴とする、酸味のマスキング方法。 - pH調整剤であって、
酸とmyo−イノシトールとを含有し、
酸1質量部に対するmyo−イノシトールの配合量が0.8〜250質量部であることを特徴とする、pH調整剤。 - pH調整剤であって、
酸とmyo−イノシトールと高甘味度甘味料とを含有し、
酸1質量部に対するmyo−イノシトールの配合量が0.13〜250質量部であり、酸1質量部に対する高甘味度甘味料の配合量が0.067〜1.0質量部以上であることを特徴とする、pH調整剤。 - 粉末状であることを特徴とする、請求項9または10に記載のpH調整剤。
- 液状であることを特徴とする、請求項9または10に記載のpH調整剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015222245 | 2015-11-12 | ||
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110150529A (zh) * | 2019-06-13 | 2019-08-23 | 四川博浩达生物科技有限公司 | 一种用于酸涩果汁的复合甜味剂及其制备方法 |
JP2020014457A (ja) * | 2018-07-13 | 2020-01-30 | 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 | 酢酸ナトリウム用呈味改善剤 |
US11898184B2 (en) | 2017-09-07 | 2024-02-13 | Sweet Sense Inc. | Low glycemic sugar composition |
-
2016
- 2016-11-14 JP JP2016221745A patent/JP2017093428A/ja active Pending
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